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1951-03-12 第10回国会 参議院 決算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十二日(月曜日)    午後一時三十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件  (承諾を求める件)  (内閣提出衆議院送付) ○昭和二十四年度特別会計予備費使用  総調書(その二) ○昭和二十四年度特別会計予算総則第  六條並びに第七條に基く使用調書昭和二十四年度日本国有鉄道予備費  使用調書昭和二十五年度一般会計予備費使用  総調書(その一) ○昭和二十五年度特別会計予備費使用  総調書(その一) ○昭和二十三年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十三年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出)   —————————————
  2. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 只今より委員会を開会いたします。  最初昭和二十四年度特別会計予備費使用調書(その二)、昭和二十四年度特別会計予算総則第六條並びに第七條に基く使用調書昭和二十四年度日本国有鉄道予備費使用調書昭和二十五年度一般会計予備費使用調書(その一)、昭和二十五年度特別会計予備費使用調書(その一つ)の承諾を求める件を一括して議題に供します。先ず政府当局説明を求めます。
  3. 西川甚五郎

    政府委員西川甚五郎君) 只今議題となりました昭和二十四年度特別会計予備費使用件外四件の事後承諾を求める件につきまして御説明申し上げます。昭和二十四年度各特別会計予備費予算額は二百億二千七百六十余万円でありまして、このうち財政法第三十五條規定によりまして昭和二十四年六月十四日から同二十四年十二月九日までの間に使用いたしました三十億五千八百五十余万円につきましては、第七回国会にその事後承諾を求める件として提出致しましたが、その後昭和二十五年一月十七日から同二十五年三月三十一日までに予備費使用いたしました特別会計は、外国為替厚生保險船員保險国立病院食糧管理農業共済保險森林火災保險郵政事業簡易生命保險及郵便年金電気通信事業労働者災害補償保險失業保險の十二特別会計でありまして、その使用した総額は九十億四十余万円であります。そのうち主な事項は、輸出為替等買取に必要な経費外国為替特別会計一時借入金償還等に必要な経費農業共済保險金に必要な経費労働者災害補償保險保險金等支払に必要つな経費失業保險保險金給付に必要な経費等であります。  次に、昭和二十四年度特別会計予算総則第六條並びに第七條規定に基き予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしました特別会計は、電気通信事業労働者災害補償保險の二特別会計でありまして、その内訳は、同第六條の規定に基いて電気通信事業特別会計において支出いたしました事業量の増加に伴い必要な経費十一億三千六百余万円、公債償還に必要な経費、十億円と、同第七條規定に基いて、労働者災害補償保險特別会計において、支出いたしました保險金支払に必要な経費一億六千六百七十余万円であります。  次に、昭和二十四年度日本国有鉄道予算費予算額は十億円でありまして、日本国有鉄道法第三十六條の規定に某いて使用いたしました額は、退官退職手当に必要な経費十億円であります。  次に、昭和二十五年度一般会計予備費予算額は四億五千万円でありまして、このうち財政法第三十五條規定によりまして、昭和二十五年五月十二日から同二十五年十一月二十日までの間において二億一千五百十万余円を使用いたしました。そのうち、主な事項は、参議院議員補欠選挙に必要な経費法務局災害復旧に必要な経費出入国管理庁運営に必要な経費災害応急救助に必要な経費連合国軍労務者斡旋業務に必要な経費労働省所管施設災害復旧に必要な経費等であります。  次に、昭和二十五年度各特別会計予備費予算額は三百二十五億三千十余万円でありまして、昭和二十五年五月十二日から十二月二十六日までの間に予備費使用いたしました特別会計は、外国為替印刷庁厚生保險船員保險国立病院森林火災保險、漁船再保險国有林野事業貿易郵政事業簡易生命保險及郵便年金電気通信事業労働者災害補償保險の十三特別会計であります。その使用した総額は、百二十一億九千四百二十余万円であります。そのうち主な事項は、外国為替等の決済及び輸入物資等売払收入繰戻に必要な経費一般会計及び国債整理基金特別会計へ繰入並び貿易公団交付金に必要な経費輸入物資売払代金等の払戻に必要な経費電信電話施設災害応急復旧に必要な経費労働者災害補償保險保險金等支払に必要な経費等であります。  以上を以ちまして昭和二十四年度特別会計予備費使用件外四件について事後承諾を求める件の御説明をいたしました。何とぞ御審議の上御承認下さることをお願い申し上げます。
  4. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 本件は政府説明伺つた程度において中止いたしまして、明後日質疑に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それでは明後日質疑をいたします。   —————————————
  6. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 次に昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算昭和二十三年度特別会計歳入歳出決算議題といたします。本日は終戰処理費関係の分の御審議をお願いいたします。  先ず最初終戰処理費関係の三百五十三乃至三百五十七を議題といたします。会計検査院説明を求めます。
  7. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 終戰処理費批難事項の御説明をいたします前に、ざつと総括的の検査概況、これを御説明いたします。あと個々の主な事項につきまして申上げることにいたします。  大蔵省所管終戰処理費の二十三年度の支出額は千六十一億五千百余万円でありまして、前年度に比べまして四百二十億円ばかり増加しております。七億六千五百余万円を翌年度に繰越しまして、六億五十余万円を不用額としております。この支出額のうち会計検査院検査を終了することができないで未確認として翌年に送りましたものが八十九億四千百余円に上つておりますが、このように多額の未確認がありますのは概算払精算が済んでいないため価格の当否が決定できない、こういうようなものや、或いは質問に対する回答未済と、こういうものが多かつたからであります。終戰処理費検査におきましてはこの未確認額が年々非常に多いのでありますが、現在でも二十三年度末におきましても二十一年度分とか、或いは二十二年度分と、こういうものの相当多額のものが検査確認状態なつております。終戰処理費検査に当りましては、二十三年度は特に工事及び物品に関しまして特別の検査班を作りまして検査の徹底を期したのであります。この種のものにつきまして、経理上の処置がよろしくないというので検査報告に掲記したものが合計八十五件の多数に上つておるわけであります。その内容の主なものを分類して申上げますと、過払金の回収に関しまして処置当を得ないものが五件、それから工事費精算に当りまして処置当を得ないものがやはり五件、それからガス電力供給契約に当りまして処置当を得ないものが四件、あと統制価格の適用に当り処置当を得ないものが六件、それから先ほど物件に関する特別検査班を組織して特別の検査をしたと申上げましたが、物件購入及び管理に当つて処置当を得ないものが二十五件、それから職員犯罪などによりまして国に損害を與えたものが十一件、そのほかバスの借上使用料に当つて処置当を得ないものとか、或いは補助金交付に当つて処置当を得ないものとかございます。それからもう一つ官給材料処置当を得ないもの、これが比較的多いのであります。これが十七件になつております。こういうものをいろいろ集めて参りますと、その他を合せまして先ほど申上げましたように八十五件という多数に上るのでありますが、このようにたくさん不当事項があるということは私は甚だ遺憾に思つております。  以上で終戰処理費検査の概要と概括的な結果につきましては申上げたわけでありますが、これから八十五件のうち全部を御説明申上げるのも相当時間を要しますので主なものを……。
  8. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それでは五百五十三から三百五十七と申上げましたが、三百五十三から三百九十六を議題といたしまして会計検査院説明をお願いいたします。
  9. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 先ほどに続いて御説明申上げますが、個々案件でありますが、多数ございますので、今の議題なつております中で大きなものを四件ほど拾いまして説明いたしたいと思います。その他の案件につきましても御質問がございましたら説明の準備はしておりますので申上げることにいたします。先ず三百六十六のガス供給契約に当り処置当を得ないもの、これであります。それから電力でありますが、ガスではございませんが、同じような案件が三百六十七から三百六十九まで続いております。これを一括して申上げます。三百六十六のガス案件でありますが、これは代々木住宅地区供給するガス料金についての問題であります。この地区におきましてガス供給を開始したのは二十二年の三月でありますが、メーターを取付けておりませんのでガス器具推定消費量を基準として全消費量を算定し、これによつて支払をして来たのであります。ここに問題があるわけでありますが、メーターを付けておりませんので、実績が計れなかつたわけであります。この支払東京のほかの地区代々木ほど大きな地区はございませんが、ほかのガスを使つております地区と、それから名古屋これも全部ではありませんが、一部にガス煖房を使つておる地区であります。  この東京の他の地区名古屋ガス消費地区消費量等代々木を比較して見ますと、設備に若干相違はございますが、消費量支払額代々木が三倍にもなつておる。こういう実情にあつたのであります。それで私どもといたしましては、これを調べて、この場合には少くとも他の地区で幾らくらい払つておるかということもお調べになつた上で協定を結べばよかつたんじやないか、結論的に申しますと、これはここに長々と書いてありますが、非常な過払を実はこの案件は生じたのでありまして、いろいろ調べて参りますと、二十二年の四月に代々木ガス供給を開始いたしましてから、二十三年度末まで二カ年の間に二億八百万円と、こういうような大きな過払、これは勿論正確な計算はできかねるものでありますが、一応このくらいは過払になつておると、こういうような実は結論が出た案件でありまして、これはちよつとスケールの大きい点でも珍しい案件であります。これは向うも大分圧力を加えましてガス会社に年賦になるわけでありますが、返えさせると、こういうことに現在なつておりまして、少しずつ金が入つておるようであります。それから三百六十七から三百六十九、これはガスではございません、電力でありますが、これもやはりメーターがなかつたりなんかした関係で、相当大きな過払の結果を来たしておる。こういう案件であります。そのうち三百六十七は、特調埼玉県、これは埼玉県で契約した後の引続きになつておりますが、これは成増ほか八地区、全部関東地方でございます。この八地区料金が非常に高い、でまあ相当余裕を見込ましても契約が適当であれば二千二百万円が節減できたはずだと、こういうのが結論なつております。それから三百六十八でありますが、これは特調仙台支局であります。東北配電と、宮城県の川内地区ほか三地区であります。ここの施設についての電力供給契約であります。これも最後の所にございますが、若干の余裕を見込んで契約しても五百四十万円は節減できたはずだ、こういうことになつており度す。それから三百六十九の、これもやはり仙台支局であります。これは東北六県のほかに新潟県が入つております。これはメーターを付けないために余計に払い過ぎた、こういう案件でありまして、以上申上げました三百六十六から二百六十九までは、いずれも電気ガス供給契約の結び方が妥当でない、こういう案件であります。電気とかガスと申しますと、これは継続的に供給を受けておりまして、支払額も実は相当嵩むのであります。ほかの物品買つたとか、工事させたとかいうように、一回できまりの付いてしまう案件とは相当これは趣きを異にしておりまして、サービス提供の一種でありますが、継続的のものでありますが、契約を妥当にするかしないかでちよつとした違いが、金額的には実は相当嵩んで来るのであります。代々木ガスの二億というのは非常にその大きな一例でありますが、物品購入とか工事とかとは非常に性質違つた案件であるということもお考え置き順いたいと思うのであります。  次は大きい案件でありますが、三百七十のバス上使用量支払に当り処置当を得ないものという案件であります。これもサービス提供一つでありすが、東京地区におきましては帝産オート株式会社バス百台を運営させまして、全車輌に一日十八時間分の料金支払わす、こういうふうな契約を結んだのでありますが、これを実際に走りました時間、実走行時間、それから実走行割増時間、そういうものに分けまして、物価庁認可貸切制バス料金を適用して支払つておるのであります。二十四年度の三月分につきまして、実走行時間、実際に走つた時間として調達受領書に記載せられております時間を正しいかどうか判定する意味で、実際に使いましたガソリン消費量から逆算して見たのであります。これは一年分をやればそれに越したことはございませんが、一年分はなかなかできませんので比較的支払額の多い二十四年三月分をつかまえたのであります。実際に使つたガソリン消費量から推算した実働時間、これを調べて見ますと、金を払つた時間と今の推算ではありますが、実際に動いた時聞との間に非常に差が実はあつたのであります。それを調達受領書に記載されているからといつて、過大な時間に対して代金を払つたのは妥当ではないというのが、この案件の第一の批難の点にな  つております。それから待機時間につきましては待機時間料金というものを公一ぱい払つたのでありますが、このGHQバス待機時間というと、非常に一般待機時間とは趣きを異にしているわけであります。この時間中は運転手ども全部出勤しなくてもよろしい、そうして中には車庫の中に車を入れて鍵をかけてしまう、こういうような時間もあると思います。ところが  一般待機料金といいますと、これは御承知かと思いますが、例えば或る会  社でバスを一台借切つて箱根に社員が大勢で行く、こういうときに適用される料金であります。又浦半島一三周をやる。この待機料金といいますと、運転手もつきまして、いわば従業員が全部車に乗りましてお客さんの集まるのを待つておる時間であります。これに対する料金一般待機料金でありますが、この待機料金をそのままGHQハスについても払つていたわけであります GHQバス待機と申しますと、十八時間拘束されて、実際に動いていない間も全部払う、こういう料金であります。従つて先ほど申上げましたように、車庫の中に入れてしまつて鍵をかつて置いてあるというような時間も入るのでありまして、決してその間運転手がついておる、或いは車掌がついておる、そういうような待機時間とは性質が違うのでありまして、それに一般待機料金払つたのは不当だというのが批難の第二点になつております。この会計検査院で注意いたしました、当局計算した結果は、この支払料金は三百四十円というのが一時間当りの待機料金でありましたのですが、当局が御計算になりまして大体百六十円くらいが相当であろう、こういうような御回答を得たのであります。この案件相当多いのでありまして、実働時間、ガソリン消費量から割出した実際の時間と支払つた時間との差、それから今の待機料金を百六十円くらい、合計して計算いたしますと、この三百七十号も、ここに支払つております二億七千六百万円に対しまして約六千万円というものが節減できたはずだ、こういうふうになつております。その後このガソリン料金なんかもどんどん上つて参りまして、検査報告のときは、大分経営が困難のように聞いておりますが、この二十三年度として見ますと、今のような結論が出るかと思うのであります。  それから三日七十三の機帆船運賃支払に当り処置当を得ないものという案件であります。これは特別調達庁横浜支局で、小川海陸輸送株式会社ほか六名に支払つた輸送費、ここに出ておりますが、これも金額相当大きいのですが、七億七千四百万円になつております。この輸送費のうち運航手数料として連合国軍用木船積輸送料統制額、特別のいわば公でありますが、この中の運賃、滞船料合計額の二%を運航手数料という名前で支払つておるのであります。これは連合国軍の行うべき機帆船配船手配、こういう業務を代行するための経費として払つておるのであります。ところが一般にこの種の業務というものに対する手数料というのは、大体一〇%くらいが通例であるのであります。例えば若松の石炭積み機帆船代行手数料とか、こういうものは大分ぼつぼつとほかの例がございますが、大体一〇%くらいが通例でありまして、それを二〇%払つたのは高過ぎるというのが、この批難の第一点になつております。それから二十三年の七月に一般機帆船輸送料が二倍以上に公が変つたのでありますが、そしてそのときにこの連合国軍用の特別の公をやめまして一般料金で払う、こういうふうにこの連合国軍用分についても方針が変つたわけであります。ところがこの輸送料一般の公に改めたのに、更にその軍用運賃統制額において特に認められた先ほどの運航手数料を公の上に乗せて払つた、これがいけない、これが批難の第二点になつております。従来は連合国軍用の特別の運賃というものがありまして、それに二〇%を乗せたわけであります。この二〇%が高過ぎるというのが第一段の批難であります。ところが二十三年七月に公が改訂になりまして、一般料金がぐんと上つたのであります。二倍以上に上つた。そこで特に連合国軍用の特定の公を置かないで、一般の公を適用する、こういうふうになつたのであります。そういたしますと、当然この一般の公の範囲内に契約をすべきなのでありますが、ところが従来の特別の措置として認められていた運航手数料というものは、一般の公の上に又二〇%を乗せてしまつた、この二〇考案せたことがよろしくないというのが第二点の批難なつております。  それから少し飛びますが、三百八十六から三百九十六まで、職員犯罪等に因り国に損害を與えたもの、こういう案件があります。これを相当多数の案件をここにまとめておるのでございますが、いずれも職員の官吏、それから府県の職員もございます。そういう公務員が關與しました犯罪で、国に損害を與えたものであります。終戰処理費の取扱、殊に労務費連合軍関係労務者支払給與でございますが、これをめぐつて犯罪というのが実は年々絶えないのであります。この年はたしか全部で十一件になつておりますが、こういうたくさんの案件が、ちよつと今までもこんなにたくさん犯罪がずらりと並んだことは終戰処理費としても珍しいのであります。役人が関與してこういうようにたくさんの国費が損害を受けたことは誠に遺憾なことじやないか、こう思つておる次第であります。大分飛びましたが、或いはほかの案件につきましても御質問がございましたらお答えいたすことにいたします。
  10. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 次に政府説明を求めます。
  11. 根道廣吉

    政府委員根道廣吉君) 本日は当決算委員会におきまして昭和二十三年度の決算報告中、終戰処理費につきまして御審議をお願いする運びに相成つておるのであります。只今会計検査院側より御報告に相成りました事項につきまして、特別調樺庁におきましてもいろいろ調査をいたしましたところ、特別調達庁の仕事というものが連合国軍のための調達という特殊な関係に置かれてあることではございますが、国内会計を処理いかしまする問題といたしましては、多々改善の必要があることを本庁としても認めざるを得ない次第であります。当庁といたしましては、当時の予算所管庁でありまするところの大蔵省と協力の上におきまして、これらの案件事後処理に努めますると共に、将来に対する改善策を講じて参つたのでありますが、現在若干の未解決分を残しておりますのは、誠に遺憾に存ずるのであります。今後ともこれらの解決に努力いたしますることは勿論、予算の執行に当りましては、鋭意この特別調達国内の法規との調和に努めまして、会計上不合理や不十分のないよう善処いたしたい所存でございます。ここに報告せられました各項目につきましては、それぞれの担当部長であります政府委員より御答弁乃至は御説明申上げることをお許し願いたいと存じます。何とぞ特別調達に関しまする当時の状況も併せ御了察下さいまして、何分の御審議をお願いいたしたい次第であります。
  12. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今検査院から御報管になりました案件について、一件ずつ御説明、御答弁を願つたらどうかと思います。
  13. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 今会計検査院から御説明のあつた案件について、一件ごとに簡明に重点的に御説明願います。
  14. 池口凌

    政府委員池口凌君) それでは一番最初にあります、一番金額も大きいと御指摘のありましたガスの問題につきまして御説明さして頂きたいと思います。代々木地区というのは、現在八百数十戸の占領軍住宅がありまして、今までの住宅としては非常に大きなものでございます。この所にメーターなしにガス供給しているのは非常に大きな問題でありますが、根本がそこにありますので、そのことの御説明一つお聞き願いたいと存じます。このように大量のガス供給いたしておる所に何故にメーターを設置しなかつたか。この状態を調べて参りますと、昭和二十一年戰災復興院というのが当時建設を担当いたしておつたのであります。戰災復興院がこの建設に着手いたしますそのときから問題になつておつた事項でありまして、その記録は相当どもの所に残つております。終戰のすぐ翌年でありまして、このような厖大住宅建設をいたしますときに当りまして、GHQのほうに対しましてここにメーターを設置しなければならんということは、文書を以ちましても、口頭におきましても数回に亘りまして、戰災復興院は申込んでおります。又終戰連絡事跡局を通しましても、又直接これを担当いたします東京瓦斯会社からも、このガスメーターの設置の申請が出してあつたのであります。併しそのときからどうしてもメーターを設置することは許可に相成つておりません。何故かと申しますと、相当建設に費用がかかるということもありましようが、最後の理由は、美観上好ましくないというような意見が出ております。メーターと申しますと、私どもすぐ家庭川のメーターくらいのことを想像するのでありますが、かかる厖大なものになりますと、一大工場のような非常に大きなものになるのでありまして、その設計図等もできておつたのでありますが、あの明治神宮の裏側、あの地域にこのような工場のような建物など、非常に大きなものでありますので、許可に相成つていないのであります。それでどういうふうにしてこの契約をいたしたかと申しますと、各住宅につきまして各ガス器具につきましておのおののタイプによりましてどのくらい一時間に使うか、これは器具によつてすぐわかるのであります。何時間くらいその居住人が使うかというようなことにつきまして、各調査表を配りまして、これによつて私の所では台所用に何時間、ガス暖房はどのくらい使うか、夏はどのくらい、冬はどのくらいというような調査をとりまして、これによつて契約をいたしたのであります。余り細かく申しますと非常に長くなりますので大ずかみに申上げさして頂きます。終戰連絡事務局が二十二年から契約をいたしておつたのであります。この数量につきましても非常に多うございましたのであります。調達庁ができまして、二十二年の九月にこの業務を受継いでおります。そうして半年くらいいたしましてから、二十五年になりましてから、どうもこの地区につきましてはほかの地区よりもガスの量が多いということに気付きまして検討いたしております。そうして今までは年を三回に分けて夏と、いわゆる春と夏と秋の中間、それから冬の期間の三段階に分けておりましたものを、いろいろな温度の曲線等を研究いたしまして、四段階に分けるようなふうに改正をいたしました。それは全体の量から申しましても約一五%減ずるような、そういう改訂をいたしておるのであります。それによりまして、調達庁ガス供給契約をして、支払をいたしておつたのであります。それでもなお且つ会計検査院の御指摘の通りに、多いという結果的には数量が出ておるのであります。こういうような状態を続けておつたのでありますが、二十四年の四月になりまして、GHQのほうから二十四戸だけにつきまして、テスト・メーターを付けろということが指示されて来たのであります。今まで建設当時以降三年に亘りまして、ガスメーターの設置の申請はいたしてあつたのでありますが、何らの公の返事も得られないまま、二十四年の四月になりまして、二十四戸に対してテスト・メーターを設置しろと、こういうような指示がありまして、これを付けたのであります。五月、六月、七月と三カ月間この読みをとつて見ましたところが、初夏の候でありますが、非常に少のうございまして、大ざつぱに申しますと、四分の一くらいの読みが出て来た、こういうふうな状態であつたのであります。この結果に基きまして、GHQのほうでも余りに差が大きいというので、二十四年の九月になりまして、特にこのためにスキヤツピンの六八四二という指示が出て参つております。この要点は、メーターのないことはよくない、それからその推定が余り正確でないというようなこと、これにつきましてテスト・メーターを付けた結果によつてガス会社とすぐ交渉をするようになつて、それからマスター・メーターといいますか、全体につきましての親のメーターを設置するようにというようなことが、これに具体的に指示してあるのであります。それで調達庁といたしましては、すぐガス会社に対しまして、マスター・メーターの設置の工事を指示いたしまして、との設計等につきましても、勿論GHQ許可を得なければならんのでありますが、約二千万円の工事費を投じまして、そこにガス会社の負担において工事をやらしたのであります。一カ所に造りますと非常に大きくなるものですから、三つに分けまして、そうして三カ所の系統においてこれを計量するような方法を講じさせるようにいたしたのでありますその間GHQの御指示もありまして、四分の一に契約をすぐ切下げまして、メーターの設置ができるまで、四分の一の契約で仮払いをいたしておつたのであります。その工事ができましたのは、二十四年の暮にやつとできたのであります。その後このマスター・メーターの完成によりまして、現在では正確に払つておりますが、このテスト・メーターによりまして四分の一になつたということ、・マスター・メーターによりまして契約の四五%というような実績が出て来るように相成つたのでありますが、この二つの事実から、私どもは過去三カ年を逆算いたしまして、如何ほど実際には使つておつたろうかということを合理的に推算しなければならんという羽目に陥つたのであります。これはなかなか面倒なものであります。推定のところもかなりあります。誰しも幾らガス供給されたかということを確言できるものはないのでありまして、どういう方法を以てこの過去三カ年の推定をいたしたかということを大ざつぱに一つ申さして頂きたいと思います。テスト・メーターを付けましたときには、確かに四分の一に減つたのであります。二十四戸の家に対しましてテスト・メーターを付けましたところが、その期間はとにかく四分の一に減つた、これはだから過去全体が四分の一しか使つてなかつたんじやないかという推論もできないことはありません。併しマスター・メーターができましてからの全体の数量というものは四五%になつております。そこでテスト・メーターを付けられたということによつて、各居住者は節約の意思がそこに働いておつたということが明瞭にわかるのであります。それと同じように、従来全然メーターなしで使つておつたというものが、全体について今度はメーターが付いたということによつて、心理的にもかなり節約の状態が起つたということも想像されます。明らかに二五%と四五%の間に非常に大きな開きがあるのであります。  それからもう一つ、これは軍内部においてもはつきりわかつておるのでありますが、進駐当時から順次濫費しておつたとは申しませんけれども、進駐直後のときよりもだんだんああいう生活につきましても節約をするような内部的な指令があります。そういうことによりまして、前は非常にたくさん使つでおつたろうけれども、だんだん節約指令が出まして、掃除をすのでも湯でやつておつたものが、今度は水で掃除をしなければならん。日本人の使用人等におきましても、冬冷いものでありますから、お湯を沸かして一々掃除をしていたというような状態が、だんだん節約指令によりまして水で辛抱しなければならんという状態が内部にあつたのであります。そういうような事例は他の地区におきましても見られるのでありまして、そういうほかの、軍以外のガス使用量というものは順次少くなつておる。そういうようなところを比較いたしまして過去を推測いたしたのであります。勿論終戰連絡事務局において、節約で、先ほど申上げたように一五%の差があるのでありますから、そういうものを全部私どもは算定いたしまして、最後なつてこういう結論を出した、結論だけを申したいのでありますが、現在四五%である、現在と申しますのは、一昨年の十二月までです。マスター・メーターができますまでのところです。それ以後はマスター・メーターの実際の計量によつておりますから、二十五年度の正月以降は正確のものであります。その前の二十四年の暮までのものにつきましては、マスター・メーターの完成しました後が四五%、過去は幾らであつたかということの推測につきましては、七〇%という線が出て来たのであります。それは先申しましたように、軍の内部におきましても節約をしたというようなこと。それから他の地区からの推測、それから先お話のありましたあの地区におきましては、他の地区と非常に違つた点があります。それはガス器具というようなものが、フロア・フアーネスといいまして、床から温めて行くような、そういう暖房器具を使つております。普通はサーキユレーターといいまして、こういう鑄物のような器具を使うのでありますが、そこには特別のものであります。又そのフロア・フアーネスは初めてでありまして、馴れますまでは婦女子では点火その他が困難であります。現在ではそうではありませんが、非常に故障が多くつて、点火が困難なものでありますから、不用の時にでもつけつ放しになつておつた時間が多かつたというような事実もあります。ガス器具そのものが非常に多量に要するような設備だというように考えられます。又あすこの代々木地区は、他の地区と比較して、二、三例もあるんですが、カーネル級といいますか。相当高官の人たちが割合に多かつた。そういうようないろんな事実を総合いたしまして、七〇%というような線が出ました。これを七〇%から四五%に下る段階におきまして、直線的に下つたか或いは段階を持つて下つたかというようなことにつきまして、期間を捉えまして、推定ではありますけれども、数回嚴密な検討をいたして見たのであります。これにつきましては占領軍当局の専門のかたがた、財政の方面のかた、エンジニアの方面のかたといろいろ検討いたしまして、合理的な一つの数字を出しまして、それによりまして金額を過去に遡つて戻入させよう、こういうふうなことにしたのであります。  大ざつぱに申しますと約五億円の金額代々木地区につきましては調達庁支払つておるのであります。終戰連絡事務局から全部引継ぎましたものを合ぜまして五億円であります。そのうち今申しますように過去、全部が四五%であると仮定しますならば、三億円近くのものが戻入になるというようなことになります。併し過去の一番古いところで七〇%、順次段階を設けまして四五%になつたと仮定いたしますと、約一億九千万円くらいになります。併しその間過払いになつておつたということの期間におけるところの戻入を見まして、五分五厘という法定利息を見まして、その利子等をも換算いたしまして、二億八百万円というさつきお話の数字が出て来たのであります。この二億八百万円を二十七年の三月までに分納するようにということで、現在一カ月につきまして九百万円ずつの戻入をさぜるということにいたしまして、二十七年三月までには全部完了するということに相成つておるのであります。これにつきましてはGHQのほうにおきましても、公共事業のこの会社に二億八百万円をすぐに戻入させるということにつきましては、非常にシヨツクを與えますし、何分にも公共事業でありますので、この会社が潰れるということになりますと市民も迷惑いたしますので、できるだけ今のように早く取立てて、併し会社が潰れるというようなことによつて市民が迷惑するというようなことは軍のほうの本意でないというようなことで、二十七年三月までに分納するということを承認されまして、それを現在実行しつつあるのであります。毎月確実にこの金額は戻入させております。又二十五年の正月頃におきまして、この分納計画を立てたのでありますが、その当時におきましては一カ月に九百万円も戻入させるということについては、会社にあつては最大の負担であつたろうと私どもは考えております。併し現在におきましては、その当時と非常に経済事情が変つておりますので、二十五年正月頃はコークス等も殆んど売れない、滞貨して全然売れないというような事情でありまして、会社の経営状態が非常に苦しかつたようであります。そこで私どもは会社につきましても市民はガス供給を非常に冀つておる事情が相当あり、その工事に応じられないという事情があつたものですから、一般市民のガス供給要望に対しても、或る程度供給させることができるようにというような考えを持ちまして、GHQもそういう考えを持ちまして、この一カ月九百万円、二十七年三月までの分納計画を立てたのでありますが、その後の状態におきましては、御承知の通り朝鮮事変を契機といたしまして、石炭の副産物であるところのコークスの値段というものが非常に値上りいたしておりますので、今結果的に考えますと、もう少し早く戻入させることができたのではないかということも言えますけれども、その当時の状態といたしましては、最大の嚴重な返納計画であつた、そう考えておる次第であります。今非常に説明が下手でございましたけれども、過去三カ年のものを、現在得られましたところの二つのデータによりまして過去を推測して戻入せしめる、これにつきましてしは軍当局にも非常な専門的な知識を拝借いたしたりいたしまして、その力にもお願いをいたしまして漸くこのような計画を辿りまして戻入したしております。国に御迷惑をかけたことにつきましては、最大の努力を以てお返しをしつつあるという現状でもありますので、御了承を願いたい、かように存ずる次第であります。
  15. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今説明によりますと、これだけ厖大な地域にメーターを付けるということが、大きな工場のような建物になると、だからいけないのだということを言われるのですが、当初から正確にガス料金支払うという意思があれば、全体のメーターをこしらえなくとも普通一般家庭に備えられておるように、一個々々の小さなメーターでも取付ければいいのじやないかと思うのですが、その点はどういう事情であつたのでありましようか。
  16. 池口凌

    政府委員池口凌君) 八百二十数戸の家がございますのですが、一軒々々にメーターを付けるということは、その当時の記録によりましても考えたことはなかつたようであります。勿論併し一軒々々に付けますれば、非常にその工事費と言いますか、器具代というものは相当大きな数に上つたろうと想像されますが、それよりも一カ所に付けるほうが安くでき合理的だつたろう、そう考えられるのでありますから、その当時一カ所にガスメーターを付けるように計画したものと想像しておるのであります。そのほかに学校であるとか、PXであるとか、倉庫であるとか、そういう方面で非常にたくさんのいろいろな施設があります。一律に付けるということは殆んど不可能であつたのではなかろうか、こう私は考えておる次第であります。
  17. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 一軒々々に付けることは困難であつた、又それは厖大経費がかかると思われると言うのですが、このガスメーター経費特別調達庁のほうで、国のほうで持つという契約なつておるのですか。それともガス会社が負担をしてメーター施設をする、こういうことになつておるのですか、どちらなんですか。
  18. 池口凌

    政府委員池口凌君) 勿論このガス料金というものは統制金額でありまして、統制金額によらなければならないのでありますが、代々木につきましては、各時代によつて多少値段は違つておると思いますが、二十五年の一月頃はたしか一般ガス料金は九円何がしであつたと思いますが、代々木につきましては八円何がしで、大体一円割引したものによつて契約をいたしております。勿論このガスメーター料金というものはガス会社の負担において設置するように相成つておりますが、たしかメーター使用料というものが、その前の規定にはあつたと、そう私は思つております。現在は料金体系が非常に変つておりますけれども、それまではガスの單位料というものがあつたのであります、そう考えております。
  19. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 私のお伺いしておるのは、メーター器具施設の費用ですね、これが特調の費用でやることになつておるのか、ガス会社メーターを取付けるということになつておるのか、どちらなんですか。このメーター施設ですね、機械、施設等は、特調がこれを施設して、そうしてそこにガスだけを通して、これをやつて頂く、こういうことになるのか、或いはメーター等はガス会社施設して、ちやんと付けて、そうしてガスだけをこちらが使つて料金を払うと、こういう約束になつておるのか、どちらなんですか。
  20. 池口凌

    政府委員池口凌君) 当初ガスメーター戰災復興院におきまして設置をすべきだと、こういう計画で、軍のほうにも承認を求めるようにいたしたのであります。併し軍の方面におきましては、設置そのものが飽くまでも許可にならなかつたのでありましてこの最後つの二十五年の正月頃、この料金の過払問題その他を検討いたしました時におきましても、メーターガス会社でやるべきものである、こういう建前におきまして、最後もやはりガス会社に設置をさせるということに相成つておるのであります。
  21. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今のお話によると、メーターを付けて、そうしてそれによつて取引をするという契約であつたと、而もそのメーターも、ガス会社が付けるということになつておつたというのですが、それが行われない。行われなくして大ざつぱな計算で代金を支払つておつたと、その点もう少し了解の行くように御説明を願わんと、どうも聞いておりまして納得が行かんのでが……。
  22. 池口凌

    政府委員池口凌君) ガス料金の中にはメーターを設置する費用、それに対する償却費的なものは当然含まれておるべきものであります。ですかうそういう点も考慮いたしまして、九円に対しまして一円の割引がしてあるということであります。各時代におきまして、初め頃は二円、三円非常に安い時代もあつたかと思いますが、その時の割引率はここに持つておりませんが、九円に対しまして一円の割引、こういうことになつております。勿論これは非常に多数の所に、一軒々々集金にまわるというのは普通の建前でありますけれども、ああいう八百戸もある所で、一カ所一つの書類で払いますから、そういう手数料その他のことも加味いたしまして割引してある、こういう状態であります。ですから、ガスメーターを付けるべき所に付けなかつたから、そのために幾ら割引になるかということは、すぐ数字は出しかねます。集金その他手数料のこと、両方加味して、一割何がしという割引があつたと、こういうことにお考えになつて頂けば結構と思います。
  23. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 私の申上げておるのは、メーターを付けるという約束になつておる、そうしてそれに基いて料金支払うというのが建前であり、当時もそういう約束になつておる、それが長い年月ですね、メーターもなしに支払つておつたということがおかしい。こういうのです。
  24. 池口凌

    政府委員池口凌君) 私誤解しておりました。今のは公というものを対象にして申上げておつたのですが、このガス……代々木につきましては、メーターをどうしても許可をとれませんから、だからこの器具について幾ら、この暖房器具については夏は幾ら、まあ煖房はちよつと夏は使わないと思いますが、湯沸しその他については夏は幾ら、冬は幾らと、こういうように季節的に使おうが、使うまいが、としかく器具につきまして幾らと、こういうような契約をいたしておつたのであります。ですから代々木につきましては具体的な契約メーターを付けない。付けない代りに設備によつて幾ら使うものということの契約はいたしておつたわけであります。
  25. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 当時の契約書の写し、それから契約当時のこれに関係され、交渉された人の、関係者の氏名等の資料を至急に出すようにお願いしたいと思います。それからこの八百二十戸のメーターをそれぞれ付けるということも当時困難であつたと、併し、といつて統一的な一つのそのメーターを付けることも非常に困難であつた、こういうようなお話ですが、然らば八百戸に対して百戸に一戸ずつのメーターを、仮にそれを取付けておつたと、そうしてだんだんそのメーター使用量によつてですね、概算の数字を出すということであれば、なおまあこれでも絶対完全とは申されませんが、大体正確な数字が出るんじやないか。せめてそのくらいの措置は、やればできたはずである。それを何故やらずにその過払をして来ておるか、この点について伺いたと思います。
  26. 池口凌

    政府委員池口凌君) 最初一カ所のものを付けるという計画をいたしまして軍に提出いたしましたのが許可になりませんで、その間終戰連絡事務局から調達庁のほうに引継ぎまして、今の一五%まで割引するという措置をしたのであります。それと同時に、今の具体的な計画を進めまして、最後に現在実行しておりますような三カ所にやるというような案もその当時から考えられておりまして、漸く二十四年の中頃になりまして、これが設置のことに相成つたのであります。その間折衝は相当されておるようでありますが、具体的には計画までに至つていなかつたように見られるのですが……。
  27. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今のお話ですが、どうもまだはつきりせないようですか、私の申上げるのは、百戸なら百戸に一戸即ち八百軒に対して八戸くらいはメーターをその当時付ければ付けられたんではないか。如何に事情が事情だといつても、如何に戰後であるとか、戰争中であるとかという事情にあつても、八百軒の戸数に対して八軒くらいの家にはメーターが付けられたのじやないか。それを付けてさえ置けば大体の見当が出るんじやないか、あなたの今御説明されておるのは、その後いろいろと問題が出てから、それでは三カ所とか或いは四カ所とかという話ではないかと思うのですが、それまでにそういう措置ができるのじやないか。その措置をせずにやかましく言うまで、なぜ放つて置いて来たか、これを聞いておるのです。
  28. 池口凌

    政府委員池口凌君) 今の八百戸について八戸だけ付けられたのじやないかということは、そう困難ではなかつたと思いますが、その当時の記録その他を見ましても、そういうことは誰しも考えていなかつたようであります。併し今私が、これは私の意見でありますが、八百戸のものについてサンプル八戸をとつて、これをこのような状態であるというようなことにつきましては、誰しも気が付かなかつたようでありますが、実行してもこれは殆んど無駄ではなかつたと思うのであります。それはその実例はさつき申しました二十四戸にテスト・メーターを付けて見たのでありますが、その所は明らかに四分の一というような非常に少い数字が出ておるのであります。ですから、その二十四戸に付けたものでさえ、普通の平常状態ではなかつた。テスト・メーターが付けられておるということを意識しておりますと、どうしても儉約しなければならんというような意識が出て来まして、そういう小さい数字が出て来たのではないかと想像されるのでありますが、八戸だけ付けておりまして、その所だけが儉約されておるとほかも全部儉約をしておるというふうな推算するということは、むしろ困難ではなかつたかとり私は想像するのでありますが、そういうところがあつても、その当時の人はテスト・メーターを付けるということは日本側では誰も考えていなかつたようであります。
  29. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今答弁は我々としてはどうも適当に感じられない。と申しますのは、八戸だけ付けても、それはそこで節約をするから、その統計によつては無駄だということでありますが、その八戸を付けることにおいて、その後に二十何戸付けられたその統計によつて非常に消費量の減少を来たした、この事実だけでも私は八戸を付けるだけの価値はある。いやしくも国民の血税が使われるのですから、その血税は無駄に使われないように、即ち終戰処理費が少しでも国民の負担を軽くするということになるためには、八戸付けるだけでも、私は立派に役立つのではないか。又この委員会が少数の委員であつても、現場を見ない人たちが判断しても、八戸付けるとしたらどうであろうかというような考え方が出るのであります。ましてやその担当をしておるところの行政官庁がそれを知らないと、誰も考えも付かないというような御答弁では、どうも私たちは納得が行かんのであります。従つてこの八戸を付けてその上に出て来るところの数字が、これが全体の数字と一致せないといたしましても、この八戸の出て来る数字が大体全体の大まかな基準となり得るということは、これはなり得ると思うのであります。この点については私はまだまだあなたがここで申されにくい事情があるのではないかと推察をしておるのでありますが、これ以上この件で御質問申しましてもなんでありますが、先ずメーターの件は仮にそれといたしましても、他の地区との関係でありますが、進駐軍の住宅というものは全国随所にありまして、東京都内においても相当な個所である。で、そこで使つておるところの量、支払つておるところの金額、こういうものが、勿論それは代々木地区と他の地区と〇特殊な差はあつたといたしましても、それが三倍、四倍も変るということは、これは何と考えても判断ができかねるのであります。当然お支払いになつておるときに、他の地区のものを支払われておるのでありますから、当然その一、二カ月の間に気付かれなければならないことを、なぜ放つて置いたか、そうして第三者の使つておる、消費者側である連合軍からこれが指摘されるまでなぜぐずついていたか、そうして大きな、何億という厖大な全額を瓦斯会社に払つておつたか、この点についてもう少しはつきりと我々が聞いて、成るほどそれは無理もないという納得の行くような御説明を願いたい、こう思うのです。
  30. 池口凌

    政府委員池口凌君) 今のメーターの設置が遅れましたことは、又今の代表的なものにつきましてサンプルを付けるということにつきまして気が付かなかつたことにつきましては申訳ないと存じますが、今のほかの地区と比べて多いということにつきましては気が付いておつたのであります。それで結果的に申しますと、終戰連絡事務局でやつておりましたものを各期間ごとに三段階に分けておつたものを四段階に分けまして値引をさせる。値引と申しますのは、要するに数量が多いから一五%引かせるようなことを調達庁では実施いたしておるのであります。そのことにつきまして、その一五%は非常に少かつたというような結果的には意見が出て来るのであります。この代々木器具が、先に申しましたフロア・フアーネスというような、ほかにはちよつと例のないもので、非常に大きかつた。その実情を調べるために、各個人から調査書等をとりまして調べたりいたしておつたのでありますが、又そのほかの手段によりまして、瓦斯会社に対しましても、幾らあそこに送つておるかということを何らかの形で知ることはできないかと思いまして、随分夜間にほかのほうのガスを取りまして、送つてやるというようなこともやつておるのであります。併し昭和二十二年頃におきましては、戰災都市はどこでもそうであろうと思いますが、実に六〇%以上の漏洩をいたしておるのであります。どこのガス会社でも、各都市でもそうでありますが、二十一、二年におきましては余り手が付かない。で、二十二年頃から、ガスの漏洩対策というものを皆いたしております。或いは名古屋でも、大阪でも皆ガス会社の致命的な故障でありました。このために厖大な資材、労力をつぎ込みまして漏洩対策をいたしておる。各方面におきましてこの工事を進捗さしておる途中にこの代々木ガスを、送気を始めたものでありまして、果して代々木において過大に私どもが読みをとつて、読みというか、推金をいたして支払つておるのが、ガスの漏洩対策が本当に効果を挙げてそのように効率がよくなつたのかというようなことが、非常に判定が苦しかつたのでございますが、具体的にほかの所をとめまして、代々木の所だけに行くような数量を拾おうといたしましても、どんどんほかへ漏洩いたしておるものでありますから、住宅では使わなくても漏洩をいたしておるものでありますから、その数量をつかむのに困難である、こういうような事実があります。それから又そのガス漏洩対策及び代々木におけるところのガス供給が始まつた。それは各月のガスの集金料金と会社における、工場におけるガスの生産量というものはこれは正確に計つております。それからの送気量と各家庭におけるところの使用量の合計というものを日々見て行くと、非常にはつきりつかめるわけでありますが、そのことも何回も試みておりますけれども、送気のほうは正確につかめますけれども、毎日の使用量というものは、結局一月に一回のガスの検針をいたしておりますが、その日も一定の日じやない。月によつて二十日頃から月末までの間にガスの検針人が歩き廻つてつておる。同時に検針することが困難な状態であります。その間に月のズレがありまして、なかなかその実情がつかめなかつたようであります。そういうような調査方法を数回繰返しておつたのでありますが、結局はつきりしたことはつかめないのでありまして、一五%というような、これも正確なものではありませんけれども、腰だめ的なものでありますが、それによつて契約をした、こういうような実情であります。
  31. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 どうもはつきりいたしませんのですが、ほかのガスの漏洩によるものも何か支障の一つとしてあるように言われるのですが、この代々木のワシントン・ハイツというものが新らしくこれが建てられて、そうして新らしくガスの配管が敷かれたものであるか、それとも以前にそういう古いガス管の施設がしてある所に建物だけを建てて、その古いガス配給の配管を使つたか、その点について伺いたいと思います。
  32. 池口凌

    政府委員池口凌君) ガスの漏洩ということが会計検査院報告にありますけれども、それは全然一般の市内におけるところの漏洩のことであります。代々木の所では勿論あそこは元練兵場のことでありまして、ガス管が全然ない、新らしい材料をあそこに敷設をいたしたのであります。そのほうの工事の疎漏等によるところの漏洩ということは全然考えられておりません。
  33. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 先ほど来カニエさんからいろいろ御質問を拝聽しておりまして御参考になるかとも思う例を、事実を二、三申上げまして、それから今の検査報告にとりました漏洩のことを、これをちよつと説明して置きたいと思います。先程からいろいろ御問答が繰返されておりますが、メーターを付けることが適当じやないかということは、私ども実は同感なのであります。この検査報告で百三頁の初めのほうに東京地区及びC地区、それから名古屋地区のアメリカ村、これを引合いに出しております。私どものほうで実はこの案を取上げました最初の導火線は実際これであります。ほかの地区と、先ほどカニエさんも仰せになりましたように、如何に設備が違つたにしても三倍も違つているというのはひどいじやないかというのが、実は私どもの起した最初の疑問であつたのであります。この百二頁の終りのほうに、住宅一戸当りの一日消費量を算出し、二十三年四月から六月まで及び云々と、こうございますが、ここに書いてありまする一日一軒百二十立方メートルとか、こういう数字は先ほど御説明にもありました一五%を引いた数字であります。この前はもつと高い量を推定量といたしまして払つて頂いたのであります。この引きました量でも三倍になつておるのであります。それで、それでは東京のほかの地区名古屋、これをどうかと考えて見ますと、これは実は全部メーターが付いているのであります。そこで戸数をちよつと申上げますが、これが代々木の八百七戸に比べますと非常に小さいのでありますが、B地区が五十二戸、C地区が七十二戸、名古屋のアメリカ村が百八十九戸であります。アメリカ村などはこれは相当なものであります。これは小さいとは言いながら二十軒近いものにこれはメーターが皆付いておるのであます。そういたしますと代々木は八十でありますが、まあテスト的に何軒か付けるということもお話でございましたが、相当メーターが付けられないということは私ないのじやないかと思うのでございます。非常に一軒々々つけるには物がない。又集合的に付けるのは美観を害するという御説明もあり、又事実、そういう資料も、文書の往復もあるようであります。どうもどういうわけでそういうメーターを嫌つたのか、私ども未だにその点はわかりかねるのであります。フロア・フアーネスのお話が出まして、先ほど代々木ではフロア・フアーネスということがお話に出ましたが、これも夏場はそうどんどん焚くものでもないと思います。そうしますと同じ地区で冬と夏の相違というようなことも大体出るのではないだろうか。そうするとアメリカ村とかそういうような所とのこれも大体推定は付くのではないか。これがあるために三倍になつてもよいという結論は出ないのではないかと思うのであります。それから申し添えて置きますが、アメリカ村は親メーターを設けておるそうであります。親メーターと申しますか、御承知の通りに全部まとめて計れる装置であります。これはここは代々木なりなんかよりずつと狭い所でありますから、名古屋でありますから、ですからこれが美観を害するとかそういうようなお話はなかつたようであります。これを附加えて置きます。  それから漏洩量が検査報告の百三頁の終りのほうになお書として書いてございます。これは先ほどもお話がございましたが、幾ら使つたかというのは、メーターがないのでありまして、正確に知るということはこれは不可能であります。私どももいろいろな推定資料をここへ集めたわけでありますが、なお書から下を御覧になると、非常におわかりにくいかと思いますが、実は検査院といたしまして、ガス会社の平均送出量、これは製造量であります。製造量とそれが料金化される量、消費量と申しますか、金をお客さんからガス会社が幾ら取つたか、それに対応する立方メーターが何立米かこれはわかるのであります。それから会社が製造した量もわかるのであります。ところがこれが代々木地区だけを分けようとすると、それがわからなくなるのであります。一本で製造し、料金のほうも会社の計算が一本になつておりまして、東京中の、代々木地区を含めた東京中の数量がここに実は上つて来るのであります。代々木地区だけをのけますと問題はないのでありますが、メーターがないし、配管も分かれていない。分かれた先からメーターが付いていない。こういう状況でありますから止むを得ず東京瓦斯全体、東京都内の供給量と製造量と料金化量、この二つを代々木地区供給を始める以前、代々木地区供給を開始した後と、それから連合国がやかましくなりましてうんと値下げをさせられた後と、この三つに分けて記載したのがここにある数字であります。結論的に申しますと、代々木地区に送る以前でありますが、これは大体毎月の平均の送出量、作つた量が千五十万立米であります。毎月平均の送つた数量が千五十万立方メーター、ところがこれに対しまして消費者が金を払つた量を差引いた推定の漏洩量と申しますか、これが四百九万立米となつております。この比率を見ますと、先ほど六〇%というお話がありましたが、ちよつと多いのでありまして、これは三九%ほどであります。結局その残りの六一%というものが料金化されているのであります。これは当時戰災後いろいろな悪條件がありまして、漏洩量が相当多かつたとも言えるわけであります。四割近いものが料金化されないでいた。これが代々木地区供給を開始する前の実情であります。ところが代々木地区供給を開始いたしました二十二年四月から二十三年度一ぱい、これは末から三行目の下の所に出ておりますが、これが一カ月平均送出量が二千五十六万立米、これがざつと二千万立米、こういうようにお考え願つたらよいと思います。これが代々木地区供給を開始するときの約倍であります。千五十万立米から二千五十万立米に上つたのであります。代々木地区というものが非常に大きな、当時としては東京全体のガスの消費地において大きい地位を占めていたということがわかるのでありますが、ともかくも千五十万立米が二千五十万立米に殖えたわけであります。ところが料金化された量を差引いた漏洩量は一体どうなつたか。この料金化された量の中には、終戰処理費支弁の金額も中に入つておるわけであります。一般のお客さんから取つた料金終戰処理費から取つた分と合せたものを差引いたものを見ますと、非常に意外な事実があります。二百四十万立米、さつきの千五十万立米しか送つていなかつた時代に四百九万立米というものが料金化されなかつた。大体漏つてしまつた漏洩量と推定できるのでありますが、三割九分、四割近いものが料金化されなかつたのに、これが代々木地区に送り出されてからこれがすつかり変つて、二千万立米に対して料金化されない量が二百四十万立米、約ざつと一二%、先ほどは三九%も、代々木供給開始前に三九%、四〇%も料金化されない量があつたのでありますが、代々木供給を開始したらば、その料金化されない量が僅かに一二%に下つてしまつた。これが代々木支払額が多過ぎるという一つの反証になると思うのであります。四割近いものの金が入らなかつたのに、代々木供給を開始し出したら、それが平均して一二%に下つてしまつた。これだけでしたらいろいろな弁解が立つと思います。四〇%だつたのは、それは一般の市中の配管から漏れが多かつたのだ、その後だんだん修理したので漏れが減つたので、代々木支払額が多過ぎたあれではない、こういうような意味が立つかと思いますが、その次に申しますと今度は連合軍がやかましくなりまして、料金を下げたのであります。そういたしますと、平均送出量二千三百万立米、これは大体前の二千万立米と余り違つておりません。二千万立米から二千三百万立米となつておるのでありますが、ところが漏洩量が又上つてしまつて三百三十久万立米、これは十五%くらいになつておりますが、こんな調子で代々木批難の期間は非常に高過ぎる料金を払つていたのじやないかという、一応の推定が付くのではないかというのでここに漏洩量を実は出したのであります。これは親メーターなり、子メーターなりがありまして、正確な推定が付きますればこういうような数字はここへ出す必要はありませんが、ほかにしつかりした見る事実がないものでありますから、ここでこういう計数を出した次第であります。これから見ましても先ほどのメーターで計つたほかの地区の実績の三倍という点から見ましても、やはりこれはあとのテスト・メーターを付けた後の計量の結果より見れば勿論払い過ぎでありますが、そういうことがなくても当局としては代々木支払額が高いということを推定する資材が絶無だつたというようには私どもとしては考えられない次第であります。御参考になりますかどうか一応……。
  34. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今検査院の調査されました結果の説明によつてもなお明白になつて来ると思うのですが、瓦斯会社に対して国の税金で集めた金をなぜそんなに払つておらねばならなかつたか、こういうことなんですが、どうなんでしよう、これは……。
  35. 池口凌

    政府委員池口凌君) 今の会計検査院からのお話にありますように、私どもその点につきましては、少くとも調達庁になりましてからは気が付きまして、先ほどからも縷々申しました通り、何らかの方法でその実態をつかみたいと随分努力をいたしておつたのであります。一五%引いたのも、非常に結果から見ると又当を得てなかつた、こういうことでありまして、その数字が甘かつたことにつきましてはお詫びしなければならんと思います。併し少くとも調達庁になりましてから、この二十二年の九月に引継ぎましてからすぐ六ケ月しないうちに気が付きまして、この数字を出すために非常に努力をいたして来ておるのであります。それにつきましてまあ一五%やつと引いた程度でありまして、又軍のほうに対しましても何らかの形ではつきりした根拠を知りたいために、メーターを設置することの促進をいたしまして、スキヤツピンが出て来た。ですから軍のほうも、我々全然気が付かないで向うからいきなり言われたのではないのでありましてどうもあそこは多いように思われる……、私どもは單なる推計によりましてこれを契約するのでありますから、はつきりしたものが欲しいというのが先決問題でありますから、そのためには随分軍のほうに対しましては現地のほうの軍政部、第八軍なりGHQ直接のもとのほうの促進をいたしまして、暫くテスト・メーターの設置、親メーター設置等の命令が出まして“いきなり向うから出たということではないのであります。その点一つ、設置当時の、終戰時代から受継ぎまして努力を非常に重ねて来たということに対しまして結果的には非常に甘かつたということになつておりますけれども、御了承をお願いしたいと思います。これは又そういうことも今まで漏洩その他のことによりまして、実態がなかなか掴めなかつたのでありますけれども、そういうこともこの親メーターができたというときにおきましてはつきりした事実をつかんでありますから、これによつて過去三カ年のものを遡りまして、これなら大丈夫という数字を推定いたしまして、二億八百万円というものを徴收することにいたしたのであります。ですからこの二億八百万円を取りますことの基には、過去三カ年について、この月は幾らガスを使つた、この月はガスを幾ら使つたということを一々算定してあるのであります。その私どもが過去三カ年に遡りまして推定した数字そのものが不当であるというふうには現在は考えておりません。ですからその数字をそのときどきにおきまして、正確にこれを把握するということは絶対に不可能であると思うのであります。現在私どもが過去三カ年の推定したその数量は、あとなつたらまあできる最大の合理的なものであつた、こういうふうに考えておりますので、それにつきましてはその過払をいたしたことの利息までも徴收いたしまして戻入を命じておるのでありますから、あとからのことではありますけれども一つそういとうような始末をつけたのでありますから、御了承をお願いしたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  36. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 二億八百万円の過払というものはいろいろなことで会計検査院等も指摘したから、こういう結果になつたのですが、不幸にしてこれが発見されずにそのままになれば、勢いこれは支払つ放しで国民がそれだけの損をする、こういうことになるだろうと思うのです。まあそういう議論は別として、今二億八百万円の金を徴収することにした。而もそれは利息も取ることにして何したから一つそれで何とか了解をされたいということでありますが、私どもから言うなれば、当時の二億八百万円という金と現在とはこれはもう一体何倍違うか。そうしてその二億八百万円の金が瓦斯会社で運転されて得た利益というものは、今の利息を支払つておるというものよりは遥か大きなものを瓦斯会社が得をしておるということに私どもは考えるのです。併しそれは結果においてこういうことになつたので、そういつた議論は別としましても、先ほどに戻りますが、なぜメーターを付けずに一体支払つておつたか。それが一月とか二月の間ならこれはまあ止むを得ないということもあるのですが、随分長期に亘つてなぜこういうことが行われておつたか、これがどうもあなたの説明では了解しがたいのです。重ねてあなたにお伺いいたしますが、仮にこれが国でなくして、国民の税金でなくして、あなたがお払いになる工場なら工場住宅なら住宅とされた場合に、一体メーターなしでそんな金を払えますか、自分のものであつたときに……。そんな大ざつばなことで払えるかどうか。どうですか。
  37. 池口凌

    政府委員池口凌君) 先ほど来申上げますように、メーターを付けてないということにつきましては、いけないというので、付けるように、少くとも調達庁になりましてからは相当努力をいたしておるのであります。今の、若しもこのメーターを付けることが許可にならなかつたり、又指令が来なかつたならば、そのまま現在まで放任して置くかどうかということにつきましては、これは何とも申上げかねますけれども、少くとも何らかの手を打つべく計画をしておつたということだけは確かであります。個人のものであろうと国のものであろうと、メーターなしにやるということはいけないので、何らかここにしなければならんという計画だけは持つておつた。そのために努力しておつたということだけは御了解願いたいと思います。
  38. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 三百六十六号のガス供給契約に関する問題でありますが、これについてはどうも数回繰返して質疑をやつておるのでありますが、なぜメーターを付けずにそんな長い間放つて置いて、そうして国に大きなこういつた過払ができた。この原因についてもう少しはつきりと我々も知りたいと思いますので、先ほど申しました通り、当時の契約書或いは当時の関係者、担当係官の氏名等を出して頂く、こういう要求をして置きましたので、一応この程度でこの件は留保いたしまして、そうして資料が出ましたら重ねてその資料に基いて御質問を申上げたいと、こう思います。
  39. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 政府に伺いますが、今の資料はいつまでに御提出が願えますか。成るべく一つ早くお出しを願いたいと思います。
  40. 池口凌

    政府委員池口凌君) 今の調達庁の分はすぐできると思いますが、終戰連絡事務局当時のがすぐ出るかどうかわかりませんので、中二日くらい頂けばできると思います。又古いのは引継いでないのもあるかと思いますので……。
  41. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 十五日には御提出願えるのですね。それでよろしうございます。  この際会計検査院にお尋ねをしたいのですが、今カニエ委員から縷々御質問があつたように、何かしらこの問題については暗いもりのが想像されるのです。それで会計検査院としては、これは過失であつたのか、怠慢であつたのか、或いは知識が足らなかつたのか、故意であつたのか、どういうふうにお考えになつておるのか。何かしら瓦斯会社と関係者との間に懐疑的なものがあつたのじやないかというようなことも考えられるのです。それらの点についても会計検査院の御感想を承わりたいと思います。なおこの関係者の処分が非常に軽いように想いますね。総裁以下嚴重な注意というようなことになつておるのですが、この処分について会計検査院はこれを妥当とお考えかどうか、こういう二点について御意見を伺いたいと思います。
  42. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 只今委員長の御質問の第一点でありますが、この案件につきまして何か犯罪的な事実はなかつたか。これでありますが、どうも私どももいかさま高い料金を払つておるとは思つておりますが、いろいろ調査したところによりますと、関係者と瓦斯会社との間に犯罪的な事実というようなものはないようであります。一体に先ほどカニエさんからお話がありましたように、自分の金であつたらこういう乱暴な払い方をするか。これは私ども実は始終考えるのでありますが、終戰処理費使用というものは、これは特別調達庁ができまして、そうして業務が軌道に乗つてからは比較的まあそういうことはないのであります。終戰直後から特別調達庁ができるまで、ほうぼうでその責任の、終戰処理費支出の責任の所在がはつきりしないというような時代が相当続いたのでありますが、その時代におきましては何分相手が言葉も不自由な、通じないアメリカ人のことでありますが、介在する関係が多いのであります。例えばこれにメーターを付けてくれと、附けるようにしたいが、それに承認を與えてくれと、こう言つて参りましたときに、日本人同士の話とは又これ違つたいろいろなトラブルが起るわけであります。私どもよく憎まれ口を叩くのですが、当時の情勢で行きますと、向うの命令をはいはいと聞いて、そうして向うがいかんと言うものはやめて、この国民の血税、先ほどお話ございましたように、この金を使うことが実は一番摩擦がなかつたのであります。非常に不合理なのでありますが、これを積極的に協約するために非常に努力をする、こうついうことをやるとすると、あつちに行つていろいろ説明したり、こつちへ行つてぶつかつたりする、こういうようなことがあるのであります。そうすると、一番楽なのは金を使うのが楽なんです。こういう点が私どもあとから検査をして参りますと、随分見受けられるのであります。これなんかももう少し、特別調達庁なつてから一五%はかり引いてはおられますが、もつとこれはやりようがあつたのじやないか。いわんや終連時代にはもう少し自分の、先ほどカニエさんのお話のように、自分の金を払うという、さような気持がちよつとでもありましたら、もう少しこれはやりようがあつたのじやないだろうか、こう考えるのでございまして、如何にもその何と申しますか、私どもあとから検査しますと、情けなくなるようなことが余りに多いのでありまして、こういうように、ただ積極的に悪いことをするとか、或いは会社が不当にごまかして儲けようとか、そういうようなあれはなかつたのでありますが、まあ一番その安易な方法について、余りそのいわば向うの承認を得た事実をこわさないで、どこからも文句言われないでずるずるやつて行つたと、こういうようなふうにも見受けられる面が多いのじやないかと、こう考えるのでありますが、実は迷惑するのは国民でありまして、たくさんこんな面に金を使われてしまうということは実に情けないのでありますが、これからの案件終戰処理費にもございますが、又終戰処理費以外にもありますが、そういうような面が比較的強い、殊に終戰処理費については連合国軍というものが介在いたします関係で、特にそういうあれが強いのじやないか、こういうことを私どもとしては痛感しておるのでありまして、これは特にその犯罪的な、両方の当事者の間に犯罪的な事実があつたとまでは私どもとしては考えておりません。  それから委員長の御質問の第二点であります、処分が甘過ぎやしないかという点でありますが、これは実は会計検査院といたしましては当局者のなさる処分に対しまして、甘いとかからいとか言う権限は持つておりません。
  43. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それはあなたの御意見ですね。
  44. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) はあ、私どもの見方としては、意見としては少し訓告というようなことでは何にも実はならないのじやないかという、あとの戒めということにはならないのじやないか。殊に中央官庁の責任者だけが叱られるという場合に、叱られたことになつておりる場合が多いようであります。実際にここに載りました案件を処理いたしました者は退官してしまつたり、或いは地方の田舎におりましたりして、何もあれを受けないというようなことが多いのでありまして、現在の処分というものが、果して一罰百戒と申しますか、成る一つの事犯を叱ることによつて、ほかのその後に起る同じような事犯の発生防止になるかどうかといいますと、恐らく今の程度のあれではむずかしいのじやないだろうか。私としてはそう考えております。
  45. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今の会計検査院のお話で、本件の処分は訓告というようなことを聞いたのですが。
  46. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 嚴重なる注意です。
  47. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 この件です。訓告以上の処分はしておられないのですか。
  48. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) してない、何もないのです。嚴重なる注意だけです。
  49. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それでは先ほどの資料のついででありますが、資料が出ておらねば……。
  50. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 出ておるのです。
  51. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それではその程度で結構であります。
  52. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 森委員と西山委員に申上げますが、只今審議つておりますの、終戰処理費の三百五十三から三百九十六号では、会計検査院並び政府の御説明を聞きまして、質疑に入つておるわけであります。三百六十六について何か御質疑がありましたらお願いいたします。
  53. 森八三一

    ○森八三一君 今カニエ委員の資料の提出でありますが、途中から参りまして、どの程度までの内容までかわかりませんが、関係者だけの調査というのでなくて、関係者……退官等ありますれば、その後そのかたがどこに勤務しておるかということまで調査をした資料があればお出しを願いたい。
  54. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 一つ政府のほうにそういうようにお願いいたします。三百六十六号は保留いたします。  次に御質問がございますればお願いいたします。
  55. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 三百六十七号について政府答弁を求めます。
  56. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 政府に申上げますが、三百六十七、三百六十八、三百六十九の御説明を願います。
  57. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 三百六十七から三百六十九までの電力に関する会計検査院の御指摘事項について、財務部といたしまして決算事項の問題として一応一括いたしましてその事情を御説明申上げます。なお御質問によりまして細部については何か御説明を重ねることにいたしたいと思います。  この三件とも電力契約について特別調達庁のとつた措置が不十分である、もつと内容を査定いたしまして、実情に即した、経済の自主性に合つた契約をすべきではないか、もつと節約をするように努めるべきだ、こういう御指摘でありますが、その御趣旨は御尤もでありまして、私どももこの三件ともそうした態度に出るべきものであつたということは、予算管理する面からいたしましても感ずる次第でございます。ただ事項を取調べて見ますと、三百六十七及び三百六十八につきましては同様の事情がございまして、当時軍が実際に使用いたしますし力の最大限というものを示しでおりません。当方からはその最大電力料金を示して頂けば、それに応じた契約方法があつたわけでございますが、当時の軍の地区といたしましては、実際にやつて見なければどのくらいの電力を使うものか予定がつかない、ただ軍の設備というものから推測いたしまして、施設の持つ電力の容量というものに一つの標準を與える。そういたしますると、御承知のように特別離れました、地区等にその施設をいたします関係上、電力会社が供給をしております設備をこれにかねて使う、兼用いたしまして電力供給をすることが、特別の容量設備のありますものをその地区々々に設置しなければならない。自然会社といたしましてもそれに対する維持費が余計にかかります。これを基本料金で法定されておりまするものではカバーし切れませんので、その施設容量を全部供給されるものとしての計算を当時としてはとつたものでございます。施設について、私は専門外ではありますが、調査いたしましたところによりますと、ループラインと申しまして、同じ容量の電力供給いたします場合でも、普通こうした場所に供給いたします場合は一回線でよろしいわけであります。ところが軍の電力供給は一回線がありましただけでは不十分でございまして、予備回線というものが必ず要る。それが技術的に一つの方法で施設されておりまして、停電が起りましても必ず予備の回線によつてその停電は防ぎ得る、他のほうから電流が入つて来る、特別のこうした設備が行われておつた次第であります。従つてそれらの事情があつたにせよ、最大電力を以て契約の最高限として行く、それによつて契約をするということが望ましいと私どもは考えるのでありますが、当時といたしましてはそれが遂になし得ず、二十四年度の、即ち次の年度になりまして軍に要請した結果、最大需用電力を與えられまして、その特定料金により料金の改訂が行われたような事情でございます。この分につきましては、私ども特別調達庁の係官といたしましては、契約上その努力が拙いために、遂に理想的な契約額にまで引き下げて行くということができなかつた。その点は誠に不十分ではございましたが、当時の事情といたしまして止むを得なかつた。こういうふうに御了承を願いたいとお願いする次第でございます。  三百六十九につきましては、電力の無計器供給でございます。これは本来計器を置けば最も実効的な使用支払えたのではないかという御指摘でありまして、これはやはり私ども会計検査院の見解を相当と存ずる次第でございます。ただ当時の事情といたしまして、計器を設定することにおいて軍側の承認が得られなつかつた、微力のいたすことで誠に不十分ではございますが、そのために容量によつて契約をしておりまして、ただ現在の処置の状況でありますが、計器取付け、又これを電力使用時間について調査いたしまして、協定の根拠に検討を加えまして仮払分百五十一万円何がしを算定いたしまして、二十五年の七月六日に回收を済ませてございます。  以上概略的に御説明申上げました。
  58. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 三百六十七の点でありますが、支出額が大体二千二百万円を節減できたと思うという計算であるということを会計検査院が言つておるのでありますが、当時の二千二百万円という金は、国民にとつては非常に厖大な金であるのでありますが、なぜ節減ができるものを節減をしなかつたのかということについてもつと具体的に説明願いたい。
  59. 池口凌

    政府委員池口凌君) この会計検査院報告によりますと、そういう節減ができたはずだと、こういうことに相成つておりますが、先ほど川田政府委員からもお話し申上げました通りに、その当時の電気料金の立て方というものは、一般の家庭、その他におきましては、勿論設備容量によつて契約するということに相成つております。ただ五百キロワツト以上のいわゆる大量のものにつきましては、実績によつて最大需用電力をきめる、こういうことに相成つているのであります。そこで成増その他の所におきましては、設備よりも非常に少い最大需用電力というものであるのでありまして、ですからこれを減すべきだ、契約電力を減すべきだ、当時の規定におきましては基本契約、基本の電力というものでありまして、一遍契約いたしますと、極端に申上げますと、全然ゼロ、全然使わなくてもその料金に対する基本料金というものを払わなければならない、こういうことになつておりますからして、基本の料金契約を、料金というものを幾らにするかということが非常に問題であるのでありまして、日本のその当時の電力料金というものは、戰時中からずつと使つておりました料金規定でありまして、最大需用電力というものは、この電力よりもオーバーして使うことができないという規定であります。そこで電力会社といたしましては、その設備を作らなければならんというためにこの基本電力を使つているのであります。私ども占領軍に対するところの基本最大需用電力というものは、実績によつて左右はできるのでありますが、どうしてもこれ以上は送れないというような意味の制限をするということはできなかつたのであります。そこで軍のほうのちやんとした要請にありますところの設備をどうしても建設しなければならない。この建設したものから割り出しました最大需用電力というものを設備通りにいたしておつたものであります。この設備通りにしますということにつきましては、軍のほうも了解いたしておりますし、そういうように一々受領書といいますが、PRというものを取り付けまして支払つておつたわけであります。御指摘の契約電力が多過ぎたということは、実績から見ますと確かに多過ぎるのであります。又結果的に見ましても、そういうものを長くやつておりますので、当然引くべきだということもできるのでありますが、川田政府委員も申しました通りに、ほかの電力ならばもつと割引きしまして、少し料金を節約させることが適当と思うのでありますが、先ほども申しましたように、軍に対する電力というものは、その背後にありまして絶対に停電等のしないように、絶対という言葉、これはいい過ぎかと思いますが、普通の故障におきましては停電をしないような、そういう設備がしてあります。そうして又送電線等につきましても、最大の設備であります、その設備になりましても、それが送れるような配線がしてある。線も一本でなくて今も申しました二つの回線から両方から来る、こういうふうな設備がしてあります。これを絶対に確保するためには、ほかのほうは停電さしてでもこの電力だけは確保すると、こういうふうなことに相成つておるのであります。一般の国民は、その当時におきましては相当停電に苦しめられたと思うのでありますが、この電気は全然停電もしない、そういうような電気であるのでありまして、あながち多いものを払い過ぎたと、そういうふうには考えておらないのであります。
  60. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 どうも今の特別調達庁側の説明によりますと、会計検査院が指摘しておるように思わないというような大体御意見であつたと思うのですが、その点について会計検査院から一つ詳しく説明を願いたいと思います
  61. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 今非常に意外なことを伺いました。私どもはこの弁明書に書いてあるので、特殊事情から止むを得なかつたが、併しその後契約を改定したというように、御承認になつておると思うのでありますが、非常に意外な御答弁を承わりました。そうなりますと、私のほうはもう少し細かく御説明しなければならないと思います。
  62. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 川田政府委員のほうからは、大体この通りだという御説明じやないのですか。
  63. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 特別調達庁側の説明が、事情の説明について申しましたために、結論的に会計検査院の御指摘である契約が不相当であつたということを、何が不相当であつたかということを、別の見解を以て説明しているように聞えたと存じます。併し私が冒頭に、この三件について検査院の御見解通りであつて、当時の実情としては不十分でありましたが、その後改めたという一つの態度でもおわかりになる通り、当時のやり方については惡かつたと申しておるのでありましてつその惡かつた事情を今技術的な見地から説明しようとし、又カニエ委員も、私の説明では他の委員がたに対しても了解されにくいであろうから、技術的に、具体的にこれを説明せよという御同情ある御質問でありましたので、もう少し技術的に御質問の要点に触れた御答弁を申上げたいと存じまして、今代つて申上げます。決して検査院の見解と出違つた見解を持つているわけではございません。
  64. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) いろいろこの案件につきましては、今の川田政府委員のあれと、或いは特調の御答弁は一致しているのかも知れませんが、案件が非常に技術的なものを含みましてなかなかむずかしいのでありますが、ざつと簡單に一つ私から御説明して置きます。この電力料金は先ほどのガス料金と同じようでありまして、非常に基準が実はむずかしいのであります。一般の常識から申しますと、先ほど政府委員からもつ御説明がありましたように、小さい小口の電力供給になりますと、設備、容量というものが基準になりまして、そうしてその責任最大電力というものがきまるわけであります。会社といたしましては、責任最大電力を使われるかも知れません。家中全部点けつ放しにして、ヒーターも入れる、こういうようなことが起きても、その設備を、配電線なり変圧器は焼けないようなものを設備しなければいかんわけです。従つてそれが使われてもいいだけの設備し対する保障をいたしまして、最大責任使用量、使用電力と、こういうものをきめるのが普通であります。ところが終戰処理費のこの施設になりますと、これは状況が大分実は違つて来るのであります。一般の場合には相当会社がぎりぎりの施設をして、責任を負つているわけでありますがり、終戰処理費の場合は全部国がするのでありまして、全部終戰処理費支弁で連合国軍のはするわけであります。会社はただ保守だけになるのでおりまして、一般の御家庭は、屋内配線なり何なりは買わせられますが、屋外のものは全部会社負担であります。終戰処理費のはそうでないのでありまして、一般の送電線路から末端の屋内に至るまで、これは全部国で負担するのであります。そこに大きな違いがあるのでありましてそれから又非常に大口だという点も非常に違つて参ります。一般のように小さいものがちびちびと散在しておるのではないのでありまして、全部まとめて大口で供給するのでありますから、一般電力料金の常識を以て測ることは不当な結果を来すのであります。本件は一般料金の常識、先ほどの政府委員の御説明も多分に一般の頭で御説明なつているようであります。これは大変違うのであります。その点を先ず第一にお含み願いたいのであります。会社の供給規程でも、「契約最大電力が五百キロワツトを超えたとき及び特殊の事情のため、本項により難い場合は、実情により実際に負荷せられる最大電力を基準として決定する。」こういう規程がございますが、これを適用すればいいのであります。ところがこれは全然適用されないで、変圧器の容量で最大責任電力をおきめになつているのであります。ところが連合軍の住宅というのは、実にたくさん設備があるのでありまして、一軒が大体標準二十キロになつております。日本人の家庭ですと、一軒に二十キロなんということは想像できないのであります。表で御覧になります変圧器、あれが二十軒も三十軒も供給しておりますが、あれでも二十キロというのはちよつと辺鄙な所に参りますとございません。もつと小さい変圧器で十軒も二十軒も賄つておるのであります。ところが占領軍の需要の場合は、一軒二十キロワツトというのが標準でありまして、こういうところに持つて来まして、一軒が二キロか三キロの小さい家にばらばらに供給するような標準で料金をおきめになるところに非常に矛盾がある。ちよつと、私それを衝いたのでありまして、これは変圧器の設備容量というものを基準にして最大電力としてきめておるのであります。連合国軍用住宅というのは非常に日本人の常識を以てしてはわからないくらい大きな設備をするのであります。実際はそんなに使つちやおらんのであります。それがこの三百六十八のようによく現われております。三百六十八のあれを御覧願いますと、これは川内地区、原町地区、多賀城地区、矢本地区とこの四つが比較に出してありますが、変圧器の設備容量を基準にして川内地区は三千キロの契約をしておりますが、実際の使用電力の最大は千七百キロなんであります。大体半分、それから原町地区は二千五百キロなんですが、実際の最大使用電力は、これは払つた電力、実績でありますが、千五百キロであります。多賀城地区は千五百キロの最大責任電力をきめておるにかかわらず、実際八百キロしか使つておらん、それから矢本地区は千五百キロで契約しておるにかかわらず、実際は五百キロ、三分の一ばかり、ここを私どもは 一体実績がわかるんだから、それも契約の第一年度なら仕方がないが、第二年度からはなぜもう少し実績を勘案しないのか。現に会社の供給規程では、「実情により実際に負荷せられる最大電力を基準として決定する。」こう言つておるのでありますが、なぜこれにようないかというのがこの三百六十七と三百六十八の二件であります。どうも先ほどの御説明は甚だ納得できないのでありまして、そういう案件でありまして、会社の供給規程によつて実際がわかるんだから、代々木みたいにわからない場合と違うのでありまして、わかるんだから、第一年度は推定でやるのも止むを得ないが、少くとも第二年度は実績がわかるんだから、それによつて最大責任電力というものを実際に合わしたらいいんじやないかというのがこの二件の骨子になつております。それから三百六十九については別になかつたようでありますが、若し御質問があつたらお答えします。
  65. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今の会計検査院説明ではつきりして来たんですが、特調のほうでは、そういうことが不可能であつたという事情にあつたから、これは止むを得んことであると、まあ非常に不都合ではあるが、併し事情としては止むを得ない、こういうことを言つておられる。ところが今の会計検査院の話によれば、電力会社との間の契約の中にそういつたはつきりしたものがある。あるんならそれによつてなぜその契約を正確にして置かなかつたのか、こういうことだと思うのです。それでこの点について特調側からもつとそういう契約があつたにもかかわらずやつていなかつたという理由について御説明を願いたいと思います。
  66. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 私の説明を或いはカニエさん間違つてあれしたんじやないかと思いますが、契約書の中にはそれは謳つてございません。関東配電の一般供給規程、電気供給規程取扱細則というのがございます。さつき私読上げましたが、これにはつきり書いてございます。契約ではございません。
  67. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今の御訂正で、契約で仮になかつたとしても、供給の規程にあればこれは結局同じことだと思います。その点について一つ説明願います
  68. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 供給規程にそういう契約をすべきことがあれば、それに基いでやるべきである、又検査院も第二年度だつたらそういうことは可能であつたのではないか、誠にカニエ委員の御発言も検査院の御意見も御尤もなのであります。ただ当時といたしましては、何かこう軍に藉口するようで恐縮でありますが、軍が施設容量でやれということを強く命じた事情でありまして、いわゆる調達受領書施設容量によつて出される、これに対して、それだけの容量による電力に対して、実績がどれだけ送電をされたかという資料をつかむ方法がなかつたのであります。従つて当時それだけの努力をいたしまして、実績をつかむ方法を軍の現場監督官とも協定し、その個々のレシートを付けて置きまして、それを証拠にして会社側に契約の変更を求めれば、又策の施しようもあつたと存ずるのでありますが、当時としては最大使用容量で以て契約せよ、それで自分のほうも調達受領書を出す、この方針を実行されまして、内容について深く立ち入ることが行われなかつた、やればできたということも、今からでは批難できますが、当時としては種々の摩擦等も考慮いたしまして、そのままの容量によつて契約をやつておつた、誠にこの点が不十分なのでありまして、その点で改めたということによつて、当時の契約方法については一つ委員会におきましても、事情止むを得なかつたものとして御宥恕を願いたいと存ずる次第であります。
  69. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今説明では、こういう規程はおつたが、併しそれによらなんだということは、当時の軍のほうの容量でやれという命令があつた、こういうことでありますので、それでは当時の軍の命令書を一応そのまま日本語に訳したものを御説明願いたいと思います。
  70. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それは口頭なんですか、書類なんですか。
  71. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) 口頭であろうと思います。それに今までの例から申しますと、みんな現場は口頭なんであります。
  72. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 どうもその点は私おかしいと思うのです。いやしくも国が何億何千万円という多額な金を支払うのに、ただそれが口頭であつたとかなかつたとかいうことで御判断をなされてやられるということは、これはもう不都合千万なことである、少くとも担当官であれば、日本人でいうならば、その担当官の名刺の裏なりと或いはメモになりと書いてもらつて、そうしてそれをやはり責任者が書類の中に貼るなり綴り込んで置くなりされることが本当であろうと思います。なおそういう御答弁であれば、引続いていつ何という担当官が誰に対してそういう指示をしたか、重ねて御答弁願いたいと思います。
  73. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 政府委員に伺いますが、今口頭か書面かということは明答はできないのでしよう。一応お調べになつて、明後日又やりますから、そこで御回答なつたら如何ですか。それで若し口頭であつても何か残るものがあるかも知れない、そういうことをお調べになつて御答弁になられるように希望いたします。その上で、一つ……。
  74. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) その上で調査いたします。ただレシート、受領書として出ましたものは、今ここに私も現物の受領書は持つておりませんが、容量に対して受領書は出ておるのでありまして、そうすると結論においては、容量で払えということになつてしまつておるのでありまして、その間口頭なり、或は幸にして書面の指示があつたにいたしましても、軍側との関係においてはやはり容量でやるということが決定的になつておるのでございます。
  75. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それらの点明瞭にする資料をお出し下さい。
  76. 川田三郎

    政府委員(川田三郎君) それではその資料を取調べて提出することにいたします。
  77. 森八三一

    ○森八三一君 こういう問題につきましては知識がありませんから、技術的に間違つておるかも知れませんが、先刻特調の御説明では、特別な工作施設はしなければならないというようなことで、需用電力の実費というものでは何か計算が取れないと、そこで或る程度特殊施設に対する損耗といいますか、よくわかりませんが、そういうものを附け加えたのだと、だからそういうものを計算いたしますれば、これは決して不当な契約ではないんだというような意味の御説明があつたと思います。一体そういうものをどの程度勘案をせられたのかということを一つお伺いをいたしたいと思います。それから検査院の御説明によりますというと、そういうものは全部国がやつておるので、配電会社が施設をしたのではないと、そうすると経費的なといいまするか、そういうものを勘案するということは、ちよつと私常識的にわからなくなるんですが、使用電力の実費が支払われれば、施設についての維持費とかそういうものは何も会社に関係ないので、そういうものを勘案したというのは、まるつきり話がわからなくなつてしまうというように思うのですが、その辺の事情を御説明願います。
  78. 池口凌

    政府委員池口凌君) さつき私どうも申上げようが非常に間違つていたと思いますが、電力料金につきまして終戰連絡事務局当時におきましても、絶対に無停電の設備をするところのその電気につきましては、特別料金をしてもらいたいというようなことが、終戰連絡事務局当時に国に対しても申入れた事例があるようであります。併しそういう事実があるのですが、併し軍のほうにおきましては、一般国内的な同じように料金の料率はきめるのだということで、飽くまで国内的な料金規定によれ、こういうことを指示されまして、今のような一般国内供給規程をそのまま使つていることに相成つておるのであります。それにつきましては、金額的には幾らというふうに説明したことはございません。ただ普通の小口のものであるという点でありますが、こういう大量のものにつきましては、例えば旧規程になつておりますから、非常に現在変つておりますけれども、変電所とかいうものにつきましては勿論軍で作つております。併しこういうような大量の変電所その他につきましては、元の規程におきましても、大量の場合には需用者の負担におきまして変電所等を作ると、こういうような規程に相成つておる次第でありまして、必ずしも費用を考慮しなければならんということはないと考えておる次第でございます。  それからさつき配線その他のことがありました。これはどこまでも変電所のほうは政府終戰処理費によつてつておりますけれども、そのあとになりますところの配線、送電設備、そういうものにつきましては、配電会社だけでやつておる、こういうふうになつております。  それからこの点につきましては特に申上げさして預きたいと思うのですが、この最大需用電力ということにつきましては、その後につきまして電力局等とも相談いたしまして、順次改変して来たのでありますけれども、軍のほうからの関係もありまして、全面的に料金規程というものは、御承知のように現在の規程は全面的に変つて来ております。この料金規程をこのような最大需用電力といいますように、これ以上を使えないという制限的な最大需用電力ということにいたして、その間のところは、軍のほうにどうしてもそれ以上を送らないということにはできませんので、それを突き進めて参りますと、どうしてもこういうような場合におきましては、最大需用電力のこの規程に非常に不合理の点が出て来るのであります。そこで軍のほうもこの問題が動機となりまして、日本の電気料金につきましては非常にどうも不合理だということの検討が始まりまして、御承知のような現在の料金規程に全面的に、たしか二十四年の十三月の暮近くになつたそのときに、日本の電力料金というものが米軍の指示によりまして全面的に改正に相成つておるのであります。ですから旧料金をこれに当てはめますと、どうしてもあらゆる場合に合理的に算定することができないというふうに考えております。
  79. 森八三一

    ○森八三一君 今の御説明によりますると、検査院の御説明とは、施設の点につきまして、その負担区分が相違いたして参るのであります。検査院のほうの御説明では、施設は全部その当時の終連が負担をしておつたという御説明であつたように承わつたのでありまするが、その点をお伺いいたします。  それから今の御説明で、一般料金規程を適用したのだ、そういうふうに軍のほうから指令があつたというお話でありまするが、仮に特調のほうの御説明のように、変電所とか、そういうものの施設政府で行い、送電といいますか、配電といいますか、そういうようなその後の工作だけは会社がいたすということであるといたしましても、一般規定を適用するということは、これは常識的に納得ができない。全部の工作施設を配電会社がやつた場合の規定は、私は報酬規定相当する、こう思うのでございますが、その相当部分というものを他の負担においてなされているというものに対して、一般規定を適用することの指令があつたといたしましても、それをそのまま唯々諾々呑んでしまうということには常識的にいかんと思うのでございますが、それに対して何らの折衝なしに契約をせられたものであるか、そういう主張を十分されましても、関係当局のほうの了解がなかつたということで、止むを得ずやられたのか、その辺の経緯を御説明願いたいと思います。
  80. 池口凌

    政府委員池口凌君) 今の、折衝をしないでしたのかということの御質問につきましては、これは記録によりましても、相当いたしております。あながち調達庁だけではありませんで、これは電力局とも一緒に、相当軍のほうにも折衝いたした記録もありますし、折衝いたした結果このようになつているのであります。  それから今の電力料金につきましては施設等にいたしましても一般規定によつているのでありますが、勿論配電、変圧設備とか、メーターというようなものにつきまして、配電会社がすべき場合につきましては、この料金には加算しておりませんし、同じ占領軍のあれでありましても、小口の場合におきましてはメーターのようなものは、メーターは配電会社が設備をいたしますと、メーター使用料というようなものを徴收できるようになつているのでありまして、こちらの需用者がメーターを設置いたしまするならば、その規程は変る、こういうような規程になつているのでありまして、規程をそのまま使用はいたしておりませんです。
  81. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 終戰処理費関係電力施設につきまして、その施設を国が負担するか会社が負担するか、この森さんの質問の第一点であります。これは、ここに挙げました件は成増ほか八地区ありまして、これが恐らく一定の原則によつて行われているとは思いますが、小さい地区でございますと、或いは例外的なものがあるかも知れませんが、私どもがほかの案件全体を見る上において了解しているところによりますと、原則として全額国の負担であります。先ほど変電所は国が負担する、配線は会社が負担する、こういうふうに伺つたのでありますが、えらい違いでありまして、配線と申しますと、普通は変電所から需用者までの間をいうのであります。これは全部国が負担するのであります。それから送電線のほうに若干の疑問がありますが、発電所から変電所まで参ります経費、これは全部を国が負担するということにはならない場合が多いのであります。と申しますのは、一般の需用がこみで入つて来るわけであります。進駐軍専用線というものは、大体変電所から下、需用者、消費者までの間に多いのでありまして、それでもやはり途中で一般消費者が入ることがあります。送電線のほう、即ち変電所から上になりますと、余計一般の需用が入る率が多いわけであります。これは一般の率のあれによりまして負担金を会社から取るのが例であります。二十二年度の検査報告に出ておる事例でちよつと具体的な金額を申上げますが、これは御審議が済んだ分でありますが、山形県の神町の変電所の設備過大だというので批難案件であります。これは全体の工事費が二千九言四十二万円で終戰処理費で負担しております。そのうち施設の一部が一般民間需用にも使用されるので、このうち五百七十八万円を同会社の負担としておる。結局一何分なんです。これを会社に負担させまして、そうしてその施設を全部国は会社にやつてしまうのであります。国が保有を継続しますのは代々木なら代々木地区の入口のところに境界がございます。その境界から中だけを国が所有権を保有するのでありまして、この外は全部終戰処理費で負担してやつているから、これは会社にやつてしまうのであります。これは電気事業法の関係でそうなるのでありますが、同時に会社としましては維持費を負担することになるわけであります。それで結論的に申しますと……、ところが、施設は原則として全部国が負担すると申上げたのは間違いないのでありまして、その点御了承を願いたいと思います。  それから停電のことがお話に出ておりますが、これについても一応申上げて置きます。この進駐軍の停電というものが非常にやかましいのでありまして、一時電力事情が非常に悪かつた時代でも、我々の家庭が停電しましても進駐軍関係は点いておる、こういう関係にあつたのであります。併しこれはそういうことをやりましたからといつて別に会社は特に余計な負担の理由はないのでありまして、特別な施設費は全部今申上げました国が負担しまして、会社は他の需用者を犠牲にいたします。進駐軍関係から特に余計の金を取らなきやいかんという理窟は私は出ないと思うのであります。供給した分はここにもございますように、相当高い料金を取つておるのであります。これに更に割増にしなければいかんということなんかは、そういう意見が、陳情が出たそうですが、蹴られたそうですが、これは蹴られるのは当然でありまして、ほかのお客さんは随分迷惑いたしますが、別に終戰処理費から高い料金を払わなければいかんという結論は私は出ないのじやないかと思います。それで先ほどの御説明として、高い料金を払つてもいいということは、少しでも採用いたしますと、ちよつと納得が行きかねるのであります。
  82. 森八三一

    ○森八三一君 今施設の問題は、やつぱりまだ特調の御説明検査院のお話とでは一応食い違つておるように思います。特庁のほうでは、メーターとかそういうもののことがちよつと例に出たのでありますが、まあ家の中まで入つてしまつてからの施設につきましては、これは一般の私ども民間で需用する場合におきましても、先刻検査院から御説明がありましたように、全部需用家がその施設をするという場合もありますので、ここで言つておる経費は、需用家の家庭に入るところまでの施設が国の負担であるか、会社の負担であるかというどころで議論がなされておると私は思いますので、そういう感覚で一つもう一ぺん御説明を願いたい。それからそういうような関係にあるので、電力局も中に入つて関係当局のほうにしばしば折衝を重ねましたが、結果において一般規定を適用しろというようなことであつたからとかという御説明であつたのでありますが、関係当局に御折衝になるときには、どの程度の軽減と申しまするか、契約することが妥当であるというような内容を以つて御折衝になりましたのか。その折衝の内容ということにつきまして御説明を願いたいと思います。
  83. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 簡略に願います。
  84. 池口凌

    政府委員池口凌君) 今の設備の点につきましては、私の申しました配線という言葉は、今の変電所よりも後方になります送電線のことだけを意味しておるのでありましてこれは非常に申し足りなかつたのですからお詑びしまして、送電線までというような、配電所の後方の設備が、先に申しましたループ式になるというようなことで、例えば二箇所の変電所からくれる元が水力或いは火力というように、そういうような水力が停電しても火力の系統からくれるというような後方のことを申しました。
  85. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 会計検査院の御説明と一緒ですか。
  86. 池口凌

    政府委員池口凌君) そうです。それから今の場合設備が、過大な設備が要求されておるのでありまして、結果から申しまして多過ぎる。又そんなに大きなものは要らんじやないかということで、もう少し小さい目の設備で十分だから、とれだけはもう、例えば変圧器が三つありますときに、二つだけ十分あればあとはもう使わないのだから、これは廃棄というか、遊休施設というふうに具体的に見ておる、こういうような具体的な交渉をいたしております。それにつきましても非常に大きな設備がありますので、こんな大きなものは要らない、そこでもう少し小さいものにしたいということも要求いたしております。でき上つてしまつたものには、これは全然ネグレクトしまして、使用しないことにして、封印したようなふうにしまして、二つだけでこれをやつておる、こういうような具体的な交渉をいたしておる、そういう点が了解を得た。こういう事情であります。
  87. 森八三一

    ○森八三一君 今の折衝の内容でございますが、そのことはこの電力料を契約する契約の内容には関係のないことでありまして、施設についてのことでありまして、私のお伺いいたしましたのは契約電力料金について特殊な、一般のものとは違いまして、国において相当施設の行われることでもありますので、御折衝があつたかと存じまして伺つたのでありますが、そういう点については、側らの折衝はなかつた、こう了解してよろしうございますか。
  88. 池口凌

    政府委員池口凌君) ちよつと今の要点がはつきりわかりませんのですが……。
  89. 森八三一

    ○森八三一君 関係方面と御折衝をなすつたというお話がありましたので、関係方面と御折衝になつたときには検査院からも御説明があり、特調当局からもお話がありましたように、一般施設とは違いまして、特殊の関係に置かれておる條件の下に配電せられることでありますので、その電力料金等の算定につきましても、特殊な関係に置かるべきものであつて一般規定を適用すべきものではない、こういうように存じましたので、そういうことについて御折衝があつたのかどうかという点をお伺いいたしましたので、それに対して関係当局ともしばしば電力局をも中に入れて折衝をいたしましたというお話でありましたので、その御折衝になつた内容はどういうものでございましようかという、私の質問に対しまして、変圧器を何個にするとか、変電所をどうするとかというようなお話があつたのでありますが、それは私のお伺いする内容とは違うことでありまして、電力契約に基くものではない、こう思いますのでありますが、電力料金を……。
  90. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) わかりましたか。
  91. 池口凌

    政府委員池口凌君) わかりました。失礼しました。今の折衝の過程におきまして、設備を余り不用なものはないことにというような交渉をいたしたということを申上げたのでありますが、結局契約電力にこれが関係するのでありまして、変電所の設備、その設備によつて契約最大需用電力としまして契約するように、こういうことであります。ですからそれを設備よりも少な目に契約しようといたしますことにつきましては、軍には交渉いたしておつたのでありますが、一年間を契約することでありまして、軍のほうにおいてどれだけ使うか、又成増等におきましても、その後も住宅建設されたのでありますが、そういうことも我々その事前にははつきりわかりませんので、軍のほうには一方的にこの設備で契約を、とにかく最大需用電力は確保して置くように、こういう指示で、止むなく契約をいたしておつたのであります。
  92. 森八三一

    ○森八三一君 私もこれは最初に申上げましたように、こういうことにつきましては全然経験もありませんし、知識もありませんので、或いは間違つておることを申上げておるかとも思いますが、設備容量によつて最大使用電力量といいますか、そういうものが計算をせられて、そこまでは送電をする義務がありますので、契約に織込んで行くのだ、それは当然会社がそういう施設をいたしますので、維持管理費は勿論施設費を利用すべきであるので、当然そうなるかと思うのでありますが、この場合には、施設が国の費用でなされておるということでありますので、そういうことで計算すべき筋合ではない、こう私は理解をいたしておる。そこで軍との折衝に当りましては、その理由というものが十分に説明されて折衝がなされたとするならば、当然これは設備容量でなくて、使用量実績によつて計算をするという理解がなされなければならん。それが軍の指令によつて命令的に一般規定を適用する、施設容量等によつて計算が適用されたというところに問題があつたと思いましたので、御説明を求めたのでありまして今のお話によりますと、施設容量によつて計算をしたのだという機械的な説明でありますが、その辺のもつと内容を一つお話し願いたい、こう思うのであります。
  93. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 御答弁ができなければ明後日続行いたしますから、そのときに具体的に御答弁下さつても結構です。
  94. 池口凌

    政府委員池口凌君) その当時の交渉の直接当つたときの記録があるかどうかにつきまして、関係者がおるかとも思いますので、よく調べましてお答えさせて頂きます。
  95. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 今日はこの程度でよろしうございます……。三百六十七号、三百六十八、三百六十九、結局三百六十九まで審議を保留いたしまして、明後日続行いたします。明後日は午後一時から開会いたします。本日はこれを以て閉会いたします。    午後四時三十四分散会  出席者は左の通り。    委員長    前之園喜一郎君    理事            岩沢 忠恭君            相馬 助治君    委員            大矢半次郎君            西山 龜七君            廣瀬與兵衞君            カニエ邦彦君            栗山 良夫君            小林 亦治君            赤澤 與仁君            小林 政夫君            岩男 仁藏君            鬼丸 義齊君            千田  正君            森 八三一君   政府委員    特別調達庁長官 根道 廣吉君    特別調達庁長官    官房長     辻村 義知君    特別調達庁財務    部長      川田 三郎君    特別調達庁契約    部長      長岡 伊八君    特別調達庁技術    監督部長    池口  凌君    大蔵政務次官  西川甚五郎君    大蔵省主計局次    長       東條 猛猪君   事務局側    常任委員会專門    員       森 莊三郎君    常任委員会專門    員       波江野 繁君   説明員    会計検査院事務    総局検査第四局    長       小峰 保榮君