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1951-02-19 第10回国会 参議院 決算委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月十九日(月曜日)    午前十一時三十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件昭和二十三年度一般会計歳入歳出決  算 ○昭和二十三年度特別会計歳入歳出決  算   —————————————
  2. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 只今より決算委員会を開会いたします。  本日は運輸省残りの分を御審議願います。五百三十五号乃至五百四十八号を議題といたします。会計検査院の御説明を伺います。
  3. 山名酒喜男

    説明員山名酒喜男君) 五百三十五号、二百七頁でございますが、これは物品を売渡しまして、あと経理が十分に行届いていないという批難でございますが、東京鉄道局新潟鉄道局の二カ所の問題でございます。東京鉄道局では二十一年度から二十三年度までの間に日本鉄道会ほか五十一名に対しましてモーターとか石炭とかアルミ板といつたような貯蔵品を引渡していて、仮渡整理そのままで二十四年三月末現在で三千四百万円の品物が、仮渡整理のままで残つており、二十四年九月においてもなお八百万円のものがそのままの取扱いになつておる。新潟鉄道局でも同じような行き方で鋼及び鋸屑が二百五十四万七千円仮渡整理のままになつていたのであります。結局これは代金調定が進行しないということと、すでに相手方に引渡をしておるのに貯蔵品という整理のまま鉄道部内に置かれておるということで批難いたしております。  それから五百三十六号でございますが、これは東京鉄道局制輪子甲型、これを單価二百十五円のものを鉄道弘済会に七十二円の単価で売渡されておるのでありますが、同じような品物を別に又二十四年四月から八月の初め頃、自分のところで自家製作しておられるというところを見ると、これは外註品ではあつたが、これを売らずに使おうと思えばなお使えるのではないか、なお値段が低過ぎはしないかという批難でございます。  それから五百三十七号では貯蔵品としてお買いになりましたものの種類が少し乱に互つていないかということと、それから買われました品物取扱がまずいので少し損を来たしておるという案件でございます。ここにありますように運輸省鉄道総局で二十二年八月から二十四年一月までの間にいろいろ被服類をお買いになつてつたのでありますが、これは本来貯蔵品購入資金でお買いになりますものは鉄道事業に直接必要なものというので、被服類で申しますと大体種類がまあ鉄道部内でも限定されておるのでありますが、それに対しましてワイシャツ、ネクタイといつたようなこういう種類のものまでお買いになつておるというのは、少し購入資金の使い方が乱に流れてはいないか、これは部内職員被服類が当時非常に逼迫しておりましたから、これを当時有償で売りつけたものもありますし、又無償で貸付けたものもありますが、いずれもこういつたようなものは私のほうの見方から申しますれば、貯蔵品購入資金でお買いにならないで、共済組合物資部でお買いになつて、これを鉄道職員有償で配給するような筋道であるべきではないか、こういう考え方批難いたしておるのであります。それから又名古屋鉄道局ゴム底布靴を買われまして、これを殆ど全職員に渡しておられる、無償で渡しておられるものであります。無償でこういつたものを使い得るものは職員の一部に限定されておるので、これは範囲が相当乱に流れてはいないかという批難でございます。  それから五百三十八号は、東京鉄道局及大阪鉄道局松栄興業株式会社から買われました家庭用石鹸品質が非常に拙い、買われました値段は大体マル公でございます。値段はいいのでありまするが、その内容を調べて見ますというと、石鹸分が一二%以下であるので甚だまずい、結局後始末の取替え、或いは金を附加えていいものを手に入れられたという措置をとられたのですが、当初買われるときに品質についての検討及び検収措置がまずいのではないかという批難でございます。  それから五百三十九号は、門司鉄道局小倉工磯部車輌用計器ガラスを三万六千本買われましたで、この値段が普通のものに比べてまあ大体倍くらい高いというので、東京鉄道局及び大阪鉄道局買いましたものの値段を比較いたしますと、又小倉工磯部品質のよいものを買いたいというのでいろいろ選択して造らしたのだがというお話でありますが、その品質を調べて見ましてもそれほど他局の今申しました東京鉄道局、各古屋、大阪鉄道局買つたものに比べて非常にいいものとは認められないので、他の局と同じ程度値段で上手に買えばその程度で買えたんではないか。自局管内で買おうというところに無理があつたから高かつたんではないかという批難であります。  五百四十号は物品加工賃が著しく高いものというので、名古屋鉄道局昭光商事株式会社に請負わせた鋼板の亜鉛メツキ加工賃批難でありますが、これの加工に必要な資材として見込まれておりますものの資材が普通に使いますものに比べて非常に量が多いというところで値段が張つているのではないか、殊に本件を調べて見ますというと、昭光商事株式会社大阪鉄板製造株式メツキを下請さしておりまして、下請加工賃は七十万円七千円でありますので、昭光商事に請負わせました値段の百万円との間に相当の開きがあるので、少しやはり高いという批難であります。  それから五百四十一号は薪の製造代金が高くついているという批難でありますが、大阪鉄道局姫路管理部で当時薪の入手が非常に困難であつたというような事情から、大鉄産業株式会社原木を支給してそれで薪を委託製造させました代金として二百三十一万六千円払つているが、これは結局見ますというと原木を支給しながら薪自体値段よりもなお加工賃が高くついているというので、本来原木代を差引いて加工賃を払うべき筋合であつた、こういう批難であります。  それから五百四十二号は、タンク車使用料支払に当り所有権確認措置が十分でなかつたという批難でございますが、これは運輸省鉄道総局内外輸送株式会社及び日本石油株式会社に、石油輸送使用しましたタンク車三十七輌分の使用料として二十二年度中に百万円ばかり支払つております。このタンク車は本来はまだ国有物件のままでありまして、正式に会社所有権移つたということの関係の書類が不十分なまま、そのタンク車会社のものであるという認定の下に支払われたものでありますが、私のほうで調べて見ますというと、まだ支払いました当時は会社のものと認定するのには資料が不十分でありまして、結果的に申しますというと、当時はなお大蔵省所管国有物件を、国のほうでは相対的に認定をいたしておる問題でありまして、多少運輸省とこの間において見解の相違があるかも知れませんが、私のほうで支払われました支払先会社とするのにいいか悪いかということを所有権に関連して調べて見ますと、復員局でもまだこれは会社のほうに移つたとは認めがたいという返事でありますし、又財務局でも会社の正式の所有物と見るには早いと、結局その間はまあいわば弁償金を国のほうから会社に取つておりますので、まあ一種のその間の会社がその物件使つております状態は、国のものをそのまま使つてつたというような形で、爾後に弁償金を取つておりますので、やはり会社の当時の所有であつたというので、会社に金をお払いになるには資料検討が不十分であつたという批難でありまして、結果的には結局そこに支払うことが実質的には妥当な取扱になりますが支払に至る段階において所有権確認手続が十分でなかつたという問題なのであります。  それから五百四十三号は国有財産管理当を得ないものという問題でございますが、札幌地方施設部で北海道に室蘭港内の修築、拓殖埠頭建設工事用として函塊十個を無償で貸付けられておる案件でありますが、これは札幌地方施設部室蘭港の島式埠頭建設工事基礎用として昭和十五年頃製作したものの一部で、五個はすでに本工事据付済のものを取り外し、他の五個は仮置中のものを貸付けたものでありますが、現に函塊でございますので、埠頭基礎として使用されておりますので、当初の貸付條件のように国鉄が必要なときにはこれを原状に回復して返してくれという條件で貸付けられておりますが、そういうことはちよつと函塊のことでございますから、原状に回復して返せという條件で貸付けられたのはどうかと、これはむしろ有償管理替の手続を講ずべきであるのにこれを返させるという條件の下に無償で貸付けられていることは、国有財産管理に関する措置として不十分であると、こういう意味合であります。  それから五百四十四号は、物品経理処置当を得ないものでありまして、国有鉄道の各工機部貯蔵品使用していながら予算超過をいたしましたために、損益勘定決算することができないで、使つていながら仮使用品としてそのまま処理されたものが一億八千三百万円ということであります。結局予算超過をして仕事をしたということに無理があつて、延いてそこに決算ができなかつた結果こういうことになつておるのでありまするが、いずれにしろそういう使つたものを、貯蔵品のままになつているというのは経理処置でまずいのではないかということであります。  五百四十五号は、契約をしないで車輌を納入させてこれを使つている、こういう問題であります。当時の輸送事情及び車輌事情にもよることでありましようが、二十三年度中の状況を調べて見ますと、日本車輌製造株式会社ほか十一名に製作又は改造さして受入れた車輌が、客車、貨車、電車機関車等皆で千百八十四輌、価額で十三億円のものがありますが、これは購入契約をあれないで車輌を受入れて使用されております。いろいろ両方の事情もあることであります、鉄道使用することになれば一応購入契約を締結するなり、或いは賃借契約を締結して法規上の取扱は明らかにした上で使用関係を設定してお使いになる筋合であるのにそういう手続がないまま事実上使つているという問題であります。それからそのほかに、今のは機関車でございますが、そのほかに国有鉄道事業特別会計全体で機関車値段を入れて合して二十億円のものがやはり同様な事態にあります。而もその中には、もうすでに十六億円のものは年度内に車輌会社に払わしてしまつているのになお契約を締結せず、いわんや代金支払ができない状態である。こういう批難であります。これは政府支払遅延防止法の制度の一つの機縁にもなつたような事情にありますが、一応二十三年度の状況はそうでございます。一  それから五百四十六号は、貯蔵品取扱当を得ないものというので、札幌鉄道局で、二十三年度中に枕木を二十二万二千七百五十四本、鉄道のほうではその枕木としては不適当な品物なつたということで払出処分をされまして、その当時の価額は七千百万円の価額でありますが、これをほかのほうに転用されるということによつて実存額は少し少くなつておりますが、とにかく枕木として使えなくなつた原因を調べて見ますと、検収のときに多少まずいものも合して検収されたという点もありましようし、又駅土場に積んでいる間に使用の前後を誤つてだんだん下積みになつてそれが腐つて行つたというものもあろうかと思いますが、そういう状況になつております。又クレオソートを注入して防腐的な措置をとられた、その枕木自体が腐つているということは、初めから腐つた枕木クレオソートを注入された点があつたのではないかという問題であるのであります。  それから五百四十七号は加工に関しまして材料を交付しながらその後始末がついていないという批難なのでありますが、大阪鉄道局で毛布一方五千枚の加工用に要する材料として繊維品を渡されましたが、納入の契約期間が来てなお三カ年を経過しても何らの後始末がついていないというので、注意しましたところが契約を解除し十二月までに弁償をしておられます。同じような事案がグリースの加工用原料として渡された油脂類についてある、という問題であります。五百四十八号は、貯蔵品整理当を得ないものというので、国有鉄道事業特別会計の二十三年度末の貯蔵品棚卸と、それから棚卸残高と、それから出納簿残高を照合して見ますと、一億一千三百万円余の不符合がありまして、これを一括亡失処理をされている。それから又亡失処理をされたあと貯蔵品の帳面ずらと棚卸現品残との間にやはり三億一千六百万円の不符合があつて、二十三年度は取りあえずこれを未整理項目として、二十四年度のほうに繰越して来ておられるのでありまするが、このような不符合を生じます原因は、それぞれ亡失上の理由もございましようが、整理の不十分な結果こういう数字になりましたもの  と、現在においては亡失原因を探究して行く上に困難なる状態になつておるものもあろうかと思うのでありますが、いずれにしろ当時における事情もいろいろありましようが、前々からの皺が寄つた点もありますが、速かに整理をして、亡失防止措置、及び亡失の場合における整理措置が、もつと速かに適切に手を打たるべきではないかという批難でございます。
  4. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 政府の御説明を願います。
  5. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 御説明申上げます。五百三十五号の代金徴収の問題でございますが、このうち、東京鉄道局の分の約八百万円につきましては、昭和二十四年の十二月までに二十一年度分の一万五千円、二十三年度の十二万二千百九十八円、合計十三万七千八百七十三円を収納いたしておりまするが、その残りのうちの日本鉄道会に対する分の六百五十三万九千五百三十円、これは日本鉄道会閉鎖機関に二十三年の四月に指定せられまして、その関係で同年の五月に債権申告をしておる。なおその他の百三十九万四百八十五円につきましては、これはいろいろ督促いたしておりまするがその後の収納も進んでおりまして、只今のところは日本鉄道会の分と合せまして、ここに書いてございます以後に、これはちよつと計算しております、約百十九万円を収納いたしております。その後収納も進んでおるのでございますが、新潟鉄道局不二越鉱業に関する分につきましては、これは残りも二十五年の四月十一日に全部収納を完了いたしました次第でございます。これは検査院の御報告通り徴収方が遅れて、誠に遺憾の極みでございますが、責任者に対しましても十分注意し、且つ責任のある者は処分をいたした次第でございます。  五百三十六号の大井工機部において制輪子自家製作をやつたが、足りないために外註をいたした。ところが結局外註以外に又自家製作もやつて良品を出して、而もそれを安く売渡さざるを得なかつたという御批難でございますが、これは誠に御指摘通りかと思うのでありまするが、ただ当時の事情を考えますると、今日では誠に考えられないような情勢でございまして、非常に電車運行状態も悪化しておりまして、いわゆる殺人電車というようなふうに、いろいろの苦情さえあつた際でございます。この制輪子が欠けますると、たたでさえ非常に困難を極めておりました輸送状態に更に拍車をかけるというような状況でございまするので、何はともあれ手に入るものは入れなければならん。然るに一方一番大事な材料である鑄物コークスが非常に入手難であつたというわけで、急遽外註をいたしたということでございまするが、一方併しながらコークス状況が非常に好転いたしましたので、まあそれ以外の資材も非常に関係箇所が努力いたしまして、このほうが二十三年度に入つて自家生産活撥になつて、結局外註制輪子が或る程度不要になつたということに相成ると思うのであります。これはまあ自家生産原料入手その他の見込が確実についておりますれば、かような不手際は演じなかつたかと思うでござまいすが、まあ一方においては是非ともまあ特に電車或いは列車の輸送を落してはならんという非常な焦慮がございましたために、と同時に一方当時の情勢といたしまして、物資入手見込が殆んど確実な見当が立たなかつた、こういうようなことでこういうような結果を来たした。この点責任者に対しましてもそれぞれ相当処分を与えておりますが、事情におきましてそういうような事情のあつたことも御了承願いたいと思います。  五百三十七号の貯蔵品購入資金運用当を得ないもの、要するに被服類貯蔵品購入賃金買つたというお叱りでございまするが、これは御承知通り二十二年の冬と二十三年度の貨物輸送の一億三千万トン輸送、これは当時の日本経済再建のために何とか貨物輸送力を増強しなければならん、当時の貨物輸送逼迫状況は、今日も可なり逼迫して参りましたが、その程度ではなかつたのであります。それで格段の措置を講じなければそれができないというようなり見通しでて、いろいろ対策を立てたのでございまするが、なかんずく従事員勤労意欲を発揮させねばならん。最近の繊維事情から見ますると、全く夢のような時代でございましたが、殆んど繊維が手に入らない。従つて外で働いております従業員の苦難は、非常は筆舌に盡しがたいものがあつたのでございます。当時の状況並びにこれらに対しまする労働運動の当時の状況から見まして、被服類貸与に対する要求が非常に強かつたのでございまするが、それらを勘案いたしまして、この一億三千万トン輸送は、政府の政策として閣議決定を願いまして、閣議決定としてこれらの従事員に対する被服その他の材料も重点的に割当配給するという決定願つて安本その他にもその割当増加等を折衝し、相当割当を頂いたのでございまするが、この建前は、これをできれば全部すべて無償貸与したいということであつたのでございまするが、いろいろ予算事情で、結局一部は有償配給にして資金を回収するというような結果になつたわけでございます。これらの考え方でございまするので、作業に必要だというような観念が、今日のごとく情勢が安定して参りましたときと、当時の繊維事情等で考えますると、必ずしも今日の考え方で律するわけには参りかねるのではないかと思うのでありますが、その意味で以てこれらの職員無償貸与するものはそれぞれ貸与規定の改正というような手続を経まして、成規手続によつてこれを従事員貸与いたしたわけであります。又有償配給防寒チヨツキ單価が四百九十五円のそれを二百七十三円で売つたのは安いというようなお話でございまするが、これは防寒チヨツキの正平均單価貯蔵品の一律の評価換をいたしました際に、その同じ率を以て評価喚いたしたのでありまして、品質から見てどうしても高過ぎる。従つてこれを有償で配給する場合には購入原価評価換したほうが適当であろうということで評価換をいたしたのでありまするが、如何にも評価換手続を省略いたしましたために非常に安い価格で売つたというようなかつこうになつたと思うのであります。誠にこれはいろいろの事情からとは申しながら、当時の事情止むを得ざるものありと言いながら、手続上必ずしも万全でなく、不行届な点があつたことは誠に遺憾に思つております。なお名古屋鉄道局におきましてゴム底布靴無償で配給いたしましたのは、主として機関技工者履物等に難澁いたしまして、下駄履きで作業するというような状態で危險でもあり、作業能率上も考慮すべきものがありましたので、止むを得ず実施いたしたのでありますが、併しこれは成規手続経ずして局限りでできないことを処理したのでございまして、誠に手続上は遺憾の点があります。これは以後こういうことのないように注意をいたし、責任者には処分願つておる次第でございます。  次に労務者用石鹸購入に当つて処置当を得ないというお叱りでございますが、これは昭和二十三年度において安本から国鉄割当てられました労務者用石鹸個数は約二百五十万個ほどでございまして、必要個数の約二割五分に過ぎなかつたわけでございまして、これも又御承知のように機関区その他の工場等に必需の物品でありまして、当時の油脂事情から何とも割当だけではどうにもならなかつたと思うのでございまして、そのために当時出廻つて参りました市場品入手に苦心いたしていたのでありますが、まあ割当外といたしましては到底良品を得ることができなくて、結局会計検査院検査部報告の結果になつたのであります。誠にこの点は、何と申しますか安い物を、品質の悪い物とは知らずに飛びついて買つたというような結果に相成りまして、非常に遺憾に存じておるのでございます。この処置といたしましては結局この東京鉄道局管内で配給いたしました粗悪品二十五万個は結局品質価格等を考慮いたしまして、四対一の割合で良品と取換えさせて現場に配給いたしました。それから大阪鉄道局管内粗悪品四十九万個については二十四年十一月までに全部再製し、使用に堪え得る品として配給した次第であります。今後はこういうことのないように十分注意し、責任者に対してはそれぞれ処分を行うように手配したのでございます。  それから五三九号のウオーターゲージの問題でございまするが、これも御承知通り当時品質が非常に悪く、いい品物が入りませんので、だんだん使用中その他で壞れて行くと、出る水がどの程度あるかわからないで、機関車運転をしているという状況でございまして、労働組合従業員方面からは非常にやかましく、当時の情勢から見ますと安全運転というような当局側の設備の不備を衝いて、ストライキなりサボタージユ的な行為をやられる慮れもあつたのであります。少くともそういう言いがかりをさせないためにも、できるだけ早くこのウオーターゲージを備え付けたいというようなことで、従いまして多少焦つて入手をしたというようなことは確かにあると思うのであります、その結果検査院の御指摘のように、他鉄道局に比べますと、どうも値段が高いというようなものを購入したというような結果になりました。この点は誠に遺憾に存ずる次第であります。将来は特段の注意を払わせるようにいたしたいと思うのであります。これらの物品購入についての問題は概括いたしますと、全く終戰後におきまする物資不足の際、どうしても輸送を確保いたさなければならんという問題からいささか焦り気味であつたためにいろいろのこういう不始末が生じたこととなるのでありまして、経済状態が安全化いたしまして、終戰後の何と言いますか、戰争中から終戰直後に至りますところの滓みたいなものがきれいに整理された今日におきましては、こういうような心配も殆んどなし、又こういうような不始末をすることもないと思うのであります。当時の事情はいろいろ皆様も御記憶に新たなことと思うのでありますが、私経済等におきましても同様で、安い物を無理して買い溜めて使うというようなことも間々あり勝ちで、鉄道におきましても勿論公器でございまするので、できるだけ合理的に間違いのないようにやらせなければならんのでございまするが、どうしても輸送を確保するという立場上、いささかこういうような事件が出ましたことは大変に遺憾に存じておりまするが、御了承も又一面得たいと思うのでございます。  五百四十号の物品加工賃が著しく高価なもの、これは誠に担当者の事務の不慣れなためでありまして、実は加工賃見積り明細書亜鉛地金二五〇瓲と要りもしない多量の計上をいたしておるのでありまして、これは錫、アンチモニー、コークス等の副資材を分割して計上して、正確に計上すべきものを担当者の不慣れなために全部亜鉛地金として一本にまとめかような疎漏な見積計算書をやつたのであります。この加工賃そのものは、これは契約当時の物価庁公定価格亜鉛メツキ公定価格との差を引いて見ますと、六千百二十二円になります。従つてこれに運賃等を加算いたしますれば六千八百四十円となるのであります、これは当時の物価庁告示基礎として計算いたしまして、決して不当な価格ではないと思うのであります。ただ加工賃見積り明細書というものの手続がさように疎漏であつたということは誠に申訳けないと存じます。これは今後こういうことのないように十分留意いたしたいと考えておる次第であります。  薪製造代金の著しく高価なもの、これは御承知通り、薪炭も非常に不足いたしておりまして、工場用の薪炭等が不足いたしましたので、国鉄自家生産をやるというようなことで、兵庫県は自家生産を許可したのでありますが、自家生産の場合は製炭業者の供出を阻害しないというような建前から、経済的な殆んど採算もとれない不利不便な僻陬の地に指定されたのであります。国鉄としても決して望ましいことではざごいませんでしたが、何としても現物が手に入らなければ困るということでこれを大鉄産業に委託製造をさしたわけであります。併しながら該地は生野駅から二十数キロの山奥で、結局労務費と運搬費で以て経済的に非常に不利な契約單価とならざるを得ない。契約單価が当然高物価となつてしまつたのは誠に遺憾と思うのでございます。併しながら御承知のように二十三年八月以降薪炭も非常に需給度のバランスがとれて参りまして、所要量の配給を受けることになりましたので自家生産を廃止いたしたのでございます。五百四十二号、タンク車使用料支払でございまするが、これは内外輸送と日本石油会社かと名義変更の申請があつたのであります。それは結局旧軍に対し両社が債権を持つておる。それによつてその債権の代償としてこれを讓り受けたのだというような意味合でございますが、運輸省といたしましては、当時はなかなかそれに対してまあ確たる確認の方法もなく、又タンク車使用輸送状況から見て是非開始しなければならんというようなことでございましたので、運輸省としてはまあそのまま名義変更を認めたのでございます。これがけしからん、これがどうも確認方が不十分だというお叱りでございましたが、併しながらこれが大蔵省で結局国有物件であると決定せられましたのが、これが後日でございまして、従つて大蔵省もその後日決定のときから遡つて使用料に対しては弁償金というかつこうで取つておるということになつておりまするので、従つて成るほど形式的には終戰直後に遡及してということになつておりますのは、実際確定いたします間は一応かような処置も止むを得なかつたのではないかと思うのでございます。国有物件に編入せられて、各社のほうから大蔵省の方へ使用料を払うということに相成つたわけでございます。  次に五百四十三の函塊の北海道庁に対する無償貸付でございまするが、これは当時二十三年の七月の貸付の当時は、借入方の申入が北海道庁であつたと思います。まあ国鉄といたしましても相手が公共団体でございまして、且つ又差当つて使用の予定がなかつたのでこれを受諾したということなのでございます。併しこれをまあ貸付と申しましてもものがものでございますから返せないではないかという検査院の御意見御尤もでございますが、併し将来これが必要な場合には同じものを製作して返してもらえばいいということを考えておるので、まあ貸付と申しましても正確に言えば製作返還の契約と申しまするか、そういうような考え方でやつてつたことだと思うのでございます。で国鉄といたしましては近い将来に函館の水陸連絡設備の修繕及び改良工事に本件と同じ函塊使用する計画もあるのでありまして、その際は道庁からそう函塊を提供してもらえばいいと、かような考え方で現在おるわけでございます。併しながらこれらの物件管理に当りまして、検査院指摘のような考え方を十分に研究して見なかつたという点は職務執行上誠に遺憾だと思うのであります。これは今後そういうことのないように十分注意を与えた次第であります。  五百四十四号の貯蔵品を仮使用した件でございまするが、これは前回の委員会のときにも申しました同じことでございまして、貯蔵品の二十三年度中における物価の改訂が、予定以上の高い物価が高騰いたしましたために、こういう保有貯蔵品価格もこれに応じて改訂されましたが、福井の震災或いはアイオン台風等いろいろの災害復旧工事のために予算を超過することになつて、ところが追加予算が認められなかつたために、既定予算の範囲内で何とかやりくりをいたしたわけであります。とうとうやりくりのできない分が、検査院の御指摘措置となつてつてしまつたわけであります。誠にこれは遺憾な点でございまして、早速そういう行為をやめさせるように禁止の通達をいたしたわけでございまするが、これは又今度支出負担行為認証制度を確立されまして、国鉄資材部門から管理部門が独立いたして参りまして、こういうような事務上かような行為が起らないという制度が確立されましたので、今後はこういう点はないと、こういうことの起ることはあり得ないだろうと存じております。責任者に対しましてはそれぞれ嚴重に注意を与えた次第であります。  五百四十五号の未契約のまま車輌を納入させたものでありまするが、これは御承知のように終戰以来の輸送状況、特に二十三年度は貨物におきましては非常に輸送力が不足しておりまして、これが改善についでは国民経済の復興上第一の要件ともなつておりましたのでございますが、七月の物価改訂並びに例の均衡予算関係、両方ありまして、どうもこのままでは二十三年度の輸送量に対処できなくなり、一方車輌のメーカーのほうでは見込生産を行なつておりまして、結局当初の計画による車輌の生産を行なつておりましたので手持分を生じまして、何とか使つてくれないかという申入があつたのであります。御承知のように車輌は一般商品と違いまして他に融通性を転嫁するわけにも参りません。又留置して置きますことは、結局車輌が傷たんでしまつて折角作つたものがものにならん。こういうような関係無償使用というような措置をとつたのでありますが、かようなことを漫然といたしましたことは誠によろしくないことでありまして、ちやんと成規手続によらなかつたことは、検査院の御指摘通り申訳がないと思つております。なお責任者に対しましては十分注意を与えた次第であります。  五百四十六号の枕木の問題でございまするが、これはまあ戰時中、終戰後を通じまして枕木入手は非常に困難であつた。そうしてどうもそれがなかなか思うように入手できないというような状態で、運転保安上非常に憂慮すべき状態になつたのであります。そこで結局生産力の最も多い北海道地区に対して枕木をうんと買うような計画方法を立てた。そうしてこれをほかの鉄道局にも配給するという計画を立てたのでありますが、非常に厖大な計画を一時に実施したために不手際を生じた。同時に枕木検収員が僅かでありまして、急にはなかなか熟練した検収員が得られないということと、又生産地の山元の駅からの輸送が石炭、食糧、復興木材等の緊急物資輸送と丁度からみあつたため、結局滞荷を作つて検査院の検査の御報告のような腐蝕等を出したということは、誠に遺憾でございました。なお札幌鉄道局から東京ほか数鉄道局へ保管転換した不良枕木只今申上げました事由によつて発生いたしまして、結局腐蝕前にクレオソートを注入したということは、枕木の選別に対しまして、やはりまあ係員の不慣れとは言え、非常な経済的の損失を見たことで、まあ管理、或いは職務の監督上非常に遺憾な点があつたと思うのでございます。で、これらの実情に鑑みまして、その後物品検収、保管について特に機構の改善を図りまして、熟練した職員の養成を図つておりまして、今後はかかることのないように十分努力させるつもりでございます。  五百四十七号の、交付原材料が未回収のままとなつておりましたのは誠に申訳ございませんが、全く検査院の御指摘通りでございます。伊藤某に対する弁償金が未徴収に終つておりまするが、これは当人のむしろ自身のために只今督促中でございますが、思うように入金いたしておりません。大変遺憾に存ずる次第でございます。  五百四十八号の貯蔵品整理当を得ないものとございまするが、これは一般的な仕事のやりかたについてのお叱りでございますが、結局まあ終戰前後におけるこの混乱の垢落しを、二十三、年度末になつてつて、二十四年度から新らしく立派な方法でやつて行きたいと、かような考え方でいたしましたために、まあかように不行届の点がお眼に止まつたのでございます。勿論成規の上から申しますれば、亡失毀損の発見の都度整理すべきでありますが、液体燃料とか、ガス薪とかいうものは、保管中どうしても自然減耗がございまして……特に管理も十分でなかつた点もありましようが、相当の自然減耗もございます。直ちに亡失扱いにすることも決しかねております。又現品の移動等に伴つてどうも証拠書類等が損失し、出納簿整理ができなふつたとか、或いはその数量とか、滅失毀損の事由が確認できなかつたというために整理が遅れたおけであります。併し、どうしてもこの辺で一つ垢を落してすつきりしなければいかんということで、全部整理いたしましたために、かような結果になつたのであります。今後はその点に鑑みまして、二十四年度四月一日から伝票による以外は物品の出納がなし得ないように規定を改正いたしますと共に、輸送品勘定というものを設定いたしまして、輸送中の貯蔵品の把握ができるような制度に改めまして、こういうようなことのないようにいたしました。新らしい垢を落した状態から物品整理は再出発しようという次第でありまして、この点一つ御了承を得たいと思うのでございます。
  6. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 御質問ございますか。
  7. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 五百三十六番と、五百三十七番についてお伺いいたしたいと思います。  五百三十六番は、物品の売渡に関し経理処置当を得ないもの、ということでございます。東京鉄道局制輪子二万個帳簿価格が四百三十一万六千円の物を不用品として鉄道弘済会に百四十四万円で売渡した。これは殊更に手持貯蔵品を組替えて不用品として鉄道弘済会に売渡したもので処置当を得ないという会計検査院指摘されているところでありまして、これに対して運輸省の弁明によりますと、外註した品物で入つたのは四万二千個くらいで、自家製作と比してそれに品質が劣るので、従来の使用実績等を勘案の上二万個を未稼働品として処理することとした。責任者に対してはそれぞれ処分を行うよう手配中であるということがありますが、これと同様な案件昭和二十二年度の決算におきましてもあつたのでございまして、昭和二十二年度の会計検査院批難事項で、大阪鉄道局で八百六十三万円くらいの自動車の修繕用の部品を、一括講入して、その中の半分くらいに当る四百六十七万九千円を、これを不用品として鉄道弘済会の大阪支部へ一万九千円で売つてるという事項があるのでございつまして、その当時の決算委員会の記録によりますと、相当にこれは論議されまして、当局に対して御注意をしていたはずであるのでございます。先ほどの二十三年度の決算におきまして運輸省の弁明では、一応この処置をするについての経過については弁明されておりますが、二十二年度の決算では、こういう鉄道の外郭団体……世間でややもすればいろいろの関心を持つているようなものに殊更に不当に利益を与えるような措置をすることが適当でないということを委員会でも注意をいたしておるのでございますが、それにもかかわらず同じことを繰返してやつて、そうして弁明の趣旨は前年度の委員会の注意したことには何ら触れていないことを私は遺憾と考えておるのでございます。  五百三十七番におきましては、これは鉄道事業に直接の必要ない物品貯蔵品購入資金で調達して、これを無償で貸付けたという批難事項でありますが、これも昭和二十二年度の決算におきまして同様な案件があつたのでございます。それは運輸省資材局で、鉄道に直接必要のないような職員の靴とか、それから防寒具、シヤツとかいうようなものを購入して、職員に対して売払つていることは、これは購入資金使用が当を得ないものということを会計検査院指摘していたのでございます。二十三年度の決算におきましては、これを閣議の決定に基いてやつたのだという、その当時の事情は止むを得ないから、閣議の決定によつてこういう所定の手続を経て職員に貸付けたというように弁明していられるのであります、五三六番、五三七番、この二つはこれは二十二年度の決算審議においては委員会はいずれも会計検査院批難事項に対して御当局に十分なる注意を与えていたはずでございますが、同じことをこれを続いて二十三年度にもやつている。そしてその都度職員取扱者、責任者等に対しては嚴重な注意を与えているということになつておりますけれども、どういう一体考え方で、こういう批難事項を徹底させるようなことについて何かお考えになりませんか。幾ら決算の委員会でこういう不当事項を指摘しても、これは私は跡を絶たないと思うのですが、形式的な弁明でなしに、こういう不当事項があるならばこれは将来においては嚴重に愼むのだ、愼しまなければいけないのだということを職員に徹底させるような方針を是非立てて頂きたいと思うのです。将来決して同じことを繰返したりしないというふうな御処置をお願いいたしたいと思います。こういうことに対してこれは運輸省の御当局でどういうふうにお考えになりますか。その点をお伺いいたしたいと思います。
  8. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 只今不用品の売払の適当でない、貯蔵品購入資金の運用が当を得ない件につきまして昨年も同じことを指摘しているのにいうお叱りでござ、ました。誠に申訳なく思う次第でございますけれども、先ほど御説明申上げました通り、この二つの事件昭和二十二年の暮から二十三年度に入りましての当時の出来事でございまして、非常に当時の輸送情勢の逼迫と、それから並びに物資入手難入手の見通しがつかなかつたために非常にいろいろ焦慮いたしました点がかようなことを起した点で、その点は十分御斟酌をお願いいたしたいと思うのでございまするが、勿論建前から見まして、決して妥当ではないかという御判定のようでございまして、私どもそれぞれ当事者には注意いたしておるのでございます。又責任者処分を行なつておるのでありまするが、何分にもこういう御判定を頂きましたときにはすでに本件は事は済んでおりましたし、又仮にそういう判定を頂かなくても、当然今後はこういうことがないように経済事情の安定と経理制度が確立いたしました今日あり得ないような仕組になつておりまするので、今後私どもは再びかようなお叱りを呼けるようなことはないと思つておるのでありますが、又ないようにさせるべく十分注意をいたしたいと思つておるのであります。本件は昨年度お叱りを頂いた当時におきましてもすでに発生してしまつておりますし、又当時の事情といたしましては、先ほど私が申上げましたような事情で多少御斟酌を願いたい点もあるのでございます。これは一つ何分御寛大なお考え方をして頂きたい。今後は決してさようなことはあり得ないように制度も改正いたしておりますし、又経済状態も安定いたしておるのでございまして、いろいろなものの考え方も平常に復しておるのでございます。決してかような御批判を受けることのないようにいたしたいと思うのでございます。
  9. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 只今の御答弁は私はその当時の事情でこういうような売払の処置をとつたことについてはこれは御尤もなふうに伺われるのでございまするが、私の先ほどお伺いいたしましたのは、この五三六番の問題では特に鉄道弘済会に対して三分の一くらいの値段で売渡したことも当を得ないのだというような解釈ができるのであります。その点について特に二十二年度でも同じ鉄道弘済会に不当に安い値段で売払つたことはいけないのだというような委員会からの厳重な御注意ががありたのであります。それはこの政府の特別の何か関係があるような外郭団体というようなものが、これは弘済会のみならず、たくさん私はあると思いますが、そういうような外郭団体に対して特別の利益を与えるような売払をやつておることについては、これは十分注意しなければいけないのだという一般的のことからこういう注意があつたのだと思いますが、今後におきましては、こういう間にいろいろ不正や不当はないと思いますが、関心を持つていられることでございますから、処分をするについて十分この点を注意して頂きたいと重ねて私はお願いいたしたいと思います。
  10. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 弘済会へ払下げの問題でございますが、これは前回も御指摘頂きましたし、今回もいろいろ御注意がございまして、弘済会に一括払下げいたしましたときの事情は、これはまあ繰返して弁解になるようでございますが、いろいろな雑品が、雑多な品物がたくさんございまして、そういう際欲しいというものだけを売つてつたのでは全部の整理がつかん。従つてまあ俗な言葉で申せば、一山幾らというような払下げ方をいたさせたために便利な弘済会を利用いたしたのでございます。その点におきましてとかくの疑惑も受けることもよくないし、又弘済会の趣旨から言つても、かようなことに手を出すべきことではないということはお説の通りでございますので、この大井工磯部の制輪子もまだ払下方針がはつきりしない時代に弘済会に皆売渡してしまつた、誠に申訳ないのでありますが、その單価が安いのは、これはこの制輪子の使えないようなものは、スクラツプ以外に殆んど値段のつけようのない点で御了承願いたいと思いますが、弘済会へ納入ということにつきましては爾後一切やめにいたしておりまして、鉄道の払下げはすべて公開入札制度によりまして最も高く入札したところにこれを落すという制度に改めましたので、今後は只今お叱りを受けるような措置は殆んどあり得ないと、かように考える次第でございます。
  11. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 石井部長にちよつと伺いますが、これは弘済会はどういう処分をしたのですか。それで弘済会が他に転売しておるならば幾らに転売しておるのですか。
  12. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 大変申訳ございませんが、只今手許に資料がございませんので、次回に御報告さして頂きたいと思います。
  13. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 検査院のほうでおわかりになりませんか。
  14. 山名酒喜男

    説明員山名酒喜男君) 私のほうで調べましたところによりますというと、二十年三月三十一日に百四十四万円で売払契約いたしましたものが百五十万円で大仁商会に転売されております。
  15. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) これは石井部長、何かしらん背任的なものが私はこの中に潜在しておるような気持がするのですが……。殊更に弘済会に時価よりも安く売つて、そうして弘済会に相当の利益を得せしめるという最初からそういうことが意図せられておるのじやないですか。そういうような点についてお調べになつたことはないのですか。
  16. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 只今もお尋ねがございますが、決して私どもはさような意図があつたとは思わないのでございますが、先ほど申上げましたように、いろいろ雑品がたくさんございまして、これを欲しいというものだけに譲渡しておつたのでは整理がつかない、従つてまあ全部一まとめに引受けて持つてつてもらいたいということで、結局弘済会を利用することを考えついたと思うのでございます。ただおつしやるようないろいろな外郭団体の関係で、さようなお疑いを持たれることも、まあこれは一応御注意につきまして成るべく早くやめるべきであると私どもも考えております。いろいろ御批判のある、前からもそういうふうな関係各方面から注意もございましたので、至急に、これは多分直ちにと申しますか、やりまして、そうして一般公開入札の手続によることといたしたいと思うのであります。
  17. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それから五三七号、五四二号、五四六号、五四七号に対する責任者処分はどういうふうになつておりましようか。
  18. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 甚だ申訳がございません。五三七号につきましては、先ほど私或いは関係処分をしたというように申し上げたのですが、これは注意を与えたということでございまして、形式的の処分はいたしてございませんので、若しさように申上げたといたしましたならば間違いでございました。  それから五四二号でございますが、五四二号はこれは私先ほど申上げました通り検査院の御指摘もさることながら、当時の事情として運輸省といたしましては止むを得なかつた、又その間に何ら不正というような意味合もございませんものですから、これは何ら処分はいたしておりません。
  19. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 五四六号……。
  20. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 五四六日石のこの件はこれは関係者が非常にたくさんでございますので、実はお手許に差上げてある資料に漏れておるかと思います。これは誠に申訳ございません。早速お届けいたしたいと思います。
  21. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 五四七号はわかりますか。
  22. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 五四七号のほうは、これは注意を促がしておりまするが、処分はいたしておりません。
  23. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 注意はしてあるのですか、あなたのほうは…。
  24. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 当時の関係者はすでに退職しておりますので、追つかけて処分は如何かというふうに考えております。
  25. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) ほかにございませんければ運輸省関係は審議を保留いたします。
  26. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 次に遞信省の関係に移ります。時間も過ぎておりますが、少し何ですが、大分遅れておりますから説明だけでも一つ聞きましよう。  五四九号乃至五五〇、それから五五一号乃至五五六号、これだけ会計検査院の御説明を願います。
  27. 山名酒喜男

    説明員山名酒喜男君) 遞信省所管の事項で五四九号は職員の給料等のり名義で出しました金をみだりに使つたという事件が遞信省航空保安部であるという問題であります。架空名義で六百万円の金を出して三百四十七万五千円使つて残りのものを、現金を保管して職員に一時融通しておつたという事件であります。これはまあ経理としては非常に悪い事件でありまして、使つた金の、内容の金の三百四十七万五千円、それに列挙してあります。まあ成る程度止むを得なかつたと思われる事項もございますが、いずれにしろこういう金を出しましたにつきまして給料の支給調書等に作為を加えて出しておる。而も残りのものは温めていて職員の一時貸付等の処置をとつたということでありまして、関係者も非常に嚴重な処分を受けておるようであります。  それから五五〇号は予算の科目関係を違えて使つておるというわけなんでして、同じく航空保安部で木造瓦ぶきの建物の代金として二百四十万円を出し、又修繕費として六十九万円を出しておりますが、こういう関係予算が、出しました科目の中には全然積算されていない、予算の目的外使用であるということになつております。  それから五五一号は、歳入歳出決算の作成に当つて金額の計上が誤まつてつたという問題でございまして、歳入歳出決算の金額の中に分任繰替払等納出官吏の歳入金、歳出金というものが入つておるのですが、実際の分任繰替払等出納官吏の取扱金額を一年に積み重ねて行つて決算と合して見ますと、歳入が七百三十五万九千円、歳出が二千九百六十四万七千円違つておるという批難でありまして、本来こういうことのないはずなのですが、いろいろ経理上の処分の脱漏とか、或いは二重計上とかそういつたような経理に関する手続上の粗漏で、そういつたような金額が合つていないという問題であります。  それから五五二号は、これは遞信省の管下の各局所の職員の厚生福祉施設のために、農場、製塩、漁ろう等の事業を経営いたしておりますが、これに補助金が出ておりますので、その補助金で経営すべき筋合であるのに、その補助金だけでは足りないからというので、国費を差繰つて予算に計上のない金を差繰つてこの事業を経営しておるものでありまして、このことはすでに二十四年度の検査報告でも批難をした事項でありますが、早急に改まつていないということで、重ねて批難した案件。  それから五五三号は、東京ほか三遞信局、そのほか管下で工事用の箱番という名前で、物品という名前で七百四十一万三千円出しておられるのでありますが、工事用の箱番という名義は使つてつても、実際を見ますと、それは物品たる箱番ではなくて、固定式な建物になつていて、倉庫、住宅、宿直室等に使われ、又初めから倉庫として設計されたものもあるというふうに、金の使い方についての予算の科目が全然違う方面に経理をされておるという批難であります。二十一年度も同様の事案があるということで、直つていないということで出してあります。  それから五五四号は、郵便はがきの製造計画が当を得ないという案件でありまして、郵便はがきの料金が変るということを前提にいたしますというと、古い料金の郵便はがきの調弁については相当の手控えをいたさなければならんのではないかという案件でありまして、それが手控えをされない皆、初めの計画のまま註文を印刷局に出されましたので、買い過ぎた。それで而もそれが旧料金のままでありますので、使われないままで保有せざるを得なかつたという事案でありまして、注文における将来の見通しと、手控えの問題の手の打ち方が足らなかつた、こういうわけであります。  五五五号は物品を著しく高価に購入したもの、これは遞信省資材局で再製ロープ、中古織維を再製いたしましたロープを買われたのでありますが、金は六十八万三千円でありましたが、これは新らしい新品の値段に比べたり、或いは又すでに他の業者がこういつた再製ロープについて物価庁から許可を得た価格に比べて非常に高過ぎる。その高い実証として支払請求内訳書のあります一つ一つを見ますと、やはり支払請求内訳書そのままを呑んで買われるということはやはり高いという批難であります。  それから五五六号は、運送費の支払に当り処置当を得ないもので、資材局で高島屋飯田株式会社に請負わせました電話用回転椅子の運送費の二百八十一万三千円は、その荷造の体積を誤まつて申請のあつた、請負業者から申請がありました体積を誤認しまして、そのまま金を支払つて四十八万八千円だけ余計な金の支払になつている。こういう案件であります。
  28. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 政府説明を願います。簡明に一つ重点的に……。
  29. 肥爪龜三

    政府委員(肥爪龜三君) 只今報告になりました点につきまして、簡單に御説明申上げます。その前にちよつとお断り申上げて置きたいことは、この決算当時は遞信省でございましたが、二十四年の六月から郵政省、電気通信省に分れでおります。私はこのうちの電気通信省分につきまして御報告申上げたいと思うのであります。  この航空保安本部のことでございますが、これは実は昭和二十二年度の当時におきまして、職員の給与が著しく惡うございまして、民間の会社等におきましは、いずれも通勤費とか、或いは越年資金を支給しておりまして、職員の労働攻勢も又極めて非常に強かつたのであります。ところが役所におきましては、予算の窮屈な状態でございましたので、支給すべき予算が勿論ございませんでしたから、多少余裕のございました人件費から支出いたしまして、交通費の補助等支給したものがあるのでありますが、これは公務員法施行前のものでございまして、給与法には牴触いたさないのであります。併し先ほど御報告のありました通り、作為を加えてやつておるのでありまして、誠にこの点遺憾に堪えないのであります。その他の使用につきましても、その内容はいずれも正当に支出し得る使途に使用しておるのでありますが、これも作為を加えておるという点につきまして、誠に遺憾に存ずるのでありますが、将来はますます監督を嚴重にいたしまして、再度かようなことを繰返さないように十分注意をいたす所存でおります。なお総支出額六百余万円のうち、所得税及び共済組合使用いたしました八十万円余の中の所得税の納付額を除いた共済組合の十六万何がしにつきましては、昭和二十五年二月の六日返納済でございます。又職員の交通費、補助費のほか三件の支出額、計三百六十七万余円は、業務上誠に止むを得ない支出でありますので、そのまま処理することといたしたのであります。残額二百五十七万余円のうち現金で保管し、又は職員に一時貸付をいたしておりました百二十三万余円は昭和二十五年の七月の二十六日までに全部返納いたしたのであります。又関係責任者に対しましては、二十四年の九月三十日に戒告の処分をいたしたのであります。  次の五百五十号でございますが、これも航空保安部におきまして終戰処理費の事務費で家屋を購入したことにつきまして指摘されたのでございますが、職員の中には戰災、引揚等で住居に困窮いたした者が非常に多数でございましたので、職務遂行上支障を来たす慮れが非常に大きうございましたので、本費を差繰つて購入したのであります。今後は予算措置を講じまして、かような違法のことのないように十分注意をいたす所存でございます。  次にはちよつと飛ばしまして、私どものほうは五百五十三号に入るわけでございますが、この問題は移動式箱番の購入に名を藉りて、倉庫や住宅を新築したという問題でございます。移動式箱番と申しますのは、電気通信工事を行います場合にその工事材料工事用具類を保管したり、又は工事従事者の休憩所等に使用するために設備する簡易の移動式小屋掛であるのであります。従いまして工事の終了と共に解体いたしまして移動する性質のものでございます。逓信局や電気通信工事局等で購入いたしました箱番の中には、会計検査院の御指摘になりました通り、箱番の性質をやや逸脱したものがありましたことは誠に遺憾の次第でございます。これらに対しましては大部分国有財産に登録済でありますが、登録未済のものも、その登録を適当としないものは速かに本来の目的に使用するようにいたしたいと存じます。なお関係責任者に対しましては訓告又は注意処分を行なつたのであります。  次には五五五号でありますが、これは物品を著しく高価に購入したというのであります。昭和二十三年当時当局の貨物自動車にはロープが備え付けてございませんで、專ら荷造に使用する繩を使つて運搬をいたしておつたのであります。たまたま当時の資材関係の仕事につきまして指導をいたしておりました関係官がこれを発見いたしまして、至急ロープを整備するよう指示いたしましたので、購買担当者も数名の業者につきまして有無を徴しましたが、適当のものがございませんで、たまたま本品を持つておりました第一商事会社から購入したわけでございます。急速に設備しなければならなかつたという関係からいたしまして、割当を待つことができませんでしたので、いわゆる市場販売品を購入いたしましたために、統制価格に比べまして高価になつておりまするが、当時の一般市場価格といたしましては止むを得なかつたと思うのでございますから、この点御了承をお願いいたしたいと思うのであります。  次に五五六号でございますが、運送費の支払に当り処置当を得なかつたという問題でございます。代金支払の際におきましては、支払請求内訳書を十分検討いたしまして支払をしなければならないのでございますが、当時運送契約は一月平均六百十五件、支払件数は平均三百七十五件の多数がございましたが、これに従事いたしておりました人間は僅か四名でございまして、その内容を十分に検討せずに支払をいたしました結果、過払となつたわけでございますが、これは誠に遺憾でございまして、今後十分注意をいたします。なお過払金は一月の二十一日に金額回収済でありますが、関係責任者に対しましては訓告の処分を行なつたのであります。
  30. 内海信夫

    説明員(内海信夫君) それでは郵政省におきまして指摘を受けました事項につきまして御説明申上げます。  五五一の問題は、二十三年度の通信事業特別会計決算のうち、歳入歳出の金額はすべて全国の郵便局の分任繰替払出納官から歳入徴収をする、又は支出宮に報告されましたその金額と、それから分任繰替払出納官吏から主任官に報告されました金額とが符合すべきはずであるにかかわらず、それが違つておるという点につきましての批難でございます。これは全く検査院の御指摘通りでございまして、誠に遺憾といたしますが、何分とも全国約一万四千余の多きに互りまする郵便局におきまして歳入歳出金の収支をいたしておりまするし、又その収支の金額は逐一徴収官又は支出官に報告せられ、又同時に中央の主任出納官吏に報告されまする関係もありまして、その金額はなかなか合いにくいのであります。と申しますのは、郵便局の所在地は御承知通り全国津々浦々に分散いたしておりまするし、勿論その中には非常に交通の不便な離島等もございますので、報告書類が延着したり、到着しなかつたり、或いはその間に科目の相違、金額の相違、年度区分の相違というような計算違いもございまして、一定の期間までにことごとくそれを符合せしめるということは実際上非常に至難なわざでございます。殊に二十三年度におきましては、御承知通り郵政省と電気通信省の三省分離が行われました関係もございまして、それらの関係事務に係官が没頭しておつたような事情もございまして、この不符合事項の糺明調査に多少手が廻りかねたというような事情もあつたのでございます。併しながら何と申しましても合うべき金額が合わなかつたということに対しましては、非常に遺憾に存じておりますので、その後極力不符合額の糾明是正に努力いたしまして、今日の状態におきましては歳入におきまして三百三十一万円、歳出におきまして四百七十三万余円の金額がその後におきまして是正されております。又今後におきましてはかような不符合事項を引き起さないように、それぞれ取扱方法の改善、要員の配置替えその他の方法を講じまして決算の正確を期する考えでございまするから、何とぞ御了承願いたいと思います。  五五二の予算使用当を得ないという問題は、これは部内従業員の厚生施設の一つといたしまして、食料品の生産施設をなすに当りまして、業務費を、国費を差繰りましてこれに充当したという問題でございますが、この厚生施設は共済組合終戰後あの食事情の悪いときにおきまして、部内従業員の食生活を幾分でも緩和いたしまして職務能率の向上を図ろうといたしたのでございます。その後御承知通り漸次食事情が緩和せられまして、もはや部内におきましてかような施設を必要としなくなりましたので、郵政省におきましては二十五年十一月末日を以ちまして全施設を整理いたしまして、この部内生産を打切つたのであります。又電通省におきましてもほぼ同時期におきまして、全部これらの施設を整理したというふうに伺つておりますので御了承願いたいと思います。  それから五五四号の、郵便はがきの製造計画当を得ないものという問題でございまするが、郵便はがきは御承知通り、郵便事業上極めて必要なものでございまするので、その製法及び補給等につきまして常に万全の注意をいたしておるのでありますが、この批難の対象になりましたはがきを製造いたしました当時の状況を申しますと、紙の需給関係が非常に窮屈でありましたことと、製造価格をできるだけ安くするということから、年度初頭におきまして当該年度の製造の量を予定しまして、これを印刷局に示しまして製造の能率化、合理化を図つてつたのであります。二十三年度におきましても、やはり従来のそうした慣例に基きまして、年間の製造予定計画を以て九億二千万枚を予定しまして、これを印刷局に示しまして製造を進めたのでありまするが、たまたま当時郵便料金の改正案の議もありまして検査院批難の中にもありまする通り、当初その発註を調整しなければならん事情にあつたのでありまするが、併し郵便料金の改正がございましても直ちにその新らしい料額に基くはがきを調達するということはなかなか困難でございます。と申しまするのは、印刷のためにも相当の日子を要しますし、又全国一万四千とそれ以上のはがきの売捌所がございまするので、それらの末端機関までことごとくはがきを配給しまするためには少くも三カ月ぐらいの日子を要しますので、なかなかこれを調整するということになりましても、相当の困難があるのでございます。のみならず当時の状況を申しますと、郵便料金の値上げに関する法律案は五月の下旬に閣議に付しまして第二国会に提出せられまして審議されたのでありまするが、当時は公務員の給与改訂と鉄道料金の値上げに関する法律案も同時に提案されておりましたので、郵便料金の値上げの審議は、それらの重要法案に多少影響を受けまして、その議決がいつ頃になるかというようなことの見通しが非常に困難であつたというような事情もございまして、どのくらいの量を調整すればよろしいか、それらの点につきまして非常に当時苦慮いたしたのであります。そういうような事情から年度末に至りまして相当多量のいわゆる旧料金額のはがきを残すに至りましたことは甚だ遺憾に存じております。将来はかような事態に当面いたしました場合は、将来の見通しと、それから実際には郵便局或いら売捌所におきましての所要量を十分に見当を付けまして旧料金額のはがきが多量に残るというようなことのないような十分注意いたしたいと存じます。なおこの旧はがきはその後検査院の御指摘を受けた後におきまして、売捌きいたしたものが二千三百五十三万枚、それから部内におきまして郵便協議会用の擬信紙等に使用したものが二千百八十六万枚等がございまして、残の極く僅かな数量は全部売却いたしまして、全部その処理を結了しておりますから御了承願いたいと思います。
  31. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 御質問ございませんか。
  32. 森八三一

    ○森八三一君 五四九号につきましてお伺いいたします。五四九号の問題は政府の御説明がありましたように、その当時、非常に混乱をいたしておりました逓信省の重要な仕事を遂行するために、職員の給与関係を作為を以て支出したというようなことにつきましては非常に遺憾でございますが、その内容については了承したのであるというような御説明に承わつたのでありますが、若しそういうようなお考えであつたといたしますならば、検査院指摘されました保安部だけにこういう事件があつたのでなくて、逓信省全体を通じて同様の問題があつたのではないかというふうに思われますのでありますが、他の部局におきましても同様な実情であつたのか、保安部の関係だけがそういうような状態に置れたということであつたのか、その辺をお伺いをしたい。それからなお指摘されております共済組合の掛金、十数万円を返却納付せしめ、所得税につきましてはそのまま放置したと申しますか、何ら処分なしに今日に及んでおるというような御説明であつたように承わつておるのですが、所得税の関係につきましてはそのまま放置するという筋合には相成らんのではないかというように考えられまするのでありますが、大蔵省との関係、何かそこに了解でもありまするかどうか。税法上の関係もありまするので、今後どう処置されるかという点についての見解を承わりたいのであります。  それから五五二号につきまして、お伺いをいたしたいと思います。非常に多忙な、過重な労働に従事されておりまする逓信関係職員諸君に、その当時の食糧事情から申しますればこういうような施設を考えて頂きましたことは非常に温い気持であるというように理解はいたしますが、多数の職員を擁されまする逓信関係従業員に対しまして、この程度の施設では恐らくこれは問題にならんのじやないかというような感じがいたすのであります。そこでお伺いをいたしたいことは、具体的に農場なり、菜園なり漁ろうなりの施設がどの程度であつたのか、どこでどういうことを一体おやりになつたのか、それによつての生産が一体どう上つたか、その生産がどのように配給されたか、私ども感じまするところではこの程度の生産でありまするならば逓信関係の病院等に入つておる気の毒な人に特に加配をしてやるとか、その栄養を与えるという程度のものであつて、一般職員にこれを及ぼすというような程度のものではないのじやないかというようにも考えられるのでありまするが、若し私の省察をいたしておりまするような病院関係とか療養所関係というところの者に配給されたということであれば非常に結構であつたかと思うのでありますが、これが一般に配給されたとすればどういうように配給なすつたのか、実はこの程度の施設では了解ができないのであります。うつかりいたしまするとこれが特殊な階級の人だけの特別な施設である、そのために国費を非常に使つたということになつておるのではないかというような疑問も生れて参りますので、その実情につきましておわかりになつておりますればお伺いをいたしたいと思います。  それから委員長に一つお願いをしたいと思いますが、この批難事項に関係はござまいんが、逓信関係におきまして多数の電柱等の施設をお持ちになつておると思います。それぞれその電柱等の施設につきましては政府所有の土地にあるものもあれば民間所有の土地にあるものもあれば、極めて内容は多岐多様に亘つておると思います。而もその立地も都市にあるものもあれば山間僻陬の所にあるものもあり、それぞれ民間のものにつきましては適正な使用料を払つていらつしやる、こういうように理解をいたしておるのであります。不勉強で予算決算を十分調べておりませんので、二十四年度におきまして逓信関係両省を通じましてどの程度の施設があるのか、それに対してどのような單価でどのようにその経理がなされておるのか。今日はこの資料をお持ちになつていないと思いますが、資料として取つて頂きますようにお願いいたします。
  33. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 今の森委員の要求になりました資料を明後日この委員会を継続いたしますから御提出願います。今の森委員の御質問に対する御答弁を願います。
  34. 肥爪龜三

    政府委員(肥爪龜三君) 第五四九号の問題についてでございますが、この点は誠に遺憾な状態でございまして、只今この手続、作為を加えたからそれが悪いので、内容はいいというような意味の答えであつた、その点が問題だという御指摘でございます。なおそういうことであればほかにもそういうことがあつたかというような意味合に拜承したのでありますが、実はこういう作為を加えましたことが非常に悪いのは勿論であります。なおその内容におきましても、一応流用が許されることであれば、法規上は差支えございませんが、併しそういうような作為を加えてまで、そういう出し方をしたという内容におきましても私どもは遺憾に考えておる次第であります。なおほかの部局におきましてそういうことがあつたかという問題でございますが、ほかの部局におきましてそういうふうなことはやつておりません。ただ電気通信省は……、この保安庁は現在運輸省に入りましたが、当時におきましては特別会計の仕事がございまして、特別会計の電気通信事業を経営する面のほうは仕事が現業でございまして超過勤務をしなければならん場合が非常にたくさんあるのであります。そういうふうな関係から勿論予算上認められておるわけでございますが、長く勤務して当然の報酬でございますが、一般会計よりはもらう金額が絶対数において少し多いという事実はあるのであります。従いましてそういう面と併せて考えまして、一般会計のほうはそういう予算がないということ、で従業員組合も、大体当時は全逓と申しまして特別会計、一般会計共に一つの組合をなしておりますので、そういう関係がございまたので、格別絶対額として少い一般会計の方面に労働攻勢が非常にきつかつたということが想像されるのであります。そういうような関係からこういうふうな事態をもたらしましたので、その点は誠に遺憾でございましたが、一応そういう事情であつたことを御了承をお願い申上げたいと思うのであります。所得税及び共済組合掛金の八十万円の問題につきましては、ちよつと今当時の関係詳細にいたしませんので、暫らく時間を頂きまして、次の水曜日までに書面で正確に御回答申上げたいと存じます。
  35. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 今日は大分時間が遅くなりましたから、この程度にしまして、五四九、いわゆる逓信省関係は水曜日に続行いたしましようか、どうでしようか。一時半になりましたから、速記のほうの都合もありますから、本日はこれで散会いたしまして、明後水曜日の午前十時から逓信省の関係を続行いたします。水曜日は逓信省、労働省、建設省まで進みたいと思います。本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十九分散会  出席者は左の通り。    委員長    前之園喜一郎君    理事            岡崎 真一君            仁田 竹一君            溝口 三郎君    委員            寺尾  豊君            西山 龜七君            廣瀬與兵衞君            栗山 良夫君            小林 亦治君            村尾 重雄君            小林 政夫君            岩男 仁藏君            深川タマヱ君            千田  正君            森 八三一君   政府委員    電気通信省経理    局長      肥爪 龜三君   事務局側    常任委員会專門    員       森 莊三郎君    説明員    運輸省鉄道監督   局国有鉄道部長  石井 昭正君    郵政省経理局監    査課長     内海 信夫君    会計検査院検査    第三局長    山名酒喜男