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1951-05-22 第10回国会 参議院 経済安定委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十二日(火曜日)    午前十時五十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国土調査法案内閣提出・衆議院送  付)   —————————————
  2. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) それでは委員会を開会いたします。  本日は第十六回の委員会になるわけでありますが、昨二十一日の委員会終了後の打合せに基きまして、本日は国土調査法案につきまして審議を続行いたします。先ず本法案につきましての質疑から行いたいと思います。質疑のおありのかたは御発言願います。
  3. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今までは連合委員会があつて、それで質疑があつてつたのでありますが、又その間に質問があつたのにお答えになつた点と重複する点があるかも知れませんが、以下幾らかお尋ねしたいと思うのであります。本法案に基きまして実際に測量調査を行おうとするのについてはどのぐらいの人間が要る予定であるか、これをお伺いしたいと思うのであります。例えていいますと、測量士であるとか或いは測量士補であるとか、その他の技術者であるとか事務員等をどのくらい予定しておられるか、お尋ねしたいと思うのであります。
  4. 小舟清

    説明員小舟清君) 只今藤野委員の御質問に対してお答え申上げます。これは事務当局において考えておりました事業計画に基くものでございますので、必ずしも正確とは申上げられないかも知れませんが、只今のところ事務局におきまして、事業計画を睨み合せて、法案趣旨によつて最大限に効率的に事業を実施して行きます場合におきましては、測量関係技術者といたしましては、基準点測量に要する技術者が百四十二人でございまして、その他の測量作業に要する技術者が七百四十七名でございます。而して土地分類に要する技術者が四百四十四名で、水の調査に要する技術者が百三十名でございます。このほか土地分類水調査基本調査に要する職員を百十四名と予想されますので、全体といたしますと、技術者といたしまして千五百人ほどを必要と考えております。このほかに事務職員といたしましては、中央におきます事務職員のほか、都道府県国土調査委員会におきます事務職員も少数ながら必要と考えられますので、全体の職員といたしまして、一切合算いたしますと約二千人の職員を要することになるかと思われます。これは十カ年で事業を実施いたします場合の数字でございます。
  5. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は測量法によつて測量しなくちやできないのでありますが、その測量士法による測量士及び測量士補というような者は全国でどのくらいあるのであるか。又現在の者の中に今度の国土調査に従事することができる者がどのくらい予定しておられるのであるか、お伺いしたいと思うのであります。
  6. 小舟清

    説明員小舟清君) お答え申上げます。昨年測量士試験が第一回がございまして、そのときの測量士及び測量士補合格者は四万人を超えております。なお今年度も、将来引続きこの試験が行われるのでございますが、承わるところによると、本年度受験者はやはり四万人近くあるということでございます。このように測量士測量士補の有資格者の数は相当多数に上る見込でございます。このうちこの作業動員できると考えられる職員は、特に詳細な調査を実施いたしておりませんですが、合格者等の現在における職業その他を勘案いたしますと、おおむねこの事業に実際動員される諸団体等に奉職しておるかたが相当多数ございますので、この事業建前からいたしますならば、その有資格者はおおむね動員できることが可能ではないかというふうに考えております。
  7. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 只今説明によるというと、昨年が四万人以上、本年が四万人くらいある、そうするというと八万人の人間に本年と昨年とでなりますが、それだけの……技術者としては千五百人くらいあればいいということになるのでございますか。この点更にお伺いしたいと思います。
  8. 小舟清

    説明員小舟清君) さようでございまして、この仕事のための新たに専任に増置する職員は先ほど申上げました千五百人ほどということでございまして、このほかにこの法案に基きまして国土調査を実施いたします団体が、その団体のうちに測量士測量士補人員を擁しておるわけでございまして、それらの職員団体職員として従事いたします数量はこのほかにあるわけでございます。
  9. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 その予定はどのくらい御予定しておられますか。
  10. 小舟清

    説明員小舟清君) その予定は約七百五十人ほどでございます。
  11. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 国土調査事業概要案によつて見まするというと、基準点測量昭和二十六年度から五カ年間に完了するという、こういうふうなことになつているようでありますが、五カ年間に完了せられる見通しがあるかどうか、又それに対する予算はどのくらい必要であるのであるか、これをお尋ねしたいと思うのであります。
  12. 小舟清

    説明員小舟清君) 基準点測量につきましては、二十六年度予算の要求並びに査定等の過程におきまして、この仕事の全分量事業費を九億二千万と予想いたし、そうしてその初年度分といたしまして一億五千九百万円が二十六年度に計上せられておるわけでございます。その意味におきまして五カ年間で実施することが可能と考えられております。
  13. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 計画を立てられた当時と現在とは、物価も上つておるような次第であるのでありますから、五カ年間に完了するという、基準点測量を五カ年間に完了するということでありますれば、今計画された金額よりもより大なるところの金額にならなければできないのではなかろうかということも想像されますが、そういう考えがないのであるかどうか、お尋ねしたいと思います。
  14. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 御指摘のような点をしばしば一般予算に関しましても指摘されるのでありますが、五カ年の後の仕事の量との調整もありますし、物価も一頃予想された上りも落着いて来たように思われますので、大過なくやれるように考えております。
  15. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 この国土調査全体は十カ年間でやるというふうにお考えのようでありますが、現在においても十カ年でやるというお考えであるか、又十カ年間でできる見込であるかどうかお尋ねしたいと思うのであります。
  16. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 大臣から或いはお話しがあつたかと思いますが、成るべく早くできればこれに越したことはないのでありまして、かたがたなかなか費用がかかりますものですから一応のところを十年間というふうに考えたのでありまして、事の性質上是非やりたいと思いますし、又やれると思いますが、予算その他国力の回復等考えられますので、必ず可能というふうに考えております。
  17. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は国土調査国土総合開発関係についてお尋ねしたいと思うのでありますが、今回の国土調査国土総合開発計画資料になるということであるといたしましたならば、この基準点測量だけでも五年を要すると、こういうふうなことであるのでありますから、国土総合開発というものは、これができ上つた後でなければできないということになれば国土総合開発も急がなくちやいけないのであるが、国土総合開発というものは自然時期が遅れるものである、こう考えて行かなくちやいけないのであるかどうか、この点についてお尋ねしたいと思うのであります。
  18. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) この国土調査法を御審議願います前に、一つ国土総合開発のほうは実はすでに委員会としては出発いたしておるのでありまして、ただ国土総合開発審議会国土を開発するのに対しましてより精密な材料が欲しい、あつたほうがより科学的になるというので考えたいと思います。勿論総合開発も場所或いは時間等で前後の関係等もあろうと思いますので、その運用は、国土調査のほうもそれと裏表になるように上手に運営して参るつもりでおります。
  19. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は国の機関が行うところの基本調査予定通りに進行いたすものといたしましても、地方公共団体であるとか土地改良区等が、経費負担をすることが困難であるというようなことで、進んでこの国土調査をしようという向きがないようなことがないではないか、こういうふうなことも考えられるのであります。そういうふうな場合においては、全面的にやはり国でやりたいという希望のところから先に着手される考えであるか、必要なところから先にやられる考えであるか、この両点についてお尋ねしたいと思うのであります。
  20. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) この国土調査法による資料というものは、すぐに地方行政資料としても活用できると考えますので、私どもの見方では、勿論費用関係もありますが、協力して頂けるのじやないか、希望して頂けるのじやないかと思います。ただ今御指摘のように、希望するところだけ先にやれば、必要とするところがあとになる、両方の意見が合うような形に持つて行けばいいのでありますが、これを強制するということでなしに、話合いで以て行けるのじやないかと思います。
  21. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 予算範囲内において事をやるということになつておるようでありますが、予算範囲内で国土調査として指定せられるのであるか、或いは指定を行なつてでも補助金を受けないものができる、こういうふうなことになりはせないか、要しまするに指定せられたところには必ず補助金が行くのであるかどうか、こういうようなことをお尋ねしたいと思うのであります。
  22. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 指定しましたところは必ず補助金が行くようになるだろうと思いますが、細かい予算負担区分等事務当局から説明いたさせます。
  23. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。この法の趣旨によりましてこの国土調査として指定を、補助金なしに指定を受ける希望のあるところもまああり得ると予想いたしておりまするので、その団体につきましては補助金なしに行われる場合があり得るわけでございますが、その点につきましては、法案において国が国土調査たらしめるために勧告をいたすわけでございますが、その際に先ほど政務次官からお話がございましたように、実施者の同意を前提といたしておりまして、その際のお話しによりまして、指定を受ける場合におきまして、どういうようにこの仕事を、国土調査としての性格に対しどのように一致して行くかという点について地元との話合いを進めて実施して参りたい、かように思つております。
  24. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 主務大臣委員会等都道府県その他のものに国土調査を併せて行うことを勧告いたしましてでも、これがために実施計画であるとか、作業規程の届出であるとか、或いは委員会の設置、地図、簿冊送付等、いろいろと仕事が複雑でありますから、指定を喜ばないところのものがありはせないか、こういうふうなことも考えられるのであります。であるから国土調査といたしましてでなくして、測量調査を行なつて、その成果の認証を受けたほうが簡単でいいというような傾きがありはせないかと思われるのでありますが、これらの点についての御意見を拝聴したいと思うのであります。
  25. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) お話のような場合も予想されるのでございますけれども、この仕事につきましては予算がすでに本年度にも計上されておりますように、この技術の講習及びその趣旨等につきましては、最も事務的な処置といたしまして重視いたしておるところでございまして、その関連ある団体等に対しましては事前に十分の御了解を得て、この国土調査の線に乗つて参るということに努力をいたすことによつて、おおむね本来の事業支障なしにこの調査が実施できるのではないかというふうに考えておるのでございます。
  26. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 この国土調査法によつて得たところの成果というものは、非常に大きいところのものがあるのであります。この大きいところの成果を整理保存するためにはたくさんの設備が要ると考えるのであります。又人を要すると考えておるのであります。そういうふうな厖大なところの成果を整理保存するためには、どんな方法で整理保存されようとお考えになつておられるかどうか、又どんな機関がその任に当らせられるお考えであるかどうか、この点お伺いしたいのであります。
  27. 小舟清

    説明員小舟清君) お答え申上げます。この成果につきましては、お話のように最も考究しなければならないところと考えておりますが、この調査範囲が非常に広汎でございますので、これを全部一カ所の機関保存するということは、いろいろな点で却つて支障があり困難でございますので、それぞれの調査の大まかな内容によりまして、調査成果保管機関関係各省とのお話合の上定めまして、そうしてこの成果の十分な利用ができるようなことも考えながらこの保存機関を定めたいと考えております。併し取りあえず段階といたしましては、最もこの調査関係の深い都道府県市町村等地元公共団体にこの副本というものを保存させるということを取りあえず方法として考えておるわけでございます。この保存方法につきましては、いろいろとその設備等につきましても考究をいたす必要を考えておりまして、土地調査準備会におきましても研究をいたしておりますが、何分にも経費等関係もございますので、研究を進めまして、この仕事が逐次進捗いたしまして、成果が出て参ります場合に対応いたしまして、逐次整備いたして行きたいと、このように考えております。
  28. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 現在各地方にあるところの登記所土地台帳家屋台帳というようなものの整備をやつておるのでありまするが、税務署から引継いだそのままで、まだこういうふうな書類が不整備になつておるところが多々あるのであります。そういうふうなところに今度この調査によつて厖大なるところの書類ができ、又それによつて整備せなくちやならないということになつたならば、現在の各登記所人員でそれができるとお考えであるかどうか。若しできないとしたらば、そういうふうな方面における人員を増加せられる考えであるかどうか、お尋ねいたしたいと思うのであります。
  29. 小舟清

    説明員小舟清君) その問題につきましては、この土地台帳の書換に関する政令を定めることになつておりますが、その際に法務府等と十分お打合せをいたしまして、理想といたしましては職員増員等考えるべきでありますが、若しそのようなことができない場合におきましては、取りあえず段階といたしましては、関係方面の機動的な人員動員等によりましてこの仕事支障のないように運びたいという法務府の希望等も承わつております。
  30. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次にはこの調査は一度限りでやめられるのであるかどうか、土地分類調査であるとか水調査であるとかということは、一定の期間の後にはいろいろと変化があるものと想像されるのであります。変更があつたらば再調査をして訂正しなくてはならないのであるが、そういうふうなこともやられるお考えであるかどうか、この点お尋ねしたいと思うのであります。
  31. 小舟清

    説明員小舟清君) お話のように、この調査を常に諸般の目的に役に立つようにするためには、変更或いは修正を実態に即して実施して行くということが必要と考えております。併しながらその問題につきましては、諸国の例等に鑑みましても、分量といたしましてはそう大きなものでございませんので、格別現在といたしまして、法案にもそのようなことを規定してございませんし、事業計画といたしましても樹立いたしてございませんですが、そのような問題につきましては成るべく速かにその方針を立てたいというふうに考えております。
  32. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は各地方土地、殊に水利争いが非常に多いのでありますが、この水利争いを解決する方法といたしまして、本調査がどんな効果があるか、或いはどんな支障があるか、この点お尋ねしたいと思うのであります。
  33. 小舟清

    説明員小舟清君) この調査は水の実態を、その基本的な実態から、更に水利慣行等に至るまで調査をいたすことを本旨といたしておりますので、この調査ができました水系におきましては、従来の水利紛争の多くの場合にそうでありましたように、断片的な、或いは一方に偏した見方からするところの争いということがなくなり得るわけでございます。特に水の自然科学的な種々の調査というものと水利実態という社会経済的な事項も併せて調査をするというこの水調査建前からいたしまして、只今のように水利争いには最も正鵠なる判定のお役に立つのではないかというふうに考えております。この調査水利争いに関しまして直接役に立つということを直接の目的としておるのではないことは、この法案建前から明らかでございますが、その争いがありまする場合には、今申しましたように非常に重要な資料になるというふうに考えております。
  34. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 厳原町の標本調査報告によつて見まするというと、収量調査には申告方法をとつておられるようであります。これで正確が期せられるとお考えであるかどうかお尋ねしたいのでありますが、現在の土地については明治の初めに決定した土地調査によつてすべての課税が行われておると、こういうふうな際に、基本的に今回調査される際に、申告方法によつて収量調査をやつて正確が期せられるという確信があるかどうか、この点お尋ねしたいと思うのであります。
  35. 小舟清

    説明員小舟清君) 厳原町におきまして実施いたしました申告制度は、いわゆる普通に考えられます申告と幾分異なるのでございまして、これはその土地生産力というものを、近隣との土地との相対関係において表示すると、その絶対量は必ずしも申告するを要しないという、現在の農村の実情に最も即した方法とつたつもりでおるのでございます。この結果に鑑みますと、申告者真実報告しにくい点を避けまして、真実に近いものを多くの人から聴取いたすという方法をとつておりますので、その点につきましては結果から見ますと、土地近隣との相対的関係は、多数の人からの申告を結集して、一つ土地の大体の見当をつけるということになりますので、大体正鵠を得たようでございます。それでもう一つ申告を、申告のみを基礎といたすのではございませんで、申告基準と、参考といたしまして、更にその他の土地農業関係専門家の御動員を願いまして、それらのかたがたの別の見地からする土地生産等級判定というものを幾つ参考にいたしましてそれらが全く一致したものを基準地といたしまして、それを正鵠なものと考え、その他の土地はそれに準じそれぞれ等級をつけるという方法をとりましたので、収量調査におきます申告は大体正確を得るのみならず、申告のみによつてやるのでございませんので、大体所期の目的は達するのではないかと考えております。
  36. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 昭和二十四年十月十一日の国土総合調査準備に関する件ということについての閣議決定によつて見まするというと、その閣議決定で挙げられた土地調査効果といたしまして、数点挙げられておるのでありますが、そのうちの一つが、課税公平化一つ供出制度合理化、こういうふうなものが挙げられておるのであります。この点から考えて来て見まするというと、国土調査をやられる結果は、徴税供出割当に利用せられるということになると思うのでありますが、その点についての政府のお考えをお伺いしたいと思うのであります。
  37. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) そのこと自体を目的としてやるのではないことにいたしましても、土地に関する正確な資料になりますれば、自然行政資料としてこれを活用されることはあり得ると思います。併しその場合も、この使い方というのは、割当の場合には農林当局がこれを使つてやることになりましようし、又徴税の場合は税務当局で利用するというようなことになろうと思います。
  38. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 若し只今の御答弁の通りであるといたしましたならば、この国土調査を施行したところと、施行しないところの地方とは不均衡を来たすような虞れがないとも限らないのでありますが、そういうふうな場合の徴税について、どういうふうにお考えであるかどうかお尋ねしたいと思うのであります。
  39. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 現在の割当或いは徴税等に関しましても、正式に古い調査でデーターとして現われたものとは実情が違います分については、それぞれ適当な方法補正しておると考えます。割当の問題に関しましても、土地縄延びの問題、隠し田の問題等実情に合うように補正して使つておると思いますし、税金を取ります場合にも、やはり同じような補正をそれぞれの当局が行なつておると考えます。従つてこの調査をやつた結果と今の結果の違いというものは比較的小さいと思いますが、特に御指摘なつたようなことで大きな開があるほどには違つていないのじやないか、もう片一方は、国土調査の結果によりますと、それがオーソライズされるという点では非常な進歩だと思いますが、実情ではかなり現実の補正が誤差を小さくしているのではないかと考えます。
  40. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 厳原町の標本調査では林野はそのままになつておるというのでありますが、この林野調査をどうやられるお考えであるかどうか、お尋ねしたいと思いますが、又私などの想像するところによつて見まするというと、縄延びというようなものは、林野が特に多いと考えておるのでありますが、林野縄延びの現在の状況はどのくらいであるとお考えであるかどうか、この点も併せてお尋ねしたいと思うのであります。
  41. 小舟清

    説明員小舟清君) 厳原町の標本調査地区におきましては、林野地区に対しましては、あすこで林野施業計画を立てることになつておりまして、その施業計画を作る際に、国土調査の一環として国土調査方法によつて調査を実施して頂く、このようにお話合いを農林省とつけて実施いたしたわけでございます。それで林野の面におきましても早く成果を欲しかつたのでありますが、事業と結び付いているという関係がございまして、中間報告にはまだその結果を申上げる段階に至つていないのでございます。  その次の縄延びの問題でございますが、これはいろいろな見解がございますが、今まで幾つかの統計を比較検討いたしますと、主税局等土地調査の面積に比べまして、農林当局関係資料によりますと、民有林等については全体といたしまして倍に近いようでございます。併しこれは地方によりまして相当の差があるわけでございますし、又里山等におきましては、その差は極めて少いようでございます。その実態が明確でございませんで、今度の調査がそれを明確にするということが一つの任務になつておるわけでございますが、今のところそういうようなことでございます。
  42. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は国土調査法を逐條的にお尋ねしたいと思うのでありますが、総体的にはこの政令が出て、政令案を示していないからわからないのでありますが、この政令についてたびたびお尋ねするかわかりませんから、その点前以て御了承を御願いいたします。  第二条の第一項の第二号のところの、「その他の政令で定める者」、この政令で定める者とはどういうふうなものであるか、お尋ねしたいと思います。
  43. 小舟清

    説明員小舟清君) 「その他の政令で定める者」といたしましては、農業指導協同組合等が農地について考えられます。又農業委員会考えられます、林野区につきましては森林組合等考えられます。都市の区域につきましては区劃整理組合等考えられております。
  44. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それから同条第二項の水面というものは、これは湖水と川という意味であるか、或いは水面にはどういうふうなものがあるか、お尋ねしたいと思います。
  45. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。お話のようないわゆる水面でございまして、ただこれは測量対象となるような意味の、水の一定のひろがりという意味でございますので、その他の水につきましても、この基本図作成の場合に対象となりますような水については、すべてこの水面のうちに入るということに考えております。
  46. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今のでちよつとわからなかつたが、例えば入江になつているようなところの海面のようなものも、非常に入り込んだところであつたらばこの水面のうちに入るのであるかどうか。
  47. 小舟清

    説明員小舟清君) これは内陸水面という意味でございまして、普通水面といいます場合に、特に断りがなければ海水面はまあ含まないことが多いというような意味合いから、海水面対象といたしておらないんでございますが、ただ実際にこの基本図作成の場合に、測量いたします場合に、水面を完全に除いてしまうことは測量上不便なこともございますので、一応海水面は除きますけれども、測量に必要な範囲において一部その海水面の近辺が測量されるということになるわけでございます。これはちよつと不明確のようでございますが、測量法やそれから海上保安の関係からします水路部の測量関係からいたしましても、或る程度のそういうような重複は技術上止むを得ないことと考えております。
  48. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次には第六項の政令で定める地図及び簿冊の様式の草案があつたらばそれを承わりたいということと、第七項の「政令で定める」と、こういうふうに書いてあるのでありますが、その政令の案があつたらば承わりたいと思うのであります。
  49. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。この第六項の政令で定める様式は、磯原で、極くその一部しかお示し……、中間報告にはいたしてございませんのですが、あれがその一部でございまして、ああいうようなものを集大成いたしまして作りたいと考えております。これはまだほんの試案でございますので、なお国土調査審議会等において十分審議して頂いた後に定めたいと考えておるわけでございます。  それから第二条第七項の「これらの国土調査の各々について政令で定める」機関の問題でございますが、この点につきましては、基準点測量は建設省の地理調査所が実施いたすということは明確でございます。その他の調査につきましては、おおむね現在の各省の取扱つております事務の関係から、農林大臣、建設大臣、通産大臣が、大体それぞれの機関として政令で定めるものは予想せられるのでございます。ただ基本図を作成する場合におきまして、それらの具体的な地域によりまして或る程度の地域の分担を必要とすると考えまして、それらにつきましてもおのおのについて詳細は政令で定めたいというふうに考えております。
  50. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は第三条です。第一項、経済安定本部総裁が定めるところの基本調査の基礎計画、この基礎計画というものの内容がおわかりであろうから、その内容をお示し願いたいと思うのであります。
  51. 小舟清

    説明員小舟清君) この基礎計画として現在考えられておりますのは、国土調査の、基本調査の最も重要なる内容を定めるものと考えております。例えば各調査事業分量事業実施の年度計画及び事業実施の順序等について計画を作りたいと考えております。
  52. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は第二項の「経済安定本部令で定める。」と書いてありますが、経済安定本部令の草案がある、或いは内定がしてあるということだつたらば、その案の内容をお示し願いたいと思うのであります。
  53. 小舟清

    説明員小舟清君) この作業規程の準則は、作業規程として国土調査を実施するものが規定すべき主なる内容についてその基本となるべきことをきめたものでございます。従いまして調査項目でありますとか調査方法、或いは更にその使用すべき機具、材料、又調査の時期、調査の組織等についての要点について定める予定でございます。
  54. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) 藤野委員、まだ大分御質問がありますか。……ちよつと速記停止。    〔速記中止〕
  55. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) それでは速記開始。
  56. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 第四条第一項、これも前にもありますが、「国の機関が作成する。」と、こうなつているが、国の機関とはどういうようなものであるかお尋ねしたいと思うのであります。
  57. 小舟清

    説明員小舟清君) これは先ほど申上げました第二条第七項にも定められておるところ建設農林その他の関係機関でございます。
  58. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は第五条の第二項です。国土調査として基本調査以外の第二条第一項第二号の調査を行うということになつて、おるのでありますが基本調査以外の第二條第一項第二号の調査というものはどんなものであるか、それをお尋ねしたいと思うのであります。
  59. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。これは基本調査以外のという意味合いでございますので、土地分類調査、水の調査及び地積調査のことを意味しておるわけでございます。
  60. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 第七条の第一項、これにも政令で定めるという手続が書いてあるのです。それから公示という言葉を使つてある。それで政令で定める手続とはどういうふうなものであるか、又公示の方法はどういうふうなことであるか、お尋ねしたいと思うのであります。
  61. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。これは例えば都道府県の公報等によりまして公示するわけでございますが、その手続といたしましては、その公報の届出等に関する、その公示に至るまでの手続を定める予定でございます。
  62. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 この公示というのは、「主務大臣又は都道府県国土調査委員会」という上のほうに謳つておるのでありますが、公示は県の公報だけに公示するという意味であるか、或いは官報にも掲載するという意味であるか、ただ公報だけでありますか、これを重ねてお尋ねいたします。
  63. 小舟清

    説明員小舟清君) 失礼いたしました。主務大臣指定した場合におきましては官報によりまして、都道府県国土調査委員会指定した場合は都道府県公報によりまして公示いたす予定であります。
  64. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は第八条第一項の「政令で定める事業」と、こう書いてありますが、政令で定める事業とはどんなことであるかお尋ねしたいと思います。
  65. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。これは土地改良事業でありますとか、河川改修に関する事業でありますとか、道路に関するもの、森林、水防に関するもの、都市計画事業等でございます。
  66. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 第九条の第一項、これは一遍前にもお尋ねしたのでありますが、「政令で定めるところにより、予算範囲内において補助金を交付する」と、こういうふうになつておるのでありますが、仕事をしたところの者にも全部補助金をやるということでなくて、何か政令補助金を出すところの者に制限を与えられる考えであるかどうか、お尋ねしたいと思うのであります。
  67. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。  この政令におきましては、予算等の関係もございますので、政令を定める際にはいろいろ規定されなくちやならないこともあるかと存じますけれども、只今のところではそのようなことは考えておりませんので、補助金の申請要領でありますとか、補助金を交付すべき事業の細部の内訳等につきまして政令で定めたいと考えております。
  68. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次には第九条の補助金交付は一号、二号、三号、四号と、こうなつておるのでありますが、この一号、二号、三号、四号の各号に対して補助の率が変るようなことがあるかどうか、お尋ねしたいと思うのであります。
  69. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。これは各号によりまして変るということは考えられないのでございますが、ただ作業調査の項目の種類によりまして、土地の分類調査と水の調査との差による補助の割合というものは、先日も申上げましたように、水の調査につきましては、国の実施する部面が多いので、補助そのままの率といたしましては低いというような関係になるということも予想されております。
  70. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は第十条は文章が非常にむずかしいのでありますが、実施を委託されるところの団体というようなものは、この「市町村にあつて土地改良区等」と、こういうふうになつておるが、市町村で実施を委託されるのは土地改良区のほかに、先刻お話のあつたようなものも予想されておるのであるが、これらの点についてお尋ねしたいと思うのであります。
  71. 小舟清

    説明員小舟清君) さようでございます。前と同じでございます。
  72. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は第十五条でありますが、都道府県国土調査委員会には四号と五号の「国土調査に関する職員の養成及び研修」、「国土調査について普及及び宣伝を行うこと」、こういうふうなことを委員会仕事として挙げておられるのでありますが、一方国土調査審議会の仕事にはこういうふうなことがないのでありますが、中央でこそこんなことをやるべきであると考えておるのでありますが、地方のほうのみにこういうふうな四号及び五号というような事業を書いておられるところの理由がどこにあるか、お尋ねいたしたいと思うのであります。
  73. 小舟清

    説明員小舟清君) 実は中央におきましてもこの職員の養成、普及、宣伝というものは最も重視いたしておるところでございます。併しながら、中央は別にその事務組織といたしまして経済安定本部がございまして、国土調査審議会は重要事項に関する審議でございますので、その重要事項の中にこれらの基本的な計画も一部当然入つて来ると考えられます。そこで中央におきましてはその規定を特に明示いたさなかつたわけでございますが、都道府県委員会におきましては、これは委員会の組織でございまして、都道府県段階における事務はすべてこの委員会が行うことになつております。そこでこういう重要な仕事でありますので、特に十五条において掲げたものでございます。
  74. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると只今の四号、五号の事業都道府県委員会がやる場合においても補助金の交付があるのであるかどうか、重ねてこの点をお尋ねしたいと思うのであります。
  75. 小舟清

    説明員小舟清君) 都道府県委員会に対しましては、実はこの法案建前におきましては、都道府県委員会そのものに対する事業に対しましては補助金の規定はございませんのであります。
  76. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 第十六条の第四項に「委員に対し、報酬を支給しなければならない。」こういうふうなことになつておるのでありますが、この報酬の額はどんな方法で定められるのであるか、又委員会の委員に対しては費用の弁償をせなくちやできないことになつておるのでありますが、費用の弁償というのは、旅費以外にどういうふうなものを予定しておられるのであるか、併せてお尋ねしたいと思うのであります。
  77. 小舟清

    説明員小舟清君) この都道府県の委員に対しましては、その規定といたしましては県の条例で定めて頂くように考えております。その費用の内容といたしましては、お話のように主として旅費でございますが、その他格別の地方実情に応じまして、条例等によりまして或る程度弾力ある運用を考えて頂きたいと考えております。
  78. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は第十七条第一項でありますが、「その旨を公告し、」とこう書いてあるのでありますが、公告の方法をお尋ねしたいと思うのであります。
  79. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。これは先ほどの公示の場合と同様でございまして都道府県が実施した場合におきましては公報等において公告いたすわけでございますが、なお市町村の事務所におきましても、この土地に結び付いた調査でございますので、市町村の事務所の最も周知できるようなところで公告するようにいたしたいと考えております。
  80. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 只今の公告の方法では不明確ではないかと考えておるのでありますが、事務所の前に公告するとか、或いは公報に公告するとかというようなことでは、多数の者に示すことはできない。でありますから「その旨を公告し、」と、こう書いてある以上は、官報に公告するか、或いは新聞に公告するかということも考えなくちやできないと考えるのでありますが、新聞公告はこの中には考えてないのであるかどうか、お尋ねしたいと思うのであります。又官報公告は考えておられるのであるかどうか。
  81. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。国が実施いたしました場合には官報で公告いたすことも考えております。又地元団体等が実施いたします場合におきましては、お話のような周知の方法研究いたしたいと考えております次第であります。
  82. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は十八条、これはさつきお尋ねしたことに関連があるのでありますが、一番しまいの「地図及び簿冊を送付しなければならない。」ということになつておるのであります。送付を受けたところの者は保管の義務があるのであるかどうか、保管の義務があるとしたならば、何年間保管の義務があるのであるか、この点お尋ねしたいと思うのであります。
  83. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。この送付を受けました者につきましては、成果の保管といたしまして第二十一条におきまして規定をいたしております。特にこの規定によりまして成果の保管をすべきものにつきましては、これは勿論期限なしに、こういう重要な資料でございますから保管をする義務があるわけでございます。その他の機関にありましては、これはそれぞれの事務上の必要上から相当長期保管する必要がございますのですが、これらの点につきましては国土調査基本調査準則その他にそれぞれ必要な規定を設けたいと思つております。
  84. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は十九条の第二項です。政令で定める誤差ということがあるのでありますが、政令で定める誤差というものはどのくらいの誤差であるかお尋ねしたいと思うのであります。
  85. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。この誤差といたしましては、図の性格によりまして違うと思うのでありますが、国土調査基本図は基本になるものでございますので、一万分の一以上の誤差は、これは作業に標準誤差以上のものがあるというふうに考えようと思つております。地積図については千分の〇・五以上の誤差ということにいたしたいと考えております。
  86. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 二十条の第二項です。「土地台帳又は同項の土地台帳以外の台帳の記載を改めなければならない。」というのでありますが、これは送付を受けたところの者が自分の権限で改めるのであるかどうか、若し又そういうふうなことであつたならばいろいろの費用が要るのであるが、その費用については無手数料で、権限で改めるということになつておるのであるか、その辺の関係をお尋ねしたいと思うのであります。
  87. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。この土地台帳の記載を改めることにつきましては、土地台帳法の規定によりましてやることを考えておるわけでございます。従いましてこの政令におきましては、その土地台帳法の規定を実際にどう実施するかというその手続等について定めることを考えておるわけでございます。
  88. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は二十九条第一項の「損失を補償しなければならない。」ということになつておるのでありますが、損失補償の決定は誰がやるかということをお尋ねしたいと思うのであります。
  89. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。この損失の決定はまあ「相当の価額により」ということによりまして、当該国土調査を実施した者が一応きめることになるわけでございますが、ただその場合につきましては第二項に測量法の準用がございまして、これは価額につきまして異議ある場合におきましては土地収用審査会にこれを申出ることができると、こういうことになつておるわけでございます。
  90. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次は三十条第一項、国土調査に必要なところの標識等を設置すると、標識等を設置せられたならば、設置せられたところの田畑はそれだけ田畑の使用を阻害されるのであります。阻害されるということになつたらばそれだけの負担をせなくちやできないということになつて来るのでありますが、その標識等を設置したことのために農耕地に支障を来たしたらば、その支障を来たしたところの損害金はどうやつて誰が負担するのであるか、お尋ねしたいと思うのであります。
  91. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。この標識の設置につきましては、例えば基準点測量の場合の標識のごとく特に大きな面積を要し、又永久的な標識等につきましてはそれぞれ実際上すでに地理調査所でやつておりますように補償が事実上といたしてやつておるわけでございます。併し国土調査を実施する場合におきましてその他極く僅かの面積、もう面積というに足らない程度のもの、或いは臨時的なものにつきましては、これはこの調査上の必要性から、それぞれの国土調査を実施する者が他の関連事業の実施に併せて実施いたすわけでございますので、格別にこの補償等について考える必要はないかと考えております。
  92. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 只今の、例えば電柱の敷地料、損害料のようなものも、法律で定めてあるところのものは非常に安いところの値段で定めてあるために、全国の農業代表はこの値段を引上げてもらわなくちやできないということで、今交渉を進めておるような次第なのであります。そこで今この標識を設定する場合の土地使用の損害料金はどのくらい現在支払うておられるのであるか、或いは現在の使用料が少いということであつたならばどのくらいまで引上げるつもりであるか、併せてお伺いしたいと思うのであります。
  93. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。この標識の大きさは極く小さいものでございまして、多くの場合は一寸四方、二寸四方のような太さのものでございますので、それらにつきましての補償というのは、電柱の場合等と異りまして、従来は余り問題になつておらないそうでございます。御了承頂きたうございます。
  94. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 電柱の場合も従来は四銭と十六銭、二十銭くらいで、請求しなければ誰もやらない規定なのです。そういうことでは現在の農業経営上から困るということで、今値上げの運動をやつておる次第なのです。御参考までに申上げておきます。その他いろいろお尋ねしたいことがあるのでありますが、政令で定める、政令で定めるというばかりであつて、その政令の内容をお尋ねしたいと思うのであるが、いずれ政令は、この法律が若し通過するならば定められることであろうと思うのでありますから、政令の草案でもあつたならばできるだけ早くお示しをお願いしたいと、こう思うのであります。
  95. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  96. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) 速記を始めて下さい。藤野委員質疑が終つたところでありますけれども、ほかに御質問はありませんか。若し御質疑がないようでしたら、これで質疑を終了したものと認めてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) それでは質疑は終了したものと認めます。  これから討論に入るわけでありますが、討論の中で一つ修正意見がおありになるはずでありますから、修正意見から先ずお述べを頂きたいと思います。
  98. 野田卯一

    ○野田卯一君 本案に対しまして修正をして頂きたいと思います。御承知のように本案の附則第一項は、「この法律は、昭和二十六年四月一日から施行する。」となつておるのでありますが、四月一日は御承知のようにもう経過いたしておりますので、これを「昭和二十六年四月一日」を「公布の日」と、こういうふうに改めたいと思います。
  99. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) 只今野田委員から修正案と修正の理由が説明されました。これも含めまして御発言をお願いしたいと思います。討論として何か御発言ございませんか。
  100. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 この法律は、意図するところは非常にいいのです。科学的且つ総合的に国土調査しようというので非常にいいし、それから昭和二十二年以来専門家の諸君が法律案をここまで持つて来られた努力にも敬意を表するし、それからあらかじめ机上の説明でなく、数カ所の場所をとつて実際それのモデル的な調査を進め、これを我々に見せて下さつたことも非常に周到な態度であるとして敬意を表したいと思います。  併しながらこういつた法律が出て、そうしてこれによつて一定予算が参りまして、そうして技術者を中心にして専門家の諸君が活動される。その活動の結果の政治的な意義という観点から考えると、我々は遺憾ながらこの法律案の前途というものは極めて明白であり、且つこの法律案が吉田内閣の下で果すべき役割も非常に明確であると思います。これを具体的に言えば、先ず基本調査につきましては、これは測量合理化と、非常に将来に役立つということで、これは殆んど直接国民経済には寄与しない、つまり専門技術としての測量がここで合理的に遂行されるということに私は帰着するだろうと思う。それから同時に分類調査効果ということに至れば、これも徒らに国土が崩壊して行くという事実を図面の上に記録することに私はなるであろうと思う。それから水調査に至つては、これの基礎の上に水力の開発或いは農業生産の発展などということを云々されますが、吉田内閣が意図しているところは、こういつた水資源を真に日本の勤労者のために平和的に発展させることでなくて、外資導入などをして外国の資本をここへ持つて来て、外国に利権を売渡して行くという結果に陥るその一つ調査になるに過ぎないであろう、且つそれが仮に外資導入その他の方法によつて水力ができましたとしても、その電力資源というものは日本の農業及び平和産業を無限に発達させて行くという方向とは反対で、日米経済協力態勢という名の下に、むしろアメリカの再軍備拡張に照応するところの軍需産業の下請にこの水資源が使われるということに帰着し、農業は更に崩壊の度を進めるであろう。それから平和産業は更に崩壊の速度を進めるであろうということになると思う。それから地籍調査に至りましては、これはそうでなくても苛酷なる税金を更に合理的に苛酷に取り、苛酷性を合理化するということに帰着するであろう。即ちこの法律案が実際遂行される政治的な意義、及び国民経済に及ぼす影響を考えますと、丁度表面的には進歩的なルーズベルト政権がニユーデイール政策を提げてT・V・Aで果したような役割を演ずるかのごとき幻想を与えておりますが、これはむしろヒツトラーが国土計画の名の下に全国的な調査をやりましてそうしてその成果として世界に誇るべき自動車道路網の築造をして、当時の一九二〇年の初頭の世界をあつと言わせましたけれども、その帰着するところは、国内の労働問題の弾圧と、それから第二次大戦における二正面作戦の軍事移動に備えたという理由によりまして、立派なはずの国土計画、科学計画の粋を尽したヒツトラーの国土計画は、徹底的にドイツ民族を崩壊に導くことに役立ち、現在ヒツトラー道路といえば、ヒツトラーの墓場という名称をヨーロッパで与えられておりますが、この国土調査が仮に吉田内閣の下で行われるといたしますれば、まさにうまく行つて、最もよくてヒツトラー道路の役を果す程度、即ち政府が提案で説明しておられます、及び大臣が提案の理由で説明しておられます経済自立をできるだけ早く達成するどころでなくて、これらの資料は国を外国のための軍時基地化に使い、且つ外国の軍備拡張の手足となつて、日本の平和産業を亡ぼし、且つ第三次大戦に捲込まれる、或いは国土の最後的な崩壊そのものに役立つであろうという、この国土計画調査は、担当者の善意な意図及び技術者及び科学者諸君の善良な意図、及び政府の提案の美辞麗句にもかかわらず、私はこの法律案の果す役割は、およそ希望と正反対のものであろうということを見通すのは困難でないと信じます。よつて日本共産党はこの法律案に反対であります。
  101. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) ほかに御発言はありませんか……御発言ないようでしたら討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) それでは討論は終局したものと認めまして、採決に入ります。国土調査法案につきまして採決いたしますが、先ず討論中にありました野田委員からの修正案を議題にいたします。野田委員からの修正案は、国土調査法案の一部を次のように修正する、附則第一項中昭和二十六年四月一日を公布の日に改める、これが全文であります。この修正案を先ず議題にいたしますが、同修正案に賛成のかたの御挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  103. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) 多数でございます。よりまして野田君提出の修正案は可決されました。  次に只今採決されました野田君の修正にかかる部分を除いての国土調査法案全部を議題にいたします。修正部分を除きました原案に賛成のかたの御挙手を願います。    〔挙手者多数〕
  104. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) 多数でございます。よりまして国土調査法案は多数を以て修正可決いたしました。  なお委員長の口頭報告につきましては、例によりまして従来のような方法一つ委員長に御一任頂けますでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) それではそのように決定いたします。なお議院に提出いたします報告書につきまして、多数意見者の署名を頂くことになつておりますから、順次御署名を願います。   多数見意者署名     中川 以良  永井純一郎     泉山 三六  野田 卯一     山本 米治  藤野 繁雄     菊田 七平
  106. 佐々木良作

    ○委員長(佐々木良作君) 御署名を終りましたならば、特に御発言なければこれで閉会いたしたいと思いますが、特に御発言はありませんですか。……それでは本日の委員会はこれを以て閉会いたします。    午後零時二十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     佐々木良作君    理事            永井純一郎君            山本 米治君    委員            泉山 三六君            中川 以良君            野田 卯一君            藤野 繁雄君            菊田 七平君            兼岩 傳一君   政府委員    経済安定政務次    官       小峯 柳多君   事務局側    常任委員会専門    員       桑野  仁君    常任委員会専門    員       渡辺 一郎君   説明員    経済安定本部国   土調査室副室長  小舟  清君