運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-01-30 第10回国会 参議院 議院運営委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年一月三十日(火曜日)    午前十一時五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○委員辞任及び補欠選任の件 ○国会法第三十九條但書規定による  国会議決を求めるの件  (医師試験審議会委員並びに医師歯  科医師実地修練審議会委員) ○土地調整委員会委員長及び同委員任  命につき同意を求めるの件   —————————————
  2. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それでは只今から会議を開きます。  常任委員辞任及び補欠選任に関する件を議題に供します。事務次長
  3. 芥川治

    ○参事(芥川治君) 社会党から、予算委員河崎ナツ君が辞任されましてその補欠として加藤シヅエ君、電力問題に関する特別委員江田三郎君が辞任されまして、その補欠として小林孝平君を指名せられたいとの申出であります。
  4. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 只今の報告通り決しまして、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 御異議ないと認めます。さよう決しました。   —————————————
  6. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 次に、医師試験審議会委員及び医師歯科医師実地修練審議会委員任命につき議決を求めるの件を議題に供します。
  7. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 只今議題となりました件につきまして、参議院議員谷口弥三郎君を医師試験審議会委員及び医師歯科医師実地修練審議会委員に任命いたしたいので、国会法第三十九條但書規定によりまして国会議決を求めるために、本件を提出いたした次第であります。  医師試験審議会及び医師歯科医師実地修練審議会はいずれも厚生省に設けられました附属機関でありまして、厚生大臣の諮問に応ずるため、医師試験審議会医師国家試験に関する重要事項を調査審議し、医師歯科医師実地修練審議会は、医師及び歯科医師国家試験予備試験に合格した者の実地修練に関する重要事項を調査審議する審議会であります。両審議会委員には社団法人日本医師会会長厚生大臣が任命することになつておりますが、日本医師会長である同氏は国会議員であるため、国会法第三十九條の制限を受けるので、同條但書によつて国会議決を求めるものであります。何とぞ速かに議決せられるようお願いいたします。
  8. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 これは各会派に持ち帰りまして、一応決定して、次会に諮つて頂きたい。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それでは一応各会派に持ち帰りまして、回答を求めることにいたします。さよう決しました。   —————————————
  10. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 次に、土地調整委員会委員長及び同委員任命につき同意を求めるの件を議題に供します。
  11. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 只今議題となりました件につきましては、今回土地調整委員会が新たに発足するのでありまして、この委員会委員長我妻榮君を、なお同委員会委員井手成三、佐野憲次津田廣諸橋襄の四君を政府において任命いたしたく、両院の同意を求めるために本件を提出いたしました。  我妻君は、すでに御承知のごとく東大教授として、三十年の長い間子弟の教育に携わつて来た我が国民法学大家でありまして、本委員会使命である鉱区禁止地域の指定、鉱業権又は採石権設定等に関する異議の裁定には、公共の福祉に関し公正な判断のできる人として、最も適任者であると存じております。井手君は大学卒業内務省に、続いて厚生省に奉職しまして、昭和十四年からは法制局に移り、昭和二十二年六月には法制局次長に就任、十年余り我が国法制に携わつて来た法律に関する学識経験者であります。佐野君は大字卒業後直ちに農林省に入り、爾来二十五年、蚕糸局長を経て現在農地局長にあり、本委員会として当然関係を生ずる農業林業等の問題について豊富な学識経験を有するものであります。又津田君は大学卒業商工省に入り、鉱山局長金属局長化学局長等を経まして、昭和十九年官界を辞したのでありまするが、鉱業採石業等については多大の学識を有するものであります。更に又諸橋君は大学卒業内務省に入り、新潟、奈良、北海道、福島等の各地方庁に勤務し、行政裁判所評定目枢密院書記官等を経まして、昭和二十一年一月には枢密院書記長官として枢機の要務に当り、同年八月貴族院議員に任ぜられ、翌年五月貴族院が廃止せられるまでその職におつたのであります。昭和二十二年五月総理庁監査課に勤務して、公職資格審査事務に従事いたしましたが、同年六月には衆議院法制部長に転じ、八月には会計検査官に任ぜられ、昨年八月三年の任期を経るまで会計検査官として職務を全うしたのであります。それらの経歴、識見から見まして第三者的立場より同君は公正な判断のできる人であるということを考えておるのであります。各候補者経歴は以上の通りでありますので、何とぞ愼重御審議の上御同意を與えられるようにお願いたします。
  12. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ちよつと官房長官にお尋ねしたいのですが、この土地調整委員というものは、私は相当の專門的知識が必要だと思うが、只今官房長官説明であると、何か第一條件官学を出ておらなければならん、第二條件高等試験行政科試験の合格がなくてはいかん、第三條件には課長、局長その他の官吏的な閲歴が長くなくちやいかんその除外例一つもない。土地の問題の実際実務家、それから実際の民主的な立場を持たれるかたが除外例なく一人も入つていないのであります。それが是非この土地調整委員会に必要だと言う。いずれ我々は持ち帰つて研究することになるだろうと思いますが、その資料として一つ今私がお尋ねした二三の点を詳細に御説明願いたいと思います。
  13. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 我々のほうで、この委員候補者を研究いたしましたとには、今言われたような点は別に考慮に入れておりません。ただこの問題は建設省通産省農林省に特に関係の深いものでありますので、この三省の当局者に相談いたしまして、この方面知識の特に深い人を探したわけであります。そこで井手君は主として建設省関係、つまり前に内務省等におりましたので、その方面のことに詳しい人であるということを考えました。佐野君は農林省、つまり農林関係造詣の深い日とであります。それから津川君は通産関係造詣の深い日と、こういうふうに三代を選びまして、それに諸橋君を中立的立場から公平な制断ができる人と考えまして、更に加えたかけであります。そうして委員長には、何人も御承知のような、非常に公正であり、且つ民法学大家である我妻君をしたらどうか。こういうようなふうに選考いたしまして、官学であるとか或いは役人経歴がなくもややかんとか、そういうことは考えておらなかつたのであります。
  14. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 今御説明によりますと、建設通産農林、これらはいずれもそれ自身官僚的な仕事でなくて、民間の経済公共事業農業林業、そういつた経済関係の維持と開発、建設を目的としたものであります。従つて国民経済関係に非常に深い関係があると思いますが、今の説明ではそれだから官吏古手官学出身、高文を通つている人、そういうもので全部を固めなければならん。そういうことは説明にはならんと思うのですが、もう一度なぜ官吏……、偶然そうなつたとおつしやるには全部が揃い過ぎていると思うのですが、どうしてこういう閲歴かたがたを集めると、国民は幸いするでしようか、御説明を願います。
  15. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 我々は、今度の候補者なつかたがたが一番この土地調整仕事に適任であると考えまして、愼重選考いたした結果、その結論を得たのでありまして、それが偶然にも役人上り、若しくは現に役におる人であつたという結果になつたのでありますから、その点は御了承を願いたいと思います。
  16. 中川幸平

    中川幸平君 この件も、先の案件と同様に各会派に持ち帰つて次会決定することに……。
  17. 吉田法晴

    吉田法晴君 土地調整委員会というのは、御承知のようにこれは農業農業ばかりではありませんが、土地とそれから鉱業との調整という点が使命になつて参り、お話のように禁止鉱区を指定するとか、或いは土地收用をなす云々といつたような活動をするわけですが、そういう土地調整委員会使命から考えまして、先ほど言われたようなお役人さんばかりで、古手官僚ばかりで果してその使命が十分達せられるかどうか甚だ疑問であります。委員長我妻さんについては、これは或る程度選考の方向としては約得できぬこともありませんけれども、津田さんは商工行政に関連されてというならば、これはむしろ鉱業権者立場代表するということになるだろうと思います。ところが佐野さんにしましてもどの程度鉱業に関連します農林行政に通じておられるかどうか、甚だ疑問であり、それから諾橋さんに至つて役人という以外に、古手官僚であるという以外に申立的な判断をなされる要素はどこにも見出だせぬと私には思えるです。それぞれの利害を代表するということはなくても、理解し、そうして公正妥当な判断がなし得るという委員資格から考えまして、並べました委員に必ずしも十全でないという点が考えられるのです。それからもう一つ、特に古手官僚でなけばならんという條件は全然ない。それ以外の民主的な人間を選ぶ余地は十分あつたと思うのですが、それらの点について何らの考慮を拂われなかつた事由について承りたいと思います。
  18. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これはいろいろ研究いたしまして、結論としましてはこの人がたが一番よろしいということになつたので、政府としてはこれを任命したいと思つているわけでありますが、その前提というか、前にはいろいろの人を候補者としまして適任であるかどうか、又現在やつている仕事に差支えがあるかどうかということも研究したのであります。偶然こういう役人経験のある人たちになつたのでありますが、特にそういうつもりでしたわけではないのであります。
  19. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ちよつとお聞きしますが、佐野農地局長委員になられると同時に退官の予定だということですが、そういうことも交渉済みになつておるわけですか。
  20. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは無論これが内定いたしますれば、佐野君はやめてこの委員のほうになることは確かだと思います。併しこれはきまらなければ、初めからやめているわけには行ませんので、まだ職にあるわけであります。
  21. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 何かそのお話の裏を推察すると、佐野局長はやめるような時期にもなつておるので、委員のほうに加えるというような形になつておるようにも聞えるのですが、その点も少しはつきり……。
  22. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) そういうことはないように私は思つております。
  23. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうしますと、手続上これが仮に承認にならないという場合には、農地局長として佐野さんは今後職責を続けられると了解してよろしいのでございますか。
  24. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) そういうふうに私は了解しております。
  25. 大野幸一

    大野幸一君 これは、委員会のいろいろの決定であたかも裁判に類するものがあると思うが、こういう場合に、なぜ司法畑の人を一人加えられなかつたか。中立の人が一人欲しいというならば、官僚でなくて司法畑の人をなぜ任命されなかつたか。こういう裁判に類したことを官僚ばかりでやつておるのは、我々は体験しておるのですが、なかなか十分に行かないのです。こういう点を考慮されて、この中にいわゆる裁判官出身のような人を入れられてはどうだろうかと思うが、官房長官はどういうお考えか。研究されたというけれども、より以上研究の結果、よりよい人事に努力を拂われて、考慮せられる意思はないかどうか。  それからもう一つ、これは事務局が設けられるでしようが、事務局責務局長事務局を主宰する人なんかはどういう人を予定されておるのであるか。この二点についてお伺いしたい。
  26. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 法律関係のことにつきましてはこれはその人選をしまして、非常な適任者があつても、現在やつている職をよして来るかどうかということはなかなかわからないのであります。なかなかむずかしいのであります。そこで今の委員候補者の中でも、我妻さんは無論法律大家でありまするし、井手君も法制局に長くおりまして法制のほうは詳しいのであります。又諸橋君も衆議院法制部長をやりましたり、或いは会計検査官として長く仕事をしておりまして、こういう方面についてはこれらのかたがた知識が皆十分であろうと考えておるわけであります。  それから事務局のほうの構成その他につきましては、この委員会が成立いたしましたその上で、委員会決定することと思います。
  27. 大野幸一

    大野幸一君 法律を知つているからと言つて、この裁判に類するものをやれるものではない。やはり或る程度彼らの主張や抗弁を聞いて、それによつて判断をする手続……、私は裁判官出身の人をこういう所に一人くらい加える必要は十分にある。あえて現職の人でなくても立派な人が退官されておる。この点政府はどう考えるか。
  28. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 我々は現在候補者になつている人で、この点は十分できると考えております。
  29. 大野幸一

    大野幸一君 それは大学の学者は、必ずしも裁判官として適しないことは我々は経験でわかつておる。そういう意味でむりやりに押しつけないで、これだけの議論が出たんだから、官房長官ももう一度考え直したらどうか。
  30. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 先ほど農地局長の問題を聞いたのですが、法律又は経済に関する学識経験を有する者の中から選ぶ場合に、官吏をやめさせてこういう民主的な委員を構成させなくちやならんほど日本に人物が拂底しておるという考え方には、我々としては必ずしも同意できない。これはこうした各種の重要な委員会に、現職官吏をやめさせて充てるという、こういう原則的な考え方ですか。こういうやり方について政府としてどうお考えになつておられるのか。この際、今後もあることですからお伺いしたい。先ずそれをお伺いしてから質問を続けます。
  31. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 特に現職の者をやめさなければならんということはないのでありますが、たまたまこういう人が適任であろうと思いますので、こちらのほうに転出してもらうという意味であります。
  32. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 併し委員会立場として、官吏であつた者を直接委員として求めるという行き方は、その使命達成の上から言つて私は如何かと考える。そういうことであるならば、官吏の間で、或いは内閣内に、それぞれの專門者を特に兼任せしめて、こういう委員会を構成してもいい。而も国会同意を求めるまで重要視されている委員を、現職官吏から選ばなければならんということは、これはどうしても我々としては納得できない。而も最近各種の、内閣なり各官庁に属する、承認を求め、或いは各省だけでできる委員会というものは今多数あるのですが、それらは全部古手官吏の救済的なそれであつて、例えばこの中でも井手さんなんというかたも相当数委員をしておられるのではないか。少くとも次官あたりをやられたかた、こういう人は十幾つぐらい委員の職を持つている。こういうやり方とも関連して、必ずしも私たちとしては納得できないのですが、少くとも国会承認を求めるほど重要なこの委員に、今現に行政官をしておる者を持つて来なければ他に人がないと、こういうふうにお認めになつて、こういうことをなされたのかどうか。もう一度はつきりお伺いしたい。
  33. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これはこの委員会発足するのでありまするから、特に人選には注意をいたしまして、最も適任者であり、且つ発足当時において順調に仕事ができるようにと考えまして、その意味から現職であつても最も適任であるという人を一つ選出してもらおう、こういう意向であります。
  34. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それならば先ほど同僚委員が質問したように、事務局を構成する場合でも、委員はどなたが專門的に当られるかという場合、これは委員会が民主的に御決定になるでしようという突つ放した話でなく、もう少し内容を打割つて、例えば佐野氏なら佐野氏に、そういう專門的事務をするために力添えを願うなら願うのだというところまで、理由を付して御説明になられるならば、我々としても十分了解できるわけです。その点についてもう一度はつきりお伺いします。
  35. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) やはり委員会事務局は、委員長初め各委員できめるのでありまして、この委員がまだきまらないうちに誰にそれをやらせるかということは、我々のほうでは申しかねるのであります。
  36. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私は多少前の関係を知つておりまするので、官房長官にお伺いしたいと思いますが、これは今お話のような鉱業農業との関係で非常に大きな問題になつております、勿論この委員会はさような問題を民主的に決定するということも必要だと思いますが、もう一つは何と申しまするか、この鉱業法の主管が通産省にありまして、実は農林省共管にして欲しいという問題があつたと思う。その調整面として農林省代表を言いまするか、農林行政のよくわかつている人をこの委員会に加える。共管ではいかんけれども……それで農林省として調整をとつて行きたい、こういう趣旨があるのじやないかと思います。佐野個人のことは申上げることを差控えますけれども、そういうような意味農林省佐野君がよろしいということでありますけれども、この委員会のできた趣旨には大体合致するのではないかと思いますから、個人の問題は、私はこの際差控えますけれども、原則はそういうようなことになつておりますので、勿論その民主的に決定するということも必要でありましようけれども、もう一つは、共管問題のこれが代表というようなかつこうもあるのではないかと思いますので、それでその点を念のために申上げまして、そういうこともお調べを願いたいと思います。
  37. 江田三郎

    江田三郎君 今の佐野さんは、個人としてはともかくも、とにかく農林省というのは、農民或いは土地所有者立場という意味だろうと思いますが、そういう意味で誰か一人必要だと、こういうことは勿論いきさつから見てもよくわかると思いますが、若しそういうことであれば、更に私は個人を問題にしなければならんと思う。佐野さんが、今片柳さんの申されたような要請に副い得る人であるかどうか。私も昨年農林委員会に出席いたしまして、佐野さんに二三質問したことがあります。けれども、私はそのときに、あなたには農地関係のことは質問しない、質問したつて意味がないと、こういうふうにいわば引導を渡した人でありまして、そういう人がとても農地所有者なり、農民立場から十分な仕事をする人とは思われぬ。若し片柳さんがおつしやるよろなことであれば、個人がやはり問題になると思うのです。
  38. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 個人の真価を、私かような席で云々することばどうかと思いますが、私が差控えたのは、悪いとかいいとかいう意味であつたのではないのであります。これはやはり別途に各自で御判断願わなければならんと思います。これは余計なことでありますけれども、無論社会党各省に繋がりがありますので、その点をお聞きになれば、そのいきさつがよくおわかりになると思いますが、私は悪いとかいいとかという意味言つたのではないのであります。
  39. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今の片柳さんのようなお話で、個人に関連しないと、この発足経緯に鑑みて、農林省関係からやはり農地方面に明るいかたを出さなければならんといういきさつがあつたのではないかと思いますが、そういうふうに何と言いますか、各省の縄張りとでもいいますか、そういう中から紐付き代表者格で出ていて、自由なる意思による委員としての職責を果せるかどうか。背景は農林省である、片や通産省である。そういうような者が委員会でことごとく紐付きで運営されるということならば、これは委員会そのものを冒涜するのじやないか。そういう考え方でなしに、やはり内面的にはそういう事情があつても、そういう考えの行き方ではなしに、この委員会発足させるという大きな見地に立つて国会としては考える面があるのじやないか。私はそういうふうに思うのです。
  40. 片柳眞吉

    片柳眞吉君 私も趣旨は同感です。ですから農林省代表ということも当らんと思いますが、この委員会農業なり林業に非常に関係を持つておるという意味で、農業林業に関する知識経験の多い人という意味で、農林省を大体是とするならば、まあ私はよいのではないかと、ころいうことを申したのです。
  41. 吉田法晴

    吉田法晴君 ちよつともう一遍官房長官にお尋ねいたしたいのですが、今まで議論されておるところは、相当選考についての欠陥が暴露されておると思いますけれども、まあ人の問題が問題になつて来ましたけれども、御承知のように、今のところでは、この土地調整委員会予算、それから下の事務局人員等も非常に少いので、実際相当知つた人でなければ仕事ができにくいと思うのです。土地の問題について知らん人が、今から土地の問題を研究し、現地の問題を研究して行くということでは、到底任務が果せるものとは思えません。まあ鉱業農業について事情を知つているということも勿論でしようが、問題は、大体九州なら九州というよに問題の起る所が予想されるわけです。そういう点から考えますならば、おのずから例えば鉱業或いは農業事情に通じていると言つても限定がされて参るのです。候補に上つておる人たち欠陥もその点でわかるわけです。それから土地調整委員会が、先ほど言われたように、手続的な、訴訟的な規定もありますので、その点についての、これは或いは事務局であれをされるかも知れませんけれども、訴訟的な任務を果すというような点からも、これは人選について考慮されなければならん面がある。特に役人ばかりが人間ではないと、こういう点から言いましても、考慮されるべき点があると思いのですが、官房長官は飽くまでこれを固執せられるのか、或いは再考する余地と申しますか、或いはお考えがありますか。その点を一つお聞きして置きたいと思います。
  42. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 我々は愼重にこの人選をやりまして、現在のところこれらの候補者になつておる人々が最も適任であると考えておりますから、これらの人々国会において御承認願うことが最もよろしいと思つております。
  43. 大野幸一

    大野幸一君 政府は多数の候補者中から、これを選任しようとしておられるのだから、多数の候補者名簿資料として提出して下さい。
  44. 愛知揆一

    愛知揆一君 今の大野君の御提案に対しましては、私は反対いたします。とにかくこれは政府としては、いろいろ今まで皆さんから御意見も出たけれども、この法律の要請するところに従つて政府の責任において愼重考慮した結果、ここに選ばれた候補者であると私は信じておるのであつて、どういう人が候補者であつたかというようなことまで、ここで人事の問題としてさらけ出してやるということは、これはこの委員会としても行き過ぎではないかと私は思います。
  45. 大野幸一

    大野幸一君 政府愼重ならば、我我同意するかしないか最も愼重を期さなければならん。信ずるだけではないので、あなたがたの信ずるのと、こちらの信ずるのとは違います。そういう意味で、愼重を期する意味においてざつくばらんに言うならば、候補者名簿を提出する誠意があつてもよいのではないかと思う。
  46. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は、ここの議運で資料を以て検討を加える加えないの問題で、今資料を求めておるのではなくて、そのことはあとで又諮ればよいので、今資料を求めておるのは、どういう経緯でどういう人がきまつたのか、どつちがどれだけよいのか。それを見て、そうして結論としてはそれ々承認するかしないかを決定する資料なんです。そういう資料として欲しいということなんです。従つて、堅いことをお考えにならないで、これよりこれのほうがよいではないか、これに直せということをやろうというのではないので、ただ承認するしないだけをやればよいのですから、そういうことはやろうとは思わない。従つて、求める資料の提出だけは政府側にやつて頂きたいと思うわけです。
  47. 愛知揆一

    愛知揆一君 重ねて申しますが、私は政府誠意に信頼して、その必要なしということを申上げて置きます。
  48. 上原正吉

    上原正吉君 私も、これは資料を求めてこの委員会選考に当るというような実際的なることは、少し委員会としては行き過ぎだと思いますので、委員会はやはりこれを承認するかしないかということを、愼重考慮して決定すればよいのであつて資料を求めて実際問題として選考に当る。こういうような行為は委員会として行き過ぎだと思いますので、資料を求めて考慮するということには反対いたします。
  49. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 今大野君から出ておるのは、やはり会派に持ち帰つて説明するのに、いろいろ先ほどからの議論があつた結果、官房長官は全然考え余地はないのだ、現にここに結果が出るまでには十分な審議を盡したのだと言われるから、その点を会派に持ち帰るために、審議を盡した実際の跡を知るために、どういうふうに考えられたかということの提示を願うのでありまして、私は妥当な要求だと思いますから、賛成いたします。それから愛知君その他の言い方は私は非常に感情的なものであつて委員会に対する押し付けだと思うのです。で、先程おつしやいました官庁の縄張り主義の問題、私も長らく官吏生活をしていたので、その罪悪は身に染みて知つておるが、官僚の縄張り主義を打開するために官僚を以てするなんという考えは、私は非常に問題だと思うのです。官僚縄張り主義を打開するためには、民間、即ち国民の生活に直結する者を持つて来てこそ、官僚繩張り主義が打開されるのであつて、そこへ官吏を持つて来るというような考えは以ての外だ、但し片柳君はそういう御趣旨でおつしやつたのではないということはわかりますが。その点で官吏だけを爼上にのつけて来ている以上、官吏以外の者も選考したという事実を証明されることは、政府が具体的にこういう委員を持つて来る以上、私は責任ある行動だと思うのです。それで重ねて大野君の言われた参考資料の提示について賛成いたします。
  50. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 だんだん御議論がございますようですが、まあ結局それは今までの御議論も、結果が官僚であつたということが非常に御意見の出た基礎になつておるようでありますが、やはりこれは人格が高潔であつて公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、且つ法律又は経済に関する学識経験を有する者のうちから総理大臣が任命するのです。明らかに任命権者が内閣であつて、これが愼重考えた結果、どうしてもこれが一番妥当であるということできまつている以上は、我々はこれを率直に認めて、(笑声)これに同意するかしないかという判断を下せばいいということであつて内閣にどういう選考過程があつたかということは、問う必要はないんじやないかと思う。
  51. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それはおかしいです。ここの議院運営委員会として決議して、そしてそういう資料を求めて、討議するとか何とかということをするならば、これは或いは自由党の者が言つておる通りかも知らん。或いは総理大臣の任命権というものに対して国会が掣肘を加えるという結果もなきにしもあらず、併し国会議員としてどうしても審議の必要上、私個人国会議員として政府側資料を求めるのを、皆さんがそれに反対だと言つてどうなります。求めたら求められた資料を出せばいいのであつて、それをどう国会議員として使うかということは国会議員の自由なんです。(「その通り」と呼ぶ者あり)従つてそういうものは要らんとか要るとか言う必要はないんで、要らないかたはもらわなくてもいい、要るかたは欲しいと言つている。政府としても見せるだけの好意を示されて欲しいと思う。これだけの話なんです。(「賛成」と呼ぶ者あり)一つこの程度にして進行して下さい。
  52. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 政府代表として、官房長官の御意見を承わつて置きたいと思います。
  53. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私どもは、この委員会委員候補者国会に提出しまして、その同意を求めておるのであります。御同意下さるか、下さらぬかという問題であります。
  54. 山田佐一

    委員長山田佐一君) そうしますと、只今大野君の要求せられました資料はお出しになる御意思があるか、ありませんかということをもう少しはつきりおつしやつて頂きたいと思います。
  55. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは候補者については、例えばこの候補者が上つたが落第したということになつては、その人に対しても甚だ迷惑しますから、出す意思はございません。
  56. 山田佐一

    委員長山田佐一君) お聞きの通りであります。
  57. 中川幸平

    中川幸平君 相当議論も出ましたけれども。先ほど申しました通り、各会派に持ち帰つて一応相談して、次会にきめることにして頂きたいと思います。
  58. 江田三郎

    江田三郎君 一部の同意できめるということは、おめでたいことではないね。
  59. 中川幸平

    中川幸平君 仕方がない。
  60. 高橋道男

    ○高橋道男君 別の質問ですが、この委員会は何か今月中に発足しなければならんということを聞いたのですが、事実そういうようなことをきめられておりますか。
  61. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) そういう希望でおります。
  62. 高橋道男

    ○高橋道男君 希望でございますか。
  63. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) はあ。
  64. 石川清一

    委員外議員(石川清一君) 委員選考は、いつ頃始めまして、いつ頃に最後的に四人の委員候補者決定せられたか。その時間的の経過だけでも承わつて置きたいと思います。
  65. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 時間的には正確には私どもも覚えておりません。併し数週間かかつたことば事実であります。
  66. 石川清一

    委員外議員(石川清一君) 数週間と言いますと二月ですか、四十日前後ですか。(笑声)
  67. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 数週間というのは三、四週間だと思つております。    〔「進行々々」と呼ぶ者あり〕
  68. 山田佐一

    委員長山田佐一君) それでは本件は、各党へお持ち帰りになりまして、よく御審議の結果、当委員会へ報告をお願いいたしたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 山田佐一

    委員長山田佐一君) 本日お諮りいたします議題は大体これで終りましたのですが、何か外に……。それでは本日はこれを以て散会いたします。    午前十一時四十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     山田 佐一君    理事            愛知 揆一君            鈴木 恭一君            大隈 信幸君    委員            上原 正吉君            加藤 武徳君            中川 幸平君            江田 三郎君            大野 幸一君           小笠原二三男君            吉田 法晴君            赤木 正雄君            片柳 眞吉君            小宮山常吉君            杉山 昌作君            高橋 道男君            兼岩 傳一君   委員外議員            石川 清一君   —————————————    副議長     三木 治朗君   —————————————   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君   事務局側    参     事    (事務次長)  芥川  治君