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1951-03-06 第10回国会 参議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月六日(火曜日)    午前十時五十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○河川道路、都市及び建築等各種事  業並びに国土その他諸計画に関する  調査の件  (災害復旧に関する件)   —————————————
  2. 小林英三

    委員長(小林英三君) それでは只今から建設委員会を開会いたします。
  3. 赤木正雄

    赤木正雄君 この間から安定本部にお伺いしておる引き続きを又お尋ねします。この間砂防のこと、それから河川道路のことをやりましたが、今日は砂防のことを一つ伺いたいと思います。この前はこの委員会大臣長官は、今までの比率にはないで、必要な事業は思い切つて予算を付けておる、こういうように委員会でおつしやいましたが、私もその通りだと思います。如何なる事業でも必要とあれば従来の比例によるべきものじやない。これはすべての公共事業費をそういう方向に持つて行くべきだと思います。その点では同感でありますが、併し一つのその仕事をする場合に、仮に家を一軒建てる場合にも、向うにも土台の杭を打つ、或いは隣りのほうにも土台の杭を打つ、杭ばかりほうぼうに打つていて一軒も家が建たんというふうなことになり、何ら建設にならない。だからして杭を打てばやはり先ず家を一軒作つて行く。それから次に又一軒作つて行く、こういうふうな割合で行くべきである。そういう観点から申しますと、この間からして安定本部局長お話している通りに、砂防の三十三億に対して治山の四十億、これは二十七億にあとの災害が約十三億で四十億、こういうふうに両方予算が非常に不釣合である。なぜならば、砂防治山に対して治山一、或いは砂防の二五に対して治山の一、これは我々が長年やつて来た実験の結果であります。そういうふうでありますから、三十三億に対して四十億というのは非常に不均衡で、言換えれば一つ家そのものが完全にできない。今まで建設省仕事と、それから農林省仕事を成るべく緊密に不都合のないように仕事をせよということは、国会でしばしば申しますし、又政府もそういうことを言つておられるのでありますが、かような不都合予算では完全な仕事はできないことは明らかであります。この点もすでに私は二回申しました。でありますから、これを重ねて責めようと思いません。今後こういうふうな予算に対してどういうふうの処置をおとりになるか、この考えをお伺いしたい。
  4. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 只今赤委員から、山林の問題と砂防の問題との釣合いの問題をいろいろ御質問になりましたが、私どもといたしましても、山林の問題、それから砂防の問題、それから河川の問題、その釣合ということにつきましては留意しておるわけでございまして、私どもといたしましては、砂防は二十五年度に比較いたしまして、二十六年度は飛躍的に仕事をして頂くべきだ、そういうふうに考えておる次第でございます。それから二十六年度の現在の砂防で以て我々十分とは考えておりませんが、とにかく予算が急に増加するということは、例えば計画の問題、陣容の問題で、そう飛躍的に増加するということも施行上いろいろの隘路があると思いまして、とにかく二十五年度十八億に対しまして、まあ三十三億、我々といたしましては、砂防を相当重点的に考えているということをお答えいたしたいと思います。
  5. 赤木正雄

    赤木正雄君 今の局長の御答弁は私の言いかたが悪かつたか知りませんが、私の質問要旨に触れていない。先ず申しますが、今局長は十八億の予算に対して三十三億というように厖大に予算が増しておると言う。それはその通りであります。併しそれは何ら局長の御答弁に当るべきものではないと私は思います。というのは、この前の委員会大臣言つた通りに、必要な事業ならば思い切つて支出如何にかかわらず事業を拡張する。いや大臣でなくて長官がおつしやつたが、その通りであります。砂防の要するに百何十億という金を要求してある、それに対して三十三億は決して大きくない、又局長は仮に急に増しても仕事ができないとおつしやいますが、物価がだんだん高くなつておる今日に四十億、或いは五十億の砂防費があつてもそれができない。そういう趣旨のことをおつしやつた、それから今三十三億とおつしやいましたが、なお私は重ねてお尋ねいたしますが、初め閣議では四十二億五千万円、こういうふうになつたものが、なぜ砂防限つて特に三十三億に減じたのでしようか。ほかの公共事業費の減じた割合に対して砂防が非常にたくさん減じてある、これは長官が重大な仕事ならば思い切つて仕事をするとおつしやつたが、その趣旨に反する、こういうふうに思いますが、この四十二億五千万円に対して、三十三億に減じたその真意はどこにあるのか、それを承わりたい。
  6. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 今赤木委員の御質問最初は、砂防が多かつたそれが非常に減つたというお話でございましたけれども、それは最初公共事業費の枠の大きいときのお話でございまして、それから圧縮いたします場合にどうするかということでございますけれども、実は我々最初公共事業費を配分いたしますときに砂防は重点的に考えておる、ところが公共事業費の枠が一般に小さくなりますと、ほかの部分は最低限度にやつておりますので、そう圧縮するというところまで行かない。砂防は我々としては最初からずつと重点的にやつておりまして、ほかとのバランスで、ほかはどうしても最低まで行つておるのですが、砂防最初から我々としては殖やしてあるので、公共事業一般の枠が減らされるときに必然的にそういうふうになつたのであります。
  7. 赤木正雄

    赤木正雄君 それは先ほどから私が申す通りに、この前の委員会長官がおつしやつた趣旨に反する、重要な仕事があるならば、それは支出如何にかかわらず重要な仕事は思い切つてやるとおつしやつたその御方針とは反するように私は考える。それからもう一つ先の私の質問要旨は、農林関係治水費砂防費との不釣合、それをどうなさるか。それは各官庁のことでありますからして、又安定本部としてもお忙しい中で調査なされますから、ときにはこういうミスと申しては甚だ失礼かも知れませんが、過ちのあることはありましよう、併し一方は仮に三十三億の予算に対して、一方は四十億、こういう不合理予算では完全なる仕事ができない、この不合理をどうなさるお考えか、それを私は先に質問したのですが、それに対しては一向御答弁がないのでありますが、済んだことはしようがありません。又この前の前の委員会でも、このことについては安定本部としてこの次までに考えて、ここで答弁するというお言葉を聞いております。それに対してまだ御答弁がないのです。私は先ほど申した通り追及しようとは思いませんが、こういう不合理を今後はどういうふうになさるか、或いは二十七年度は災害復旧に対してどういう構想をお持ちになつておるか、そのお考えを聞きたい。もうすでに予算も衆議院を通過したのでありますので、今これを直しなさい、そういうことを言うのではない。その不合理に対して今後の考えをどうなさるかということを聞きたいのです。
  8. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 実は山林砂防と、それから治水に関しましては、一応一貫した計画作つてつておるわけでございますけれども、その計画はまだ我々は完全だとは思つておりません。その計画を今後ますます完全にいたしまして、三者の間に不合理のないようにやつて行きたい、そういうふうに思つております。それからもう一つさつき災害お話が出ましたけれども、あれは今度災害国庫補助規定改正に当りまして、山腹砂防或いは渓流砂防、そういうものとの間に、この前御指摘のありましたような齟齬のないように我々といたしましては努力いたすつもりでございます。
  9. 赤木正雄

    赤木正雄君 山腹砂防渓流砂防との間に齟齬のないようにするとおつしやいますが、山腹砂防はこれは決して農林省所管限つたものではありません。建設省もやはり山腹砂防の一部を受持つべき大きな使命を持つておる。これは私は機会を見て建設省かたにお伺いしようと思つております。一体最近建設省山腹砂防をどういうふうに考えておられるか。一向山腹砂防をやつておられない。これではあの砂防法にも反する。こういうふうに私は考えております。でありますから、山腹砂防渓流砂防の問題ではなしに、一体全然仕事のなかつたときにこれを災害復旧として仕事をやる、これは農林省のやりかたであります。又建設省仕事があつて、崩壊したときに、これを復旧する場合には、崩壊した山腹砂防に対してさえも災害復旧として認めていない現状である。これに対して今後はどういうふうな考えをお持ちになるのか、これに対してもう一遍承わりたいと思います。
  10. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 農林省所管山腹の問題と、それから砂防の問題でございますけれども先ほど申上げましたように、今度の法律改正に当りまして、施設のあるものに限つて災害復旧をするというふうに閣議決定をしまして、不日こちらに法律案が来ると思いますので、そういうふうに考えて頂きたい。
  11. 赤木正雄

    赤木正雄君 その災害復旧に対しては、その法案が出たときに又検討いたしますが、この際私は附加えて希望を申します。例えて申しますと、昭和九年のあの全国的な大水害に対して、兵庫県と鳥取、島根、岡山、京都、この一府四県に対しては、今まで仕事はしていなかつた。砂防工事を施すべき場所に対して、これをどうするかという問題が起つた。併し予算がない、今局長のお説によりますと、仕事のあつたものに限つて仕事をする、これはもう御尤もと思います。併し今私が申すのはこの一府四県に対して仕事はなかつたが、併しこれをこのままに放置しておくと、とんでもないことになるというので、特に第二予備金から百二十五万円今日では百二十五万円は僅かでありますが、そのときの百二十五万円は相当大きな金でありますが、その予備金の百二十五万円を出した。そうしてその箇所にそれぞれ仕事をしたのであります。でありますから、こういう事実のあつた、又それをしないと実際困るというふうな観点がありますから、この災害復旧費はどういうふうに変るか知れませんが、そういう打捨てて置くことができんそういうものに対しては、これは特にお考えを払つてもらわないと実際困るのは国民であります。のみならず、それがだんだん崩壊が増大して、河川にも害を及ぼして、結局税金が水に流されるのでありますが、この点については局長はどういうお考えを持つておりますでしようか。
  12. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 只今私の申上げましたことは、今度の法律案でどういうふうに改正するかということを申上げたのでございますけれども只今赤木委員のおつしやいましたのは、施設のない場合で緊急やむを得ざる場合はどうするかというお尋ねと思いますけれども、我々といたしましても、緊急でもう是非捨て置きがたい、それを来年度まで待つことができないというものに対しては、これは或る程度考えなければならんと思つております。
  13. 赤木正雄

    赤木正雄君 その点はよくわかりました。次にお伺いしたいのは直轄砂防府県砂防の点であります。この御配付になりました会計予算を見ますと、直轄砂防事業として二十八河川が挙げてあります。この二十八河川というのはどこどこなのでしようか。
  14. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 直轄河川の二十八河川というのは、大体去年継続いたしました河川をやることにいたしております。
  15. 赤木正雄

    赤木正雄君 その点はわかりました。次に安定本部といたしましては、これは事実かどうか知りません。私は公共事業課長と折衝したわけでありませんから……。府県砂防工事が粗末でよくない。直轄事業はそれに反して非常に立派である。であるからして、だんだん直轄事業にこの砂防費を用いて、府県事業のほうを減らそう、事実そういう結果に二十六年度の予算ではなるかならないか存じませんが、そういうことを聞いたのでありますが、安定本部といたしましては、果してそういうお考えをお持ちになつているかどうか、先ずそういうお考えをお持ちになつているなら、直轄砂防はどういう場所直轄砂防としてなさるのか、現在のあの砂防法によつて直轄砂防をすべきが本当だと思いますが、これに対する安定本部のお考えを聞きたい。
  16. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 只今赤木委員の御質問になりました、府県砂防は粗雑であるということは、我々思つておりません。それから直轄砂防でありますけれども、それは砂防法によつてやるというふうに考えている次第であります。
  17. 赤木正雄

    赤木正雄君 私は今日実は公共事業課長のおいでを願つて公共事業課長に私の意見を聞いてもらおうと思つたのです。というのは、公共事業課長がそういうことを強く言つておられると私存じますので、直接にこれはもう局長のお指揮の下に公共事業課長はすベての予算を編成なさつておりますが、直接その衝に当る公共事業課長がそういうふうなお考えをお特ちになつていることはとんでもないことで、その点を事実を持つてお会いしようと思つたのですが、今日は公共事業課長が見えておりませんからその点は略します。次に、この間長官はこの公共事業に対しては、安定本部といたしましても、又公共事業所管している各省といたしましても、緊密な連繋をとつてやる、こういうふうに言われました。事実そういうふうにやつてもらわんと困りますが、私はここに一つ安定本部のほうにお伺いしたいのは、やはり公共事業安定本部のほうで按配なさる場合に、その事業によく興味を持つ人のいるといないとは非常に事業の按分のほうに影響することは、これは当然のことでございます。その意味からいたしまして、これは局長のよく御承知通りに、砂防事業一般土木事業とは少し趣が異なり、その際に安定本部にはやはり砂防に携わつた人が誰もおられないのじやないか、この間長官はすべての技術者安定本部におつて皆やるようなことをおつしやいましたが、事実はそうでない、無論河川関係技術者安定本部におられまして、このかたがたが公平になさるべきと思いますが、併し実際事業の真髄を御承知かたがその衝にいるといないとは非常に予算の上に影響するもので、この点について安定本部には砂防関係の人が誰もいない、従つて先ほど申した四十二億五千万円の予算が三十三億になつてしまう、こういうふうなことを思うのです。これに対して局長はどういうふうに今後なさるお考えですか。
  18. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 実は安定本部の中に各種専門技術家、エキスパートを入れたい、そういうふうに思つている次第でございますけれども、定員の関係や何かでなかなかそこまで廻りかねる次第でございますけれども、今おつしやいました御趣旨は十分体しまして、今後に処して行きたいと、そういうふうに御了承を願いたいと思います。
  19. 赤木正雄

    赤木正雄君 私が進駐軍かたとよくほうぼう歩きます。そのときに進駐軍かたが、例えて申しますと、岐阜県の養老方面砂防事業、或いはその他ほうぼうにありますが、それを御覧になつて、一体これは直轄でやつたか、或いはこれは府県でやつたかということをよく尋ねます。ところが先ほど直轄府県仕事のことを申しましたが、養老方面砂防のごときは全部府県事業であります。而もその成績が非常にいいので、なぜこういうふうに砂防をやらないか、そういうふうの詰問を受けました。又今度来られておりますローラーミルク氏にいたしましても、或る地方砂防御覧になつて、それは階段状にできている砂防でございます。これは実に立派な仕事だ、今世界で砂防をやつているのは日本とイタリアとフランスよりほかにない、而も自分は日本に来てこういう立派な仕事を初めて見たと、私はこの間ローラーミルク氏に会つて話を聞きました。これが府県事業であります。そういうふうでありますからして、決して直轄事業のみがいい仕事ではない、これは先ほど局長が言う通りでありますが、そういう事実をよく把握されまして、又今まで府県事業は悪いとは……私もその点はよく存じております。決して私は府県事業がいいとは思いませんが、私は率直に申上げますと、最近の府県事業に対しては随分小言を申したい点がある。併し悪いからと言つて、それで予算をやらないというのは私は間違いであつて、若しも府県事業が悪ければ、それをだんだんいいほうに導くのが我々多少先輩の務めで、又お互いの務めであります。でありますから、公共事業課長が、先ほど申しますように、直轄工事はいいから仕事をやるのだ、府県事業は悪いからやらないのだというような仮に間違つたお考えをお持ちならば、これは局長はしつかりこの点のお考え直しを願いたい。そうして折角砂防にいたしましても、建設省砂防直轄工事として要求しておる金、府県事業として要求しておる金、これは先ず府県事業の三・五に対して直轄工事は一ぐらいの割合です。又私どもが長年やつて来た観点からしても、府県事業の四に対して直轄工事の一、それを急に府県事業が悪いから、こういうふうな偏見を以てこの予算を按分されるということは、これは非常に面白くないと思いますから、この点は特にお考え願いたい。これは要望して今後の安定本部のなさりかたを私は十分監視したいと思います。国民と共にその有様を見て行きたいと思います。と申しますのは申すまでもなく最近は一体予算を作るにしましても、建設関係のこういう予算は私どもから言うならば議員が作つてそれを会計に廻す。これが本來の形ですが、そこまでまだ進んでおりませんから、あなたがたの作られた予算一般国民の要望に反しては困る、そういう点を強く申して置きます。もう一つ直轄工事に仮に十万円の予算があるならば、十万円だけ、これはあなたの御承知通り、併し府県に十万円の予算があるならば、それに又五万円加えまして十五万円の仕事ができる、事業が非常に増すのであります。これは御承知通りであります。而も府県財政上の負担は同じことであります。こういう砂防事業を急速にやらなければならん。そういう際に先ほどくれぐれも申したように、公共事業課長に仮に間違つた考えがあるとするならば、それを十分是正されて、これに対する局長のお考え一つ伺いたいと思います。
  20. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 只今赤木委員府県に対する工事が悪い、そういうことを前提條件として府県仕事をやるというようなことは、私どもといたしましては考えておりませんことでございまして、公共事業課長も恐らくそういうことは考えていないと思いますが、そういう考えが若しもあるとすれば、私といたしましては是正さして行くつもりでございます。
  21. 赤木正雄

    赤木正雄君 もう一つ見返資金の、これは砂防に限らず、河川道路もそうでございますが、全部直轄事業に持つて行く。これは向うからの指図なんでありますか、或いは安定本部だけの考えなんですか。どうですか。
  22. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 見返資金最初やりますときに、直轄事業に限りそういう関係筋の指示でありましたので、我々といたしましては、その通りやつたわけであります。
  23. 赤木正雄

    赤木正雄君 それならば向うさんの考えで、これは府県工事でも直轄工事でもいい、そういうふうな考えが仮にあるとすれば、安定本部としてはひとり直轄のみならず、これは府県工事で持つて行くことにやはり賛成なさつていると思いますが、それに対するお考え如何でございましようか。
  24. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 最初関係筋の意図がそういうものでございましたので、我々といたしましては、そういたしたのでございまして、若しもどうでもよかつたということになりますれば、そのときいろいろ研究いたしまして、府県のほうで仕事がありますれば、そうしたかも知れませんけれども、ただそういう前提でやりましたので、まあ直轄工事だけに限つたということでございます。
  25. 赤木正雄

    赤木正雄君 今までのことは言いません。今後のことでありますが、仮に今申した通りに、これは直轄工事に限らない、府県工事でもいいというようなお考えがその筋にあるならば、今後の見返資金、これは今のところありませんが、仮に見返資金が二十七年度に出るというふうな場合には、特にその点をお考え願いたい。
  26. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 今後の問題といたしまして、只今赤木委員の御発言にありましたようなふうになりますれば、我々といたしましても十分考慮してやつて行きたい、そういうふうに思つております。
  27. 赤木正雄

    赤木正雄君 むしろこの点を私は多年道路の研究をしておられる局長といたしましては、ひとり直轄工事のみに限らず、府県事業に対しても見返資金を使つたほうがいいというお考えを進んでお持ち下すつていいと思います。これは御承知通りに、道路のごときは見返資金直轄工事をやつた関係上、却つてその一部府県事業直轄に組まれるというようないろんな事情がありますが、こういうこともよくお差繰り下さつて、むしろ今後万一見返資金が出るというふうな場合には、これは直轄工事に限らず、府県工事でもやると、こういうふうに局長自身から一つ、これからもそうだと思いますが、御協力を願いたいと、こう思います。
  28. 小沢久太郎

    政府委員小沢久太郎君) 実は最初見返資金のときに、直轄だけに限らずに、補助工事ということも入れたいというふうに考えたのでございますが、関係筋にもそのことはいろいろ申上げたのでございますけれども、結論がそういうふうに直轄工事ということになりましたので、二十五年度は直轄工事限つたわけでございますけれども、今後の問題といたしまして、補助工事でもいいということになりますれば、我々といたしましても、その方針で進みたいと、そういうふうに思つております。
  29. 赤木正雄

    赤木正雄君 この間私は不正工事はどういうふうな原因があつてできるかということを申しまして、実はその際に二十五年度と言いますか、少くとも一カ年に起つた不正工事のありかたを承わりたいと思つたのでありますが、遺憾ながら御発表なかつた。仮に私の手許でわかつているだけの不正事実を申しましても、これは土木関係不正行為が国家並びに地方自治団体財政に與えた損害を考えて見ましても、二十二年度からして二十五年度までに架空僞造申請によりまして、補助金工事費等の交付を受けたり、又地方負担分負担せず、或いは横領したものが十件、この数は三千二百二十一万五千円、又架空工事申請によりまして補助金等を受け、仕事をしないで、或いは一部だけして残部を横領したもの、これが二十五件、千三百五十七万円余り、そうして支拂通知書の改竄、納入品目工事内容のごまかし、これが四件、百五十四万五千円、工事の進捗不良、未完成工事完成として僞わつて報告し、又申請工事内容の不当な変更、これは二つで百万円、贈収賄によつて業者に便宜を與えたもの、これは二十三件で二千百六十二万四千円、幽霊人夫架空人夫賃の横領十二件、四千六百二十一万八千円、実際の契約以上の請負契約書の僞造による鞘稼ぎは二件で千四百五十九万円、工事費特に監督費工事外の転用、流用、消費、これが二十件で千七百三十万円、機具資材の横流し、不当な払下げ、これが十三件で五千七百三十万円、物件買収に伴う鞘稼ぎ、これが一件で六十万円、官公吏保管金の着服、これが十五件で千二百八十四万円、その他たくさんありますが、これは略します。こういうふうに非常に土木関係不正行為が起つておりますが、これに対して何か建設省といたしましては、どういうふうに今後これを正しいほうに持つて行くか、案でもお持ちになつておりますでしようか。
  30. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 今お話になりましたことは、府県の分と、或いは地方建設局の分と両方お含みのお話だと存じますが、主としてお話になりましたのは、府県の分だと、こう考えるのであります。府県の分につきましては、御承知通り補給金を出しまして、これが二分の一の補給であるべきものでありますれば、県費二分の一を継ぎ足して初めて工事完成するわけであります。私どもとしましては、昨今の地方財政窮迫状況におきまして、この点が最も心配なんでございます。私自身が各原局の各府県の出張所に対しましても、この点をよく注意して見てくれよということを申しておりまするので、その点は地方財政がだんだんと新らしい地方税制になじむことによつて解決が付いて参るのじやないか、かように思つております。私自身もこれは厖大な補助金を支出します責任者といたしまして、この点は十分注意して参りたいと思います。次に工事費の中でいろいろの鞘稼ぎをやりますとか、或いは幽霊人夫を出すとか、こういつた問題があるわけでございまして、これは府県の分につきましては、的確なる資料を持合せておりませんが地建の例なんかを見て参りまりすと、実体的には或る程度容認できるようなものもあるわけでございまして、いずれにいたしましても、そういつたことは会計法違反の問題でございます。国の会計法違反であるのであるばかりでなく、府県会計法違反でございます。これは決して容認すべき性質のものではないと思います。ただ予算の統計上の問題などで、いろいろ予算の立てかたなどに藉口いたしまして、これを違反を正当化するような論議がありますれば、これは私はいけないことである。むしろそういつた禍根をどうしたらなくするかということに重点を置いてもらわなければならんのじやないかと、かように考えております。従いまして府県地方建設局を通じまして、必要な経費は財務当局としては十分付けるが、併し過剰である経費、或いはこの中でこれらの金というものは必ずしもこれは官吏のポケツトに人つたものばかりではございません。各土木部なり或いは地方建設局としてどうしても出さなければいけないというようなことで、本人といたしましては会計法上これはまずいこととは知りながら、これは世間が認めてくれるのじやないかというようなひとり合点から出して、それが検察庁なり、警察なりの問題になつて表面化したものもあろうかと思います。問題を府県のほうの問題として限定いたしますと、これは地方建設局と異なりまして、直接私どもが監督の目を光らすというようなものではございません。相手が地方の公務員でございまするので、直接的な監督、身分上の監督を府県の吏員に対していたすわけには参らんわけであります。これは内部の工事の監査、中間検査でありますとか、竣工検査でありますとか、或いはその後の経理の取りまとめの際におきまして、かような経費が含まれておることが判明いたしまするならば、それは補助金の対象外の問題として外しまして、そうしてそういつた分については補助金の清算から除外する、こういつた各種の方法を講じまして、府県におきまするこういつた事案の解決策につきましてはやつて参らねばならんと思つております。御承知通り昨年あたりからこの問題が表面化いたしたのでございます。昨年の土木部長の会議におきましても、この問題は一番大きな問題としまして、建設大臣から土木部長全員に対しまして十分徹底いたしたのでございます。何分終戰直後の惰性と申しますか、今頃終戦直後の惰性と申上げていろいろ言いわけにいたすのまどうかと思いますが、そういつた惰性とか、又その間にできましたいろいろ悪い慣習等がまだ抜け切れませんので、この際思い切つてこれが妥結を図らなければ、公共事業、特に建設省関係土木事業の権威のためにも由々しい問題と考えますので、今後府県の問題につきましても、権限のあるなしにかかわらず、この点は十分注意して参らなければならんと思つております。特にこれは赤木委員からのお言葉の中に当然含まれておる問題と思つて申上げますが、例えば府県のこういつた事件の原因というふうなものにつきましても、中央の役人が地方に出張いたしました場合に、いろいろ迷惑をかけるというようなことも、これの一つの原因だと思つております。そういつた問題につきましても、昨年来私どもが口を酢つぱくして部内にも申しておるのでございます。私どもとしても漸次この点は改善に向つておるものと信じておるのであります。次に直轄工事のほうの問題でございまするが、これはそれぞれ事に当りました者から言いますと、会計法規が余り複雑だからとか、或いは予算が適切についていないからと、こういつた言いわけをいたすのであります。これはそういう理由があるからといつて、全面的に幽霊切符を是認するわけにはまいりません。これは最近の検察庁の調査によりましても、地方建設当局の関係者としましても、相当自粛の傾向に参つております。又予算の運用の問題につきましては、私が大蔵省に折衝し、できるだけ合法的な予算を獲得する。併しその代り合法的な予算の範囲内で事を進める、決して世間の疑いを招くような空切符その他の不正な方法で現金を獲得するというようなことのないようにして参りたいと思つております。なお府県に対しまして、本省の職員、これは建設省が全部を占めるというわけではございませんけれども建設省自身がこの府県なり、地建なりの綱紀の粛正に対しまして、建設省自身から一つ迷惑をかけることの少いようにして行こうじやないかということで、部内では強く各原局にも要望しておるような状況でございます。
  31. 赤木正雄

    赤木正雄君 次に地建の受持つておる仕事の中の請負工事でありますが、この請負は一般に公入札されておりますか、指名入札されておりましようか。無論場所によつて違いましようが、大体の方針はどうでございましようか。
  32. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 御承知通り地建の工事は直営が中心でございまして、直営工事の中で人員の不足その他の理由によりまして、請負に出すこともままあるのでございますが、これにつきましては、会計法の原則から申しますと、入札以外の、金額の小さいときは別でございますが、金額の大きい場合におきましては、公入札以外の公入札と申しましても、指名競争入札も含めてでございますが、それ以外の方法は特殊な事情のないときは認められないわけで、その線でやつておるものと思つております。
  33. 赤木正雄

    赤木正雄君 二十五年度の見返資金或いは二十六年度にその残金があるか知れませんが、その見返資金に対して請負工事をやることはやむを得んと私申しましたが、この二十六年度の一般の地建にやるべき直轄予算に対して、これはやはり一部の請負を認められる方針でありますか。或いは見返賞金のような短時間に多額の費用を消化せんならんということもありますまいから、やはり直轄の本旨に基いて直轄でさせる方針でしようか、どうでしようか。
  34. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 二十五年度に施行いたしました見返資金につきましては、これは請負の原則で参りましたので、これの継続分につきましてはこれは請負で続けるほうが妥当と思います。これは原則として請負で続けて参ります。勿論見返資金の中にも一部直営がありますが、これは勿論直営で続けて参ります。それ以外の公共事業につきましては、直営でやるという原則で予算を組んでおるつもりでございます。併し現場におきまして一部直営でできない事情がありますれば、それは請負に一部出すということもあろうかと思いますが、本省といたしましては、直営という建前で予算の計上をいたし、又予算の配付をいたしたいと、かように考えております。
  35. 赤木正雄

    赤木正雄君 直営事業という名目で一部実際請負に付す、そういたしますと、やはり現場の経理は直轄の経理によつてつておりますから、請負者のほうから言うと、税金を納めなくてもいい、こういう利益がある、そういうことがあると私は非常に不合理だと思いますが、これに対して万一そういうものがある場合にはどういうふうに処置されますか。
  36. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 請負に出すのが本筋ではございませんが、直営工事の中で「きりなげ」という制度がございますから、「きりなげ」はあり得ると思います。只今お話になりましたようなことは、私まだ的確なものを承知いたしておるわけではありませんが、よほどその工事の進捗が手詰り等の事情がありまして、そういつたこともこれは全然ないと、私は只今確信を持つて申上げるわけには参らないわけであります。そういつた工事は厳密に申しますれば、或いは職業安定法違反というようなことにもなりますので、そういつた工事が若しも残存しておるような事情がございますれば、そういつた経理につきましては、各現場によく注意いたしまして、そういつたことのないように、若しも請負に出す場合ならば、公明な指名入札の方法によつてやるように今後十分警告を加えて参りたい、かように考えております。
  37. 赤木正雄

    赤木正雄君 公共事業、殊に建設省関係公共事業がだんだん殖えます。殖えます場合に、仮に不正事業がありますと、これは建設省のみならず一般土木の威信を傷つけることが非常に甚だしいものでありますから、それがために却つて公共事業に禍いを来たす、これは誠に困つたことでありますから、今会計課長が言われた通りに、建設省自身も自粛なすつて、それから範を地方に垂れるというふうにお願いしたい。又我々もやはり国民の一人として、又建設省におつた者の一人といたしまして、成るべくこれは建設省として正しいほうに持つて行きたいという考えを持つております。次にお伺いしたいのは、階級制のことでありますが、これは事実がどうか存じませんが、階級制ができた関係上、仮に一つ河川でそこに長くいても定員の関係とか何かで、それ以上の上の地位になるには、やはりその場所を割いてでも、たくさん定員のあるところに行かなければいけない。これは申しますと、こういうわけです。仮に河川事業のごとき、これは河川の状況をよく知らないのでは本当の河川事業はできません。従つて定員はよし少くても、そこに五年なり十年なりいて初めて本当の仕事ができる。併し定員が少いためにそこに長くおつては、その人の昇進の途ができない、こういうようなことが職階制の関係上あるとするならば、これは由々しいことです。現にそういうことがありはせんかと思います。私はつきりしたことは知りませんから、伺いたい。
  38. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 只今お話の点は具体的にその事情を存じませんが、具体的な直轄工事の人事をやります地方建設局長としましては、人事のための人を動かすということは、これは邪道でありまして、できればその河川に長く経験のあるものをそこに置くというのが原則でございます。若しも動かすというふうなことがありますれば、これは当人の昇進とか、或いは俸給とかを考えて、どうしてもそこに置いては気の毒だというようなよほどの事情がなければ、そういうことはいたさないかと思います。これは私も地方建設局のほうからもそういつた不満を聞いたこともございますが、併し私はそういう無理な更迭はやつておるわけではないと思います。併し職階制がああいうふうに確立いたしますと、どうしてもそういうことになり勝ちでございますので、この点は單にこの工事だけの都合じやなしに、場合によつてはそんなこともなきにしもあらずと思いますが、これは全般的に申しますれば、人事院で扱つております職階制全般の問題になつて来るわけでございまして職階制が非常に堅苦しくなりますと、只今赤木委員のおつしやいましたようなことが知らず知らずのうちに起つて来ることになるのじやないか。昔の人事制度に戻れというわけではございませんが、もう少し弾力性のある人事制度が望ましいと、私役人の一員としても考えております。
  39. 赤木正雄

    赤木正雄君 私の質問した要旨はそれなんです。今会計課長の言われた通り職階制の行き過ぎと申しますか、余りこれをやかましく言つたために本当の仕事ができない、若しもそういうことがあつては、今後の土木事業の上に非常に支障がありますから、これは建設省としても一つ人事院にきつく質してもらわなければならんと思います。でありますからして、率直にこういうふうな不都合なことがあるというならば、私どもにおつしやつて下されば、私ども建設省と一緒になつて職階制のための不都合を是正したい、こういう考えを持つております。その意味でお尋ねしておるのですから、どうか御遠慮なしにこれは協力して頂きたいと、こう思つておりますから、お願いします。次にもう一つお伺いしたいのは、地建でこれは調査課と申しますか、その課の名前は知りませんが、そこで地建でやるべき仕事を調査しておられるように承わるのでありますが、そうすると、本省の調査課と言いますか、その関係はどうなつていますか。本省には調査課があるかどうか存じませんが、そういうふうな関係はどうなつておりましようか。
  40. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 只今お話は各地建でやつております。調査課或いは企画課、こういうところでやつておりますのは直轄河川の改修計画、こういつたものの調査の意味ではございませんので、いわゆる地方計画でありますとか、国土計画でありますとか、そういつた問題のことであろうと存じまして、その点でお答え申上げます。建設省には御承知通り監理局の企画課がございまして、ここでは国土計画に即応した地方計画の樹立のために各府県に協力する、こういう態勢をとつておるところでございます。地方計画及び府県計画の樹立のために地方建設局もそれを応援するという立場に立つておりますので、その範囲におきましては、各地方建設局が、地方計画直轄河川を中心とした地方計画の樹立についても、相当深くタッチいたしております。
  41. 赤木正雄

    赤木正雄君 例えて申しますと、この間私は明石から淡路を通りまして、徳島県の撫養に行く自動車渡しの計画を伺つたのです。これは近畿地建で調査した結果を聞いたのですが、併しああいうものを地建で調査する場合には、少くとも本省でその案がいいか悪いか十分練つて、それは登用さるべきものでございます。これはすべてがそうだと思う。どうかいたしますと、地建の行過ぎと言つては甚だ失礼かも知れませんが、本省が留守になつて、或いは本省の計画しないことを、無論今の淡路はこれは本省も計画しておられたと思いますが、本省の考えておられないところを地建が計画しておる。それが地方府県と一緒になりまして、これを世間に発表してしまう、そうすると、これは却つて本省の考えと全然間達つてしまう、そういうふうな昔のように内務省の土木局に調査課というのがあつて、そこで日本全体の調査をやつている、これは中央集権になるかも知れませんが、それのほうが一定の計画に基いて又納得し得るものができるようになるのです。今日の制度はこれは少くともその点が行過ぎと申しますか、非常に変に思います。これに対するお考えはどうでしようか。
  42. 植田俊雄

    政府委員植田俊雄君) 地方建設局には御承知通り企画部というのがございまして、自分の担当します直轄河川直轄道路等の将来計画に対する設計その他の準備をいたすのでございます。先ほども申しましたように、地方計画についても相当の役割を果しております。もう一つは最近新聞等でも私拝見いたしまして、私自身も不思議だと、こう思つておるのでございますが、不思議だというふうなことがあるのでございます。地方建設局直轄してやつてもらわなければならんような工事でございますと、或いは地方建設局に対してそういう案を持込んで来るかも知れません。又現場の地方建設局の係官としましては、そういつた問題に興味を持ちまして、いろいろ研究いたしておるものであろうかと思うのであります。ただ研究段階でございますれば、これは少しも問題はないわけでございます。東京と大阪の間に高速度の道路網を作るというような計画につきましては、これはすぐ実現いたしませんにいたしましても、研究することについては決して悪いことではございませんので、研究の成果を作り、万一世間の輿論なら輿論がそれを作れという事態になりますれば、すぐ自分の脳底から出しましてそれをお役に立てるということは、これは現場の技術官としても必要なことと思います。ただ私考えますのに、最近世間一般におきましては、公共事業に対する関心が非常に強いのでございます。これに対する関心が強うございますなら、自然と地方建設局に対してもいろいろな材料とりと申しますか、いろいろと話に行く。この際にいろいろ係官として構想を持つておりますものがそのままに出て来るこういうことになるのじやないかと私は想像いたしております。最近新聞に出ました二、三のそういつた計画につきましては、建設省といたしまして、本当にタッチして検討したものであるかどうかということについては、私只今のところ存じませんので、これは一つ帰りまして研究いたしますが、研究段階の事柄をあまり早く新聞に出すということは、赤木委員の御指摘の通り決していいこととも存じません。ただ人気とりにはよいかも知れませんが、実行できないときには人気が剥がれるわけでございます。むしろじつくりと計画を立て、或いは或る程度の施行の見通しが付いてから初めて発表すべきではないか。ただ先ほども申しましたように、そういつたことに対して国民の関心が向き、又地方建設局地方計画について相当深く関心を持つております関係上、そういつたことになつたのではないか、かように考えております。地方建設局としては飽くまでも直轄工事をやることを主体といたしております。地方計画に関與いたし、これに応援いたすことは自由だと考えております。又その点につきまして、間違いのないように一つ各地建にも申伝えて置きたいと存じます。
  43. 赤木正雄

    赤木正雄君 その点は私も会計課長と同意見です。要するに私はやはり技術官はどこまでも技術によつて国に奉公して欲しい、よつて国を進展さして欲しい、これは私の主眼なんです。又それが技術官の真の役目だと思います。でありますからして、地建のほうに行けばいろいろとそういう精励文もありましよう。ありましようが、それよりもやはり技術官としてしてもらうことがたくさんあります。今お話のございますように、調査はこれは徹底的にやつて欲しい、自分の調査なすつたところを本省に持つて来て、本省はこれを再調査して、そこで初めて発表なさるべきものと思います。それをせずに、地建がすぐ調査せずに発表されるのは行過ぎだと思うのです。この目的を政治方面に持つて行くということは、これはとんでもない間違いだと思うのです。政治方面の大臣の指揮によつて初めてやるべき問題ですから、間違いのないように一つつて欲しい。技術官は技術官としての本来の生命がどこにあるかということをよく把握して欲しい。私は極端に申しますと、今日の本省の部内においても多少考えを持つておるのです。これは言う時期があつたら言いますが、今は遠慮します。これはややもすると、技術官は自分の本当の考えを離れているのじやないかと思いますが、この点特に我々も非常に懸念をし、今後の技術のありかたについて疑いを持つておるということを特に大臣にお伝え願いたい。私はまだほかにありますが、もうこれで今日はやめておきます。
  44. 田中一

    ○田中一君 河川局にちよつと伺いたいのですが、尼ケ崎、大阪その他の防潮堤を今やつておりますが、地盤沈下の問題が、地下水を吸上げるということに原因があるのじやないかというように研究をされておるようですが、現場を見ますと、未だに地下水を上げなければ工場地区にある工場の運転ができんというような実例があるのです。将来その防潮堤の高さと地盤沈下の問題をどう調節するか、現に大阪などの例を見ますと、工業用水の導入ということを考えております。併しながらこれにも相当の費用かかかるのであつて建設省としては防潮堤を作る反面、地下水問題をどういう工合に処理するかお考えを伺いたいと思います。
  45. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 地下水が地盤沈下の原因をなしておるということは、過去のいろいろの実際の実例やいろいろから大体本質的になつているようでございます。従つて大阪附近の、又最近の工業の進展に伴いまして、現在の水では到底足らないから又地下水の問題が起る。こういう問題もありますが、実は大阪府ともいろいろと相談いたしまして、将来の地下水を上げることに対する何らかの制限をしなければならないということを、大阪府においても考えておられます。併しどうしても水の問題を解決せずに、ただ上げるな、上げるなと言つても、これは解決付きませんので、実はこの水の補給の問題につきまして、今いろいろと具体的な計画を練られておるわけであります。なおこの地盤沈下に対する調査の問題につきましては、実は経済安定本部におかれましても、東京都或いは大阪というものを地域を定めまして、少いながら県費を支出して調査をいたしたいと、こういうふうに進めております。なおGHQ方面からも人が参りまして、この方面の調査も進めておられるというような話も聞いております。なおその具体的な調査の結果につきましては、まだ聞いておりませんが、それらのことにつきまして十分研究いたしたいと存じております。
  46. 田中一

    ○田中一君 大阪の一つの例といたしまして、淀川から水を引こうという計画を以て調査をしているようですが、この場合に取入口を一カ所設けて、そこから此花区或いは大正区、何と言いますか、西区と言いますか、ああいう方面に導入する場合、国としては何かこれに対して何ら補助する意向はないのでしようか。
  47. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) この沈下対策の根本原因といたしまして、地下水の吸上げということが一つの大きな原因であるということが、現在までのところでは一応大体結論的には資料調査の結果判明いたしておる事実でございます。これに対しまして、実は安本災害対策委員会の第三分科会におきましては、この大阪、尼ケ崎地帯の沈下対策につきまして、御承知の防潮堤の問題等と睨み合せまして、根本対策といたしまして、今地下水の吸上げにつきましての対策、具体的にはこれは工業用水に現在主としてなつておりますのでございまするけれども、これに対して大阪市が此花地区工業地帯の工業用水に対しまして、一つ新たに淀川から取水いたしまして、水道用水の施設計画を持つております。実は第三分科会の結論といたしまして、この地下水の吸上げに対する工業用水の対策が、一つの具体的な計画といたしましてはつきりした資料が出ておるのでございます。これに対しまして、実は本年度の補正予算におきましては、実は上水道の関係は一応御承知の公益事業といたしまして、使用料をとつております関係で、一応少い国費の配分の際に、本年度の補正予算の補正分といたしましては、一応国費の対象といたしておりません。それから一応考えかたの原則といたしましては、公益事業で、これは起債の面で、地方債の面で行くべきであろうという考えをとつております。ただ地方債の問題につきましては、二十六年度の各省別の具体的な配分につきましては、総額におきまして非常に圧縮されておりますので、各省別にこれをそれぞれ見るというところまでは結論に達しておりません。根本対策の方向といたしましては、そういう方向を考えております。
  48. 田中一

    ○田中一君 工業用水の水路計画というものは一体どこが所管すべきものなのでしようか。
  49. 石田政夫

    説明員(石田政夫君) これは現在の行政上の取扱いから申しまして、一応予算面におきまして、技術指導は建設省の水道課、それから予算面のいろいろな折衝並びに地方債の面でございますが、こういつた面では一応厚生省の水道課が窓口になりまして、いろいろ折衝を重ねておる状態でございます。
  50. 田中一

    ○田中一君 それは上水道の場合、飲料水の場合じやないのですか。工業用水の場合はどこが……厚生省が持つべきものか疑問じやないでしようか。
  51. 石田政夫

    説明員(石田政夫君) この点につきまして、飲料水の場合と工業用水の場合と若干所管の面におきましても疑義もございます。ございまするが、現在各水道の上水道関係でいろいろ対象箇所を考えて見ますと、工業用水と飲料水と厳密の意味におきまして分け得られないという場合が相当あるのであります。例えば具体的な例を申しますと、川崎市に現在大きな水利工事をやつておりますが、これは川崎市の工業用水と市の市民給水と両方をお願いしております。現在までのところについて、その両方が競合いたしております点につきましては、これは厚生省が一応行政的な予算面の窓口といたしてその衝に当つております。工業用水本来のものに対しまして果して、所管がどうなるか、こういう問題、実はまだ若干疑義もございますが、現実に取扱うのは一応厚生省上建設省と相談しないから、予算の便宜上厚生省がこの予算面並びに起債面の窓口になりまして、この折衝をいたしておるというのが現状でございます。
  52. 田中一

    ○田中一君 それではその所管の問題ははつきりきまつておらないのですか、今建設省と厚生省と相談して、一応厚生省が窓口になつておるということは非常にぼやけておりますが、はつきりどこが所管というのですか。
  53. 石田政夫

    説明員(石田政夫君) 現在のところその点につきましては、まだはつきり結論的にはきまつておりません段階です。
  54. 小林英三

    委員長(小林英三君) どうですか、大体この法案の説明を一応聞いて置きましようか。この辺で……ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止〕
  55. 小林英三

    委員長(小林英三君) それでは速記を始めて、本日の委員会はこれを以て散会いたします。    午後零時十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     小林 英三君    理事            岩崎正三郎君            赤木 正雄君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            深水 六郎君            田中  一君            徳川 宗敬君   政府委員    建設省大臣官房    会計課長    植田 俊雄君    建設省河川局長 目黒 清雄君    経済安定本部建    設交通局長   小沢久太郎君   事務局側    常任委員会專門    員       武井  篤君    常任委員会專門    員       菊地 璋三君   説明員    建設省河川局次    長       伊藤 大三君    経済安定本部建    設交通局公共事    業課      石田 政夫君