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1951-02-20 第10回国会 参議院 建設委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二十日(火曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設省その他の建設事業に関する調  査の件  (昭和二十六年度都市局住宅局、  管理局関係予算に関する件)  (調査報告書の件) ○調査承認要求の件   —————————————
  2. 小川久義

    理事小川久義君) 委員長が車の事故で遅れるということでありますので、代つて会議を開きます。  先ず都市局関係を先にして、それから住宅局関係監理局関係という順序で進めさせて頂きたいと思います。先ず都市局関係では、八嶋局長さんが見えておりますので、先ず局長さんから御説明を伺います。
  3. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 都市局関係昭和二十六年度予算につきまして概略を御説明申上げます。  お手許に今お配りしましたプリントが大体要綱を示しておりますが、多少ぬけたところがありますので補足をさせて頂きたいと思います。「昭和二十六年度予算について」というのでありますが、一般都市計画関係事業費といたしまして予算書に載つておりまするのは三十一億六千三百三十七万二千円という数字なつておるのであります。そこに三十一億六千百万円とありますが、これは三百万円の実は誤り、ミスプリントであります。二百万円加えておいて頂きたいと思います。そのほかに都市災害の分といたしまして、二億三千万円が予算の中に計上されておるのであります。この先ず一般の問題からお話を進めて行きたいと思います。その中で六百二万五千円というのが大体国営公園整備ということになつておるのであります。これは大体前年度金額は殆んど変りはございません。御承知通りに宮城前の広場それから新宿御苑並びに京都御所という方面公園整備計画というのを、国営公園建設審議会におきましていろいろ計画いたしておるのであります。その計画に従いまして来年度こういうようなものを造つていきたい。主といたしましては休憩所照明設備といつたようなもの或いは便所といつたようなもの、或いは芝生あたり整備して簡單な広場を作つて行くというようなことを考えて行きたいと思います。特に又垣根のあたり相当にいたんでおるところがございますためにいろいろと変なものの出入りがあるという点もございますので、そういうところも整備するということを考えておるのでございます。その次に二百万円という数字項目として起しておるのでありますが、これはミスプリントでして、都市計画調査費二百万円という数字が落ちておるのであります。それが先ほどの合計の上におきまして二百万円落ちておるという数字でございます。これは前年度になかつた費用でございますが、都市計画に関しまして漸次大きな問題を取扱つて行かなければならない。殊に橋梁等整備にいたしましても数ヵ町村にまたがりますものがありますが、これは事業の実施に当りまして相当研究をして参らなければならんという点もございますので、それで調査費が載つておるのでございます。  それからその次には都市復興事業補助資金額といたしまして二十二億六千七百二十万円という数字が上つておるのでございますが、これは都市局といたしまして非常に大きな金額に相成つておるのでございます。その内訳備考のところにも書いてございますように、その大宗は戦災復興でございます。御承知のごとくに昨年再検討をいたしましてその結果いろいろと大蔵省、安本方面におきましても多少の査定が加えられたのでございますが、昨年の金額といたしまして大体二百一億という数字が出て参つたわけでありますが、それを五カ年間に完成をしようということに大体方針が政府といたしましても確立いたしたのでございまするが、そのうちで五カ年計画作成後きまりました予算は、本年度の本予算とそれから二十四年度におきまする補正予算があつたのでありまするが、その金額を差引ますというと、残事業といたしまして百六十七億程度に相成つておるのでございまするが、これを昭和二十六年度から四カ年間という計画に相成るのでございます。それの半額を助成して参るということになりまして、ここに載つております金額はそれの四分の一、これを四カ年間で完成して参るということで、その四分の一という金額戰災復興として二十億八千万円という数字が計上されておるのでございます。そのほかに火災復興といたしまして数年前起りました、飯田、能代、それから昨年起りました熱海、鷹巣、上松といつたような大火のありました都市復興事業費を出す。これは本年度補正予算にも多少計上いたされたのでございますが、来年度予算を以ちまして大体広島を除きまして全部完了ということに相成つておるのでございます。その次は港湾地帯整備事業でございますが、これは大阪方面におきまするいわゆる港湾地帯整備して参る。これは大体港湾方面の浚渫の費用と相まちまして、港湾におきまして堀上げました泥を以ちましてそれを蒿上げをして参る。その区域内において区画整理整備して参る。高潮対策一環としてこの問題を取扱つて参るという金額でございます。そのほか高潮対策費用でございますが、昨年ジエーン台風によりまして、大阪阪神間方面相当にやられたのでございまして、本年度補正予算においても多少の金額を計上いたしたわけでございますが、来年度も引続いてそういう方面の仕事をやつて参りたいということでございまして、これがまあ新らしい項目として本年度浮んで参つた費用でございます。これらを合せまして二十二億六千七百二十万円。数字的にもつと詳しく申上げますならば、戰災復興費用が二十億八千四百六十四万五千円、火災復興が六千九百六十四万円、港湾地帯が五千七百八十万円、高潮対策が五千万円という数字でございます。そこに掲げました総額二二十二億六千七百二十万円という数字に相成つておるのでございます。  それからその次は広島長崎特別都市建設でございますが、これは昨年度と大体同じ金額が計上されております。これによりまして戰災復興を初めといたしまして、重要幹線街路公園記念設備を完成し参るという費用でございます。その次は街路事業補助費といたしまして五億百六十六万円という数字が計上されておるのでありますが、これが主といたしましては中小都市育成振興、又大都市におきましても多少こういう費用は計上されております。重要なる幹線街路整備して参りまして、これによつて産業の助長、育成という方面を図りたいという費用でございます。前年度は大体三億程度の計上でありますが、今年度は五億程度なつておるのであります。例の道路局方面におけるマッカーサーの五カ年計画という線に沿うものを選んでおるのでございます。  それからその次は都市水利その他施設整備事業補助費一億一千六百四十八万七千円という数字が計上されておりますが、この内訳はその備考の所にも書いてございますように、都市水利公共施設国体施設防火水槽という項目が載つておるのでございます。都市水利と申しますのは、河川法適用を受けない、又下水道法適用を受けないというような、市内を流れておりまするちよつとした排水路といつたようなものでございますが、これらが自然のままに放置され、荒廃に帰しておりまして、ちよつとした雨が降りますというと非常な災害をもたらすという原因にもなります。又非常に衛生の上におきましても、不潔な状態で伝染病発生原因とも相成ります。これを整備することによりまして、或いは防火要水利方面にも使える。いろいろな方面において非常に便利になります。こうした都市水利整備して参ろうという費用が、これが大体金額といたしまして三千百四十二万七千円という数字が計上されておるのでございます。それから公共施設と申しまするのは、これは市内におきまする、大体公園運動場墓苑といつたようなものの整備図つて参ろう。殊に又自作農によりまして五カ年保有地なつておる地域、従来公園運動場なつておつたのでございますが、これは戰争中一時野菜畑にしたといつたようなために自作農創設といつたような問題が出て参つた。そういうものはそれらを最初計画通り公園運動場として整備して参るという費用が計上されておるのでございます。又墓苑、いわゆる墓地でありますがこれらを整備いたして参りたいというような費用でございます。それから体育施設費用といたしまして大体一千万円を計上されておるのでございますが、これは来年広島方面に全国の国体施設をやつておるのであります。こういう方面整備を主としてやつて参りたいということでございます。それから防火水槽でございますがこれは大体消防庁方面中心なつておるのでございますが市内におきまする貯水槽というものを整備して参る。これは大体マンホール的なものでやつておるのでございますが、これにつきましては消防庁のほうが主管なつておりますが、予算上は一応都市局主管として計上されておる次第でございます。大体これが一般都市計画事業費であります。このほか過年度災害におきまする費用といたしまして、今までやつておりまする継続の費用が合計いたしまして二億三千万円計上されておるのでございます。大体以上が都市局関係主管事業の大要でございます。
  4. 小川久義

    理事小川久義君) 何か御質問ありましたら。
  5. 田中一

    田中一君 この三項の広島長崎特別都市建設事業補助費そのあとで特別都市法案が出ましたが、将来他の都市にも及ぼすということなんでしようか。
  6. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 広島長崎は実は昨年一つ項目を起しましてやりましたので、それはそのまま計上したのでございますが、その他の都市につきましては、目下のところ特別の枠を設定するということは考えておらない次第であります。
  7. 田中一

    田中一君 あの法案を作るときに随分いろいろ問題も多かつたのですが、補助を受けるという含みであの法案ができたように考えられておるのですが、広島長崎の場合と他の特別都市と異なる点、そういう点を一つ見解を御説明願いたいと思います。
  8. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 御承知通り広島長崎という都市は原爆によりまして大きな被害をこうむつた、これによりまして日本に平和をもたらし、世界の平和というものを招来するとても大きな起因になつたということは言えると思うのであります。従いまして広島長崎につきましては特別のいわゆる記念的な施設をして行こうという点が他の都市とは非常に異なつているのじやなかろうか。他の都市におきましてはそれぞれな法律ができまして、そうしてそれに伴う性格を裏付けるような施設をやつて行こうということにはなつておりますが、特に広島長崎につきましては、記念的な施設といつたようなものにつきましては、ほかの都市とはちよつと類を異にしているという意味を以ちまして、この費用の中には特に戰災復興費用も織込む、そのほかにも記念施設という費用も織込みまして、実は特別に計上しておるというような情勢なつておりまして、他の都市につきましては特別の枠は設定いたさないで、ただここにございまする街路事業費補助であるとか、或いは都市水利その他の施設費補助といつたようなことの枠によりまして、必要な施設というものを補助して参りたいという工合に実は考えておる次第であります。
  9. 赤木正雄

    赤木正雄君 都市計画調査費が二十六年度に新らしく計上されていますが、さつきの御説明をもう少し詳しく承わりたいと思います。
  10. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 都市計画の問題につきましては従来とも実はこの調査費補助を非常に要求いたしておつたわけでありますが、なかなかいろいろな意味におきましてとれなかつたのでございますが、今回新たに計上さして頂いたのでございます。都市計画といたしましては計画面と更に事業面というものがございますが、計画面等につきましては主として都市のほうにおいてもやつて頂いておるのでございます。特に計画面的に将来考えて行かなければならん問題は、いろいろな地盤沈下といつたような点もあるだろうかと思います。これらは河川局と一体になりましていろいろ地盤沈下対策といつたようなものにつきましても考えて行きたいと思つておるのでございますが、そういう意味におきまして計画面といたしましてはいろいろと中央における指導費といつたようなものも大体そういう方面で考えて行つたらいいじやないか。事業面といたしましてはいろいろと補助して参るというような際におきまして、最近やはり跨線橋であるとかいろいろな橋梁といつたような問題等になりますというと、どうしてもあらかじめ調査をしておかなければ完全なものはできない。又水路等にいたしましても、数カ町村にまたがつてそれがいわゆる農業水利との関係とかがありましたりいたしまして、いろいろなやはり調整を図つて参らなければならん問題が相当にあるのでありますので、そうした方面につきまして具体的に調査を進めて行きたいというこれは費用なんでございます。
  11. 赤木正雄

    赤木正雄君 今までこういう調査費がなしにいろいろな事業を施行されていたのでありますが、それはどういう方面から、ではできたのですか。
  12. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) これは実は一般行政部費の中でやつておつたりでありますが従来はそうした橋梁とか跨線橋とかいつたようなものにまで手が延びなかつたのであります、さつき申上げました通り資材等が非常に窮屈になつておりました関係上。併しだんだんとそういうようなものにやはり取付いて行かなければならんという情勢になりましたので、今回認めて頂いた次第であります。
  13. 赤木正雄

    赤木正雄君 都市計画といたしましては、計画面事業面とどちらを主点になさるのですか。
  14. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) いろいろとものによるだろうと思いまするけれども、これはまあここにいう調査費のほうは主として事業面方面に使つて行きたいという工合に考えておるのでございます。計画面といたしましては、地方から持つて参りますものを大体中心にいたしまして、こちらのほうが指導を加える、併し現実に現地に行つて見るというような費用等が必要だろうと思いますが、併し今ここで計画しておりまするものは、主といたしまして事業方面重点を置いて行きたいと思う次第であります。
  15. 赤木正雄

    赤木正雄君 都市計画法なり、或いは特別都市計画法なりで或る事業はできることになつていますが、道路法河川法、その他の公共事業とも非常に密接な関係があるので、今お話によると計画面より事業面主点にするという、こういうふうな御意向のように見えますが、    〔理事小川久義君退席、委員長着席〕  都市計画としては、むしろ事業面より計画面より計画面主点を置かれるのが本来の自的と違うのでしようか。
  16. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) お話の点は御尤もだろうと思います。従いまして計画面といたしましては、私どもといたしましても先ず第一番にこの立案をせまするのは市町村ということになるだろうと思います。ただ市町村の陣容というものが非常に整備されておらないとい点がございまするので、いろいろと県がこれに対して援助いたしまして、計画面というものの事業をやつておるのでございます。従いまして国といたしましては、更にそれらにつきましていろいろと批判、検討を加えてこの計画の確立を図るという形をとつておるのでございますが、ここで公共事業調査費として計上されておりまするものは、私は来年度事業を施行するものを間違いのないようにひとつやつて行きたいという意味における調査をやつて行きたいとい費用であります。郡市計画といたしましてどこに重点を置くかということになれば、先ず第一番に立派な計画を作つて行くということは赤木先生のお説の通りだろうと思います。
  17. 赤木正雄

    赤木正雄君 ではこの二百万円という金は来年度施行を要望する箇所のあらゆる工作物調査と考えて差支えないのですか。
  18. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) これは来年度は問題だろうと思いますが、更に昭和二十七年度あたりにおいて事業を実施せんとするものも勿論これは含めて差支えないと思います。
  19. 赤木正雄

    赤木正雄君 国土総合開発ということが大分やかましくなつていますが、都市計画も当然この国土総合開発一環をなすべきものでありますが、それに対してはどういうふうの構想を持つておられるか、或いはこの調査費の中にそういものは含んでおるか、そういう点を、国土総合開発に関する点を都市計画観点から明らかにして欲しい。
  20. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 国土計画一環として郡市計画を如何に考えておるかという非常に大きな問題でございますが、これに対しまして私から説明をせよというお話でありますが、要はお話通り国土計画地方計画とは不可分なものであるということはこれは御尤もだと思うのでございまするが、ただ現在の立場といたしまして国土計画の大きなる大綱というものにつきましては、まだ立派なる成案ができ上つておるというところにまでは行つておらないのじやないかという工合に実は考えておるのでございます。従つて私といたしましては都市計画といつたような先ず下のほうから盛り上げて国土計画に結び付けて行くということと、上から参りました、大きな枠から参りました国土計画の面から都市計画といろ問題を取扱つて行く面と二つに考えて行つていいんじやないかという工合に考えておるのでございます。そこで先ず国土計画全般はつきりいたしませんので如何かとも思うのでございますが、ただ私ども都市計画の狙うところは、大体考えてみるならば、大都市といつたようなものを過大的にはして行きたくはない、どうしてもやはり昔の東京或いは名古屋その他の六大都市というものは人口に比例いたしまして施設というものがこれに伴わない、殊に食糧なり住宅といつたようなものはこれに伴わないといつたようなことになりますというと、いろいろな弊害というものが、出て参ると思いますので、どうしても過大都市というものを抑制をして行きたいというのが先ず我々の狙いでございます。そこでただ過大都市を抑制する抑制するといつてみただけではなかなかむずかしいのであつて、どうしてもそのためには半面におきましては地方における中小都市というものを私は整備をして参らなければならん、そうしてその方面にやはり人口なり産業というものを置いて振興させて、そこに人口を定着させて過大都市の防止を図つて行きたいという一つ狙いが私はあると思います。  それから地方計画的に考えますというと、地方における中小都市というものはその附近の近在における人たちのいわゆる生活圏中心になる都市になるのでございますので、どうしてもその生活圏の範囲の中における中心都市というものを私ども整備して参りたい、こういうふうに実は考えておりまして、特に私はこの中小都市育成という意味国土計画的な観点から見まして特に重点を置いて行きたいということを考えておるのでございます。なお国土開発審議会におきましていろいろとそうした特別の地域の、特別開発地域というものでございますか、そういうものがだんだん設定されて参りますならば、それにおけるいわゆる中心都市というようなものを、私はこの特定地域における中心都市というものの整備も併せて考えて行きたいというふうに考えておる次第であります。
  21. 赤木正雄

    赤木正雄君 私の質問が少しまずかつたのです。私の承わりたいことはそれ以外に国土総合開発審議会もありますから、それに対してあなたの立場として、どれだけその審議会に寄与しておられるか。具体的な問題について現在安本がやつていますが、その安本のほうの審議会に対してあなたのほうの立場としてどういう資料をお出しなつてどれまでその事業を実行に移すようにしておられるか、実際の問題を聞きたかつたのです。例えて申しますと、今お話通り都市の分散も結構です。又そうしなければいかんと思うのです。この間も申したのですが、或いは交通機関さえ殖えれば適当なところに教育都市を作るのもよいし、都市性格はつきりせんといけない、そういうことに対して審議会にあなたのほうの案をお出しなつておるかどうか、それをお伺いしたいと思います。
  22. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 実はこうした審議会におきましては私ども今までの事業の経過を一應御説明申上げ、そうして今までの豫算の内容というものも説明をいたしました。又将来どういうことを考えておるかということにつきましても、今までの都市計画上の必要な設備を完備して参りたいという資料は実は提供いたしておるのでございますが、具体的に然らば日本総合開発に伴うこの地域のこの都市をどうして行くというところまでは現在まだ資料は提出いたしておりません。ただ全般的に国全体として都市計画立場としてどういうことを考えておるかということの資料は提出しておる次第であります。
  23. 赤木正雄

    赤木正雄君 建設省のほうにもやはりこの国土総合開発に関する多少の費用はあるように考えていますが、それはあなたのほうの局に関係しないのですか。
  24. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 先ほど申上げましたように、総合開発等におきまして特定地域等が定まつて参るということになりますれば、そこにおける都市整備費用というものはこれは私ら都市局中心なつてやつて行くべきものだろうと思つておるのでございます。併しその特定地域というものがまだはつきりと公式なものができて来ておりませんので、それをいろいろ私どもといたしましても研究を進めておるのでございます。従いましてその費用というものは実は都市局費用のなかには現在は載せておりません。
  25. 小川久義

    小川久義君 都市計画最初より縮小されて保留地なつておりますね。その保留地処理はどういうふうにされるのですか。
  26. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 保留地というのは昨年再検討いたしまして縮小いたした地域という意味でございますか。
  27. 小川久義

    小川久義君 そうです。
  28. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 昨年再検討いたしまして縮小いたしました地域でございますが、この地域につきましてこれをどうして参るかということの問題でございまするが、これは実は五カ年計画の中に事業として取上げなかつたという意味でございます。従いましてバラック令あたり適用といつたものも戰災復興の再検討をいたしました地域のみに限定をして参りたいという工合に考えております。然らば他の縮小した地域をどうするかということも問題でございます。いわゆる縮めて参りましたものの処理をどうするかという問題でございますが、これに対しましては私どもどうしてもやはりやつて行かなければならない。将来やはりこれは放つておくならスラム街になるとかいうような地域もあるだろうと思います。それらはできるだけ私は区画整理組合あたりの設置を慫慂するとかいうようなことによりまして、戰災区域の中からは外したけれども、別個の都市計画としてやつて行く。併しその場合におきまして戰災復興のごとく区画整理全般に対して補助が出せるかということになりますと、これはやはり私はむずかしいと思います。従いましてそういうところに主要幹線街路整理だけいたしまして、街路だけを整備して行くというような形でいろいろ指導して行きたいという工合に考えております。
  29. 小川久義

    小川久義君 富山市の例ですが、縮小されて、それで初め計画前も農地であり縮小されても農地なんです。ところがそれの減歩率とか値段が違うという問題で相当噛んでおるのですが、この点に対して処理のお考えがあつたら伺いたいと思います。
  30. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 縮小した地域農地なつておるというところですか。農地なつておる所で将来まあそこをどうしても住宅地にして行かなければならんという所は、これは先ほど申上げたように一つ区画整理をできるだけ組合あたりにやらすとか、慫慂するとかいつたようなことをやつて行きたいと思つておりますが、減歩率あたりの問題になりますと、それは大体組合で一応きめて行くといつたようなことになるだろうと思います。或いは緊急にやらなければならんという場合におきましては、市が施行するという場合もありますけれども、五カ年計画あたりで外したようなところはそう緊急にやらなければならんという問題ではやはりなかろうと思いますので、大体組合指導といつたような形で以て行きたいという氣持を持つておるのであります。從いまして減歩率あたりの問題は、組合指導的にきめるべきじやなかろうかという工合に考えております。ただ農地の問題につきましては、自作農との関係相当にございますので、これはまあ将来都市計画としてやつて行くということになりますれば、都市計画事業によりましていろいろな強権発動の途もあるだろうと思います。これらを一つ農地委員会と市並びに組合あたりと私はできるだけ協議的に問題を解決して頂きたいということを望んでおるのであります。ただどうしてもその必要性が大であつて、どうしても緊急止むを得んということでありますれば市施行等にいたしまして、最後には強権発動の途も考えられるのじやないかというふうに考えておるのでございますが、できるだけ両者の円満な妥協によりまして、協議によりまして問題の解決を図つて行きたいと思います。
  31. 石川榮一

    ○石川榮一君 この都市計画の構想の中に、原爆による被害を受けました長崎広島等の悲惨な経験等があるのですが、郡市計画の中に原爆対策というような意味合を含めた計画も織込んでおりますかどうかお伺いいたします。それから戰災都市、百十幾つありますが、この郡市の空爆による被害を受けた影響を相当織込んでおるかと思いますが、具体的にどんなふうに防空に対する郡市計画を考えておりますか。どうでございますか。
  32. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 広島長崎都市につきまして原爆に対する原爆対策をこの中に織込んでおるかという御質問でございますが、これは実は考えておりません。原爆に対しまする問題といたしましては、まあ私ども都市計画の範囲から見ますと、相当にむずかしいことでありますから、これはとても私どもとしてそこまで行くことはできんと思います。ただあれが先ほどの田中先生からも御質問ございましたときに広島長崎というものは世界の平和をもたらしたという意味で、一つの平和記念的な施設というものを整備して参りたい、更に世界に対する中和の呼びかけの中心なつてやつて行きたいという意味におきまして、いろいろな記念的な施設というものはこの都市計画事業の中に考慮はいたしておるのでございます。  それから第二の問題といたしまして、空襲等に対しまして今回戰災復興等の施設としてどういうことを考えるのか、こういうようなお話でございますが、これはまあああした大きなまあ空襲が起りまして……、というとこれはまあ第一番には私は堅牢建築物が整備して参るということが一番必要だろうと思います。併しこの問題は実は都市局で取扱つている問題ではございません。これは住宅局が大体中心なつて取扱つている問題でございます。今後堅牢建築物、耐火建築物というものを考えて行かなければならんということは当然だろうと思います。それから第二の問題といたしまして、ああした全面的な空襲といつたようなことでなくして、いわゆる都市における火災の防止というような問題になりますと、実は私のほうの都市計画としましては相当に実は考えておるのであります。その意味におきまして、街路の幅員を広くするとか、或いは適当な所に空地を設ける、公共空地を設置して参るとか、或いは所々に貯水槽整備して行かなければならんというようなことが、ああした大空襲ということでなくして、普通のいわゆる火災に対する一つ施設として都市計画上十分考慮いたして参る次第でございます。
  33. 石川榮一

    ○石川榮一君 一応御無理ないことと思います。ただ恐れますのは現在の国際情勢は決して楽観を許さん状態であることは申上げるまでもない。明年にも第三次戦争がありはせんかということが世界を挙げて心配しておりますから、勿論日本も戰争に捲込まれるとは思いませんが捲込まれないとも言えない。原爆に対する対策としては如何ともし得ないと思いますが、空襲は将来あり得るということを考えて、この際思い切つて緑地帯の設定、街路の幅員の拡張ということにはその線を織込んで頂きたい。又防空に対する防空壕の設置に適切なような都市計画を作るべきである。原爆には間に合いませんが、普通の空襲には将来耐えられるような構想を今から御計画になりませんと、今我々は平和だと思いましても明日にも戦争が起るような事態が起らないとも限りませんから、恐らく相当にそういうようなことも考えるべきことであると思いますから、緑地帯なんかも特に広くとるとか、或いはそういう面から都市も或る程度まで疎開をするような計画を持たしておくというようなことも考えておく必要があると思います。そういうようなことに特に御着想を持つておいでになりますかどうかをお伺いいたします。
  34. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 今の石川先生のお話の緑地帯の問題というと、私も実は都市計画上の重要な問題として考えておるのであります。まあ緑地帶及び緑地というと、都市計画の言葉から申しますと、緑地というと非常に広い空地になりますので、緑地帶というと非常に地域性を持つて参りまして、帶状に入りましたり環状に入りましたりするのでありますが、それに大都市等におきましては、との緑地帯の問題というのは、実は今日都市計画の中では緑地地域という名称において考えておるのであります。自作農の形なら自作農によつて土地を維持して行きたいという点にも非常にからみまして、これは非常に結構だと思つておるのであります。ただいろいろと空地の制限が相当に強いものですから、多少まあ何とか緩めてくれという声もないではないのでありまして、私どもといたしましてはできるだけこうした緑地地域というものを設定するということは、今のお話のように防空に対する点からも又過大都市抑制という点からも非常に寄与するのではないかと考えておる次第であります。都市計画としては重要なる施策と考えておる次第であります。
  35. 石川榮一

    ○石川榮一君 そこでもう一段突つ込んで伺いたいのは、現在あります学校特に専門学校或いは寺院というようなものは、都市計画の面から成るべく疎開をさせる。そうして緑地帯の地域を求めるというような構想を以て計画したらどうか。例えば一つの市につきましても各地に寺院があり、墓地があり、これによつて大きな都市が非常に狭くされておるというような点もあり、又そういうふうな点は場所によりましては少し離れた所に建てたほうがむしろ都市の振興上なかなかいい場合もある、こういうような意味において、特別な建物は成るべく疎開させて、そういうところを成るべく緑地帶にする。或いは学校のようなものはできるだけ、市街地から離れた所に建築物を建ててその学校の敷地を緑地帯にするというような点も考えて頂いたらどうかと思います。  それから先ほど局長さんのお話の、地方における中小都市重点を置くということは非常に私ども結構なことだと思います。過大都市を作るということが戰争に捲込まれるきつかけになる場合がある。それは必ず起り得る戦争、原爆にはしようがありませんが、空襲は盛んにあると思います。こういうような点から都市の集中は非常に政治、文化、経済の面に危険をさらすような状況でありますので、そういう大所、高所からも都市計画のうちに十分取入れて頂くようにしてもらいたい、かようにして今度の戦争を防止しようと考えておるわけであります。先ほど申しました寺院とか或いは専門学校というようなものは、努めて郊外に移すというような方針をとることはどうであろうかと思いますので、その点をお伺いします。
  36. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) なかなか非常に私どもの痛いところを衝いて来られた質問だと実は思つております。学校の問題につきましては、これは非常にむずかしい問題であります。学校あたりの問題につきましては、私どもといたしましては、まあ小学校はどうも止むを得んだろうと思います。専門学校等につきましては私どもは今先生のお話のように多少やはり環境の整備された郊外あたりのほうがいいのではないかという工合には考えておるのでございます。併しなかなか現在東京の郊外を見ましても、この学校の移設という問題になりますと相当にむずかしい問題です。だからしてただ理論からで申上げてみてもなかなか実際そう行政権を発動してまでやるのは相当むずかしいと思います。ただいろいろ新設をする場合となりますと、これはできるだけ私はそういうような措置をなんとか慫慂して行きたいという工合には考えております。  それには第二の寺院あたりの問題になりますが、寺の問題は実は区画整理あたりにおきましては非常に問題になつているのです。殊に墓場というものが非常に市内にたくさん散在をいたしておりますために、いわゆる土地が足りないという問題ですね、これはまあ私どもといたしましては、できるだけやはり郊外地に一つ墓苑を設定いたしまして、共同のいわゆる墓地を建設して行きたい、こういう実は計画をいたしておるのであります。戰災復興におきましても、名古屋、まあ殊に堺の戰災復興を見ますと、実は墓の区画整理ではないかと思われるぐらいに、市内においては墓をちよつと離れました郊外に墓苑を作つてつて行こうという計画なんです。まあ名古屋あたりも当時、一時は相当に反対がありました、併し向うで墓苑対策の協力会を作つて、お寺の坊さんあたりが、会長になりまして、非常に成績を実は挙げておる次第でございます。それがまあ起りましてからというものは、いろいろ焼けた都市等につきましては、飯田等につきましてはやはり墓苑の整理をやつて行くというような声が都市計画としては非常に起つて来ております。戰災復興にいたしましても、そのような助成もいたしております。又先ほど申し上げました都市整理、その他公共施設費補助というものの中に、私は墓苑整理業ということを申上げたのも、そうした市内における墓を移転したい、そうして移転先の整理を図りたい、そういうことをやりたいということを考えておる次第でございます。
  37. 門田定藏

    ○門田定藏君 簡単にお尋ねしたいと思います。この都市水利その他の施設というものでありますが、先ほど簡単な御説明がありましたけれども、大体において水利その他伝染病云々ということがありましたが、もう少し詳細にどういうことをやるかというような説明一つお聞きしたいと思います。余り抽象過ぎてよくわからんのです。
  38. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 先ほど申上げましたように、大体市内を流れております排水施設ですね、まあ河川法適用を受けますと、河川局の方でいろいろと補助出したり、いろんなことを考えております。又下水道法適用を受けますと、下水道の区域ということになりまして、私どものほうでも水道課がございまして、いろいろ工事上のいろんな問題に注意を与えたりしておるのでございます。その補助金は大体厚生省の所管として一応水道事業助成ということになつておるのでございます。そこで私の方面でまあ行いまする都市水利というのは、河川局の所管にも属しない、又下水道法の区域にも入つておらん、まあいつてみれば小便川とか、ちよつとした排水とかいつたようなものでございます。それがまあ一時雨が降りますと、その附近に氾濫を来たすということが非常に多いのです。それで非常に地方が困つておる、実はそれを何とかしてくれという声が非常に強いのであります。そういう所を先ず新設するとか、或いは川幅を拡げるとか、或いは護岸の整備をして参るということに対して補助をやりたいという、実は費用なんであります。
  39. 門田定藏

    ○門田定藏君 我々田舎から出て参りますと、都会の施設と田舎の施設を比較して見ますと、都会と田舎と同じ施設とは申しませんが、大体の文化施設、その他建設方向でも、農村と都会と余りこの施設が偏重してはいないか。例えて申しますと、これはどういう法で費用が出ておるか知りませんが、この国会に参るあたりで我々が三年前参議院へ出たときに、街路に筋が入つている道でも鑿岩機で壊してどんどん直して行く、あれなどはそう今あれを壊してまで直すことはないのじやないか、もう少しまだまだほかに急を要する工事があるのではないかと見ておるのでありますが、大体において建設方面では農村の施設と都会の施設と、私は概括的に見ても都会に偏重してはいないか、こう考えておりますが、その点どうですか、お聞きしたい。なお建設省としてはつまり都市計画方面なら都市計画で取りさえすれば都市計画に偏しても予算を取る、或いは片方のほうがまだ不備であつても、それはどうでも都市計画のほうに力を入れる、こういうことではいけない。とにかく都会も農村も同じ公平に見て、急を要するものであつたならば、同じく公平にこれはすべての建設方面においてやつて行くのが本当ではないか。今言うように一方に偏しておられるのではないかと考えておるのですが、大体どうですか、この点について。
  40. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 今の御質問でございますが、建設省といたしましてはお話通り国土計画一環としてやつておるのでございます。従いまして国土計画的な立場から見まして、いわゆる市或いはその附近の町村、これには勿論農村も入りますし、山村も入りますし、或いは漁村も入ると思います。そうしたものを一環としてのいわゆる国土計画地方計画という方面を担当しておることはこれは事実であります。従いまして都市ばかりが栄え、或いは農村ばかりが栄えるということはいけないということであつて、殊に先ほど申上げましたように、都市計画を作るにいたしましても、生活圏というものを中心にして考えて行かなければならない。その意味におきましては都市と長村とがお互いに相互扶助の立場に立ちまして、隣保共助の精神に燃えつ施設をして行かなければならないということは御尤もだと私は存ずるのであります。ただ市のほうに予算が余計行つて農村のほうに行つていないのではないか、こういう御質問であつたように思うのでございますが、これはまあ私のほうにお聞き下さるよりは、実は安本に対する御質問になるだろうと私は感ずるのでございますが、併し私は決して都市に対しまする設備というものは、今日人口が大部分都市にあり、いわゆる産業中心も、まあ農業は大きな問題でございますが、その他の産業におきましても大きな意義を持つておる工業地というものは今日非常に荒磯に帰しておることは事実であります。これに対しましてこれだけの予算でいいかとおつしやるならば、これは絶対に足りないということを申上げたいと序ずるのでございます。農村に対しまする費用というものは、農林省方面相当にやつておるわけであります。これは相当にやはり大きなものになつております。耕地整理なり土地改良なりの方面に対しましても相当莫大な補助をやつておられるのでありまして、これを比較してどう考えるかということになりますと、これは一つ建設省のほうで答弁申上げる限りではなかろと存ずるのであります。
  41. 小林英三

    委員長(小林英三君) ちよつと皆さんにお諮りいたしますが、本日はなおこの後に住宅局並びに監理局のほうの公共事業費の内容に対する調査をすることになつておりますが、若し皆さんの御都合がよろしかつたならば午後にも続行していいと思いますが如何でございましよう。
  42. 小川久義

    小川久義君 こちらの都合ばかり言つてもいかんでしよう。大体今日は監理局の分を終えてそしてこの次は総括的に大臣に、ですから午後まで引続いてやつたほうがいいと思います。一時頃までやつて切りをつけるように。
  43. 小林英三

    委員長(小林英三君) ではそういうことで、午後まで引続いてやりましよう。
  44. 門田定藏

    ○門田定藏君 もう一つお尋ねしたいと思います。広島長崎特別都市建設につきまして、先刻の御答弁には広島長崎が平和をもたらしましてから、それについて記念事業とかなんとか御答弁があつたようですが、その記念事業広島長崎における記念事業として計画をお立てになつたのは、どうい記念事業を大体御計画なつているのかということを一つお開きしたいと思う。  それから私は成るほど広島長崎には爆弾が落ちて国民があの爆弾によつて、アメリカの実力を知つて戰争の終りを早めたということは事実ですけれども、私は広島長崎に爆弾が落ちたために戰争の終結を早めたかも知れんけれどもそれで戰争が終つたとは決して思いません。六大都市を見ましても、東京を見ても恐らく名古屋、神戸を見てもどこを見ても燒野カ原になつている。大体においてこれは全般的に広島長崎に限つたことはない。記念事業は或る程度はいいかも知れませんが、あまりそのために広島長崎にのみ莫大な費用を投じて、この際そういう記念事業はどうかと考えまするが、その広島長崎施設計画せられておられる記念事業なるものの大体の御方針が承わりたいと思います。
  45. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 大体記念事業は将来もいろいろ考えられますが、取りあえず考えております問題は、原爆中心地ですね、そこを一つ整備して参りたい。いわゆるそこに普通の記念公園というものを設置して行きたい、それと同時にいろいろな原爆の資料を集めまする記念館というようなものとか、或いは慰霊堂とかいつたようなものが、大体現在考えられておる構想であります。
  46. 赤木正雄

    赤木正雄君 今広島長崎の問題が出たのですが、この都市を特別な都市にする場合には、アメリカその他からしてたくさんの寄附金が入るからこれをするのだ、こういう説明であつたのですが、どれほど寄附金が来ているのか承わりたい。
  47. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) まだ実は広島長崎方面からもその補助金に対しまする資料の問題はできておらないのでございますが、ただ私の個々的に承わりました話によりますと、金額はあとでもう一遍調べた上で申上げなければならんと思いますが、こうした土木事業に対しまする補助金のほうは未だないように私は承わつております。ただいろいろな社会施設的な方面に対しましては、向うの在住者あたり人たち相当に金を出しておるということは聞いております。これによりまして、主として社会施設方面に使つてもらいたいという指定的な形において来ておるということを承わつておる次第であります。その金額につきましては調べました上で。
  48. 赤木正雄

    赤木正雄君 昨年も同じような額がこの両都市に出ておりますが、この目的は恐らく本年も今のお話事業と同じようなことをして行くと思います。私先日広島に行きましたが今お話のような仕事は一向見当らなかつたのです。どの辺でやつておられるのですか。
  49. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 実は公園というのは、今の原爆の中心地はできるだけ整備して参りたいということなのであります。建物等につきましては、今年は主として地ならし整備という方面に大体重点を置かれておつた。建物の一部を設計しようというので実は設計をいたしておるような情勢なのでございまして、まだ現実に建物の問題になりますと、お話のように、おいでになつた頃はなかつたと思いますが、やがて今に建つだろうと思つております。
  50. 赤木正雄

    赤木正雄君 そうい特別な公園になさるには大体どれほどの予算が要るということはおわかりでしようが、一体どれほどの計画を持つておられるのですか。
  51. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 今日は予算書を持つて参りませんでしたが、後ほど又適当な機会において申上げたいと思います。
  52. 赤木正雄

    赤木正雄君 広島長崎の問題ははつきりこの項目にありながら、その予算の内容をお持ちにならんことは非常に残念だと思います。どうか一つこの次には必ずお示しを願いたいと思います。
  53. 武井篤

    ○専門員(武井篤君) 都市局でおやりになります防潮堤事業河川局でおやりになる海岸堤防の関連ですな、どんなような区別でおやりになるのか伺いたい。
  54. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) これは大体安本でいろいろとやつてくれたのでありますが、従来都市計画事業としてやりましたところにつきましては大体都市局で所管をしようということになつておるのでございます。それで一番の混淆を来たしておる大阪方面では従来河川局のほうで所管をしてやつておりましたのでそれは河川局でやつて行こう、堺方面になりますとこれは大体従来都市計画事業として都市局が所管をしてやつておりましたものですから都市局の方でやつて行こう、阪神聞の西宮、神戸方面のほうは大体従来も都市局でやつておりました。そういうわけで従来の仕来りとい形で区分をいたしておるのが、実情でございます。
  55. 赤木正雄

    赤木正雄君 仰せのような大きな都市のあの真中に起した防潮堤を、これを河川局のほうでしておる、そしてそれ以外の阪神地方、或いは堺方面都市局でやつておる。何だか非常に矛盾があるようで、その間がどうなつているか、どういうふうに都市局事業河川局事業と道路局の事業と区別しておるのですか。やはり都市計画は一定の計画をしておられるならば、都市計画の計事の範囲というものがはつきりしていそうなものですが、都市であつて大阪の仕事は都市局じやないというのはどうなのですか、この関係は。
  56. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 御尤もだと私は思います。実はこの堤防、海岸堤防といつたようなものは、今度堤防法が出ましていろいろ管理地帯が、はつきりするだろうと思います。仮に管理地帯がはつきりいたしましても、私どもがやつておりますのは、都市計画事業で決定いたしましたものは、大体私どもが面倒を見ておるのであります。お話の点、大阪あたりの問題といたしましては、これは都市の防備という立場から考えまして、本当は都市局が扱うのが私は至当という工合に考えるのでありますが、又いろいろ将来のやりました何もございましたので、まあ新らしく飛込んで行くより従来手をつけておつた方面でやるほうが、事情もいろいろわかつているのじやなかろうかという方向でそういような情勢になりました点を一つ御了承願いたいと思います。
  57. 赤木正雄

    赤木正雄君 私は今日の都市局の仕事に決してかれこれ非難するものではありませんが、やはり都市局といたしましては計画部面に重点をおかれまして都市計画重点とする、これはなかなか道路でも河川でもできない都市プロパーの点からして十分にこれを研究していわゆる基礎材料を作る。それからこれを施行に際してはまあこれを道路なり或いは河川なりその他の関係難関に移してしまう。こういうふうなつまり昔の郡市計画はそうい形を持つていたのでありますが、それの方が却つて奥行き深く研究なされて郡市計画の本当の面目を発揮するのではないかと、こういう観点がありますが如何でしようか。これは但しあなたの事業を縮小しようという考えで申すのではありません。その方が都市の面目を引き立たせると思つてですが如何でしよう。
  58. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) まあそういう御意見もあるだろうと私は思いますが、併し單に計画を作るだけでなくそれが実施する面ということを私どもとしては相当に強く調つて来たのであります。いろいろ研究が足らんというお話がございまするが、この点は私どもとしましては大いに勉強を続けて行きたいと思いますが、計画はただ机上の空論に過ぎぬとか、絵に書いたぼたもちに終るというようなことのないようにやはり計画をした者が事業の実施もやつて行くということによつて真に効果を挙げて行きたいと、こういうふうに考えております。
  59. 赤木正雄

    赤木正雄君 計画をなさつた者が実施なさるのは結構であります。実施なさるが同じ機関が方々にあるとそこに摩擦も起るし又事業にも齟齬を来たすという事情が、現に今お話大阪の防潮堤においてもそうなんです。そういう観点からして大体駅市計画事業を盛んにし出したのが昭和十六年頃からと思つておりますが、以前には都市計画は一本でいつたのですが、成るほど一つ事業をやつて見るとその事業をどこまでもやりたい、その心持はよく分つておりますが、併し本当の計画プロパーの方が正しいものができるのじやないか、こういう観点を持つております。
  60. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 計画プロパーが正しいという考え方は我々にはよく理解ができないのでございますが、まあ勉強が足らんから勉強しろというお話ならこれはまあ私ども大いに勉強いたしたいと思います。
  61. 小林英三

    委員長(小林英三君) それではこの辺で一先ず住宅局関係公共事業に移りたいと思いますが、如何でしよう。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 小林英三

    委員長(小林英三君) それでは伊東住宅局長が見えておりますから、住宅局関係一般公共事業費に対する説明を一先ず承わります。
  63. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 来年度公共事業費の関係につきまして御説明申上げます。  お手許にお配りしました二枚の表がございますからこれを御覧になりながらお聴取り願いたいと思います。その前に一般的に住宅事情につきまして極く簡單に申上げたいと思います。大体戰争によりまして二百六十五万戸の住宅が喪失いたしまして、それから毎年特に終戰後災害が多いのでありますが、地震とか風水害火災などによりまして三十五万戸滅失いたしております。合せて三百万戸家が減つたわけであります。それから建設いたしましたのは終戰後昨年末までに二百六十万であります。まだ減つたものに対しまして四十万ばかり足りないわけでございます。一方非常にたくさんの人が海外から引揚げて参りましたし、終戰後一時的の現象でありますが、特に人口の自然増加というものが非常に多いのです。そういうことで終戰後世帯の数が百五十万ほど殖えております。で終戰以来住宅の不足するものが余り多くは改善されておりません。現在も計算のしようによりまして、家屋の自然の腐朽などというものは計算困難でありますが、そういうものも若干加えてみますとまだ三百四、工十万の不足はあるだろうと考えられます。大体一般住宅事情がそういうことでありますが、その中で特に政府住宅政策としまして力を入れておりますのは、むろん自分の資金で家を建てることができない一般の勤労者のための住宅の供給の問題であります。これにつきましては公共事業費によりまして、主として地方の公共団体に低家賃の貸家の供給をやつてもらつておるわけでありまして、それが今日申上げる問題でございます。そのほかに御承知のように昨年住宅金融公庫を設立いたしまして、長期低利の資金を貸付けるという途を開いたわけでございます。で終戰以来公共事業費によりまして建設しました国庫補助の庶民住宅の戸数を大きな表のほうに書いておきましたが、毎年六年間におきまして、毎年度の当初予算できめられましたもので、その合計が一番上から五段目にございますが新築の合計が十八万四千九百戸ほどでございます。それからそのほか既存の建物、兵舎とか工場というようなものを改造したものやら、余裕住宅を間じきりをしまして二戸にするなどのものが七万九千戸ございまして、これをも合せますと二十六万四千五百戸となります。これが当初予算できまつたものでありますが、災害応急建設という欄がございますが、この災害によりまして補正予算によつて造つたものがございます。これが一万五千四百戸ばかりでございまして、これらを全部合せますと総計になりまして二十七万九千七十九戸、こういうことになります。これは二十五年度分も含んでおりまして、目下建設中のものの数も含んでおるわけであります。その下にちよつとありますが災害国庫補助住宅復旧とありますが、これはこの公共事業費によつて建てた公共団体の住宅、これが災害によつて被害を受けました場合にそれの復旧をやつております。それが一万六千。それから約この数字が二十八万ほどになります。そのほかに一般勤労者の建物につきましては公共事業費、この建設省担当分以外にもございますし、又従来の復金から融資しまして炭鉱の住宅を建たりいたしたものもございまして、勤労者のために住宅政府の施策として作つたというものを全部合せまして、この公共事業の分も含んで大体五十三万戸ほどになります。つまり二百六十万戸できておる中で五十三万戸ほどが直接この政府の施策によつて勤労者のために提供した、こういうことになつております。これは戰前の状態から申しますと、貸家というものが都市では七、八割、全国平均としましても六割くらいになりますので一般勤労者のためにできた家の数というものは、全体の数から見ましてその比率は非常に低いということは明瞭でございます。まだまだ勤労者のための住宅については非常に少い数字であるということは只今の説明で御了解願えると思います。ただこれは何分民間の住宅企業というものが成り立ちませんので、貸家を民間で作るということはない。従つて国なり地方公共団体なりの貸家は全部財政的な負担になるという関係から、財政の都合上精一杯これだけやつておる。こういう関係なつておると考えております。  ところで明年度予算でございますが、この小さいほうの紙にございますこれは、公共事業費の中から、住宅としまして内地の分と北海道の分とこういうふうに二口になつておりますが、その合計が一番下の隅にあります四十三億九千四百万なにがし、この金額が割当てられておりますので、これを実際の建設内訳をこの表のように考えておるわけでございます。即ち鉄筋コンクリート造は七千八百戸でありまして、大体全体の三割程度を目標としておるわけであります。七千八百戸にそれから北海道分二百戸と合せて八千戸でございます。これをもう一つの大きな表で御覧になりますと、鉄筋コンクリート造が二十二年度が四十八戸から二十三年度千七百二十五戸、二十四年度が二千三百十五戸、二十五年度年度が四千戸余り、こういうふうになつておるのを、来年はそれを倍にしまして八千戸にしよう。こういうことであります。これは先ほどもいろいろ戦争の対策とか理由はございましたが、住宅はできるだけ恒久的な構造、地震にも火事にも強い構造のものにしようという努力の一つの現われでございまして、できるだけこの構造のものを多くしようということでございます。それからコンクリートブロツク造千戸とございますがこれはやはりアパートでございます。二階建等の比較的小規模なアパートこれを千戸、それから木造は甲、乙と二つでございます。甲のほうは平均八坪、乙のほうが十坪ということになつておりまして、甲と申しますのは引揚者などを含みました、つまり住宅の困窮者であると同時に生活困窮者、一般の今までやつておりました庶民住宅では少し家賃が高過ぎるという階層の人たちのために、特に来年度新らしい方法としまして甲型というものを考えたわけでございます。これが全国で玉千七百戸でございますが、家賃が大体四百円そこそこのものにいたしたい。これも国庫補助の率は一般のものと同じく建設費の二分の一でありますが、規模を小さくいたしましたのと、それから地方市町村或いは府県におきまして若干補助金を補うという方法によりまして家賃を引下げる、こういう構想でございます。それからその次の乙型は一万三千八百四十戸、これは従来通り一般の庶民住宅であります。これら合計いたしまして四十三億九千万円の予算によつて二万八千五百四十戸建設できる見込であります。但しこの予算案を作成いたしました当時の数字でありまして、現在におきましては、若干資材の値上りがございますので、恐らく二方七千戸ぐらいしかできないのじやないか。将来の物価の値上りなどがございましたらわかりませんが、只今のところでは、大体千戸ほど又減るんじやないかというふうに考えております。それから前年までやつて参りました既存の建物の補修とか、余裕住宅の改造といつたようなものは、もう対象になる建物も使い盡しておりますので来年度は考えておりません。專ら新築だけを考えております。それから将来の災害につきましては、当初予算に組みませんが、これは災害の予備金の中から前年通りに、災害があつた都度考えて行きたい、こういうように考えておるわけでございます。以上。
  64. 田中一

    田中一君 小委員会で詳しくお伺いしたいと思いますけれども、二十五年度に出ております戸数について、資材の値上りその他で返還された予定戸数というものがあるはずなのですが、それはどのくらいになつておりますか。
  65. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) 建築費の値上りなどの影響では、まあ全般的に申しますと大体におきましてこの予算を返上するということはございません。ただ東京都だけなんですが、これはまあ予算関係、財政の関係によりまして、約七百六十戸ほどの分は本年度はできないということで、それはほかの府県のほうへ配分しております。
  66. 田中一

    田中一君 福岡県でもそういう実例があつたように聞いておりますが、それは間違いでしようか。
  67. 八嶋三郎

    政府委員八嶋三郎君) ほかにはございません。東京都だけでございます。
  68. 田中一

    田中一君 この二十年度四万二千九百五十九戸という簡易住宅ができておりますが、これが丁度五年たちました昨年度において、どのくらい損耗といいますか、なくなつてしまつている戸数はどのくらいの比率になつているでしようか。
  69. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 二十年に建てました簡易住宅は非常に粗雑なものでございますが、これは入つております人に全部売払つております。ですから今のところでは公共団体の所有になつておりませんので、どのくらい損耗しているかということはわかりませんが、個人のものになつておりますから相当修繕などを加えましてむしろいい家になつているじやないかと思つております。
  70. 赤木正雄

    赤木正雄君 先ほど三百万戸不足している、それで昨年度までに建築したものが二百六十万戸でありますから、更に四十万戸不足しているところになお引揚者その他筆で約百五十万戸、そうすると百九十万戸不足しているわけですか。
  71. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 住宅不足数と申しますのは、私申しましたのは戰争で直接やられたものと、それから災害で減つたもの、それから新たな需要としましては世帯数の増加で五十万戸、それと作つたのが二十万戸こういうことを申したのですが、現在の住宅不足数を考えます場合には、終戰当時までにすでに戰時中に建設数の不足というものがある、これは恐らく百万を超えていると思います。十年間ほど戰争中に毎年々々作るべきものを作らずにきたのです。これが恐らく百万か百二十万くらいあるだろうと想像されます。それからかなり修繕というものを怠つておるのです。戰時中以来終戰後も殆んど貸家はそうですが、自分の家であつても資材不足とかいうようなことがありまして修繕を怠つている。その関係でなおこの木造建物の寿命を短くしておつて、もう使いものにならんというようなものもたくさんあるのであります。ですからそういう数字を別としましても、戰時中の供給不足を入れますと、例の百九十万戸になお百万足して二百九十万戸くらいになると思います。その他自然腐朽を四、五十万戸としまして、合計三百四十万戸ぐらいの不足になるのじやないか、こういうふうに大ざつぱの見当をしておるわけであります。
  72. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、初めは三百万不足しておりましたが、戰争中或いは戰前の不足等を加えますとやはり三百万戸不足したとして、一向プラス・マイナスなしというような見当ですね。
  73. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) つまり新たな人口増加とか災害とかに追いつくのが精一杯なので、なかなか今までの不足を取戻すということが困難な現状でございます。大体終戰後平均しまして毎年五十万戸ぐらい作つてきたのです。併しこれは終戰直後は平均九坪ぐらいのものでございました。これからはだんだん平均多くなつてきておりますが、大体十三坪半ぐらいのものになつております。普通の日本の平常な状態と申しますと戰前では一戸当り十七坪ぐらいにならなければならない。ですから普通の状態でいきますと、新たな需要だけに追いついて行くということがなかなか困難であります。資料関係から申しましても、主として木材に依存しておるわけですが、今までは平均五十万くらいのものを供給して参りましたが、これがためだけでありませんで、他のいろいろなものがありますが、特に針葉樹の伐採が非常に過伐になつております。戰争以来非常な過伐を続けて参りまして、最近特に総司令部の天然資源局でアメリカから専門家を招聘いたしまして、日本の森林資源の調査をやられておりますが、その報告から見ましても自然の成長率に対して倍から伐つておる。そこで針葉樹については相当この木材の消費量を減らすとか、或いは輸入するとかなんとかして日本の森林を保護しなければならんということを非常に強調しておるわけです。これは木材の消費のうちで一番大きな建築部門において相当な影響を受けるわけでありますから、将来はこれは私の考えですが、平均毎年四十万戸より余計作るということは木材資源の関係からいたしましても無理じやないかと思つております。現に最近の統計から見ますと、昨年度あたりはやはり四十万戸ぐらいしかできておりません。ですから将来ともなかなかこの需要に追いついて行く、今の借金を戻して行くということは、そう急には行かないのではないかというふうに考えるのであります。
  74. 赤木正雄

    赤木正雄君 只今のお話ですとなかなか不足も補えないというお話ですが、過日大臣から本会議場で住宅問題はだんだん緩和しておると非常に楽観的のことをお説明なつて、非常にあなたの御意見とはもう雲泥の相違があるので、その点は大臣はそういつておるから、これはよく事情を御協議なさらんと又問題を起しますから、ちよつと申上げて置きます。(笑声)  それからその次に戸山カ原に建つておるのは今貰つた表のうちで鉄筋コンクリートに該当するわけですか。
  75. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) この鉄筋コンクリートという中に入ります。二十四年度は二千三百戸、二十五年度四千戸全部その中に含まれます。
  76. 赤木正雄

    赤木正雄君 もう一つ伺います。先ほど田中さんか、二十年度にお建になつた家の損害状況のお尋ねがありましたが、私はやはり二十一年度以後の建物でも非常に損耗があるのではないかと思います。それで建てるよりもむしろこれを修繕するのに却つて多額の費用を要すると思う。二十年度のは売つてしまつたからその後は知らないという話でありますが、仮に粗末なものをたくさん建てるとしても、一方から次次にこわれて行くからいつまでもいたちごつこで不足を補うことはできない。こういうような感がするのですが、それに対してどういう考えをなされておるのでしようか。
  77. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 大変御尤もなお尋ねと思います。二十一年度についても同様なことがあるのではないかという点につきましてはその通りでございまして、二十一年度の分もかなりの部分は払下げをしております。そして個人の家にしますと管理が非常に行届いて参りますので、そういうような処置をとつております。それからこの二十年度、二十一年度、二十二年度ぐらいまでは、資材の不足という関係もございましたしそれから単価もなかなか急激なインフレに追いついて行けないというようなことで、かなり粗末な家ができておりますが、最近二十三年度ぐらいから住宅の質を非常に改善をしておりまして、特に最近できるものは我々は二十年間は十分もつということを保証できる程度のものを作つておりますので、これは一遍最近できておるものを御覧願いたいと思います。  それから先ほど申しましたように鉄筋コンクリート造とか、コンクリート・ブロック造というものをだんだん殖やしておりまして、将来は全体の五割程度までには引上げたい、こういうように考えておる次第であります。  それからさつき大臣の答弁について食い違いがあるというようなお話でございましたが、これはちつとも食い違いはないのでありまして、これは終戦直後の住宅事情と今の事情とを比べますと非常な前進でございまして、その点は確かに大臣が御説明なつておる通りなのでございます。そういう面を強調して御説明なつたろうと思います。併し又これから十年とか二十年とかという先行きのことを考えますと、なかなか資材状況、その他非常に困難だろうと思いますが、これに対する対策としては我々十分考えております。併し又これは大問題でございまして、財政とか法律とかいろいろな関係もございますから、今申上げるわけには行きませんが研究はいたしております。その点をちよつと申上げます。
  78. 小川久義

    小川久義君 住宅の足らんことは局長もすでに御承知だろうと思いますが、東京都内のいろいろの土地建物会社あたりの貼札を見ると、三畳間一間借りるのに大体畳一枚五百円、そのほかに権利金が何万円というようなことを見て、住宅の足らんことがわかるのですが、ああいう点に対して何か統制というか、基準を設ける意思はないのですか。
  79. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 結局貸間とか貸家というものには非常に権利のついておることは承知しておりますが、住宅問題というのは結局貸家の不足というところから来るのだろうと思います。それは統制とか何とかということをやりましても、そういう姑息的な手段ではとても解決できないと思います。根本はやはり貸家の量を殖やすということに帰着すると思いますので、我々といたしましてはこの建設の面に全力を盡して行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  80. 小川久義

    小川久義君 大体わかりました。より以上御努力を願つて早くああいう高い貸家のなくなるようにお進め願いたいと思います。
  81. 赤木正雄

    赤木正雄君 ちよつと一つ、これはあなたのほうからはわからないかも知れませんが、土木現業所庁舎その他新営費千三百四十九万九千円計上されておりますが、これはあなたのほうの所管でですか。
  82. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) そうじやございません。営繕部でございます。
  83. 赤木正雄

    赤木正雄君 これはどこにどれほどお出しになるのですか。
  84. 大村巳代治

    説明員(大村巳代治君) 函館の道庁の現業所であります。
  85. 田中一

    田中一君 聞くところによりますと、住宅政策に対してGHQが……言つていいのかどうか知りませんが、この辺から言つて抜本的な住宅政策を立てるとい意思が阻まれておるという風評を聞いておりますが、そういうことがあるのですか。
  86. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) GHQにも非常に協力して頂いておりますからそういうことは全然ないと思います。ただこれは抜本的な方策と申しましても、結局先ほど申しましたように貸家を増加しなければならない、これは国や地方公共団体の負担になつて来る、こういうことに現在の状態ではなつておるものでございますから、これはまあ專ら財政の関係によるものと思つております。
  87. 田中一

    田中一君 先般二十六年度予算をお組みになる心構えとして国営住宅案の説明を聞いておつたのですが、これはどういう意味で立てるようになつたのですか。
  88. 伊東五郎

    政府委員(伊東五郎君) 国営で行くかどうかという点につきましてはいろいろ具体的な予算数字なんかとも見合つて研究したわけでありますが、結局国営の低家賃の貸家というのが狙いでありまして、これは只今申上げました甲型の方法という、つまり国と地方公共団体が両方で補助出しつて特に低家賃の建物を作るという方法に切り換えた次第であります。
  89. 田中一

    田中一君 それでは小委員会で一つ詳しいことは伺います。
  90. 小林英三

    委員長(小林英三君) それでは次は監理局関係に移りたいと思いますが、監理局の宮前課長、それから大村営繕部長とそれから建設省の本省の植田会計課長が見えております。先ず会計課長のほうを先に一応御説明を伺います。
  91. 植田俊雄

    政府委員(植田俊雄君) 監理局長渡米中でございますので、監理局予算の大体を御説明申上げます。細かい数字のところはくどくなりますので要点だけ申上げますが、公共事業費のほうで組んでおります機械のほうにつきましては機械課長が見えておりますのでそのほうから御説明いたします。行政部費系統でどういうふうな費目があるかということを簡単に申上げてみたいと思います。  先ず人件費でございますが、これは御承知の特殊物件事務がだんだん減つて参りましたので、特殊物件のほうの人を二人減らす、又特殊資材割当のいわゆる物調の事務費でございますが、このほうで八名、合計十名減に相成つております。その他につきましては新らしい項目で特に目新らしいものはございませんが、その一二について申上げますと、統計の整備に必要な経費が、前年度百九十三万円でございましたのを二十六年度では六百七十六万円余要求をいたしております。又建設業法の施行に関しましても前度年と同様に調査を続けて参ることにいたしておりますので、その経費も要求いたしております。  なお先般の会議でも簡單に御説明いたしたと思いますが、国土計画並びに地方計画の確立推進に必要な経費といたしまして、前年度に比較しましてここでは相当大きな総額になりまして千四百万の金額を御要求申しているわけでございますが、この中では県に対する補助金が一県当り二十万円で四十六府県分、及びその他につきましては本省及び地方建設局の事務費でございます。先般の御質問がありましたときにも申上げたのでございますが、例の特定地域総合開発調査費でございますが、これは二十五年度におきましては公共事業費のほうに載つておりましたのでございますが、只今のところ公共事業費の方でその点が出るとも出ないともまだ今のところはつきりしておらないのでございます。それから又御承知通り特定地域というものは只今のところ正式に国土開発法に基く指定がございませんものでございますから、ここには計上いたしておりません。従いまして若しもあれが決定しました場合にはこの調査費をどうするかという問題は今後の問題に残るわけでありますが、調査費金額からいいましてもそう大きな金額に上ることは予想ができないものでございますから、それが決定いたしましたならばこの事務費の中のやりくり、即ち流用等によりましてそいつが実現できるものは実現して参りたい、かように只今のところ考えております。  次に建設技術の研究助成に必要な経費としまして二十六年度新規に千五百万円計上に相成つておりますがこの千五百万円につきましては二十五年度までは一括文部省の方に計上になつておりましたのを各省に分散して計上になつたというものでございまして、今後建設技術の使用問題につきまして主としてその実用化の促進のために試験研究の助成をいたして参りたいこういうのでございまして、只今これをどういうふうに使用したのが最も妥当かということについて研究を続けております。監理局で営繕機械を除きましたものはこの程度ございます。  簡單で失礼ですがこの程度説明を終ります。
  92. 小林英三

    委員長(小林英三君) なお続いて一応説明してもらいまして総括して御質問願いますから、次は飯塚機械課長にお願いいたします。
  93. 飯塚主計

    説明員(飯塚主計君) 昭和二十六年度建設機械関係予算について御説明を申上げます。  お手許に建設事業の機械化資料というガリ版刷の印刷物が差上げてございますから、御覧を願いたいと思います。最初の二枚は、建設事業につきましてここ一、二年やりました機械化施行と人力施行との比較表の実績がそこに載せてございます。次に第二といたしまして、本年度予算と二十三年度以降の予算の比較表が載せてございます。建設事業の機械化施行という面を取上げましたのが昭和二十三年度以降でございまして、その以前はこの予算はいずれも各河川、道路、個々の工事費に機械費が分属しておりました関係上、なかなか大型の機械を買うということが困難のような事情にございましたので、二十三年度からこの機械予算を独立いたしまして、公共事業費の中に計上されておるわけでございます。昭和二十六年度予算の総額は公共事業費におきまして十二億二百万円でございます。その表で計のところの括弧してありますのは、行政部費で要求しておる予算金額でございます。十二億の内訳を申上げますと、新らしい建設機械の購入費が八億四千六百四十四万三千円でございます。それから従来持つておりまする二十三年度以降買いました機械の修理費が三億八千三十七万六千円、これは数字ちよつと違つておりましたので、御訂正を願いたいと思います。それから直轄機械関係の工場の修理これが一千万円、それからモータープールの一千万円で、又横に一千万円と書いてありますが、この括弧内の一千万円の行政部費は、主として工場の建物の修理でございます。それから公共事業費のほうに見込んであります一千万円は工作機械であるとか、或いはその他の機械設備を主として更新する経費でございます。モーター・プールにおきましても同様でございまして、二千万円は主として械械その他の設備でございまして、千百万円は建物の新設或いは移設に要する経費でございます。それから建設械械の投術員の養成費が千五百万円、これは御承知のように、建設機械の新らしい機械につきましては技術員が相当払底しておりますので、二十四年度以降沼津の技術員養成所におきまして養成をして参つておりますが、二十六年度以降におきましては同様に沼津の養成所、或いは各地方建設局におきまするモーター・プールを中心といたしまして、オぺレーター或いはそれ以上の現場監督者というような技術者を養成して参りたいと考えております。それから機械化施行の調査費として新らしく本年度二百万円の要求がしてございます。これは二十三、二十四両年度あたりで国産の機械を新たに試作いたしました結果、二十五年度におきましては、大体国産機械もアメリカあたりの払下機械に追いついて行くだけの性能を持つようになりましたので、ここで一体機械化施行をした場合の本来の目的でありまする工期の短縮であるとか、或いは経費の節減であるとか、機械化施行することによつてどのくらい建設事業が経済化されるかというようなことを、現場の数カ所を選びまして実際に調査してみたい、かようなわけで本年度新たにこの調査費を要求した次第でございます。あとの事務費の八百九十七万一千円は、モーター・プールの運営費、或いは直轄工場の運営費に相当するものでございます。  簡單でございますが、以上であります。
  94. 小林英三

    委員長(小林英三君) 次は大村営繕部長に説明を願います。
  95. 大村巳代治

    説明員(大村巳代治君) 営繕部の御説明をいたします前に、少し営繕部の沿革から申上げたいと思います。営繕部は官庁営繕を担当しておるわけでございます。元は大蔵省の営繕管財局というものでありましたのが、管財局と営繕とが分れまして、戦災復興院の中に分れて、営繕のほうに参つたわけでございます。その後建設院から建設省なつたときに、元運輸建設本部となつておりました職員の一部を吸収いたしまして、地方機構を整備いたしたわけであります。営繕部といたしましても、建設省設置法に基きまして国有財産に対する営繕を担当することに相成つております。本年度まではこの営繕が公共事業費の中にありましたが、来年度からは一般行政部費のほうへ入ることになりました。公共事業費の当時は経済安定本部のほうに建築の担当官がおりまして、そこで各省の要求を査定して予算をきめておりましたのでありますが、来年度は大蔵省のほうと営繕部とが協力いたしまして、営繕部のほうとしましては、技術的の査定をいたしまして、即ち各省から出ます要求書を、一部は営繕部がもらいまして、そこで技術的の査定を加えて建設省担当の主計官のほうに出しまして、各省は各省の主計官のほうに出し建設主計官と各省主計官が折衝してきめたものでございます。大体お手許の印刷物の営繕部の要求の約二割くらいが通つております。併し御承知のように、この予算の編成が八月当時の単価でやつておりましたので、現在非常な建築材料の値上りに遭遇いたしまして、これでは来年度要求の坪数は到底できる見通しはございませんので、一応十二月末の物価に切替えまして、予算単価を大蔵省とも折衝いたしまして、約二割五分くらい上げて頂きまして、それで目下各省と折御中でございます。従いまして、この内容につきましては、まだ各省のほうで以て坪数を減す程度で現在の案を実施いたしますか、或いは追加要求を出して来るかのところが、はつきりいたしておりませんので、一応この枠の線で以て只今は考えておるわけでございます。  なおこの仕事以外に営繕として委託を受けて実施する見通しのありますものは、警察予備隊の工事、それから公務員住宅の工事、それから専売公社の工事、その他厚生省の療養所の工事などがございますので、公共事業費は十四億五千万ばかり、このほかに今申上げましたようなものが約二十億ぐらいございますので、合計、来年度は三十四億ぐらい建設省予算としてはあります。  簡單でございますがこれで。
  96. 小林英三

    委員長(小林英三君) 以上の監理局関係につきまして御質問があると思いますが、その前にちよつと皆さんにお諮りいたしておきたいことがありますが、それは先般本委員会におきまして提出することに決定いたしましたところの調査承認要求書につきまして、事務局の見解といたしまして、同一会期中に同一件名の調査事件を二件とるということは、その調査事件が第一次、第二次と、こう継続するというように考えられる虞れがあるということでございますので、第二次と命名いたしました分につきましても件名を変更してほしいとこう言つてつておるのでありますが、この第二次分の件名を建設事業の合理化及び計画の総合に関する調査というような工合に変更いたしたいと思うのでありますが、御異議はございませんか。
  97. 赤木正雄

    赤木正雄君 それは建設の総合化とおつしやいますとこれはひとり建設省所管のではなくして、農林省の関係ですから、これは事実この委員会としてはできないのじやないのですか。
  98. 小林英三

    委員長(小林英三君) それでは如何でございましようか、今の件名につきましては一応委員長にお任せ願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 小林英三

    委員長(小林英三君) それでは委員長にお任せ願うことに決定いたします。  なお先般最初調査につきまして、お手許に事務局の配付いたしましたいわゆる委員長の案としてお配りしてございますが、これを報告書として提出することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 小林英三

    委員長(小林英三君) それではさように決定いたしました。
  101. 小林英三

    委員長(小林英三君) では御質問を続けることにいたします。
  102. 赤木正雄

    赤木正雄君 これはどちらにお尋ねしていいかちよつと見当がつきませんが、都市計画策定基礎調査委託費というのがありますね。これは何ですか、おわかりになれば。  それからやはり不良住宅地調査研究委託費、それから不良住宅地調査委託費、それから国土総合開発調査費補助金といたしまして九百二十万円計上されておりますが、これは先ほどのお話地方庁の金ですか、それでは今まであつた金と同じことですね。これは国土総合開発は安定本部でやることになつておりますが、どういう関連を持つておるのでしようか。
  103. 植田俊雄

    政府委員(植田俊雄君) 只今御質問のありました都市計画、不良住宅地調査委託費、これは一度原局の方からこの調査費の趣旨をよく御説明申上げたほうがいいかと思います。  国土開発総合計画関係の経費でございますが、御承知通り総合開発は内閣なり、安本なり建設省なり等と関係各省から成立つており非常に多岐に亙つておりますので、地方関係総合開発の取まとめは建設省でいたすことになつております。従つて国土計画と申しますか、国土計画一環であります地方計画、都府県計画都市計画、こういつた地方で作ります計画指導建設省がやつておりますので、こういつた地方で作ります国土総合開発計画に対する調査費補助でございます。
  104. 赤木正雄

    赤木正雄君 次にお伺いいたしたいのは、これは地理調査所に関係しておりますが、特殊勤務手当というのが本年初めて計上されていますが、これはどういう種類の手当でございますか。これもなんですか、補助ですか。  次に諸手当といたしまして二十五年度より二十六年度は千八百四十五万一千七百円減少しておりますが、物価がだんだん上がる場合に、なぜこういうふうに諸手当が減少するのかこの原因も承わりたい。  次に旅費が二千五十五万二千三百円計上されておりますが、この旅費はどういう基準によつてこうなされておりますか。この基準の本を承わりたいと思います。  次に食糧費、これは非常に各省についてまちまちになつております。旅費が減つたり或いは食糧費が減じたりしておりますが、恐らく人員との関係でそうなつておると思いますが、これも判明し難い点がありますから、一体食糧費は建設省全体としてどのくらい計上されておるのか。食糧費が起る根拠についてお聞きしたい。  それから交際費といたしまして千二百万円計上されておりますが、この交際費は、私は昨年のこの予算の際にも申したのでありますがこれは非常に少い。少いからいろいろの部面に無理があるのではないか。これはむしろ大臣に承わりたいのですが一体いいか悪いか。交際費の少い額でまとまるかどうか。その理由を承わりたい。  それから地理調査所の特殊勤務手当、これが如何なものか知りたいと思います。それから公共事業費の中で、本年度は旅費が少しもなかつたものが、来年度は六百八十二万五千円計上されております。これは何によるか、これも知りたいのであります。まだたくさんありますけれども今日はもうこれだけにします。この次までに御答弁願えれば結構です。
  105. 植田俊雄

    政府委員(植田俊雄君) 地理調査所の特殊勤務手当でございますが、その点は私の或いは錯覚かも存じませんが、外の部局にもあります費用で、それに載つてないものもございますが、或いは誤植であつたのじやないかと思いまして、これは確めてお返事申上げます。  それから諸手当の減少でございますが、これも今直ぐに調べましてどうこうということはできませんが、恐らく退職金がこの中に入つているといたしますれば、行政整理が今度の予算では僅かしか見込まれておりませんのでその分じやないかと思います。これは只今申上げたのと違つておりますれば、別の機会に御訂正をお許し願いたいと思います。  旅費につきましては、各部局からそれぞれの用務の必要に応じました旅費の要求をいたしまして、大蔵省が査定いたすわけでございます。例えば三人一組で何県廻る、災害の中間検査であると、三人一組、それは技術官が二人で事務官が一人で、それで一県廻るに何日かかると、こういうふうな積算を根拠にいたしまして、延何日というものが出て参ります。そういたしますと、それでは單価のほうでございますが、大体遠い所も近い所もございますので、二十六年度予算としましては、確か広島近くのところを平均の單価にとりまして、それに日数をかけたと承知いたしております。  食糧費につきましては毎年度、若干違いますが、これも一々どういうことで要るんだということで、大蔵省に要求いたしまして認めて貰うわけでございまして、食糧費というものは、現在の事情では止むを得ない場合が非常に多いのでございまして、その要求の都度大蔵省がこういうふうに認めるものでございますので、これが建設省について本当に一貫した計画で附いたかどうかということについては、私も確答を申上げるほど自信はございません。食糧費が或る程度しか附いてない、或はこれで足りないとか或いはこれで多いとかいう御議論があるかと思いますが、大蔵省としまして、各省の一つの共同査定の線としまして計上してあることを御承知願いたいと思います。  なお交際費の百二十万でございますが、これは会計課長としてこれを経理いたしておりますのでまあ一番苦しい点でございます。交際費なんかは本当に要るものは要るものとして予算に計上せられるのが至当だと考えておりますが、なかなかこれも予算の伝統がございまして急速に殖やすことはできない。交際費は何とかやりくりで適当に会計課長がやつておるのだろうというのが大蔵省の実は落ちでございまして、実は非常に私ども苦しんでおる者でございます。  なお公共事業費のことにつきまして、公共事業費の事務費の旅費は、従来は地方建設局に附いていなかつたのでございまして、これは全部工事費のほうの、今度の予算で申しますと、附帯事務費の中に旅費、食糧費というものが出ておりましてその旅費で賄つておつたわけです。二十六年度からは地方建設局の行政官庁的な性格のものは、公共事業事務費の中に載せておくということで、今度初めて公共事業の事務費のほうにこの旅費が計上になりました。従いまして地方建設局の旅費を見る場合におきましては、公共事業費の事務費の旅費と附帯事務費の中の旅費と合せまして、建設局の旅費全般になるわけでございます。  なお只今行政官庁的と申しましたがこれもそう厳密に割切つたものでもございません。大体そういつた線に沿いまして旅費は公共事業費の事務費の中と、附帯事務費の中に含まれているということを御承知願いたいと思います。
  106. 赤木正雄

    赤木正雄君 これはむしろ大臣にお伺いする点と思いますが、今地方建設局のほうの行政的云々のお言葉がありましたが、地方建設はそういうことをする機関かどうか根本問題は私は疑問と思う。これはこの次大臣にお聞きすることにして、今日は保留します。  それからやはり附帯事務費というのがあるんですが、これは河川は〇・九、砂防〇・六、山林〇・八、土地改良〇・八、水産〇・一、道路一・三、港湾二・三都市計画は一・一、パーセンテージをとつたのですが、そういうふうに附帯事務費が各事業によつて非常に齟齬していますが、これは建設省内の公共事業費においても、今申す通りに非常に附帯事務費のパーセンテージが違つておりますが、これは実地についてやはりこういうふうに違うものでこうなつたのでしようかどうでしようか。
  107. 植田俊雄

    政府委員(植田俊雄君) 只今の御説明でございますが、その前に、行政官庁的という言葉を私申上げましたが、赤木委員の御質問の趣旨は又別問題でございますが、説明で行政官庁的というと言葉が強過ぎましてちよつと御訂正申上げておきたいと思いますが、まあ地建の何と申しますか、工事施行とは関連なしに要する経費と、こういうふうに先ほどの御説明をお聞きとり願いたいと思います。赤木委員の御質問の趣旨は別問題でございます。御了解願いたいと思います。  なお公共事業費の事務費のとりかたでございますが、二十五年度までは実は大蔵省と安本と両方で査定に当つておつたのでございますが、二十六年度からは全部大蔵省が査定をいたしておりまして、その際におきましては、只今赤木委員のお話になりましたようなパーセントのとりかたは、大蔵省の査定しました場合にはこれが妥当かどうかというために大蔵省部内でそういうとりかたを、考えかたをしたり、或は比較検討をいたしたかも存じませんが、そういうことは全然表面に出ておりません。一つ一つの工事費につきまして先ほどの行政部費系統のほうの旅費の積算の場合と同様に、地建でございますと河川事業のために地建から本省へどれだけ連絡に来る、或は工事事務所も本局へどれだけ連絡に来る、又逆に本局から事務所のほうにどれだけ連絡に行くと、こういつた一定の見通しの計画の下に計算したわけでございまして、初めから率できまつたわけでもございません。そういうことを御了承願います。
  108. 赤木正雄

    赤木正雄君 このパーセンテージは私が全部計算した基礎がこうなつておるのです。それを見ますと非常にパーセンテージをとりますと不平均になつていますから、これはむしろあなたでなしに大蔵当局或は安本に聞くべきものと思いますけれどもちよつとそういう意味で聞いたんです。あと今日はもうやめます。
  109. 田中一

    田中一君 この建設統計整備事務に必要なる経費とありましよう、この建設省の統計整備事務というのは内閣の統計委員会との統計調査の関連性はどういうふうになつておりますか。
  110. 植田俊雄

    政府委員(植田俊雄君) 建設統計は理想から申しますと、建設省所管以外のものも含めてのわけでございまして、実は内閣統計局の統計の一環としてやるほうが、予算をもらうにいたしましても又地方庁の協力を求める場合に補助金を十分に出すというようないわゆる指定統計分のほらが望ましいのでありまして、この分は交渉いたしておりますが、建設省といたしましては自分の所管の範囲内でなければ堂々と指定統計ということは言えないものでございますから、只今私の知つている範囲内におきましては、指定統計には入つておりません。併しながら府県に参りましたときには指定統計と何ら扱いは変らないわけであります。併し大体におきまして土木部系統の援助を得てこの統計ができ上つておりますとかように考えております。従いまして極めて僅かな金額でありますけれども地方庁には統計に要する経費の補助金を支出いたすように予定いたしております。
  111. 田中一

    田中一君 営繕部長にちよつと伺いたいのですが、営繕工事費のうち、各省の営繕工事のうち営繕部でやらない他の官署はどこどこですか。
  112. 大村巳代治

    説明員(大村巳代治君) 只今営繕部でやらないと申しましても、いろいろの事情があるわけでございますが、設置法の関係で枠の外に入つております分が郵政、電通の特別会計、それから法務府の囚人を使う建設、それから学校の復旧、その程度でございます。ところが実際問題といたしましては、独立会計になつております最高裁判所あたりは、まあ設置法の枠の外だという御意見で任せて頂いているようなわけであります。それから公務員住宅あたりでも一部は各省のほうでやつているような次第でございます。
  113. 田中一

    田中一君 参議院、衆議院の場合はどうなんですか。
  114. 大村巳代治

    説明員(大村巳代治君) 参議院、衆議院の場合にはこれは独立会計になつておりませんが、委託を受けて只今まではやつてつておりますが、小規模な分は議院直接におやりになつてもよろしいわけであります。
  115. 赤木正雄

    赤木正雄君 営繕部長にお伺いいたします。参議院の議員会館もやはりあなたのほうでやられるのですか。あのベルそれから時計、これらは昨年から附けたままで動かないのです。何と言つても修理をなさらないのです。あれはどうなのですか。
  116. 大村巳代治

    説明員(大村巳代治君) 先般直接御注意がございましてすぐ調べたはずでございますが、実はああいう設備関係のものは保守が万全を期してやつて頂いておりませんので、お留守が長かつたような場合にそのままになつておりまして、種々調べて頂いておりますとよろしかつたのであります。特に赤木委員のお部屋あたりにそういうものがあつたそうでありまして恐縮に存じております。あれは一応引継ぎます場合には全部試験をして立会つてお渡ししているのであります。毎年やはり調べて頂きませんと多少いたみが出て参ることがあるのであります。全体の上では約二、三本あつたのが偶然に……。
  117. 赤木正雄

    赤木正雄君 懇談のときに願います。
  118. 田中一

    田中一君 この独立会計のもの、例えば最高裁判所において各営繕部でやつておるところの仕事と、営繕工事としてあなたのほうでやつていらつしやるものと、單価のいろいろな条件、それはおのおのの意思によつて單価を取りきめるのですか。
  119. 大村巳代治

    説明員(大村巳代治君) 大体私のほうでは予算を編成したときに、標準單価を全部きめましてこれを各省にお渡ししております。そのときに独立予算のほうも一応差上げております。実際問題といたしましては、最高裁判所あたりは非常に立派なものを要求されて、單価はよくされて、いるように伺つております。
  120. 田中一

    田中一君 このたくさんあります明年度の営繕工事のうちで木造の分とコンクリートの分の区分を一遍お知らせ願いたいのです。今でなくて結構ですが、そうして希望するところは先ほど石川委員も言つておりましたように、無論木造の要求が多いでしようけれども先ず耐火構造でやつて頂きたい。いろいろな困難もあるでしようけれども、そういう行きかたでもつてやらなければいつも官庁には火事が多くて何もならないのです。ここでもつて三分の一或いは半分の金を以て造つても、保険にかけるというわけでもなし、この営繕工事の火災の消耗の率、そういうものから見ても是非とも燃えない家にして頂きたい。このうちのどれが鉄筋でありどれが木造であるか、或いは今のあなたのほうで受けない、所管でない委託工事ですね、そのほか特定の独立会計のものも明年度計画のうちの明細をお調べ願つて、この次の日に御提出願いたいと思います。
  121. 大村巳代治

    説明員(大村巳代治君) 誠に御尤もな御意見でございます。私どもも燃えない家を造ろうと盛んに大蔵省とは折衝しております。この予算の中でのちほど又細かい件数は差上げますが、二件ほど確かに記憶しておりますのは耐火構造で出したのを木造に落された記憶がございます。それから私どもとしては、木造のものも成るべく燒けんようにと思いまして、来年度は三十四万、金額ちよつとはつきりしませんが、災害防止の調査をいたしたいと思つております。例えば漏電なんかの虞れのないようなものにつきまして全庁舎に亘つて調べてみたいと思つております。
  122. 小林英三

    委員長(小林英三君) 速記をとめて下さ。    〔速記中止〕
  123. 小林英三

    委員長(小林英三君) 速記を始めて下さい。それでは本日はこの程度で散会いたしたいと思います。明後二十二日は公共事業の全般につきまして安定本部長官、それから同じく安定本部の公共事業課長、特別調達庁長官を招致いたしまして調査をすることにいたします。それから二十四日からは視察に……。
  124. 赤木正雄

    赤木正雄君 なお明後日大臣だけで済まんことがあるかも知れませんから、やはり関係政府委員建設省及び安定本部或いは河川部長とか道路部長……。
  125. 小林英三

    委員長(小林英三君) では関係局長を呼ぶことにいたします。本日はこれで散会いたします。    〔午後一時十一分散会〕  出席者は左の通り。    委員長     小林 英三君    理事      岩崎正三郎君            赤木 正雄君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            島津 忠彦君            門田 定藏君            田中  一君            東   隆君   政府委員    建設大臣官房会    計課長     植田 俊雄君    建設省都市局長 八嶋 三郎君    建設省住宅局長 伊東 五郎君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君    常任委員会専門    員       菊地 璋三君   説明員    建設省管理局営    繕部長     大村巳代治君    建設省管理局建    設機械課長   飯塚 主計君