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1951-02-26 第10回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十六年二月二十六日(月曜日) 午後一時四十九分開会 ————————————— 本日の
会議
に付した事件 ○
傷痍者
及び
遺族
に関する件 —————————————
千田正
1
○
委員長
(
千田正
君) それでは
只今
から
委員会
を開きます。 この前の
委員会
におきまして、
遺族傷痍者等
に対しまするところの
政府
の施策に対して、各
議員
から活溌なる御
審議
がありまして、
結論
としましては
戰争
の
犠牲者
の中で一番今まで恵まれなか
つた
といいますか、或いは
日本
の
政府
の
対策
がなか
つた
ところの
遺族
に対して、更に
傷痍者
の
人たち
に対しての法的な何ものもなか
つた
ので、この際当
委員会
としましては、できるだけ速かに各
関係官庁
或いは
国会
におきましても、
厚生委員会
或いは
内閣委員会
その他
大蔵委員会等
と折衝しまして、
遺族
に対する
法案
を作り上げたいといういう
結論
に到達したわけであります。 幸いに先般
世界連盟
の発足に際しまして
日本
から
代表
として行かれました
衆議院
の
早川崇議員
が、
ドイツアメリカ等
を廻
つて
来られまして、最近
西ドイツ
におけるところの戰後における
遺族
若しくは
戦争
の
犠牲者
に対する、
西ドイツ政府
が施策しておるところのいろいろな
参考
になる御
意見
がありましたので、この際当
委員会
に御
出席願つて実情
を
お話
願うことにいたしたのでございます。御
意見
がなければ直ちにこれから
早川衆議院議員
の、
西ドイツ並び
にその他の外国における
戦争
の
犠牲者
に対する各
政府
の
対策
について、一応
お話
をして頂くことにいたします。御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
千田正
2
○
委員長
(
千田正
君) それでは
早川
さん
一つ
お願いいたします。
早川崇
3
○
衆議院議員
(
早川崇
君) 私は
衆議院
の
早川
でございます。一昨日でありましたか、
新聞
で
参議院
の本
委員長
の談といたしまして、
戰争犠牲者並びに傷痍者
に対する
優遇策
について何らかの成案を得るべく御努力中と、こういう記事を見まして早速
委員長
のところに参り、
ドイツ
の
実情
を
お話
したところ、是非出席しろということで参たわけでございます。主として
戦争犠牲者
に対する
救済
で奏者になるのは
西ドイツ
でございますので、
西ドイツ
の私の聞いた
実情
を御
参考
までに
お話
したいと思います。 私は
西ドイツ
に四、五日よりおりませんでしたので詳しいことは御報告できませんが、
主務大臣
の
労働大臣
の
シユトルヒ
氏に直接お会いいたしまして、この問題に対する
西ドイツ
の
政府
の
実情
をお聞きしたその通りを御
説明
いたしたいと思います。
西ドイツ
におきましては、
日本
と非常に私はこの問題に対して
違つた実情
を発見したのであります。どういうように違うかと申しますと、最近
西ドイツ
の議会におきまして、
戰傷者
並びに
遺家族
に対する新らしい
法律
が通過したのでございます。その
法律
によりますと、大体
連邦政府
の総
予算
の三%を、第二次
大戦
において
遺家族
に
なつ
たり、或いは又
不具者
に
なつ
たりした
人たち
に対する
救済
に当てられることに
なつ
ておる。その総額は
向う
の
マーク
にいたしまして大体三十億
マーク
という額を、
日本
円に換算いたしますと大体一
マーク
が百円足らず九十何円ということでございますから概略二千七百億円以上の
予算
が、この
戦争犠牲者
に対して與えられるということに
なつ
ておると、
シユトルヒ労働大臣
は
説明
されました。で
シユトルヒ
氏は、こういう
予算
で徹底して
救済
するのであるから、例えば妻と三人の
子供
を持
つて
いる中農以下の農民が第二次
大戦
において夫が餓死したという場合は、餓死しないときよりもむしろ
収入
が多いという結果になると言
つて
おりました。要するに
ドイツ
の場合には勿論
英米仏
の
占領治下
にありますから、この
法律
を通すに対しては無論いろいろ
障害
があ
つた
ということをい
つて
おりましたが、
ドイツ
の各政党が一致して
ドイツ人
の
世論
で
押切つた
ということを非常な誇を持
つて
シユトルヒ労働大臣
が我々に
物語つて
お
つた
ということは、非常に我々として
参考
になることであ
つた
と思います。そういう
実情
でございまして、これに対して無論
共産党
は反対したけれ
ども
、併し
共産党
の反対する理由は、もつとこうい
つた
戦争遺家族
に対する
救済
の
予算
を計上しろという
意味
において反対をしたというのであるから、
西ドイツ
四千八百万
国民
全部が
戰争犠牲者
を助け
合つて
、これを救
つて
行こうという根強い
一つ
の
世論
があるということをはつきり言えると思います。私はそこで
労働大臣
に対してこれだけの金額をこういうものに與え、一体
国民
の
税負担
が高くなるが
国民一般
の
世論
はどうかということを突込んで聞いて見たのです。それに対して
労働大臣
は先ほど申上げましたように、これに対する限りは
共産党
すら反対しない、
国民
一人として反対するものがないということを申しておりましたが、
日本
の
実情
と比較いたしまして、非常に大きいこの問題に対する
考え
方の相違があるのではないかということを痛感したものであります。又
ドイツ
の汽車なんかに乗りまして感じたことは、
戦争不具者
なんかには特別のスクエアがリザーブしてありまして、非常に混雑しておる時でもゆうゆう坐れるように
優遇
しておるということなど、我々
日本
人として非常に教えられるところが多か
つた
というふうに痛感した次第であります。 そこでこういうような三千億近い
予算
、
日本
の
生活保護法
だ
つて
とてもこれたけは出ておらなく、せいぜい
国家予算
の一%に充たない
実情
で、これは
戰争遺家族
以外を含めてそれほど余分に出ない
実情
でありますが、然らばこうい
つた
援護費
を出し得る
経済的背景
はどうかということを、
我が国
と比較する場合にやはり
考え
なければならないと思いますのでこの点をかいつまんで申上げたいと思います。我が
日本
の
経済復興
と非常に違う点は、御承知のように
住宅
の問題においては徹底的に破壊されております。今なおケルンという大きい都市を見たのですが約半数の家屋が米だに残骸をさらしておるという
実情
で、
住宅
の
復興
は
ちよ
つと見た目には遅れておる。停車場の屋根もふきとばされたまま残
つて
おるという
実情
であります。併しこれは
最初ドイツ
に入りました第一印象でございまして、中に
人つて経済復興
の
実情
を
数字
的に聞きますと、
日本
より遥かに
経済力
が
復興
しておるということがわかります。どういうことかと申しますと、
ドイツ
においては
給料生活者
の
手取給料
が大体
平均
三万五千円であるといいます。それから食糧も全部統制が撤廃せられておりまして、非常にそういう点では
日本
より
生活程度
が早く
復興
しておる。我々は非常に不思議に
思つたの
であります。これほど爆撃されてなぜこれだけ
経済カ
が
復興
しておるかという秘密を私は
ドイツ
の
貿易
において発見したのであります。
ドイツ
の
貿易
は大体
輸出
において三十億ドルをすでに突破しております。
輸入
においてはそれの一割増でありますから三十三億ドルに上
つて
おります。
日本
の場合にはこれに比較いたしまして
輸出
においては僅か七億乃至八億でございます。
輸入
においては十二、三億という線が昨年度の実績でございまして、
従つて輸出
においては
西ドイツ
は
日本
の四倍、
輸入
においては
日本
の三倍という
程度
まで
復興
しでおる。而も
西ドイツ
は四千八百万の
人口
でございます。これに対して
日本
は八千五百万の
人口
を持
つて
おるのでありまするがら、
輸出入貿易
の一人
当り
の
貿易量
を算出してみますと大体八倍という
程度
に
なつ
ておるという、この
経済的背景
を頭において頂きまして、この
遺族救済
の問題に対する問題を
考え
なければならないということを私は痛感したのであります。
従つて
二千七百億円にも上る徹底したこの
救済
ということは無論
我が国
の
経済実力
から比べると少し
天文学的数字
でございますけれ
ども
、私は兄弟二人をこの
戦争
に
失つたやはり遺家族
であります。そういう
遺家族
の苦しさを知
つて
おりまするので、もう少し何らか、
生活保護法
による
救済費
においてすら
予算
の一%にも及ばない、いわんや
遺家族
、
戰傷者
に対しては殆んど特別の
優遇
がされておらないという
実情
は、何としてもこれは我々
国民
として何らか
対策
を講じなければならないと、かように痛感して
帰つたの
であります。 そこで
ドイツ
を見まして帰りに
アメリカ
の国務省を私は訪問いたしました。丁度
極東局長
のジヨンソン氏がお
留守
でありましたので、
局長代理
といたしまして
オーバートン
氏に会いまして、
日本
のこの
戦争遺家族
並びに
傷病者
に対する
優遇
、
救済
が非常に不徹底である
実情
を
ドイツ
の
実情
と比較いたしまして、私は一時間ほどこの
オーバートン
氏に
日本
の国情に合わない、無論私は再
軍備
という問題とからめて話したわけではありませんけれ
ども
、少くともヒューマニズムからい
つて
も、
一般
の
国民感情
からい
つて
もこれではいかんということを縷々一時間に
亘つてオーバートン
氏とこの問題について話しましたところ、
オーバートン
氏もこの
遺家族
並びに
戰傷者
に対して十分
援護
するということは、全面的に賛意を表されまして非常に意を強くした次第でございます。 そうい
つた
実情
でございまするから、新らしい
ドイツ
で
占領軍
の
意向
にかかわらずと申しますか、
占領軍
を納得させて通した
法案
も
外務省
に来ておるそうであります。そうい
つた
問題も御
参考
にして頂きまして、特に
参議院
の
同胞救援特別委員会
が真先きかけて旗を上げられたのでありますから、我々も驥尾に附して是非ともこの問題の解決を早急にやりたい、こう思
つて
おるのでございます。 短時日でありましたので詳しいところまではわかりませんが、大体大つかみのところを申上げさして頂きまして何らかの
審議
の御
参考
になれば幸いと存じます。
千田正
4
○
委員長
(
千田正
君) ありがとうございました。
長島銀藏
5
○
長島銀藏
君
只今早川
さんの外遊のついでにお調べ下す
つた
という
西ドイツ
の問題は、実に御報告願いまして我々として有難く感ずる次第でございますが、
在外
同
胞引揚委員会
の中にも
遺族
に
関係
の深い人が相当おられますので、
只今早川
さんの御
意見
は非常に何と申しますか、感謝の念を以てお聞き下さ
つた
と思う次第でございますが、私はここで
一言
、当時
厚生委員
であられたり、或いは同
胞引揚委員会
にも御
関係
のありました
千田先生
にお伺いしたいのですが、以前この同
胞引揚委員会
は
シベリア
の
引揚者
が目的を達成するというのも間近であるので、これが
終つた
ならば同
胞引揚委員会そのもの
はもう要らなくなるわけである、
従つて
これを
遺族
問題に関する
委員会
ということに改組して、
戦争遺族
や何かの問題を取扱うというような御
意見
も数人のかたから私は承わ
つた
ことがあるのでありますがへそこでまだ
シベリア
その他
関係諸国
に
引揚者
が残
つて
おる
関係
上この
委員会
も継続されると思うのであります。従いまして
遺族
の問題はなかなかこれは大きな問題でございますので、
厚生委員会
の
かたがた
も
厚生委員会
で扱うべき問題じやなかろうかというような御
意見
を持
つて
おるかたも多いようであります。なおこの間二十三日に開かれました同
胞引揚委員会
には、私
全国
の
遺族大会
を神田の
共立講堂
で開きましてその主催してお
つた関係
上出席することができませんでしたが、現在
遺族
の叫びというものは相当深刻なものがございまして、何とかこれを早く
国会
で取上げたいという
考え
はもう
お互い
に強く抱いておると思うのであります。ただこれが例の
政令AG
二六〇号というものに
関連性
がありますので、
関係筋
のOKをとるという必要も無論あろうかと
考え
ますが、そこらの点はどの
程度
まで進んでおられますか、拜聴したいと実は
考え
るわけであります。 なお
参議院
の直接御
遺族
さんが現在私の
手許
で
調査
いたしますと二十三名ございます。その二十三名さんの中で
発起人
を作りまして、
参議院遺族連盟
というものを作ろうというわけで
発起人会
を開きましたところが、やはりこれは
衆議院
と
一緒
に
なつ
たほうがいいだろうから、
名前
も
国会遺族議員連盟
というようなことにでもしてスタートを切るように、それから
衆議院
のほうの御
意見
も承わりましたところが非常にそれはいいということで、現在
逢澤寛先生
のところに交渉中でございます。近くこれは出来上ると思います
衆議院
のほうは
参議院
の二十三名に対して四十七、八名になると思います、そうするとかなり大きな
連盟
ができると思うのでありますが、
何分
にも
法的措置
を講ずる
準備
といたしましても、
関係筋
の御了解を得ないといかんと思いまするので、本
委員会
でも折角
遺族
問題に手を触れて頂いたのでございますから
関係筋
の御
意向
を早いところ
一つ
お調べを願いたいと
考え
る次第でございます。どうぞよろしく。
千田正
6
○
委員長
(
千田正
君)
只今長島
君からの
お話
御尤もでございます、
在外
同
胞引揚
に関する
特別委員会
は、第一回
国会
以来連続しておるのでありますか、ソ連、
中共地区
或いは南方その他あらゆる
方面
からこの
戰争
後におけるところの抑留されておる
人たち
が一日も速かに帰ること、ということとも
一つ
は、
国内
におけるところの
戰争
の
犠牲者
に対して、
政府
と兵に
国会
の
立場
からこれは
政府
を鞭韃して
戰争
の
犠牲者
の一日も早く起ち上るようにというのが
特別委員会
の趣旨でありまして、
在外
同
胞引揚特別委員会
という
名前
は打
つて
ありまするが、実際の問題は外に向
つて
は
引揚げ
ておる
人たち
、
国内
においては
戦争
の
犠牲者
に対する
対策
問題ということを今までや
つて
来たわけであります。そこで今申されました
厚生委員会
の問題、これは又第一回
国会
以来
厚生委員会
も非常に活動されておりましたが、
何分
にも
厚生委員会
は非常に
法案
その他山積しておられ、重点的にこういう問題を取扱
つて
来たのが大体この
委員会
であります。この
特別委員会
が、まあそういうわけで勿論
厚生委員会
或いは
大蔵委員会
、或いはその他の
委員会
と
お互い
に
協力
してや
つて
おりますので、この前の
委員会
におきましても、
厚生委員会
のほうからやはり御同様の御
意見
がございましたが、一応我々の
特別委員会
で重点的に
一つ
研究してみたらどうか、そうして案ができ
上つた
ならばこれをみんなで
審議
しようじやないか、そうしてそれは
国民
の
一つ
のこうした
戦争
の
犠牲者
に対する総意をまとめて立法しよう、こういうことに
結論
が
なつ
たわけであります。でありまするから、それがどこで最終的に取上げるかということは別問題といたしまして、幸いにこの
委員会
におられる
かたがた
が、特に
留守家族
であるとか、或いは
遺家族
、
傷痍者
、
引揚者
という問題に対して特に御熱心な
かたがた
が揃
つて
おりまするので、この際この問題を一応手がけて案を作
つて
見る、なお
関係方面
に対しましては我々
委員
としましても
法案
の
内容
が一応
草案
としてできましたならば当然これは折衝するというので、
只今
各
方面
の
参考資料
を集めましていろいろ
法案
の
準備
に取りかか
つて
おるわけであります。そういうわけでありまして、
厚生委員会
とこちらのどちらがとるかというようなことじやなく、両方とも十分にこういう問題を研究して頂きたい、かように
考え
る次第であります。 それで
関係筋
に対しましては、先般も
援護庁
或いは
外務省
その他の
かたがた
とも相談いたして、
一つ
これは
草案
ができたら取りまとめて、
草案
を以て
一つ
交渉しよう、
講和会議
ができる前にでも我々は速かにこの
法案
が
国会
を通るように、
皆さん
の御熱意を以てどうか
戦争
の
犠牲者
の
人たち
を一日も速かに起ち下がれるような
方策
を講じたいという念願でスタートしたわけであります。その点は
十分全国
の
遺族代表
として
長島
君は
連盟
に御努力なす
つて
おりますので、特にこの
委員会
又は
厚生委員会
にもお書しのことでありますから、
一つ特段
の御
協力
をお願いいたします。
内村清次
7
○
内村清次
君 先ほど本
委員会
が今後いろいろと取上げて行こうと
考え
ておりまする、
遺族救済
の問題につきましての重要なる
参考意見
でありまする、
使節団
を御派遣頂きましたことにつきましては感謝申上げますが、その中で二、三御
質問
をお願いしたいと思いますが、
西ドイツ
のほうで総
予算
の三%、即ち三十億
マーク
で、
日本
の円に換算してみれば二千七百億円に該当するというようなことでございますが、このいわゆる
遺族
に対しまする
救済
をや
つて
おられまするのは、勿論これは
法律
を以てこういうような
救済
が成立
つて
おることだと思いますが、具体的にどういうような、即ちこの
法律
の
内容
でこういうような
予算
の三%をとるようなことに
なつ
ておるか、この
法律
の具体的な
構成あたり
についてお尋ねがあ
つて
おりますならばこの点を
一つ
御披露をお願いしたいと思
つて
おることと、それから
西ドイツ
の
遺族
の数ですれ、これかどういうような
数字形態
に
なつ
ておりますか。 それから今
一つ
は、内地におきましても現在
生活保護法
や或いは又未
帰還者
及び特別未
帰還者
の
給與法
と、それから一面におきましては
身体障害者
の
福祉法
というようなもので、その中の何パーセントかに対しましてはやはり
援護
という
意味
を十分含ませての
法律
が出ているようでありますが、これはもともと
遺族
の最善的な
法案
とは申されないのであります。この点についてこの
委員会
でも取上げて行こうという
考えかた
でありまするが、そういうような
法律
が
西ドイツ
におきましても施行されているかどうかですね。
生活保護法あたり
でどのくらい
救済
されているか、或いは又未
帰還者給與法
とかいうような問題とか、或いは
身体障害者福祉法
というようなものも
向う
のほうには制定されているかどうかですね。その点につきまして御
説明
を頂ければ結構と思います。
早川崇
8
○
衆議院議員
(
早川崇
君) 先ほど申上げましたように、私は特にそのために視察に行
つた
わけではなく、たまたま
労働大臣
と会いまして、
失業者
或いは又先ほど申しました
生活困窮者
を含めまして二百万以上に上る
ドイツ
の、未
帰還者
もかなり多いようであります詳しい
数字
はわかりませんが、そうい
つた
かたに対する
救済
はどうかということに対して
シユトルヒ労働大臣
の答えたままを実は
お話
したのでありまして、
法律案
をその場で見せて頂くようにあれしましたが、あとからすぐ送るからということで、すでに
外務省
に出ておるらしいのです。
従つて
詳しい專門的な今の御
質問
に対しては
事務局
のほうで要求しておるように聞いております。いずれその飜訳でもできましてその上で
一つ
御検討願えれば非常に結構だと思うのであります。
日本
のように
一般
的な
生活保護法
というものはあるかどうかも私は存じません。ただ大体一人
当り
二百マルクといいますと大体幾らになりますか、やはり二万くらいになろうと思うのであります。そうい
つた
ペースにおいて
戦争遺族救済法
という
法案
が通
つた
わけであります。その
予算
的な
措置
は先ほど申しましたような額に上る、こういうように我々は
シユトルヒ
の言葉を理解しておるわけであります。詳しいことは今御
質問
に答える
資料
を持
つて
おりませんので、その
法案
が飜訳できてその上で御検討願えれば幸いと思います。答弁にはなりませんけれ
ども
そういう次第でございます。
長島銀藏
9
○
長島銀藏
君 私の
手許
で
調査
しております何を
お話
いたしますと、
社会福祉
に
関係
しておる例えば
日本
の現在我々が研究しておるような各種の
福祉法
ですが、それとは全然別個なものであるようであります。それで
戰死者
一人について百六十マルクです。それから
家族
に対しましては一人につきまして奥さんに十五マルク、
子供
一人
あたり
に十五マルク、三人あれば四十五マルク
子供
だけの分がある、両方合算するというと二百二十マルクくらいが一軒の
平均
になるようでございます。それが今の九十何円のレートで換算するから約一カ月二万円というような
収入
になるという
程度
であります。これは
西ドイツ
だけで東
ドイツ
のほうはこれよりも安いのでございまして
戰死者
一人に対して四十マルク、これも正確な
資料
ではございませんと思います。それからなお
外務省
もいろいろ
調査
いたしまして、本
特別委員
の中におられる草葉さんが次官をしておりますので、この手からも
調査
してもらいましたがまだレポートが来ておらないので、せいぜい
新聞
に出たくらいのものでございます。それを現在飜訳したりなんかしていろいろ集めております。それから
参議院
の
渉外部
のほうで調べてもら
つた
んですが、これもさつぱりやはりございません。
外務省
の
調査
四課でございますが、そこで多分
資料
が得られるのじやないかというので今そのほうを御面倒をかけておりますが、この間仕方がないからエヤメールか何かに手紙を出して、ここから直接送
つて
もらうようにしようじやないかという案も出たような工合でございます。我々としましてはやはり
資料
が欲しいものですからいろいろの手で
調査
を進めておるような次第でございます。なおわかり次第本
委員会
へ御報告申上げたいと思
つて
おります。
千田正
10
○
委員長
(
千田正
君) 有難うございました。今
早川衆議院議員
は
予算委員会
に出席しなければならんので、若し御
質問
がありますならば簡單に願いたいと思います。
兼岩傳一
11
○兼
岩傳
一君
ちよ
つとお伺いしたいと思います。
アメリカ
のほうはおわかりに
なつ
ておりましたら、若しおわかりに
なつ
ていなければ結構ですが。
早川崇
12
○
衆議院議長
(
早川崇
君) 実は
オーバートン
氏に会
つた
ときに、
極東局
の人に会
つた
ときにこの問題を随分議論したのです。
アメリカ
では
戦争遺族
とかそうい
つた
ものと
在郷軍人
に対する特別の
待遇
が
優遇
すぎて今は困
つて
おるのだ、だから若し君が何か
日本
の
国会
がこの問題を取上げるときには
傷痍軍人遺族
とか、又一切の
被害
を受けた以外の者まで将来再
軍備
とかいう問題が起
つた
ときに行き過ぎないように、
援護
し過ぎないように
一つ
注意する必要があるのじやないかというようことを言
つて
おりまして
曲論遺族
とか
傷痍者
に対しては行き過ぎるほどの
待遇
が與えられておるということだけは言えると思います。
兼岩傳一
13
○兼
岩傳
一君 もう
一つ
は今
共産党
の問題に
関連
する御発言がありましたから
早川
君がおられるときに
一言
だけ申上げておきます。
日本共産党
におきましても、
戦争被害者
の
生活
を徹底的に従前と同様或いはそれ以上に補償しなければならない
立場
におきましては、
ドイツ
の
共産党
と全く党の方針が一致いたしております。
従つて
私
ども
はその点に関してはどこまでも
皆さん
と
一緒
に行けると思います。 なお
一つ戰争犯罪者
の徹底的な
処罰
というスローガンを堅持しておるが、この場合
戦争犯罪人
とは
職業軍人
の中尉であるとか少尉という
意味
ではなく軍閥の
幹部
とか財閥、
高級官僚
などで
幹部
として意識的に
戦争
を起したという
意味
でありまして、
戰争犯罪人
の徹底的な
処罰
と
戦争犠牲者
の徹底的な補償を提唱しておるので、この際
関連
がありましたので、
ちよ
と述べさせて頂きます。
千田正
14
○
委員長
(
千田正
君) ほかに御
質問
はございませんでしようか、お
忙ぎのようですから
。又是非いろいろの
資料
が
整つた
ときに御
協力
をお願いしたいと思います。なお
外務当局
と折衝しておりますから、
資料
を差上げるにつきましても
委員会
から決議をしてお申込み下さればなお一層徹底して調べますからという、こういうような
お話
でありますので、
外教育
に向いまして、
西ドイツ
における
遺族
或いは
未亡人
、遺兒等に関する
法律案
があれば、なければ至急とりよせるような方法をと
つて
もらいたいという申込をしたいと思いますので、
皆さん
にお諮りいたしましてこれを請求することにしたいと思いますが。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
千田正
15
○
委員長
(
千田正
君) 賛成を得ましたので
西ドイツ
における
遺族
、殊に
未亡人
、遺児並びに
傷痍者
に関する
法律案
、これを
外務当局
に対して
資料提供
を請求することにいたします。 次にこの問題に関しまして勿論この間漸く話がきま
つた
ばかりでありますが、
関係官庁
であるところの
復員局
の
井上業務課長
、
援護庁
の
官房総務課長
の
畠中事務官
が見えておられますので、今までのと
つて
きた
方策
或いは何か
当該官庁
としてとろうとしておる
点等
につきまして、質疑がありましたならば
一つ幸い
ここにおられますから各
委員
から御
質問
頂きたいと思います。 では
委員長
から
質問
しますが、あなたのほうのお
手許
にこうした問題に対する各国の
資料
が多少でもお集りに
なつ
ておりましようか。
井上義弘
16
○
説明員
(
井上義弘
君) 現在全然他国のものはや
つて
おりません。
紅露みつ
17
○
紅露みつ
君
大変課長
さんがはつきりしていますが、
外務省
と今までこの問題についてその
資料
のことで
お話
合いに
なつ
たことはありませんか。
井上義弘
18
○
説明員
(
井上義弘
君) 私
ども
の仕事の
関係
上そこまで手を伸し得ないのでございます。私
ども
といたしましては持たんのであります。
千田正
19
○
委員長
(
千田正
君)
援護庁
の
畠中課長
さんのほうにもございませんか。
畠中順一
20
○
説明員
(畠中順一君)
遺族
の問題は私
ども
引揚
援護庁
の所管でございませんで厚生省の問題でございますので、ただ我々のほうとしては
留守家族
の問題が
関係
して来ますけれ
ども
、かような
意味
でその辺は所管をしておりませんので、そうい
つた
資料
は持ち合せておりません。
紅露みつ
21
○
紅露みつ
君 それでは
留守家族
でも結構なんですが、これは
関連
した
対策
で行かなければならないのですが、
留守家族
のことがやはり外国でどういうふうに設置されているかということが少しはおわかりございませんか。
畠中順一
22
○
説明員
(畠中順一君)
留守家族
の問題につきましても、現在未復員者
給與法
でや
つて
いる
程度
でありまして諸外国の例はまだ存じておりません。
紅露みつ
23
○
紅露みつ
君
西ドイツ
のほうは大変に似よ
つて
いるのかもしれませんけれ
ども
、その状態は御存じございませんか。
畠中順一
24
○
説明員
(畠中順一君) 詳しく存じません。
千田正
25
○
委員長
(
千田正
君) ほかに何か。
兼岩傳一
26
○兼
岩傳
一君
西ドイツ
が
日本
の置かれている状態と似ているので、それから其先に
調査
しようとする
皆さん
の御決定には私も賛成いたしておりますが、同時に陸軍国として第二次大戰において
ドイツ
とほぼ同様の損害を受けました七百万からめ戰死を出しておりますソヴィエトのやり方も、合せてこの
調査
の爼上にお載せになれば非常に結構だと存じます。
内村清次
27
○
内村清次
君 ソヴィエトの
調査
ですね。これは実際できさえすれば兼岩君が責任を持
つて
資料
を出してくれさえすれば私
ども
も是非聞きたいのですから。
兼岩傳一
28
○兼
岩傳
一君 できると私は確信いたしておりますので、
皆さん
の御希望があれば私はお骨折りいたしたいと思います。なお
西ドイツ
を其先に坂上げられたことに対しては私は賛成をいたしております。
長島銀藏
29
○
長島銀藏
君
ドイツ
は御承知の通り西と東と分れておりまして、東はソヴイエトです。ところがソヴイエトのほうの
関係
と申すと語弊があるかもしれませんが、そこは
戰死者
が
只今
申上げました通り六、七十
マーク
で
西ドイツ
は百二十
マーク
ということになるわけです。それで
西ドイツ
におられるところの
共産党
の連中がこの
法案
を通すときに反対をした、その反対をした理由とするところはもつとたくさん
援護
しなければならないじやないかという反対をなす
つた
そうでありますが、その東
ドイツ
は六、七十
マーク
ということに
なつ
ておりますので、私はこの辺は
ちよ
つとおかしいと思うのでございますが、併し
ドイツ
でなく、今度はソヴィエトのほうの
資料
が若し集ま
つて
我我が見ることができれば私は非常に仕合せだと思います。
兼岩傳一
30
○兼
岩傳
一君 あなたの今おつしや
つた
のは正確な
資料
に基いての御発言だろうと思いますので、念のために伺いますが、東
ドイツ
の
資料
はどこから来ていたんですか。
西ドイツ
を通しで御
調査
に
なつ
たのですか。
長島銀藏
31
○
長島銀藏
君 そうです。
兼岩傳一
32
○兼
岩傳
一君 僕は
西ドイツ
の正確な
資料
が入手できたら、その正確な
資料
に基いて御検討あられることを希望いたします。
千田正
33
○
委員長
(
千田正
君) 当
委員会
といたしましては、勿論
日本
以外の国のこの第二次世界大戰に参加した、或いは参加しなくても犠牲をこうむ
つた
各国のおのおのの制度を研究して、そのうちの長をとりまして、現在の
経済力
並びに
日本
人のヒユーマニテイというものに根抵を置いて、然らばどこに尺度を置いてやるべきか、或いは最初の段階としてこの
程度
は止むを得ないじやないか、いずれにしても未だ
戦争
の
犠牲者
の中で
遺族
に対しては一遍も
対策
の
法案
が出ておらんのでありますから、どうかこの際
皆さん
の真剣なる御研究の上この問題の解決の曙光を我々
委員会
で附けて頂きたい。かように思いますから、
資料
がありましたらばどしどし
一つ
御提示願いたいと思います。
高良とみ
34
○高良とみ君 最近
在外
事務所が大分海外にできております。殊にスエーデンに有方なものもありますから、それとパリー、ロンドン、ロンドンにはまだ大きなものはありませんが、パリーからロンドン、フランス、イタリアの
調査
もできると思います。その点で
只今
決議いたしましたものをただ
西ドイツ
だけに限らずに、
在外
中務所のある所へそういう公文書を通して
調査
方を依頼して、それがこちらの
国会
の進行工合もありますから、或る期間を限
つて
いつまでに
資料
を取
つて
もらいたいということを添えて頂いたら大変いいと思うのであります。
アメリカ
も勿論これに加えて
アメリカ
、インドなどにも
在外
事務所がありますから、そういう所も加えて頂けば非常に
参考
になると思います
千田正
35
○
委員長
(
千田正
君)
只今
高良
委員
のおつしやられた点は御尤もと思います。それで先ほど
皆さん
の御賛成を得ました
西ドイツ
における
遺族
或いはその他の
戦争犠牲者
に関する
法律
の請求に更に附加しまして、各国における
戰争
の
犠牲者
の施策に対する
法律
が手に入るように
外務省
の格
関係
機関を通じて人手方を懇請したいと思いますが、
皆さん
の御賛成を得ましたらその手続をいたしたいと思いますが。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
千田正
36
○
委員長
(
千田正
君) それではさよう取計らいいたします。
兼岩傳一
37
○兼
岩傳
一君 私個人でもソヴイエト或いは東
ドイツ
の
関係
はそれは骨を折りますけれ
ども
、
外務省
の場合にも資本主義側だけでなくて、社会主義連合国というふうにお
考え
願いたいと思います。
千田正
38
○
委員長
(
千田正
君)
只今
兼岩
委員
のおつしやられた通り、勿論連合国に対しまして恐らく未だ
日本
は独立国でありませんから、或いは直接の申込は
外務省
としてできないとしても、如何なる手を通じましてもそういう
参考資料
の収集には全力を挙げて傾倒して行きたいと思いますからどうぞ御
協力
を願います。
高良とみ
39
○高良とみ君 更に追加して、最近
日本
にあります外国公館と
日本
の
外務省
との正式な交渉が許可されたのでありますから、案外遠くまで尋ねてやるよりも、これに相当のアタッシエーな
ども
ついておるようでありますから、
日本
におります外国公館を早速に調べてもら
つて
、更にない部分はその本国及び
日本
の
在外
事務所を使うように、そんな点を
委員長
から
外務省
のほうの係りによく御指示願えば非常に進むかと思います。
千田正
40
○
委員長
(
千田正
君) 勿論高良
委員
のおつしやる通りでありますので、
外務省
に当然それは申込みますが、更に
参議院
としましても渉外課若しくは法制局を通じましてそういう面の連絡をと
つて
頂けるものはどんどん頂いて研究をして行きたいと思います。
杉山昌作
41
○杉山昌作君
只今
までの
お話
は大体
資料
の収集の問題なんですが、これがなかなか外国の
資料
を集めてそれをよく精査してということは相当時間がかかると思うのです。でそれと並行して、何といいますか、
資料
が来なくても
日本
は
日本
人の、又いろいろ今までの
資料
関係
の集積等もあるのですから、それで
一つ
遺家族
関係
の或いは傷痍軍人
関係
のまとま
つた
法案
の
草案
というそういうものから、やはりどしどし事務的に心がけて作られて行くほうがいいと思いますので、このほうは大体この前の会合のときに
委員長
に御一任申上げたことに
なつ
ておりますが、まだあれから日もた
つて
おりませんので、別に御腹案もないかと思いますが、そんな点は何か御腹案でもおありになりますか。
千田正
42
○
委員長
(
千田正
君)
只今
法制局のほうで、今まで出しましたところのいわゆる未復員者
給與法
並びに
生活保護法
或いは児童
福祉法
というような
法律
とどういう
関係
を持つか、どの
程度
でこれを境をきめるかというような問題と、もう
一つ
は今おつしやられたように万全を期したいのではありまするけれ
ども
、私個人の
考え
では、これは
皆さん
とは別かも知れませんが、拙速でもとにかく一條でもいいから早くこの問題の足がかりを得るような
法案
を作りたい、かように
考え
ております。そうしてなおこれに肉をつけ或いは皮をつける、こういう点におきましては
厚生委員会
或いはその他の
委員会
も当然お
考え
に
なつ
ておられると思いますから、十分に
お互い
に研究して、万全を期すべき
法案
はいずれは今後の
国会
或いは
講和会議
後において相当立派なものができるかも知れませんが、取りあえず一條でもいいから
遺族
、
傷痍者
に対する
法案
をこの際作りたい。
草案
は
只今
の研究と同時に並行しまして
関係筋
とは
草案
ができ次第折衝して
一つ
一つ
片付けて行きたいと思いますので、
皆さん
の御異存がなければ
一つ
御
協力
を願いたいと思う次第であります。
杉山昌作
43
○杉山昌作君 私はそれは非常に結構なことだと思います。やはり非常に待
つて
いる
遺族
なり
傷痍者
から見ますれば、多少不足でも早いほうがいいというのが本当じやないかと思いますので、今の御方針で
一つ
お進め願います。
高良とみ
44
○高良とみ君 その点で勿論おぬかりはないと思うのでありますが、特に
傷痍者
の問題が最近非常に社会問題に
なつ
て来ておるので、多分
厚生委員
でも
考え
ておられると思いますが、仰せの通り手広いのですが
傷痍者
の数、その
実情
、病院にいる数、或いはどういう治療というようなそういう
調査
を
一つ
頂ければ大変仕合せでございますが、どこから頂けるのでしようか。
千田正
45
○
委員長
(
千田正
君) これは厚生省ですね。早速
事務局
から申入れまして
皆さん
に配付できるよう
資料
を集めざせてお
手許
に差上げたいと思います。
高良とみ
46
○高良とみ君 そうして
戰争犠牲者
の第位に相当する
傷痍者
と、それから
遺家族
を別な枠にして、そうして早く何か立法的な目安がつくように
一つ
法制局とも御盡力願うと共に、
委員
の頭もはつきりどういう枠でどういうふうに行くのかということを
皆さん
の御
意見
を進めて頂けば、それぞれ又
調査
のしようもあるし、又
考え
方が明らかに
なつ
て来るのじやないか、こう思うのです
千田正
47
○
委員長
(
千田正
君) それでこの前までの
委員会
におきましては、この問題は二つの点があ
つた
わけであります。
一つ
は従来の
引揚げ
て来られた
人たち
或いはこの
戦争
の
犠牲者
に対してなされておるところの社会保障制度の
法律
の一部を拡大して、なかなかそのポツダム指令で頑として
関係筋
が応ぜられない場合は、その内部の
法律
の中にゆるやかな方向に向けてもらうような
準備
をしたいという案と、いやそれはそれとして、別個に
遺族
というものが全然今まで何らの
法律
にも盛られておらないのだから、これを強く正面に出して、先ず
遺族
の問題と
傷痍者
の問題を取上げて別個にこれに当るべきだという論のほうが
皆さん
の御賛成を得まして、或いは相当これは至難だろうと思います、併しながら現段階においては
皆さん
の御熱意で是非
一つ
この難関を突破したい。初めから
遺族
に対する
法案
ということを正面に立てて進んで行きたいというのが、この前までの
委員会
における
皆さん
のれつきとした御
意向
でありましたので、その方向に進んで行きたいと思う次第であります。 それではここに
復員局
の井上課長及び
援護庁
の畠中総務課長が見えておられますが、最近における、或いは密航とい
つて
は語弊がありますが、ひそかに
日本
へ帰られておる
人たち
があるかも知れませんし、或いはその後の引揚というものが全然閉されて一人も帰
つて
来ていないのかどうかという点において、若しもお
手許
にそういう情報がおありになるか、若しくは帰りたいのだが今までのところ帰れないでおる、例えば朝鮮籍の婦人の問題若しくは大連というような所にすでに何名かが来て
日本
に帰りたいという希望をよく
留守家族
には手紙がたくさん来ておりますが、そういう点で何か集ま
つて
いるものがあ
つて
、この
委員会
に御報告願
つて
も差支えない点がありますれば御報告願いたいと思います。
畠中順一
48
○
説明員
(畠中順一君)
引揚げ
の問題につやましては、最近御承知のような国際情勢でもございますし、まとま
つた
引揚というものにつきましては現在ございませんし、又何らの情報も入
つて
おらないような現状でございます。ただ朝鮮籍の
日本
婦人が
日本
に帰りたい、こちらに入国したいという問題は情報としてはございますが、それもいつこちらに入るのか、そこらのはつきりした情報もないというような状況でございます。
千田正
49
○
委員長
(
千田正
君) 何か御質疑はございませんでしようか。
高良とみ
50
○高良とみ君
中共地区
といいますか、支那
方面
から帰
つて
来た人はないのでございますか。
畠中順一
51
○
説明員
(畠中順一君) 中共
方面
からは現在のところ帰
つて
来たかたはないのでございます。
高良とみ
52
○高良とみ君 手紙はどうですか。
畠中順一
53
○
説明員
(畠中順一君) 手紙は
留守家族
に対しては参
つて
おります。ひと頃帰るのじやないかというような情報もありましたが、その後の国際情勢によ
つて
最近は帰
つて
来るような情報もないのであります。
高良とみ
54
○高良とみ君 手紙の数は全部でどのくらいですか。
畠中順一
55
○
説明員
(畠中順一君) 現在
資料
を持
つて
おりません。
千田正
56
○
委員長
(
千田正
君) 御質疑もなければこれで散会したいと思いますが御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
千田正
57
○
委員長
(
千田正
君) それでは本日はこれをも
つて
散会いたします。 午後二時五十一分散会 出席者は左の通り。
委員長
千田 正君 理事 森崎 隆君 高良 とみ君 紅露 みつ君
委員
木村 守江君
長島
銀藏君 内村 清次君 曾祢 益君 杉山 昌作君 兼岩 傳一君
衆議院議員
早川
崇君
説明員
引揚
援護庁
長官
官房総務課長
畠中 順一君 引揚
援護庁
復員 局業務課長 井上 義弘君