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1951-05-07 第10回国会 参議院 厚生委員会 第24号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年五月七日(月曜日) 午前十時五十分開会 ————————————— 本日の
会議
に付した事件 ○
医師法
、
歯科医師法
及び
薬事法
の一 部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
) ○
証人喚問
に関する件 ○
議員派遣要求
の件 —————————————
山下義信
1
○
委員長
(
山下義信
君) これより
厚生委員会
を開会いたします。日程に従いまして
医師法
、
歯科医師法
及び
薬事法
の一部を
改正
する
法律案
の
審議
をいたします。
本案
につきましては
前回厚生大臣
から
政府
の
提案理由
の
説明
を聞いてお
つたの
でありますが、本日は引続いて
審議
を続行いたします。
保利労働大臣
が
厚生大臣代理
に就任せられましたので
厚生大臣代理
から御挨拶があります。
保利茂
2
○国務大臣(
保利茂
君)
黒川大臣
が
海外出張
をいたされております暫時の間私が
厚生大臣
の
仕事
の
臨時代理
を仰せつかりまして当ることになりましたわけでございますが、乏しきものでございまして、無論勉強はいたさなけりやならんと存じております。皆様の御鞭撻、御
指導
をお願いいたしたいと存じます。更に又本
委員会
には
厚生省
として非常に大事な、
政府
といたしましても重要な議案の
審議
をお願いいたしております。非常に責任の大きいことを痛感いたしております。どうかよろしく御
指導
をお願いいたします。
山下義信
3
○
委員長
(
山下義信
君) この際お諮りいたすことがございます。
吉川議員
が
委員外議員
として
出席
でございますが、
発言
の御希望がありました際は許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下義信
4
○
委員長
(
山下義信
君) 御
異議
ないものと認めます。
本案
に対しまして御質疑を願います。
藤森眞治
5
○
藤森眞治
君 この前に
提案理由
の
説明
があ
つて
、この
法案
の
内容
についてはまだ
政府側
の
説明
を承わ
つて
おりませんので一応この
内容
について御
説明
をお願いしたいと思います。
久下勝次
6
○
説明員
(久上
勝次
君)
法案
の
内容
につきましては極く大要は
提案理由
の
説明
に申上げてあると存ずるのでありますが、若干補足いたしまして
要点
を申上げることにいたしたいと思います。 この
法案
は
厚生省
に設けられました
臨事医薬制度調査会
の
答申
に基きまして成案を作りまして御
提案
申上げたものであります。
要点
は、先ず第一に現在の
法律
では
医師
及び
歯科医師
は
患者
を診断いたしました場合に
薬剤
の
交付
を必要とします場合に
患者
から
求め
がありましたならば、
診療
上支障のない限り
薬剤
を
交付
しなければならないというふうにな
つて
おるのでございます。これは俗に
処方箋
の
任意発行
というような
言葉
で呼ばれておる
制度
でございます。これを
改正
いたしまして
医師
及び
歯科医師
は
診療
上
患者
が
薬剤
の
交付
を受ける必要があると認めました場合には、本人又はその看護に当
つて
いる者に必ず
処方箋
を
交付
しなければならないというふうに
改正
をいたしたいと
考え
ておるのが第一点でございます。これはいわゆる
処方箋
の
強制発行
というような
言葉
で俗に呼ばれておる
制度
でございまして、この
制度
は実は大分前から
医薬分業
の問題に関連いたしまして、或いは又その
前提
として、或いは又それと
関係
なくてもこういうことが必要であるというような
論議
がしばしば機会あるごとにかわされておりましたものでございます。
臨時医薬制度調査会
の熱心な
審議
の結果この
制度
を採用することが適当であるという
答申
がございましたので、
医師法
及び
歯科医師法
の
当該条項
を
改正
いたしたいというのが第一の
要点
でございます。 第二点は、
薬事法
の
改正
でございます。これは
薬務局長
もおりますので
薬務局長
から申上げるのが適当かと思いますから
薬務局長
が御
説明
申上げます。
慶松一郎
7
○
政府委員
(
慶松一郎
君)
只今久下次長
から
お話
がございましたように
臨時医薬制度調査会
の
答申
の中に
三つ
の事柄がございまして、その中の第二及び第三に 二
薬事法
に左の
趣旨
の
規定
を設けること。 三
薬剤師
は
調剤
する場合には、
医師
、
歯科医師
又は
獣医師
の
処方せん
によらなければならない。 三
薬事法
第二十二条を次の如き
趣旨
に
改正
すること。
薬剤師
でない者は
販売
又は
授與
の
目的
で
調剤
してはならない。
前項
の
規定
に拘らず
医師
、
歯科医師
、
獣医師
は左に掲げる場合に於て
自己
の
処方せん
により自ら
調剤
することが出来る。 1
審議会
の
審査
を経て
厚生省令
の定めるところにより
診療
上必要があると認められる場合 2
審議会
の
審査
を経て
厚生省令
の定めるところにより
薬局
の分布が充分でない
地域
で行う場合 こういう
答申
がございましてその
答申
に基きまして
薬事法
の
改正
をいたさんとするものでございます。即ち
薬事法
の第二十二条におきまして「
薬剤師
でない者は、
販売
又は
授與
の
目的
で
調剤
してはならない。但し、
医師
若しくは
歯科医師
が左に掲げる場合において
自己
の
処方せん
により自ら
調剤
するとき、又は
獣医師
が
自己
の
処方せん
により自ら
調剤
するときは、この限りでない。 一
省令
の定めるところにより
診療
上必要があるとされる場合 二
省令
の定めるところにより
薬局
の
普及
が十分でないとされる
地域
で
診療
を行う場合 2
厚生大臣
は、
前項
各号に
規定
する
省令
を制定し、又は
改正
しようとするときは、別に定める
審議会
の
意見
をきかなければならない。」とこういうふうに
改正
されんとするものでございます。今回提出されております
法案
以前の即ち
現行
の
薬事法
におきましては第二十二条におきまして、「
薬剤師
でない者は、
販売
又は
授與
の
目的
で
調剤
してはならない。但し、
医師
、
歯科医師
又は
獣医師
が
自己
の
処方せん
により自ら
調剤
し、又は
薬剤師
に
調剤
させる場合は、この限りでない。」と、こうな
つて
おりますものを
省令
の定めるところによりまして例外を認められる以外の場合におきましては
医師
、
歯科医師
は
自己
の
処方箋
によりみずから
調剤
をするということができない、こういうことになるのでございます。但し
獣医師
におきましては、これは全く
獣医師
の
診療体系
が異
つて
おること、或いは諸外国におきましては
獣医師
につきましてもこの
規定
が即ち特に
分業
という
規定
が余りございませんので、そういう意味におきまして
獣医師
につきましてはこの点が除かれておるのでございます。 又第二十二条の二といたしまして、「
調剤
に従事する
薬剤師
は、
調剤
の
求め
があ
つた
場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」ということを加えたのでございまして、これは当然なことでございますが、
現行
の
薬事法
にはその
規定
がございません。但しこの
規定
は過去におきまするいわゆる
薬剤師法
というものがございまして、
薬事法
以前におきましてそれにはこの
規定
は載
つて
お
つた
ものでございます。 次に第二十四条におきまして、「
薬剤師
は、
医師
、
歯科医師
又は
獣医師
の
処方せん
によらなければ、
販売
又は
授與
の
目的
で
調剤
してはならない。」といたしまして「
薬剤師
は、
処方せん
中疑わしい点があるときは、その
処方せん
を
交付
した
医師
、
歯科医師
又は
獣医師
の
承諾
がなければ、
処方
を変更し、又は修正してはならない。」即ちこの第一項が追加されたのでございます。これも当然な
規定
でございまして、以前の
薬事法
、即ち
昭和
二十三年に
改正
されます以前の
薬事法
におきましては、この
規定
は載
つて
お
つたの
でございますが、当然なこととして
現行
の
薬事法
に除かれておるのでございます。即ち
現行
の
薬事法
におきましては、第二十四条におきまして「
薬剤師
は、
処方せん
中疑わしい点があるときは、その
処方せん
を
交付
した
医師
、
歯科医師
、又は
獣医師
の
承諾
がなければ、
処方
を変更し、又は修正してはならない。」こうな
つて
おりますのに、
只今
の第一項を追加せんとするものでございます。 次は第五十六条の変更でございますが、これは罰則の点だけでございまして、第二十二条の第一項というものを追加しておるだけでございます。
簡單
でございますが大体の
内容
を御
説明
した次第でございます。
久下勝次
8
○
説明員
(久上
勝次
君) 附加えましてこの
法案
の
施行期日
の
関係
を御
説明
申上げて置きたいと思います。
只今薬務局長
並びに私から御
説明
申上げたようなのが実態的な
改正法案
の
内容
でございますが、そのうち私が御
説明
申上げました
処方箋
の
強制発行
の
制度
につきましては、
昭和
二十八年一月一日からこれを
施行
するようにいたしたいという案でございます。 第二のいわゆる
医薬分業
につきましては、
昭和
三十三年から
実施
するようにいたしたいというふうにな
つて
おります。この
施行期日
が延ばされております
理由
は、
臨時医薬制度調査会
の
答申
にも、その
施行
につきましては
前提
として
医療報酬
に関して
昭和
二十六年一月二十四日
付臨時診療報酬調査会答申
に基き
所要
の
措置
がとられることが必要であるので、
昭和
二十八年からとすべきであるというような
答申
があるのでございます。これは具体的に申しますると、
臨時診療報酬調査会
の
答申
の中に、その
答申
は新らしい
診療報酬
の
体系
をきめますための
基準
の
答申
でございまして、この
基準
に基きまして具体的に
診療報酬
の個々の決定をする必要があるのであります。そういたすことによ
つて
初めて新らしい
診療報酬
の
体系
が
実施
されるという段取になります。
臨時診療報酬調査会
はこのために別の
審議会
を設けて
審議
をするようにという
答申
がなされておるのでございます。
厚生省
といたしましてもその必要を認めまして、是非その
答申
のように必要な
機関
を設けて
専門家
にお集りを
願つて審議
をさせたいと思
つて
おるのでございます。そのためには今後相当な日子を必要といたしまするので、先ず
処方箋
の
強制発行
という新らしい
診療報酬体系
を実行いたしますために、その
準備
として
只今
のような必要な
措置
がとられることが必要だと思いまして延してあるのでございます。 なお
薬事法
の
改正
の点につきましては、
昭和
三十三年からとな
つて
おりますが、これも一般の
国民
に対して、新らしい
制度
を
十分普及徹底
をする必要がございまするし、又
薬剤師
その他の
医療関係者
につきましても、
所要
の設備の完備でありますとか、その他教育でありますとか、いろいろな諸
準備
を必要と
考え
られますので、それぞれ
只今
申上げたような、
施行期日
に余裕を設けるという案にして
提案
をいたしました次第でございます。
中山壽彦
9
○
中山壽彦君
この
厚生省
における両
調査会
の
経過
を
一つ
御
報告
を願いたい。
久下勝次
10
○
説明員
(久上
勝次
君) この問題につきましては、
只今官房総務課長
が
出席
をいたしておりますが、
総務課長
が終始
調査会
の幹事として
調査会
の進行に携わ
つて
おりますので、
総務課長
から御
説明
申上げますのが最も適当かと存じますが、お許しを頂きますならば
総務課長
から御
説明
さして頂きます。
山下義信
11
○
委員長
(
山下義信
君)
高田総務課長
の
説明
で御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下義信
12
○
委員長
(
山下義信
君) 御
異議
ないものと認めます。では
高田総務課長
。
高田浩運
13
○
説明員
(
高田浩運
君) それでは僭越でございますが、私から
説明
さして頂きます。概略につきましては、先般まだ本
法案
がかかります以前におきまして、私どものほうの
葛西次官
から申上げたのでございますが、従いまして
簡單
に申上げさして頂きたいと思います。 この例の
医薬分業
の問題が起りましたのは、実は古く
明治
八年、即ち
明治
初年からのことでございますが、その後
幾多
の
経過
、
幾多
の
経緯
を重ねて今日まで
至つたの
でございますけれども、最近におきまして、この問題の起きました
端緒
となりましたのは、先般アメリカの
薬剤師団
が参りまして、我が国における
医薬制度
の状況を
調査
いたしましたその結果を
報告書
として提出いたしました。その
報告書
の中に、
医師
と
薬剤師
との職分をはつきりして、
調剤
乃至医
薬品
の
貯蔵等
につきましては、
薬剤師
が專ら担当すべきである、そういう
趣旨
の
内容
を持
つた
報告
をいたしておるのでございます。それが一昨年の九月でございます。それが
一つ
の
端緒
とな
つたの
でございます。その
報告書
を提出されましてから、
司令部
としましても、この問題について十分検討する必要を認めまして、その後去年の一月であ
つた
と記憶いたしておるのでございますが、
医師会
、
歯科医師会
、
薬剤師会
、三者の代表を以て組織しておられますところの三
志会
と称するものに対しまして、この問題について
十分研究
をするようにという
お話
があ
つた
ように記憶いたしておるのでございます。爾後三
志会
において、相当長きに亘りまして、しばしば会合を重ねられ、
論議
を重ねられたようでございますけれども、十分満足な
結論
が得られずに
経過
したのでございます。そういう事情に鑑みまして、この問題を
厚生省
において
調査会
を設け、而して三
志会関係者
以外の
学識経験者等
も含めた
委員会
において十分検討するようにしたら如何であるかというような
お話
もありまして、いろいろな
経緯
がございましたけれども、
二つ
の
調査会
、即ち
臨時診療報酬調査会
、
臨時医薬制度調査会
という
二つ
の
調査会
が設けられたのでございます。そうして両
調査会
は、去年の八月七日に第一回の
総会
を開会いたしたのでございます。
二つ
の
調査会
と申しますのは、第一の
診療報酬
のほうの
調査会
はいわゆる
診療報酬
に関する
調査
をする。
諮問
といたしましては、
医療
の
向上
と
国民
の
経済的負担力等
を勘案した
医師
、
歯科医師
及び
薬剤師
の適正なる
技術料
及び薬価の
基準
について会の
意見
を問う、そういうような
諮問
にな
つて
おります。後者の
臨時医薬制度調査会
につきましては、
医薬分業実施
の可否及び可なりとする場合には
実施
の
具体的方法
、
地域
及び時期等につき会の
意見
を問う。そういうような
二つ
の
調査会
がそれぞれ
仕事
を分担をいたしまして発足をいたしたような次第でございます。そこで先ず
診療報酬
の
在り方
というものについて検討するために第一の、即ち
臨時診療報酬調査会
ということから始められたのでございます。なおこの
診療報酬
の件につきましては、八月七日の
総会
の席上にサムス準将が
演説
をしておるのでございます。その
演説
はお配りしてあると思います。要するにその
医師
が專門の
技術
によ
つて報酬
を得ることなくして、いわば薬を売
つて報酬
を得ておる。或いは
歯科医師
というものが金を売ることによ
つて報酬
を得ておる。そういうような
診療報酬
の
在り方
というものはこれは好ましくないのだ、それは
医療
の
向上
に資するゆえんではないのだ、そういうような
趣旨
の
お話
があ
つたの
でありますが、そういうような点もありまして、
診療報酬
の
在り方
というものをどうきめて行くかというようなことが中心の問題であ
つたの
であります。そこで
臨時診療報酬調査会
におきましては、夏から秋にかけまして、更に冬にかけまして非常に
厖大
な
資料
を、
医師会
その他から提出されました
厖大
な
資料
について検討いたしまして、一月の二十四日に
会長
から
厚生大臣宛
に
答申
をした、そういう
運びになつたのであります
。その間年末、年始にかけまして
委員会
としては非常に熱心に
論議
を繰返されたのでございますが、その
答申
の概要につきましてはお
手許
にお配りしておるのでございますが、この
結論
をかい摘んで申上げますと、
診療報酬
というのをいわゆる純粋の
診療
に対する
報酬
とそれから
調査
に対する
報酬
との
二つ
に分けまして、而もそのいずれにつきましても
医師薬剤師
のいわゆる
技術料
と称すべきものと分離できるという、そういう
前提
に立ちまして、その
技術料
とそれからその他の
人件費
或いは
所要経費
或いはなまのいわゆる薬代、そうい
つた
ものに分離いたしまして、
技術料
以外のものはいわゆる
原価計算
の
方式
によ
つて
計算
することが至当である。そうい
つた
ものといわゆる純粋の
技術料
、そういうものの合さ
つた
ものが即ち
報酬
である。そうしてその
技術料
につきましては、
技術
の難易でありますとか、或いは
診療單位時
間の
医師
の
平均報酬
でありますとか、一
診療行為
、一
調剤行為
の
所要
時間でありますとか、そうい
つた
要素を
基礎
にいたしまして一定の
方式
に基いてこれを算定する。勿論これを算定いたすにつきましては、従来の
医師
の性格というものを
十分考慮
に入れてしなければならないし、即ち従来の
収入等
に大変革を来たすことによ
つて医療
に差支えを生ずる、そういうことがないように考慮しなければならないということにな
つて
おります。 なお
結論
といたしましてはこういうふうに
医療報酬
の立て方というものを変えることによ
つて
全体の
国民
の負担する
医療報酬
、
医療費
というものが
増嵩
を来たさないようにというような
趣旨
のものを附け加えておるのであります。即ち全体としてはそう
国民
の
負担過重
にならない
範囲
において従来の
医療報酬
というものを合理的に科学的に、
計算
、算定をする、そうして
医師
というものが薬にぶつかけて
技術料
をとるということでなくして、いわゆる
技術
に基いた正当の
報酬
を取る、そういう建て
かた
にするというようなことが、根本の
考え
方にな
つて
おるように
承知
いたしております。こういうような
趣旨
の
答申
が出まして、次に
医薬制度調査会
のほうに転移したわけであります。勿論この
医薬制度調査会
もその以前から多少
並行審議
を行な
つて
はおりましたが、本格的にはこの
臨時診療報酬調査会
の
答申
が出ました後本格的な検討を進めて参
つたの
であります。この
臨時医薬制度調査会
の
経過
につきましても、なお今申上げました
臨時診療報酬調査会
の
経過
につきましても、お
手許
に
特別委員長
の
報告
を
資料
として差上げてありますので、それによ
つて
詳しくは御
承知
を頂きたいと思います。
臨時医薬制度調査会
におきましては非常に長年の問題でもあります
関係
もありまして、非常に熱心に
論議
が重ねられたのでありますが、結局
総会
においては十分の
結論
を得ることができませんので、
特別委員会
を設けて
特別委員会
は殆んど連日連夜とは申しませんが、連夕に亘るまで非常に熱心に
論議
が続けられたのであります。その
特別委員会
においては
委員長
初め
委員
の
かた
がたは何とか
円満
に
妥結
を見るように必死の
努力
を続けられたのでありますけれども、
結論
としましては結局
円満
の解決を見ることなくして、
採決
によ
つて案
をきめるということにな
つたの
であります。そこでその
委員会
におきまして、いろいろな案が出たのでございますが、これも前にお
手許
に差上げてありますが、
三つ
の案が出たわけであります。 その案の
内容
を
最初
に申上げさせて頂きますと、第
一案
と称しまするものは、第一に
処方箋
の
発行
についてはこれはいずれの案も同じでありますが、
処方箋
は全面的に
発行
する、それからいわゆる
分業
の点につきましては、従来開業の
医師
、
歯科医師
は、そのまま
分業
は強制しない。併し今後開業する
医師
につきましては
昭和
二十八年から
分業
にする、そういうような
内容
のものであります。 それから第二案と称しまするものは、
処方箋
の
発行
はこれは同じでございます。
分業
の点につきましては、当分の間、
医師
、
歯科医師
は自分の
処方箋
によ
つて
みずから
調剤
することができる、ただその場合におきましても、
調剤
は
薬剤師
によ
つて
行われるように
医師
、
歯科医師
は協力しなければならない、そういう
趣旨
の
道徳規定
を置くということであります。 それから第三案と称しますのは、これも
処方箋
の
発行
につきましては同じでございますが、
分業
の点につきましては、現在開業しておるお医者さんにつきましても、
昭和
三十三年から
分業
にする、そういうような
考えかた
でございます。即ち第
一案
につきましては、現在今まで開業しておる人と、そうでない人と区分をいたしまして、今後開業する人についてだけ
分業
にする。 第二案は双方の協力によ
つて分業
に移行してもらおう。 それから第三案は、
法律
によりまして、
昭和
二十三年から現在開業しておる人も、新らしく開業する人も
分業
になる、そういうような
考えかた
でございまして、この第三案が結局
採決
の結果多数になりまして、これが
基礎
になりまして
法案
とな
つて
提出されておる次第であります。
最初
に第
一案
が
委員会
において提出されまして、種々
論議
が重ねられたのでございまするが、
薬剤師会
のほうは非常に澁々ではございましたが、止むを得なかろうというようなことになりましたし、それから
医師会側
といたしましては、初めの段階におきましては
七つ
の
条件
を出されまして、その
条件
が容れられれば第
一案
を呑んでもよろしいというような
印象
を当時
委員
の
皆さん
は受けられたのでございます。勿論この点はあとでいろいろそうでないという話も出たのでございますが、少くともそういうような
印象
を受けられたのであります。その
七つ
の
条件
と申しますのは、第一に
医療報酬
の新体制を促進する第二に
国民
には無形の
技術
に対して正しい
報酬
を支拂うという観念を
指導
する。それから第三に
薬品
の
混合販売
の
禁止
、第四に
国民処方
の
禁止
、無診投薬の
禁止
、第五に
薬品
、器械、器具の
低廉化
、第六に
処方箋記載事項
の厳守、第七に
行政機関
の監督の強化、そうい
つた
七つ
の
条件
について
委員会
において一々検討いたしまして、大体において
了解点
に達しまして、一時は第
一案
によ
つて
大体
妥結
が得られるのじやないだろうか、そういうような
委員会
の
空気
でございましたけれども、その後
医師会
のほうから、第
一案
については
反対
である。
一体法律
の
改正
による
分業
ということについては
反対
の
気持
を持
つて
おるのだ、そういう
趣旨
の御
発言
がございまして、
委員会
としては非常に一時混乱をしたのでありますが、それでもなお
円満妥結
の
努力
を続けられまして、そういう
経過
を辿りまして第二案が出たのでございます。 第二案は今申上げましたように第
一案
よりももつといわば緩い恰好にな
つて
おりまして、これにつきましては
薬剤師会
としては絶対に
反対
である、そういう
趣旨
でございます。なお
医師会
のほうとしましては、この
論議
のされております途中において、なお如何なる形においても
法律
の
改正
によるものは困るというような話がございまして、結局第二案も成立することができなか
つたの
であります。 そこで
法律改正
の要旨というようなことが問題になりまして、
医師会側
の
委員
の
かた
が
司令部
に行かれまして、この点については
お話
合いをなさいました結果、やはり
法律
の
改正
が必要だということが認められたのでございますけれども、その後
医師会内部
の
経過等
もございまして、結局第
一案
、第二案、第三案とも呑むことはできない。第四案と称すべきものは作ることができない、そのようなことでございまして、結局
円満
に
妥結
するということができなか
つたの
であります。 なお第三案は、第
一案
、第二案とそういう
経過
を辿りましてこういうことになりましたからには、第
一案
、第二案はいわば妥協的な案でございますが、妥協的でなしに理論的に筋の
通つた案
を作らなければならないのじやないか、そういうような
委員会
の
空気
で第三案ができ
上つたの
でございます。そうして最後の決をとりました結果、第
一案
につきましては投票なし、第二案四票、第三案五票、白紙一票ということで第三案が
特別委員会
の案ということにきまりまして、それが
総会
に運ばれまして、
総会
においても非常に
論議
が重ねられ、なお
円満妥結
の
努力
は続けられたのでございますけれども、これも結局表決によらなければならない結果となりまして、
結論
としまして十九対十一票ということでこの第三案が可決されたのでございます。そういうような
経過
にな
つて
おるのでございます。 なおこの
会議
の前後を通じまして、即ち第
一案
、第二案、第三案を通じまして、初めから今すぐやることは無理だ、それから全国全部やるということは無理だ、そういう点については
皆さん
御
異議
がなか
つたの
でございます。即ち
地域
の点につきましては、郡部その他即ち田舎のほうと申しますか、
農村地方
と申しますか、そうい
つた
ところに初めから
医薬分業
を
実施
をするという
考え
は、
皆さん
の
気持
にはなか
つた
ようでございます。従
つて
問題は主として
都市部
の問題でございます。それから従来の
明治年間
からの
経過
によりまして、
医薬分業
ということが、この
分業
の形、
方法
はいろいろありますが、絶対にいかんのだという議論も私らとしては聞かなか
つた
ように記憶いたしておる次第でございます。大体総枠としましては、そういう
範囲
内におきまして
論議
が進められた次第でございます。なお詳しくはお
手許
に差上げてあります
資料
について御
承知
を願いたいと思います。なお私の申上げたことで間違いでもありましたら、
谷口委員
が終始、或いは
医師会長
として、或いは
委員
として参與せられておりましたので御訂正を頂きたいと思います。
中山壽彦
14
○
中山壽彦君
只今
御
報告
を承わ
つたの
でありますが、この両
調査会
に受療者の団体の
かた
も入
つて
おられたようでありますが、こういう人々の
意見
はどういう
意見
が多か
つた
か、これをちよつとお知らせを願いたい。 それからいま
一つ
は社会保險に
関係
の
かた
がやはりメンバーにお加わりに
なつ
たように承わ
つて
お
つたの
でありますが、こういう保險
関係
の人々はこの問題についてはどういうような意思表示を持
つて
おられたか、参考のために承
つて
置きたいと思います。
高田浩運
15
○
説明員
(
高田浩運
君) お答え申上げます。 第一の
診療報酬
の
調査会
におきましては、これは全会一致でございますのですべて賛成でありました。 それから第二の
医薬制度調査会
のほうにおきましては、
特別委員会
乃至
総会
とも秘密の投票でございますので、どういう投票をされましたか私ら
承知
いたしておりませんが、
委員会
において出ました
意見
は詳細記憶しておりませんが、頭の中にある点を申上げますと、結局
国民
の
医療費
負担がこれによ
つて
増嵩
をするということは保險としても困るし、
国民
としても困るのじやないか、そういう
意見
があ
つた
ように思います。
谷口弥三郎
16
○谷口弥三郎君 先刻高田課長の御
説明
のあとで、
谷口委員
は終始この会合に出てお
つた
からしてよく知
つて
おるから間違
つた
点があ
つた
ら申してもいいというような
お話
がありましたから、私からこの際に二三申上げてみたいと思います。 先ず第一番にこの
委員会
と申しますのは、実は昨年の七月の二十八日並びに三十日の当
委員会
におきまして、この
委員会
は法的根拠のない、いわゆる非公式のものである、従
つて
その
委員会
のできたのは決して重要なものじやないが、参考に供する程度であるという御
説明
があ
つた
ように聞いてお
つたの
であります。又その
委員会
ができましたときにも、いわゆる多数決によ
つて
これを決定するということはせんように聞いてお
つたの
であります。併しまあ問題の
関係
上最後に
採決
をされたのでございますが、そういうような
採決
を左右するようなふうな場合には、少くとも
厚生大臣
の
諮問
事項であれば
厚生省
から出た四人の
委員
の
かた
は多分遠慮されるであろうと私は思
つて
おりましたけれども、やはりその四人の
かた
もそれに加
つて
この
採決
を可なり左右したように思
つて
おるのでございます。この点は私どもとしては実は遺憾にも思いますが、そのやられた
かた
は無論
委員
でありますから、やろうと思えばやることができるのでありますからして、あえて申上げるわけではないのであります。 それから次にこの
委員会
におきまして最後に
特別委員会
がありまして、
特別委員会
の
答申
が出たのでありますが、その
答申
なんかは長い期間に亘
つて
や
つた
事項を僅か三十分くらいの間に整理して御
報告
にな
つたの
ですから、可なりそのうちにも違
つて
いる点もあ
つたの
であります。従
つて
その口述の際に大きい間違いにつきましては私どものほうからもそれを訂正して頂いたのでありますが、なおあとでよく読んで見るというと、小さな点あたりでも三カ所ばかりの間違いの点がありますので、これは訂正して頂くように
特別委員長
には特に申上げて置いたのでありますが、
只今
こちらに出されている文章にはそのところは訂正はできておらんのであります。 なお私どもの聞いている
範囲
におきましては、社会保險の
かた
がたはこの
分業
ができたら、とても社会保險は国庫補助でもたくさんあれば遂行ができるが、国庫補助がないならば非常に
医療費
が高くなるから到底これは行われんというようなことも言われてお
つたの
を聞いておるのでありますから、いずれ或る機会にそういう
かた
がたから
一つ
よくお聞きを願いたいと思うのでございます。なお私ども知
つて
いる
範囲
におきましても、
只今
の中山
委員
の御質問の中に受療者側がどういう状況であ
つた
かと申しますと、私どもの聞いている
範囲
では四十名の
委員
でございまして、十名は最後に欠席されたのでございます。その十名の
かた
全部が必ずしも賛成でなか
つた
ようにお伺いいたしておりますが、これは出ておられんからわかりませんがその三十名の中で十九名が賛成、十一名が
反対
というのでありますけれども、その十一名なるものは受療者の大部分と
医師
系のものであ
つた
と私は伺
つて
いるのであります。従
つて
受療者側の意向というものは、この
法案
をきめる場合には是非とも十分に或る機会にお聞きを願わんければならんと思うのでございます。折角私の名前が出ましたからして念のために釈明いたして置きます。
藤原道子
17
○藤原道子君 私は本
法案
の
審議
に入る前に
政府
にお伺いして置きたいと思う二、三の点があるのでございますが、
一つ
責任ある御答弁をお伺いしたいと思います。 まず第一に本
法案
は非常に重要
法案
だと世間では言われているのでございますが、果して
政府
はこれを重要
法案
と思
つて
おいでになるのかどうかという点をまず
一つ
第一に伺いたい。
保利茂
18
○国務大臣(
保利茂
君) 本
法案
は多年の懸案にな
つて
おります
医薬分業
の問題に関して適当の解決をいたしたいという意味において提出をいたしております議案でございますから、
政府
といたしましてはもとより重要な議案として取扱
つて
おりますし、又お願いをいたしている次第でございます。
藤原道子
19
○藤原道子君 それではお伺いいたしますが、閣議においても、この
法案
は三回も保留というのですか、に
なつ
たと聞いておりますが、それはどういう
理由
でございますか。
保利茂
20
○国務大臣(
保利茂
君) 閣議のことはこれは申上げられないかと思いますが、無論問題が問題でございますから相当閣僚の間にも
意見
がございまして、多分三回か四回の閣議を経たものと思
つて
おります。
藤原道子
21
○藤原道子君 本
法案
は
政府
の提出
法案
でございますし、而も非常に重要な
法案
だと今お答えにな
つたの
でございますが、然らばこの重要
法案
を会期の切迫したときに提出して置いて、而も主管大臣が旅行されたというのはどういうわけでございますか。私どもどうもこの点納得行かないんですが……。
保利茂
22
○国務大臣(
保利茂
君) 主管の
黒川大臣
は重要な要務を帯びて海外に出張され、これは国際的にも又重要性を持
つた
要務を持
つて
行かれたのですから、それを主管大臣が出て行
つた
からとい
つて
、決してこれを軽く扱
つて
おるというようなことは決してございません。もとより私微力でございますけれども、
臨時代理
として、私承わ
つて
できるだけ職責を全ういたしたいと
考え
ております。
藤原道子
23
○藤原道子君 私は保利さんがどうこうというわけじやございませんけれども、この重要
法案
を提出して置いて、主管大臣が国際的な要務で出張されたことはわか
つて
おりますけれども、この保險大会とかいうものはどうしても黒川
厚生大臣
が行かなければならないものでございますか。ほかには適当な人はいなか
つた
ものでしようか。私はこの点どうも
国民
の
医療
の面から参りましても非常に重大な問題で、而も黒川主管大臣が旅行された、東医務局長もいない。こういう点私はどうも納得が行かないんでございます。どうしても
厚生大臣
が行かなければならないこの大会であるかどうかという点を一点お伺いしたいことと、それから今
一つ
は
政府
が今度
提案
されて置きながら大臣、医務局長等がいない。それもある上に、今
一つ
政府
の
提案
であり、而も
政府
の與党たる自由党内においても有力な
反対
意見
がおありになる、與党の
意見
はまだ一致していない。そのときにどうしてこの
法案
をお出しになる自信があるか。私は強力な力に押されて申訳け的に提出したのであ
つて
、本当はどうでもいいのだというようなふうにとれてならないのですが、その点
一つ
……。
保利茂
24
○国務大臣(
保利茂
君)
厚生大臣
が御出張になりましたことは、
政府
として
厚生大臣
が御出張、御
出席
になることが最も適当であると認められて派遣をせられたものと私は了解をいたしております。なお、この
法案
をめぐ
つて
賛否の相当重要な
意見
があるということは御説の通りであります。
政府
といたしましては、永い間のこの懸案にな
つて
おります問題についてできるだけ広く
意見
を伺い、そうして一応かような
改正
案を提出いたして、ともかく
医薬分業
の問題に対して解決を図るということが
医療
保險
向上
の上から申しましても非常に大切なことであろうという
結論
を以て提出をいたしておるような次第でございまして、本
法案
を決して
政府
が軽んずる、どうでもよろしいというような
気持
ではございません。その点は
一つ
御了解を願いたいと思います。
藤原道子
25
○藤原道子君 押返して私申上げたいのでございますが、所管大臣として黒川さんが旅行されるその前に、本当に
政府
がこの
法案
をあなたの言われるように重要本法と思
つて
おいでになるならば、責任を以て通過を図られようとされるならば、もつとなすべきことがたくさんあ
つた
と思うのです。ところがそういうことが殆んどなされていない。だから私としてはどうも申訳け的に出して、あわよくば
審議
未了ということにして終らせて、
政府
の責任を回避しようというようなずるい作戦のように思われてならないのでございますが、そうでない……、ここで、そうだとも答弁できないでしようけれども、この
法案
は果して通せるという自信があ
つて
や
つて
おいでになるかどうかということを、もう一遍私は伺
つて
置きたい。この問題は真剣でございます。非常に世界的に注目されている問題でございますので、私どもとしては医者の
反対
にあ
つて
どうこう、
薬剤師
のあれにあ
つて
どうこうというようなことはしたくない。本当に
国民
の福祉に副う
審議
をして、その
国民
の輿望に応えることでなければならないと私は思
つて
おります。併し
政府
の本当の肚をもう一遍聞きたいと思います。
保利茂
26
○国務大臣(
保利茂
君)
医薬分業
の問題に対して適当の解決を図り、
医療
保險の
向上
を図らなければならんということは、私は今日では
国民
の輿論じやないかと思
つて
おります。従いまして無論いろいろな立場、いろいろの御
意見
もあると存じますけれども、十分の御
審議
を盡して頂きますならば、必ず私は解決して頂けるものと、そういうふうに信じております。又
政府
も誠意を以てこれに対処して参りたいと、かように
考え
ております。
藤原道子
27
○藤原道子君 もう
一つ
……、それでは有力な與党である自由党の御
意見
はまとまるお見通しがあるのですか。
保利茂
28
○国務大臣(
保利茂
君) 無論私はそう思
つて
おりますけれども……。
藤原道子
29
○藤原道子君 あとは
審議
に入りましてから私……。
藤森眞治
30
○
藤森眞治
君 今
高田総務課長
の御
説明
と、それから
谷口委員
の
お話
の中に少し疑問が出て来たのですが、その点で高田さんにお伺いしたいのですが、今谷口君の
お話
では全部で四十人の
委員
で十人欠席された。そうしてその中には
医療
関係
の人と、それから受療者側とがいなか
つた
、こういう仕方で決議されたということはその通りでございますか。
高田浩運
31
○
説明員
(
高田浩運
君) ちよつと私出欠の
関係
の
資料
を持
つて
参
つて
おりませんので正確に申上げかねますが、勿論
医療
を受けるほうの側の
かた
も可成り御
出席
にな
つて
お
つた
と記憶いたしております。労働
関係
の代表であるとか或いは保險の
関係
の代表でありますとか、或いは船員の
関係
の代表でありますとか、それぞれの代表見えてお
つた
と思いますが、正確にはなおそのときの速記録を調べましてお答えいたします。
藤森眞治
32
○
藤森眞治
君 それでは、のちで結構なんですからその当時の
出席
者の
かた
がた、欠席者の
かた
がたの名簿を
一つ
お願いいたします。
吉川末次郎
33
○
委員外議員
(吉川末次郎君) いろいろお尋ねしたいこともまだほかにたくさんありますが、今の藤森さんと
政府
の
説明員
ですか、
政府委員
ですかの間の質問応答並びにそれに先立つ
谷口委員
の
政府委員
の
報告
に対する補助的な
報告
がありましたが、
審議会
におけるところの
採決
の場合において、十九名の
委員
が
医薬分業
に賛成をして、十一名の
委員
が大体
反対
の
意見
を表された、そうして谷口さんの
お話
では、その十一名の中には
医師会
の代表と、相当数の受診者側の
意見
が含まれているという
お話
でありましたが、受診者という
言葉
は、中山さんの御質問から起
つて
来た
言葉
かと思うのでありますが、それは中山さんも谷口さんも、及びそれに答えられた
政府側
の諸君にも、その
言葉
の解し方には、私は非常に不思議に思われる点があるのです。受診者というのは、
医療
を受ける人間は全部の
国民
が受診者なんです。どういう意味に解釈せられているのか知りませんが、我々も受診者であります。病気にならないものはない。医者に
診療
を受けないものもないのですから、どう解釈せられているのか、何か極めて狭義な限定した意味において受診者という
言葉
を使われることは、基本的に間違いがあるのじやないかと思います。これは
意見
になりますから谷口さんの御答弁を伺いたいとは思いませんが、少くとも私はそういう
言葉
を使い、又その
言葉
に現われた受診者を、極めて限定されたもののように
考え
られることを、その
言葉
をお使いに
なつ
た三名の
かた
がた、それぞれお
考え
直しを願いたいと思うのであります。それに関連してお伺いしたいのですが、十一人の
医薬分業
の
反対
の表決をした
委員
の中で、
医師会
の側の
委員
の人は同名あ
つたの
ですか、
政府
の御答弁をお願いしたいと思います。
高田浩運
34
○
説明員
(
高田浩運
君)
医師会
は四名でございます。
吉川末次郎
35
○
委員外議員
(吉川末次郎君)
歯科医師会
はどのくらいですか。
高田浩運
36
○
説明員
(
高田浩運
君)
歯科医師会
は二名でございましたが、たしかはつきり覚えておりませんが、お一人欠席だ
つた
と思います。
吉川末次郎
37
○
委員外議員
(吉川末次郎君) 中立の人は残り何名ですか、六名ですか。
高田浩運
38
○
説明員
(
高田浩運
君) 六名です。
吉川末次郎
39
○
委員外議員
(吉川末次郎君) 賛成側のほうで
薬剤師
の
かた
が入
つて
いるのですが何名ですか。
高田浩運
40
○
説明員
(
高田浩運
君) 四名です。
吉川末次郎
41
○
委員外議員
(吉川末次郎君) あとは中立側の人ですね、十五名ですね。
高田浩運
42
○
説明員
(
高田浩運
君)
委員会
の構成は
医師会
歯科医師会
、
薬剤師会
、これが十人と、それから
医療
を受けるほうの側と称する保險でありますとか、そうい
つた
側の
かた
が十名、それから学識経験者が二十名、そういうような人数の振り分けにな
つて
おります。
吉川末次郎
43
○
委員外議員
(吉川末次郎君) その十九名の賛成者ですね、そのうち
薬剤師会
の人は四人だけで、あとの十五名は
薬剤師
或いは薬業者にあらざるところの、いわば常識的に
考え
て中立側の人ですね、僕の言う意味の受診者側の
意見
を代表する人が十五名ですねそれは……。
高田浩運
44
○
説明員
(
高田浩運
君) 先ほど申上げましたように秘密投票でございますので、私からどういう
かた
がどういう投票をされましたか
承知
いたしておりません。
谷口弥三郎
45
○谷口弥三郎君 ちよつと私、先刻私の
説明
の中に受療者側ということを申上げたのですが、或いはそういう
言葉
が出たと申しますのは、
委員会
の構成が
只今
高田課長の言われましたように、十名が
医療関係者
、
医師
、
歯科医師
、
薬剤師
協会というのが十名でございますし、それから受療者側ということで、各種社会保險あたりの団体の
かた
を受療者側というようにあの
委員会
では言
つて
お
つた
ように思うのですが、そのほうが十名、そのほか学識経験者と、いわゆる
関係
官庁の
かた
がたが二十名というようにな
つて
お
つたの
です。それで先刻申しましたように無論無記名投票ですからはつきりはわかりませんけれども、私どもの、あとでよく聞いたところによりますと、
医師会側
の者と受療者側の大部分、こう申上げたのですが、受療者ということは、無論中立の
かた
でも診察を受けられる
かた
は全部受療者でしようけれども、あの
委員会
ではそういうふうな名前をつけておりましたから申上げたような次第でありますから、さよう御了承を願います。
山下義信
46
○
委員長
(
山下義信
君) ちよつと
総務課長
に伺いますが、先ほどから秘密秘密という
言葉
が出たのですが、
調査会
の何が秘密なのですか。それで
調査会
の方針に基いて
政府
の
提案
にな
つて
いるので、その
調査会
の
内容
等について秘密々々ということを言われると、この
委員会
が
審議
の上に困るのですが、秘密というのはどういうことが法的な秘密で、何がこの国会で言えないのか、その点明確にしてごらん。
高田浩運
47
○
説明員
(
高田浩運
君) 或いは私の
言葉
が足りなか
つたの
でそういう誤解を生じたかと思いますが、先ほど申上げましたようにいずれの案にするか、或いは出された案に対して賛成か不賛成かということについて最後に投票にな
つたの
でございます。これは起立によ
つて
問うとか、或いは記名によ
つて
問うとか、或いは無記名によ
つて
やるとか、そういうようないろいろな
意見
がございましたけれども、結局
結論
といたしまして、無記名投票に
なつ
たわけでございます。従いましてそのいずれの
委員
の
かた
がたが或いは賛成か、或いは不賛成の意思表示を投票によ
つて
なされたか、その点につきましては私ら
承知
することができない、そういう意味で申上げた次第でございます。
山下義信
48
○
委員長
(
山下義信
君) 今
谷口委員
から
答申
案に誤謬があ
つた
という御
意見
等があ
つたの
ですが、
高田総務課長
の
説明
の中にはなか
つたの
ですが、その点はどうでしようか。
高田浩運
49
○
説明員
(
高田浩運
君) 最後の
臨時医薬制度調査会
の席上におきまして、
特別委員長
から
委員長
の
報告
がありました。それにつきまして、谷口
会長
から御訂正の申出がございましたが、それは先ほど
お話
申上げました
医師会側
から出されました
七つ
の
条件
の中に、
処方箋記載事項
の嚴守という項目がございますが、これを何か
処方箋
の嚴守とい
つた
ような
報告
にな
つて
お
つた
と思います。それを
処方箋
の記載事項の嚴守というふうに直してもらいたいという
谷口委員
の御
発言
がありまして、
委員長
のほうで謹んで訂正いたします、そういうような
お話
がございまして、
処方箋記載事項
の嚴守ということにな
つたの
でございます。そういうことでその
総会
の席は終
つたの
でございますが、正式にはそれだけでございます。爾後
一つ
の噂として、何か
医師会長
のほうから訂正の申入をなされたということを聞きましたが、正確には
承知
いたしておりません。
山下義信
50
○
委員長
(
山下義信
君) 今の訂正されたというのは、
答申
案の一部ですか。
高田浩運
51
○
説明員
(
高田浩運
君)
委員長
報告
の一部です。
山下義信
52
○
委員長
(
山下義信
君)
採決
せられた
本案
について訂正にな
つたの
でしようか。
高田浩運
53
○
説明員
(
高田浩運
君) さようでございません。
山下義信
54
○
委員長
(
山下義信
君) そうではない……。
谷口弥三郎
55
○谷口弥三郎君
只今
のその口述をされました場合に、大きい問題として申上げたのは、
只今
高田課長が言われましたようにこれは訂正して頂いたのでございます。そのほか小さいところというのをやりましたのは、この
答申
案、これは例えば「家庭薬集」という、その「集」という
言葉
は、実は家庭薬という
言葉
で「集」というのは、そのときには、我々はこれは多過ぎるので「集」を消してくれとか、それから又
処方箋
料を取らない方針であるということを明らかにしたと言
つて
おりますけれども、
処方箋
料というのは、実はその
会議
のときには、初めからしまいまで殆んど
処方箋
料を幾らにするかというような問題はなか
つたの
でありまして、まだ
処方箋
料を取るとか取らんとかいうところにはこの
会議
は進んでおらんものですから、
医師会側
を除きまして、大部分の
意見
はこういうふうに訂正してもらいたいというたのが、一カ所で、それからもう一カ所ありましたのは、
会議
が非常に進みまして、晩の八時頃までかかりましたけれども、どうも十分に
結論
ができませんので、塩田とか佐藤、長尾、吉田とかいうような
かた
がたが日本
医師会
のほうに説得に来た。ところが併し日本
医師会
は依然として態度を改めなんだというようなことを聞いておりますけれども、これは実はそのときに来た
かた
がたにも聞いたらわかりますように、説得には来られたけれども、却
つて
説得されたような形勢があ
つたの
でありますからして、それがかなり間違いだと思いまして、そこを
改正
してくれという三カ条を早速
委員長
の下に出したような次第でございます。それが今度各方面に出されたものが訂正されておりませんから先刻申上げたような次第であります。
松原一彦
56
○松原一彦君 私はこの方面の知識が浅くて、まだ
資料
全部に目を通しておりませんから素人
考え
の質問になるかも知れませんが、この
法案
によるというと、或る
条件
を除いては
医師
の
調剤
は
禁止
にな
つて
おるのでありますが、又
薬剤師
の
かた
がたから出されたものを読んで見ますというと、医者が
調剤
をすることは畑違いであるというふうにも書いてあります。そういうふうにも言われるかも知れませんが、併し一部或る
条件
の下においては、医者も又
調剤
することができるようにな
つて
おるのであります。医者が
調剤
をする能力がないというような
前提
のない限りに
法律
を以て医者の
調剤
を
禁止
しておる実例がどこか世界にあるのでしようか。この変遷を読んで見ましても、ドイツ法によ
つて
日本の
医療
が出発した当時、ドイツに倣
つた
ということを聞いておりますが、どこか世界に現在医者に
法律
を以て
調剤
を
禁止
しておる国があるのでしようか、どうでしようか。私一向不案内で知らんのでありますが、
政府
当局の御答弁を頂きたいのです。
慶松一郎
57
○
政府委員
(
慶松一郎
君)
簡單
に申上げますと、ドイツにおきましては明らかに
法律
を以てこれを
禁止
しておるのであります。なお英国におきましては、
法律
を以ては
禁止
しておりませんが、ただ英国の
国民
保險におきましては全部これは医者の
調剤
を認めておりません。すべて薬は
薬剤師
からもらうというふうに
国民
保險における
法律
においてはきめておる。アメリカにおきましては、これも
法律
の原則といたしましては、
薬剤師
が
調剤
するということにな
つて
おりまして、但書におきまして、みずから診察したものに対しまして、医者が
調剤
をし薬を與えるということを、但書においては書いてございますが、実際はアメリカにおいては行な
つて
おらないのでございますが、ただ……。
松原一彦
58
○松原一彦君 認めておらんのですか、禁じておるのですか、そこを……。
慶松一郎
59
○
政府委員
(
慶松一郎
君) 原則といたしましては
薬剤師
に
調剤
をさせるということにな
つて
おります。但書におきまして、医者が
調剤
をすることは認めております。おりますが、実際問題といたしましては、これはアメリカの
医師会
におきまして、医者が
薬剤師
の業務をやることは医道に反するということで、医者自身がその点を嚴に守
つて
おるというのが、つまり
調剤
をしないということを建前としている次第でございます。但しこれも又
法律
を以ちましてと申しますか、実際問題といたしまして全部
薬剤師
に
調剤
をさしておる点がございます。それは即ちアメリカにおきましては、帰還軍人、在郷軍人に対しましては、すべて
医療
が
政府
で以て
医療費
を拂
つて
おりますが、その際に薬はすべて
薬剤師
からもらう。従いまして医者がたとえ薬を渡しましても、それに対しましては一切
政府側
から薬価を拂わない、こういうふうに法的に
規定
されておるような例がございます。
松原一彦
60
○松原一彦君 私のお尋ねしたことにまだ盡さないのでありますが、積極的に医者に
調剤
を
禁止
しておる世界の立法例をお尋ねしているのです。どこかありますか。
慶松一郎
61
○
政府委員
(
慶松一郎
君) ドイツにおきましてはその点をしておる次第でございます。
松原一彦
62
○松原一彦君 その他……。
慶松一郎
63
○
政府委員
(
慶松一郎
君) 或いはデンマーク、その他エストニア、ラトビア等の小国におきましては大体その線に沿
つて
おるものと伝えられておりますが、詳細につきましては、私寡聞にしてその原本を持
つて
おりませんので、申上げかねると思います。大体ドイツの例に倣
つて
おるということを
承知
いたしております。
松原一彦
64
○松原一彦君 そのドイツは今ああいうふうに分割されておりますが、現にドイツのその立法は今日でも生きているのですか。
慶松一郎
65
○
政府委員
(
慶松一郎
君) 恐らく生きていると存じますが、実はこの点につきまして私から照会を向うに出しておるのでございますが、まだ残念ながら回答が参
つて
おりません。
松原一彦
66
○松原一彦君 それではこう心得てよろしうございますか。世界には積極的に医者に
調剤
を
禁止
しておる立法例はない。ドイツを除いてはない。して見るというと、日本が先立
つて
世界に
法律
を以て医者の
調剤
を
禁止
するという先例を開くものと、こう心得てよろしうございますか。
慶松一郎
67
○
政府委員
(
慶松一郎
君) 私はさよう
考え
ませんで、やはり先例というものはドイツの千八百何年のものが、これが先例だと思います。
松原一彦
68
○松原一彦君 ドイツを除いて……。
慶松一郎
69
○
政府委員
(
慶松一郎
君) なお一九一一年に英国におきましては、
国民
保險におきましてはこの点を立法によりまして、医者の
調剤
を認めておらないという形にな
つて
おります。
松原一彦
70
○松原一彦君 私、この是非を言
つて
おるのではないのです。私どもはものを
考え
る、
審議
をする
前提
条件
としてお聞きして置きたいのですが、日本の医者の資格を與えるための
条件
としての過程に、
調剤
ということが非常に不安であ
つて
、それは任せられないとい
つた
ような不備な点があるのでありますかどうでございますか。
慶松一郎
71
○
政府委員
(
慶松一郎
君) 私の
承知
いたしております
範囲
におきましては、医科大学におきましては
調剤
を正式なる意味において教えておるとは承わ
つて
おりません。例えば
医師
国家試験におきましても、
調剤
学なるものがその試験科目にあるということはございません。
松原一彦
72
○松原一彦君
処方箋
を書くということは医者の絶対的な権利だと思うのであります。権利であり同時に義務でありますが、その
処方箋
を書いたものが、その
自己
の書いた
処方箋
による
調剤
という
一つ
の操作が一体でき得ないものでしようか。それを伺いたい。
慶松一郎
73
○
政府委員
(
慶松一郎
君) 勿論医者が
調剤
でき得ないということはございませんで、これは現在の
薬事法
におきましても、
調剤
をする力がないというわけではございませんで、その点は現在の
薬事法
におきましても但書で認められておりますし、又
改正
薬事法
におきましても、場合によりましては医者の
調剤
を、医者をして
調剤
をするということを認めるということにはな
つて
おるのでありますが、ただこれを
薬剤師
と比較いたしまして論じますれば、
薬剤師
は
調剤
をするために、勿論ほかに薬を作ることもございますけれども、かなりその大きな
目的
といたしまして、
調剤
をするために学校教育を受け、且つ国家試験を受けておる。そういう点からいたしまして、その
調剤
能力の差はやはり
薬剤師
のほうに当然高く軍配が挙げられるものと私は
考え
ておる次第であります。
吉川末次郎
74
○
委員外議員
(吉川末次郎君) 今の松原さんの御質問の中にこの問題についての一部の
国民
の間における何といいますか、十分な知識の普遍化が行われていないということが私は言えると思うのですが、それに対する
政府
の答弁が不十分であるかのように思われます。第一に松原さんの御質問にありました外国における例でありますが、慶松
薬務局長
はそういうことについて西洋の実情をどこまでお調べにな
つて
おるか、又御実見にな
つて
おるか、私はつきり知りませんが、サムス准将がこの問題について、日本へ来た西洋人が誰でも不思議に思うということの
一つ
は、医者が薬を売
つて
おるということであるということを書いておるということを
政府委員
及び松原
委員
も深く頭に入れて、この問題に我々対処して行く必要があると思うのであります。即ち
法律
規定
がどのようにな
つて
おりましても、大体において私も三年余り欧米におりましたが、どこでも日本のように医者が薬を
調剤
して売
つて
いるというような国は先進国にはないのです。勿論例外的に、例えば医者が
薬局
がない所において、急病の
患者
に薬を投與するということは
診療
上当然のことでありますから、そういうことはあり得るでしようが、全体的に原則としてそういうことをしている所はないのでありまして、すべて
処方箋
によ
つて
薬局
によ
つて
患者
は薬を受けるということが原則であり、又一般に行われていることなんで、ドイツだけのようなことを言われましたけれども、日本の
医薬制度
は、医薬学がドイツに範をとりましたのと同じように、その
制度
についても
明治
の初年においてドイツに範をと
つたの
でありますけれども、ドイツは中央ヨーロツパの支配国で少くとも今日まであ
つたの
で、ドイツを中心とするところの中央ヨーロツパの諸国は全体的に殆んどドイツといろいろなことについて皆同じなので、スイス或いはオーストリア、ハンガリア、或いはチエツコスロバキアのような諸国、それらはドイツに行われていることが全部行われている。それからアメリカ、イギリス等においても今
薬務局長
の御答弁がありましたが、私の見るところでは、英米は慣習法の国でありますから、成文法の国では必ずしもない。憲法のごときは、イギリスのごときは成文法の憲法というものはない、慣習法によ
つて
憲法が行われているのですから、イギリスでも、アメリカでも医者が日本のように薬を
調剤
して売
つて
いる国はどこにもないので、慣習法として事実上それが行われているので、そんなことは西洋諸国には少しも行われていないということを明白に
政府委員
が私ははつきりして答弁せられる必要があると思うので、そういうあやふやの知識で
厚生委員会
において答弁せられているということそれ自身がみずから反省して大いに批判検討せられる必要が私は第一にあると思います。 なおそれについて申上げたいことが多々あるのでありますけれども、他日に讓りたいと思いますが、大体こういうことが今日まで行われなか
つた
ということは、日本の
国民
が医学というものがどういうものであ
つて
、医者はどういう学問を勉強して来ているのか、
薬剤師
というものが勉強している薬学というものは、自然科学的にどういう
内容
のものであ
つて
、それが医学と薬学がどういう差別があるかということに対する自然科学的な知識が普遍化されていない。多くは知らんものですから、日本で帝国大学に医学部を作
つて
、医学科と薬学科と分けて、全然教わ
つて
いる科目というものは別なんです。だからサムスが言
つて
いるように、
医師
も、
薬剤師
もそれぞれ自分の履修して来たところの学問
技術
によ
つて報酬
を受けている、生計を立てているということが原則であるということは、これは非常に必要なことなんで、
政府委員
の答弁というものは、厚生
委員
の質問に対する答弁として甚だ不十分であるということをこの際私感ずるのですが、もう少し
準備
して御答弁願いたい。
松原一彦
75
○松原一彦君 私は初めからお断り申上げておる。私は素人であるのですからして知識が不十分であるということをお断り申して、而も問題を限定してお尋ねしたのであります。吉川
委員
から今御非難があ
つた
ようですが、私は非常に不満に思います。何となればこれはまだ討論の域には行
つて
おらんのであります。質問は我々の自由であります。質問を制限したることに対しては私は不満を感じます。なお私は今の吉川
委員
の御
発言
に対しては申したいことがある。けれども私は討論の時期でないからこれは控えます。併し
薬剤師
といえども製薬をする権能はない。すでに免許せられたる薬、いわゆる通用薬、普通の薬、或いは劇薬にしましても許された
範囲
のものしか扱えないのです。製薬に対しましては相当の制限がある。すでに出来上
つて
いるところの薬をば
調剤
する能力が医者にないはずはないという私は
法律
上の見解をお尋ねしているのです。この問題の
結論
については、私は必ずしも医者の側に賛成するものでもないのです。併し世界に類例のないような、殆んどドイツを除いては類例のないような医者を信用せず、
国民
大多数が、この統計にもありますが、大多数が任意の
分業
を希望しておるのに、さような
法律
を以て高飛車に医者の
調剤
を
禁止
するとい
つた
ような条項が盛り上げられることが果して是か非かということを私は疑
つて
、これから研究してみたいと思うのです。そういう点をお尋ねしたのでありますから、我々
委員
の中に素人もおりますから、どうぞ質問に対して制限せられるようなことは
委員長
において御注意願いたい。
山下義信
76
○
委員長
(
山下義信
君)
発言
の制限はしません。
只今
質疑中でございますから、仰せの通り討論に亘らないように御
発言
を願います。
吉川末次郎
77
○
委員外議員
(吉川末次郎君) 松原さん大変御立腹のようですが、そういうような意味で申上げたのではないので、私の舌足らずであれば御勘弁を願いたいと思うのですが、私の申上げたことの主眼点は、松原さんの御尤もなる御質問に対するところの
政府委員
側の答弁が甚だ不十分であるということを申上げたのでありますから、どうぞ悪しからず……。
松原一彦
78
○松原一彦君 いや私は不十分とは思いません。
慶松一郎
79
○
政府委員
(
慶松一郎
君) 私があとで
発言
いたしましたことにつきまして、ちよつと
言葉
が足りませんので、いろいろ仰せがございましたが、私が申したいことは、ドイツばかりではございませんで、先ほど申しましたようにデンマークとかエストニア、ラトビアその他ハンガリア、ユーゴスラビア、大体ヨーロツパのドイツを中心といたしますところは、
只今
吉川
委員
の仰せにもございましたように、いわゆる強制
分業
、即ち
法律
を以て医者の
調剤
を
禁止
し、
薬剤師
をして
調剤
せしめておる。こういうような国々が相当存在するということを
承知
いたしておるのでございます。その点訂正いたします。
石原幹市郎
80
○石原幹市郎君 この
法案
を今後大体どういうふうな形で
審議
されて行かれるのですか。
委員長
の今持
つて
おられる御構想があれば
一つ
承わりたいと思います。と申しますのは、つまり公聴会、各方面の意向等をたくさん聞いて最も愼重にこれを
審議
される
方法
をとられるのかどうか。そういうようなことについて
委員長
の今持
つて
おられるお
考え
を
一つ
承わりたい。
山下義信
81
○
委員長
(
山下義信
君) お答え申上げます。自然休会中に公聴会の開催につきまして並びに公述人の選任に関しまして
委員長
、理事に御一任を賜わ
つて
おりますので、
委員長
、理事の打合会を開催いたしまして、御協議申上げましたのでございますが、そのときに御列席の同僚の
かた
から、
本案
は非常に重要な
法案
でもありますので、広く世論
調査
もする必要もございますし、この
本案
の
審議
につきましては、十分愼重
審議
をして行きたいという御
意見
もございました。
委員長
といたしましても全く同感でございまして、なお今後の運営につきましては、
委員
各位に御相談申上げまして、や
つて
参りたいと存じておるのでございますが、
只今
お尋ねを受けましたので、
委員長
としての
考え
を
一つ
だけ申上げますれば、
本案
が本院の先議にかか
つて
おるのでございまして、殊に参議院といたしましては、従来参議院は独特の伝統的精神がございまして、党利党略を超越いたしまして高い良識の上に立ちまして、
国民
の納得するような
審議
を盡して参りました参議院の
在り方
というものがございまするので、
本案
の取扱い方につきましては、何といたしましても
国民
の期待を裏切らないように、参議院としての十分なる
審議
を盡して参りたいということが、私といたしましては念願に堪えない点でございます。仰せの通り、
本案
の
審議
に関しましては、逐次必要なる或いは正式の公聴会、或いは非公式な世論
調査
、或いは必要なる多数の
証人喚問
等も要するのではないかということを
考え
ておるのでございますが、具体的には
委員会
に、皆様がたにお諮りを申上げまして、今後の運営を定めて参りたい、かように
考え
ております。一応お答えいたします。
石原幹市郎
82
○石原幹市郎君 大体私も
委員長
の言われたような行き方をとられることに非常に賛成なのでございますが、同時に又今までの
医薬制度調査会
とか、
診療報酬
調査会
といいますか、それらの
会長
、
委員長
といいますか、そういう人たちに来て頂きまして、その
審議
の
経過
などももう少し私は聞いてみたいと思います。
政府
の
説明員
からだけでなしに、やはりもう少し聞いてみまして、何としてもやはり
国民
の
医療
問題、或いは
国民
の
医療
経済に関する非常な重大問題でございますので、この
法案
の
審議
に対しては、我々も十分質問もさしてもらい、
国民
の声も十分聞いて、取扱の間違いのないようにや
つて
行きたいと思いますので、御善処を願いたいと思います。
山下義信
83
○
委員長
(
山下義信
君)
只今
石原
委員
から御
発言
のありました点は、私も全く同感でございますが、お諮りいたしましてよろしうございましようか。それではお諮りいたしますが、
臨時診療報酬調査会
並びに
医薬制度調査会
の
答申
案に関連いたしまして、これら両
調査会
の
関係
者といたしまして、必要なる人々を当
委員会
に証人として喚問いたしますことをお諮りいたします。なお証人の人選、或いは喚問の日時等につきましては、実質には皆様がたに御相談申上げますが、一応形といたしましては、
委員長
理事会にでも御一任願いますというようなことにいたしまして、
只今
申上げました必要なる両
調査会
に
関係
ありまする証人の喚問につきまして、ここで御決議を願いまして御
異議
ございませんでしようか。如何でございましようか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下義信
84
○
委員長
(
山下義信
君) 御
異議
ないものと認めまして、さよう決定いたします。それでは必要なる証人の喚問に関しまする証人の人選、喚問の日時等は、
委員長
理事会におきまして決定することにいたします。
藤原道子
85
○藤原道子君 ちよつと私に希望があるのですが、先ほどからの質疑応答を聞いておりまして、どうしても医科大学の学長というのですか、校長というのですか、そういう
かた
にも証人に来て頂いたほうがいいのではないかと私はそう思うのでございますが、それも
一つ
御考慮に入れて頂きたいと思います。
山下義信
86
○
委員長
(
山下義信
君) お諮りいたします。
只今
藤原
委員
から、医科大学の学長等につきまして証人として適当な時期に喚問するようにという御
提案
がございましたが、御
異議
ございませんですか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下義信
87
○
委員長
(
山下義信
君) 御
異議
ないものと認めまして、さよう決定いたします。
石原幹市郎
88
○石原幹市郎君 もう一点、私は先に商法の
改正
が法務
委員会
で
審議
されたときに、大阪であるとか、或いは九州等に行
つて
現在のいろいろな人の
意見
を徴された例があるのでありますが、あと会期も余りありませんし、而もこちらが先議にな
つて
おりまするので、余り長々とやるのもどうかと思いまするが、受診者の声を聞くというような意味で、東京だけで公聴会ということよりも、どこかやはり出張
つて
行
つて
広く全
国民
の意向を聞いて見るという形のほうが
審議
を盡す上においてよいのではないかという感じがいたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)併しこれはいろいろ御異論のある
かた
もあると思いますが、私はそういう希望を持
つて
おりますので申上げて置きます。
山下義信
89
○
委員長
(
山下義信
君) お諮りいたします。先ず第一審に藤原
委員
から御
提案
になりました医科大学の学長等の
証人喚問
につきましては、証人の人選、喚問の日時等につきましては、
委員長
、理事に御一任願いまして御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
吉川末次郎
90
○
委員外議員
(吉川末次郎君) ちよつとそれに関連いたしまして、医科大学の学長等の
意見
を聞くのは非常によいと思いますが、同時にこれは問題の性質上、医科大学の学長の
意見
を聞くならば、薬科大学の学長の
意見
も聞かなければいかんと思います。
山下義信
91
○
委員長
(
山下義信
君) 等というものの中に含まれておるものと御了承願います。それでは医科大学の学長等の
証人喚問
につきましては、さように決定いたします。 次は石原
委員
の御
提案
になりました、本
委員会
が出張
調査
の形におきまして、適当な時期における輿論
調査
と申しますか、
本案
審議
の上に資する
調査
をいたしたいという御
提案
でございますが、これは御
承知
の通り議員の出張派遣の形になると思いまするが、それらに要しまする適当な取扱い方の処置につきましては、
委員長
に御一任願いまして御
異議
ございませんですか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下義信
92
○
委員長
(
山下義信
君) 御
異議
ないものと認めまして、さように決定いたします。
松原一彦
93
○松原一彦君 もう
一つ
希望いたして置きます。今御注意があ
つた
くらいに、外国の立法例に対する御答弁が徹底しなか
つた
と言われるのでありまするが、私はまあ大体了承したわけですけれども、
考え
てみるというと、いささか曖昧な点があります。その点どうか
一つ
至急に外国の立法例、医薬分離に関する外国の
法律
上の立法例をできる限り
一つ
明確にお示し願いたい。
山下義信
94
○
委員長
(
山下義信
君) それでは
政府
のほうに外国の立法例に対する
資料
の提出を要求いたして置きます。本日はこの程度で散会いたします。 午後零時二十八分散会
出席
者は左の通り。
委員長
山下 義信君 理事 井上
なつ
ゑ君 有馬 英二君
委員
石原幹市郎君 中山 壽彦君 長島 銀藏君 上條 愛一君 藤原 道子君 常岡 一郎君 藤森 眞治君 谷口弥三郎君 松原 一彦君
委員外議員
吉川末次郎君 国務大臣 労働大臣厚生大 臣
臨時代理
保利 茂君
政府委員
厚生省
薬務局長
慶松 一郎君 事務局側 常任
委員会
專門 員 草間 弘司君 常任
委員会
專門 員 多田 仁己君
説明員
厚生大臣
官房総 務課長 高田 浩運君
厚生省
医務局次 長 久上
勝次
君