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1951-05-23 第10回国会 参議院 決算委員会公団等の経理に関する小委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十三日(水曜日)    午後一時五十八分開会   ―――――――――――――   委員の異動 二月二十三日委員深川タマヱ辞任し た。 三月十四日決算委員長において岩木哲 夫君を委員に指名した。 二月二十三日委員加賀操辞任した。 三月二十六日委員岩木哲夫君及び岩男 仁藏辞任につき、その補欠として一 松定吉君及び鬼丸義齊君を決算委員長 において指名した。 三月二十七日委員小杉繁安君及び廣瀬 與兵衞辞任につき、その補次として 高橋進太郎君及び長谷山行毅君を決算 委員長において指名した。 五月二十一日決算委員長において高田 寛君を委員に指名した。   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件特別会計政府関係機関及び終戦処  理費経理に関する調査の件  (昭和二十三年度会計検査院決算検  査報告批難事項第三百九十七号足利  工業株式に対する二重煙突代金支払  及びこれに関連する事項の件)  (右件に関し証人証言あり)   ―――――――――――――
  2. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 只今から決算委員会公団等経理に関する小委員会を開会いたします。  本日は昭和二十三年度会計検査院決算検査報告批難事項第三百九十七号、足利工業株式会社に対する二重煙突代金支払及びこれに関連する件について証人出席を求めまして、慎重に調査することにいたした次第であります。証人におかれましては、御多忙中のところ御出席をお願いして誠に御迷惑と存じますが、本小委員会が国会の権威におきまして愼重な調査をすることをお認め下さいまして、証言されることをお願いする次第であります。  それでは宣誓を行いますから御起立を願います。    〔総員起立証人は次のよう宣誓を行なつた〕    宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。        証人加藤 八郎    宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。        証人 横田  廣吉    宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。        証人 瀧野 好曉
  3. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) なお只今から質疑に入りますが、小委員外委員のかた、即ち決算委員のかたには特に発言を許可したいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それでは証人のかたは……ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  5. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 速記を始めて。それでは只今から加藤八郎証人に対して質問をいたします。  証人昭和二十三年の末項はどこにお勤めになつてつたのですか。
  6. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 特別調達庁経理局長をいたしておりました。
  7. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それまでの証人の経歴を述べて頂きたいと思います。
  8. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 昭和二年に大蔵省に入りまして、ずつと大蔵省系統仕事をしておりましたが、昭和二十二年に特別調達庁が発足いたします際に、大蔵省から特別調達庁に転任しまして、経理局長を仰せ付かつたのであります。
  9. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 初めから経理局長に就任なすつたんですか。
  10. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 発足の際に直もに経理局長になつた次第でございます。
  11. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この三下煙突代金請求についてですが、最終の五万フイトの代金請求は、いつ誰からそういう請求を受けたわつけなんですか。
  12. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 日にちははつきりしない点がございますけれども、昭和二十三年の暮に契約増額するというよう書類が廻つて来まして、その後に請求書類が出て来たと記憶しております。
  13. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その請求書類が出る前に、誰かからこの代金を支払つてもらうというような交渉とか、或いは早く支払つてくれという運動を受けたことがありますか。
  14. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 誰からもそういう督促を受けた記憶はございません。
  15. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その請求書面が出て、あなたのほうにその書面が出たのはいつですか。
  16. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 口にちは記憶がございませんのですが、あとでわかつたのでございますけれども、十二月の二十八日に支払われたということでありますので、その間近に出ておるのだろうと思いますが、記憶はつきり覚えておりません。
  17. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 十二月の二十八日の間近にそういう請求を受けたことはあるのですね。
  18. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  19. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 誰からそういう請求書を出されましたか。
  20. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 普通の場合と同じように、会社から調達庁仕事代金請求いたしますときに付ける書類をまとめまして出して参りますので、会社から出ておるだろうと思うのでございますが。
  21. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 誰からこの請求書を出されたかということの御記憶はないのですか。
  22. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 経理局長の所に廻つて参りますまでにいろいろ手を経て参りますので、誰から受付けたとか、請求を受けたということについては私は記憶ございませんのであります。
  23. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その請求書の出る前に誰かから代金年内払つてもらいたいという運動を、或いは頼まれたということはないのですか。
  24. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) この請求書の問題でなしに価格増額の問題の点でございますが、その決済書類が丁度十二月の二十八日だつた記憶しますが、経理局のほうとしては意見がございましたので、それに対して私の割下でございました予算課長経理課長あたりが、その増額については、調達根拠が正しくないのじやないかというよう意見がありまして、その際にまあ年末でもございますので、その増額を認めるべきかどうかというようなことで初めて私の所にその書類を持つて来まして、予算課長なり、経理課長からどういうふうにすべきかという相談を受けまして、そのとき初めてそういう増額請求が出ておることを知つたような次第でありまして、その前のことは何ら記憶ございませんのであります。
  25. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それは庁内の人からそういうお話があつたということなんですか。庁外の人からそういう話をされたことは本当にありませんか。
  26. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 本当にございません。
  27. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 証人は忘れておられるか知れませんが、昭和二十三年の十一月の末項に大橋武夫から二千万円の代金年内に支払つてもらいたいという話をされたことはありませんか。
  28. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) そういう話を承わつた記憶がないのございます。
  29. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 大橋はこの委員会でそういう証言をしておりますがね、加藤昭和二十三年十一月の末項に代金二千万円の支払促進方運動をしたということを大橋はここに言つておりますが、御記憶はないのですか。
  30. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 記憶はございませんのですが、大橋さんは私のほうの役所戦災復興院次長であられたときに、私が特別調達庁に入りましたときに、まあ監督官庁でもありましたので存じ上げておりまして、二、三回調達庁でお目にかかつたことはございますが、その問題で特に私にお話があつたというようなことは記憶いたしておりませんのです。
  31. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 御記憶がなかつたり、お忘れになつたりしたことはよんどころないのですが、故意に記憶がないとか忘れたとか言つてあとでそういう事実があつたということになつて来ると問題になりますが、よくそのことは心得ておいて下さい。
  32. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 承知しました。
  33. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではその物品の代価を増額するという話があつたのは、それはいつ頃ですか。
  34. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 丁度二十三年の十二月の二十八日だと思いますが、先ほどもちよつと申上げましたように、御用納めの当日でしたか、前日でしたか、予算課長経理課長契約局から廻つて来ましたその書類について、LD三十五でございましたか、そういうものによつて調達するということは、もうそのLDがキヤンセルされておりますので、適当でないという意見を付けまして私の所へ相談に参りましたので、そのとき初めて知りました次第でございます。
  35. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうするともうやはりそういうことを庁内で問題にしたということは、足利工業のほうから代金請求を受けたということになるわけですね。
  36. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) その増額決裁が済まないうちは支払になりませんから、その前提でまあ年未でもありますし、払うべきものなら早く払つたほうがいいというようなことで、契約局のほうからもお話があつて、併しまあ一応経理局として意見がありましたので、私の所に相談に来られたそのときに、私もその意見経理局意見として採用すべきであると思いましたので、それを承認いたしませんで、返したよう記憶しております。
  37. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そのときにその足利工業からやはり請求があつたということをお聞きになつたのですね。
  38. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) その増額請求があつたことを聞いたわけでございます。
  39. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 増額請求があつたから無論支払請求があつたわけですね。
  40. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 増額書類と、それから支払請求書類とは別個になつていると思いますので、契約増額という書類だけの問題について、その当時私の記憶では持つて来まして、そうしてこの増額を認めるべきかどうかということについて相談を受けたよう記憶しております。
  41. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その後足利工業のほうからの物品納入の数量、どんなふうな状態になつておるのかわかりませんでしたか。
  42. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 納入の点まで調査いたしていなかつた、私はしなかつたのでございますが、要するにそういう増額自体が適当でないという考えでありまして、その内容について詳しくその当時調べていなかつたのでございます。
  43. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 何かその点でお聞きになつていなかつたですか。
  44. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) まあ恐らく、記憶としてはつきりいたしませんけれども、普通納入いたしまして請求いたしますときに、納入検収調書というようなものが付いておれば、経理局としてはその納入があつたものというふうに考えましてやつておりますので、納入は間違いなく入つておるものというように当時考えておつたよう記憶いたします。
  45. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうすると証人の今まで言われることを総合しますと、代金支払、或いは早く支払つてもらいだいということの話は二十三年の十二月の暮になつてから初めて聞いたというふうに窺えますが、それでいいのですか。
  46. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) そういうふうに記憶しております。
  47. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではその代金請求書はどこで誰か受取りましたか。
  48. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 代金請求書類の点についてお尋ねがあつたのでございますが、丁度そのとき私は昭和二十三年の年末の支払事務が非常に多忙でございまして、当時経理局次長も、前次長が転任して後任未着任というよう状況で非常に仕事に追われまして、夜勤を毎日重ねておつたよう状況であつたのでありますが、そんな結果衰弱いたしまして、実は倒れまして相当怪我をいたしましたあとで、病院に人づておつたのでございますが、それから出て参りまして、丁度十二月の御用納めが済みまして、総裁御用納めの訓辞が済みまして、もう懸案の問題もなかつたので帰宅いたしましたのでありますが、あとで聞いて見ますと、その支払請求書類はその不在中代決になつておることをずつとあとで知りましたので、その請求書がどういう径路で経理局のほうに廻つて来ましたかどうかということについて、私関知していなかつたのでございます。
  49. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それでは全然あなたはその請求書受取つたことについては知らないというのですね。関知していないと言われますか。
  50. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 請求書受取つたということは、どういうことのお尋ねかわかりませんが、その請求書書類について私が決裁の判を押したということがなかつたのでございます。
  51. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではそういうのは、支払になつたということは、いつあなたは知られたのですか。
  52. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) それを知りましたのは多分、はつきり申せませんが、翌年の一月末頃であつた記憶いたしております。
  53. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) こういうことは御存じないのですか。十二月の二十八日の経理局のほうから契約課請求書計算だけしておきたいから是非その請求書を廻してくれという要求があつた。それで契約課のほうではまだ書類が揃わないからそれを廻すことができないと言つてつたところが、とにかく計算だけしておきたいからして是非廻してもらいたいというので無理やりに契約課のほうからその書類を持つて行つたと、こういうことは御承知ないのですか。
  54. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 全然ございません。
  55. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) ちよつと一つだけお伺いしておきたいのですが、二十八日の御用納めが済んでから帰宅した後に、不在中代決になつて請求書決裁になつてつたということを知つたとおつしやつたのですが、その代決者は誰ですか。
  56. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) あとでわかりましたのでございますが、経理局長代決として経理第二課長横田第二課長決裁になつてつたと思います。それから支出官と両方兼ねておつたのでございますからなんですが、出納課長のほうの決裁課長補佐でありました吉田事務官代決ということになつていたと思います。
  57. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 証人役所暫らく十二月中に休んでおつたと言われましたが、いつからいつまで休んでおつたのですか。
  58. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 十二月の上旬であつたと思います。約一週間ほど休んでおりました。
  59. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この話のいろいろあつたのは中旬頃からですが、あなたがずつと出て来られてからの話なんですね。休んでおられたのは上旬中なんでしよう
  60. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  61. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 経理局長はこの支払いについていろいろ関与しておられなかつたということはないと思いますが、その点はどうなんです。
  62. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) その増額の話が初めて私の所に相談に来ましたのが、先ほど申しましたよう御用納めの日でございまして、或いは経理局の、要するに私の局長の所まで決裁が来る前にそれぞれ関係課長が見ますので、或いはその課長の手許にはその前に勿論来ておつたと思いますが、私の所に相談に来まして、私が初めて増額の申請ということを知りましたのは御用納めの日であつた記憶いたしております。その前は特にその問題について私関知していなかつたよう記憶いたします。
  63. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 先ほど来話を伺つておりますと、加藤証人はこの支払について殆んど御存じのないよう状況であり、又何人からもさよう運動を受けた記憶がないようにおつしやつたのでありますが、実は二十四年の二月頃に副織裁の中村豊一君から命令があつたものと見えまして、当時関係をいたしました大曾根佐野木崎吉樹というよう事務官が当時の状況を相当細かく報告をしておられるのであります。その内容を拝見しますと、随分局の内部においてもこの支払の問題が紛糾いたした過程が克明に記されておりまして、首脳部において会議を持つて、いろいろと審議をしたというようなことも書かれておるのでありますが、そういう会議にもあなたは御出席になつたことがないわけなのですか。
  64. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) そういう会議に出た記憶は全然ございません。
  65. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではこの二重煙突としては、LD三十五によつて仕事をしておつたのですが、それが一遍キャンセルになつたのですね。
  66. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  67. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それが更にLD五十七の追加の発註をしたということは御存じですか。
  68. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) あとで知りました。
  69. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これも全然知られませんか、そういう経緯は……。
  70. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 要するに経理局といたしましてはLD三十五を調達根拠とすることはいけないのじやないかという意見を付けまして、書類を多分契約局に返したと思いますので、その書類が後日支払になつてしまつたということを一月の、先ほど申しましたように、末項知りましたので、そのときに初めてそういう調達根拠変つて決裁になつておるということを知つたような次第であります。
  71. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それじや一月になつてからしてそういうことを知るまでは全然そのことに関係なかつたのですか。
  72. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 先ほど申上げましたように、LD三十五に調達根拠を求めることが適当でないという意見を付けて返しましたので、その書類決裁になつたということを実はそれまで知らなかつたのでございます。
  73. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 決裁になつたことは知らなかつたけれども、そういう意見を付けて返したということは、どういうときにそういうことをされたのです。
  74. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) その価格増額伺い文書が廻つて来まして、それについて予算課長なり、経理課長意見を付けましたのです。私もその意見に賛成をいたしまして、その書類を戻した、原局へ戻したということになつたのであります。
  75. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 一月の未頃になつて支払が完了しておることを知つたという証言でありましたが、それはどういう動機で知られたわけですか。
  76. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) それは多分一月の末頃だと記憶いたすのでございますが、総裁室の隣りの部屋か何かで当時の促進局長、それから契約局長、それから会社の、足利工業高橋専務、それから納入代行太平商工中村常務というようなかたがたを集めまして話をされることになつたのでありますが、その際に私初めて調達煙突が完全に納入になつていないということを承知いたしたのでございます。
  77. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) そのほかまだちよつと尋ねたいことがありますが、あとで伺うとして、ただ一点だけ伺つておきますが、当時は政府注文工事に対する支払金が非常に遅延しておるというのでやかましかつたときであります。従つて恐らく十二月の末日には相当多額国費支払われたと思うのですが、そういう多額国費支払われたものについて、経理局長は個々の支払案件について一括して報告をとられるとか、そういうようなことをして、翌くる年早々に一応チエツクをせられるぐらいの心がまえがなければならんと思うのですが、そういうことは全然せられなかつたのですか。
  78. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 只今お話御尤もでございますが、大体年末の支払御用納めの日の午前中までに片付きまして、私も大体年内にはもう重要案件はないと、かよう考えて帰つてしまいまして、その後そういう支払があつたということを、甚だ申訳ないのでありますけれども、その一月の末項まで実は知らないでおつたのでございます。
  79. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうすると、これだけの金が支払われるのに局長は全然支払われることを知らなかつたのですか。
  80. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 特調支払、殊に年末の支払につきましていろいろ資金の手当をいたしまして、そうして年内に払えるものを成るべく早く払つて、大体もう年内支払の一段落と申しますか、そういう見通しが付いたところで帰りましたので、その後の支払について実はその当時承知しなかつたのでございまして、まあ普通支払の様子その他については常に関心を持つておりましたけれども、その年木支払に二重煙突の問題が入つて支払われておるということにつきまして気付いたのがあとであつたということになつたのであります。甚だその点は申訳なく思いますが、さようになつてしまつた次第であります。
  81. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) どうも私腑に落ちないので伺いますが、この役所局長代行権と申しますか、代決権ですか、そういうものはどういう程度で金銭支払の上においてはきめられておるか。と同時にそういう代決をしたものについで、而もこういう高額な国費支払をしたものについては、代決者は遅滞なく局長報告をして事後承認を求めるぐらいなことは当然行われるべきであると私は思うのでありますが、そういうことは全然当時なされていなかつたのかどうか、その点を伺つておきます。
  82. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 大体経理局長といたしましては、当時次長も欠員でございましたし、成るべく代決ということなしに私自身が決裁をするように心掛けておつたのですが、併しまあいろいろ外部との会議その他において席にいないというような場合には、代決しで書類を早く流すということはやらせておつたのでございますが、勿論重要な問題、或いは異例に属するような問題につきましては事後報告を受けるというようにいたしておつた次第でございます。
  83. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) そうしますと、あなたの所管ですが、この二重煙突の五万フイートの支払、十二月二十八日に行われた支払のごときは重要な支払、或いは、異例支払、そういうふうにあなたはお考えになりませんか。
  84. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 金額も大きうございますし、その増額根拠になりました問題もありましたので、異例に属するものと考えます。
  85. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) そういうようなことが行われてあなたは全然下僚から報告を受けられなくて、一月の末日に偶然にほかの会議のときに、この事件の全貌を知られたということでありますが、そういうことになつてからあとで、あなたは代決をした横田第二課長なり或いは出納課長代決を行なつた吉田事務官なりに戒告をなされたことはありませんか。
  86. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 特にいたしてございません。
  87. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) してないのですか。
  88. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。戒告という行政上の問題では……、まあ処分というよう意味ではなしに注意はしましたけれども、正式な行政処分というよう意味戒告はいたしておりません。
  89. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) もう一点ちよつと確めておきますが、それだけの金が支払われたことについて、局長は何にも関知しないということですが、誰が始末は、局長の代りにそういう決定をしてやつたのですか。
  90. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 結局代決者経理第二課長ということになつて来ると思いますので、私監督者として誠に不行届であつたとは思いますが、今委員長のおつしやるよう意味代決者の責任じやないかということになりますと、経理課長になると思います。
  91. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 横田課長ですか。
  92. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  93. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その報告横田課長から局長には何にもないのですか。
  94. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) その二十八日の日にそういう文払をしたということは即日通知するというようなことも、たまたま私の家に電話もありませんでしたので、通知もできなかつたと思いますが、翌年早々そういう報告を受けなかつたのでございます。
  95. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そういう報告いつお受けになりました。
  96. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) そういうような……一月の末項かと思いますが、二重煙突支払の基礎になりました検収が誤りであるというようなことになりましてからその話を聞いたと記憶いたしております。
  97. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その問題になつて来るまで全然この支払については局長報告がなかつたのですか。
  98. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さよう記憶いたしております。
  99. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それまで局長支払つたということも知らなかつたのですか。
  100. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  101. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 先ほど申上げました、総裁からその間の事情を聴取されて、文書報告をした大曾根佐野木崎吉樹等事務官報告書を拝見しますと、いろいろな事情がありまして、業者からは盛んに支払督促があり、又関係者運動した点もありますけれども、事務的な書類の手続上どうしても年末までに支払は不可能である、こういう断定を役所の中でこういう人も下しておつたようでありますが、にもかかわらずこういう支払が行われたので、もう非常に唖然とした、こういう表現を使つて書かれておられるのでありますが、あなたは当時の状況から考えて、今日の心境でもよろしゆうございますが、非常にこういう場合に唖然とした、こういうような心境をお持ちですかどうですか。
  102. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) その当時としましては、私は本当にそういう支払の問題が、支払うべきであるかどうかという問題があつたということを知りましたのは年末でございましたが、それが結局検収調書が不備であつた、不正であつたというようなことでこの話を聞きまして誠に申訳なく感じます。
  103. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 先ほど委員長からの質問は、年末までにおいて、年末までの間においてあなたが知つておられるいろいろな事情を伺われ、そうしてこれは大体全部御存じのない、こういう証言をされたのでありますが、そういう、今言つたよう事情で非常に重要な支払事件を起したということが一月の末になつて知られたわけでありますが、それを御覧になつてから、御存じになつてからあとで、経理課長の責任においてその支払がどういうような所に工合が悪い点があり、どういうような所に不正があつて、こういう事務的な役所の中の手続が進んだか、その点、あなたの責任において調べられたことがありますか。
  104. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 私の責任においてそういうことを調べるということはいたしませんが、まあこれは御承知のよう調達庁仕事は、いろいろ横割に制度がきまつておりまして、契約をするなり支払をするなりにはいろいろの局が関係されておりますので、それを総括して総裁、副総裁の線でいろいろ御調査になり御研究にもなつたのでありますが、我々といたしましては、経理局内部のやり方について検討、反省するという意味で研究いたしましたけれども、全部の問題としては総裁、副総裁の線でいろいろ御検討になつたのであります。
  105. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 私が伺つておるのは、あなたの責任においてと申上げておるのは、ほかの局のことを申上げておるわけではありません。経理局の内部の面接あなたの部下であるところの横田第二課長なり、或いは出納課長なり、そういう人がとつた態度が正しかつたのか、どうしてそういうような無理をして支払わなければならん背後の事情があつたのか、そういう点をお調べになつたことがあるかということをお尋ねしておるわけです。
  106. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 経理局といたしまして、結局検収調書の間違いがあつたということを知りまして、納入代行という制度による検収調書というものについて、十分信用が置けんというよう意味で、我々といたしましては今後そういうものについてのはつきりした検収内容を特審局によく連絡をとつて調べるとかしなければならんというような点、或いはそういう支払の際に経理局長代決というようなことで専行されないようにというような点について注意をしようというふうに考えて参つた次第であります。
  107. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) そうでなくて、とにかく役所の内部においても、年末までには支払が不可能であるという、殆んど断定を下しておつたようなこの支払案件について、横田第二課長がとにかく代決で以て年末に、殆んどほかの人が見ますならば常識を超えたような手続を以て支払つてしまつたということについて、横田課長の行なつたことが行政の運行上、或いは経理局仕事のやり万として適切であつたかということ、その横田課長がそれほどまでにしなければならなかつた背後のいろいろな事情までも突込んで調べられて、そうして調査をせられたかということを私は伺つておるわけであります。なぜかと申しますと、先ほどあなたは戒告はしない、ただ若干注意をしたと言われましたが、その注意の内容が私わからないものですから伺つておるわけです。どういうような注意をせられたか。
  108. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 横田課長に対して、そういう金額も大きうございますし、異例に属するよう支払の際の代決というようなことの内容に注意はいたしましたが、併し特にそういう代決をなぜしたかと、或いはなぜそういうことをしなければならなかつたかというよう事情は、まあ一般的には年末はみんな金が忙しいときでもあり、又支払可能なものは成るべく早く支払うべきであるということが、外部からも文句を言われておりましたし、我々もさよう考えておりましたので、横田課長関係請求書書類が完備して年末までに支払可能ということになつてしまえばやはり払つて行くべきじやないかというようなつもりで支払代決をしたというふうに考えておられますので、特に戒告その他の手続をとつて訓戒することをしなかつたのでございます。
  109. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) そこは非常に重要な所ですが、今横田深長が書類の一応体裁が整えば代決を以て支払うべきものであると考えておつたと、横田課長考えておつたと、そういうふうにあなたはおつしやつたのですけれども、これは横田第二課長にそういうことをはつきり確かめてありますか、そういう意思で彼が支払いをしたということを……。
  110. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) そういうことの意思を確かめましたかどうですか、はつきり記憶ございませんのですが…。
  111. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ちよつと証人に伺いますが、横田課長代決をしたということについて報告もないし、それから局長としてそのことを知つた際に、そのことについて問い質しもしないということは、局長としての責任はどうなのですか。御答弁がどうも余りに他人のことみたいに先ほどから言つておられるので、我々納得が行かないのでありますが、横田課長の責任や、それから総裁、副総裁もこういうことは直接やつておられるというようなことを言つて、御当人の経理局長の責任、或いは経理局長の職責というものについては一向話をそらしておられるようなんですが、それは一体どういうふうにお考えになつておりますか。
  112. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 決してそらしたわけでもございませんが、勿論こういう始末になつたことにつきまして、責任者でございまする当時の経理局長の私としましては、誠に申訳なく存じます。殊にまあ平素の市下の指導その他がよろしくないので、こういう代決による支払というようなことになつたという点につきまして、甚だ遺憾なことと申訳なく存じます。
  113. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 代決が行われて、そうしてその代決によつて支払われたと、ところがこの代決されたときは、証人はおられたのにかかわらず代決をしたのか、全然証人が椅子でも立つておる間に代決をしてしまつたのか、その点について伺いたい。
  114. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 御用納め総裁の訓辞が済みましてから、私病後でありましたので帰りましたので、そのあと代決されたのであります。
  115. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 それは何時頃の時間でしようか。
  116. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 私帰りましたのは多分……総裁がお晝の時間に御用納めの話をされましたので、それが済んで席に戻つて暫らくして帰りましたから、恐らく私が帰りましたのは一時か二時頃ではなかつたかと思いますが、私が不在なので、そのあと代決されたのでありまして、その時間の点ははつきり私存じておりませんのでございます。
  117. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) もう一つ役所の慣習を私伺いたいのですが、本人が病気で以て全然書類が見れないとか、或いは旅行中ということなら別でありますが、普通自宅に静養しておるというような場合には、重要案件については、代決ということではなくて、局長の自宅まで書類を持込んで、そうして決裁を仰ぐと、そういうような慣習は全然役所にはないのですか、その点が先ず第一点に伺いたい点であります。それから第二点は総裁の挨拶まで終つて御用納めまでしてから役所仕事をするような、そんな日本の役所というのは能率的なサービスの仕事を当時しておつたのか。その二点を伺いたい。
  118. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 役所の慣習といたしまして、自宅まで持つてつて決裁を受けると、勿論これは重要な案件なんかで、而も非常に至急を要するというような場合は必要かと思います。尤もそういう場合があつたことは私自身にはございませんでしたけれども、併し御承知のように年末の丁度支払請求が殺到しておりましたときでありまするし、又書類が早く流れませんと非常に業者のかたも御迷惑なさるので、私自身成るべく代決じやなしに自身で決裁をするようには努めておりましたが、会議その他不在の場合に、普通の支払でございまするならば代決をさせて支払うというようなふうにやつてつたのであります。なお年末までそういう仕事御用納めが済んでからもするようなことがあつたかというようお尋ねでありますが、これは特別調達庁年未支払のために非常に忙しいのでありまして、大体三十一日の午前中くらいまで小切手の支出をやつておりまして、私が先ほど御用納めで大体仕事が済んだと申しましたのは、支払うべきにその文書決裁が済んだのでありまして、それから初めて今度小切手の準備や或いは小切手認証官の認証を得て、現実に正当頂権者に小切手を渡すというよう仕事はそのあとに続いて参るのでありまして、この仕事は恐らくその年も三十日一ぱいくらいはやつてつた記憶いたします。
  119. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) とにかくあなたが午後の一時か二時頃帰られたとこういうのでありまして、この支払が恐らく問題になつてつたのが、どんなにつき詰めても、御用納めの日の朝から問題になつてつたと思うのです。それだからあなたが帰られるときに、若し本当にあなたに決裁をもらいたいということならば、あなたにその意思を伝えるとか、或いは自宅のほうで待機しておつて頂くとか、適当な手段が私は講じられて然るべきだつたと思う。それが全然ない。而も一月の末までも支払われておることを知らないというようなことは、そこにやつばり作為的なものがあつたと断定せざるを得ないのですが、而も先ほどあなたは会議に出たことがないとおつしやつたのですけれども、ここに契約課長の佐野参事の報告を見ますと、「石破次長より経理局長の在否を確かめられた上、同局長室に参り協議いたしましたが、経理局長の御意見はいささかの変更もなく、追書のままの処理を要求されたのであります。」、こういう工合に書いてありますが、これはやつぱりあなたがその会議に出ておられることを意味しておるのではありませんか。そうして而も、前々からこういうことがあつたことを御存じになつて、相当問題が紛糾していることを御承知になつてつたのではありませんか。
  120. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 只今会議録私見ておりませんが、それはいつの会議のことでしようか。
  121. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 十二月の二十七日。
  122. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 私が年末に知りましたと申しましたのは、たしか年末のあれは二十七日の日に、私の所に予算課長やその他が書類を持つて来て相談を受けたのでしたか、二十八日でしたかはつきりいたしませんが、と申しますのは、これだけははつきりいたしておるのでございます。二十八日の日に総裁御用納めの訓示がありましたので、その隊にエレベーターに乗つて屋上に昇ろうとするときに、丁度調整局長が一緒になりまして、それで足利一業の支払の問題で経理局意見を述べておるので、まあ契約局意見と合わなくなつておりまするので決定に困つたと、それでこれは一つ関係局の会議を開いてきめなければなるまいというようなことを、その工ーべーターの中で言われましたので、そのときに、はつきり私もそのことは覚えておりますので、二十七日か二十八日の問題で初めて私が知つていたのでございます。
  123. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) それで例えばあなたの態度は非常に巖正な態度を終始とられておる、そうしてそういう便法的な支払をすべきでないという考え方を堅持せられておつたようにこの報告では書いておりまして、その点は結構であつたと思いますが、従つてそういうあなたの態度があつて支払に支障が来るというので、横田第二課長あたりが作為的にいわゆる代決というのを行なつて、そうしてあなたをつんぼ桟敷に置いたという工合に私どもはどうしても考えざるを得ないのですが、あなたはそうお考えになりませんか。
  124. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) そういうような作為はなかつたと私は考えております。
  125. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) それはこれからいろいろまだ御質問もいたしますが、そういうようなことが明らかになつて来ても、あなたは責任を以てそういう工合にお考えになりますか。
  126. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 私はそう考えておるのでございます。
  127. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 年末で大変忙しいときらしいのですが、その当時ほかにも代決したような案件があつたのですか。証人加藤八郎君) 私の配慮では一括代決をさせておるようなことはございませんでしたから、恐らく御用納めの午前中に書類が廻るベきものは廻つておりますので、ほかに代決されておるよう文書がたくさんあつたというようなことはないと思つております。
  128. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 あとでこれ以外には問題になつてそういうふうな代決が云々されたようなことはありませんですか。記憶ありませんか。
  129. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) ございません。
  130. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 証人に一、二お伺いいたしたいと思います。それは第一は、証人大橋から支払促進の件を頼まれたかどうかということでございますが、大橋証言では、二十三年の十一月の末項に加藤証人代金二千万円の年内支払方の促進の運動をしたということを証言しておるのですが、先ほど証人大橋からは頼まれたことがないということを言われておるのでございますが、大橋は十一月の末項でありますが、十一月の中頃のようなことを言つておられるのを私は聞いたことがあるのでございますが、その頃に大橋にお会いになつたかどうか、そうしてその大橋証言では二千万円の年内支払方の促進運動をしたということを言つておりますが、二千万円ならばこれは私は過払のことは何にもない。三月の十四日の本小委員会報告書では、そのうちに大橋が本件の二重煙突代金の過払から回収、接収に至るまで種々なる関係を有していたということが書いてありますが、この過払ということは大橋は別に言うていない。それを何か十一月の末項に加藤証人に依頼したというようなふうにもとられておるのでございますが、もう一度念のためにお伺いいたしたいのですが、二千万円のことも、それから金額のことも、全然大橋からは依頼を受けたことがないのだというふうに承知してよろしいのでございますか、その点を先ずお伺いいたします。
  131. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 大橋さんが役所に来られてお目にかかつたことは、先ほども申しましたように一、二回ございますが、調達庁の席は、局長も皆同じ席に、部屋が狭いものでございますから、ごたごた並んでおりまして、いろいろ御用事で来られたときに、御挨拶をするよう意味でお目にかかつたことはございますが、この十一月末に三千万円というような具体的な話で私に支払の促進方を要望されたという記憶はどうも私ございません。
  132. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 もう一点お伺いいたしたいのですが、先ほど年末に四千万円の支払を急速にやつたことが問題になつておるようでございますが、年末の二十八日に払つたことに対して、先ほど証人増額の問題についていろいろ問題があつたので、予算誤長や経理第二課長といろいろお話しになつたというふうに承わつたのでありますが、この四千万円の支払については、小委員会報告では、足利工業は十二月の四日附で四千百七万円の支払請求書を出しておるというようになつておるのでございますが、この二重煙突契約でございますが、それは二十一年の十二月九日に二十五万フイートで四千万円の契約をしておるのでございます。それは特別建設局の業務部長の決裁になつておるのです。その後二十五万なフイートの納入につきまして、八回に亘つて九千九百万円の支払をしておるのでございますが、支払については私はこれは経理局長の責任であられると承知するのでございますが、私はこの小委員会の当初において質問をいたしたのでございますが、そのときに資料としてお願いいたしたのは、一回から八回までに分割して支払つていたんです。金額はわかつておりますが、そのときに毎回半分ずつ支払つたのです。毎回幾らの単価で支払つたかという資料を実は要求しておつたのでありますが、今までそういう資料は来てないのです。先般三月二十二日に特別調達庁から過払の処理状況という書類を頂いたのですが、それによりますと、当初四千万円の契約をした、業務部長がしているのです。その後五回に亘つて単価の、単価といいますか、契約の金額の変更をしているのです。それはどうもこの書類では甚だ不鮮明なんですが、第四回目の契約変更をしたのは二十三年の十二月五日、その前の第三回は二十二年の十月二十四日、一年間放つたらかしといて二十三年十二月五日に増額の変更の契約が来たんです。これは業務部長の決裁でやつていると思うのです。そうすると一年前の二十二年の十月二十四日までのはこの資料ではわかりませんが、どうもやり方が私にはわからないのです。二十五万フィートを毎回々々八回に支払つたのですが、毎回二十五万フイートのところへ一フイートの単価を幾らかずつ上げてやつている。そこで二十三年十二月五日の前までに七回払つたのですが、それまでに丁度二十万フイートが入つていたんです、七回に払つておるときに。そのような資料を私は一番初めに要求していたんですが、来てないのです。わかりませんが、大体工十万フィートきつちり入つていたかどうか、その検収調書にはどうなつておるか、今以て不明なんです。これは当局のほうへお願いして資料を出して頂きたいと思うのです。ところが二十三年十二月五日、第四回の契約変更は、これは五万フイートに対する増額ということになつているのです。それ以前には二十万フイート済んだんです。そうしてあとの残り五万フイートは二十三年十二月五日に業務部長と契約しているのです。先ほど証人は年末の二十八日頃に、増額決裁の問題があつた、こう言いましたが、増額決裁でもなんでもないのです。問題は五万フイートという検収調書、それが確実なものかどうか、そうして五万フイートに対する金額というものは、十二月の五日に実はあなたの所管ではないことにきまつていたのです。そのときに問題が起ることは私ほおかしいじやないか、そうしてその間に十二月十四日に会社からは申請が出ていたのです。十四日から二十八日までの間にどこにその書類がとどまつていたか。検収調書はつきりして、確実なものであるということになれば、確かにきまつていると言うのですか。あなたはその検収調書は確かだが、過払は、半分しか来ないというようなことを誰からかでも聞かれたか。検収調書というものがはつきりしておるのならば、それは当然私は経理部長としては出してもいいだろう、十二月の十四日頃なら年末……、どこにそういう書類がとまつていたか。そうして五万フィートの代金が四千何百万円というのは、十二月の四日頃に申請書が出ておる。ところが私はこの前の委員会で、その検収調書五万フイートが四千万円になるのかということに対して、これは三人ぐらいの証人証言によりましても、どうもまだ今以てわからない。足利工業高橋専務が人な介して、特調に五万フイートを出してもらいたいというようなことを証言をしておるし、代行会社の太平工業の藤原という人が、証人は、特調の石井技官に言われた通りに五万フイートを出してある、石井技官は全然自分はそういう命令を下したこともないし、それから十二月の十七、八日頃に足利工業誰からか是非四千万円ぐらいを出してもらいたいということを言つて来たけれども、自分は拒絶したんだ、それから又年末になつてから、田中社長が東京へ出て来て、そうして四千万円くらい欲しいといつたときに、四千万円なんてそんなに出そうはないんだというようなことを聞いたが、急に一、二日たつて四千万円出ることになつたというように、どうも前の証人証言は一つも実は一致していないんですが、初めて私は特調から出た書類で拝見したのですが、すでに丁度五万フイートというものが出ておる。その増額の金額がはつきりするようになつておる。そうして今までいろいろの証人から聞いたのは、みんな日が食い違つておるので、只今証人お話も、増額決裁というようなことは、これは間違いなんでしよう検収調書でさへ五万フイートない、その当時決裁したと言われましたが。そこら辺の日附の食い違いは、只今までの証人の言われたことと少し違いがあるのじやないかと私は思います。その点を承わりたい。
  133. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 増額の承認というよう決裁文書であつたということを申しましたのは、多分煙突の材料でございました石綿なるものの公定価格が変つて従つて値段が高くなつたという意味のいわゆる単価の値上げと私は記憶しておるのでございますが、その点どういうことでございましたでしようか、ちよつとわかりませんでしたか……。
  134. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 これはもう十二月の五日にきまつておることでございます、業務部長の決裁は。あなたのほうは関係はないんでしようちよつとお伺いしたいのですが、業務部長というものの上の局長はどなたがやつておりますか。
  135. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 特別調達庁に業務部長というのはございませんと思いますが、まあ契約増額するかどうかという問題になりますると、契約局もございましたし、それを……。
  136. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) あなたは瀧野というかたを御存じでございますか。
  137. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 庶務部長としておられましたから知つております。
  138. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) この瀧野氏から五万フィートの代金支払についてあなたは依頼と申しますか、促進の話を伺われたことはございませんですか。
  139. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 私瀧野さんからそういう話は受けたことはございませんが、年末に調達する根拠が適当でないという意見で、契約局といろいろ意見の交換をしておつたのでございますが、庶務部長のほうは関係ございませんので、私特にどうこうということを頼まれたことはございません。
  140. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ちよつと証人に伺いますが、この増加申請については増加の決定をしたということがあるのですが、それは証人関係しておられませんか。
  141. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 契約金額の増加でございますか。
  142. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうです。先ほどあなたの資材の公の値上りによつて製品の代金の増加の申請をして来た、それに対して特調が値上り増加の決定をしておりますが、それについてはあなたは関係しておらないのですか。
  143. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) それは単価値上げによる増額申請として年末に出て来た書類ではごございませんですか。
  144. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それに関係があることなんですね。
  145. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) その書類でございますと、先ほど申上げましたように、増額契約をして行くということは、すでにキヤンセルされたLDを基心礎としては適当でないんじやないかというよう意見を申上げておつたのでございます。
  146. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではこの書類証人は知りませんか。昭和二十三年十二月五日の増加の決定書でございますね。
  147. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 記憶ございませんですか。
  148. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これは全然記憶ない……。これはそのあとにでも見たことはないのですか。この決定にあなたは関係しなかつたにしても、その後に至つてこの書類を見たことはないのですか。
  149. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) はつきり記憶ございません。
  150. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではこれはやはり増加の決定の書面ですが、十二月十六日の決裁書ですが、これはどうです。
  151. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 存じております。
  152. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それは知つておりますか。
  153. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) はあ。
  154. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この決定をするときにあなたはこれに関係したわけですか。
  155. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) この決定についてそこのあとに書いてございますように、この意見を、LD三十五を基礎とすることは適当じやないという意見を申述べておつたのでございます。
  156. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではこの書類あとに赤鉛筆で書いたこの文句はあなたが書き入れたわけなんですか。
  157. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) それは松永予算課長じやなかつたかと思いますが、予算課長横田経理課長がそういう意見を付けまして、それについてまあ契約局としては、それでは困るというような話もあつたものですから、私の所に相談に参つたのであります。私もその意見に賛成しまして、そこにございますように判を付け、同意の判を押してあるわけであります。
  158. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 書いたのは松永何課長と言いましたか。
  159. 加藤八郎

  160. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 書いたのは松永予算課長で、あなたはその後になつてから同意見だというので、この欄外に判を押したと、こういうことになるのですか。
  161. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  162. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これを書き入れてあなたが欄外に判を押したのはいつなんですか。
  163. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) それが年末の二十七日か二十八日か、その問題になつたときでございます。
  164. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ここの所に校閲と、あとで閲覧したという意味ですね、校閲としてあなたの判まで押してあるが、これはいつのことですか。
  165. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) その日取りは覚えておりませんですが、結局決裁になつた総裁決裁が済んだ後にこれを校閣して、見たということになつておるのだろうと思います。
  166. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 決裁が済んだ後というのは、総裁決裁が済んだ、即ち十二月の十六日の後ですね、あなたが見たというのは。
  167. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  168. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうすると暮の二十八日前に見たのですか。
  169. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 私の記憶では、その後で松永予算課長意見を付けたのに判を押したのは暮の二十七日か八日でございましたが、その前扉のほうに付いております校閲の判はいつ押したかちよつと思い出せませんのでございます。
  170. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) どちらが先なんですか。
  171. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) それはその後の意見を付けたところに押した判が先でございます。
  172. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これが先…。ちよつと変なように思いますが、校閲というのが先で、この意見を付けたのがあとじやないのですか。
  173. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございません。
  174. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではこういう意味を付けた後で、又ずつと後になつてから校閲ということになつたわけですか。
  175. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さよう記憶しております。
  176. 森八三一

    ○森八三一君 今の点で一つお伺いしたいと思いますが、十二月十六日の日に増額に関する文書決裁が行われた。それに対しまして経理局としては先刻お話のありましたようLD三十五の関係における書類では適当ではないという意見を付けられた。そこで問題が進行しなくなつたので、証人お話ように十二月二十八日でありまするか、御用納めの日にエレベーターの中で経理局意見と、契約局でありますかの意見と相違をいたして参りましたので、それを調整するために打合せの会議でも持たなければならんというような話が他の局長からお話があつた。そのお話のあつた直後に、証人は病気後であつてお帰りになつた。そのお帰りになつた直後に疑問と思われ、意見を持たれておつたことに対して代決という形において事件は進行してしまつたというように、今までの経過から窺われるのでありますが、そういうように承知をいたしてよろしいかどうかお伺いをします。
  177. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 結局御用納めの日にエレベーターで、そういう時の調整局長の豊田局長から話がございまして、会議を持ちたいというよう事情にあつたことも事実でございまするし、それから代決によつて支払になつたということも事実でございますので、お話の点は大体さように私も考えておるような次第であります。
  178. 森八三一

    ○森八三一君 といたします と、局長の意に副わない問題が代決という形によつて処理をせられた。そのことを一月になりましてから、日ははつきりしませんが、証人は承知をせられたということでありまするが、その際に当時の局長という立場に立つておられまする関係から参りますれば、当然意見のあつたことに対して事件が進行したということについて、その内容を糾明し、納得の行くまで極められなければならないはずだと思いますが、そういうようなお見極めをされましたかどうか。その点をお伺いいたしたいと思います。
  179. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 増額に対する経理局意見もあつたのでありますけれども、このLD三十五による調達というものについていろいろキヤンセルされて困るものについては司令部のほうへ持つで行つて相談するとか、いろいろ何とかこれは私のほうの所管じやございませんが、そういう方法もありまして、必ずしも絶対にLD三十五によるものは全部キヤンセルされて続行しないというようなことでもなかつたように、例外的なものもあつたように思いますし、それからまあいずれにしましても、そういう伺い文書につきまして上のほうの決裁も済んでおりますので、それぞれ解決の途がついて承認されたというふうに私今記憶しております。
  180. 森八三一

    ○森八三一君 十二月二十八日の御用納めの時にはまだ問題が解決をしておらなかつたということはエレベーターの中における他の局長との話合いにおいても明確に確認をせられておると思います。そのことが数時間後に経理局の意に反した方向で処置をせられたということを後日お聞きになつたということでありますから、当然局長という重責の立場から考えまして、どういういきさつで、どういう経過でそのことが代決処理をせられたかということは、当然糾明をされなければならんものと私は考えますが、そいうういきさつ、経過というものを後日承知をせられました場合に糾明をせられておりましたかどうか。糾明を当然されたと思いますが、その結果十分了承されたという結果になつたのであるかどうか。その点をお伺いしたいのであります。
  181. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 後日その問題につきまして糾明をしたかというお尋ねでございますが、勿論関係課長にそういう不在中に結論が出て支払になつたという事情を聴取いたしまして、手落の点につきましては今後の注意を促し、その他いたしましたけれども、その増額、結局契約金額が多分一千万円以上でございましたか、というような場合には関係局長決裁だけじやなしに、総裁、副総裁決裁を受けて執行されることになつておりますので、調整室がいろいろと調整をして結論的なところに到達したので、総裁、副総裁決裁を待つているというよう事情の下に、すでに決裁文書ができておりまするので、支払の点について、検収調書の問題は別といたしまして、増額自体文書としての執行の点は、そう経理局の担当課の者の責任として強く追及するべき問題じやないと私は考えておるのでございます。
  182. 森八三一

    ○森八三一君 十二月十六日に特に意見を付けられて、それらによつて一応決裁にはなりましたのが、その意見が付いたためにその事件の進行ができなくなつた。そして十二月二十八日に関係局長会議で以て調整をしなければならんというお話があつた。そういう重要な案件が僅か数時間後に意見の付せられたものとは違つた方向で処理をせられた。それが総裁、副総裁決裁をされたことだから止むを得ないとして、糾明をせずに了承してしまつたということは、これは局長という立場から特に意見を付けたという曾ての観点から考えましてもあり得ないことである。当然そのいきさつというものは糾明され、理解をせられなければならん。若しどうしてもそれが理解ができないという筋途のものであれば、その決裁に対しても意見を立てられることも当然と思うのでございますが、そういうような手続をおやりになつたかどうか。
  183. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 今になつて考えて見れば、甚だ徹底的に処理する点において欠けたと思いますが、その当時それまで深く掘り下げて参りませんでしたことは誠に申訳ないと思います。
  184. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 令の森委員の御質問の前にちよつと確めて置きたいと思うのですが、先ほど溝口委員の質問ではつきりしない点ですが、この増額を承認するということは、契約内容の変更なんですが、これは経理局の所管ではなくて、契約局の所管事項じやないのですか。
  185. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) この契約をやる責任は契約局でございますが、ただそれが予算上の問題として、こういつた契約に基く予算支出ということに相成りまするので、その点について経理局がやはり関連を持つていた次第でございます。
  186. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 そうすると経理局長として契約局から意見を聴取せらるる、こういうふうな関係ですか。
  187. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 契約局契約の相手方をきめて、契約内容はつきり定めて金額も出し、いろいろするというような最後のところをやりますが、その前に勿論技術局において積算をするとか、いろいろございますが、結局経理局契約局関係はどんなことになるかと申しますと、契約自身について経理局が勿論みずからどうこうというような形ではございませんが、要するに支払の予算問題になりますと、支出官は結局大蔵大臣からの支出官として委任を受けておることであり、又予算が大蔵省の予算になつておる。それから司令部からの、スキヤツピン、いろいろな指令というものがやはり経理局に一番関係が深うございまして、そういう点に違反するようなことがあつては困るということから会議をしたり、いろいろ意見があれば意見を受ける、かようになつておるのでありますが、調達庁の組織は非常に横割になつておりまして、その横割の中で仕事をし、それ以外のことはしていかんというような制度になつておりますので、甚だ明確を欠く点があるのでございますけれども、一応経理局契約局の大ざつぱに申しますと、以上申上げたよう状況になつております。
  188. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 今のお話を承わりましても契約をするについて、或いは契約の変更をするについて、契約局では経理局意見を聽取するということだけで、決定権は契約局にあるように承知するのですが、そうして又契約局で一応の承認をし、契約を変更して参りましたら、それに基いて経理局としては支出することになるのじやないのですか。
  189. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) やかましく申しますと、契約局がどこまでも聞かない、こちらのほうの意見を申述べていろいろ摩擦なくやつて行くことは勿論でございますけれども、若し極端に契約局としては自分の見解を通すということであれば、勿論我々はその原局意見を覆すというようなことは適当でないと思います。これはまあその意見を調整局で調整いたしまして、総裁なり副総裁なりがそういう場合はきめられたと思いますが、要するに契約自体につきましては、経理局は従たる立場に立つておる次第であります。
  190. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 そうしますと、先ほど溝口委員の御質問にありましたように、この増額の問題については契約局できめて、あと支出するという問題については、あなたのほうの横田課長代決した、こういうような恰好に結論といたしましてなるわけじやないのですか。
  191. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 契約局がきめてしまつたというだけじやなしに、総裁、副総裁決裁も経てきまつたよう事情になりますから、調達庁としてそういう増額を認め、それに基くただ支払の問題ということになりますと、その内容について経理局は何も文句はないわけでございます。
  192. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 ちよつといろいろこんがらがつてちつともわからないのですが、もう一遍事務的な問題だと思いますが、特調からお出しになつた書類がまちまちになつておるからこういうことに私はなるのじやないかと思う。私が先ほど申上げたように、第一回の契約は二十一年の十二月九日、このときは戦災復興院の特別建設局の業務部長が契約をしておるのです。そしてそのときには金額も二十五万フイートで四千万円ということになつておる。それも業務部長の所で決裁になつて、上の特別建設局長の所までは来ていないのです。この戦災復興院がなくなつて、特別建設局の業務部でやつていた仕事が、多分特別調達庁契約局という所へ移つてつたのだと私は思うのですが、そうして特調から出しておられる一つの書類では、第四回の契約変更の申請の承認が二十三年の十二月二日にきまつておるのです。戦災復興院のときには特別建設局の業務部長が決裁すればそれでよかつた。ところが今日頂いておる書類では、十二月の十六日に総裁決裁を受けるのだというようなことがあるのですが、特調になつてから前は業務部長でよかつたのが、総裁決裁を受けなければきまらんというのか。そうして十二月五日に増額を承認しているのだというこの資料と両方出ておりますが、これは御承知かどうか、そういう点をお伺いいたしたいと存じます。資料がまちまちになつているから話がこんがらがつているのじやないか。
  193. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 只今の資料がどこから出たのか私存じておりませんし、又資料の内容も存じませんので、どつちが正しいかわかりませんのでございますが、要するにこの契約戦災復興院が当初やつてつたものを、二十三年の年頭からでございますか、この戦災復興院と、それから終戦連絡事務局の仕事調達庁に一元的に統合して行われることになりましたので、そういう契約も履行されてないものにつきましては、勿論契約内容なりそれから今まで支払つた金額の内容というようなものを詳細に整理いたしまして、特別調達庁に引継がれた問題でございます。
  194. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 もう一つ資料がはつきりしてないのでわからんのでございますが、五万フイートの支払請求は、十二月十四日に特別調達庁経理局長に宛て足利工業の田中社長から提出しておる資料が一つ出ております。それと又説明の所では、十二月の二十八日附で足利工業から支払請求書が出ておる。どつちが本当なのか、そこに私は問題があるのじやないか。前に十二月五日に単価の増額は五万フイートのほうはきまつている。それに基いて十二月十四日に支払請求書が公文書で出ておる。それを同じ一冊の中で今度別の資料では、十二月十六日に総裁決裁を受けることになつた、そうして十二月の二十八日に支払請求が出ておる。一カ月の食い違いがあるのだが、この辺がはつきりしないと、年末に急速に支払つたのがいいとかどうとかいうことで非常に混乱があるのじやないか。私はどこまでもどうもこんな見積り金額を総裁の所で決裁をしなきやいかんというようなことは、大体一般の役所ではその例がないのじやないかと思うのです。特調だけ特にそういうことをおやりになつたのかどうか、お伺いいたしたいと思います。
  195. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 只今のいろいろの資料の不一致の点につきまして、この場でちよつとわかりませんのでございまするが、ただその総裁まで決裁を経るというようなことは、普通の役所じやしないじやないかというお尋ねの点につきましては、これは併し特別調達庁はそういう契約をして進駐軍の要望される物品を納めたり、建築をしたり、物を管理するというよう仕事が本来の仕事でございまするので、特に契約金額の、多分一千万円でございましたか、そういう大きな金額に亙るもの等につきましては、総裁、副総裁決裁を得るという建前にいたしておつたのでございます。
  196. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ちよつと溝口委員に申上げますが、その点はこの証人はよくわからないのじやないかと思いますが、まだほかにもたくさん聞くことがありますからして、若し必要がありますれば、ほかの証人を喚問することにしまして、この証人に対してはその程度で打ち切つて頂きたいと思います。この証人はわからんようでございますから。それでは先ほどの続きを伺いますが、この十二月十六日の決裁書のあとへ赤鉛筆で書いたのはこれはいつ頃書いたのですか。
  197. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) それを書いたのは、先ほど申しましたように多分予算課長と私は思つておりますが、その書いた日は私存じませんけれども、書いて持つて参りましたのは年末だつたと思います。
  198. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ここにこの二つあるが、この前のほうはこれはどういう意味書類ですか。これも決裁書ですか。十二月五日附の分……。
  199. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) それは各単価を増額して契約金額を改訂したいという申請書類でございます。
  200. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これで決定したわけなんですか。この大勢の部課長の判を押してあるので、決定したわけなんですか。
  201. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようだと思います。
  202. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうすると、十二月五日の決定の書面と、十二月十六日の決裁書とはどういう関係になるのですか。
  203. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 五日の書面がこの決裁書として有効なものであれば、改めて十二月十六日にもう一遍決裁書を作る必要はないと思いますが、それはどういう関係になるのですか。
  204. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 普通増額決定の場合の書類は、前の別な書類のほうだけでいいような気がいたしますが、その当時の二つの問題は、どういう関連があるか、ちよつと見当つきませんのでございますが……。
  205. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 証人としてはこれはどちらが有力な決裁書だと思われるのですか。二つあるうちで……。おかしいのですが、どちらも同じ効力があるものですか。
  206. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) それは総裁決裁のあるほうが重要な文書じやないかと思います。
  207. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではこの赤鉛筆で書いた意味はどういう意味なんですか。先ほどあなたは、自分もそれに同一事件であつたから、それに判を押したと言われましたが、どういう意味で、何の必要があつてそういうものを書いたのですか。
  208. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) スキヤツピンの何番でしたか、千八百何番でしたか、何かやかましい支払根拠としての指令が出まして、それでその取消されたLDを基礎として調達根拠にするというようなことは、そのスキヤツピンに違反するような疑いがありますので、反対をしたのでございます。
  209. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうすると結局この増額決定に対しては、証人としては多少の疑念というものを持つてつた、それで特にそういう慎重な処置を必要としておられたものだ、こういう意味ですか。
  210. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) そのスキヤツピンの点は司令部に対して責任が重いので、常にまあそういう点について心配しておつたわけでありますが、取消されたようLDを基礎にすることは、その慮れがありましたので、愼重を期しておつたわけでございます。
  211. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 先ほど私がお尋ねしたような点がやはり不安であつたから書いたわけですね。
  212. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  213. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この増額についてやはり大橋、或いは高橋正吉らから、何か証人に依頼があつたですか。
  214. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 私の記憶ではなかつたようであります。
  215. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 先ほど証人総裁決裁のほうが本当なんだというようなことを言われたのですが、十二月の五日に証人が申請を承認すれば、恐らく私は公文書で申請書に通知が出してあるのだと思いますが、それと同額の申請、同額のものを今度は総裁が十六日に決裁した、そつちのほうが本当だということになれば、金額は同額でも、前に承認をした承認書といいますか、そういうものを出しておるなら、それは取消になつているのですが、改めて増額のものを又承認する、そういう取扱になるのですか。それはおかしいのじやないかと思いますが、その辺はどういう取扱をなさつたのですか。
  216. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 本件は一番重要なポイントでして、溝口委員の糾明せられておるのは御尤もだと思いますけれども、これをより以上によく、事情のわかつておる証人あとにまだおられると私は思うので、一応証人はつきり述べられないならば、或いは御存じないならば、更にこの加藤証人については重要な点がありますから、それを質問されて、それからその証人をここへ一つ呼出して聞くことにして、なお足らざるところは再び加藤証人に出てもらう、こういうことに願いたいと思います。
  217. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではさようにいたしましよう。それから証人お尋ねしますが、十二月六日に証人の名前で支払証明というものを出しておりますね。これは御承知ですか。これは写しです。
  218. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 記憶でございませんが、そういう証明書は結局経理局といたしましては、いろいろ支払いをいたしますのに、例えば予算の問題で大蔵省からいろいろ指図を受ける、或いは小切手の認証官として東京財務局でございますか、それらのいろいろの指図なんかありまして必ずこちらの予定通りの支払を予定して実行するというようなことがままできないことが多いのでございますので、その当時金の支払の証明は、いつまで払うというような証明は一般的には出していなかつたのでありまして、その証明書を拝見しても私思出せませんのでございます。
  219. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それじやあなたが出した証明書ではないということなんですか。
  220. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) その証明書を出します場合には、大体同じ向うの証明をしてもらいたいという内容を書いたものを二通とりまして、一通を原議として、右に対して証明してよろしいかというような伺いを立ててやつておりましたのでありますが、今記憶ございませんので、その原議によつて決裁されておるならば、私も或いはそれに判を押したかというようなことになるかも知れませんが、今それを拝見しただけでは記憶がないのでございます。
  221. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 私は只今支払証明書というものを拝見いたしたのでございますが、先ほど私申上げた通りなんです。これは十二月五日にもう五万フイートの分が四千二百万円だということは決定になつておる。契約局で……、その翌日の十二月の六日にその決定になつたものを経理局長から証明をしておるというのだから、先ほど証人の言われたことは嘘である。そのあと総裁が決定したものが本当だというようなことになれば、これを取消さなければいかんじやないかということになる、私はなるんじやないかと思う。だからそういう手続をおとりになつたかどうかということを先ほどお伺いしたのですが、明らかに私は十二月五日にこの増額が決定になつておる。だから経理局長は決定になつておるけれども、ただ検収調査が五万フイートというのが確立したかどうかということをお確めになつて、それをつけて出すならば……、先ほどいろいろ問題があつたが、私は経理局長に伺うことはこれは筋が違うんだ、この増額がどうも経理局長の責任じやないように私は考えるのですが、それはどういうふうにお考えになるのですか。
  222. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 増額書類でもう一つのほうは嘘だというようなことの御表現でございますが、そう申上げたのではなくて、二つの書類……私はもう一つの書類は余り記憶がございませんで、内容を比較検討して、その当時の、どういう事情でこういうようなことになつておるのかということを思出せませんが、どちらが重要だということをお尋ねでありましたから、総裁、副総裁の判までとつておくほうの書類が重要であつたろうと申上げたのでございますので、その点はどうぞ悪しからず御了解願いたいと思いますが、なお増額決定につきましては、先ほども申上げたように、契約金額自体に関する決定権というのは契約局が所管である。併し予算の関係経理局もタツチしておるというふうに申上げたのでございますが、そんな事情になつておりますことを重ねて申上げたいと思います。
  223. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 更に今の質問に附加えて念を押しておきたいと思いますが、そうすれば増額決定になつた金額は単価がきまつておりますね。そうするとそれが検収調書が出て来てその通り間違いないとして支払えば、あなたのほうでは一応責任がないとこういう形になるわけですか。
  224. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  225. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 先ほど私は繰返して……、経理局長は翌年の一月末日まで全然知らなかつた、初めてそのときに知つたということでありましたが、私は経理局長の責任において、どの程度不当な支払であるかというので調査をせられた。どの程度責任を感じておられたかというようなことをいろいろ伺つたのでありますが、甚だ以て、私の受けた印象では、経理局長経理局長としての行政の責任が極めて乏しいという印象を私は当時受けておつたのですが、今伺つて見ますと、記憶がないということを盛んに力説されておりますが、これは問題の一番重要な書類になつておるわけです。それで而も私どもが全然関係のない者が、あとから、数年たつてから今調べて而もこれが問題になるという書類なんです。そういうものを当時一生懸命になつて一月の終りに調査をし、糾明をしておられたならば、その記憶がないとか、記憶が薄れたとかいう御答弁がここにあろうはずはないと私は思います。従つてこれは経理局長としての職責を十分に果しておらなかつたということを、あなた自身の証言によつて雄弁に物語つておると僕は思うのです。そういうことでは甚だ私ども遺憾に存ずるわけでありますが、その点の弁解は如何でしようか。記憶がない、記憶がないと言つてここで証言しておられたら問題は進みませんけれども、本当に忘れられているのか、或いは知つておられて忘れたと言われておるのか、その辺のところ私ども全くどちらを信用していいのかわからないのですが、如何でしようか。この問題は非常に重要な問題である。国民の税金を不当に使つた経理局長としての、金銭出納責任者としての責任を、当時から今日までしつかりと御体得になつておるならば、今御証言になつておるよう証言というものはできないはずだと思うのですが、如何でしようか。
  226. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 誠に私の至らなかつた点については申訳ないと思いますので、弁解の余地もないのでございますが、ただその記憶しておつて知らんというようなことを言つておるのじやないかというような御疑念があつては大変申訳ないので、私は本当にその証明書については記憶ございませんのでございます。
  227. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 支払証明書ですが、これについても記憶がないというようなことを言つておられるのですが、当時ここの写しに押してあるような角判、何か経理局長之印というような角判をお使いになつてつたかどうか。この点について如何でしようか。
  228. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 経理局局長の判は、やはり普通の官庁できまつておりますように、一定の四角の判でございました。
  229. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 かよう支払証明書というようなものをお出しになるということが、本件以外に当時あつたかどうか、この点を……。
  230. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 大体それは本件に限らず出しますのでございますが、ただ先ほども申上げましたように、経理局だけで確実に何用何日払うというようなことができないようないろいろの、例えば大蔵省関係であるとか、小切手認証官の関係であるとかございますので、普通ならば発注証明と申しますか、そういう注文になつておるという証明を出しておつたのでございまして、余りその何月何日金を払うといつたような証明は、例外と申上げておかなければならんと思います。
  231. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 この支払証明書には金額が四千二百二十二万二千七百五十円也ということ、而も支払期日は十二月の二十八日まで支払うというようなことをはつきり明記してあるのですが、この支払金額の基礎というようなものがどこから算定されてこういうことがきまつたのか、この点一つ伺いたいと思います。
  232. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 実はこの支払証明書と申しますが、発生証明と申しますか、こういう契約の金額があるということは、普通契約書なり、或いはその変更契約がございますれば、変更契約なりによつて経理局にこの契約台帳というもので終始明らかにその契約金額を記載したようなものもありますので、そういうところからその金額が間違いなければ一応証明するということができると思います。
  233. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 ところがこの代金支払うことの決定というものは、十二月の十六日に増額が決定し、十二月の二十八日には、而も先ほど申された極めてあいまいなうもに決裁をされたと、こういう事実から見て、こういう証明書が出されるということについて非常におかしく思うのですが、本件は特にこの支払についてはいざこざの多かつたことは、もうその当時からわかつておるはずなんです。それに何故こういうよう支払証明が書かれたか、こういう点であります。証人はどうお考えになりますか。
  234. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) そういういざこざがあつた最中に証明書を出したということは私はないと考えます。
  235. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) この証明書の原文を見ますと、全然扱い係官の印も何もなくて、ただこれだけらしいのですが、そういうことが、役所の慣習で行われておりますか。少くとも公文書の証明をいたします場合には取扱担当官の印というものが大抵の文書には押されていると私は思うのです。全然総理庁事務官加藤八郎という官印だけが押されておる。そういうだけでありますが、それにはそういうような慣習になつておるかどうか。そして又こういうような公文書を証明しまする場合には、役所に控簿のようなものがありますのか。ただ業者が提出いたしましたものについてこういう証明をいたして、そのまま何らの控えも取らないで、或いは記帳もしないで返してしまつておる、この辺は如何でしようか。
  236. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 私がやつておりましたのは、この証明書を扱うときには証明の出た文書と同じものを二通取りまして、そういたしましてその一通に証明を出した番号といいますか、一連の証明番号を付けて出すと、それからその控えは原義としてとつておくという取扱をしておつたのでありますが、これはその一番最初はいつ頃ですか、初めはそういう厳重な手続がありませんでしたので、それではいけないと思いまして、いつから改正したか忘れましたが、今申上げたような方法で証明を出すというふうに私はいたしておりました。
  237. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 私どもが一番今問題だと考えておりますことは、この証明があなたの少くとも意思か、或いはあなたの同意によつて出されたものであるのか、或いはあなたが全然御存じなくして証明されたものであるのか、そこを一番細明したいと思つておるわけです。あなたは忘れた、或いは記憶がないとおつしやつておりますが、この証明に対して責任を持たれるか持たれないかということだけ伺つておきたいと思います。こういう証明があなたの名前で出されたことについて、全責任を持たれるかどうか、それだけを伺つておきます。
  238. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 甚だむずかしいお尋ねでございますが、正式の公文書としてそういうものが私の名前で出ておりまする以上は、私の責任でございます。たとえ私が存ぜない、知らない、代決或いはその他によつて出たかも知れないというよう事情でありましても、それは監督責任として私は責任を痛感いたします。
  239. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうすると知らんというのではない、責任は持たれるのですね。
  240. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 知らないと申しましたのは、そういうものを発注した記憶がございませんと申上げたのでございまして、責任の問題は、一般の官吏としてのそういう証明書を出したということについての責任は一応負わなければならんと思います。
  241. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それはちよつとわからないのですがね、幾ら官吏であつても、自分の知らんことは知らんことで、責任はないはずだと思うのですが、証人はこれは責任を負われるというのですか、負われないというのですか。
  242. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) その責任と申しましたのは、部下の監督、若しも私が私の意に反してそういうものを出されてあるということでありましても、それは部下の監督の責任として私は責任を負おなければならないと思うのでございます。その点を申上げたのでございます。
  243. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうするとこの書面を出したことについては、証人は全然関知しないと言われるわけですね。
  244. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 甚だ記憶が確かでありませんので、申訳ないのでありますが、その書類を出した記憶は私ございませんので、その原義と申しますか、そういう証明をすることについての原議綴でも見なければ、私の記憶はつきりわかりませんのでございます。
  245. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) お役所ではこういう型の証明書はふだん出されるのですか、それともこういつた必要があつて証明を出されるというような場合でも、ほかの形式で、例えば代金受領についての銀行宛の委任状というようなものを出して、そうしてそれに証明をするというような方法でやるのか、或いはこういう特に支払証明書というようなものを出す場合もあるのか、その点はどうなんですか。
  246. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 大体両方あるのでございまして、現実に金融の便といたしまして、その代金の受領をなした銀行が直接に調達庁支払金受取るというような場合でございますると、その代金の受領権委任といつたような形での承認を、認めて参るのでございます。それからもつと簡単に、まあそういう金がいつそういう契約ができておるかどうか、そういう仕事をやつておるかどうかというよう意味で尋ねられるというような場合の証明というのは、もつと簡単な形式で証明いたしておりますので、種類としては二つあるのでございます。
  247. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 特調の係員の供述によると、こういう舟した証明については台帳に一々記載してあるが、それについては何も書いてないということなんですが、そういうことは証人は知つておりますかどうですか。
  248. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) それは例えば銀行の受領権をとつて、結局調達庁から金を直接もらうというような証明でございますると、これは若し間違つて払うというようなことがあれば非膳な問題でありますので、勿論経理の台帳にそういう証明があるということを記帳いたしておつたのでありますが、単にすぐ支払われるというような発注証明まで一々経理台帳に記入しておりましたかどうかは、私ちよつと忘れましたのでございます。
  249. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 忘れましたというのは、どういうのですか。
  250. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) あれのほうは銀行などの委任の場合にははつきりそういう記帳をするようにさせておりましたが、そういうただ発注証明というような証明の場合は、勿論先ほど申しましたように原議の綴はございましたが、個々の契約台帳に発注証明したというようなことを書いておつたかどうか私つまびらかにいたしません。
  251. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これは発注証明じやない、この四千二百幾らというものが、昭和二十三年二月二十八日までに支払われるということを証明した書類なんです。発注証明じやないのです。こういうものがですね、台帳にちやんと、こういう証明書を載せるという関係になつておるのですか、どうですかということをお聞きしておるのです。載つておらなかつたということは、証人が知つておらなかつたということなんですか。
  252. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 普通に証明をいたしました場合に、台帳に記人をいたしまして、明らかにするということは一番大事な、必要なことと存じますが、本件のよう支払証明は勿論台帳に記帳しておつたと思いますが……。
  253. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) あなたは局長であるからして、こういう重大な証明は、記帳しておるものはおる、おらんものはおらんということは御存じのはずでしよう。言葉を濁さないで、事実あつたらあつた、ないならないとはつきり言われることがあなたの義務じやないのですか。
  254. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) それは普通そういう重要な証明などにつきましては、経理台帳に記帳するようにさしておつたのでございます。
  255. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これは台帳に記載はなかつたということをあなたは知つておられましたか。
  256. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) その証明書を本日拝見するような次第でありまして、存じておりません。
  257. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) それでは重ねて伺いますが、若し仮にあなたが御存じなくしてこの証明妻が出されたとする場合に、当時の役所の組織からいいまして、経理局のどこの課が受持つてつてつたか、大体あなたの印を、官印を保管しておるのは誰で、どこの課でありますか、それを伺います。
  258. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) それは局の中に庶務係というものがございまして、局長のいろいろ祕書的な仕事、或いはそういう総括的な仕事をしているのでございますが、そこの係で官印を持つております。それからこの証明書を、こういう場合の証明書を決裁する書類の所管といたしましては、経理課でございます。
  259. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 経理第一課と第二課とあつたですが、どちらですか。
  260. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) これは経理二課でございます。
  261. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 経理二課ですか、そうすると横田事務官の課ですか。
  262. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  263. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 この支払証明書の形式なんですが、これが公文書だかどうかということが疑問を持たれるのですが、一般の官庁の取扱ならば、これに受付番号があること、そうして先ほど証人お話になつたように起案書が付いておる、それが決裁になれば割印を押したものを民間に出すことが普通になつておる。これには割印もありませんし、受付番号もなくて、官印は押してあるのでありますが、このまま原本がこういうことだ、官印を誰かが濫用したのじやないかということになるので、これは局長のほうからはつきり起案書原文をもう一遍、違うようなものであるかどうか提出して頂いたほうがいいと思います。
  264. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 原本の提出ですね。
  265. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 割印があるかどうか、そうして受付番号があるかどうか、それでこの十二月五日に四千何百万円というものが決定になつた。その決定になつた翌日こういうのが出ておるのが先ほど問題になつた。又十六日にもう一遍同じことをやり出して、十二月の二十八日にそれを支払つておるとかいうこんがらかつた問題が出て来ておる。だから十二月五日の決定になつでおる公文書もあると思うのです。それがないと問題は幾らやつていても切りがないと思います。
  266. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 速記をとめて。   〔速記中止
  267. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それでは速記を始めて。それから更に証人お尋ねしますが、一般に調達物資というものに対して物品税というものが課せられるのですか。
  268. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 普通課税物品については課税になります。
  269. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 調達物資でも……。
  270. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  271. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 調達物資でも課税されるものには課税されるのですか。
  272. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  273. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この二重煙突はどうですか、課税されて直るのですか。
  274. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 課税になつておると思います。
  275. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 課税になつておると思う……。では確かにお確かめになつておるわけですか。
  276. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 確かめたわけでもございませんが、課税品としてあつたと思います。
  277. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 税務署のほうには税金を納めておらないということはわかつておりますが、やはり課税品目だ入つておるわけですか……。はつきりしたことをおつしやつて下さいよ。いい加減なことを言つてその場を繕つて行くというようなことではあとで非常に御迷惑のことがある。先ほどからの御答弁は相当この委員会を無視したような御答弁が多かつたように思いますがね。よくあなたの良識に従つて間違いのないところを言つて頂かないと、あなたにも御迷惑かかるでしようし、その他の人にも御迷惑かけるかも知れません。よくその点は考え言つて頂きたい。どうなんです。
  278. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 記憶がない点をたびたび繰返しましたので、事実記憶がありませんので、いろいろ申上げた点が甚だ不徹底なようにお考えなされまして誠に申訳ないのでありますが、この煙突の課税につきましては、普通課税の何といいますか、納税申告というようなことでやつてつたよう記憶いたしまして、この分についても課税になつておるように取扱われたかと私は考えております。
  279. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 納税申告をしておつたと思うというのは、そういうことを確かめておいでになるのですか。こちらのお聞きしておるのは、これが課税対象になつておるかおらんかということをお聞きしておるのであります。そのことをはつきりしておられるかどうかということをお聞きしておるわけなんです。
  280. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 課税の対象になつておると私は記憶しておるのでございますが……。
  281. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それはどういうところで、証人は課税の対象になつておると信じておるのでありますか。何か根拠があるのですか。税務署ではこれは課税の対象になつておらんから従来徴税したことはない、課税したことはないと言つておるのですが、証人がそういうふうにお思いになるについては何か根拠があるのですか。
  282. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 増額されて…、これは復興院からずつと引継がれた契約を引継いであるのでありますが、私の記憶ではその価格というものは物品税を込めてできておるというよう記憶がございますので、さように申上げた次第でございます。
  283. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうすると生産者のほうから、これは税金を払つておるからそれを込めての代金請求しておるのであると、こういう申出があつたのでそれをそのまま信じておる、こういうわけですか。
  284. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  285. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それでその代金を込めて請求の通りにお払いになつたわけなんですね。
  286. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようになつておると思います。
  287. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その代金をお払いになるについては、何かそういう証明書でも出ておるわけなのですか。税金を支払つておる、或いは課税されておるというような証明書でも御覧になつて、そうしてそれによつてお払いになつたわけですか。
  288. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 普通課税物品に対して代金を払いますときには、納税申告書というものを取りまして、税務署のほうで納税申告してあるという証明書を取りまして払つておましたので、多分そういう手続を履んで金を払つておるのじやないかと私記憶しておりますが。
  289. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そういう申告をしておるという証明書ですか、そういうものが添付してあつたと思つていらつしやいますか。
  290. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) さようでございます。
  291. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ではこの請求書に納税証明書というものは付いておつたわけですね。証人はそれを御覧になつたのですか。
  292. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 見ておりません。
  293. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 御覧になつておらないとして、それを込めてお払いになつたのはどういうわけなのですか。局長としての責任上……。
  294. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) それは支払と申しますか、この契約ができますときに、そういう積算の根拠として税込の価格で契約になるということになりますので、その契約がきまるときに、そういう税込のものは税込の単価ということでできておりますから、それで払つておりまして、あと支払のときにはそういう申告を税務署にしたという申告を普通取つてやらせておつたのでございますが、本件についての支払済の文書を取つてつたかどうか、私はつきり記憶してございません。
  295. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) どうも証人の言われることはいつもひようたんなますで、賛同をしてもさつぱり答えがないわけなんですが、納税証明書というものは付いておるのですがね、請求書に……。記憶はありませんか。ところがその納税証明書というものが、足利税務署の署長に武藤儀四郎という人の証明書が付いておるわけでありますが、それには判がない、ただ白紙の何にも判のない証明書を出しで、そうしてそれで以て物品税が昭和二十二年度が千三百十三万七千五百円、二十三年度の物品税が千百五十五万円、これだけの金というものが何の調査もせずに、判のない証明書で払つておりますが、これは局長としてどうお考えになりますか。
  296. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) はつきり証明の印のあるものでなければなりませんので、そういうものでは不完全であつたので、こちらとしての取扱のミスがあつたと存じまして残念であります。
  297. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 足利の税務署ではそういう証明書を出したこともなければ、課税もしておらん、こういうことをはつきりと供述しておるわけなんでありますが、ただ申訳がないというにしては、余りに局長としての責任がなさ過ぎると思うのですか。
  298. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 只今委員長から証人お尋ねになつてつた税務署の納税証明書というものの写しがここにありますから、これを証人に御提示を願つて、そうしてこういうものは見た覚えがあるかないか、どうかという点だけを一つ確かめておいて頂きたいと思います。
  299. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 証人はこれは御記憶がありますか。
  300. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 支払のときに私おりませんでしたので、そのときはわかりませんでしたが、あとでいろいろ関係書類を見たときに、この書類を見た記憶がございます。
  301. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではそこに判がないことをお気付きになりましたか。
  302. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 今言われて初めて気が付いたような次第であります。
  303. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) いや、今ではありません。御覧になつたときには気が付きましたか。
  304. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) そのときには気が付きませんでした。写しとなつておりましたので、そこまで記憶はございません。
  305. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それはお気付きにならなかつたとか、或いはうつかりしておつたとかいうことにしては余りに重大な過失だと思いますが、そのようなことまでしてこれをお払いになつたということについては何か理由があるんじやないですか。十分これにつきましては、単に税金等の証明ばかりでなく、或いは追加発注等の問題につきましても、随分いろいろ特調のほうでは便宜を計らつておられるようでありますが、そのようにして便宜を計らつて足利工業に対してこれだけのお金を過払されたことについては、何かそこに深い関係があるんじやないですか、その点如何です。
  306. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 私は何も知人として関係ございません。たたあとから考えて見まして甚だ至らなかつたという点について責任を痛感し、申訳なく思つておりますけれども、私は何も他意はございません。
  307. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 特調としましても随分たくさんの物品を職人されて、たくさんの十人たちに代金支払をしておられますが、このような間違いはほかには殆んどないと思いますが、この足利工業に関する限り、実にいろいろこういう不思議な、我々理解のできないことがたくさんある。調べれば調べるほどいろいろ事が出て参りますが、これについて我々外部から想像して見ましても、何らかそこにはいろいろ深い情実、又は言うに言われない関係があるのじやないかと推測されるところがあるわけでありますが、その点は如何ですか。
  308. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 私は足利工業には何ら関係もございませんし、又足利工業事務の高橋氏に会つたのも一月の末頃、先ほど申しましたように、関係者が集まつて会議をやりましたときに初めて知つたような次第でありまして、その他社長もそれまでは全然知りませんでしたし、何ら足利工業に対して私自身どうこうというようなことがなかつたことだけははつきり申上げます。
  309. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) これは局長を責めてもしようがないことでありますけれども、今過払のうちの重要なうアクターになつておるいわゆる物品税の関係はとにかく、あなたが今ここで証言されておるように、一番最初の過ちがあるのは、一般調達物資については物品税は免税されておるということをあなたがよく御存じないということですね。そういうことが税務署のほうではよく承知しておることですが、そのことを全然あなたが承知なくして、こういうような原価計算が行なわれる、増額による契約金額の変更が行なわれるということは、そもそもあなたがたの怠慢というか、行政事務に不勉強の点がある。それから第二点には、仮にそういうことが確実であつたとしましても、やはり納税を実際にやつた証明のはつきり権威あるものがなければならない。然るに今そこで増額のいろいろな決裁書類の中にある税務署長の証明というものは、委員長が言われた通り判もなければ何もないところの、ただ足利工業会社が自分で勝手に作つて出したと言われる程度のもの、そういうもので以て役所が権威ある公文書として取上げられておるというところに、私どもとしては非常に了解に苦しむ点があるわけです。大体役人どいうものは判を不必要に押したがるところの性質のものであります。それが全然判がなくて、そうして支払証明書が出され、或いは税務署のそういうような証明書が真実なものとして受理されておるというようなところに、あなたがたの、書類行政をやられるあなたがたに非常に大きな欠陷がある、そういう工合に私は考える。従つてこの問題はただエラーであつたという以外のものがはつきり必ずあるのじやないかということを今考えております。あなたは長い間のいわゆる官吏の生活をしておられ、そうして戦争前からいろいろと長い官吏生注をしておられたのであると思いますが、今ここで明らかになりつつあるような事実に基いて、あなた自身は身辺に何ら疑惑はないということを証明されておりますが、こういうよう行政が行なわれた内部に極めて不明朗なものがあるような気がすると思うのですが、どうお考えになりますか。
  310. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 何分にも調達庁は新らしく作られた官庁でありまして、その職員もほうぼうから入つており、又経験のない者もたくさんおりましたので、我々経理を担当する者といたしましては、これが間違いのないようにという点について非常に苦労して参てたのでございますが、何分にも馴れた職員、指導者になるような職員が少いのと、それから御承知のよう昭和二十三年頃は歳も調達業務の激しいときであり、又向うの方針によりましてその手続がしよつちう変るというようなことで、而も庁舎が非常に狭うございまして、一人当り〇・五、六坪のところで執務せざるを得ないというような悪い環境にありましたので、我々が意を用いましたにもかかわらず、なかなか理想通りの手続ということが取運び得ないで、そういう間違いができましたことは誠に申訳ない次第であります。
  311. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それでは何ですか、先ほどからも言われるように、この契約締結の際、或いはその後又この支払が完了されたあと足利工業、或いは高橋とか田中とか大橋とかいう者から饗応を受けたり、金品の贈与を受けたというようなことはないですか。
  312. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 一銭たりともありません。はつきり申上げて置きます。
  313. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 饗応を受けたこともないですか。
  314. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) ございません。
  315. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 証人はいつ特調をおやめになりましたか。
  316. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 昭和二十四年の九月十四日か三日かと思います。
  317. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) どういう事情でおやめになりましたか。
  318. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 大蔵省から公団の清算人を命ぜられまして転任したのでございます。
  319. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それで今日はどうしておられますか。
  320. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 公団の清算が済みましたので、本年の四月に官庁を退官さして頂きまして、現在商工組合中央金庫の理事を仰せ付かつております。
  321. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) こういうような問題が起りまして、この二重煙突事件というものは非常に国民が注目をしておる大事な問題になつておりますが、証人はそれに対してはどういうふうにお考えになりますか。
  322. 加藤八郎

    証人加藤八郎君) 甚だ手続その他において間違いを重ねまして、完全な仕事ができずに御迷惑をおかけしたことについて申訳ないと思てております。
  323. 森八三一

    ○森八三一君 まだあと証人も二人喚問しておりますし、時間も時間ですから、記憶がない記憶がないという説明を聞きましても大して参考になりませんので、あとで又必要に応じてなにすることにいたしまして、他の証人を喚問して頂きたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  324. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それでは加藤証人にはありませんね。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  325. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 速記を始めて。只今から横田証人に対して質問いたします。適当に委員のかたから御質問をお願いいたします。
  326. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 横田証人に伺うのですが、証人昭和二十三年末まで、いわゆるこの二重煙突事件の起きたまでの職歴、経歴について、一応どういう経歴であてたか、述べて頂きたいと思います。
  327. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 大学を出てからの事項について一言申上げます。昭和十七年に高等試験を通りまして、九月に内務省に採用になり、新潟県の属兼警部で以て見習をいたしまして、翌十八年の八月、佐賀県勤務を命じられまして教育課長に就任いたしました。二十年の三月に庶務課長兼人事課長文書課長ですか、これをやりまして、その後八月か九月と思いますが、初代の外務課長に、渉外課長のことでございますが、それをやりまして、その間二、三の職名が変つておりますが、大体庶務、人事、外務こういつた課長を兼任しておりました。二十年の十二月に戦災復興院に代りまして、戦災復興院の計画局勤務になりました。二十一年に外務事務官を兼任いたしまして終戦連絡中央事務局連絡課になりました。その後特別建設部ができましてそこの総務課勤務になり、局に昇格いたしまして、繁務部総務課勤務、同じくそこにおきまして二十二年特別調達庁設置と共に、総理府事務官のまま経理局経理課長になりまして、後に経理局の機構改革のために経理第二課長になつております。
  328. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 証人は本件二面煙突最後の五万フィートの代金請求に関して、いつ何回ぐらい、どこでどれだけの支払をしたか、又こういう支払に当つて誰かから支払方の交渉或いは運動を頼まれたことがあるかどうか、この点について伺てておきます。
  329. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) ちよつと甚だ申訳ないのですが、メセを読んでおりまして聞き洩らしましたが……。
  330. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 五万フィートの代金請求に関して何回ぐらい、時期は、いつ頃、どこで誰に支払つたかということと、それからこういうよう支払に対して、支払の促進方の交渉、或いは……それでは先ず何回ぐらい支払つたか、この点だけ先に伺いたいと思います。
  331. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その点につきましては、当時大分古いために記憶がございませんです。
  332. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではちよつとお尋ねしますが、五万フィートの最終の代金について誰かから払つてもらいたいという交渉を、払う前に受けられたことがありますか。
  333. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 別段余りはつきりしたところの依頼というようなものではないのでありますが、この件に関しましては、払うというような問題の直前のことでございます、その頃におきまして払う、払えないの論争がありました場合において、たしか副総裁だと思いますが、払えるという論争が……、経理局においては、このままではちよつと払えない、こういつたいきさつがあつたことが一つ、それからもう一つは、本日証人として来ております瀧野局長のほうから払えるものならできるだけ払つて、払えるものならというよりも、できるだけ支払は急いでもらいたいといつたような、この文面のことは明瞭でありません。話を受けたよう記憶しております。
  334. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 今証人はその頃ということでありますが、それは何年何月、いつのことですか、その頃ではわかりませんが……。
  335. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 昭和二十二年の十一月の末か、十二月の初めであります。
  336. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 二十二年ではなく、二十三年でないかと思うのですが、記憶違いじやありませんか、
  337. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 取消します。二十三年の十一月末か、著しくは十二月初めであります。
  338. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 ちよつと証人の今までの職歴をもう一度はつきりして頂きたいと思うのですが、特調に入つてから経理の第二課長をやるまで、それから第二誤長をいつからいつまでやつたか、ちよつともう少し明瞭にお話し下さい。
  339. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 入りましたのは特調ができる当初でございます。それと同時に実は先発として若干先に参つております。発令の月日は明確に記憶してございません。それから第二課長になりましたのは確か二十三年の春頃と記憶しておりますが、明確に存じておりません。そのやめましたのは、二十四年の二月の二十五日頃と記憶しております。日にちは着手不確かでございます。
  340. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 経理第二課長というのはどういうふうなことが主管事項か、主なることを概略お聞したいと思います。
  341. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 経理課長は、第一に契約書の一応の支出官の補佐として審査を行います。請求書に対しましては書面上の審理をいたします。
  342. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ちよつと証人に伺いますが、加藤からできるだけ早く支払つてもらいたい、急いでもらいたいと、こういう話を受けたのは、二十三年のやはり十一月の末か、十二月の初め頃でしたか。
  343. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その加藤局長から受けたかどうか、はつきりした記憶はございませんが、若しあるとするならば同じ頃でございます。
  344. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) はつきりした記憶がないと先ほど……。
  345. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) いや、私瀧野証人と申上げてございます。
  346. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 加藤証人からでしよう
  347. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 瀧野と申上げたのです。
  348. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ああ、そうですか。その頃瀧野は何をしておつたのですか。
  349. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 庶務部長でございます。現在の官房長と同じ職責であります。
  350. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その頃、或いはその前でもいいが、やはりそういつたような交渉を誰か他の人からも受けたことはないですか。
  351. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 殆んど記憶してございません。ないと思います。
  352. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) あなには足利板金工業の田中社長、我いは高橋専務に会われにことはありますか。
  353. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 自分は丁度その頃、と申しますと十一月末から十二月頃でありますが、二、三回役所へ来まして、その支払関係その他について陳情を受けたことがあります。
  354. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それは誰ですか。
  355. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 多分両方来たよう記憶しておりますが……。
  356. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 田中、高橋……。
  357. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) はあ。
  358. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 高橋正吉ですね。
  359. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 両者、若しくは単独でやつて来ております。一度ではないようであります。
  360. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) それは役所でですか。
  361. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 役所であります。
  362. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) それ以外の場所で会つたことはありませんか。
  363. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 会つたことはございません。
  364. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 大橋武夫君をあなたはよく御存じですか。
  365. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 存じております。
  366. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 大橋武夫君からこの件について何かあなたに話があつたことはありませんでしたか。
  367. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その頃は大橋さんとは一度も会つておりません。従つて聞いてもおりません。
  368. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 大橋武夫君と証人との間はどういう関係でありますか。
  369. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私が先ほど申述べました戦災復興院に参りましたときに、大橋さんは計画局長でありました。その後戦災復興院次長になられました。私が特別調達庁に行くちよつと前項であります。それだけであります。
  370. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 証人の現在の職務はどういうふうなものですか。
  371. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 警察予備隊総隊総監訓練部訓練班長であります。
  372. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 瀧野からそういう話があつたというのですが、そのときは支払請求書というものは役所に出ておつたわけですか。
  373. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) そのときにはたしかそういつたものが出ないでおつたようであります。その後において私どものほうに廻つて来たように思います。それは皮払の書類ではございません。先に契約局のほうに提出されます関係上、当時は出ておつたろうとは思いますが、私どもが見ましたのはその暫らくつて後でございます。
  374. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 書類が出て支払請求書が出て来れば、当然経理局のほうでは金を払うわけですね。それをその請求書がまだ廻つて来ない前に、できるだけ支払を急いでもらいたい、こういう話があつたといいますが、それはどういうわけですか。
  375. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私のところに参る前に、契約のほうで大分いろいろ手続その他のことにつきまして議論があつたようであります。そういつた関係から、私のほうに時期としては、書類が廻らないうちにそういう話があつたように思われます。
  376. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 経理局のほうへそういう依頼をしても、書類が整つておらなければ経理局としては払うわけにいかんことはわかつているのですが、その書類についてごたごたがあつて書類が整わないということはわかつておるのに、特にその前に、経理局に対して支払を早くしてもらいたいというようなことを言つて来たのは、何らかの事情があつたのですか。
  377. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは私ははつきり記憶がございません。ただ長引くからそういうような話が来たのではないかと思われます。推測であります。
  378. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 瀧野氏は何かそういうことについて、もう少し詳しい話はしませんでしたか。
  379. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 殆んど詳しい事情は知つておらなかつたようであります。
  380. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) ちよつと一番最後のところから私伺つて行きますが、昭和二十三年の十二月二十八日、御用おさめの日に、五万フィートの金額が支払をされたわけでありますが、これについてあなたは御承知でありますか。
  381. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それは十二月中に支払い得る段階に入りましたものは極力全部支払いまして、残さないで正月を迎える、こういうふうにやる方針をとつておりました。従つて何も足利工業のみではなく、毎年そのよう事務処理の手続を行なつて来たわけであります。
  382. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 私は二十八日に支払つたことがいい、悪いということを申上げておるわけでなりいので、二十八日、御用おさめの日に支払われたことを、あなたが御承知であるかということをお伺いしてりおる。
  383. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 存じております。
  384. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) そのときに殆んど庁内の空気は書類の不備の問題等があつて年内には支払われない、支払うことは不可能である、こういうようなことになつてつたようですが、それについて急遽支払ができたということはどういうことですか。
  385. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) そのときも全部書類は残さず支払は了したはずでございます。ほかの書類につきまして…。第二はその書類が不備という点の問題でございますが、一応はあの書類で整備されたものと、このように認定いたしまして、処理すべきものの中に入れまして処理したわけでございます。
  386. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 更に尋ねますが、十二月の二十八日の日に御用おさめがありまして総裁が御用おさめの挨拶をいたし、経理局長も自宅へ引取られてから、この支払の手続が行われておるのでありますが、その支払の手続の中心にあなたがなつておられるように我々は承知しておりますが、そうでありますか。
  387. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私がその全部の御用おさめで、局長も皆帰られでおるときに支払になつたのかどうか、明確な記憶はございません。ただその当時、御用おさめの日に私の手を離れておりまして、私のところだけで現金が支払われる、小切手が切られるわけでございません。うちのほうではそれほどまで遅くかかつたよう記憶はしておりませんが、余り明確な時間まで記憶してはおりません。
  388. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) その支払書類に対して経理局長決裁を与えていなかつたということは認められますか。
  389. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その当時は加藤局長と、一課長、二課長ともでございますが、事務が非常に錯綜しておる関係上、通常の支払事務におきましては、代決をすることを事前に認められております。
  390. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) その代決をしたことについて局長報告する慣らわしにはなつていなかつたのですか。
  391. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 一件ごとの報告はいたしませんので、大抵表を以て毎月くらいに一応今までの支払経過は申上げておつたよう記憶しております。
  392. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) その表によつて、その二重煙突支払のことを翌月あなたは報告白されていますか、局長に……。
  393. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 明確な記憶はございませんが、そのような仕来たりになつておりましたので一応話してあるつもりであります。
  394. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 今証人が、普通の支払においてはということを言つておりますが、重要な支払異例支払については、代決をしないことになつていたらしいのでありますが、これは先ほど加藤証人はつきりそういうことを申した。そして加藤証人自身はこの二重煙突支払は普通の支払とは考えない、重要な、異例支払であると私は考える。而も一月になつて、或る会議でたまたま支払われたことを知つただけであつて、全然第二課長から報告を受けていなかつた、こういうことを証言したのでありますが、間違いありませんか。
  395. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 加藤局長がどのよう証言されたか、今お聞きしたわけでありますが、その後におきましても、大体これが余り異例というようには私ども当時、私ども書類決裁したときには考えておらなかつたわけでございます。それであとにおきまして、この問題が出まして、これが問題になつたわけでございます。当時やりましたときには私どもは異例というようには考えておりません。
  396. 栗山良夫

  397. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 全部知つております。
  398. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) そういう事務官が、中村副総裁の命によつてこの二重煙突支払に関する庁内のいろいろな事情を聴取されておる。その文書を見ますると、年末に支払われるということは、正規の仕事の流れにおいては殆んど不可能である。そういうことはあり得ないものと自分たちは考える。ところが、年が明けてからこれが年末に支払が行われたということを知つて、実に驚いた、唖然とした、そういうような言葉で報告をされておりますが、これはどうお考えになるか。
  399. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 後にこれが問題となりました事件でございますが、その当時におきまして、これが年末に支払われるのが不思議で、唖然とするというようには私は考えられないのであります。当時、後において問題となりまして、その立場から見ますれば、そのよう考えも出るかも知れません。唖然とするような状態でありますれば、支払は行われないと思います。
  400. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) それでは我々もこれを調査して実に唖然としておるのであるし、この四人の事務官もさよう言つておるのでありますが、これと全く正反対に横田証人が唖然とするべき事柄でなかつたという証言があつたわけでありますから、その根拠を細かく御証言願いたい。
  401. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私が唖然とすべき内容でない云々と申上げまりしたのは、その事件とは全然別個に書類が提示されました頃において、書類の流れから行きましての問題でございます。これは普通の月でございますれば成るほど翌月に延ばされて支払われるというのは通常の支払のスピードでございます。併しながら十二月におきましては、少くとも受取りました書類というものはできるだけ全部払う。よくよく支払えないような状態以外のものについては支払を促進してやつてしまうというのが十二月の特異な現象でございます。当時におきましても十二月は日耀は殆んど休んでおりません。残業は連続にやつてつたわけでございます。そういう意味から行きまして、私が、十二月に払われることは唖然とはしないよう考える。当時においてはそう思つてつた、こう申上げたわけでございます。
  402. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではもう少し具体的な事実についてお伺いいたしますが、先ほど瀧野さんからしてできるだけ支払を急いでもらいたいというお話があつた、そういう話を受けられまして、あなたはどうされましたか。
  403. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 受けてどうしたか、詳しいことははつきり記憶しておりませんが。
  404. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) いや、誰か上司とが、同僚とか、或いは下役の人に話をされたとか、そういうことをされたことはありませんか。
  405. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) たしか事情は部下から聴取したはずでございます。間もなく書類が廻つて参りましたので、それを審査するような段階に入つたわけでございます。
  406. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その当時誰か上司、同僚、或いは下僚などに、そういう趣旨で早く支払をするようにという話をされたことはないですか。
  407. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) そういう趣旨で話すようなことにはなつてなかつたと思います。と申しますのは、それよりもこの件がLD三十五で支払われるかどうかという問題が先に起つて参りましたので、それが決定いたしません以上はその段階にまで入つておりません。
  408. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それで五万フィートの代金請求書というものはいつ、誰か受取りましたか。
  409. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私が書類を直接受理しておりませんので、誰からも直接受取つておらないわけであります。課から課に流れて参ります。私の手許には自分の課から処理されまして廻つて来るわけでございます。流れといたしましては、請求書はたしか契約課の担当からこちらに廻つて来るようになつておりますから、その書類構成によつで廻つて来たはずでございます。
  410. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 高橋や田中が……、会社のほうからその契約書がいつ頃提出されたか御存じですか。
  411. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 記憶しておりません。
  412. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) だが、あなたが初めてその書類を見られたのはいつでしようか。
  413. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それもはつきりしないのでありますが、それは先ほど申上げました問題が解決するまでは書類は廻つて参りませんので、その後でありますから半ば頃ではないかと想像いたします。
  414. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 問題が解決するまでというのは何の問題ですか。
  415. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これはLD三十五が調達根拠になつてつたわけでございます。それでありまする関係上、このLD三千五が中途におきまして一時キャンセルになりました関係上、これがほかのほうに復活或いはその他しなければ、契約支払の処理上、経理局としては受付けられない状態にあつたからであります。
  416. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 金は払われたのでしよう。五万フィートに対する代金は払われたのですね。
  417. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 払いました。
  418. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) いつですか。
  419. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それは私が記憶しておりますのは、はつきり日にちは記憶しておりませんでしたが、先ほど言われまして十二月二十八日という話でありまするが、これは正しいと思います。
  420. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうするとお金を払うときには請求書を御覽になつてつたでしようね。
  421. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 当然であります。
  422. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうすると請求書をあなたが初めて御覧になつたのはいつですか。
  423. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) はつきりした記憶が……、何分昔のことでありますから日にちを覚えておりません。半ば頃ではないかと思われます。
  424. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 請求書があなたの手許に来て、御覧になつたのは十二月の半ば頃だつたというのですか。
  425. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) さようでございます。
  426. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 間違いないですか。
  427. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 多分その頃だろうと記憶しております。明確ではございません。
  428. 棚橋小虎

    委員員(棚橋小虎君) 証人はこういうことは御存じですか。その書類は初めに契約課のほうにあつた。ところが経理局のほうから、その書類経理局のほうへ廻してもらいたいということを言つて来たので、まだ書類が整つていないから、それを廻せないと言つてつた。ところがとにかく計算だけしたいから是非廻してくれというふうに、契約課のほうから無理やりにその書類経理局のほうへ持つて来た。こういうことはなかつたのですか。
  429. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私自身としては記憶ございません。
  430. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうすると、その書類があなたのところに、手許に来たというのは十二月の半ばということになると、その書類の提出は、ずつとあとの話ですがね、どういう書類があなたのところに十二月の半ば頃行つたのでしよう
  431. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私が書類書類と申上げますのは、請求書意味であつたのでありますが……。
  432. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 請求書です。
  433. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その請求書は十二月の半ば過ぎなければ私の手許には来なかつたろうと、こう記憶しているわけであります。推測でございますが。
  434. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) いや十二月の半ば頃にあなたはその書類が手許に来たと言いますね。今そう言われましたね。
  435. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) さようでございます。
  436. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ところが、その書類を提出したのは十二月も十二月、暮れになつてからなんですがね。そんな前にその書類があなたの手許に行くはずはない。その点は御記憶違いではないか。
  437. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) そういう書面上の事実がございますれば私の記憶違いでございます。
  438. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ところで、その書類をあなたのほうに持つてつたのは、ただ契約課のほうからあなたのほうに廻つてつたのではなくて、経理局のほうから計算だけしておきたいからこつちへよこしてくれと言つて、強いてそれを経理局のほうに持つて行つた。そういうことはあなたは知らないのですか。
  439. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私存じておりません。
  440. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 何か……。
  441. 森八三一

    ○森八三一君 証人お話によりますと、LD三十五に問題がある。その問題のために支払の條件が完成されないということで問題になつた。その問題になつたのは記録によりますれば、いろいろまちまちの記録でありまするが、経理局意見を付せられておりますのは、十二月十六日の文書に述べられております。そのことは御記憶ありますか。
  442. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その文書目附その他は正確であろうと思います。自分がよく記憶しております。日附がはつきりしないだけの話であります。
  443. 森八三一

    ○森八三一君 その十二月十六日の問題は明確に記憶されておる。そしてその問題の解決が出ていませんで、御用おさめの十二月二十八日になりましてもまだ問題の解決ができませんで、当時の経理局の責任者でありまする加藤局長は、未解決のままに御用おさめの式を終つて帰宅されたということでありまするが、その点について課長として補佐をしておる立場から、そのことは間違いないかどうか。
  444. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 一応私は全部解決したよう記憶しております。その書類契約局の起案に対しまして経理局は見解を異にいたしておりましてその見解を異にしたのによつて決定されたように私どもは了解しております。
  445. 森八三一

    ○森八三一君 契約局のほうで起案をいたしまして、経理局に変つた意見があつたものを、それは変つた意見があつたというままで総裁決裁を受けてすでに問題は解決をしておつたというように了承していいのですか。
  446. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 経理局意見通りに決定されたと私どもは了解しております。
  447. 森八三一

    ○森八三一君 経理局意見通りと申しますると、その内容はどういうふうな内容でありまするか、お話を願いたいと思います。
  448. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 若干申上げますと、契約局の見解並びに副総裁の見解では、LD三十五そのままによつて支払根拠となす、これが見解でございます。経理局は当時予算課長並びに私、経理局長三者寄りまして会議の結果、これはLD三十五を以てしては支払根拠にならず、他のキャンセルされざるLDの枠外その他の根拠を持つならば支払も可能である、このような見解であります。このように決定されたように了解しております。
  449. 森八三一

    ○森八三一君 そのように決定されたというのは、枠外なり他の発注なりに決定されたという意味であると存じまするが、そういう決定が与えられましたのは加藤局長が御用おさめの式を終つて帰られまする前に、そういう問題は明白になつてつたのかどうかという点をお伺いして置きたい。
  450. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 局長が帰られる前に全部が済んだよう記憶しております。その問題につきましては……。
  451. 森八三一

    ○森八三一君 局長が帰られる前に決定をしておつたということを、課長の立場で承知されておつたといたしますれば、すでに十二月十六日には一応経理局として意見があり、契約局の起案に対して意見を附されましたのであつて、その意見通り変つたということをどういう方法で……、課長の立場で御承知になりましたのか、その当時の実情を御説明願いたいと思います。
  452. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それは私が第一回目に契約局の案に対しまして不賛成の意を表したのであります。副総裁に呼ばれまして、なぜ反対するかということを、理由を聞かれました。私の理由を申上げ、後に局の会議の結果を再び申上げて、その條文書にはたしか私並びに加藤証人予算課長と三人が「ちゆうきん」に判を捺して、上のほうに提出したのであります。それでそのときには、後に会議の結果においても我々はそのようにやりたいということを申上げたところ、それは了承されて決定になつたのでありまするから、私はその点からして全部その線に決定された、こう了解しているわけでありまして、日にちにつきましても私自身の記憶は明確ではございません。併しながら十六日のこの日と申しますと、多分その頃でございます。その問題が経理局のほうに渡りまして、即日解決しております。私の記憶違いがなければ即日でございます。でありまするから、加藤局長がお帰りになつた後、その方針についての決定ということはあり得ないんじやないか、このように私は考える次第であります。
  453. 森八三一

    ○森八三一君 すでに十二月二十八日以前にLDの問題が解決しておつたといたしますれば、更に証人記憶による陳述によりますれば、請求書は十二月の中旬に出ておつたということでありますので、加藤局長の退庁せられる以前においてこの支払に関する正規の順序を経た決裁が当然なさるべきである、御用おさめの日でありますので、すでに事件の解決しておる問題につきましては、局長の在庁中に解決するようにという指示を与えられたそうでありますので、当然それは局長の退庁前において問題が正規の順序を経て解決されておらなければならんと思うのでありますが、局長の退庁後においてこの問題が文書的に経理局内部で処理されておるということは、どういう意味であつたのか、御説明願いたい。
  454. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 成規の手続で御用おさめ前にすべてが完了するのは一応当然でございますが、その当時の実情として御用おさめの町の日に、きれいに書類がなくなつておるというようなことはなかつたよう記憶しております。結局相当最後までやりましてやつと完結するという形を例年とつてつたわけでございます。ただ問題は、局長が御用おさめで帰られた後において、私の手を離れて行つたものか、或いはそれ以前に手を離れたか、これについては明確な記憶はございません。
  455. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 森君、成るべく質問の順序をあちらこちら飛ばさんで、質問の要項に従つて初めから順序にやつて頂いたほうが能率的にいいんじやないかと思うのですが……。
  456. 森八三一

    ○森八三一君 問題は関連しますから……、十二月の十六日に問題が経理局で提起せられて、それが中村副総裁の所で決定になつて、発注に関する形式的な問題はそこで解決をしておる。而もそれに基く請求書は十二月中旬頃に提出をされておつたといたしますれば、十二月二十八日までには当然経理局長決裁を受けて、支払の手続が取運びにならなければならんと思いますが、それが二十八口の御用おさめが済んで、局長の帰られる前に局長の手許に提出をされませんで、局長が帰られた直後に、その問題が処理をせられたということはどういう意味であつたのかをお聞きしているのであります。
  457. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは推定でお答え申上げるより方法はないのでありますが、推定と申しますのはそういう事実になつてつたのかどうかというのが記憶はつきりしておらないのであります。仮にさような場合であるといたしまして申上げますならば、中旬と、こう私が申上げておりましたですが、十六日のその話が出でおりますれば、それ以後でなければこちらのほうでは正規に受付けることはちよつとできないと思います。従つて十六旧以降に私の手許へ来たということは間違いのない事実であります。ただ何日に私の手許に来たか明確にお答えすることができないのを遺憾と存じますが、少くとも十六日以降二十日頃でも提出されたならば二十八日までにきれいに間に合うよう書類の処理ができるはずであるというお考えに対しましては、当時の書類の量から行きまして、それは極めて困難であつて、事実完全に御用じまい前に仕事が終るということはなかつたということを申上げたいと思います。それがこの足利工業書類が何番目に処理されたものか、その事後において処理されたのが何件あるか、遺憾ながら手許に資料もございませんし、お答え申上げるわけには参りません。
  458. 森八三一

    ○森八三一君 そうしますると、局長の退庁後に経理第二課長として相当広汎な代決をされた記憶がありまするか、その辺をお伺いしたい。
  459. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それがはつきりした記憶がございませんが、かなり代決は十二月は全部行わなければならないようになつておりました。それから附け加えて申上げておきますが、経理二課のほうで支払をいたすのではございません。私どものほうへ書類が廻つた後において二、三の箇所を通り、出納課その他の認証の手続も経なければなりません。その後において支出の段階になるのでありまして、そういうことがありまする関係上、二十八日というのが果してその私の手許を離れた日かどうかというのが、はつきり私が日にちを承わつておりましても申上げかねるわけでございます。
  460. 森八三一

    ○森八三一君 二十八日に局長代決をされた記憶が相当件数ございますか。
  461. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 若干はやつたろうと思いますが、どのくらいやつておりますか、明確に記憶してございません。
  462. 森八三一

    ○森八三一君 それではこの件について代決をされた記憶はありますか。
  463. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それは記憶は実はなかつたのでございます。後に問題となりましていろいろ調べまして、そういう書類が私が代決しておるというような事実を私が知りまして、代決をしておつたことが明確になつたわけでございます。
  464. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 今の証言の、証人の話を聞いておると極めて僕は不謹愼だと思うのです。先ほどの加藤経理局長は国にこれだけの損害をかけたというので監督不行届の責を十分体得しながら、そうして極めて懇切丁寧に記憶のないところはないとはつきり述べながら証言をされておる。今の態度というものは全く私は我々を何というか、ここでこれだけ熱心に事件の究明をやつておるのに対して証人の発言としては、私は極あて不謹慎だと思います。今の問題にいたしましても、これだけ重要な当時問題になつてつた事件であつて、そうして証人自身がここで述べられておるように高橋或いは田中君からもわざわざ支払の促進のことを要求されておる事件、そうして四千万円という巨額の支払額、こういうものであるならば、一番最後の日に代決をした記憶がないわけはないでありましようし、又代決をしましても一応局長は東京を離れていたわけではないので、電話で連絡をするなり、或いは何らかの措置を講じられなければならん。そういうようなことは加藤局長の言を聞くといささかも行われておらん。全く課長の独断専行が行われていたと私どもは見ざるを得ない。そういう点につきましては、今の証人証言を聞いておつてもなかなか埓があかないので、具体的な証拠を元にして質問を一つ展開して行くよう委員長からお願いしたいと思います。極めて不謹慎であります。
  465. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これはやはり順序として、ここの質問の要項にあるこの順序を過つてつて行くほうが私は具体的ではつきりしておると思います。或いは重複する質問が出るかも知れませんけれども、一つこの要項によつてつて行きたい思います。  それではこの要項によりまして最初のその契約書のことですが、第四の点ですが、この契約書は十二月の二十八日に提出されておるわけなんで、初めの日附は十六日になつておりますが、十六日に出ておらない。(「委員長」と呼ぶ者あり)今委員長質問中です。この書類経理局へ持つて来たのはいつだかということがどうもわからないのですが、先ほどからそれを証人に尋ねておるわけであります。その点もう一遍記憶を呼び起してもらいたい。請求書ですよ。
  466. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 先ほどの話から十六日の例の方針の問題がございましたので、それ以降になります。二十日頃か、その前後になるのではないかと思います。関連から申しまして……。
  467. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) どこから廻つて来たんです。
  468. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それは契約局の工事契約課と思いましたですが、名称が違つているかも知れません。
  469. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 契約局のほうから来たのですね。
  470. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) はあ。
  471. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それは契約局のほうからただこちらへ回付されて来たんですか。それともこちらから請求して取つたわけですか。
  472. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その点について私自身として請求して取つた記憶はございません。係りその他におきまして請求になつておるかどうか存じませんが、それは通常でありますと向うから参つて来るわけであります。先ほどのお話によればこちらから下見をするからというような具合で取つておるように、他の話があつたそうでありますが、私としてはその点は存じておりません。
  473. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 証人は二十八日の日はどこにも出られなかつたのですか。役所におつたのですか。
  474. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) たしか終日おつたよう記憶しております。
  475. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その書類が二十八日の目附になつておる。受附が二十八日になつておるということは終理課の人が供述しておるわけなんですが、その点どうなんです。十二月の二十八日に受付けられておると……。
  476. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 二十八日に受付けた供述がありとすれば、或いは事実かも知れませんが、一応考えられることは先ほどの話と私が関連して想像して申上げるわけでございますが、下見をして云々と、こういうとこがありますれば実際の若干の間違い、不備な書類や何かは再提出になる場合が往々にしてございます。その場合には最終に補正されたものの日附が記録される場合があります。そういつたことではなかろうかと思います。
  477. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 金をお払いになる場合には、あなたはお払いになつたことは知つているわけですね。
  478. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私のほうは出しますれば、金が支払にならないで、ほかのほうでとまりますれば連絡がありまする関係上、その連絡がなければ当然支払になつたように了解することになつております。
  479. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 二十八日に支払になつたことは知つているわけですか。
  480. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 二十八日に支払になつたことを、その当時私は恐らく知つておらないのじやないかと思いますが、ただ年末に全部支払ように、全部の事類の進行を極力急いでおりました関係上、何日の支払かわかりませんが、年内支払われた、こういうことを了解しております。
  481. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうすれば、その請求書について、いろいろと支払などというようなことで問題になつにということは知つておりますか。
  482. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 存じております。
  483. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) どういう問題であつたのですか。
  484. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) たしかそれは契約の発注、LD三十五からほかのものに切替えられ、その関連によります納入延期か何かの書類が不備だつたためか、検収の目的の問題かどつちかにからむわけでございますが、そういつた書類の不備でございます。
  485. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 書類の不備の点はいろいろあつたのですね。そのうちにLD三十五はキャンセルされておつて、そのままでは支払ができないということで、その発注の書類を完備しなければいけないということが問題になつてつたことは、あなたは御存じでしようか。
  486. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 存じております。
  487. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) その書類を新らしく発行するについて、証人はあちらこちらの局を尋ねて、それについて盡力されたことはあるのじやないですか。
  488. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それは技術局と思いますですが、そこでその新らしい発注書類がとまつでおつたよう記憶しております。そのために契約のほうからと思いますが、明確ではございませんが、連絡がありまして、LD五十七か何か、五十七と思いますが、それで発注をすると、枠外発注にするというふうにきまつた後において事務的の問題がございます。片一方が決定されれば、おのずからこの発注は出さなければならないわけでありますから、これがとまるのは、十二月の支払時期に人つてつて非常に困る。年内支払を全部やつて行かなければならないという、上のほうの話もあります関係上、こういうケースでとめられると、年内支払にはならないから、その事務上の処理は速かにやつてもらいたい、こういうような連絡をしたことがあります。
  489. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 技術局の誰を尋ねましたか。
  490. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 技術局では全部の関係者局長の部屋で会つたはずです。
  491. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 堀井技術局長がおつたのですか。
  492. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) おりました。
  493. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それから大曾根という契約課事務官もおりましたか。
  494. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 来ておつたか、そのとき帰つたはつきりいたしません。技術の関係課長も何も皆おつたはすです。
  495. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 瀧野という庶務部長はあなたと一緒に技術局長を尋ねたわけですか。
  496. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 初めの間一緒におりましたが、後ほど……。
  497. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 一緒に行つたわけですね。
  498. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) はあ、たしか廊下かどこかで会つて一緒に参りまして、それで私が話をして庶務部長は帰つたよう記憶しております。
  499. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そこで技術局長のほうでは、新らしくLD五十七の追加発注手続をするということについては、かなり躊躇しておつたのだが、あなたが是非というので、結局それを発注したという事実はありますか。
  500. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その点につきましては、若干あとからもいろんな話合いで食違いはございます。若干躊躇したと申しますれば躊躇したような形だつたようなわけでございます。それでとまつてつたわけでございます。ただ私どものほうから申しますれば、方針がきまつた以上、それは事務処理に流してもらわなければならない、方針に対して異議があるならば、方針そのものを廃棄いたしまして、新らしい方針に決定してもらわなければ困る、こういうような話をしたわけでございます。
  501. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) つまりそのLD五十七の追加の発注手続ができていないということで、支払ができていなかつたのですね。
  502. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その通りでございます。
  503. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それをあなたが盡力して、そういう追加発注の手続をさせた。そうして直ちにその書類経理局に持つてつて代金支払つたのですか。
  504. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それですぐ支払にはならないのでありまして、その後いろんな書類が附加されて参つて来るわけであります。ただ支払書類を受理することができない。経理局といたしましては、正規の書類としてはそれが出て参りません以上は……。
  505. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) どんな書類ですか。
  506. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その発走依頼と申しますか、名前は忘れましたが、それに類似した書類でございます。
  507. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) LD五十七の発注は、そのときだつたのですか。
  508. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) さようでございます。
  509. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そのほかに、そういう書類は出さなかつたのですか。
  510. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それだけです。ただそれは業者が請求書に添付して来る書類でございます。
  511. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それを添付して、そうしてそれを取つて、その請求書にそれを添付してそれによつて支払をされたわけですね。
  512. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その通りでございます。
  513. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 何で支払をされましたか。
  514. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 御質問の意味が……。
  515. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 支払は現金でされたのですか、何でされたのですか。
  516. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは小切手で支払うのが通例となつておりますから、現金支払ではございません。
  517. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) いつの日附の小切手ですか。
  518. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは出納課の所管事項でございまして、経理第二課は審査だけでございまして、その小切手の関係は存じておりません。
  519. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではこの書願を付けて、現金の支払をする課に廻されたわけですね。
  520. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その通りでございます。
  521. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうするというと、あなたはこの支払のために書類を完備させて、廻して、その支払をずつと一貫して受理されたわけですね。
  522. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 盡力と申しますると変になるわけでありますが、流れから申しますれば、一番初めにはこのままでは支払われないというのでありまするから反対でございます。ただ払う場合にはLD三十五にあらずしてキャンセルされないものに根拠を置かなければならん。一番初めはそのままで払えるという見解に対しまして、払えないという見解でございまするから、その点は逆になつているわけでございます。ただその後におきましてはまさしく書類の停滞を促進いたしましたので、迅速になつております。
  523. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 特別の御盡力であつた、或いは普通の職務上の御盡力であつたかということは別としてその完備してない書類を整備するために骨を折つて、それによつて支払をするようにしてやつたといことは間違いないですね。
  524. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その通りでございます。
  525. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 何か御質問ありませんか。
  526. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 先ほど証人は一番初め言われたことは十二月の中頃に請求書が出たということでありますが、委員長から十二月の終りに請求書が出たのだということを言われたので、或いは日が違つたのでしようというように言われたようですが、特調から資料として出でおります中に、五万フィートの四千百万円という請求書は十二月の十四日に経理局長宛に出ておるのですが、そういう資料がありましたが、それに基いて十二月の二十八日に支出の決議が三つあつて、あなたのほうでは局長の代理で第二課長と庶務課長関係者になつて二十八日に決裁になつておる。それから後第二案でこれは出納課長決裁になつておる。ともに二十八日にやつて、そうして小切手の印章は東京財務局の理財部でやはり同じ日附になつておる、こういう請求書に続いて一貫して書類ができておるようですが、そこで十二月の十四日にこれは経理局のほうへ出ておるのだから、あなたのほうの手許に多分私は行つてつたのじやないかと思うのですが、初めの言われたことが正しいのじやないかと私は思うのですが、而もこれは経理局のほうで十二月の五日の日に五万フィートで四千百万円というものを出すのだということが、経理局でこれは決定になつて申請を承認しておるのである。それで今お話を伺つておると、多分経理局のほうで決定に承認してあるのはLD三十五号に基いて単価の増額をやつてつた。それがあなたの言われるように非常に問題になつて総裁からどうしていけないのだというときに、あなたは三十五号ではいけないというようなことが多分問題になつてつたのじやないか。そうして十六日頃に総裁のところで決定になつてLD五十七号ということになつた書類の不備というのは恐らくはLD三十五号と五十七号と、どつちにするかというようなことが一番の問題であつたのじやないか。それの決定になつたので、十二月の二十八口に又請求書の不備なのを直して、向うから出して来たという、そういうような経過にこの提出した資料では読めるのでございますが、それはあなた取消して、その頃見たことはないように言われておるが、多分見たのだろうと私は思うのですけれども、如何でございますか。
  527. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 先ほど私が日にちを申上げたのは日にちが非常にはつきりしておらないわけでございます。昔のことでございますから二、三の御質問を承わりまして、その間にいろいろな日にちのからんだ問題が出て参りましたので、それから類推いたしましておよそこのくらいじやなかろうか……、でありまするので、後に変更になりましたのは今の話を私は承わりませんので、そのLD三十五では払えないという決議の増額に関する書類でございます。これが十六日という日から推しまして、それ以降において請求書受取つた、受理したはずである。こういうように申上げたのであります。今お話を承わりますればその前に出ておつてとまつておる、それはあり得ることでございます。そういうことは……。とまると申しまするのはそのままでは経理局としてどうにも処置がつかないわけでございます。それでとめられて、決定になつてもう一度書類が更新されて、やり直しになる、こういう場合もあるのであります。そういたしますと、更新された書類に対する受理の問題につきましては、私が後に訂正しまして十六日以降の頃において受付けました、こういうのが正しい日になります。その以前につきましては書類が、明確な記憶はございませんが、出させておるということは非常にあり得ることでございます。
  528. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 只今証人が技術局のほうと契約局のほうと骨を折つて交渉をして、そうしてこのLD五十七追加の発注手続をしたのは十二月の二十八日であつたのですね。
  529. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 恐れ入りますが、後のほうをちよつと。
  530. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そのLD五十七追加発注手続をしたのは幾日のことですか、いつのことですか。
  531. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 二十日以降くらいじやないかと思います。
  532. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) よく記憶はつきに言つて下さい、その日は重大な日で、重要な日で、そんなに記憶が薄れるわけじやないかと思いますが、あなたもかなりお忙しいかたで……。
  533. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私が考えますと、二十八日じやないように私は考えられるのであります。その以前であるよう考えられます。
  534. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 以前というといつ頃ですか。
  535. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 二十四、五日ではなかつたかと、こう思われるのであります。明確ではございません。
  536. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これははつきりと、それは二十八日であるということを供述しておる人があるのですがね。大根曾事務官というかたが……。これは間違いないと思うのですが、あなたの御記憶が薄れておるわけじやないですか、どうなんですか。
  537. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 大曾根事務官がそのように述べてありましても、この日にちはそうじやないのじやなかろうか。これは明確な記憶を喚起すわけに参りませんのですが、いろいろな当時の事情事務の工合からこう考えて、その前じやないかとも思われるわけであります。
  538. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これはLD三十五、二重煙突発注に関する件、これに対するLD五十七の追加として発注を依頼するから了承してもらいたいという技術局長から契約局長に宛てた書類の日附が、十二月二十八日になつておるのです。これは間違いないでしようね。皆判が捺してある。
  539. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 見てもよろしうございますか。委員長、十六日と、こう書いてある。
  540. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 十六日が二十八日と違うわけがない。一日かそこらの日は間違えるということはあるけれども、大曾根事務官言つていることと、それからその日附と合うのですがね。
  541. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは私が話した日は、二十八日以前と思います。
  542. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 二十五、六日と言われるのですか。
  543. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 二十五、六日とはつきり言われませんが、大体二十五、六日か、遅くとも二十八日じやないことは確かと考えられます。
  544. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 併しあなたが契約局長と一緒に技術局長を訪ねてお話になつたという日は二十八日じやないのですか。そこで技術局長から契約局長にこういう書類行つたんですから。そうしてその発注は、追加発注がされたわけなんです。
  545. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それは契約の旭当課のほうから、その後発注依頼の書面が出て参りません関係上、私どものほうへ連絡があつたのか、こちらからしたか、はつきりしませんが、とにかく話合いをしたわけでございます。それでどうして出て来ないのかということを調査いたしまして、いや実はその書類が技術局のほうでとまつておる、こういう話から、私が話に行つたよう記憶しております。従つて二十八日ではないと、このように私は考えられるのであります。
  546. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) いや、その日までですね、二十八日のその御用じまいの日になつて、まだ追加発注の手続がしてないというので、大騒ぎをして、何とかして追加発注の手続をしなくちやいけないというので、特に技術局長のところへそれを顧みに行つてつてもらつたことは、大曾根事務官言つておることです。そこで技術局長からして、当の責任者である契約局長のところへ書類が行つて、そこで初めてこういう発注がされる、こういうふうになるわけです。そうすればこの二十八日は間違いないでしよう
  547. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) そうおつしやられますと、二十八日のようになりますですが、私は二十八日じやないように思つておるのですが、私が話しに行きました日はでございます。
  548. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) どうもそれは二十五、六日というふうな気がされるというのですか。
  549. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 二十五、六日が少くとも二十七日頃ではないかと、こう思われるわけです。二十八日じやないと思うのであります。
  550. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 一日かそこらの違いですね。ところがですね、それを十六日の目附に訂正したというのは、どういう必要があつてしたのですか。
  551. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私はその件に関しては存じません。私のほうの関係書類ではございません。
  552. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そこでですね。その金を支払うについでは、あなたが経理局長の代行をされたというのですか。経理局長相談されたわけですか。
  553. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 事前にその増額書類が参りましたとき、この支払の方針その他については十分打合せをしております。そのとき局内で話をしたわけであります。
  554. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 経理局長相談したのですか。
  555. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) さようでございます。そこで増額書類が出て参りました場合に、経理局といたしましては、LD三十五では支払ができないけれども、他の有効な変化があれば支払う、それから増額してもよろしいというのは予算課長も一緒に経理局長のところで打合せをやつて決定したわけでございます。
  556. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それはいつ頃のことです。
  557. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それが先ほど申しました十六日の書類でございます。その十六日、明確に申上げかねますが、多分十六日かと思われます。
  558. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) まだ追加発注の書面が出ない前に、金を払うという相談経理局長があなたにしたのですか。
  559. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それは増額書類が来たわけでございます。
  560. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 増額書類はあつても追加発注の書類がなければ金は支払えないでしよう
  561. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その当時の書類LD三十五で支払われるという前提が置いてございます。それで増額が要求されて来たわけでございます。従つて経理局はそのままでは支払えないということを宣言したわけでございます。
  562. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それで二十八日の支払つたときには局長はおらなかつたのですか。
  563. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 確か御不在だつたと思います。
  564. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) だから証人が代行されたわけですね。
  565. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その通りであります。
  566. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 代行しておいて、後で局長報告されましたか。
  567. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 単独に報告したかどうかはつきりしないのでありますが、先ほど一回申上げましたように、表で説明を毎月やつてつたわけでございます。そのときにお話してあります。
  568. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 表で。
  569. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 一件……件数ではございませんので、支払いました統計表はずつと作成しております。これを以て業務の説明はやつておりました関係上、説明してございます。
  570. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それはいつ頃されたのですか。
  571. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 毎月やつておりましたから、一月には説明してございます。
  572. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 先ほど加藤局長はこの件の支払については全然あずかり知らんと、何回も繰返して質問したのですが、全然知らんと、こう言つておりますが、あなたの今のお話ではその事前に二、三日前に前以て打合せをしてあつた、話合いがしてあつた、了解が得てあつたと、こう言われますが、その点どつちかが違つておるのじやないかと思いますが。
  573. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それはLD三十五では支払はできない。増額の伺いの書類に附いてございます。これは当時局長のところへ呼びまして、文面を書きまして捺印してございます。従いまして、局長はそういう点については御存じのはずでございます。
  574. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうすると、LD三十五で支払をするという打合せをしておつたところが、LD三十五では支払ができないということで、追加発注の手続をした。そうしてそれによつて麦払つたということになれば、局長と打合せをしたときに、その支払とは事柄が違うのじやないですか。
  575. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) そのときの打合せの條項はこういう確か但書をその書類に書いてございますが、LD三十五では支払ができないが、その他のものであれば、根拠があれば支払つて差支えないという文面でございます。
  576. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) どこにその書類がございますか。
  577. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それはその増額のときの書類の欄外に、私が予算課長が書いて捺印した記憶があります。
  578. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 只今のところ、もう一ぺん申して下さい。
  579. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) LD三十五では支払ができない。けれども他のキャンセルされないLD根拠を以て枠外の発注が認められるならば、支払経理局としてできる。こういつた文面のよう記憶しております。
  580. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 一度その原文を証人に読んで頂きまして、なおそれは証人が自分で書いたものであるか、誰が書いたのであるか、その二点を確かめたい。
  581. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 赤鉛筆のですね。この赤鉛筆のがあなたの言うことですか。
  582. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは私が書いたのではございません。読みます。「本件はLD三十五の「ちゆうきん」(これは註文の誤りと思います。)を取消し、新たにリクアメントのC・L枠外の新註文書を発行せしめる契約をして取扱契約件名変更の通知書を経理局経理課(課というのがはつきりしませんが、)に送付されたい。」判は加藤局長、松永予算課長、私の三名でございます。
  583. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 誰が書いたんですか。
  584. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 松永予算課長か或いは予算課の事務官か、どつちかでございます。
  585. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) いつ書いたんですか。
  586. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それはその書類が廻つて参りまして、局長のところで会議をやつたそうでございます。その前に副総裁のほうから払わないという意味について、どういうわけかと呼ばれて帰りましてのときでございます。
  587. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この件についてお尋ねございますか。
  588. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) さつき問題になりました増加契約の問題ですね、それからやらなければならんと思いますが。
  589. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうですね。
  590. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 私その前に一言簡単ですが、証人に伺いたいと思います。この支払の問題は今伺つておるように、十二月十六日以後に問題になつて来た、こういう話でありますから、それ以後においては金額その他のことについたは、あなたは御承知なかつたと見ていいんですか。
  591. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 存じておりませんでした。
  592. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) ちよつとこれ(支払証明願)を見せて下さい。こういう書類をあなたは出すことに関係せられたことがありますか。
  593. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 存じておりません。初めてこの書類を見ます。
  594. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 役所の機構からいうと、そういう書類経理第二課で取扱うということになつており、而もその官印は庶務係が保管をしておりまして、庶務係が捺したということになつておるようでありまして経理第二課でやつたということになれば、誤長が知らないということはないと思いますが、どういうわけですか。
  595. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 証明書その他は私がおりませんでも発行される場合がございます。課長がおりませんでも発行される場合がございます。それでこれは私は全然記憶ございません。見せて頂きまして初めてわかつたような次第でございます。
  596. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 当時経理第二課で、そういう関係仕事をやつていたのは誰ですか。
  597. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 確かこれは上村事務官かと思います。
  598. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 若し証明書が出されたとすると、それは経理第二課で出されたということだけは認めますか。
  599. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これはこう申上げますと甚だお叱りを受けるかも存じませんが、判を保管しておりますのは経理第二課ではございません。従いまして若しも正規でなく、悪意の下に作られました書類でございますれば、これは経理第二課が全然関与をしない前に出されるということも考えられる。
  600. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 僕はそんな悪意のことを言つておるのではなくて、正規のルートのことを言つておるのです。
  601. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 正規のルートの場合には、私の課から出る場合と出納課から出る場合と両方あり得るわけであります。
  602. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 出納課があなたにそういうことの相談をすることなく、そういうことをやる権限があるのですか。
  603. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 一般の、私が申上げましたのはそういう文面でございますれば、出納課の書き方と違つております。支払の証明その他におきましては出納課も証明する場合がございます。
  604. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) その公文書について私は質問しているのです。金額が入り、註文の番号が入り、契約書の番号が入つておる。そうして証明の請求がなされておるのです。それでそれの所管は経理第二課であるかどうかということを伺つたのです。
  605. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 経理第二課でございます。
  606. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 先ほど私の質問に対して少くとも当時の公務員として口にすべからざることをされたのです。普通のルートでなされておるのに、それにもかかわらず、若しそれが作為で行われるならば、官印を所管以外のルートで決裁を待たずに捺すようなことがあり得るということを言われた。そういうことが特調ではしばしばあつたのですか。
  607. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私が申上げましたのは一般論の話を申上げたのでありまして、大変失礼をいたしたわけであります。出納課の例も、その話も全部同様でございます。これに関しまして具体的の所管を申上げますれば、後ほど申上げました通り経理第二課の判でございます。
  608. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 出納課だつて正規の手続を経て、正規の決裁の順序を経てやるのには一向差支えない。あなたはそういうことを作為とか何とか、そういう言葉があつたと思いますが、先ほどの証言の中に…。
  609. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私がそう申上げましたのは甚だ穏当を欠いたわけでありますので深謝いたしますが、私が全然この書類を見たことがなかつたものでございますから、そういう話を一般論としてちよつと申上げたわけでございます。
  610. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) そうすると、とにかく経理第二課の担当のものであるということだけははつきりあなたが今確認をし、そうして上村事務官がやつたものであろうと、こういうことを言われたのですが、そうするとあなたはこの文書について課長として責任を持ちますか。
  611. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 部下の行為に対しては責任を負います。それからちよつと申上げますが、上村事務官と申しましたのですが、確か上村事務官と思いますが、上村事務官の下にも何人かの補助者がございます。それだけ附け加えておきます。
  612. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) その証明書の本文は発行の番号も入つていなければ、又官印だけで以て担当官の捺印もなし、すべて怪しげな証明のようになつておるように僕は考えるのだが、そういうものが当時経理第二課においてしばしば発行された事実があるのかないのか。それから第二点として十二月の十六日以後でなければ金額がわからないのに、そういう金額を業者の要求した通りに裏書証明をするようなことを、当時の経理第二課はやつてつたのかどうか、それを伺います。何を根拠でそういうことを行なつたか。
  613. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 通常正規に出しまする場合には番号は入ります。それできつちりした書類になつて出すわけであります。それからこのよう書類が始終出されたかという点につきましては、そういうようなことが殆んどないようにしておつたつもりでございます。
  614. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 殆んどないようにということは、逆にあつたということを意味するわけですか。
  615. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 言葉のあやでございますが、全然それはないように指導しておつたわけでございます。
  616. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 この局長のこういう印を保管しておるのは、誰が保管しておるのですか。
  617. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それは庶務係で保管しております。
  618. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 何課ですか。
  619. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 課ではございません。局長直属の庶務係、書記室みたいなものでございますが、そこで保管をしておるのでございます。
  620. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 かような証明書を出す場合には台帳がありますか。
  621. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 特調のでき始めの頃は、そういうものが各課ともなかつたようでございます。後に証明書の台帳が全部作られました。ただそれが正規に経理二課あたりから出ておりましたといたしますれば、その頃から載つておる……、その時期に台帳が作らたたかどうかよく存じておりません。
  622. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 こういうものを発行する場合には、あなたのほうで誰か係員の捺印か何かあつて、それから庶務係に行つて捺印する、こういう順序ですか。
  623. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは正規の決裁文書が上のほうへつきまして、申請書が二通出まして、一通の脇に証明してよろしいかという伺い文を書きまして、決裁が済みましたものを庶務係に呈示すれば、庶務係のほうで作つて渡してくれるわけであります。
  624. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 そうすると二通作つて、原本には決裁書面が附いておるわけですか。それから又台帳に割印をするかどうか。
  625. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 二通作りまして、一通が決裁伺い文書と併用になります。一通は向うに捺印されまして、証明の文面を全部捺印を済みまして渡されるわけでございます。それから台帳ができました時にはたしか割印になつてつたはずでございます。
  626. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 先ほどの支払の場合、例えば横田課長代決をした場合に、局長報告がおろそかになつてつたようであります。又今の証明書につきましても上村事務官が担当したとすれば、それが課長のところへ報告をしてない、文書の校関をしていないということになつておりますが、そういうものはそれぞれ一級下のところで代決したものは上級責任者が校閲をする必要はないのでありますか。
  627. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 校関の必要がございます。極く軽微な問題は別といたしまして……、
  628. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 次に伺いますが、この五万フィートの煙突の単価が変更を承認せられたのは十二月になつてからです。ところが物品検収調書によりますと、九月の日附で受理されておるのでありますが、そういうことは証人御承知ですか。
  629. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その点については知つております。
  630. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 而も九月に納入されたものについて、遡及して新単価で計算をした根拠を一つ伺いたい。
  631. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) この価額の問題につきましては、技術局の所管になつております。それで経理局も支出宮の立場からは一応見なければならないのでありますが、大体におきまして、殆んど経理局の……価額その他単価につきましては、技術局で決定いたしましたものに従つてつたわけでございます。
  632. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) この物品納入検収調書は事実と相違したものになつておることが、あとからわかつたのですが、経理課長としてはそういう点についてまでも厳密に糺明をして支払書類を作るべきであつたと思いますが、そういう点についてはどういう措置をとられたのですか。
  633. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その点については支出官の補佐官として私非常に申訳のない点なのりでございます。十分審査をすべきでございましたのですが、言訳になりますが、たまたま十二月頃の一番忙しいときに当りまして十分審査が行届かなかつた。而もそれがほかのセクシヨンも誰も気が付かなかつた。こういう問題は誠に責任を感じておるような次第でございます。
  634. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 責任を感じられたのですが、この物品納入検収調書というものは発行した日附が政策をされておるわけですが、それをあなたは承知しておりましたか。承知の土で支払の手続をしたわけですか。
  635. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) はつきりその改竄をされておるというところまで実のところ詳しく調べておらなかつたわけであります。下のほうの係で計算もいたしております関係上、それで間違いなしと通つて参りました関係上、全般に亘つてそこまで注意が届いておりませんでした。
  636. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 大体千二月幾日の目附で以て検収調書が出されて、それが九月にも遡つて訂正をせられ、そうして単価の改訂は十二月になつて行われておる。少し経理的な責任の地位にある人ならば、すぐ気付かなければならんような問題であるわけですが、それをどうして気付くことができなかつたのか。あなたは常にそういうラフな仕事を今までやつて来られたのであるか。その点を明らかにして頂きたい。
  637. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その点を言われますと、誠に申訳ないのでございますが、大体この話はできてもうとうに、先ほど申上げましたよう支払をする根拠如何の問題で以て論争もありましたし、全部できておると、こういう前提を私どもは持つてつたわけでございます。従いましてこの検収の目附その他につきにましてはそういつた関係から余り注意を、不注意なわけでございますが、しなかつたわけでございまして、すべてにおいてそういうようなものを注意しておらないというよう仕事の仕方ではございませんでした。
  638. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 結果においてとにかく経理第二謙の職制上から来る義務を履行されておらなかつたということだけは認めますか。
  639. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 認めます。
  640. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) それからこの単価の……。
  641. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ちよつと持つて下さい。今の問題ちよつともう少し関連して聞きたいことがあるのですが、高橋総務課長、これの言うことによるとこの検収調書の日附の訂正についてはこういうふうに言つておりますですがね。これはあなたが命令してやつたと、こういつておるのですが、そういうことはありますか。
  642. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 日附の訂正の命令をするということはあり得ないわけでござといますが、その点は何らかの申し違いじやなかろうかと思われます。
  643. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これはですね、十二月二十八日の書過ぎ頃に高橋専務があなたのところにおつて横田課長の席におつて、そうして電話で高橋総務課長、これは高橋正吉専務と違うのですが、それをあなたの席へ呼び付けて、それからあなたのおる前で高橋専務から高橋総務課長に対して石井技官を訪ねて、九月三十日附のLD五十七追加の検収調書の発行方を依頼するよう命じ、高橋総務課長が石井技官を訪ねてその発行方を求めたが、石井技官は新規発行を断り、高橋総務課長太平商工の藤原の許にやつて、前記十二月一日附検収調書の日附及びLD番号の訂正方を斡旋し、藤原は求めに応じてこれを訂正したと、こう言つていますが、あなたの席へ高橋専務が高橋総務課長を呼んで、石井技官に言つて、そういうふうに訂正させろと、こういうことをあなたは默つて聞いておつたのですか。
  644. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは事実と相違するのじやなかろうかと思います。私はそのようなことを命じたこともございませんし、そうなりますと九月三十日という日附が会計法上から考えちよつとおかしいと思われるのでございます。
  645. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 今の問題は非常に重要な問題だと思うのでありますが、この前の小委員会で太干商工藤原証人が、検収調書の記載事項は石井技官からの命令で、その通りに書いたということを証言していたのであります。石井証人は、絶対に自分は命令したことがない、併し検収調書は多分建設局……技術局のほうの所管なんだ、この場合に限つては五万フィートの検収調書は、自分のところを通らずに経理局へ行つてしまつた。そこで石井技官は、あと行政処分を受けているのでありますが、私は特に石井技官に質問をしたのですが、全然この検収調書については手を触れていないのであります。それにもかかわらず、一体行政処分を受けて、なぜ弁明しなかつたかということまで私は聞いたのですが、全般的の責任を感じて行政処分を受けたということを言うていたのであります。技術局を通らずに、直接検収調書経理局へ行つたように私は承知しているのであります。そうして、その十二月三十日の日附も九月の幾日かに訂正したことも、これは藤原は石井からの命令だという、石井は命令していない。そこに何か事情があつたのじやないかと、私は前から疑問にしておるのでありますが、そこを証人からはつきり、どういう経過でああいう検収調書を承認せられたか、お伺いいたしたいと思います。
  646. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私はその点に関して全然そういう覚えがないわけであります。記憶がないというより覚えがないのです。それで私が以下申上げるのは会計の技術上から申上げましての問題なのでございますがよろしうございますか……。それはこういうことは考えられるわけでございます。新らしい契約が更新された場合には、検収の日附はその後でなければならない、こうなりますと、私が九月三十日に遡つて直すというのは、ちよつとわからないわけでございます。全然記憶はございません。
  647. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 何とかくて確かめる方法はないのでございますか。私はこの前も、誰も関係していない、誰も関係していなくて訂正されるわけがないのであつて、どういうことになつておるのですか。私はそこまで皆が知らんというから、全然わからないというよりほか結論はつかないのであります。
  648. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この件に関して横田課長のところへ高橋専務が来て、そうして高橋専務からして、石井技官に対して訂正してくれるようにといつて使いをやつた。あなたがそれを命令したかどうかは知りませんが、高橋専務があなたの前でそういうことをして、そうして石井技官のところへ使いをやつたということはなかつたんですか。
  649. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それは全然ございません。それは私が聞きましで全く意外とする事実でございます。そのようなことは、来て話をし云々……、いわんや私が命じ云々というのは全部間違いと存じます。
  650. 森八三一

    ○森八三一君 只今会計法上九月三十日に訂正されということが、あり得ないことだというよう証人お話でありますが、この代金支払に関しまして当然検収調書がその重要な証憑書類として一件書類に附属していたと思うのですが、その場合に物品納入検収調書がどういうものであつたか、御記憶がありますかどうか、その点。
  651. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 先ほど申上げましたように、誠に申訳ないのでありますが、検収調書自体、そのものは知つておりますが、日附その他を確認してございません。
  652. 森八三一

    ○森八三一君 それではここに当時請求書に添付せられておりました納入検収調書がございますので、これをお示し願つて証人はこれによく記憶があるかどうか、当然これは審査すべき重要な書類でありますので、その点を確かめて頂きたいと思います。
  653. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) どうですか、こういう検収調書は。
  654. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは一応見ております。ただ日附の点については、私ははつきり記憶がございません。
  655. 森八三一

    ○森八三一君 見ておりますということは、そのものを見ておるというように理解してよろしいかどうか。
  656. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 不注意な見方ではございますが、一応あの書類は見ております。
  657. 森八三一

    ○森八三一君 会計法上九月三十日になることはあり得ないという確乎たる考えを持つておられる場合に、九月三十日というふうに訂正になられておるのを見て、不注意だということはちよつと了解しかねると思うのですが、その書類は十分見られて面も九月三十日は御承知の上で事件の進行があるのじやないか。前段の御証言と非常に内容が違うように思うのですか。
  658. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私が九月三十日のことを申上げましたのは、先ほどの高橋専務ですか、その証言に私の指示云々が出て参りましたのに対して私が申上げました。私が考えるのに、九月三十日ということは、ちよつとおかしいと、こう思われるわけであります。全然それは事実に相反するということは、一番初めに申上げましたのでありますが、その一つの根拠といたしまして私が日にちを申上げたのであります。それからこれを見たのに、九月の日にもが違つておるのを知らんでやるわけはない、こうおつしやられえますが、今も申上げました九月三十日の話とはちよつと別でございまして、それを見ましたけれども、日にもまで巖密に私は見ておらなかつた。九月三十日云々と言いましたのは、そういう指示を私がする理由もなければ、するはずもない。又それにしてはちよつとおかしな指示過ぎる、こういう意味を申上げたわけであります。
  659. 森八三一

    ○森八三一君 九月三十日に訂正するというような指示は、会計法上の観念から言つてもあり得ないことだ、だからそんな指示をしたはずはない。こういうふうに証言されたのであります。ところが、出ておる文書はまさしく九月三十日に修正になつている。だからそういう考えを当然お持ちになつているとすれば、その書類を御覧になつたときに、そんなことは何よりもいち早く気が付くべき当然の筋合であると、ただ不注意で見落したとおつしやつてしまえばそれきりになりますが、会計法上当然あるべき姿が現われておらんものを不注意で見逃したということは、ちよつと了解に苦しむのでありますが、その辺は一つ率直にお話しになつたらよいと思うのですが……。
  660. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 大分この点蒸し返しいたしまして申上げますと、又お叱りを受けるのではないかと思うのですが、私の言う意味は、九月三十日まで遡らなければならない理由がちよつと見当らないわけであります。そういうことをする理由などということは、ちよつとおかし過ぎます。これはどういう理由で九月三十日になつたのか私はよくわかりません。想像してもちよつと思いつきません。けれども書類只今よく見ますと、まさしく九月三十日になつております。これは見落したのは非常に私の手落でございます。
  661. 森八三一

    ○森八三一君 LD五十七の追加発注を具体的に当該課長として処置をされましたのはいつでありますか。
  662. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それがちよつと非常にむずかしいのでございますが、そのようになるというのは、具体的に何日ということは、言いますれば、その前の増額のときに、先ほど私が見せて頂きました書類の上のほうまで決裁になつた日でございます。それから具体的に発注になつたのは、注文書が出たときでございますから、これは十二月の終り頃になるわけであります。
  663. 森八三一

    ○森八三一君 先刻証人お話では、十六日の日に方針がきまつたと、そのきまつた方針に基く更改発注書が発出されないで支払の停頓を来たした。そこで堀井技術局長を訪れまして、きまつた方針に基くLDの発行を要請せられた。それに基いて、技術局におきましては成規の手続を経てLD五十七号が発行をせられた。その発行をせられたものが経理局に廻つて参りましたときが、具体的に形式的に経理局がそれを了承したというときであろうと思います。その日はいつであつたか、技術局を訪れましたのは二十八日ではないように思うのですが、二十五日だつたか、六日だつたか、七日だつたかというお話でありますが、それまでこのLD五十七が出ていなかつたことは事実だつたと思います。出ていれば請求するはずはないので、出ていないから請求せられた。それでそれが発出せられて具体的に経理局に廻つたのはいつだつたのですか。
  664. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それは技術局のほうに話しました後にすぐ発行されたわけであります。その日が私ははつきり申上げられないのでありますが、先ほど申上げましたように、五、六、七の日であると、八日じやないことは確かだと私はこう考えております。従つてその日のうちに来たと思われるわけであります。
  665. 森八三一

    ○森八三一君 そういたしますると、請求書を御覧になつたのは十二月の中旬であると、十二月の中旬には未だ以て五十七号というものは確定をしていなかつたと思います。確定していない状態において、納入者から提出せられまする請求書にはLD五十七というものは記録されていないはずである。その当時出ておつた請求書は別のものであると思うのです。又別のものでなければならんはずであります。ところが二十五、六、七あたりのところで交渉をせられまして、LD五十七に基く正規の契約書が発せられて、それが支払担当課でありまする経理第二課のほうに回付せられた。そこで條件が完備したわけでありますから、支払うという手続になつたわけでありますが、そのときにお手許にありました請求書は違うものである。違うものを基礎にして支払うという行為は起きないと思うのですが、どういう手続をせられましたか、お伺いします。
  666. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 只今おつしやられたことはその通りなのでございますが、ただそれが正規の書類になりましてから動き出しておるわけでございます。従いまして、先ほど御質問のかたがございましたように、実は前に古い書面経理第二課には出ておつたのだと、お前はそれを記憶を呼び起せというようお話がございましたのですが、これは確かにそういうことはあつたかも知れない、あり得ることだと、私は見ておりませんですが、係それ自体はその不備なる書類受取つて処理をしないままにして、後の方針決定以下の段階を経て、それで補正されて出て来た、こういうようなこともあり得ると、このように申上げたのでございますが、その後補正された書類が廻つて来まして、正規に動きましたのはその後でございます。
  667. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) どうも奇怪なことばかりあるのですが、幸いそこにその間の事情を明らかにした大曾根事務官の陳述書がありますから、そこを読んで見ますから、一つよく聞いていて下さい。「庁内某氏及び某氏の御二人が見えまして、技術局長のところへ行くから書類を持つて一緒に来るようにと申され、私は御二人と共に技術局長室へ参りました。御二人のお話によりまして、技術局長も、枠外発註の依頼書を出すことを承諾され、この依頼書は後刻正式に契約局に参りましたので、二重煙突五万フィートをLD三十五を取消し、LD五十七の追加とするとうい変更註文書が発出されました。前述のように、変更註文書がまだ発出されない以前に、経理局から人が参りまして、請求書計算だけでもしておきたいから回付してもらいたいとの話がありましたが(復興院契約であつたため、請求書契約局を経由して行きますが、その審査は全部経理局で行うものであり、契約局はただ業者から受取り、無審査でファイルと共に経理局に送つていたのであります)まだ書類が整つていないから整つてからと申しますと、いやとにかく計算だけしたいのだからというので、請求書経理局に回付したのであります。このときに検査調書の日附が十二月一日になつていることに気がつきましたので、すぐに足利工業に連絡し「納期は延期しても九月三十日までしか延びていないからその後の延期申請を出さなければ駄目だ」と申したのでありますが、「いや、そんなことをやつていては間に合わない」と申しますので、「たとえ間に合わなくとも是非やらねば駄目だ、延期申請を出さなければいつまでたつて支払はできない。すでに払うばかりになつているのに、そのくらいのことができないはずはないと申渡したのであります。私が十二月一ばいかからなければ品物が完成しないということを聞いたのは十二月二十七日頃と思いますが、延期申請書提出の際は当然促進局の承認がなければならず、たとえ他の書類は揃つても延期申請がなければ支払はできない道理でありますから、足利としても早速手続をするであろうと考え、その延期申請が、促進局へ廻れば、果してできていないものならば促進局は承認しない故に事故は防げるものと考えられましたし、又実際できているものとしても時間的に言つても二十八日中には間に合わない、そうすれば年内支払は絶対不可能であると固く信じておつたのであります。」こういう工合に筋の通つたことを言つておるのであります。納期の最大限は九月三十日である。従つて納期の延期申請をしなければもう支払書類は全部済まなかつたと、こういうことをはつきり大曾根事務官考え、而もこういうよう書類契約局は殆んど素通りをして、経理局が専管して内容調査をするのである、こういうことになつております。そこであなたが今その最も重要な検収調書に対して九月二十日の日附が不当であると言われた、不当でそういうことをする必要がないと言われるのですけれども、納期の問題を考えればまさしくこの大曾根事務官の言つたほうが私は正しいと思う。専管をして支払調査をやるあなたが、そういうことを御存じないということは、これは全く粗忽そのものの話です。又日附を見ないというけれども少くとも金銭を支払い、時間的に動いておる問題について山口というでつかいはんこを三つも四つも押しでおる、その日附についての疑問を持たない、そんな非常な経理課長は全くないと思う。そういう点から考えても、どんなにしても今の横田課長証言は不十分で、もつと率直に答えてもらわなければならない。先ず最初に九月三十日の日附の問題に関連してどういうふうに考えられておるか、それを先ずお伺いしたい。
  668. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 今の質問に関連しまして、今栗山さんからのお尋ねの朗読された大曾根事務官の陳述書というのは、これは大曾根事務官証人としてここで喚問したことはないんですけれども、その陳述書というのは出所をちよつと承わりたい。
  669. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  670. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 速記を始めて。
  671. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 納期の点について今大曾根事務官の陳述書を承わりました。まさしく只今聞きながら考えておつたわけでございますが、正式にやれば納入の延期は当然しなければなりませんし、それから検収の甘は九月の三十日でいいのかどうか、納入を事実九月の三十日に検収をやつたとしても三十日でいいのか、ちよつとこれは疑問があると思われます。私は当時納入契約が、発注が公開されて件名が変りますれば、当然納入契約の日よりも遅くなる、事前になる、こういうふうには考えておりませんでした。納入の延期は当然発注書のほうで直されて行く、このよう考えております。なつておらないのを発見できなかつたのは、私の不注意であります。
  672. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 今の問題については、この大曾根事務官の陳述と証人の供述とは大分違うようでもありまするが、これが証人記憶を正確に申されても、そのようだとすれば、これ以上この問題について追及されても結論が出ないと思いますので、この程度にして、更にその他の点に証言を求められたほうがいいと思います。
  673. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 御異議ありませんか。
  674. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) この単価の増額申請の問題について、ちよつとお尋ねしたいと思います。証人は、この単価の増額申請について関係されたことがありますか。
  675. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 関係したと言えば、法的にはその前の書類が廻つて来たとき、経理局は全部判を押しておるわけですからやつておりますが、実際上の内容に立ち至つては、全然経理局関係しておりません。技術局が殆んどこれを担当しております。
  676. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 併し支払の直接関係のある仕事でありますし、書類が回覧に付されておるということになれば、その責任は免れないと私は思いますが、如何ですか。
  677. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その点については、特別調達庁はほかの役所と大分違いまして、全部が、ほかの役所でございますと、経理という名前が付いておりますと、一切のことを処理するわけでございます。経理局自体全部が、特別調達庁の殆んど全部が、いわゆる経理仕事を担当するような工合でございます。私どもがやつておりました経理局で、一応そういうことは見ますけれども、実際問題として、そういう責任はそれぞれの主管の局が負つてつて来たわけであります。
  678. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) ですけれども、経理局或いは経理課の職分は、この支払に対して最も重要な役割を担当せられておるわけじやありませんか。経理第二課の職分としては……。
  679. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それはいわゆる法的の形式から言いますると、支出官の補佐でございますから、支出官の業務の内容から行きますと、勿論契約の金額その他も審査の事項でございます。使し実際の分掌の事務からいいましても、契約金額の決定、単価のきまつておりますものは別といたしまして全部技術局がこの積算の責任を負つてつたわけでございます。
  680. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 重ねて伺いますが、仮に技術局が決定をして、それを回付して参りましても、内容に対して不合理な点がある、不正な点があつた場合には、それを摘発して、そうして修正させる責任があるわけじやありませんか。
  681. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 経理局、どの課といえども、ほかのところで気付いたならば、それをやりまするし、又やれるわけでございます。ただ大体そういつたことが技術局のほうにやつてありますので、私どもは帳簿の計数整理にその金額を使うくらいなものでございまして、それを取上げて云々ということは殆どございません。
  682. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) それは明らかに公文書としてですね、手落ちのあつたものについてもですか。
  683. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 公文書のほうで明らかに不当なものであれば、支出官の立場から言いまして、これは訂正させなければなりません。
  684. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) わかりました。そこをはつきりさしておいて頂けば結構です。そこでこの煙突の単価引上げの請求と申しますか、要請に対して一番問題になるのは物品税の関係なわけであります。それで当時この二重煙突については物品税は課けられない、免税になつておると、こういうことに一応税務署は見解を持つていたらしいのでありますが、あなたがたはそう考えておりますか。
  685. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) そのよう考えておりました。税務署のほうでそういうような確か証明か何か持つて来て見せたように部下から報告を受けております。
  686. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 結局物品税は、この二重煙突にはかけないと、そういう工合に税務署も考えておつたと、こういうことでいいですね。そういう工合にあなたが理解しておられた……。
  687. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) いや、かかるというよいうな証明であつたように覚えております。
  688. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) かかるということに……。
  689. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) はあ。
  690. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 従つて、その反価計算の中には物品税の問題が入つてつた、こういうことですね。
  691. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 経理局のほうからこの価格について何ら示喚をしたことも何も技術局にはございません。ただ業者のほうから当然それは言うだろうと思います。
  692. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) この物品税の課税の対象になるかならないかといことは、税務署のこれは考え方によるものですが、この役所へ出しました業者からの書類、田中平吉君からの書類には、明らかに足利税務署長武藤儀四郎君の納税証明書というものを貼付してある。ここに写しがありますが、こういうものを貼付しておる。ところがこれは全然捺印もなければ完全な私文書であります。この証明の段に至つても……。ということが本書そのものにも明らかになつているし、又事実足利税務署のほうにおいてもさような税金の対象として取扱つた覚えはないということをはつきり言つておるそうですが、その点についてあなたのほうで調査の上に手落があつたのじやないかと思うが、如何ですか。
  693. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その点につきましては技術局のほうで全部それを検討したわけでございます。ただ経理第二課といたしましても、物品税のことは係のほうはそれを確かめたように私は報告受取つております。それでそのときに技術局のほうにも呈示してあるが、ちやんと取るように証明を受けておるもののように、報告を受けたように覚えております
  694. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 技術局の原価計算には物品税は入つていないそうです。その点はどういうのでしよう
  695. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私は経理第二課のほうは、契約金額を変動する権限は今然持つておらないわけでございます。従いまして契約金額以内でなければ支払はできないわけでございます。
  696. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 支払の話を今しているのじやないのです。この単価の引上げの要求があつて、それについて承認を与えるまでの役所の中の手続のことを私は聞いておるのです。その有力な資料として物品税が入る、而も物品税を納めたという納税証明書が実に架空な証明書がくつ付いておる。そういうものによつてあなたがたのほうでこの書類の、公文書の審査に当つて手落があつたのではないかということを私は聞いておるわけです。
  697. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その契約の金額の決定は技術局と先ほど申しました。それは間達いはございません。併しながら物品税はその技術局の積算に入つておらない、こう申されたのですが、事実入つておらなかつたかも知れません。併しこの全部の統轄の契約につきましては、契約局のほうが取りまとめるわけであります。ただ価格その他で積算をしなければわからないというようなものにつきましては、技術局がその担当の責任を有しておる、このように先ほど申上げましたのを附加えて申上げますが、そこで私どもといたしましては、契約の担当のほうもこれを認めて、廻つて来た書類でございますので、それは十分精査すべきであります。併しながら実際上の問題としては、金額につきましては余り重要に詳しく私どもは調べておらなかつた。それからただこの物品税の関係については、たしか担当の係官が物品税の問題は取上げてくれたことがある、このよう報告を受けております。
  698. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) ちよつと証人に伺いますが、然らば担当官としては技術局のほうから廻つて来た、或いは契約局から廻つて来た書類によつて、めくら滅法に支払をするというものではないと思うので、直接そういうことの責任が契約局なり或いは技術局にあるとしても、それを支払う場合においては同じ共同責任でそれを精査しなければならないことである、こういうふうに私は考えておるわけでありますが、その点はどうです。
  699. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは会計検査院でも大分後ほどこの件に関しまして、この件と申しますものは、契約の責任、そういつたものでございますが、話が出たわけでございます。現在におきましては契約担当官というのは別に分れております関係上、権限が相当明確になつでおります。当時はそうはつきり明確になつておりませんし、支出官自体の責任と申しましようか、これはかなり修正されないままに広く掲げられておるわけでございます。と申しますのは、通常の官庁形態でございますと、支出官の下に契約するものとか、積算するものも大体おるのが通例のようでございます。ただ特別調達庁になつて参りますと、それが分れまして、これをその支出官の責任通りやりますと、あらゆる事項が全部支出管の責任に帰するわけでございましてそれは実際の内部の責任の形態から申しますると、そぐわない点がございます。と申しましても私が何らそういう点に関しまして責任を回避するという意味で申上げるわけではございません。支出官になりますれば、全部そういつた関係の責任はあることはあるのであります。当時の内部の情勢から見ますると、それぞれ権限によりまして、おのずから分れておつたわけでございます。
  700. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 非幸に巧妙な答弁をされておりますが、併し物品税の税全額を支払代金のうちに加算するかしないかというようなことは、極めて支払担当官としては常識的な問題で、すべての支払をするときに、それくらいならば私は一応当つて見なければならんものである。こう私は考えておりますが、非常に特別な技術的な問題で專門家以外の人にはわからんよう代金計算というようなことになると、原価計算ということになると問題外でありますが、物品税の金額を加算するかしないかというようなことは、極めて常識的な問題で、支払担当官としては無論考えなければならん問題であると私ども思うのでありますが、それだけのことすらせずに、而も税金額は二千三百五十余万円と申しますが、それだけのものを払うぐらいのそれすらもしないという支払担当官の責任は軽くないと思うのですが、その点をどうお者えになりますか。
  701. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 誠にその点は申訳ないのでありますが、いささか弁解じみますが、この前一番初めの、書類を見ませんとわかりませんが、一番初めの頃にありました戦災復興院当時の契約にも物品税の問題があつたのではないか、こう考えるつのであります。それからあと増額のときに、物品税の増額の申請書には契約当局のほうで書いて来ましたのに物品税が込めているわけであります。そのときにこの物品税の問題は大丈夫かというようなことを確かめたはずでございます。そのときにその担当の者に答弁いたしましたのが税務署の証明書であつたわけでございます。
  702. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) それだから私は、その物品税が賦課されるのが妥当であるとか、妥当でないとかいうことを申上げるのではなくて、あなたが支出官として当然行わなければならんことは、この納税証明書、このものが、権威のないものが支払書の書類にくつ付けられておつた。単価の引上計算書に……。そういうものについて見落しをしたのに責任がありはしないかということを私は申上げておる。それをどういう工合に考えられるかということです。
  703. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その点率直に責任がございます。ただ私はその前に話を聞いておりました関係上、それが今御指摘になりましたような、そういう書類をよく見なかつたわけでございます。これは当然な手落ちでございます。
  704. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 私は証人ちよつと注意を煩わしておきたいと思うのでありますが、先ほど来からいろいろ証言を受けておるのですけれども、極めて私は横田課長は頭脳明敏な記憶力の旺盛な人だと思つて感心をしておるのですが、ただ一番重要なポイントになりますと、全部記憶がない、或いははつきりしないというようなことを言つておられる。例えば只今物品税の問題然り、そうして検収調書の問題然り、その他でありまして特に私は奇怪に存ずることは経理第二課としてはほかの経理局なり、契約局なり等が相当專管をしておるので、この役所全体として経理の問題を扱うのであるからして、そうした注意はできないというような責任回避も大分やられたようでありますが、然らばLD三十五によるところの支払ができなくて、これを枠外発注にしなければならんというので、あなたはなぜそれほど強硬に主張されたか、それを一つはつきりしておきたい。それもやはりほかの局では全部LD三十五においで支払つてもらいたいということを強硬に唱えたのに、この問題に限つてのみあなたはなぜそういうことを言うか。そういうよう支出官としての毅然たる態度があるならば、そのほかの問題についても全部同じような態度で行かれなければならないが、それが差があるというのはどういうわけですか。その点を伺いたい。
  705. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) LD三十五の問題につきましては、当然私一個の考えばかりでなく、局全体の会議の上決定したものであります。私もそれに対しては個人としても何ら不満ではございません。当然そうあるべきと、こう考えられます。それに基きまして方針が決定された後に、これを促進するという形になつたわけでございますが、一旦決定いたしますると事務がその方針にそぐわずして停滞しておることは処理上非常に因りまして、これを早く何とかしてくれというのは経理局自体としての要求もあつたわけでございますが、それ以外に契約のほうでもこれは完結しないで因るので、契約のほうから、その経過を先ほど述べましたが、とまつておると、こういうような話をつ聞きまして、私が話に参つたわけでございます。
  706. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この納税証明書を見て頂きたいと思いますが、この納税証明書は写しですけれども、足利税務署長の武藤儀四郎という人の判がないのです。こういう納税証明書を出さして、そうしてそれを以てこれだけのたくさんの金を支払つたということは、このくらいな形式的なことすらも自を通して見ずに、責任を果さずにこれを支払つたということはですね、甚だ我々は不思議に思うのですが、どういうわけですか。一つ……。
  707. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) この納税証明書の原本が呈示されたかどうか、はつきりしないのでございますが、これが支払書類で、この写しで印鑑のないものでチェックができなかつたと……こういう点は責任を負います。ただこの物品の納税証明書は、すべての物品税のかけられるものに取つておる書類ではございません。これは会計法上要求されている書類ではなかつたわけでございます。ただ余りに金額の大きい物品税のものについては便宜私どもがこれを取つてつたわけでございます。
  708. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 便宜に取つておれば、判のないものでも何でも納税証明書というから、形だけの証明があれば、それでお金が幾らでも払えるというのですか。
  709. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) そういう意味で申上げたわけではございませんが、便宜大きなものは納税を的確ならしめるために、それで取つてつたわけでございます。取る以上はこれらが会計法上要求される必要な書類であろうとなかろうと、今までの当然の職務でございます。
  710. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それを見ておられぬということは、どういうことになるのですか。
  711. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは前に、その話を聞いておりましたので、丹念にその判のなかつたかどうかまで調べなかつたので、それが原本が呈示されたようにも記憶はするのでございますが、今書類を見ますと判がございません。写しになつております。その点がはつきりいたしますれば非常に都合がいいのでありますが、判を捺したやつがあつたよう記憶もいたすのでございます。これははつきりいたしません。写しと、こうなつておる。写しを取るという今までのやり方はやつたことがございません。
  712. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 この値段の契約は五回に亘つて変更になつておりまして最初物品税が二十二年の十二月九日の最初の契約でも六〇%の物品税が加わつておりますが、その当時これが契約の衝に当つたのは業務部長ということになつておりますが、当時の戦災覆興院の業務部長というのはどなたかわかつておりますか。
  713. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 本日証人に呼ばれております瀧野好曉でございます。
  714. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 その時の総務課長、或いは資材課長、設備資材課長、これらの人の名前はわかつておりますか。
  715. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 総務課長瀧野好曉でございます。資材課長は安田、名前はちよつと忘れましたが、現在特別調達庁の東京特別調達局の次長をなさつておるように覚えております。それから設備のほうは大阪の建設局におられます吉田安三郎さんがなつておられたはずでございます。
  716. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 途中ですけれども速記をとめて下さい。    〔速記中止
  717. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それでは速記を始めて下さい。それでは引続いてお聞きしますが、この増加申請についてですね、いつ増加申請を許可することに特調のほうではきまつたのですか。
  718. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは増加申請書の決裁になつた日になつているわけでございますが、十二月何日にその決裁日がなつておりますか、その記録が……。
  719. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これは二つあるのですが、十二月十六日の決裁が……、それからして一つは十二月の五日というのがあります。
  720. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) こちらの台帳を見ますと、十二月十日が受付になつております。
  721. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 何日ですか。
  722. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは起案の旧じやないのですか。
  723. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 起案の日。
  724. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) ですからこれが決定になつた日は、最終の判がございませんとわかりません。ただこれが廻つて行つた最後の決裁の日が決定になるわけであります。
  725. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうするというと、十二月五日附のこの書面は決定の書画ではないわけでございますね。
  726. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) さようでございます。
  727. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 受付けた日ということですか。
  728. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) はい。
  729. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうすると正式に、最終的に決定されたのは、そちらの十二月十六自の……。
  730. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 十六日以降になるわけであります。
  731. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) これになるわけですね。
  732. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) さようでございます。
  733. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 十二月十六日に決裁されたのが最終的の決定であると、こういうわけですね。
  734. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) さようでございます。
  735. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そこで、この決裁については、十二月十六日の決裁の時は、証人はこれに立会つておられたのですか。
  736. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 上のほうは立会つておりません。ただ私はこれに対して反対の見解を経理局で述べたものですから……。ここにおきまして述べまして、これが、局長加藤君と私、それからこれは予算課長であります。それから決裁になつた通知は受けております。
  737. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 決裁になつたこの十人日に会議をしたわけではないのですか。
  738. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 十六日じやないかと思うのでございます。と申しますのはこれが決定になりましたのが、最後に家のほうに来たようでございます。あと総裁と副総裁よう考えますので同日決裁……、従つて十六日じやないかと思うのであります。
  739. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 証人経理局長代理のところに判を捺しておりますね。
  740. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) はあ。
  741. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) このとき立会つたの証人が立会つたのですか。
  742. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) いえ、私大体この前この話を持出しまして話をしたわけであります。三人全部、関係者つております。
  743. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そういう会議をしたのじやないのですか。
  744. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 会議が、帰つて来てすぐ呼ばれましてできないという話をいたしましたとき、会議になつたわけでございます。
  745. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 誰に呼ばれたのですか。
  746. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 副総裁に呼ばれました。
  747. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 副総裁に呼ばれたのは、それはできないということで一ぺん帰つたのですか。
  748. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) さようでございます。
  749. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうして経理局だけで以て相談をしたわけなんですか。
  750. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) さようでございます。
  751. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうして赤鉛筆で書いたような結論になつたのですか。
  752. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) はい。
  753. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そうしてそれを、その結論をどうしたのですか。
  754. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その結論をここから副総裁のところに持つて行つたわけであります。それでそれならその通りやつてよろしいというので、あと総裁決裁の分までは私のほうでやつておりません。持ち廻りか何かでやつてつたのじやないかと思いますが、一応、私が再度説明をしたわけです。
  755. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 加藤局長は、そこに校閲ということになつておるのはどういうわけです。
  756. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは何か、初めに来たときの決定した後、私がちよつと不在だつたようなんでございます。それで課員をやりまして、そのときこちらに判をもらつたようなわけであります。
  757. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 欄外にある判と、校閲にある判とは同時に捺したのですか。
  758. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) さようでございます。それまで書類が上のほうに行かなかつたのです。
  759. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 先ほど加藤証人の言うところによると、この欄外の判は先に捺して、校閲という判は少し日を置いて捺したのだと、こういうふうに言つておるのですが、そうでないのですか。
  760. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 記憶しておりませんが、そうでなくて一緒のように私は思つております。と申しますのはこの書類を上のほうに持つて行くのに、局長に見せましたら局長の判をもらうわけでございますから……。
  761. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この増額について足利工業のほうからいろいろ依頼されたのじやないのですか。
  762. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 全然そういう話は……、この書類が廻つて来て初めて知つたような状態であります。
  763. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そういうふうにこの書面が廻つて来てからやるのであつたら、特にこんな赤鉛筆で書くようなことをする必要はないと思うのですが、これはどういう意味でこういう赤鉛筆で書いたのです。その趣旨は……、趣旨といいますか、どういうつもりでこういうものを書く必要があつたのですか。
  764. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) これは伺いのものは価格の増額でございます。価格の増額は前提といたしましてLD三十五のままで支払が可能であるということが、前提になつておるわけであります。これが経理局としては支払い得ないということをはつきりさせる必要があつたわけでございます。そのためにこれが増額のほうは認めても、そのやり方についてはLD三十五では支払いたしかねる、こういうようなのを明示する必要があつたわけでございます。
  765. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) この金を払うまでの間いろいろ増額のことや或いはLDの新らしい発注のことなどをしておる間にですね、この物品が完納されておるかどうかということはあなたは知つておらたわけですか。
  766. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) もうこの話が一番初め出た時から、物品が完納されておるという前提を以て聞いておりました。そのように聞かされておりました。あとの問題だ、この問題で停滞している。このように私どもは承わり、了解しておつたわけでございます。
  767. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 高橋正吉はたびたび証人のところ、その件については行つておるわけですね。高橋正吉或いは田中がですね。
  768. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) たびたびといつてもそんなに私自身のところには来なかつたようであります。ただやはり四、五回は契約のほうに書類がとまつておりましたりなんかしておる時に、全部関連のところを廻りまして、私のほうにはやはり寄つては来ておりました。
  769. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 来ておるのですね。最後の十二月三十一日になつてから……十二月の二十八日ですか、わざわざあなたを連れて技術局長のところへ言つて、それで発注を早くしてもらわなくちや困るとかいろいろあなたも盡力をしたのですが、さように高橋らが非常に支払をせいておつたというようなところから、この品物が本当に出ておらないと、或いは品物が十分に納まつておらんのだということはお気付がなかつたわけですか。
  770. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) その点は丁度逆の状態だつたわけでございます。品物ができておるのにそのLDのキャンセルの問題で支払が受けられない非常に困つておる、年来になつて支払に困るのだ、このように聞いておつたわけであります。而もこの納まつておらんのだという店は、部内からも一人も聞いておりません。経理局としては全部納まつておるよう考えておつたわけであります。
  771. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 併しこの増加申請の場合でも、或いはLDの新発注の分についても、金の支払についても一方ならん証人は盡力をしておられますが、このようになみなみならん御盡力をされたということについては、特に足利工業の田中、高橋というような人から証人に特別な依頼があつたからじやないですか。
  772. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 別段特別の依頼というものはございません。ただ一般的な支払を早めてもらいたいというのは何もこの足利工業ばかりではございませんで、いろいろあつたわけであります。これは年来でございますと、いつも遅れるというような状態になつて、各業者とも非常に促進を局長なり或いは私のところへ、部下なりに参つてつたわけです。これも特別に私のほうに依頼を受けたというよう意味合いには私は感じておらなかつたわけであります。ただ一回キヤンセルになつたもので、このLD三十五の問題があつたために、片つ方が非常にでき上つたものが延びておつたので、業者が因つておるんだというように私は考えておつたわけであります。
  773. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 大橋氏からそういう依頼は受けませんですか、金を早く払つてくれというような依頼は受けませんか。
  774. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 大橋さんは当時私とはその頃は会つておりません。ただ一番初めにちよつと申上げたと思いますが、瀧野庶務部長のほうから何かごたついておるようだが、困つておるようだから早く払つてくれ、こういう意味の話は聞きましたのですが、大橋さんから直接私は依頼を受けたことはございません。
  775. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 大橋氏とはどういう関係があるのです、証人とは……。
  776. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 私が戦災復興院におりましたとき計画局におりました間ちよつとの間局長つたわけでございます。当時私は局付きの事務官をやつておりました。それから暫らくたちまして戦災復興院次長になられましたとき、私は特別建設局の事務官をやつておりました関係、これだけでございます。それ以前の関係はございません。
  777. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 今日ではやはり御交際があるわけですか。
  778. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 今はまあ大体そうやつて二度くらい使われておりましたから会えば両方共よく知つております。ですが、そう別段交際をしておる程度ではございません。
  779. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 大橋氏が足利工業の顧問になるについては証人は何か紹介したとか、斡旋したというようなことがありますか。
  780. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 大橋さんが足利工業の顧問になつておるのだということは、この話が起きる頃になつてから知つたような状態でございます。知つたと申しますか、聞かされた、側から聞かされたのでありまして、全然知つておりません。
  781. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そんなことはないのじやないのですか。大橋氏はこの件の起る前にしばしば特調証人なんかとも会つておられるのじやないのですか。
  782. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 大橋さんが特調へ来られたことは事実であります。併し私のところまでおいでになつたことは一度か二度くらいしか、特調に私が在職しておる間なかつたようであります。大抵私のところへは寄らないで、ほかのところへ、当時私は三階におりました。大抵総裁、副総裁がおられました二階あたりでお帰りになりました。それから足利工業顧問をやつておるという話は後に私が知つたことでございまして、足利工業を……、全然私はこの問題が起きるまで会つたこともございません。
  783. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではいろいろ証人足利工業のためにも骨を折つておやりになつたのですが、一番初めの契約の締結の当時は証人がやはり関与してこの契約の締結をしたわけですね。一番初めにこの二重煙突の請負契約をしたときには証人が関与したわけではありませんか。
  784. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 確か私は関与しておつたように思います。私は当時予算の関係をやつておりました。私のほうを通つてつたはずであります。
  785. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そこでその契約の締結の際とか、或いはその後いろいろ足利工業のためにはあなたは普通に骨を折つたと言われますけれども、そういうふうに骨を折つてやられたり、或いは支払が、二十三年、四年に年末に金が支払われた。そういう或いは支払の完了の後に足利工業から饗応を受けたとか、それから金品の贈与を受けたとかいうようなことはないのですか。
  786. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 足利工業が、先ほども申しましたようにこの問題が起きるまで私は足利工業の幹部を存じておりません。この問題が起きるというのは二十三年の十一月末か、十二月のこの支払う、支払わないの問題であります。それ以後におきまして足利工業と最三会うということはございませんし、いわんや金品その他の贈与を受けたことはございません。
  787. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 金を、たびたび支払足利工業が受けておるが、証人足利工業の幹部なんかとは顔を会わしておらないのですか。
  788. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 全然会わせておりません。
  789. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そういうようなことについて何か事務的な話もしたことはないのですか。
  790. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) そういうことはありません。確かその頃の支払戦災復興院におきましては私の手許を通らないで、直接出納のほうで支払つてつたよう記憶します。それから又……会つておりません。
  791. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) 何か……。
  792. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 証人は、この最初の契約当時何か予算の関係でこの契約関係しておつたと言いますか、当時の大橋氏が建設部長を命ぜられておつて担当局長ではなかつたようですが、そうですか。契約の担当の局長であつたかどうか。
  793. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) それはそうじやなかつたかと思います。詳しいことは瀧野証人が参つておりますが、それでお尋ねになつてもわかるかと思います。日附を見ればわかりますが、私はそうじやないというふうに記憶しております。
  794. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) そのほかに何かお尋ねはありませんか。
  795. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) ちよつと一点だけ……。高橋専務のことについてちよつと伺いたいのですが、高橋専務が目下警察予備隊に関係するところの仕事を始めたいというので、奔走中だということを聞いておりますが、その話を聞いておりますか。
  796. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 全然聞いておりません。私の担当は、職務は全然別で、訓練のほうでございますから、そういう話は聞いておりません。
  797. 栗山良夫

    委員外委員栗山良夫君) 全然御関係ないですか。
  798. 横田廣吉

    証人横田廣吉君) 全然関係ございません。
  799. 棚橋小虎

    委員長棚橋小虎君) それではほかにありませんようでしたら、これで証人に対する質問を終ります。次回は明後日午前十時から小委員会を開きます。  本日はこれにて散会いたします。    午後八時二十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     棚橋 小虎君    副委員長    溝口 三郎君    委員            高橋進太郎君            長谷山行毅君            カニエ邦彦君            小林 亦治君            高田  寛君            一松 定吉君            森 八三一君   委員外委員            栗山 良夫君   事務局側    常任委員会專門    員       森 莊三郎君    常任委員会專門    員       波江野 繁君   証人    元特別調達庁経    理局長     加藤 八郎君    元特別調達庁経    理局第二課長  横田 廣吉君    元特別調達庁庶    務部長     瀧野 好曉君