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1951-05-07 第10回国会 参議院 厚生委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月七日(月曜日)    午前十時五十分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○医師法歯科医師法及び薬事法の一  部を改正する法律案内閣提出) ○証人喚問に関する件 ○議員派遣要求の件   —————————————
  2. 山下義信

    委員長山下義信君) これより厚生委員会を開会いたします。日程に従いまして医師法歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律案審議をいたします。本案につきましては前回厚生大臣から政府提案理由説明を聞いておつたのでありますが、本日は引続いて審議を続行いたします。  保利労働大臣厚生大臣代理に就任せられましたので厚生大臣代理から御挨拶があります。
  3. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 黒川大臣海外出張をいたされております暫時の間私が厚生大臣仕事臨時代理を仰せつかりまして当ることになりましたわけでございますが、乏しきものでございまして、無論勉強はいたさなけりやならんと存じております。皆様の御鞭撻、御指導をお願いいたしたいと存じます。更に又本委員会には厚生省として非常に大事な、政府といたしましても重要な議案の審議をお願いいたしております。非常に責任の大きいことを痛感いたしております。どうかよろしく御指導をお願いいたします。
  4. 山下義信

    委員長山下義信君) この際お諮りいたすことがございます。吉川議員委員外議員として出席でございますが、発言の御希望がありました際は許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山下義信

    委員長山下義信君) 御異議ないものと認めます。  本案に対しまして御質疑を願います。
  6. 藤森眞治

    藤森眞治君 この前に提案理由説明があつて、この法案内容についてはまだ政府側説明を承わつておりませんので一応この内容について御説明をお願いしたいと思います。
  7. 久下勝次

    説明員(久上勝次君) 法案内容につきましては極く大要は提案理由説明に申上げてあると存ずるのでありますが、若干補足いたしまして要点を申上げることにいたしたいと思います。  この法案厚生省に設けられました臨事医薬制度調査会答申に基きまして成案を作りまして御提案申上げたものであります。要点は、先ず第一に現在の法律では医師及び歯科医師患者を診断いたしました場合に薬剤交付を必要とします場合に患者から求めがありましたならば、診療上支障のない限り薬剤交付しなければならないというふうになつておるのでございます。これは俗に処方箋任意発行というような言葉で呼ばれておる制度でございます。これを改正いたしまして医師及び歯科医師診療患者薬剤交付を受ける必要があると認めました場合には、本人又はその看護に当つている者に必ず処方箋交付しなければならないというふうに改正をいたしたいと考えておるのが第一点でございます。これはいわゆる処方箋強制発行というような言葉で俗に呼ばれておる制度でございまして、この制度は実は大分前から医薬分業の問題に関連いたしまして、或いは又その前提として、或いは又それと関係なくてもこういうことが必要であるというような論議がしばしば機会あるごとにかわされておりましたものでございます。臨時医薬制度調査会の熱心な審議の結果この制度を採用することが適当であるという答申がございましたので、医師法及び歯科医師法当該条項改正いたしたいというのが第一の要点でございます。  第二点は、薬事法改正でございます。これは薬務局長もおりますので薬務局長から申上げるのが適当かと思いますから薬務局長が御説明申上げます。
  8. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 只今久下次長からお話がございましたように臨時医薬制度調査会答申の中に三つの事柄がございまして、その中の第二及び第三に  二 薬事法に左の趣旨規定を設けること。  三 薬剤師調剤する場合には、医師歯科医師又は獣医師処方せんによらなければならない。  三 薬事法第二十二条を次の如き趣旨改正すること。   薬剤師でない者は販売又は授與目的調剤してはならない。   前項規定に拘らず医師歯科医師獣医師は左に掲げる場合に於て自己処方せんにより自ら調剤することが出来る。   1 審議会審査を経て厚生省令の定めるところにより診療上必要があると認められる場合   2 審議会審査を経て厚生省令の定めるところにより薬局の分布が充分でない地域で行う場合  こういう答申がございましてその答申に基きまして薬事法改正をいたさんとするものでございます。即ち薬事法の第二十二条におきまして「薬剤師でない者は、販売又は授與目的調剤してはならない。但し、医師若しくは歯科医師が左に掲げる場合において自己処方せんにより自ら調剤するとき、又は獣医師自己処方せんにより自ら調剤するときは、この限りでない。  一 省令の定めるところにより診療上必要があるとされる場合  二 省令の定めるところにより薬局普及が十分でないとされる地域診療を行う場合  2 厚生大臣は、前項各号に規定する省令を制定し、又は改正しようとするときは、別に定める審議会意見をきかなければならない。」とこういうふうに改正されんとするものでございます。今回提出されております法案以前の即ち現行薬事法におきましては第二十二条におきまして、「薬剤師でない者は、販売又は授與目的調剤してはならない。但し、医師歯科医師又は獣医師自己処方せんにより自ら調剤し、又は薬剤師調剤させる場合は、この限りでない。」と、こうなつておりますものを省令の定めるところによりまして例外を認められる以外の場合におきましては医師歯科医師自己処方箋によりみずから調剤をするということができない、こういうことになるのでございます。但し獣医師におきましては、これは全く獣医師診療体系が異つておること、或いは諸外国におきましては獣医師につきましてもこの規定が即ち特に分業という規定が余りございませんので、そういう意味におきまして獣医師につきましてはこの点が除かれておるのでございます。  又第二十二条の二といたしまして、「調剤に従事する薬剤師は、調剤求めがあつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」ということを加えたのでございまして、これは当然なことでございますが、現行薬事法にはその規定がございません。但しこの規定は過去におきまするいわゆる薬剤師法というものがございまして、薬事法以前におきましてそれにはこの規定は載つてつたものでございます。  次に第二十四条におきまして、「薬剤師は、医師歯科医師又は獣医師処方せんによらなければ、販売又は授與目的調剤してはならない。」といたしまして「薬剤師は、処方せん中疑わしい点があるときは、その処方せん交付した医師歯科医師又は獣医師承諾がなければ、処方を変更し、又は修正してはならない。」即ちこの第一項が追加されたのでございます。これも当然な規定でございまして、以前の薬事法、即ち昭和二十三年に改正されます以前の薬事法におきましては、この規定は載つてつたのでございますが、当然なこととして現行薬事法に除かれておるのでございます。即ち現行薬事法におきましては、第二十四条におきまして「薬剤師は、処方せん中疑わしい点があるときは、その処方せん交付した医師歯科医師、又は獣医師承諾がなければ、処方を変更し、又は修正してはならない。」こうなつておりますのに、只今の第一項を追加せんとするものでございます。  次は第五十六条の変更でございますが、これは罰則の点だけでございまして、第二十二条の第一項というものを追加しておるだけでございます。簡單でございますが大体の内容を御説明した次第でございます。
  9. 久下勝次

    説明員(久上勝次君) 附加えましてこの法案施行期日関係を御説明申上げて置きたいと思います。只今薬務局長並びに私から御説明申上げたようなのが実態的な改正法案内容でございますが、そのうち私が御説明申上げました処方箋強制発行制度につきましては、昭和二十八年一月一日からこれを施行するようにいたしたいという案でございます。  第二のいわゆる医薬分業につきましては、昭和三十三年から実施するようにいたしたいというふうになつております。この施行期日が延ばされております理由は、臨時医薬制度調査会答申にも、その施行につきましては前提として医療報酬に関して昭和二十六年一月二十四日付臨時診療報酬調査会答申に基き所要措置がとられることが必要であるので、昭和二十八年からとすべきであるというような答申があるのでございます。これは具体的に申しますると、臨時診療報酬調査会答申の中に、その答申は新らしい診療報酬体系をきめますための基準答申でございまして、この基準に基きまして具体的に診療報酬の個々の決定をする必要があるのであります。そういたすことによつて初めて新らしい診療報酬体系実施されるという段取になります。臨時診療報酬調査会はこのために別の審議会を設けて審議をするようにという答申がなされておるのでございます。厚生省といたしましてもその必要を認めまして、是非その答申のように必要な機関を設けて専門家にお集りを願つて審議をさせたいと思つておるのでございます。そのためには今後相当な日子を必要といたしまするので、先ず処方箋強制発行という新らしい診療報酬体系を実行いたしますために、その準備として只今のような必要な措置がとられることが必要だと思いまして延してあるのでございます。  なお薬事法改正の点につきましては、昭和三十三年からとなつておりますが、これも一般の国民に対して、新らしい制度十分普及徹底をする必要がございまするし、又薬剤師その他の医療関係者につきましても、所要の設備の完備でありますとか、その他教育でありますとか、いろいろな諸準備を必要と考えられますので、それぞれ只今申上げたような、施行期日に余裕を設けるという案にして提案をいたしました次第でございます。
  10. 中山壽彦

    中山壽彦君 この厚生省における両調査会経過一つ報告を願いたい。
  11. 久下勝次

    説明員(久上勝次君) この問題につきましては、只今官房総務課長出席をいたしておりますが、総務課長が終始調査会の幹事として調査会の進行に携わつておりますので、総務課長から御説明申上げますのが最も適当かと存じますが、お許しを頂きますならば総務課長から御説明さして頂きます。
  12. 山下義信

    委員長山下義信君) 高田総務課長説明で御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 山下義信

    委員長山下義信君) 御異議ないものと認めます。では高田総務課長
  14. 高田浩運

    説明員高田浩運君) それでは僭越でございますが、私から説明さして頂きます。概略につきましては、先般まだ本法案がかかります以前におきまして、私どものほうの葛西次官から申上げたのでございますが、従いまして簡單に申上げさして頂きたいと思います。  この例の医薬分業の問題が起りましたのは、実は古く明治八年、即ち明治初年からのことでございますが、その後幾多経過幾多経緯を重ねて今日まで至つたのでございますけれども、最近におきまして、この問題の起きました端緒となりましたのは、先般アメリカの薬剤師団が参りまして、我が国における医薬制度の状況を調査いたしましたその結果を報告書として提出いたしました。その報告書の中に、医師薬剤師との職分をはつきりして、調剤乃至医薬品貯蔵等につきましては、薬剤師が專ら担当すべきである、そういう趣旨内容を持つた報告をいたしておるのでございます。それが一昨年の九月でございます。それが一つ端緒となつたのでございます。その報告書を提出されましてから、司令部としましても、この問題について十分検討する必要を認めまして、その後去年の一月であつたと記憶いたしておるのでございますが、医師会歯科医師会薬剤師会、三者の代表を以て組織しておられますところの三志会と称するものに対しまして、この問題について十分研究をするようにというお話があつたように記憶いたしておるのでございます。爾後三志会において、相当長きに亘りまして、しばしば会合を重ねられ、論議を重ねられたようでございますけれども、十分満足な結論が得られずに経過したのでございます。そういう事情に鑑みまして、この問題を厚生省において調査会を設け、而して三志会関係者以外の学識経験者等も含めた委員会において十分検討するようにしたら如何であるかというようなお話もありまして、いろいろな経緯がございましたけれども、二つ調査会、即ち臨時診療報酬調査会臨時医薬制度調査会という二つ調査会が設けられたのでございます。そうして両調査会は、去年の八月七日に第一回の総会を開会いたしたのでございます。二つ調査会と申しますのは、第一の診療報酬のほうの調査会はいわゆる診療報酬に関する調査をする。諮問といたしましては、医療向上国民経済的負担力等を勘案した医師歯科医師及び薬剤師の適正なる技術料及び薬価の基準について会の意見を問う、そういうような諮問になつております。後者の臨時医薬制度調査会につきましては、医薬分業実施の可否及び可なりとする場合には実施具体的方法地域及び時期等につき会の意見を問う。そういうような二つ調査会がそれぞれ仕事を分担をいたしまして発足をいたしたような次第でございます。そこで先ず診療報酬在り方というものについて検討するために第一の、即ち臨時診療報酬調査会ということから始められたのでございます。なおこの診療報酬の件につきましては、八月七日の総会の席上にサムス準将が演説をしておるのでございます。その演説はお配りしてあると思います。要するにその医師が專門の技術によつて報酬を得ることなくして、いわば薬を売つて報酬を得ておる。或いは歯科医師というものが金を売ることによつて報酬を得ておる。そういうような診療報酬在り方というものはこれは好ましくないのだ、それは医療向上に資するゆえんではないのだ、そういうような趣旨お話があつたのでありますが、そういうような点もありまして、診療報酬在り方というものをどうきめて行くかというようなことが中心の問題であつたのであります。そこで臨時診療報酬調査会におきましては、夏から秋にかけまして、更に冬にかけまして非常に厖大資料を、医師会その他から提出されました厖大資料について検討いたしまして、一月の二十四日に会長から厚生大臣宛答申をした、そういう運びになつたのであります。その間年末、年始にかけまして委員会としては非常に熱心に論議を繰返されたのでございますが、その答申の概要につきましてはお手許にお配りしておるのでございますが、この結論をかい摘んで申上げますと、診療報酬というのをいわゆる純粋の診療に対する報酬とそれから調査に対する報酬との二つに分けまして、而もそのいずれにつきましても医師薬剤師のいわゆる技術料と称すべきものと分離できるという、そういう前提に立ちまして、その技術料とそれからその他の人件費或いは所要経費或いはなまのいわゆる薬代、そういつたものに分離いたしまして、技術料以外のものはいわゆる原価計算方式によつて計算することが至当である。そういつたものといわゆる純粋の技術料、そういうものの合さつたものが即ち報酬である。そうしてその技術料につきましては、技術の難易でありますとか、或いは診療單位時間の医師平均報酬でありますとか、一診療行為、一調剤行為所要時間でありますとか、そういつた要素を基礎にいたしまして一定の方式に基いてこれを算定する。勿論これを算定いたすにつきましては、従来の医師の性格というものを十分考慮に入れてしなければならないし、即ち従来の収入等に大変革を来たすことによつて医療に差支えを生ずる、そういうことがないように考慮しなければならないということになつております。  なお結論といたしましてはこういうふうに医療報酬の立て方というものを変えることによつて全体の国民の負担する医療報酬医療費というものが増嵩を来たさないようにというような趣旨のものを附け加えておるのであります。即ち全体としてはそう国民負担過重にならない範囲において従来の医療報酬というものを合理的に科学的に、計算、算定をする、そうして医師というものが薬にぶつかけて技術料をとるということでなくして、いわゆる技術に基いた正当の報酬を取る、そういう建てかたにするというようなことが、根本の考え方になつておるように承知いたしております。こういうような趣旨答申が出まして、次に医薬制度調査会のほうに転移したわけであります。勿論この医薬制度調査会もその以前から多少並行審議を行なつてはおりましたが、本格的にはこの臨時診療報酬調査会答申が出ました後本格的な検討を進めて参つたのであります。この臨時医薬制度調査会経過につきましても、なお今申上げました臨時診療報酬調査会経過につきましても、お手許特別委員長報告資料として差上げてありますので、それによつて詳しくは御承知を頂きたいと思います。臨時医薬制度調査会におきましては非常に長年の問題でもあります関係もありまして、非常に熱心に論議が重ねられたのでありますが、結局総会においては十分の結論を得ることができませんので、特別委員会を設けて特別委員会は殆んど連日連夜とは申しませんが、連夕に亘るまで非常に熱心に論議が続けられたのであります。その特別委員会においては委員長初め委員かたがたは何とか円満妥結を見るように必死の努力を続けられたのでありますけれども、結論としましては結局円満の解決を見ることなくして、採決によつて案をきめるということになつたのであります。そこでその委員会におきまして、いろいろな案が出たのでございますが、これも前にお手許に差上げてありますが、三つの案が出たわけであります。  その案の内容最初に申上げさせて頂きますと、第一案と称しまするものは、第一に処方箋発行についてはこれはいずれの案も同じでありますが、処方箋は全面的に発行する、それからいわゆる分業の点につきましては、従来開業の医師歯科医師は、そのまま分業は強制しない。併し今後開業する医師につきましては昭和二十八年から分業にする、そういうような内容のものであります。  それから第二案と称しまするものは、処方箋発行はこれは同じでございます。分業の点につきましては、当分の間、医師歯科医師は自分の処方箋によつてみずから調剤することができる、ただその場合におきましても、調剤薬剤師によつて行われるように医師歯科医師は協力しなければならない、そういう趣旨道徳規定を置くということであります。  それから第三案と称しますのは、これも処方箋発行につきましては同じでございますが、分業の点につきましては、現在開業しておるお医者さんにつきましても、昭和三十三年から分業にする、そういうような考えかたでございます。即ち第一案につきましては、現在今まで開業しておる人と、そうでない人と区分をいたしまして、今後開業する人についてだけ分業にする。  第二案は双方の協力によつて分業に移行してもらおう。  それから第三案は、法律によりまして、昭和二十三年から現在開業しておる人も、新らしく開業する人も分業になる、そういうような考えかたでございまして、この第三案が結局採決の結果多数になりまして、これが基礎になりまして法案となつて提出されておる次第であります。  最初に第一案委員会において提出されまして、種々論議が重ねられたのでございまするが、薬剤師会のほうは非常に澁々ではございましたが、止むを得なかろうというようなことになりましたし、それから医師会側といたしましては、初めの段階におきましては七つ条件を出されまして、その条件が容れられれば第一案を呑んでもよろしいというような印象を当時委員皆さんは受けられたのでございます。勿論この点はあとでいろいろそうでないという話も出たのでございますが、少くともそういうような印象を受けられたのであります。その七つ条件と申しますのは、第一に医療報酬の新体制を促進する第二に国民には無形の技術に対して正しい報酬を支拂うという観念を指導する。それから第三に薬品混合販売禁止、第四に国民処方禁止、無診投薬の禁止、第五に薬品、器械、器具の低廉化、第六に処方箋記載事項の厳守、第七に行政機関の監督の強化、そういつた七つ条件について委員会において一々検討いたしまして、大体において了解点に達しまして、一時は第一案によつて大体妥結が得られるのじやないだろうか、そういうような委員会空気でございましたけれども、その後医師会のほうから、第一案については反対である。一体法律改正による分業ということについては反対気持を持つておるのだ、そういう趣旨の御発言がございまして、委員会としては非常に一時混乱をしたのでありますが、それでもなお円満妥結努力を続けられまして、そういう経過を辿りまして第二案が出たのでございます。  第二案は今申上げましたように第一案よりももつといわば緩い恰好になつておりまして、これにつきましては薬剤師会としては絶対に反対である、そういう趣旨でございます。なお医師会のほうとしましては、この論議のされております途中において、なお如何なる形においても法律改正によるものは困るというような話がございまして、結局第二案も成立することができなかつたのであります。  そこで法律改正の要旨というようなことが問題になりまして、医師会側委員かた司令部に行かれまして、この点についてはお話合いをなさいました結果、やはり法律改正が必要だということが認められたのでございますけれども、その後医師会内部経過等もございまして、結局第一案、第二案、第三案とも呑むことはできない。第四案と称すべきものは作ることができない、そのようなことでございまして、結局円満妥結するということができなかつたのであります。  なお第三案は、第一案、第二案とそういう経過を辿りましてこういうことになりましたからには、第一案、第二案はいわば妥協的な案でございますが、妥協的でなしに理論的に筋の通つた案を作らなければならないのじやないか、そういうような委員会空気で第三案ができ上つたのでございます。そうして最後の決をとりました結果、第一案につきましては投票なし、第二案四票、第三案五票、白紙一票ということで第三案が特別委員会の案ということにきまりまして、それが総会に運ばれまして、総会においても非常に論議が重ねられ、なお円満妥結努力は続けられたのでございますけれども、これも結局表決によらなければならない結果となりまして、結論としまして十九対十一票ということでこの第三案が可決されたのでございます。そういうような経過になつておるのでございます。  なおこの会議の前後を通じまして、即ち第一案、第二案、第三案を通じまして、初めから今すぐやることは無理だ、それから全国全部やるということは無理だ、そういう点については皆さん異議がなかつたのでございます。即ち地域の点につきましては、郡部その他即ち田舎のほうと申しますか、農村地方と申しますか、そういつたところに初めから医薬分業実施をするという考えは、皆さん気持にはなかつたようでございます。従つて問題は主として都市部の問題でございます。それから従来の明治年間からの経過によりまして、医薬分業ということが、この分業の形、方法はいろいろありますが、絶対にいかんのだという議論も私らとしては聞かなかつたように記憶いたしておる次第でございます。大体総枠としましては、そういう範囲内におきまして論議が進められた次第でございます。なお詳しくはお手許に差上げてあります資料について御承知を願いたいと思います。なお私の申上げたことで間違いでもありましたら、谷口委員が終始、或いは医師会長として、或いは委員として参與せられておりましたので御訂正を頂きたいと思います。
  15. 中山壽彦

    中山壽彦君 只今報告を承わつたのでありますが、この両調査会に受療者の団体のかたも入つておられたようでありますが、こういう人々の意見はどういう意見が多かつたか、これをちよつとお知らせを願いたい。  それからいま一つは社会保險に関係かたがやはりメンバーにお加わりになつたように承わつてつたのでありますが、こういう保險関係の人々はこの問題についてはどういうような意思表示を持つておられたか、参考のために承つて置きたいと思います。
  16. 高田浩運

    説明員高田浩運君) お答え申上げます。  第一の診療報酬調査会におきましては、これは全会一致でございますのですべて賛成でありました。  それから第二の医薬制度調査会のほうにおきましては、特別委員会乃至総会とも秘密の投票でございますので、どういう投票をされましたか私ら承知いたしておりませんが、委員会において出ました意見は詳細記憶しておりませんが、頭の中にある点を申上げますと、結局国民医療費負担がこれによつて増嵩をするということは保險としても困るし、国民としても困るのじやないか、そういう意見があつたように思います。
  17. 谷口弥三郎

    ○谷口弥三郎君 先刻高田課長の御説明のあとで、谷口委員は終始この会合に出ておつたからしてよく知つておるから間違つた点があつたら申してもいいというようなお話がありましたから、私からこの際に二三申上げてみたいと思います。  先ず第一番にこの委員会と申しますのは、実は昨年の七月の二十八日並びに三十日の当委員会におきまして、この委員会は法的根拠のない、いわゆる非公式のものである、従つてその委員会のできたのは決して重要なものじやないが、参考に供する程度であるという御説明があつたように聞いておつたのであります。又その委員会ができましたときにも、いわゆる多数決によつてこれを決定するということはせんように聞いておつたのであります。併しまあ問題の関係上最後に採決をされたのでございますが、そういうような採決を左右するようなふうな場合には、少くとも厚生大臣諮問事項であれば厚生省から出た四人の委員かたは多分遠慮されるであろうと私は思つておりましたけれども、やはりその四人のかたもそれに加つてこの採決を可なり左右したように思つておるのでございます。この点は私どもとしては実は遺憾にも思いますが、そのやられたかたは無論委員でありますから、やろうと思えばやることができるのでありますからして、あえて申上げるわけではないのであります。  それから次にこの委員会におきまして最後に特別委員会がありまして、特別委員会答申が出たのでありますが、その答申なんかは長い期間に亘つてつた事項を僅か三十分くらいの間に整理して御報告になつたのですから、可なりそのうちにも違つている点もあつたのであります。従つてその口述の際に大きい間違いにつきましては私どものほうからもそれを訂正して頂いたのでありますが、なおあとでよく読んで見るというと、小さな点あたりでも三カ所ばかりの間違いの点がありますので、これは訂正して頂くように特別委員長には特に申上げて置いたのでありますが、只今こちらに出されている文章にはそのところは訂正はできておらんのであります。  なお私どもの聞いている範囲におきましては、社会保險のかたがたはこの分業ができたら、とても社会保險は国庫補助でもたくさんあれば遂行ができるが、国庫補助がないならば非常に医療費が高くなるから到底これは行われんというようなことも言われておつたのを聞いておるのでありますから、いずれ或る機会にそういうかたがたから一つよくお聞きを願いたいと思うのでございます。なお私ども知つている範囲におきましても、只今の中山委員の御質問の中に受療者側がどういう状況であつたかと申しますと、私どもの聞いている範囲では四十名の委員でございまして、十名は最後に欠席されたのでございます。その十名のかた全部が必ずしも賛成でなかつたようにお伺いいたしておりますが、これは出ておられんからわかりませんがその三十名の中で十九名が賛成、十一名が反対というのでありますけれども、その十一名なるものは受療者の大部分と医師系のものであつたと私は伺つているのであります。従つて受療者側の意向というものは、この法案をきめる場合には是非とも十分に或る機会にお聞きを願わんければならんと思うのでございます。折角私の名前が出ましたからして念のために釈明いたして置きます。
  18. 藤原道子

    ○藤原道子君 私は本法案審議に入る前に政府にお伺いして置きたいと思う二、三の点があるのでございますが、一つ責任ある御答弁をお伺いしたいと思います。  まず第一に本法案は非常に重要法案だと世間では言われているのでございますが、果して政府はこれを重要法案と思つておいでになるのかどうかという点をまず一つ第一に伺いたい。
  19. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 本法案は多年の懸案になつております医薬分業の問題に関して適当の解決をいたしたいという意味において提出をいたしております議案でございますから、政府といたしましてはもとより重要な議案として取扱つておりますし、又お願いをいたしている次第でございます。
  20. 藤原道子

    ○藤原道子君 それではお伺いいたしますが、閣議においても、この法案は三回も保留というのですか、になつたと聞いておりますが、それはどういう理由でございますか。
  21. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 閣議のことはこれは申上げられないかと思いますが、無論問題が問題でございますから相当閣僚の間にも意見がございまして、多分三回か四回の閣議を経たものと思つております。
  22. 藤原道子

    ○藤原道子君 本法案政府の提出法案でございますし、而も非常に重要な法案だと今お答えになつたのでございますが、然らばこの重要法案を会期の切迫したときに提出して置いて、而も主管大臣が旅行されたというのはどういうわけでございますか。私どもどうもこの点納得行かないんですが……。
  23. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 主管の黒川大臣は重要な要務を帯びて海外に出張され、これは国際的にも又重要性を持つた要務を持つて行かれたのですから、それを主管大臣が出て行つたからといつて、決してこれを軽く扱つておるというようなことは決してございません。もとより私微力でございますけれども、臨時代理として、私承わつてできるだけ職責を全ういたしたいと考えております。
  24. 藤原道子

    ○藤原道子君 私は保利さんがどうこうというわけじやございませんけれども、この重要法案を提出して置いて、主管大臣が国際的な要務で出張されたことはわかつておりますけれども、この保險大会とかいうものはどうしても黒川厚生大臣が行かなければならないものでございますか。ほかには適当な人はいなかつたものでしようか。私はこの点どうも国民医療の面から参りましても非常に重大な問題で、而も黒川主管大臣が旅行された、東医務局長もいない。こういう点私はどうも納得が行かないんでございます。どうしても厚生大臣が行かなければならないこの大会であるかどうかという点を一点お伺いしたいことと、それから今一つ政府が今度提案されて置きながら大臣、医務局長等がいない。それもある上に、今一つ政府提案であり、而も政府の與党たる自由党内においても有力な反対意見がおありになる、與党の意見はまだ一致していない。そのときにどうしてこの法案をお出しになる自信があるか。私は強力な力に押されて申訳け的に提出したのであつて、本当はどうでもいいのだというようなふうにとれてならないのですが、その点一つ……。
  25. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 厚生大臣が御出張になりましたことは、政府として厚生大臣が御出張、御出席になることが最も適当であると認められて派遣をせられたものと私は了解をいたしております。なお、この法案をめぐつて賛否の相当重要な意見があるということは御説の通りであります。政府といたしましては、永い間のこの懸案になつております問題についてできるだけ広く意見を伺い、そうして一応かような改正案を提出いたして、ともかく医薬分業の問題に対して解決を図るということが医療保險向上の上から申しましても非常に大切なことであろうという結論を以て提出をいたしておるような次第でございまして、本法案を決して政府が軽んずる、どうでもよろしいというような気持ではございません。その点は一つ御了解を願いたいと思います。
  26. 藤原道子

    ○藤原道子君 押返して私申上げたいのでございますが、所管大臣として黒川さんが旅行されるその前に、本当に政府がこの法案をあなたの言われるように重要本法と思つておいでになるならば、責任を以て通過を図られようとされるならば、もつとなすべきことがたくさんあつたと思うのです。ところがそういうことが殆んどなされていない。だから私としてはどうも申訳け的に出して、あわよくば審議未了ということにして終らせて、政府の責任を回避しようというようなずるい作戦のように思われてならないのでございますが、そうでない……、ここで、そうだとも答弁できないでしようけれども、この法案は果して通せるという自信があつてつておいでになるかどうかということを、もう一遍私は伺つて置きたい。この問題は真剣でございます。非常に世界的に注目されている問題でございますので、私どもとしては医者の反対にあつてどうこう、薬剤師のあれにあつてどうこうというようなことはしたくない。本当に国民の福祉に副う審議をして、その国民の輿望に応えることでなければならないと私は思つております。併し政府の本当の肚をもう一遍聞きたいと思います。
  27. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 医薬分業の問題に対して適当の解決を図り、医療保險の向上を図らなければならんということは、私は今日では国民の輿論じやないかと思つております。従いまして無論いろいろな立場、いろいろの御意見もあると存じますけれども、十分の御審議を盡して頂きますならば、必ず私は解決して頂けるものと、そういうふうに信じております。又政府も誠意を以てこれに対処して参りたいと、かように考えております。
  28. 藤原道子

    ○藤原道子君 もう一つ……、それでは有力な與党である自由党の御意見はまとまるお見通しがあるのですか。
  29. 保利茂

    ○国務大臣(保利茂君) 無論私はそう思つておりますけれども……。
  30. 藤原道子

    ○藤原道子君 あとは審議に入りましてから私……。
  31. 藤森眞治

    藤森眞治君 今高田総務課長の御説明と、それから谷口委員お話の中に少し疑問が出て来たのですが、その点で高田さんにお伺いしたいのですが、今谷口君のお話では全部で四十人の委員で十人欠席された。そうしてその中には医療関係の人と、それから受療者側とがいなかつた、こういう仕方で決議されたということはその通りでございますか。
  32. 高田浩運

    説明員高田浩運君) ちよつと私出欠の関係資料を持つてつておりませんので正確に申上げかねますが、勿論医療を受けるほうの側のかたも可成り御出席になつてつたと記憶いたしております。労働関係の代表であるとか或いは保險の関係の代表でありますとか、或いは船員の関係の代表でありますとか、それぞれの代表見えておつたと思いますが、正確にはなおそのときの速記録を調べましてお答えいたします。
  33. 藤森眞治

    藤森眞治君 それでは、のちで結構なんですからその当時の出席者のかたがた、欠席者のかたがたの名簿を一つお願いいたします。
  34. 吉川末次郎

    委員外議員(吉川末次郎君) いろいろお尋ねしたいこともまだほかにたくさんありますが、今の藤森さんと政府説明員ですか、政府委員ですかの間の質問応答並びにそれに先立つ谷口委員政府委員報告に対する補助的な報告がありましたが、審議会におけるところの採決の場合において、十九名の委員医薬分業に賛成をして、十一名の委員が大体反対意見を表された、そうして谷口さんのお話では、その十一名の中には医師会の代表と、相当数の受診者側の意見が含まれているというお話でありましたが、受診者という言葉は、中山さんの御質問から起つて来た言葉かと思うのでありますが、それは中山さんも谷口さんも、及びそれに答えられた政府側の諸君にも、その言葉の解し方には、私は非常に不思議に思われる点があるのです。受診者というのは、医療を受ける人間は全部の国民が受診者なんです。どういう意味に解釈せられているのか知りませんが、我々も受診者であります。病気にならないものはない。医者に診療を受けないものもないのですから、どう解釈せられているのか、何か極めて狭義な限定した意味において受診者という言葉を使われることは、基本的に間違いがあるのじやないかと思います。これは意見になりますから谷口さんの御答弁を伺いたいとは思いませんが、少くとも私はそういう言葉を使い、又その言葉に現われた受診者を、極めて限定されたもののように考えられることを、その言葉をお使いになつた三名のかたがた、それぞれお考え直しを願いたいと思うのであります。それに関連してお伺いしたいのですが、十一人の医薬分業反対の表決をした委員の中で、医師会の側の委員の人は同名あつたのですか、政府の御答弁をお願いしたいと思います。
  35. 高田浩運

    説明員高田浩運君) 医師会は四名でございます。
  36. 吉川末次郎

    委員外議員(吉川末次郎君) 歯科医師会はどのくらいですか。
  37. 高田浩運

    説明員高田浩運君) 歯科医師会は二名でございましたが、たしかはつきり覚えておりませんが、お一人欠席だつたと思います。
  38. 吉川末次郎

    委員外議員(吉川末次郎君) 中立の人は残り何名ですか、六名ですか。
  39. 高田浩運

    説明員高田浩運君) 六名です。
  40. 吉川末次郎

    委員外議員(吉川末次郎君) 賛成側のほうで薬剤師かたが入つているのですが何名ですか。
  41. 高田浩運

    説明員高田浩運君) 四名です。
  42. 吉川末次郎

    委員外議員(吉川末次郎君) あとは中立側の人ですね、十五名ですね。
  43. 高田浩運

    説明員高田浩運君) 委員会の構成は医師会歯科医師会薬剤師会、これが十人と、それから医療を受けるほうの側と称する保險でありますとか、そういつた側のかたが十名、それから学識経験者が二十名、そういうような人数の振り分けになつております。
  44. 吉川末次郎

    委員外議員(吉川末次郎君) その十九名の賛成者ですね、そのうち薬剤師会の人は四人だけで、あとの十五名は薬剤師或いは薬業者にあらざるところの、いわば常識的に考えて中立側の人ですね、僕の言う意味の受診者側の意見を代表する人が十五名ですねそれは……。
  45. 高田浩運

    説明員高田浩運君) 先ほど申上げましたように秘密投票でございますので、私からどういうかたがどういう投票をされましたか承知いたしておりません。
  46. 谷口弥三郎

    ○谷口弥三郎君 ちよつと私、先刻私の説明の中に受療者側ということを申上げたのですが、或いはそういう言葉が出たと申しますのは、委員会の構成が只今高田課長の言われましたように、十名が医療関係者医師歯科医師薬剤師協会というのが十名でございますし、それから受療者側ということで、各種社会保險あたりの団体のかたを受療者側というようにあの委員会では言つてつたように思うのですが、そのほうが十名、そのほか学識経験者と、いわゆる関係官庁のかたがたが二十名というようになつてつたのです。それで先刻申しましたように無論無記名投票ですからはつきりはわかりませんけれども、私どもの、あとでよく聞いたところによりますと、医師会側の者と受療者側の大部分、こう申上げたのですが、受療者ということは、無論中立のかたでも診察を受けられるかたは全部受療者でしようけれども、あの委員会ではそういうふうな名前をつけておりましたから申上げたような次第でありますから、さよう御了承を願います。
  47. 山下義信

    委員長山下義信君) ちよつと総務課長に伺いますが、先ほどから秘密秘密という言葉が出たのですが、調査会の何が秘密なのですか。それで調査会の方針に基いて政府提案になつているので、その調査会内容等について秘密々々ということを言われると、この委員会審議の上に困るのですが、秘密というのはどういうことが法的な秘密で、何がこの国会で言えないのか、その点明確にしてごらん。
  48. 高田浩運

    説明員高田浩運君) 或いは私の言葉が足りなかつたのでそういう誤解を生じたかと思いますが、先ほど申上げましたようにいずれの案にするか、或いは出された案に対して賛成か不賛成かということについて最後に投票になつたのでございます。これは起立によつて問うとか、或いは記名によつて問うとか、或いは無記名によつてやるとか、そういうようないろいろな意見がございましたけれども、結局結論といたしまして、無記名投票になつたわけでございます。従いましてそのいずれの委員かたがたが或いは賛成か、或いは不賛成の意思表示を投票によつてなされたか、その点につきましては私ら承知することができない、そういう意味で申上げた次第でございます。
  49. 山下義信

    委員長山下義信君) 今谷口委員から答申案に誤謬があつたという御意見等があつたのですが、高田総務課長説明の中にはなかつたのですが、その点はどうでしようか。
  50. 高田浩運

    説明員高田浩運君) 最後の臨時医薬制度調査会の席上におきまして、特別委員長から委員長報告がありました。それにつきまして、谷口会長から御訂正の申出がございましたが、それは先ほどお話申上げました医師会側から出されました七つ条件の中に、処方箋記載事項の嚴守という項目がございますが、これを何か処方箋の嚴守といつたような報告になつてつたと思います。それを処方箋の記載事項の嚴守というふうに直してもらいたいという谷口委員の御発言がありまして、委員長のほうで謹んで訂正いたします、そういうようなお話がございまして、処方箋記載事項の嚴守ということになつたのでございます。そういうことでその総会の席は終つたのでございますが、正式にはそれだけでございます。爾後一つの噂として、何か医師会長のほうから訂正の申入をなされたということを聞きましたが、正確には承知いたしておりません。
  51. 山下義信

    委員長山下義信君) 今の訂正されたというのは、答申案の一部ですか。
  52. 高田浩運

    説明員高田浩運君) 委員長報告の一部です。
  53. 山下義信

    委員長山下義信君) 採決せられた本案について訂正になつたのでしようか。
  54. 高田浩運

    説明員高田浩運君) さようでございません。
  55. 山下義信

    委員長山下義信君) そうではない……。
  56. 谷口弥三郎

    ○谷口弥三郎君 只今のその口述をされました場合に、大きい問題として申上げたのは、只今高田課長が言われましたようにこれは訂正して頂いたのでございます。そのほか小さいところというのをやりましたのは、この答申案、これは例えば「家庭薬集」という、その「集」という言葉は、実は家庭薬という言葉で「集」というのは、そのときには、我々はこれは多過ぎるので「集」を消してくれとか、それから又処方箋料を取らない方針であるということを明らかにしたと言つておりますけれども、処方箋料というのは、実はその会議のときには、初めからしまいまで殆んど処方箋料を幾らにするかというような問題はなかつたのでありまして、まだ処方箋料を取るとか取らんとかいうところにはこの会議は進んでおらんものですから、医師会側を除きまして、大部分の意見はこういうふうに訂正してもらいたいというたのが、一カ所で、それからもう一カ所ありましたのは、会議が非常に進みまして、晩の八時頃までかかりましたけれども、どうも十分に結論ができませんので、塩田とか佐藤、長尾、吉田とかいうようなかたがたが日本医師会のほうに説得に来た。ところが併し日本医師会は依然として態度を改めなんだというようなことを聞いておりますけれども、これは実はそのときに来たかたがたにも聞いたらわかりますように、説得には来られたけれども、却つて説得されたような形勢があつたのでありますからして、それがかなり間違いだと思いまして、そこを改正してくれという三カ条を早速委員長の下に出したような次第でございます。それが今度各方面に出されたものが訂正されておりませんから先刻申上げたような次第であります。
  57. 松原一彦

    ○松原一彦君 私はこの方面の知識が浅くて、まだ資料全部に目を通しておりませんから素人考えの質問になるかも知れませんが、この法案によるというと、或る条件を除いては医師調剤禁止になつておるのでありますが、又薬剤師かたがたから出されたものを読んで見ますというと、医者が調剤をすることは畑違いであるというふうにも書いてあります。そういうふうにも言われるかも知れませんが、併し一部或る条件の下においては、医者も又調剤することができるようになつておるのであります。医者が調剤をする能力がないというような前提のない限りに法律を以て医者の調剤禁止しておる実例がどこか世界にあるのでしようか。この変遷を読んで見ましても、ドイツ法によつて日本の医療が出発した当時、ドイツに倣つたということを聞いておりますが、どこか世界に現在医者に法律を以て調剤禁止しておる国があるのでしようか、どうでしようか。私一向不案内で知らんのでありますが、政府当局の御答弁を頂きたいのです。
  58. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 簡單に申上げますと、ドイツにおきましては明らかに法律を以てこれを禁止しておるのであります。なお英国におきましては、法律を以ては禁止しておりませんが、ただ英国の国民保險におきましては全部これは医者の調剤を認めておりません。すべて薬は薬剤師からもらうというふうに国民保險における法律においてはきめておる。アメリカにおきましては、これも法律の原則といたしましては、薬剤師調剤するということになつておりまして、但書におきまして、みずから診察したものに対しまして、医者が調剤をし薬を與えるということを、但書においては書いてございますが、実際はアメリカにおいては行なつておらないのでございますが、ただ……。
  59. 松原一彦

    ○松原一彦君 認めておらんのですか、禁じておるのですか、そこを……。
  60. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 原則といたしましては薬剤師調剤をさせるということになつております。但書におきまして、医者が調剤をすることは認めております。おりますが、実際問題といたしましては、これはアメリカの医師会におきまして、医者が薬剤師の業務をやることは医道に反するということで、医者自身がその点を嚴に守つておるというのが、つまり調剤をしないということを建前としている次第でございます。但しこれも又法律を以ちましてと申しますか、実際問題といたしまして全部薬剤師調剤をさしておる点がございます。それは即ちアメリカにおきましては、帰還軍人、在郷軍人に対しましては、すべて医療政府で以て医療費を拂つておりますが、その際に薬はすべて薬剤師からもらう。従いまして医者がたとえ薬を渡しましても、それに対しましては一切政府側から薬価を拂わない、こういうふうに法的に規定されておるような例がございます。
  61. 松原一彦

    ○松原一彦君 私のお尋ねしたことにまだ盡さないのでありますが、積極的に医者に調剤禁止しておる世界の立法例をお尋ねしているのです。どこかありますか。
  62. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) ドイツにおきましてはその点をしておる次第でございます。
  63. 松原一彦

    ○松原一彦君 その他……。
  64. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 或いはデンマーク、その他エストニア、ラトビア等の小国におきましては大体その線に沿つておるものと伝えられておりますが、詳細につきましては、私寡聞にしてその原本を持つておりませんので、申上げかねると思います。大体ドイツの例に倣つておるということを承知いたしております。
  65. 松原一彦

    ○松原一彦君 そのドイツは今ああいうふうに分割されておりますが、現にドイツのその立法は今日でも生きているのですか。
  66. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 恐らく生きていると存じますが、実はこの点につきまして私から照会を向うに出しておるのでございますが、まだ残念ながら回答が参つておりません。
  67. 松原一彦

    ○松原一彦君 それではこう心得てよろしうございますか。世界には積極的に医者に調剤禁止しておる立法例はない。ドイツを除いてはない。して見るというと、日本が先立つて世界に法律を以て医者の調剤禁止するという先例を開くものと、こう心得てよろしうございますか。
  68. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 私はさよう考えませんで、やはり先例というものはドイツの千八百何年のものが、これが先例だと思います。
  69. 松原一彦

    ○松原一彦君 ドイツを除いて……。
  70. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) なお一九一一年に英国におきましては、国民保險におきましてはこの点を立法によりまして、医者の調剤を認めておらないという形になつております。
  71. 松原一彦

    ○松原一彦君 私、この是非を言つておるのではないのです。私どもはものを考える、審議をする前提条件としてお聞きして置きたいのですが、日本の医者の資格を與えるための条件としての過程に、調剤ということが非常に不安であつて、それは任せられないといつたような不備な点があるのでありますかどうでございますか。
  72. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 私の承知いたしております範囲におきましては、医科大学におきましては調剤を正式なる意味において教えておるとは承わつておりません。例えば医師国家試験におきましても、調剤学なるものがその試験科目にあるということはございません。
  73. 松原一彦

    ○松原一彦君 処方箋を書くということは医者の絶対的な権利だと思うのであります。権利であり同時に義務でありますが、その処方箋を書いたものが、その自己の書いた処方箋による調剤という一つの操作が一体でき得ないものでしようか。それを伺いたい。
  74. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 勿論医者が調剤でき得ないということはございませんで、これは現在の薬事法におきましても、調剤をする力がないというわけではございませんで、その点は現在の薬事法におきましても但書で認められておりますし、又改正薬事法におきましても、場合によりましては医者の調剤を、医者をして調剤をするということを認めるということにはなつておるのでありますが、ただこれを薬剤師と比較いたしまして論じますれば、薬剤師調剤をするために、勿論ほかに薬を作ることもございますけれども、かなりその大きな目的といたしまして、調剤をするために学校教育を受け、且つ国家試験を受けておる。そういう点からいたしまして、その調剤能力の差はやはり薬剤師のほうに当然高く軍配が挙げられるものと私は考えておる次第であります。
  75. 吉川末次郎

    委員外議員(吉川末次郎君) 今の松原さんの御質問の中にこの問題についての一部の国民の間における何といいますか、十分な知識の普遍化が行われていないということが私は言えると思うのですが、それに対する政府の答弁が不十分であるかのように思われます。第一に松原さんの御質問にありました外国における例でありますが、慶松薬務局長はそういうことについて西洋の実情をどこまでお調べになつておるか、又御実見になつておるか、私はつきり知りませんが、サムス准将がこの問題について、日本へ来た西洋人が誰でも不思議に思うということの一つは、医者が薬を売つておるということであるということを書いておるということを政府委員及び松原委員も深く頭に入れて、この問題に我々対処して行く必要があると思うのであります。即ち法律規定がどのようになつておりましても、大体において私も三年余り欧米におりましたが、どこでも日本のように医者が薬を調剤して売つているというような国は先進国にはないのです。勿論例外的に、例えば医者が薬局がない所において、急病の患者に薬を投與するということは診療上当然のことでありますから、そういうことはあり得るでしようが、全体的に原則としてそういうことをしている所はないのでありまして、すべて処方箋によつて薬局によつて患者は薬を受けるということが原則であり、又一般に行われていることなんで、ドイツだけのようなことを言われましたけれども、日本の医薬制度は、医薬学がドイツに範をとりましたのと同じように、その制度についても明治の初年においてドイツに範をとつたのでありますけれども、ドイツは中央ヨーロツパの支配国で少くとも今日まであつたので、ドイツを中心とするところの中央ヨーロツパの諸国は全体的に殆んどドイツといろいろなことについて皆同じなので、スイス或いはオーストリア、ハンガリア、或いはチエツコスロバキアのような諸国、それらはドイツに行われていることが全部行われている。それからアメリカ、イギリス等においても今薬務局長の御答弁がありましたが、私の見るところでは、英米は慣習法の国でありますから、成文法の国では必ずしもない。憲法のごときは、イギリスのごときは成文法の憲法というものはない、慣習法によつて憲法が行われているのですから、イギリスでも、アメリカでも医者が日本のように薬を調剤して売つている国はどこにもないので、慣習法として事実上それが行われているので、そんなことは西洋諸国には少しも行われていないということを明白に政府委員が私ははつきりして答弁せられる必要があると思うので、そういうあやふやの知識で厚生委員会において答弁せられているということそれ自身がみずから反省して大いに批判検討せられる必要が私は第一にあると思います。  なおそれについて申上げたいことが多々あるのでありますけれども、他日に讓りたいと思いますが、大体こういうことが今日まで行われなかつたということは、日本の国民が医学というものがどういうものであつて、医者はどういう学問を勉強して来ているのか、薬剤師というものが勉強している薬学というものは、自然科学的にどういう内容のものであつて、それが医学と薬学がどういう差別があるかということに対する自然科学的な知識が普遍化されていない。多くは知らんものですから、日本で帝国大学に医学部を作つて、医学科と薬学科と分けて、全然教わつている科目というものは別なんです。だからサムスが言つているように、医師も、薬剤師もそれぞれ自分の履修して来たところの学問技術によつて報酬を受けている、生計を立てているということが原則であるということは、これは非常に必要なことなんで、政府委員の答弁というものは、厚生委員の質問に対する答弁として甚だ不十分であるということをこの際私感ずるのですが、もう少し準備して御答弁願いたい。
  76. 松原一彦

    ○松原一彦君 私は初めからお断り申上げておる。私は素人であるのですからして知識が不十分であるということをお断り申して、而も問題を限定してお尋ねしたのであります。吉川委員から今御非難があつたようですが、私は非常に不満に思います。何となればこれはまだ討論の域には行つておらんのであります。質問は我々の自由であります。質問を制限したることに対しては私は不満を感じます。なお私は今の吉川委員の御発言に対しては申したいことがある。けれども私は討論の時期でないからこれは控えます。併し薬剤師といえども製薬をする権能はない。すでに免許せられたる薬、いわゆる通用薬、普通の薬、或いは劇薬にしましても許された範囲のものしか扱えないのです。製薬に対しましては相当の制限がある。すでに出来上つているところの薬をば調剤する能力が医者にないはずはないという私は法律上の見解をお尋ねしているのです。この問題の結論については、私は必ずしも医者の側に賛成するものでもないのです。併し世界に類例のないような、殆んどドイツを除いては類例のないような医者を信用せず、国民大多数が、この統計にもありますが、大多数が任意の分業を希望しておるのに、さような法律を以て高飛車に医者の調剤禁止するといつたような条項が盛り上げられることが果して是か非かということを私は疑つて、これから研究してみたいと思うのです。そういう点をお尋ねしたのでありますから、我々委員の中に素人もおりますから、どうぞ質問に対して制限せられるようなことは委員長において御注意願いたい。
  77. 山下義信

    委員長山下義信君) 発言の制限はしません。只今質疑中でございますから、仰せの通り討論に亘らないように御発言を願います。
  78. 吉川末次郎

    委員外議員(吉川末次郎君) 松原さん大変御立腹のようですが、そういうような意味で申上げたのではないので、私の舌足らずであれば御勘弁を願いたいと思うのですが、私の申上げたことの主眼点は、松原さんの御尤もなる御質問に対するところの政府委員側の答弁が甚だ不十分であるということを申上げたのでありますから、どうぞ悪しからず……。
  79. 松原一彦

    ○松原一彦君 いや私は不十分とは思いません。
  80. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 私があとで発言いたしましたことにつきまして、ちよつと言葉が足りませんので、いろいろ仰せがございましたが、私が申したいことは、ドイツばかりではございませんで、先ほど申しましたようにデンマークとかエストニア、ラトビアその他ハンガリア、ユーゴスラビア、大体ヨーロツパのドイツを中心といたしますところは、只今吉川委員の仰せにもございましたように、いわゆる強制分業、即ち法律を以て医者の調剤禁止し、薬剤師をして調剤せしめておる。こういうような国々が相当存在するということを承知いたしておるのでございます。その点訂正いたします。
  81. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 この法案を今後大体どういうふうな形で審議されて行かれるのですか。委員長の今持つておられる御構想があれば一つ承わりたいと思います。と申しますのは、つまり公聴会、各方面の意向等をたくさん聞いて最も愼重にこれを審議される方法をとられるのかどうか。そういうようなことについて委員長の今持つておられるお考え一つ承わりたい。
  82. 山下義信

    委員長山下義信君) お答え申上げます。自然休会中に公聴会の開催につきまして並びに公述人の選任に関しまして委員長、理事に御一任を賜わつておりますので、委員長、理事の打合会を開催いたしまして、御協議申上げましたのでございますが、そのときに御列席の同僚のかたから、本案は非常に重要な法案でもありますので、広く世論調査もする必要もございますし、この本案審議につきましては、十分愼重審議をして行きたいという御意見もございました。委員長といたしましても全く同感でございまして、なお今後の運営につきましては、委員各位に御相談申上げまして、やつて参りたいと存じておるのでございますが、只今お尋ねを受けましたので、委員長としての考え一つだけ申上げますれば、本案が本院の先議にかかつておるのでございまして、殊に参議院といたしましては、従来参議院は独特の伝統的精神がございまして、党利党略を超越いたしまして高い良識の上に立ちまして、国民の納得するような審議を盡して参りました参議院の在り方というものがございまするので、本案の取扱い方につきましては、何といたしましても国民の期待を裏切らないように、参議院としての十分なる審議を盡して参りたいということが、私といたしましては念願に堪えない点でございます。仰せの通り、本案審議に関しましては、逐次必要なる或いは正式の公聴会、或いは非公式な世論調査、或いは必要なる多数の証人喚問等も要するのではないかということを考えておるのでございますが、具体的には委員会に、皆様がたにお諮りを申上げまして、今後の運営を定めて参りたい、かように考えております。一応お答えいたします。
  83. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 大体私も委員長の言われたような行き方をとられることに非常に賛成なのでございますが、同時に又今までの医薬制度調査会とか、診療報酬調査会といいますか、それらの会長委員長といいますか、そういう人たちに来て頂きまして、その審議経過などももう少し私は聞いてみたいと思います。政府説明員からだけでなしに、やはりもう少し聞いてみまして、何としてもやはり国民医療問題、或いは国民医療経済に関する非常な重大問題でございますので、この法案審議に対しては、我々も十分質問もさしてもらい、国民の声も十分聞いて、取扱の間違いのないようにやつて行きたいと思いますので、御善処を願いたいと思います。
  84. 山下義信

    委員長山下義信君) 只今石原委員から御発言のありました点は、私も全く同感でございますが、お諮りいたしましてよろしうございましようか。それではお諮りいたしますが、臨時診療報酬調査会並びに医薬制度調査会答申案に関連いたしまして、これら両調査会関係者といたしまして、必要なる人々を当委員会に証人として喚問いたしますことをお諮りいたします。なお証人の人選、或いは喚問の日時等につきましては、実質には皆様がたに御相談申上げますが、一応形といたしましては、委員長理事会にでも御一任願いますというようなことにいたしまして、只今申上げました必要なる両調査会関係ありまする証人の喚問につきまして、ここで御決議を願いまして御異議ございませんでしようか。如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 山下義信

    委員長山下義信君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたします。それでは必要なる証人の喚問に関しまする証人の人選、喚問の日時等は、委員長理事会におきまして決定することにいたします。
  86. 藤原道子

    ○藤原道子君 ちよつと私に希望があるのですが、先ほどからの質疑応答を聞いておりまして、どうしても医科大学の学長というのですか、校長というのですか、そういうかたにも証人に来て頂いたほうがいいのではないかと私はそう思うのでございますが、それも一つ御考慮に入れて頂きたいと思います。
  87. 山下義信

    委員長山下義信君) お諮りいたします。只今藤原委員から、医科大学の学長等につきまして証人として適当な時期に喚問するようにという御提案がございましたが、御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 山下義信

    委員長山下義信君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたします。
  89. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 もう一点、私は先に商法の改正が法務委員会審議されたときに、大阪であるとか、或いは九州等に行つて現在のいろいろな人の意見を徴された例があるのでありますが、あと会期も余りありませんし、而もこちらが先議になつておりまするので、余り長々とやるのもどうかと思いまするが、受診者の声を聞くというような意味で、東京だけで公聴会ということよりも、どこかやはり出張つてつて広く全国民の意向を聞いて見るという形のほうが審議を盡す上においてよいのではないかという感じがいたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)併しこれはいろいろ御異論のあるかたもあると思いますが、私はそういう希望を持つておりますので申上げて置きます。
  90. 山下義信

    委員長山下義信君) お諮りいたします。先ず第一審に藤原委員から御提案になりました医科大学の学長等の証人喚問につきましては、証人の人選、喚問の日時等につきましては、委員長、理事に御一任願いまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  91. 吉川末次郎

    委員外議員(吉川末次郎君) ちよつとそれに関連いたしまして、医科大学の学長等の意見を聞くのは非常によいと思いますが、同時にこれは問題の性質上、医科大学の学長の意見を聞くならば、薬科大学の学長の意見も聞かなければいかんと思います。
  92. 山下義信

    委員長山下義信君) 等というものの中に含まれておるものと御了承願います。それでは医科大学の学長等の証人喚問につきましては、さように決定いたします。  次は石原委員の御提案になりました、本委員会が出張調査の形におきまして、適当な時期における輿論調査と申しますか、本案審議の上に資する調査をいたしたいという御提案でございますが、これは御承知の通り議員の出張派遣の形になると思いまするが、それらに要しまする適当な取扱い方の処置につきましては、委員長に御一任願いまして御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 山下義信

    委員長山下義信君) 御異議ないものと認めまして、さように決定いたします。
  94. 松原一彦

    ○松原一彦君 もう一つ希望いたして置きます。今御注意があつたくらいに、外国の立法例に対する御答弁が徹底しなかつたと言われるのでありまするが、私はまあ大体了承したわけですけれども、考えてみるというと、いささか曖昧な点があります。その点どうか一つ至急に外国の立法例、医薬分離に関する外国の法律上の立法例をできる限り一つ明確にお示し願いたい。
  95. 山下義信

    委員長山下義信君) それでは政府のほうに外国の立法例に対する資料の提出を要求いたして置きます。本日はこの程度で散会いたします。    午後零時二十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     山下 義信君    理事            井上なつゑ君            有馬 英二君    委員            石原幹市郎君            中山 壽彦君            長島 銀藏君            上條 愛一君            藤原 道子君            常岡 一郎君            藤森 眞治君            谷口弥三郎君            松原 一彦君   委員外議員            吉川末次郎君   国務大臣    労働大臣厚生大    臣臨時代理   保利  茂君   政府委員    厚生省薬務局長 慶松 一郎君   事務局側    常任委員会專門    員       草間 弘司君    常任委員会專門    員       多田 仁己君   説明員    厚生大臣官房総    務課長     高田 浩運君    厚生省医務局次    長       久上 勝次