運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-02-09 第10回国会 参議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月九日(金曜日)    午前十時三十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十三年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十三年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出)   —————————————
  2. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それではこれより決算委員会を開会いたします。  本日は一昨日審議未了になつておりました厚生省関係の四百八十と四百八十五を先ず御審議をお願いしたいと思います。最初に四百八十五の御審議を願います。それでは四百八十五に対する厚生省の御答弁が残つておるようでございますから、先ず御答弁をお願いいたしまして審議を継続いたします。それでは政府委員慶松薬務局長から先ず御説明を願います。
  3. 慶松一郎

    政府委員慶松一郎君) 問題は腸パラワクチンにつきまして、この配給事情、或いはこれはどういう数量を作つたかの事情、それからその腸パラワクチン国家で当時持つておりました品を立替配給せしめた事情等につきまして、簡単に御説明申上げたいと思います  先ず第一は、当時はこのワクチン、或いは予防接種関係いたしまして、いささか混沌たる時代でございましたが、昭和二十一年に総司令部から日本政府に対しまして覚書が出ております。その覚書によりますと、防疫上必要な薬品類を、従来総司令部が持つておりましたものをすべて日本政府の管理に移す。従いましてそれに対しまして日本政府は、その保管或いは配給に関して十分なる責任をとれ、且つそれに対しまして代行機関設置等を行なえという、そういうような覚書が出ておるのでございます。従いましてそれに対しまして、日本政府といたしましては種々な計画を立てまして総司令部側了解を得たのでございますが、昭和二十三年度におきましては、この配給代行機関といたしまして、これを如何に選ぶかということにつきまして総司令部側と相談いたしたのでございます。即ち総司令部公衆衛生福祉部と相談いたしたのでございますが、従来二十二年までこれを取扱つておりましたのは日本薬業株式会社なるものでございまして、これは戰争中から引続きました統制機関でございました。従いましてこれをして取扱わしめることは問題はなかつたのでございますが、この機関統制機関であるということのために閉鎖されることになつたのでございます。従いましてその後におきます配給代行機関を如何にするかということについて相談いたしました結果、これを一般から広く募集して、その中の一社に請負わしめることが適当であるという指示司令都側から得たのであります。そこで昭和二十三年の二月十六日付の日本経済新聞と朝日新聞と、毎日新聞の全国版に掲載広告いたしまして、この取扱社を募集したのでございますが、その結果十二社の応募がございましたのです。そしてそのうちから更にこれをどういうふうに選ぶかということについて相談いたしました結果、大体資本金が百万円以上で、そして請負率がその薬の値段の五%以内、且つその薬品に対しまして知識並びに経験のあるという、そういうものを選ぶことが必要であるということになりまして、そこで選ばれましたのが、十二社のうちから三社でございました。この三社につきましても、これは司令部側了解を得たのでございますが、その三社に、更にこの三社の中のどれに請負わしめるかということにつきまして入札をさせました結果、一番請負率が安かつた山之内製薬なるものが第一になりまして、これを配給代行機関に選定することになつたのでございます。従いまして配給代行機関を選びますにつきましては、十分公正なる方法によつてこれが選ばれたということを御承知願いたいのでございます。  第二の問題は、昭和二十二年におきましても腸チフス腸パラワクチンと、それから発疹チフスのワクチン国家買上げまして、これを一般接種使つたのでございますが、昭和二十三年におきましては、二十三年の七月から予防接種法なるものが施行されたのでございますが、二十三年度におきましては、予防接種法が施行されるということのために腸パラワクチン国家買上げということは予算上認められなくなたのでございます。この点が一つでございまして、そこで、併しながら二十三年度におきまする防疫対策上各種のワクチン厚生省において計画しろということが、司令部側から昭和二十二年の十二月に指示されたのでございます。それによりまして厚生省におきましては、六歳から六十歳までの人々に接種をする量として計算いたしましたのが九万五千リツトルばかりでございましたが、これに当時政府に前年度から引続いて持つておりました腸パラワクチン約四万リツトル、正しく申しますと三万七千リツトルでございますが、これを勘定いたしますと、先ず五万リツトルを作ればいいという計算になつたのでございます。それによつて五万リツトルなるものを二十二年の十二月に製造業者指示いたしまして、これを作らすことにいたしたのでございます。これに対しましては厚生省から公文を以てその製造業者依頼状を出したのでございます。又その割当等につきましても平均的な数字を割当て、且つ前年度の実績、或いはこのものは国家検定いたしておりましたので、従つて検定合格率等を勘案いたしまして、十二月中に割当てたのでございます。ところが二十三年度になりまして、地方庁の実際の需要量、或いは地方におきます手持量等を見ますと、相当に手持量がございまして、五万リツトルを作らせるということは、実は多過ぎたということが二十三年に至りましてわかつたのでございます。併しながら当時におきましては、腸パラワクチンを作りますのには、製造に約三月を要し、五万リツトルという大量を作りますには、製造に三カ月を要し、検定に三月を要するからして、従いまして六カ月を見なければなりません。ところが御存じの通り腸チフスの流行は夏でございますから、従いまして四月から六月ぐらいの間にすでに接種を行わなくてはならない。かくて接種の時期が四月から六月にすでになりましたのでございますが、なお十分に物ができておらなかつた。メーカーにおきましてできておらなかつたことと、且つ昭和二十三年の五月に、従来伝染病研究所におきまして検査、選定をやつておりましたのが、厚生省予防衛生研究所なるものが設置されまして、予防衛生研究所におきましてこれを検定するということになつたのであります。従いまして丁度その移り変りのために検定が非常に遅れまして、従つて製造業者が作りますものが到底接種配給するのに間に合わないということがわかりまして、従つて政府が当時持つておりました前年度からの繰越分納三万七千リツトルのうちの幾らかを出しまして、これを以て予防接種の完璧を期せざるを得ないことになつたのでございますが、併し又一面におきましては、すでに政府側といたしましては製造業者側製造指示をいたしておりますので、製造業者側は当時非常に金融的に苦しかつたのにもかかわらず、熱心に作りましても、この物が結局使われないことになります。そこで当時の考えといたしましては、政府の物を立替えて配給いたしまして、あと現物を以て製造業者が作りました物を入れるということの止むなき処置至つたのでございます。この点につきましては会計法上の手落ちがございまして、その点誠に遺憾に存ずるのでございますが、当時といたしましては物が必要だつたことと、且つ製造業者たちの金融の面におきまして必要だつたということと、いま一つは、このワクチン有効期間は一年半でございまして、従いまして製造業者側から出ます物は、それから一年半余裕があるわけでありますが、政府が当時持つておりましたのは期限が切れるのに近くなりますので、そこでそれらの経済的な面、国家全体としての経済的な面から考えまして、そういう措置をとつた次第でございます。その点当時の事情を御説明申上げる次第でございます。  以上が大体当時私どもがとりました措置でございまして、確かに政府の持つておりました物を一時立替えて配給させましたことにつきましては、誠に遺憾なことで申訳ございませんが、併しながら当時の事情は、只今申上げました三つの点からいたしまして、止むを得なかつた次第でございますことと、なおいま一つ事情は、先ほど申しましたが、連合軍司令部からの覚書によりまして、日本政府といたしましては、防疫上必要なるワクチン類を保有して置くことが必要であり、而も当時保有いたしておりましたものは、だんだん期限が切れるようになるて来た、その意味での更新の意味から申しましても、こういう立替配給をいたしまして、且つそれをあとで補填することによつて政府側がそれらのワクチンを保有しておるという措置をとることが止むを得ない仕儀であつたと私ども考えておる次第であります。以上簡單でございますが、大体の当時の事情を御説明いたした次第でございます。
  4. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 今の御説明に対して御質問ございますか。
  5. 溝口三郎

    溝口三郎君 四百八十五号につきましてこの前に御説明を伺いましたが、もう二、三厚生省御当局にお伺いいたしたいと思います。四百八十五番は、これは検査院の批難せられたところは、当初から売渡すものを保管さして置いた、それが処置が当を得ていないということになつておりますが、私はこれはその通りだと思いますが、ただそのことか続いていろいろ経理上の問題につきまして遺憾な点があるように私は考えるのでございます。そこで二、三の点をお伺いいたしたいのでございますが、山之内製薬会社というものを配給代行機関という特殊な名称を用いられておるということ、配給を全国的に一手に引受けさしておる点でございますが、この点について、配給代行機関ということは、どういうように配給取扱上は解釈をしてよいのかお伺いいたしたいと思います。実は私代行ということにつきましては、終戰直後開拓事業を全国的に全部国営事業でやり、その地区は数千地区に上るのを、全部それを農林省直轄でやることは非常にむずかしいので、これは県知事市町村長、というような者にも代つてつてもらいたいというときにいろいろの議論があつたのでございますが、そのときに実は初めて代行という字を持つて来た。法律上こういうものにはそういう字はなかつたようでございましたが、県知事国営事業委託するということは、これは会計法上できない。国営事業を県に委託して県営事業になつてしまえば、国費でやるのではないというような点から、委託という字は使わなかつた県知事請負わせるというても、県はそういう資格はないというようなことから、実は代行というような字をその当時使つたのでございますが、それは計画をこしらえて、そうしてその計画県知事に示して人県知事はこの計画事業をやることができるというようになつたときに、この代行国営事業県知事に指定して、県知事は請状をとつて工事を始めて行く制度つたのでございますが、その場合に決算のことでございますが、県で人夫賃とか工事費というようなものを、そういう領收書、証書、書類といいますか、それは代行者県知事が取りますけれども、全部これは国に保管すべきものである。東京にありましたその当時開発営団というものにも代行を指定したのでございますが、その領收書というのは、一年間に開発営団から実はトラツクに三、四台ぐらいの分量の領收書がある。これはどうしても農林省保管しなきやいかんというような、代行制度というものが実は嚴重な制度であつたのです。そうして要るだけの金は、だから国から直接県知事を通して出すというだけで、そしてそれのほかに一定の手数料代行料というものを県知事に支拂う。それは代行料というものは県の歳入歳出に入れてやつて行くということだつたのでございますが、その制度は今でも開墾建設工事と申しますか、基本工事のようなことは代行開墾代行干拓とかいうようなことで、そのまま実は続いてやつているのでございますが、今申したようなことは、代行制度ということは、これは会計法上にはないように私は聞いておりますが、そういう国営を代つてつておられるならば、直接国の費用取扱いかたでやつて行く。代行機関には手数料を拂う。そうしてそれを代行機関が売つたりした場合に、そのままこれは国の会計になるのだというような実は取扱いをすべきものだと私は考えているのでございますが、こういう方向にやつているのか、代行機関という名称は附けたけれども、それは委託をして、そうしてこの会社経理でやつて行くようになつているのか、又随意契約のようなものでこれをやられたのか、そうしていつからいつまでこういう代行機関という制度をやつていたのかということと、ワクチンのほかにもそういう何か特殊な薬品を一手に配給をさしていたのか、そういう点についてこの代行機関ということに関連して御説明をお類いいたしたいと思います。
  6. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 先ほど溝口委員の御出席になる前に当時の事情薬務局長から申上げたのではございますが、この山之内配給代行機関に指定いたしましたことは、GHQの公衆衛生福祉部のほうから、そういうふうにしたらどうかという指示に基いていたしましたのでございまして、而もそれも山之内というところを特に指定して参つたのではございませんで、とにかく一般新聞広告で募集して、それに基いてきめろというような指示に基きまして、その当時新聞広告をしました。それから選ばれましたものに、これもいい加減なものではいけませんので、先ほども申述べたのでございますが、資本金も百万円以上のもの、それから経験あるもの、それから手数料は五%以内だぞという制限を附けまして選考いたしまして三社を選びました。それから司令部と更に協議いたしまして、それではよかろうから、その中で適当なものを選べということになりまして入札をいたしました。その結果、その手数料の一番安い山之内製薬がその衝に当つた。こういうわけでございまして、先ほども申しましたように、この山之内を選びましたいきさつは、大体当時公正と思われる方法で選んだわけでございます。それから代行機関という意味でございまするが、これはあと書類をお目にかけますけれども、引取、保管、それから輸送業務というものを請負わせまして、そうしてそれは一切その都度厚生省から指図書を以て指図する。山之内が勝手に動かしたり、勝手に取引できないようになつております。それからその手数料も三%でございますか、指定いたしまして、それでやるというふうに、がつちりと枠をきめてやつておるのであります。これを国家費用山之内にその手数料を拂つたり何かいたしませんでしたのは、当時予算が国のほうにございませんでしたものですから、結局手数料というものを含んで、売り渡します際に府県で売渡しているという関係にいたしました関係上、国からはそういう手数料を拂つてやることができなかつた。そうして山之内をしてその経理もさした、こういうような事情になつているのでございます。
  7. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 今の溝口委員の御質問の要旨は、司令部命令があつたということは無論御説明でわかつているのですが、そのほかに代行機関とする何か法律上の根拠があるのかどうか。單に司令部命令だけでやるのかどうかという御質問であるように思いますが……。
  8. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) これは格別禁止を受けていなので、差支えないと私ども解釈しておりますが……。
  9. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 命令があつたからやられたのですか、代行にされたのですか。
  10. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 向うからそういう方法でこれを処理したほうがよかろうということで指示を受けまして、それが日本法律に牴触いたしますれば、これは勿論できないわけでございますが、私どものほうで、それは牴触しないという解釈を下したのでございます。
  11. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 何か代行機関に関する法的な根拠があるのですか。
  12. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 特にこういう場合やつてよいということは、格別明文はないようでございます。
  13. 溝口三郎

    溝口三郎君 私が先ほどお伺いしましたのは、代行という制度はさつきお話申上げましたように、国の仕事をいわゆる代行するのだ、従つて会社事業ではないのだ、そういう解釈を私どもはとつているのでありますが、今御説明を伺つたところでは、代行というようなことをやつて、それを入札をしたのであるから代行でない。そしてあの経理の状況を見ますと、一切それに委してある、経理上のことは委したのである。手数料は三%から出す、これは契約上の條件だということになります。請負なのか代行というのか、委託というようなことなのか、その間に何か明確な字句の意味の相違があるのかどうか、漫然と代行という字を使うべきじやないのでありまして、委託とか代行とか請負というこの三つの間のはつきりした見解を承わりたい。
  14. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 代行というのは、私ども通称そういうことを言つているだけでありまして、契約では請負であります。
  15. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 溝口さん、それでよろしうございますか。
  16. 溝口三郎

    溝口三郎君 今の代行とか請負とか委託とかいうようなことについては、これは会計検査院のほうではどういうふうに考えておられますか。
  17. 大澤實

    説明員大澤實君) 今の点についてお答えいたします。実はこの件に配給代行機関であるという言葉を入れましたのは、当時の厚生省のほうの書類に、配給代行機関たるこれこれにおいてと、こういう言葉がありましたので、ここへそのまま挿入したのでありまして、本件只今太宰政府委員ほかの御説明がありましたように一般請負契約である、請負者である、こういうことになると思うのであります。そこでこの代行という言葉でありますが、これは溝口委員の仰せになりますように、いわゆる干拓とか開墾というような場合の代行というのは、完全に国の仕事代行しておるのであつて、いわゆる本来の意味代行ということになると思いますが、そのほかに、一般代行業者とかいう言葉を使つておりますのは、例えば公団の荷役の代行とか、或いは集荷の代行とか、これはもう完全なる請負であります。まあ本件も同じように代行という言葉請負という意味を出しておる、甚だこの代行業者という言葉が、法律的にもはつきりしない言葉をこういう検査報告の中に挿入したということは、甚だちよつと申訳なかつたのでありますが、決してここに配給代行機関であるということをかぶせたのは、特に強い意味ではないのでありまして、厚生省のほうの書類にありました文句がそのまま入つた、こういうふうに御了承願いたいと思います。従いまして本件請負契約である、こう御了承願つて結構ではないかと思います。
  18. 溝口三郎

    溝口三郎君 ここに会計検査院報告に、配給代行機関というような特殊の名前を附けた報告が出ておる。私はこの名前で御発表になつておることから実はいろいろな疑惑が出て来たのであります。今のようにはつきりと請負だ、だから会社経理でやつて行くので、例えば国の財産を三千CC万預つておる、そうしてこれは本当の代行意味なら、国の財産を預つておるのだから、その間に各府県配給をして、そうしてそのときに若し値上りでもあるならば、その値上りというものもその都度国に納めるべきものである。そういうふうに解釈をして行きますと、この数量をそのまま、後日三千万CCの数量そのまま返すようになつておるが、これらについても、代行という字がある限りこれは非常に疑問があると思います。国のを使つて行く、そうしてそれを配給して行く、その間には非常に物価変動があると思う。預けたときから二百、・六十倍の物価変動がある、その都度売つたのは一体どうなるか。その値上りになつたのは国へ返還しておるのか。そうして一番おしまいの、三千万CCのうち半分くらいは補充をして、そうしてあとの半分は政府へ二十四年に……、丁度三千万CCというものを初めに預けて置いて、そうしてそのときの数で処理して行くということになつたから、初めからおしまいまで代行ということにこれは捉われていた。そこでこの取扱が実に変な取扱になつておるという疑問を持つたわけです。これは代行という、国営をそのまま代つてつておるのだ、こういうような特殊のものではなくして、あつさり請負だと言うならば、その点をはつきりして置いて頂かなければ、代行という意味からこの四百八十五号というのは全部の取扱が、会計法上の取扱が違うのじやないかと思います。それははつきりして置いて頂きたいと思います。それからなおもう一つ、昨日もお伺いいたしたのでありますが、私は現品で千五、六百万は補充して、あとの残りの千五、六百万というものは、これは時価で売つたとか、帳簿価格で売つたとか、二重に御説明になつておるのでありますが、帳簿価格時価では、その間私は製品については一年半以上経つているのじやないか、そうするとそのときの価格は、帳簿価格に比べて百に対して二百五、六十くらいになつておるなら、そういうものはどつちへやつたのか、これもはつきり実はして頂きたいのであります。そして在庫品というものが、実はそのときに千五百万CCの在庫品があつたのが、その在庫品の中には、保管を頼んでいたときの、もう有効期間が切れる時分の政府現物がどのくらいあつたのか、新品で補充したものがあつたのか、在庫品があつたかないかということについてもいろいろこれは解釈できると思いますが、在庫品調べをやり、検修調書を取つて、そうして二千百万円で売つたのか、その辺の経過をもう一遍厚生省から御説明願いたい。
  19. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 千田委員、何か関連した質問ですか。
  20. 千田正

    千田正君 ちよつとだけです。それは只今会計検査院のほうの代行に対する御説明で承わつておりますが、例えばその御説明の中に、干拓事業その他のような場合における代行というものと、今般この書類に載つておりますところの厚生省のお考えとは、意味が違うようなことをおつしやつてつたようでありますが、これは甚だ我々としましては腑に落ちないのであります。先ほど溝口委員の言うように、代行は飽くまで代行である、請負請負はつきりしてもらいたい。あなたがたのほうで考えた場合は請負のことであつても、それが代行になつておるからそういうふうに感じたというのであるけれども一般国民考えた場合においては、代行というのは、飽くまでやはり国の代行として我々は見ておる。でありますから会計検査の立場に立つた場合においては、代行請負委託というような部面は、明確に線を引いてこの報告に挙げてもらいたいということを私は要望して置きます。
  21. 大澤實

    説明員大澤實君) 只今代行の件に関しまして御指摘がありまして、甚だ申訳ないと思つております。もう一度はつきり申上げて置きますが、本件は、国のワクチンを集荷して、そうして配布するということの請負契約を結んでおるのでありまして、この山之内製薬請負業者でありまして、これに関しまして配給代行機関であるという言葉をここに記載しましたのは、先ほど申上げましたように、当時の厚生省のほうの書類配給代行機関たる山之内製薬において云々という言葉がありましたのを掲げたのでありまして、なぜわざわざ掲げたかといいますのは、国の繰越保有をしておるワクチン山之内製薬保管しているというのはなぜかという関連を、少しでも明らかにさせたいという意味からわざわざ入れた、ところが却つて只今指摘のような混乱を来しましたので、甚だ申訳ないと思つております。趣旨はそういうわけでありまして、代行というような言葉の違い、用語の使途については十分注意いたしたいと思つております。
  22. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 溝口委員の御質疑に対する政府の御答弁を願います。
  23. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 拂下げました価格は、一口に申しますと時価ということになりますが、山之内からこちらの指示に基きまして府県に流しましたのに、この流しておる過程におきまして物価庁価格の改訂がございまして、当初一円十四銭でありましたものが半ばで二円四銭に値上りになりました。従いまして今度山之内現品で納められませんので、結局それを金で回收いたしました際に、その値上りの前後の比率を出しまして、一部は元の価格の一円十四銭の計算で行なつてあります。一部はあと値上りになりました二円四銭の価格ということに分けまして、その代金が合わせて二千百万円徴收いたしましたわけであります。ちよつと速記を……。
  24. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  25. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 速記を始めて。
  26. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 政府の当時保有しておりました三千百四十六万CCのものは、大体二十三年の五月から府県のほうへ配給いたしまして、九月の末にそれをみんな県のほうへ配給いたしました。そうして結局先ほど薬務局長が申しましたように、一応これは立て替えになつておりますので、その後逐次メーカーのほうで製品ができましたものを山之内のほうで買入れまして、これを政府のほうへ補充しております。そのうち一部のものは五月の十二日から納入になつてつております。従いまして大体一応政府で保有しておりましたものは全部二十三年の九月末までに向うへ、府県のほうへ拂い出してしまつた。そうしてそれの穴埋めとして二十三年の五月から新らしい品物が政府のほうの倉庫へ入つて来た、こういうふうに御了承願いたいと存じます。それからその数量は、全部山之内だけで勝手に処理はさせませんで、厚生省の薬務局のほうが出荷と申しますか、全部指図書を以て指図して配給してございますので、途中で何と申しますか、いい加減なことでやつておるというようなことはございません。
  27. 溝口三郎

    溝口三郎君 もう一つ附加えてお伺いしたいのですが、すると全部五百万CCという売渡したものは、これは時価で、二十三年の九月に新品を売渡したのは、山之内に随意で売り渡したのか、入札で売り渡したのか知りませんが、先ほどお話を伺います上、それは一CC二円四銭ということでございますが、この数字は計算して見ますと一円十四銭くらいになる。どうしてそういう安い値段で売ることになつたのか。
  28. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) これはこの前も申上げましたように、全部政府で拂出しまして、それだけのものが全部新らしい新品となつて政府の倉庫へ三千百万CC入つて来ておつた。そうしてそれを、その一部を山之内に有償で拂下げたというのではないのでございまして、山之内がメーカーから買つて政府のほうへ納めますのは、府県から金が回收して来た、その場合に応じてメーカーから逐次買つて納めておるわけであります。従いまして、三千百四十六万CCの中で、そこで現物を納めました千六百万CCの分は、これは府県から金が入つて参りましたので、山之内のほうでそれで以てメーカーから現品を、新らしい4のを購入いたしました、それを政府のほうへ補充して来たわけであります。ところが補充未済となりました千五百十三万CCと申しますのは、実は府県のほうからその当時までに金が入つて参りません。従いまして山之内といたしましても、メーカーからその金で以て現物を購入して政府へ納めることができなかつた品物でございます。従いましてその売渡しをいたしました当時までには、その分は現物としては政府の倉庫には入つていなかつたのであります。府県からの回收が非常に遅れて参りましたので、だんだんその間に期間が経ち、政府といたしましては、もうその頃になりますれば、もうあえて現物で以て補充してもらう必要がないから、もういつそのこと金でそれを換えて一般歳入に入れたほうが得策であるという考えに基いて、そこでその現品として補充未済になつております分については、もう改めて山之内へ売渡す、併しながらその場合において、それを全部そのときの時価で二円四銭で売渡したのでは山之内が損害をこうむりますので、山之内がこちらの指図に基きまして府県に流しましたもののうち、この価格の改訂に会いましたのを幾ら流したかというのがこちらでわかつておりますので、その分は山之内は二円四銭で府県に流しておるのであります。従いましてそれは山之内に私のほうが売渡す際に二円四銭で売渡して一向これは差支えないので、山之内は損を受けるはずがない。従つてその分は二円四銭の新らしい価格で以て山之内へ売渡した、それ以前の分は二円四銭で売渡したのでは、山之内がそれだけ損をすることになりますので、山之内府県に売渡しました一円十四銭で以てこれを売渡す。こういうことにいたしましたのでございます。従いまして、これに出ました千五百万CCで二千百万円を割りますると、二円四銭じやない、一円四十何ぼという先ほどお示しのような値段に平均なりますが、今申上げました事情で、要するに山之内府県に流しましたときの値段というものをこちらではわかつておりますので、数量もわかつておりますので、それの分だけを以てこれを売渡した、契約を結んだ、かように御了承願いたいのです。
  29. 溝口三郎

    溝口三郎君 私先ほどお伺いしてはつきりしたと思うのですが、代行ということは、これは国の財産をそのまま代つて処理をしてもらつて、そうしてその收支が全部その事業者の損得でないのだという建前でやつているのだ、それから契約というものは、これは一定の金額をきめて、損をしようが得しようが、入札者はその入札価格で私は処理すべきものだ。代行制度請負制度というようなものとは、まだ御説明でも私ははつきりしていないと思う。何か損をしたようなものは時価より安くして売り渡してもいいのだ、入札なり請負契約というものは、そういうやりかたができるかどうかということを私は疑問に思うのですが、それは私の、ただ御証明についての解釈でありますが、私は大体事情をお伺いしまして、これの取扱いかたが、実は配給代行機関というような特別の名称を附けた、そうして昨日の政府委員の御説明でも、この山之内会社に一手に全国の配給を引受けさしたというようなことから、私はこの内容について非常に実は疑問を持つたのですが、先ほど説明をお伺いしまして、これは競争入札をやつたのだということなら、はつきり請負契約でやつたというのならば、大体こういう経理の処理については、止むを得ずこういうことになつたかと思うのですが、漫然と配給代行機関というようなことを書いて、そうして会計検査院もそう書いてあつたからそのままここに報告したのだというようなことは、私はどうも調査と言いますか、報告と言いますか、取扱いかたに若干遺憾の点がある。こういう一つの簡單な言葉から私はなお疑惑を持つたのですが、全国を一手に配給を引受けさせるなどというようなことは、これは私はもつと言えば法律違反になるのじやないかと考えるのですが、法律第五十四号の独占禁止法とか、そうして百九十一号の事業者団体法というようなものに、これは国の仕事を全国一手に引受けさせるというようなことならば、明らかに私はこういう法律に抵触しているのじやないか。なお若しその前に臨時物資需給調整法とか何かによつてワクチンというような特殊な物の取扱いかたは、除外例があるのじやないかというような……、何か省例でも出して、根拠のあるようなやりかたでやつたのかどうか、そこまで実はこういう一字の表現で疑惑を持たれるようなことになるので、甚だいろんなことを言うて恐縮でございますが、どうか字のお取扱い等については愼重に実はして頂きたいということと、この件は、これは請負契約でやつたのなら、代行そのものではないのでありますので、こういう経理方法で大して差支えないのでありますが、ただ一時保有をして置いたのは、措置当を得ないということで、あとこれに基いていろんな疑惑があるというようなものについては、私は大体了解いたしましたので、私の質問はこれで終りたいと思います。
  30. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 四八五は審議を保留いたしますが、この請負契約、今の溝口委員千田委員から御指摘がありましたように用語が非常にあいまいであるために、いろいろな疑惑が起り得るのだということは、非常に御尤もな御意見だと思うのでありますが、それらの点については将来十分に御注意をお願い申上げまして、この関係書類の一切御提出を願いたいと思います。請負契約、それから司令部指示があつたということですが、これは書面に基く指示か、書面の指示であるならばこういうようなものの写し、請負契約等、一切の関係書類の御提出をお願いいたします。
  31. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 本件に関しまして今の委員長の申されました資料に附け加えて、最後の二一、七〇九、三四OCCの、この処分になつ関係の資料があればですね、なければ私のほうで調査いたしますから、あればお出しを願いたいと思います。
  32. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) わかりましたか。それでは四百八十五はこの程度で審議を保留いたします。   —————————————
  33. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 次に四百八十を議題といたします。  これは政府答弁が保留になつておりますので、保留になつた点の御答弁をお願いいたします。
  34. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 一昨日の御審議の際に四百八十のうちで精神病院の事業費で、收入額を二十七万円と見て、多額の補助指令を出した、この二十七万円ということが、少し実績を見まして、非常に過小になるので、その点はどうであつたかという御質問でありましたが、これは調べましたところが、当時各府県からの申請書の提出を待ちまして、補助額を指令しておつたのでありますが、鹿児島県だけが遅れておりまして、間際になりまして電報照会をいたしまして、その返事で以てやつてしまつたというような、これは私どものほうの大きなミスで、この過小にあれを二十七万と鵜呑みにいたしまして、そしてその補助額を計算いたしました。これは当時年度末が迫つておりました関係で、十分に検討することなしに出しましたので、全く私のほうの手落ちでありますので、ここでお詑びを申上げます。
  35. 溝口三郎

    溝口三郎君 四百八十について一昨日お伺いいたしたんでございますが、それはもう一言附け加えてお伺いいたしたいんでございます。この補助金の百十五万円というものは、これは精神病院の二十三年度の経費の二分の一の補助ということだろうと思いますが、二十四年の四月に県のほうは支拂つたことになつておる。そこで県のほうは、補助申請書に收入が二十七万円くらいになつておるのだが、実績は三百七十万円になつておる。申請書の内容を鵜呑みにしてそのまま補助したということですが、この補助金は、厚生省が県へこの補助申請書によつてつたのか、それから県は、それを病院の経費の中へそのまま入れてしまつたのか、この批難事項は、これは厚生省がこの補助金を出したことを批難しておるようでございますが、先ほど何か急いで、二十三年度の決算の時期で、四月になつて電報で来たからこれを出したということですが、電報の申請の年月日、そうして補助申請の年月日、補助金を厚生省が交付したその年月日、それは何月何日になつておるのか、その点をお伺いいたしたいのですが、それから先にちよつとお伺いしたいのです。
  36. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) これは先ほど申しましたように他の県が出揃つておりましたが、鹿児島一県だけ非常にどういうものか遅れておりまして、三月の十八日に鹿児島のほうへ照会をいたしまして、三月の二十七日に鹿児島のほうから電報でその金額を言つてつたのでございます。こちらでは非常にそれだけを待つておりましたのですが、早速即日それによりまして決裁を取りまして、地方へ補助指令を流しましたのであります。
  37. 溝口三郎

    溝口三郎君 補助の申請書はいつ来ておるのですか。
  38. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 鹿児島からの正式のでございますか。
  39. 溝口三郎

    溝口三郎君 そうです。
  40. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) これは結局遂に正式のものは来なかつたように記憶しておると思いますが。
  41. 溝口三郎

    溝口三郎君 これは甚だ遺憾だと思いますが、電報一つで百十何万円という補助金を出してしまつた、そして補助の申請書というものはこれは取つていない、今以て取つていない。二十七万二千円というような收入のものは、会計検査院でお調べ願つて出て来たというふうに取れるのでございますが、これは私は非常に実は遺憾なことだと思つております。なおこれと関連しまして、なぜ本当の実績が、收入が三百七十万円もあるやつを、辻褄を合わせるために收入を二十七万円というようなものに書いたのか、調査の疎漏というようなことで、漫然申請書通りに補助金を出したからという会計検査院の批難ですが、漫然どころではなく、何も調査せずに電報でやつてしまつた、そうしてその金は一体あとで返還しておるのかどうかということ、それもお伺いしたいのですが、もう一つ私は、こういう問題についてただ責任者を嚴重に訓戒をしたというようなことですが、調査疎漏、これは厚生省の職員のことかと思いますが、そういう申請書を出す鹿児島県も、そこら辺の責任はどういうふうになるのか知りませんが、調査実績が三百七十万円もあるやつを、申請は二十七万円と書いてある、これは常識でも私は考え得ないようなことだと思うのですが、県の職員、病院の責任者、そういう者が県と一緒になつてこういう、悪く言えば私は保険詐欺みたいなことをやつたのだと思うのであります。ただ職務が怠慢だつたというようなことが保険詐欺にかかつたのか、これに犯罪が入るのかというようなことも、まだ私ははつきり責任の追及をする必要があると思う。それは丁度年度末になつておりまして、すでに鹿児島県でも二十四年の県の予算も決定の前後だろうと私は思つております。鹿児島県ではこの病院の経費、二十四年度の予算に、前年の收入支出の利益の百二十万円くらい、そこへ電報でもらつた百十五万円というような補助金、そういうものを繰越にでもして二十四年度の收入に入れ、そうしてそれに基いて二十五年度の予算を決定しているのか。それとも又二十四年度の予算はそういうようなものは入れずに、收入の繰越のほうは二十七万円でやつて、收入支出は実績通りでなくて、前の申請に基くこの基礎でやつたのか、そういうようなので、二十四年度のこれは予算決算まで突いて行かないと、この真相ははつきりは私はしないのだろうと思うのです。これは二十四年度に跨る、二十四年度の決算審議の場合に個々の経過、あとの二十四年について、鹿児島県のこの二十四年の決算予算をこしらえるようなことについて、この百十五円というものが取扱い実績が、申請に基くか、どつちでやつたかということに、作為的のことがあるのか、過失の問題があるのかということがはつきりするのだろうと思いますから、こういう点についてもこれは検査院でよくお調べになつて頂きたいと私は思うのであります。  もう一つ、これは厚生省にもお願いいたしたいと思いますが、先日いろいろ病人の診療費や入院代の徴收未納のものが、国立病院あたりでは半分も徴收未納になつている。そうしてそれは嚴重に取立てるのだというようなことであつたのでございます。そのときに私は、貧困者でどうしても金を拂えない者は、これは何とか救つてつて、未納の分もできるだけ将来分納してやるとか、診療費を安くしてやるようなことを是非考えて頂きたいということを申上げたのでございますが、私は入院料が、一体現在認めていられる診療費というようなものが、高いのか安いのかというようなことがどうもわからない。実費がそんなに掛らないのなら、何か厚生省のほうではもう少し本当に国立病院に入つているような人とか、生活の基礎を奪われているような病人に対しては、できるだけ安くしてやつたらいいのではないかということを、高いのか安いのかということがよくわからないのですが、ここの鹿兒島の精神病院の一例だけ見ましても、これは支出が二百五十万円くらいの支出で、利益は百二十万円も上つているのでございます。精神病院へ入院させて置いて、二百五十万円くらいの経費を使えば五割くらいの收益が上るのであります。これは非常に私は高く取り過ぎるのじやないか、そうしてそういう者が若し入院代等が拂えないというと、嚴重に督促するのだ。医療費というものは常識的に考えて、実際高過ぎるのか安過ぎるのかよくわかりませんが、鹿児島の例や何かは、これは実際から言うて二百五十万円くらい使えば百五十万円くらい病院は儲けるのだというようなことは、大体一般がこういうふうなことになつているのか、私ども素人によくわかるように御説明をお願いいたしたいと思います。
  42. 太宰博邦

    政府委員太宰博邦君) 最初の、鹿兒島の精神病院につきまして、補助の必要がなかつた場合には、早速取返さねばならないわけであります。この辺私どものほうの手落ちでございます。又鹿兒島のほうとしましても、補助の必要がないとなりますれば、当然これは卒先して向うのほうから国へ返して来て然るべきだと思うのでございます。この点は恐らく検査院のほうで鹿兒島県を監査せられました際に十分に認められましたことと存じますが、なお私どものほうといたしましても、今後十分注意いたす所存でございます。  それからあとの病院の医療費が一体高いのか安いのかということでございますが、大体国立病院は、全部健康保険の点数によつて入院料をきめてございます。で御案内の通り健康保険のほうでは保険医療でございますので、適正な治療費が幾らくらいということをいろいろな角度から検討いたしまして、それによつて点数を彈いて、大体入院料が二十点とか、薬剤が何点というふうに計算して取つておりまして、国立病院は大体その点数によつて入院料その他の医療費を徴收してございまするので、まあ私ども考えでは、国立病院のあれは、今言つた健康保険の嚴重なる点数制に基いて取りまする国立病院の医療費は高いものではないというふうに考えております。なお現在におきましても、若干のどうしても拂えない、さらばといつて、又そういう人は生活保護法で面倒を見ればいいじやないかという議論もございますが、やはりその中間におきまして、まあ理論的にはおかしいかも存じませんが、どうにも工合の悪いかたがたがやはり若干あるらしいのでございまして、その点はある程度の範囲内で、院長の裁量でそれだけ勘弁をするという余地も開いて頂いておるわけでございますが、但し鹿児島の精神病院の支出二百五十万と事業收入の三百七十万との関係から、不当に儲けておるのじやないかということについては、ちよつと私今ここで申上げかねると思うのでございます。
  43. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) これはこの程度でよろしうございますか。それでは四百八十は審議を保留いたします。   —————————————
  44. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 次に農林省関係に移ります。四百八十七から四百九十二を議題に供します。会計検査院説明を求めます。
  45. 大澤實

    説明員大澤實君) 四百八十七号から簡單に御説明申上げます。四百八十七号の案件は、農業水利費の分担金の徴收が遅れておるという問題でありまして、ここに掲げてありますものは、農地開発営団からの引き継ぎの農業水利事業でありまして、これに関しましては事業予算額の四〇%を当該年度内に納入させるということに法律並びにそれに基く諸規定できまつておりますのでありますが、本件は二十二、二十三両年度に施工すべき農業水利事業、それの分担金をまだ二十四年度末までに徴收決定もしていなかつたというのが一億万円、それから徴收決定になつていたが、未納になつてつたのが三百万円ある、こういう事態であります。国が農業水利事業費を支出するのは、殆んど予算通り支出するのでありまして、それの四〇%という、事業予算額の四〇%という負担金は、当然その年度内に納めなければならないのに、これが遅延しておるのは妥当ではないのではないか、こういう趣旨であります。  次の四百八十八号の案件は、福島県の大川筋の小用水改良事業というのに対しまして農林省から補助が出ておるのでありますが、その改良事業の内容を検討して見ますると、全部で九百三十七万円の事業に対して、その半額を補助するということになつているのでありますが、実際の事業はこの九百三十七万円は使つていなくて、そのうちの七百二十八万円というものが大川筋の小用水の改良事業に使われており、そのほかの二百九万円というものは大川筋の事業とは関係のない、ほかの宇田川沿岸土地の改良事業と大笹村の土地改良事業に使われておるという模様でありまして、大川筋の小用水の補助対象外に置くべきではなかろうかというのが第一点であります。    〔委員長退席、理事溝口三郎委員長席に着く〕  それから第二点は、この大川筋の工事の内容を見ますと、日本水力工業というのが請負つたのでありますが、そのうち請負契約の範囲外の仕事をやつておりますのが、堀の内の第一開渠とか第二開渠というようなものに対しまして百六十万円というものがこの事業費に含まれておる。これはこの大川筋の工事には違いありませんのですが、請負の工事以外のものをやつているのだから、これも補助の区分から外すべきではながろうか。こう考える次第であります。  それから第三の点は、本件大川筋の工事は農業水利の目的でやるということになつておりまして、工事をやつてつたのでありますが、それが工事が中止されてから後に、水力発電用の工事資材を約百二十三万円購入されている。これはもういわゆる農業小用水改良事業の補助というものとは関係のないものではなかろうか。でありますからこれも補助の対象から除くべきではなかろうか。以上三点によりまして、合計補助費にしまして二百十九万円くらいは補助超過になつておるのではなかろうか、こういう趣旨であります。  次の四百八十九号は、やはり補助金の問題でありますが、これは岐阜県に対しまして、民有林施業案を編成することに対する補助を出しておるのであります。これは事業費に対して半額補助、事業決算額に対して半額補助ということになるのでありますが、岐阜県のほうでその決算額を作りましたところが、全額千七百三十一万円というものを使つたと、こういう決算になつておるのでありますが、実際に実地に行つて書類検査いたしますと、そのうち実際の支出額は千五十五万円でありまして、六百二十万円というものは翌年度に対する繰越であり、五十六万円というものは使用見込がなくて不用額になつたものである。こういう状態でありまして、補助といたしましては、嚴格に申しますれば繰越額も控除いたしました、実際の支出額千五十五万円に対する半額補助をして、あとは繰越すべきであるということになるわけであります。少くともこの不用額にした五十六万円に対する補助というものは、当然対象外にしなければならない、こういうことになるのでありまして、いわゆる補助の交付の点において十分資料の調査が行届いてなかつたんではなかろうかというように感ずる次第であります。  次に四百九十号の問題は、北海道におきまして二十三年度中に従来の機械開墾を転換しまして、畜力開墾に移行する、そのために開墾馬耕隊を編成する、それにはこの馬耕隊の厩舎が要るというので、各支庁に馬耕隊の厩舎建設の予算が配付になつたわけでありますが、二十三年度の実情を見ますと、石狩、日高の両支庁の実際の厩舎の建設状況を見ますると、厩舎というものを作つているのは殆んどなくて、でき上つたものは住宅である、殆んどが住宅である、こういう状態でありまして、結局開墾馬耕隊の厩舎を作るという目的で配付された予算が、予算の目的を達せずにほかのほうへ使われている、これは予算の使用が当を得ないのではなかろうか、こういう趣旨で掲載されてあります。  次に四百九十一号でありますが、これも北海道の問題でありますが、これは北海道で樺太、千島方面からの引揚漁民に対して一つの未開発漁田を開発させる、そのためにはいろいろな設備が要るというので、漁船とか運搬船とかいうような漁業用船舶五十隻、それからそれぞれの水産に必要な建物五十七棟というものを建設又は購入いたしまして、そしてこれを引揚げ漁民に貸付けるという方法をとられたわけであります。それはいいのでありますが、国有財産法から言いましても、こうした場合に、国の財産を無償で貸付けるということのできる規定がありませんので、これは有償貸付にすべきではないか、長らく無償で貸して置くのは妥当ではない、こういう趣旨でこういうふうに挙げてあります。  次に四百九十二号は、これは北海道におきまして昭和二十二年度に農林省から委託によりまして緊急開拓事業をやりまして、そのときの事業用の資材というものが残つてつたのでありますが、大きなものが、釘千百六十六樽余、ガラス千四百二十六箱余というようなものが残つていたのでありますが、二十三年度になりますと、この委託による緊急開拓事業というものはなくなつて、緊急開拓事業は北海道だけが農林省の補助によつてやるということになりましたので、従来のいわゆる委託によつてつておりました当時の残りの材料というものは、当分そのままでは使用の見込がない、でありますから速かに或いは北海道庁へ売渡すとか、その他の方法で処分をすべきであつたのが、長らくの間そのまま保存されていた、これは使用予定のない資材を長らくそのまま死蔵しておつたもので、妥当でないのではなかろうか、こういう趣旨で掲げられた次第であります。以上四百九十二号まで簡單に御説明申上げました。
  46. 溝口三郎

    ○理事(溝口三郎君) それでは伊東君にお願いします。
  47. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 私から今検査院から御批難のありました問題について、順を追つて一括弁明申上げます。  最初の農業水利費分担金の徴收処置当を得ないものという御批難でありまして、御指摘された通り遅れまして甚だ申訳ないと思つております。    〔理事溝口三郎君退席、委員長着席〕 この問題は、昭和二十二年の十月に農地開発営団がやつておりました仕事を、団営の水利事業としまして政府が引受けたものでありまして、その間の法令の手続でありますとか、予算等で若干遅れたこともあるのでありますが、根本は今、会計検査院から御指摘がありましたように四割までは地方の公共団体が負担するということになつておりまして、この地方公共団体の財政の問題から来ていることが一番根本なんでありますが、起債の問題などが当時圧縮されるというようなことがありまして、御指摘のように徴收未済で、当時かなり残つているということは甚だ遺憾でありまして、ここで御指摘になりました金額は、合計いたしますと一億三百八十七万一千円になるのでありますが、現在までには金沢、京都、岡山の各農地事務局は全部收納済みであります。仙台が二万六千五百円残つております。東京が三千九百八十八万円、熊本が二百五十五万残つており、大体六千百三十九万六千円收納済みになつておりまして、四千二百万円ぐらい残つておりまして、これにつきましては、私のほうでも農地事務局に督促いたしまして、成るべく早く收納するように努力いたしておるのであります。併しこの問題は先ほど申しましたように地方公共団体の財政の問題と非常に関係がありまするので、実は二十四年に土地改良法を改正いたしまして、工事の完了後十年以内に一応公共団体に分担金を拂つて行くというような法律的な措置も最近においてはとつております。当時におきましてこういう徴收未納があつたことは甚だ遺憾に思つております。  それから次の四百八十八号の補助金の回收に関し処置当を得ないもの、これは福島県の大川筋の問題なんでありますが、会計検査院の御指摘になつておりますのは三点ございまして、第一点は、大川筋の小用水改良事業に出した補助金が、県のほうでは宇多川、それから大笹村土地改良事業に使つているのはおかしいのじやないか、返還すべきではないかという御指摘であります。この点につきましては農林省としましては、用排水の改良事業等につきましては、一県々々場所も指定いたしまして補助金を交付したのでありますが、小用水事業等につきましては、二十三年度当時は、例えば福島県は事業量幾ら、それで補助金幾らというように補助金を交付しておりました関係上、県が大川筋の予定を変えまして、宇多川、大笹村の改良事業に使つたということは、これは県としては止むを得なかつたのじやないかというような見解を私のほうはとつております。  それから第二点の通水工事の問題でありますが、これは御指摘のように手続に粗漏があつたという点は我々同感でありまして、これは前年度計画の一部の仕事なんでありますが、これは県と請負者の間で、ちよつといろいろなトラブルがありまして、こういう契約の変更という措置が、請負契約の変更ということが至急にとれませんで、こういう結果になりましたことは甚だ遺憾に思つております。  それから第三点の、農業水利に関係のない電力資材を買つたということの御指摘でありますが、これは誠に遺憾でありまして、実は御指摘にあります金額より以上の八十八万七百二十五円というものを二十五年九月九日、返納を命じまして返納済みになつております。  それから四百八十九号の岐阜県の施業案の問題でございますが、これは御指摘通りで甚だ遺憾でありまして、我々としましても補助金を交付します場合に十分注意をし、又県の報告書等の調査についても十分注意をしているところでありますが、本件に関しましては御指摘通り粗漏のあつたことは遺憾に思つております。先ほども大澤説明員からお話がありました五十五万六千八百七十二円という金につきましては、これは二十四年十二月二十日、国庫に收納済になつております。今後十分こういうことは注意いたします。   それから四百九十号の予算の使用当を得ないもの、北海道石狩と日高にこれは機械開墾に換わる馬耕隊の厩舎を建てる補助金で住宅が建つているじやないかという御指摘でありますが、この点は全く建物の管理の関係でございます。入植者の共同利用ということで、或る範囲内の使用は止むを得ないと思うのでありますが、併し純粋に住宅として使用するということは妥当とは思われませんので、私どもとしましても、直ちにこういうことは、住宅に使うことはいかんという指令を出しまして、現在は十分この点は注意いたしておるつもりであります。  それから四百九十一号の問題は、漁田開発の問題であります。これも先ほど指摘のありましたように、樺太、千島の引揚者のために北海道に、これは水産関係開墾なんでありますが、そういう事業を公共事業でやつております。それでその当時農林省としましても、当初からこれを無償で貸付けるという意思は全然ございませんで、有償貸付のつもりで、大蔵省と国有財産の所管問題等について協議をしたんでありますが、この協議が実は遅れまして、協議が整いましたのは昭和二十四年の十一月二十一日に、大蔵省の所管の普通財産となりました。これは有償で貸付けるということに今相成つております。現在までに、去年の五月でしたか、去年の五月までに三百十四万ばかり国庫に入つておりますが、これは大蔵省との協議の関係でこういうふうに手続が遅れましたことは、甚だ遺憾に思つております。  それから最後の北海道の緊急開拓事業委託でやつたまま補助事業に変つたと、その際前に持つていた資材の拂下げ手続をしてないという御指摘でありますが、これは御指摘通り甚だ遺憾でありまして、ここに報告書にも書いて置きましたが、二十四年十一月までに全部拂下げを完了いたしまして、その代金は国に納入されております。簡單でありますがいきさつを申上げまして、四百九十二号までの弁明を申上げました。
  48. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 御質問ございませんか。
  49. 溝口三郎

    溝口三郎君 四百八十七号から四百九十二号まで一括して二、三お伺いいたしたいと思います。  四百八十七号の農業水利費分担金の徴收処置当を得ないものでございます。これは会計検査院の御指摘通りであると思います。実は私は、この一括してありますことは、私が農林省に在官いたしていた当時に関與していた問題であるのです。誠にこういうことに対しては申訳ないと思つております。実はしばしば申上げるようですが、二十三年度の会計決算の批難事項等が実は農林省へ廻つて来ましたときでも、私は実は甚だ申訳ありませんが、今度初めてこういうのを見るので、実はその当時、どうも今見ましてうろ覚え程度ぐらいで、前からしばしば問題になりますように、私直接の当事者としながら、余りその当時関心を持つていなかつたというような、制度上に何かもう少し研究をして、本当にこの責任を感ずるような態勢を、どうやつたらばできるかというようなことを、委員会でもしよつちゆう協議をいたしたりしているのであります。将来こういう問題のないように、官庁の責任者がどういう立場で、こういう重要な決算等について責任を負うかというようなことは、よく私は研究いたしたいと思います。この農業水利費用の分担金の徴收の問題でございますが、これは先ほど会計課長の御説明通り、農地開発営団が大規模の水利を実行していたのでございますが、その後開発営団が閉鎖機関になりまして、国営で大規模のものは直轄でやることになつて開発営団のやつたものは以後国営に引継いだ、その水利費の分担金、地元の分担金でございますが、開発営団には国が六割の補助金を出して、開発営団は地元から四割の分担金をもらうか、又は事実上はなかなか取れないので、開発営団が自己資金から出して、そうして仕事をやつておるような事情にあるのでございます。それはこういう水利事業をやるにつきましては、これは無論工事をやるには排水が悪いか、灌漑用水が不足か、收益も上らないような状態だから、これは改良してそうして收益を上げようというのでございますから、その工事の当初年度等におきましては、従つて大体地元で負担金があるはずが、実はないのでございます。ただ開発営団等では自己資金で止むを得ずやつておるようなことがあつたのでございます。それをその当時からの引継ぎもあつたりして、実は二十三年の三月頃、私が或る県の或る地へ行つておりましたときに、その担当の農地局長等は、四、五日東奔西走して、この回收金を実は集めておられ、実にお気の毒だつたのでございますが、なかなか集らない。それは地元にこれは金がないのでございまして、先ほど会計課長のお話のように、土地改良法によつて国営の水利事業は、これは工事完了後十五カ年年賦で償還する、地元の負担金を償還するんだということになつたのは、先ほど申上げましたような趣旨からこういうことになつたのでございますが、開発営団の引継ぎの水利事業は、その当時三十くらい実はあつたのでございますが、それも当然そのときに法律の改正をして、同じ取扱いに私はすべきものだと思つていたのでございますが、いろいろな事情で、その開発営団から引継いだやつは、従前通りのやりかたでやつて行くのだ、これは制度上に実は私は欠陥があるのじやないかと思うのであります。それでなおこういう問題につきましても、従前は分担金のようなものは、二十二年度に事業をやつた、その地元の分担金は二十三年度に携えばいいのだというようなことも、いろいろ大蔵省や農林省の折衝の間に、年度内に拂えばいい、で財政が窮屈になつて、一方ではそういう実は無理な注文をして来て、それで引つ込んでしまつておるような問題が起きたと思いますが、こういう点につきまして、私は非常に無理な制度が実はあると思うのであります。開発営団から引継いだ水利事業は、年度内に地元の分担金をどうしてでも支拂えというようなことを言つても、支拂う能力も私はないのが多いのじやないかと思います。こういう悪い制度には、農林省でもできるだけ努力をして頂いて、拂えるような方法で拂わせるということを考えて頂きたいのと、そうして開発営団から引継いだ国営水利、又将来継続してやつて行く事業が相当あると思います。そういうものは差別待遇をせずに、できるだけ速かに法律の改正でもして、一つ現在やつております新らしい国営の水利事業なるものと同じような取扱方法をやつて頂くようにお願いいたしたいと思います。そういうことについて只今の農林省考えはどういうふうになりますか、お伺いいたしたい。  それから四百八十八号の福島県の大川筋小用水改良事業、これはこの事業費を他の事業に流用したから処置当を得ないのだという会計検査院の御指摘でございますが、私の記憶しておるところでは、この当時大川筋小用排水というような名前を附けたと思うのでありますが、小用排水事業というものは、これは各府県に一括して補助金を交付していたのであります。そのうちで各地区に県の裁量でこれを使用していいんだというふうな取扱農林省ではしていたのでございますから、この問題はこれは会計課長の御説明のほうが私は本当だろうと思う。流用してはいかんという規定はこれにはないのでございます。  二番と三番につきましても、その当時水力電気会社が農業水利、その総合改良事業、そういう仕事をこれは長い間前から実はやつて、いろいろな問題があつたように記憶しておるのであります。途中で災害があつて、そのダムが毀れてしまつたので復旧事業をやるのだ、そのときに水力電気と農業水利として費用の分担等についても非常に面倒な問題があつたと同時に、途中から福島県が出て来て、この水力工業というものと今まで契約をしてやつていたこの水力電気は、将来は県でアルミの工場か何か立てるので、県のほうへ持つて行くのだと、そういうような事情もあつたりして、非常に混乱したことを私も覚えておりますが、私は三番については、或いは工事費用の分担をする場合に、各工事の費目、資材とか工作物とかいうので費用の分担をしたのではなくて、総費用によつて私は分担をしておるのだと思つていたのでございます。だから県は一方的にこの水力電気のほうは県がやるのだ、併し今まで契約してやつていた人はあるが、自分が飽くまでやるのだというようなことで、何かそこら辺に、やつてはいけない資材に補助金を出したというような点でございますが、これは完納してしまつたとなれば私は追及はいたしませんが、実際に早くしたのかどうか、そして資材に対しては補助してはいかんという規定が、契約があるのかどうかという点も、実はまだ問題があつたのではないかと思うが、解決しておるようですから私は申上げません。  それからもう一つお伺いいたしたいものは、四百九十二号でございますが、北海道では昭和二十二年度までは農林省からの委託で緊急開拓審美の入植者の施設建築をやつたのであるが、二十三年度からは公共団体である北海道が事業主体となつて補助事業なつたということになつておりますが、私の記憶しておるところでは、入植者の施設建築物というようなものは、入植者が建築する場合には融通資金を受けて入植者が入植者の団体がやることになつたので、直接北海道庁がやるようなことにはなつていなかつたと思うのですが、入植者施設建築というのは、これは開拓地における労務者の合宿のような、直接に北海道で出す費用であつたのかどうか、その状況はどういうことであつたのかをお伺いしたいのであります。  それから二十二年度中は農林省からの委託でやつたので、これは二十二年度までは多分北海道は拓殖事業費でやつておる。それで農林省からの委託を受けてやつていたというのは、農林省所管の国費が北海道の拓殖費の中へ入つて、そうして北海道でそれをやるのだから、だから何か今のようなことがあるならば、これは北海道の責任であつて、残量等があつたならば、北海道庁が二十二年度までの始末をする責任があつて農林省がそれの始末をしなければいかんかどうか、農林省所管に挙げるのか、建設省所管に挙げるのか、どつちか私はわかりませんが、そういう点についても会計検査院の御見解をお伺いいたして置きたいと思います。ただそれを申しますのは、実は御承知のように北海道の拓殖事業は七、八十年の長い間に亘つて北海道でやつていたのでございます。二十三年度に北海道の開拓というようなものを初めて拓殖費から、これを日本全体の開拓事業というものと一貫してやるようにということで農林省の所管になつたのでありますが、七、八十年の長い伝統で、なかなかこの事務をやりますについても、直接の技術上の監督をするようなことは、これはその当時は事実上不可能のような立場に実はあつたのであります。私ども北海道へ現状視察に行こうというときには、これは身辺の危險を冒かしてまで行かなければいかんようなそういう状態にあつたときで、四百九十のような場合も、これは農林省の責任ではありますが、事実上私はその当時取扱つた上からも、なかなかこういう実地を嚴重に監督をするのはむづかしかつた。又今度は北海道開発庁というものができて、そうして開拓事実とか公共事業のうちの水利事業とかこういうものも、それは開発庁のほうで直接の監督をするように、そちらの予算に入れて、直接の監督は開発庁でするようにも聞いておりますが、二十二年度中に農林省からの委託でやつたもののあと始末は農林省でやるのか、開発庁で監督をやつていたもののあと始末も開発庁で、若し将来機構の改革でもできれば、そういうものは農林省が引受けるのかどうかというようなことを、将来の参考になることだと思いますから、委託制度についての会計課長の御説明を伺いたいと思います。
  50. 大澤實

    説明員大澤實君) 只今の四百九十二号の件を御説明申上げますが、お尋ねの点全部御説明できるかどうかちよつと……、或いは御説明できないところは後ほど又検討して御説明申上げたいと思います。  第一に入植者の施設建築用、これは普通の建物は、各人が資金融通を受けてやるのだから、労務者のものかどうかというお話でありますが、資料を見ますると、開拓者の学校及び診療所の建築資材ということになつておりまして、何か当時の北海道の事情を私実はよく存じませんですが、いわゆる一般的に国の経費を以て施設する学校とか診療所とかいうものの建築資材であるというふうに考えられます。それから当時それを農林省からの委託によつたという場合に、どういう費目でやつたかというのですが、只今ちよつと手許の資料ではつきりしたことをわかりかねますが、少くとも国の経費において買つておるということだけは確かであります。その点はなおよく調べまして御報告申上げたいと思つております。結局そうしたものでありますから、国の経費で買つた国の物品である。そしてこれが将来国の委託にしろ直轄にしろ、国として使う必要がなくなつた場合に、国が速かに処分するのがいいのではなかろうか、こういう趣旨になつております。それからもう一つの御質問はうつかりしておりまして……。
  51. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  52. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 速記を始めて……。
  53. 大澤實

    説明員大澤實君) 只今溝口委員から当時の事情についてお尋ねがありましたのですが、私の承知しております範囲におきましては、これは農林省関係のものとして、いわば農林省関係の物品として保管されている。こういう状態でありまして、従つて農林省としてこれの処分をする必要があるというように承知しております。又事実従来北海道知事から農林大臣に宛てまして、このものの処分に対しての承服もあるような次第でありまして、只今のお尋ねの建設省ではなかろうかという点は、実はちよつと私のほうで考えていなかつたものですから、殆んど研究はしておりませんのですが、従来の書類その他によりますと、農林省のものと言いますか、農林省関係の物品である、こういうようになつておるように見られます。
  54. 伊東正義

    政府委員(伊東正義君) 溝口委員から私のほうへ三つぐらい御質問があつたのでありますが、順次にお答えいたします。  最後の開発庁との関係でございますが、北海道開発庁と農林省との関係は、今後の予算面におきましては北海道関係の公共事業費等は、一括北海道開発庁で組むことになつております。併し実際は北海道開発庁に公共事業費として計上いたしましても、それを事業をいたします際には、農林省に移し替をしましてそうして農林省の責任でやつて行くというような取扱いと我々考えております。北海道開発庁で純粋に上げます経費は、今までの公共事業関係の人が農林省でもたしか千三、四百人もあつたのでありますが、その人たちの人件費はずつと開発庁に組んでおります。併し公共事業費につきましては、これは農林省に移し替えて、やはり従来通り農林省が責任を持つて見て行くというふうに我々考えております。  それから委託の問題でありますが、これは拓殖費で取つたかどうか、私もちよつと忘れたのでありますが、二十二年度は、これは委託事業でやつていることは確かであります。それで現在も、実は当時入りました入殖者の住宅等につきましても国有財産になつておりますので、これを拂下げるという問題がありまして、今無償拂下の交渉をやつているというようないきさつもありますので、この当時からやはり国の委託としてやつてつた。そしてこの農林省関係の入殖事業は、建設省でなくて農林省でやはり責任を持つて見て行くというふうに我々了解いたしております。ただ拓殖費でありましたかどうか、私今ちよつと覚えておりません。  それから第三番目の当時の政府事業についての地元負担と、土地改良法についての地元の負担の問題でありますが、法律の適用につきましては、今おつしやいましたような実は矛盾がございます。農林省としましては、これは大蔵省と随時交渉いたしておるのでありますが、やはり御指摘のような方針で我々考えて行く必要があるのじやないか、法律改正をするなり或いは取扱いで行けるか、その点は十分研究いたしますが、成るべく御希望に副うように努力いたしたいと思つております。
  55. 溝口三郎

    溝口三郎君 四百八十八号の福島の補助金の回收の問題でございますが、これは転用したのはいけないという御見解に対して、農林省のほうは小用水改良事業費補助の取扱では差支えないという御説明でございましたが、私も農林省の御説明のように考えておるのでございますが、この点会計検査院の御見解をもう一遍お伺いいたしたい。
  56. 大澤實

    説明員大澤實君) 只今の案件でありますが、会計検査院といたしましては、大川筋小用水改良事業、これは排の字があるのではなかろうかというようなお尋ねでありましたが、計画書その他を見ましても、大川筋小用水改良事業というものを福島県が計画いたしまして工事をされておる。ところがその範囲といいますのは、若松市の西方でありますか、一定の区域に限つて大川筋小用水改良事業をやつておるのでありまして、それに対して補助金がこれだけ出ておるということになつておるのでありますが、実際に施工されたものは、そのうちの二百九万というものは、この大川筋小用水改良事業というものの範囲とは全然別な地区の、宇田川、大笹村の土地改良工事を施工しておる分もこの経費のうちに含まれておる。これも補助金の基本に入れておる。こういうことになつておりまして、少くとも、それは勿論宇田川として申請されて、宇田川としそ補助されるということでは差支えない。又そういうことがあつても止むを得ないかと思いますが、大川筋の小用水改良事業として補助金を申請されて、その事業費の一部が他の地区の工事に使用されておるということでは、本来の補助金を出されたところの目的というものがあいまいになるので、飽くまでも補助金は事業々々に応じてそれぞれ支出さるべきものではなかろうか、こう会計検査院では解釈をいたしておりますので、少くとも大川筋の小用水改良事業としては、これは余分なものではなかろうかという解釈をとつておる次第であります。
  57. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十九分散会  出席者は左の通り。    委員長    前之園喜一郎君    理事            岩沢 忠恭君            棚橋 小虎君            溝口 三郎君    委員            小杉 繁安君            寺尾  豊君            西山 龜七君            カニエ邦彦君            小林 亦治君            赤澤 與仁君            小林 政夫君            岩男 仁藏君            鬼丸 義齊君            千田  正君            森 八三一君   政府委員    厚生大臣官房会    計課長     太宰 博邦君    厚生省薬務局長 慶松 一郎君    農林大臣官房会    計課長     伊東 正義君   事務局側    常任委員会専門    員       森 莊三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    会計検査院事務    総局検査第二局    長       大澤  實君