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1950-12-13 第10回国会 参議院 人事委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十二月十三日(水曜日)    午前十一時二十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○一般職職員給與に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)   —————————————
  2. 木下源吾

    委員長木下源吾君) では只今より開会いたします。  御報告を申上げる件がございます。本日議院運営委員会から当委員会法案に対する審議の状況並びに見通しについての説明を求められましたので、議運に私が出席いたしまして、昨日の申合わせによると、即ちこの法案が十六日に本会議に上程することができるごとく、委員会においては精励審議するという建前から、あらゆる努力をしておるというとを申上げて参りました。  本日は一般職職員給與に関する法律の一部を改正する法律案質疑でございますが、政府委員の出席を要求いたしましたのは、官房長官人事院総裁給與局長大蔵大臣大蔵省給與課長でありますが、只今官房長官のみが出席しておられます。それから大蔵省給與課長も見えております。
  3. 千葉信

    千葉信君 官房長官が折角出席しておられますので’今日の議題となつております一般職職員給與に関する法律の一部を改正する法律案に直接関連はございませんけれども、御承知のように、前国会国家公務員に対する年末手当支給に関する法律案が通過可決されましたけれども委員会における質疑討論が非常に簡單に省略されて、打切られてしまいましたために、明らかになつておらない点がございますので、その点について御質問申上げたいことが一つございます。それは第一條の「常時勤務に服さない者であつて政令で定めるものを除く」。この点については委員会質疑応答にも一応は出ておりますように、最終委員会以前の委員会におきまして、同僚人事委員の中から政令で定めるものの範囲について、いろいろ官房長官要望せられた事項がございますし、又当委員会としても、非常勤労務者に対してはどうするか、又常勤的職員に対してはどうするかという問題、それから又近い機会に本院においても連合軍関係使用人に関する特別報奨手当支給に関する決議案というようなものが、いろいろ論議に上つているようでございますが、この法律が通過しました後でございますけれども、私どもこの政令で定める国家公務員の年末手当を受ける者の範囲というものが、非常に明確を欠いておりますので、もう十六日の支給期という点から考えますと、政府当局としては、相当事務処理が進んでおると考えられますので、どの程度職員該当者として考えているか。それとも又逆にいえば、支給範囲から除かれる職員を、どの程度考えられているかという答弁でも結構でございますから、この際副長官の御答弁をお願いいたします。
  4. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) お答え申上げます。この年末手当支給に関する法律は先般の臨時国会で可決されたのでありますが、この附則に書いてありますように本年に限りましては十五日ではございませんで、この法律の公布の日から十日以内に支給するということになつておる次第でございます。例年は十二月十五日になつております。そこで今のお尋ね政令で以て定める、結局支給対象からはずすことを予想しておるものを申上げますと、先ず第一は未帰還職員でございます。末だ帰還しない職員、それから内地帰還後身分を保留しておる帰還中のもの、第三は停職、休職期間中のものでございます。それから第四は職員団体専従職員でございます。それから第五は非常勤職員、それから第六は俸給支給を受けていない職員、例えば昔の執達吏、今の執行吏のようなものでございます。大体政令で以て支給対象からはずそうと考えておりますものは以上のようなものでございます。お尋ねの進駐軍の労務者であるとか、或いは林野関係労務者であるとか、こういう人たちに対しましては勿論この本法適用はございませんので、非常勤でございますので本法適用はございませんが、その賃金支拂方法従前の例によるというふうに人事院規則で以て定められてありますので、賃金増給という実際上の形式をとりまして、実質的にはこの法律適用があつたと同じように年末手当をそれぞれ支給したいとかように考えておる次第でございます。
  5. 千葉信

    千葉信君 大体了承いたしましたけれども連合軍関係使用人に対する増給等措置について予算上お見通しがあるかどうかということと、この場合にはその筋と直接関連があるようでございますが、この点についてのお見通しはどうなんでございますか、お尋ねいたします。
  6. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) この法律適用こそございませんが、実際上常時勤務者と同じように勤務をしておりますものにつきましては、勿論予算も用意しておりますし、関係方面の承認もこの法律範囲内でありますれば同様に必ず得られると信じております。
  7. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 山下人事官慶徳給與局次長が参りました。
  8. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 昨日千葉委員からこの改訂の試案のようなものが出されておるわけですが、我々のほうでもいろいろ検討いたしておりまするので、問題も相当多岐複雑に亘つておりまするので、できれば、昨日もそういう話合いがあつたのでありますが、懇談の形で千葉試案について皆で寄つて打合わせてみたらどうかと思います。千葉君の説明もよく聞き、我々の検討した結果も考えてみたらどうかと思いますが、如何でしようか、お諮りいたします。
  9. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それは政府委員の特定の人も交えてですか。
  10. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 交えてもいいのじやないかと思います。
  11. 千葉信

    千葉信君 まだどういう程度懇談の進め方になるか知れませんが、私の希望としても、若し私の答弁に難解の点であるとか、或いは又疑問の点がどうしても氷解しないというようなときには、政府委員のかたがたもおいでになつていてもよいと思いますが、現在の段階ではまだその点は考慮の余地があるのではないかと思います。
  12. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうすれば、懇談会でなしに懇談的の形式で一応やるということについては賛成なんですね。
  13. 千葉信

    千葉信君 そうです。
  14. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 それでは一応政府当局なしで懇談しまして、必要なときにはそこへ政府委員に来て頂くということで懇談会の形にして暫くやつてつたらどうかと思います。
  15. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 石原君のお話のように委員会懇談会に切替えるごとに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 木下源吾

    委員長木下源吾君) では懇談会に切替えます。  委員会は暫時休憶いたします。    午前十一時三十六分休憩    ——————————    午後三時一分開会
  17. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 只今より開会いたします。  午前に引続きまして、給與に関する法律改正法律案質疑を続行いたします。なお政府案は勿論でありますが、申合せ修正案等について、政府から説明を求むるほうが、便宜な部分については御説明を求むることにして頂きたいと思います。
  18. 早川愼一

    早川愼一君 今回の政府提出になりました法律案と、この本年の八月九日の人事院勧告されたものと、提案理由ちよつと概略はお伺いしたのでありますが、例えば財政事情人事院勧告通りできなかつた、その他人事院勧告の線と違う点、それからそれによれなかつた理由、若しくは又政府案のほうが政府としてはいいと考えられておる点、そういう点を一応一通り説明願いたいと思います。
  19. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) お答えいたします。先般人事院から政府並びに国会に対して一般職給與に関する勧告が、ございまして、それを受けましてこのたび先の臨時国会一般職員給與に関する法律の一部を改正する法律案提出したわけでございますが、提案理由説明にもございますように、今般の政府案は、でき得る限り人事院勧告の趣旨を尊重いたしまして、大部分の点につきましては人事院勧告通りでございますが、主なる点、三、四の点が違つておるわけでございます。その先ず第一点は俸給表作成方でございます。その次にはいわゆる調整号俸、或いは特別俸給表一般俸給表との格差、違いを縮めたという点であります。それから第三の問題は検察官等俸給表を、勧告ではこの一般職絵與に関する法律の中に入れろという勧告でございましたけれども、その点は特に別にいたしまして、先般の臨時国会提出いたしたようなわけでございます。それから第四の点は年末手当を一カ月、十二月に出すようにと、これをこの給與法の中に盛つて、月給を十三回拂いにしたほうがいいという勧告でございましたが、これは一般職ばかりではございませんし、又特別職が入つておりますので、便宜年末手当の分だけは別の法律案にいたしまして、先般国会提出したようなわけでございます。  で初めの第一、第二点が大きな違いでございますので、この点について詳しく御説明申上げます。第一の俸給表作成方でございますが、これは人事院勧告通り数字にはできなかつたのでございますが、政府といたしましては、人事院資料をそのまま用い、やり方人事院やり方をそのまま踏襲いたしまして、一つの案を作つたのでございます。どこが違うかと申しますると、成年男子標準生計費が三千三百四十円という数字勧告に載つておりますが、この数字はそのまま人事院数字を取りまして、ただ人事院俸給表はそれを二級の一号に置いたのでございますが、政府はこれを二級の四号に置いたのでございます。どうしてそういう変化をさしたかと申しますると、二級職というのは年齢構成を見ますると、十六歳から十九歳までの人を含んでおりまして、平均が十八歳でございます。で成年男子標準生計費は、満十八歳の男子の独身の標準生計費なつておりますので政府は二級職の丁度まん中なつておりまするところの、二級の四号に三千三百四十円という数字を置いてございます。勿論数字の整理の関係上、三千三百五十円と十円増しておりまするが、その数字を二級の四号に置いたのでございます。従つて数字は同じでありますが、その標準になる号俸が違うということだけが違うのでございます。それが一応基準になりまして、上のほうはいわゆる七十号俸、通し番号で参りますと、七十号という号俸がございますが、この七十号俸をどうきめるかということになるわけでございます。人事院ではこれを二万三千円ときめております。これは人事院参考に出しました資料を見ましても、実際は七十号相当民間給與平均ではございませんで、実は六十六号に対する給與でございます。どういうわけで大十六号の二万三千円を七十号にいたしたかということは、先般人事院総裁からも御答弁がございましたが、これは成るべく上に薄くしようというつもりで以て七十号に大十六号の数字を持つてつたんだと、こういうようなお話でございました。然るに政府は七十号に相当する数字、これは人事院資料に出ておりますが、二万五千数百円になつておりますが、それを百円以下を切り捨てまして、二万五千円といたしまして、七十号の俸給額を決めたのでございます。そうして三千三百五十円と二万五千円の線を繋ぎまして、これを人事院と同じ方式で以て等比級数に分けましたものが、この号俸なつておるわけでございます。  こういうふうにいたしました結果、どういうことになつたかと申しますると、人事院のほうでは上下の差が……上下と申しますると、最高は七十号を標準といたすのでございますが、つまり七十号と一級の一号との差が、七・三倍に人事院勧告なつておるのでございますが、政府案はこれが八・三倍になつておると、こういうことでございます。この点については、作為的にそうしたわけではございませんが、今のような方針で作りましたところ、そうなつたのでございますが、この点について、政府もいろいろ考えましたが、終戦前の最低最高の差が二十五倍というような点は、これは参考にならないといたしましても、終戦後の俸給表の実際は、おおむね十倍ぐらいになつておるわけでございます、併しながら六三ベースは七・七倍ぐらいでございますが、その他のべーズにおきましては十倍ぐらいになつておりますので、これと比較いたしましても八・三倍というのは、不当に上下の差を強くしたというふうには考えられませんので、八・三倍になつたこの数字をとつたのでございます。それで、諸外国の例等を見ましても、この差は相当開いておりまして、最近経済界も安定の緒につきましたので、多少能率的な考えを入れても差支えないという考えから、人事院と一倍違いますが、八・三倍の数字をとつておる次第でございます。政府の財源が平均千円の平均給を上げるというものしかない。従つてその千円の範囲内で以てこういう俸給表を作つたかのごとく見られる向きがあるのでございますが、政府はそういう考えは絶対にございませんので、今言つたように、極く理論的に作りました結果、公務員平均月額がどのくらいになるかということを計算いたしましたところ、おおむね現在の千円増しの八千円になるという数字になつたのでございます。一方財政その他の方面からどのくらいの一体負担の能力があるかということを検討いたしましたところが、公務員一人当りの千円の平均給を上げるということは、国家財政の上から見ても丁度いい数字であるというふうに合致いたしましたので、この案に自信を得まして提出いたしたようなわけでございます。それが第一点の俸給表の作り方の人事院と違うところでございます。  それから第二点の特別俸給表、或いはいわゆる調整号俸と申しておりますが、こういう特殊の職域にある職員給與一般公務員との差との点でございますが、御承知通りこの差は法律の別表にもございますように、特別の俸給表を作つておるものと、人事院規則によつて調整号俸をつけておるものと、それから法律の委任によりまして政令で以てこの差をつけておるものと大体三種類あるのでございますが、いずれにいたしましても、これは一般公務員に対しまして、特に長時間の勤務に服する者とか、或いはその仕事一般公務員に比べまして特にむずかしいものとか、或いは危険が多いとかいうような特別な職域の人について、一般公務員に対して或る号俸を加算いたしまして俸給をきめる制度でございます。そこでこの特別俸給表なり、調整号俸の生い立ちを考えて見ますると、これはおおむね一、二の例外はございますが、おおむね二千九百二十円ベースに切替えるときに作られたものでございまして、そのときの勤務時間の実態を申しますと、一般公務員は実働が三十六時間半でございます。それで現業職員は四十四時間ということになつておりまして、その差が相当ございます。勤務時間がそういうふうに違いますので、どうしても現業方面に特別に俸給を増してやるべきであるというような意見から、この調整号俸が作られておるわけでございます。勿論勤務時間の長短ばかりではなく、そのほかに仕事のむずかしさ、或いは危険というようなことも考えられるのでございまするが、二千九百二十円ベースに切替えましたのは、要するに二・一スト当時の状態でございま、て、その当時と比べますと現在におきまして交通難の緩和、治安状況、或いは食糧難、その他の点におきまして社会一般客観情勢が相当変つておりまして、仕事をするむずかしさというものは多分に緩和されておるわけでございます。そこで政府はこの際ベース・アツプの機会を利用いたしまして、この一般俸給表との差をおおむね半分にいたしたのでございます。なぜ半分にいたしましたかというと、勤務時間がおおむね半分になつておりますので、それを標準といたしまして半分にいたしたのでございますが、勿論仕事の点において、さつき申上げましたように、社会情勢によつて変化のない、例えば大療養所医者看護婦、或いは結核病棟看護婦医者、その他の職員、こういう人たち勤務時間こそ差が少くなりましたが、業務の危険の程度等は同じでございますので、これらの職員につきましては半分にいたしませんで、三分の一を減じまして、三分の二となつておるような次第でございます。そういうふうにいたしまして、一般職一般公務員と特別な職域にある公務員との俸給の差を調整いたしましたのが政府の案が勧告と違う第二の点でございます。  それから第三の点は検察官の問題でございますが、これは別に大した問題ではございません第四の点は年末年当の問題でございますが、これは先ほど御説明申上げました通り特別職が入つておりますので、これを一々各法律に書きますと、裁判官検察官、或いはその他の特別職、そういう法律に一々年末手当のことを書かなきやなりませんので、特に年末手当一つの一括した別の法律といたしまして、一般提出したようなわけでございます。  以上四点が勧告と違う主なる点でございますが、そのほかにもう一つ地域給の点が勧告通りにはなつておらないのでございます。勿論法律本文におきましては、勧告通り最高二五%、五区分の案を採用いたしておりますが、この実際の五区分に対する地域の区別の勧告がまだございませんので、これを政府が一方的に五区分地域をきめることができないのでございます。聞くところによりますると、人事院におきましては今鋭意これが検討をいたしておりまして、近く国会並びに内閣勧告されるそうでございますが、その勧告を以ちまして別に法律案を出しまして、この五区分地域区分を作りまして、そうして本文に書いてありますような、最高二五%、最低五%の地域給給與することにいたしたのでありますが、その法律化するまでの暫定的な措置といたしまして、附則にございますように、最高二五%、最低五%の三区分、現在の三区分をそのまま踏襲いたしたのでございます。現在の最高三〇%、その次が二〇%、その次が一〇%という割合を、何が故に二五%、一五%、五%としたかという御疑問が起ると思いますが、これは人事院勧告にもございました通り、最近の特別CPSの調査による物価差の実情を見ますると、全然地域給をもらつておらないところと、最高地域給をもらつておるところの地域物価差生活費の違いは二五%となつておりますが、で勧告もその通り二五%になつておりますが、そこで三〇%を給與するということは必要以上に地域給給與することになりまして、全然もらわないところとの均衡がとれませんので、最高二五%にいたしまして、それから特別CPS数字によりますと、その次のところは一五%、それから一番下のところが四%くらいになりますので、これを整理いたしまして一五%、五%といたしまして、三区分は従来通りのところを暫定的に踏襲する、こういうことにいたした次第でございます。  その他の点につきましては、細かい点でございますが、殆んど勧告通りを実施いたしまして、このたびの法律案を出したのでございます。その結果公務員平均給與月額を計算いたしますると、現在の七千円に対しまして丁度千円ばかり上げまして、千円前後上げまして、八千円の平均給給與できる、こういう結果になつた次第でございます。
  20. 早川愼一

    早川愼一君 そういたしますと、只今説明では、余り財政上の理由ということは大した問題ではないというようなお話に聞いたのですが……。
  21. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 勧告を受けまして、政府が最も気をつけなきやならんのは、財政負担の点でございますが、この点は非常に大きな理由になるわけでございます。従いまして財政の見地からすべてこの勧告をそのまま受容れるというようなことができないのは、これは計算いたしましてもはつきりいたすのでございます。併しながらただ財政理由のみで以て理論の通らないことはいたしたくないと考えまして、先ほどから申上げましたように、いろいろな人事院資料、並びに方法を用いまして一つの案を作りまして、調整号俸の変更も考えまして、総合的に計算いたしました結果、概ね一人当り千円の平均給上昇という、向上ということで以て、財政的にもこれは差支えないという確信を得ましたので、丁度両方の要求が一致いたしまして、ここに提案いたした次第であります。
  22. 早川愼一

    早川愼一君 只今政府のほうから御説明で、この号俸調整の点について、二千九百二十円ベースをとつたときに時間の差がなかつた。それから又特別な勧告があつたので、一般分より編入して特別な扱いをした。併し今日は特別の扱いをする必要が薄弱になつたのでだんだん一般職に近付ける。一般の分に近付けると御説明がありましたが、人事院がこれに対してどういうお考えを以てこの八月に御勧告なさつたのでありますか、その点をお伺いいたしたい。
  23. 山下興家

    説明員山下興家君) 只今早川さんのおつしやいました問題でありますが、それは切替えるときに、勤務時間に差がある。それによつて多少の勤務時間の差をつけたことは確かであります。併し新らしく入る人についてはその考慮はしておりませんし、それから又実際に現場で働きますのに、人員を増加することが困難であるという事情のために、勤務時間は従前の例によつておるという場合が非常に多いのであります。それで結局時間差というものはなくなつたということはできないのであります。仮に全然それがなくなつたといたしましても、現業のものは非現業とばかり比較することもできない。鉄道とか、それから又専売公社とか、そういつたものとのバランスも考えなくちやならんのでありますから、非現業とのただ比較によつて簡單にその差を見付けるということは、これは私どもはいけないことだと思つております。
  24. 森崎隆

    森崎隆君 第一に官房長官ちよつとお尋ねいたしたいのでありますが、号俸体系の問題について更にお聞きいたしたいのでありますが、政府の案はやはり一つの合理的な、科学性を持つた体系であると、やはり信念は持つていられるのですか。
  25. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 先ほど申上げました通り人事院やり方を、人事院資料に基いてやつたのでございまするから、私どもといたしましては自信を持つて提出した次第でございます。
  26. 森崎隆

    森崎隆君 お尋ねいたしまするが、政府のこの案は結局において、人事院号俸体系を絶対に壊してはいないという確信を今でも持つていられるのですか。
  27. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 勿論基準標準生計費をどこに取るか、或いは最小の民間給與との振り合いのものを如何にするかということによりまして、人事院勧告カーブとは違う結果になつたのでございますが、これは私どものほうといたしましては、飽くまで基準生計費三千三百四十円というのは、平均十八歳の成年男子生計費でありまするから、先ほど申上げました通り、二級の四号に置くべきである。それから七十号のところは、そういう作為的な考えでなく、人事院のこのような基準で作られた建前をそのままとつて減額しないで置くべきである。こう信じておりますので、別に体系を崩すというような考えではなく、ただ結果において人事院勧告カーブとは違つて来たと、こういうふうに考えている次第であります。
  28. 森崎隆

    森崎隆君 それではちよつと重ねてお願いいたしますが、どうも人事院の八千五十八円のべース勧告案と、政府のあなたのお作りになりましたのと両方睨み合せて考えてみますと、二つの体系カーブが八級の三号あたりですか、そのあたりでクロスしておるように思うのでありますが、それを端的に申上げますれば、大体政府の案では一号から三十四号くらいになりますが、このあたりまでは、人事院勧告案を遥かに下廻つておる、三十五号あたりから以上は、人事院勧告案カーブを遥かに抜いておる、急激に上昇を示しておる、私大蔵省主計局報告書に大体よつたのでありますが、それによりますと、国家公務員法に定められた一般職に属する、公団を除く政府職員特別職たる裁判官や又公共企業体職員と、合せて八十八万一千百七十六名と出ておるようでございます。これは級別人員数に分けて見ましたならば、細かいのはございますが、これは省略しまして、大体一級と二級とでの総人員は、大体二万五十六名になつております。パーセンテージにしますと、二%二七になる、それから三級から八級を全部含めましてこれは、大体八十一万五百三十三名、全体のパーセンテージでは、九〇%九五と、私のほうでは計算したわけです。それから九級以上全体は、五万九千五百八十七名、パーセンテージは六%七八になつております。これをまあ両方比べて見ますると、八級の三号あたりでクロスしておることになつております。一応八級までに全部ひつくるめて考えますと、大体八級以下が九〇%と言えるのじやないかというような結論が出て来るわけであります。それと両方睨み合せて対照いたしますると、結局人事院勧告案政府の案とには、私は人事院勧告案は、尊重したとは言えない程に大きな変化がなされておるのじやないか、端的に言いますならば、この八十八万一千百七十六名の総人員の九〇%あたりに相当するものをうんと勧告案よりも低くめて、あとの一〇%あたりのものを、ぐつとカーブを上げておるという結果になる。私はこの問題は、副長官のほうでいろいろ結果においてそうなつたとおつしやいますけれども給與体系というものにつきましては、一体どこに重点をおくかというのでやはり立て直さなければならん、別に私は、ここで最大多数の最大給付ということは、ここで理窟を言いたくございませんが、九〇%が勧告案よりもずつと低くなつておる、あとの一〇%がずつと上昇しておるということは、これは私は長官がどんなに弁明されましても、人事院勧告案の根本的な精神というものを、徹底的にこれを破壊しておると私たちはどうしてもそう思わざるを得ないのであります。又そういうような、私たちは見解を持つておるのでございまするが、結果においてそうなつたと簡單に申されるのですが、もう少し公務員給與に関することは、人事院が私は責任者だと考えております。それに対する予算面では、当然政府が責任者だと考えておりますが、この二者は不離一体のまあ共同作業で、公務員給與につきましては、政令の二百一号の代替としての政府の大きな責任を果して頂きたいと考えておりますけれども、今の最初の出発点におきましても、自然に人事院の意見と政府の意見とは根本的に変つておるようなんでありますが、これにつきましては政府部内にと申しますか、人事院も含めましてよく話合いをされて、妥当な一致した結論が出なかつたのでございましようか。それとも人事院勧告案はそのままにして置いて、政府のほうでも一方的に自分の意見だけでこういうようなカーブ作つたのか。その二点についてもう少し詳しくお話を承わりたいと思います。
  29. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 人事院とよく話合いをしたかという点につきましては、勿論この法律案を作ります前には人事院と話合いをいたしたのでございます。併むながら人事院のどうしても承知できない点は、先程申上げました勧告と違うところでございまして、これは財政とかその他全然考えないで、最善の案であると信じて国会並びに内閣に出されました人事院の立場として反対するのは当然のことであつて、勿論それと同様でない限りにおいては、御賛成を得られないというふうに私どもでは考えております。そこでこれを一方においては勧告を受取つた国会が、一方においては政府から出された案を御覧になりまして御審議願うよりいたし方ないとこういうふうに考えておる次第でございます。先ほどいろいろ仰せになりましたこの結果、こういう数字の結果につきましてはおつしやる通りでございます。併しながらこれは決して私どものほうでは作為的に下に薄く上に厚いというのではなくして、予算でこういう結果になりましたのは、人事院で調べました三千三百四十円という標準生計費をどこに置くかということでございますが、二級の一号に置くことはどうしても私どものほうとしては、特に下に必要以上に厚くするという考え以外には置く理由がないと思うのでございます。二級の人の職員人員構成は十六歳から十九歳になつておりまして、それの平均が十八歳であつた場合には、二級職の丁度平均のところに基準を置くのが妥当であると私ども考えております。その結果こういうような数字なつて参つたのでございますが、成る程勧告に比べますとそういうふうに事実下廻るような結果になつておるわけでございますが、これは決して財源の都合から特に作為的にやつたとか、そういうような考えではないということをお答え申上げます。
  30. 森崎隆

    森崎隆君 それを結果から見まするとこういうように考えてよろしうございましようか。公務員給與に関する決定といいますか、これにつきましては、やはり政府に結果的に考えまして二つの機関がありまして、これが一本にはなれないというような性質を持つているのですね。二つの機関があつて両方で勝手に給與に対する体系というか、こういうようなことをなし得るというように結果的にはなり得るわけですね。そういうふうに私たち確認してよろしうございましようか。
  31. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 国家公務員法によりまして人事院の持つ権限は申上げるまでもなく、常に公務員給與等については調査研究をいたしまして、国会並びに政府に、内閣に対して適当な時期に勧告をするのが使命であります。政府はこれを受けまして財政その他いろいろな方面ら独自の考えで以て、この勧告を勿論尊重しつこれと違う案を作ることも自由であると私は考えております。そうしてその政府が作りました案と、人事院が出されました勧告とを両者見比べて、最後の決定をなさるのは最高機関であるところの国会であると、こういうふうに考えておる次第でございます。勿論この法律ができますと、この一般職公務員給與に関する法律の條文によりまして、この実施につきましては人事院は責任を負うことになつておりますが、これは政府案をただ一方的に押し付けるわけではなく、その間には国会の審議決定という、非常に大きな要素が入つておりますので、この国会が可決して法律なつたものを、人事院が責任を以て実施するということは当然のことである、こういうふうに考えておる次第でございます。
  32. 森崎隆

    森崎隆君 この権限につきましては又改めてお聞きもいたしたいと考えておるのでございますが、ただいろいろ各職域のかたがたからこの常識論でこの言われて来るのです、私たちに対しまして……。人事院がやはり政府の機関の一つである。とにかくあれだけの大勢の人数で以て、職員にせよ厖大な予算を使つて一生懸命に献身的に努力しておる。そこにとにかく良心的なものが出た限りは、そういう給與に対する基本的な調査又体系の作成ということについては、私は政府というものが人事院を含めて一本である場合は、これは分離された別のものでないというわけです。例えば今度千円アツプの予算しかないということが大蔵省政府のほうできまりまして、常識論で言つてきたところによりますと、これだけの予算の枠しかないのだ、ここで何か人事院のほうで具体的に一つ勧告が出ておるけれども、そうでなくて合理的なものができないだろうかといつたような、給與体系その他の面には人事院に全的に委任する。でき上つたもの、それを政府が何するのは結構でございますけれども、そういうようにするのが当然のことじやないかというような常識論です。法的な問題は後につゆつくり肚をすえて討議いたしたいと思いますが、そういつたように随分多くの人から申されるのであります。結局この問題は結論的に船與に関する機関が政府部内には人事院ともう一つ、二つあるということをはつきりと確認していいわけですね。最後的にはどちらか譲らない場合には、政府部内に人事院給與に関する機関が常に二つ対立し得るということを確認してよろしうございますね。
  33. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) お話の点よく分りましたが、人事院が非常にたくさんの人と国費を使つていろいろ研究調査をしているので、その結果を十分政府も利用すべきじやないか。これは誠におつしやる通りでありまして、私どものほうでも特に別に国費を使い人を使つて資料を取つているわけではございませんのでありまして、人事院が発表いたしました資料を使つて俸給表の作成なりその他やりましたことは先ほど申上げた通りでございます。併しながら人事院の権限というものは、飽く十まで先ほど申上げました通り、最善のベストのものを一つ勧告するのが一番大きな使命であると存じます。これに財政的の制限とか何かを加えて自分の意に反するようなものを作つて頂きたいということは、これは政府としても言い得ないのでございまして、事実上人事院の御意見も十分伺うし、それから又資料も利用さして頂いておりますけれども人事院の責任において一定の枠の中で以て作るということは、これは人事院の使命からいうと如何かと存ずる次第であります。要するに最善のものを、そのときの最善のものを勧告し、政府はこれを受けて財政その他各種の事情考慮いたしまして、そうして一つの案を作つて国会に出して、その両者を御覧になつて御審議を頂く、こういうふうになるのでございまして、そうなると給與のことをやる機関が二つあるということになるがどうかという御質問に対しましては、勧告をする機関と、それを受けて法律案を作る機関とは別にやつて少しも差支ないとこういうふうに思います。
  34. 森崎隆

    森崎隆君 重ねて今度は山下人事官お尋ねしたい。今の副長官お話ですと、人事院におきましては、まあ理想的な給與体系を作る、までとは言い切れないかも知れませんが、一応予算、言い換えますならば現実と遊離はいくらしておつても、自分として長心的なものを作る、そういうような自覚の下に八千五十八円ペースというものができ上つたのでございましようか。山下さんに重ねてお聞きしたいのであります。
  35. 山下興家

    説明員山下興家君) 私ども給與を、いわゆるベースをきめますのに、お金が幾らあるからそれをどういうふうに配分したらいいかという考え方でやつておるのではありません。結局公務員というものは国民全体に対してサービスをするのである。それだからして国民全体が成る程と納得せられるもの、納税者が納得せられるものでなければならない。即ち公務員は国民と同じ生活水準に置き得るものだ。これだけは公務員が当然要求し得る権利だと思つておるのであります。それでカロリーの攝取にいたしましても、国民全体の平均をとるし、それから給與にいたしましても民間給與に合わして行つておるというのは、こうすれば納税者にも納得してもらえるだろうという気持で出しておる。それについては予算考えてはならないというふうな御趣意、これはその通りであるのであります。併し予算はこうだからその体系を如何に崩してもいいということはよくないことだと思う。予算が足りなければ、例えど九割しか予算がなければこの給與を一割減にして行く、同じような率で下げるということならわかるのであります。私ども予算までそう制限しようという気持は一つもないのであります。併し予算を変える権利があるから、或いは内閣はどんなに変えてもいい、これは権限を持つておるから全部作り変えてもよろしいということは行過ぎじやないかと思います。丁度人事院でその人事官は権力を持つている、それで給與局がこしらえて来たいろいろな案つい変える権力を持つている、併し給與局は給與の責任者であるから、その責任者と議論をして、そうして変えるならどよろしいが、給與局のいうことは放つたらかして置いて、そうして人事官会議で勝手に数字を変えたといたしますと、これはどうも行政官としての値打がないのではないか。そういう行政官は駄目だろう、それでいろいろなところ欠点が起つて来るだろうと思います。それで結局これはカ—ブを上げるとか下げるとかいうことは、いろいろ意見がありましようけれども、それだからといつて、その号俸調整にまで手をつけてめちやくちやにされてしまうと、給與というものが全体が狂つてしまうのであります。これはもう各省のバランスだとか、職業のバランスとか、そういうことを我々は非常に大事に思つているのを、その号俸調整に手をつけて全部を崩してしまうというようなことは、これは如何に権限があつても、これは権限の濫用だろうと私は思うのであります。
  36. 森崎隆

    森崎隆君 それに関連して重ねて山下人事宮に申しますが、結論的に申しますると、人事院勧告されて、この大綱は当然現在の日本のまあ国力において実施すべきものであるし、又やろうと思えばできるものであるという確信を持つてあの勧告をされたものでありまするか、どうであるか。予算面は信用しないといいながら、少くとも人事院で長い歳月を使つてこうしてやつておる限りにおいて、私は当然これを実施すべきであるし、又実施できる可能なものであるという信念だけは持つて頂かなければならんと実は私は考えておるのでありますが、その点につきましてできましたら淺井人事院総裁お出ででございませんでしたらいいのですが、山下人事官でも同じだと思いますが、そういう信念で勧告されたものかどうか
  37. 山下興家

    説明員山下興家君) 先刻申しましたように公務員はストライキをする権利がないのでありますから、人事院は中間に立つて、即ち国民と公務員との中間に立ちまして、どちらにも都合のいいようにということを始終念頭に置いておるのであります。それで先刻申しましたように、国民の生活水準に合わすということに対しては、国民にはどうも異存はないはずである。それから低いところと高いところとのこの権衡がなければならない。現在の日本の企業体系に合わす、則ち全部の平均の企業に合わすということが最も合理的であろうと思いますから、これを我々が出しますると、給與というものを予算に無関係考えたものを出しましても、当然国民はこれを納得し、納税者はこれに納得して、それに対して金を支給してもらう。即ち公務員給與をきめてもらう、国民にきめてもらうという権利は私はあるだろうと思います。何よりも先にそれはきめてもらうはずのもののように思います。それですから国会も国民の代表者である、国会は十分これを認めて最も重点を置いてもらうべきはずのものだと思つておるのであります。
  38. 森崎隆

    森崎隆君 副長官にそれじやお伺いいたしますが、さつき申されましたように、基準人事院と基本的な意見の相違をどうしても人事院の人が納得できないという建前から、長官政府のほうでは給與を変えられた、その結果の体系といたしましては、人事院勧告案を基礎にいたしますれば、私に言わしめれば革命的な大きな変化だと思います。この体系の大きな変化が、結果として生れて来たことにつきまして、再検討される努力をどこまでされましたか。又これだけの革命的な変化が起つたけれども、飽くまでこれで押し切ろうという決意をなさるに至るました、理論的な思考の経過、これを一つ長官にお伺いしたいと存じます。
  39. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 先ほど人事院のかたから給與体系をめちやくちやにしたというようなお話がございましたが、これは決してめちやくちやにしたわけではなく、人事院が出しました資料人事院のやる方法によつてつた点はお認め願えると思うのでございますけれども、ただどうしてそういう差ができたかということになりますと、結局その三千三百四十円の標準生計費をどこに基準として置くか。人事院やり方がいいか、政府やり方がいいかという点と、それから七十号俸民間給與平均額が明らかに二万五千何百円となつておりますのを、二万五千円に私どものほうではやつたのでございますが、人事院はこれを六十六号相当の二万三千円にいたしておるのですが、その点がいいか悪いか、この問題はこの二つであると思うのでございます。その結果起りましたことは、お話通りこの八級以下が人事院勧告に比べまして下廻つておりますし、それ以上は上廻つておるのでございますが、これは人事院のやつたやり方、並びにこの俸給表の作り方をそのままとつてつた結果こういうことになつたのでございまして、要するにその差が起つた根本は、その基準をどこにおくか、それから最高民間給與を実際の調査通りにそこにやる、或いは作為的にそれを下げてやるか、こういう点にあると思うのでございます。その結果上下の差が八・三倍でございますが、これは先ほど申しました通り終戦後におきましても十倍になつたことがベースにおいて二度もございます。そうして最近の情勢から考えまして、少くとも八・三倍は不当に上下の差が強いものではないというふうに考えますので、私どものほうといたしまして今これを変更するとか、或いはそういう反省を加えて人事院勧告通りにするとかいうようなことにつきましては、今のところは財政その他の面から考えましても政府の案が最も妥当である、こういうように考えておりますので変更の意思はございません。
  40. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 それに関係して少しお聞きして見たいのですが、人事院勧告案を出して、そして政府に廻す。今官房長官政府においてはと言いましたが、政府において、この人事院の出した勧告政府の如何なる機関と、如何なる人的構成によつてこれを政府として決定されたか、一応参考に聞かして貰いたい。
  41. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 政府部内におきましては、各省の設置法の上から申しますと、一般職職員給與に関して所管するところは別にないのでございます。従いましてこれは内閣官房でやることになりますので、内閣官房が主になつてやるのでございますが、これは人員の点につきましても十分とは言えませんので、便宜大蔵省その他各省の人たちの協力を得てこの案を作つたような次第でございます。
  42. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 その点に私はやはり少し全部の公務員給與を作るのに杜撰な点がありはしないか。さつきから官房長官は作為的でない、作為的でないということを盛んに言つておられるが、作為的でないという裏面には、やはり政府で立てた案でやつて見たらば八級四号くらいからぐつと上つちやつて少し不合理のように感ずるというような匂いがあるのですが、そういう点をどうかということと、もう一つは今度作つたこの政府の方針、千円程度上げようというのは、これは政府関係する全部の職員政府関係すると目されるもの、大体同等と見られるもの、これらの全部に当てはめるものであろうと考えるが、その点はどうだか一つ……。
  43. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 作為的にやつたのではないということは最前から申上げました通り、全くその通りでありまして、資料人事院の出しました資料を用いて、人事院やり方をそのままとつてつた結果がそのようなことになつた次第でございます。それから千円の平均給與額の上昇ということは、これは一般職職員給與に関してでございます。勿論この一般職職員給與が基となりまして、特別職給與もきまりましようし、その他一般職の中でも検察官、或いは裁判官というような人たち給與もきまつて来るわけでございます。
  44. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 大体そういうのに準ずる人には一律に大体この率で昇格して行くという考え方に変りはないわけですね。
  45. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) さようでございます。
  46. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 わかりました。
  47. 森崎隆

    森崎隆君 官房長官にお伺いをいたしまするが、いろいろ今のお答えを聞いたのでありまするが、結局におきまして人事院の創設に関しましては、やはり政令二百一号のこれは代替のきく機関と申しますか、公務員全体については重大な大きな意義を持つておる機関だと思いますが、官房長官のもとにおきましてはやはり絵皿に関する調査その他の機関がございましようか。その機関と人事院の大きな機関との間に、私はどちらもまあ一生懸命にやられておるとは思いまするけれども、問題は私ここにあると思うのです。それは何かと言いますると、結果的には繰返すようでございまするが、数十%のものが相当犠牲になつたという、これは大きな変化を見たのでございます。こういうような結果が作為的ではなく、作業の結末として出て来る上におきましては特に十分の再検討を加えることは当然なされたと思う。それにつきましては人事院よりも官房長官の指揮下にある機関は小さい機関じやないかと私は考えるのでございまするが、ところが官房長官の下におけるその機関につきましては、やはり国家公務員全体の問題でありまする関係上、各省にはおのおの人事官というものが皆おられるわけなんです。こういうかたがたを例えば招集いたしまして、そこでいろいろな意見を聞きまて、政府として人事の各省の責任者に聞きまして、民生的な会議によりましていろいろ意見を聞いた上で再検討を私は当然されるべきであると思うし、又されたと思うのでございますが、そのときに各省に配属されておりまするところの人事官がどういう意見を出されたか。そういう点の一つ経過をお伺いいたしたいと思います。
  48. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 先ほどから申上げております通り人事院の整備した陣容及び科学的の研究調査というものに比べまして、内閣官房の陣容といいますか、態勢が劣つておるということは、これはもう当然のことでございまして、内閣官房には僅かな人間で以て他の省に属さないことをやつておるのでございまするから、陣容のごときも非常に貧弱でございます。従いまして内閣といたしましては非常な莫大な経費、或いは人員を要するような民間給與の実態であるとか、その他各国の例であるとか、そういつたような資料は全部人事院から出した資料を使つておるのでございます。ただ政府部内といたしましては、予算関係給與のことにつきましては、相当大蔵省で以て研究もし、公務員の実態の調査はやつておるのでございまして、これは勿論人事院でもやつておるのでございますが、予算を配分し、予算を執行する面からいきまして大蔵省にも給與課というものが主計局にございまして、いろいろな資料を内部の点については持つておるのでございます。その内部の点に持つておる資料は、これは内閣といたしましては十分利用いたしたのでありまするが、非常に金と日数と人手を食うような外の民間給與とか、或いはその他の資料はでき得る限りもうこれは全部と言つてよろしいくらい人事院資料を拝借してやつておるわけでございまして、別にダブつた調査も何もしておるわけではございません。  それから第二の点でございますが、各省の人事主任官の集まりをして検討したかというようなお尋ねでございますが、これはこの案を立てます前には二度ほど各省の関係人事主任宮に集つて頂きまして、大体この案を立てる主な原則的な問題について討議をいたしたのでございます。そうしてその人たち考えも十分に尊重して案を作つたような次第でございます。併しながらこの具体的の案ができまして、これをそういうような人事主任官の会議にかけるとか何とか言いますると、これは非常に各省の利害得失一様でございませんので、なかなか案まとまりませんので、私どものほうでもできました案を人事院のほうにも勿論御相談申上げましたが、次官会議及び閣議にかけまして最高機関の決定を得て国会提出いたしたような次第でございます。
  49. 森崎隆

    森崎隆君 重ねて副長官お尋ねいたします。二度ほど会議されたとか申しましたが、この間人事委員会におきまする供述におきましては一度きりだというようなお話つたのですが、或いはお間違いじやないか、私のほうの間違いですか、その点をはつきりして頂きたい。それともう一つ、最後的には民主的な会議によつて政府の最後案なるものが決定されなかつたようでございますが、どの程度の各省の人事官の意見を織込みまして、政府の人事官会議にかけた原案が修正されました、か。この二点をお伺いいたしたいと思います。
  50. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 二回やつたことは事実でございます。日は十月十七日に一回やりました。確かに二回やつたのですが、先日洩れ承るところによりますと、ここに参考人としてお呼びになつた人達が一回だというお話を申上げたそうでございますが、その人はたまたま欠席いたしまして、代理の人が出ておりまして、二回やつたことは事実でございます。どの程度参考にしたかということにつきましては、原則的な問題は、数字こそ示さなかつたのでございますが、数項目に亘つて、丁度九項目ぐらいに亘りまして、いろいろ討議したのでございます。そうしてこれは案を立てまするときの参考にいたしまして、十分取入れたつもりでおるわけであります。勿論このほかにもいろいろな考え方があつたのでございますが、そういう人達の意見を取入れまして、これはやめたものもございますし、こちらが最初に考えておりましたものを変更したものも多分にあると思います。
  51. 森崎隆

    森崎隆君 結論的には内閣官房の比較的少数のかたがたの手によつてこの政府の原案というものが作成された。更に人事院と意見の相違があつた点から考えますると、このたびは人事院の調査機関といつたような、そういう面も十分に基礎として使つたから、最後的には人事院に頼らなくても、内閣官房におきまして、政令二百一号に伴いまする重大な公務員給與に関する責任は、内閣官房において果し得るという自信はやはりお持ちでありますか。
  52. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 私が先ほどから申しておりますことは、人事院のお世話にならないでも絶対に内閣で以てやるというような意味でなく、反対でございまして、人事院の整備した陣容並びに貴重な資料はでき得る限りそれを使う。ただ部内の公務員給與に関する予算関係するような問題については、こちらに資料がございますので、それを用いたのでございまして、人事院資料はこれをそのまま尊重して使つて行きたい、内閣並びに各省の資料では十分でございませんし、又人事院とダブつてそういうような資料を作る必要もございませんので、今後もますます人事院の研究なり調査を尊重して行きたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
  53. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 人事院資料は尊重したと言われるけれども、実際には先ほどから言われる号俸調整の問題で、人事院のものとは全く相反する号俸の削減をやつておるわけなのであります。特に官房長官の言われるように、肺結核、或いは癩患者を扱うような人たちは当然前と條件は変らないけれども、三分の一程度削減したというようなことを言われたりするのだが、そういう号俸を削減したというような方針は、根本的な考え方はどこから出て来るのですか。
  54. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 先ほど申上げました通り号俸調整の点は確かに勧告にはございませんで、これが勧告と違う非常に大きな点でございますが、これは先ほどお答え申上げました通り政府といたしましては、一般公務員との権衡からいいまして、どうしてもこの際一般公務員勤務時間との差も非常に縮まりましたし、又社会情勢からしまして、仕事のむずかしさということも相当程度勘案せられましたので、全然これをなくなすという考えはございませんが、おおむね、その差を半分にするということは、この際最も妥当ではないかというふうに考えた次第でございます。
  55. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 私は妥当でないと考えるから質問しなければならんが、調整によつて号俸を減らした。そうして一体今官吏八十何万あるうち減らしたことに該当する人が何人くらい、何%くらいありますか。そうして更に調整の削減によつてどのくらいの財源が伴いて来るのか、一人一体どのくらいの平均なのか、全体ではどれくらいになるか、これを聞かしてもらいたい。
  56. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 公務員全体九十二万のうち調整号俸の権衡の影響を受けるものが五十六万ほどあるのでございます。併しながらこのうちで、最も多人数を占めておりまするのは電通とか、郵政の特別会計のものでございまして、これは従来の調整方法といたしましては、おおむね一号の差でございまして、これは額といたしまして、これが半分になりましても非常な僅かな差でございまして、百円に満たないくらいの違いでございます。月額にいたしまして、全体の平均額というのはこれは職権別によつて皆違いますので、簡單に申上げられませんが、若しこの調整方法の変更ということを全然しなかつた場合にどのくらいの経費が要るかと申しますると、本俸だけで二十二、三億という数字になります。そのほかこの本俸が変りますると勤務手当等も変りまするので、それ以上になるというふうに考えております。
  57. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 そうすると例えば税務署職員であるとか、郵政関係であるとか、全般的な各種ごとに詳細にどういうふうになつておるかという表はできておるのですか。
  58. 磯田好祐

    政府委員(磯田好祐君) 一応私どもの手許におきましては、この調整方法を切下げました結果といたしましてどういう結果が出るか。大体数字は用意いたしております。具体的に御説明申上げますか。
  59. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 数字があれば数字を出して資料でもらいたいね。
  60. 磯田好祐

    政府委員(磯田好祐君) 実はこの数字は極めて厖大なる資料でございまして、印刷いたしますだけでも相当あれがかかると思うのでございますが、若しお許し願えれば、例えば税務につきまして何号のところに置いて、今度調整号俸いくらというような問題が一応資料が手許に用意してあります。若し資料として正式に御要求があれば提出するのでございますが、非常に手数がかかるのじやないかと思うのであります。
  61. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 それは当然手数がかかるであろうけれども、納得が行かないからお聞きするのだから、私は不勉強の点はあるかも知らんけれども、いわんや、機械的に説明して、資料を出すのには非常に厖大なものがかかるというのでは私は困ると思う。厄介でもやはり資料は時間的に間に合うようにお出し願いたい。  先ほど官房長官政府関係したところの職員、これに準ずるものには一律に……この内容のものとは少し離れた質問でありますが、これを若し一律に引上げるということを言われておるのでありますが、聞くところによりますると。大蔵省関係しておる復興金融金庫の職員だとか、或いは閉鎖機関の処理委員会職員だとかいうような人には、これは恐らくデマであろうと私は考えるが、こういう人は従来が給與が若干高いので、これは高いには高いだけの理由があるので、説明しろというのであれば時間が若干かかりますけれども説明しますが、これらを今度の昇給のなかには入れないということを聞いておるのだが、そういうことがあるかどうか官房長官ちよつと伺いたい。
  62. 磯田好祐

    政府委員(磯田好祐君) 只今御質問になりました復興金融金庫、閉鎖機関整理委員会等のいわゆる政府諸機関の給與改訂につきましては現在の一般公務員と比べましたところの給與の比較が平均給で申しまして大体二〇〇%乃至二百二、三十%、即ち一般公務員の二倍乃至二・二、三倍程度なつておる。もともと今回の給與改訂は先ほどから長官からのお話がありましたように、現在低い公務員給與のべ一スを、千円の範囲内におきまして少しでも民間との給與の権衡を図るという趣旨に出でておるわけであります。従いましてこれが政府諸機関のごとく現在におきまして相当高位の水準の給與を受けておるというところにつきまして直ちにこれを引上ぐべきや否や相当疑問があるわけであります。勿論現在におきましてもこの問題は検討いたしておるのでございますが、現在までのところは一応この水準を変えるというようなことは政府としては考えていないような状況でございます。
  63. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 大分数字のあれが違うと思うので、この人たちの実際の勤務時間というものは将来性のないことは私が今更説明しないでもわかる通りでありますし、そうして使われている立場にある人たち一般公務員に対して極めて程度の高い人たちが使われておる。従つて六三ベース一般と比較した場合に若干上廻るものを取つておるかも知れんけれども、六三給與の水準を、今日一般が八千円とつておるものをこの人たちが一万六千円も取つておるということは私はないと思うし、そういう数字が私の知つている限りでは出ておらん。従つて、先ほど官房長官の言われるように、この人たちだけを除外するということのないように私は更に研究をして頂きたいと思いますし、数字的に矛盾があれば、これは勿論これらの関係者と十分話合をして理解、納得の行くようにせられるべき問題であつて、当然政府の方針としてはくれるにはくれるだけの理由があつたわけでありまして、二〇%か三〇%余計出しておるということは聞いておるが、これは仕事の性格と、今申上げましたように、将来性がないというような関係から若干多く出しておるのですから、例えば地方に行つて交通産業なら交通産業が一般産業より危険産業であるために、三〇%なら三〇%だけ多く出してもよいというのと全く同じ形をしておるのでありまして、これらの人達を同等に扱うようにここで僕は特に官房長官に要望しておきたいと思います。
  64. 森崎隆

    森崎隆君 今の問題ですが、平均給でございますね。これは非常に高いということにつきましては、もう少し詳しく説明を聞きたいのですが、例えば学校なんかで、若し学校というものの職員の構成が学校長と教務主任と二人ですね、これは学歴、勤続年数、年齢等からみますと一万四、五千くらいになるのではないかと思うのですが、そのはつきりして貰いたいと思います。
  65. 磯田好祐

    政府委員(磯田好祐君) 只今お話のように平均給自体で比較いたしましたものが、直ちにその関係機関の職員給與が高いという結論になるという意味で申上げたわけじやございません。勿論先ほども申上げましたように、平均給におきまして一般公務員と比較いたしまするならば、おおむね二〇〇%乃至二百二、三十%の水準にある。併しながら政府として現在考えておりまする点は、この各機関の人員構成、即ちその学歴、経験年数、勤続年数、そういうものを具体的に公務員と同じ学歴、経験、勤続年数或いは男女別構成というものと比較いたしました場合におきましても、なお相当高位にある。そういう資料に基きまして政府としては現在のところ直ちにこれを変更するや否や、相当疑問がある。現在のところ変更しないでもよろしいのではないのではないかということに考えておるわけであります。ただ單に平均給與一般公務員に比べ高いと申しましても、勿論人的構成が非常に年齢構成が高い、或いは学歴、経験の非常に高い人が多いというような要素は勿論基本的に考えなければいかん問題である、さように考えておるわけであります。政府といたしましてもこの問題につきましては目下検討中でございまして、今のところは変えるということは考えておりませんけれども、なお十分に検討いたしたいつもりでおります。
  66. 森崎隆

    森崎隆君 重ねてお聞きしたいと思いますが、今の答弁では、学歴その他年齢などにおける平均給という意味では、別にそれを理由にして今度の切替えは行わないとおつしやいますが、それはその他の面において、一般平均給の少し高いもの、それを具体的に是非資料として欲しいのであります。漠然とそう言われましたのでは、私ども納得いたしかねる。例えばどの省が、大蔵省なら大蔵省の課長さんなら課長級というものの平均給、文部省の課長級の全体の平均給を比較した場合に、そこのやはり年齢その他でいろいろ格差はあると思う。そういう格差はあなたのほうでは理由にしないとおつしやいますが、そのほかにそれからなおこういう機関に働いておる人たち給與が高いという理由はこれは重大な問題です。これははつきりと資料一つ出して頂きたいと思います。かくかくのごとく高いからこの際は切替えはしないというはつきりした科学的な私は資料を頂きたい。なお目下研究中ということでございますから、私もそれで非常に安心いたしたのでございますが、もう一つ、こういう人々の身分というものは一体これは公務員になるのですか、何になるのですか。私はわからないのですが、その点はつきり一つ法的にきまつておるところがありますれば御説明願いたいと思います。
  67. 磯田好祐

    政府委員(磯田好祐君) 只今問題になりました政府関係諸機関の職員公務員の身分を持つておりません。従つて公務員法の適用があるわけじやございません。ただ單に政府関係の機関といたしまして予算的にその給與が統制されておる、そういうような状態にある機関でございます。
  68. 森崎隆

    森崎隆君 それでは給與はどういう基準でおきめになつたのですか。
  69. 磯田好祐

    政府委員(磯田好祐君) これを例えて、復興金融金庫の場合についてこれを申上げますれば、復興金融金庫の設立当初におきまして、例えば日本銀行とか或いは勧業銀行とか或いは興業銀行等の職員をとつたわけでございます。従いましてこれを一般公務員給與の並でなければならんということはこれは不可能である。従いまして当時におきましても相当高い給與においてこれをとつたのでございます。それから又閉鎖機関等について申しまするならば、閉鎖機関は御承知のようにスキヤツピングによりまして閉鎖されたところの機関の整理をやる委員会でございますが、それはおのおの閉鎖れた元の機関の職員が整理に当るために残つておる人が相当おられる。ところが元の機関のときにおきまして、勿論これは民間の機関でございますので、相当高い給與を貰つてつた、そういう実状を勘案いたしまして当時の給與というものはきまつてつたと思う。その際におきまして先ほどお話の出ましたように、一般に比べまして、例えば三〇%高くするというような沿革的の問題があるように私は聞いておつたのであります。
  70. 森崎隆

    森崎隆君 それでは現在そういう機関に働く人々に現在支給している俸給その他につきましては、これはもうすでに既成事実として政府ではお認めになつておるのですね。認めておるといたしますれば、当然これは今度の新しい……どういうふうに決定されるかわかりませんが、新しい給與体系に、これはやはり入れなければならんことは当然のことと思います。その点について御研究されておるかどうか、どういう御意思かお伺いしたい。
  71. 磯田好祐

    政府委員(磯田好祐君) これらの機関の今度の給與改訂の問題を考えます。際におきましては、一般公務員給與との権衡の問題もさることながら、例えばこれらの諸機関は民間で申しますと、民間の金融業に相当いたす職種に非常によく似ております。従いまして、その一般的な民間の金融業の平均給與が大体どういう姿になつておるか。そういう点も比べまして、即ち一般公務員給與との権衡、それから民間のそれに最も似かよつた職種の給與の権衡、そういう問題を考えまして、その給與の決定をしたい、かように考えておるわけであります。
  72. 森崎隆

    森崎隆君 重ねて一つ、今の点につきましてお願いしますが、是非とも具体的な資料を出して頂きまして、目下検討中だということでございますから、是非とも一つ重ねて御研究して頂きたい、それだけ申上げておきます。
  73. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 今の問題と大体同じ問題ですが、聞くところによると年々というか、月々というか、人員整理が何%ずつかなされておるそうですが、そういう人々に対する退職金というか、或いは退職慰労金というものが期間が短かかつたので、こういう臨時的な、政府に手伝つてくれたというので、何か特別の方法でもとられておるのですか。若しとられて将来の安定がとれるならいいんですが、そうでなくこの短かい期間、而もよそに行けば十分高給をもらつて行けるのに、この仕事に精通し、これに拘束されたというような関係上、知らず知らず三年も五年も過ごして、今度は相当な年輩になつてよそに行きたくても行けない。これは細かい問題ですが、これを含めてこれに対するこれらの人々の給與が三〇%よかつたのではないかと思うがそういう点を十分含んだ資料にして貰いたいということと、今言う退職金とか慰労金というようなものは、そういう短い期間勤めたということを加味して特別の処置がとられたかどうかということをちよつと聞きたいと思います。
  74. 磯田好祐

    政府委員(磯田好祐君) 只今お話のありました退職金につきまして、特別のことを考えておるかどうかという問題でございますが、御承知のように一般公務員につきまして、昨年行政整理のありました際におきましては、これに対しまして一般の普通退職の場合におきまするよりは特別の有利な取扱いをいたしております。それと同じような取扱いをそれらの諸機関に対してもとる。そういうふうな形に相成つております。
  75. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 そこが少し機械的だと思う。それは行政整理で昨年度やめられた人が、十年、二十年、三十年と勤続した人々でやめられる人が非常に多かつた。ところがこの機関の性格からいつて、そんな長い期間おられる人はないので極めて金額にしては少ないというようなことが考えられる。そういうような点を十分考えて、要は今度の引上げと同時に、これらの人の引上げもやつてあげるという覚悟であつて、どうしてもやれないとするならば、こういう理由だからやれないというその理由を出してもらいたい。森崎君のさつきの資料のことだついてこういうことを附加えて頂きたい。
  76. 森崎隆

    森崎隆君 今の身分のことで、一つ聞いておるとおかしいのですが、政令の二百六十四号の附則で、退職金の問題が公務員なみになつておつて、退職金の問題はやはり公務員のように取扱つておるようであります。今度の給與の問題では枠を外すということは、我我どうしても政府の一貫した行き方ではないと思う。これは良心的にやつて頂くことが、当然人数にいたしましても三千人ともいない少数のものであります。一方には毎月何%かの首切りをずつと継続中だと聞いておる。こういうような二千四、五百名のものにつきましてこれだけの枠を外すのだというようなことは誰が考えてもおかしいと思う。少くとも一つこの点は御善処方のあらんこと重ねて強く要望いたしたいと思います。
  77. 木下源吾

    ○。委員長木下源吾君) ほかにございませんか。
  78. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 これはちよつと違うのですが聞いておきたいと思うのです。この給與ベースちよつと違う問題だけれど緊急の問題だから、年末手当のことですがよろしいですか。
  79. 木下源吾

    委員長木下源吾君) どうぞ。
  80. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 年末手当が今度の議会で決定されたのですが、それをいつ支給するか、副官房長官に聞きたい。日にちを明確にして貰いたい。
  81. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 先般国会を通過いたしました年末手当法律によりますと毎年十二月十五日に支給することを原則といたすとなつておるのでございますが、今年は公布の日から十日以内に支給する。こういうことになつておりまして、これはあらかじめ一定の日時を限つて準備することができませんでしたので、これは行政機関或いはその他によりまして多少の違いがあると思いますが、公布は間もなく明日か或いは明後日になると思いますが、それから十日以内に必ず支給する。こういうことになると思います。
  82. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 そうすると明日ですか、いつですか、それはわかりますか。
  83. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 只今のところでは十五日に公布したいと思つております。従いまして本年の二十四日までに支給する。こういうことになります。
  84. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 重ねてその問題で伺いますが、そのときに御承知のように我我は全国の林野局に働いておる諸君などは実際常勤に等しいものは、この法律の中に入れて当然支給して呉れということを要請して、官房長官もそういう処置をとるということを明確にされたように思いますが、あのときは大体時間も接迫したので一緒に異議なしということで、そういう内容に触れることなくきめられてしまつて、それで実際の処置はあのとき官房長官が言明したように、今となつては止むを得ないから常勤に等しい人には、法律的の内容如何にかかわらず実質的な給與をする。こういうふうななんらかの手を打つて呉れるだろうと考えておつたが、その点どうなつておりますか。
  85. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) その点につきましては臨時国会の末、官房長官が申上げた通りでありまして、その後変更ございません。
  86. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 処置して呉れるのですね。
  87. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) さようでございます。
  88. 木下源吾

    委員長木下源吾君) ほかにございませんか。それでは二、三ちよつとお伺いして置きますが、政府人事院勧告を尊重して生活の標準三千三百四十円を二級一号と四号と変えただけでだんだん積み重ねて行つたと、こう言われておるのですが、それはあらかじめ予算というものを考えずにそういうような方法をとることを原則としたのですか。
  89. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 予算の点は勧告を検討し、実施の法律案を作る場合に非常に大きな要素でございますので、勿論終始予算の点につきましては私ども考慮に入れたのでございまして、この最後に決定いたしました法律案作る前程には、いろいろの参考案といいますか経過的にわいろいろの案を作つてみたわけでございます。併しながら一般公務員給與体系といいますか、給與の改善といたしましてはこれが最も妥当であるという最後案を決定いたしまして、そうして平均給與額を算定いたしますると予算の点における負担がおおむね一人一千円という程度で落着くということが算定できましたので、この点も予算上の予定ともぴたりと合つたということによりまして、この案が最もいいという自信を得まして提出いたしたような次第であります。
  90. 木下源吾

    委員長木下源吾君) そうしますと偶然にまあなつた、こういうことのように思いますが、号俸切下げに対することは初めからやはり考えておやりになりましたか。
  91. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 号俸切下げの問題につきましては、これは長年の実は懸案でございまして、一般公務員からは勤務時間がかように同じになつた以上、どうしてこういうふうな差をつけておるのかというような意見も相当我々の耳にするところでございます。併しながらこの号俸調整ベースを改正し、而もこの予期する場合でないとなかなか調整ができないのでございまして、若し仮にこれを普通のときにいたしますと、手取りが減るようなことになりまするので、どうしてもべ一ス改訂のときに考えなければならないのでございまし、先ほど申上げました通り今度の案を作りますときに、原則的ことをいろいろ各省の人たちとそれぞれ相談いたしましたときも、調整号俸の再調整ということにつきましては最初から考えてやつたのでございます。
  92. 木下源吾

    委員長木下源吾君) そうすると極く最近に人事院規則などできめたのもあるのですが、そういうのもやはり不適当だと考えておられるか。
  93. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 極く最近、本年の十月に職業安定所の職員に対しまして、人事院規則調整号俸をきめたのでございますが、これは確かに勤務時間の点におきましても、それから社会情勢の点につきましても、僅か一ヶ月や二ヶ月のことでございまするので、変化があつたということは理由にならないのでございますが、ただこれはこの点につきましては、ほかとの振合い上おおむね半分にいたしましたのでございますけれども、その理由といたしまところは、そもそもこの職安の調整号俸を作りました十月におきましては、非常に職業安定所の職員のかたがたが苦労せられ、危險のような目に会つた時代から暫く経つてからでございまして、これはむしろその最も危険であつたという時期よりか外れておつたのでございます。現在におきましてはその非常に危險であつた時代に比べますと、職安に勤務しておる職員も多少緩和されておるということは事実として認められるわけでございます。それからこの点につきましては若し又情勢が変りまして、職業安定所の職員のかたがたが非常な又危険に曝らされるとか、或いは苦労をせられるとかというような場合がありますれば、これは人事院規則で以て格付けすることになつておりますので、そのほうで以て調整ができるというふうに考えまして、大体ほかとの振合いによりまして半分にいたしたような次第であります。
  94. 木下源吾

    委員長木下源吾君) そういたしますと、やはり、今後特別な号俸をつけなければならない実態のものは、今度政府でつけようということになるのですか。
  95. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) この法律の規定によりまして、この法律の実施につきましては、人事院政令で他にきめられてございますので、この点につきましては、政府も勿論、実態をよく把握いたしまして、要求すべきときは要求するのでございますが、最後的には人事院できめることになると思います。
  96. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それでは人事官にお尋ねしますが、只今のようなことがございますことに対して、人事院は今回政府提案された号俸切下げのことに対して全体と申さなくても部分的にでも妥当だとやはり現在でも考えられておられるかどうか。
  97. 山下興家

    説明員山下興家君) 先刻私は、今度政府でお変えになつたものについて、給與体系をめちやくちやにされたと言つたら、結局、低いところから高いところに行く勾配のお話に持つて来られたのでありますが、私が一番実上困る点は、号俸の調整の技術面であるのであります。これはもう至るところに不合理がありまし、今ここで簡単に指摘するわけにはいかないのでありますが、たまたま只今職業安定所のお話があつたのでありましその問題だけ一つここで取上げてみましても、我々は職業安定所は全部が危険とは思わない。職よこせといつてえらい騒ぎを立てるところが危険であるから、そこへ暫定的に号俸をつけたわけであります。それもその一つのところが永続するわけではないのですから、ときどき又変るわけであります。それで期限付でつけております。例えば今年度の終い、即ち三月までといつたような号俸調整がつけてあるのであります。ところが今度の号俸調整をせられましたのは、そのつけた号俸を切るのではなくて、それに相当した俸給を切つてある。そうするとさ結局、この来年の三月になりますとつけた号俸はとりのける、残つた者は減給になつたといつたような結果になるのである。そういうものが至るところにこれはありまして、到底全体の七割の公務員の何んとかこれをしろと言われても、それはどんな政令を以てしても法律を変えるわけに行かないのでありますから、この通りにしろと言われると殆んど不可能に近いのであります。  もう一つ例をここにちよつと挙げてみますと、例えば今度ので地域給も減る、それから、こういうふうに調整号俸でも減つて行く。併し、一割以上は減らない保障があるのであります。それはそれに該当しますのは大体四、五万人ある。それを今度はその地域給を減すので、少くするというならわかつておるまだ……。ところがそれの者の給料を増すということになると、給料でこれを調整されますと、今後これがきまつたら、給料が皆そういう連中は上つて行くわけであります。ところがその地域給というものは、これは暫定措置でありまして、この法律に書いてあるように五分ずつ、今の地域給から全部五分落すということになつております。それからあと人事院の案によつて地域給を別に定めるということになつております。それがいつきまりますか知りませんが、一ケ月なり二ケ月先に定まつたときに、今度は今の五分よりも減つたところはどうするのかというと、今度はどうするのか私にはわからないのでありますが、もう一遍昇給するのかも知れません。併し上つたところはどうするかというと、前に上つたのを取消すのかどうか、そういうことができるかどうか、私にはわからないのでありまして、そういつたような無理は、どうしてもできないような要素がたくさん含まれておる。それで結局このカーブだけ直されるなら仕方がない、国会で御承認になれば、それは我々はそれに従つてやるよりほかにないのでありますけれども、この財源を求めるがためにと私は思うが、調整号俸までも手をつけて行くから実行不可能になつて来るのであります。例えば肺病患者、或いは癩患者の病院に勤める看護婦についている危険手当があります。その危険手当を今度はやはり取る、そういうものもやはり本給から取つているああいう所になかなか人が集まらない。今までいろいろ研究したあげくここまで来ておるのだから、手をつけるときに一時にパツとやつて、そうしてあとはどうか、何からやれと言われても、それは法律違反か何かになるよりほかに今のままでは手がつかない。それを私どもは非常に恐れておるのであつて、この本給の縦とかいうようなことは、これはやれないことはないが、やれないことがたくさん含んでおる法律を出されるというと困るということを一つここで申上げて置きます。
  98. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 重ねてお尋ねしますが、実施は人事院でやられるのですが、この法律が成立すると、給與の実施は不可能だというようなことに聞き取られるのですが、そういう意味に解していいですか。
  99. 山下興家

    説明員山下興家君) 不可能と申しますのは、給與体系がめちやくちやになつてよろしければというのでありますけれども、そういうものはどうも困まるから、それで不可能に近いと申上げるわけであります。
  100. 磯田好祐

    政府委員(磯田好祐君) 只今山下人事官からお話のありました点につきまして、例えば癩療養所とか、結核療養所の場合におきまして本給を落しておるというお話があつたのでございますが、これはそうではないのでございまして、調整号俸にのつかつたものがその人の俸給という、号俸という現在の政令四百一号の適用ありまする職務につきましてはそういうことに想成つておるのでございます。ただたまたま現在の人事院規則適用のありまする、先ほどお話に出ました職安、職業安定所の場合と、それから裁判所の書記、それから検察事務官の場合につきまして、現在の人事院の解釈の仕方といたしましては、調整号俸は本来の俸給の上にのつかるものであつて、本来の俸給は飽くまでも元の俸給である。調整号俸は上に乗つかるものだけであると  いう解釈になつておるわけであります。そのものにつきまして、その本来のこの法律の規定の解釈から申しますと、元の俸給を切るのじやないというような解釈が一応成り立つわけであります。この点は私ども法制局で審議いたす際におきましても、これは問題としては一応取上げたのでございまするが、現在の政令四百一号の規定に基きますところの号俸というものは、調整号俸がのつかつたものが本来の俸給ということになつておる。従つて人事院におきましてそういう解釈をして頂けるならば、即ち本来の号俸調整号俸ののつかつたものを以てその人の号俸とするというような解釈をするならばこの問題は私ども解決するんじやないかということで、法律はああいう書き方になつておるわけでございます。その点一つでございます。  それから次に先ほど勤務手当を含めて一割保障をしておるがために、将来勤務手当が変つた場合におきまして、或いは転勤した場合において、非常に不合理な結果が生ずるというお話でございます。この点は一応御尤もな話でございます。併しながらこの勤務手当を含めまして、而もなお一割の手取り……今度の給與ベースの改訂によりまして現在の俸給よりも一割未満しか殖えないというものは、職種といたしましては船員だけしかございません。即ち調整号俸適用のあります職種といたしましては、例えば特別俸給表を含めて申しまするならば税務、警察、船員、それから癩療養所であるとか、それから逓信従業員その他の各種の特殊職域職員があるのでございますが、ただ船員の場合につきましては、現在のつかつておりまする調整号俸が非常に大きい。従いましてその場合におきまして、これを調整号俸一般の原則に従いまして半分にいたしました。その関係におきましてたまたま一割の手取りを割る場合が出て来る。そういうことは非常に気の毒だという建前を以ちまして、特に一割の最低保障をつけた。この一割の最低保障をつけないでよろしいという議論なら別でございますが、勤務手当が今度下りまして、而もなお調整号俸の切下げが行われるという形になりますと、たまたま現在の給與よりは一割未満しかしらん気の毒な場合が起つて来る。これは是非救済したいという形で一割の保障の規定を入れたのでございます。この適用のあります船員と申しますのは、全体で申しまして全公務員を通じまして約五千人に過ぎません。而もこの五千人と申しまするのは各地域手当……各その船籍港というものはきまつておりまして、その地域間におきまして転勤をするというような場合は殆んどあり得ないのじやないか、即ち例えば長崎におる人とか、或いは神戸におる人とか、或いは横浜におる人とか、おのおのその船籍港に勤務をいたしておるわけでございますが、横浜に勤務いたしておる者が長崎に勤務替えになるというような場合におきまして、たまたま長崎が仮に丙地といたしまして横浜が特地であるという場合におきましては不合理な結果が生ずるというようなことがあり得るのでございます。これは先ほど申上げましたように、少くとも一割の手取りを保障してやりたいという結果から生ずる極めてレア・ケースでございまして、ほかの職種におきまして、手取りにおきまして調整号俸だけを適用いたしまして一割以上殖えないということは絶対にないのでございます。ただ單に船員の場合においてのみこういうレアケスがある、そのレア・ケースを改訂しようという結果の規定でございます。
  101. 慶徳庄意

    政府委員(慶徳庄意君) 私は人事院給與局次長の慶徳でございます。大変山下人事官が事務的な問題に触れられましたので、そのお言葉の使い方がまずかつた点がある等によりまして磯田課長から御指摘があつたようでございますが、私も給與局次長といたしまして給與の専門家であります。山下人事宮の言われました趣旨が非常に曲げられて誤解されておるように思いますので、給與専門家たる私の立場から特に御説明を許して頂きたいと思います。(「聞きましよう」と呼ぶ者あり)  今磯田課長の説明されました第一点の癩病の点につきましては、山下人事官が本俸を下げる云々というお答えを申上げました点は、山下人事官の間違いでございます。これははつきりその通りと専門家として申上げたいと思います。  第二の職業安定所等の問題につきましては、私ども絵皿専門家として問題にしておりまするのは、根本が違うのでありまして、例えば職業安定所であるとか、或いは又検察事務官、裁判所事務官等たくさんの人があるのでありますが、現在人事院規則によりまして調整額をつけられておりまするのは、検察事務官なり、或いは職業安定所の職員としておる間に関する限りつけるという建前でございます。その職業安定所なり検察事務官というものにある間に限りつけるという建前であるにかかわらず、その調整額を削るのではなくして本俸を削るということになることによつて問題が起るということを申上げているわけであります。言葉を換えて申上げまするというと、検察事務官から司法事務官に転勤いたしましたような場合におきましては、調整額はつかないのであります。つまり人事院規則によるところの調整額はつかないのであります。それにかかわらず本俸を、例えば今の案では二号俸落すことになつておりまするが、その人が司法事務官になりました場合には、本俸それ自体が二号俸切り落されたまま司法事務官に転勤するということになるわけでありまして、これは人事実施面におきまして非常に困る問題であろうと申上げておるわけであります。更に又現在の調整号俸適用を受けまするのは、現在の在職者についてのみでありまするので、今後新規に採用いたしましたものについては、何も調整号俸がありませんので、差引きも何も起つて参りません。これは一般並に入つて来ることになるわけであります。更にそのほかに検察事務官の例を申上げまするならば、人事院規則によりまして四号俸又おまけがつくということになるわけでありまして、法律、施行の当時在職の者とその後に新規採用になりました間におけるアンバランスも又生まれて来る、これも私どもは問題にしておるわけであります。  もう一つ問題になりました職業安定所の職員につきましては、今年の三月一杯のみしか調整号俸はつけないということにいたしておりまするので、それにかかわらず本俸を削るということになりまする関係上、来年の四月一日以降は職業安定所におりましたままでも本俸が下つて参る、いわんや他に転勤いたしました場合におきましては、勿論いうまでもなく下つて参る。こういう事実が、実施面において非常に困難であろうということを実は申上げておるわけであります。従いまして繰返して申上、げまするならば、検察事務官としております間は、給與課長の説明のように私どもの解釈如何によりましてちつとも動きません。損得がないということを私ははつきり申上げてよろしいと思います。問題はほかへ転勤した場合であります。もう一つは新規採用者とのアンバランスであります。これを私どもは問題にしておるわけであります。  更にもう一つ勤務手当の問題でありますが、これは確かに給與課長がおつしやいまする通り船員のみでありまして、極めてそれに該当する件数は少かろうと存じます。ただ私ども給與専門家の立場として申上げておりまする点は、勤務手当の一部を保障する方法といたしまして本俸に手をつけるより、むしろ方法論といたしまして勤務手当自体において調整をとるべきである。本俸に手をつけるということ自体が問題ではなかろうかということをむしろポイントにしておるわけであります。私どもが実施面を担当いたしまする者として何故にかくのごとく申上げるかと申しますと、申すまでもなく本俸は或る意味において官吏制度の根本をなしておるわけであります。恩給制度なり退職手当制度なり死亡賜金なり一切のものに直接影響を持つわけでありまして、一号かた低い二号かた低いということそれ自体が公務員制度としては非常に根本に触れるものであるから実は申上げておるわけであります。給與専門家の立場において弁明させて頂くわけであります。
  102. 磯田好祐

    政府委員(磯田好祐君) これは何も議論を申上げるというわけでなしに、(「大いに議論やつてくれ」と呼ぶ者あり)先ほどの調整号俸の分……本俸を切るのか調整号俸を切るのかという問題でございます。これは私どもといたしましては、例えば只今問題になりました職業安定所の問題にいたしましても、人事院規則の九—大によりますると、「前項に定める調整額は、職員が第一項に掲げる官職にある期間に限り、その職員俸給額に加えて支給するものとする。という人事院規則があるのでございます。従つてこれは私ども法令を法制局において審査いたしますときに、この調整額というものは当然調整額に乗つかつたものがその人の俸給であるということに解釈して、勿論人事院の内部的な解釈におきましては、それは別にこの調整額は單純にその在職しておる間だけ上に乗つかつておるものであつて、本俸は飽くまで調整額を差引いたものであるどいう御解釈のようでありますが、これはむしろ政府から人事院にお願いすべきことかと思うのでありますが、政府といたしましては何ら本俸を切るという意思を持つておるわけではないので、即ち上に乗つかつておる調整号俸を切るというふうに法律を読んで頂きたい、さように法制局において審議いたします際におきましても問題になつたわけでございます。その点一点だけ念のために申上げます。  それからなお新らしく入つた人に対しまして全然調整号俸適用されないという話、これは実は衆議院におきましても問題になつた点でございますが、政令の四百一号によりますると、新規に入つた人に対してもこれを支給するということになつております。ただ例外といたしまして、郵政、電通等のようないわゆる政令四百一号の別表に掲げてあります七号の場合におきましてたけは、二九ベースの切替え以後のものにつきましてはこれを支給するということに相成つておりません。その点これは慶徳次長のおつしやつた点と或いは多少食い違つておるかも知れません。  それからなお今後の分についてのお話でございますが、今後もやはりかかる特殊の職域に新規に入つて来る人につきましては、その職域に入つておる期間におきましては、先ほどの郵政、電通というような特殊のものを除きましては、これは調整号俸はつくものと政府としては一応解釈いたしておるわけであります。その点一応念のために申し添えておきます。
  103. 山下興家

    説明員山下興家君) 先刻慶徳君から間違つておると言われまして、ちよつと訂正しておきますが、若しもあれが調整号俸であると私は申したら間違つておるので、ただ癩の患者とか、それから肺病患者やなんかの看護婦にはそれだけに余分にくついておるわけです。いわゆる危険手当と称するものがくついておるわけです。それをなぜ切るか、切る必要がなぜあるかということが私にはわからないのであります。とにかく今度の切られるものは全部にわたつて切捨てるということ、その半額ではありますが、切括てるということ、それになぜ手をつけなければならんかということが、根本がわからないのであります。必要であるからくついておるものをそれをなぜ半分にするか、結局その金を何かに持つてつてそつちに利用しようというのじやないかと疑われるのでありまして(笑声)、その以外にどうも途がないのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)その以外にとにかく内閣としては予算があるとかないとか、大きく一割引とか五分引とかということは私はわかるけれども、細かなこの調整方法までも入れてこれだけ引く、これをこれだけ引くというふうに言われますと、実際給與の面としてはむちやくちやにされるという感じがあつたので、先刻むちやくちやにされると言つたら、いや、むちやくちやにしたんじやない、形はこうであると言われた。それは理窟や議論はいろいろありましよう併理論はありましようが、そういう細かいところに入つて行かれますと、專門家はやはり専門家の立場を持たすということでないとどうも面白くないと思います。(笑声)
  104. 木下源吾

    委員長木下源吾君) ちよつと私も一つ二つお伺いしますがね、地域給五分引でどのくらいの財源が従来より浮きますか。  もう一点は今度号俸が調整されるためにですね、この補正予算の期間で同じくどのくらいの財源が節約できるのか。節約というか剰余ができるのか、この両方を別々にしてひとつ……。
  105. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 その前に……それに関連しているのですよ。それですから私がさつき言つたように、そういうふうに各職種別に切つてつて、一体どのくらい人員に影響を及ぼすか。どのくらいの金額が予算上、資金上国家全般から見て浮いて来るか。有利になつて来るか、そういうことをはつきりと数字的に出して頂きたいということを私一はお聞きしておるのです。
  106. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それは概算でいいのですから。
  107. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 いや、それは明確に出して頂きたい。更に附加えて私は言いますけれどね。今の実際の給與の実態というものは、例えばこの政府案に賛成しておる諸君でも、これで満足だ、万全だということには行つてないと思う。実際にはもう少し殖やして頂きたいのだが、予算の総額というものがきまつておるので仕方なくやつている、こういうことは常に言われておる。それをカバーするためにいろいろの手当というものがついておる。それを政府の言うことが正しいと仮定しても、現実にそぐわない理想なんだから、実際言うと我々はむちやなものであるということは考えられないことはないが、そんな無理をして、そんな反対があるにかかわらずそつちこつちの調整をして出て来る財源というものは、一体どれだけあるかということは数字的にはつきりきめてもらわないと、あとの給與問題をきめる場合に、人事委員としてもそういうことをきめようと思つてもわからないから、知らせて頂くということをお願いします。明日まででよいのです。
  108. 磯田好祐

    政府委員(磯田好祐君) 先ほどのお話調整号俸の場合におきまして、財源をどの程度要するかというお話でございますが、これは一人当りで見ました場合におきましては、私どもが概算で計算いたしましたところでは百六十数円になつたように記憶いたしております。
  109. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 百六十何円ですか。
  110. 磯田好祐

    政府委員(磯田好祐君) 百六十一円というように記憶いたしております。でこれを財源として見ました場合には、平年度におきまして約二十億、この間計算いたしましたところでは、たしか十九億八千万円程度の財源を要するのではなか、本俸だけで……。そういうような計算ができておると思います。  それからなお地域手当の問題でございますが、これは上に乗つけるか、枠の中で操作するかによつて少し違うのでございますが、即ち仮に今度の政府提案給與ベースを八千円だと一応仮定いたしまして、その枠の中でこれを従来の三割、二割、一割というような支給割合をそのまま存続しようとする場合におきましては、一人当平均といたしまして、二百三十七円程度の財源を要するのではないか。従いましてこれを逆に申しますると、これを若し従来の支給割合を存続するということになるならば、一般俸給表俸給金額を平均それだけ切下げなければいかんというような形になるわけでございます。それからこれを、そうでなしに、八千円なら八千円というベースを一応そのままといたしまして、その上に更に、即ち現在の俸給表なんというものをそのまま実行されると仮定いたしまして、その上に更に従来の三割、二割、一割というような支給割合を存続しようということになりますると、根つこが大きくなりますので、従いまして、大体一人当り平均三百円程度の財源を要するのではないか、そういうような計算をいたしております。ただこの場合におきましては、これが総トータルといたしまして、財源をどの程度要するかという計算はいたしておりません。今その資料は手許に持合しておりません。
  111. 木下源吾

    委員長木下源吾君) そうすると、こういうことを計算に入れておやりになつたでしようが、今の場合は十五カ月予算で見通されているのですが、二十五年度の最後に今の補正予算を実行してみまして、これらの人件費の剰余という見通しはございませんか。
  112. 磯田好祐

    政府委員(磯田好祐君) 只今の御質問の点につきましては、御承知のように今回の給與ベースを改訂するに際しましては、例えば一般会計におきまして、その改訂所要額は約十八億一千万程度になる。これに対しまして補正予算計上額は十六億という金額に相成つております。これはどういうことかと申しますると、既定経費を約一割程度節約いたしまして、これに充当いたしているということになつているわけでございます。従いまして二十五年度の予算におきまして、どの程度の財源の余裕が出るかという問題は、各省所管別、会計別にこれを計算いたさなければならないのでございますが、今度の給與改訂の際におきましても、只今申上げましたように相当の節約をしている。或いは人件費予算で余裕のない場合におきましては、一部におきましては他の費目の流用というようなことも考えているわけでございまして、従いまして、只今見通しとして人件費予算といたしましてどの程度の余裕が出るかということは、政府といたしましてはまだ計算もいたしておりませんし、的確な見通しも得ない。今回の、仮にこの法案適用された結果において、どういうふうになつているかという予算の実施の状況の結果によりまして判明することであろうと、かように考えるわけであります。
  113. 木下源吾

    委員長木下源吾君) ではこの号俸調整資料、並びに政府諸機関の給與に関する資料をひとつできるだけ早い機会に御要求のあるものを出して頂きたいと思います。  今の御説明で、号俸切下げと地域給の引下げで、一人当り、うちとそとで違いますけれども、約四百円か四百五十円というものになりますが、千円と申しましても、即ち実質の値上りは六百円程度だということにも言い得られるわけですな。そういう工合に、実質の給與の値上りはそういうことになりませんか。
  114. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) その点はそうなるのではなくて、実際公務員平均給與が千円増すのでございますが、財源的に見まして、仮にそれをそのままにして置いたらどのくらい一人あたり余計かかるか、こういうことになるのじやないかと思います。実際殖える額は一人当り平均千円程度殖えるのでございます。
  115. 木下源吾

    委員長木下源吾君) この程度でよろしうございますか。それでは本日はこの程度で散会いたします。それから明日は午前十時からということにしていいですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それでは明日は午前十時からということにいたします。    午後五時九分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 源吾君    理事            加藤 武徳君            早川 愼一君            千葉  信君    委員            石原幹市郎君            瀧井治三郎君            平岡 市三君            重盛 壽治君            森崎  隆君            岡部  常君            小野  哲君            大隈 信幸君   政府委員    内閣官房長官 菅野 義丸君    人事院事務総局    給與局次長   慶徳 庄意君    大蔵省主計局給    與課長     磯田 好祐君   説明員    人  事  官 山下 興家君