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1951-05-21 第10回国会 参議院 決算委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十一日(月曜日)    午後一時五十三分開会   —————————————   本日の会議に付した事件昭和二十三年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十三年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○証人喚問に関する件   —————————————
  2. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 只今から決算委員会を開会いたします。  本日はこの前続行になつておりました四三七、未納の木材を実在のものとして経理したものを議題にいたします。
  3. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 四三七の件につきましては前回におきまして政府に対して検収調書の写その他の資料を要求して置きましたが、全部出ておるかどうか確かめて頂きたい。
  4. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 納品書、それから契約書が出ておりますね。これでいいのですか。一番あとに、右検収する。と書いてあります。
  5. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今配付いたされました資料によりますと、納品書の末尾に、右検収する。昭和二十二年七月十五日内務省調査局長 印というふうにありますが、当時の内務省調査局長は誰であつたのか。
  6. 千葉皓

    政府委員千葉皓君) 当時の内務省調査局長西村直己という人です。
  7. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 現在その人はどこにおりますか。
  8. 千葉皓

    政府委員千葉皓君) 住所を調査いたしましたところ判明いたしまして現在衆議院におられるかたであります。
  9. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 この検収調書だけによりますと、調査局長だけが判を捺しておつて、他の者はこれに関係していないというように考えられるのでありますが、検収責任者は法的にはやはり調査局長ということになるのですか。その点ちよつと伺つておきたい。
  10. 千葉皓

    政府委員千葉皓君) 櫻井政府委員をして説明いたさせます。
  11. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 検収調書局長検収したことになつていますので、責任上は調査局長責任になつておると思います。
  12. 栗山良夫

    栗山良夫君 私がお願いしました資料はどういうことになつておりますか。
  13. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) それは責任者名前を書いた調書ですか。
  14. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうです。本件に対するいろいろな質疑をいたしまする前に、原則としての国の物品購入手続原則、更に一旦納入された現品の貯蔵、保管出納等に関する手続原則について政府側から説明を求めてありましたが、先ずそれを一つお願いいたします。申し加えて置きますが、それはすべて現行の法的な根拠一つ明らかにしながら説明を願いたいと思います。
  15. 平井平治

    政府委員平井平治君) お答えいたします。現在の物品会計につきましては法令がよく整備されておらないのであります。財政法の九條に原則的な交換であるとか讓渡であるとか、そういうものについての原則的な規定がございまするほかに、まあ売買等契約等につきましては合計法契約によるところの規定があるわけでございますが、その他については法律がないのでございます。それで物品会計規則というものはございますが、この物品会計規則は前の憲法制定当時の明治二十二年に制定されたものでありまして、これが今日まだ活きておるような次第でございます。その物品会計規則が又極めて不備なものでありまして、現在に適さないのでありますが、なかんずくその不備な点は使用、処分交換等についての具体的な規定がございませんので、各省各庁で自由に定めて、それによつてそういう経理をなされておるというのが大きな欠点であろうと思うのであります。それから第二番目に欠点とするところは、大蔵大臣がほかの現金会計国有財産会計等につきましてはその総括権と申しまするか、統制権と申しまするかそういうものがあつて総括責任を負つておるのでございまするが、物品会計についてはそういう大蔵大臣国庫大臣でございまするが、国庫大臣としての総括権、そういうものもないのでありまして、各省各庁に任されておると、こういうことになつております。それから出納等についても統一的な規定がございませんので、これも各省各庁に任されておると、こういう工合になつておる次第であります。それから、つきましてはその法律制定が必要であるということは、終戦前から終戦後にかけて、特に物が大切になつた時代には非常に必要だということが叫ばれまして、いろいろ研究いたして、すでに会計制度審議会等で研究いたしておるのでありまして、目下折角法律化すべく努力中でございます。この次の常会には是非物品会計法というものを提案いたしたいと、目下整備を急いでおるような次第でございます。
  16. 栗山良夫

    栗山良夫君 大体法的な根拠はわかりましたが、然らばその各省に一応委任されて、各省が自主的に行なつておるというこの物品経理の大体のやり方を御存じでありましたならば一つ伺いたいと思います。
  17. 平井平治

    政府委員平井平治君) 各省各庁で物品会計規定を作つておるのでありまするが、これを只今手許に持つて来ておりませんが、各省とも大体似た経理をやつて、今それを各省から頂きまして集めてございますから、後ほど差上げたいと存じます。
  18. 栗山良夫

    栗山良夫君 了承しました。ただ一点伺つて置きたいことは、物品に対して或いは国の什器のようなものでございますね、そういつたような完全な不動産でないものについて棚卸しということは行われておるのですか。或いは行われるとしますとどれくらいな期間において行われておるのか、それを伺いたいと思います。
  19. 平井平治

    政府委員平井平治君) その点を、各省各庁で作つておる規定の中に棚卸しをするような規定があつたところもあると考えますが、只今はつきりいたしませんが、專売であるとか、造幣庁であるとか、企業特別会計と申しまするか、事業をやつておる特別会計では棚卸しをやつておるとはつきり記憶しておりますが、その他の各省各庁では棚卸しをやつておるところもあると思いますが、大体においてやつておらんように記憶いたしております。
  20. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうしますと、その国の財産の評価というものは何を基準にして行われておりますか。
  21. 平井平治

    政府委員平井平治君) 大蔵大臣総括権がございませんので、全体の国の財産について国有財産法によるところの不動産その他の重要なるものについては大蔵大臣統制をしておりますから全体のものがわかつておるわけでありますが、物品会計についてはそういう総括権がございませんので、大蔵省で全体のものはわかつておりません。ただ各省では物品在庫をときどき調べて各省各庁ではわかつておるはずになつております。
  22. 栗山良夫

    栗山良夫君 どうもお話もう少し伺いたいのですが、よく実情がわからないようでありますから、その点は只今状態においては大蔵省中心とした物品会計規則というものが統一されていないために各省でばらばらになつておる。そうして而も工合が悪い点が相当あるようである。そういう工合に大体了承して置いてよろしいうございますか。
  23. 平井平治

    政府委員平井平治君) 結構です。
  24. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすると……了承しました。  次に契約書の中で伺いますが、一番問題になりますのは第七條に、「乙が天災その他真に已むを符ない原因のため期限内に供給引渡しが出来ない場合は乙の要請により適当なる延期認めることが出来る。」こういうのがありますが、第八條の「本契約に記載していない事項については甲、乙協議の上これを決定する。」こういうのがあります。この二つ事項が私はこの検査官の報告書を拜見いたしまとす、取引が円滑に行われなかつたのでありますから、この二つ條文が適用されるようなことがあつたと私は考えるのでありますが、そういうような事務的な取扱文書として残されておるもので明らかになつておりますか、それを伺いたい。
  25. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) お答えいたします。今の御質問誠に御尤もなことなのであります。実は契約明治十一年十一月の政府特例に関する法律と申しまして、特定契約に基いて契約したのでありますから、この七條八條規定に即応しまして契約改訂その他が、納入延期ができるはずなんでございます。それでこの前も申上げました通り六月三十日に契約をして七月二日に納入し、七月の十五日に而も四万五千石の多量の木材集荷できるはずがないということはこれは常識的にも判断できるわけなのであります。而も契約後八日目で公定価格が七割上つた。而もその当時としては賠償用その他の用材が非常に多く、木材闇価格が非常に暴騰していた実情でありますから、この合計上の常識がありましたならばここで改訂手続をして、又前金払を必要とする場合には予算決算特例に基く前金払ができるにもかからずこういう無理をしたということは、実際会計経験のない担当者、お手許に差上げました大谷課長が部下の一名と共に実際執行せられたということが大きな原因だろうと思います。それで調査局第一課というのは、調べて見ますと、職員が十二、三名で当時略奪物件調査、それから集積、保管ということで全国都道府県全般亘つて十三、四名の人で活動している、そのときにこの資材に関する契約が全然会計経験のない人々がやつたために、当然契約上この條項を活かして正当な手続ができるべきものをしなかつたために最後まで手続上に無理が行つたということが大きな原因だろうと思います。
  26. 栗山良夫

    栗山良夫君 私はそういう、その間の事情を伺つているのじやなくて、そういうことが行われておつたかどうかということを伺つているのですが、今のお話ですと、この七條八條に対する特別な措置が行われなかつたということははつきり言われたと思うのであります。
  27. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 行われなかつたことはありました。
  28. 栗山良夫

    栗山良夫君 それで会計に対して全然素人であつたと言われますけれども、この契約書そのものは一応非常に簡潔ではありますけれども、足りない部分は第八條によつて協議決定規定を残して、そうして完璧を期せられ得るような体制に一応なつております。私はこういう契約書を当時の山中事務官秋田木材地主支店長との間で契約を取交わすことができるということになれば、これは一つ讓渡取引経験がなければこういうことはできないので、決して素人の人がやられたという工合には考えられないという点が一つと、これはなかなか非常に工合よくそういうような特別な事項も入れて書かれておりますから、従つて今あなたの言われたようなことでは了承しかねるのでありまして、ただ伺つて置きたいのは、この契約書通りとにかく取引が履行されなかつたということはここで一つはつきりして置きたいと思いますが、よろしうございますか。
  29. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) お説誠に御尤もな話なんです。それでこの契約を担当していたのはそちらにある表にも……、御承知通り支出官としては終戦連絡事務局経理課長が担当していますから、このほうは会計專門家がおつて、而もこの契約書会計專門家のほうで調製したものであるが、その契約を担当する、実行に当つたほうの調査局のほうには会計担任者が、專門家がおりませんということを申上げたわけであります。
  30. 栗山良夫

    栗山良夫君 そうすると重ねて伺いますが、この契約書終連経理課長の名において行われておりますが、それの執行については内務省調査局局長、当時の西村でありましたが、ここへは契約書の本文なり写なりが送付されて、その通りに執行するように意思の疏通が十分に行われておつたかどうかということが問題だと思いますが、如何ですか。
  31. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) それは勿論この契約書は渡されておつたと私は信じております。ただその書類了解の仕方が十分じやなかつたのではないかということで、これは私の推測であります。
  32. 栗山良夫

    栗山良夫君 内務省は、特にこれはこういう仕事内務省の旧土木部関係の人がタツチされていると思いますが、御承知通り戦争前、或いは戦争中から相当大きな公共事業費使つて土木建築仕事をやつて来られたところなんですし、今あなたの言われるように、内務省の系統の実地の人が全然素人であつたということは私は了解しかねるのですが、その点は若し何でしたら当時の実地に当つた人名前が全部わかつているそうですから、その名前経歴を全部一遍調べて出して頂きたいと思います。
  33. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 私が只今申上げましたというのは、こういう契約條項にもはつきりして、この規定を活用すればあとで訂正できるにもかかわらず、そういう関係書類を作らなかつたことに対して私が会計的立場から質問しましたところが、全然会計経験がなかつた。それで何もこういう無理をしなくても適当の措置を講ぜられたというにもかかわらず、そのまま押し通して来たということは私としてはやはり会計経験なかつたものと、こう推定したわけであります。名前のほうは先ほど申上げました通り大谷喜一郎という調査課長が担当しておつたのであります。
  34. 栗山良夫

    栗山良夫君 まあその課長がどうであるかこうであるかは別といたしまして、国と業者との間にこうした契約が交されておつて、而もその契約通り執行されなかつたということは、この前あなたが別に本件については不正事件はなかつたと、こうおつしやつたのですが、その不正事件の意味に私は重要な問題がおると思いまして、公務員として契約書通り履行しなかつた。若し自分に履行の能力がなければないで以てみずから意思表示を私はすべきだと思うので、その点は非常に大きな欠陷があつたことをお認めにならないのですか。
  35. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 私も最初この不足したという事実を知つた当時には、ここにおいて何らか手続上ばかりでなく、不正の事実があつたのじやないかというような感じもなかつたわけではありません。それだによつて内容調査したのでありますが、併し先ほども申しました通り、六月三十日の契約ということはこれは動かすべからざる事実なんであります。それから公定価格が八日目で七割も上つたということもこれも事実であります。同町に公定価格において集荷することの如何に困難であつたかということは皆さんも御想像がつくと思いますが、それが七月の二日に納入して、而も十五日に検収したということは架空なものであるということを私は感じたわけであります。それで実質上において、当時二日間に必ず納入できるような状態であるとすればここに不正というものの伏在することも考えられますが、少くとも四万五千石の木材全国五カ所なり六カ所に出荷する場合に電報一本打つてもそれだけのことはできるはずはないというわけなんであります。それが金の支払は丁度七月の二十何用か、二十九日頃ですかに支払つたわけでありますが、金の支払をする前に公定価格が七割上つたとすれば、これは到底私としては不可能のことじやないかと思います。闇価格のものであるとすればともかく、公定価格が七割上つたとすれば、これは業者としてその犠牲を忍んで納入できるはずがないという裏付を私は感じたわけであります。
  36. 栗山良夫

    栗山良夫君 これはまあ何回も繰返して同じことをおつしやつておりますが、僕の伺つてるのは、そういう事情は私は了承いたします。そういう事情がおるからこそ当時の事情社会情勢から言つて、そういう事情があるからこそ八條に書いてあると思うのでありますが、それを実行しないということは甚だ以て手落ちではないかというのであります。そういう責任が第二課長にあるのじやないか、第二課長は飽くまでも国の金銭、物品出納をやるのだから、その責任を身を以て実行するつとめがあるのじやないか、例えば第二條には「局の検収後乙に支払う」ということが書いてある、明記がしてある。仮にあなたが言われるような六月三十日に契約して、七月幾日に払つたということは、時間的にできないということであれば、できないならばできないで、第二條にあるところの現品検収をしてそれだけ支払う、そうして納入できない事情があるならば、第七條によつて契約によつて納入延期認めればいい。更に第八條によつて契約に記載してない事項、例えばマル公値上り云々ということは、第八條で両者が協議をすればいい、十分この契約書によつて、今言われたようなこういうふしだらなことをしなくても、この契約書で十二分にやつて行けると思う、やつて行かなかつたところに第二課長の、私は経験がないと言いますけれども、素人でもこのくらいのことはわかります。僅か八條しかないのだから、書いてあることはよくわかつておるのだから、生命保険契約よりよほど簡単です。ですからあなたの説明では、私は理解できないということを申上げておる。
  37. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 誠に御尤もな話なんであります。それで私は最後にこの全額の数量契約通り義務を果させなければいかんというので、結局払下げに際しては、帳簿上の数量に基いて極力払下げなければならんとして、その通り実行したわけであります。実は両当事者等において七五%の集荷で差支えないという了解はあつた業者も思うし、その担当者も申しますが、併し只今の御質問のように、何ら手続してありませんから、外務省としては至急契約通り責任を果さなければ困るので、それで数量の不足しておるということはわかつておりますが、少くとも帳簿の上に載つておる四万五千石に対する責任は果させなければ、それだけの何をあとに、国庫に損失を来たすという結果が起つては申訳ないから、極力主張して、最後にはその四万五千石に対する責任を果させたわけであります。
  38. 栗山良夫

    栗山良夫君 私は一々明らかにして置きたいと思うので聞いておるのですが、当時の内務省の第二課長大谷喜一郎という人ですが、この人のとにかく行なつたことは、司法的にどうかということは別としまして、とにかく公務員としては、非常に大きな責任を残しておるということはお認めになりますか、それともあなたの説明による当時の状況では、止むを得なかつたのだということに、あなた自身はそう思つておられるのですか、その点を明らかにしなければならんと思つております。
  39. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) それは私は、たとえ仕事が忙しかつたとか、或いは手が廻らなかつたということは言訳にならないと思います。公務員としては、こういう事務に慣れなかつたならば他の者に協議或いは相談して、適当の措置を講ずべきが本来の義務でなかつたかということを考えております。
  40. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 大変失礼ですけれども、櫻井課長はどういう御経歴学校は……。
  41. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 学校は中央大学。
  42. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 法律をおやりになつたのではありませんか。
  43. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) やつております。
  44. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 刑法を御覽になつたことがありますか。
  45. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 知つております。
  46. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 現品検収しないのに検収したように検収書を作り、納入しないのに納入したような納入書を出しておる。これは明らかに文書偽造行使罪犯罪は成立しておる、成立しておるじやありませんか。あなたが不正はないという説明は、素人ならばできる。少くとも法律を少しでも噛つたことのあるかたがいい加減な説明をなさつては困る。責任のあるものは責任はつきりしなければ困る。これは犯罪を犯しておる。これは明瞭なことじやありませんか。そういういい加減な、委員会に出て来てごまかすような答弁をされたら困る。明瞭なことである。これを御覽なさい。條文納入して検収するということがあるが、この検収というのは受取つた現品について検収するのでしよう。
  47. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 私の申上げておるのはですね、書類の形式とか、或いは欠陥があつたということは何も弁解しておるわけでも……。
  48. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 文書偽造行使罪ということを実際お認めになるのでしようか。
  49. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 実情は……。
  50. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 実情を聞いておるのではないのです。納めないものに納めたとして金を受取つておる。このくらいはつきりしたものはないでしよう、そういうことをやらないで、悪いとはつきり認めなさい。
  51. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 手続上のことは……。
  52. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 取扱は、犯罪ではありませんか。このくらい明瞭な犯罪はない。そういういい加減な答弁をしてはいけない。
  53. 栗山良夫

    栗山良夫君 委員長から発言がありましたが、私はこの問題の一番中心はそこだと思う。それがはつきりしてない。大谷君という人がはつきりしてなかつたためにですね、こんなにたくさん引継ぎがあつて役所が変つたが、一番最初書類はつきりしていないためにいつまでも問題を残しておつた、そうして会計検査院が指摘されるまでわからなかつた。若したくさんの木材が山積されておつて処分に関する問題が会計検査院のほうから出なければですね、或いはこのままになつてしまつたかもわからない。そこが私は問題だと思うのです。一番最初がやつぱり中心になつておるのは、これは西村君は衆議院の議員だけれども、西村君ですね、局長の、或いはその下の第二課長、この辺のところの責任は十分あると思う。あなたはこれをはつきりとここで認めて頂かなければ、これは議事進行にならない。
  54. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 勿論責任は、これは当然あると思つておるわけであります。それは只今申上げましたのは、実情をどこまでも説明しただけであります。
  55. 栗山良夫

    栗山良夫君 実情はいいのです、私はよく知つていますから。例えば法律というものは別なものでして、例えば私があなたにどうぞ一ついやだから殺してもらいたいと懇請これ努めた、事情止むと得ないというのであなたが私を殺された場合は、私とあなのたと間においては問題はないけれども、法律は嚴として殺人罪として、あなたを告発するでしよう、そういうことを私は申上げたのです。事情はいいです。事情はどうでもいいのですが、とにかく公務員として行うべきものを行わなかつたということは、はつきり認めてもらわなければ工合が悪いわけです。それを申上げておる。
  56. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) あなたに関係のないことだし、法律上の解釈からいつても当然なんですから……。
  57. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 職務怠慢、それは当然責任を負わなければならんと思います。
  58. 栗山良夫

    栗山良夫君 みずからの能力以上のことをやつたといつて責任がある、それをはつきりすれば……。
  59. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それでいいでしよう。
  60. 栗山良夫

    栗山良夫君 その次に伺いますが、第四條に、第二條所定価格に一二%以内を手数料として支払うというのがありますが、これは支払われておるのですか。これはどういう手数料ですか、それをお伺いしたい。
  61. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) これは公定価格で買収したんですから、集荷手数料であります。
  62. 栗山良夫

    栗山良夫君 それは支払われておるのですか。
  63. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 支払われております。
  64. 栗山良夫

    栗山良夫君 それはどれだけの石数に対して……。
  65. 櫻井秀男

    説明員櫻井秀男君) 四万五千石……。
  66. 栗山良夫

    栗山良夫君 四万五千石に対して支払おれておる、これはですね、私まあ今ここで伺つておりましても、問題ははつきりなかなかしないと思うのですが、例えば手数料マル公で納めるからというので、集荷手数料を一二%払つて、而も架空納品書に基いて四万五千石全部支払つて、実際に動かさないのにそれに対して手数料支払われているという、誠に私どもとしては了承しかねる問題がまだ随分包蔵しておると思う。従つてこれは一つ小委員会のほうにでも移して頂いて、そして継続に更に徹底的に審査するようにお願いしたいと思います。
  67. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 只今栗山委員から本件は小委員会に移して徹底的に調査してもらいたいという動議がありましたが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それではさように計らいます。それでは四三七は審議を保留といたします。  次に三六六の審議を願います。……それではこれもあと廻しにいたしまして、国税関係について質疑を願います。
  69. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 国税庁長官にお伺いしたいのでありますが、私たちこの決算委員会会計検査院批難事項に基いていろいろと今日まで調査をいたして参りました。ところがこの中には、一々一つずつの例を挙げて申上げるわけではありませんが、相当な国費の濫費が行われておる、そうして非常に不当な支出がなされておる、そういうものが年間を通じて何百億かという巨額に達しておる。これらの内容の裏には大体において全部が全部とは申上げませんが、大体は不当な、いわゆる収入を得ている者が多いのであります。そこで国税庁としては、こういうものに対して一々注意をして徴税をしておるかどうかということ、と申しますのは、一般のこのまじめな業者が相当苦んで税金を出しておるにもかかわらず、国民の血税でなされておるこれらの中に、殆んど今申上げたような不当な収入がある、これがそのまま見逃がされておるということになりますれば、不当なる、いわゆる国費の濫費の上に、収入の上において、又これがなされていないと、こういう結果になると思うのです。で、私はそういう意味からして、国税庁には御迷惑とは思うのでありますが、他の内閣委員会で、この前にも国費で支払われた、極く、これは終戦処理費の一部でありますが、業者のです、名簿に基いて二十二年度、二十三年度、二十四年度の徴税の状態について資料を要求して置いたのでありますが、かような理由からして、国税庁としてはどういう工合に従来やつて来られたか、こういう点には特に注意をして、目を通されたかどうか、この点について国税庁長官のお考えなり、又今後の一つ考え方についてはつきり一つ答弁を願いたいと、こう思うのであります。
  70. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 御承知通り終戦後我が国の税制は、もとの賦課課税から申告納税制度に相成つたのであります。而して、申告納税制度に相成りまする上におきましては、正面なる納税者に專ら信頼をいたしまして、悪質なる脱税の傾向のある納税者について十分な調査を遂げるということが本来のあり方ではないかと思つております。そういうふうな趣旨を以ちまして二十三年の九月に、初めてその当時主税局でありますが、主税局に査察部を設けまして、国税査察官を相当数配置いたしまして、いわゆる脱税の摘発というものに積極的な努力をなしたのであります。その後昭和二十四年の六月に国税庁が設置せられました際に、それが更に拡充いたされまして、調査査察部として現在までその活動を続けて参つておる次第であります。勿論これらのいわゆる政府支払に関連するところの事業におけるところの一般の業者と申しますか、請負等をなすつたかたにつきましても、極めて正確な記帳をされ、正直な納税者も多数あるのでございます。これを全部脱税者として摘発するということは、これは当を得てないことはよく御了解願えると思うのでありますが、私どもといたしましては各般の間接資料を収集いたしまして、どの人が一番脱税の可能性が多いか、又嫌疑が多いかというふうなことを絶えず調査いたしております。それらの資料を収集いたしまして、そうして脱税の可能性のあるものにつきましては査察をいたしまして、証拠のあるものにつきましてはこれを告発し、起訴にまで持つてつておるような次第でございます。又調査自体につきましても、この申告納税制度になりましてからは特に納税者の数が非常に増加いたしましたような関係もございまして、全部を完全に調査するということは到底これは不可能でございます。従いまして私どもといたしましては、調査する際におきましても、いろいろの間接資料等から考えまして、どこに税の漏れがあるかということを常時注意をいたして参つておるのでございます。従つてそれらの最も漏れの多そうなところに精力を集中いたしまして、これが調査を続けて参つておるような次第でございます。
  71. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今の高橋長官の説明のあつたように、政府の財政の支払、或いは又それの請負者の殆んど全部がそういうような傾向があるということは、これは当然ないと思うので、私の申上げておるのは、その中の本当に趣く一部分である会計検査院が批難をいたしましたものに対しては、少くとも我々委員会が調べて参りますると脱税でないかと思われるものが多々あるように考えられるのです。そこで国の支払全部に亘つて国税庁がお調べになるということは、これはなかなかむずかしいと思うのです。今言われる点、成るほどそれはまじめな人のほうが全体から見れば多いでしよう。併しながら批難されて、会計検査院が長年月かかつて調べ上げて、国会に報告されたものについては、相当疑わしいものがある。これについてはすべて、全部ですね、確かめて一つ目を通して見て頂きたい、又見られたことがあるかどうか、政府支払の中のですね、極く一部分である批難に対して特に目を通されたことがあるか、又将来それに対してどういうような一つ考え方を持つておられるか。私はこの点は非常に見やすいと思うのです。数字もはつきりわかつているのですね。支払つた額も会計検査院がやつてくれているのですから、私たち国会で委員会がこれをずつと調べておつて、いわゆるそういう点ではやはりはつきりしているのですね。だから国税庁のほうでおやりになるときには、我々が行うよりももつとやりやすいのじやないか、見やすいのじやないか、こういう感じがするのです。併し、そういう見やすいのまでこぼれておるということがあるかないかどうか、こういうことなんです。
  72. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) お話通り会計検査院資料というものは私どもは十分に利用しておるつもりでございます。一つの例を申上げますると、戦時補償特別税ということがございますが、あの戦時補償特別税に関しましては、実は終戦直後におきまして殆んど軍その他において書類を焼却してしまつたのでございます。従つて我々といたしましては殆んどその資料を、会計検査院資料に基いてその後の課税の適正を期したというような状況でございます。而もその後におきましても、会計検査院がいろいろ指摘された事項につきましては、その都度通報も受けておりまするし、又それによつて事後の修正は必ずいたすようにいたしておるのでございます。ただこの際申上げて置きたいことは、実は会計検査院に指摘された事項は全体の脱税件数から見ますと、むしろ重要性の少いものである。悪質なるものは、それよりも更に隠れているものが多いものであるという事実だけを申上げて御参考に供したいと思います。
  73. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 これは非常に細かいことを長官に申上げるのでありますが、極く一、二の例を挙げて見ましても二十三年度の三九八号のごとき、セメント防水剤の購入に関しても、殆んど調べによるとドラム罐の中のものが九〇%、否九十何%というものが水である。その水を買つた。その水に八千七百四十九万円余を支払つているというようなものがある。これは非常に売つた先方としては儲けておるのじやないか。而もそれを運んでくれるのは政府が五百三十三万円からの金を出して運んでくれ、一千万円からの保管料を支払つて、一億何千万円の国民のなけなしの血税から支払つたあげくの果は、これを処分して売つたら一本が五円かそこらであつた。又高いのでも百五十円であつた。こういう事件を見ましても、恐らく国税庁がこういうものを知れば、これに対してこの業者に対してはやはり適正な課税をするのじやなかろうか。或いは又この三六六号のごときものでもガスの支払において二億七百万円からの金を逆に返していますから、税金を取つておれば逆にこれは返してやらんならん問題でありますが、当時の実情としてはそういうようなものがある。又今日伺いたいと思つておる進駐軍のバスの借上げの料金の支払についてもやはり何億かの水増を支払つてつた。こういうようなものが実際はあるのです。これは今御説明されたように、国の全体の税金のうちから見れば、或いは極く一部分かもわかりません。併しながら私たちはこういうようなものがはつきりあるのに、一体これに対して国税庁が本当に調べて、取つておるのかどうであろうか。こういう疑念を持つておるわけなんで、せめてわかつておるものだけでも、やはり嚴重に取つてもらわんければ国民に対して申訳が成立たんじやないか。こういうような考えから特に留意をして頂きたい。なおここで私は申上げて置きますが、昭和二十四年度はすでに会計検査院から国会に報告書が参つております。それで委員会としては二十四年度をこれからやるのでありますが、これについて二十四年度の批難事項の個々の件数について一々国税庁のほうでは、二十四年度にどれだけこの件については税金をこの会社からは取つた、或いはこの納入者からはどれだけ取つておるというようなことをお調べを願いまして、急ぎませんから次の国会までに取りまとめて一つ委員会に御報告を願いたい。なおこの中には国税庁で全然関係のないものもあると思うのです、この批難の中には……。そういうものはどしどし省いて頂きまして見なければならんと思われるものは取りまとめて資料としてお出しを願いたい。そろいたしますると、私たちもこれを一々調べる上において並行して、あなたのほうからお出しになつた資料と睨み合せて十二分に審議をやれる、こう思うのです。特にお願いして置きたいと思います。なおこれについては委員長から正式に一つ要求して頂きたいと思います。
  74. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 承知いたしました。
  75. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 御承知通り会計検査院は歳出の審査をすると同時に、その受取つた金額等について税がどうなつているかという関連も常に調べております。従つて税に関する又不当取得があります、言い換えますると取り足りんものにつきましては、多くの場合それらに関連したものが多のいでございます。従つてその結果において更に漏れがある、検査院のほうから報告になつたものについて漏れがあるということは、私どもは先ず殆んどなかろうというふうに考えておるのでございます。一々について事後において勿論全部再調査いたしまして、そうしてこれが公正を期しております。それからいま一つ附加えて置きたいと考えますのは、実は会計検査院の検査は相当時間的に遅くなるのでございます。私どもといたしましてはむしろその前に政府が大口の支払をいたす際には必ず資料を取りまして、大口の資料については特に注意をして、その推移を見ておるのでございます。更にカニエさんも御存じの通り終戦処理費につきましては、法律六十号の検査というものがございまして、契約後におきましてその実績を検査して、契約金額を変えることができるという建前になつておりまして、そんな関係もございまして、それらのものにつきましては、契約金額そのものが相当期間無訂正の状態にあるということのため、税の決定が遅れているものもございましたが、それらも殆んど全部訂正されましたので、従つて政府支出の関連において、税においてそれほど大きな金額の不正がある、漏れがあるとは私どもは実は考えてございません、むしろ重点はそれ以外の点に相当漏れがあるというところもございますので、それはそれらの点に專ら力を盡して行きたいと考えておる次第でございます。
  76. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) この三六六号、現在審議している分ですね。一億九千万円の過払について税金を取つて返したのですね。一億九千万円、それを返すことになつておるのですね。一応あなたのほうとしては、料金として取つておるのです、これに課税をされなければならない。今あなたは漏れがないとおつしやるが、それはお知りになつておるのですか。
  77. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 具体的なケースは何でございますか。
  78. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 三六六というのはガス料金の過払の問題があるのです。一億九千万円過払をしておる。利子を加えて二億八百万円政府に返すようにしておる。一応政府から過払しておるのだから当然あなたのほうは課税されなければならない。課税しておれば過払のものに対しては返して行かなければならない。そういう関係を聞いておるのです。
  79. 高橋衛

    政府委員(高橋衛君) 実は甚だ恐縮でございまして、その具体的な事実を私まだ十分に聞いておりませんので、よく調査いたしましてお答えいたしたいと考えますが、只今委員長お話通り、若しも調査の当時において返すことが確定しておれば、それはその当時における収入なかりしものと認めて課税すべきものであると考えます。若し課税しておるとすれば、それは過誤納金還付金についての手続に従いまして、利子をつけて返すという筋のものであると考えております。
  80. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それでは昭和二十三年度の批難事項の三六六、三六七、三六八、三六九、三七〇、三九七、これらの件について具体的に御調査の上税金関係の御報告を願います。  なお先ほどカニエ委員から二十四年度に関する国税関係資料の提出も要求されておりますから、それも御提出願います。速記を止めて。    〔速記中止〕
  81. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 速記を始めて。三六六について何か御質疑があつたらお願いいたします。
  82. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 本件の三六六のガス料金の過払については、先ず第一に不思議に堪えられんという点は、二億七百万円からの金を瓦斯会社から返さしめておる。この点でありますが、この返さす金額の基礎になつた算定の方式ですが、これが正確であるかどうかということ。それから会社が二億七百万円からの金をどういう過程で返すに至つたのか。この点でありますが、これについて伺つてみたいと思います。
  83. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 瓦斯会社の点につきまして、御質問の二点、一応財務部長から御説明いたします。改訂をいたしましたガス料金の計算が果して正確であるかどうかという点につきましては、特別調達庁側の担当技術者といたしましては能う限り正確度を期しまして、一つの結論を出しました次第でありまして、これが絶対に正確であるということは申上げかねるわけではございます。併し当時の事情あとから判断をいたしまして、若しメーターを付けておつたならば節約もその消費者自身がしたであろうという心理的な事情や、他のガス供給地区におきまする使用の実績等を類推いたしまして、事務上及ぶ限りの精密度をとりまして一つの結論を出した次第であります。これにつきましては単の当局もそれよりはほかに方法がないであろうという見解に達せられまして、瓦斯会社にもこう減額することにおいて異議はないかということを聞きました。瓦斯会社といたしましても、まあその程度であるならば私たちも了承すると、結局協定という形になりましたので、正確であるということは嚴密には言い切れない状況でございます。第二点は、瓦斯会社が一旦確定しております契約を如何なる経緯に基いて減額させられるに至つたかという点でございますが、これは当時のメーターを付け得なかつた事情が継続していましたため、特調側におきましてもガス供給に対する料金を支払います上においては、どうもその積算の根拠支払根拠となるものが不明確で困るということで、メーターを付けたいという意思はございましたし、又瓦斯会社におきましてもそういう意思はございました。併しその時期に至つておりませんので、ガスのメーターを付けました後において、その使用実績と従来の契約上の支払金額とを比較いたしますると、やはりメーターが付いたあとは節約をされた結果になつておる。軍当局におきましてそれでは再調査をして、これを適当な金額に減額更正しよう、こういう覚書を発出される段階になりまして、その覚書に基きまして一旦契約としては確定したものでございますが、政府といたしましてはその覚書の趣旨によつて業者契約更正の要求をしなければならない立場になりました。又業者も今日の社会情勢から申しまして、一旦覚書によつてその契約更正を要求せられておる以上、単に契約上すでに確定しておるという趣意を主張いたしますのも不穏当という見解に立たれまして、適当なる減額の協定には応ずるという態度を示しましたものでありますから、一旦確定しました契約を改めて結び直す、過去に遡りまして支払うべきであつたという金額を一旦きめまして、支払つた金額との開きをこれも覚書の線に則りまして分割的に返納して行く、こうなつた次第でございます。
  84. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 この問題は、当初に代々木地区にガス・メーターを取付けて置きさえすればこういう問題は起きないのであります。ガス・メーターを取付けずに料金を支払つてつたというところに問題があるので、ところが私がこれをよく調べて見たのですが、東京瓦斯株式会社はガスのメーターを取付けたいという意思を、数度に亘つて文書で要求をしておつたにもかかわらず、設置を許さんということであるように聞くのですが、先ずその点について、何故一体メーターを東京瓦斯は付けて、そのメーターによつて取引をしたいというのに付けなかつたかという点でありますが……。
  85. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 業者側からもメーターを取付けたいという希望があつた。これは特別調達庁にとりましても、大いに賛同し得る希望でありまして、これにつきましては軍に対しましてその取付方を進言したわけでございます。軍側におきましても一応の考慮は払われたものと思いますが、結論といたしましては取付けないことになりまして、遂にその当時のメーター取付けは実現いたさなかつたのであります。併しこの意見、この空気は業者取扱官庁、軍の担当官になお残りまして、それからのちテスト・メーター、即ち試験的計量器を取付けまして、その結果が今日再修正をする段階になつたものと考えております。
  86. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 テスト・メーターを付け、その後又は大きなメーターを最後に付けておる。結局メーターを取付けるということになつて付けたことには間違いがないので、それが何故当初から数回に亘る会社側の要請にもかかわらず、付けられなんだかということが先ず一点と、それから仮にメーターを付けないということを連合軍側が主張して付けささなかつた、その結果において生じた過払の問題について、一旦払つてしまつた金から二億七百万円の金を返せということを言い出すのがすでにおかしいではないか。その点についてはどうなんですか。
  87. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 一旦きまりましたものを返せというのはおかしいという、全く一応それが取引上の常識でございます。ただ私どもといたしましては、これを再調査をして修正しろという命令を受けました以上、何とかその結論を的確に出さなければならない。又瓦斯会社に対しましてもその交渉を熱意を以てやらなければならないという立場に立ちましたので、交渉をいたしました。瓦斯会社もそうした情勢を諒とされまして、この契約に応じた。こういう次第でありますので、いささか従来の取扱とは、異例に属しておると思うのでございます。
  88. 千田正

    ○千田正君 さつき調達庁側から結論として付けないことになつたというふうな結論はどういうわけでそういう結論になつたのですか。
  89. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) それは口頭の御意見でございますので、私どもはそれが唯一の理由とは考えないのでございますが、付けないほうがいいという理由の一つに、地区の美観を損する、御承知のように、あの計量器は普通の家庭におきますように、厨房の一部に隠れる又は軒先に置くとかいう程度のものでございませんで、一戸々々に付けない、大きな計量器をどこか計量器設置場というものを作りまして、設備しなければならんので目立つということでございます。その点につきまして提出すべき資料になるような文書等はございませんが、やや当時の事情を明らかにすることは、一応お聞きに入れる程度でございましたらできることと存じます。併し担当者がもつと熱心に計量器を付けることについて説明もし、その必要を強調いたしましたならば、当時においてすでにどなたにも御了解の行くような料金の支払方法が実現できたのではないか、この点は遺憾に思つておる次第であります。
  90. 千田正

    ○千田正君 特別という名前がついているが、特別に扱わなくちやならないという理由は私はちつとも考えておらない。いやしくも国の経費を支払う立場におかれて、これはたとえ占領軍であつてもそうした支払という点においては恐らく嚴格であろうと、私はそういうふうに考えております。でありますから、むしろ特別調達庁の職員が真劍になつて正しい理由の下にそれを阻止し、或いは促進するということができ得たならば、必ずこういう問題は起らなかつた。私はそのように考えるのでありますが、今お伺いした付けないことになつたという結論は甚だ私から見れば貧弱な話です。都市の美観というような点或いは家屋の美観を損するというような、単なるそういう理由の下に国の費用が無制限に出されたり、或いは正確ならざる理由の下に出されたために、あとから払戻をしなければならないというような不手除なことをやるくらいなら、初めから正しい方法によつてこれはなさるべきものがある。恐らく私は当時の特別調達庁におられる関係係官の人たちが、これが国の費用によつて賄われるものであるという信念に欠けておる点があつたのではないかというふうに考えられまするが、今のような単純な理由によつてこういう結論に到達したとは思われないのでありまして、もう一度お伺いしたいのは、単なる都市の美観を損するからというような意味でとれなかつたかどうか、この点を重ねてお伺いします。今お答えになつた都市の美観がどうというような単純な理由の下にこういう問題が決定されたかどうか、私はほかに伏在した理由がないかどうかという点をはつきり伺いたいと思います。
  91. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 当時の担当官といたしまして、もつと理由を強く言つて相手方を納得せしめるということが必要であつたと存じます。特に伏在した事情ということを今ここで申上げられるような材料を持つておらないわけでございますが、代々木地区は相当高級の職員がおつた関係上、調達庁の担当官、これはちよつと申上げますが、そもそもはこれは調達庁ではなかつたのです。調達庁になりましたときはすでに計量器を付けなくちやならんという考え方になつてつたわけでございますが、その人たちでさえ遂にそこまで理想的な結論に持つて行けなかつた事情がございますが、事情がございますというのは、何かものが説明できる経緯があるようにお受取りになると存じますが、当時の空気としては遂にそれを押し切れないということでございまして、その点につきましてはまだ私の説明が不十分でございますので、重ねて御質問を頂くうちにだんだんと解明するかと存じますが、何しろ当時の空気としては相当一応のことを言う……。それ以上のことを言うと……。又調達という面においても協力いたさなければならん……。会計法規上国の支出の面から申しましてこれを適正にすることが第一の要請でございます。併し又相手方に需要を満足させるという点も第二の要請、その兼合いが非常にむずかしかつた次第でございます。
  92. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  93. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 速記を始めて下さい。
  94. 千田正

    ○千田正君 今の御説明は、端的に言えば、マツカーサー元帥がアメリカにおいて日本人の性情を言うておることを如実に語つておることであつて、勝者に対する敗者の一辺倒ということを述べておりますが、正にその通りであつて、よし負けておつても正しいことは飽くまで主張すべきであつたと私は考えるのであります。或いはここにおられる多くのかたがたのうちでもアメリカなりイギリスなりに生活されて来たかたがあると思いますが、私も長い海外生活のうちで、ガス・メーターを付けたために都市の美観が損せられたり、或いは家屋の美観が損せられたということは、恐らく私の経験ではありません。そこでむしろそういう理由の下にそうされたということは、いわゆる敗戦日本の哀れな姿はあつたろうと思うのでありますが、今更それを繰返してもしようがないのでありますけれども、こういう問題はあとからあとからと出て来るような気がしますので、一応当局の釈明を承わつたわけであります。
  95. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 協定料金になつた基準はどこに置かれたのですか。何か基準になるべきものがあつたのですか。目分量でやつたというわけですか。
  96. 小山内了介

    説明員(小山内了介君) 協定料といいますと、当初の協定料でございますか。
  97. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 協定の協定されたのでしよう、幾ら幾ら払うということを。
  98. 小山内了介

    説明員(小山内了介君) これは最初に向うに設置しますガス器具、湯沸し器とか或いは煖房器、ヒーター、いろいろな器具、これを実際に終連が試験をしまして、一時間これを使つた場合に何立方メーターのガスを使うということを試験値を出しまして、それに対して一日各家庭が各器具ごとに使用する時間を想定した、結局その時間の想定が多少過大に失したということを今になつて言われるわけであります。当時は各ハウスに調査カードを配付しまして、お宅は一日にどれくらいお使いになりますかというふうな調査をしまして、その結果でやつたことになつておるわけであります。結果的には非常に大きく……。
  99. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それから最後の協定をされるときに、正確なものじやないということは、これは我々素人が考えてもわかるのですが、正確を期せられたということは了承する。大体正確なものを一とするならば、協定されたのはそれにどれくらい接近したものだと思つておられるのですか。私どもは正確と言われるが、実際は非常に正確なものじやない気がするのですがね。
  100. 千田正

    ○千田正君 只今資料の一部としまして、一九五〇年の四月十三日に最高司令官の覚書として、主題はワシントン・ハイツにおけるガス供給過当料金の返還というので、覚書が日本政府に宛てられておりますが、これに対して日本政府はどういう受諾の方法をとつたかということについて当局側はおわかりになりませんか。
  101. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) この覚書の趣旨を実現いたします先ず調査をいたしました。それからこの調査の結果を一つの意見として総司令部当局に提出いたしました。総司令部当局の審査を受けまして、その結果契約の基礎になりました金額が決定したわけでございます。その間総司令部当局の審査も一回だけではなく、瓦斯会社の主張、特調側の見解、総司令部側の見解、三者非公式の会議を三回開きまして、その結果こうきまつたわけでございます。
  102. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) これは何ですか。あなたがたの調査というものが基礎になつておるのですか。或いはあなたがたの調査されたのと向うのと大体一致するのですか。或いは向うのが非常に高くて、それに日本がついて行くというようなことなんですか。
  103. 千田正

    ○千田正君 ちよつと伺いますが、今御答弁なされた覚書が二つありますが、どつちの覚書のものですか、今あなたがおつしやつたのは。
  104. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 最初ガスの料金を減額せよという覚書でございます。
  105. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 向うの命令によつてつたというのですか、あなたがたの意思によつてつたというのですか。あなたがたの調査が基礎ですか、向うの命令が基礎ですか。
  106. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 出発点は向うの命令でございます。
  107. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 数字は……。
  108. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) いや、調査を開始した動機は……。
  109. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 数字は。数字はこちらの調査を向うが承認…。
  110. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 如何なる基礎が向う側にあつたかはわかりませんが、承認したわけであります。
  111. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) そうすると会社はどうなるのですか。会社の出した数字とあなたの出された数字とはどうなんですか。
  112. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 会社側も希望数字を出してございますが、それは特調側のよりも少なかつたのであります。
  113. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) どのくらいですか。
  114. 小山内了介

    説明員(小山内了介君) 数字はだんだん固まつてつて最初から決定的の数字は出なかつたのであります。最初は、一億超すということは非常に苦しいというふうな、算出じやなくて、計算から出されたものじやなくて、ただ一億以上の返納を命ぜられても非常に会社としては困るというふうな単なる数字でございます。それからいろいろ算出の根拠を打合せて決定して、計数として出した数字は一億九千九百万円でございます。
  115. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それは利子を含めてですね。
  116. 小山内了介

    説明員(小山内了介君) そのときには、会社側は利子を払うという考え方は持つておらなかつたのであります。それでとにかく二億を超す金額は、絶対に会社としては負担できない。そういう意向で一億九千九百万円、そういう数字を出したわけであります。
  117. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 他にありませんか。
  118. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 千田君の今言われた覚書の点でありますが、先ほどからの説明を聞いておると、会社側が二億七百余万円を出すことを了承したというように聞いておる。今委員長がお聞きになつたその答弁には、一億九千九百万円くらいなら出してもいい。それ以上は困る。ましてや金利を支払うということも困るというようなことを主張しておつたというような事実を今聞いたのですが、そうして考え合せて見まするなれば、何か二億七百万円を支払つたということについては会社側が快く了解していないじやないかというようなふうに伺われるのですが、それと、又千田君が質問になつた覚書の問題ですが、こういうものと関連して結局はそうなつたとしても、本当は当時の実情としてはそういうような覚書で言われたからいたしかたがない。会社は泣き泣き支払つたというのが本当なのか、或いは会社が快く支払つたというのが本当なのか、その点の事情がもう少しはつきり知りたいと思います。
  119. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 第一回の覚書によりまして調査した結果、会社との折衡が円満にこれで結論付けられるというところまで参りまして、それを総司令部に出したという経緯になつておりますので、総司令部のほうの次の覚書が出ましてこれが確定するまでには、会社との間は話がこれならば総司令部の承認を最後として決定するというところまで漕ぎつけられておつたのであります。併しそれは表面のことだと言えばそうも言えるのでありましが、恐らく会社も当初自分のほうが利子を別にいたしまして出した計算と又こちらの利子を別にいたしました金額とそう開きがない関係上、結局協定し得るという線になつて来たのではないかと存じます。公社側として単の関係があるからというので非常に困難であるのをいわゆる泣寢入りになつたという空気は当時の折衝の過程においては見られなかつたように考えております。
  120. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) あなたの説明と違いますね。先ほどの説明では最初は一億以上は困る、それがだんだん折衝して一億九千九百万円ぐらいは出し得るが、それを超しては非常に困るのだということを言つておりますが、どちらですか。
  121. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 最初の会社の切出しでは、一億を超しては困るという話……。
  122. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それでだんだん二億を超しては困ると言つたのでしようか。その間一億ぐらいせり上げておるわけですね。
  123. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 会社では最初希望数字だけを出しましただけで、別に交渉の途中において幾らでは困るということは言つておらなかつたそうであります。
  124. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 会社の切出しは、一億以上では困る、最後に一億九千九百万円までにした、それ以上は困るのだ、二億は困るのだ、こういう会社の意見だつたと言われますが……、
  125. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 会社が最後に出した線が一億九千何がしでありまして、こちらのほうが利子を含めて二億八百万円程度になるわけであります。その開きが一千万円程度であるから全体の金額からみれば協定できるということになつたわけであります。この点は非常な強制はかかつておるかというと強制はかかつておりません。
  126. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 会社がいろいろの数字を出して来たたびに政府に折衝されたのですか。最初は一億を超しては困る、最後に一億九千九百万円までだ、二億までだ、二億を超しては困るという強い要望があつたのですね。そういうようなことを司令部には折衝されたのですか。
  127. 小山内了介

    説明員(小山内了介君) 司令部に対しましての折衝は、先ず当初どういう方針でこれを修正するかということに対して、先ず総司令部の意向によると全部は瓦斯会社の責任であるように覚書に言つておるが、これは単も特別調達庁も瓦斯会社も三者均等に責任を負担すべき性質のもののように考えております。この点を軍が納得してくれないならば特別調達庁としてはこの問題は解決できないということを最初に申入れしたのであります。その点につきましては総司令部もこれは特別調達庁の言う通りに全く三者の犯した過失である、従つてこの問題解決のためには決して総司令部は責任を回避するような態度はとらない、幾らでも協力する、そういうことを最初の方針できめたのであります。それから次の問題はガス事業はこれは公共事業であるからこの返納の場合にガス事業を致命的に破壞するようなそういうことはできるだけ回避したい。それから返納にしても瓦斯全社が今直ちにそういう巨額の金を返納できないとしたならば分割返納という措置も軍が認めてくれないと困るというようなことも申入れをいたしまして、それもいいであろう、それからその次に総司令部と打合せいたしましたところが現在マスター・メーターで計算した実績が協定量の四四%であるという数字が出ておる。併しこれを過去三年に亘つてそのまま逆に四四%の線で切るということは非常に不合理のように思われる、これは過去においては相当濫費が行われていた、そういう事例が立証できる、いろいろな観点からそういうものはだんだん消費が節約されて来て、現在メーターで計つた場合に四四%ということになる、過去においては決して四四%という数字そのものではなかつたということを軍が認めるか認めないか、そういう折衝をいたしました。これは確かに消費節約の運動が起り、そうしてその実績が現われておるという以上、過去はもう少し濫費されていたものであるということは傾向として否定できないという総司令部の回答がありました。それではどれくらい過去に濫費が行われていたかということを算出するのに対しては代々木の大体水の使い方の過去と現在との比較計数、それからガス器具の修理件数、こういうものの傾向、そういうような間接的なもの、そういうものから、そういう傾向を計数的に出して過去を類推しよう。それから今日四四%に減つたのは大体消費節約の運動が起つて一九四九年の一月からだんだん下つて行つたというふうに想定してもよろしいかというこつちの申入れに対しても、総司令部は、それは実は軍内部で、日本国内に発表しなかつたが、一九四八年の一月から消費節約運動を起しておる。そのときからだんだん逓減して行つたというふうに曲線を考えてもらいたい。大体以上のような方針的なことについて、非公式に総司令部の助言を求めたということが、軍側と打合せるということの全貌なのであります。特にそういう打合せの前には覚書の趣旨によると、特別調達庁、日本政府責任において業者と協定して再精算せよということが書いてある。飽くまでも日本政府が自主的に決定するが、一応軍の助言と示唆を得たいという極めて非合式にそういう打合せをしたのであります。そういう基本的な方針だけを軍側とも意見を統一して実際の計数の処理に当つてつたわけなんであります。その間瓦斯会社は、或いは一億或いは一億九千、こういう数字を出しておるのは計数的なものに立つて出しておるのじやなく、一応のゼスチユアの形でなされたので、これは決して積算をした直接の担当者によつて、こういう意思表示を示されたのではなく、我々が間接にそういうふうに瓦斯会社の重役の、そういう基本的な意見が非公式に何かの場所であつたという程度にしか聞いていない。
  128. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) そうすると、大体においてこの数字というものの正確を期するためにあらゆる方面から検討した、そういうことなんですね、併し先ほど言われたこの過払というものに対して、三者がそれぞれ責任があるのだ、だから責任をやはり三者で負担しなければならん、そういうことなんです。そうすると、この正確に近い数字、この数字というものに対して、特調或いは政府というものは何か責任を感じておるわけなんでしよう。数字の上で正確なる数字を出して、そのまま三者の過失だから責任を持つのだということが、数字に現われるはずでありましよう。仮に一億九千万の過払があるという数字が出ておると、これは正確なものでないが、これは三者の責任においてこういう過払が出て、それぞれ責任を持つということになるなら、この中にその責任を感ずるということを、やはり見込まれて具体的に減額して行くべき性質のものではないか、そうでなければそれぞれの責任ということにはならないと思います。それらの点はどうなんですか。
  129. 小山内了介

    説明員(小山内了介君) その責任ということを全額的に云々されることはちよつとむずかしいと思いますが、この間において責任を以つて協力し援助をするというふうに考えられた具体的な現われは、極めて公平にこの問題を司令部は取扱つて、決して強制的な態度で向うの金額を押し付けたり、或いは過大な要求を決してしなかつた。とにかくはつきりと理論的な根拠に立つて説明し得るそういう数字ならば了承しようということで、極めて好意的に問題解決に側面から協力してもらえたということが、向うの責任を或る程度感じたという点じやないかと思います。
  130. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 正確な数字を出すということに協力したということが、責任を感じたということなんですか。
  131. 小山内了介

    説明員(小山内了介君) つまり考えようによりましては、この数字は非常に過大なる査定もできるわけです。例えば物価指数の変動などを考慮いたしまして、更に当時の金利を計算に入れますと、これは七億近い過払というふうに、こじつけることも出て来ないわけではない。それから又非常に酷な公平でない、計算の機械的な方法としては四四%で過去をずつと水平に切るというか、これも非常に酷な考え方であります。例えば何と言いますか、簡単ではあるが、非常に実情に副わないから、或いは四四%が出ておる期間が丁度冬である。夏の期間にはテスト・メーターで計つた、三五%という数字が出ておるのです。それで夏は三五、冬は四四%というふうな修正の価格をそのまま過去に適用した場合、やはり変動金額は四億くらいになる、そのようにいろいろ苛酷な見方をしようとすればできるにもかかわらず、特別調達庁が業者と両方が納得できるような合理的な数字を生んだのが最終的には承認したということが、或る程度軍自体の責任をも考えに入れてそうした決定が下されたのじやないかと想像されるわけです。
  132. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 協定した料金よりも低くも算定できるのですね。
  133. 小山内了介

    説明員(小山内了介君) 協定よりも低く算定するということは、実際にカーブを引いて見ると不可能だと思います。
  134. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) あなたのほうの部長はそう言つていました。こういうふうに引けば一億五千万円くらいになる……。わかりました。そうすると三者共同責任だと、特調の過失ですね。これは特調が最も大きな過失だと思うのですね。契約するのに、料金を払うのにメーターも付けないで全くでたらめな金を払つておる。これは大部分特調の責任だ。特調はどういう責任を負うておりますか。三者共同責任だというならば、正確な数字を出すことは特調の責任とは言えない。当然のことですね。その過失に対する責任は、公務員として国家に対する責任は別として、会社に対する責任はどういうふうに……。
  135. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 特調の責任と申しましても、こういう事務を処理して成るべく会社に大きな急激な不利益が起らないようにするという親切も一つ責任を果すことでございます。それから金銭的に何か責任を負うという面は役所といたしましては結局表面にできかねるわけであります。従つてこの金額をきめまする場合、成るべく客観性のある資料に基きまして、会社に納得してもらうところまでその金額を検討する。ただGHQから言われておる覚書があるから、それを楯にとつてそれに応じなければ不協力だというような態度をとらずに、全く合意を目標といたしましてやつたというわけでありまして、これは特調の責任を果すというのとは少し筋が違うかも知れませんが、会社側から受取る感じはそうなるものといたしましては、過払金だということになりましたとき、普通でありますと、過去のものの利子のほかに将来に向つてもそれが完済されるまでは利子を要求するということがある例もございます。それに対して利子の要求も将来に向つてはせないことを総司令部側にも承認を受けまして、又現在普通過払となりました場合は、いきなりその過払金額を調定いたします。ところがこれはその契約いたしました時期ごとに調定を分割していたしまして、会社側に対して債務の発生を段階的にやつて行く、こういう手心を加えてございますのがせめて我々の罪滅しということになつておるわけでございます。
  136. 千田正

    ○千田正君 ちよつとお伺いしたいのは、特別調達庁ができる前の終連時代においては、占領軍の口頭の命令であつて支出をしなければならなかつたのであるかどうか。例えばこの問題などは結論としては都市の美観を損する、或いは家屋の美観を損するからメーターを付けてはいけない、こういうことで止むを得ず付けなかつた。その結果は今度は、覚書のときは結局日本側が悪いということになつて、こういうような三者責任を負うというふうな立場になつている。そこに非常に私は矛盾したやり方があるのではないかというふうに考えられますが、このケースばかりでなく、その当時の状況は口頭で日本が命令を受けた場合においても施設をし、或いは支払をしなければならなかつた実情であるかどうか、そういう点を一つはつきり伺いたい。
  137. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) その当時の調達をいたしますときの軍側の意図を認める基礎と、現在とは違います。その当時は口頭ではこれはなかなか私どもも輪郭を捉えにくいので、成るべく何らかのノートなり文書なりをもらうようにいたしましたが、その文書の発給者が単に予算を管理いたします面と十分に結び付いておりません。昭和二十三年の三月に覚書の一千八百七十二号というのが出まして、一定の権限のある公文書に基かなければ、それは調達の内容にならないということが確定いたされました。それまでは或る程度の責任者のサインがあるものでありますと、それが調達の根拠になつた。その線が十分明確にされておられませんから、延いては現場におきましては口頭の命令でもやつてしまう。あとから文書が出るというようなケースがございまして、現在はその線ははつきりと一定のものに対しては、例えば労務であればL・Rというものが出なければいけない、一般の購買などであればP・Dというものが出なければいけない。相当明確な基礎ができた。その点は全くお気付きのように大きな変化がございます。
  138. 千田正

    ○千田正君 そこでこの問題を処理するに当りましても非常に我々として考えなければならぬことは、いわゆる当時の口頭において指令して来た場合、若しくは単なる一係官がその責任においてサインをして渡した場合においても、日本のこうした立場にある人はやらなくちやならないというふうに非常な誤謬が生じて来て、最後にこういうメモランダムを出さなければいけないという結果になつて来たといういきさつも十分わかるわけでありまして、そこでこの問題がはつきりして来るのは、どういうときでも仮に口頭の指示があつた場合においても、計算の基礎なり或いは支払の面においてはつきり記帳されてあつたかどうかということと、正確なるそれが記帳の下になされておるかどうかというところに、あなたがたの責任はつきりして来るわけです。又同時にその調達庁ができてからメモランダムが出て来ることによつていろいろなことが処理されて、そうして結局過払の問題というようなものが責任として現われて来るという場合において、この覚書というものは政府の法令なり政令に先立つものであるかどうかという点の法的根拠も我々は考えなければならんわけです。非常に今までの状況を聞いて見るというと、最初は向う側の一方的な命令で止められておつて最後においては責任はこつちが背負わなければならんというような問題が、こういうふうに出て来たとするならば、一体そこの関係はどうなるかというところを我々は愼重に考えて処断したいと思うものであります。
  139. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 三六六は審議を留保いたして置きます。
  140. 栗山良夫

    栗山良夫君 ちよつと御相談したいのですが、よろしうございますか。
  141. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 他の会派の人も少し出てもらつたらどうでしようか。自由党、緑風会二党だけですが……ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止〕
  142. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 速記を始めて下さい。
  143. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 三九七の二重煙突に関しまして、小委員会として二十三日の証人に加藤八郎、瀧野好曉、横田廣吉、この三名を証人として喚問することにこの委員会で御承認を願いたいと思います。
  144. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止〕
  145. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 速記を始めて、お諮りいたします。只今カニエ委員から二十三日の小委員会で、加藤八郎、瀧野好曉、これは二人とも前のこの事件の当時の特調の職員であります。これを証人として喚問したいという動議が出ておりますが、御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それではこの二名を証人として喚問することに、決定いたします。  本日はこれを以て散会いたします。    午後四時九分散会  出席者は左の通り。    委員長    前之園喜一郎君    理事            岩沢 忠恭君            カニエ邦彦君            棚橋 小虎君            溝口 三郎君    委員            高橋進太郎君            栗山 良夫君            小泉 秀吉君            小林 政夫君            高田  寛君            岩男 仁藏君            鬼丸 義齊君            一松 定吉君            千田  正君            森 八三一君   政府委員    特別調達庁次長 堀井 啓治君    特別調達庁長官    官房会計課長  大石 孝章君    特別調達庁長官    官房財務部長  川田 三郎君    特別調達庁長官    官房契約部長  長岡 伊八君    外務省大臣官房    会計課長    千葉  皓君    大蔵省主計局司    計課長     平井 平治君    国税庁長官   高橋  衛君   事務局側    常任委員会專門    員       森 莊三郎君    常任委員会專門    員       波江野 繁君   説明員    特別調達庁東京    特別調達局契約    部役務契約第二    課長      小山内了介君    外務省大臣官房    厚生課長    櫻井 秀男君