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1951-05-25 第10回国会 参議院 建設委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十五日(金曜日)    午後二時四十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○公営住宅法案衆議院提出)   —————————————
  2. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) 只今から建設委員会を開会いたします。  公営住宅法案を議題といたします。
  3. 田中一

    田中一君 第一条の国及び公共団体が協力してやるということになつておりますが、若しもこの地方公共団体が公共性ある民間団体を作りまして、これに経営管理施行、すべてやらせるということはできるもんですかできないもんですか、
  4. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) そういうことを立案者考えたのでありますが、何分にも高度の社会性帶びた施設でありまして、低額所得者を目標としているというので、工費は低廉に而もいいものを作つて行かなければいかん。勿論これに対しては家賃も安いのでありますし、全く一面から申しますと、先ほどの連合審査会でも出ました通り恩点といいますけれども、実際国家が高度の社会性という立場から作るのでありまして公共団体以外には民間団体が作ることは無理じやないかということが考えられます。なぜならば、これだけの仕事をやるにはどうしても相当大きな借入資金を必要とするわけであります。借入金をすることは現在の金融事情下においてはできませんし、それからもう一つは起債をすることは個人的なものには認められないという立場から、結局公共団体に任す以外にはない、こういうふうに考えられます。これよりももう少し幾らか利潤を挙げ得るというのは、現在住宅金融公庫等で以てやつているのでありますが、住宅金融公庫が日柄としているものを第一とするならば、それよりも収入の低いものを、勿論安全率が低くければ低いほど回収安全率は少くなるのでありますから、二種、三種とだんだん低額所得者に落ちて来る状態におきましては、民間団体で以てこれをやることは、実際上不可能ではないか、こういうふうに考えております。
  5. 田中一

    田中一君 第一章の「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅」というもののモデルをお示し願いたい。
  6. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これは実際金をかければいいのでありますが、理想的な住宅を作るためには坪単価を、即ち工費を上げなければならない、おのおの好み好みによつて意匠等も違うのでありまして、構造につきましては、一つ住宅でありまするのでさしたる問題はありませんが、意匠、それから敷地、その他環境等、非常に一般住宅のように作るには高額な建設資金を必要とするわけであります。その半面この法律案の企図するところは、現在需要が非常に多いのを、乏しい国費の中から一戸でも多く建てなければいかん、速かに一戸でも余計建てなければいかんという、相反する状態において施行せられる法律でありますので、実際上から考えますと、或る理想を持ちながらも一つの財源、いわゆる限度というものだけはきめてかからなければならない。こういうふうに考えるわけであります。で本法規定するものは、住宅金融公庫借入資金によつて賄なえる人よりも少くとも低額所得者になるということが考えられるわけであります。なお且つ住宅金融公庫に住み得るような人であつても、一時金が抑えないために家賃のほうがよろしいというような人もあるのでありまして、現在第一種公営住宅としては、国が各府県地方公共団体補助をいたしまして作つておりまする木造住宅、いわゆる十坪、十四坪から十四、五坪、十八坪等多いのでありますが、少くとも現在建設省血管省として地方公共団体補助して作らしている住宅程度のものを第一種として考えているわけでございます。勿論健康で文化的な、而も住宅水準を上げるという意味においては、できるだけ不燃性を帯びた建物にしてもらいたい、実際におきましては集団的アパートのような鉄筋コンクリート建、若しくは軽量なるコンクリート建建物究極目的としているわけであります。
  7. 田中一

    田中一君 私の伺つたのは、御趣旨はよく存じております。「健康にして文化的な生活を営むに足る」というものを言葉一つモデルをお示し願いたいのです。何坪くらいの基準でどうなつているか、例えば敷地の問題でありますとか、濕地帶には作らん、低地には作らん、以下いろいろ環境があるし、そういう点を一応立案者は、こういう形のこういうものを何年ぐらい、どういうものを、或いは施設は必ず浄化装置を持つている建物とか何とか、言葉説明できると思うのですが、そういう点を一つ……。
  8. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 先ほど私の御説明が少し足りなかつたようでありますが、現在建設省が各府県補助をして作らしておりますものは、鉄筋コンクリートにして十四坪建であります。第一種公営住宅は、これは一つ基準作つて見なければわからないのですが、大体においてコンクリートブロック建十四坪、木造として十二坪、第二種鉄筋コンクリートにおいて十坪、ブロック造においで十坪、木造において八坪という大体の住宅考えられているわけでございます。なおそれ以上の文化的施設というものには、条文の中にも規定しておりますが、できるだけ団地住宅を作りたい、そして附帶設備は今までのように汲取便所とするよりも、できるならば簡易水槽便所にするとか、鉄筋コンクリートならば水槽に持つて行く、団地の場合にはその処理については浄化装置を作るということもありますし、それから井戸を使つておりましたのが、共同簡易水道を作れれば作つてやります。そういうものをいわゆる団地で以て作る場合には公共施設として作られる。なおその中に実際の、現在アメリカで以てやつております何々ハイツというような建物がたくさんありますが、この中には学校もありますし、協会もありますし、共同浴場もありますし、いろいろのものがあるのであります。究極目的はあのような理想的なものまで持つて行きたいというふうに考えているわけであります。
  9. 田中一

    田中一君 今の問題は、後ほどモデルの問題は質問しますが、健康というのは衛生的ということを現わしているわけですか。
  10. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) そうです。
  11. 田中一

    田中一君 ただ私が今まで見ました公営住宅ですね、大抵田圃を潰しましてもそのまま何もせずにやつているから、雨が降れば土台が下がり、下水もできていますが排水がよくない。無論水槽便所作つているわけじやないし、蛆が這い出している。こういうのが今までやつていたことなんです。そういうことじやないということを公営住宅法で規正するわけですか。
  12. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 勿論只今田中さんが言われた通りであるのであります。私もその実情は十分承知をしているのでありますが、法律住宅営団が作られ、公営住宅、特に引揚者の応急住宅は、安かろう悪かろうでありまして、実際一年か中年すれば、その用に耐えても、あとは修繕々々で以て全く安物買いの銭失いということをやつているのが、公営住宅の現状でありまして、その意味におきまして、だんだん建設省も企画を統一しまして、鉄筋コンクリート建建物にしたいということを考えているわけでありまして、木造ならば成るべく団地住宅を作りたい。而もそのためには今までの法律ではこれができないので、急ぐために止むを得ず年度々々でどうしても行わなければならないというので、全く便利の悪い土地に止むを得ず建てられておつたのであります。この法律の企図するところは、今度は三カ年の計画案を作成しました結果、三カ年の計画案によるところの敷地造成、取得に対してもその年度に金を出すことができるということがきめられておりますので、本法律案施行になれば、三年後の住宅地の選定も行えるのでありまして、時間的に余裕もありますので、今までのような状態は本法律施行によつて駆逐せられる。こう考えております。
  13. 田中一

    田中一君 この低額所得者というのはどのくらいの収入者を指しておるのですか。簡單にお答え願いたいと思います。
  14. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) なかなかむずかしい御質問のようでありますが、いわゆるこの家賃が拂える程度の人を言つておるわけであります。
  15. 田中一

    田中一君 否でも応でも、何といいますか、野天じや住居じやないですから、一応それを「低廉な家賃」とその下にあります。一応公務員収入程度にしてどのくらいの収入者を……。今の公務員の給料というものはきまつておりますが、公務員は入れますか。
  16. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 鉄筋コンクリートにおきましては十四坪が大体今の公営住宅状態を見ますと、一カ月家賃二千百円であります。木造の十二坪が千五百円、鉄筋コンクリートの第二種が千二百円、コンクリートブロックの十坪が千二百円、木造の八坪が六百円、こういうふうに大体算定せられるのでありますが、数字には幾らか違いがあると思いますが、実際家賃を全然拂えないという人は、生活保護法等によつて別途の遂に基いて救済すべきでありまして、この法の対象にはならない。こう考えておりますが、自費では造れない、而してこの程度家賃ならば拂える、こういうような者でありまして、家賃生活費の一割という者であれば、六百円のものは六千円程度の者と申しますと、現在中等学校を出た人が初任給大体六千円ぐらいでありますので、その程度の人から、二千百円といいますと二万一千円、現在の次官級まで入れるわけであります。
  17. 赤木正雄

    赤木正雄君 一条について関連して伺いますが、この前住宅金融公庫法案審議いたしましたときに、やはりこの第一条にある、「健康で文化的な生活を営むに足りる住宅」、こういう文句があつたのです。これについて私は十分政府当局に質問いたしました。今大体発議者の御説明でわかりましたが、併しあのときにもあれほど説明したのでありますから、恐らくこれはこの案をお出しになるまでには、建設省といたしましてもこの前のあの法案審議に鑑みて、どのくらいのものを建てる、これくらいの図面くらいはお持ち願うと、審議するのに結構なんですが、これは建設省のそういう用意はできてないのでしようか。あのときの審議状態は、速記録でお考え下されば相当の御用意があつて然るべきだと思うのですが。
  18. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 私どもといたしましては、この法律施行になりました場合にも予算関係等がありまして、俄かにこの程度を上げるいうことは困難じやないかという見通しをしておりますが、この施行に伴いまして、できるだけ在来よりは幾分かでもだんだんによくして行きたいというふうに考えております。どんな程度のものかという具体的な設計図などについてのお尋ねでございますが、これは毎年だんだん改善しておりますが、大体従来のものを御覧頂ければ御想像がつくと思います。この第二種住宅というような特別の低収入のかたに対する低家賃住宅、これにつきましてもいろいろ議論はあります。成るべく家賃を安くするためにできるだけ家も小さくし、構造の悪くなることを我慢してでも安くしよう、こういう意見もありますが、これにも限度がありますので、我々としては、いやしくも一家族が住む家といたしましてはどうしても二室要るだろうということで、どんなに小さい場合でも八坪を限度といたしたい、これは在来は六坪までございました。六疊ぐらいの一部屋の住宅もかなりたくさん今公営住宅としてできておるのでありますが、こういうものは再びやりたくないというふうに私ども考えております。  そのほかいろいろ今田中議員から御説明がありましたようなことは我々も御同感でありまして、だんだん鉄筋のものを多くしたい、或いは集団的に建設をして、いろいろそれに兒童の遊園とかいうような共同施設を作るとか、この法案にもございます通り実質的に基礎をよくして行くということに努力して行きたいと思います。
  19. 赤木正雄

    赤木正雄君 大体わかりましたが、私の希望といたしましては、こういう技術部面法案審議するときには、やはり今お話なつたような家を……、例えて申しますと、今までの家を見てくれればわかるじやないか……、成るほど今までの家を見ればわかるでありましようが、今までの家は私どもは記憶がよくありませんから、どういう家があるのかわからない。ここに設計図をお持ちになれば非常に審議するのに審議しやすいのですから、そのくらいの御親切はあつて然るべきだと思います。これは建設省のほうに言うのですが、成るほどこういう家が建つのだということならば非常に審議がしやすいように思うのです、審議するのに非常に早い……。
  20. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 誠に至らざるところでありまして申訳ありません。建設省住宅局に今までの試案もありますし、それから現在すでに改修、新設を入れまして二十年から六カ年に亘つて二十七万七千余戸ができておるのでありますから、これがデータもありますから、近々のうちにお手許に差上げるようにいたしたいと思います。
  21. 赤木正雄

    赤木正雄君 今近々とおつしやいましたが、それなら私は一つ言いたい。この前の例の簡易住宅には変なものがあつたのです。皆さんがもう少し愼重にお考え下さるとよかつたと思うのです。併しこれは私は追及いたしません。これはあなたがたのお考え一つで……。
  22. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えをいたします。近々と言いましたのは明日、明後日ではなく、只今つて参りますから悪しからずお願いいたします。
  23. 田中一

    田中一君 第二条の用語の定義は、あとにこれに競合する法文がありますからあとにしますが、第四条の「技術上の援助」というのはどういうことを指しておるのですか。これは一つ提案者のかたがいいですが……。
  24. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これはこの規定を設けたことは実際いいことだと思います。これはどういう意味かと申しますと、実際今はそういうことはないのでありますが、物価がどんどん下つて行くような場合は、三分の二国庫補助をもらいますと、大体坪三万円にして二万円もらえるわけでありますから、三万円で家を造るという人がよくあるのであります。これは地方公共団体では特によくあります。こういう問題は曾つて昭和二十一年、二十二年、二十二年末まで行われましたが、炭鉱労務者住宅等坪当り一万円の貸出金をもらいまして、七千円で仕上げ、八千円で仕上げるということがありましたので、非常に粗悪な住宅ができたわけであります。これは我々が立法者といたしまして断じて排除しなければならない問題であります。特にこういう一つ理想を持つて作られるものでありますので、国が、現在もそうでありますが、大体基本線というものを明確に指示をいたしまして、鉄筋であれば坪何万円、いわゆるこの基準以下には落してはならない、なおそれ以上にすることはかまわないのでありますが、構造的にいいましても、或る一定の、耐用年限だけはどうしてもこの住宅が損壊しないようにというような基本的な要求がありますので、技術的な面に対しては相当な要求と申しますか、これこそ指導をしなければならないということを考えておるわけであります。現在の公営住宅、即ち各府県地方公共団体に対しましても地方々々による特別な条件は認めておりますが、基本的な技術的な問題に対しては適確指示を行なつておるわけであります。
  25. 田中一

    田中一君 そうしますと全部のその住宅を建てる者の財政上の、或いは経営の問題までも援助、或る意味において干渉するということですね。
  26. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これは技術的な問題だけでありまして、これは管理者が各府県地方公共団体でありますので、地方々々によつて特殊の事情がありますので、これが運営管理等に対しては当然地方特殊性を活かすために管理者に全部委ねておるわけであります。併し国が一つ計画を持つて、而も国会承認を得て大きな事業をなし遂げて行こうと思うのでありますから、いわゆる十坪住宅であつても、耐用年限二十年以上というのであるならば、木造であつて土台は「ひのき」を使うとか、柱は三寸五分以下ではいけないとか、瓦葺を行わなければならないというような規定をいたすのでありまして、細かいところまで指示をし制約をしようというのでは毛頭ありません。
  27. 田中一

    田中一君 もう一点伺いますが、この設計の、基準設計というものを示すのでございますが、それは各地方公共団体が任意なものを持つて来てそれを認証するんですか。
  28. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 只今までの状況基準設計書を交付しておきます。それでなお地方別に特殊な状況がありましたらそれを加味した実施設計書を持つて来るわけであります。持つて来たものに対して認証を與えて工事施行するというわけであります。
  29. 田中一

    田中一君 第五条の団地計画の場合ですが、無論まあ五十戸以上ときめましたのは、そのほうが一般に殊に集団的な共同施設をするのに便利であるというふうにきまつたものと考えます。これに附随する土木工事ですね、こういうものは貸出交付補助対象になるんですか、ならんのですか。
  30. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。勿論一戸建でありましても、敷地造成というものに対しては補助対象になるのでありますから、団地とすれば、その場合特別な施設をする、上下水道とかいう問題は別といたしまして、当然必要であるだけの土木工費施設施行の費用は貸出金対象になるわけであります。
  31. 田中一

    田中一君 仮に二百戸の団地建設をするという場合に、相当排水なりあらゆる面において土木費が非常に嵩むんです。或いは二戸の場合にはそういう排水、そうしたものの施設ができておる。その場合に団地計画のほうは確かに一戸、二戸作つて、それによつて非常に便利なところへ造つた場合、そうしてその敷地造成の金も余りかからない、その場合に家賃のきめ方ですね、それは一地方の全部のものが、二十七年度に受けたところの五百戸というものを按分しまして、合計しまして、一戸当幾らという単価を出すのか、集団団地建築は、その団地建築そのままの建設費、そういうものから割出して家賃をきめるのか、団地計画の場合の家賃のきめ方を伺つておるんですが。
  32. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これは御承知のごとく今までの公営住宅のように、二十何年のものは基準幾らということをきめなければなかなかこういう統一的なものの家賃のきめ方はむずかしいわけでありますが、実際本法規定するものは、地方々々において建築費も違いますし、環境も違いますので、そういうものを現在のものよりも漸新的に改善をして行くというために地方議会に任したわけでありますけれども、これを条例で定むる場合はいろいろの只今のような疑問は当然起るのでありまして、これが公平という面から十分検討せられまして必要な処置がとられると、私はその意味におきましてやはり金の余計かかつたものは幾らか高くなるだろう、少なくかかつたものは安くなるだろうというふうに条例においてきめられる、こういうふうに考えております。
  33. 田中一

    田中一君 これは住宅局長に伺いますが、事実そういう想定の下に、提案者の御希望の下に提出されており、又従来建設したところの住宅も、すべて団地計画ですね。すべてそういう基準で、金のかかつた団地住宅には家賃が高い、そうでない場合には安い、いわゆる便利の場所にできた場合には家賃が安いということになるんですね。不便なところは土地造成費、そういうものがかかるから高くなるんです。こういう点についてそれが正しいものか正しくないものか。
  34. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 家賃のきめ方は、この法で行きますと、大体地方条例できめるわけでありますが、ここで規定しておりますことは、共同施設などは家賃には含まないようになつております。それから今お話の非常に便利なところが安くなつて下便なところが却つて土地造成費が嵩むから実費計算で高くなるんじやないかという点では、これはどの地方プール計算でやつておりまして、そうして便利なところは高く不便なところは安く、こういうふうに行つているようでございます。それが適当だと思つております。
  35. 田中一

    田中一君 それから第六条の公営住宅建設三カ年計画、これはなぜ三カ年計画としたか、住宅をたくさん造るという建設意味建設三カ年計画か、施行するのに或いは三年もかかる、一つ工事に、団地工事に三年もかかる実際工事施行するのに三年かかるから三カ年計画としたのか、予算の編成上現在は年度限予算を計上しているように承知しておりますが、この際大蔵大臣はこの提案に対してどういう見解を持つているのか、又提案者はどういう了解を得ているのか伺いたいと思います。
  36. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。三カ年計画といたしましたのは、できれば現在不足のものは十カ年なら十カ年で全部建て上げたい、こういうふうに考えておるのでありますが、この法律は御承知通り三カ年計画国会承認を得ることになつております。国会承認を得たものに対しては政府はこれが予算的措置を講じなければならないということは規定したかつたのでありますが、実際においてまだまだこのような施設を行いたいというものがたくさんあるわけであります。然るに国家財政制約によりましてなかなか思う通り事が運ばないわけであります。その意味予算の許す範囲内において政府予算を組まなければならない。又国会が議決をしたものに対しましては当然政府は組むであろう。予算の許す範囲内一ぱい予算を組むであろうというふうに期待する以外になかつたのであります。もう一つの理由といたしましては、現在経済事情の変動が物凄いのでありまして、これが五カ年、十カ年ということは現在なかなかできないのでありますが、少なくとも経済の安定の現況下では三カ年くらいの状態においては予算上、且つ又計画実施が大体齟齬しなくて三カ年計画を途行できるだろうという見通しはつくのでありまして、その意味において五カ年、十カ年とせず、三カ年計画というふうにしたわけであります。この間治水十カ年計画をやりましたが、実際には三十カ年もかかるという不見識なことをいたしたくないという考え一つでありまして三カ年計画をやつたわけであります。なお大蔵大臣との関係でありますが、これは来年度のものというのではない、今年の中で、三カ年計画国会承認によつたものを政府に組ませるというだけでありますので、大蔵省としては支障はないと思います。なお大蔵大臣につきましては、本公営住宅法全般に対して説明を行なつておりますが、全然異議はありません。以上お答え申上げます。
  37. 田中一

    田中一君 御説明のようですと、あえて三カ年と規定しないでもいいのじやないですか。つまり住宅政策というものは、これはもう永久に続くものであつて、三カ年という、この辺が丁度よかろうというのでやつたというお説のようですが、住宅局長は今まで終戦後ずつと住宅施策をやつて来られたにもかかわらず、三カ年で承服したということの考え方を一つ伺いたいと思う。
  38. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 私ども三カ年で住宅難が悉く解決するとは思つておりませんが、田中委員お話のようにそう五年先、十年先というものの見通しも困難でありますので、この法案のように一応三カ年、そうして三カ年計画というのは一回切りでありませんので、大体第二次、第三次と継続してやられるように読めると思いますので、私どもとしましてもこれは非常に結構だと思つております。
  39. 田中一

    田中一君 そうしますと、第六条の六「昭和二十七年度以降毎年度、」というのは、三カ年を過ぎても毎年度という意味ですか。
  40. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。昭和二十七年、八年、九年の三カ年を第一期三カ年計画といたしております。なお三十、三十一、三十二年を第三期三カ年計画として続いて行くわけであります。
  41. 田中一

    田中一君 その次の三カ年計画のことはこの法律にはないわけですね。
  42. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 毎三カ年を各一期としてありますので、これから三カ年、三カ年で区切つて参るわけであります。なおこの三カ年というのは、あと条文をお読みになるとおわかりになる通り政府技術的な基本線を出すとか、それから建築費の算定を行うとか、坪単価基準家賃の変更を行うとかというような基準を示します場合、三カ年くらいの見通しはつくのでありますが、それ以上の見通しはつかない。だから第二次三カ年の初年度において又新しい観点において再検討を行うことが至当ではないかというふうに考えたわけであります。
  43. 田中一

    田中一君 第七条三の「建設大臣の定める標準建設費」というのは、現在建設省並びに住宅局ではどのように考えていらつしやるのか、お示し願いたいと思います。
  44. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) これは二十七年度からの三カ年計画を実際に立案いたします場合によく研究して見たのであります、いろいろ構造も違いますし、そのときの時価できめたいと思つております。なお御参考のために現在どの程度のものかを申上げますと、鉄筋コンクリートでありますと、一戸について申上げますが、十四坪のものが地代とかいろいろ含めまして六十五万五千円ほどかかります。木造でありますと、十坪のもので二十二万二千円ほどになります。要するに平均的にその地方々々の時価で計算したいと思つております。
  45. 田中一

    田中一君 そうすると全国的な何といいますか、建築資材なり料金なりの調査をして、それを建設大臣がきめるのですか、それとも各地方庁に任せてやつて行くのですか、ここには事業主体がきめると書いてありますが、これはどう。
  46. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 実際請負をいたしますときの予定価格というものは、その事業主体がきめるわけですが、国としてはその地方々々に対して補助を出します場合に、その基準になる單価をきめねばなりませんので、それは建設省できめるつもりであります。
  47. 田中一

    田中一君 私が今質問したのは建設省が定める基準になる建設費伺つたのですが、若しそれが出たものがあつたらば一つ委員会のほうに渡して頂きたいと思います。
  48. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。これは大体建設省で造つておりますのが、木造が坪二万円、鉄筋コンクリート建物が昨年度は一万四千円から三万六七千でしたが、今年度は四万円になつたのでありますが、大体住宅金融公庫で造るのもそれと同じものであります。住宅金融公庫は坪一万二千円、それが二万五千円程度まで上つた。物価の変動によつて違うのでありまして、大体物価庁に価格指数もありますし、その年度におけるところの標準を木造において、A型において坪二万円、B型において二万二千円、C型においで二万五千円とかということは十分算定できるのであります。現布までの公営住宅も坪二万円、鉄筋コンクリートで三万四千円というような標準価格を規定しております。これが二分の一を補助しておつたわけでありまして、地方公共団体はそれより以上の費用をかけてやつておるところもありますし、その額一ぱいでやつておるところもありまするから、これを下廻るというような場合は特に安い資材が入手できるような場合で、実際施行の上におきましては、地方庁の負担が減るだけでありまして、大体品物は同じものでできておるようであります。
  49. 田中一

    田中一君 今提案者伺つたのですが、その住宅金融公庫と同じ形のものを第一種の場合に、あなたがおつしやつた木造二万円というのは、同じものができるというわけですか。それとも或いは住宅金融公庫の資金貸出の住宅が、今度は何か貸出金が値上げになつて、値上げといいますか、余分に貸すことになる、その基準はどうなるのですか。
  50. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。住宅金融公庫は、これは一つの営利事業と同様なものでありますが、採算のとれる事業であります。そのために公営住宅よりも多少いいものを造つております。勿論金融機関が中に介在しておりますので、その責任も明確にしなければならぬということと、もう一つは回収を的確に行うということでありますので、公営住宅よりも二割がた良質の建物要求しております。と同時に住宅金融公庫は貸家ではありませんので、その家全部が自分の家でありますし、頭金は自分で出すのでありますから、大体住宅金融公庫法上の坪二万円ということを規定しておる場合、貸出金額はその枠でもつて借りるのでありますが、実際はそれよりも三割乃至四割高実費をかけてよりいい建物が建つておるような状態であります。
  51. 田中一

    田中一君 もう一つ、この六条の六で以てもう一遍伺いたいのですが、国会では三カ年計画というものの承認を求めることなんですが、予算上のことを求めるものか、或いは内閣かその承応を求めるということで、現在までの話合いの程度ですね、そうしたものを明確にお示し願えませんね
  52. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。公営住宅建設三カ年計画計画書の決定を国会承認を求めるわけであります。求めたものに対しては、実際はこの第六項の「昭和二十七年度以降毎年度」の次に、「国の財政の許す範囲内において」という字句がございますが、原案はこれはとつていたのであります。国会承認した場合、政府はこれが予算的措置を講じなければならないと、こう規定したのでありますが、この場合実際政府予算編成権を侵害したり、いわゆるこの種の法案で以てこういうものをすることが適当であるかどうかということは、実際の予算編成上の問題とからみ合せて考えるときに無理があるというので、国の財政の許す範囲内によると、而も財政事情ということを十分見通しをつけて三カ年計画を作るのでありますから、勿論権限のある国会承認を経たるものにつきましては、多少の無理があつても、政府はその年度予算にこれを計上するであろうという良識に訴えたのであります。
  53. 田中一

    田中一君 特にこれを挙げたのは、従来も住宅局においては年々住宅予算をとりましてやつているのでありますが、これはあなたの言われるのは、三カ年計画そのものを承認するのか、予算をたくさん分取りたいのか、目的は何ですか。
  54. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) ざつくばらんに言えば、予算をたくさんもらいたいということもあります。でありますが、そういうさもしい考え方だけでこれを規定したわけではございません。年度々々に予算をとりますので、勿論現在の状況において昭和二十七年度、二十八年度、二十九年度の第一次三カ年計画において、現在よりもだんだんと住宅に対する補助費が減つて行くというようなことは考えられません。考えられませんが、経済情勢も変動しておりますし、或いは社会情勢の変動によりまして、予算項目の中に住宅建設よりもウエイトの強いものが出て来るという場合がございます。そういう場合は結局高度の社会性を帯びたものは創られてしまうのが日本の官僚予算といいますか、予算編成の常道であります。その意味においては国会承認したものに対しては少くとも権威があるのでありまして、場合によつては、法律において国の財政の許す範囲においてというのはこれは枕言葉であつて、実際は国会承認をした計画案に対する実施の費用は当然政府がこれを計上すべしということも、本法律成立後には政府に対して言い得ると思いますし、なおこれを言わなくても、政府も当然国会尊重の建前からこの予算の計上を図るであろう、こういう考えでいるわけであります。ただこの法律規定の字句の上から申しますと、計画案承認でありましてこれが国会の議決によつて政府に対して予算の編成を強制をする意味は持つておりません。
  55. 赤木正雄

    赤木正雄君 これに関連して一つお伺いいたします。三カ年計画でありますから、その二カ年を一期として計上するようでありますが、先ず三カ年である以上には、大体第一期の三カ年にはどれだけ家を建てるか、こういうふうの計画をお持ちのことと思いますが、それはわかつているのですか。
  56. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 勿論第一期三カ年計画に対しましては、昭和二十七年度に何戸、二十八年度に何戸、三十九年度に何戸というように考えております。現在までの状態から申上げますと、御参考までに申上げますが、昭和二十年度におきまして概数だけ申上げますが、八万一千戸、二十一年度において四万七千戸、二十二年度四万一千戸、二十三年度三万九千戸、二十四年度二万六千戸、二十五年度二万七千戸、こういうふうな状況が続いておりますが、二十六年度は殖えております。少くとも二十三年度から四年、五年、六年と殖えているのであります。この上昇線はどうしても辿りたい。なおこの点に対してはもう少しこの程度上げて行きたいということを考えております。なおちよつとお断り申上げますが、三十四年度、二十五年が二十二年度年度に比べてうんと減つているのではないかというようなあれもありますが、これは建築費の高い不燃建築物を築造いたしておりますので、戸数においては幾らか減つている分もありますが、予算的に見て見れば減つておりませんということを附加えて置きます。
  57. 赤木正雄

    赤木正雄君 二十七年度からの最初の三カ年はどれほどお作りになる御予定ですか。そこまでお考えになつておりませんか。
  58. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) これは結局三カ年だけでは結論が出ないと思います。もう少し先まで見通しまして現在の不足数を、十年十五年ということになると思いますが、公営住宅金融公庫の貸付による融資住宅というものを総合しまして、いわゆる基本的な対策を政府としましては頭へ入れておいて、その中の公営住宅の三カ年計画、こういうことで政府としましては立案をいたしたいと思つておりますが、それにつきましてはまだ建設省の中にも住宅対策審議会というものもございますし、そういう機関を通じてよく検討いたしまして実施いたしたいと考えております。
  59. 赤木正雄

    赤木正雄君 今お話通りに三カ年の計画と申しましても財政的の都合でどうなるかわからない。それならば財政的の計画がなくては三カ年計画も本当のペーパー・プランになりまして意味がない。そういうことになりますから、これは計画は三カ年の継続計画でも、財政は継続的の予算は計上されません。そういう観点からむしろ毎年々々一期となさつたほうがよいのじやありませんか。実際問題としてそのときの情勢に応じて或いはたくさん作る。国家財政が豊かになつたらたくさん作る、そのほうが実際に適しませんか。
  60. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 現実に赤木先生の御発言は非常に御尤もなところがあることを認めます。併し私たちはここに一つの政治的な感覚を狙つたのでございます。それは三百万戸の厖大もないところの不足住宅に対しまして、一年に二万戸や三万戸作つてつても我々の家はいつできるかという心が国民大衆にあるわけであります。勿論現在住宅対策が大きく考えられなければならないという立場から考えますと、少くとも国会承認を得た三カ年計画に対しましては、政府もこれが重要性と権威を考えまして、少くとも政府が独自で組むところの予算と違いまして、予算を大幅に計上するであろうということは常識的に考えられるわけであります。同時に三カ年計画、即ち第一年次の昭和二十七年度には何戸、二十八年度には何戸、二十九年度には何戸ということですから、立案されて国会承認を得、而も現実的の可能性を多く持つて国民の前に提示せられるときには、住宅難に悩む国民に明るい希望を與えるということが考えられます。これが一つ目的であります。もう一つは、今まで敷地造成敷地の取得という問題に対して非常に隘路がありました。年度に対しては勿論、本年度は三月三十一日に予算が上つておりますので、四月、五月に起案して七月、八月に予算が組めるのでありますが、前には七月、八月頃まで暫定予算を組んだようなときもあります。こういうような場合になりますと、実施設計が十月で、降雪期を前にした十二月に発注しなければならない。実施計画実施予算がきまらない場合には、敷地に対しても手が出せないということもありますので、現実にはその年度の事業年度内にでき上らないということがあるわけであります。そうして全く泥棒をつかまえて縄をなうというような恰好で、比較的安く、早く、安直に入るものというので、排水、衛生その他全然考えないで田圃の中や堤防敷地内に建物を作るというような公営住宅がたくさんあつたのでありますが、少くとも文化的に健康な生活を営めるという表題を掲げるところの公営住宅建設に対しては、先ず第一次に敷地造成、取得に対して全力を挙げなきやならぬということに対しましては、予算財政法によりまして御承知のように年度々々に組んでおりますが、継続事業の中の一つとして敷地の購入費を充てるのではなく、その年度内に消費するものは、計画案は別でありまして、予算執行面と計画ということを嚴密にこうだということをお考えにならないで、いわゆる三カ年計画というものが実施せられるということによつて、それを目標にして適当なる敷地があつた場合、これが取得も第年度、第二年度において行なつて行きたい。その場合第一年度の二十七年より二十八年はより効率的に作られるでありましようし、二十九年度は二十八年度よりもより効率的に住宅建設せられるであろうという目的のために本条を規定したわけであります。
  61. 赤木正雄

    赤木正雄君 今御説明通りに仮に二十七年度には百万、二十八年度には二百万、二十九年度には三百万、そういうふうな計画を仮に作つたといたしまして、成るほど国民はそれで非常に喜びを感ずるでありましよう。併しその逆に若しもそういうふうなことを国会で言つていながら、国家財政関係からして二十七年度には百万、二十八年度には五十万しかできない、二十九年度は三十万しかできぬというと、ますます我々が国民の信用をなくすると、こういうことにもなりますから、やはり着実な観点からして一年の計画のほうが国民に対してむしろ安心ではないか、或いは国会としてあなたの御提案のように非常に土地関係なんかありましよう。併し国民に信用を得るといいますか、同氏に安心感を與えさせることが、これは実際物を與えてこそ我々の本当の使命なので、そんな空な、できるとかできぬことはこれは結局予算ですからして予算の伴わぬようなプランを作りましては却つてよくないのではないでしようか。
  62. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 一応の理論だと思いますが、現実の問題として考えますときに、衆参両院が議決をした法案であつて而もこの法案によつて作られる三カ年計画という問題は、そう絵に画くごとき餅は画かないのであります。その意味においてお互いの良識によつてできるだけ多く建てようという際限一ぱいの数字を出したのでありますから、この計画は可能な際限内にあるということは認定できると思います。と同時になお予算は、協賛議会でなく議決議会でありますので、我々の承認を與えたものに対して勿論現実と非常にとび離れた数字は作らないのでありまして、両院が承認を與えただけの年次計画に対して予算を組ませることは、お互いに衆参両院の良識を以て一つ大いにやれると、こういうふうに考えておりますと同時に、これからはこう申すと変でありますが、全くの議会政治が行われて行くのでありますから今までのようなことはない。今年よりも来年、又講和が済めば我々が承認を與えた三カ年計画というものは、政府は絶対に予算に計上せしめ得ると、そうして国民に対しては絶対に空手形を発行することはない、断じてないと、かように考えております。
  63. 赤木正雄

    赤木正雄君 田中さんの御説明は誠にそういうふうに行けば我々も安心なんです。併し実際問題はそう順調に行かない、行かないときに国民に失望を與えるよりは実際のことをやつて行く、これが今日の日本の財政状態である、こう思います。もう一つの衆参両院できめたことは無論政府もやると思いますが、政府を強要できませんから、やはり国の今日の情勢を考えてやる、それが我々の務めだと思います。その観点から三カ年計画よりはむしろ一年々々予算を殖やすようにしてやるほうが、実際に適するのではないか、こういうように思いますが……。
  64. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これは先輩赤木先生の御議論でありますので、全く拜聽に値はするのでありますが、ただ一つだけ(笑声)どうしても三カ年計画を立てたいという案があるのであります。それはなぜかと申しますと、いわゆる一年定々の計画を立てて参りますと、敷地の買収ができない、こういうのであります。三万年計画を立てて行きますと、又ぞろ二十八年度に雪が降るようになつてから敷地を見付けておつては大変だから、今までさんざんそれで困つておりますので、前車の轍を見て後車の戒めとなすというので、二十七年度の分は今から見付けておこう。二十七年度予算で以て早急に土地を買いたい。二十七、八年度の目標が立つた場合はできるだけ二十八年度の分も行なつて行きたい。それには一年計画では如何せん今の状態でありますので、何とか一つ三カ年計画を作るほうがいいではないか、こういうふうに考えたのでありまして、而も、三カ年計画は現在の三百万戸の不足のものを、十年間に亘つて一年に三十万戸ずつ建てるというような非現実的なものでなく、実際の財政事情と見合わして、我々の良識によつて可能な財源一ぱいという計画を立てるのでありますので、年次計画作つて行くよりも多少プラスになる、こういう観点で本条を規定しておる次第であります。
  65. 赤木正雄

    赤木正雄君 そこで政府のほうに伺いますが二十七年度から三カ年という提案者の御説明がございましたが、政府はこれに対してどういうお考えを持つておりますか。どれだけ家を建るという内容がありますか。
  66. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) これは先ほど申しましたように、この公営住宅ばかりでなく、総合的に考えなければなりませんが、いろいろ理想案はすぐにもできるのでありますが、財政上過去の実績等も考えて見なければなりませんので、今すぐにここでどういう計画をということはお答えしかねるのでありますが、今まで大体公営住宅としましては、少くも五万戸程度のものは不足だというので、いずれも折衝しておりますが、財政関係でその通りになつておりません。結局その程度のことで全体を見通して行くということになるのではないかと思いますが、的確な数字は今お答えいたしかねると思います。
  67. 赤木正雄

    赤木正雄君 この問題についてはこれ以上質問いたしませんが、私はやはりこういうふうな技術問題でありますから、大体どういうときにどれだけ家を建てる、三カ年にはどれだけ建てるというような具体的な計画のあつて然るべきで、これが審議する以上安心ができないと思いますが、これについてはもう質問いたしません。
  68. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これは衆議院の建設委員会の立案でありますので、率直に申上げたいと思いますが、こういう問題につきましては参議院の諸先生がたも一つ大いに研究して頂いて、本法案実施せられるまでには十分成案を得たいと、こういうふうに考えておるのでありますが、申遅れまして恐れ入りますが……。(笑声)
  69. 田中一

    田中一君 八条の災害によつて滅失した住宅の第二種公営住宅には三分の二を補助すると書いてありますが、七条の初めにある第二種公営住宅建設にも三分の二を補助しなければならない……、これは建設三カ年計画に基くところの分……。そして災害をやつた場合には臨時に三分の二の補助をして住宅を作らなければならんという規定なんですか。
  70. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 臨時に支出するつもりであります。
  71. 田中一

    田中一君 それでは臨時にどのくらい、一、二にあります地震、暴風雨又火災、こうしたものをやつた場合に、二十七度は予備費といいますか、どのくらい予算として計上せられる意思ですか。
  72. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。現在の状態では昭和二十一年度から住宅に対する災害の補助を行なつておるのでありますが、二十一年度から二十五年度まで合せて一万五千四百五十余戸であります。二十六年度に対する災害予備費は御承知通り百億でありますので、これの中で河川の災害も住宅の災害もあらゆる災害をやつておるのであります。勿論このような少額のものではどうにもならないと思います。これは災害が起きた都度々々臨時に追加予算の計上をしてやつておりますので、二十七年度に対しましては、現在のところ私といたしましては、何百億円この災害に対して計上するというような数字までは持つておりませんが、本法案が通過した後には政府から一つ別途に災害の費用を何らかの形において計上してもらうということを考えておるのであります。
  73. 田中一

    田中一君 非常におかしいと思うのですがね。災害によつて生じた補助金、これをここに規定してあるのですね。滅失した住宅の戸数の三割、それから一、二と全部規定してありますが、併し見込がなければいわゆる災害復旧の費用も取れんと思うのですが、大体見当が、はつきり補助しなければならないと規定してあるのですから、一応の統計的な見通し、これがなければこういうことは書けないはずだと思うのです。
  74. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。只今内訳を申上げればよかつたのでありますが、二十一年に千二百戸、二十二年度において三千戸、二十三年度において六千戸、二十四年度において八百戸、二十五年度において約四千五百戸、合計一万五千四百戸でありまして、これが五カ年の平均は三千戸であります。三千戸に対して坪単価を掛けて行きますと、この程度のものは当然出し得るということを考えておるわけであります。なおこの法律には三分の二を補助しなければならないというのでありますから、政府予算的措置を講じなければならないわけであります。それから戸数の三割というのはどういうことかといいますと、大体三割ぐらいが応急的に疲弊したところの地方財政及び被災害者に対して必要なのでありまして、大体通例といたしましてはあとの七割程度は自費で以て行われておりますので、それで限度を三割と規定したわけであります。
  75. 田中一

    田中一君 異常な天然現象といいますのは何ですか。
  76. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。地震、暴風雨、洪水、高潮等を書きましたが、このほかにも災害がたくさんあるわけであります。地辷りとか、それから陥沒とか、それから龍巻とか、いろいろな天然災害であるわけでありまして、そういうものを一一規定するのがむずかしいので、その他の異常な天然現象と、こう書いてあります。
  77. 田中一

    田中一君 戸数が被災地今全域で五百戸以上の住宅が散在している地辷りなんということは、ちよつと想像つかんのですがね。何か別に考え方があつて書いたのではないですか。又その程度のものであるならば、もう少しはつきり明示したほうがいいのではないですか。あなたのおつしやるように地辷りとか陷沒とかということがあるのだから。
  78. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これは田中さんは爆撃などの場合じやないかということをきつとお考えになるかも知れませんが、そういうことを規定しておるのではありません。地震、暴風雨、高潮という、いわゆる異常なる天然現象によります災害であります。災害の定義というものがぴしつとしておれば、こういうふうに地震、暴風雨等を書かないでいいのでございますが、災害の定義は現在の法律でははつきりしておりません。だからこそ類燒によるところの火災も災害だという論が両院の議員間において非常に問題になつたことがありまして、今までは火災に対しては全然補助対象にはならなかつたのが、特別なる事例によつて熱海その他が対象になつておるような状態がありますが、実際これは地震、暴風雨、洪水、高潮、地辷り、地盤沈下と書いても全部書けないので、やはり最後にその他異常なると書かなければならないのでありまして、結局そういうものを書くよりも、大まかなものを二、三挙げて、その他という中に残余のものを全部含めると、こういうのであります。
  79. 赤木正雄

    赤木正雄君 この中にやはり火災がありますが、火災も御承知通り漏電なんかはこれは不可抗力といえば不可抗力であります。そういうものは止むを得んといたしましても、特に放火とか何とかで燒けた場合ですね、それまでこれに入るのですね。
  80. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 入りません。火災の場合は火災保險がありますので、放火をされたからといつて、どうもこれは非常にむずかしいのでありまして、現在国庫補助を行なつておらないというのが大体の原則でありまして、火災は火災保險があるのでありますから、これをこの中に含んでおりません。
  81. 赤木正雄

    赤木正雄君 それならば結構です。放火なんかをやつて、これに加わつてはとんでもないことだと思うのです。
  82. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 放火の場合一戸という対象でお答えしたのでありますが、放火の場合でも火災は火災でありますので、火災が二百戸以上に跨つた場合、若しくは一市町村の全戸数の一割を燃した場合はこの対象になるわけであります。
  83. 赤木正雄

    赤木正雄君 わかりましたが、やはり今日日本では火災で毎年々々多数の家が燒けますから、仮に先ほど申しました通りに、自然火災、不可抗力の火災、これは止むを得んといたしましても、今申す原因の惡いことによつて起つた火災、これに対しては、單にその家が燒けたのみならず、今後の火災をなくする方法といたしましてやはり相当の条項をこれに加えたほうがよくないのでしようか。それはお互いに單に自分の家のみならず、自分の村、自分の町を守る、そういう観点からも一応入れたほうが私は今後の火災を防ぐという意味からも十分だと思いますが、如何でしようか。
  84. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 御尤もな御議論でありますが、火災に対して国庫補助を行うとか又別なる補助の施策をとるということは、これは一つこの法案とは別に火災というものに対してなんとか別な法案を作ることが至当であつて、この法案の中に入れるということはちよつと行き過ぎではないかと考えるわけであります。
  85. 赤木正雄

    赤木正雄君 私はそういうふうに不合理な原因によつて起つたものを補助対象にしない、しないで、それはお互いにその町村の人、地方の人全体に、そういうことがあつて補助になりませんぞという日頃の観念をよく養つて置こう、そういう意味なんです。
  86. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) それは確かにそういうのでありますが、実際において失火であり放火であるとを問わず、いわゆる一つの火災が二百戸以上になつたとか、一町村の中で一万以上も燃えた場合は、社会的な住宅行政の面から災害の復旧に対して何とかしなければならない、こういう観点に立つてこの条文規定いたしたのでありまして、こういうことをやりましたために、火災は幾らつても国からもらえるのだから、少し燃えるよりも却つて二百戸以上になつたほうがいいというふうになられたら、これは私ども心外なのでありまして、私たちの考では、いわゆる住宅行政上こういうものに対しても枠を拡げて行かなければならんという観点から規定いたしたわけであります。
  87. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  88. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) 速記を始めて下さい。
  89. 田中一

    田中一君 今の天然現象、これは海岸侵觸というのですか、ああいうものも無論含まれるのですね。兵庫県なんか相当あるのです、海岸がだんだん減つて行くのが。それは天然現象ですね。
  90. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 勿論海岸侵觸は全国的な今状態でありまして、侵觸のために建物が崩壊をしたというような場合は含まれるわけであります。
  91. 田中一

    田中一君 第九条の2の「建設大臣は、前項の規定による提出書類を審査し適当と認めるときは、国の補助金の交付を決定し、」とある。この適当と認めるというのは、一応建設省から基準を示しておいてその基準に合格したという意味ですか。それとも先般の地方選挙のように、社会党の知事ができればもう平衡交付金はやらんぞというような、伝家の宝刀の意味を以て、党略的に使う意味で以てこれは書いてあるのですか。それとも一応の基準を示してあるのならば、それに合格すると、あとは初めにありましたように、国の予算限度とありましたね、そういうように規定してあれば、一応の基準が定まれば確定権というものは要らないのじやないかと思うのです。
  92. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 全く「適当と認めるときは、」というのは、法律上主務大臣いわゆる「建設大臣は」という資格がありますので、こういうことを書くのでありますが、大体の基準に合格しておるものは当然認可をいたすわけでありますし、地方選挙に云々と言われましたが、こういうことは自由党議員だけの提案ではありませんで、共産党を除く各党議員の提案法案でありますので、いずれか政府を取ることがありますので、そういうことは絶対に意図しておりませんことをここに明言申上げます。
  93. 田中一

    田中一君 平衡交付金も地方財政のために欠くべからざる制度であるのでありますが、これを党利党略に使つているのが今の自由党の現状なんです。これを何とかもつと適当な言葉に改める方法はないものでしようか。
  94. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 適当と認めるというのは、適当なものにするというのは、一人で以てやつちやいけないからといつて審議会を作つたり委員会を作つたりというのですが、その審議会、委員会のメンバーも又自由党色ではないかと、こう言われるとどうにもならないので、これこそ国会に行政監察委員会もありますので、そのように不当な措置をとらせないということと、自由党の大臣は特に建設大臣はそういうことをやつておりませんから、一つ御了承願います。
  95. 田中一

    田中一君 提案者がそういうことはないとおつしやれば結構です。  それから第十条の、一応地方公共団体から規格に合つたものを持つて来る、これだけのものを作りたいと言つて来た場合に、それに対していわゆる建設大臣が適当と認めまして一応の枠を渡すという場合、その公共団体が測らざる財政上の問題から、それが実施が困難だという場合には、従来それを返還しておりますね。そういう場合にはこれはどういうことになるのですか、その扱い方は。
  96. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 大体は国の補助予算が少いのでありまして、国が割当る額よりも地方から要求して来る額のほうが多いようであります。併しときたま町村施工の工事等によりましては、負担金が時間的に間に合わないために本年度は返納いたして来年度に倍額もらいたいというようなことがありますが、この場合やはり国が事業主体としてやるのではなく、国は一定の補助率を以て補助をするのでありますから、その市町村が工事が行えないという場合は、補助金でありますので、返還を命じて、補助をもらえるならば地元負担を行なつて地方公共団体で行えるという可能な府県地方公共団体に廻すという現行の措置で行く以外にないのであります。
  97. 田中一

    田中一君 私先般宮崎県に参りましたが、延岡市は相当戸数がそのままになつております。まだその予算を握つておる。そうして四月に参つたのですが、もう到底初めの予算ではできるものではない。それを半分にしてもできないのです。そのために業者に強要しておるわけです。そういう事例があります。それから返還したことについては、東京都が六百七十何戸でしたか、返還しました。京都市が二、三百戸返還したことを承知しております。こういうことは三カ年計画を以てやる場合、次年度に廻すということが今の予算の編成上できないとすれば、罰則を設けてもいいと思うのです。そうして二月頃或いは三月頃になつて、できんから返して来る。そうすると住宅局長非常に困るだろうと思うのです。こういう場合には何かそれに制裁する、制裁して家が建たなければ又国民が困るのですけれども、何かこれに対する方法をとらないと、今のところは物価も一応安定しているような姿に見えておりますけれども、併し又日本がするのじやない、外国が又どんな真似を始めて、又その煽りを日本が食う、こういうことはもう昨年の朝鮮事変以来我々は身を以てまざまざと体験いたしておるのです。それだからといつて、そうした莫大な金額を東京都で、たしか私の記憶違いでなければ六百だか七百だかのものを返した。こういうことに対して金を返せばいいのだ、併し金を返すと建設省はその金をもらいましても処置のしようがない。その金を建設省が勇敢にそれを大蔵省に返してくれればいいが、これを返さんで、何かあつちこつち探し歩いて無理なおつけをしている現状です。こういう点について、これを規正するような方法をとる意思があるかないか。
  98. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 御質問にお答えします。そういう場合に対して懲罰規定を設けるということはちよつと考え得るのでありますが、事実規定をすることはちよつとむずかしいと思いますのは、地方民が大体において公営住宅を造らなければならない、こういうことは相当熾烈に考えておるわけであります。その燃え上る熱意に対して国が補助をし、公営住宅建設に拍車をかけたい、こういうのでありますので、実際においてできなかつたから処罰をするということは、ちよつと補助という面から考えて少し行き過ぎではないかと考えます。併し実際の制裁は行なつております。これはなぜかと申しますと、今年度返還をしたものに対しては来年度国庫補助を減しております。東京都から六百戸の返還があつた場合、国のほうでは、どうせこれだけ要求をして、これだけ補助をしても、昨年度の実績が悪くてできないだろうから、今年度は二割減しかやらない、こういうことを建設省はとつておりますし、建設委員会も現実的にそういうことを要求しております。なおこの制裁を行わなくても、監督官庁が適切なる措置をとれば十分これはてきるのであります。私たちの立場からいいますと、地方庁の工事が行えなかつたというのは、地方庁だけが悪いのではなく、建設省の監督も一部において悪いことを認めなければならないということと、もう一つ国会予算を早く出さなかつたということもこれは認めなければならんというのは、大体その年度におけるところの計画とか、実施予算を組んで工事施行に着手するのが十月か十一月になつてしまうのです。これは日本の官庁は皆そうなんです。どういうことかと申しますと、地方庁に補助をしてやる場合には、その補助の額を決定して地方議会がその予算を組む、こういうのでありますから時間的に物凄いずれがある。こういうことをやつておりますので、国庫補助工事というものは全面的に遅れております。これはその意味において私たちは三月年度をとらないで暦年度、いわゆる一月から十二月でない場合……、雪の多い東北、北海道地方では雪が降つてから年度工事をやらなければならんということがありましてこれは三月三十一日までにその年度予算を組んで、実施計画を五月三十一日までに本省に提示して、本省はこれを許可しなければならない。そして工事は六月の一日にはかからなければならない。こうすればはつきりするのです。ところが予算をやり放しにしておきまして、実際そういう措置はとつておらんのです。だから三月三十一日になつてもまだできない。東京都におきましては昭和二十五年度公営住宅が現在まだ六割しかできておりません。実際かかるのは今年の九月くらいになります。そのために返還をいたしますと、去年のようなことを又繰返すと、来年度予算建設省からもらえない。東京都では八千万円か一億円の見舞金を企図いたしまして、国庫補助工事に対しては幾らか見舞を出すから、請負人は損を覚悟でやつてくれと、各工事を促して進めておるのでありまして、これは建設省の処置当を得ればかかることはないと思うのであります。
  99. 田中一

    田中一君 併し二十五年度においては京都並びに東京、大阪は返還しておるのです。これを申請して許可のとれたものに対しては建てなければならないという制裁が欲しいのじやないかと思うのですが……。
  100. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) これは実際鉄筋コンクリートの家を建てるにいたしましても、戦災都市が中心になりますが、そういう戰災都市というものはやはり疲弊しておりますし、どうしても金の余裕がないわけです。而も都市というものの政治事情というものは非常に混沌としておる。まさに各党並立のような状態でありまして、これが追加予算の編成に対しては、全く地方議会の党利党略といいますか、こういう問題が随所に見受けられるために、実際破棄しなければならないというような場合が多く認められるのでありますが、実際大都市を除くところで以て返還して来たというふうな事例はないようであります。だから建設省の割当の、今まで六カ年に亘るところの割当の実績に鑑みますと、もうすでに的確なるデータが出ておるはずでありますから、完全になし得るという見通しを付けた上に、その見通しによつて割当をするということになればこの問題は解決するのであつて、いわゆる住宅をたくさん造つてやろうというような恩典的な法律を作りながら、ごまかしたら制裁を加えるぞというようなことまでごつく考えたくない、こういうふうに立案者としては上品に考えております。
  101. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  102. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) 速記始めて。
  103. 田中一

    田中一君 家賃の決定の項ですが、十二条ですが、家賃算定の基準ですね、これを一応建設省がどういう形でこれを持つて行くか、いわゆる常識的にいつて投資ですね、投資に対する償却年数……、鉄筋の場合は幾ら、何の場合は幾らという一応の基準はあると思うのですが、これが家賃算定の基準になると思うのですが、一応建設省の持つておる案をお示し願いたいと思うのです。
  104. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) 家賃は、国庫補助を差引きまして建設省が半額を支拂うといたしまして、木造でありますと二十年、鉄筋コンクリート或いはコンクリート・ブロツクの場合は五十年、それから利率は六分、大体起債によりまして借入れます金がそういう程度のものでありますから、そうして起債をいたしまして、ここに書いてありますように修繕費をそれに加えるわけであります。
  105. 田中一

    田中一君 三項のこの家賃の減免の条件といいますか、どのくらいに家賃を減額するか、これは先ほども厚生委員会並びに在外同胞引揚委員会のかたがたの言われた通り第三種的或いは第四種的な住宅になるわけなんですね、減額ということがありますと……。これはどういう基準をお考えになつておられるのですか、お尋ねいたします。
  106. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。減額するというのは、これはみんな減免して行つたのでは大変なのでありますが、いわゆる低額所得者を入れるということでありまして、実際に事情を調査した場合に、全然家賃を拂う能力がないとかという場合は、今まではこういう者を減免することができなかつたのでありますが、今度租税の問題で新らしく法律が改正されたようでありますが、いわゆる特殊な事情生活環境等を十分に個人的に審査をしまして、個々別々に審査をいたしまして、その結果当然徴収することができないと、支拂の能力がない、ないというよりも場合によつては要保護者として生活保護費を出してやらなければいかんという人があるわけであります。そのような場合適切で当と認めた場合に対しては減免をすることができると、こういうふうな除外例的な規定のために減免を設けました。
  107. 田中一

    田中一君 第二十二条の公営住宅の明渡の条文に関連しまして、第二の「家賃を三カ月以上滞納したとき。」と、これは特別の事情のある場合ということに当はまる可能性が多分にあるのじやないかと思うのです。例えば四月目には金が入る、或いは四月半、五月目には金が入るのだ、併しながら三月はどうも滞納になるのじやと、これは特別の事情じやないかと思うのです。これはいわゆる減免よりも何というのか、延期ですね。こういうものを考えますと、この二十二条に関連して、家賃を三月以上滞納したときというのが不法なように考えられるのです。
  108. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 大体これは先ほども厚生委員会からの御質問もありましたが、大体借家法によりますと六カ月であります。六カ月は、家賃を正規に納めておつても、家主が独自の見解において明渡を請求する期間は六カ月であります。この場合は家賃を滞納すること三カ月に及ぶ、いわゆる二分の一に抑えたわけでありますが、三カ月というても現実には四カ月、五カ月、六カ月ということになるのでありましようが、実際はこれは非常に困窮者が入つておる、低額所得者が入つておるというので、三カ月と規定をいたしましても、五カ月六カ月になるということが想像できるわけであります。ただこういうものは一つの罰則規定ともいう性格を持つものでありまして、常識的に考えてプラスの人間はこういうことはないのでありますが、不正の行為によつて入居をしておる人や、特に六カ月まではいいのだということを考えて、あと三カ月まではいいのだということを考える場合に、三カ月と規定したのでありまして、実際どうにもならないという入居者であつた場合には、場合によつては減免もするというのでありますから、これが延納の処置も認めるし、四カ月か五カ月か、六カ月、三カ月を経過した者は直ちに強制執行を行う、滞納処分を行うというのでは全然ありません。ただこの三カ月ということを規定して置かないと、不正にやりました場合、若しくは故意に三カ月までは納めないでいいのだということがまま現在の日本人にはあるようであります。これはもう立退料をもらつてからなお一年間も立退かない日本人があることの現況に鑑みまして六カ月を三カ月といたしたのでありまして、これを六カ月と延すまでもないと、こういうふうに考えております。
  109. 田中一

    田中一君 国民の税金でやるものですから、いわゆる悪家主の例にならんように運営をうまくやつてもらうようにして……、修正もどうも不可能らしいから何も申しません。併しながら第十三条の敷金の徴収、これは一体どういうことなんですか。敷金をこうした公共性あるものに取ると、無論いわゆる公共家主が大体まあ三月ぐらいの敷金を取るのでしよう、三月の敷金を取つて、その上に相殺するということになつておりますが、どうもこれは昔の悪家主と似たような性格を持つているので、敷金というものを一応考えられるかどうか。もう一つはこの敷金ですね、恐らくこの敷金は管理者が自分のうちの金庫へ現金をしまつて瞬いているものじやないと思うのです。そうすると無論防犯というか、盗まれちや困るから銀行に預金すると思うのです。その場合に銀行に預金する敷金が、これは利子は要らんよといつても、銀行は利子をつけてくれるのです。この利子はどういうことになるのか、この条文には一つもないのですが、この利子を、不当なる収入をその公共団体が得ることになるのです。こういう点は、これは今日の情勢、今あなたが日本人はどうも悪い癖があるとおつしやるけれども、私はどうもこの事業主体も人の金を預かつて利子もやらん、自分でそれを流用したり、或いは銀行へ預けて利子を稼ぐということは絶対初めから私は反対したいのです。
  110. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 敷金を取るというのは、これはただ軍に悪家主だというので以て取るということは全然ない、これは社会通念上文もう一つは今までの例がずつと、ただ家主は……、良識ある、国家補助をし、地方公共団体が高度の社会施設として投資をしたものでありまして、悪家主のようなことになることは絶対にないのであります。  それで勿論これは敷金に対しては高率なものを取るというのではなくて、常識的な前例として取るだけでありまして、現在のように六疊一間五万円とか八万円とかいうのではない。三カ月のものとういことになると、木造八坪にして月六百円とすると千八費目であるから、少くともこの程度のものをやはり敷金は取るほうが常識ではないかと思います。  もう一つは全額国庫補助というものはなくて、いわゆる恩典的なものではないというのでありまして、これは一つ入居者のプライドということを考えても、その程度のものを納めて私は当然の権利として入つておるのだという国民的矜持を持つてもらいたいという希望を持つておるわけであります。  もう一つ低額所得者を入居せしめるのでその条件に対してもやはりむつかしいわけであります。ただ若し全額回収不能になつてもいいということは考えられないので、住宅金融公庫の貸付金のように厳密なる回収を図らなくちやならないというだけで、一つの営利ではないが少くとも只ではないということであるから、これが入居者の選定等に対してもやはり三カ月くらいの……、二カ月乃至三カ月、現在公営住宅の行なつておるところの額を超えない、でき得ればそれよりも低額の敷金を取るということが妥当ではないか、こういうふうに考えております。  なお利子の問題はこれは普通の今の保証金のようなものを長く返さないというのではなく、全くの双務契約でありまして、金を預かる代りに非常に安く、国の補助ももらい、公共事業として公共団体が税金を以て賄つた金さえ出して住宅を提供しておるのでありますから、勿論両方が権利と義務を併立して持つておるのでありますから、この程度のものを取ることは私は不合理ではないと思います。而も銀行に預託した場合利子が当然つくのでありますから、これは地方財政の建前からいつても些細なる利子を地方庁に雑收入として入れてもいいのではないか、こう考えております。
  111. 田中一

    田中一君 私はこの点だけは一歩も譲らんつもりでおります。曾つての東京都の実情を聞くと、東京都のこれは金庫にそのまま保管しているというような答弁でありましたが、併し、私らはこれは東京都の財政を調べる権能を持たないので詳しく調べていませんか、聞くところによりますと、これを流用されておる。約七百万円、これは東京都は敷金を預かつておる。この利子は仮に月一割にすると七十万円になる。これは今そのくらいのことはおつしやるけれども、これは大問題です。私の知つている家主も、これは無論敷金というものはちやんと利子を天引して預金から削つてつております。これは良風でありまして、これはもう敷金の利子をそのまま地方庁が、些細なものですが、些細なものを自分でふところに入れてしまう。これが雑収入とか何とかわけのわからん支出に用いられるのではなかろうかという疑問を持たれることは、地方行政の明朗化の面から見ても甚だ遺憾だと思うのです。この点敷金だけは必らずその利子を付して、敷金は預けておるものなのですから、これは拂う。私の知つている家主でもみな毎月々々利子を家賃から返しております。これだけは改めて欲しいと思います。
  112. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 田中さんの言われることも私十分納得するのであります。但しこれは普通の家主と違いまして、営利企業でないということと、もう一つ地方庁も結局今乏しい財源の中から起債等によりまして利子を佛つてつておりますし、この目標が大体償還期限二十年、而も家賃の算定等に対しましては、他から借入れる利息等も十分原価計算を行なつて、この法律案によるところの公営住宅を作る、高度の社会政策を行うのだという根本趣旨に反しないような嚴密なる入居者の選定及び家賃の決定及び回収不能になつた場合の処置ということも考えられておりますので、一般の家主のように、この利子が些細であるからということは、私の少し言い過ぎだつたと思いますが、これを地方庁が一応受入れてもそれほど非難せられることではないじやないか、というのはでき得れば財源さえ許すならば、現在の地方庁としてはどんどん作りたいというのでありますから、早く、又この条文をずつと御覧になつて頂くと、或る一定の年限が経過した場合入居者がこれを買取りたいという場合は、どんどん買取つて頂きたい、そしてその回収した金でなお新らしい公営住宅をどんどん作つて行く、それのみでなく、初めは非常に低額所得者であつたものが、その後の進歩によつて高額所得者になつたという場合これを買取りたいという人にも分割しようと、こういうのでありますから、そういう金の結局行きつくところは、新らしく理想に向つてどんどんとこの種の建設を行なつて行きたいということでありますので、これが使途を明確にしておいて、このようなものを絶対に雑収入として他に流用したりしないということを取扱規則又は政令で規定した場合、あなたの言われるようなマイナスは起らないのではないかと思います。
  113. 田中一

    田中一君 提案者からこの点を法律では明確にそれを規定できんから政令でそれを定めるというお返事がはつきりと出ましたならば満足します。併し、それも地方公共団体が……えてしてこういう不明瞭な金は横に流れて行くものです。殊に当然他人の金を預かつておる、いわゆる困窮者の、店子の金を預かつて置いて、それに対して預かつた金に利子がついた、その利子を些細なものだから云々とおつしやる。それも訂正しましたけれども、私は些細なものだから返してくれというのです。さもなければこの低額家賃というものは、敷金の利子は拂わんけれども、これはそのために低額家賃になつておるのだということを明記して頂きたいのです。政令か何かで……。
  114. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 田中さんの御質問に対してお答えいたしますが、実際返すこともいいという考えを私も持つております。併しこれは非常にたくさんな入居者に対して毎月々々利子を返すということも非常に煩雑ではありますし、特にこの問題につきましては、利子は他のものに流用しないということを政令に規定することと、なお実際これを分譲した費用やそれから敷金の利子等は挙げて公営住宅の増設という費用に廻されるのが原則でありまするし、なおそのような利子がある場合は、この家賃が不当のものでなく、社会情勢の変化、経済事情の変動等によつてなお且つ耐用年限が非常に過ぎたものとかいうものは、相手が相手であるだけに十分その特殊事情を審査をして、条例によつて幅を持たしてあるわけであります。勿論こういう収入がある場合、当然家賃がだんだん減つて行く、低額家賃になつて行く、場合によつたならば、今三種公営住宅に我々が収容しようと思うような人に将来貸付けて、現在二種におる人が一種に移り、一種の人が住宅金融公庫建物に移るというようなことが非常に希望なのでありまして、これが詳細につきましては政令で明確にすることを申上げて置きます。
  115. 田中一

    田中一君 提案者法律作つておるわけでありまして、運営は、政令を作るのは無論住宅局長がやられるのですから、住宅局長からはつきりと明言して頂きたいのです。この点は、仮にこの法律条文によりますと、利子を拂つておるとか敷金預けつ放しということになつておるのです。併しながら政令で、或いは利子はその預けておる者に、預金者に交付するものだということを明記するのもその方法ですし、或いはその利子は、金利は佛わん、併しながらその分は家賃として減免されておるのだということを明記して欲しいし、この問題だけは明らかにして頂きたいと思います。この点の御意思はどうか、局長からお聞きしたい。
  116. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) この法律施行になりました場合には、建設省としましてはこの敷金の使途につきましては十分監督をいたしたいと思います。具体的にはこれらの管理に関することは一切地方条例で決定することになりますが、その条例基準建設省が示すことになつておりまするから、その際にこれははつきりいたしたいと思つております。
  117. 田中一

    田中一君 今の御説明で満足します。それからこの法律は借地借家法とどちらが先行するものですか、どちらが先に効力を持つものですか。
  118. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。法律は新しいほど効力があるのでありまして、本法が先行いたします。併し実際はこの種のいろいろな問題に対しまして特に借地借家法と本法というのは、罰則規定やそれから回収不能になつた場合の明渡しに対しての御質問であろうと思いますが、本法は借家法のごとくいわゆる双務契約ということだけを対象にしてこれが紛争の解決を図る法律ではなく、困窮者又び低額所得者に対して、国は、地方公共団体は何とかして全額でも国庫補助を行ないたい。但しなかなか全額までは行かないので、現段階においては第一種、第二種の程度において高度の社会政策を行おうということに主眼目を置いておりますので、先行する、優先するとはいいながら、いわゆる入居者にマイナスをもたらすような事項に対しましては、借家法のほうが先行するとお答えしたほうが適切であろうと思います。
  119. 田中一

    田中一君 どうも私今の御説明は判断に苦しむのです。これは或いは提案者にこれ以上追及するのも如阿かと思いますから、追及しませんが、この点は局長が政令を作つて、そうして関係をよくお調べ願つて、少くともこの提案者がおつしやつているような困窮者に住宅を供給するという主眼なんですから、少くとも居住者と入居者が不利になるような形のものになつてはならないと思います。こういう点は政令で十分注意して頂きたいと思います。
  120. 小川久義

    ○小川久義君 質疑も相当進行しましたので、この辺で質疑を打切りまして、すでに修正案に対してOKをとりに行つておる事情もありますので、一応質疑は打切りまして、それがOKが来たときには直ちに討論採決に入るということにお進め願いたいと思います。
  121. 田中一

    田中一君 もう一、二点お願いいたします。先ほど在外引揚委員会のかたがたから質問がありましたが、二十三条に「公営住宅監理員は、事業主体の長がその職員のうちから命ずる。」ということになつております。  それから第十六条入居者の募集方法にはこのように規定しておりますが、一体この公営住宅監理員という者はどこに居住してどういう職務を以て監理するのか、その点をお伺いしたいと思います。
  122. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) 集団住宅等の場合は今までの例としましては、その団地の中の一住宅を使用いたして監理ではなく管理を、円満なる管理を行いつつやつておるわけでありますが、そうではなく小住宅が個々ばらばらになつておる場合は、全然別な普通の公務員として自宅から通勤をしながら管理を行なつておるというような状態であります。
  123. 田中一

    田中一君 今日までの補助住宅がことごとく優先的に、例えば二十あるアパート、その管理をする者が優先的に居住しておる、これが実情です。団地計画もその通り、然らばこの入居者の募集方法の規定と非常に反するわけなんです。こういう点についてこの法律施行するに当つて建設省はどういう考えを持つておるか。又いま一、二点言われたような政令に書かれてしまうか、こういう点を若し政令に書かれて、一人でも多く居住させるという趣旨に副うならば、どういう方法で以てこれを監理員がこの監理をするか、或いは優先的に入つてはいけないということを政令できめるか、そういう点を明確にお示し願いたいと思うのです。
  124. 伊東五郎

    政府委員伊東五郎君) この監理員というのは必ずしもその住宅のある場所に住んでおらなければならんということまで考えておりません。公務員でありますから、單に家賃の取立てというようなことだけでなしに、東京都なら東京都営の住宅について維持監理とかその他いろいろな住宅をいい形に維持して行くということに専念して行く職員でありますので、必ずしも入居者の選定のこととは関係しないと思つております。現在御指摘のような監理者が住宅の一部を優先的に特別の割当を受けるというようなことをやつておるところもあるようでありますが、たくさん住宅があるうちの極く僅かな部分についてはそういうことも将来とも考えられると思いますが、原則的に監理員が僅かな住宅の一部を優先的に占めるということは好ましくないと考えております。
  125. 田中一

    田中一君 それでは政令でそれを、公営住宅の監理に任ずる者も第十六条に規定する方法によつて募集しなければならないということを政令によつておきめになるつもりですか、つもりでないですか。
  126. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) お答えいたします。これは私もそういう感覚を持つております。事実これは建設省、国が補助をして実際の公営住宅を作らせる場合は、非常にその趣旨は立派なんですが、地方に行きますと、抽籖を行うということをいいながらも、実際入るのはよくも又同じところの人ばかり当るものだと思うくらいの実情もあります。こういうことは特殊な人を、而も第一種より第二種というような特定の人を入れなければならないという本法の精神とは逆行するわけであります。そういう意味におきましては、私たちも立法の責任者でありますので、実際この法律施行せられた後もなお十分立案者として監視を怠らないわけでありますし、特別小地域内に優先的にこの監理者が入るというようなことは排除せられなければならなんということは考えております。なお建設省がただこういうことを政令を以て、監理者は入つてはならないということを規定するわけにも行きませんし、入る場合はその限度を明確にするということもなかなかむずかしいというので、これは建設省が、いわゆる地方公共団体本法の精神に逆行するがごとき措置をとらざること、とつた場合は適当なる処置をするというくらいな決意を表明することによつて解決して頂きたい。私たちもこれに対しては十分なる監視の目を持たなければならん、こう考えております。
  127. 田中一

    田中一君 これは職務を以て監理員がその監理という役目を以て居住するということはあり得るのです。これは又あつたほうが便利なんです。併しながらそれも公平な、法律で定められたところの募集方法によらなければならないということを規定するのでありまして、政令できめるのに何ら困難はないと思うのです。
  128. 田中角榮

    衆議院議員田中角榮君) ただこれは公務員はその都度募集をするのではなく、いわゆる現在の公務員の中で適当なる者を任命いたすのでありますから、その人が住居を持つている場合は勿論その住居から通勤をいたしまして、監理をせしめることにいたしますし、この公務員その者が第二種公営住宅に入るような……入れなければならないような条件に適格する者であるならば、これは審査の対象になり、多少そこに優先的なものも認められると思います。これは今までの殆んどの公営住宅のように第一種、第二種のものに対しましては抽籖だけを以て行わないというのでありまして、今度参議院で修正の御意見の非常ないい点は、特に厚生大臣と協議をしなければならない。現在各府県が行なつているような土木部長の考えだけでやるのではなく、そういう面に対する専管の部長であるところの民生部長等が十分権限を持つというのでありますから、これに適合しないような人を入れるということは、これは社会の多大なる指彈を受けることでありましてこういうことは断じてなさしめないという考えを持つております。
  129. 田中一

    田中一君 質疑を終ります。
  130. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) 先ほど小川君から、本法案につきましてはこの辺で質疑を打ち切りたいという動議がありましたが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  131. 小林英三

    ○委員長(小林英三君) それでは質疑はこれにて打ち切ることにいたします。なお明日は本法案のほかに軽井沢国際親善文化観光都市建設法案土地収用法案、北上川開発法案その他陳情、請願を議題に供したいと思います。本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十九分散会  出席者は左の通り    委員長     小林 英三君    理事            岩崎正三郎君            赤木 正雄君            小川 久義君    委員            平井 太郎君            深水 六郎君            田中  一君            徳川 宗敬君            東   隆君   衆議院議員            田中 角榮君   政府委員    建設省住宅局長 伊東 五郎君   事務局側    常任委員会專門    員       武田  篤君    常任委員会專門    員       菊地 璋三君