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説明員(
山本豐君)
補正予算の編成は、約二週間ばかり前から話がございまして、
水産庁といたしましては、早急に在来から
考えておりまするものをいろいろと急いで組みました。
農林省内部の会計課長のところの査定を終えまして、省議に持出す前には、非常にこの五ポイント
計画等につきましては、
補正予算といたしましては厖大な
数字になりまするので、省内でもいろいろと議論があ
つたのであります。そこで我々といたしましても、非常にまあ苦慮したのでありまするが、大体の話の進め方を……この五ポイント
計画の問題は、
金額も
相当に張りまするけれ
ども、
水産庁としましては、もう背水の陣で実は
考えておるのである。
従つてこれはまあいろいろと内容の構想についてはまだ未熟な点も少なくなかろうとは思いますが、いろいろ政策的な意味におきまして、これ以上に我々としましては静観するわけには参らないのだというので、この五ポイントの
関係だけを実は別扱いにして頂きまして、これを除きました。
先ほど委員長が申されましたような、この前の
法律通過に伴う、これはまあ普通の場合ならば当然見られてよいはずの
予算、これらが四、五件あ
つたのでありますが、これらも若干の削減を食い、又ものによ
つては省議のときまで認められなかつたものを省議で主張して若干通つたものもありますが、大体先ず省議の空気としては、我々の希望のところは大体この
法律施行に伴う
予算といたしまして認めてもらつた次第であります。それから次に、例えば真珠養殖事業でありますとか、或いは
水産研究所の
予算でありますとかというふうなものは、これも極く補正でございまして、暫定的なものだけでございまするので、これも当初の
要求よりは減りましたけれ
ども、大体にまあ通過を見たのであります。
漁船保険
特別会計の
予算は、これはなかなか本省としましては、
大蔵省に持
つて行
つても困難だろうというふうなわけで、最後まで渋られたのでありますが、当初五千万円一般会計からの繰入の
要求のやつを取りあえず三千万円までに削られましたけれ
ども、これも、最後にとにかく
大蔵省まで繋ぐという意味で入れてもら
つたのであります。
かようにして大体こまごました
予算、特に漁船船員の養成事業のやつは、これはまあ重要だと思うのでありまするが、大体におきましてこれもこの前の
法律改正に伴う
予算でございますので、それらの問題は大体片を付けまして、最後にこの五ポイントのこの表で御覧になりますと、大体6と7の事項でございますが、これを最後まで残しまして、
官房長のところで、会計課長等を入れまして、初めは次官も来るということであ
つたのでありますが、次官が差障りがございまして、
官房長を中心に縷々
説明いたしまして、とにかくこれは
重点予算だからというので、大体これはこちらの
要望通りの
数字を、さしたる査定も加えずに、とにかく省議決定にな
つたのであります。問題はまあ今後に残
つておるわけであります。実は一昨日
大蔵省に対する
水産庁の
補正予算の
説明がございまして、そこでこれの一連の
予算を大蔵当局の佐竹主計官以下に御
説明をいたしたのであります。
農林省全体としての
大蔵省に対する
補正予算の
説明は、一昨日を以て終
つたのでありますが、この査定はいつ頃になりますか、
只今のところわからないのでありますが、経過は大体以上の
通りであります。
予算の
項目によりまして、ほんの一言ぐらいずつ附加えて申しますると、第一の漁業制度の改革の
予算でありますが、これの内容をなしますものは、御
承知のように、漁業制度改革の中心機関でありまするので、各県の海区
調整委員会、或いは漁業権補償
委員会という、いろいろ
委員会がございますが、それらの実は委員の手当なり或いは旅費なりというものが非常に少いのでありまして、これは一例を申しますると、海区
調整委員会の
予算は、大体農地
委員会等と比べますると約半分くらいだ
つたのであります。尤も農地
委員会も、本年に入りまして諸種の
関係で約半分に切下げられたのでありまするが、併し農地
委員会は仕事は下火に
なつて参
つておるのにかかわらず、こちらのほうはむしろ最盛期、更に又今後もう一年くらいはいろいろ問題が多いのであります。殊に
地方におきまして、この五ポイントの小型の整備をやるというふうなところにおきましては、やはりこの海区
調整委員会が二重の会合を持たなきやならんというふうな点もございまするので、これらのいわゆる手当或いは旅費というようなものを、大体この倍くらいにしてくれという
要求を出したのであります。その結果は、倍にはならなか
つたのでありますが、約
要求の三分の一か二くらいのところに落ちついたのでありますが、そういう費用と同様に、
府県の職員の手当というふうなものも、寒冷地手当とか石炭手当というふうなものは殖やして頂いたのであります。それが
一つと、もう
一つは、これは
法律に
関係があるのでありますが、例の有明海の
調整事務局ができるわけでありますが、それの六人ばかりの人の費用と、それに伴う事務費、これは
法律に伴う当然の事柄で承りますが、それらが大体この漁業制度改革の主な内容をなしておるのであります。次に
水産業の
協同組合の指導監督でありますが、これも前回にお蔭によりまして、農業
協同組合と同様に、いわゆる常例検査ができるということに相成
つておるのであります。この常例検査をするのに、人が一人もいない、又出張旅費もない、こういう現状でありますが、これに必要な人の補充並びにその旅費とか事務費を、この
水産業協同組合の指導監督の費用として
要求いたしたのであります。第三は、これは前
国会で通過を見ました漁業
協同組合の再建整備の
関係でありますが、これは補給金と若干の事務費でありまして、これはすべて農業
協同組合と歩調を一にいたしまして向うの計算と同様の計算で
要求をいたしておるものであります。
それから第四の、漁船の管理及び改善でありますが、これは御
承知のように漁船法の改正によりまして、登録の確認をするとか、或いは
建造の許可をするというふうな点が
変つて参つておるのでありますが、それに伴う費用を今までも
要求したのでありますが、なかなか認められない。そこで最小額のものをこの機会に
要求したいというので出したのであります。それから五の漁船乗組員養成事業でありますが、これは船舶職員法の改正が先般ございまして、漁業
関係におきましては、約三カ年の間に三万人
程度の養成をいたさなければならん、それをいたしませんと、免状を剥奪されるというふうな問題を起こす懸念のある事項でございまして、
水産庁といたしましては、特にこれを必要といたしまして、大体これは当初から
農林省としては認めてくれた問題であります。それから六、七が、小型並びにその他の五ポイントによります減船整理並びにその取締
関係の
予算であります。この六の一は、主として瀬戸内海、伊勢湾その他の内海におきまする小型底曳の整理であります。これの方法といたしましては、大体大筋は
買上げをいたしまして、それを築磯にこれを無償で交付する、或いは又或るものはこれを
買上げいたしまして、県の取締船或いは指導船に売却する。或るものは運搬船、或いはその他漁法に適合する船に改造する。改造する費用の補助、こういうような構想で一応
考えておるのであります。それらに要する費用であります。それから次のバツチ網漁業整備の問題でありますが、これは例の差当
つては広島県に、あそこに約百五十トンばかりあるのであります。これが満洲からの大体引揚民が主としてや
つておるのでありますが、これを他の漁法に転換する、こういうことで大体もう半年ほど前からあそこの海区
調整委員会で一案を作りまして、それを実施に移さんばかりの
準備ができておるのであります。それの転換に伴う
予算であります。三の
水産資源維持培養、これは名目はこう
なつておりますが、実は「さんま」のいわゆる今度漁期に入りますが、取締に伴う
調査費その他船の費用であります。七は漁業取締指導監督に関する経費でございます。これは
二つに分けて、
一つは小型船の取締り、
一つは沖合の、以東その他の沖合の取締り、この
二つを
考えたのであります。一の小型の取締の問題は、非常にこれは重要でありますので、全部新船
建造で参りたい、こういうふうに
考えておるのであります。大体毎年五隻ぐらいずつで、三カ年
程度で十五隻ぐらいのものを完成したい。こういう
考え方で、これは当初
年度の
予算でありますが、それでも一億六千万円
要求いたしたのであります。沖合漁業の取締、
調整の取締船は、これも初めは当初
予算では新造で
考えてお
つたのであります。
従つて二、三億かかるのでありますが、それをいろいろ小型との
関係もあり、これもあれもというわけにも参らんと存じまして、これは会計課のところでいろいろ
相談がありましたために、これのみは傭船に切換えて、
従つて金額としては二千八百万円ぐらいに
なつておるのであります。真珠養殖事業、これは
只今衆議院で審議中の例の真珠業法の実施に伴う
予算であります。九の海産物商品取引所は、これは北海道に今度取引所が二カ所できました。それの指導監督に要する費用であります。十の漁業協定体制の確立、これは御
承知のようにダレス、吉田書簡の交換にございまする講和条約ができますると、すぐ前後して漁業協定問題が表面に出て参ると思うのでありまして、その際にやはりこの漁業協定の
委員会というものを作りまして、そこでいろいろと各業態別のいろいろ
調査なり又対策を立てなければならん。現在もまがりなりなものはや
つておりまするが、いよいよ実施段階に入りまするので、その体制を整えたいという意味で委員の手当その他の若干の
資料の取りまとめをする費用であります。
十一は国際捕鯨条約加入の問題、今年現に国際捕鯨
委員会には代表を出したのでありますが、これに伴ういろいろ
資料固め、又その印刷費とかいろいろ
相当にかか
つたのでありまするが、それらのまあ穴埋めをいたしてもらいたい。又今後も引続いて必要があるというので、
補正予算としましては、百万円
程度を
要求いたしておるのであります。
水産研究所は、これは主に台風その他でやられました災害に伴う営繕の復旧費であります。北海道の
水産孵化場の費用は、これは今回北海道に約十カ所孵化場を殖やしまして、それの
融資を
地方銀行からや
つたのでありますが、その
融資をやりました分の、国が直接孵化事業をやりまするための事務費であります。十四の漁船保険
特別会計並びに
特別会計の漁船保険
特別会計、この
二つは
先ほど申上げましたような保険
関係の
予算であります。簡單でございますけれ
ども、大体以上であります。