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1951-03-26 第10回国会 参議院 経済安定委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十六日(月曜日)    午後三時五十九分開会   —————————————   委員の異動 三月二十三日委員伊藤保平君辞任につ き、その補欠として川上嘉市君を議長 において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件臨時物資需給調整法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは委員会を開会いたします。  今日は第十回になると思いますが、前回二十三日の委員会におきましては、物調法審議につきまして三人の証人を呼んで証言を求めました。その後調査事件として最近におけるアメリカ経済事情についての説明を聞く会を懇談会して催しました。今日の議題は前回に続きまして、かかつておる法案の審議に入りたいと思いますが、先ほど懇談会のときに申上げましたように、物調法関係審議が急がれております事情もありますので、先ず最初物調法関係質疑を重点的にやつて頂きまして、その後に外為設置法及び外資法質疑を続けて頂きたいと思います。従いまして最初物調法関係質疑を中心に質疑のあるかたからお願いしたいと思います。
  3. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 物資需給審議会のことにつきましては、この前の委員会でも質問したのでありますが、今日の東京新聞によつて見まするというと、経済官庁政策審議会からは民間人を排除するという方針のようであるのであります、そういたしまするというと、この前に質問した場合の答弁と齟齬することになるのでありますが、この点についてどういうお考えであるか、伺いたいと思うのであります。
  4. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 今の御答弁を願う前にちよつと私から附加えて置きますが、通産委員長から経済安定委員長宛物調法関係要望事項としての文書が参つておりますので、朗読をして附加え置きます。    要望事項   貴委員会において御審議中の臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案の第二條にある物資需給調整審議会についてその委員に広く学識経験者を入れ、その任免については主要経済団体意向を徴し、以てその運営民間要望を強く反映するよう御配慮を煩わしたい。二十三日附で通産委員長深川榮左エ門氏から経済安定委員長宛要望事項として参つておりますから、委員に伝えまして御連絡をとつて置きます。
  5. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) この前私がお答えして置きましたことと関連がありますので、私からお答えして置きます。民間意向をできるだけ反映いたしますために審議会を作るのでありまして、東京新聞記事云々がありましたが、先ほどお答えしました方針と少しも変りございません。新聞のほうが何か誤り伝えられておるような気がいたします。
  6. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 この前に要望して置きました政令案はまだ配付されておりませんが、政令案はどういうふうになつているか、お尋ねしたいと思うのであります。
  7. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 只今配るそうです。
  8. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 先ほどの答弁に補足しまして、東京新聞記事をうつかり今拝見したわけですが、これは一般委員会特に直接取引利害関係を結ぶような構成のものはこれを排除したいというふうな方針は私ども承わつております。併しこの前もお答えしましたように、そういう一般方針によりました後に私どもがこの審議会委員に折衝したわけでありまして、前にお答え申上げましたのと少しも変りございません。
  9. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 いろいろの重要問題が外部に漏洩する慮れがないようにするためには、委員公務員として取扱うういうようなことであつたのでありますが、公務員として若しも取扱うというようなことであつたならば、現在公務に従事しているところの者はこの委員になることができないのであるかどうか、この点をお尋ねしたいと思うのであります。
  10. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 非常勤公務員として扱いたいということはこの前申上げました通りでありますが、現在公務員になつておるかたがたの参加は今のところは予定いたしておりません。
  11. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 非常勤公務員であるから……私の考えとしては公務員のうちからでも委員にすべきものがあつたらばして差支えないのであつて、それを除外するところの必要はないかのようにも考えられるのでありますが、この点更にお尋ねしたいと思うのであります。
  12. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 非常勤公務員にしてすでにその仕事をやつております者も兼ねてできるようにはいたしたいと思つております。ただ私の申上げました公務員という意味は、常勤の、いわば公の一般公務員の場合を予定しないという意味であります。
  13. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 次に私がこの前に申上げたのでありますが、統制改廃又は開始する場合には改廃又は開始を必要とする理由をよく説明いたしまして、国民を納得せしめた上で、改廃又は開始をして国民が進んで協力するような態勢を作りますと、統制も簡易にできて且つ闇取引もないようになると思うのでありますが、これらの点について政府のお考えをお伺いしたいと思うのであります。
  14. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) もう御指摘通りでありまして、統制をやります場合の効果は、如何に民間かたがた協力が得られるかということになるたろうと思いますので、御指摘のように運営したいと考えております。
  15. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 物調法物資統制に重点を置いて、おられるようでありますが、物価統制の必要もあるのではないかと思うりであります。過去におけるこころの実際の例から申上げますと、この統制をした初めにおいては量のみの統制をやつたのでありますが、量のみの統制では失敗してあとで量と価格と両方の統制をやつて漸くその目的を達したのであります。でありまするから、こういうふうな過去の実例から申上げますと、物資統制をやると同時に、物価統制をやらなくちやできない、こう考えるのでありますが、この二つ関係を御説明をお願いしたいと思うのであります。
  16. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 御指摘のように、物価物資需給調節とは極めて密接な関係がございます。ただ理窟の上では一応分れますものですから準拠法が違つておりまして、物資需給のほうは只今審議願つております物資需給調整法物価のほうは物価統制令でやつておるのであります。この二つの中で物資需給調整法のほうは四月一日から執行になりますから只今審議を願つておりますが、物価統制令のほうはそのまま生きておりますから、御指摘のような両々相待つて運営に差支えないと考えております。
  17. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 政府生産増加輸入促進等によつて物資需給の緩和、国民生活安定確保に鋭意努力を続ける所存であるとのことであるのでありますが、如何なる方法生産増加及び輸入促進を図られつつあるか、その具体的案についてお尋ねしたいと思うのであります。
  18. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お尋ねの点については、これまでもいろいろな機会政府として答弁いたしておるのでありますが、生産増強ということに関する問題に関連して、第一には輸入促進ということが大きな眼目になつております。政府としては輸出相当に出て非常に結構でありまするが、併し国民生活の安定と維持増進ということ、それと並行して経済自立復興を図る上においては、輸出だけ出て、必要な原材料或いは商品が国内からなくなることは非常に困る。基本生産増強いたすについて非常な原材料輸入ということが、輸入されることが必要である。そういう意味合から輸入に関する手続については昨年の七月以降今日まで、或いは資金の面、或いは輸入手続の面につきいろいろと施策を加えまして、その効果が今日出て参つたのでありましよう、十一月以後非常に輸入が今度は促進し、そうして最近一月は一億二千万ドルを超えておるのであります。而も相当長期先物輸入契約等が許された関係上、効果があり過ぎたと申しますか、やや最近においては手持資金等が、物価の値上りも関係はいたしますが、多少窮屈になつて、又輸出のほうを多く取上げなければならん状況になつておるような状況でありまして、この点は御了承願えると思います。飽くまでも輸入促進ということが生産増強一つの手であり、これに対する処置考えておるのであります。殊に最近におきましては、輸入ができるかできんかということについては、資金なり契約のやり方について手を着けたが、問題は船にある、ということで、この自国船増強対策について積極的に資金の面を考えており、造船については第六次造船、第七次造船というところまで進んでいる。買船傭船ということについても資金の世話をして、相当船計画については進みつつあるのであります。こういう面が一つ生産増強への道でありますが、将来必要があれば、結局輸入原材料等によつて国際的割当等関係が起りましよう、そういうものについては生産が確実にやられて、有効に効果を挙げるために、少い物資等について、或いは今の臨時物資需給調整法等の発動によりまして、主食の制限とか、割当ということが起ることも、生産増強生産を的確に上げる上から必要になるかとも思つております。まあ種々の点からいたしまして、お説のように輸入促進生産増強について施策をいたしておるわけであります。
  19. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 我が国で今お話なつた必要の物資輸入促進するためには、どうしてでも現地に必要な人間を駐在せしめて臨機応変の処置を講ずることが肝要であると思うのであります。又買付と同時に配船手配をやつて、速かに安い運賃輸送ができるような措置も講じなくちやできないと思うのであります。このような点から考えて見まするというと、今政府がやつてるのでは、有利に買付ができてても船の手配が十分にないために、運賃が高くなるとか、或いは輸送が遅れるというようなことに陷りつつあるのじやなかろうかと、こういうふうに考えるのでありますが、この点について如何なる考えを持つておられるか、お尋ねしたいと思うのであります。
  20. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 御尤もな点でありまして、船については今申しましたように相当に強力に施策を推進しつつあるのであります。実は御承知の経済自立計画を一応立てたのですが、いろいろな條件の下に立てつつあるこれらによりますと、二十八年度において重量トンでたしか二百六十万トンぐらいの予定でありましたが、その後の状況によつて非常に船というものを強力に推進して行く必要があるというので、第六次、第七次計画買船傭船を決定しておりまするが、この計画によりますると、二十六年度内に大体グロストンで百九十万トン前後に実はなる予定になつております。そこまで進んだことは私ども非常に喜んでおります。三月一ぱいでたしか完成するものを入れても買船傭船入れて八十万トンぐらいになつております。こういうふうな形が動き出しますことは、非常に輸入促進を図り、運賃等についての自国船による値下げ等も実行に入り得るのじやないかと思つております。なおこれだけに満足せずに、もう少し何とか関係方面のほうの船を借りることについては、これはまだ何とも申上げる機会に至つておりません。
  21. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 最後に輸出統制に対する政府の御方針を承わりたいと思うのであります。
  22. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 輸出に関しましては、できる限りはこれは輸入に関する代金決済裏付でありますから伸ばすことが根本であると思います。併し物によつては今日の状態から見ていつかも申しましたように、輸出の伸びることは必要だが、やはり国民生活の安定というような事柄から考えて、最小限度の必要なものというのは内地として確保することが、やはり並行的にする必要があろうと思う。そこで物によりましては、輸出に関して或る種の数量的な制限等の必要が起る場合も実はあると思います。二、三の問題についてそういうことをやりましたが、今後もこれは物によつて考えて行きたいと思つております。
  23. 奥むめお

    奥むめお君 只今通商産業委員長からの経済団体意向を徴してということを……。この要望書は尤もなことだと思つて拝見したのでございますが、実は今日私ども東京婦人団体代表者が集まつて会議をいたしました席上で、同じような要望を決議しております。それは統制必至と見る今日の情勢の中で審議会ができるならば、審議会消費者代表者を入れて、消費者意見を徴していろいろ施策を進めるようにということが決議になつております。いずれ文書で出て行くと思いますが、こういう御用意はありましようかどうか。あとで、帰りに労働組合代表のほうから労働組合も是非この審議会自分たち意見を入れられるように要望するつもりでいるからそれを伝えて欲しいと、こういうことを言われて来たのでございますが、政府の御所見は如何でございますか。
  24. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 今のことにお答えいたします前に、ちよつと私はさつき二十六年度内に非常に船の確保が進んで、百九十万グロストン近くと言つたはずですが、重量トンですから直して置いて下さい。  先ほどのお話ですが、これは、今消費者とか労働者とかというふうなことを考えておりませんが、私はこの委員会こそ御意見のように各種産業別代表消費者代表労働者代表というふうないろいろな代表が出て来るのがいいかどうか、これも愼重に検討する必要があると思う。而も大きな面で以て統制が必要であるかということについては広い立場から意見を述べるほうがいいんじやないかと、こういうふうに考えている次第であります。併し運用の進行に従つては、各部門別の人の、それぞれ具体的な商品統制に関連して、或いは特別な公聴会とか、聴聞会というのを開いて民間のかたを呼んで話を聞いて委員意見をまとめられるという方法も如何かと思う。余り部門別代表となつて常設的に置くとい、ことはどうかと思つておりますが、よくでき上るまでは研究して行きたいと思います。それから主婦の会でお話が出たというのですが、又私ども只今この審議会を動かして行く上については、台所の関係に必要な、いろいろな関係のある食料品等関係は、まだ問題が起る時期は当分ないのじやないか、こう思つておるのです。併し御意見は十分拝聴いたして置いて、今後の参考にいたしたいと思つております。
  25. 奥むめお

    奥むめお君 安本長官がいらつしやるのですから、米価審議会で例をとりたいと思うのですけれども政府の作ります審議会というものは、きめられた成案を押付けて、それを撥ね返しても、行われることは政府がきめた通りに行くということで、審議会というものは実際有名無実であるということは、たびたび意見も出してあると思う。例えばほかの社会保障制度審議会のほうでも、そういう不満が非常にあるという感じがあるらしいですね。これはいろいろな占領下情勢で止むを得ない事情もあるでしようけれども、この審議会物調法関係審議会というものは、非常に直接生産消費関係が深いのですが、これの運営という問題についてどの程度責任が持てるものなんですか、実質的な効力というものがどの程度我々期待できるものでしようか、お伺いしたい。
  26. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を止めて。    〔速記中止
  27. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を始めて。
  28. 奥むめお

    奥むめお君 この物調法審議会運営方針が、今までの審議のようなことでないように、実質的に意見が反映できるように取計らうということをお約束ができるのですか。
  29. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) そのつもりでおります。
  30. 奥むめお

    奥むめお君 それだつたら認めていいけれども、今までの委員会だつたら、屋上屋を重ねてもしようがないと思うのです。
  31. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お話通りでして、委員会はむしろだんだん制限して行きたいという立場のときですから、新たにどうしても置くということが、民間意見相当に反映して行きたいというところが狙いです。大いに構成の人員、運用についても考えて行こう、こう思つております。
  32. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は三つばかりの点をお尋ねすれば十分なんですが、一つ政治の節操という問題なんですがね。ともかくも自由主義経済政策で押し通され、衆議院の多数を獲得されたということは、全くこの点にあると思うのであります。それを納得させる。一年延期について、国会の言葉の上の取引答弁でなくて、本当に国民を納得させられることが私は必要じやないかと思うのですが、一年延期の問題を虚心坦懐に国民に知らして頂きたいと思う。それが質問です、大臣に対する。
  33. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) ちよつと質問意味を取違えておるかも知れませんが、それならば重ねて御質問願つていいのですが、勿論この場合における一年延期をなす必要があるということに立つては、国民にその理由をよく説明することにはやぶさかではありません。政治的節操とか何とかいう言葉が出たが、私は政治をとる面において、よく私の使う言葉ですが、琴柱に膠せずして、白は白、黒は黒とはつきりしているものでないと私は思う。政治ということと学問ということとは違うのでありますから、国の情勢経済情勢に応じて具体的政策というものについて、そのときそのときに応じた措置をとるということこそ政治実体であると私は思う。基本を流れる主張というものについては、勿論一つ考え方は当然あるでしようし、又政治の上にもあるわけでしよう。併しそれが具体的に国民に現われる場合においては、国、時、空間、時間というような観念から言つて、それに相当する処置をとることが、私は政治実体でなければならんと思うのであります。
  34. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それは少しねえ、非常に都合のいい意見で、自由党が二年前に自由主義経済へ復帰するのだという明確な政策を掲げて全国民に公約し、そうして政府内閣を組織しておる以上、客観條件が変化したからと、くるぐると政府の公約が変更して行くということは、政党政治として許されまいと思う。こういう一年延期を出される以上、少くも十分説明し得るところがなければならんと思うのです、私は。それが政治の節操という意味なんです。だからどうしても我々はここで、僕が質問するのでなくて、公約された自由党内閣大臣として、つまり我我が納得し得るだけの説明をされる義務があるのじやないか、こういう意味です、私の節操という意味は。
  35. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 自由党は公約したものは着々実行しておるのでありましてねえ。野菜の統制撤廃、魚介の統制撤廃、果物に関する統制撤廃をして、それが今日国民にどれだけ喜ばれておるかということは、はつきり身を以て国民が体験しておることであろうと思うのであります。併しそのことあるということはですよ。一部のものについてどんなに事情が変化しても、その通りで行くということであるとは私は思わない。殊にむしろ国民の声としてですよ、非常な貴重な物資が自由にされて、却つて有効需要の的確に行かないような事情になつて行く、これが日本生産されない物資であるならば、それは、而も特殊な事情日本割当てて来られる、本当に必要なところにそれを使わせるように、配給の指定なりすることをなすことは、決して国民は反対もしないし、そのことによつて自由党自由政策根本から崩れたものと私は考えておりません。
  36. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それなら具体的にお尋ねしますが、現在統制しておられるものの民需的な生産品と、軍需的な生産品は、どういうふうにやつておられますか。
  37. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 何ですか。
  38. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 統制のですね、対象が徐々に自由主義的なものに移行しつつあるという形で、実際は軍需、私たちの一番憂えるのは、つまり再軍備準備として、軍需的なものの生産日本が急速に切換えられつつあるということが、心配する幾つかの点がありますが、先ず第一点だろうと思う。それで私らは、この法律が一年延びるということによつて日本軍需的な生産が強化され、そうして拡充され、平和的なものが圧迫されるという形において、僕はこの統制が行われるという心配を持つておるのです。その心配が、明快にそれは杞憂である、現在民需的なものと軍需的なものの現在統制しておる割合はこうで、これこれであるということを聞きたいわけなんです。そういう心配が全く杞憂であるということを事実に即して一つ説明願いたいと思います。
  39. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) これはもう別に口で百万言を費やさんでも、この法律を必要がある場合の準備として延期すると同時に、並行して、民需と軍需、わたしはそんなことは考えておらん、日本には軍需がないから。従つて日本も並行しで相当数価格統制が近く撤廃され発表されますから、これも証明になると思います。
  40. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 そうすると、軍需的な産業についての統制と、現在軍需的なものを増産するために、武器、弾薬、それから朝鮮の戰乱その他について必要なもの等々、どういう、つまり勤労人民国民大衆生活に、直接必要なものでなくて、軍需的な形で必要なものに対する仕事を、統制という武器を使つて助長しておられるという事実はないというふうに了解していいですか。
  41. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) その通りです。
  42. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それでは僕はこの問題は相違ないという返事を得ましたので、次の委員会においてこの点はもう少し具体的に僕らも資料を以てそれでは今の大臣の御答弁についてもう一度再質問して……次へ進みます。  次の点は一年延期、今主として政治的な問題を開きましたが、経済的な背景の問題になると思いますが、新聞紙上で散見しておるように、日米経済協力態勢という問題が非常に扱われており、非常に重大な関心が払われておるようですか、一年延期という経済的な側面、これは日米経済協力態勢という、いわゆるですね、それを実現されるための手段ではないかと思うのですが、如何でしようか。
  43. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) いろいろ御忖度されるのは自由ですけれども、そんなことはありません。ないというのは、日米経済協力態勢というのは、共産党の諸君は頻りに具体的にあるような話で御質問を再々されるものでありますが、再々私は申上げましたように、未だ米国政府から正式に何も話もない。そういう問題について今具体案は進んでおりません。而もこの臨時物資調整法期限延長というものは、日米経済なんというようなものが、噂にしろ出て来る前から、延期しなければならんということが一月頃から出ておるので、時の前後から考えましても、関係のないことははつきりしております。
  44. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 日米経済協力態勢、僕はいわゆるという字をつけたのは、私も日米経済協力態勢ということが、今大臣の言われるような形であるとは思つていないのです。私ども調査したところによつても、一体アメリカ日米経済協力態勢なんて、日本新聞がでかでか取上げているような問題は私ども調査したところではないのでありまして、これはむしろアメリカ軍需産業下請になつて、一儲けしようという日本の卑しむべき、利益のためには国を売つても構わんというところの、一部の大資本家諸君の、一部の人たちがこのアメリカ軍備拡張下請をやつて、私はそのやろうと思つて一生懸命になつておられるので、そこに問題の根本があると見ておるのですが、僕のお尋ねしたいのは、それは日米経済協力態勢という文句はどうでもよろしいのですが、内容はそれなんですが、それについて私ども調査したところでは、すでに経済安定本部に対して、こういつた重要な、例えば重要なる物資種類とか、或いは重要な物資百五十種類というふうなものについて私は調査の、これに関する今申上げましたような内容日米経済関係についての生産力調査、その他の作業をやつておられるというふうに私どもは見ておるのですが、そういう点について一つはつきり御説明願いたいと思います。
  45. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) はつきり申します。政府に対してそういう依頼も命令もありません。
  46. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 私ども調査したところでは、すでに政府は二月にはそれに対して回答をされ、設備資金などについても具体的な数字を挙げ、それらによつてできる軍需品について、それらの形を、どういうふうにして買つてもらうか、どういうふうにして材料を獲得するか、どういう形にして加工するかというような点についても、私はやつておられるというふうに、私どものほうの政調会においてはそういうふうにこれを見ておるのでありますが、そういうことが全然事実無根でありますか。
  47. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) その通りです。
  48. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 じや事実無根、それではこの問題ももう少し私は事実を以て再質問することにいたしましよう。  それでは審議会の問題に移るんですが、今奥委員からもすでに聞かれましたが、私もはつきり、奥委員質問と全く同じで、その先を聞くんですが、奥委員が、今若しも諮問会の意見政府意見が違うときにはどちらの意見が決定的かということを聞かれましたが、それに対してお答えがなかつたように思うのですが、この点について、どちらが意見の違うときには、決定的になりますか。
  49. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) それは結局政府意見できめます。飽くまでも諮問委員会です。ただあとに奧さんのお話通りですよ。従来のような諮問委員会意見を聞くだけで、何ぼ妥当な意見であつても、とらないということになれば、それは行政上の措置が妥当を欠くということだけであつて、初めから委員会というものは確かに諮問委員会ですから、そちらで決議機関でないということだけはつきり覚えて置いてもらいたい。
  50. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 飽くまで諮問委員会、これを決定的な機関にするということをとられなかつたという理由はどういう点ですか。
  51. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 今日の時代におきまして、政府最小限度必要止むを得ざる執行する上において決定すがことが妥当だと申したのであります。
  52. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 総理がよく民主的、自主的という言葉を使われますが、我々はこの内閣施策は自主的でも民主的でもないということを申上げているのですが、ここで民主的、自主的に当然單なる諮問機関でなくて、決定機関になさるということは全然考えても見られなかつたか、それとも他の事情でこういう形になつたのですか。
  53. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 民主的という言葉を使われましたことは、民間だけで決定することが民主的じやないのでありまして、私が今碎いてお話しているように、十分民間意見を聞いて、それを反映させることが民主的なのであつて、この場合に妥当な民間意見を抑えたということであれば、行政上の妥当、不安当が残つておるということを言つておるのです。但し十分に意見を聞いて反映させるということを先ほど申上げた。これが民主的な行き方であると思います。
  54. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 今後も諮問ということで貫こう、こういうお考えですか。
  55. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 只今のところさようです。
  56. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 次に人選の問題をお尋ねしたいのですが、人選について、役人は入れない、純民間人でやるというところまではつきりさせられましたが、そういう点と、それから各層各階級の代表者というような考え方は入れないという点までわかりましたが、具体的な基準、十五人を選ぶ具体的な基準は、もうこれ以上は国会での御説明はありませんか。
  57. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) これは先ほど奧さんに答えたように、今いろいろな意見があります。これが実際政令等が出まして人選をいたす場合においては、十分意見を参酌して妥当な委員構成をいたしたいと思います。
  58. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 そうすると、国民の大多数を構成している労働者とか、それから農民とか、サラリーマン、中小商工業者というようなものの意見というもの、それは何で反映させるのでしようか。どういう人選によつて反映させるというお考えなんでしようか。
  59. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 先ほど私はこの委員会の有効的な活用を図る意味において、代表者主義をとるのがいいかどうかということについては検討の余地があるということを申上げた。従つてはつきりと労働者、農民を入れんということを言つておりませんが、問題は大きな立場に、段階を広くした立場においてものを考えるかたを集めるのがよかろう、こういうことを私は考えておる。その上に、その人たちが又意見を決定されるについて十分に民間団体、或いは労働者団体の意見を聞かれるというような方向は考えられます。必ずしも狭い範囲の代表だけをとつて行くということ、それが戰後における実際各種の委員会を見て、必ずしも真の農民の声、真の労働者の声を現わさん場合が確かにあつた。だから一応それとして聞く方便は考えたいと思いますが、必ずしも代表というものだけをとることのみが万全の策でないと私は考える。これについては十分人選等についてどうするかということは考えたいと思う。飽くまでも民間意見代表し得るように、反映し得るような方法に、各層の意見を反映するような方法はとりたい。その人選はこれからです。
  60. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 具体的な方法はどういう方法をとられますか。今あなたの言われる、大いに意見を取入れたいという、あなたの抽象的な希望を具体化するのにどうしてやられますか。代表の形じやなければできんじやないですか。
  61. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) それは研究中であります。
  62. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それでは一つ、この国会のあるうちに研究されて御発表願えますか。次の委員会にでも……。
  63. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) そういうことは、特に細か(何らか何を代表して出そうというようなことを、今言えということは無理だと思うのであります。我々は民間の意思を代表するために、むしろ官吏を入れずにやるという趣旨は十分に汲んで頂かなければならない。それによつてどういうふうに持つて来るかということについては、もう少し研究さして頂くことが民主的だと思うのであります。今はつきり何から出すという行き方がいいのか惡いのか、そこには十分に今までの委員会制度というものを考えて行つて、検討して行つていいと思うのであります。
  64. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それは諮問機関である、そこであなたは、これに又何か公聽会のようなものを開いて諮問する、諮問々々で、併しながら決定は政府がするというので、私とももこういう組織では全く民主的なものとは認めがたいのですが、にもかかわらず民主的という言葉をこの内閣は、吉田総理以下よくお使いになると思います。民主的ならば当然諮問機関じやいかんじやないかと申上げたところ、これについてはその十分な理由、納得するような説明なしに諮問機関でいいと思うからいいのだと言われて説明されて、然らば人事についてどれだけ考えておられるかと言うと、これから研究中とあつたのでは、我々は一体何を、審議会がいいか惡いかということについて、どういう点を審議すればいいか、甚だ了解できんのですが、我々は了解するところの権利を持つと思います。できれば、何故諮問機関にされたか、何故これを決定機関にされなかつたか、民主的とはこれを諮問機関でなくて、決定的な機関におくことと、委員を民主的な、各層の真に代表者に足る人を入れるとか、二点だと思うのですが、二点ともはつきりここでされていないということはどういうところにあるのです。何かの客観條件がそういうことをあなたがたに強いたのですか。
  65. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) これはあなたがそうかたよつて考える必要はないので、行政というものは、国家行政はどこがはつきりした最後の決をとつているのかということです。それを出すまでに、あなたは僕の言うことをよく聞いておられんのですが、出すまでに十分に意見を各方面に聞くということが、民主的だと思うのであります。それを、行政のほうが間違つた考えで、客観的にいい意見もとらんということになると、妥当性を欠くという問題が起きるのだと思うのであります。それを逆に決議機関、これに従えということになると、国会よりも上のものができる。私どもはそういうふうなことは、むしろ民主主義を笠にきて、そうして国家の行政機関というものに対して別の力が加えられるということは妥当を欠くと、こう思うのであります。
  66. 中川以良

    ○中川以良君 議事進行について、本法案につきましては、政府からその意のあるところは十分に問い質したように私は考えます。本法案は期日にも制約をされておるものでございますので、私はここで一つ質疑を打切りまして、討論に入るの動議を提出いたします。
  67. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 只今中川君から動議が出ましたが、これだけの処理につきましてちよつと御相談申上げたいと思いますから、速記を停止して下さい。    〔速記中止
  68. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を起して下さい。
  69. 中川以良

    ○中川以良君 只今私は質疑を打切ることの動議を提出いたしましたが、只今委員長の御説明を承わりますると、大体本法案は二十九日には上げようという御意向もあり、又その他外資関係、外為関係のものもできる限り三十日頃までには済ませたいという御意思もあるように承わりましたので、私は委員長のこの御熱意と委員諸君の御努力によりまして物調法は勿論二十九日に上る、その他外資、外為の問題も本月中には上り得るであろうということを私は信じまして、又それを切に希望いたしまして、只今の動議を一応取消すことにいたします。
  70. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは質疑を続行いたします。
  71. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 そうすると、この第二の審議会の問題については、人選については具体的な基準はこれから研究されるということと、それからこの諮問という本質についてはもう再考の余地なし、こういうことですね。
  72. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 只今のところさようでございます。
  73. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それから最後の質問ですが、この「物資」というものを「供給の特に不足する物資」というようなふうに改正された意図はどこにありましようか。
  74. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 大体物資が非常に豊富とまでは行かんけれども、大体普通にあるような物ならば統制をせずに自然に流して行つて差支えないわけであります。ところが非常に少くなるということで、有効な需要に、或いは国民生活そのものに影響如何、というようなことがあれば、これはそれに関してそこに流れるというようなことになれば、必要があれば、先ほど言つたように用途を指定するというようなことが起るのではなかろうかと考えます。そういう最小限度にしてやつて行くことがよろしいと考えます。一応それでその範囲にきめたのであります。
  75. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 最小限度にとどめようという御意見は、字句の上から見て全然見られないということはないと思います。明らかに今説明された御意思はこの字句に出ておると思いますが、これは併しこれはものの半面であつて、もう他の範囲があるわけですが、何がこれから不足して来る物資であろうかという見通しなしにこういう法律を出すということは、政府のされることではないのでありまして、やはり何が不足する物資かというようなことについては、明確にこの見通しを持つておられるに違いないのですが、それはどんなものですか、それをお挙げ願いたい。
  76. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 私どもはできるだけ自由に取引させるほうがよろしいと思つておりますが、例えば今日国際物資割当というものが起り得ることが想像されますので、それが具体的になつた場合には慌てぬようにそういう方法について必要な最小限度統制をしようというのでありまして、今何と何とについてやるということは決定はまだしておりません。
  77. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 アルミニユームとか、亜鉛とかいうような、或いは錫とかいうような、御答弁は願えませんか。つまり具体的な説明ですが……。
  78. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) まだどんどんとやるという、発動にまで考えておりませんから……。
  79. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 どういうような性格のものをやるとか、供給の特に不足するという面に……、確かに一面はあなたの説明通りですが、その具体的な内容について神機漏らすべからず……、(笑声)秘策言いがたしというわけですか。(笑声)
  80. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 私はさつきからお話しておると思いますがね、やり方についてもそういう国際割当物資というようなことが起つたときに、それらのものについてともすると、これが自由に流れると、思惑なり、或いはブローカーの手に入つて本当に必要なところに入つて来ねということになりますから、そういう問題については必要な場所に割当てるとかいうようなことは起るかも知れません。国民生活に必要なものを確保したいということが大事と考えておりますから、その点は先ほど申上げた通りであります。
  81. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 どうも僕の結局質問したことは何も答えて頂かないということが明らかになつたから、若しこれ以上続けてもしようがないから、先ほど言われた軍需的なものの関係と、それから経済協力態勢について二十九日までに保留さして頂きますということで、僕の質問はこれで終りたいが、ただ一つ議事進行の問題は私は人が少い、足りないからどうだということを責めて言うことまで考えていないのだが、少くとも各会派の、委員長にお願いしたいことは、今日社会党もずつと出ておらないし、こういう統制というような国民生活に重大な関係を持つもので、特に我が党の心配しておるのは、これは軍事的なものにある。アメリカ下請的なものとして軍事的に行くという懸念を私どもは非常に痛感しておるのであります。このような重要なものを各会派が少しも動かないで決定されるということは、議事の進行上大変なことだと思います。議事の進行上お考え願いたいと思います。これで終ります。
  82. 奥むめお

    奥むめお君 私は附加えて、先ほど大臣が今度の需給調整法の問題は、台所の問題にまでは及ぶまいというような御意見でございましたけれども、私はこれについては異議を持つておるのですが、この調整法の法案を見ましても、第一條の第一号、二号、三号、四号に亘りまして、非常に国民生活関係の深い問題が皆主務大臣に任されるという法律なんですね。私どもから言いますと、考えられるもの、例えばアメリカ、よそから軍需注文が来た、それによつてたちの平和産業が圧迫されて国民生活が脅かされるというふうなこともなきにしもあらずと思われるのです。又或いは輸入関係でも、輸出関係でも国民生活が圧迫されて、その反対のほうに主力を注がれるというふうな場合も今までにもあつたのですから、これからもあり得ると考えなければならんと思うのです。こういう問題を考えて見ますと、この大きな重要な需給調整法という法律の通過に当りましては、台所の問題というのではなくて、一般国民生活の問題だという大きな観点からこれは考えるべき問題だと思うのです。ですからそういう意味大臣の問題の解釈の方法は私は誤つておると思いますが、大臣としてはこの政治というものは軍需生産と平和産業と比べますならば、平和産業という方面の国民生活の安定を確保するということが一番大事でなければならないのに、それを簡單に考えて、需給調整法の法律案審議するということは私としては間違つておると思うのでございますが、大臣の御意見は如何がでございましようか。
  83. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 奧さんにお願いしますが、私の速記録をどうか御覧を願いたい。今あなたのお話なつたことをさつきから答弁しておりますから。(笑声)国民生活に必要なものの数量並びに価格についての問題は確保したい、考えなくちやならんと思つておるのです、すべての場合に……。そういう面から見まして、統制に関しましても、最小限度にとどめる、而もそれを自由にして置くことによつて国際割当物資が必要なところに流れずに他のほうに行くということになると、国民生活に影響いたしますから、用途指定割当ということが起つて来るだろうということを再三繰返して申しておるのであります。先ほど私がお答えしたところの一部分を別のようにおとりになつておるのは、これは恐らく品日別にその物によつてやればいろいろなことが起つて来ようが、当分食糧関係にはすぐ起つて来ないということを申げ上たのであります。国民生活の維持確保ということが重点的になつて来る、むしろ私はこの法律が適当のときに発動される、見方はいろいろ違いますが、兼岩さんはむしろこの法律を作つて軍需産業の推進確保に使うのじやないかとおつしやつておりますが、私はむしろ国民生活確保のために最小限度確保をするために必要になつて来るだろうと思います。
  84. 奥むめお

    奥むめお君 速記録を拝見したいと思いますけれども、併しこの法律の中に見られる審議会というものにしても、決して台所の問題には触れないからという点、あなたは小さくお考えになることが間違つておるということを附加えて置きたいのです。台所の問題というの国民生活の問題でありまして、決して味噌、醤油の問題ではなくて、衣料にも、食糧にも、住宅にも薬品等にもいろいろ関係のある生産考えられるわけでありますから、審議会の性格を考える場合に、審議会が発足してからあとでも小さい問題というように考えないで、大変国民生活全般の大きい問題を扱うという審議会であるというふうに解釈して欲しいという希望を附加えて私の発言を終ります。
  85. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) その通りであります。私どもも狭く考えておりません。むしろ多くの国民生活の最低限度を確保する必要がある。あなたはさつき主婦会の問題を出されておりますが、それは非常に心配されておる点は、統制がされるということは食糧に来ていると思うのです。私はあつちこつち行つて聞いておる。再び野菜が統制され、魚が統制されるというのが主婦のほうの心配の点なんです。それはすぐに起らないということを附加えていいわけです。その部分をとらないように、全体をどうぞ……。
  86. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 今僕のことを引合に出されましたから速記録によつて明確にして置きたいと思うのです。あの僕の質問に対して……私の言葉が足らなかつたためにそういうふうにとられては困る。私のあの質問でずつと明らかにしたがつた点は、重工業と軽工業の関係において、重工業が軽工業を助けて国民生活を豊かにする方向に進むならば、我々は双手を挙げて賛成である。然るに日本は重工業を使つて軽工業を助ける方面に行かないで、朝鮮の戰乱を助け、軍事基地化、或いは再軍備という方向に準備し、而も外国の独占資本家に全部を売渡すという形において進行しており、そのための統制であるという点の心配を持つから、この点を明らかにしたいということを私は申上げたのでありまして、従つてどもの見解の中には、このような政治を推し進められる限りは、奥委員心配されるような台所の消費物資も、重工業生産をさような軍事的な方向に進めるために、而も外国の隷属的な形に進めるために、必然として生活必需の物資統制も殆んど大衆の生活を破綻させるような形において推し進められはせぬか、そういう心配を持つている。その後半を説明しなかつたからここに明らかにして置きたいと思います。
  87. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) その点の御心配は、我々もそういうことの御心配に対しては非常に敬意を表します。私はたびたびそういうようなことについて、予算委員会等におきましても政府の今後における施策の重点はどこにあるか、いろいろな経済問題が出て参りますにしても、国民生活の水準を維持し、漸次、漸進的でもいいから上げる方向に向つてすべての施策をやつて行かなければならないのだ、そういう意味から言うと、民需の確保のためにすべてのことを私はして行かなければならんのだということを私は申上げているのであります。
  88. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 そういう面では、この法律ができましても、その活用はできると思います。私はもう質問はこれでいたしませんが、先ほど委員長に対して申上げましたように、この法律の條文が短かいからといつて、ここに出されている統制法にしろ、これからあとで出されます外資の問題にしろ、外為の問題にしろ、私は恐らく日本の民族の今後の何十年かの生活を左右するような重大な問題だと思うのです。それに対して吉田内閣自由党内閣があえて敢然として責任をとつておられる、その点については、大臣流に言えば敬意を表するわけですがね。(笑声)併しこういう重大なものをこれから論議する時日の割合に短かい、或いは十数日の比較的短かい間に論議するならば、議事進行のときに言つたように、私は人の数の多い、少いということ、定員問題、即ち今までのことをほじくろうという考えはありませんが、今後少くとも各会派のかたがおらないで、こういう重要な法律案をどんどんやつて行かれるという運営方針をとるお考えかどうか私はお伺いします。委員長か、それからどの委員でもいいです。つまり私は数だけで揚足をとるということは、過去については私は申上げないつもりですが、これらについて、これからについて、各会派、而も大政党のかたがおらないような形で、こういう重要なものを審議して行くことは委員会としても問題だし、又大臣としてもこの重大な国政をとられる以上覚悟があるだろうと思う。後になつて各大政党会派がおらないということは遺憾だと私は思うから……。
  89. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 委員長答弁質問の中に求められておるようでありますから私から申上げます。委員会運用につきましては、特に各会派の出席を求めてやる方針でありますし、兼岩君の御意見御尤もだと存じます。従いまして過去におきましても成るべくその方針に則ろうといたしましたし、将来におきましてもその方針に則りたいと考えます。但し長く質疑が行われておる段階でありまして、特にその質疑関係薄く感ぜられたり、或いは出席されなくてもその質疑がやつて進めて行くのに支障を来たさないと思つた場合には、従来も進めておりましたし、今後も進めることは止むを得ないときがあるのではないかと考えます。併しながら法案の審議が終りに近付くにつれまして、質疑もだんだん重要になりますし、答弁も重要な度を加えて来ると思います。従つて特にこの三月末までをめぐつて委員会におきましては、この法案の審議相当最後的に重要な段階に来ておると思いますので、従来よりもより以上に気を付けて、成るべく全員が出てなくても、各会派の出席を求めながら進行したいと考えます。よろしうございますか。
  90. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 了承。
  91. 野田卯一

    ○野田卯一君 罰則について質問するのですが、罰則は今度の改正では変更されませんね、罰則は……。
  92. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 罰則の規定につきましては変更されておりません。ただ権限が縮小いたしましたのを、削除したものについては罰則の面からも削除しました。
  93. 野田卯一

    ○野田卯一君 そのすると、現行法の罰則の規定が生きて残るわけになりますね。そうしますと罰則の第四條ですが、「第一條第一項の規定による命令に違反した者は、これを十年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」こう書いてあるのですが、それは他の経済法令と比べて非常に軽い。軽いというのは十年以下の懲役に処するということではなくて、十万円以下の罰金が軽いのです。試みにお手許にある外国為替及び外国貿易管理法というのでありますが、罰則の七十條、それにこう書いてある。「左の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」その次の但書が非常に重大なんで、「当該違反行為の目的物の価格の三倍が三十万円をこえるときは、罰金は、当該価格の三倍以下とする。」こう書いてある。無制限になつている。何億円の罰金と書いてない。ところが重大なる物調法では十万円以下の罰金となつておりますが、そういうものでいいでしようか。僕の解釈が間違いかどうか……
  94. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 罰則の点にはそういう点もありますが、従来この罰則をやつておりまして、物価状態も安定した状態ですから、特にこの際罰則を重加するという必要はないと考えているのであります。
  95. 野田卯一

    ○野田卯一君 その点はどうでしようか。非常に重要な法律ですから足らないように思います。外国人の財産取得に関する点を見ても均衡を失している。僕はミステイクだと思う。気が付かないで見過ごされたのではないかと思います。十万円こつきりでは重大問題です。この違反は何十億のものが出るかわからないのに、十万円以下しか取らないという法制はおかしい。目的物の価格の三倍とか何とかいうならいいが、それがないというのはよくないと思いますが、どうでしようか。
  96. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 御意見御尤もと思うのですが、こういうような罰則は、余りきつい罰則で縛ることを考えるよりは実際の国情の実態を見て、法の運用を期して、罰則は軽くとも執行できるようにして行つたほうかよい思うのです。御指摘の点はいろいろ外の法令と比べて少いように思われますが……。
  97. 野田卯一

    ○野田卯一君 これは将来の問題として私は非常におかしいと思います。
  98. 奥むめお

    奥むめお君 賛成いたします。
  99. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 資本家擁護です。
  100. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 物調法について御質問ございませんか。物調法について御質問なさそうですが、先ほど申上げましたように、物調法関係以外の法案、つまり外為委員会の設置法案及び外資に関する法律案質問準備されておられるかたがおありになりますか。若しその御準備がなければ、この委員会はこれで閉じたいと思いますが……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは今日の委員会はこれで閉会いたします。    午後五時二十分散会  出席者は左の通り。    委員長     佐々木良作君    理事            奥 むめお君    委員            泉山 三六君            中川 以良君            野田 卯一君            藤野 繁雄君            菊田 七平君            兼岩 傳一君   国務大臣    国 務 大 臣 周東 英雄君   政府委員    外国為替管理委    員会委員   大久保太三郎君    外国為替管理委    員会事務局長  牛場 信彦君    経済安定政務次    官       小峯 柳多君    経済安定本部総    裁官房次長   河野 通一君    経済安定本部産    業局長     増岡 尚士君    経済安定本部産    業局次長    前谷 重夫君    外資委員会事務    局長      賀屋 正雄君