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衆議院議員(
田中角榮君)
衆議院でこの
提案に至りますまでには自由党、民主党、社会党、共産党を除いた殆んどの諸派が相当
研究いたしたのでありますが、これに対しては簡単に申上げますと、抜本的に
考えまして
明治二十九年の
法律と同じような
法律であ
つて現行道路法は大正八年の
制定であります。そうしますとだんだん
社会性を帯びて来ており、現在に近い
状態で以て作られた
法律案としては同種のものである。
現行道路法は御
承知の
通り附帯工事は
原因者負担であります。勿論現在の
状態において……、
国家権力の非常に強い
明治時代に作られた
河川法でありますので、このようなことで
通りましたのですが、現在の
状態から
考えますと、これを逆に見まして、
国家が
工事を必要とした場合、その
附帯工事は云云ということは別に、今度
私鉄、その他
河川に対する
工事を
附帯工事として行う場合は、当然
原因者が
負担するわけです。ところがその
河川にいわゆる
樋管を作る
農業用排水の問題とか、
鉄道が独自の立場において工場を行う、それがために
附帯工事として何川の一部
改修を行うという場合は、当然
原因者負担にな
つているわけです。ところが
国家権力の非常に強い
時代の
法律そのままで以て、
ただ国が行うものだけは今まで
通り国が行う。そういう全然
時代に逆行した
法律でありますので、少くとも何とかしてこの一部でも
改正したいと、これを
関係方面に持
つて行きましたときに、非常にこの
改正案の文面がむずかしいというので、何とかもう少しすらつとわかるような
法律案にならないかという
質問がありましたが、これは全く当然のことでありまして、二十九年に
作つた法律そのものが非常に古い
古色蒼然たるものであります。ところがこの一部だけを
改正する場合、やはりこの前後の字句を法文の体裁というものに合わさなければならんので、こういうものになるのですが、内容的には旧
憲法から新
憲法に移行したところの
精神を非常に活かしておるということを
説明しておるのでありまして、その面においても
一つどうしても全文の
改正、まさに
法律案文の全体からも
改正をして来なければならん。そういう表現の
方法からも変えて来なければならん
法律でありますが、ともかく現在の
状態においては一部を
改正することにいたして、この新
憲法の
精神を十分に活かしたい。そういう両者の間に均衡を失しておるものと、
公共の
精神に反しておるものとのバランスをとりたい。もう
一つは二十六
年度の
予算に入
つておらないのに、どうして
衆議院の
建長委員会がこれを今
国会に通過を図るように
提案をしたかという問題でありますが、これは現在参議院の
建設委員会でも同じだと思います。私
たちは
治山治水という面に対しては相当な努力もし、且つ
実施面に
重点を置くことは勿論でありますが、こういう面に対しても同等の
重点を置いておるわけでございます。いわゆる二十六
年度を起点とする
治山治水五ケ年
計画という問題を
研究いたしております場合は、審査をいたす対象として、当然計直を遂行する場合、立案する場合この問題が
解決しない場合は、五ケ年
計画が六カ年になるか七カ年になるか、全然今のところ予測が付かない
状態であります。勿論
国費の
執行面につきましては、その
年度片々の
財政面から来るところの制約から、おのずから
予算の
総額はきめられるのでありますが、我々
建設委員会として
治山治水問題に対しては、これから多くの
計画を七カ年が五カ年に、五カ年が三カ年になるように、これが立案、
計画、
実施に支障を来すようなものは早急にこれを取除いて行くということは当然
考えられるわけでございます。その面におきますと、
建設省の
只今の
説明は、
現実面に対する
説明でありますが、これを
建設委員会として
逆論を申上げますというと、現在
建設省が立てております五カ年
計画を遂行するためには、現在の法規上においては、殆んどその資力を持たない
地方鉄道等が、
負担金の捻出を如何にして行うかという目途がつかない場合は、
建設省の立
つた五カ年
計画は、まさに画餅に帰するわけでありますが、その
意味におきましては二十六年、すでに来年、再来年の
実施計画を立てておるさなかでありますので、それに対しましては少くとも先の見通しが確実に立つような、そうして
計画と
実施が完全にマツチするようにするためにはどうしても今のうちに本法を
改正して置きたい。
改正して置かなければその見込が殆んど立たなくなるのではないかという
考えから、本
国会に何とかしてお通しを願いたいということを申上げたのであります。