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1951-02-14 第10回国会 参議院 決算委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月十四日(水曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件昭和二十三年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十三年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○議員派遣要求の件   —————————————    午前十時四十八分開会
  2. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 只今より決算委員会を開会いたします。  本日は昨日に引続きまして五百一から五百十二を議題といたします。溝口委員質問に対する政府の答弁が残つておりますから、それを先に御説明願いたいと思います。
  3. 佐木義夫

    説明員佐木義夫君) 溝口委員のこの前の御質問に対して御答弁いたします。  五百一号の十九億が二十四年の収入未済の十四億とどういう関係があるか、又この十九億が薪炭特別会計の四十七億の赤字とどういう関係があるかという御質問でありますが、それにつきまして御答弁いたします。二十三年度末には十九億の未調定のものがありましたが、二十四年度には認定した総額が百十八億でありまして、そのうち収入なつたものが百四億丁度、いわゆる調定総額に対しまして八五%のものが収入になつているのであります。で残りが十四億であります。私のほうでは古いものから順次取立てている関係がありまして、十九億は二十四年度の百四億の中に入つていると考えているのであります。又こういうものがありまして、この十九億は五十四億七千万円の赤字には全然関係がないのであります。  次に五百二号の問題でありますが、予算措置といたしまして運搬賃の中から十六億のものを商品代として組替えているというような御質問でありましたが、確かに運搬賃から商品代十六億を組替えまして、商品代は百七十六億となつているのであります。そうして実際支出をやりましたのは百五十億でありまして、二十六億が支出未済として残つたのであります。この二十六億は中金立替払いとして支払うべきものが二十二億ありましたし、又四億は国有林特別会計支払うべきものがあつたのであります。ところが収入が思う通りになくて、手許金がなかつたのであります。そういう関係でこれが支出未済となりました。翌年度になりましてこの二十六億は支払うというような形になつているのであります。最初予算措置をいたしまして、同じ年度内に支出をやり完済したいと思つたのでありますが、残念ながら収入がなかつた関係上こういうことになつたわけであります。
  4. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 別にございませんか。
  5. 濱田正

    説明員濱田正君) 五百八号に関連して、この制度昭和二十年から始めまして、普通でいいますれば生産者から炭を買うとそれが木炭事務所請求が来て、木炭事務所から本省のほうに請求が来て、本省から金を木炭事務所に渡して、それから生産者に渡る、こういうまわりくどいといいますか、ゆつくりした方法をやつておりますと、生産活撥にならん。だからできるだけ早く、生産したら生産者の手に金が入るという制度にすれば、生産も大いに活撥になつて来る、こういう建前から先ず山元において政府検収する。検収しますとその調書を生産者中金に差出せば直ちに金が生産者に行く。そこで直ちに生産者に金が行けば中金に対しては政府借金になるわけです。そこでその中金に対してあとから政府が金を支払う、こういうやり方が一番金が早く生産者に入る。入ればそれだけ生産活撥になるだろう、こういうやり方でやつたわけでありまして、これは昭和二十年度からそういうことが始まつたわけであります。そこで説明が前に戻りまして、そういうふうに中金に立替えて払つてもらつてつた金が二十三年度末において二十二億あつたわけであります。で、その金を予算の枠を運搬賃から商品代のほうに持つて来て、予算で大丈夫だろうということになつて、その金を翌年度中金全額払つたと、こういう関係のものであります。
  6. 溝口三郎

    溝口三郎君 前年度繰越商品代に二十六億もあつたのはどういうのかというのが私のこの前の質問で、収束過程における各方面公団等でいろいろの不当事件或いは不正事件があつたので、且つ薪炭需給特別会計は第六国会以来国民の関心を持つておるところであつたので、決算の報告に二十六億繰越しておるということがあると、一応これを伺つて置きたいと思つてお聞きしたので、中金国有林特別会計支払うべきものが繰越しになつておるということがはつきりして私は非常に結構と思います。なお運搬費を三分の二くらい使つて、三分の一は翌年度繰越したのはこれは事実上入荷が少なかつたのか。それから途中で運搬賃は卸のものも山元のものも駅頭渡しということで運搬賃の節約をしたのか。そういうので、不用額として出て来たのは不用額として処理するのをどういう理由で繰越にしたのかということをこの前に伺つたのですが、運搬費のほうについて御説明をお伺いしたい。
  7. 濱田正

    説明員濱田正君) 運搬費につきましては、たしか薪につきまして初め山元買上げであつたの生産量が相当殖えて来生して、薪の需給はさきほど心配するほどのこともあるまいというわけで、今度は駅頭買上げに直して来た、つまり山で買つて来るやつを今度は駅で買うという、こういう態勢に直して来たために運搬費がそれだけ減つて来た、こういう関係であります。それで支出未済繰越になりました関係はこの特別会計自分予算幾ら枠がありましても、この枠の限度つた幾ら払つてもいいというわけではありませんで、自分手許と言いますか、自分会計収入なつたその限度で払わなければならんという、こういう関係がありますので、その収入の都合によりまして支払が翌年度に延びて来ておる、こういうことが出て来ておるわけであります。
  8. 溝口三郎

    溝口三郎君 今の御説明に関連しまして二十四年度運搬予算と、そうして繰越の十六億を入れたのとで歳出予定価格幾らになるか、そうしてそれに対する実績はどうなるのか。そうしてそれの増減があつたならばそれはどういうような措置をしたかということをお伺いしたいと思います。
  9. 濱田正

    説明員濱田正君) 二十四年度薪炭特別会計決算書提出してありますが、それによりますと運搬賃が、歳出予算額が四十億でありまして、二十三年度からの繰越分が十五億、そうして二十四年度決算で三億二千五百万円というものを不用額ということに見ております。それで二十四年度につきましては、この運搬賃不用額になつたのは、二十三年度末あたりからそろそろ特別会計経理状態が非常に危險な状態であるということがわかつて来ましたために、どうしてもこの会計を建直すためには何らかの手段を講じなければいかん生産者価格を下げる、こういう方法はできない。消費者価格を上げる、こういう方法はできない。だから特別会計経費をどうしても切つて行くという建前でやらなければならんというので、陸上運賃海上運賃を大体一割から二割という程度まで切り落すという操作をやつたわけであります。そういうわけで運搬賃をぐつと落して来た、こういう事情であります。
  10. 溝口三郎

    溝口三郎君 私は今御説明伺いまして、前年度から繰越して来ておるのが十五億くらいあつて、そして不用額が三億二千五百万円ということになつたのですが、こういうように非常に大きな繰越をしておるのは、前年度からの運賃の切下げをして、そのときはつきり不用額を立てたなら、こういう繰作をせずに二十三年度不用額を立てるほうが措置としては適当かと思いますが、それを二十四年度までそのまま引ずつてこれを持つて行くというようなこと、又二十四年度財源にして、いろいろに流用なんかの財源にするというような考え方をするについては、よくないという気がするのです。なお当時の事情をお伺いいたしたいと思いますが、二十四年度予算は四十億になつておるのでありますが、この予算編成は、恐らく二十三年の八月時分に私は大体できていると思う。その後十一月頃になつて運賃駅頭渡しというようなことで節約して来たというのだから、四十億は数量が同じならこれはずつと下つて三十億くらいに下がるものである。それが五十四、五億も実績は使うというのは、どういう関係でこういう額になつたのですか、数量でも非常に殖えて来たということになるのですか。
  11. 濱田正

    説明員濱田正君) 二十三年度と二十四年度の関連でありますが、二十三年度運般賃予算と考えたものは、大体九十四億程度つたのでありますが、二十四年度はこれは補正予算をいたしまして四月、五月、六月、七月、これまで事業をやつて八月一日から特別会計が止つたわけであります。従つてそこから運搬賃は不用になつたわけであります。従つて二十三年度と比べれば約半額以下くらいの運搬賃ということで任事をやつたつわけであります。
  12. 溝口三郎

    溝口三郎君 五百八番の立替支払をさせた薪炭購入代金というのは、立替支払をさしたというのは、銀行から業者のほうに直接立替えてやつたのだということなのか。林野局が超過して借人して、そうしてそれを業者に渡したのか、そういうならば立替支払ということは字の意味と一致しないから、どういうふうに三者の間に支払をやつたのかということをお伺いしたいと思います。
  13. 濱田正

    説明員濱田正君) これは先ほども申上げましたように、政府検収をいたしまして、生産者支払証標という独得の手続ですが、政府のものになつたという証拠です。つまり政府所有権移つたのだという証拠です。それを支払証票というものに書いて、そうして生産者がそれを中金に持つて行けば直ちに金になる、つまり政府の手を通ずるのでなくして中金から直ちに金が生産者に行く。それは政府が金を払うのに成規手続でやつておりますと時間がかかりますから、そういう早く金になるという方法で、現場ですぐ支払証票という政府の発行した書類を持つて行けば中金から直ちに金が入る。言い換えれば中金政府に代つて払つたということであります。これを言い換えれば政府中金借金がある、こういうことになるわけです。そこでその借金あとから返さなければならん、先ず借入金を直接中金から政府薪炭会計に金が入つて薪炭会計から生産者に行くのでなくて、中金から生産者行つて、そうして政府中金借金があるという形になつて、これを返して行く、こういう形になるわけです。
  14. 溝口三郎

    溝口三郎君 もう一点お伺いいたしたいのですが、五百九番の代行制度というのについて、これは薪炭購入、売渡し、輸送及び保管業務代行業者に一任したことによつて薪炭の現品が不足して行つた、これは代行業者責任であるというように会計検査院は指摘されているのでありますが、林野庁ではこの責任追及をどういうふうになさつたのか、根本的に代行制度ということに対する林野庁の御見解を私は承わりたいと思います。
  15. 佐木義夫

    説明員佐木義夫君) この五百九号には、代行業者に一任したという言葉使つてありますが、これは請負業者意味でありまして、嚴格な意味代行業者でないのであります。私のほうが請負契約によりまして、そうしてやらせているということでありまして、やはり請負業者から契約内容によりまして請負業者責任をとるべきものはとらせる、追徴金で弁償させるとか或いは現物を出すというような処置をとつているのであります。
  16. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 具体的に説明願いたいということだと思いますが、あなたのほうで請負業者に対して責任追及すべきものは追及している、こういうわけですが、その内容を聞いているわけです。
  17. 濱田正

    説明員濱田正君) 順番にもとの山からお話して行きますと、山で政府が買うときに支払証票が出る。支払証票が出て金が出る。支払証票が出ると、これは政府のものです。政府のものですが、政府の公務員が一々全国何十万とある場所に出張つて行つて常に見ているというわけには参りませんからして、集荷業者、これは生産者から登録を受けて合格した集荷業者です。その集荷業者が管理をしておるわけです。そこで管理しておつて盗難とか、或いは不可抗力以外の不注意によつてなくなつたとか、或いは頻りに言われた例の空気木炭、又山にありながらこつちで金を払つた、こういうものはこの特別会計清算におきましてだんだんわかつて来ましたから、その責任追及して現物で補填させるとか、或いは弁償金を取るとかということで責任をとる、こういうことなのであります。それから次は今度はその集荷業者が例えば盛岡から東京まで運ぶ際に集荷業者が駅まで持つて行く、駅まで持つて来て日通に渡すわけです。日通に渡したら、ここから政府日通との契約日通消費者まで持つて行く。そこで集荷業者が百俵日通に渡した。ところが東京の駅に着いたときに八十俵しかなかつたということになりますと、その二十俵分を日通から弁償金を取る、こういうやり方責任追及は具体的にやつているわけであります。その具体的の数字只今お配りしました資料の一番最後にありますが、例えばこの資料の一番最後の「現物不足」の下のほうの現物補填をさせた、又集荷業者責任をとらせて現物を補填したもの、或いはわからなかつたが、どこへ行つてつたということがわかつて、改めて売却して金を取つた、或いは出荷者が途中でなくして、そのために弁償金を坂つて行く、こういうふうにして具体的に責任追及するわけであります。
  18. 溝口三郎

    溝口三郎君 代行という言葉使つているが、これは単なる請負契約だというふうに一応伺つたのですが、代行という言葉はこれは林野庁ばかりでなく至るところで無雑作に実は使われているのでございます。先日厚生省の所管事項の中にワクチンの配給代行機関というようなものがありまして、私はこの制度についての資料を頂くことになつているのでありますが、内容をお聞きいたしたいと思つております。最近の公団におきましては各公団とも代行という字を使つて、非常にたくさん代行という字が使われて実はいるのでありまして、飼料配給公団等においては名称輸入飼料業務代行者というような名前を付けている。産業復興公団でも引取荷渡事務代行商社というようなものを作つている。油糧公団でも油糧保管契約代行とか、食糧配給公団等でも代行機関というものを設けているのであります。私は代行ということは、これは公団のような性質のものは公団国家代行機関であるのだから、公団は国が意図しているものを公団というものはその通りに実現することを図るのだ。だから直接私はこういうような業務については公団自身が私はやるべきものじやないか、それをブローカーのような倉庫も持つていない、運送するトラツクもないようなそういう商事会社のようなものに国家代行機関だというような名称を付けさせて、そうして二割から三割くらいの手数料とかマージンとかいうものを取つていることが、私は公団経理の非常に乱雑になつた原因じやないかと考えているのです。代行という字は私はもつと厳重に厳格にこれはよく考えて頂きたい。国の直接やるべきようなことをそれを代行させるならば、本当に国で考えている通りのようなことをそのものに任せるように、もつと厳重に言えばそれに農林大臣の一部の権限でもこれは譲渡して、特権も与えて、そうして農林大臣の考える通りなことをさせるくらいの考え方でやつてないと、国の代行というような名称を付けてまあ一部の営利会社に任している、而も検収から輸送、売渡、保管、これを一貫して官庁がただ机の上で書類整理しているというようなこと、これを若し将来もやつて行かれるようなことになると、私はいつまでたつてもこういう問題が出て来ると思いますから、この点について十分に私は考慮を払つて頂きたいと思います。私は会計経理制度をできるだけ確立して、そうして一定の基準を作りたいという念願を持つているのでございますが、制度幾らよくても、それを実行する人が無雑作な、いい加減なやり方操作をすれば、これは仏作つて魂入れずというようなことにもなるのであります。どうかこの代行ということに関する請負契約のような、代行要綱と言いますか、請負契約と言いますか、現在使われているそれの規定林野庁にあれば、その規定を御提出願いたいのであります。なおその規定に基いて五〇九番の長野の木炭事務所で何か一つ契約についての相手方と授受した契約の写しを、どういうような手続をその契約規定に基いて実行しているか、これを写しも併せて私は御提出をお願いいたしたいと思うのです。私は代行ということについてしばしば申上げているのでございますが、そうして御説明も伺つているのでございますが、まだどうも釈然としていない点があるので、林野庁の分についてももう一応研究して見たいということから私はお願いしているのでございます。この代行ということについて、これを私は実は十年間どうすればいいかということを非常に考えたのでございますが、まだはつきりいたさないところがあるのであります。実は先ほど私が申上げたような国家代行機関というものは、農林大臣の職権の一部も移して、そして国家業務をその通り実現させるような法律上の機関が必要じやないかというようなことから、昭和十六年に農地開発法立案して、そのときに只今公団の前身の農地開発営団が設立されたのでございます。農地開発営団は真の意味で私は国家代行機関ということに考えていたのでございますが、そのうち終戦直後になりまして、緊急開拓計画というのができ、そして開拓全額国費でやるのだ、併し国が直轄でそれはできないから、そして非常に規模の全国亘つて大きなものでございますから、できるだけこれを実行促進するというためにも、農地開発委託事業というようなことができて、これは個人団体に国の事業を委託したのでございます。費用は全額国庫負担で委託してやつてつたのでございます。それが個人団体でございますが、団体は地方の市町村、農業会等団体も含まれております。そういう個人或いは技術能力の余りないような団体等国家業務を委託するというようなことはこれはその成功が思わしくないということから、それも廃止して、そして二十三年の五月になりましてから、今度は開拓のうちの建設工事というものを、これを都道府県代行させるという制度をとつたのでございます。そしてその後二十四年の八月まではそういう制度でやつて行くのだ、個人団体というようなものを整理して、国家代行機関都道府県であるのだというような考えでやつたのでございますが、それにもなおまだ疑義が実はあつたのであります。そこで二十四年の八月に土地改良法が施行になりましたが、この立案をいたしますときに、第八十九条でございますが、都道府県知事に国は建設工事委任することができる、そして委任工事という名称を付けて、そして十六年以来わだかまつていた、ぼんやりしていたような代行制度というものを法律ではつきり委任工事ということにしたのであります。そしてそれは農林大臣府県知事委任するのだ、そしてその委任はこれは民法上の契約ではないんだ、直接農林大臣指揮命令を受けて府県知事国営事業委任工事を実行するのだというような経過をこの十年間に辿つて、そして代行制度というような漠然とした制度というものをここにはつきり法制化して、国家代行業務というようなものは農林大臣が直接指揮監督して国家機関である府県知事委任するのだというふうに法律の上にはつきりそこまでさせて、それに基いて将来国営事業というものを正確に公正な取扱ができるように私は進めたいと考えて、十年間かかつてこういう立案をするに至つたのでございます。そういうような経過から申しましても、私は漫然と代行というような字を使つて、それが請負契約であつて、そうして而も現在各方面で問題ができて、中門のマージンが非常に多いのだというようなこともあるのでございます。今度の米の運賃プール機関を拵えてはいけないのだ、国が直接やれ、そういうような場合に、私は食管は、これは人員は殖えても、そうして経費は余計かかつても、やはり国は国の手で自分末端消費者まで米が届くようにすることが国の責任でもあり、義務でもあると思うのであります。運賃プール機関を作らずに国が直接にやらなければいかんということになつたが、又代行会社とか代行商社とか、そういうようなものを契約の中に入れて、そうして官庁は机の上でこの商事会社のようなものを使つてやらせるような甘い考え方が若しも残つていると、私は将来のために禍根を残すような気がいたすのでございます。そういうような意味で是非とも林野庁においても一つこの問題については十分研究をお願いいたしたいと考えておる次第であります。私の質問はこれで終ります。
  19. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 別に御質疑はございませんか。
  20. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 この機会にちよつと伺つて置きたいのですが、薪炭特別会計の現在における赤字と申しますか、国損は大体どのくらいのものですか。
  21. 濱田正

    説明員濱田正君) 只今お配りしましたこの資料で御説明申上げると非常に便利だと思いますから、旧薪炭需給調節特別会計整理状況と書いたこれで御説明申上げます。一番上は文章で書いてありますから、その次から数字によつて説明申上げようと思います。只今御審議願つておるのは二十三年度決算でありますが、二十四年度決算についてまず申上けます。最初の頁の一番上の二十五年三月三十一日貸借対照表、これがそれであります。一番上にありますこれによりますと、利益として六億六千五百九十六万七千何がしとなつております。これは特別会計赤字だと言つて利益だとは何だということになりますが、このバランスシートでは、前々回の国会で御承認願つた話の2に書いてあります五十四億七千万円というものがこの特別会計に入つておるから、利益になるわけです。でありますから、これを赤字を出すために計算しますれば、五十四億七千万円を頂戴したものから利益なつたもの六億六千五百万円を引いたもの、つまり四十八億というものが二十四年度末の赤字と、こういうことになります。それから清算がまだ着々と進行させておりまして、その次の表を御覧になりますれば、これは今度は二十五年度決算の一部になるわけでありますが、その中間の十二月三十一日で一応とつて見ますというと、利益が五億三千六百万円、こういう利益になつております。従つてこの時点でつかまえますれば五十四億七千万円から五億三千六百万円を引いたものがこの特別会計の赤とこういうことになります。それでここで申上げなければならんことは、二十四年度決算において六億六千五百万円の黒、つまり四十八億の赤であつて、二十五年十二月三十一日になつてその利益が少し減つたではないか、こういうことが問題になります。それで先ずこの減つたわけは、この清算に従事する事務についてやはり従事する担当者が要るわけでありまして、やはりその事務人件費として五千一百万円程度かかつておるということと、それからその後二十五年度に入りましてだんだんとしめて参りますというと、相手方から金を取り過ぎたものが出て来まして、払戻しをしなくちやならんとこういうものが出て来ました関係上、二十四年度末において六億六千五百万円の黒が五億三千六百万円の黒に少し落ちて来たとこういう関係であります。これが最近における薪炭会計の現状であります。その次の表は、薪炭会計整理の一番末端でやつておりますのは木炭事務所でありまして、これが四十七あつたのでありますが、逐次整理の完了と共に事務所を廃止いたしまして、最初昭和二十四年の十一月三十日の津を初めといたしまして、二十五年、昨年の十一月三十日を以て東京廃庁をして全部木炭事務所はなくなりまして、あと林野庁における薪炭課が全部を統括して、全部を集めて整理を進めておるわけであります。人間としましては、現在は薪炭課における人間だけで、木炭事務所人間は全部それぞれ他の官庁なり、或いは退職するなりして片附いたわけであります。それからその次の表は前々国会においても問題になりましたところの政府が持つてつた手持木炭、これがどのくらい値下りするかという問題であります。当時の状況で行きますと、相当出荷がオーバーして参りまして、統制はもう解除してもいい状況になつて解除したわけでありますので、その傍の状況によりまして政府の手持木炭が下りまして実際に売つた価格と、もとの公定価格と比較すると総トータルにおいて二割六分の値引き、八億六千三百万円の損失をしておるわけであります。それからその次は、これも現物不足という問題でいろいろと審議を願つたわけでありますが、その処理の状況がその一覧表に書いてあるわけであります。それでこれはこの最後の合計金額のところを見て頂けばわかりますが、このうちで国の収入なつたものが七億二千五百万円、それから国損、国の損となつたものが七億六千七百万円、それから帳簿上の誤算、記載間違いで当然帳面に載せるべからざるものが載つてつたという、その計算間違いが四億四千六百万円、こういう書類を完成したわけであります。
  22. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 帳簿上の誤差が四億なんぼという数字ですが、帳簿上の誤差にしちや余り大き過ぎやせんかと思うのですが、これについてどういうことでこんな大きな数字が出ておるのですか。
  23. 濱田正

    説明員濱田正君) これは全く事務的の手違いで誠に申訳ないことでありますが、前回のこの委員会でも長官から説明しましたように、事務上の、発地着地の事務的の手違いや対位取り、対換算間違いというものが出て来たわけであります。例えば帳面の組織はこういうふうになつております。盛岡から東京出荷する。その盛岡では東京出荷した、輸送途中というふうになつて帳面に載つております。それで東京から確かに着いたという知らせがあつたら、そこでその帳面から落ちると、こういう組織になります。ところがそれが東京から着いたという知らせが東京からは出したのだが、盛岡には着かなかつたということもあり得るし、東京で出すのをつい忘れておつたということもあり得るし、そういうことで、つまり東京ではすでに売つてしまつてつた、売つてしまつてつたが、盛岡ではまだ帳面に載つてつた。そこで二重にそこへ記載されたということが現われて来るわけであります。そういう手違いが十年間重なり重なりまして、それが年度末において評価換えされまして、だんだん公定価格が上りましたから年度末に評価換えされまして、架空なものが大きな金額で載つかつて来た、こういう関係なつたわけであります。
  24. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 この薪炭特別会計赤字に関する資料只今御配付を我々頂きまして大体の説明政府のほうから今聞いたんでありますが、なおこれについてはこの資料に基きまして我々一度よく検討いたしまして次の機会に又一つ詳しく質問をいたしたいと思います。ただ私はこの際にもう一応伺つて置きたいのは、いろいろな赤字の原因はあつたでしようけれども、中でもやかましく言われております空気木炭とか、或いは又冷凍木炭とか、冷凍木炭ということは溝口委員がちよつとこの前の委員会で説明しておられましてわかつたんでありますが、空気木炭で過日林野庁の相当な責任ある、地位にあるものが三重県で自殺したとかいうようなことが新聞に出ておりましたが、そういうことが一体どういうことから起きるのか、なぜ一体空気木炭というような名前がついているのか、その点をちよつと一遍説明して頂きたいと思います。
  25. 濱田正

    説明員濱田正君) 空気木炭という新語の意味でありますが、ないものに対して支払証票が出て、物がないから空気だとこういうわけでありますが、これはなぜ起きるかという問題であります。これは本当を言えば政府の都合たけで言えば、着駅で買つて、相手が着駅まで持つて来て、そうして政府が買う、こういうことで空気木炭ということはあり得ない、或いは発駅で買つて確かに汽車に乗せた、それで鉄道の証明があつて、それで金を出す、こうなればこれは空気木炭はあり得ないわけであります。ところがだんだん需要が逼迫して参りますと、政府需給調節の責任を持つておりまするからして、物が買えなかつたからわしや知らん、こういうわけに行きません。だんだんと生産者の御機嫌を考慮しなければならん。だんだんと山の奥に入つて行く、山のトラツクが通るところではどこでも買う。もつと甚だしくなれば焼いている窯の前で買う。こういうことが行われるわけであります。ところが理窟はその理窟でいいんでありますが、政府の職員はたしか始まつた時分で千人足らずでありました。二十三年頃になつて漸く二千人くらいになつたのですが、全国何十万カ所あるようなところへなかなか政府の職員が一人一人出張つてがんばつて見ているというわけに行かない。それで検査員がいて検査するのでありますが、その検査員自身も自転車で走り廻つて検査して廻るのでありますが、そう隅々まで検査して廻るということができなかつた。そこで相手方がこれだけ作りましたという数字によりまして支払証票を出して金が出るということになる、ところが作りましたというのが豈はからんや行つて見ればまだ山に木が生えておつた、物ができていない、言い換えれば金融詐欺だということになるのです。山に木が生えていればいいほうで、全然初めからなかつたというものがあり得るわけであります。それを称して空気木炭ということになるわけです。それでこれの処理でありますが、検査院の批難事項にもありますように確かに誰から幾らつたということはわかつているのでありまするからして、なければ現物で出す、現物がなければ金で出す。こういうふうにして弁償させる。こういうやり方であります。
  26. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そういたしますると、先ほどお話になつ代行という意味がどうとかいうことの議論は別といたしまして、仮に請負業者としても、請負者というものがあればその請負者が相当お調べになつて、請負者を定められているんでしようから、従つて請負者の手許でそういうことは処理されるのではないでしようか。
  27. 濱田正

    説明員濱田正君) その請負者は政府側が選定するのではありません。これは生産者からの選挙によりまして一定の票数を取つたものが合格するといいますか、合格してそれと契約するということになるわけであります。そこで請負者がそういうふうにカニエ委員が今おつしやつたようにがつちりやつてくれますれば空気木炭はあり得ないわけであります。そこで我々としてはこの生産過程において請負者を相手にとつて現物を出せ、金を出せ、こういうことになるわけであります。
  28. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 まだこの点についてはいろいろ伺いたいと思うのですが、先ほど申上げました通り後日の機会にいたします。この際資料の要求をいたして置きたいと思うのですが、二十三年度、四年度を通じて支払われた金額の主なもの、炭がどのくらい、それから薪がどのくらいどこに支払われておるかということと、それから特に運賃ですね、運賃がどれだけ支払われたか、その中には日通にどれだけ支払つたか、それから鉄道にどれだけ支払つたか、日通以外に支払つた場所があれば、共に一つ表にしてお出しを願いたいと思います。これだけをお願いして置きたいと思います。
  29. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 私のほうから少しお尋ねしますが、この利益は一億三千万円くらい減つておるわけですね。六億六千五百九十万円、それから五億三千六百二十余万円ですから……。この内訳は人件費は五千一百万円出られたわけですね。
  30. 濱田正

    説明員濱田正君) さようでございます。
  31. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それから払戻しになつたの幾らなんですか。
  32. 濱田正

    説明員濱田正君) 資料はあります。
  33. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それではそういうものを出して下さい。それから木炭事務所の廃止によつて職員の転退職が行われておるのですね。退職したものはどのくらいありますか。退職人員は……それをお調べになつてお出しを願いたいと思います。
  34. 濱田正

    説明員濱田正君) これは行き先を全部書きます。
  35. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それからこの整理については刑事上或いは行政上いろいろ処分せられたものが多かろうと思うのです。それで刑事問題等になつたものがどのくらいあるのか、そうしてそれはどういうふうな処分になつておるか、行政上の処分を受けたものがあるならばそれらの詳細な資料、それから今カニエさんのほうから御質問がありました空気木炭の処理ですね。それから何というのですか、そういうものの具体的な数字について資料を出して頂きたいと思います。  何かはかに資料を求められるか、或いは御質問がございましたらお願いいたします。ございませんければ木炭関係はこの程度に審議を保留いたしまして、次に継続いたすことにいたしたいと思います。五百十から五百十二までの間に何か御質問ございませんか。御質問がなければ前回懸案になつている四百八十八の一について政府と検査院の見解が違つておるようでありますから、その点をこの際はつきりして置きたいと思いますが、先ず検査院の御意見を承わりたいと思います。
  36. 大澤實

    説明員(大澤實君) 福島県の大川筋小用水改良事業費の補助の点でありますが、その中に第一としまして会計検査院は、この事業費が九百三十七万円と予算を組んで補助申請をしたのに対しまして、実際に工事を施工したのは七百二十八万円であつて、差額の二百九万円を他の事業に県が使用した。それでこれを補助基本から外すべきではないか、こういう意見を述べておるわけであります。そこでこの事実をよく調べて見ますると、二十二年のたしか五月であつたと思いますが、県のほうからは九百三十七万円で予算を組みまして補助申請が出ているのに対しまして、農林省は認可をされておるわけでありますが、その補助の認可の要件といたしましては、事業計画を著しく変更する場合には、あらかじめ農林大臣の許可を求めなければならん、こういうことになつておるわけであります。ところがその後二十二年度のうちに、県のほうからこの九百三十七万円のものを七百二十八万円に減額して、その差額を他の事業に充てたというので、いわば著しい工事計画の変更でありますが、これに関しましてはあらかじめの認可申請は何も出ておりません。而も九百三十七万円で予算を組みました大川筋小用水改良事業というのは、県が直営、県営工事として事業計画ができ、補助申請があつたのでありますが、二百九万円という他の事業に使つたという他の事業は、これは県営でなくて組合、たしか組合だと思います。組合営の事業に対して、県が補助するというようなかつこうになつているのでありまして、こうした面から著しい事業計画の変更をあらかじめ認可をせずにやつたということは、県としてのやり方が面白くない。従いまして補助金の清算におきましては、そうした認可を得ずしてやつた事業は補助金の基本から減額すべきではないか、こういうように考える次第であります。
  37. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 政府の御意見を承わります。
  38. 岡義衛

    説明員(岡義衛君) 御説明申上げます。従来農林省といたしましては、小用水改良事業の補助金につきまして、第五次土地改良事業補助要綱の中に例示されております用排水改良事業、客土事業、暗渠排水事業というようなものは、各県内の町村等に、非常に施工個所が多い関係から、事業計画の記載方法などにおきましても、一々の紬かい何々地方、何々組合というような記載方法でなくて、総体的に組合は幾つ、町村は幾つというようなやり方で大体やつて参りましたのでありますが、会計検査院で御指摘になりました大川筋小用水改良事業は県営で施工しておりまして、比較的工事分量が多かつたわけでありまして、この点、一般的には町村とか地元の組合で施工しておるのが大体の例でありますけれども、その点においては他のものとちよつと違つておりました関係上、検査院におかれましては、こういうものは補助要綱によつて流用の重大変更であるから、当然農林省において計画変更の認可を厳重にやるべきではないかという御指摘であるわけでありますが、私のほうといたしましては、従来大体小用水或いは暗渠というものについて、そういう取扱をやつて参りました関係上、この点につきましても、この大川筋小用水改良事業の縮小した一部を他の組合営の地区に使われました点につきましても特に農林省といたしましては、認可をしなかつたことにつきまして、こういう相当事業分量の多いものは今後嚴重に遺憾のないように処理して行きたいと考えておる次第であります。
  39. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 結局批難事項に当るという結論なのですか。
  40. 岡義衛

    説明員(岡義衛君) それはまあ補助要綱全体から行きますと、町村営のようなものは各地に相当数ありますから、私どものほうといたしましては今後それを全部農林省の一々の認可事項というようなことはとてもこれは大変でやり切れないのでありますが、特に事業分量の多いとか何とかいうものは慎重を期したいと考えておるのであります。暗渠とか小用水は各地方に無数にありますから、本省農林大臣が一々計画変更の認可するといこうとは到底不可能でありまして、大体地方長官に任せてありますが、特に検査院が御指摘になつたような大物につきましては相当慎重を期したいと考えております。
  41. 岩沢忠恭

    ○岩沢忠恭君 農林省の方にお伺いしますが、只今の御説明ですと、国庫補助というものは県単位という話ですが、県で町村に任せて工事をやつた場合でも補助してよろしいというような考え方で今日までやつて来たのですか。
  42. 岡義衛

    説明員(岡義衛君) さようでございます。大きな改正事業というようなものは直接具体的な細かい計画を立ててやつておりますが、大体暗渠、客土、床締というようなものは殆んど各町村でやるというように、大体個所が多いものでありまして、それを一々農林省まで計画変更に持込むということになりますと、なかなか事業の進捗、その他に非常に手間取りますので、地方長官に一括しまして、町村営分のものは幾ら、組合営分のものは幾らと総括的にこちらが見ておりますが、個々の部分は地方長官に委任しておるわけであります。
  43. 岩沢忠恭

    ○岩沢忠恭君 そういうような大まかなことになると、今会計検査院で御指摘になつたことは、相当大きい工事においてのみならず、小さい工事の点については清算というようなものは殆んど不可能ではないかと私は考えているのです。でありますから、農林省の従来のやり方を相当個々別々に、十分しつかりした基礎の上でおやりにならんと、徒らに国庫補助というものが闇から闇に流れるという嫌いが相当あるのではないかと思うのです。従つて今後やはりこういつた問題は続出して来るということを私は憂えているのですが、その点についてやはり農林省はこういう従来の補助のやり方というものを今後も続けて行くというようなお考えでありますか、或いは又多少これに対して是正をするというような方針でお進みになるということになつておるのですか。
  44. 岡義衛

    説明員(岡義衛君) この用水というような、工事費の多いのは非常に稀な分でありまして、大体は非常に工事分量も事業費も少いのでありまして、そういう分は今後も地方長官に任しまして、農林省としては総体的に指示をいたしまして、決算書やなんか具体的に取つておりますが、但しこういう大きなものについては今後県のほうと連絡をとりまして遺憾のないようにしたいと考えておる次第であります。
  45. 小泉秀吉

    ○小泉秀吉君 今のお話を伺うと検査院の御意見と農林省の御意見は将来に対しては……当面の問題は検査院のこういう御意見を農林省は、結構と認めるのか、検査院の言い方は少し違うから、それで自分でやつたようなふうにするより仕方がないのだと、検査院の御意見をそのまま眺めておるというようなことだけのことか、その辺農林省の見解をはつきり伺いたいと思います。
  46. 岡義衛

    説明員(岡義衛君) 補助の一般的な建前によりますと、各町村で無数に行われておりますので、そうした小さいものにつきましては大体地方長官に任せますが、たまたま県営でありまするところの大川筋小用水というものがそのうちでも非常に事業分量も多く、且つ県営で行つておりました大川筋幹線改良と関係がありまして、特殊のものでありますので、こういうものに対しましては農林省としては一般のものとは違つて厳重にやりたいと思つております。その点において会計検査院より御指摘になりましたことは、私のほうといたしましては御尤もだと思いますので、今後は十分注意をいたしたいと思います。
  47. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 食糧庁のほうのことですが、前に四百九十三号の「売買を作為し公団の損失を補てんしたもの」、この点についていろいろ御答弁がありましたが、ただ一点、会計検査院のほうではこういつた損失ができた場合、こういうものを作為して補填の方法をとるのでなくして、これにははつきりとした価格の公の差益によつて生じた損失であるから、これについては正規の価格差益金で、その予算で補填をするのが適当でないかというような意見があつたのですが、これに対して食糧庁はまだはつきりとして御答弁がなかつたように思うのですが、その点は食糧庁としてはそういう措置をとらずにこういう措置をとつたほうが適当であるというのか、或いは適当ではないが……、価格調整の予算でそういうものをなぜやらなかつたのかということについて、はつきりと一つ説明願いたいと思います。
  48. 高橋清

    説明員(高橋清君) お答え申上げます。只今の御指摘の点は非常にむずかしい問題でございます。実は砂糖の問題も第一回第二回第三回と行われておつたのでありますが、第一回第二回は会計検査院から御指摘がありましたように、買戻しの方法等によつて損失をカバーいたしております。第三回になりまして、二十四年には御注意もあり、まぎらわしいこともありますので、逆に値引の方法によつて経理をいたしております。売却、買戻し、値引をすることによつて実質的に問題を解消する、予算措置をしないでも済むということにいたしてやつておりますので、この点御了承願いたいと思います。なお砂糖の問題はすでに全部食糧庁の所管に入つておりますので、従来のように公団と、それから国内産糖、輸入糖の関係についての過不足の問題は同一会計でございますので生じない結果になるというように考えております。
  49. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今の御答弁は、こういうまぎらわしいことができたからその後は値引等の措置によつてつた、これはまあ一応わかるのでありますが、本件のこの事件についてなぜこういうような差額に対する措置をとつたのか、このときに当然価格調整の正規のそういう方法があつたにもかかわらず、なぜこういう適当でないような措置をとつたのか、その間の事情を堂々と……何も価格差益金で補填すればいいものを補填せずにやつたという事情はどうなのか。それからそういうことができないのかどうか、この点についてはつきりした御答弁を願いたい、こういうことであります。
  50. 高橋清

    説明員(高橋清君) 只今の点でございますが、関係者が数回寄りましていろいろと研究をいたしました結果、本件のような扱いをすることが一番無難であろうという結論が関係者でつきましたものですからこういう措置をとつたのであります。
  51. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それでは答弁にならないと思うのですよ。関係者が寄つて、一体どういう経過でそうして誰々が寄つてどういう話合いの結果、こういうような適当でないと思われるような措置をとつたのか、これを開いておるのであります。関係者が寄つていろいろ協議したところがこういう措置が適当だろうということでこういうことになりました、これでは答弁にならないと思うのです。その点を具体的に我々委員会の者が聞いておつても、成るほどそれはその通り事情としてそういう正規の方法があつたにもかかわらずこういう非合法的な措置をとつたということがわかるように御答弁を願いたい、こういうことを申上げておるのであります。
  52. 高橋清

    説明員(高橋清君) どうもその点説明が工合が悪いので御注意を受けまして恐縮であります。実はこの問題を協議するにつきましては物価庁、それから安本、大蔵省も入りましていろいろと協議をいたしました。その際に考えました一つの点は、こういうふうに一括まとめましてやり繰りをすることなく、先ほど申しました第三のような手を使えば予算の和算の問題等を生じないで済むであろうという議論も出たのであります。併し当時の状況は製糖会社と公団との関係等もありましてなかなかあとが疑問を生ずると、あとで疑問になると困るというような考え方もありまして、できるだけその点をはつきりとした方法でやつたほうがよかろうということによりまして、当時のマイナスの在庫とプラスの在庫を全部調べ上げまして、差引計算をしてそれを一括して値引する、売戻しをするという形で処理したほうがよかろうということで本件のような処置をいたしたわけであります。
  53. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 あとでまぎらわしいようなことがあると困るからということでありますが、何も私の言うのはこういうマル公等の価格の差によつて生じたいわゆる損であればそれを補填するべく正規のものがあるのだから、それを使うほうがむしろあとあといざこざが残らない、すつきりするのじやないか、こういうことを処置をされることのほうが却つてあとでいざこざが残るのではないかと逆に考えるのです。今あなたがたがお答えになつたいろいろ検討すればあとで非常にいざこざが残るというようなことが少しわからないのでありますが、その点についてもう少し具体的に話して見て頂きたいと思います。
  54. 高橋清

    説明員(高橋清君) 私ども考えておりましたことが、実は逆のようになりまして申訳がないのでありますが、先ほどから申上げておりますように、関係機関が寄りましてその際に、会計検査院の御指摘のように差益金の予算を使いまして支払いをすべかりしものを、これを使わずに買戻す等の方法によることが一番正しいと、誤つたことが本件を昏迷に陥れたことでありまして、この点をお詫び申上げます。
  55. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 農林省関係は一応審議を中止いたしまして、次に移ります。商工省関係に移ります。説明を聞く便宜上五百十三から五百十八、一括して議題に供します。会計検査院の説明を求めます。
  56. 大澤實

    説明員(大澤實君) 五百十三号から御説明申上げます。五百十三号は電力事情が悪化した場合に自家用の火力発電所を持つておる会社に対しましてそれの発電、それを火力発電をさせまして、そしてその会社が電力を買つたとした場合との差額、差損、これを補填しよう、補助しようとこういう趣旨の方法を二十二年度の末期に行われたわけでありますが、その中の一つとしまして北海道炭礦汽船に対しまして、北海道で炭横汽船が持つている火力発電所を動員させて、そうして先ほど申しました損失を補助しようということで、二千万円というものを支出されておりますが、実際にその発電経費内容というものを調べて見ますると、その中の、これは火力発電所がたしか二カ所か三カ所で持つていたと思うのでありますが、その中の清水沢発電所というのに、実際について調べて見ましたところが、この発電経費に計上しております人件費というものが、この発電期間というのが二十三年の一月から三月までの三カ月間であつたのでありますが、その他の期間の人件費をこれに加算している、或いは増産準備金として一応留保している金額があるのでありますが、これもこの発電期間相応額以上を計上している。それから非戰災者特別税というような、年間に支払うべきものをたまたまこの期間に、非戦災者特別税を支払つたということで、その総額を発電経費に充てているというような事態で、その他改修工事費とか、或いは改修工事費も同じような状態でありまして、その他この期間に購入された油入の消弧リアクトル、或いは耐火煉瓦、ストーカリングというようなものを殆んど一年間の分を購入されたのが、たまたまこの期間であつたというので、この発電の期間に計上してあるというので、こうしたものは年間に按分したその期間、発電動員された期間というものだけの所要量、所要経費を入れていいのではなかろうかというので、検査院としての意見を示したわけでありますが、その結果百二十八万円というふうなものは、そうしたいわゆる除外すべきものであつたということになりまして、これは当局のほうで返納されるように処理された次第であります。  次の五百十四号は、旧軍需省が兵器等製造事業特別助成法によりまして機械を購入されまして、軍需工場などに貸付けてあつたものが、その処理が非常に遅延しておりまして、その会社の報告台数というものは実際に調べて見ますると相当の違いがあるということが、会計検査院が実地に見ました数会社について見ましても、ここに書いてありますように、表に示してありますような違いがありまして、これは勿論いろいろな、或いは戦災でなくなつたとか、或いは連合国軍の進駐によつて紛失したとかいろいろな理由があるのでありますが、そうした理由を早く究めて、そうして忘失のものを忘失としてはつきり処理するというような手続をとらるべきものが、数年に亘つてその処置がとられてないのは、整理がよろしくない、こういう趣旨で掲げてあります。  次の五百十五号でありますが、これはアルコールを売渡す場合に、いわゆゆる変性アルコール、工業用に供する変性アルコール、これは非常に値段が安くなるわけであります。変性アルコールとして代金を徴収したのでありますが、その変性したという事実が確認できない、変性するときには政府職員が立会つて、そうしてアルコールの変性を実施させて、変性済証明書というものを交付しまして、そうして最後に、所定の工業用途に供したときに使用済証明書を交付する、こういう手続になつておるのでありますが、会計検査院が札幌商工局ほか五商工局につきまして、その個々の資料を調べて見ますると、そのうち八十七件、九百七十キロリツターというものがどうも変性したということをはつきりこちらが確認し得る資料が整つてないというような事態でありまして、この変性の確認手続というものが比較的ルーズであつたのではなかろうか、変性アルコールの売渡しに対する処置が非常にルーズであつたのではなかろうか、こういう趣旨で掲げてあります。なお同じような次第でありますが、高い一般定価で売渡したものを、その後変性したということが証明つきますれば、その工業用変性アルコールとの差額を払戻すということになつておりますが、この払戻したうちの二十九件、十九キロリツトル分というものにつきましても、先ほど申しましたと同じようにこの変性済、又或いは工業用に使用済という事実を確認する資料、これが整つてない、こういう状態でありまして、非常にこの変性確認という手続がルーズではなかろうかという趣旨で掲げてある次第であります。  次の五百十六号でありますが、これはアルコールの賠償金、いわゆる購入代金でありますが、これを二十二年産の干甘藷を原料として生産されたものとして、単価キロリツトル当り四万二千円という代金で支払つたものが六十二キロリツトル分あつたわけでありますが、実際に調べて見ますると、それは二十一年産の干甘藷を原料としたものでありまして、これは甘藷の取得価格が二十一年産のは安かつた関係上、アルコールとして収納する場合もその賠償価格はキロリツトル当り三万円であるのが至当であるのに、それを誤つて四万二千円という代金で支払つている、これは取扱が疎漏であつたということになると思います。そしてこの分はその後たしか回収されている次第であります。  次の五百十七号の案件でありますが、これは東京通商産業局の千葉と石岡の両アルコール工場で、二十二年の四月から二十四年九月までの長い期間に亘りまして、工場で生産しますアルコール、これのうちの一部を別途に帳簿外に保留いたしまして、そしてこれを職員に無償で渡したり、或いは低価で売渡したり、そうしてその購入売渡代金を別途において経理されてほかの用途において使われた、こういう次第でありまして、その総額が二方七千リツトル大体販売したとしますれば、千百万円に該当するものがそうして帳簿外に経理された。これが非常にやり方として拙い、拙いと言いますか妥当でない。極めて不当な方法であるというので掲げたのであります。  次の五百十八号でありますが、これは同じく千葉のアルコール工場で、アルコール原料である糖密を持つているのでありますが、その在庫量を二十四年の九月に実地を調べましたところ、帳簿上の残高は五百八十トンになつているのに、現品を検量しますと五百十四トンで六十五トン程度の不足がある、而もその五百十四トンという現品には相当量の加水がしてある、これは試験所の分析試験の結果わかつたのでありますが、加水がしてあるというようなことでありまして、物品の管理が甚だ当を得ないということで、ここに掲げた次第であります。以上御説明を終ります。
  57. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 政府説明を承わりたい。簡単にお願いいたします。
  58. 伊藤繁樹

    政府委員(伊藤繁樹君) お答えを申上げます。  五百十三号の批難事項は火力発電所動員費の補助に関連のある問題でございまするが、これは当初電気事業収入となる予定でございました、超過料金収入から支弁する予定でございましたが、繭後二十二年の十一月に至りまして、需給調整規則の改正がございまして、超過加算料金は遡つて全額国庫へ納付することになりましたので、予算上の措置に切替わりまして、二十二年の十一月に予算が成立いたしまして、二月四日に予算の示達がございまして、これによつて国庫から支弁したわけでございますが、当時冬場でございまして、会社の金繰りが非常に切迫いたしておりまして、急速に支払う必要がございますので、本省として実査をする時間的な余裕がございませんでしたので、札幌商工局に認証をさせるという手続をとつたのでございますが、商工局におきましても時期的に実査する暇がございませんので、書面審査のみで認証した結果、会計検査院のお話の通り過払いを生じた次第でございます。甚だ遺憾とするところでございます。当時の責任者に対しましてはそれぞれ訓告及び注意を與えました。過払金は二十四年十二月十九日に全額返納いたしました。  それから五百十四号は官有機械の処理の遅延の問題でございますが、これの整理が非常に遅れました原因は、官有機械類の台帳は生部当時の事情と申しますか、終戦時の関係で焼失又は滅失いたしておりまして、これは軍需省から商工省が引継いだものでありますが、その帳簿が滅失してしまつておりまして、焼失してしまつておりまして、又戦時中にどれだけあつたかということも不明確でございました上に、会社側におきましても関係書類を焼失しておつたというようなことがございまして、又この機械類は全国各地に散在しておりまして、又我々の整理担当機構も当時非常に弱体であつたというような関係で、非常に遅延をいたしておつたような関係でございます。その後調達賠償部及び各通商産業局に予算を計上いたしまして、整理に着手した次第でございまして、現在におきましてはこの官有機械の処理につきまして全貌の調査を完了いたしておる次第でございます。  それから五百十五号でございますが、アルコールの売渡しにつきまして変性その他の処理につきましてルーズな点があるという批難事項でございますが、これにつきましては会計検査院の報告通りでございまして、その事実の確認が事後になつて困難となりましたことは甚だ遺憾とするところでございます。人手の不足或いは事務の不慣れ等がその原因であつたと思いますが、本件につきましては何とも申立の余地がないのでありまして、今後十分取締の数の増員を図りまして、こういう過ちを繰返さないように注意する方針であります。札幌ほか五商工局長に対しましてはそれぞれ訓告を発しました。  五百十六号はアルコール賠償金の支払につきまして、年度別の甘藷の数量計算を誤つて過払を生じたという批難事項でございますが、これに関しましても会計検査院の報告通りでございます。これは工場に監督というものを十分いたしますれば、二十一年産なり二十二年産なりの藷をどれだけ使つたかということは把握できたはずでございますが、その点の監督のルーズであつたという点があつたと思います。甚だ遺憾とするところでございます。過払につきましては二十四年の十一月二十五日に全額を返納せしめました。又当時の責任者に対しましてはそれぞれ訓告を與えました。  五百十七号は生産されたアルコールの一部を帳簿外で処理したという批難事項でございますが、終戦直後の特殊情勢でございまして、いろいろ当時の一般の労働情勢或いは物資の需給関係の非常に切迫しておつた時代でございまして、従つてその一部を労務報奨用として配給し、或いは一部を資材獲得用として配給したケースでございますが、事態は会計検査院の報告の通りでございまして、成規手続をとらなかつたことは甚だ遺憾とするところでございます。現在におきましては、こういう事態は全然いたしておりません。当時の責任者に対しましてはそれぞれ訓告及び注意を與えました。  それから五百十八号の事件は糖蜜の管理が当を得ておらないという批難事項でございますが、糖蜜は御承知のように水飴状の半流動体でございまして、輸送の際は蒸気を送入するという操作を必要とし、且つアルコール原料としては全然使用の経験がありませんために、計量設備その他取扱方が非常に不完全でありました関係で、その製造各過程におきまして数量把握が十分でなかつたということが一つの原因でございまして、又貯槽底部に損傷がありまして、そこから或る程度流出したのではないかというふうに想像されるのでありますが、いずれにいたしましても、会計検査院の報告のような事態を生じたことは甚だ遺憾とするところでございます。特に会計検査院の報告を恐れまして、これに或る程度加水をしたというようなことにつきましては、全く申訳ないと考える次第でございます。今後計量器、貯蔵設備を整備いたしまして、こういうことのないように万金を期したいと存じております。責任者に対しましてはそれぞれ減給、戒告の処分を行なつた次第でございます。
  59. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 御質問ございますか。
  60. 小泉秀吉

    ○小泉秀吉君 ちよつと伺いますが、五百十四号以下の事件というのは、大体会計検査院の帳簿の上から見て数字が合わないとかというようなことでなしに、この工場の管理、或いは作業の仕方が検査院で検査をした結果、適当でないというようなことを発見されて、それで主務官庁であるほうは誠に申訳ないというのがこれは事実のようですが、商工省というところはこういうことは自分のほうで当然管理して行くようなふうなシステムができているので、会計検査院からこういうものの見方をされんでもいいようになつているのじやないかと私は思つてつたのだが、そうじやないのですか。その点の御見解を……。
  61. 伊藤繁樹

    政府委員(伊藤繁樹君) おつしやる通りでございまして、列挙されました批難事項等につきまして会計検査院の検査を待たずに、当然発見すべき性質のものであると存じますが、大体原因を考えて見まするに、こういう批難事項の起ります理由は人手の不足という問題、それから職員の質の問題、そういう問題に関連するかと思います。従いまして我々の午後の方針といたしましては、できるだけ職員を充実いたしまして、こういう過誤を再び起さないようにいたしたいと思つておりますが、白日監査につきましては、何分にも十分な人員もございませんので、本省会計課におきまして時々一応自己監査は行なつておるわけでございますが、完全に会計検査院のように徹底的に検査はなかなか行えないという実情にございますので、要は結局それぞれの衝に当る職員の充実と自省ということに待つよりほかないと考えております。
  62. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 今御答弁の中に、職員の不足と質の問題だと言われるのですが、私はそれを監督不行届ということが大きな原因ではないかと思うのですがね。そういう点についてどう考えになるか。なお処分についても単にその事務に携わつた下つ端のものだけが訓告とか注意というようなあり触れた処分を受けて、それで事済みになつておるように思うのですが、会計検査院として責任の及ぶ範囲を、私どもはもう少し監督の地位にある者にむしろ責任を負わすべきものではないかと思うのですが、会計検査院の御意見はどうですか。
  63. 大澤實

    説明員(大澤實君) 会計検査院が責任追及し得る規定会計検査院法にあるのでありすまが、それは国の会計事務を処理する職員が故意又は重大な過失によつて国に著しい損失を与えたときに懲戒処分を要求することができると、こう書いてありまして、何と言いますか、会計事務を処理する職員、いわゆる会計関係の職員、これだけが、狭い解釈かも知れませんが、会計検査院として懲戒処分を要求し得る範囲であろう。こういうように会計検査院としては解釈しておるわけであります。従いまして若しも懲戒処分の要求をいたすといたしましても、いわゆる、何と言いますか、行政的ないわゆる監督の地位におる人、それを会計事務を処理する職員として懲戒処分要求の対象にするということは、法文の解釈上多少困難ではなかろうかと、こう考えておる次第であります。その点、従いまして今御指摘のように、或いは下つ端ばかりというような感じになるかも知れませんが、止むを得ないのではなかろうかというように考えておる次第であります。
  64. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 政府委員の御意見はどうですか、監督者に対する責任の点は。
  65. 伊藤繁樹

    政府委員(伊藤繁樹君) 私の申上げましたのが多少誤解されたかと存じますが、私の申上げましたのは、決して下の者だけの素質なり、責任なりを云々ししおるのではございませんので、十分こういう事態につきましては監督者に責任があるというふうに考えております。従いまして列挙されましたように、批難事項につきましても、個々にケースを調べまして、監督者として責任のあると想像されるものにつきましては、会計検査院法の法的見地を離れまして、当然任命権者としての監督責任を問うておるわけでございます。五一三号につきましては、当時の電力局長が訓告を受けておりますし、五一五号につきましては五商工局長がそれぞれ訓告処分を受けておるわけでございます。
  66. 岩沢忠恭

    ○岩沢忠恭君 五一四号の戰時中に貸しました機械ですが、これは多分現在においては賠償物資の対象になつておるのだと思いますが、商工省の御説明によりますと、賠償庁なり或いは通商局のほうを動員せられまして、今日においては全部調査済だと思いますが、その各府県或いは地域において作つておる統計はもうでき上つたと思いますが、若しでき上つておれば、その資料一つ出してもらいたいと思います。
  67. 伊藤繁樹

    政府委員(伊藤繁樹君) でき上つております。
  68. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 資料の御提出を願います。
  69. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 五一三号の批難事項でありますが、この批難事項と同じような自家発電に対するところの補助金、こういう金が支出されたことによつて本件と同じよう事犯ガたまたま批難事項には上つていない、こういうものがほかにありますか。
  70. 伊藤繁樹

    政府委員(伊藤繁樹君) 本件以外に十数件自家動員の対象はでございますが、その大きなものにつきましては、会計検査院といたしまして検査を受けておりますので、そういう批難はないと考えます。
  71. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) ほかにございませんか。
  72. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 五一四号の官有物に対する処置当を得ないものという会計検査院の報告に対して、商工省では相当長い期間この整理がつかなんだということは、当時の軍需省にあつたところの資料がなくなつてつたためにわからなんだ、こういうことでありますか。そういたしまするとこの会計検査院のこの表に現われております会社からの報告台数というものですが、これの当初の借受数というものは、全部これは会社が一方的に報告をしたものをここに挙げられて、それから発してそうして盗難とか或いは戰災にかかつたもの、引継保管数というようなものをお出しになつたのか。その基礎はどこにあつたのか。当然先ほどの説明によつて焼失し、滅失したものであるということであれば、この基礎になる数字は出て来ないのじやないか、ここにこういう数字が出ているということは、今私が申上げたように一方的なものによつてそれを商工省としては呑まれてでき上つたものか。その点一つ伺いたい。
  73. 伊藤繁樹

    政府委員(伊藤繁樹君) おつしやる通りに基本台帳は全然ないのでございます。従いまして御指摘のように政府がどれだけ持つておるかということは、主として会社の申告によるほかなかつたような現状でありまして、断片的には当時の係官の記憶その他によりまして修正をいたしたように聞いておりますが、基本的にはそういう申告を主としての基礎にするほかなかつたように考えております。
  74. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そこで現在戰災、盗難等にかかつたということで報告されておりますこの分に対するところの措置は、会社がその損害を負うことになつたのか、どういうような措置がとられているのですか。その点をお伺いしたいと思います。
  75. 中村嘉孝

    説明員(中村嘉孝君) 簡単に御説明申上げます。具体的な例をとつて申上げたほうが却つておわかりやすいかと思います。検査院が御指摘になりました六工場の現状につきまして具体的な数字を申上げますと、先ず第一番に出ております明和興業株式会社の引継台数というものは二千二百七十四台、軍需省が引継いだという形になつております。ところがこれについても先ほどの説明のように基本の台帳がありませんので、それを引継台数を基礎にいたしまして実際調査を行なつているわけであります。その結果明和興業については現在この二千二百七十四台という数字は三千百七台であるべきであるという基礎数字をつかんでおります。従いまして七百三十三台という基礎数字が殖えております。その事故の機械につきましても二百六十七台事故であつたということになつております。が、これを実際調査いたしました結果は事故は基本台数が殖えるに従つて少し殖えまして、事故台数として三百五台事故にかかつておる。但しそのうちスクラツプになつてつまり戦災のために焼けて減損しているのが百六十四台ある。又全くどこへ行つたか行方不明というものが百四十一台になつている。こういう数字が出ております。従いまして先ほどのお話のように、全然会社からの返納された引継書だけを頼りにしている、それだけでほかに何もないということは事実でありますが、逐次各社ごとに実際調査を実施しておるわけであります。
  76. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) カニエ委員、これは詳細な資料を出してもらつたらどうですか。
  77. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 資料を要求してもらいたいと思います。
  78. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 今のを全部資料を出して頂きたい。
  79. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 この資料はただ会計検査院の指摘された本件に載つておる分だけの資料でなくして、他にも全部あるはずですから、それを一括してお出し願つたらいいかと思います。それから今私が御質問を申上げておつたのは、戰災、盗難等にかかつたところの損失が今どうなつたか。一体会社がそれを負担して返済しておるのか、或いは現在はどうなつておるか、こういう点なんですが……。
  80. 中村嘉孝

    説明員(中村嘉孝君) その件につきましては、会計検査院のほうとよく話合いました結果、何しろ各工場大疎開をやつている最中に終戰になり、且つ連合軍が直ちに来まして、それを集めろというような指令が出たために、非常に混乱しておる。且つそのときにおりました人が殆んどやめていないというような事情から、止むを得ざるものということにして、その台数がはつきりしたものを、逐次台帳から落して行くということに会計検査院のほうと了解をしておつたのであります。従いまして会社側で悪意にやつているというような証拠とか何とかいうものが出ない限りは責任は問わない。こういうことに了解をして頂いておるわけであります。
  81. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 その点でありますが、当然終戰までに行われ、又終戰直後に行われた行為はそういうことで了解できるとしても、終戰後今日までもう相当な年月が費されて来ておるのですから、その間に運搬上なくなつたとか、或いは盗難にかかつたというものも、逐次会計検査院と了解の上で、それの責任を問わないということじやおかしなものであつて、その点の限界はどういう工合に行われておるのか、或いは終戦後一年以後においてそういう状態なつたものは、会社がその責任に当るとか何とかということでなければ、どうも今の御答弁じやおかしいのじやないかと、こう思うのですが、その点はどうなんですか。
  82. 中村嘉孝

    説明員(中村嘉孝君) お答え申上げます。終戦後二十年の暮から二十一年の三月にかけて通産省が所管しております機械の九五%について賠償指定が行われました。従いましてそれ以後のものはやはり通産省は管理の最終責任を持つておりますが、連合軍の管理下に置かれまして、一台々々機械に番号が附され、その移動には厳重な許可を一々受けなければ移動も修理もできない。工場内でも動かすことができないというあれを受けておりましたので、終戰後行われた行方不明或いは盗難というようなことは先ずございません。
  83. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 まだこの件について質問は残つておるのですが、時間もないようでありますから、本日はこの程度にとどめて置きます。
  84. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) ほかにございませんければ、商工省の関係は一応審議を保留いたします。  次回は明後日午前十時から運輸省関係の御審議をお願いいたします。   —————————————
  85. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 次に御相談申上げて置きたいのですが、二十三年度決算の審議に資するために、国有財産等を現場について調査する必要があるのではないかと考えまして、四国方面或いは関西方面二班ぐらいに一班三人ぐらいといたしまして、現地の視察を行いたいと思うのでございますが、これに対する御意見を承わりたいと思います。御異議はございませか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それじや御異議ないものと認めまして、一班三名くらい、二班に分けて、今月中に現地視察を行うことに決定いたします。人選等については如何いたしましよう。
  87. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 人選等につきましては、いろいろ各委員の御都合もあろうかと思いますので、その点はお手数でも委員長のほうで各委員の都合をお問合せになりまして、そうして専門調査のほうででも然るべきよう取りまとめて頂くということで委員長に一任すると、こういうことで願いたいと思います。
  88. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 委員長一任ということに御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 御異議ないものと認めまして、それではさように取計らいます。本日はこれを以て散会いたします。    午後零時五十二分散会  出席者は左の通り。    委員長    前之園喜一郎君    理事            岩沢 忠恭君            岡崎 真一君            棚橋 小虎君            溝口 三郎君    委員            大矢半次郎君            小杉 繁安君            カニエ邦彦君            栗山 良夫君            小泉 秀吉君            小林 亦治君            小林 政夫君            岩男 仁藏君            千田  正君            森 八三一君   政府委員    通商産業大臣官    房会計課長   伊藤 繁樹君   事務局側    常任委員会専門    員       森 荘三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    農林大臣官房会    計課勤務    岡  義衛君    食糧庁監査課長 高橋  清君    林野庁業務部長 佐木 義夫君    林野庁薪炭課長 濱田  正君    通商産業大臣官    房会計課勤務  中村 嘉孝君    会計検査院検査    第二局長    大澤  実君