○
説明員(
佐々木義武君) お手許に差上げてあります
自立経済審議会報告書の御説明を申上げたいと思います。その前にちよつと今までの経過を御説明申上げますが、去年の第九国会でございますか、そのときに大体の十二月中旬くらいまでの経過並びに作業の
進捗状況を申上げたのでありますが、それに引続きまして十二月の三十一日の遅くでございましたが、大体各部会から出ました答申を最後的に調整をいたしまして、計数的に、数字的に大体
取りまとめを一応しました次第であります。併し非常に急いだ
関係上、急ぐ理由と申しますのは、最近の
国際情勢が相当変化しておるといつたような問題、或いはいろいろこの
報告書の使途と申しますか、国会にも報告する義務を負うておりましたし、或いは外部からも
いろいろ人が来たりしますので、早くこういうものを
作つて今後の政策の足しにしたいという強い
上層部の希望がありましたので、十二月の末までに、非常に計数的にはまだ不揃いの点、或いは未調整の点等ございましたのですけれども、取りあえずまとめた次第であります。従いましてまだ不満足な点も随分ありまするけれども、まあ初めの
申合せ通りこの
審議会では数字の点もさることながら、それからいろいろ出て参りまするような
問題点なり、
対策等を明確にするというところに
主眼点をおいて参りますと、それほど数字の点は気に悩まんでもいいのじやなかろうかというような意向もございますので、十二月の末までに数字的な
取りまとめをし、同時に一月の初めになりまして
問題点と対策の
取りまとめを一応了しまして、それで各部会並びに
総合部会で大体中間的な
最終案というものを作つたわけであります。一方うちの長官から
総理大臣にお話いたしまして、政府並びに党のほうでも徹底的にこの問題を取上げ、実施に移すように努力いたしたいというお話がございましたので、閣議のほうにはその性質上報告でございますので、大臣から報告をいたしまして各
関係閣僚の了解を得たという次第であります。それから党のほうに関しましては
政調会並びに長老のかたのところに御報告申上げ、大体御賛同を得たように承知いたしております。
関係方面に関しましては、一応これを出しまして
関係方面のほうで二、三指示、並びに希望がありましたが、全般的の問題としては非常によろしいということで、公表を許可された次第であります。そういう
関係にな
つておりまして、この内容は逐次各
行政機関によりまして、大体実施に移す面は移し、更に研究を進める点は進めております。大体経過を申上げますと以上の通りであります。
この内容を簡單に申上げますと、第一頁に目次がありまして、第一番目は
自立経済計画策定の
必要性、第二番目は
自立経済計画の
基本構想、第三番目は
自立経済計画の規模と構成、これが大体本論と申しますか、出ました最後的な結論を列挙いたしております。第四番目には
自立経済達成上の
問題点と対策を出しまして、これが一番の狙いであります。それから最後に結論がありまして、簡單な結論を附帶いたしております。構成は大体こういうふうにな
つておりまして、その根抵には別表、或いは各部会からの答申の厖大な資料がございますが、
印刷等の
関係で今日お配りできないのは残念でございますが、一応今日はこの
報告書で御覽を願いたいと思います。
一番初めの
自立経済計画策定の
必要性というのは四頁ばかりありまして、この主たる内容は大体三点あります。その第一点は、
政治的自主性の回復が近く予想されますので、それと表裏一体をなす
経済の自立というものを政府といたしましては取上げざるを得ないので、これを政策の根本として取上げる。そこでこの
審議会をまあ構成いたしましてここで審議さしたのだということを書きました。次に、第二点といたしましては、
国際情勢の変化が非常に激しうございますので、こういう際にこういう或る一種の基準的な
計画というものを作るということは、
余り意味がないのじやなかろうかという議論もいろいろございましたのですが、この
審議会の態度といたしましては、こういう情勢であればあるほど、基準となるべき
基本計画というものを作成いたしまして、そこでこれを基礎にして情勢の変化に対応していろいろ現実的な調整を考えるということが最も妥当じやなかろうかというように考えまして、仮にこういう
基準計画が全然なしにアトランダムに
経済政策を行なつたならば全体から見ますと、非常にまあ支離滅裂だという点もありましようし、或いは
国民経済の循環の撹乱という要素も出て来るのじやなかろうかという観点から、先ずそういうレールを一本
作つて置きまして、そうしてそれを一つの睨みにして置いて現実的の調整を図つたら大過なしにや
つて行けるのじやないか、こういう意味でこの
計画を
作つたのであります。それから第三点は、この
計画は決して実施不可能な
計画ではなく実施可能な
計画だ、
従つて出しました
問題点なり
対策点を
十分実施に移すならば、
自立経済というものは可能なんだということを言
つております。
次に、
自立経済計画の
基本構想でございますが、目標はこの前に御説明した通りでございます。その次の
自立経済の意義に関しましても、この前に第九国会で申上げた通りでございますが、もう一遍この点を繰り返して申上げますと、この
自立経済とは單に
国際收支の均衡を図るという單純な意味だけでなくてもつと一旦均衡のとれました
経済というものを、長く継続できるという
継続性というものを主張する必要がございますので、内容の豊富な
経済でないと永続いたしません。そこでできるだけ
生活水準の向上というものを可能にし、同時に特需或いは
輸出等の要請に応じ得るような、応じても
内需等の圧迫がそれほどひどくなくて、ために
インフレを起すといつたような虞れのないような、強い
経済内容というものを持つということが先ず第一。それからもう一つは、
日本の
経済は
対外依存が非常に強いのでありますので、こういう情勢の変化に応じまして成るべく国内の
自給度というものを高めまして、安定した
経済、
従つて日本経済の
安定度の向上というものを考えるという、この三つの点を
自立経済の主たる内容にいたしまして、この三点を枢軸にして爾後の作業或いは
考え方を展開いたした次第であります。
三番目の
前提條件でありますが、これも去年御説明した通りでありますが、ちよつと附帶して申上げますと、(イ)、(ロ)は
国際情勢の判断の問題でありまして、作業の必要上昨年の九月頃に大体考えました
計画であ
つたのでございますが、その後中共の
朝鮮動乱に対する介入の
問題等から、いろいろ
国際情勢の非常な変化が出て参りましたので、二十六年度の
計画に関しましては、中共の介入以来特に激しい変化のありました対
中共貿易との改変の
問題等に関しては
織り込み済みでございます。但し二十七年、二十八年の
計画に関しましては、従来考えました(イ)、(ロ)という
国際情勢の判断の前提の上に立
つて、問題を進めておりまして、その後の情勢の変化に応じまして、先ほど申しました通り、更にこの問題に調整を加えて行くというのでございます。それから(ハ)の問題は、
赤字公債等を発行してまでこの
計画を達成するという意図は毛頭ございません。そうでなくてもこのぐらいは可能だという建前で進めております。同時に、
国際物価の
国内物価に対する調整の問題に関しましては、
為替レートは一応変えないという建前で
計画を進めております。それから次の
生活水準に関しましては、二十五年度は大体八十ぐらいでございますが、これを
最終年度には約九十ぐらいまで上げたい。人口に関してはその後これは
司令部の注意があ
つたのでございますが、
終戰以来現在まで逐年どうも
日本の人口の発表が少し多過ぎるという点が最近明瞭にな
つて参りまして、或いは毎年五十万ぐらいの減少になるかと思います。そういたしますと
生活水準なり、その他雇用の問題なりが大分計数的には楽になるだろうと思いますが、この案では、まだ最終的な
訂正案というものは人口に関する限りできておりませんので、前の案をそのまま踏襲しております。
次に、
自立経済の規模と構成の問題でございまして、漸く、その内容がこの七頁ですか
総括表がございまして、この表の中に全貌が盛られているのでございますが、この表を一応御説明申上げますと、この表に二十五年度が拔けておりますので、二十五年度をちよつとお書き取り願いたいのですが、初めの
国民所得は三兆二千六百五十億です。次の
産業活動指数は二十四年度をまあ御参考までに申上げますと九六でありまして、二十五年度が一一六です、次の
鉱工業生産指数は二十四年が八〇、二十五年は一〇〇・九です。次に電力は二十五年度だけですが、三四八、一四、次の鋼材は三、四九〇、硫安は一、五〇〇、綿糸は、五、七、それから
農林水産業の
生産指数は、二十四年度は九四、六九、二十五年度には九六、八七、米は六二、八七〇、それから麦は二四、八九六でございます。それから
国内造船量は本年度の
着工分は二四〇です。輸出は本年の
輸出分が八億九千二百万ドル、それに特需の
物資面だけを拔きますと、一億三千五百万ドル、合せまして一、〇二七でございます。それから次に
輸入は今年度約一、一〇〇の見込でございます。それから
設備資金に関しましては、一、四九八、
運転資金は三、二七九、それから人口は八、四一七、
完全失業者は四五・六、大体そういう数字でございまして、この結論は
皆さんにこの前に御説明申上げましたので大体おわかりかと思いますが、先ず貿易の面から問題を検討いたしまして、そこで初めこの
輸入の量を輸出の
可能性と見合せまして大体策定し、その結果それから出て参りまし結論に見合う国内の
鉱工業生産、
農林水産或いは
建設部面等を合せまして、それに必要な
交通量を出しまして、大体それを
物資面から見ました貿易、或いは
国内生産の調整がとれるわけなんでありますが、それを一つの基礎にいたしまして
国民生産所得を弾き、その結果を更に総
支出面で計算をいたしますと、今申上げました
生産量に必要な
資金量と、それから
国民所得のほうから出し得る資金の
供給量とが出て参りますので、その調整を一方で図りながら、その
生産に必要な
雇用人数を揮いて参りますと、
生産と雇用との
関係が出て参りますので、
生産と資金との
関係、
生産と雇用との調整が一応とれるわけであります。そういう手順で、一応各部から出ました案を調整したのがこの結論でございます。この結論を大きく申上げますと、大体二十五年で以て戰前の水準に
生産関係は或る程度回復したというふうに見ていいのじやなかろうかと思います。そこで二十六年以降は、逐次戰前の基準をオーバーいたしまして拡大的な
計画に向うだろうもう。一つ、併し従来のようなテンポ、
カーヴで以て
生産は決して上昇しないで、上昇の
カーヴというものは非常に鈍るということでありますが、その
理由等は後ほど申上げます。
それから第二点は貿易の問題でありまして、
輸入が一番今後の重要な命題になるわけでございますが、本年度十一億ドルの
見通しが来年度十五億ドルというのは非常なギヤツプがありまして、この点は非常に無理じやないかという点が一番基本になると思います。但しこの点に関しましては、二十五年度当初の
計画は、先ほど申上げましたように十億三千万ドルが今年度当初の
計画でありまして、物価の値上りをどういうふうに見たらいいか、これはいろいろ見方がございますが、少くとも年間を通じますと二割、或いはそれ以上上廻るという見方のほうが大体有利であろうと思いますので、仮に二割と申上げますと、年当初の
輸入計画をそのまま実施可能だといたしますと、十二億四、五千万ドルの
輸入というものは今年度は当然あ
つて然るべきものなんでございまして、仮に当初の
計画通り輸入ができたといたしますと、今年度と来年度の繋ぎがそうひどいギャツプでなくて、先ずこれくらいは当然じやなかろうかという気がいたします。ただ今年度の実績が十一億ドルというのは、御承知のように去年の八、九、十月ぐらいの
輸入実績が非常に落ちまして、
普通月九千万ドル或いは一億ドル程度あるはずの
輸入が、去年の八月には八千万ドル、或いは七千万ドルというふうに落ちましたので、そのカバーがなかなかつきにくい現状でございますので、今年度の実績はそういうふうに落ちたような次第でございまして、そういう
関係を以て考慮いたしますと、来年度十五億ドルというのは相当無理がございまするけれども、先ずやりようによ
つては可能ではなかろうかという趣旨だと思います。
それからもう一点は、最後の失業の面でございまして、
生産が非常に伸びるにもかかわらず、
完全失業者の数はそれほど減りません。それはどういうわけかという問題がございますのですが、その点も後ほど御説明申上げたいと思います。
総括表につきましては、あとで御覧願えばおわかりになりますので、その程度にいたしまして、各部門の説明に入りたいと思います。
次に貿易の点でございますが、貿易に関しましては、輸出につきましては、極力
市場性を押えまして、このくらいの輸出は無理がなかろう、これくらいであれば大体出せるというマーカンテイビリテイの点を嚴密に押えまして、非常に固く押えております。
従つて、この輸出が少し小さ過ぎやせんかという見方も出て来るのでございますが、これはそういう意味で押えました次第でございますから、これは相当固めにな
つております。それから
輸入に関しましては、ちよつと逆でございまして、
スクラツプとか或いはパルプとかいうように、
見通しが割合に可能なものにつきましては、それを
シヴイアーに押えたのでございますけれども、全般といたしましては、先ほど申しましたように、国内の
生産活動の
規模等を大きくし、
従つて生活水準というものを高めるという
考え方からいたしますと、少くともこのくらいの
輸入量というものは、
日本経済を維持する上において
最小限度必要なんだという趣旨でございますので、その
期待量というものをそれほどいじらずに、これくらいは当然確保すべきだ、又
相手国側もその確保に対して協力すべきだという
希望量をそのまま載せまして、そうしてその
希望量を一つのバルク・ラインといたしまして、これは一つの今後の
経済政策の
生命線だ、これを確保するかせんかによ
つて、大体の
国内経済の循環というものはきまるのだというので、これはそれほどいじらずに、必要な量をそのまま載せてございます。従いまして、仮にこの量が減
つて参りますと、或いは
インフレの問題なり、或いは統制の問題なり等々がいろいろ惹起して来るのではないかと思いますが、本案の立て方といたしましては、今申上げましたように、
輸入に関しましては、飽くまでも国内の
生活水準なり、民度なりを維持するように、こういうものを大胆に提起してございます。それから
中国市場につきましては、先ほど申しましたように、二十六年度の問題は一応他地域に転換可能なものは転換いたしまして、それを織り込んでございます。二十七、八年の問題につきましては、香港は一応載せてございますが、それ以外の地帶は、情勢がわからんものでございますから、一応期待しないという計算で計算ができております。
それからその次に、
国際收支の推移の問題がございまして、これは御覽願えばその通りでございますが、註の二の対
日援助の額でございまするが、
米会計年度に直しますと、援助の額は二十六年度に相当いたします。
従つて来年度の
日本の
会計年度に相当する
米会計年度の五一—五二
会計年度では、一億ドルから一億五千万ドルという計算で出してございます。昨年非常に問題になりました
グレー報告では、二十六年度以降は大体入らないのじやないかということにな
つておりまするが、今年度の
トルーマン年頭教書におきましては、大体一億五千万ドル
程度議会に要求しておるようでございまするので、このくらいの要求は或いは妥当かと思いまして、そのまま載せてございます。それから二十七年度に相当いたします五二—五三
米会計年度におきましては、一億ドル大体載せまして、二十八年度は援助なしにや
つて行こうという計算にな
つております。それから註の三でございますが、註の三では
投資勘定の問題がありまして、
民間外資の導入の問題、或いは
日本資本の
南方等に対する投資の問題がございますが、これは
見通しが非常に困難でありますので、一応省略してございます。それから貿易の單価に関しましては、昨年の九月末くらいの單価を基準にしてはじいてございます。
次に、
通貨別国際收支の状況を見ますと、初めの予想では、現状では御承知のように
日本は非常に
ポンド不足で悩んでおりますので、或いはこの作業でも
ポンドが不足ということになるだろうという予想で、
いろいろ国別、
通貨別の作業を進めて
行つたのでございますが、先ほど申しましたような
輸入を仮に確保できるといたしますと、依然
ドル不足が恒常的なものにな
つて出て参ります。それから輸出の品目に関しましては、
最終年度において、繊維が五三%、機械、
鉄鋼等が二四%を占めまして、依然繊維或いは
鉄鋼関係のものが輸出の大宗を占めます。それから地区的の伸びを見ますと、オープン・
アカウント地区、
ポンド地区に伸びまして、
ドル地区には伸びないという計算にな
つております。
輸入に関しましては、品目的に見ますと、依然
繊維原料が主体でございまして、今まで主体でありました食糧は、この案では、後ほど申上げますが、徹底して国内の食糧の増産を図り、その結果
輸入を逐次減少して行くという建前をと
つております結果、食糧の全
輸入に
占むる地位は逐年減少して参ります。
次に
鉱工業生産でございますが、
鉱工業生産に関しましては、中間にございますように、三点が非常に
ネツクにな
つておりまして、特にこの中で電力が一番
ネツクにな
つておりまして、
鉱工部会で答申しました案の約一割近くを調整いたしまして、そこで結論を出したような次第でございます。その三点と申しますのは、第一点は電力の供給によるものでございまして、これが一番
シヴイアーな点でございます。第二点は
輸入原材料の入手の見込みでございまして、殊に
鉄鋼関係が一番
見通しが困難でございます。次は
長期設備資金の調達の問題でございまして、この三つの問題がそれぞれ相関連いたしまして、
日本の
鉱工業生産はいつ如何なる場合でも手放しにどんどん伸びて行くかと申しますと、決してそうではないのだ、逆に申しますと、彈力性の非常に少い現状だということが結論としてはつきり出て参ります。この中で電力、鉄鋼、繊維、
化学肥料の四部門を中心にして作業を進めて参りましたので、この四点につきまして若干説明をして参りますと、電力に関しましては、水力、火力両方合せまして三ヵ年で以て九十七万キロワットの電源を開発するという建前にしております。それから同時にロスの面、これは
司令部のほうでも非常に注目しておりまして、なかなかうるさいのでござい事が、現在のロスが三〇%ございます。これを
最小限度二五%くらいまで軽減したいということで、一方電源は開発し、一方ロスを軽減いたしまして、電力の
供給力を殖やすわけなんでございますが、その結果今年度に比較いたしまして、
最終年次平水で四十一億キロワット・
アワーの
供給増を見込んでございます。それほど思い切
つて供給力を増しましても、先ほど申しました今年度に比して大体三割くらいの
生産増強を
鉱工業部門で上げるといたしますと、なお毎年豊水で十億キロワット・
アワーずつ赤字が出て不足だという計算にな
つて参ります。併し、それはもう止むを得ざるものとして、この案ではそれをそのまま採用して
鉱工業生産の増額を図
つております。今申しました九十七万キロワットの
電源開発では、これま少な過ぎはしないか、もつと思い切
つて上げたらどうかという議論が出ますが、初めA案とB案がありまして、このA案を基準にして
電源開発をやろうというので、百三十万キロワット
アワーを見込んだのがこのA案でありまして、B案は九十七万キロワット・
アワーでありましたが、B案によりましても逐年四百億から五百億程度の
所要資金が必要でございまして、
資金面から申しまして到底この九十七万キロワットの開発ですら非常に困難が予想されましたので、止むを得ずB案を採用したのでありまして、四百億の
電源開発資金というものは、来年度見返資金では
皆さん御承知の通り百五十億くらいしか今のところ見込まれておりません。従いましてその残りの二百五十億或いは三百億の
所要資金というものをどうして二十六年度から調達すべきかという問題が非常に大きい問題にな
つて参りまして、その
対策等は後ほど御報告したいと思います。それから次の鉄鋼に関しましては、これは主として、
スクラツプ或いは
鉄鉱石の入手の見込からいたしまして、来年度三百六十万トン、
最終年度三百九十万トンというものを固く抑えております。併し業界並びに
通産省側の意向といたしましては、来年度四百万トン、
最終年度四百二十万トンというのが定説でございまして、
原料入手の
見通し如何によ
つてはそこまで伸びると思いますが、
事務局案といたしましては、特に
スクラツプ、これは米国から余り入
つて来ないだろうと思いますので、国内の
スクラツプの状況を考えまして、来年思い切
つてスクラップを使
つて、それ以後不安な状況になるよりは、むしろ
生産を固く抑えまして、安全な
生産をすべきだということで、こういう推算にしております。従いまして鉄に関しましては増産は余りないという計算にな
つております。それから次の繊維でございますが、繊維につきましては綿紡績のほうは、紡績機の製造能力の面と、原綿の入手率の面とを兼ね合せまして、できるだけこれは輸出も殖やし、国内の
生活水準を上げるためにこの増産を図
つたのでありますが、
最終年度は八億
ポンド程度で終りました。これはまあ余談でございますが、今後の
生活水準を上昇さすというためには、大体食糧の方面が一段落いたしまして、主として問題は繊維の問題が中心にな
つて参りますので、先ほど申しましたように
生活水準を逐年上昇さすというためには、国内の衣料等の繊維の消費率をどの程度殖やすかという問題が決定的の要素を持
つて参りますので、特にこの綿紡績等の上昇率を思い切
つて上げた次第であります。それから人絹、スフ等の化学繊維に関しましては電気の問題、或いはパルプの入手の面等の
問題等を勘案いたしまして、
最終年度二億
ポンド程度にいたしました。それから次の合成繊維に関しましては、これは原料が御承知のようにアセチレン系統のものでございますから、原料炭或いは石灰、或いは電気がございますればこれは何ぼでもできるのであります。そこでできるだけこの合成繊維というものを増産いたしまして、最も
日本経済として弱い繊維の部面を幾分なりと合成繊維の増産で補うべきだという議論が当初から強く持たれてお
つたのでありますが、主として電気の
関係でそれほど多くの増産は見込まれません。
従つて最終年度は、初めの案では日産五十トンを日産三十五トンに落しまして、ここに見ておるわけであります。それから次の
化学肥料に関しましては、これも昨年の秋でしたか、通産省で提案がありまして、閣議決定になりました肥料の増産
計画を見ますと、若干下火でございます。あのときは二百五十万トンでしたが、これは二百万トン、これも專ら電気のためでございます。併しこれは輸出のほうは減りましたのですが、国内の食糧増産には差支えないというふうにな
つております。その他の産業に関しましては、以下それを御覽願いたいと思います。
それから次の
農林水産業の
生産に関しましては、従来の成績は主としてこのコストの引下げという点に重点が置かれてお
つたのでありますが、本案では現在の情勢を考えまして、極力量産、量を増加するという点にもう一遍重点をかけまして、最終年次九百九十三万石、二十九年に千二百万石というものを増産したいという計算にな
つております。その結果二十二頁でしたか、(3)の一番最後、(4)の前でございますが、畜産のちよつと前に出ております。二十六年度の
輸入三百二十万トンの
計画のが二十八年度には二百五十万トンに
輸入を減らす見込でこの案を
作つております。それから畜産、林業、水産業等に関しましては国内資源の
自給度の向上という面からいたしまして、原案を殆んど調整せずに、原案通りを載せておりまして、できる限りこれは増産するという建前をと
つております。
それから次の交通の問題でありますが、交通の問題に関しましては、前に申しました通り、貿易の量並びに国内の各
生産の量を国内的、国外的に交通の面でネックになりませんようにこれを調整いたしまして、そうしてその量だけは輸送できるという建物をとるために必要な
交通量を彈きまして、それに必要な交通各機関の整備を図
つております、その際一番問題になりましたのは、商船隊の拡充の問題でございまして、これは現在商船隊は去年の十二月一日現在くらいで百七十万総トンくらいしか
日本には保有量はございません。そのうち航洋船が四十三万総トンしかないわけです。これも戰前は四百万総トンくらいで、約十分の一くらいに落ちております。この数量が二十八年度にはどのくらいになるかと申しますと、二十八年度全部の貿易数量を彈きまして、その約五〇%を邦船で積取るという計算にいたしますと、航洋船で二百万総トンの船が必要でございます。そこで現在の量を二百万総トンまでどうして獲得するかということが作業の中心問題にな
つたのであります。そのために逐年三十五万総トン新建造を行いまして、そうして沈船の引揚げ、或いは十分の改造等を行いまして、それによ
つて、
最終年度百九十四万総トンの船舶を保有しようというのがこの案にな
つております。その後こういうふうな情勢にな
つて参りましたので、三十五万総トンを四十万総トンまでこれを上げようということで、現在は四十万総トンを目標に
計画を進めております。それから同時に二十八年度に二百万トンを持つよりも、現在もその程度まで持つ必要がございますので、傭船とか買船等を急ぎまして、新造船と併行して、その入手方をいろいろ努力中であります。それから次は海外貿易港の整備でございまするが、
皆さんも御承知のように、
日本の主たる貿易港の大部分というものは接收されておりまして、まだ返還されておりません。今後この邦船で、
日本の船で貿易をやるという建前に問題が転換して参りますと、どうしても従来の港湾をどうするかという問題が非常に大きい問題にな
つて参りますので、その点を考慮しております。それから国鉄或いは電話サービス等の問題に関しましては、一応説明を省略いたします。
それから次の建設部面でございますが、これは例の公共事業費の問題でありまして、公共事業費の量は、今年度、二十六年度は大体三十四頁にもありますが、国費が千九十億円でございます。それが二十七年度には千五百八億、二十八年度には千七百五十億というふ、に公共事業費を持ちたいというふうにこの案ではな
つておりますが、なぜそういうふうに飛躍的に公共事業費を増さなければならんかと申しますと、先ほど申上げました農業の
生産力を極力増産いたしまして、そこで、国内の
自給度の増大を図りたいという最近の情勢に対応した考えが強く出たものでございますから、農業の増産のために必要な資金が、従来の三倍程度要、るようにな
つておりますけれども、それを織り込んで参りますと、それに関連いたしました諸産業もそれぞれ殖えて参りますので、どうしても公共事業費の面も殖えるようにな
つております。この建設部門では、申すまでもなく今申したように、この農業
生産力、すぐ農業の増産、食糧の増産に役立つような部面に、建設部門といたしまして重点を置きまして、それに必要な範囲で治山治水、或いは道路等々の問題を処理したいと考えております。建設部門の内訳は、
農林水産施設或いは治山治水施設或いは交通施設、これは道路、港湾、航路標識とございますが交通施設、或いは都市
関係施設、これは上水道とか、戰災都市の復興とかいう問題であります。或いは住宅建設或いは公共建築、或いは災害の防止等の問題、乃至は災害の復旧の
問題等がその内訳でございますけれども、その内容は一応予算はこれくらいということにいたしまして、省略いたしたいと思います。
その次に雇用の問題でございますが、三十六頁かと思いますが、雇用の面に至りましては、先ほど申上げましたように、
生産が鉱工業、農林業とも増加して行くにかかわらず、
完全失業者の減少率はそれほどでもありません。それはなぜかと申しますと、一つは人口の増加に伴いまして、労働人口が一方には殖えるということであります。もう一点は、労働の
生産性が非常に上昇するという建前に立
つております。なぜかと申しますと、産業の合理化、特に近代化の問題をこの案では中心問題にしておりまするので、労働の
生産性は仮に例を申上げますと、これは七——十一年をベースにして、一〇〇にして考えますと、マイニングのほうは今年度は七八・九四、二十八年度においては、九九・七三、インダストリーのほうは七三・〇八、これが
最終年度には一一一・〇八というふうに、労働の
生産性を上昇し、設備の近代化を図りたいという建前をと
つておりますので、
生産が伸びるにもかかわらず、完全失業の減少はそれほどでありません。但し現在非常に厖大に見込まれておりまするこの不完全就業者、就業はしておりまするけれども内容が非常に不完全だ、言い換えますと、働いていますが、賃金が非常に低いとか、或は働く時間が不規則だとかいうふうな、こういう不完全な失業者、潜在失業者に関しましては、これが、
生産が伸びて行くに従いまして、逐次その内容が充実されまして、全般から見ますと、
完全失業者の減少の率はそれほどでありませんけれども、この案に従いますと、全般的に雇用内容というものは、逐次充実して行くんじやなかろうかというふうに考えております。
それから資本蓄積の面に関しましては、
生活水準の量、或いは
国民所得の数量等は、さつきの総括資料で御覽願えれば結構であります。
最後に、
国民経済予算の概要がございますので、それを御説明申上げますと、四十頁かと思いますが、それによりますと、左の方の所得と書いたほうは、各年度の総
生産量を市場価格で表現したものでございます。それで、この
国民所得は、先ほど申しましたように、
生産、
国民所得を中心といたしましたものを載せておりまして、
国民所得の中には要素費用しか入
つておりませんので、それ以外の費用、
従つて減価償却部門とか、間接税を入れて参りますと、二十六年度には、下にありますように四兆二千八百億というふうな計算が大体出て参ります。そういうふうに出て来ましたこの資金的の総量を、右の欄へそれぞれ配分するわけなんでございますが、配分は大体三本に分れまして、個人の消費部門、財政の部門、もう一つは民間の資本形成の部門と、三つに分れます。一番初めの個人消費の部門に関しましては、従来の消費傾向並びに原料等を先ず基本にいたしまして、これに人口の増加及び、さつき申しました
生活水準の上昇率というものを兼ね合わして行きますと、今後の個人消費の量が出て参ります。大体それを出しまして、その次には財政の面でありますが、財政の面に関しましては、さつき申しました間接税或は
国民所得の中に含まれる直接税を、税の面で先ず出しまして、それから
国民所得が殖えて参りますので、税体系といたしましても、自然増が当然出て来ます。そこでその自然増の三分の一ぐらいは減税に当てまして、あとの三分の二は公共事業費に廻すという計算でや
つて参りますと、大体この財政の規模というものがきま
つて参ります。で、そのきまつた財政の量を次に出しまして、それを更に抜いて参りますと、残りが全部民間資本形成に本当は廻るはずなんでございますが、民間資本形成の部門だけは別途切り除けまして、これを詳細にや
つて見たのであります。それは一つは企業蓄積の自己蓄積の部門、一つは株或いは社債等で調達する部門、或いは一つは預貯金等を通じて蓄積される部門等を計算して参りますと、従来の傾向から見まして、大体来年、再来年ぐらいはこのくらいが限度じやないか、相当思い切つた数字を出したのでございますが、これくらいが限度だという数字が出て参ります。そこでそれを出して参りますと、先ほど出しました左のほうの所得から見ますと、配分のほうはどうしても合いません。配分未済所得がそれでございます。毎年千三百或いは二千百億というふうに誤差が出て参ります。そこでこれは何かと申しますと、計算上どうしても辻棲が合わないという不突合いというものに相当する部門なのでございまして、実際計算上こういうふうに誤差が出て来たのか、或いはこれが実際はそれがあ
つて、それが個人差になり或いは資本蓄積の面に代るものなるか、その点は明確でございませんが、いずれにいたしましても、こういうものが出て参りまして、或いは若しこういうものがあるとすれば、産業
資金面等にできるだけ動員して行くということが必要かと思われます。
以上が大体この案の概要でございまして、次に、この案の狙いでありますところの点、並びに対策の点でございますが、今申しましたように産業の規模、
経済の規模というものを維持するためには、確保するためには、先ず一番必要なのが
輸入をどうして確保するかという問題でございます。これは申上げるまでもございません。そこでこの
輸入を確保するための主たる方法を、いろいろ次に書いてございますが、詳しい内容はそれをお読み願うことにいたしまして項目だけを読んで参りますと、第一点は外貨資金運用の効率化と機動化の問題、第二は
輸入金融の円滑化の問題、第三は貿易協定の彈力的活用の問題、その次は備蓄
輸入の推進の問題、それからその次には在外買付機構の充実の問題、その次は
輸入力の背景をなす外貨の獲得の問題、その次には原料
輸入を確保するための対外投資の問題、その次は外航船舶の拡充の問題、こういうふうに分れます。それぞれの項目に従いまして特に重要な点のみを指摘して出しております。それから次には、この
輸入を確保する上におきまして、殆んど現在の貿易の大部分と申しますか、バルキーなカーゴの大部分というものはCIF契約からFOB契約に変
つて参りまして、船を持
つて参りませんと、なかなか
輸入が困難だという事態に立ち至
つて参りました。そして
輸入を確保するための一つの大きい問題として、如何にして邦船を拡充するか、商船隊を拡充するかということが決定的な重大な問題にな
つておりますが、先ほど申上げましたように、いろいろ方策を現在考えております。その内容は先ほど申しましたので省略申上げます。それから次は
自給度の向上の問題でございまして、
自給度の向上の問題に関しましては、先ほど申しましたように、食糧の
自給度を極力増進するというところに根本的な目標を置きまして、それに伴
つて更に増産に、而も食糧貯蔵施設の改善、増設等を特に提案し、鉱工業に関しましては国内資源の開発の問題、並びに合成繊維工業の振興の問題を出しております。それからもう一点必要なのは、
日本の産業を伸ばすために必要なことは、電力をどうして確保するかという問題でございまして、先ほど申しましたように、どうしても
日本の電力は
日本の産業を伸ばす上において一番
ネツクにな
つております点でございまして、できるだけこの電力確保というものを考える。そのための方策をいろいろ書いでございますが、これ又資金の面でも出て参りますので、その際にもう一遍お話申上げます。その次には物資の需給面をどうするかという問題で、主として一つは統制の面に入
つて参りますが、これに関しましては、これぐらいの
輸入量が仮に確保可能だといたしますと、先ず大体物資の需給はそれほどアンバランスにはなりません。ただ特殊鋼材のシートがどうかと思うのでございますが、非鉄金属等の或るものは若干需給
関係が逼迫して参りますけれども、全般的に見ましてはそれほど逼迫するとは思われません。ただこの戰略的な物資と申しますか、国際的に非常に貴重な物資でありまして、国際的な割当機構の中に入る物資、こういつた物資につきましては、どうしても国際的な環境の
関係もありまして、国内的には消費の規整、或いは
輸入の調整等が当然必要にな
つて来るのじやなかろうかということを考えます。で各物資に関しまして、鉄鋼、肥料、繊維、木材、石炭と、それぞれ問題を出しておりますが、その中でただ木材の点でございますが、木材の点に関しましては、
鉱工部会、或いは建設部会等から出されました要求と、農林部会から出しました適正伐採量というものの間に非常に差がございまして、どうしても二千万石くらい調整がとれません。これを
輸入で賄うといたしましても、なかなか
輸入では調整がつきませんので、この
審議会といたしましては一応この点は未調整のまま問題を残しております。これは政治的な問題も随所に含んでおりますし、なかなか短日月でこの調整をすることは困難でございますので、一応問題を保留したのでございます。
最後に資本蓄積の問題でございますが、資本蓄積の問題に関しましては、従来の方針に大体そのまま則りまして、まず民間資本の蓄積というものに重点を置いております。
従つて個人蓄積の増加の問題、或いは企業の自己蓄積の増大の問題、或いは証券市場の育成の
問題等に分けまして、それぞれ対策を考えました。併しこの民間資本の蓄積だけを以てしましては、到底強力な増産或いは早期の増産ということは困難でございますので、それと併行いたしまして、財政資金の合理的な運用の
問題等、最もこれが基本的な方針にな
つておりますが、長期金融機構といものを何らかの形で
作つて貰いたい。開発銀行でもよいし、或いは復金の開発でもいいし、或いは興銀、勧銀の、普通銀行から特殊銀行への還元でもよいし、方法は、結論はまだ出せませんでしたが、いずれにせよ、何らかの方法で長期金融機関というものを
作つて、それでこういう特に必要な産業に関しては、
資金面から援助いたしまて、目的の達成を図
つて行きいということであります。産業の
設備資金の点でございますが、これはいろいろ問題があ
つたのでありますけれども、結局詮じつめますと、電力の問題、海運の問題、農業対策の問題、この三点はなかなか今のコンマーシャルのベースの上では資本的には伸びませんので、特に長期資金が必要であり、
日本経済の全体を伸ばす上において、こういうものがなくては、
日本の
経済が伸びないというこの主たる基本的な産業に対しては、特別な措置をと
つてもらいたいというので、電力に関しましては、ここではできれば電力料金の早期改訂の問題を強力に謳
つております。もう一本の柱としましては、大規模な点が、只見だとか、熊野とか琵琶湖とか、大きな
電源開発に関しましては、
日本の資本力を以てしては、到底不可能でございますので、これには何とかして
民間外資を導入いたしまして、それによ
つて開発を図りたい。若し仮にさつき申しました電力料金の早期改訂というものが困難といたしますれば、別途さつき申しました長期金融機関から資金的な援助をするか、或いは見返資金から出すか、或いは租税等の減税等を図
つてもらつたらどうかという案でございます。海運に関しましては、なかなか自己資金の調達というものは、自己資金の充実というものが困難でございますので、これは徹底的に見返資金の枠を殖やすという面で、財政資金を何らかの形で直接間接にこの方面に供給してやるということが必要だということにな
つております。農業に関しましては、農産物価格を引上げるという対策と、政府から直接金を出すという対策が考えられるのでありますが、この案では、農産物価格を上昇するという
考え方はやめまして、さつき申しましたように、專ら公共事業費を増しまして、それで食糧の増産を図りたいという対策を語
つております。次に輸出促進或いは労働対策とありますが、その内容は一応省略いたします。
最後に結論でございます。結論といたしましては、以上申しましたような
経済の内容は、
日本の
経済の合理的な循環というものを維持し、それによ
つて民主主義の基礎というものを確保するために、最大限の
経済規模ではなくて、最少限度の
経済規模に過ぎないのだということでございます。
従つてこれくらいは何としても先ず確保すべきだということ、併しそれを確保するのさえ、
輸入の確保、或いは
自給度の向上、或いは資本蓄積等いろいろ困難な問題がございますが、それを打破して、
日本の
経済の循環というものを確保すべきだということ、それからもう一つは情勢が更に或いは惡化して参りましたならば、緊急物資貯蔵の問題とか、或いは国内資源の緊急開発の問題とか、船舶の急速な増強の問題などが更に対策として、一段強化されなければならないということであります。その次の別表に
自立経済達成のための財政金融対策と銘を打ちまして、さつき簡單に御説明をいたしました資本蓄積の諸対策を文面で並べてありますのでお読み願いたいと思います。以上であります。