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1951-05-21 第10回国会 参議院 経済安定・農林・建設連合委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十一日(月曜日)    午後一時四十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国土調査法案内閣提出、衆議院送  付)   —————————————
  2. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは連合委員会を開会いたします。国土調査法案についての連合委員会ですが、経済安定と農林と建設の三つの委員会連合委員会で、本日は第三回目の委員会になると思います。前回第二回目の連合委員会は、休会前の三月の二十二日に開会いたしまして、同法案についての質疑行なつたわけでありますが、引続いてすぐ二十六日に第三回の連合委員会を行う予定であつたわけでありますけれども、都合によりまして取りやめとなりました。その後各委員会都合で今日まで開けなかつた次第であります。御了解を願いたいと思います。  それでは前回に引続きまして国土調査法案についての質疑を続行いたしたいと思います。
  3. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は大臣に対する質疑もございますけれども、取りあえずこれを立案された政府委員で結構でございますからお答えを願いたいと思います。それは経費負担関係ですが、経費を国と地方公共団体と、それから民間、国民のほうは、組合ですか個々ですかその三者の仕事性質に応じてどういうふうにこれをとつて行こうと考えておられるか。その点を御説明願いたいと思います。
  4. 小舟清

    説明員小舟清君) 只今の兼岩委員の御質問に対しまして御説明申上げます。お尋ねの経費負担につきましては、仕事が技術的にもいろいろな複雑な面、簡易に作業できる面もありますので、国と都道府県等地方公共団体の上級の団体と、又末端市町村單位団体との間にそれぞれ作業性質上の負担区分考えております。而してこの仕事基本となります事項、即ち法案におきまする基本調査に対しましては、国が原則として負担をいたすというふうに考えております。都道府県は特に自主的に調査をやはりいたしたいと考えます場合におきましては、みずからの負担におきましての基本調査も実施することができるように法案の建前でなつております。而して基本調査に基きまして国土調査が実際に細部調査が行われます場合につきましては、法案の第九条の補助金の交付の規定にございますように、それぞれの関連ある事業を実施いたします団体が、国の機関又は都道府県国土調査委員会勧告に基きましてその関連ある事業国土調査としての性格にまで高めた場合におきましては、その国土調査たらしめたために要する経費増加分につきまして、国が補助をいたす、かように考えておりまして、それぞれの経費負担の大体の見当を推算いたして参りますと、国が大部分負担いたすことになりまして、都道府県並びに市町村等団体は他の関連事業を行います経費国土調査としてでなしに、当然支出すべかりし経費予定せられておるのでありまして、その経費のほかに国土調査としてその事業を行うために要する経費は国の補助金として参るわけでございますので、地方公共団体等負担、特にこの仕事のために負担する割合というものはあまり多くないというふうに予想されております。
  5. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 資料を今下さいましたものについて、その点を具体的にもう少し、例えば基本測量はどうとか、国土調査はどうとか、土地分類調査はどうというふうに、もう一遍具体的に資料を頂いておりますからこれに基いて御説明願います。
  6. 小舟清

    説明員小舟清君) 御説明申上げます。只今お配り申上げましたのは、国土調査に要する経費負担区分表でございますが、これは備考にも書いてありますように、單に事務局の試案でございまして、その点を御承知の上お聞きとり頂きたいと思うのでございますが、この表におきまして、先ほど御説明申上げましたように、国が負担いたします経費は、国の欄下にそれぞれ掲げられてございます。即ち基本調査は殆んど大部分国庫負担において調査をいたすわけでございます。そのうち基準点測量につきましては、これは全額国庫が支出いたすわけでありまして、地方公共団体その他は全然支出いたさない予定でございます。次に国土調査基本図でございますが、これは国土調査の先ず最初にベース・マツプを作る必要があるのでございますが、この作業につきましては、原則として国が負担して実施いたすことを考えております。併しながら都道府県の欄にございますように、都道府県が特に自主的に基本図を作成するということを希望いたしました場合を、全額事業重の四分の一予想をいたしておるわけであります、その経費都道府県の欄に掲げられております。次に土地分類基本調査でございますが、土地分類基本調査は、やはり国が全国を通じまして一定基準により、一定の方式により調査をいたすという土地分類調査の背骨を入れる意味調査でございますので、原則として国が負担をいたすという計算になつておりますが、この問題につきましても、やはり都道府県段階におきましては、従来からやつてますいろいろ土地に関する調査との関連もございまして、或る程度技術陣容を擁しておる都道府県におきましては、自主的に調査を実施することが予想いたされますので、その経費了想がそこに掲げられておるわけでございます。水の調査につきましても同様でございますが、水の基本調査も同様の考え方で、ここに経費負担予想が掲げられておるわけでありますが水の問題につきましては、土地分類基本調査以上に、特に国の機関が実施する部面が多いと予想されますので、殆んど全部と申していいくらい国か基本調査といたしましては実施いたすかように考えているわけでございます。次に土地分類調査でございますが、土地分類調査、その次の水調査、更に地籍調査、これらは基本調査に基きまして細部調査を実施いたすわけでございます。この場合の実施の主体は国でやるものはむしろ僅かと考えられまして、その実際の調査基本調査に基きまして都道府県及び市町村等の諸団体が他の関連事業との作業の共同の下に実施するということを考えておるわけであります。従いまして国はこの際には補助金形式都道府県市町村等が実施いたしますその必要な経費に対しまして補助金の額を計上いたしておるわけでありますが、ただ必ずしも全部が補助金ではございませんで、作業性質によりましては、国が直接経費を支出し、みずから実施する部面も幾分あると予想いたします。で、その補助金とみずから一部実施いたします予想する経費と、その合計が土地分類調査につきましてそこに掲げられておるわけでございまして、大体におきましては都道府県市町村の両団体負担する経費同額程度補助金として組まれており、その他の差額が国がみずから実施する経費というふうに考えられて、この負担区分表が作られておるのであります。水調査も同様でございますが、やはり水の調査は技術的に非常に困難を伴うものでございますので、考え方は同様でございますが、市町村の実施する分野というものが殆んど考えられませんで、大部分都道府県調査でございまして、むしろ小調査細部調査におきましても、みずから調査する経費予想されるというので、国の負担割合というものが多くなつておるわけであります。地籍調査は、大体土地分類調査と同様の考え方でございます。従いまして、お配りいたしましたこの表を結論的に申上げますと、この仕事のために直接に要する費用というものは、国の経費の欄に掲げられておりますところの経費でございまして、都道府県市町村等の欄に掲げられております経費は、この仕事国土調査として実施する場合には、それぞれそれらの団体がこのような金額を負担することを要すると予想いたされますけれども、これらの費用は、法案にございますように、他の関連ある事業を実施するために国土調査内容となるような事業調査するためにも要する経費でございまして、特に国土調査のために新たにこれだけの経費負担すると、こういうものではございません。併しながら国土調査として支出すると、この経費考えた場合におきましては、国の負担都道府県市町村との経費を合計いたしますと、全体の経費といたしましては、計の欄の最後にありますように、相当巨額の経費になる、まあこういう表でございます。
  7. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 細かな点ですから、一問一答の形でちよつとお尋ねいたします。そうすると、基本調査は国が国の費用においてやると、特に地方が希望があつたときは、全額地方負担ですか、国が何割か補助されますか。
  8. 小舟清

    説明員小舟清君) 基本調査の場合におきましても、基準点測量以外の調査につきましては国が補助をすると、補助する途も考えられております。
  9. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 どれだけの補助という考えですか。これは構想でしよう、事務局案としては……。
  10. 小舟清

    説明員小舟清君) 事務局案といたしましては、都道府県が実施いたします場合には、自主的に経費負担して実施されるということを予想いたしておりまして、基本調査以外の調査につきましては、都道府県が実施する場合にも補助を出すというふうに考えておるわけでございます。
  11. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ほかに触れないで、質問したところを明快にして下さい。地方都道府県が希望されて基本図土地分類調査水基本調査などをやる場合には、調査主体府県で、国は補助金の形になるのですか。
  12. 小舟清

    説明員小舟清君) そうでございます。
  13. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 その場合にどのくらいの補助を出そうとお考えですか。
  14. 小舟清

    説明員小舟清君) それは大体経費の半額というふうに考えられると思います。
  15. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 経費の二分の一ですね。それから次の土地分類調査地籍調査補助金の形と言われましたね。何分の一補助構想ですか。
  16. 小舟清

    説明員小舟清君) それもその作業の全経費から見ますと二分の一でございますが、それは国土調査としての内容になるために要する経費の増額に対しましては、全額という関係になると思います。
  17. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 全体としては二分の一ですか、何の全額ですか。
  18. 小舟清

    説明員小舟清君) 国土調査たる性格を持つために、他の関連ある調査事業内容変更を受けるわけであります。その変更を受けたために要する経費……。
  19. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 変更を受けた分の全額、そうでない分の二分の一ですか。
  20. 小舟清

    説明員小舟清君) はあ。
  21. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それから水調査は如何ですか。
  22. 小舟清

    説明員小舟清君) 水調査も同様でございます。同様でございますが、ただ内容を詳細御覧頂きますとわかりますように、水調査につきましては、いろいろの性質がございます。治水関係利水関係雨量、流量、それぞれその性質によりまして分けてございます。
  23. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 何分の一乃至何分の一補助予想ですか。
  24. 小舟清

    説明員小舟清君) 四割乃至八割でございます。
  25. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それから耕地整理などをやるときに、たまたまこういう測量もすれば、土地分類調査もすれば、水調査もすると、偶然こういうことをやるのですね。こういうものに対して、たまたまこれを利用して補助をするという途が新たに開かれるわけですか、如何ですか。
  26. 小舟清

    説明員小舟清君) さようでございます。そのように考えております。
  27. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それから最後に、この中で国が強制的にやるというのはどれですか。
  28. 小舟清

    説明員小舟清君) 強制いたすところは考えておりませんですが……。
  29. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 基本測量はそうでしよう。
  30. 小舟清

    説明員小舟清君) 基準点測量は、これは強制ではございませんで、国の機関がみずから直接実施いたすわけでございます。
  31. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 府県なり町村なりその他のものは、府県なり町村が希望しなければ行われないものですか。
  32. 小舟清

    説明員小舟清君) さようでございます。
  33. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 そういうふうにはつきり理解してよろしいのですか。
  34. 小舟清

    説明員小舟清君) 勧告をいたしますが、勧告によりまして同意を要することに考えております。同意がなければ実施いたさないと……。
  35. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それから、供出とか租税の関係の目的を以て強い圧力を以て勧告形式でやられるというような内容はございませんか、目論見なり内容は……。
  36. 小舟清

    説明員小舟清君) そのようなことは考えられておりません。
  37. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それから最初に役立たせようとしておられるこの国土調査の結果、事務当局として、真先にどういうことに国民の生産に役立つて行くということに構想考えておられますか。効果の挙る事柄は何年ぐらい先にどういう事柄から国民経済に対する効果がありそうだというふうにお考えでしよう、そこまではまだ考えておられませんか。
  38. 小舟清

    説明員小舟清君) お答えいたします。この調査のうち末端団体が実施いたします細部調査が実施されますならば、その地元の団体におきましては、農業の改良、林業の改善その他水利改良等直接産業方面に役立つべき調査が実施されるということを予想いたしておるわけでございますが、それらの細部調査を実施いたしません以前におきまして、主として国が実施いたします基本調査が実施されますならば、おおむね土地開発考えます場合に必要でありますところの基本図面が先ず整備せられまして、その図面を基礎にして各般の構想が正確に構想せられるのみならず、その土地分類調査はその地方開発の場合におきまして、土地開発は勿論、水の開発考える場合におきましても直ちに必要になりますところの土地保全の問題並びに土地利用の新らしい合理的な計画を樹立する際に直ちに役立つものでございますし、又水の基本調査につきましても、水利改良に直ちに役立つものと考えておりまして、これらはいずれも相補いまして国の実施いたします基本調査のみによりましても、それぞれの地方土地開発保全利用高度化に直ちに役立つものと考えております。
  39. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) ほかに御質問ありませんか。
  40. 赤木正雄

    赤木正雄君 この調査事項の中で、水調査について少しく承わりたいと思います。水力電気その他の関係から雨量調査は掲げておられますが、積雪調査は最も重要な問題であるにかかわらず、何らそれを挙げておられない。なぜ積雪調査をなさらないのですか。
  41. 小舟清

    説明員小舟清君) お答え申上げます。積雪量調査重要性につきましては、土地調査審議会におきましてもいろいろ論議されたのでございますが、非常に方法論的にむずかしい問題と、まだ我が国ではこの問題を直ちに事業化すというふうにはもう少し研究を要するかと思いまして、事務局の現在の予算化計画には一応積雪量調査は計上してなかつたこういう経過でございます。
  42. 赤木正雄

    赤木正雄君 我が国積雪量をまだ大して調査してないというふうなことがありましたが、まだいろいろありましたが、一体どれほど積雪量を今まで調査しているのですか。
  43. 小舟清

    説明員小舟清君) 実はその資料只今手許に持つておりませんので恐縮でございますが、この仕事を立案する経過におきましては中央気象台のかたが専門委員として十分参加して頂いたのでございますが、丁度ここに列席しておりませんので、直ちに調査いたしましてお答えいたします。
  44. 赤木正雄

    赤木正雄君 では専門委員が非常に不十分であると申しますか、例えて申しますと、今最も問題になつておる水力発電関係から只見川のごとき、これは昨年の積雪量が、あの流域を非常に明細に区別して、その区別した各流域に対してどこにはどれほどの雪が降つて、それがどういうふうに融けて、その積雪量がどれほどの水力発電にまで役立つかはつきり調査してある。そういうことも御存じなしにこの調査をするのは実に不満である。どこに調査機関があるか。その事実は、はつきり只見川流域をお調べなされば、あの大きな流域に対して、私らは実際知つているのであります。一々どれほど雪が降つて、その雪がどれほど融けて、その融けた雪がどれほどその発電効果あるか、十分の調査ができておる。ひとり只見川のみならず、今後はそういう調査をすることになつておる。そういうこともあなたは御承知ないということは、私は実に不可解千万である。
  45. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 政府委員、御答弁ありませんか。
  46. 赤木正雄

    赤木正雄君 若しも政府委員の御答弁がないならば、この調査資料は全部不完全といつても差支えない。何か御答弁ありますか。
  47. 小舟清

    説明員小舟清君) 只今申上げましたように、積雪調査事務局事業計画として取扱えず掲げなかつたというだけでございまして、審議の過程におきましては、水の部会におきまして、お話のような点につきまして十分論議があつたことを私も承知いたしておるのでございますが、ただ具体的な、そのような河川につきまして具体的にどうであるかという資料只今持合せないのでございまして、今後お話のような点につきましては、国土調査審議会等審議によりまして、御意見のあるところによりまして事務当局におきましても十分構想を更に推考いたす所存でございます。
  48. 赤木正雄

    赤木正雄君 事務局としては事務局の案としてむしろこれは掲げたと思います。併し事務局の案をお掲げになる前に、無論技術関係の人もそれに参与してこの審議をしたものと思います。一体積雪量に対してはその場合にどういうふうなお考えを以て審議されたのであるか。
  49. 小舟清

    説明員小舟清君) お答え申上げます。実は積雪量調査につきましては、アメリカにおきます進んだいろいろな調査方法とかいうようなものもいろいろ論議になりまして、水部会におきましていろいろ研究いたしたのでございますが、取りあえず日本といたしましてはまだこれは降水量調査といたしまして降水量調査の一部といたしましてその流れて来た水として把握するという方法で取りあえず事業化して行くというふうな、一応の水部会におきましてはそういう御意見事務局がその意見によりましてこの案を作つたのであります。
  50. 赤木正雄

    赤木正雄君 年間を通じての降水量、或いは一日の最大降水量、そういうことは容易にわかります。併し今後の水調査、これに対して先ほど申した通りに、殊に国土総合開発観点から日本水資源をどうして活かすかという意味からも、積雪量というものは非常に重大な問題であります。そこでアメリカでやつていると同じような調査を現にやつておる、只見川はやつて来たのです。この冬もやつて来た。私はその実際を知つている。そういう実際がありながらアメリカでやつているか、日本ではまだそれをやつていないとかいうことを言いましたが、或る部分に対してはアメリカ以上にその点は嚴重に調査しているのです。そういう調査を、事務局日本でやつているものでさえも検討を加えておらない。先ほどおつしやつた通りに、降水量調査はありますが、一年のうちに降つた雨をいつ、どこでそれを貯えて、どういう時期にこれを流していいか、これは今後の水力開発に対して殊に積雪量か大きなフアクターになるのです。そういうことを調査にならずにおつて、決して水力発電なんかできるはずがない。これは今後水資源を検討する上からも非常に重大な問題です。それをあなたがたがしておられんとなると、この調査は不十分といいますか、不満足としいますか、どの観点調査なつたかわかりません。それからもう一つ伺いますが、この流砂量はどういうふりに調査されましたか、これを伺いたい。
  51. 小舟清

    説明員小舟清君) お答え申上げます。流砂量につきしてはいろいろな測定方法がございまして、水部会におきまして論議を盡したのでございますが、まだ現在の段階としてはどの方法ということに結論をつけないで、大体の事業計画というものに必要な限りにおいての事務局におきます構想でこの表を作つたのでございまして、この方法につきましてはなお国土調査審議会において決定して頂きたい、こういうように考えます。
  52. 赤木正雄

    赤木正雄君 先の積雪量の問題はなお後から御答弁を願います。なお流砂量に関しましても石狩川で……。二十とか、この数字まで掲げてありまするからして、どの方法でやるということは大体わかつていない以上はこういうことは掲げられない。少くともその概案ぐらいはお持ちと思いますが、それを承わりたい。
  53. 渡會末彦

    説明員渡會末彦君) 只今赤木委員の御質問に対しましては、事務局といたしまして誠に不十分でございますが、建設省砂防課関係の係官からいろいろ方法論について伺つたのでございますが、十分なる、完全なる方法はない、今のところこれという方法で以てきめてしまうという有力なる方法は持つていない。併しながら一応予算化として挙げる場合に、そこにありまするのは、特にやらなければならない対象、渓流の数をそこに載せたわけであります。そういたしまして予算費用内容といたしましは專ら河床の勾配とか、ダムとかいうやつの継続的な測量での費用で以て継続的に測る。翌年の春はどれくらいになつているという測量経費を以ちましてそういう予算を組んだわけでございます。それから部分的には特に堆砂の状況を調べるための簡単なる試験的な堰堤というようなものも一部考えるというような程度にして予算は計上してあるわけでございます。
  54. 赤木正雄

    赤木正雄君 建設省砂防課流砂量を測る方法については十分まだわからないと言つたそうでありますが、私は砂防課意見には納得しがたい。例えて申しますならばガンマー線を用いてこれを調べる、そういう方法もあるのです。これは砂防課が知らんだけのことなのです。やれば幾らも方法があるのです。そういう砂防課が知らんことを以て全国民が知らんと思われたら大変迷惑をする。これは一つお考え願いたい。もう一つ承わりますが、この発電所発電水力……無論これは水力発電と解釈します。その水力発電が高堰堤の場合、それに土砂が流れ込んで発電機能を阻害する場合が甚だしいのでありますが、これに対する調査項目はどこに上つておりますか。
  55. 小舟清

    説明員小舟清君) 只今の問題につきましては、細部調査といたしまして実施いたしたいということになつておりますが、ここに掲げましたものは、これは基本調査の主要なる河川におきます重要な事項でありまして、そういう意味で、具体的にそれが表現されておりませんが、いろいろな調査を実施いたしますことに関連いたしまして調査いたすことになつております。
  56. 赤木正雄

    赤木正雄君 この既設の堰堤についても、その堰堤にどれほど土砂が溜つているか、又その堰堤の今後の機能は何年間あるかということは非常に重大なことなのです。それをあなたは細密の調査の中に入れておられるのですか。
  57. 小舟清

    説明員小舟清君) 非常に重要だとは存じますけれども、何と申しますか、こういう事業計画を作成いたします場合に、その問題だけを調査項目としてここに掲げるという点につきまして、事実上そういう方法をとらずにここに表にいたしましたような基本的な点についてのみ計画をいたした次第でございます。その点御了承願いたいと思います。
  58. 赤木正雄

    赤木正雄君 大臣が見えましたが、大臣に一言申して置きます。先ほど来私は随分質問しておりますけれども、私の質問に対して少しも満足な答案を政府委員は与えて下さらない。私は非常に不満足であります。中にはまだそういうことはわからんというふうな御答弁であります。このように今私は水の調査関係でありますが、そういう小さい問題を大臣にお願いしてもしようがありませんが、とにかく今までのところではこの調査事項というものは、私の考えているものとは大分隔け離れて、果してこれが実行に移され得るか、実行に移されてもどれほど価値があるか、なおここにある以外調査するものはたくさんあるということは、私は先ほど申上げましたが、質問大臣が御調査下されば十分わかることであります。そこで私は大臣にお伺いしたいのは、この法案はこれは結構でしよう。結構だと思いますが、三百億の調査費をかけて、殊に先ほど私の質問に対して答弁もできんような杜撰なことがたくさんある。これに対してこの三百億の調査費が、現在農林省なり建設省においてそれぞれ或いは河川調査とか或いは砂防調査とかあらゆる名目で調査費を持つておりますが、その調査費とダブることはないでしようか。
  59. 周東英雄

    ○国務大臣周東英雄君) お答え申上げますが、これは赤木さんもよく私は御存じだと思うのです。一体国土調査というものはこれで十分な予算で十分できるとはまだ思つていません。併し国土の質的並びに量的な調査というものなくして、すべての総合計画が立つか立たんかと、日本の経済自立に関しての総合計画を立てると、最も狭い国土、水面を有効に利用することが必要であると思います。その際に国土の面積すらはつきりわかつていないということは、これは私は計画に徹底していない憾みがある。然らばそれの調査が終るまで待つているかということについては、総合計画のほうも急いで並行的にこれをやる必要があると思うのです。私はこの問題についてはむしろ議論でなくてざつくばらんに御相談的に申上げたい。こんなものはやる必要はないとあなたさんは思われるかと……決してこれは議論するのではないのです。一体日本に量的にも質的にも国土並びに水面の的確な調査がありますかと、こういうことを申上げたい。これは赤木さん、長いこと内務省並びに建設省関係の土木関係におられてよく御存じだと思う。実態はわかつておらない。これは明治七年の地租条例に関する調査のときに初めて面積的なものが調査された以来というものはないのであります。そこで非常にまだ不満足ながら一つ手を着けて行こうというところに、私はそれは一つ尤もだと、この点はそう直さなけりやならんと、こういうふうなことはお話合いをして一つ御懇談して見たらどうかと思うのです。それは勿論あなた一億六千万円のこの予算で全部できるとは思いません。これはざつくばらんなことですが、これは当初とにかくも何とか技術的なことは私よく知りませんが、四等三角測量というもので一応森林或いは田畑そういうものの面積がどれだけあるかということの調査を非常に早くして行こう、而もこれは全国的に及ぼしたいのですが、この予算で以てやる場合においては十三県ですか、一応急ぐところから先ずやつて行こうとしているところなんです。そういうことが、一つ急いで早くできるということは……その間においてどれくらいを工場地帯に割いて、どのくらいを耕地に割き食糧増産に向けて行くとか、どのくらいを原野として残したらいいか、どれだけを山林として残して行かなければならないかということは、私は一つのまあ案の見通しがつくものだと考えるのであります。それで私はざつくばらんに申しまして、今の日本の財政状態で今年の予算関係で完全だとは思いませんけれども、これを先ずどうしたら一体ない日本国土の質的量的な調査ができるかと、これを基にもう少し来年はこう直して予算を殖やせという一つの話し方が必要じやなかろうか、このような感がいたします。これを先ず冒頭に申上げて置きます。次に今あなたのお話の、それは農林省なり建設省にこれに似た予算があるのじやないかというお話ですが、それがあるならば今までにできておるはずと私は思う。これは建設省なり農林省が一緒になつて両方から出されて、やはり国土の質的、量的な調査をしなくちやならないということでまとまつたのでありまするので、若しそこに重複するのがあればそれはまとめるように一つ努力することも私は必要だと思います。これは日本のあなたの御指摘のようにいろいろあつちこつちばらばらになつて僅かの費用が使われるということは直さなければならん点だと私は承知いたします。併しこの案に盛られた実体が、少くとも四等三角測量というようなこと、これは、総合的な面積を調査する費用がございますか、私は不幸にしてこれは今ない、その点をあらかじめ御了承の上なお御協議を頂きたいと私は思います。
  60. 赤木正雄

    赤木正雄君 四等三角点を設けて土地調査をすることに私は反対した言葉を一度も口にしたことはありません。又この法案について大臣は懇談するとおつしやいますが、私はこの法案に不賛成だと言つたことも一度もありません。ただこの法案審議経過において三百億の調査費が要ると言われましたが、三百億の調査費に対して今申す通りに農林省なり建設省においてもそれぞれ調査費を持つていますが、そいつがダブつてはいけないから、それがダブりやせんかと、こういう質問をしておるのであります。ですから私の質問申上げたのは先ほど大臣がおつしやつたことと大分違つております。それをはつきりして置きます。それで今私は改めて申しますが、曲論若しもダブつておれば、それを、ダブつておる部分だけを一方から取り去ればいいじやないか、これはよろしうございましよう。併し予算を出す場合にそれをやはり検討してお出しになつていますかどうですか、こういうわけです。
  61. 周東英雄

    ○国務大臣周東英雄君) お答えします。赤木さんがこの法案に反対でないというので私も非常に感謝するところであります。国のために私は必要だと思います。ただ赤木さんのお話のように私もそういうふうな点が、ダブつておる点はできるだけ統一するがよろしかろう、かように思つております。それからもう一つ三百億の金を使つたという話が出ました。これは事務のほうがどういう説明をしましたか知りませんが、理想的に言えばこの面積調査だけじや私は駄目だと思う。ランド・クラシフイケイシヨンということが総合開発計画の基盤をなすとすれば、本当言えばクラシフイケイシヨンが先でしよう。それについての面積調査ということが当然伴うところなんで、ところがそれに対する予算がありませんので、国土調査もやりたい、山林田畑その他土地についての総合的なものもやりたいが、四等三角測量というのですか、面積調査で先ず一止を踏み出すわけです。今三百億と言つたのは、実を言えば土質というものに対してどういう質的なものがあるか、そこにはどういう方策を持つて行くか、これは不毛土地である、だからここは一つほかの文化的な他の交通との関係を見て工場誘致したらいいだろう、ということが、一体実にユーテイリテイを考えれば必要だろう。こういう点を、実際は両方並んで行かなければならない。この点は遺憾ながらなかなか行かないのであります。それを徹底的にやるということになると、かなり……三百億になると思いますが、そこでいろいろ交渉の結果は財務当局の現在までの状況下におきましてはなかなかここまで行かない。そこで先ず面積調査を先にやつて、そして財政のゆとりに従つてそういう方面へ乗出して行こう、こういうことで落ち着いたのが只今予算であります。理想的に言えば三百億要る、こういうことは申上げたと思います。
  62. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 今の赤木君の御質問との関連ですが、これは私の思い違いかも知れませんが、各省の国土調査関係調査費は、国土調査室ができればそこに統合すると了承しておりましたが、そうではないのですか。はつきりしていないのですか、赤木委員質問はそれなんです。
  63. 周東英雄

    ○国務大臣周東英雄君) その点は先刻からお答えしているので……、できるだけ重複しないで統一いたしたいと、かように考えております。
  64. 赤木正雄

    赤木正雄君 その点は大体わかりました。先ほど申す通りに、大臣承知通り日本の経済はまだそれほど安心できませんから無駄の費用がないとは申しませんが、同じような費用が各省にやはりそれぞれ分れてダブるようなことがないようにして欲しい。それからもう一つ申したいのはこの基本調査でです。これは先ほど大臣が来られる前に質問しましたが、それにはまあ答弁ができない。そういう不安な点がたくさんあります。でありますから、この点をよほど吟味して欲しい。私から言わせるならば、これは專門のかたが集まつてなさつたと思いますが、專門のかたが集まつてされたそのものが非常に不十分であるということは指摘しました。これは重ねて申しません。これを以て質問を終ります。
  65. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 私はこの法案は目的は、これはやらなければならんということは大臣の説明された通りでよく了承しております。けれども事務当局の御説明を拜聽し、又その内容を見ますというと、非常に広汎に私は亘つておると思うのです。こういつた広汎に亘つているのは、おのずからやはりそれだけの組織を持たなければ、実際にやろうといつたつてできないのじやないかというふうに考えられるのです。この国の機関が行うという、この法案をずつと見て参りますというと、結局どこか今日の機構をそのまま使つて、今日の行政機構やそういうものをそのまま使つて、ともかく便宜的にこれをスタートして、そうしてこの大きな事業を完成しようというような姑息な行き方がこの法案に見られるのであります。こういうことでは、この日本国土全体をこういつた科学的な、或いは総合的なというようなはつきりした目標にまで到達させるのに十カ年間くらいで以てできるものじやないと思うのであります。四等三角というものの御説明があつたのでありますが、四等三角での測量ぐらいは、これは簡單なものでございます。これはやろうと思えば、こんな大きな法律がなくても何でも簡單にできる。これははつきりしております。けれどもこの案の内容は、そういつたものでできると私は思えないのであります。将来そういつたはつきりした調査機構を日本の国に作られるかどうか、そういうことを大臣に一つ承わりたいのでございます。それからもう一つ、特にそういつた機構の必要でないかということを考えますることは、第二条の3、4という項目なんでございますが、第二条の三項四項の、土地の分布調査とか或いは水調査というものは、これは永久的なものじやないのでございます。はつきり申上げますれば、これは土地が変化して行くいろいろな立地的な条件によつて、常に変化して行くものなんであります。その変化して行くものを、瞬間的に捉えたものが調査になるのであります。瞬間的に捉えたものが、長い年次に亘つて、早いもの遅いものというようなものが、同じ台帳に上つたならば、これは完全なそのときの国土の状態じやないのでございます。これはむしろこういうものは、一年とは申しません、特定な期間を永続的に以て、そうして常に、十年に一遍とか、二十年に一遍修正するだけの準備がなければいけないものだと私は思うのであります。そういつたことがこの法案のどこかに考えておられるかどうか、又将来そういうことをお考えになられるかどうか、それを大臣から承わりたいと思います。
  66. 周東英雄

    ○国務大臣周東英雄君) 御尤もなお尋ねであります。実はこの法案のスタートに当りまして、かなり初年度も大きな予算を要求しておつて、まさにそれができようというときに、いろいろな財政的な状況で今のように減つたのであります。この額から行くと、あまり間口を拡げ過ぎているのじやないかということはお説の通りであります。集中的な面積調査というような形に先ず着手して行つて、その上にだんだん加味するということでよろしかろう、従つて今御指摘のように、あまり少しずつぼつぼつやつていると、十年もかかつていると、初めの一年度にできたのと十年度にできたのとでは非常に違いがあるということであります。これは幸いに皆様の御協賛を得ますれば、今後における予算というものは、できるだけ財政当局とも話合つて、成るたけ早く一応の面積調査を終るように努力はいたしたいと、かように考えております。第二点の問題で、だんだん変化するものだから何か恒久的な期間をつけて、十年に一回というものは振返つて修正をして直して行くというようなことの計画はないか。只今そうすぐには考えておりませんが、御質問の点はよく研究して見たいと、かように考えております。
  67. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 なお私はこういうことも、これは或いは私の希望的な御質問になると思うのでございますが、こういつた厖大な調査には、当然いろいろな段階があるのじやないかと思うのであります。例えば地理的に言えば、産業的に重要な地点、或いは特に開発を要する地点、例えば東北地方積雪寒冷地帶とか、或いは発電地点とか、或いは水に非常に難澁している工業地帯、東海道或いは東北、或いは関東というような、そういつた地理的な段階もあると思いますし、又この調査内容においても、分類調査はあと廻しにする、そうして地籍調査を先ず完全にやつて、その次に水調査をやるというような、そういつたことの調査段階がありはせんか。こういつたような段階予算の少い、我が国財政の少いときに、予算の取りにくいときに、当然考えらるべき一つの方法じやないかと思うのであります。そういうことについて、政府はどういうふうにお考えなつておられるか。
  68. 大野數雄

    説明員(大野數雄君) お答えいたします。お説のごとくに、全部の調査を一斉に始めますと、どれもこれも中途半端になりますので、最も中核的な基本的なものを先ず全力を集中して、その上にだんだん組立てて行きたい、従つて私どもとしましては、面積の調査をしつかり固めて、この上に土地分類の調査或いは水系の調査を次に重ねて行きたいと思います。どれが重要か軽重をつけませんが、やる順序につきましては家を建てるような考え方で、土台を作つてその上に積み重ねて行きたい。それはやはり基準点を設定することから考える、さように考えております。
  69. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 今のお話によりますというと、地籍調査というものを先ず基礎として、このほうから始めたいというようなお答えがあつたのでございますが、この地籍調査は、御存じのように測量士法というものができて、この資格者というものがはつきりして来たわけなんであります。この資格者以外は恐らく調査ができないのじやないかと思います。こういつた少い資格者で以て單年度の間にできるかどうか、現在それの計画がどの程度に見込まれておられるか、若し足りない場合には、今後どうやつてその技術者を養成して行かれる御方針であるか、それを承わりたいと思います。
  70. 小舟清

    説明員小舟清君) 御説明申上げます。測量に関します技術者の問題につきましては、お説のように測量士法によりまして測量士試験を行いました。現在すでに測量士及び測量士補だけで、全国で四万人を超える一応有資格者がございます。而もこれは年々今後有資格者が殖えて参るわけでございますが、併しこの仕事を実施いたしますためには、絶えずこの事業に必要なる技術の講習を実施することが必要だと考えておりまして、今年度の予算におきましてもこの測量技術員の養成費というものが相当多額に計上せられておりまして、現在地理調査所の測量技術員養成所におきましては、すでにその方面の研修も開始いたしております。今後ともこの養成施設につきましては特に重視をすべきであるというふうに事務当局におきまして考えております。
  71. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は大臣質問したいのだが、その前に政府委員でも結構ですが、地籍調査に重点を置いて行かれるのですか。それを聞いて置いて大臣質問したいのです。今の前の説明員がそう言われたのですが……。
  72. 大野數雄

    説明員(大野數雄君) 私が申上げましたのは、四等基準三角点を基礎にしまして、今の五万分の一の地図に代るべき、市街地は五百分の一、農地は千分の一、林地は二千乃至五千分の一だつたと思いますが、そういう目の細かい地図を作りますが、そこまでを一応私は基礎に考えまして、それから土地分類に行き、地籍に行きます。地籍のほうが最大の目標ではないかと、かように考えております。
  73. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は大臣に、この法律案の最も基本的な、政治的な意味をお尋ねしたいのですが、国民は税金の重さに参つており、我々議員自身でももう税金に堪えない実情にあるのですが、大臣はどうか知りませんけれども、こういうふうに一般は非常に苦しんでおるときに、こういう法律案を提出されて、それをやつてのけられるというからには、相当政治的の意味がなければならんと思います。法律案の内容そのものは、私は相当現地も見て来たし、自分の専門に属することだし、政府職員たる技術員がこういう科学的な欲求を持たれるということは当然であるし、又国家として整備されて然るべきものであるということの理解は十分持つての上の質問なんですが、一体こういう苛斂誅求の中において、こういう調査にあえて乗り出そうとされるからには、非常な国民に対して政治的な収穫、果実というものが約束されなければならないと思うのですが、その点はどこにあるのでしようか。
  74. 周東英雄

    ○国務大臣周東英雄君) お答えしますが、或いは当つているかどうか知りませんが、こういう制度を布きたい、調査したいということは、この日本の貧乏な国で国土の総合開発をするというときに、無駄な経費を使つて開発をすることのないように、必要なところに有効適切な開発をして行く、有効適切な土地利用をするということの基本のために、土地の面積調査が必要なのでありまして、政治的の意図のあるとか何とかいうような御質問ですが、別にそういうものは何もありません。
  75. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 そうしますと、まあ今のお答えで、当面これによつて直ちに国民に約束されるような経済的効果ということは一応なくて、将来の大きな国土開発のプランの基礎調査としてするという意味に了解してよろしいのですか。
  76. 周東英雄

    ○国務大臣周東英雄君) もとより今後の調査によりまして、或る適地の調査ができれば、それを開発して、国民のために農地を与え、或いは林野を開いて牧畜の場所をきめるとか、国民経済の上に及ぼす。大きな目的を狙つております。
  77. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それではこれを反対の側から質問いたしますが、我々が今国会以来非常に重点を置いて質問をいたしました日米経済協力というような問題が、知らぬ存ぜぬ、総理以下大体殆んど拒絶しておられますが、実際上どんどん最近それが具体化しつつあるというように承わりますが、こういうような調査が、そういうものと、外資導入その他について関連性を持つかどうか。それから第二点は、この地籍調査、つまり苛斂誅求の基礎として、地籍調査をしてこの上又増税になつてはたまらんというこの法律案に対して心配がありますが、その第二点をどういうふうに考えておられるか。この二点をお尋ねしたいと思います。
  78. 周東英雄

    ○国務大臣周東英雄君) 共産党のかたはいろいろ御親切に御質問なさいますが、そういうふうに物事というものを曲つて考える必要はないと思う。一体地籍調査をするということは、今後例えば開墾とか干拓とかいうことで農地を殖やさなければならん。敗戰後の日本における国土が狭小なることから、どういうふうにして土地利用するかということは、外資の導入とか何とかいうこととは無関係にも当然政府としては考えなければならない問題であります。そういう場合、全体の農地はこれだけある、これだけの収穫量を得るにはこれだけの経費を使つて、こういうふうに開くよりは、そこは牧野として残したほうがよろしいとか何とかいう計画を立てる上からも、当然なすべき仕事であります。それを面積調査をして苛斂誅求、苛斂誅求とおつしやるが、一体税金を取る対象にお考えなつて、それを宣伝なさるのは御自由であります。併し私どもは、常識ある国民が見たら、日本の必要なる経済総合計画を立てる上において、土地の面積がわからないで計画を立てること自体において欠陷があるのではなかろうかと思う。私どもはそういう曲つた考えでなくて、本当に日本国土総合開発をして、狭くなつ日本国土を最も有効適切に利用し、そうして真に国民のために生産を殖やすということについてどこをどう開発したらよいかということは、当然に面積調査とか水面の関係とかいうことがわかつて初めてできることであります。今までなかつたことが不思議でありまして、それをできるだけ早く、少い経費を有効に使つて、少しでも役に立てたいと、こういうふうに考え仕事をしていることを、はつきり申上げて置きます。
  79. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 大臣は妙に声を大きくされましたが、我々真理を求めておるので、声を大きくしなくても真実はわかるので、大体あなたがそういうことを言われるなら、専門家として答弁いたしますが、土地分類調査と水の調査があれば国土開発計画は立つので、地籍のような何の何兵衛が何町歩持つておるということがわからなければ国の調査が立たんということをあなたは声を大にして答弁されたのですが、その点もう少し声を大にしてはつきり説明して下さい。一人々々の何の何兵衛が何町歩持つておるということがわからなくても、土地分類調査、水の調査ということで十分できるではありませんか。
  80. 周東英雄

    ○国務大臣周東英雄君) その通りであります。大体一番初めに狙うところは面積調査であるということは、繰返して申上げて置きます。これが総合開発基本であります。次には、むしろあなたの考えられるようなことでなくて、できれば個人的な面積調査というものが一番必要であります、これは次の段階において考える。そういう場合には、むしろ正しい姿において、真実持つているところについて適正な方途が議せられることのために必要であると考えております。
  81. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 あなたは今地籍調査をしなければ国土の総合開発ができんと言われましたが、それは取消されたわけですね。
  82. 周東英雄

    ○国務大臣周東英雄君) 私は地籍という言葉を使つておりません面積ということをはつきり申上げております。先ほどから赤木さんの質問についても、総合的に、全体的に、森林の面積がどのくらい、農地の面積はどれくらいあるかということを申上げておるので、個人的に何坪持つておるかといことをやるというのでは、とても困難でできません。先ず問題は、日本国土全体について、森林面積がどのくらい、農地の面積がどのくらい、水面がどのくらいということがわからなければ駄目である、こういうことを先ほどから申上げておるのであります。
  83. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 だからよく質問を聞いてから答弁されたらいいじやありませか。つまり基本調査及び国の経済再建に必要な部分調査はともあれも苛斂誅求に苦しんでおるときに、地籍調査でやつて、地籍を調査することによつて、地租その他の苛斂誅求に対する恐怖というものが、僕のみならず他の委員も持つておるのですが、この点に対してどうかということを聞いたのであつて、その点を答えないで、違つた点を答弁されたわけなんで、而も声を大にしてね。
  84. 周東英雄

    ○国務大臣周東英雄君) これはあなたがよく聞いて頂けばいいのであつて、一番最初赤木さんの御質問に対して、何を目的とするかというお答えのときに、本法においては総合的な土地の面積ということを愼重に調査いたしますということを言つているのであつて、個別的なことを先ず最初からやるということではない、その希望によつてやることもありますが、基本はそこにあるということを私は答弁しております。私はこういう際でございますから、一人のかたが質問されたことに対して、他のかたも同様な御質問であれば、よく聞てい置いて頂きたいと思います。
  85. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) ほかに御質問ありませんか。
  86. 宮本邦彦

    ○宮本邦彦君 この十カ年計画都道府県、それから市町村等事業費が約九十億円になつております。で、これは今頂いた資料なんですが、事務的な問題で恐縮なんですが、これは今のお話では、大体二分の一補助をするというお話なんですが、実情を申上げますというと、大体都道府県とか市町村というものが、ほかの事業関連してやるというような場合が合理的じやないかと思うのでございます。例えば土地改良区を設定するとか、或いは大きな国営の事業があるとかいうような場合に、二分の一の補助を頂いて、そうしてまあ都道府県は恐らくそういつた事業団体勧告をして、その勧告を容れて計画をするというようなことになるのじやないかと思うのですが、そういつた場合に、国全体の各省の計画を何か参考というか、参考にされてこの数字を挙げられておりますかどうか、それを承わりたいのでございます。
  87. 小舟清

    説明員小舟清君) お答え申上げます。このお配りいたしました資料を作成いたします場合には、関係各省の今後数年間の事業計画というものを参考にいたしまして、例えば農地の交換分合計画等がどのくらい計画されておるか、その関係面積がどのくらいあるかということをできるだけ参考にいたしまして、そのほかの要素も参考にいたしまして、計算の根拠にいたしておるわけでございまして、今お話のような考え方で作成いたしたものでございます。
  88. 奥むめお

    ○奥むめお君 事務的な問題ですけれども、日本のように細い島国の廻りにあります海の問題ですね。沿岸の問題というものは、例えば水がつきましても、流れて来る水もあるだろうし、こちらから溢れて来る水もあるだろうし、或いはいろいろ沿岸を埋立てたらたくさん増産ができる場合もあるかも知れないというようなことを私ども考えておりますが、こういうようなものはこの国土調査にはお考えにならないでしたのでございますか。
  89. 大野數雄

    説明員(大野數雄君) お答えいたします。嚴密に極く機械的に申しますと、海岸からはずれたところは一応調べないのでございますが、今の潮の引いたときには陸地になつて、潮が満ちれば海になる、こういつたところは干拓いたしまして増産するということは、当然考えられることで、そういうものにつきましては、私どもはできるだけ調査の範囲に入れたいと考えております。それからなおお話のような点は、国内の沼などにもたくさんあると思いますから、これらは勿論調査いたします。従つて海と申しましても、直ちに農作物ができるように変え得るようなところは、勢い成るべく調査いたしたいと考えております。
  90. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 大体御質問は終つたようですが、最後に私から安本長官にお尋ねして置きたいと思いますが、前回の三月二十二日の本連合委員会におきまする質疑の中で、羽生農林委員長から特に経済安定本部長官の出席を求めて質したいという意味で発言がありまして私お約束しておつたわけですが、今日都合によつて見えておりませんから、私代つて申上げます。  それは本日の委員会におきましても、赤木委員から言われたこと、宮本委員から言われたこと、その他から言われたことと同じことでありまして、同様な御答弁になるかも知れませんけれども、要するに国土調査をやらなければならんという必要性は十分にわかるのだけれども、実際に今の事務局及び政府において、この法案が成立すれば本当にできるかどうか、そういう目的を達成するような結果が出るような仕事に本当になるかどうかということが、各委員が一番心配しておるところでありまして、そういう意味で、安本長官は実は提案説明の場合にもおいでになつていなかつたし、従つて責任者の中心であるところの安本長官から、本法の施行について特に長官の熱意或いは決意のほどをとにかく委員会に表明してもらいたい。同時にこの法案が施行されて、こういうふうにして大体調査ができるのだという見通しについてどういう見解を持つておられるか。その辺をともかくもこの連合委員会において明らかにして置いて頂きたいという質問があつたわけです。先ほど赤木委員からの御質問の中にも、例えば調査方法さえまだはつきりしていないじやないか、従つてできるかどうかという次の問題に移つておるわけでありまして、大体各委員とも、この国土調査の必要性はわかるけれども、実際に本当にやる気があるのかどうか、熱意をどれだけ持つておるかということが私は一番問題だと思います。そういう意味で、繰返された質問ではありますけれども、最後に安本長官からはつきりとその点を見解或いは決意の表明をして置いて頂きたいと思います。
  91. 周東英雄

    ○国務大臣周東英雄君) お答えをいたします。誠に御尤もなお尋ねであります。それと申しますのも、事柄が重要な事柄であるにかかわらず、あまりにも初年度の予算等が少いし、果してこれでできるのかどうかという御懸念御尤もであります。併し政府といたしましては、この法案等を立てます場合には、是非とも今後における日本の総合国策を立てて行く上から言いましても、又一応立つた後において今後変化する事態に応じて更に国土利用を図る面におきましても、どうしても基本的な面積の調査、進んでは地質等の調査までできて、そこに初めて土地の分類並びに土地利用計画の適切なものも立ち得るということで、これを是非進めたいという政府は熱意を持つておるわけであります。ただ何分にも財政上の都合経費が如何にも少い、そこにいろいろ疑点が生ずるのでございますが、差当つて私どもは今十三府県というような、急ぐところにおいて面積調査、これは国土総合開発計画が進められておる点と大体一致するようです。そういうところから始めて、至急に面積調査をやりたいと、こういうことです。でき得べくんば次の機会におきましては、予算の増額等を考えて、でき得る限り、これをよりよいものに作り上げて遂行いたしたい、かように考えておる次第であります。決して政府は一応これを出して置いて、あとは成行きに任せるという考えではなく、是非日本全体における国土の質的、量的な調査が完成して行くというのを望んで、それに施策を進めて参るつもりであります。
  92. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 特に御質問なければちよつと速記を止めて打合せしたいと思いますが、よろしうございますか……速記止めて。    〔速記中止〕
  93. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) 速記開始。大体質問は終了したと思いますけれども、連合委員会における質疑は打切りましてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは連合委員会における質疑は以上で打切ります。特に御発言がなければ、今日の委員会はこれで以て打切りたいと思いますけれどもよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 佐々木良作

    委員長佐々木良作君) それでは今日の連合委員会はこれで閉会にいたします。なお附加えますが、建設委員長及び農林委員長と相談いたしました結果、この本法案に対する連合委員会はもう今日だけで打切つてよろしいという話でありますので、連合委員会は今日の委員会終了と共に打切りたいと思いますから御了承を願いたいと思います。それでは散会いたします。    午後三時十三分散会  出席者は左の通り。   経済安定委員    委員長     佐々木良作君    理事            奥 むめお君            山本 米治君    委員            中川 以良君            野田 卯一君            岡田 宗司君            藤野 繁雄君            菊田 七平君            兼岩 傳一君   農林委員    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            岩男 仁藏君    委員           池田宇右衞門君            平沼彌太郎君            宮本 邦彦君            三橋八次郎君            飯島連次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君   建設委員    理事            岩崎正三郎君            赤木 正雄君            小川 久義君    委員            田中  一君            東   隆君   国務大臣    国 務 大 臣 周東 英雄君   事務局側    常任委員会專門    員       桑野  仁君    常任委員会專門    員       渡邊 一郎君    常任委員会專門    員       中田 吉雄君   説明員    経済安定本部国    土調査室長   大野 數雄君    経済安定本部国    土調査室副室長    (経済安定本部    国土調査室勤    務)      小舟  清君    経済安定技官  渡會 末彦君