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1951-07-27 第10回国会 参議院 厚生委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年七月二十七日(金曜日)    午前十時二十七分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○社会保障制度に関する調査の件  (恩給法改正に関する件)  (保健婦助産婦看護法の一部を  改正する法律に伴う厚生省令草案  に関する件)   —————————————
  2. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) これから委員会を開きます。最初に公報でお知らせしておいた通りですが、順序を変更いたしまして、人事院給与局次長さんの慶徳さんと、課長の坂中さんがお見えになつておりますので、順序を変更いたしまして、人事院からの恩給法についての説明聴取最初の議題といたします。
  3. 松原一彦

    松原一彦君 今日は給与局慶徳次長、それから坂中恩給課長がお見えでございますから、この際マイヤース氏の勧告による新恩給法の梗概について、できるだけのことを伺いたいのでございます。承わりますというと、まだ新恩給法の全貌は完成もしておらんし、人事官会議も経ておらんということでございますから、責任ある当局としてはお述べにくい点もあろうかと思いますので、これは速記を止めまして、内輪だけの話として御報告できるものを、せいぜい親切に骨子だけでもお話を願いたいと思うのでございます。皆さんの御賛成を願います。
  4. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 速記を中止して新恩給法に関する説明をお聞きしたいという話ですが……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 速記を止めて下さい。    午前十時二十九分速記中止    ——————————    午後零時二十四分速記開始
  6. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 速記を始めて……。それでは暫時休憩いたします。    午後零時二十五分休憩    ——————————    午後零時四十二分開会
  7. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 開会いたします。保健婦助産婦看護婦法の一部改正に伴う厚生省令草案についての説明をお聞きするわけですが、次長のほうから最初にお願いして、そののち質問に入ることにいたします。
  8. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 保健婦助産婦看護婦法の一部改正に伴いまして、省令規定いたします事柄の内容につきましては、第十国会終り藤原委員の御質問お答えをする形式で御説明を申上げたのでございますが、その後私どものほうにおきましては、これを正式な省令形式にいたすためにいろいろと準備をいたしておつたのであります。極く最近に省令内容が、形式が大体きまりまして、今関係方面の了解を求めておるところでございます。要点につきましては、第十国会終りに申上げました要綱をそのまま省令の中に取入れたのでありまするが、この省令は、先ず第一に保健婦助産婦看護婦法施行規則という法律そのもの施行に伴いますいろいろな手続規定いたしましたものと、第二は、保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則という表題を持つております学校養成所指定基準に関しまする省令、同時にこの省令の中には保健婦看護婦学校養成所学科課程規定もいたしておるのであります。第三は、都道府県知事看護婦免許を受けたものの講習等に関する省令でありまして、これは保健婦助産婦看護婦法の附則によりまして、いわゆる既得権看護婦に対して厚生大臣が特別な定めをした講習をすることに相成つております。このことにつきまして、講習を誰が行うか、又どういう手続で行うか、又その講習内容はどういうものであるかというようなことを規定いたしたのでございます。かように三つの省令になつておりまして、この内容を一々申上げますると、相当な時間もかかりまするし、又単純な手続に関するものが大部分を占めておりますので、そのうちかねて御注意のございました、又御要望のございましたような点を中心にして、要点だけを概略申上げて見たいと思うのであります。  先ず第一は、保健婦助産婦看護婦学校養成所指定基準でございまするが、指定基準及びその学科課程でございますが、従来の新らしい制度に基きます看護婦、即ち従来の甲種看護婦に該当いたしますものは、従前と殆んど変つておりません。指定基準につきましても同様にいたしております。保健婦助産婦学校養成所につきましては、従来一年の課程でありましたものが、法の改正によりまして六カ月に縮まりました。それに応じましても学科課程内容を改めました次第でございます。これは看護婦養成期間中に、助産、育児等に関します教育課程を相当に従来よりも多く附加して教育をすることにしておりまするので、保健婦助産婦養成所最初から専門的な実地にも入り得るようなことにいたしました。そうして看護婦教育と相待ちまして、六カ月の課程で十分に保健婦助産婦養成ができるようにいたしたつもりでございます。最も問題になりまするのは、準看護婦養成所のことでございます。これにつきましては、先般御説明をして置いたのでありまするが、新らしい省令によりましても、この御説明を申上げた通りにいたしたつもりであります。これは従来の乙種看護婦に比較いたしますると、指定の条件を著しく緩和いたしましたつもりでございます。即ち第一には、先ず問題になりました臨床実習施設の問題でございますが、仕来の乙種看護婦養成所指定基準によりますると、学校養成所の経営をいたします主体が必らず病院療養所を持つておらなければならない、臨床未習施設を持つていなければ養成施設かできないというような建前でございました。今回は臨床実習施設を持たなくてもできる。その代り他病院なり、療養所なりと約束をすることによつて、そこで所要の実習ができればよろしいというふうにいたしたのでございます。それから従来は乙種看護婦につきまして必らず宿舎設備を持つておらなければならないとしておりましたが、今回は成るべく宿舎設備を持つ程度でよろしいというような規定にいたしましたのであります。これら代表的な改正によりまして、いわゆる准看護婦養成所は、従来の乙種看護婦養成所に比しまして、極めて簡易に設置できるようになるものと思う次第でございます。それから前回は御説明を申上げませんでしたが、今回は指定規則の中の第十条に「看護婦学校養成所臨床実習場准看護婦学校又は准看護婦養成所臨時実習場とは原則として兼用してはならない。」、こういう規定を新たに設けたのでありますが、この考え方は、従来は甲種看護婦乙種看護婦とを同一病院施設することがじきないという方針をとつてつたのでありますが、今回は今読み上げました規定の裏から、同一施設看護婦養成所准看護婦養成所とを、両方を併設しても差支えないという考えをとつたのであります。ただこの規定によりまして、病室の実習をいたします場合に、同じ病棟の中で、両者が混然と教育されることは適当でないだろうという考え方の下に病棟を異にした実習をするようにという規定を設けました次第であります。こういうような方針をとることによりまして、同時に又准看護婦養成施設が相当多数に今後できることを規定いたしているのでございます。次はいわゆる認定講習に関する規定でございます。これにつきましても、先に御説明を申上げた通り規定をいたしたつもりでありますが、若干申上げておきたいと思います。この講習厚生大臣都道府県知事、いずれもこれを行うことができますが、同時に又厚生大臣都道府県知事承認を得たものも行い得るようにいたしましたのであります。これは裏から申上げますと、厚生大臣又は都道府県知事は当然に責任を持つてこの講習を実施する至体になりますけれども、それ以外の病院療養所等におきましても、厚生大臣又は都道府県知事承認を受けますれば、この認定講習ができるようにいたしたのでございます。大体国の場合に厚生大臣承認、即ち鉄道病院でありますとか、或いは逓信関係病院でありますとか、そういうような国の施設につきましては、厚生大臣に協議をして承認をして頂くようにし、その他のものにつきましては、もつぱら都道府県知事承認を受けるような手続にいたしたいと思つておる次第であります。講習内容は前回申上げましたように、一カ月合計時間百四十五時間を基準といたしてございます。なお従来の講習承認をするということにつきましては、この省令の中には特段規定を設けておらないのでありますが、私どもは今申上げましたこの講習等に関する省令第三条の手続をとることによりまして、承認をするようにいたしたいと思つておるのであります。以上が講習会に関する主要な点でございます。そのほかの点につきましては、特段に申上げることもない、単純な手続規定が多いのでありまするが、何か御質問でもございましたならば、お答えを申上げることにいたします。
  9. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 昨日御説明がございました二億五千万円でございますが、あれはどういう費用にお使いになるおつもりでございますか、予定を承わりたいと思います。
  10. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 私どもはいわゆる認定講習につきまして、一年間に約二万人くらいの講習をして行きまして、そうすることによりまして、昨日もちよつと申上げましたように、二年間で看護婦の現に働いておられる面につきましては、全部一通りのことを終つてしまいたいという計画を立てておるわけであります。昨日申上げました補正予算に二千四百九十万円を要求いたしておるのでありますが、これは今申上げました一年間の数字の半分を半年でやりたいというつもりでございますから、従つて講習者の数は大体一万人を予定しております。私ども実際の金の使い方といたしましては、若しこの予算がそのまま通りましたならば、到底厚生省だけで一手で直接やるわけには参りませんので、協会の御協力を煩わしたり、或いは又各都道府県知事に委託をいたしまして、講習を実施するようにするつもりでございます。
  11. 有馬英二

    有馬英二君 その講習の大体の費用はどれくらいに見積つておるのですか。講習を一カ所やるについての経費ですね。
  12. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 申訳ありませんが、予算の内訳を持つて来ておりませんので、一カ所あたり費用ちよつと簡単に、間違いでもあるといけませんから、申上げませんが、大体この講習につきましては、従来の例に做いまして、会場費用、それから講師に対する手当その他の諸雑費、教材とか、その程度のものの費用を支出するつもりでございます。従つて講習を受けます者の旅費或いは滞在費等は、講習を受けます者の自弁という考えでおるのでございます。大変申訳ありませんが、後刻一回の講習会場費用というものを積算したものを調べまして、差上げることにいたします。
  13. 有馬英二

    有馬英二君 大体文書でお願いいたします。
  14. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 これに関連してちよつと念を押しておきたいのでございますけれども地方へ参りますと、厚生省ではたくさんの予算をとられて、講習者一人当りに二千円くらいずつ講習を受けるときの費用を下さるなんというようなデマが飛んでおりますが、それは全然これとは関係ございませんか。
  15. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 全然さようなことは考えておりません。むしろこれは私ども実は心配しておるのですが、予算の折衝を進めておりませんのでわかりませんけれども予算の査定のときに逆に受講料をとれというような意見が起つて来そうな気がいたします。実は厚生省の内部でもそういう意見がありまして、国家試験の場合には受験料をとるのに、資格を取得するための講習会受講料をとらないというのはおかしいじやないかという意見が出そうなので、実はこれを抵抗するのに大分骨が折れるのじやないかと思つている次第であります。
  16. 藤原道子

    藤原道子君 この講習は、今の次長のお言葉ですけれども、これはこうしなければならないだろうという諸般の状況が考慮されて講習ということが定められたのであつて、むずかしい意味認定講習ではないということが、たびたび質疑応答の過程において明らかになつておるわけでございます。従つて国家試験を受けるときに受験料をとるのだから、この講習に金をとつたらというような意見が若しございましても、それはもう絶対に反対で一つ克服して頂五なければなりません。むしろ私は今になつて厚生省が非常にこの講習の問題で困つておいでになる、それからいま一つは、同じ看護婦でありながら、開業医のところにいる看護婦であるとか或いはこういう、何と言いますか、国家看護婦たち認定講習を受けに行く暇がないのですね、そういう人たちの問題をも心配しておるときでございますので、そういう若し金をとつてまで講習をするというような、だんだんに最初意見がゆがめられるようなことはございませんので、むしろ私はこれは看護婦のみならず、保健婦助産婦もやがて起つて来る問題でございますから、やはりその新制度の切換えをやつてしまつて、その後で講習を受けるというふうに行かなければ、却つて困るのじやないかというくらいに思つているときに、そういう意見に押されないように一つ強くお願いしておきます。
  17. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 只今の問題に関連してでございますが、特に派出看護婦なんかの問題があるのでございますが、この人たちは自分で働いておりますから、働きをやめればいいのでございますけれども厚生省としましては、この講習はそういう人たちのために夜間にしようと、昼にしようと、そういうことは全然御関係ございませんでしようか。どこでやろうとそういうところの限界はございませんか。ちよつとお伺いをしておきたいと思います。
  18. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 夜間であろうと昼間であろうとは問はないつもりでございます。ただ夜間ですと、当然時間が少なくなりますので、一カ月に終るものが或いは一カ月半なり、二カ月と期間は長くならざるを得ないかと思いますけれども、その程度で極力そういうような夜間講習というものを認めたいと思います。
  19. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 もう一つだけ伺つておきたいのでございますが、そういたしますと、ちよつとでも、東京都内に例えて申しますれば、何十カ所で行われるかわからないのでございますが、果して本当に内容の充実した資質が挙るような講習をして下さるとよろしいのでございますけれども、名前だけの講習にしてしまうと、あとで又問題が大きくなるのじやないかと思いますけれども講習の実際の指導とか、実際の講習を証明する人とかいうものは何かできますのでしようか、ちよつと承わりたいと思います。
  20. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 私どもの今先ほど申上げました予算計画から申しますると、厚生省責任を持つてやる講習で全部を終るようにしたいというのが一応の計画でございます。従つて病院などが自発的にやられる必要のないということを建前にして一応の予算を要求しております。これだけでなく、夜もやつて行けるようでありましたならば、御心配の点もないのじやないかと思いますが、実際問題といたしましては、予算も削減をされるでありましようし、又実際病院等のいろいろ事情もありまして、こちらの講習会に全部出られるとは限らない。むしろ病院あたりにお願いしたほうが都合のいい場合も相当あるので、そういう場合におきましては、この認定機関の権限は都道府県知事になつておりますが、都道府県が認定いたします場合に、何か適当な諮問機関でも作るように指導して参りたいと思います。
  21. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 もう一つ伺いたいのは、この間地方に行つたところ、文部省でこの問題に非常に意を用いられまして、専任教員が何人おるかというようなことを各府県で調査を進めておるということでございました。ああいうふうに文部省どか、鉄道とか、逓信とかの病院を持つておられる機関がなさるということがここにも書いてございます。これでよろしうございましようか、第三条に……。
  22. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 仰せの通りでございます。
  23. 藤原道子

    藤原道子君 だから結局こういうふうに解釈してよろしいですか。要するに講習内容は百四十五時間、従つて実際問題として病院などに勤めておる人が一日六時間やるということは非常に困難である。従つて夜間において二時間ずつやつて百四十五時間に満る講習を受ければよろしいということですね。
  24. 久下勝次

    説明員久下勝次君) その通りでございます
  25. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 それに関連してちよつと伺いたいですが、新らしい学校卒業生が昨年国家試験を受けておるのですが、それが発表になつたかどうか存じませんが、若し学校卒業生国家試験を落第したという者の処置はどうしておられますか。非常にあの人たちは又既得権者と別の意味で、准看護婦にもなれなく、何にもなれないと思いますが、厚生省はこの問題をどう考えておられますか。
  26. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 今度の国家試験は昨日審議会を開きまして、合格合格の決定をいたしました。実際に試験をいたしましたものは一万六千名を越えておりますが、そのうち九三%のものが合格いたしました。ですから、従いまして私ども考えでは正規の教育を受けた者は新らしい甲種看護婦試験に落ちたとは考えられません。又そこまで調べるまで行き届いておりませんが、ただ一般的に、たしかに落ちた者もあろうと思います。試験のことでございますから……、そういう者につきましては、当然これは准看護婦になれましようし、又現在の制度としても都道府県の検定を受けて、八月一ぱいはできますので、そういうもので行き得る途はあるかと思つております。それらの者は二三度受けて頂くうちに何とかなるのではないかと思います。医者の場合も同様でございますので、そういうふうに考えております。
  27. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 もう一つ伺いたいのですが、お医者には法律が作られたのでございますか。外地から引揚げられた看護婦助産婦扱いはどうしておられますか、この際承わつておきたいと思います。
  28. 久下勝次

    説明員久下勝次君) 今までもその規定を設けておつたのであります。それで何人かは特別の扱いをいたしておるはずであります。この法律にはたしか入つていなかつたように思いますが、具体的の問題が起りましたそのときに御考慮して頂く以外方法はないと思います。
  29. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) それではお暑いところ、御熱心に質疑応答を願いまして有難うございました。本日はこれにて散会いたします。    午後一時八分散会  出席者は左の通り。    委員長     梅津 錦一君    理事            小杉 繁安君            井上なつゑ君            有馬 英二君    委員            石原幹市郎君            大谷 瑩潤君            堂森 芳夫君            藤原 道子君            常岡 市郎君            藤森 眞治君            谷口弥三郎君            松原 一彦君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君   説明員    厚生省医務局次    長       久下 勝次