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1951-02-24 第10回国会 参議院 経済安定委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二十四日(土曜日)    午前十一時九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○日本経済の安定と復興に関する調査  の件(経済統制の問題に関する件) ○経済安定本部関係提出予定法案に関  する件 ○議員派遣要求の件   —————————————
  2. 山本米治

    理事山本米治君) それでは只今から経済安定委員会を開催いたします。  今日の議題は経済統制問題に関して、即ち今後統制をやるかやらないか、やるとしてどういうような方法でやるかというような問題に関して周東安本長官から御説明を承わり、それに関して質疑応答をする。なお、あとで懇談的に議員派遣問題についてお話合いをしたいと存じます。  それでは長官から統制問題に関しまして概略お話を伺いたいと思います。
  3. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) それでは概略お話を申上げたいと思います。今日の国際情勢下において、日本経済の持つて行き方について統制をやるかやらんか、又従来外されておるものもその意味において再統制するかどうかということをよく聞かれるのであり、又それは一番国民としても聞きたいことであると思われるのであります。私どもこの点につきましては国際情勢を睨み合せ、日本経済を注視して慎重にその措置考えておるのであります。併し単に一律に抽象的に統制をやるかやらんかという質問に対しては至るところで話しておりますように、戦時中と申しますか、この前の太平洋戦争当時におけるような統制を全面的に繰返し、再び行うということは只今考えておりませんし、又そのことの必要もないと私は考えておるのであります。と申しますのは、前国会のときでありましたかも申しましたように、よほど統制とかいう問題に対してはその国の事情なり、そのときの経済情勢というものが影響するものでありまして、従つて国相違、その国の経済情勢相違ということを無視して一律的に統制を始めるというようなこともこれは必要がないわけであります。殊に太平洋戦争当時におきましては、日本経済というものは皆様御承知通り、全くの孤立経済でありまして、生産されるもの、供給されるものというものは日本国内において供給され、生産されるもの以外には供給の途がなかつた。列国いずれの国も日本に対する援助といいますか、供給は閉されて、日本内地で使えば使うだけ、それだけものが減つて、そうしてただ紙のお金ばかりが溜つておるというような状況の下において、民需を抑えてもあらゆる物資供給というものは国需といいますか、国の需要に充てざるを得ないというようなかつこうにおいていろいろな統制がなされ、むしろ民需を抑えて国需に充てるがために統制をするというような杉であり、従つてそのことから流れ出る当然の影響として価格統制配給統制というものが行われたということは、あの当時の事情として一応是認できるのですが、それにしてもかなりその当時における非能率的な官僚的な統制が如何に生産を阻み、品質を下落させ、弊害伴つたかということは、もうすでに国民の耳目に新たなことでありまして、よほどそのやり方についても考えなければならん点であります。いわんや今日の事態において孤立経済というものからおよそ縁遠い違つた形においてアメリカを初め各民主自由国家においては、日本に対して供給の手を差延べて、必要な物資については供給をしてくれるわけであります。国内における閉された狭いアウタルキーの思想でなく、広く貿易によつて外から物を入れて来るというかつこうの事態におるわけであります。その間における考え方というものはよほど違つて、それに相応した適当な措置をとるのが一番よろしい、かように考えておるわけであります。従つて抽象論的に、一般論的に言えば、あの戦争当時のような統制一般的に再び繰返す必要はなかろう、殊に主食は別といたしまして、その他の一般食糧の場合も野菜とか或いは生鮮果物魚類というものを今日価格をつけ、又配給統制することの必要がなかろうし、又それをやれとは一般国民も望まんでしようし、今日あれが自由な形に替えられて如何に明るく野菜なり魚類なり果物というものが手に入るような形になつて、その明るさというものは今日国民が一番よく知つておるのであります。そういう面について今すぐ統制をやる必要もなければ、又従つてやる意思はないのであります。ただここで考えなければならん問題は、新らしい事態に処しての問題でありまして、それは御承知通り朝鮮事変以後における実際の情勢というものは何んと申しましても、軍備拡張競争のかつこうのように世界百国がなつており、従つてその方面に必要な物資国際間における買付競争のごときものは漸次激しくなつておるこいうことは御承知通りであります。従つてそういう面からいたしまして、殊に貴重な非鉄金属とか、鉄鉱石類というようなものが、ゴムとかいうようなものが世界的に数量需要に対して少い。こういう面についてはどういうふうにして今後行くかということに対しては、先ず数量の面から言いますと、恐らく貴重な非鉄金属等についしは、世界的に割当というようなものか民主主義国家の間には私は起ると思う、併しこの点ははつきり申上げて置きますが、如何に割当競争が起りましても、孤立経済に対して今日の事態においてもなお且つそういうものについても、日本については恐らく割当確保されて行くものと私は確信しております。併し、そういう面で貴重な物資割当てて日本によこすというような場合に、その貴重な貨物を重要ならざる方面使用されたり、或いは自由に置いておくために思惑が行われて、真の有効需要者の手に渡らないで、これがブローカーの手に渡つて値が高くなつたり、又真の有効需要に使われないということは、これは最も避くべき点であります。そういう面については、或る場合においては使用制限なり、或いは配給用途に対する使用を禁ずるというような形において私は、いわゆる統制の面が出て来るとすれば出て来ると思いますし、又これはやらなければならん問題かと思います。従つてどもは先ず物の面についてでき得る限り輸入確保ということに努力して数量の面における増加を図ることを第一義にして、できる限り国民大衆に対する配給統制こいうようなととは一般的に言つてはこれはやらん、やりたくないと思つております。そういう場合においても、価格の面において国際経済に結び付いておる関係上、他から原材料が入つて来る、そのコストが生産に及ぼすということは自然に起つて参りまするが、ただそういう面から来る値上り価格統制によつて抑えるということは私は却つて弊害が伴うと思う。むしろ物によりましては国際価格が上る、その原材料を買つてできた製品は上るが、併しその中の相当部分輸出されるとすれば、輸出価格においてやはり高くなつて売れるのでありますから、原材料が高くても自然の値上りによる高さでのりまして、而もそれを品物確保することによつて日本産業経済生産指を高めるということができれば、その点はよい影響をおのずから賃金の面にも及ぼし、経済界にも活気を持たせる。現にその点はよく言われますが、賃金の問題ですが、名目賃金指数は十一月頃までにやつぱりつております。九千三百円ですか、今度九千七百円くらいに実は上つておる。これはやはりそういう方面生産が上るということが賃金の面にも影響を与えた。そこで或る程度価格の上昇と賃金指数の上りとの間においては、或る程度のものは吸収されておるという関係もあります。従つて直ちに価格統制するというような面にも行く必要はないのではないかと、かように只今考えております。又一面統制の面について一般的には抽象的にやらんという人があるが、又物は個別的に考えなければならんということの面では今度は私はたしか統制という言葉を使わないのですが、自由に対する制限の形で現われて参ると思うのですが、日本の今日の経済の振興のために国内における国民生活の安定ということが第一義でなければならないと思います。当然いろいろな面において国連への協力のために特需が出るという点もありますが、その間にも注意深く私ども国民生活の面で安定の方向に持つて行きたい希望は非常に強いのでありますが、そういう面も考慮しつつ国内における必需物資について余り輸出が出過ぎて国内品物が減るということの影響を考慮して必要があれば物によつて輸出制限ということが考えられるのではなかろうか。こういうふうな考えを又一面持つております。従つて個々のものにつきまして輸出の或いは制限、或いは輸入物資等についても使用制限割当制限をするということが必要になつて来るのではないかと思つております。要するに私どもはそういう立場から総合的に物価政策割当政策というようなものと睨み合せて統制の問題を研究をいたしております。綿糸とか、もうすでにそういうものについては実施に移しておりますが、そういう面について慎重な考え方を進めておる次第であります。私どもはそういう場合において是非とも食糧衣料原料である繊維製品確保については万全を期しておるのでありまして、今御案内のように繊維製品についてはかなり値上りがある。これにはかなり思惑もありますが、商品については綿糸綿布のごときは相当在庫品があるにもかかわらず、思惑で上げているという面がありますので、一面においては経済調査庁を通して思惑に関する事実がどういう形になつて動いているかということを調査させますと同時に、国内必需数量を或る程度綿糸綿布については増加するということについて今それぞれ手を打ちつつありますが、これが近くはつきりいたしますれば、綿糸等についての内需用数量が二十五年度よりも相当量多く持つて行つて衣料原料に対する数量確保と、それから起る間接的な価格面へのよい影響を与えて行くことに努力しようと思います。これは必ずこれについてはできることだと思つております。今の私ども見通しにおきましては、二十六年度における原綿輸入相当自信を以て確保でき得ると思います。そういうことも一つ考えております。一応この程度にいたして置きます。
  4. 山本米治

    理事山本米治君) では只今の御説明に対し質疑を開始いたします。
  5. 野田卯一

    野田卯一君 最近紙の値上りが非常に著しくて、なかなか紙を使う人が手に入らないという状態である。それに此べて外国では物によつては倍もするというので紙を輸出するというお話を聞いておりますが、数日前の新聞に紙の輸出を一時差しとめるという記事が出ておりましたが、そういう方向現実に動いているのかどうか。
  6. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お話のように、紙の点は輸出制限について一番最初にとりたいと思つていた措置でして、今折衝中です。
  7. 野田卯一

    野田卯一君 それと関連いたしまして新聞用紙割当なんかの問題につきましても、この間の読売新聞に社説が出て、お力まして大分問題にしておりますが、ああいう新聞用紙割当制度というものが適当であるかどうか、今あれだけが残つているのです。紙の統制につきましては新聞用紙割当だけ残つているのですが、ああいうことが必要かどうか、又ああいう割当というものは非常にむずかしいので、割当の面で無駄に紙が新聞社行つて、それが横流れをしているということは天下公然の事実であります。むしろああいうものを早く撤廃するほうが政府の従来の方針に即応するものであり、又自由党政府として適切ではないかということをやかましく言われておりますが、それに対する長官の御意見は如何ですか。
  8. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 新聞用紙についても、原則的な価格統制を外して行くことがよろしいと考えておりますが、新聞についてはなかなか理解が錯綜しているのです、これはまあざつくばらんに言うて。外して行くことによつてなかなか大新聞と小新聞とのあれが違うようでして、その点でいつの時期か、どういう方法でかということについて慎重に研究しておりますが、行く行くはこれはやつぱり外す方向に持つて行きたい。
  9. 中川以良

    中川以良君 安本方針として統制に関する点は、戦時中戦後を通じてのああいう官僚統制は絶対やらんというような御方針で、これは大変結構だと思うのでありますが、この間来生活必需品重要物資値上りにつきましていろいろと手を打たれている。殊に経済調査庁においてこれの取締を強化するというようなことが伝えられておりますが、大体どういうような御方針でございましようか、一つ安本長官から承わりたいと思います。
  10. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) お話のように、ちよつと目立つて見えるのが最近味噌醤油というような調味料だとか、或いは綿布だとかそういう数種の生活必需物資ですね、これが最近上つているわけです。これもお尋ねがあれば申上げようと思つておりましたが、こういう調味料日用生活必需物資は、実は我々がとりましたドツジ氏の政策による安定計画ですね、あれが遂行された時代を一〇〇として考えると、一時非常に下つて来たのです。それが朝鮮動乱以後上つて来たが、二割とか、物によつては一割とか上つて来たが、綿布等は一番大きく値上りをし、三割幾らぐらい上つている。けれどもこれを安定時と比べるとまだ一〇〇以下なんです。一応下つたのに、えらく上つて来たのでちよつと心配しているのですが、その点は実質的に見て昨年の六月以前に比べるとまだ低いと思います。併しこれは形からいうと上つておるように見えまするので、非常に心配いたしております。これも味噌醤油等についてもかなり思惑もあるのです。大豆が一時ちよつと入りにくくなりまして、あれが輸入に関しては自動許可制になつておらずに、而もそれがいろいろな事情がありまして、ガリオアによつて輸入数量確保されて後でないと、自動許可制についての買付が許されんということになつておりますので、これも好意のある計らいであつて、余りざつと買付に行くと、値が上るからそれは不利であろうと待つてつたのです。なかなかそれが行かない。最近幸いガリオア買付終つた、それと並行してコマーシアル・べ—スによる買付を認め、同時に長い間問題であつた自動許可制アメリカも許しました。そこで相当に今その買付に力を注いでおりますが、近くアメリカのほうから、数量は七万トンでありますか、来ると思います。これが来ますと相当落ちつくだろうと思います。殊に最近豆が来ないものですから、豆粕を買うというような問題が起きて来て、それが豆がないというので豆よりも高い入札価格が出たのです。そういうことから先高ということで売惜しみ、買溜めということが起つて来ている。これが味噌醤油らに響いて来ている。これはけしからんことだと思います。今経済調査庁でやつておられますのは、どういう原因で、どういう形で思惑が行われ、どういうところに溜められているかというようなことを、主としてそういう面から国民のために調査を進めている。それが間接的に或いは直接的に影響を及ぼすであろう。丁度去年の大層に朝鮮事変が始まつて綿布が一部上りましたが、これは物があるのだから、十一月から下つたというようなことで、いわばこれは国民の敵である思惑というものに対して徹底的に調べる、こういうことで始めたのです。やり方としては全国の経済調査庁管区に、何といいますか、国民生活必需物資苦情相談所というようなえらい名前を付けたのですが、それは民間からの苦情なり意見をどんどん聞いて、そうして具体的の場所に、具体的に発動して調査をするということで一つ始めております。併しこれはどこまでも消極的な行き方です。相当効果はあると思いますが、積極的には何とかして大豆を入れたい。それから綿布等についてははつきり、これはさつきも申したのですが、数量は去年よりも余計ですよ。原綿の入り方というものは、アメリカのほうもその点に非常に注意して、私ども食糧確保衣料原料確保は、あらゆる思想的な煽動に対する最も必要なものであつて、これが少くなつて国民が因るようなかつこうにすると、そこにつけ込む者が多くなる。これはしつかりとしてもらいたいというようなことで、それで原綿綿布についての国内必需数量を去年よりも相当量上げる。これを発表したいというので毎日催促しておりますが、近く発表できると思います。こういうことができますれば実際上落ちつくのではないかと思つております。
  11. 中川以良

    中川以良君 経済調査庁での取締は大変結構だと思いますが、これは物調法に基いておやりになると思いますが、公の取締のごときは一応基準がありますけれども暴利という線を一体どこに引くか、それから退蔵の量を一体どういう目安によるかというような問題がいろいろあると思います。この取締が仮に行過ぎますと、今までのように業者が脅えて折角自由に闊達にやつている業界が萎縮するというようなこともあると私ども心配しているのでありますが、各管内で何件摘発しなければいかんというようなことで、命令されて、やるというようなことは絶対あつてはならないと思いますが、その点はどういうお考えでありますか。
  12. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) このお話の点は御尤だと思います。実は新聞はちよつと間違つているのです。一々基準価格というものはないし、暴利とか不当高価を抑えるということが目的ではなくて、飽くまでも思惑、売惜み、買溜めということの実態が那辺にあるかということを調べる、そういうことを主としてやるわけです。店頭に買いに行つても売らんということがあれば、それがわかれば、話をして売らせるようにする。直ちに暴利取締の形に持つて行くという考え方ではなくて、むしろこういう際に先に対しては物は来るのだからそういう売惜み買溜めをせんように指導したい、それには先ずどういう形で思惑が行われているか、どういう形で売惜みが行われているかということの実態を調べることを主にしてやつているのであります。すぐに暴利取締をすることではないのであります。
  13. 中川以良

    中川以良君 是非そういうように一つ進んで頂きたいと思います。  もう一つ伺いたいのですが、事業者団体法の改正でありますが、これはその後どういうふうになつておりますか。これは昨日も衆議院では大分論議もされているようでありますが、お見通しが大体あるのでございましようか。それに伴つて物調法が三月末に期限が切れますが、その延期については一体どういうように政府としては方針を立てておられるのでありますか。
  14. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 物調法期限延長は近く国会のほうにお願いするつもりであります。その際に、併せて或る程度事業者団体法等の特例を極く一部分でも出したい、こういう気持で研究しておりますけれども、決して事業者団体法を廃止するとか、又一遍に昔のように民間の集団による統制と言、いますか、そのことがつい間違われるのですね。財閥とか資本集中をもう一遍認めるのかというような疑惑を起している向きもあるやに聞いております。そういうことからなかなかむずかしいような状況であります。我々は資本集中とか独占とかいうものを復活したり、財閥を復活したりする意思ではないから、飽くまでも必要な統制最小限度にとどめて、品種別に……、そうしてそのものは有効にしつかりとやる、それで用のないものは統制をやめる、そういう場合に、最小限度にやる場合に、民間意見を聞いたり、余り人数を殖やしたり、役人を殖やすということが能ではないのだから、その場合政府のやる仕事について協力きせるという範囲の例外は認められんかというようなことが問題なんです。ところがえらく違うので、一遍に事業者団体法を廃止して財閥を復活させるというような観念をいろいろな面で与えておるのです。そういうような点が大分むずかしい状況でありますが、なおまだ申上げるべき時期ではありませんので……。
  15. 中川以良

    中川以良君 そこで業界にいろいろ意向をお聞取り頂くと……いろいろ政府のほうから諮問されるということは是非おやり頂きたいと思うのですが、最近審議会などの委員業界人は一切いけないというようなことに何か関係方面から話があつて、全部委員をやめることになるようですが、そうすると我々が事業者団体法の改善を特にお願いしている意向と相反する政策がとられるであろうと考えるのですが、その辺はどうですか。
  16. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 只今審議会に関する委員ということについてでありますが、例えば安定本部にありまする自立経済審議会とか、ああいう審議会については特別のむずかしい制限はない。特に民間企業許可でありますとか、そういう個別の何といいますか、許可等に関するものについての措置でありまして、一般的な民間人を締出すというようなことは全然ないと存じております。
  17. 中川以良

    中川以良君 もう一つ私は承わりたいのですが、麦の統制撤廃に対する問題ですが、先般農林委員会から政府に申入をいたしておりますが、まあ我々もこの点非常に関心を持つておりますわけで、当委員会でもこの問題はよく一つ理解をしなければならんと思いますが、一つ安本長官からこの委員会において、麦の統制撤廃に関する当局の態度を言明して頂きたいと思います。
  18. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 麦の統制撤廃については、今日のところは既定の方針通り、七月以降においてやめるという方針にまだ変化を来たしておりません。この議員の皆さんの中でも今のような国際情勢の下において、食糧の問題について不安を持たせないようにするためには暫らくまだ外さんほうがいいのじやないかという御意見のかたがあるようであります。これも私は無理からんことだとは思いますけれども、現在の状態においては輸入等につきましても或る程度見通しはつきりつけておるわけであります。成るほど去年の四月から今年の三月までの会計年度における輸入計画数量というものは、当初三百十万トンですかの予定を百七十万トンしか四層から十二月までに入つていない。あと一月から三月までの大体の予定が確実に見積つて約百万トンですから、この二百七十万トンでは穴が明くのじやなかろうか。今後の国際情勢でどんなになるかわからんから、そうなると大変だから、政府がやつぱり配給責任を持つてつたほうがいいんじやないかと、こういう御議論があるようです。が、若し国際情勢が非常に変化したときにおいて、政府配給責任を持つてつても、輸入食糧の額は、それを統制して殖えろ殖えんの問題ではないと思います。ですから、その点は輸人とは直接関係はなく、国内出来麦を、或いは割当買上げて、そして政府配給責任を持つたほうがいいと、こういうことです。この点はまあいろいろ見方意見相違ですからね。政府統制を強化して割当買上げて、そして配給をすれば必要量が増える。自由にすれば麦分だけの数量は手に人らんから困るだろうという行き方はどうだろうと思うのです。いわんや私ども現在の見通しでは輸入は三月までは減るかと思うのですが、来年は三百二十万トンの輸入計画であり、できれば早く小麦協定にも入るということになれば、値が安く、比較的数量は義務的に向うは輸出して来るわけですし、輸入するのに現実にそうえらい開きは起る何がないのではないか。又関係国におきましても私先ほど申しましたように、食糧原料というものの確保について優先的に考えてもらおうと思つて進んでおりますから、そう輸入数量に多少の変化がありましても、えらい差が起つて来ないのではないかと思います。そうして又国内において麦が御案内のように今日の、戦後における食生活の上から言つて麦が占める割合というものは非常に大きくなつたことは事実です。事実ですが、それは主として小麦の点で、日本の大麦、裸麦についてもそうえらく統制が外されたから、今度は農家は作らんだろうという見方は余り消極的なものである。従来通り現在の麦作地方畑作地方で作られるであろうし、統制が外されたほうが値段が自由になつて相当売れると思うのです。政府は麦を外すが結局十一月からの米の二合五勺は責任を以て配給する、あと民間で自由に必要量を買うというふうにする。そこ罪覆いろいろ数量的な問題は私は出て来ないのではないかと思う。ただ問題の点は数量の問題ではなくて統制して置けば麦の価格は抑えられて、安定するものであろう、こういうことがあるかも知れない。従つて外れたために民間で買う場合に上つて生計費に及ぼす影響はどうかという御質問ならこれはわかるのです。そういう面につきましては目下極力政府が値が上つた場合において、農家の農業を、助けるために、希望があれば買上げようとする制度をとろうと思つている。そのときの買上げ価格、これが市場の価格を或る程度支配するものであろうと思う。そのきめ方にあると思う。これについては麦と米とのパリテイの問題を考え、新らしい情勢に応じた形において麦の価格考えるし、従つて農家のほうの売りに出る形はそう変らんだろう。そこで消費者価格に及ぼします影響ということになるわけであります。これについては今後における消費者価格の決定については特に慎重に考慮したい。というのは、今物価が上昇傾向にあつて、米それ自体の問題は、今のように物価が上昇にある限りにおいては、かなり米に関する価格について考慮が払われなければならん点が起つて来るのではないかと心配しておるのであります。これは農家に対してはバツク・ペイの問題である。その額が大きくなれば消費者価格が問題になるのです。この場合に消費者価格がどこに来るかということについて今慎重に考慮しております。数量的に私は心配することは少いのではないかと思つておりますが、これは七月以降において起る問題でありますから、その点は半年先ですから慎重に処置はしたい思いますけれども、今外そうという大体の気持はまだ変りはないのであります。
  19. 山本米治

    理事山本米治君) ちよつと関連してお尋ねしたいのですが、国際小麦協定には去年日本からもロンドンに代表を派遣しまして、もうまさに入れるものと思つておりましたところが、未だに入れないのですが、入れない事情はどういうところにあるのでしようか。又今後の見通しはどうなのですか。
  20. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) ちよつと速記を一つ止めて下さい。
  21. 山本米治

    理事山本米治君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  22. 山本米治

    理事山本米治君) 速記を始めて。
  23. 中川以良

    中川以良君 麦の問題ですが、私ども無論統制撤廃したほうに賛成するものでありまするけれども、いろいろ各関係委員あたりが心配をしますのは、七月から十月までの配給の問題だと思う。そこで輸入が順調に入れば、これは問題がないわけですが、入らない場合にいざとなつたら食確法で強権発動ができるのだから、強制買上げをするだろうというところに、非常に疑念を持ち、それは農村を侮辱するものだというような考え方があると思う。それは先般農林委員会において農林大臣は、本年度に限つては強制買上げはもう絶対しないのだということを言明されたのですが、その点安本長官からもはつきりお話があれば、皆も非常にその点は納得をし、氷解もするのであろうと私は思う。  それからもう一つは、対米率の問題ですが、麦の価格について、その対米比価というものを御考慮になるというようなお考えは将来あるかどうかという問題でございますが、その点を一つお答え願いたい。
  24. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 七月から外しても、配給の点は七月から十月まで四カ月間、これは今持つておる麦を合せて二合七勺配給する、十一月以降は、これはまあその数量確保しておるわけであります。これは心配ない。まあ心配なのは、輸入が来年度減りはせんか、そうすると今年の問題じやなくて、来米穀年度、即ち二十七年度の端境期において、繰越しがどうなるかという遠い慮りですが、これは私は輸入確保できる、十月までの配給責任は負えるから、その点心配ないと思つております。  それから強制買上げ、これも私は答弁者を咎めるわけじやないけれども、少し筆先が走り過ぎたと思う。今度は食確法の改正をしても、従来のように米について事前割当をしない。従つて仮に規定が設けられても、出来秋というか、七、八月頃に、麦の成熟期に一つ検見して、それによつて、その法律を発動する必要があれば割当てるというこ之になる。これはよほど前とは違うと思う。前には生産前の割当をして置いて、不作だつたらこれに補正というので、やかましいことをやる。今度は現実生産を見て、事後においてそれ相当の適当な割当をする。併しこのことは、発動せんというのは、農林大臣のお考え之は私は正しいと思います。これは発動するか否かという問題は、政府がその後の情勢について、やはり麦を含めて二合七勺の責任を負うということが先にきまらなければ、米だけの配給をやつて、麦の配給責任の中に入れんというなら、要らんことである。    〔理事山本米治君退席、委員長着席〕 そこに多少の混同がある。本来言えば、あの八百何万石の買上げというものは麦がえらく下るだろう、そうすると自由に外された後には農民は困る、農民は統制で買つてもらつたほうがいい、外された後はどうしてくれるのだということになる。そこは農民の立場から、余り下つて来るなら、これは生産費は何できめるか知らないが、これからの問題ですが、農民の立場を考えて、要求があれば政府が買つて上げましよう、そして余り市場価格が高騰すれば、価格調整のために売払いしましよう。政府配給責任配給をやるということが前提になつて、初めて割当買上げというものがある。だから前提を二段に分けて考える。麦を外すということは、配給責任を負わないということになる。そうなれば残るのは、農業者の立場を考えての保護政策としての買上げだけになる。農民のほうで自由に民間に売つてもらうなら、八百何万石買う必要はない。それだけ財政に余りが生ずる。ちつとも差支えないと思う。そこの点はこんがらがつて質問を受けてああいうことになつたと思います。併し農林大臣は、今年は見込の上でそういうことをやる必要はなかろう、麦を再び統制の枠に入れる必要はなかろうという言明です。私もそうだろうと思います。  対米比価の問題は、これは結局この間の農林委員会の質問で、やはり農業者の立場を考えたのでしよう。最低価、格をきめるときに余り安いと困る、これについては私はこの間言つたのですが、研究の余地があると思うのです。成るほど米と麦との物品の品質の差から見て、価格差というものは、比率がありました。それは戦争前の台湾、朝鮮から米が千五百万石内地に入つてつて、食生活の大部分は米というものに……、当時における麦と米の比率、食生活における麦のウエイトというものと、今日千五、六百万石の米が入らなくなつて日本内地に……、そうして代りに小麦というものが非常に大きく入つて来ている、食生活の中に占める麦の割合が大きくなつた今日においては、必ずしも過去の米と麦の比率というものがそのまま正しいかどうか、而も小麦がウエイトを占めるということになれば、小麦の世界的な消費という立場から見て、かなりその影響がある。そういうことからして、或る程度の対米比価というものの率は、修正さるべき問題かも知らん。そこでその点は一つ慎重に考慮して考えましよう。こう思つております。
  25. 野田卯一

    野田卯一君 なおその点大蔵大臣も了承しておりますか。
  26. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) この間大蔵大臣も、農林委員会に一緒に出席せられて、いろいろ情勢があるが、今すぐ変えるというわけには行かないが、併し研究しましようということを一緒に同列で発言しました。
  27. 佐々木良作

    委員長(佐々木良作君) 奥委員、何か質問ありましたか。
  28. 奥むめお

    ○奥むめお君 ほかのかた、どうぞ先に……。
  29. 佐々木良作

    委員長(佐々木良作君) ちよつと申上げますが、実は時間が大分こういうふうになつておりますが、この統制に関する問題は、恐らく今日一回では議了し十分に質問し終えないだろうと思います。従つて次の機会において適当に又やるといたしまして、質問を成るべく早急に切上げて頂きまして、次に立法計画の説明を聞き、同時に調査派遣を議題にいたしたいと思いますから、御了承の上で一つ御質問を願いたいと思います。
  30. 野田卯一

    野田卯一君 極く簡単にいたしますが、塩でございますね。長官に伺いますが、塩の輸入状況見通しはどうでございますか。
  31. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 塩につきましては、中共が輸出制限措置をとりまして、中共に予定いたしておりました塩の輸入が困難になる、こういう見通しから、他地区に対する買付を計画いたしまして、現在全地域からAAで、いわゆる自動承認制で輸入いたすようにいたしておるのであります。今後の需要に対しては対処し得る見通しを持つております。
  32. 野田卯一

    野田卯一君 二十五年度の見込は、実績関係はどうなつておりますか。
  33. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 塩につきましては、二十四年度の持越しの塩が相当多量にありましたために、当初の買付額が約七十万程度だと記憶いたしておりますが、その後この買付計画を殖やして百二十万程度買付を行なつて参りました。併し到着ベースで考えますと、やはり来年度といたしましては七八十万トン程度になります。
  34. 野田卯一

    野田卯一君 六十万程度ということはありませんか。
  35. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 買付実績でありますか。
  36. 野田卯一

    野田卯一君 いや、輸入実績。
  37. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 輸入実績は大体七十万以上になると思いますが、六十万トンということはありません。
  38. 野田卯一

    野田卯一君 それから値段の問題ですが、価格は最近上りましたが、最近の引合値段はどのくらいになつておりますか。
  39. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 二十二、三ドル程度だと思います。
  40. 野田卯一

    野田卯一君 それから次に船の問題についてちよつとお聞きしますが、船は例のレザーヴ・フリートを借りるというお話ですね、今沈んでおるというのですが、レザーヴ・フリートの四十万という説がありますが、レイテスト・ニュースはどのくらいですか。
  41. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) まだ最終的の決定は見ておりません。今まで何か新聞に四十万トンだ、七十万トンだと、皆権威筋から聞いた話だと出ておりますが、いずれもまだ最終的決定に至つておりませんが、何らかの措置をとつてくれることははつきりしております。
  42. 野田卯一

    野田卯一君 それから肥料の問題ですが、肥料の輸出というものを最近はされるという計画はありませんか。
  43. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 肥料につきましては、来年度の生産計画、需要の計画を只今検討しておりまして、まだ輸出するという結論には到達いたしておりません。
  44. 野田卯一

    野田卯一君 それから肥料の値段が最近上るので、現在肥料配給公団の手持をしておるものを、今市中の非常に高い値段よりは、もう少し安い値段で農業協同組合に払下げてもらつて、農家に直接配給してもらいたい、こういろ要望を熾烈に聞いておりますが、その実現の可能性ありますか。
  45. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 大体今手続の問題相談しております。あれは非常に妙なことになりまして、あれだけあれば、多い少いは、とにかく品質のよい悪いなどの問題もありますが、市場にももう少し安く払下げようと思うのですが、ところがどうしても高くなるものだから必要なところに行かないのです。でこれも調査しております。悪い資本家は肥料家の名において横から高いものを買われちまうということで困つておりますが、そこで今いろいろ相談いたしまして、随意契約なら一番いいと思いますが、これは直接に行きませんし、指名入札をして、そうして本当に必要な場所へ払下げるという計画が進んでおります。これは大体実現の可能性はあると思うのです。
  46. 野田卯一

    野田卯一君 それから有機質肥料の輸入計画があつたと思いますが、その輸入の実情はどうでございましようか、可能性は。大豆粕とか菜種粕については。有機質肥料についての輸入計画
  47. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) これは私よく知りませんが、適当の機会にお答えいたします。
  48. 奥むめお

    ○奥むめお君 油が民間の市場で今非常に高くなつておりますが、鯨油の輸出の問題が新聞に出ておりますが、あれどうなりましたか、油の見通し
  49. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 鯨油につきましては、非常に重要な資源でありまして、私どもとしては一応政府では今輸出はさせたくない。
  50. 奥むめお

    ○奥むめお君 まだきまらないんですか、輸出させないんですか。
  51. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) ええ、輸出させないことになつております。ただそこで、問題は抑えるばかりだと、油糧公団に持つて行くと、すぐに政府買上げる、その点が、今公団がなくなりまして、抑えると共に、何らかの金融措置を講じて、日本に保有して置きたいということで、一応輸出はとめております。
  52. 奥むめお

    ○奥むめお君 それは金融措置はできそうでございますか。金融措置もできなければ……。
  53. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 補助する限度は勿論さつき言つたように金融措置の面と、それから一部に輸出しておりますが、そのくらいの数量関係国へ出してもいいということで、制限附で許可するつもりでおります。今要求されておるような大きな数字を出させることは反対です。
  54. 奥むめお

    ○奥むめお君 それからもう一つ繊維の問題ですが、この頃殆んど公なんて知らないのですが、まだ公を残していらつしやいますけれども、特紡の入つた繊維が市販に出ておつて、本当の純綿の製品というものは少いんでございますが、地が弱くて、少し上つたようでございますが、繊維品については、我々非常に苦情をたくさん聞いておりますが、政府でも溜めてあるというので、大きい数字は発表されますけれども、今までの繊維は殆んどどこに行つたか、横流れに行つたんじやないかと疑われるほど、今までの放出は、国民生活を潤おしておりませんですわね。今度は数字を少し大きく発表していらつしやいますけれども……。
  55. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) これは奥さんのお話は御尤もだが、横流れもしていないらしい、出さない、ちやんと溜めてあるんです。それは価格が少し不合理だということがある、今の価格の不合理な点をどうするか、思い切つてなくしちまうか、不合理ということは事大らしい、今一梱八万円するらしいが、こころが輸出価格は十四万、十五万というので、八万円というのは不合理らしい、今少し落しましたけれども……。そういう点で、不合理な品物価格で残して置くということは改正して、やがてそのなにか外れるとか、改正するという噂が飛ぶものだから、暫らく値上りを待つので出さないということで、これについてはいろいろの世論等も聞いております。適当に処置します。
  56. 奥むめお

    ○奥むめお君 それから米価の問題で、何か安本長官のほうでは、二重価格制を非常に考えていらしつて、研究していらつしやるというお話がありますが、それは如何でございますか。
  57. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) まだ二重価格制というのは、全般的にはむずかしい問題でしようが……。
  58. 奥むめお

    ○奥むめお君 消費者として憂慮しておるんでございますが……。
  59. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) 奥さんのかねがねの要望ですが、今いろいろの点について考えていまして、必ずしも一般的に二重価格というものはないんですが、できるだけ消費者の価格の余り上らんような処置を講ずるように研究をいたしております。
  60. 奥むめお

    ○奥むめお君 それから米価審議会のときに、農民の供出価格の問題はもつと研究をして、会が始まる前に非常に研究して、そうしてパリティーでもない、併し一番正しい計算の方法を研究するということをおつしやつていましたけれども、それは一番国民は米価がどうなるかということについて不安を持つておりますけれども、手をお着けになつていらつしやいますですか。
  61. 周東英雄

    国務大臣周東英雄君) もう手を着けましてね、米価の算定方式を決定する委員会を作りまして、人選を終えまして、至急に研究を始めることになつております。
  62. 佐々木良作

    委員長(佐々木良作君) 今のこの統制に関する事項につきましては、まだ御質問もあると思いますが、問題が非常に広汎でありますので、でき得れば次の機会に譲つて頂きまして、今日はこの問題に関する質問はこの辺で打切つて頂きたいと思いますが、御異議ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 佐々木良作

    委員長(佐々木良作君) それでは次の経済議題に入りまして、今国会における政府の、特に本委員会関係あるらしく考えられる立法の計画につきまして簡単に御説明をお願いしたいと思います。
  64. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 経済安定本部といたしましては今国会に提案を予定しておりまする法案といたしましては、経済安定本部設置法の一部改正に関する法律案、同じく経済調査庁設置法の改正に関する法律案、第三番目が臨時物資需給調整法の改正法案、第四が国土調査法案、第五が外資に関する法律の一部改正案。以上五件でございます。そのうち第一の経済安定本部設置法の一部改正案は、現在の行政機構の改革、全般的な改革といたしましては今国会に提案する運びになつておりません。従つて経済安定本部といたしましても、機構の点については一応現在のままで進む、こういう建前で進んで参る考え方でございます。従いまして前国会におきまして物価庁を二十六年度より内局にする、こういうことになつておりますが、今後の全般的な行政機構の改革の際に併せて検討するという建前から、この際機構いじりはしないという建前から一応現在のままの姿で行く、こういう趣旨の法案であります。但し予算上は人員その他は相当減員されておりますが、それは減員をしたままの態勢で参る予定であります。  それから経済調査庁の改正案といたしましては、特別調達庁の監査を前々国会におきまして一年の期間を付けまして調達庁の監査を行うというふうになつておりますのを、これを延長いたす趣旨の法律案でございます。この第一、第二の件は閣議も済みまして、現在司令部に提出しておりますので、恐らく月末には提案できるものと考えております。  それから臨時物資需給調整法につきましては、先ほど長官から申上げましたようかいろいろな事情がございますので、これは他の法案よりもちよつと遅れる見通しであります。  それから国土調査法案は国土の総合開発等に関連いたしまして、いろいろ国土の基本的な調査或いは国土の利用状況に関する調査、或いは水の利用状況に関する調査等の基礎的科学的な調査を実施いたすという趣旨からの法案でございまして、本件は閣議も済みまして司令部の了解もできておりますので、これも月末には提案し得る運びに至るかと存じます。  それから外資に関しまする法案は、現在司令部に提出いたしておりまして、まだそのほうの返事がございませんので、或いは三月の上旬程度に相成るかも知れませんが、内容は簡単な事項でございますので早ければ月末に提案が可能であると、かように考えております。
  65. 野田卯一

    野田卯一君 何ですか。
  66. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) ちよつと内容は、司令部のほうと現在打合中でございましてちよつと御猶予願いたいと思います。
  67. 佐々木良作

    委員長(佐々木良作君) 調査庁設置法の改正で公共事業費の監査をやらせる権能を与えるとかどうするとかいうお話がありましたが、司令部との折衝に入る面はその面はございませんか。
  68. 平井富三郎

    政府委員平井富三郎君) 公共事業につきましては折衝いたしておりません。
  69. 佐々木良作

    委員長(佐々木良作君) ほかに今の政府委員説明につきまして御質問ありませんですか。  特にないと思いますから、この件はこれで議了いたします。
  70. 佐々木良作

    委員長(佐々木良作君) それから次の件といたしまして議員派遣の御相談を申上げたいと思いますが、ちよつと速記を停止願います。    〔速記中止〕
  71. 佐々木良作

    委員長(佐々木良作君) 速記を始めて。  議員派遣の問題につきましては、只今の懇談で御相談申上げましたように来月の早々でも御懇談に従つて議員派遣をすることにいたしましてこの件に関しましてはすべて委員長に御一任して頂くということにお願いしたいのですが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 佐々木良作

    委員長(佐々木良作君) それではそのように取計らいます。  今日は特に問題なければこれを以て委員会を終了いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 佐々木良作

    委員長(佐々木良作君) それではこれを以て委員会は終了いたします。    午後零時十七分散会  出席者は左の通り    委員長     佐々木良作君    理事            山本 米治君            奥 むめお君    委員            泉山 三六君            中川 以良君            野田 卯一君            菊田 七平君   国務大臣    国 務 大 臣 周東 英雄君   政府委員    経済安定本部総    裁官房長    平井富三郎君    経済安定本部産    業局長     増岡 尚士君   事務局側    常任委員会専門    員       桑野  仁君    常任委員会専門    員       渡辺 一郎君