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1951-03-19 第10回国会 参議院 経済安定委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月十九日(月曜日)    午前十時五十一分開会   —————————————   委員の異動 三月七日委員永井純一郎君辞任につ き、その補欠として三輪貞治君を議長 において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件臨時物資需給調整法の一部を改正す  る法律案内閣送付) ○外資に関する法律の一部を改正する  法律案内閣送付) ○外国為替管理委員会設置法の一部を  改正する法律案内閣提出)   —————————————
  2. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは委員会を開会いたします。  前回調査事件としまして物調法事前説明政府から聞いたわけでありますが、それに続いて派遣議員の報告を聞いて三番目に今国会における本委員会運営につきまして、国土調査法関係連合委員会を開くことやそれから調査事件食糧需給計画審議をするとか、それからアメリカ経済事情を聞くとか、その他三月末までの日程につきまして御相談申上げたわけです。  本日の議題としましては、正式提案になりました物調法改正関係、それから外資に関する法律改正関係それから外為委員会改正法案の三本の提案説明を逐次聞いて、時間がありましたら質疑に入りたいと思います。最初臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案提案説明をお願いいたします。
  3. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 只今議題となりました臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案提案理由について説明申上げます。  この法律案は、最近における内外経済情勢推移に対処するために、臨時物資需給調整法の一部を改正せんとするものでありますが、その主要な改正点は、次の通りであります。  第一に同法の有効期間を一年間延長することであります。国内生産の順調な回復輸入の進捗に伴い、最近まで多くの物資について逐次統制緩和を実施して参つたのでありますが、現在なお同法に基いて生産資材二十五品目、消費物資八項目の配給統制が残存しております。政府としましては、今後も需給緩和した物資については極力これが統制を解除して行く方針ではありますが、これらの物資の中には、今にわかに統制の廃止を行うことの困難なものも相当ある状況であります。のみならず、変転する世界経済推移から見て今後の物資需給事情にかなりの変化が生ずることも予想せざるを得ないのであります。勿論政府といたしましては生産増加輸入促進等により物資需給緩和国民生活安定確保に鋭意努力を続ける所存でありますが、かかる内外経済状勢推移に対処して経済安定確保に遺憾なきを期するため、本年四月一日に失効する臨時物資需給調整法の効力をなお一カ年間延長することが適当と考えるものであります。  第二に、物資需給調整審議会を設置することであります。臨時物資需給調整法運用の従来の経験に鑑みまして、本法の運用に当つては広く民間学識経験者意見を求める必要が痛感されますので、経済安定本部諮問機関として、物資需給調整審議会を設置し、同法の民主的な運営に資したい考えであります。  第三に、同法に基く主務大臣権限を縮小することであります。即ち産業振興回復に伴いまして、不必要となつ主務大臣命令権限の範囲をこの際可及的に縮小いたしまして、同法の円滑なる運用を図りたいと考えるものであります。  本法案の主たる内容は以上申上げた通りでありますが、何とぞ速かに御審議のほどお願いする次第であります。
  4. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) この法律条文につきましての説明は、先ほど申上げました前回におきまして事前審議として一応説明を相当詳しく伺つておりますので、省略をいたしたいと思います。   —————————————
  5. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 引続きまして外資に関する法律の一部改正法案提案説明をお願いいたします。
  6. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 只今議題となりました外資に関する法律の一部を改正する法律案につき、その提案理由を御説明いたします。  日本経済自立と健全な発展を図り、且つ、国際収支の均衡を維持して行くために国内における資本蓄積促進と並んで民間外資導入が一層促進されることが極めて必要であることは、改めて申すまでもありません。政府は昨年外資に関する法律制定いたしまして、民間外資導入促進するために、外資導入と、これに伴う海外送金に関する我が国方針手続等を明らかにし、外資を保護するための法的措置を定めたのであります。この法律は御承知のように、本邦投下された外国資本に伴つて生ずる元本果実海外送金保障措置を設けることを骨子としたものでありますが、制定当時我が国外貨事情や企業の状態等に鑑みまして、外国資本投下については、認可又は届出制度を採り日本経済自立発展及び国際収支改善に寄与するものに限つて投下を認めることとしたのであります。殊に、資金的投資のうちで、外国投資家による既存株式取得につきましては、当時株価が異常に低かつた事情を考慮いたしまして、その取得が、外国投資家投資計画の一部であり、且つその取得対価外貨又は外貨同等価値のあるものによつて行われる場合に限り、認められることとなつているのであります。併しながら外資に関する法律の第二条にも明らかにされている通り、わが国に対する外国資本投下はできる限り自由に認められるべきものであり、届出又は認可制度は、その必要の減少に伴い逐次緩和又は廃止されるべきものでありまして、最近の諸情勢から見て、これら制度による制限は、漸次これを緩和すべき時期に立ち到つたと認められるのであります。よつてこの際、外資導入をますます促進するため、外国投資家株式取得に関する右の制限緩和することとした次第であります。即ち  新たに発行せられる株式取得につきましては、配当金海外送金保障する必要のない場合には、認可を要せず、外資委員会届出れば足りるものとし、又、既存株式取得につきましては、依然、認可制度を探ることとしたのでありますが、その取得外貨又は外貨同等価値のあるものを対価として行われる場合には、その取得投資計画の一部でない場合でも認可し得ることと改めたのであります。  なお、これらの措置と共に、外国資本日本国内で強制的に収用又は買収された場合における補償金海外送金手続を明確にし、又、衡平の見地から外資に関する法律制定以前に外国人財産取得に関する政令規定に基き、外資委員会認可を受けて外国人取得した株式についても、配当金海外送金保障する途を拓くことが必要であると思われますので、これら株式について再審査し、外資に関する法律で定める基準に照らして、妥当と認められるものについては、爾後、その配当金海外送金保障することといたしたのであります。  以上、外資に関する法律の一部を改正する法律案提案理由につきまして概略を御説明いたしましたが、何とぞ速かに御審議の上、御賛成せられるよう切望する次第であります。
  7. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  8. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記を開始して……。只今提案理由説明を承わりましたが、引続きまして同法についての条文に即しての、及び提出されておる資料につきましての簡單な御説明政府委員のほうからお願いいたしたいと思います。
  9. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) それではこのたび提出いたしました外資に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、条文に即しまして概略御説明いたしたいと存じます。  条文を御覧になつて頂きますとおわかりのように、今度の法律改正法でございますので、非常に条文だけを読みましては理解しにくい形になつて提案いたしておりますので、御説明の便宜上、別途お配りいたしました「外資に関する法律新旧条文対照表」というのにつきまして御説明いたしたいと存じます。この表におきまして上の段に新条文、下の段に旧条文を掲げまして、今度の改正法律案によつて改正いたしました条文のみをここに拔萃いたしまして、改正になりました条文は棒線を引きまして、その点を明らかにいたしましたのでございまして、主としてその変りました点につきまして御説明いたしたいと存じます。その前に只今の提案理由説明説明がございましたように、概略を申上げておきますと、今回の改正は三点、大きく分けまして三つの点に分かれると思います。これもお手許に配りました「外資に関する法律の一部を改正する法律案要綱」というのがお配りしてあると思いますが、大きく分けまして三点でございまして、第一点は外国投資家株式取得制限を緩和する点でございます。それが二つに分かれまして新株旧株についての取扱を改正いたして、いずれにつきましても制限を緩和することにいたしておるのであります。それから第二点は、政府或いは公共団体外国人の所有しております事業や財産を強制収用いたしました場合に、晩年の外資に関する法律におきましては、補償金を海外へ送金することにつきまして、送金についての補償の条文を設けたのでございますが、この条文がやや手続的に不備な点がございますので、これを補おうとする点が第二点でございます。第三点は、これは経過的な問題でありまして、政令五十一号と申しまして、一昨年の三月にできましたポツダム政令でございますが、これによつて当初外国人株式取得制限されておつたのが、外資法になりましてこの外資法に移して規定されるということになつたのであります。外資法によりまして株式取得制限されます取得認可された場合におきましては、一定の条件に合致すれば配当金保障が得られるのでございますが、その前の政令五十一号時代はその政令によつて認可を受けて株式取得いたしましても、その当時は配当金送金保障の手段がなかつたわけでございます。ところが、早く外資が投下されたために保障が得られないということでは、非常に公平の観念に反すると考えられましたので外資法制定前に入りました外資につきまして、もう一度審査をやり直して、条件に合つておるものは配当金保障の途を拓こうというのがこの第三でございます。  この大きく分けまして三つに分れますが、先ず第一点の株式取得制限の点は条文といたしましては八条と十二条に関係して参るのであります。八条はどういう条文かと申しますと見出しにありますように、認可許可又は勧告の基準という条文でありまして、外資委員会又は大蔵大臣外資法によつて認可申請がありました場合に、或いは許可申請がありました場合に、それから行政機関が意見を聞いて参りまして勧告をいたします場合に、どういう基準従つてやるかという条文であります。一頁に書いてあるところは何と申しますか、積極的な基準と申しますか、こういう場合に、特に許可する、或いは認可するということで、第一号、第二号、第三号と、ございまして、つまり国際収支の改善に寄与する場合とか、重要産業又は公益事業の発進に寄与する場合とか、従来の技術援助契約の更新又は継続に必要である場合、こういう積極的な基準を掲げておりまして、この点については何ら変りがないわけであります。第二項に参りまして、これは判定の消極的な基準と申しますか、各号に該当する場合には、認可許可をしてはならないという条文が設けられておるのであります。この下のほうの欄を御覧願いますと現行法でございますが、第一号、第二号、第三号、これは従来通りでございます。変りましたのは四号でございまして、四号にはどういうことが規定してあつたかと申しますと、「社債貸付金債権株式又は持分取得対価として本邦通貨を用いる場合に当該本邦通貨当該取得のために対外支払手段を合法的に交換して得たもの、本邦における正当な事業活動により取得したものその他適法に取得したものでない場合」には許可をしてはならない。つまり外国人日本社債投資したり、日本の法人に貸付けをいたしましたり、日本株式投資するという場合に、その投資に使います円貨がどういう性質の円貨であるか、どういうところから来た、獲得した円貨であるかという点につきまして、この四号があるわけでありまして、その円貨は、例えばアメリカ人でありますれば合法的に外貨を送つて参りまして正当な三百六十円のレートで交換して、その円を使つて投資した場合でなければならない、それから又日本におきまして事業活動がいろいろ許されておるわけでありまして、その事業活動の遂行の過程において合法的に円を獲得した場合、その円で以て投資しなければならない、その他適法に取得したものでなければならない。つまり闇で稼いだ円を使つて投資するといつたような場合には認可をしてはならない、こういうふうに書いてあつたわけであります。ところが、今度株式取得制限を緩和いたしました。  それからもう一つ、七頁を御覧願いますと、現行法では第十二条というのがございましたが、今度は削除することになつております。この第十二条は今度は株式につきましての特殊な認可基準規定いたしておるのであります。この十二条でどういうことを規定しておるかと申しますと、株式につきましては、こういう場合じやなければ認可してはならない。第一は当該法人財産増加をもたらすものである場合、これは非常にわかりにくい言葉が使つてありますが、簡単に申せば新株という意味でございまして、その株式を発行することによりまして、その発行の会社に資産の増加をもたらす場合、従いまして会社が新設されました際に発行されます株、それから会社増資をいたしました際に発行される増資株、大体この二つになるわけであります。そういうふうに株につきまして外国人認可を受けて取得できるものは、第一には新株でなければならない。第二号は、原則は今申しましたように新株でなければなりませんが、第二号に例外的に規定されておりまして、当該法人財産増加をもたらさないものである場合においては、つまり旧株、すでに発行されております既存の株につきまして、当該法人がその株を取得しますことが、外国投資家投資計画の一部であり、且つその取得対価たる本邦通貨当該取得のために対外支払手段を合法的に交換して得たものである場合、つまり旧株の場合に外国投資家が株を取るだけではいけないので、外国投資家が更に広い大きな投資計画を持つてつて、その一環として既存会社支配権に対して、経営に参加するために旧株を取る必要があり得ますので、そういう場合であつて、且つその株を買いました円貨は常に外貨送金して参りまして、合法的なレートで交換した円貨で以て買わなければならない。旧株についてはこういう二つ要件を満たす必要があるということになつてつたのであります。この点につきまして先ほど要綱の第一において申しましたように、今度取扱が変りまして新株につきましては、今この第十二条で説明したように、認可を得て取得することになつておりましたのを、今度は事後届出認可は要らなくすることにいたしたのであります。と同時に旧株につきましては、只今申しましたような認可に際して、要件二つあつたうちの最初のほうの要件、つまり外国投資家投資計画の一部でなければならないという要件は外しまして、後の要件、つまり外貨を送つて参りまして、それを合法的に交換した円貨取得したものである場合には認可しても差支えない。これは依然として認可にはかかつておりますが、認可規準を緩和いたしまして、外貨を送つて来て獲得する場合には認可してもいいということに変えることにいたしたのであります。一応この第十二条の条文は削除いたしまして、結局この第十二条の第三号が今度は一番最初の第八条の一般的な認可許可規準の第四号として設けられることになつたのであります。この三頁の上の段の四号に今申しました関係が出て参るわけでございます。従いまして従来の第四号は、社債貸付金債権株式又は持分の四つについての規準になつておりましたものを、この四号を社債貸付金債権だけの規準に改めまして、別の株式取得についての規準は、その外貨を持つて来れば認可しても構わないということを、別に四号として規定いたしたわけであります。それから第八条の三項は変りございませんが、十一条は変りまして、これは先ほどの要綱新株取得が、従来は認可制度になつてつたのが、事後届出でいいということに変りまして、条文で書き変えましたのは十一条でございます。十一条の下の段は今までの規定では、第二項で事前届出を要する場合は認可を要する。今までの旧条文の立て方は第十一条の第一項では、第二項のほうで届出をしなければならない場合を除けば、外資委員会認可が要る。然らば第二項でどういう場合は届出をするかということを規定いたしまして、それは先ず第一に五頁の最後の行にありますように、「適法に所有する株式又は持分に対し新たに割り当てられた株式又は持分」、つまりすでに合法的に確保いたしております、それに対して増資がありまして、それに新株の割当があつた場合、それから第二号に「他の外国投資家から譲り受ける株式又は持分」、外国投資家相互間の移転の場合、この二つの場合は届出でいい、但し配当金送金保障して欲しいということには認可が要る、こういう立て方になつておるのでございます。それが今回は、上の段に参りまして、第十一条の第一項のほうで、事後届出で以て確保し得る株式以外は認可が要るとありまして、第二項のほうに持つて参りまして、どういう場合にそれでは事後届出だけで株が持てるかという規定を置いたので、ございまして、それが今までは増資割当新株だけでありましたのを、五頁の最後の行に書いてありますように、その取得当該法人財産増加をもたらす場合と書いてありまして、割当新株に限らず資産の増加をもたらす新株はすべて事後届出でよろしい。第二号の外国人相互間の移転の場合、これも届出でよろしい。以上が要綱の第一点に関する説明でございます。  第二の外国投資家本邦において所有しております財産等が強制収用されました場合の手続的な、補完の規定は、新旧対照表の八頁九頁に亘つて書いてあるのであります。八頁に棒線が引いて書いてありますように、例えば国が買収いたしましたときには、その「収用又は買収により外国投資家の受領すべき対価に相当する金額外国へ向けた支払を確保するため、当該対価の受領の日から一年を経過する日までの間、必要な資金外国為替予算に計上されなければならない。」一年間は保障される。これは憲法の規定によつて当然正当な保障が行われるわけでありますが、それが円で行われましても外国人は満足しないわけでありますので、それを例えばドルで送金することを保障する。これを一年間為替予算に計上しなければならないという規定を設けまして保障しようとしたのであります。ところが、これだけの規定ではいつ果してどこでどのくらいの買収が行われたかということが、外国為替予算を組むほうの責任者にわからないわけでありますので、それを補いますために、上のほうに書いてございますようにこれこれこうした場合においては、「当該収用又は買収により受領すべき対価に相当する金額の全部又は一部について外国へ向けた支払をしようとするときは、当該外国投資家政令で定めるところにより、その旨及び政令で定める事項を記載した書面大蔵大臣に提出しなければならない。」ということで、先ずどこでどういう財産が幾らで以て買収されたかというような事柄を大蔵大臣書面で出す。第二項に参りまして「大蔵大臣は、前項規定による書面の提出があつたときは、直ちに当該書面に記載された対価に相当する金額外国へ向けた支払に必要な外貨資金に関する資料閣僚審議会に提出しなければならない。」外国為替予算を組む責任者である閣僚審議会へ今度は大蔵大臣がその提出された書面に基いて資料を出す。その資料に基きまして三項で、「閣僚審議会は、前項規定による資料の提出があつたときは、当該資料に記載された対価に相当する金額外国へ向けた支払を確保するため当該対価の受領の日から一年を経過する日まで必要な資金外国為替予算に計上しなければならない。」この点は従来の規定と同じようでありまして、一年の期間を限りまして閣僚審議会外国為替予算に計上するということにいたしたのであります。それが第二の改正点であります。  第三の改正点は附則の改正でございまして、それは十三頁の上の欄に新らしく設けた規定が入つております。これは読みながら御説明いたしますと、「外国投資家が左に掲げる認可を受けて取得した株式又は持分外資委員会規則で定めるところにより、この規定の施行の日から六箇月以内に行われた申請に基いて外資委員会指定したものに係る配当金(その指定の日以後に支払われるものに限る。)の外国へ向けた支払は、外国為替及び外国貿易管理法第二十七条の規定により認められたものとする。」左に掲げる株式と申しますのは、次の頁の一号、二号にありますように「外国人財産取得に関する政令規定に基く認可」この外国人財産取得に関する政令というのは、つまり政令五十一号、ポツダム政令でございます。外資法ができます前は、この政令によつて株式取得認可が必要であることになつておりました。で、この政令によつて外資委員会認可したのが一つ。それから「前項規定により第十一条第一項の規定による認可申請があつたものとみなされて同項の規定に基いてなされた認可」これはほんの付け足しで非常にわかりにくい条文で余り重要なことではないのでありますが、前項規定というのはその十二頁の三項を指しておるのでありますが、つまりこれは外資法ができます前に外国人財産取得に関する政令で、株式取得をしようとしたものに認可書を出しておつて、それがまだ決済が、処理が終らないうちに外資法ができ上つて、そうしてその認可を今度新らしい外資法認可したというもの、こういう場合がなきにしもあらずで、現実にあるのであります。その場合のことを指しておるわけであります。これも勿論その前に申請書が出ておりますので、配当金保障がつかないのであります。こういうふうな一号、二号の認可を受けて取得しました株式については、先ず六カ月以内にいろいろな様式等外資委員会規則で、これから定めるのでありますが、それに従つて六カ月以内に改めて指定申請をして頂きます。そうして今度、先ほど来御説明いたしました第八条のほうの基準と照し合せまして、そうしてこれが適当だ、将来の配当金保障をしていいというふうに考えました場合には、外資委員会指定するわけであります。そうするとその指定をいたしました日以後に支払われます配当金については、何らかの為替管理法上の別途の制限をせられずに、自動的に送金することができる。こういうことによりまして配当金保障をしようというのが、この規定ですが、それから十四頁の第五項にはいろいろな準用規定を設けまして、同時に読替えの規定を設けました。これは今度行います指定を、そうでなくて今後新たに出て参りました申請認可いたします場合と、大体同様の基準によつてやるために、一般の認可について適用される規定をこの指定という政府行政行為にも準用しようというのであります。例えば今度新らしく指定します場合には、配当金保障するにつきましては必ず外貨又は同等の価値のあるものを持つて来て、投資した場合でなければならない、日本国内の円で以て投資した場合には送金保障はしないというのが、この外資法の第十五条第二項にございますが、例えばそういつた規定をやはり指定の際にも準用しようというために設けました規定でございます。  大体条文の御説明はその程度にとどめまして、資料は一番大きな分として「外資導入概況」という資料がございまして、これは従来の契約、或いは技術援助契約、それから株式取得の案件をやや具体的に、会社の名前などを入れまして掲げてございます。技術援助契約のほうは、今まで外国人財産取得に関する政令でも一部認可いたしておりますので、その分と外資法に移つてからの分と分けて書いたわけであります。これは認可いたしました全部を掲げておりますが、その次の株式取得のほうは、実はこのほかにもたくさんケースがあるわけでありますが、そのうちの主だつたものと申しますか、外資導入として意味のあるようなものの大きなものをまあピツク・アツプして出してございます。それから第三には政令五十一号に基き外貨又はこれと同等の価値あるものにより取得した株式、これを特に掲げましたわけは、先ほど御説明いたしました最後の第三点の政令五十一号で、外貨又はこれと同等の価値あるものを持つて来て取得した株式で、認可を受けたものは今度六カ月以内に申請して、外資委員会指定しますれば将来の配当金外貨送金保障されるわけであります。これに該当し得る、つまり指定され得るケースがどれくらいあるかということを示すために掲げましたもので、これが全体で十五件、株の代金にしまして八千五百万円ぐらいのものがあるわけであります。そのうちから申請を取りまして、指定をして将来の配当を保障するということになるわけであります。  それから最後の第四は、外資法に基く対外送金実績というので、これまでに外資委員会認可をいたしましたケースによりまして、現実にどのくらいドル送金が行われたかという実績を示したのでありまして、まだ実は認可をいたしましてから日がたつておりませんので、新らしいパテントを取りましても、その生産の設備等に時間を要します関係上、そう大した金額には上つておらないのであります。株式のほうにつきましては会社の決算の年度会計年度の関係もございまして、只今までのところではまだ配当金送金の実績は出ておりません。  それからもう一つ附加えてお配りいたしました外資委員会審議状況報告書というものだございますが、これは実は毎月事務局において作つておりますものを便宜代用させて頂きました関係上、非常にわかりにくい表になつておりますが、今の横書の分は従来の実績が金額的に累計が出ておりませんので、それを御覧願うために出しておいたのでありまして、例えば、それじや今まで株式外国人がどれほどの金額取得しているかということを見ますために作つたのであります。この表は二月中の審議状況を書いておりますが、この中には累計という数字が出ておりますが、この累計の欄を御覧願えば最初から二月末までの数字が全部おわかりになるのであります。
  10. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 何頁です、累計は……。
  11. 賀屋正雄

    政府委員賀屋正雄君) その表に全部累計という欄が設けてございます。例えば第一頁で認可の件数といたしまして、これが二つに分れて当月と累計ということになつております。技術援助計画については件数が二十一件になつております。これが外資委員会ができましてから二月末までに認可をいたしました全体の数字になるわけであります。株式につきましては六十五件これは件数でありますが、金額は、一枚おいてその次の表を御覧願いますと、別表Ibという株式及び持分取得の明細表というところにありますように、この外資委員会認可いたしました金額は当月が九千八百万円、それから累計のところに十億三千万円というふうに出ております。株につきましては例えばこちらに住んでおります外人が極く僅か資産保全的な意味で百株、二百株持ちますような場合と、そうでなくて経営に参加いたしますために持つような、いわゆる外資導入らしきケースと、こう二つに分かれるわけであります。それを二つに分けまして、前者を単純な資産投資、後者を経営参加的投資と、こう分けてありまして、累計金額を別けております。それから又株の払込なり、取得のために用いました円貨がどういうものであるかという観点から分けまして、外貨を持つて来たものと、それから現物を送つて来て、それを売つてその代金で払込んだ場合、或いはパテントだとかノー・ハウーというようなものを直接現物出資した場合、それから第三番目には日本で稼ぎました、獲得しました円貨取得した場合、この三つに分けております。その下のほうの表には外資法ができます前の政令五十一号、外国人財産取得に関する政令取得しました株の明細が表に出ております。それからもう一つ外資委員会では外国人事業活動についての許可の事務を行なつておるのであります。同時に又各行政官庁が外国人事業活動許可する場合に、外資委員会意見を聞いて参るということになつておるのであります。この二つのケースについて、一と二に分けまして、一のほうは主務官庁が許可その他の処分をするに当つて外資委員会に付議した案件は、業種が限られておりまして、そこにあります銀行業、保険業、運送業、電気業、ガス業等に限られております。そのおのおのの数字がやはり累計のところで御覧になりますと、最初から二月末までの件数が出て参つておるのであります。それから第二のほうは、今度は意見を述べるだけではなくして、外資委員会がみずからの権限として許可する場合、これも業種が限られております。そこにありますように、保険業、運送業、通信業、弁護士業、弁理士業、公認会計士業医師、歯科医師、薬剤主業、要資格專門業、要資格專門業と言いますのは大部分がいわゆる顧問業、ビジネス・コンサルタントとか、テクニカル・コンサルタント、技術顧問業、そういつたものが大部分でございます。その累計の件数が出ております。  それからその次の表は、五頁の表は財産取得に関するもので、土地、工場、事業場その他の不動産とか、その他の権利、これの認可をいたす仕事がやはり外資委員会にございますので、それをどの程度やつたかという数字が出ております。大体資料につきましての御説明はそのくらいでございます。   —————————————
  12. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 時間の関係上質疑は後廻しにいたしまして、第三の議題に入りたいと思います。外国為替管理委員会設置法の一部を改正する法律案政府提案理由説明を願います。
  13. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) 外国為替管理委員会設置法の一部を改正する法律案につきまして御説明をいたします。  外国為替管理委員会は昭和二十四年二月二日総司令部覚書第一九六八号に基く同年三月十六日政令第五十三号によつて設立せられましたが、その後同じく昭和二十四年の十二月一日法律第二二九号の「外国為替管理委員会設置法」が制定せられまして、同法に基いて外国為替及び外国貿易取引の手続に関する事務を掌理し又外国為替特別会計を運営して参つたのであります。この設置法制定以来一年四カ月を経過いたしましたがこの間に同委員会設置の目的を達成する上において次のような点が必要であると認められるに至つたのであります。  第一に、現存外国為替及び外国貿易管理の事務は、外国為替管理委員会のほかに、大蔵省、通商産業省、経済安定本部等の間に分散して処理されておりまするが、これらの取引の手続についてはできるだけ調整を図つて官庁相互間の連絡を円滑ならしめる必要があること。  第二に、この調整の機能を円滑に遂行するために、外国為替管理委員会は常時前掲の各行政官庁及びその他の関係機関との間に協議を交換する必要があること。  第三に、現行設置法では外国為替管理委員会外国為替銀行に対し一定の制限及び条件の範囲内でのみ監督を行うことになつておりますが、関係法令の規定に従い外国為替銀行に対する監督の範囲を拡大し、且つ、外国為替銀行以外の関係金融機関に対しても監督を行う必要があること。  これらの必要性に鑑みまして、本法案は現行設置法を次のごとく改正いたそうとするものであります。  第一に現行設置法第三条中新たに第一号を設けまして、外国為替管理委員会の所掌事務の一として外国為替の取引及びこれに関連する外国貿易の取引の手続について、必要な調整を行うことを追加いたしました。  第二に現行設置法第四条の第八号から第十号までの外国為替管理委員会権限に関する規定の一部を改正いたしまして、同委員会が前に掲げました第二、第三の必要性として述べました点を完全に履行できるようにいたしました。  以上が提案理由の大要でありますが、何とぞ愼重御審議の上御賛成あらんことをお願いいたします。
  14. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 引続きまして同法案についての、条文についての御説明を願います。
  15. 大久保太三郎

    政府委員(大久保太三郎君) それでは只今提案理由を御説明になりました本法律案につきまして、逐条的に御説明申上げます。
  16. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 書き物がありますから簡単で結構ですが……。
  17. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 書き物の場所をわかるように、この関連を明示して説明して頂きたいと思う。
  18. 大久保太三郎

    政府委員(大久保太三郎君) お手許にお配り申上げました資料によりまして御説明申上げますが、資料の中に現行条文改正条文の対照の刷物がございますが……。
  19. 岡崎勝男

    政府委員(岡崎勝男君) 初め資料の名前をこう挙げればいいです。これこれと……。
  20. 大久保太三郎

    政府委員(大久保太三郎君) お手許に差上げました……。
  21. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) どういう名前の資料ですか。
  22. 大久保太三郎

    政府委員(大久保太三郎君) 法律案説明書、それから現行条文改正案の条文との対照、その次に設置法の一部改正をいたします法律案関係いたしております関係法令、それから覚書、これの拔萃を掲げております。それから一等しまいに現在の外国為替管理委員会設置法、これの条文を添えてあります。
  23. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 御説明下さい。
  24. 大久保太三郎

    政府委員(大久保太三郎君) それでは外国為替管理委員会設置法の一部を改正する法律案説明書を御覧願います。  第三条の委員会の所掌事務の中に第一号というものを加えまして、「外国為替の取引及びこれに関連する外国貿易の取引の手続について、この条に規定する委員会の目的を達成するために必要な調整を行うこと。」これを追加いたします。元来委員会は昭和二十四年の政令五十三号の委員会令によりまして、「外国為替及び外国貿易の取引について綜合的に調整された統制及び管理を行う」ということを目的といたしまして発足したのでございますが、現在のところ外国為替及び外国貿易取引に関する行政、これが各関係行政官庁の間に分散されておりますために、これらの官庁のきめます手続につきまして、或る行政機関がその調整を図つて行くということが、実際取引の便宜の点から申しまして必要が認められますのでございますが、この調整をいたします機関といたしまして、外国為替管理委員会が適当であると考えられます。それで委員会は現に関係各機関の賛同を得まして、この調整という職分を行なつておるのでございますが、その現状に即しまして、その趣旨を明らかにするために、この一号を追加いたしました次第でございます。  それから改正の第二点といたしまして、第四条の委員会権限の中におきまして、第八号から第十号までを次のように改正いたします。先ず第四条第八号は現行法におきましては、「外国為替取引の手続を定め、及びその所掌に属する事項について外国貿易取引の手続に関し同意を与えること。」、こうございますのを、「外国為替取引の手続を定め、及び外国為替の取引及びこれに関連する外国貿易の取引の手続について他の行政機関と協議し、又は他の行政機関から協議を受けること。」こういうふうに改正いたします。これは現行法規定によりますと、委員会はみずからの権限といたしまして、為替取引の手続を定めますほかは、「その所掌事務に属する外国貿易取引の手続に関し」で同意権を持つことになつておるのでございますが、実際には大蔵省の所掌に属します為替の取引の手続につきましても、或いは協議を受け、又同委員会のきめる取引の手続についても、他の関係行政機関に協議している、そういう現状でございますので、この現状を忠実に表現いたしますために、この法案におきまして、只今申しましたように、「他の行政機関と協議し又は他の行政機関から協議を受ける。」そういう字句を用いまして、委員会と他の行政機関との関係がお互いに協力し、連絡する、そういう関係にあることを明らかにいたしました次第であります。  次に四条第九号でありますが、現行法では「外貨資金外国為替特別会計の集中制度に関する手続を定め、当該制度運営し、及び外国為替特別会計の資金運用すること。」とございまするのを「外貨資金外国為替資金特別会計への集中制度に関する手続を定め、……及び同特別会計の外国為替資金運用すること。」こういうふうに改正いたします。これは只今審議を頂いております改正法律案と並行いたしまして、今期国会に外国為替資金特別会計法案が上程され、その法案によりまして、外国為替特別会計が廃止されまして、新たに外国為替資金特別会計が設けられる予定でございますのでこのように改めたわけであります。  それから第三に、第四条第十号でございますが、現行法では、「外国為替予算に定められた制限及び条件の範囲内で、外貨資金取得及び使用に関して、外国為替銀行を監督すること。」とございまするのを、「外国為替及び外国貿易管理法(これに基く命令を含む。)の実施に関して、外国為替銀行その他の関係金融機関を監督すること。」そういうふうに改正いたします。これは現行法規定によりますと、委員会外国為替銀行に対しまして、果して外国為替予算にきめられた制限条件の範囲内で外貨資金取得しておるか或いは使用しておるか、そういう点についてのみ監督を行うことになつておるのでございます。併しながら外国為替及び外国貿易管理法、及びその附属の政令規則によりますと、外国為替銀行は外国為替取引業務を行うに当りまして、單に外貨資金取得及び使用に関してだけでなしに、その他の点につきましても、これらの関係法令によりまして、委員会の監督に服しておりますので、その現状に即しまして委員会外国為替銀行に対する監督がこれら法律、命令の実施に関する範囲に広く及ぼされるのだ、そういう趣旨を明らかにいたした次第であります。なお新たに外国為替銀行のほかに「その他の関係金融機関というものを附加えておりますが、これは現在差当り両替商がこの監督の対象になりますので、その両替商を加えておる次第でございます。  なお、最後に附則といたしまして、只今申上げました、外国為替資金特別会計法とその施行の期日を合せます必要上、昭和二十六年四月一日からこの法律を施行することに改正いたしました次第でございます。  概略の御説明はこの程度にとどめておきます。
  25. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 時間の関係もありますし、委員のかたも少いようでありますから、質疑は次の機会に全部包括してしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
  26. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは打切る前に、政務次官から発言を求められておりますので、この際許可をいたします。
  27. 小峯柳多

    政府委員小峯柳多君) 只今役所のほうから御通知がありまして、かねて司令部に折衝いたしておりました内需用の綿の割当が五万梱正式に許可なつたという通知がございましたので、御報告申上げておきます。御承知のように、綿製品の内需使用が非常に窮屈になつておりましたことで、内需関係を折衝いたしておつたのでありますが、総体的に生産増加したというふうなことが理由になりまして、今まで月三万七千五百梱のベースから四—六月の期間に五万梱になつたわけであります。なお一—三月につきましても四月から増すというベースで以て五千梱ほど追加が許されております。従つて内需の綿は、従来の三万七千五百梱から五万梱のベースに四月から確実になるということと、一院三月からその割合で追加になつたということ、七月からはその後の生産状況において更に考慮いたすという含みがあるようであります。以上御報告申上げます。
  28. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは最後に、委員会の予定について御相談申上げたいと思いますが、これは委員会を打切つて御相談したほうがいいと思いますので、ほかに御発言なければごれで閉会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) では委員会は閉会いたします。    午前十一時五十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     佐々木良作君    理事            山本 米治君            奥 むめお君    委員            中川 以良君            野田 卯一君            三輪 貞治君            藤野 繁雄君            菊田 七郎君            兼岩 傳一君   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    外国為替管理委    員会委員   大久保太三郎君    経済安定政務次    官       小峯 柳多君    外資委員会事務    局長      賀屋 正雄君   事務局側    常任委員会專門    員       桑野  仁君    常任委員会專門    員       渡邊 一郎君