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1951-05-22 第10回国会 参議院 人事委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十二日(火曜日)    午後二時四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国家公務員給與問題に関する調査  の件  (給與問題に関する件)  (地域給に関する件)   —————————————
  2. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それでは委員会を開きます。  本日は国家公務員給與問題に関する調査であります。政府委員内閣官房長官菅野君、それから人事院瀧本給與局長説明員として大蔵省主計局給與課小島一郎君、これだけであります。
  3. 千葉信

    千葉信君 順序として人事院当局に対して御質問申上げます。御承知通りに、本院における電気通信委員会或いは郵政委員会等におきまして、現業官庁における職員特別俸給表策定の問題が相当論議され、日程に上つて来ておるようでございまするが、私ども人事委員会におきましても、この問題については従来しばしば問題になつたところでもありますし、申上げるまでもなく、現在の郵政電通職員待遇状況を見ますると、單に俸給表だけの問題ではなく、その他にも種々の問題があるようではありまするけれども、併し何と言つてもその職種が全く専門的な知識、技能を必要とする仕事であるばかりでなく、現業官庁であるという立場から、個々の従業員諸君が他の官庁にその比を見ない程度に直接の責任を常に負担しておるという状態もかなりあるようでありまするし、更に又現業の特殊な条件としては深夜業或いは夜間勤務等、かなりその勤務条件というものも他の職種の場合と異なつ部分が多いようでありまするし、この際私どもとしてはこれらの諸君に対する給與の問題を解決する一環として、特別俸給表をこれらの職員諸君に対して適用する必要がどうしてもあるというふうに結論を出しておるわけでございますが、人事院当局としてはこれらの問題に対してどういう御見解を現在持たれており、更に若しその必要を痛感されて作業が進められておるとするならば、どの程度にその作業が進捗しているのか、又更にもつと具体的には、近く給與ベースに関する勧告が恐らく人事院当局としても早急にこれをやらなければならない立場にあると思われまするが、その場合に人事院当局としては電通郵政関係職員に対する特別俸給表設定について勧告をされる御用意を持つておられるかどうか、これらの点についてできるだけ具体的な御答弁をお願いしたいと思います。
  4. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 郵政電通特別俸給表の問題につきましては、過日やはり同様の問題で参議院郵政並びに電通委員会に呼出しを受けまして同様な趣旨質問を受けたのであります。まだ人事院といたしましては、給與局におきまして作業をいたしておるという段階でございまして、人事院としての正式決定をいたしておりません。従いまして、はつきりしたことは現在のところ申上げかねる段階であります。併しながら給與局におきましては、やはり給與行政を合理化するという建前から、今千葉さんのお話になりましたことは誠に御尤もな点でございまするので、もとよりそのように考えておるのであります。で、むしろこの問題は郵政並びに電通人事当局と密接な連繋をいたしまして、共同作業のごとき形態をもちまして研究を進めておると申上げたほうが適当かと思います。なお郵政並びに電通現業職員組合のほうからもいろいろ我々話を聞いておるのであります。事務当局のほう並びに組合のほうからもいろいろお話を承わつて参つております。お話を承わるだけでなしに、人事院としてもこの問題については当然作業を進めておるのでありまして、直ちに特別俸給表設定するのがいいかどうかという点につきましては、まだまだ問題があると思うのであります。趣旨には全く反対の気持はないのであります。問題があると申しまするのは、現在の一般官庁におきまして事務職に従事されておりまする職員の中で、電通或いは郵政と同じような学歴を持つてつて来られてまあ大体同様の職務に従事されておる、同様のと言いましてもいろいろ意味がございましようが、頭打ちというような、ずつと将来に向つて昇進機会が少いような人もおるわけであります。こういう人とのバランスをとるということも相当考えなければならん問題じやないか。若しそういうことであれば、特別俸給表というものを考えなくても、むしろ現在の一般俸給表をもう少し形を変えることによりまして、そういうことは救い得るのではないかというような点について研究をしておるのであります。併しながら又一方国鉄公共企業体なつておりますが、電通或いは郵政というようなものがこれは事業官庁でありまするが、同様の性格があるのでございまするから、そういう面からむしろ考えたほうがいいのではないかという考え方も勿論あるわけであります。いずれにいたしましても、この郵政電通職員一般現業における職員が直接責任を持つておられるというようなこと、又勤務態様一般官庁非現業職員と非常に趣を異にしておるというような点から、これはやはりそれに適したようなこの勤務態様を考え、なお且つ俸給表を考える必要があるということは勿論申上げるまでもないのであります。現在はそのことにつきまして作業を進めておる。我々はこの問題は給與準則を作ります際には当然解決される問題であるというふうに思つております。併しながら給與準則ということになりますというと、やはり又どうしましてもいろいろ問題がありまして、それの実施に移されます問題というのは、ここ一月や二月の問題ではございませんので、そのときには勿論考えるわけでございまするけれども、その以前におきましても給與ベース勧告というような機会がありまするならば、そういう機会にでき得るだけこういう問題を考えて行く。併し何もこれは郵政電通に限つたことではないのであります。例えば教育職員等につきましても、やはり現在は一般俸給表が適用されておりますが、相当不都合があるのではないかというようなことも考えておるのでございまして、併せて考えて行くということで現在準備を進めております。
  5. 千葉信

    千葉信君 この問題についてはなおいろいろお尋ねしたいこともあるのでありまするが、いろいろのことで質問を一応保留して次の問題に入りたいと思います。
  6. 加藤武徳

    加藤武徳君 只今千葉君の質問と若干関連がありまする問題を質問いたしたいと思います。只今千葉君の御質問電通その他の企業団体における現業職員に対しまする特別俸給表設定につきましては、私もたびたび従業員組合諸君その他から意見を聞いておりまして、他の非現業一般職員とは相当異なつ性格を持つておるということは十分了承できるのでありまするが、この特別俸給表設定の前に、私幸い官房長官の御出席なんで、若し御承知なら伺いたいという工合に考えるのでありますが、鉄道の公共企業体と同じように、この事業官庁公共企業体に切替えられるための研究政府内部において進められておりまするかどうか。この点が若しおわかりなら御答弁を願いたい。
  7. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) お答え申上げます。通信特別会計人たちに対しまして、給與の問題をもつと根本的に事業官庁であるところの郵政電通仕事を今の国鉄のように公共企業体にすることについてどういうふうに考えているかという御質問でございますが、この点につきましては、その組織替えをする得失、或いはどういう形にするかというようなことについて研究はいたしております。殊に電通関係仕事はこれは諸外国にも例がございますし、最も公共企業体にするのに適当しておるように思われますので、この点については研究をいたしておりますが、目下のところまだこれをいつ実現するとか、或いは必ずそういうふうにするというような結論には達しておりませんが、研究はいたしております。
  8. 加藤武徳

    加藤武徳君 了解いたしました。
  9. 千葉信

    千葉信君 只今加藤君の御質問の問題については、従来もこれは電気通信委員会でしばしば問題になつたところでありまして、電通郵政両省に分離いたしました最初の狙いというものも所詮は電気通信省関係仕事公共企業体に切替えて行こうという伏線のように考えられる。更に又次の段階としてはこれらの採算上有利な事業、それから軍事的な問題から言つても非常に重要な地位を占める電気通信事業を、将来においては民営事業に持つて行こうというような伏線さえももつて計画されて、着々その面に現在進行しつつあるような印象を與えているという点について、いろいろその当否が電気通信委員会でも論議されたのでありますが、この問題については私も今この問題を掘下げてこれをやるということは、他の重大な問題からの関連において考慮を拂わなければならない問題だと思いますが、これらの問題については特別俸給表の問題に関連して他の機会にこれに対する御質問を申上げることにして、先に官房長官から御答弁がありましたから、更に私から長官に対して次の問題について御質問申上げたいと思います。  本月の十一日の本会議におきまして、地域給の問題についての私の緊急質問に答えて、岡崎官房長官から政府としては人事院から勧告がありましたならば、これを審査いたしまして、できるだけ早い機会に、間に合えば本国会法律案提出をいたしたいと考えておりますという、こういう御答弁がございました。ところが御承知通り人事院からは十七日に勧告案国会並びに政府提出されてございまするし、而も御承知通りこの国会は一応本月の二十八日までということになつております。あともう残すところ本日を除いてはやつと五日くらいしか審議期間が残つておらんはずであります。承わるところによりますと、まだ政府としてはいつ地域給の法案を提出できるかどうかということの見通しが付かないというようないろいろな憶測が流布されておるようでございますが、この法律案提出される時期なり、若しくは遅延されておる理由等について、できるだけこの機会に明らかにされるような御答弁を承わりたいと思います。
  10. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 本月の十一日の参議院の本会議におきまして、官房長官緊急質問にお答え申上げたのはその通りでございまして、政府といたしましてはそのお答えに副つて努力しておるような次第でございます。十七日に人事院の方から意見提出内閣及び国会に参りまして、政府はその日開かれておりました次官会議に直ぐそれをかけまして、検討をいたしまして、翌十八日の金曜日の定例閣議にこれを提出いたしまして、直ちにこれを法律案として提出する決心をいたしまして、その後所要手続をとつておるわけでございまして、今日でも手続が終り次第出すような準備をいたしまして、すつかり印刷或いはその他の準備は済んでおるのでございますが、何分にも所要手続が進みませんので、誠に遅くなつて申訳ないと遺憾に存じておる次第でございます。従いまして、これがいつになるというようなことははつきり申上げることはできないのでございまするが、私ども気持といたしましては、今日でも直ぐに手続が終りましたならば直ぐに両院に出したい。少くとも今日は駄目ならば明日あたりはできるのじやないか、こういうふうに希望的観測を持つておりますが、ここで以て明日とか明後日とかいうことを確実にお約束して申上げるわけには行かないことを御了承願いたいと思います。
  11. 千葉信

    千葉信君 重ねてお尋ねいたしますが、私の今御質問申上げた部分にもありましたように、その遅延いたしておりまする理由がどういう理由か、若し記録その他が障害になるとすれば記録をとめても結構でございますから、どういう理由でそう手続が面倒になつておるのか、その点をこの際できるだけ明白に承わりたいと思います。
  12. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) これは法律案政府提出いたしますについての所要手続でございまして、主として関係方面の了承を得ることが遅れておるということでございまして、而もこれは内部のことは詳しくは存じませんが、予算というか、その所要の経費のほうの関係検討をされておるように承わつておりますが、それをできるだけ早くして頂くように毎日のように実はこちらから参りまして催促いたしておるような次第であります。これが来次第提出する、こういうふうに準備して待つておるような次第でございます。
  13. 千葉信

    千葉信君 官房長官がおつしやつておられる手続という問題の中に、私どもいろいろ承わるところによりますと、どうもその手続を進める上において閣内が一致してこの問題を推進するために努力をしておらないような傾向のいろいろな話も私ども承わつておりまするが、併しこの点については私どもこれ以上その問題についての究明を申上げてもいたし方ございませんので、できるだけ政府としては政府責任において協力してこの問題を一日も早く国会提出できるように御努力をこの際私から特にお願い申上げて置く次第でございまして、更に次の質問に入りたいと思います。  御承知通り政府の出そうとしておる法律案については、恐らく閣議その他において人事院から予算関係その他で空白で出されておる実施の時期についてのお話合いがあつたと思いまするが、その点については閣内においていつからこれを実施するというお考えで現在決定をされておるか、その点を承わりたいと思います。それから私どもこの地域給の問題については、現在政府がやつておりまする暫定措置としての五分減という案の支給の率から、場合によつて人事院当局勧告なり、若しくは又政府実施しようとする法律案なりが下廻るような条件が出されておるかどうか、或いは結果として国会において同様な結論が出された場合には、どうしても実際給與されておるものの返納を命じなければならないという立場から、遡つて実施は困難であろう、こう考えておりましたけれども、今度はそういう条件が解消しておるようでございまするし、更に又地域給に関する限りは昨年の十二月の法律の制定によりまして、明らかに公務員諸君は不利益な待遇を受けておるということがはつきり言えると思うのであります。従いましてそういう不利な条件というものをこの際救済するためにも、できるだけ新年度、即ち二十六年度の新年度の四月一日に遡つて実施することが至当だというふうに私ども考えておりまするが、この点についての政府の御見解を伺いたいと思います。
  14. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) お答え申上げます。只今政府で以て考えておりまする地域給の区分に関する法律の案におきましては、六月一日より実施というような案になつております。人事院意見書におきましては、御承知通り何月一日よりというその月の部分がブランクになつておりまして、法律の案の中には実施期日は書いてございませんが、政府は各方面から検討いたしまして、これを六月一日より実施ということに一応案を立てたわけでございます。只今この四月から遡つてやるべきではないかというようなお話がございましたが、人事院意見書に附いております法律の案の中にも、施行するというふうに書いてございまして、適用するとか何とかというふうな、つまり遡つて適用するというような意向は全然見えませんし、又かような地域給のことでございまするので、一旦きめましたものを、一旦支給いたしましたものに追給その他というようなことは、転勤その他の場合も考えられますし、如何かと存じまして、この法律案が通過するであろう一番早い時期、即ち六月一日より実施というふうに案を立てたのでございまして、これより早くはできないだろうと思うのでございます。遡つてやるような意思は今のところございません。
  15. 千葉信

    千葉信君 次に公団の職員等に対する退職金の問題についての質問を通告してございましたが、大蔵省当局のほうから係官がお見えになつておりませんので、その問題については私は今日は留保いたします。
  16. 木下源吾

    委員長木下源吾君) その他給與局長やら官房長官に何かお尋ねになることはありませんか。別に御質問がなければ、これで本日は散会いたします。    午後二時二十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 源吾君    理事            加藤 武徳君            千葉  信君    委員            大谷 瑩潤君            森崎  隆君            小野  哲君            紅露 みつ君   政府委員    内閣官房長官 菅野 義丸君    人事院事務総局    給與局長    瀧本 忠男君   事務局側    常任委員会專門    員       川島 孝彦君    常任委員会專門    員       熊埜御堂定