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説明員(小山内了介君) 司令部に対しましての折衝は、先ず当初どういう方針でこれを修正するかということに対して、先ず総司令部の意向によると全部は瓦斯会社の
責任であるように覚書に
言つておるが、これは単も特別調達庁も瓦斯会社も三者均等に
責任を負担すべき性質のもののように考えております。この点を軍が納得してくれないならば特別調達庁としてはこの問題は解決できないということを
最初に申入れしたのであります。その点につきましては総司令部もこれは特別調達庁の言う
通りに全く三者の犯した過失である、
従つてこの問題解決のためには決して総司令部は
責任を回避するような態度はとらない、幾らでも協力する、そういうことを
最初の方針できめたのであります。それから次の問題はガス
事業はこれは公共
事業であるからこの返納の場合にガス
事業を致命的に破壞するようなそういうことはできるだけ回避したい。それから返納にしても瓦斯全社が今直ちにそういう巨額の金を返納できないとしたならば分割返納という
措置も軍が
認めてくれないと困るというようなことも申入れをいたしまして、それもいいであろう、それからその次に総司令部と打合せいたしましたところが現在マスター・メーターで計算した実績が協定量の四四%であるという数字が出ておる。併しこれを過去三年に
亘つてそのまま逆に四四%の線で切るということは非常に不合理のように思われる、これは過去においては相当濫費が行われていた、そういう事例が立証できる、いろいろな観点からそういうものはだんだん消費が節約されて来て、現在メーターで計
つた場合に四四%ということになる、過去においては決して四四%という数字そのものではなか
つたということを軍が
認めるか
認めないか、そういう折衝をいたしました。これは確かに消費節約の運動が起り、そうしてその実績が現われておるという以上、過去はもう少し濫費されていたものであるということは傾向として否定できないという総司令部の回答がありました。それではどれくらい過去に濫費が行われていたかということを算出するのに対しては代々木の大体水の使い方の過去と現在との比較計数、それからガス器具の修理件数、こういうものの傾向、そういうような間接的なもの、そういうものから、そういう傾向を計数的に出して過去を類推しよう。それから今日四四%に減
つたのは大体消費節約の運動が起
つて一九四九年の一月からだんだん下
つて行つたというふうに想定してもよろしいかというこつちの申入れに対しても、総司令部は、それは実は軍内部で、日本国内に発表しなか
つたが、一九四八年の一月から消費節約運動を起しておる。そのときからだんだん逓減して
行つたというふうに曲線を考えてもらいたい。大体以上のような方針的なことについて、非公式に総司令部の助言を求めたということが、軍側と打合せるということの全貌なのであります。特にそういう打合せの前には覚書の趣旨によると、特別調達庁、日本
政府の
責任において
業者と協定して再精算せよということが書いてある。飽くまでも日本
政府が自主的に決定するが、一応軍の助言と示唆を得たいという極めて非合式にそういう打合せをしたのであります。そういう基本的な方針だけを軍側とも意見を統一して実際の計数の処理に当
つてお
つたわけなんであります。その間瓦斯会社は、或いは一億或いは一億九千、こういう数字を出しておるのは計数的なものに立
つて出しておるのじやなく、一応のゼスチユアの形でなされたので、これは決して積算をした直接の
担当者によ
つて、こういう
意思表示を示されたのではなく、我々が間接にそういうふうに瓦斯会社の重役の、そういう基本的な意見が非公式に何かの場所であ
つたという程度にしか聞いていない。