運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-03-13 第10回国会 参議院 厚生委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十三日(火曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○厚生年金保險法特例案長島銀藏君  外五名発議) ○国立光明寮設置法の一部を改正する  法律案内閣提出)   —————————————
  2. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 只今から厚生委員会開きます。厚生年金保險法特例案を議題といたしまして御審議をお願いいたします。それにつきまして御覧下さいまして御質疑はございませんでしようか。それではなお一応詳しく法制局第一課長の中原さんから御説明を願います。
  3. 中原武夫

    法制局参事中原武夫君) この法案は、昭和二十三年の八月一日以前の平均報酬基礎になつておるものを、二十三年の八月一日以降の高くなつた標準報酬月額計算されるものと大体同じ程度にまで引上げようということが狙いなのであります。法案の前提になつております三つの事柄をあらかじめ御了解願いませんと、法案の構成が非常にわかりにくいので、先ずその点を御説明申上げます。障害年金遺族年金癈疾とか死亡とかいう一定事由が発生しましたときに、その者について定められておつた標準報酬月額基礎にいたしまして、それに一定月数を乗じて年金額計算することになつておるのであります。ところがその厚生年金保險法昭和十六年にできたのでありますが、それから今日までに五回の改正が行われております。その改正の際に只今申上げました年金額計算基礎になる標準報酬月額、それから乗ずべき月数、それから平均額の取り方がそれぞれ変化しておるのであります。その経過はお手許に差上げてあります資料の四枚目の第三表、標準報酬月額改正経過というのがございます。これを御覧頂きますと、この上のほうは標準報酬変遷経過が出ております。下のほうには平均標準報酬の取り方の改訂経過が出ております。先ず標準報酬変遷のほうを御覧願いますと、昭和一十二年分八月を境にして六百円から八千百円にぐつと上つております。これはインフレの影響によつて給与実額が非常に数字的に上つて来たのに即応した改訂でありますが、ここで非常に大きな開きを見せておるために、二十三年の八月以前の標準報酬基礎にして計算されておつたものと、以後の標準報酬基礎にして計算されるものとでは非常な開きが生じて来るわけです。この点が一つ問題になるのであります。それから下のほうの欄の平均標準報酬の取り方でございますが、その欄を御覧願いますと、二十二年の九月までは全期間平均するということになつております。それから二十一年の九月から二十三年八月までは発病前三カ月間、最終三カ月間標準報酬平均だけをとつて行くと、それから二十三年八月以降には全期間平均したものと、発病前二カ月間平均と、これは癈疾ですが、肺病と書いてありますが癈疾癈疾前三カ月間平均をとつたものと、資格を喪失する前三カ月間平均とを比べて、そのうちで一番多額なものをとると、こういうことになつておるのであります。二十三年の八月以前の標準報酬月額基礎にされておつたもののうちには二つの形があるわけです。全期間平均して平均をとられたものと、発病前三カ月間平均してとられたものと二つあるわけであります。この平均の取り方が違つておるという点を一つ御記憶願います。それから今一つは、この表には直接出ておりませんが、昭和二十二年の九月を境にいたしまして、それ以前に事由が発生しておつたもの、それ以前に原因があつたものにつきましては、従前の例によつて計算をするという取扱を今までにして来たのであります。ということは癈疾になつたとき、或いは死亡したときがずつとあとであつても、すべて全期間平均による平均標準報酬月額基礎にして計算するということになるわけであります。どうしてそういうことにしたかと言いますと、障害年金は二十二年の九月までは業務上と業務外とを区別いたしまして、業務上の原因癈疾になつたものについては非常に率をよくいたしております。業務外のものについては現在と同じであります。ところが二十二年の九月に労働基準法が施行されまして、業務上の事由による癈疾については、労働基準法によつて最高六年間の障害補償をすることになります。労働基準法のほうに移りましたので、二十二年の九月以降は制度を改めまして、業務上であると業務外であるとを問わず、癈疾程度如何によつて一級と二級に分け一級は五カ月、二級は四カ月ということに変えたのであります。ところがそれまでに保險料を納めておつた人は、業務上の事由による場合は非常に高いものをもらうことを予想して、高い保險料を納めておりますので、その人につきましては従来通り高い計算でやつて行こう、こういうことのために二十二年九月一日以前の事由によるものについては、従前の例によるとしたのであります。今申上げました非常に高いと申しますのは、今の表から五枚目を御覧になりますと、第四表というところがありますが、第四表を御覧頂きますと、最初別表第一として、一級から六級まで、最高は八カ月で、最低は五カ月、これが業務上の事由による場合の障害年金計算基準であります。それが二十二年の改正によりまして、二表二、三、四は同じように、一級は五カ月、二級は四カ月、こういうふうに変つております。この高いものを適用するために、二十二年の九月一日以前に原因がある者は従前通りだ、そうしますと非常に高い率で計算をされますが、今度は平均標準報酬とり方が全期間平均でありましたので、今度は逆に損をするということが出て来たわけであります。もう一度申上げますと、二十三年の八月一日を境といたしまして、標準報酬が急激に変つておるということ、従つてそのためにはその前後による評価の是正措置が必要になつて来るということです。それから平均標準報酬月額とり方が、二十二年の九月一日前と後とでは違つておるということ、そのうちで二十二年の九月一日以前のものについては、昔のままの計算の仕方が行われて来ておるということ、この三つのことを一応御了解頂きたいのであります。今までにこの是正をする措置といたしましては、二十三年の改正法律と二十四年の改正法律で、二十二年分八月一日、即ち急激に標準報酬引上げた以前のものだけを基礎にしているものについては、いずれもすべて五倍に引上げたのであります。ですから二十三年八月一日以前のもの、それだけが計算基礎になつているものについては五倍に引上げたのであります。今度はその五倍に引上げたものを更に二倍に引上げる。結局十倍に引上けるということが一つであります。これは五倍に引上げた当時の被保險者標準報酬月額の総平均と、現在の被保險者標準報酬月額の総平均とを比べて見ますと、大体二倍くらいになつているのであります。従つて二十三年の八月一日以前の分を更に二倍に引上げることによつて、二十三年八月一日以後の高いものの総平均並になる、こういうことでございます。これが法案三条と七条です。法案三条傷害年金について二倍に引上げる。七条は遺族年金について二倍に引上げる。ところが二十三年八月一日別の低い標準報酬が含まれているものは、必ずしも二十三年の八月一日以前の分だけではないのでありまして、低いものと高いものとが混ざつて計算されているものもあるわけであります。二十三年と二十四年の改正法律で五倍に引上げ措置は、低いものだけを基礎にしたものについて行われたので、低いものが含まれているがその中には少し高いものも含まれているというようなものについては引上げ措置をやらなかつたのであります。そうしますとそのものは低い額が含まれているという点において幾分損をするわけであります。今度はそういうように前後にまたがつて低いものと高いものと両方が含まれておつたものについても手当をして行こう。それにつきましては、大きな原則としては両方が含まれておれば低いほうの標準報酬切捨てる。高いものだけを基礎にしてやり直す、これが一番大きな原則であります。ところがその中には先ほど申上げましたように、従前の例によつて期間平均計算されておるものがあります。こういう従前の例によつたものは全部御破算にして現行制度と同じように組替をする。計算平均標準報酬とり方も全部やり直して行こう。こういう措置をもう一つするわけであります。これが傷害年金につきましては、三条四条五条措置であります。遺族年金につきましては、七条、八条、九条の措置であります。平均とり方を全期間であつたところを御破算にして、との一番下の欄に書いてあります一番右の全期間平均発病前三カ月間平均と、疾病前三カ月間平均資格喪失前三カ月平均と比べて見て、一番高いものをとる。こういうことにして計算をして見ましても、計算した結果高いものだけがとられた場合はこれは問題はありません。ところが低いものと高いものとがそうやつて計算しても混ざつて来るものが出て來ます。これは低いものを切捨て高いものだけをとつて行く。それからもう一つそういう計算をやり直しても低いものだけをやはりとるのだという場合があります。この場合はその額を十倍にして行く、そういたしますと、結局低いものだけが基礎になつてつたものが十倍になつて現在の総平均並になる。低いものと高いものとが混ざり合つてつたものについては、低いものを切捨て高いものだけにするから問題はないわけであります。  以上の操作によりまして低額のものを救うのでありますが、或いは十倍にし、或いは二倍にすることによつてべらぼうに高くなるものが出て来るのであります。それは低い当時の最高の辺の標準報酬基礎にされておつたものについて起るのでありますが、余りに高くなり過ぎますと、低いものと現在のものとの調整を図つて行こうという今回の措置目的を逸脱いたしますので、そのものについては最高限を押える。押える最高限は、現在の被保險者標準報酬月額の総平均である大体六千円を基準といたしまして、傷害年金一級の場合にはその五倍の三万円、二級の場合は四カ月分をもらいますから二万四千円、遺族年金の場合には二カ月分ですから一万二千円、それを最高限にして押える。今申上げましたのがこの法案低額年金救済しようとする概略でございます。  次に各条文について御説明申上げます。第一条は、只今申上げました昭和二十三年八月一日以前の低額標準報酬を算定の基礎としたものについて、増額をするという目的を掲げてございます。これは問題でございません。第二条は傷害年金につきまして、昭和二十三年の八月一日前、即ち低額標準報酬だけに基いて年金額計算されておつたものについては、あとちやちやとたくさんのこういう規定にかかわらず、従前の二倍に相当する額とする。第二条にずつとございます条文を一応申上げます。第二条は、「昭和二十六年二月一日において障害年金を受ける権利を有した者に支給する障害年金のうち、昭和二十三年八月一日前の標準報酬のみに基いてその額を算定した障害年金の額は、厚生年金保險法第三十七条第一項」、この障害年金計算標準報酬月額平均したものの五カ月分又は四カ月分とする、一級は五カ月分、二級は四カ月分、こういう規定でございます。「又は健康保險法の一部を改正する等の法律昭和二十二年法律第四十五号。以下「昭和二十二年改正法律」という。)附則四条若しくは附則五条」、これは先ほど申上げました二十二年の九月一日、即ち労働基準法が施行された時、その二十二年の九月一日現在に存する受給権従前通りである、というのが四条であります。それから第五条は、傷病原因が二十二年の九月一日前にあつた場合には、その後において年金をもろう癈疾が生じても従前の例による。附則四条五条によりまして、原因が二十二年分九月一日前にある場合には、それがいつ癈疾状態になつて年金をもろうようになつても、昔の通り期間平均したものを基礎にして、業務上の場合には最高八カ月を出す、業務外の場合には四カ月分を出す、こういう規定でございます。それから「及び昭和二十三年改正法律附則五条第一項(同法附則第八条において準用する場合を含む。)」、これは業務上の事由によつて生じた障害年金の額は二十三年の八月一日以前のものについていずれも五倍にする、五倍に引上げ措置であります。それから括弧の中で、附則第八条において準用する場合を含むというのは、その後に癈疾状態が起きて年金をもろうようになつても、同じように五倍にする、こういうのであります。「又は厚生年金保險法等の一部を改正する法律昭和二十四年法律第三十八号。以下「昭和二十四年改正法律という。)附則第四項」、これは二十三年には業務上のものだけ五倍にしたのであります。そうすると、業務外のものが洩れておりました。それからもつと詳しく申上げますと、業務上のものであつても二十二年の改正法律施行後に起きたものの一部が洩れておるのであります。それらを五倍にするという規定であります。ですから只今、及び以下、で申上げました二十三年の改正法律附則五条と二十四年の改正法律附則第四項で、いずれも二十三年の八月一日前の標準報酬に基いて計算されておる年金額は五倍になる、こういう規定であります。  それでもう一度全部引くるめますと、障害年金の額は標準報酬月額平均した額の五カ月或いは四カ月、又は従前の例によつて計算した額の五倍の額、そういうものに全然関係なくこれは従前もらつてつた障害年金額の二倍に相当する額とする、これが今まで五倍に引上げられておつたものを更に二倍にして結局当初の十倍にする措置であります。但しそれは二十三年八月一日前の低い標準報酬だけを計算基礎に置いておるものです。第三条は低いものと高いものとが混ざつておるものの措置であります。「昭和二十六年二月一日において障害年金を受ける権利を有した者に支給する障害年金のうち、昭和二十二年改正法律附則五条規定による障害年金であつて、」二十二年の九月一日前に原因があるもの、そういう障害年令であつて、「昭和二十三年八月一日前の標準報酬及び同日以後の標準報酬に基いてその額を算定したものの額は、同条及び昭和二十三年改正法律附則第八条において準用する」、これは原因が二十二年の九月一日前にあつたものが、二十三年八月以後に直つたもの、或いは二年の期間経過したことによつて年金をもらうようになつた場合、そういう場合において準用する同法附則五条第一項の規定、これはそういうものを五倍に引上げるという規定です。「にかかわらず、労働者年金保險法施行令改正の件(昭和十九年勅令第三百六十三号)別表第一に定める業務上の事由に因る癈疾程度一級から三級までに該当したことによつて障害年金を受ける者」これは先ほど八カ月云々と申しました第四表の別表第一です。これは業務上の事由に因るものは一級から六級までに分けまして、最低五カ月、最高八カ月とこういうことになつております。「別表第一に定める業務上の事由に因る癈疾程度一級から三級までに該当したことによつて障害年金を受ける者に支給するものにあつては、平均報酬月額の五月分に相当する額とし、その他の者に支給するものにあつては、平均報酬月額の四月分に相当する額とする。」これが全期間平均してやつてつたもので、低いものと、高いものとが混ざり合つておるものについては全部やり方を直す、そうして昔の一級から三級までに該当しておつたものは新らしい制度一級のものにする、従つて五カ月にする。それから四級から六級までに該当しておつたものは二級の四カ月にする、そういう現行制度にやり方を直してしまうのが第一項であります。それから第二項でその場合に平均報酬月額の出し方を先ほどの第四表の下の欄にございましたように現在の制度と同じように平均の出し方を改めるというのが二項であります。「前項平均報酬月額は、左の各号に掲げる額のうち、最も大きいものとする。」「癈疾原因となつた疾病又は負傷の発した日の属する月前三月間(継続して被保險者であつた期間が三月未満であるときはその期間。以下同じ。)の標準報酬月額平均した額」。それから傷病発病前の三カ月平均。それから二番目は「癈疾となつた日の属する月前三月間標準報酬月額平均した額」。三「癈疾前に被保險者資格を喪失した場合においては、資格喪失の日の属する月前三月間標準報酬月額平均した額」。こういう方法によつて平均報酬月額を出すことにする。こういたしますと、第三表の下欄にございますように、新らしい制度と同じように、平均の出し方がなるわけであります。そうして三項で、「前項規定により平均報酬月額を定める場合において、同項各号に規定する期間が、昭和二十三年八月一日の前後にまたがるときは、同項各号に規定する額は、同日以後の期間のみによつて算定するものとする。」この方法によつて計算したものが、昭和二十三年八月一日前の低いものと、以後の高いものと両方含まれるときには、低いものは禁止して高いものだけにする、こういうことであります。それから四条は、今のように計算をやり直した結果、二十三年八月一日前の低いものだけになつた場合には、これを十倍にする、「前条規定により障害年金の額を算定する場合において、その額が昭和二十三年八月一日前の標準報酬のみに基いて算定されるときは、その障害年金の額は、同条並びに昭和二十二年改正法律附則五条」これは従前の例によるというやつです。「及び昭和二十三年改正法律附則第八条において準用する同法附則五条第一項の規定にかかわらず、前条による額の十倍に相当する額とする。」この場合は全部計算をやり直してしまいますので、前に五倍にした額も皆御破算になつてしまいます。それで三条と同じように、結末を合せるために十倍にするわけであります。第五条は、「第三条第三項の規定は、昭和二十三年改正法律附則三条規定により平均標準報酬月額を定める場合に準用する。」三条四条はいずれも二十二年の九月一日前の原因によるものだけについて救済措置を講じたのであります。ところが二十二年の九月一日以後に起きたものであつて二十三年八月一日に大きな改正があるまでの間に起きたものについては、依然として低いものと高いものとが、混つた場合が救斉されずに残つておりますので、その場合にも、その間のものであつても低いものは切捨て、高いものだけをとるのだということが五条であります。三条四条につきまして二十二年九月一日前の原因のものを全部救い、五条で二十二年九月一日から二十三年八月一日までの間に原因があつたものを救うわけであります。六条は先ほど申上げました調整規定であります。「第二条から前条までの規定によつて算定した障害年金の額が、厚生年金保險法別表第一に定める癈疾程度一級に該当したことによつて障害年金を受ける者又は旧法による第一種障害年金受給者にあつては、三万円、」これは一級のものは五カ月でありますから、現在の被保險者平均標準月額月平均六千円の五カ月分、即ち三万円、これを頭打ちにする。「同表第一に定める癈疾程度二級に該当したことによつて障害年金を受ける者又は旧法による第二種障害年金受給者にあつては、二万四千円をこえるときは、その障害年金の額は、これらの規定にかかわらず、それぞれ三万円又は二万四千円とする。」これが先ほど申上げました最高額調整であります。それから七条は、遺族年金につきまして二倍引上の措置を、丁度二条で障害年金についてやつたと同じようにする措置であります。それから八条は、高いものと低いものとが混ざつている遺族年金につきまして、障害年金三条と同じような措置救済をして行くという規定であります。それから九条は、障害年金の場合の四条と同じようにやり直した結果、低い額だけが再び基礎になる場合には、それを十倍にするという規定であります。それから十条は、頭打ち調整であります。遺族年金の場合には、新らしい制度によりますと標準報酬月額の二カ月分でありますから、六千円の二倍、一万二千円を頭打ちにする。それから十一条は遺族年金子供がたくさん、二人以上の子供がもらう場合には、それは等分されて非常に少くなりますので、その場合には一人を除いてその他の者については一人あて二千四百円ずつを増額するという規定が現在もあるわけであります。それを法律の技術上その規定まで除かれるように前のほうは書いてありますので、それは除かれないのだということを念のために上げたのであります。十二条は計算を仕直した結果却つて低くなるものがたまたま生じて参ります。これは実例のほうにございますのでそれで御覧頂きます。一番お終いから二枚目の所、一番後の三枚目にはいずれも各条文ごと実例を示してございます。低い額でもらつてつても、大体において非常に高いところでもらつてつたか、それとも怪我をして労働能力が低下したために、あとから俸給を切下げられてその後にもらつた俸給が非常に少なかつたような場合には、却つて前のほうが高かつたのだという結果が生ずる場合があります。この場合には前の額を法律によつてきめるのであります。十三条は、扶養者加給金という制度でございます。扶養者加給金制度は、新らしく計算を仕直しましたものについても以前と同じように適用するのだということを明らかにしたのが十三条であります。第十四条は、今までの措置はすべて二月一日で押えておりますので、二月二日以後に遺族年金をもらうような場合が生じます。これは障害年金をもらつてつた者が死亡した場合に起きる場合でございますが、その場合にも今のような先ほど申上げました扶養者加給金規定は準用するのだと、こういう規定でございます。  それから附則は、この措置法案は、四月一日から施行するけれども、二月分以降の障害年金遺族年金について規定する。二十六年度の最初の支払は、五月に行われるのでありますが、五月に支払われるものは今年の二月分と、三月分と四月分でございます。従つて二月分から適用するということにいたしておきませんと、五月に支払う分全部が含まれませんので、二月分以降の年金に適用するということにいたしたのでございます。以上がこの法案の内容でございます。
  4. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 御質疑でございましようか。
  5. 有馬英二

    有馬英二君 第六条の下のほうに「これらの規定にかかわらず、それぞれ三万円又は二万四千円」と言う、この三万円と二万四千円というのは大変な差があるのですが、「又は」というのは、どつちもやるというのでございましようか。
  6. 中原武夫

    法制局参事中原武夫君) これは癈疾程度が、一級のものは三万円にする、二級のものは二万四千円で打切る、こういうことです。
  7. 有馬英二

    有馬英二君 わかりました。
  8. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) ほかにございませんでしようか。
  9. 長島銀藏

    長島銀藏君 或る委員のかたから、これでは額が非常に少いんじやないかというお説が出たのでございます。そこでそういう御不審を持つておられる委員のかたもいらつしやると思いますので、なぜこの額が少いか、ということにつきまして御説明申上げますと、現在その掛金その他の計算から参りまして、十分多額の費用を出すほどのまだ余裕ができておりませんので、一応この程度にとどめたのでございますが、将来余裕ができました曉には、もつと実際に即した、実際の現在の経済状態に即したような額を与えるべきである、かように説明を申上げまして、皆さんに御納得願いたいと思う次第でございます。
  10. 藤森眞治

    藤森眞治君 ちよつとお尋ねするのですが、これはまあ大体でこぼこは押えられたということですが、今後又増額しなければならない場合ができて来ると思います。そういう折には現在の何倍ということに行けるようになるのですが、やはりこういうようなむずかしい計算をしなければならないのですか、今後若し増額をしなければならない場合が起きた場合にですね。
  11. 長島銀藏

    長島銀藏君 これは大変むずかしい御質問でございまして、お答えに実は困るわけでございますけれども、もう少し簡單な方法でも或いはやる工夫がないんじやなかろうかと思います。というのは今までこそ何回もこの増額が繰返されまして、でこぼこが相当あつたのでございますが、今度はこの法律によりまして、でこぼこを一応きれいにした、そういうふうな形がとられたわけでございますから、今後はもう少し簡單な方法増額が十分可能じやないかと、かように考える次第であります。
  12. 中原武夫

    法制局参事中原武夫君) こういうややこしいことをしなければならなかつたのは、その従前の例によると言う、従前の例によつて違う、平均とり方が違う、月数を乗じてやつてつたものが存在したために、こういうややこしいやり方をせざるを得なかつたわけです。今度はそういうものが全部新らしい制度に切替えられて計算がし直されておりますので、今後倍数をかける場合には丁度生命保險のように何倍、こういうことで行けるわけでございます。
  13. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 御質疑もないようでありますから、討論は省略して直ちに御採決になることの動議を提案いたします。
  14. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 只今中山委員から質疑を打切り討論を省略して直ちに採決に入られたいとの動議が提出されました。御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 異議ないものと認めます。それでは質疑を打切り討論を省略して採決に入ります。厚生年金保險法特例案、これに対します法案を原案の通り可決することに御賛成のかたの御起立をお願いいたします。    〔総員起立〕
  16. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 全会一致でございます、よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を付することになつておりますので、本案を可とされましたかたは順次御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     有馬英二  中山 壽彦     石原幹市郎 長島 銀藏     藤森眞治  松原 一彦     上條愛一  藤原 道子     川村松助
  17. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れはないと認めます。   —————————————
  18. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 次に国立光明寮設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。政府から提案理由の説明を求めます。
  19. 平澤長吉

    ○政府委員(平澤長吉君) 只今議題となりました国立光明寮設置法の一部を改正する法律案につきまして提案の理由を御説明いたします。  昭和二十四年十二月に公布されました身体障害者福祉法は、昨年四月一日より施行されまして爾来身体障害者の福祉の施策はこれによつて着々と進められつつあるのであります。  これより先、失明者の保護更生を図るために、昭和二十三年七月国立光明寮設置法が公布施行され、東京・塩原の二カ所に失明者更生施設が設置されました。  現在までに両施設から合せて二百十九名がすでに卒業をいたし、それぞれ社会に復帰、更生してその第一線に活躍しておるのであります。又今春卒業予定者も八十九名に上つておるのであります。併しながらこの両施設の収容定員は合せて僅かに百名に過ぎず、現在入寮希望者は約二千名を算え、年ごとに増加の傾向を辿つているのでありまして、現在これらの切なる要望に応えるため、両施設とも非常に無理をして、定員以上の人員を収容いたしておるのでありますが、なおその大部分の要求を満し得ない状況にあります。このように、多数の失明者の更生指導につきましては、現在の能力では、甚しく不十分でありまして、是非ともその施設の増設が必要となつておるのであります。  なお従来の国立二施設は共に東日本に偏在しておりまして、かねてから関西方面にこれが設置を強く要望されて参つた次第もありまして、先に御承認を得ました昭和二十五年度予算額を以て、新たに神戸市に失明者更生施設を増設することに相成り、目下これが建築を進めておるのであります。明年度よりこれを開設することを得る運びと相成つておるのでありまして、そのために本改正をいたすことが必要になつたのであります。本改正によりまして、身体障害者福祉法の運営が著しく促進され、失明者の福祉につきましても一層増進を期し得られることと確信いたす次第であります。何とぞよろしく御審議の上速かに可決せられるように希望いたす次第であります。
  20. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 質問がございましたら御発言を願います。
  21. 有馬英二

    有馬英二君 この法律改正は私は何も異議がないのでありますが、かくのごとき失明者に対する福祉法の実施が我が国の各地に更に次々と増設せられるということは、失明者に対しても、又身体障害者の処置に対しましても誠に仕合せな措置であると深く同情もし、且つこの施設のますます増加せられることを希望するものであります。  つきましては、今回は兵庫県のほうに増設されるということでありますが何とぞこの次には北海道のほうに一つ同じような施設を増設せられて、中央から非常に隔たつておりましてこの恩典に浴しておらない者が非常に多飲あるところの同地方の失明者に対して、何とぞこのような福祉的の施設が彼らのために幸福をもたらしめるというようにしてやりたいと考える次第であります。何とぞ当局におかぜられましても、十分この点において御考思を払われたいと希望するのであります。
  22. 平澤長吉

    ○政府委員(平澤長吉君) お答えいたします。御希望の点は誠に御尤もでここいまして、只今提案いたしました神戸に新らしく運営をいたしまするためにこの法律を出したのでございまするが、この意図は即ち二カ所、神戸を合せて三カ所になりますので、政府といたしましても漸次これらのことを拡張して参りたい、こういう意図から出ているのであります。もとより北海道のことについては、地域的に北方にありまする所に是非とも設立をするようにしいう御希望については、只今直ちにそれを実施するということを申上げかねる段階でございますけれども、十分脚希望に副うように努めたいと存ずる次第であります。
  23. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) ほかに御質問ございますか。
  24. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 今回神戸に新設されまする施設の規模はどの程度になる予定ですか。
  25. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 神戸の光明寮規模を申上げます。大体施設の規模いたしまして、敷地面積七千八百二十三坪、それから建坪面積千四百坪を予定いたしまして、二十五年度に二千百五十万円の予算を以ちまして只今建設中でございます。補導科目及び修業年限といたしましては、あんま師、マッサージ術を含みまして二カ年、三十名、それからはり師、四カ年で二十名、きゆう師、五カ年で二十名で、収容定員は完成年度におきましては二百十名を収容する予定にいたしております。  機構といたしましては寮長一名を置きまして、教務課に六名、これは主としてあんま師、はり師、それからきゆう師の養成に当ります教官でありましく、そのほか庶務課に六名、これは寮の運営に従います庶務、会計、人事をつかさどる者であります。この機構を以ちまして二十六年度からの予算額としましては、初度設備費に百九十七万七千六百二十円、運営費に百九十七万六千九百九円、合計三百九十五万四千五百二十九円という予算を以ちまして運営をいたして行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  26. 藤森眞治

    藤森眞治君 今度兵庫県に一カ所殖えるということは、従来関東地方に多かつたということで、関西のほうへ今度できるということは非常に結構なことですが、大体失明者が全国的に見ましてどういう地区に非常に多いかということ、それからなお政府としましては、そういう状況を御覧になつて今後なおどういう方面にどういう施設をやつて行こうというお考えでございますか。その点を一つお伺いをいたしたい。
  27. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 失明者の全国の配置の状況でございますが大体のところを申上げますと、結論としまして全国に大体平均しておるのでございます。身体傷害者の統計といたしましては、現在のところ昭和二十五年三月三十一日現在を以ちまして、各都道府県から一応の調査をしたという結論を集計したものが現在存在しておるのみであります。而もその調査は非常に困難な技術を要しまして、例えば全盲と弱視という区別につきましては、やはり専門医が診断いたしまして区別するということが必要でありまして、そういう関係から見まして、非常にこの数字の基礎には確実性を欠いておる点もございますが、大体にそういうような統計をもとにして見ました場合に、全国的には大体平均はいたしております。その平均的なところに身体障害者のうちの約二〇%程度を占めます傷痍軍人のかたがたが、やはり地域的に偏在をしておる。特に都市にそれが多いという現象が幾分見られる程度でございまして、やはり全国的に大ざつぱにみましたら、九州では福岡の附近、それから中国では広島、岡山の附近、近畿におきましてはやはり京阪神、それから関東におきましては東京、神奈川、そういう所にやはり傷痍軍人という形で少し多いという程度でございます。
  28. 藤森眞治

    藤森眞治君 それから今後どういう方面に光明寮を作ろうという御計画がありますか、その点を。
  29. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 今後の光明寮の設置の計画を申上げます。現在東京と塩原との二カ所に作つております。今回神戸の光明寮を予定しておるわけでありますが、将来におきましては九州、それから中国、それから北海道、そういう順序でこの計画を進めて行きたい、そういうふうに考えておる次第であります。
  30. 長島銀藏

    長島銀藏君 塩原の光明寮のことにつきまして、ちよつと承わつた事実があるのでございますが、大蔵省の予算措置その他の関係で新たに今回神戸が予定されておる。それで光明寮が三カ所になつたのでは多いので、塩原をこれを廃止したらどうかというような御意見があるそうでございますがこの塩原の光明寮に関しましては、陛下から御内帯金までお出し下さいまして、失明者の施設のために非常に温い考慮が必要だという事実がございますので、私ども委員の一人といたしましては是非これは存続して頂くように御当局へ又御配慮を願いたいと思う次第でございます。
  31. 平澤長吉

    ○政府委員(平澤長吉君) 厚生省といたしましては、是非とも存続のみならず更に整備をいたしましてやつて参りたいという考えでおる次第でございます。
  32. 藤原道子

    ○藤原道子君 大分、光明寮の卒業者が出ておるようでございますが、それらの人は社会に復帰いたしましてどういう状況でござましようか。
  33. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 現在の卒業いたしました者は先ほど説明いたしましたように、二百十九名の卒業をいたしたわけでありますが、現在の日本の状況におきましてやはり、盲人の職業は伝統的にあん摩、はり、きゆうそういう点に重点が置かれて来ておるわけでありまして、大体卒業生の殆んどはこの光明寮において習得しましたあん摩、はり、その他の技術を生かして職業戰線に活躍いたしておるわけであります。で、卒業しました後におきましても寮のほうに逆戻りをするというふうな件数も殆んど現われておりませんし、おのおの郷里に帰りまして、寮におきまして習い覚えた技術を以て生業を立てておるというふうに考えておる次第であります。特に最近の状況におきましては、あん摩、はり、きゆうの技術を習い終えましても、それを開業するにつきまして相当の基準を持たなければ開業ができないというふうな現状がありまして、少しその方面の点で難点がございますが、これは生業資金の貸付その他を利用いたしまして、又身体障害者をお世話いたします身体障害者福祉司がお世話いたしまして、その開業をスムースに行くように努力いたしております。ただ我々の方針といたしましては、いつまでもこの盲人をあん摩、はり、きゆうという伝統的な職業にのみ従事させて置くということにつきまして、少しく検討を要するというふうな点を考えておりますので、今後新らしい職業の開拓ということに、この国立の三施設を十分に活用いたしまして研究して行きたいという決心でおるわけでございます。
  34. 藤原道子

    ○藤原道子君 それからもう一つお伺いしたいのですが、入所する希望者が二千名を数えているということでございますがこの入所の順位とか、或いは入所後の費用というようなものをもう一度。
  35. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 募集の状況を申上げます。この二つの現在の光明寮におきまして、特に塩原におきましては最初非常に利用者が少なかつた時代もあつたわけでありますが、昨年四月一日身体障害者福祉法が施行されまして、身体障害者手帳交付の事務も漸次進捗するにつれまして、各都道府県に一応窓口ができたのでありますから、そういう関係で各府県からの照会が非常に殺到しておるという現状になつた次第であります。でこれの選考の基準につきましては、やはり希望者が殺到いたしておりますので、一応はその申込の順ということを第一にいたしますが、やはりそこに入寮を要するという緊急度というものに大体の入寮の基準をきめておるわけであります。その基準の第一に我々が考えておりますのは、やはり生活が困難でありまして、どうしても入寮する必要があるという者を第一順位にいたしておるわけであります。併し現在の身体障害福祉法が一応十八歳以上を対象としておるという関係もありまして、而もこれを中途失明者ということに重点をおかれました設立の趣旨もありますので、大体十八歳以上で、先ほど申しました生活が困難であつて、而も入寮を要するということを第一順位に挙げておるわけであります。併しこれは大体地方から送られて参ります前に、都道府県知事のほうで十分調査しまして、副申をつけて参りますから、大体の順位というものはそう困難を要せずしてきまるという形になつておるわけでございます。
  36. 藤原道子

    ○藤原道子君 費用はどのくらい……。
  37. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 入寮者につきましては現在千五百円頂戴いたしております。これは生活保護法の該当者は、それは生活保護法によりまして、その費用を各都道府県の市町村長から送付して来るという関係になりまして、自費自弁の者は千五百円という形になつております。
  38. 藤原道子

    ○藤原道子君 卒業後の開業についてのいろいろな困難ですね、折角卒業した者がいろいろ費用その他の制限で困ることもないように、どうぞその点は親心を持つて一つお世話を十分にして頂きたいということをお願いいたして置きます。
  39. 藤森眞治

    藤森眞治君 収容人員のことをちよつと伺いたいのですが、収容人員は完成のときは二百十名、これはどういう計算でございましようか。前にあん摩二人、はり師四人、きゆう師五人、こういうふうに出ておるのですが、この二百十名というのはどういう計算ですか。
  40. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 収容人員につきまして申上げますと、これは予算の関係がございまして、取りあえず来年度からは三十名を最初に入寮させたい。そういうふうに考えておるわけであります。で、その次からは大体このあんま師につきまして三十名、はり師につきまして二十名、きゆう師につきまして二十名という順序でやつて行きまして、それが二年、四年ということを勘定いたしますと共に、二百十名になるという計算をしておるわけであります。それは人員によりまして、収容の定員が二百十名になつておりますために、その間の操作をいたしまして、その二十名の定員につきまして、少し実際の運用につきまして考慮を払つて行きたい、そういうふうに考えておる次第であります。
  41. 藤森眞治

    藤森眞治君 そうしますると、あんまが三十名、二年というので入つて来る、その二年の修業期間が済むと、今度は、はりの方へ入つて又二年間やる、それからきゆうのほうで一年やつて、これで五年、こういう計算なのですか、めいめい独立して……。
  42. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) そうでございます。独立してそういう形になります。
  43. 藤森眞治

    藤森眞治君 そうすると、このまま行く者もあるわけでございますね。そうすると二百十名より殖えるのではありませんか。
  44. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) それを運営のほうでこれに合して行きたいということなんでございます。で、あん摩も初めは二年で終るという予定で入りました者が、入つておりまして又はりのほうも一緒にやりたいという希望者も出て参りますので、この確実な計算がなかなか立たないものでございますから、こういうふうにしておるのでございます。
  45. 藤森眞治

    藤森眞治君 完成年度は、いつが完成年度になるわけでございますか。
  46. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 昭和三十年です。
  47. 藤森眞治

    藤森眞治君 昭和三十年。そうしますると、この二十六年度予算で、初年度設備費でございますね、これを完成するのに必要ないろいろな施設等の予算も入つておるわけなのでございますか。
  48. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 昭和二十六年度の初度設備費につきましては、大体三カ年計画の一カ年分ということで予定いたしております。
  49. 藤森眞治

    藤森眞治君 それは設備の内容のための費用なんでございましようか。或いは施設そのものの、例えば増築するなら増築するということの費用なんでございますか。
  50. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 増築も含めまして三カ年分ということでございます。
  51. 藤森眞治

    藤森眞治君 そうしますると、二十五年度予算でできたものは、この施設計画の或る一部分だ、もうこれから三カ年やらないと完成したものはできない、こういう意味になりますね。二十五年度予算でこれは全部でき上つたとは言えないわけですね。
  52. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) そうでございます。
  53. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) ほかに御質疑がございましようか。
  54. 有馬英二

    有馬英二君 この資料の中に、国立東京光明寮、それから塩原の光明寮の収容人員を見ますと、現在収容人員か、東京が八十三名、塩原のほうが三十六名と書いてありますが、現在そういうような収容人員と存じますが、そういたしますると、今度の神戸光明寮のほうは二百十名ですから、非常に多又収容される計画のように見えるのでありますが、これはやはり敷地或いは設備の関係から、かように収容人員にかなりの差があるのでありましようか、大きさとか何とかいう関係。
  55. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 東京光明寮と塩原光明寮との収容人員及び設備の点についてお答えいたします。東京の光明寮と塩原の光明寮に比べまして、神戸の施設につきましては、広大な土地を兵庫県のほうから提供を願うような関係がございまして、収容人員の点につきましても、できるだけ工夫をいたしまして、できるだけ関西方面の要望に即応するという意味におきまして、三カ年計画を以ちましてこういうふうな形にしたわけであります。現在のところ、東京光明寮、塩原光明寮の建物その他は非常に限られておりまして、特に塩原につきましてはその施設が、明の御用邸でありましたために、非常に建物の有効な使用ということに欠けておりますので、こういう点で非常に人員の差が出て来るわけであります。東京光明寮につきましても、前の軍事保護院時代の寮を引継いでおりますために、非常に限られた運営をやつております関係上、今度の神戸の施設は新らしく新設するという意味で、十分の収容人員を収容し得るように設計したわけであります。
  56. 上條愛一

    ○上條愛一君 東京光明寮の収容定員六十名、現在収容人員八十三名、これは無理をなすつておるのですか。
  57. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) そうでございます。
  58. 上條愛一

    ○上條愛一君 将来東京光明寮を増設するというような計画があるわけですか。これらの人々を神戸のほうに持つて行こうという御意向ですか。
  59. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 東京につきましては、大都会のことでありますので、非常に要望も多いわけでありまして、現在、六十名のところ八三名を収容いたしておるわけであります。これは光明寮は全国を対象にいたしておりますために一応全国から集まるという形でありまして、施設の間に彼此流用をするということも可能に考えておるわけでありますが、現在塩原と東京との間にこういうアンバランスがございますのは、先ほども御質問ございましたように、塩原の予算の関係におきまして、一時この塩原の収容ということにつきまして見合せるというふうな考えが出て参りましたために、現在のとこる東京のほうに少し無理をして収容いたしまして、その見通しが得次第、塩原のほうに移して行くというために、現状はこういうふうな状況になつておる次第でございます。
  60. 藤森眞治

    藤森眞治君 入所者の費用というものは、大体皆国費で賄われるわけでございますか。ここに書いてあるような貸与の人間も相当あるのですか。
  61. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 入所者の費用につきましては、生活に困窮しております人々につきましては、生活保護法によりまして、この費用を各市町村長から出して頂くという形で無料でございます。併し負担能力のある者につきましては、千五百円の費用を徴収するという形で運営いたしております。
  62. 藤森眞治

    藤森眞治君 そうすると、生活能力のある者は生活費として千五百円払う、そのほか訓練用の機械器具、これは無償でございますか。
  63. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) そうでございます。
  64. 藤森眞治

    藤森眞治君 無償ですか、生活費だけで無償でございますか。
  65. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) そうです。
  66. 上條愛一

    ○上條愛一君 先の質問、ちよつと継続するようですが、六十名の定員のところを八十三名というと相当超過しておると思うのですが、この実情はやはり八十三名ぐらい入れてもそう無理な状態じやないのですか。相当無理をしておられるのですか、
  67. 梅本純正

    説明員(梅本純正君) 現在のところその無理の程度でございますが、これは全部収容者でありますために、その居住におきまして少し窮屈であるという程度でございます。それでこれも早急に神戸及び塩原の見通しの確定いたし次第、正規の定員に早急に戻したい、そういうふうに考えております。
  68. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 もはや質疑もないようでありますから、討論に入るの動議を提出いたします。
  69. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 只今中山委員から質疑を打切つて討論に移るように動議がございますが、動議御賛成でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) では討論に移ることにいたします。
  71. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 当局のお話のように将来必要の所に逐次新設をするという要望を付けまして原案に賛成いたします。
  72. 有馬英二

    有馬英二君 私も原案に賛成いたします。但し先ほど私から要望を申しましたように、できるだけ各地方に順次増設されることを希望いたします。
  73. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) ほかに御意見ございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 別に御意見もほかにないようでございますから討論は終結したものと認めましてお差支えございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。国立光明寮設置法の一部を改正する法律案、この法律案を原案といたしまして原案通り可決することに御賛成のかたの御起立を願います。    〔総員起立〕
  76. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を付することになつておりますから本案を可とされましたかたは順次御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     有馬 英二  中山 壽彦     石原幹市郎  長島 銀藏     藤森 眞治  松原 一彦     上條愛一   藤原 道子     川村 松助
  77. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れはないと認めます。なお本会議における委員長の口頭報告につきましは、委員長に御一任願いたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 河崎ナツ

    委員長河崎ナツ君) 御異議ないと認めます。  それでは今日はこれで閉会いたすことにいたします。    午後零時十四分散会  出席者は左の通り。    委員長     河崎 ナツ君    理事            有馬 英二君    委員            石原幹市郎君            川村 松助君            中山 壽彦君            長島 銀藏君            上條 愛一君            藤原 道子君            藤森 眞治君            松原 一彦君    厚生政務次官  平澤 長吉君    厚生省保險局長 安田  巖君   事務局側    常任委員会專門    員       草間 弘司君    常任委員会專門    員       多田 仁己君   法制局側    参     事    (第一部第一課    長)      中原 武夫君   説明員    厚生省社会局更    生課勤務    梅本 純正君