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1951-02-02 第10回国会 参議院 人事委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二日(金曜日)    午前十一時十五分開会   —————————————   委員の異動 十二月十六日委員瀧井治三郎辞任に つき、その補欠として草葉隆圓君を議 長において指名した。 一月十九日委員石原幹市郎君及び平岡 市三君辞任につき、その補欠として森 田豊壽君及び西川甚五郎君を議長にお いて指名した。 二月一日委員岡部常君及び早川愼一君 辞任につき、その補欠として西田天香 君及び川上嘉市君を議長において指名 した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国家公務員給與問題に関する調査  の件  (給與法改正後の状況及び政府の措  置に関する件)   —————————————
  2. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それではこれから委員会を開きます。  政府委員人事院給與局長、それから大蔵省の給與課長はすぐ見えるそうであります。なお要求しておつたの官房長官総裁ですが、総裁官房長官今本会議又は衆諸院の予算委員会に出ておるそうでありますから、適当なときに来てもらうことにいたします。  本日の議題は、国家公務員給與問題に関する調査並びに請願六件、陳情一件であります。報告はございません。
  3. 千葉信

    千葉信君 休会前の国会で通過いたしました給與法の建前から言いましても、新らしくとられる地域給改訂については、これは人事院から附則第六の別表国会並びに政府提出されるのを待つて決定するということになつておりまして、私どもできるだけ早い機会にこれが提出されるように、かねがね委員会においても人事院当局に要望して参つたところでございますが、この問題につきましては、昨年の十一月法案提出当時におきまして、参議院の人事委員会において、なぜ地域給に関してだけ当分の間暫定措置をとるようにしたかという原案についての私の質問に対して、内閣官房長官のほうから、人事院のほうから附則第六の別表提出されなかつたために、政府としては如何ともしがたかつた従つて政府は、人事院のこれが提出を待つてできるだけ早期にこれを実施する意向である。こういう答弁があつたのでございます。従つてこの問題の決定が遅延いたしましたということは、当時のこの質疑応答の中からも、明らかに人事院当局責任ということになつておるわけでございまして、私ども地域給決定というものが従来遷延いたしました経過から見ても、こういう給與改訂というものは、給與全体の実績という点から、給與総体金額という点から考えましても、個別的な改訂を避けて、全体の立場からやる必要があるという意味からいいますと、地域給改訂の遅れたということは、大きな困難が招来される慮れがあるという立場から、私はこういう今度のような地域給に関する問題の解決が遅延しているということに非常に不満を持つているわけでございます。私ども最初憂慮いたしましたように、この地域給改訂が遅れているということのために相当大きな混乱が起りつつある。これは勿論地方からいろいろ陳情請願等が参つておりまするというだけではなく、大体においてその基礎となるものが、各地域における消費者価格基礎としておるという関係から、これはもう絶えずいろいろな変動物価の上に起つて来ておる。特に最近のような朝鮮事変影響を激しく受けている地域などにおきましては、これらに対する適切な措置というものは、常に或る程度、我々としては十分な考慮を拂つて行かなければならないと同時に、又これらの地域に対しては、決定前に或る程度措置をとらなければならないということは、これは明らかなことですけれども、併し地域給全体の考えから言つて、最もいい結論を出すために、愼重態度をとつて決定するという考え方もありましようけれども、併しながら問題自体が絶えず変動する。こういう地域差或いは物価差というものを仮に正確に捉えたとしても、やはり次には或る程度変動が起つて来る、こういう点から言いますと、いつまでも各地域物価差というものは絶えず起つているという立場から、一定の時期にこういう問題についてはやはり結論を出して、そうしてその後に起つて来るいろいろな状態に対しては、更に次の機会にその問題に対処する、こういう形で行く以外に途はないと思うのです。従つてこういう点から言いましても、正確な最もいい結論を出すためにという理由で、地域給改訂といものをそう長く延ばすということは、その点においては私はとるべき方策ではない。こういうふうに考えておるのですが、一体人事院としては、相当地域給に関する勧告が遅れておるようでございますが、いつ頃、これに対して勧告を行う見込みであるか。それから又どうしてこういうふうに遅れているか。遅れているということについては、前には、臨時国会開催以前に出すというような意向人事院のほうにございましたし、それから又臨時国会当時において私が質問いたしましたときには、山下人事官から、本年中には提出する、こういうことを言われておりました。それが更に遅延して一月中旬に私がこの問題について人事院当局に非公式に要望いたしましたときには、一月の下旬までには提出する。それが更にこの旬日の状況を見ますと、いつになるかわからない。大体二月中旬というようなことでございますが、いつになるかわからないという形の答弁でございました。明確に何日頃までに出せるということについてはまだ答弁がなかつた。一体いつ頃この勧告をなすおつもりであるか。遅延した理由とその見通しを先ず最初に承わりたいと思います。
  4. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 只今千葉委員の御質問にお答え申上げます。人事院といたしましては、地域給に関して持つております根本的な資料といたしましては、只今指摘がありましたように、一昨年の五月、一昨年の十一月並びに昨年の五月の特別CPSというものがあるわけであります。かねて地域給改訂基準等につきまして御説明申上げておりますように、この三つの特別CPSというものを中心にいたしまして、府県から提出されております希望順位表というものを、組合せておるという大原則は申上げておるわけであります。併しながら先ほど指摘がございましたように、我々は本当は地域給は早くやりたかつた。本年の一月以降というようなことでなく、我々が行なつた勧告が採用せられまして、それと同時に地域給改訂されるということを当初から希望しておつたのであります。併しながら実際の問題といたしましては、給與ベース改訂も非常に遅れて、而も又それが必ずしも人事院最初勧告いたしました通りにはならなかつたのであります。そういうことで給與改訂人事院の思つたように行かなかつたために、従いまして全体として我々が統一した給與体系の一環として地域給の問題を考えておつたのでありますから、そういう人事院勧告通り等級表が設定せられなかつたことのために、これ又調整を要するという問題が起るわけであります。又先ほど指摘がありましたように、昨年五月以降におきまして相当経済状況変動いたしておるのであります。もとより我々は特別CPSをその後において期待することはできないのでありますけれども、併しながらできるだけその後における状況変化、全体的の状況変化というよりも、むしろ地域間の相当変動特需景気というものがどういうような影響があるかということにつき寒して、やはり相当検討を要するという問題が現在起つております。従いまして我々にはもはやその調査に勿論着手いたしておりますが、まだそういう問題について結論を得ていないという状況でございまして、それが遅れております第一点の理由であります。  なお本年の一月から俸給表が改正されまして、そうしてとにもかくにも従来は地域給が三割であつたのが二割五分、二割であつたのが一割五分、一割は五分という線で実施されておるのであります。一月もその基準給與の支拂を受けておるという事実があるのでございます。給與ベース改訂と同時に、地域給改訂ということがなされたのでありますならば、問題は或いはそれほどでなかつたというふうに考えるのでありますけれども、とにかく一度実施されまして、それを今度は改訂するということは、上げ下げするということでありますが、上げることはいいといたしましても、下げるということになつて参りますと、これはやはり切下げるということが一応問題になるのであります。これは非常に困難な問題であろうと思うのでございます。給與ースが本当に高いのでありますならば、それは切下げるという、地域給に関する限り切下げるということは、全体を是正するという意味におきましてはそれほど問題にならないかと思うのでありますけれども改訂された給與ベースというものは、やはり現在において十分な、十二分なものであるというふうにはなかなか行かないと思うのであります。従いまして仮に少しでも引下げるということになりますと、やはりこれは引下げられる側から申しますならば、相当これは問題である。従いまして地域給の問題は、我々が勧告をいたしました当時、又昨年の十二月三十一日現在における事情、今日における事情というものは、相当変化しておるというふうに我々考えるのであります。もとより人事院がやりますことは、正確なる資料に基きましてやらなければならないのでありますけれども、併しながらそうとは申してもやはり給與政策上或る程度考え余地というものがあるのではないか。例えば個々の地域についてどうするこうするという問題ではありませんが、併し全体として考え余地があるのではないかというようなことが問題になつておりまして、只今人事院におきましては、そういう点を愼重検討をいたしております。大体の結論は勿論得ておるのでありますけれども只今申上げましたような点がまだ未解決でありまして、かようなことのために現在提出が遅れておる状況であります。  従いまして時期等につきましても、事務的に我々が過去におきまして見通しというものを申上げたのでありますけれども、現在におきましては、只今申上げたような状況で、愼重検討しておるようなわけで、提出の時期がいつ頃になるかというお尋ねに対しまして、私から明確に時期というものを、或いはほぼいつ頃になるかという時期を想像してお答え申上げることがちよつとできませんのであります。
  5. 千葉信

    千葉信君 只今の御答弁は甚だ私は不満足であります。先ず第一に、特別CPSその他を基礎として、而もなお且つ昨年の五月以降におけるいろいろな物価変動というような問題は、これはまあ具体的に起つておりますので、その点について十分な調査研究をおとりになろうとしておられ、又更に具体的にはいろいろ各地方に対して調査をされておるということでございますが、そういう点についても、私いささか人事院当局としては非常に怠慢に過ぎるのではないか、勿論これは人事院自体として十分に科学的な結論を得たいという態度については、私も十分同感でございますけれども、それにしてもなお且つ遅れ過ぎておる。こういう問題については、どこまでもこの問題を正確に追及するということになりますと、際限がないのじやないか。例でば現在の段階においていろいろ調査されておりますことも、更に又先ほど申上げたように、朝鮮の動乱による影響というものも、やはりこれは或る程度どしどし拡大して行つたりする傾向が相当に濃厚だ。こういう点になりますと、今のその調査研究が延びておるということが、更に又次の地域に対する調査の問題も伴いましようし、又現在調査しました地域においても、やはり或る程度変動を見なければならない。こういう点からいたしまして、私は或る程度一定の時期にエポツクを画して、そうしてそれを起点としてこういう問題は決定されなければならない。そういう点から言いますと、人事院当局考え方としては、私は否定するものではありませんけれども、そう無制限にいつまでも調査研究しておるということは、逆に言いますと、そういう理由に籍口してこの問題を無制限に遷延せしめる意図を持つているのではないかというふうにさえ私ども考えざるを得ない。  それからもう一つ、その問題に関連して、先ほどお話の中に、現在の給與自体水準というものは非常に低いと、従つてこれは人事院当局の当初勧告したものよりも遥かに低い水準であるから、そういう水準の低い中で、地域給の問題だけについて、こういう個個の給與の問題についてだけ、切離して考えるわけには行かない。従つて地域給問題等にしても、そういう立場から言いますと、十二月の末日までに決定され得たものならばともかく、もうすでに具体的には、一月に入つてからは、現実の問題として二割五分、或いは一割五分、五分というふうに支給が開始されておる。こういう状態の中で、人事院考え水準に行かなかつた給與全体のバランスから言うと、もうこういう地域給実績というものについては、この地域給を含む給與自身が低いものであるから、これから更に人事院としては、或る程度その実績を下廻るような決定をなされるような地域に対しては、十分考慮しなければならない。これは勿論そうだろうと思います。勿論そうだろうと思いますけれども、併しなぜこういうふうに問題がこじれるような形に発展したか。これは先ほども申上げたように、若し人事院地域給の問題についてもつと迅速に結論を出して、そうして国会或いは又政府勧告すれば、こういうふうな実績云々の問題は起らなかつた。勿論地域給の問題だけを切離して考えればそうなりますけれども、仮に休会以前の国会において、給與問題が一応の決定をいたしました当時においてこの問題が決定しておれば、今給與局長が言われたような実績を下廻るとか、或いは既得権をどうするとかいうような問題は起らなかつたはずなんです。それが今日に及んでしまつたために、こういうふうに実績を下廻る、或いは既得権を侵すような形になつてしまつたから、人事院はその点についても考慮しなければならんと、こういうふうなお話でございますが、併しこの点についてはいろいろ意見もありましようけれども、一応人事院当局として八千五十八円のベース勧告したと、併しその八千五十八円ベースは実現しなかつたとは言うものの、残されている地域給の問題については、やはり八千五十八円のベース勧告したときと同様な考え方というものが、人事院当局としては給與体系に対してあろうかと思うのです。つまり人事院当局としては、政府が今度出しましたところの、そうして通過しましたところのいわゆる平均賃金の八千円という問題については、やはり人事院当局の基本的な態度としては、これに反対という態度が堅持されなければならない。人事院当局としては、どこまでも八千五十八円の人事院勧告した体系によるところの賃金で行くことが正しいという態度を現在においてもとつてもらうことが必要である。そういう点から言いますと、私はやはり今度の問題についても、人事院当局実績云々の問題は一応抜きにして、そうして八千五十八円ベース勧告した当時の地域給に対する考え方というものを、今でもやはり堅持してもらう必要がある。そういう態度人事院がとつてもらうことが、将来に向つて人事院給與体系考え方或いは賃金ベース水準というものを、最後には或る程度実施するとか、或いは公務員のために獲得することができるという結論に結び付いておる。そういう点から言いまして、人事院既得権云々という点については、真向から反対せざるを得ない。  従つてこの問題に関連してお尋ねしたいことは、通過いたしました給與法の点から言いますと、これは御承知通りに、地域給に関しては一応七百円という計算になつておるようでございます。これに対しまして人事院考えました地域給金額というものは明らかに幅を持つておる。これとは違つた金額で以て考えられておる。こういう点から言いますと、一体人事院で今いろいろ仕事を進めておるようでありますが、この地域給に対する基本的な考え方としては、政府案の七百円というものをそつくりそのまま基礎として地域給別表というものを考えておられるか、それとも又人事院の基本的な態度としての八千五十八円水準における地域給金額基礎として地給域別表というものを計画され、或いは又立案されておるかどうか、この点についてお述べを願いたいと思うのであります。
  6. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) お答えを申上げます。先ほど私が申上げました点につきまして、言葉が足りませんために、私の真意を十分御了解頂かなかつた点があるかと思いまするので、その点を先ず最初に補足さして頂きたいと思います。それは現在一月以降におきまして、二割五分、一割五分、五分という実績が行われておる、これを尊重しなければならんということは申上げたのでありまするけれども、それをそのまま尊重するというようなことは勿論申上げたわけではないのであります。原則といたしましては、八千五十八円べース考えておりまするときの地域給の構想というものに従つて勿論やつておるわけであります。従いましてこの地域給の一人当り平均額というものが、新らしい給與改訂によりますると、七百円といろ程度のことになつておりまするが、我々が考えておりまするものは、これを或る程度上廻るということになるのではないか、そういうふうに思つております。勿論これは現在我々がまだ成案を得ておりませんので、大体のところを申上げる次第であります。
  7. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 御報告しますが、厚生省の大山人事課長尾崎管理課長も見えております。
  8. 千葉信

    千葉信君 只今お話では、地域給の問題に関する結論は、人事院としてまだ出ておらない。従つていつ頃出せるようになるかわからないということでございますが、その問題に関しては、やはり先ほど給與局長から御答弁がありました調査実施現状関係があると思うのです。そういう調査が、応の結論に達しますので、私はそれほどこの結論が長引くはずはないと思う。そういう点から、相当本年に入りましてから各地方に対して人事院調査員を派遣されたということでございますが、一体この調査範囲はどの程度に行われたか、それからまだ調査中、それから調査の完了しておらない地域がどの程度つておるか、この点について御答弁をお願いしたいと思います。
  9. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 本年に入りましで人事院から職員を派遣いたしまして実地調査を行いました部分は相当ございますが、これは全国的というわけではございません。従来我々が案を作つて参ります過程におきまして、どうも我々が手持いたしておりまする資料だけでは判断のつきかねるというようなものが或る程度つたわけでございまするが、こういうものに対してなお具体的な調査を行なつた次第であります。これはそれほど広い範囲ではございませんし、それから実地調査も、只今までに計画いたしましたものは、恐らく今週或いは来週の中頃までには完了いたすであろうというように考えております。併し人事院といたしましては、その実地調査に、そのほか我々が使用し得ますいろいろな資料を各方面から集めまして、そういうものによりましても検討を進めておるわけであります。
  10. 千葉信

    千葉信君 そうしますと、大体遅れても、実地調査その他は来週中頃までには終ると見て、その他のいろいろな資料を取り寄せての調査という点については、これは一体いつ頃までかかるお見込みであるか。これが第一点とそれから只今お話のところで実地調査を行なつたということにつきましては、全国的にやられたわけではないでしようから、主としてどういう地方調査されたか、具体的な地域について御答弁を承わりたいと思います。これが第二点。
  11. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 只今行なつております実地調査は大体来週中頃には完了いたすわけであります。併しながらこの実地調査の結果に基きまして我々が研究いたすという段階がまだ残つておるのであります。  それからその範囲についてというお尋ねでございますが、非常に問題が具体的になりまするので、まだ人事院といたしましては成案を、国会に対しても意見申出をまだいたしておらないような現状にございますので、でき得ますならば、具体的な答弁は保留さして頂きたいと思います。
  12. 千葉信

    千葉信君 その具体的な地域の点については、一応私は只今の御答弁で了承いたしますけれども、その実地調査いたしました地域に対する人事院の今後の研究であるとか、資料による研究等が一体いつ頃までかかるかという程度については、もうそろそろこのあたりに来た。まだそれに対して見通しが立たないということはないと思いますが、一体勧告をいつ出すかという日時の点について、御答弁を要求しても局長立場から無理であろうと思いますが、給與局立場から、そういう問題についての一応の結論を出せる時期というものはいつ頃かということは、私は答弁できると思いますから、御答弁をお願いいたします。
  13. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 事務的に一応の資料が整いましても、人事院といたしましては、人事官会議というものによりまして、ここで十二分の検討が行われるということはすでに御承知通りでございますが、事務的に一応の終了ということにはならんと思うのでありますが、一応の案を得るということは、来週一ぱいくらいにはやはり得られるのではないかと思つております。
  14. 千葉信

    千葉信君 私はこの問題に関連して寒冷地給の問題を想起せざるを得ないのですが、たしか寒冷地給の問題につきましては、従来と同様な暫定措置というものが昨年はとられましたけれども、この際に人事院としては、若し給與改訂がされた場合には、新らしい角度から人事院考えておる寒冷地給支給区分その他についての勧告を改めて行うとか、こういう態度をとりましたことは、先ほども申上げましたように、給與全体の引上げというような時期でなければ、給與実績を割る地域が出ては、これは非常に考慮を要する問題だというのでそういう態度をたしかおとりになつたはずであります。従いましてそういう点から行きましても、今度の地域給の問題は、同様な角度から考えられていた問題だと思います。そういたしますと、先ほど給與局長からお話がありましたように、一月からもうすでに二割五分、一割五分、五分という形において支給されておる地域が、若し今度の地域給改訂の際に減額されるということが起るということになりますと、非常に問題になると思いますので、この点については愼重考える必要があるであろう。この考え方に私は賛成いたします。  従いまして、私は次に申上げたいことは、こういう事態に一体誰が追込んだか。先ほど申上げたように、若し人事院が十二月の給與改訂の際にはつきりとそれ以前の地域給に関する支給区分別表についての勧告を行なつておれば、こんな事態は起らなかつた。而も人事院が荏苒として今日に及んでなお且つ調査研究中であるということに籍口してなそうとしない。そのためにどんなに多くの混乱が起つておるかということについては、これは私が申上げるまでもなく、連日各地方から押寄せて来る、人事院に殺到する請願陳情団のあの混乱振り、或いは必死な請願振りから見てもおわかりになるだろうと思います。こういうように全国的に大きな混乱が起つて参りますと、たとえ本当に科学的な基礎に立つても、これは非常に解決が困難になつて来る。勿論今お話がありましたように、既得権云々ということも当然この問題に附随して起つて来ております。従いましてこういうような状態になりましたことは、これは挙げて人事院責任でございますし、而もなお且つ、そういう責任を痛感しなければならない立場人事院が、今以てなお且つ調査研究中であるとか、或いは又仮に事務当局が一応の成案を出しても、それから又人事官会議にかかる。或いはその筋との折衝が必要になつて来るであろうという考えの上に立つて、延ばしてもこれは当然理由があるのだというお考えを持たれることについては、私はこの際はつきり不満を申上げて置き、早くこの問題を解決する必要があるという立場から、人事院事務操作にいたしましても、人事官会議開催にいたしましても、もつともつと責任を十分に考えられて、積極的にこの仕事の進行を図つて頂きたい。私はこのことを人事院に強く要望いたしまして、一応この問題についての質問を打切ることにいたすつもりであります。
  15. 加藤武徳

    ○加藤武徳君 昨年の暮に我々は新らしい給與法を議決いたしましたし、又これがすでに実施をされているのでありますが、この新らしい給與法に基きまして、旧法から新法への切替えの際の号俸の調整につきましては、幾多の不合理な面があり、又矛盾を含んでいるということは、この委員会で同僚委員からもしばしば指摘をされた点でありますし、又政府もこれに対しましては、十分な不合理や矛盾をなくするための努力をする、或いは善処したいというような答弁も得ているのでありますが、この矛盾や不合理をなくします具体相な措置といたしましては、或いは給與額の調整の方法によるというようなことも考えられますし、或いは新らしい給與法に盛込みました昇給期間の短縮、或いは特別昇給制度の活用、或いは枠外の昇給制度をうまく利用する等、いろいろとこの特別昇給等の途が考えられると思うのでありますが、この給與につきましての実施面の担当の人事院におかれましては如何なる措置を講じておられましたか。又辛いこの席に癩なり結核療養所などにつきましての御所管の厚生省の人事課長もお見えでありますので、厚生省といたしましては、どのような措置を講じようとして人事院と御交渉なすつていられるか。或いはすでにどのような結果が生れているか。これらの具体的なことにつきましての御答弁をお願いいたしたい、かように考えます。
  16. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) この機会給與実施の責に任じております人事院が、法律改正に伴つてどういう措置を講じたかということを概括的に最初に御説明申上げまして、只今の問題に及びたいというふうに考えます。  人事院といたしましては、この法律が公布になりましたのが昨年の十二月の二十七日であります。十二月の二十八日にこの法律に基きまする切替えの方法というようなものにつきまして、各省の人事担当官を集めまして説明をいたしたという次第であります。なお問題になつております重要な点が二点ございます。その一つは、特別俸給表におきまして、今回の切替えによつて、あとの雁が先になるというような矛盾があるわけでありまして、この点を是正するという問題と、それからもう一つは、号俸の切替えの号俸調整におきまして、従来出ておりました号俸調整ということが切下げられるということのために、その善後措置として、半号俸を昇給せしめる、或いは何らかそこに措置いたしまして、それを半号俸だけは回復するというようなことがいろいろ審議されたわけであります。従いまして人事院といたしましては、この法律に基いては誠に無理な点があるのでございますけれども、とにかくこの法律の第七條というものに根拠を求めまして、この二つの点につきまして特別の措置を講じた次第であります。先ず第一といたしまして、あとの雁が先になる、これは特別俸給表にその問題があるわけでありますが、その問題につきましては、すでにお手許に給與法改正関係資料を差上げてあるわけでありますが、その中にも書いてありますように、人事院指令百号というものをこしらえまして、そうしてこれに関係いたします各省庁に対してこういう指令を出したわけであります。その指令によりまして、このあとの雁が先になるようなことがないように措置いたした次第であります。即ち若しお手許に只今申上げました資料をお持ちでありますれば、お聞き願つて御覧願いたいのでありますが、二十九頁に別表という頁があります。その別表によりまして、税務職員及び経済調査官級別俸給表の適用を受ける職員、それからその次の欄が警察職員、海上保安庁職員(人事院規則に定めるものを除く。)及び矯正保護職員級別俸納表の適用を受ける職員、船員級別俸給表の適用を受ける職員、この三つの欄に分けまして、そこに書いてありますが、それで十二月三十一日に古い俸給表で二級一号を受けておつたという者は、これは新らしい俸給表におきまして、即ち一月一日には、その従来の古い俸給表の二級一号は今度は二級二号俸に相当するのであるというような切替えをいたしたのであります。こういう措置を講ずることによりまして、あとの雁が先になるというようなことがないという最小限度の手直しをいたしました。尤もこういうことをやつたからといつて全部が解決したわけではありませんので、或いは昇給期間を短縮して頭を揃えるということになりますから、今後昇給を同じようにやつて行くということになるといたしますならば、従来或る程度の昇給時期に早い遅いがあつたのが、一律になつてしまうという矛盾が残るわけであります。従いまして俸給切替えの際の緊急措置といたしましては、このような指令百号というものを出しまして、こういう切替えをいたしたわけでありますが、更にこれに引続きまして、この昇給期間の是正というものをやつてつて、なお運営の円滑を期したいというふうに考えております。ちよつとそこで御覧頂きますと直ちにわかることでありますが、税務職員及び経済調査官級別俸給の適用を受ける職員という所で、第一欄のほうに三級四号というのがございます。それから三級五号というのがその下にありますが、この三級四号の者も三級五号の者も三級八号俸というところに切替えられ、同じ号俸に切替えられる。これは明らかに矛盾であります。こういうことは我々承知いたしておりますが、今後こういう問題につきましては、昇給期間の是正によりまして、適宜従来のバランスを維持して行きたい、こういうふうに考えます。  それが第一点。  次に調整号俸並びに調整額の適用を受けておつた者、即ち先ずこの調整号俸の適用を受けておつた者というのは、いわゆる従来の政令四百一号の関係で、ありますが、初任給、昇給、昇格等の基準に関する政令の十二條の三、各号に掲げる職員、こういうものに相成るのであります。その中で当時問題になりました最重点は、いわゆる第七号職員というのでありますが、これは電通並びに郵政、並びに大蔵省の二つの現業、造幣庁、印刷庁、それから通産省のアルコール工場というものでございます。なおこの七号職員に準ずる職員といたしましては、例えば航空保安庁、或いは電波監理委員会、農地事務局の現場、それから電気試験所、こういうものがあるのでございます。この七号職員というのは、従来調整号俸というのが一号俸ついており、尤も五級の職におきましては二号俸ついている。これが全部削られましたために、ここに半号俸だけ特別昇給なり何なりで残すということに、この前の審議は相成つているのでありますが、この問題に対しましては、我々いろいろ苦心いたしたのでありまするが、特別昇給というようなことはなかなかむずかしいが、我々がとりました措置といたしましては、その册子の三十頁にあります人事院指令第百一号というものを以ちましてそれの措置を講じた次第であります。即ち暫定的に半号俸をつけて置く。それは三十一頁に掲げてございますが、この半号俸だけ暫定的に切替え後においてつけております。そういたしまして今度は次期の昇給期間を半減いたしまして、そうしてこの半号俸だけ昇給せしめるという措置を講ずる。なぜそういうことをいたすかというと、別表には俸給表に掲げている金額だけしかないのであります。その中間の号俸というものはないのであります。こういうものを作るということは、これは給與行政上誠に困るのでありまして、そういう半端な号俸というものは、成るべく早く解消したいという考えを持つているのであります。従いまして昇給期間を半減いたしまして半号俸つけるということは、これは昇給期間を半減しないで一号俸つけるということと同じでありますから、実質においては半号俸だけの調整はできる。そういう方法によるということになるのであります。併しながらこの次期昇給期においては、半号俸という半端なものではなくなる、こういう措置を講じました。  それから調整額、従来調整額を受けておりました者で、同様の調整号俸が全然なくなつてしまうものというのが、いわゆる第二種の職業安定所の職員、これにつきましても、指令百二号というものを以ちまして、同様の措置を講じた次第であります。そのとき、速記録等には出ていないのでありますけれども、問題になりましたのは、政令四百一号関係の、先ほど申しました政令四百一号の第十二條の三、第一項各号に掲げる職員というものの中で、第一号に掲げる職員から第五号に掲げる職員というものがあるのであります。即ちこれは厚生省関係の癩或いは結核、精神病、こういう病院、或いは療養所に勤務する職員、又盲学校、聾学校、こういう所の職員、それから農林省関係で食糧事務所或いは統計事務所、こういういわゆる作報事務所、こういう所の職員というものが、やはりこの号俸調整で或る程度切られているのでありますけれども、これは全部切られているというわけではないのであります。従いまして我々当時の速記録等を読んで見ましても、この七号職員並びに七号職員に準ずる者、そういうものにつきましては善後措置をするということが明確に出ているのでありますけれども只今申上げましたような第一号職員並びに第五号に掲げる職員というものにつきましては、そういうことが速記録等においても明確に出ておらないのであります。人事院といたしましては、やはりこの法律が通つた以上は、この法律の精神に基きましてやつて行くということでなくては遵法精神に欠けるわけでありますから、そういう国会の審議等におきまして明確に出ておりますものにつきましては、最小限度の手直しをして行くということをやつたのであります。併しながら癩とか結核、精神病の療養所等に勤務いたします職員の俸給というものが、それで適正であるかということになつて参りますと、これは又問題が別でありまして、やはりこういつた人々に対しましては、職務の特殊性という観点から別個に考えなければならない問題ではないかというふうに考えている次第であります。人事院におきましては、目下こういつた職員に対しまして職務の特殊性という観点から、どれだけの号俸調整をすることが適正であるかということを現在考えているわけであります。即ち調整額によりましてこういう問題を措置して行きたい。即ちもう一度今まで申上げましたことを繰返して申上げまするならば、この法律の改正に伴いまして、切替えの善後措置としては、最小限度にとどめる、あとは問題を切離しまして、給與の特殊性というような観点から別個に考えて行く、こういうことでやつて行きたい、こういうふうに思つておる次第であります。法律改正に際しまして、人事院がとりました措置の大略について御説明申上げました。
  17. 加藤武徳

    ○加藤武徳君 只今給與局長の説明で、人事院のおとりになりました措置につきましての大体は了承できたのでありますが、併しながら法律の解釈は、これは巖格に各條章の解釈を基本にすべきでありまして、委員会なり或いは本会議の議場におきまして審議討論いたしましたその内容等は、解釈の参考にいたす程度範囲を私は出ないと思つておるのであります。我々が当委員会におきまして、この切替えの際の号俸調整の不合理なり矛盾を指摘いたしましたのは、只今の説明にございましたいわゆる七号職員についてのみではなく、あの調整表全般について不合理な点がある、又矛盾があるということを指摘いたし、たまたま七号職員につきましては、強く発言されておつた面があるかも知れませんが、我々としては、あの調整表全部についての矛盾を指摘しておるのでありまして、只今の政令百一号の職員、第一号、第五号の職員につきましても、同様の解釈の下に実施して頂きたい、こういうふうに希望いたします。
  18. 千葉信

    千葉信君 この問題について、実は只今の加藤委員の御発言といささか食い違う点があるかも知れませんけれども、私はやはり立法そのものを、どこまでもそつくりそのまま表現されたものを正確に解釈して行うということになれば、今度の人事院指令の百一号であるとか或いは又百号が出るということは、或る程度私は法律と矛盾する点があると思う。併しこの点については、一応政府当局としては、こういう法律が通過した後においても、明らかにこういう調整号俸の切下げの点については無理があるから、救済措置暫定措置として考えよう、そういう形をとられたのが、只今給與局長からお話がありましたつまり法律の解釈に当つては、一応委員会或いは本会議における質疑応答と、それに対する政府答弁というものを明確に把握しながら、人事院当局のこういう指令になつたのだ。従つてそういう点から言いますと、或いはこれは人事院当局に対する質問になります。そういう点から言いますと、成るほど給與局長のおつしやるように、第七号の点については、明確に私の質問に対して、これは大蔵大臣も官房長官も、そういう措置をとるということをお答えになつておられました。併しそれ以外の号俸調整の切下げを受ける職員諸君の場合におきましても、これ又同様に私は一々何号々々ということは明確に申上げておりませんけれども、少くともそういう調整号俸の切下げということは、これはいささか不当な点を障分含んでおる。これは明らかに正式な委員会でそういうことを申上げましたばかりでなく、その他の場合におきましても、個別的な折衝等においては、この点についてはこれはどういうところの職員が調整号俸の切下げをされることが不当であるかどうかということについて、私ははつきり申上げたわけなんです。ただその公式の場合におきましては、第七号だけは触れましたけれども、それ以外の部分については、私はこういうふうにお願いしたのです。その他の調整号俸の切下げの点についても明らかに不当な点があるから、この法律が若し通つても、できるだけ予算上の差繰りがつく限りにおいて、調整号俸の切下げは避けるべきだ。そしてこれに対して内閣官房長官のほうからも、大蔵大臣のほうからも、一生懸命それに対しては努力をして、予算上の操作を行なつて、大蔵大臣限りでできるところは大蔵大臣限りにおいて操作を行なつて、号俸の切下げはできるだけ救済する方法を講ずる、こういう御答弁があつたわけなんです。従つてそういう点から言いますと、只今給與局長のおつしやるように、成るほど明確には出ておりますけれども、その他は明確には出ていないけれども、一応考慮するということを約束された政府答弁から言ましても、具体的には肺結核療養所の職員或いは癩療養所の職員等については、これはもうすでに御承知通りに、第九国会においても、第十国会おいてもはつきり問題になつておりまして、従つてそういう点について、政府当局では考慮するということを約束しておりまするし、そういう点から言いますと、私は只今のような非常な狹義の解釈でなく、そういう点について、例えば癩、結核療養所の職員等につきまして、政府人事院との間にいろいろ交渉の余地もあるはずでございますし、それから人事院当局としても、これらに対して救済措置について考慮される余地が十分あろうと思う。従つてこの点については、ただこの席上だけで給與局長に御質問申上げるだけでなく、今日の委員会で、若し御出席願えれば、出席は要求をしてございますが、出席頂けましたら、私は内閣官房長官或いは大蔵省当局に対して、この問題について更に、この前の委員会における御答弁の要旨から言いましても、十分これは何とかしなければならないし、可能性のあることでございますから、私のほうで委員会を通じて努力をするつもりでございますが、給與局といたしましても、この問題についてもう少し、若しお考えなつておられれば明確に御答弁を願いたいと思うのですが、只今の肺結核療養所、癩療養所の句下げされた点に対して、どういうふうに現在お考えなつて進めておられるか、その点を承わりたいと思います。
  19. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 先ほど私が申上げましたことは、非常にぎちぎちいたしましたことを申上げた次第であります。併しこれは人事院といたしまして、法律を実施する場合、やはり法律に従つてやるということは当り前の話であります。従いまして関連してどんどんやつて行くということになりますと、これは際限のないことですが、法律におきましては、やはり切替えの際の号俸調整をやるということになつておるのでありまするから、これはやはりその限度においてやられなければならんのであります。従いましてそれは癩なり結核なり、或いは精神病というようなところの療養所に勤務しておりまする職員につきまして、勿論今回の切下げられたあとの、切下げられたと言いますか、切替えの号俸調整のあつたあとの給與というものが、適切なものであるというふうには考えておらないのであります。従つてやり方は一応切離してやるのであるし、実際問題お考え頂いても結構であります。ただ現在成案を得ておるかということになりますと、まだ現在のところ成案を得ておりませんが、目下やはり研究しております。近くこれは結論を得ようと思つております。
  20. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 官房長官先ほど来出席を要請しておつたのですが、只今総理大臣と司令部のほうへ一緒に行かなければならないので、本日は出席の見通しはつかないということでございました。
  21. 千葉信

    千葉信君 この問題について、厚生省のほうから説明員がおいでになつておるようですから、承わりたいと思います。お尋ねをしたい要旨は、只今質疑応答をお聞きになつていて大体おわかりだろうと思いますけれども、この問題については、厚生省当局としても非常に苦しい立場にいられるだろうと思うのですが、恐らくいろいろと折衝はされたと思いますけれども、現存政府部内において、この問題について折衝された経過、それから又どういう態度を大蔵省なり内閣官房長官のほうでおとりになつておるか、具体的に承わつて置きたいと思います。
  22. 大山正

    ○説明員(大山正君) 厚生省といたしましては、癩、結核、精神病その他の国立の医療機関に従事する職員につきまして、今回の給與切替えに際して、調整号俸が、削減せられたということは非常に遺憾に存じておる次第でありまして、調整号俸が一般に今回削減されましたのは、或いは社会情勢が安定した、或いは勤務時間の差が一般職員と比較しまして短縮せられたというような理由でありまするが、只今申述べました癩、結核、精神病等につきましては、それらの理由が特に挙げられたいのでありまして、私どもといたしましては、他の調整号俸を削減せられたものとの均衡上、削減せられたものというように解しておるのでありまするが、いずれにいたしましても、従来からこれらの特殊な勤務に服する人の給與が極めて低く、ために十分な要員も確保できないような状況でございまして、これらの運営に支障を来たしておるというように思うのであります。私どもといたしましては、今回の調整号俸の削減につきまして、その後実質的な不利益がないように、何とかこれを調整いたしたい、かように努力している次第でありまして、厚生省といたしましては、法律の建前上、削減せられました調整号俸を直ちに復活するということは、法律の建前からも許されないかと思うのでありますが、幸い今回の新給與法によりますと、特別昇給の途が開かれておるのであります。私どもといたしましては、これらの特殊な勤務に挺身して服している者は、いずれも成績極めて優良ということも考えられまするので、私どもは昇給期間の短縮その他の特別昇給の措置によりまして、或る程度調整号俸の削減によつて受けました不利益を補つて行きたい、かように考えておる次第であります。  なお只今政府部内或いは人事院等において、どういうような折衝経過であるかというお話でありましたが、私どもは、この点につきましては、速記録には明確に成るほど出ていないように思うのでありますが、議会の内外におきまして、政府当局その他が、それぞれ非常に理解、同情がある言明をして来られた、かように信じておるのでございまして、事務当局といたしましては、只今具体案を以ちまして、人事院当局に御研究を願つておるところであります。御承知のように、特別昇給ということになりますと、人事院の承認を得なくてはなりませんので、十分な了解を得べく、只今折衝をいたしております。ただ人事院当局とせられましては、只今給與局長からも御説明がありましたように、特別昇給というよりは、むしろ調整額によるのが純理ではあるまいかというようにお考えのようでありました。私どもといたしましても、勿論調整額によつて非常に早い機会に又満足すべき程度の額が賄い得るものであるならば、別に特別昇給ということにこだわらず、調整額によつてやることも結構である、かように考えておるのであります。ただ調整額というように、制度の切替えになりますと、或いは予算の問題になりますとか、或いは種々なる資料等を検討する等のために、非常に遅くなることを恐れておるのでございまして、一月一日の切替え以後、余り間隔を置かない時期におきまして、十分なる調整額に切替えられるということであれば、それでも結構である。かように考えて、目下事務当局と交渉中でございます。
  23. 千葉信

    千葉信君 お話はよくわかりましたけれども、ただ只今お話の、いろいろ厚生省当局として交渉されたというその内容についてですが、一応まあ今度の新らしい給與法の建前から行きますと、二号俸の昇給というような問題もございますし、或は期間の短縮というような問題もございますけれども、併しながら私の了解する限りでは、その特別の方法を講ずる場合には、條件が伴わなければいけない。そういう條件に全部調整号俸の切下げられたものを当てはめることができるかどうか、これが問題になると思うんです。従いましてそういうふうな問題が起つた場合に、調整号俸の切下げを受けた人を、特に成績優良なりというような形において、何万人かの人を一挙にその号俸に当てはめるということは、これは非常に解釈としては牽強附会を免れないという形が出て参りましようし、又国会立場から言いましても、たとえ政府部内でどのような救済措置を講じなければならない場合でも、そういう性質の手続を崩しての、考え方を崩しての方法ということは、一応無理があろうかと考えます。従いましてこういう点について、厚生省当局として深甚な考慮を加えられて、今後この問題の解決に、いろいろと御努力を願いたい。私も又国会立場からこの問題については十分御協力を申上げなければならないと思つておりまするから、その点で一つ十分お願い申上げて置きます。
  24. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  25. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 速記を始めて。
  26. 森崎隆

    ○森崎隆君 現にいろいろ問題になつておるのですが、これは最初この法律案につきまして、我々随分くどくど申上げましたんですが、結局においては、御存じのように政府の原案が自由党さんの手によつて押し切られたわけであります。そこで法律ははつきり決定されましたが、併しあとの実施面でごたごたが起るということは、この法律が非科学性を持つておるからだと思うのです。(「然り々々」と呼ぶ者あり)実は僕はあのようにはつきり反対申上げましたが、自由党を代表いたしまして、石原さんは非常に結構な案であるとはつきり賛成された。それを今になつて、加藤君から法律の解釈をどうしなければならんとか何とかいうことを自体が、この非科学性を立証しておると思う。併し現実においては公務員全体が非常に困つておる。何とかしなければならんということでございまするが、それには第十国会であのようにきまりました限りは、本国会中にどうともできないということになりますれば、まあ予想される五月以降の臨時国会等におきまして、根本的にこれはやり変えて行かなければならんと思うんです。たとえ今給與局長が申されましたように、指令百号とか百一号というものを出されましても、例えばさつき申上げました半号俸というものがございまして、残す。近き将来にあとの半号俸を昇給してやつて、一号にする。プラス一号になつた。一号になつたが果して従来のこれは調整号俸としての一号か、それとも他に昇給した一号かという解釈が非常にややこしい。半分しておる、それが転勤した場合に半号減らさなければならんというややこしいことがある。非常にそういうややこしい点を考えますと、実にこれは悲しむべき法案が通過したものと私は思うわけですが、どちらにいたしましても、現実の被害を受けるのは公務員自身でございますが、これは今厚生省のほうから切実なお話がございました。又人事院でも検討されておる様子でもございますが、よくお話合い頂きまして、多少は無理でございましようけれども、本当に公務員の実態ということをよくお考え頂きたいと思います。公務員のための給與の法案、これを善意に解釈して、少しでも有利に考えてやりたいという御精神で、当分は多少無理がありましても御善処頂きまして、是非とも次の臨時国会を成るべく早く開かれまして、根本的にこの問題につきましては、人事院で再勧告の何かをやつて頂きたい。それ以外については、今となりましては途がないのであります。現実に公務員に対しまして何とか一つ善処されたい。必要によりますれば我々も小委員に加えさせて頂きまして、一緒に、つまらない智恵でございますが、働かせまして、一つお願いしたいと考えております。  話がちよつと変りますが、もう時間がないかと思いますが、今日でなくてもいいと思いますが、瀧本さんが帰つて来られましたので、私適当の機会に瀧本さんの御報告といいますか、見て来られましたところの御状況なんかも一つ仲よくお聞きしたいと思いますが、適当の機会委員長においてお作り頂きたいと思います。  もう一つだけ、次の機会に譲りたいと思つたのですが、一つだけ、今日御返答頂くつもりはないのですが、地方公務員につきまして、人事院のほうでは国家公務員給與に準ずるというああいう言葉を使つておりますが、あの準ずるという言葉は、現段階においては非常に大きな意義を持つて来ています。と申しますのは、御存じのように交付金が三十五億でとにかく給與改訂されておる。切替えにつきましては全然やれない。やるとすれば六三ベースに切替えた二三年前、あのときに現在の給與を全部落しまして、そこから出発して千円プラスというようなめちやくちやな、不可能に等しいようなことを知事が言つておる。そういたしますと、現在取つておる給與は、六三べ一スにおいて昇給、昇格等による給與を下廻ることが出て来る。これは一に金がないということに原因すると思いますが、地方公務員は、今度の法案並びに俸給の問題に大きな改正を受けまして、現在給與改訂につきましては、どの県でも四苦八苦していますのに、あの準ずるという言葉の意味を一つもう少しはつきり、どうせ法案を作りましたときには、何とかこれについては或る程度の討議もあつたと思いますが、なければこの際もつと権威のある、準ずる、又この例に倣う、といつたような言葉の内容を一つこの際確立して頂きたい。そうしないともう各府県によりましてめちやくちやになる。この点は次の機会でも結構ですけれども人事院から御研究頂きまして、何とか一つ地方公務員国家公務員に準じて、いわゆる正規の意味において準じて、適正な給與措置ができまするように御善処頂きたいと思います。
  27. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 今の問題についてちよつと、只今お話がございましたが、地方公務員法が通りまして事態は又悪くなつておるというふうに存じておりますが、これは従来は国家公務員法の例に準じてやるということになつておつたのでありますけれども、今後は地方公務員給與のことは、條例できめ得るということになるのです。従いまして我々が憂えておりますことは、府県によりまして、その人事行政の衝に当る者が、或いは財政の状況等によりまして、従来よりもまだまだこの幅が開けて来るのであります。併しながら地方公務員のことにつきましては、人事院として申上げることは、積極的にはできない状態であります。従いましてこういつた問題については、やはり困るのは、或るよくなつている地方公務員はいいかもわかりません。併し全体にアンバランスだということは誠に私は困ると思います。そういうことについては、国会で一つこの問題をお取上げ願いまして、適当にそういうことを調整し得るような方途をお考えになることが適当ではないか。我々といたしましては、勿論地方公務員法といたしましていろいろ給與のことをお作りになる場合には、意見を申上げて参考に供するのでありますが、積極的にどうすることもできないというのが現状でございます。御承知置き願います。
  28. 千葉信

    千葉信君 次の問題ですが、先ほどいろいろ給與局長との質疑応答の中からも明白に出て参つておりますが、相当、昨年の特別CPS調査後において、明白に各地方にいろいろ朝鮮動乱の影響等が起つて、経済的な変動のために相当物価の開きがあるばかりじやなく、このために生活が困難だという陳情が連日のように国会のほうに押掛けて来ておるのでございます。まあ單にそういうふうな経済変動状況地域給関係するというばかりでなく、その他にも人事院において現在進めておられる指数調査の点におきましても、地域給結論としては軍に特別CPSのあの係数だけを基礎としないで、十分に特別CPSに現われた係数に不合理な條件があると思われるところに対しては、これは人事院当局としてもかなり愼重研究をされておるだろうと思います。併しいずれにいたしましても、朝鮮動乱の影響の深刻に現われている地方であるとか、特別CPSのあの係数にどうも不満だというので、いろいろな資料のようなものを各地方の県知事なり、或いは商工団体等からも私どものほうに提出されて来ております。従つてこういう点については、人事院当局研究は勿論でございまするけれども国会としても、こういう特に明白にいろいろ取上げて考究しなければならないと思われる点が、地点が相当あるようでございますから、今私はその点についてここでどことどこということについては申上げかねますけれども、大体に考えておりまするところは、東北、北海道或いは北信越地方、関西地方、これは関西地方は大阪、神戸それから名古屋等も一応その地方考えておりますが、それから更に福岡、特に佐世保のごときは相当最近町が変貌しつつある状況もありますから、こういう地点に対して、特に国会としてはやはり愼重考慮をしなければなるまいと思うので、従つてこういう地方に対する調査というものも、人事院当局から支給区分についての勧告が出ました後には、私は相当繁忙を極めて手が廻らないということが考えられますので、できれば人事院から勧告の出まする以前に、国会としては、これらの地方に可能な限り議員なり或いは専門員を派遣するという方法をとるということについて、この際動議を提出いたします。そして又これに附加して申上げますれば、参ります地方決定であるとか、或いは派遣するかたがたの決定ということについては、委員長、理事会のほうでこの問題を具体的に決定するように、委員会のほうからお任せ願えれば、できるだけ早く、相当早くこの問題を解決することができるのじやないか、こういうように考えるので、その点も併せて動議として提出いたします。
  29. 森崎隆

    ○森崎隆君 賛成いたします。
  30. 加藤武徳

    ○加藤武徳君 只今の千葉君の動議にきつまして、私動議には勿論賛成であります。で本委員会委員の大隈委員も、これは議運の委員をやつておられます。実は議運でもこの国会の劈頭に取りきめたこともございますし、それからこの問題と関連して経費の問題等もありますので、只今の動議のように委員長なり、理事ということでなくて、この委員会の終つたあとで懇談的に一応おきめを願つたらと、私はこう思います。
  31. 千葉信

    千葉信君 賛成。
  32. 木下源吾

    委員長木下源吾君) いやちよつと速記をとめて。    午後零時二十九分速記中止    —————・—————    午後零時四十四分速記開始
  33. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 速記を始めて。これを以て閉会いたします。    午後零時四十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 源吾君    理事            加藤 武徳君            千葉  信君    委員            草葉 隆圓君            森崎  隆君            大隈 信幸君            紅露 みつ君   政府委員    人事院事務総局    給與局長    瀧本 忠男君   説明員    厚生省人事課長 大山  正君