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1951-05-23 第10回国会 参議院 運輸委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月二十三日(水曜日)    午後一時三十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国際観光ホテル整備法の一部を改正  する法律案内閣提出) ○日本国有鉄道法の一部を改正する法  律案衆議院送付) ○道路運送法案内閣送付) ○道路運送法施行法案内閣送付) ○参考人の出頭に関する件   —————————————
  2. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 只今より運輸委員会を開会いたします。  第一に、国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案を議題に供します。前回は提案理由説明を終了いたしましたるにつきまして、本日は更に条文詳細説明提案者に求めます。運輸大臣官房観光部長間嶋治郎君。
  3. 間嶋大治郎

    政府委員間嶋治郎君) それではホテル整備法改正法案につきまして、一応逐条御説明申上げます。なお関係条文につきましては、お手許に配付いたしましたホテル整備法の一部を改正する法律案関係資料の第四頁にございます。  先ず最初は、第三条中「又は営もうとする者」を削るということになつておりますが、これは第三条を御覧願いますと、「ホテル業を営んでいる者又は営もうとする者は、ホテルごとに、主務大臣登録を受けることができる。」ということになつておりますので、この条文を見ますと、ホテルを現在営んでなくても、営もうとする者は登録申請をすることができるというふうになつているのであります。それで実際問題といたしまして、まだ全然ホテルも建てておりませんで、設計図面だけで登録申請をして来るというふうな者も出て来ております。それではどうしてこういう条文なつたかということでございますが、それは実はこの法律議員提出法案として衆議院及び参議院で審議されておりました過程におきまして、最初登録税及び不動産取得税の軽減というふうな条項がございまして、それを適用させるために、まだできていなくても営もうとする者に対しても、そういつた恩典をやるというふうなことに相成つてつたのでございますが、それが審議の途中で削除されまして、そうして第三条は案はそのままになつておつたのであります。併しこのホテル整備法第四条におきましては、この営もうとする者は申請をすることができるということに相成つておりますることはちよつとおかしいのでありまして、あとにございまする施設基準に合致した建物を持つておらなければ、実際問題として登録をいたしません、こういう条文なつておりますので、誤解を生じまして、申請設計だけして持つて来るという者が相当ございますので、これを削除いたしたいと考えておるのであります。  次は第十一条でございますが、これはこの第三条の改正に伴うものでありまして、「登録ホテル業を営み、又は営もうとする者」がやはり入つておりますが、それをやはり「登録ホテル業を営む者」にだけに改めるわけであります。それから「同条第二号を削り、第三号を第二号とする。」これは第二号に「第三条の登録を受けた者が、正当の理由がないのに、登録後六箇月以内に営業を開始しないとき。」に、その登録を取消すことができるという条文がございますが、営もうとする者は登録申請はできませんで、登録申請をする者は全部営んでいる者でありますので、この第二号は全然意味のないことであります。「正当の理由がないのに、登録後六箇月以内に営業を開始しないとき。」というふうなことはないわけであります。すでに営業を開始しているものだけが登録申請して来るということに相成りますので、これを削除いたしたいという考えであります。  次は今度の改正の主眼でございますホテル審議会廃止でございまして、第十七条から第二十七条まで、これだけの条文が全部ホテル審議会関係条文でございまするが、これを削除いたしたいということであります。このホテル審議会は、実はこのホテル整備法の中では相当重要な内容をなしておりまして、この法律規定によりまするホテル登録又は認可をいたしますような場合に、運輸大臣は一応このホテル審議会に諮問をしなければいけないというふうなことに相成つております。その他登録の取消とか、或いは訴願の裁決というふうなものも、一応このホテル審議会にかける、又ホテル審議会ホテル旅館事業振興に関して関係行政庁建議をすることができるというふうなことに相成つておるのであります。差上げました資料の二頁に、ホテル審議会につきまして、そのメンバー実績を書いてございまするが、メンバーは十人でございます。この中で官吏が三名おりますが、運輸省厚生省建設省、これは法律にやはり運輸省建設省厚生省関係官というふうにきめてあります、それからその他はホテル四名で、ホテル業に関して学識経験ある者ということに相なつております。それから二名が観光事業機関を代表すると認められる者、観光事業機関代表者が二名、ホテル業学識経験者が四名、官吏が三者、合計十名という編成でございます。昨年の八月に第一回を開きまして、現在までに十七回会議を開いております。このホテル審議会におきましては、最初先ずいろいろ事務手続をきめましたあとで、この法律にあります施設基準が必ずしもあらゆる場合を網羅してはおりませんので、いろいろ疑義もございますので、これを審議して頂きまして、施設基準解釈というふうなものをきめて頂いたのであります。その後逐次登録申請がございましたので、これを諮問いたしまして、四頁に書いてございます通り、現在までにホテルが四十四件、旅館十八件、合計六十二件につきまして審査をいたしました。そして運輸大臣に対して登録を可として答申いたしましたものが、ホテルが四十三件、旅館十七件となつております。結局ホテル旅館それぞれ一件ずつ否認というような形に相成つております。なお審議会は、この審議会過程におきまして、登録審査以外に、外客宿泊設備の増設、或いは接収ホテルの一部解除対策、或いはこの整備法改正原案というふうなものについても審議を行なつたのであります。現在一番大きく取上げておりますのは、接収ホテル解除に関しまして、ホテル協会或いは接収ホテルから審議会宛陳情書が大分参りましたので、この接収ホテル解除対策という問題について審議をいたしまして、近く審議会として関係方面建議をするという手筈に相成つております。この審議会をそれではどうしてやめなければならないかということでございますが、これにつきましては、すでにいろいろ各省審議会整備法案か出ておりますことは御承知のことと存じますが、関係方面の強力なるサゼツシヨンがございまして、このホテル審議会のように、登録というふうな行政処分的な問題をば審査して、実質的にこれを決定し、運輸大臣決定を左右するというふうな行為を行う審議会は適当ではないというようなこと、それからこの審議会委員の中に、事業者団体法によるいわゆる事業者団体理事者がいるというふうなことがいけない。そういうふうなことでGHQ方針に抵触いたしたのでありまするが、閣議決定におきましても、この審議会整理方針というものをきめまして、いろいろ例外もございましたが、大体GHQサゼツシヨンに或る程度マツチした審議会整理方針を作りまして、それに基きまして内閣審議会の存廃を審議いたしたのであります。運輸省といたしましては、このままで置くことは審議会整理方針という閣議決定に反するように相成りまするので、幾らか性格を変えまして、ホテル登録そのもの審査するというふうなことでなしに、登録いたしまするホテル施設基準解釈決定するというふうな形で仕事内容を改め、又ホテル旅館事業振興方策或いは整理計画というふうな問題に力瘤を入れて頂くような審議会を置いたらどうかという意見も提出いたしたのでございまするが、内閣側の容れるところとならず、閣議におきまして廃止するというふうな方針決定いたしましたので、政府提案といたしまして、審議会廃止を提案するということに相成つた次第であります。  次に二十八条でございますが、これは二十八条中第四条第一項第一号及び第二項を第四条に改めるということがございますが、この第二十八条は、ホテルに関する条文ホテル以外のいわゆる旅館に準用しておる条文でございます。その準用条文の中に第四条第一項第一号及び第二項というふうになつておりますのは、第四条第一号は施設基準に該当しないものであるときは、登録しないでもいいということになつておりますが、それ以外に第二号には禁治産者、準禁治産者又は破産宣告を受け復権を得ない者であるときというのがございますが、第三号は申請者法人である場合において、その法人役員に前号に掲げる事由があるとき、第四号は申請者資力信用が不十分なため、ホテル業の確実な経営が著しく困難であると認められるときというふうにございます。これがこの三つの第二号、第三号、第四号が旅館の場合には準用しておらないのであります。従つて現在の法律では旅館登録申請者禁治産者であつても、準禁治産者であつてもいい、破産宣告を受けた者でもいい、又資力信用が不十分な者でもいいし、法人である場合に法人役員禁治産者、準禁治産者であつてもいいというふうなことに相成つておるのであります。併し旅館経営者もこの法律による登録を受けますと、相当恩典も受けますので、ホテル業者との均衡ということもございまするし、実際問題として破産を受けているようなもの、資力信用が不十分なものが立派な旅館として登録許可を受けるということはちよつとおかしうございますので、この際ホテルと同様に、登録を受ける旅館の場合にもその経営者がこういつた資力信用において十分なものでなければいかんということにいたしたいと考える次第でございます。併しこれは従来の実績を見ますと、登録申請をいたして参りますような立派な施設を持つ一流の旅館におきまして、こういつた資力信用が不十分、或いは禁治産者や準禁治産者なつている者は今までのところはございません。ございませんが、併し旅館ホテルとを比べました場合に均衡も惡うございますし、又一軒でも二軒でもそういうものが出て参りました場合に、それだけの理由では登録の拒否ができないということになることもおかしうございますので、この際第四条は全面的に適用させたい、こう考えるわけでございます。同じく第二十八条の中で「第十一条第三号中第四条第一項各号の一(第十二条第二項において準用する場合を含む。)」とあるのは「第四条第一項第一号とを削る。」、これは第二十八条の一番最後にあります読み替えの条文でございまして、第十一条第三号と申しますのは、登録ホテル業を営んでおりまするものが登録を取消されるという場合を列挙してございますが、その第三号に、「第四条第一項各号の一の場合に該当するに至つたとき。」というふうに相成つておりますが、今申上げました通りホテル旅館信用条件を同じようにいたしましたので、これが要らなくなつたのでございます。それまでが本条文整理でございまして、それからあと別表施設基準がございまするが、この施設基準につきまして、実は昨年の八月から現在まで十七回に亘りましてホテル旅館登録審査をいたしましたところが、実際問題として審査いたしますと、この施設基準が必ずしも正確にできておりませんので、いろいろ疑義がございました。又実際問題として適用をするのに工合の惡いという点もございましたのでホテル審議会意見を大体徴しまして、実際に合うように、この施設基準改正いたしたいと考えるのであります。内容は細かいものでございますが、一応順序として申上げますと、別表第一というのはホテルに関する施設基準でございます。ホテルに関する施設基準の中で第四号は洋式客室条件を書いてございますが、この中にイ、ロ、ハ、ニと四つの条件がございますが、そのあとに先ず外気に面する開口部があるというのを入れたいと思うのであります。これはどうしてかと申しますと、ホテルにおきましては、六大都市におきましては客室が三十室以上なければならない。六大都市以外におきましては、十五室以上なければならないという条件が付いておりますが、この洋式客室の中で実際問題といたしまして、全然外に面しない、外に窓を持つていない、内側にだけ、例えば廊下にだけ窓を持つたような室があるホテルが出て参りまして、いろいろ議論が出たのであります。併しこういうものを基準客室に入れることは不適当である。少くともまだ現在日本ホテルでは室内照明或いは室内換気装置から言つても、中にだけ口が開いておるような部屋基準客室として認めるわけにはいかんというふうな意見が強うございまして、実際問題として私どもも少くともやはり外に対して開口部があるということを条件にしたほうがいいと思いますので、これを入れたいと思うのであります。その次は第六号でございますが、これは食堂条件であります。現在はただ「食堂があること。」というふうになつておりますが、その規模を全然制限いたしておりません。これも実際問題といたしまして、この施設基準に合せまして部屋を造る。そしてただ申訳だけの食堂を作つたようなものが申請して参つたのであります。これに対しましても、やはりホテルと名が付く以上に客足の収容人員にふさわしい規模食堂がなければならんということは当然でありますが、このただ「食堂があること。」という書き方だけでは疑義がございまするので、そういうふうに改めたいと思うのであります。  次は第十一号でありますが、十一号には「暖房設備があること。但し、夏期限り営業をするものについては、この限りではない。」ということになつておりますが、この夏期に限りというのも少し時期的に見ましてもおかしい点がございまして、実際問題としては冬だけ営業をしないホテル幾つかあるのであります。そういうところで暖房設備を持つていないものもございまするし、こういうふうに夏期限り営業するものについてだけ例外を設けますと、そういつたものが果して登録を受けられるかどうかというふうな疑義が出て参ります。そういつた疑義はないように、季節的に営業するもので、その必要がないものは暖房設備がなくてもいいということに改めたいと思うのであります。  次の十二号には、現在は「開口部には、防虫用金網が張つてあること。」ということになつておりますが、この開口部というものも一体どの開口部かということは疑義がございますが、実際問題といたしましては、外に向いておる外気に面する開口部ということでいいと思うのでありますが、それをはつきりいたしたのであります。それから場所によりましては、この金網を張りますのは勿論虫を防ぐためでありますが、全然そういう必要がない場所幾つか実際問題としてあるのでありますが、そういうところまでこういつた設備を要求するのは少し酷でありますので、例外といたしまして、そういう防虫上の必要がない場合にはこの限りでないというふうに入れておるのであります。  第十三号は、現在は、「便所水洗式であり、且つ、座便式のものがあり、共同用のものは、男女に区別して設けられてあること。」となつておりますが、これにつきましても、ただ「男女に区別して設けられてあること。」となつておりますので、実際問題としまして、入口一つで、中に入つてから二つに分れておるというものがかなり多いのでありますが、ホテル旅館においては少くも外客対象として考えました場合には、当然入口から別になければならんということなのでありますが、併しこの十三号の書き方は少し疑義がございますので、はつきりいたしますために、「共同用のものにあつては、その入口から男女用の区別があること。」というふうに改めてございます。  その次は、「別表第一号を第二号とし、」、これはその次に「環境が良好であること。」ということを加えますために、一号ずつ繰下げるのでありますが、「この環境が良好であること。」ということを入れますのは、このホテル別表第一の施設基準を御覧願いますと、福利的な施設基準ばかりでありまして、環境とか、そういうことは全然言つておりません。ところが別表第三の旅館のほうには、旅館施設基準の第一には、「環境、建築、外観及び庭園が優秀で、外客を喜ばせるに足るものであること。」というふうな規定が入つておるのであります。過去十数回に亘つて審査をいたしましたところが、環境が必ずしも外客対象とした旅館として適当でないようなものも出て参るような形勢がございます。旅館との比較から申しましても、やはり環境というものを一つ条件にするほうがホテルの場合もいいのではないかという意見ホテル審議会でも強うございまして、実際問題として、やはりそういうふうな方針十分審議をして参つておるのであります。この際やはりそういつた方針でやる以上は、法律の中に明らかにしたほうがいいというふうに考えられますので、一番最初に「環境が良好であること。」というのを入れたいと思うのであります。  以下は別表第三の旅館に関する施設基準改正でありまして、ホテルのほうを改正いたしましたので、これに合わせまして改正いたすものであります。防虫用金網の問題、それから共同用便所入口から男女用に区別するということ、これを旅館施設基準と歩調を合わせて改正する、こういう内容なつておるのであります。  これで一応条文ごと説明を終りたいと思います。
  4. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) これより質疑に入ります。順次御発言を求めます。
  5. 高田寛

    高田寛君 その改正案はいろいろ細かい施設などの条件どもあるのですが、主な点はホテル審議会廃止ということだろうと思うのですが、このホテル審議会は今までホテル旅館登録その他まあ個々行政処分について審議に当る一方、又ホテル旅館のこの事業振興上に関するいろいろ行政官庁への建議というようなことで、相当活躍して来たものと私どもは思つているのですが、又一面このホテル事業がいろいろ政府の中でも運輸省とか、厚生省とか、建設省とか、いろいろな省に関係がある。それでホテルの問題を取扱うのには、いろいろその省の間で打合せなければならんということが今日の行政機構では煩瑣な点であると思つているわけですが、それがこの審議会ならば、その関係の省からそれぞれ委員が出て、この審議会できめれば、一応各関係省の間で連絡がとれるということになつている。この審議会廃止になりました場合には、こういうような関係各省の間の連絡というようなことが、実際問題としてやりにくくなるのじやないかという点を虞れるのですが、これは今後廃止された後にはそういうような心配がないかどうか、又あるならばどんなふうに連絡するおつもりか、その点を一つ伺いたいと思います。
  6. 間嶋大治郎

    政府委員間嶋治郎君) 只今の御質問につきましては、実はこういうふうな審議会ができました理由一つといたしまして、やはり従来関係省間でやつておりまする書面会議とか、そういうような手続を廃しまして、関係省が集まつて、そこできめてしまう。そのほうが簡便でいいということも、実はこういつた審議会ができました一つ理由であつたのであります。それで現在厚生省建設省、それから運輸省関係局長委員なつております。それからなお関係のありまする通商産業省につきましては、法律では通商産業省官吏委員になることにはなつておりませんが、その後打合せをいたしまして、通商産業省に入る関係の深い会社に、通商産業省におられまして、そのほうの事務に精通しておられるかたを委員のうちに一名加えまして、通商産業省のほうの連絡もとるということに他省との打合せができておつたのであります。実はまあこの審議会廃止されますと、そういつたことはできなくなるわけでありまして、事実関係省からもこの審議会がなくなることは、これは閣議決定だからやむを得ないが、その後の連絡をどういうふうにするかということも聞かれておるのであります。併し閣議決定では審議会がなくなつた場合に、名前は変えても、同様なものを作つてはいかんということも閣議決定の中にもございまするので、そういつた何と申しますか、法律に基かない協議会或いは委員会というふうな形のものを作ることはできないと思うのであります。私どもといたしまして考えておりますのは、非常に疑義がありまするような場合に、実際問題として相当権威者が集まつておるホテル協議会或いはその他の団体或いは学識経験者個々意見を徴するより方法がないと思いまするし、又関係省との間には一応今後打合せをすることになりますが、できるだけ書面会議というようなことは省きまして、私どものほうの希望といたしましては、ほかの省に関係のあるような事項につきましては、あらかじめ適当な方法連絡をとり、書面会議しなければ仕事が進まないというようなことは成るべく避けて、事実上連絡するというようなことで了解を得たいと、かように考えておる次第であります。
  7. 内村清次

    内村清次君 ちよつとこの際これに関連しまして質問いたしたいのですが、この国際観光ホテル整備法がこの委員会で取扱われましてから、その後におきまして、この運輸大臣に対して登録を願出たと、而も審議会を経、運輸大臣許可を得て登録を指定されたところの営業者がどれくらいできておるか、その点先ず伺いたいと思います。
  8. 間嶋大治郎

    政府委員間嶋治郎君) お手許に差上げました関係資料の第四頁にちよつと書いて置きましたが、現在までに運輸大臣審議会に諮問いたしました件数は、ホテルが四十四件、旅館が十八件、合計六十二件でありますが、そのうち登録を可として運輸大臣に答申いたしましたものが、ホテルが四十三件、旅館が十七件となつております。而も実際登録しましたものは、これよりたしか二、三件少ないと思いますが、それは手続きだけの問題で、まだ官報に報告しておらんというだけでございまして、運輸大臣としては大体答申通りつておりますので、このホテル四十三件、旅館十七件が現在までの登録件数とお考えなつていいと思うのであります。結局登録を認められなかつたものは、ホテルが一件、旅館が一件でございました。大部分がそういうふうに登録を受けておりますのは、施設基準相当はつきりいたしておりまするし、又登録しようと思う旅館の分はあらかじめ不審査のようなことで、事実上持つて来られて相談をするという場合が多いので、審議会へ出て、それは施設基準に合わないであろうということで引つかかるのは殆んどないと考えております。
  9. 内村清次

    内村清次君 この登録をされましたホテル業者は勿論でありまするが、この指定を受けますものは、特にこの融資対象になるという法案内容でもあつたようにも存じますが、この融資を受けましたところの即ち額ですね。こういう点は御調査なさつておりますか。
  10. 間嶋大治郎

    政府委員間嶋治郎君) 融資の件につきましては、法律の中では施設或いは経営内容改善について運輸大臣が勧告をする以上は、或る程度融資考えなければいけない。こういう内容なつておるのであります。ですから登録を受ければすぐ融資対象になるのではないのであります。が併しこの法律にかかわらず、運輸省といたしましては、ホテル旅館設備改善が現在急務でありますので、いろいろの融資斡旋はいたしております。法律に基きまする経営或いは設備改善命令を出しましたことは現在までのところはまだ一件もございません。御参考までに現在までの融資斡旋の概況を申上げますと、最近のはちよつとわかりませんが、これは本年一月末の現況でございまするが、ホテル旅館に対しまして、一般銀行融資、これが七十五件で三億三百七十五万円、それから中小企業の見返資金融資が八件で二千二百六十万円、合計八十三件で三億二千六百三十五万円、これは一月末の現況であります。なおそれ以後数件あると思いますが、それ以外に見返資金によりまするホテルの新設といたしまして、昨年度末に横浜及び名古屋におけるホテルに対しまして、見返資金から四千万円ずつの融資合計八千万円の融資がございました。なおそれ以外の小規模のものも数件はその後もあるはずであります。まだはつきりいたしておりません。
  11. 内村清次

    内村清次君 当時のこの立法をやります過程におきまして、指定を受けましたホテル業者につきましては、その整備を充実するためにも、又今後の経営を円滑にするためにも、このいわゆる地方税の減免の問題が当時問題になつたわけでありまするが、その後におきまして、これは各地方におきましても、この運動が相当展開されておつたところもある、特にこの点につきましては、運輸省の計画を地方的によく宣伝し、徹底させたところの部門におきましては、例えば名古屋のごとき、こういうところではすでに地方議会にも働きかけて、この運動が展開されておるということを私聞いたわけですが、こういうこの税金の減免の点につきましての問題が取上げられたところがあるかどうか、この点について伺います。
  12. 間嶋大治郎

    政府委員間嶋治郎君) ホテル整備法によりまする登録を受けましたホテル旅館が税の軽減を受けます場合には、先ず法人税でございますね、これは登録ホテル及び登録旅館両方とも適用を受けることになつておりますが、これは法律にありまするように、耐用年数が大体普通の建物の半分くらいのところでありますので、それだけ毎年余計に償却ができ、従つて平均が比較的少くなりますので、税も従つて軽減される、こういう結果になるのであります。この点は実際上の取扱が国税庁から出るのはかなり遅れておりましたが、これは最近地方まで徹底いたしまして、この法人税の取扱、登録ホテル登録旅館の要領が国税庁から出ました。これは大分最近はよく徹底いたしておりまして、登録を受けましたところはこの恩典を受けておるわけであります。それから地方税につきましては、法律には登録ホテルにつきまして、地方税法にある不均一課税の条項ですね、これの適用があるものとすると、こうなつておるのであります。ところが地方税法を見ますと、公益上必要がある場合には不均一課税をすることができるということになつておる。ですから国際観光ホテル整備法では、地方税に関して登録ホテルに関して何と申しますか、更にここで確認をしたというような形になつておるのであります。ですから法律にはありませんが、登録旅館でも地方でやろうと思えば地方税の軽減ができるということは当然であります。運輸省といたしましては、登録されましたものにつきましては、ホテルは勿論でありますが、旅館につきましても、できるだけ地方税即ち固定資産税を軽減してもらいたいという意向でありまして、実際の取扱いといたしましては、ホテル或いは旅館登録を受けました場合、登録をしたということを地方の府県及び市町村に通知をいたしまして、その際にこれに対する地方税の軽減措置をとつてくれということを一々要望いたしておるのであります。現在までのところ、私のほうに報告が参つておりますのは、京都が洛陽ホテルに対しまして六割の減額をいたしました。それから横浜で横浜のニユーグランド・ホテルに対して五割の減額、それから大阪でも大体五割の減額をする予定だということを聞いております。それから旅館につきましては、仰せの通り各地でかなりそういつた方面の運動をしておられるようでありますが、私どものほうで承知いたしておりますのは、鹿児島県から照会がございまして、あすこで登録を受けた旅館がありますが、この旅館に対して固定資産税の軽減をやつてもいいかという照会が参つたのであります。私のほうとしては、当然それはやつてもらいたいことだというふうに回答をいたしておきましたので、恐らくやると思います。あらゆる機会に登録を受けましたホテル旅館についての固定資産税の軽減については、運輸省といたしましては、関係庁と折衝して慫慂しておる次第であります。
  13. 内村清次

    内村清次君 今回の改正部分につきましては、この審議会廃止というのが一番大きな問題でありますが、従来のこの整備法が両院を通過いたしましてから、運輸省関係では勿論観光部の所管事項といたしまして、特に下部機関といたしましては、これは陸運事務所ですか、陸運監督局ですかね、そういうような部門が持つておりまするが、そういう局の配置されたところの地域というものは非常に限定されておつて、例えば九州には福岡局がある、そうしますると、その局の周域関係だけは相当こういう恩典に与つて、或いは融資をしてもらうのだとか、或いは又地方税の問題まで食い下つて行かれるというような形態が非常に旺盛でありまするが、その他の府県に入つて参りますると、やはり局の担当者の熱意如何によりましては、相当まだ地方的に浸透しておらないという部面もあるようでありまするが、県のほうにはやはり観光課というのがあるが、そういう点とも、こういうものは連絡をとつて頂いてそうして両面からこういう法案の性質を理解させつつ、希望者に対しては従来審議会においてそういう指定を受けるようなことができやすいようにされておつたのかどうか、そういう状況ですね。各県に対する登録関係の比率ですね、ちよつとこういう点を客観的な皆様がたの観点から一つ意見を申述べて頂きたいと思うのです。
  14. 間嶋大治郎

    政府委員間嶋治郎君) 只今の御質問に対しましては、国際観光ホテル整備法のこの登録という点は、これは地方庁或いは陸運局を経由せずに直接運輸省でやる、こういう実は建前をとつておるのであります。併し地方におるかたが、この法律内容がよくおわかりにならなければ困るのでありますので、この法律内容につきましては、陸運局或いは地方庁の観光課或いは観光を担当しておる課に対しまして、よく内容説明をし、会議等によりまして内容を徹底させまして、そうして申請書等も配付いたしまして、そうして指導を頼んでおるわけであります。併し何と申しますか、施設基準に合致しておれば運輸大臣登録をしなければいかんという義務があるという建前になつておるのでありまして、地方でそう審査するというふうなものではないのです。却つて経由いたしますと、手続が非常に遅れるということも考えまして、受付けは直接みんな運輸大臣がやる。併し地方まで来ていろいろ聞かれるのは業者のほうで不便であろうから、話は地方庁で、或いは陸運局でわかるように、こういうふうにしてあるわけなのです。ですから地域的に陸運局所在地から離れておるから恩典に浴さないとは考えておりません。そういうことはないと思いますし、又府県のほうでも、各府県の観光課長会議がありまして、この内容は徹底させてありますので、内容はよく承知しておるはずなのであります。仰せのような御心配はないと思います。ですから東北の端のほうでも、すでに登録を受けたものもございまするし、東京、大阪等でもまだ数はそう多くございませんが、結局旅館のほうでも、ホテルのほうは大体設備がここに書いてありまする施設基準に合致しておるものが多いのでありますが、旅館はやはり或る程度手を加えないといけないところが多いのです。例えば便所にいたしましても、入口から男女別に分れる別の便所がなければいけないという条件がありまするし、それから開口部防虫用金網がなければいけないという点があります。そういうちよつとした点がまだ改良されておらないために登録できないところが多いので、私どもの聞いておりまするところは、一流旅館はそういつた点の整備を急いで、整備ができ次第逐次登録申請をして来ておるというのが事実であろうと思うのです。
  15. 内村清次

    内村清次君 今の御答弁の中に、これは私たち直接先般運輸委員会の何ですか、命令によりまして、地方へ出張いたして行つたわけですが、該当官とも会いまして、よく話を聞いて見ますると、問題は、それは大きくホテルとして建設をする部面の大きいそういう経営は、これはまあ別でありまするが、旅館を改装して、そうしてこの設備基準に合致するようなホテル、いわゆる合併的なホテル経営をやつて行こうというような、こういう業者に対しましての働きかけと申しますか、いわゆる法案の徹底と申しますか、そういうようなこと、同時に又それにはやはり相当融資の面も業者自身も困難しておる段階でもありまするからして、そういう点につきましての融資の途ですね。そういう点の相談にも乗つて行くということは、やはりこの関係者がこちらから働きかけて行く、教えてやるというような積極的な態度のところが相当まとまつておるようであつて、而もこれは一般公衆に関係して見ますると、非常にそこに入つて行けば明るく非常に便益である。又旅館としてのいわゆる気持も格段の差があるというところで、公衆自体は非常に便益をこうむるわけですが、ところがやはりその係りの熱意次第によつてはどうも徹底しておらない、而も又その人たちの苦心談を聞いて見ますると、本省関係においては地方の県庁のいわゆる観光課長ですか、そういう会議のときにおいて、自分たちを陪席をさせて、その会議内容あたりをよく徹底するように聞く機会を頻繁に与えて頂けば、なお互いに啓発されるところもあろうしというような苦心談も話しておつたようですが、こういう点は旅費関係とどういうふうになつておるか知りませんが、そういう熱意のある所もあつたわけです。そこでやはりまだ不十分な個所が全国においては見受けられると私たちは考えておるのですが、これに対しましては一つ今後において善処方を願いたい。これは公衆の立場から非常に旅先で気持のいい所と惡い所もあります関係で、こういう折角の法律ができました以上は法律を徹底して頂きたい。以上です。
  16. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 別に御質問もなければ、討論に入ることに御異議ございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) じやこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。
  18. 高田寛

    高田寛君 私はこの改正案に賛成の意を表するものであります。このホテル審議会廃止ということについては、今後果して運用がうまく行くかどうかということについては懸念はあるのでありますが、これは一般の審議会整理という方針の下にやられるのであり、それから又すでに参議院におきましても、運輸省設置法の改正によつて、この審議会廃止決定していることでもわかりますものですから、この点は論議をいたしませんが、ただこの審議会がありましたために関係各庁の連絡が円滑に行つた。これがなくなつ登録その他の事務が、各庁間の連絡が円滑を欠いて非常に澁滞するというようなことを恐れるのであります。よりまして、今後審議会がなくなりましても、関係官庁の間の連絡は迅速に簡単に運ばれて、登録その他の事務が決して澁滞を来たさないようにという希望を付しまして賛成するものであります。
  19. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 別に御意見もなければ、討論を終局したものと認めて直ちに採決に入ることに御異議はありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 御異議ないものと認めまして本案の採決に入ります。  本案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手をお願いいたします。    〔総員挙手〕
  21. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 全会一致でございます。よつて本案は可決することに決定いたしました。  なお委員長の口頭報告と、事後の手続きは慣例によりまして、委員長に御一任をお願いいたします。  多数意見者の御署名をこれからお願いいたします。   多数意見者署名     岡田 信次  小泉 秀吉     高田  寛  内村 清次     菊川 孝夫  小酒井義男     高木 正夫  前田  穰     村上 義一  松浦 定義   —————————————
  22. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次に日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題に供します。提案者より提案理由説明を求めます。
  23. 前田正男

    衆議院議員(前田正男君) 只今議題となりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案につき、提案者を代表いたしまして、提案の理由並びに要旨を御説明申上げます。  日本国有鉄道法は、第三回国会において可決を見、昭和二十四年六月一日から施行せられておるのでありますが、この法律は、公務員の労働問題解決を契機として急遽法制化せられたため、その内容は必ずしも整備されたものとは言い得ないのであります。  今第三回国会において本法審議の際論議せられました最も重要な事項を挙げますと、従事員に関する事項を除いては監理委員会の性格及び総裁との関係役員に関する事項、運輸大臣の監督権等でありまして、そのうち財務に関しては第四回国会において改正せられたのであります。公共企業体としての日本国有鉄道発足以来約二カ年を経過したのでありますが、その間における実情に徴しまして、国鉄運営上並びに運輸行政の総合性を期する上にも適切でないと認められるものがあるのであります。先ず監理委員会であります。本委員会は、国鉄の最高機関として国鉄の業務運営を指導統制する権限と責任を有すると定められているのでありますが、必ずしも所期の目的を達しているものとは考えられないのでありまして、むしろ総裁の諮問機関的或いは審査機関的存在と見るを至当とするようであります。而も「総裁は、監理委員会に対し責任を負う。」と定められているため、国鉄運営の責任の所在は明確ではないのであります。ついては、この際これを廃止して国鉄運営の責任体制を確立し、総裁以下役員をして全責任を以てその創意工夫によつて運営に当らしめることが、国鉄経営の能率化と健全なる発展を期するゆえんであると思料するのであります。  次に運輸大臣の監督権についてであります。日本国有鉄道の公共企業体たる本質に鑑み、これが自主性はでき得る限り尊重し、これに対する監督を最小限度にとめなければならないことはもとよりでありますが、国鉄は国の事業経営監理しているもので、監督上の最高責任は申すまでもなく運輸大臣にあるのであります。従つて公共の福祉の確保、他の運輸機関との総合調整を図るため監理委員会廃止に伴つて、必要の最小限度において、若干の許認可事項を追加すると共に、命令権の内容を明確にすべきであると考えるのであります。  以上のような趣旨に基いて立案いたしましたのが本改正案でありまして、その要点は次の通りであります。  先ず第一に、監理委員会廃止したことで、これが本改正案の主眼であります。第二に、役員に関しましては、監理委員会廃止に伴い、新たに監事を置き、総裁、副総裁、理事並びに監事の員数、任免方法、任期等を規定又は改正した点であります。第三には、運輸大臣の許認可事項といたしまして、運輸事業の貸渡又は借受及び運輸事業経営の委託又は受託並びに国鉄の基本的な業務運営組織の変更の二項を追加し、又運輸大臣の国鉄に対する命令権の内容を明らかにいたしまして、国鉄が運輸大臣の許認可を受ける事項並びに地方鉄道法又は軌道法の規定により地方鉄道業者又は軌道経営者に対し命令、許認可した事項であつて国鉄と関連のある事項を例示したほか、運賃法の規定により総裁の定めることができる運賃料金の変更を命ずることができるようにいたしましたが、命令権はいわゆる伝家の宝刀で、みだりに発動すべきものでないのでありまして公共の福祉を増推するため、特に必要と認められる場合に限られるのであります。  なお、運輸大臣に立入り検査権を認め、国鉄から報告を徴するほか、いつにても独自の立場において立入り検査をなし得ることとし、又監事に対し国鉄の事業経営成績及び財政状態に関し意見を求めることができるごとといたしまして、双方相待つて監督者として国鉄の実情を把握するに遺憾のないようにいたしたのであります。その他本法施行に伴い、必要な役員の任期の経過規定並びに運輸審議会付議事項の追加等所要の改正をいたしました。  以上日本国有鉄道法の一部を改正する法律案提案理由並びに要旨について申上げました。何とぞ愼重御審議の上速かに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
  24. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 本案の専門員の報告並びに質疑等は次回に讓ります。   —————————————
  25. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次にこの際お諮りいたしたいのでありますが、モーター・ボート競走法案審議のために、参考人として自動車内燃補助器研究所長福島世根君、財団法人舟艇協会前理事長堤徳三君の両人を本委員会参考人として御出席願うように取計らわれたいという申出が提案者からありましたが、さよう取計らいまして御異議ございませんでしようか。
  26. 岡田信次

    ○岡田信次君 もう少し先に提案者説明を聞いたら如何ですか。
  27. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 提案者が参りまするときに、この参考人を伴つて出席いたしたいとの申出であります。無論提案者説明を申上げるのでありますが、会期も大分切迫しておりまするので、提案者参考人を帶同いたしまして、主として提案者が自身説明を申上げ、質疑応答をいたし、併せて参考人の発言をもお許し願いたい、こういう申出でありました。
  28. 岡田信次

    ○岡田信次君 それは提案者から聞いたあとでなければ、参考人を呼ぶべきかどうかちよつと判断が付きません。
  29. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) どうぞ本件につきまして、御意見を御遠慮なくお述べ願いたいと思います。大体そういう御希望が出ましたらば、岡田委員只今の申出通り取計らいましようか。
  30. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 関連があるから、岡田さんのようにお取計らいになつたほうがいいのじやないですか。
  31. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) じやさように……。それではこの次は提案者より説明を求めまして、その次に両名の参考人を出席するように取計らうように決定いたします。
  32. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 いや、この件は取計らうのではない、必要の場合にはと言うんですよ。
  33. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ああそうですか、それでは私の只今決定を取消しまして、先ず提案者より十分説明を聞き、必要とあれば、その次に只今参考人の御出席を求めるということに取計らいます。
  34. 内村清次

    内村清次君 只今の件はそれで私賛成ですが、この際ちよつとお伺いして置きますことは、これは運輸委員会で、一応いわゆるこの地方行政委員会との合同審議の問題、或いはこの車両法に対するところの法務委員会との合同審議の問題、こういう問題は一応運輸委員会でも決定したことでありまするが、ただ道路運送法の審議に当りましては、この委員会では地方行政委員会との合同審議の際においては、この地方権限の問題ですね、こういう問題は成るたけ一つ触れずに、そうしてこの案全体の構想について、一応地方行政委員会委員長をして、この意見を聞く、政府に又聞くというような形で合同審査と申しまするか、相談会と申しまするか、そういう形で開こうというのであつたわけですがね、昨日の委員会に入つてみますると、問題の焦点は、この地方委讓の問題、これがその焦点になつておつたのでありまするが、これは少し約束が違わないかと私たち考えまして、昨日は臨んだわけですが、これはどういう関係なつておつたのか、又今後この合同審査委員会というものを開かれる意思があるのであるかどうか。この合同審査の件につきましての委員長のお考え一つ明らかにして頂きたいと思います。
  35. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) お答えいたします。地方行政委員会との連合委員会は、地方行政に関係のある部分について道路運送法案並びにその施行法案審議をいたしたわけで、それ以外に別に制限はなかつたのでありますが、第二の御質問の要点の、次回に開くか開かないかという点につきましては、明日午後三時から再び且つ最終の連合委員会を開くように打合せが済んでおります。大体その時間は約一時間で終了することに予定されております。
  36. 内村清次

    内村清次君 あの委員会で一委員の発言によりまして、神戸委員会の勧告の報告と、それから地方庁関係のそういう関係者を呼んで、そうしてあの合同委員会の席上において意見を聞くというようなことになつているのですが、そういうやはり手続をとつて、結局根本の考え方は、地方委讓が可能かどうかというような、そういう論戰の展開だろうと思うのですが、これは地方行政委員会という一つの性格から考えてみますと、この私たちの考えとは少し違つているような感じがあるし、同時に今回の道路運送法というものは、主管は勿論これは運輸委員会の主管になつておりまして、現在政府が出しているところの案自体をよく検討いたしまして、そうして私たちは私たちの立場から、これをどうするかという決定をしようと、こう考えているのですから、その委員会の性格の違つた、又一貫したところの、即ち地方委讓を根本としておられるところの委員会のかたがたが、そういう勧告をしたところの委員会、或いは又地方自治庁関係を呼んで合同審査の名目の下にやつて行かれるということは、会期も切迫しております今日でありますからして、最初の約束とどうも少し違つておつたような感じもいたしますが、やはりそれをずつと続けて行かれる考えであるかどうか、そういうような、即ち委員の提案を認めつつ、その会議を進行させて行くお気持であるかどうか、これを一つ再度お願いいたします。
  37. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 私の昨日の連合委員会での記憶によりますれば、大体いわゆる神戸委員会におきましても、道路運送事業に対しましては広域的な、狭くない、この広域的な全国的な統制についての勧告内容であつたと、併しその一部分について地方的に委讓ができるかどうかというのが大体の地方行政委員側の趣旨であつたかのように、或いは記憶違いであつたら取消しますが大体そういうような記憶であります。そして皆様にも昨日お諮りいたしまして、明日の連合委員会の最終段階に入るということをお打合せいたしましたような次第でありまするので、明日のことは連合委員会はそれを以つて終了する見通しが付いております。あと運輸委員会独自の立場で連合委員会の趣旨を尊重せられつつ、独自の立場で御審議願うという段階でありまするので、大体の只今の見通しとしては、今国会中に審議を終了して頂きたいし、又頂けるのではないかと大体の見当を付けておる次第でございます。   —————————————
  38. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは次に、道路運送法案道路運送法施行法案二案を一括して議題に供します。本日は前回に引続きまして、質疑応答であります。
  39. 小酒井義男

    ○小酒井義男君 二、三点について御質問を申上げたいと思います。道路運送法案第二十六条の二項にありまするところの「前項に規定するものの外、同項の従業員の服務規律は、運輸省令で定める。」という条文がありますが、こうした従業員の服務規律というようなものは、それぞれの事業体において就業規則等が設けられておりますので、こういうもので規定をして行けばいいのじやないかというふうに私は思うわけです。運輸省令で、どうしてもこれをきめなければならないという理由がありましたら、それを一つお聞かせ願いたいと思います。
  40. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) この条項は先に御説明いたしましたように、現在運輸省令、自動車運送事業運輸規程の中に、これに相当する規定が入つているわけでありまするが、従業員の服務を嚴正にいたしまして、旅客に対するサービスを向上せしむることは、運輸事業として非常に必要なことであろうかと思うのであります。殊に規律を守つて行くということは、すべての事業におきまして、能率の上からも必要なことであり、又安全を確保し、運輸の完璧を期するという意味合いからいたしますれば、非常に必要ではないかと考えているわけであります。この条項において言つておりますのは、旅客に主に接する従業員だけにつきまして、殊に運転手、車掌につきまして言つておるのでありまして、勿論就業規則その他におきまして、勤務時間であるとかというものは言つておりますけれども、ここで言つておりますのは、主として概括的に規律の嚴正を保つて仕事の能率向上、又運転の安全という点から規定をいたした、こういう意味合いでございます。
  41. 小酒井義男

    ○小酒井義男君 次に二十七条でございまするが、この運転手は一定の要件を備えた者でなければならないという条文の中に、「年齢、運転の経歴」とありますが、「その他政令で定める一定の要件」という字句がありますが、「その他政令で定める」というのは、大体どういうふうな範囲のものであるかお伺いしたいと思います。
  42. 佐竹達三

    政府委員(佐竹達三君) お答えを申上げます。御承知のごとく運転免許に関しましては、従来道路運送取締法というのがございまして、それでやつておりまして、戰前には一般免許といわゆる就業免許と称するものと二種類あつたのでありますが、戰争中にこれが廃止になりまして、一般免許だけですべての公衆を乘せる車でも、大きい車でも何でも運転できる、こういう建前になつております。私どもといたしましては、公衆用の車に対する運転の保安度面から考えまして、ドライバーとシヨーフワーのライセンスというものは当然差別があるべきだと思うのであります。これは各国ともどこでも差別を付けておるのでございまして、殊に昨年来重大な事故が発生いたしましたのに鑑みまして、或る程度二つに差別を付けるべきではないかということを考えまして、公安委員会のほうに御相談をいたしました、それでその結果、今回の法令に盛るような形になつて現われて来たのでございますが、現在私どもが省令といたしまして考えておりますことは、まだこれから各方面にもいろいろ御相談申上げなければならないと存じますが、大体におきましては、年齢は約二十歳、そうして運転経験は何でもよろしいが、バスにおきましては約一年、ハイヤーにおきましては半年の経験を持つていればよろしい、そのほかに道の惡い場所、雪や何かで滑りやすい所、そういつたようなところで適当に処理し得るような機能を持つこととか、何とかということも多少条文には考えてございますが、主要な点は大体そういうことでございまして、これはこれからまだ関係者とも御相談申上げなければならないこととなつております。    〔委員長退席、理事小泉秀吉君委員長席に着く〕
  43. 小酒井義男

    ○小酒井義男君 次に、四十一条の二項でございますが、「運輸大臣は、当該休止又は廃止によつて公衆の利便が著しく阻害されるおそれがあると認める場合を除く外、前項の許可をしなければならない。」という条文なつております。そうしますと、この休止或いは廃止をするような場合には、事業経営が採算がとれないというような場合が多いと思うのですが、それを許可しないということになる場合には、どういうふうなその措置をして行かれるのか、そういう点について……。
  44. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 自動車運送事業者がこの路線を、その事業を休止したいとか、廃止したいという申請がありましたときに、これを許可しないということは、実際問題としてなかなか無理なことであろうかと考えられます。ただ普通の社会通念から言いまして、又その休止廃止によりまして、公衆の利便を著しく阻害すると思われるものに対し、これを休止廃止をするというようなことは非常に少いと私ども考えておるのであります。この第二項によりまして、ここに掲げてありまする条件を除くほかは原則として許可いたすのでありますが、この本条を立案するに際しましても、休止廃止というような申請があれば、これを無理に許可しないということは、いささか無理ではないかという議論も出たのでありますが、自動車運送事業の公共性に鑑みまして、公衆の利便がはつきり著るしく阻害されるものを許可をし、又許可をしないで放任をするということは、事業の公共性に鑑みまして適当でございませんので、こういうふうに書上げてあるわけでございます。実際問題としますれば、休止廃止申請すれば、又事業者がその点は公共性をよく知つておるものと私ども考えておりまするので、さほどの問題は起らないのではないか、こういうふうに考えております。
  45. 小酒井義男

    ○小酒井義男君 次にこれは第百十条の問題と関連するわけですが、この道路運送審議会委員の、事業経営に関する関係を持つ問題がいろいろ考えられる場合に、そうした関係事業等、一応委員であるうちには、事業に対する関係はないほうがいいというような考え方を持つて行きまする場合には、委員の生活の保障というような問題が起つて来ると思うのでございますが、現在この委員に対する手当と言いますか、何は大体どのくらい出されておるのか、その金額を一つ……。
  46. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 道路運送審議会委員は国家公務員でございますが、非常勤の公務員になつております。従いまして一月幾らという正確の給料を定めておりません。  実際に勤務日数に応じまして、勤務日数一日につきまして、委員長は一日一千六百五十円、委員は一千四百五十円であります。
  47. 小酒井義男

    ○小酒井義男君 大体これで一カ月にどのくらいの日数が与えられますか。
  48. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 予算上は現在の二十六年度の予算を編成いたしましたときは、委員長が八百円、委員が七百五十円でございまして、その勤務日数を十日と見ております。そういたしまして、委員の定数は委員長が九名と、委員が八十八名でございます。それの手当の総額、年額八百七十八万四千円ということに相成つております。それで第一四半期におきましては、給与の手当を、日額を只今申上げましたように増額いたしましたので、第一四半期の予算といたしましては、十日分を支払うことができなくなりました。そのために日額は引上げましたけれども、手取総額といたしますと、日額を引上げない結果と同じように相成つております。これでは非常に不都合でございますので、大蔵省と折衝をいたしまして、予算の第二四半期以降の分の繰上げを図りまして、ほぼ十日分を支給いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  49. 小酒井義男

    ○小酒井義男君 もう一つだけですが、昨日の公聽会でも意見があつたことですが、同一部府県内に限られておる路線の免許の許可を地方長官に委讓するということが非常にいいのではないかという意見がありましたわけですが、当局として、それの長短と申しますか、そういうことについての御見解はどういうことでございますか。
  50. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 同一部府県の中におきまして事業を営みます場合、その事業が旅客運送事業、乗合運送事業或いは貨物の関係の運送事業でおのおの若干は異つて参るかと存じますけれども、私どもが常に申上げておりますのは、最近の自動車の性能が非常に発達して参りましたし、交通事情というものは経済の流れに従つて行われるのが実態でございますので、必ずしも府県の境界によつてこれを限定し得るものではない、こう考えているのが根本でございまするし、過去の経験からいたしまして、過去において地方長官において認許可を行なつておりました場合には非常にたくさんの事業が濫立し、不当の競争までも惹起した苦い経験を持つておるわけでございます。更に各種の事業を兼営する等の場合、一部においては国の監督を受け、一部は地方長官の監督を受ける、二重の監督を受けることによりまして、事業者並びに一般の公衆に非常な不便をかける虞れもあるのではないかと懸念をいたしております。又地方の実情等によりましては、相当政治的に又各種の勢力によりまして種々なる弊害も出て来はしないか、こういうふうに私どもは懸念もいたしております。バス事業のごときものを府県知事に委任いたしますと、およそ過去においていろいろと経験いたしましたように、殆んど自己の府県の境界までの免許を与えまして、他府県との間の均衡度というようなことは考えられない虞れがあるのではないかと思います。併しこの点は道路問題にいたしましても、府県によりまして非常に道路が整備されておるところもございますれば、又道路が非常に不良のところもある。極端なことを申しますれば、必要なる道路の建設も、自分の県の各種の利害関係等のために建設もされない状態にあるところもあると思います。そういうようなことを考えて参りますと、道路の、道路上を走る輸送事業にいたしましても、各県が割拠いたしまして、おのおの違つた方針によつてこれを行うということは、決して道路運送行政の上から行きまして適切なものではないのではないか、こういうふうに私ども考えております。又現在の道路運送行政は運輸審議会或いは道路運送審議会等の、広く学識経験のあるかたがたの御決定を待つて処分をしておる点は非常に民主的な方法ではないかと考えております。従いまして私どもとしましては、府県にだけの自動車輸送でありましても、府県知事に委任をするということは賛成できないという点を昨日申上げたわけでございます。
  51. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 それではこの前に引続きまして二、三点お尋ねいたしますが、第三十二条の第五項に「聽聞をしなければならない。」という新らしい「聽聞」という表現があるのでございますが、これはまあ申上げますと、裁判と言いますか、或いはそういうような事情の、裁判というものに相当するものだと思うのでございますが、これは誰がどういう組織によつてやるかというようなことを一切規定されていない。「聽聞をしなければならない。」ということになつておるだけでありますが、これは別に省令或いは政令によつてその手続を定めるのかどうか、その点ただこれを「聽聞をしなければならない。」ということになつておりますと、運輸大臣がやるということになつておりますが、まさか運輸大臣が直接業者を呼んで聽関するようなことはないと思いますが、この構想をどういう組織によつてやるつもりであるか、これは新たに政令その他で定めるつもりであるかどうか聞きたいと思います。これは人を呼び出すことになつ相当問題であると思います。
  52. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 運輸大臣がこの四項の規定によりまして、自動車運送事業者に対しまして、行為の停止又は変更を命ずるということは、行政権を発動いたしまして、強制的にこれが停止又は変更をさせることになるわけでございます。従いまして当該自動車運送事業者といたしましては、これがために相当な不利益を受けることに相成りまするので、その当該運送事業者に対しまして、その聽聞の機会を与えて、実情はどうなつているのだ、実際はこういうふうになつているということを、よく言い開きの機会を与えまして、自動車運送事業者を保護いたす意味合においての聽聞でございまして、決して裁判に引出して、それを取調べるという意味合のものではございません。実際に強権を発動いたすのでございますから、強権を発動いたすにつきましては、実際にその行為をなした者の実情に応じまして処分をいたさなければなりませんので、処分をいたす場合には、そういう不利益を受ける虞れのあるかたの陳弁の機会を与える。こういう意味合の聽聞でございます。
  53. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 聽聞が先ず業者を保護する、権利が不当に侵害せられることのないように保護するというふうに了解して、この質問を終りますが、ただここで一点確認しておきたいのは、公開にしてやるか、非公開でやるか、その原則は……。
  54. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 聽聞会と申しますると、公聽会という程度には至らないものでございまして、必ずしも非公開でやるというわけではございませんけれども、利害関係者を呼ぶという意味合でございます。少くとも利害関係者だけは呼びまして、お話をする、その機会を与えるという意味合でございます。従いまして傍聽人がございますときは勿論できるわけでございます。現在におきましても運輸審議会等におきまして、公聽会を開かずして聽聞会を開催いたしておりました場合におきましても、傍聽人は入つております。
  55. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 次に第三十五条につきましてお尋ねいたしたいと思いますが、第三十四条に基いて天災地変その他の際に、業者に対して運輸大臣が命令し、その際に業者が損失を受けた場合にはこれを補償する、こういうことになつております。併しその補償が運輸大臣の権限によつて補償をしたときには、一方的にその補償額というものは押付けられて、あとこれに対する補償額に対して不服の場合に対する救済処置というものがこの三十四条の規定の中にはありません。この三十三条の場合には「訴をもつてその金額の増減を」云々ということが出ておりますが、当事者間の場合には、これはまあちよつと目的は違いますが、一つはまあ強制的に連絡運輸、共同経営等を認めた場合に、当事者間でその食い違つた場合には、訴を以てその増減を請求することができるということになつておるが、三十五条によつて運輸大臣の命令によつて天災地変等により動いた場合には、百万円損失したというものが五十万円の補償であつたという場合には、これを訴を以て増減することができるというような保護規定が全然ないと思うのですが、この点についてどう考えるのか、そういう問題が起り得ると思うのですが。
  56. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 第三十五条の損失補償でございますが、三十四条の二項によりまして「予算の金額をこえない範囲内」というようなことがございますけれども、これは運輸大臣に対する訓辞的の意味合いから書いたものでございます。従いまして実際にその第三十五条の二項によりまして「通常生ずべき損失」が起れば、通常生すべき損失ということはほぼ想定ができるわけでございますから、その額を運輸大臣は支給をするということでございます。ただそれについて争いがございますれば、一般の原則によりまして法律処分の訴願の途或いは行政訴訟ということに相成ろうかと思います。
  57. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 その点につきまして、三十三条においてはわざわざ「訴をもつてその金額の増減を請求することができる。」というのだつたら、それじやこの三十三条のそういうことは必要なく当然それは起り得る民事上の訴であるから、この法律に書く必要もないと思うのです。ところが三十三条で書いておいて三十五条にそれがないとするならば、三十五条は業者に対しては押付けになるというふうに印象を与えまするが、そういう点が三十三条と同じように、やはり訴えるということについては、一般原則がここに通用するものであるかどうか。これは強権で命令したのですから、ちよつと普通の場合と違う、天災地変の、昔の軍の徴用的なもので、一方的に動員されるというような印象が極めて強いと思うのですが、三十三条、三十四条、三十五条と並べた場合に、その点について……。
  58. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 三十三条のほうは、第一項によりまして、第一項の四号から出て来る問題でございます。従いましてこれらの問題は他の運送事業又は通運事業者というように事業者相互間の問題に相成つておりまするので、特に第四号を書き上げたわけであります。
  59. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 重ねて伺いますけれども、別にこれだから損失補償の必要の場合について異議を申立てることについて、何ら制限をしているものではないと解釈してよろしうございますか、前には予算の範囲内ということはありますが。
  60. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) さようでございます。
  61. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 わかりました。次に、自動車道路事業について若干お尋ねしたいと思います。先ず自動車事業申請があつた場合に、運輸大臣及び建設大臣がその審査に当つて関係地方の住民の意見を十分聞く必要があると思うのですが、それをただ四十九条の規定によつて審査をする場合には、例えば並行線の問題、それから既設の地方軌道との争いが当然起り得ると思うのでありますが、この摩擦を調整するように公聽会その他によつて決定する必要はあると思うのですが、その点どうでございますか。
  62. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 御尤もな御質問でございますが、この自動車道の免許につきましては、運輸審議会に諮問をいたすことにいたしておりません。と申しますのは、運輸大臣及び建設大臣の共管事項になつております関係もございますので、諮問はいたさないことにいたしておりますが、運輸審議会にあらずとも、運輸省におきまして公聽会を開き、一般の意見を聞くということはできることになつております。従いまして私どもといたしましては、実際に免許をいたす場合におきましては、運輸省においてこれは公聽会を開く必要があると認められるような重要なものにつきましては、公聽会を開いて決定をいたして参りたいと思います。
  63. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 次に同じく自動車道事業につきまして、土地の立入及び使用については六十九条で規定されておりまするけれども、土地の買収及び家屋の移転等について、極く一部の使用者の声による反対から業者を守る、いわゆる土地收用法の条項の必要がこれはあると思うのでありますが、それがない。万一そういう事態が生じた場合の処置についてどうするお考えであるか。それから次に又その反対に業者が小さい所の土地の所有者を不当に圧迫する事例があつた場合の処理規定がないか。これも現実に起る問題だと思いますが、この調整をどういうふうにするか、この点。自動車道路ですからそういう専用道路を付ける場合に方々に摩擦が起ると思いますが、その調整がこれにはちつとも考慮されていない。
  64. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 第一点の問題でございますが、第一点の問題は土地收用法の第二条によりまして、土地収用ができるということに相成つております。尤も土地收用法におきましては、法律が非常に古い法律でございますので、用語が若干違つておりますが、専用自動車となつておりますが、これは私どもとしましては、第一点の場合においては土地收用法によつて収用を可能と考えております。施行法の第三条によりまして、その専用自動車道を自動車道に改めておりますから、土地收用法が適用になると御了解を願いたい。第二点のほうでございますが、これは自動車と言わず、鉄道建設と言わず、土地收用法を適用するような公益的な問題から発生するところのものには常に起りがちの問題でございますが、これはやはり事業者等におきまして、よく関係者と協議をしてやつて頂くよりしようがないのじやないかと考えております。
  65. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 同じく自動車道につきまして、自治団体が一般自動車道事業経営できるものと解釈してよろしいか、数県が合併して自動車道を経営するということができ得るものかどうか。又市が共管いたしまして、接続市等が協同して、こういう自動車道を経営できるかどうかということについてお尋ねしたいと思います。これは何ら制限がない……。
  66. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 特に禁止いたしておりませんから、できるものと考えております。
  67. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 自動車道に対しまして、自動車以外の車両及び人畜等の立入禁止は、これはどの法律によつて規定しておるかどうか、それから次に天災その他やむを得ざる場合に自動車道を一般道路に転用する必要もこれは将来生じて来るだろうと思うのでありますが、業者についてはこの天災の場合に命令権が相当あるわけでありますが、自動車道についてもそういう規定があるかどうか、その点どうも調べてないのですが、天災の場合に……。一方普通の場合は金を払わなければ許可せんことになつている。ところがどつかの橋が折れたという場合に転用しなければならんということもあり得ると思うのですが、そういう規定を設けて置く必要があると私は思つたのですが、これはどこにもないと思うのですが……。どうもよく読んでないので例外……それはどうもほかのときにはみんなあるんだから、これはやはり設けて置かなければいかんですよ、直ぐ起る問題だから……。
  68. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 自動車道に自動車以外のものが通行をすることを禁止する規定につきましては、立案の当時におきまして、いろいろ研究をいたしたのでございますが、この禁止に対しまして罰則の適用につきましていろいろ意見がありましたので、これを削除いたしておるようなわけであります。第二の自動車道を天災その他の必要ある場合に一般道路として半強制的に開放させる規定につきましては、この法律にはないわけでございます。
  69. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 今の自動車局長の説明で、ないと言つてしまえばないのだが、これは必要はあると思うのだが、どうお考えであるかという点が一つと、もう一つは、普通のそういうものは立入をどんどん業者は法律規定がないからというので、ばかなことをやられるというようなことも想像されないかと思いますが、じや、道であるから通せというような要求をして来る場合ということも考えられると思うのですが、これは道端に石を投げてはいかんという法律まできめておきながら、それをお作りならんということは、私はどうもおかしいと思うのですが、この点大丈夫ですか。相当自動車道を守るという意味から、秩序を確立するという意味から言つて……。必要は将来これは起り得るだろうと思いますので、あとで御研究願いたいと思います。次に、最後に今度国営自動車の件につきまして、二、三点お尋ねしたいと思います。第七十六条でございますが、従来の規定では「協議しなければならない。」というふうになつておりますが、これを新たに「承認を受けなければならない。」と変更せられた理由一つお伺いしたいのですが。
  70. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 従来協議すると書いてありましたのを、今回「承認を受けなければならない。」と書きましたのは、こういうことはあまりないとは思いますけれども、協議をすれば直ちに事業を開始できるというふうに解される向も出て来はしないかと考えましたので、協議の上承認を受けるということにいたしておるわけであります。従いまして承認は、協議をしてその承認をしてから事業をやる、こういうようにはつきりさしたのであります。
  71. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 次に第七十七条の損失補償につきまして、「国は、政令で定めるところにより、その自動車運送事業者が受けた損失を補償することができる。」と、これは任意規定だと思うのです。この国営自動車の……。で、これを政令で定めるということになるわけでありまするが、任意の、できるような規定をしなくてもいいというふうにできるんですから、しなくてもいいということになつて、これは業者との非常に将来摩擦が起ることと思うのですが、政令でどういう点をお定めになるんでございますか、要点、構想がございましたら、お伺いしたいと思います。簡單でよろしうございますから、要点だけを……。
  72. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 現在でもそれにつきましては規定がございますが、その規定を踏襲して参りたいと思つております。一つ廃止補償と他は減益補償でございますが、廃止補償の場合の計算方、それから減益補償の場合の計算方を規定いたしたいと思います。そのほか補償金額の査定、支給方法、修正期間等を規定いたすものでございます。
  73. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 この点について損失を受けたものと、それから補償する国営自動車側との間の両者協議というふうにきめて、協議がまとまらないときには運輸大臣が裁定するというふうに規定するわけに行かないかどうか、自動車道路の……。
  74. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 只今までの法律におきましては、政府という意味合いの字を使つておりましたが、今回はこの法案におきましては国という字を使つております。従いましてこの国の中には国有鉄道が含まれるわけでございます。従いまして国有鉄道と自動車運送事業者との間の協議によつてきめるということになつております。
  75. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 協議によつてきめる……。
  76. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) はい。
  77. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 では七十九条について、除外規定の中の第十八条の下の括弧でありまして、「(重要な事項に係る事業計画の変更であつて運輸省令で定めるものを除く。)」と、こういうことになつているのですが、これは運輸省でどういうことを構想されておるか。今あるのだつたら、現行通りそのまま行くつもりであるかどうか。その点お伺いしておきます。
  78. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 現在は国営自動車に対しましては、道路運送法を適用いたしておりませんからございません。今回私ども考えておりますのは、事業計画の変更のうち重要な規模と申しますのは、何と申しましても自動車運送事業の輸送力等に著るしい影響を及ぼす事項等の変更であります。従つて民営の自動車事業と路線を共通にする国営事業事業計画のうち、自動車の両数、運行系統、運行回数等の変更の場合を考えております。
  79. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 運行系統ですね。
  80. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) そうです。
  81. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 次に第百二十六条の規定でございますが、これはまあ報告の規定でありまして、この一般の報告は一般業者に対して通常報告を求めるわけでありまするけれども、その都度国有鉄道自動車に対しましても、同じように報告を徴するつもりでおるかどうか。こうなつて来ると普通道路管理事務所ですが、道管におきまして自動車事務所に対して、やはり自動車部に対して業者と同じような立場で以て百二十六条は除外されておらないから、どんどん報告するということになるが、実際国営自動車におきましては、一応統計にいたしましても、それから基礎的な調査にいたしましても、でき上つておると思いますし、又国有鉄道法でいつでもこれは運輸大臣が権限で以て国営自動車部から直接取り得ると思いますが、その都度小さい業者と同じように、各下のほうに流して調査の報告を求めるということになると、これは煩瑣であつて将来摩擦が起ると思うのでありますが、この点については、百二十六条も七十条に包含するのが適当だと、こう考えますが、百二十六条を除外されたのはなぜ除外されたか。
  82. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 或る事業主体が数種の事業を営んでおりますような場合に、これに対する監督法規が一元化されているということは非常に望ましいことであると思つております。併しそれにはおのおの限度のあることと思いますので、そのおのおのの特質があるものにおいては、その範囲において別のものがあつても止むを得ないことではないかと考えます。地方鉄道が非常に自動車運送事業を兼業いたしておる場合も多いのでありますが、この場合におきましても、地方鉄道のほうと自動車のほうとはその業体が違つておりますので、別々に取扱つておる状態であります。私どものほうとして、今回これを国有鉄道の自動車事業に適用いたしましたのは、現在国営自動車に対する統計資料というものは、自動車行政を主体としておる面には全然ないわけでございます。従いまして今回道路運送法に基いて他の自動車事業を営んでおるものと同様な自動車統計を集めるということが、自動車行政を実施する上におきまして、国営自動車の実態を把握するのに最も適当であると考えたからであります。
  83. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 じや最後に、「(地方公共団体の区域内における一般乘合旅客自動車運送事業)」という項について、これは将来問題が起ると思いますので、百二十三条において、「当該都知事又は市長の意見を徴しなければならない。」というのでありますが、この意見をただ参考に聞くという程度であるか、これを尊重してやるつもりであるか。この点について、これは意見をただ聞くだけであつて、それは單なる意見であるという……、一方は意見申請したのに、運輸大臣のほうでは取上げないということになつてこれは問題が必ず起り得ることだと思いますが、あなたのほうでは飽くまでもこの意見が尊重せられるという意味において徴するのであるかどうか。それはなぜかと申しますと、一方地方自治体の長であると同時に、又一般乘合旅客自動車事業者でもあるわけであります。従つて当然乘入れを申請した場合に対しては、先ず競争相手としてこれに臨むと思うのであります、大体常識的に考えまして……従つて食違いが多い、一般の業者と都知事、市長との間の食い違いが非常に多いと見なければならないと思います。実際問題として、それは公開の席上等におきましては、それぞれいい表現をいたしまして、又起らないようになつておりますが、現実の問題としては、私は多いと思いますが、これの取扱いは意見を徴しなければならないというのは、どの程度にまで尊重するつもりであるか。どの程度といつたら語弊があるのでありますが、これは尊重するという建前で以て百二十三条を設けられたという意味か。という点について……。
  84. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 先般の委員会におきましても、この点につきましては御説明を申上げたと記憶しておるのでありますが、この条文を立案をいたします過程におきましては、市長の意見を尊重をするという字句を挿入したらどうか、又市長の同意を得なければならないと書いたらどうかというような強い御意見も出たのでありますが、結局この市長の意見を徴しなければならないということになりまして、現行法と同じ表現に相成つたわけであります。私どもとしましては、そういう経過からも考えまして、この条文からは尊重をするというような甚だ法理的な意味合は出て来ないと思います。従いまして運輸大臣といたしまして、その自動車行政に対する権限を考慮いたします場合におきましては、市長の意見に法理上拘束されることはないと思います。ただ市長の意見を徴しまして、その結果その意見によりまして、一般の市民の日常生活なり、市民の利便の増進という点が強く考えられるような場合には、勿論尊重をいたすわけであります。
  85. 内村清次

    内村清次君 これは道路運送法を審議いたしましたあの第一日目に、この構内営業の問題について質問した。その結果を翌々日の委員会では一つ報告してもらいたいという約束をしておつたのですが、それを一つ……。
  86. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 内村委員からの御要求によりまして、これを鉄道監督局のほうに連絡をいたしまして、鉄道監督局におきまして早速調査をいたしたのでありますが、御質問の構内営業に対するところの許可等の権限は、これを地方の営業事務所に国鉄といたしましては下しているということであります。従いまして御要求のごとき全国的な要請を御答弁申上げるには相当の日にちがかかるということでございまして具体的に御必要な、又問題の起つておりますような地区につきましての御要求ならば、或いは早くできるかとも考えております。
  87. 内村清次

    内村清次君 それでは先ず関東即ち東京営業事務所ですか、その管内の状況につきまして、これはこの国会中、できればこの次までには是非一つ御返事をお願いしたい。それから現に千葉その他におきまして問題が起つておるのですからして、それを早く一つ解決をしたいと、かように存じますから、是非この次の委員会には資料を出して頂きたいと思います。先ほど地方事務所長に権限を委讓してあるんだ、こういうことです。勿論これは規則によりまして、そういうふうなことが明記してありまするが、ただ運輸省といたしましては、どういう態度で臨んでおられるか、こういう見解をも明確にして頂きたい。この点を要望いたしておきます。
  88. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 只今の御要望早速鉄道監督局のほうに連絡いたします。
  89. 高木正夫

    ○高木正夫君 道路運送審議会の組織の問題について重ねて御質問申上げたいと存じます。私どもも大体これでよかろうと思つておつたんですが、公聽会におきまして、いろいろの問題が出ましたが、これは大分甲論乙駁であつたのでありますが、ただ意見の全部殆んど一致を見たのが、この道路審議会委員の数を従来通りにやつてもらいたいというのが殆んど全部であつたように思つております。併しこれはまあ予算等の関係もありまして、そうも行くまいと思うのでありますが、それは大体公聽会の輿論ということになりますので、絶体的にこれは考慮の余地のないものか。或いは又その中の意見としては、若しそれが全部いけなければ陸運局長の所在地ぐらいの所に一人ずつでも増してもらえんか。或いは又大きな所、東京、大阪、名古屋、福岡というような所、これは仕事の分量も多いんだから、田舎の県と同じように一人は不公平じやないか。そういうことも考えられたというようなこともあつたんですが、成るほど尤もじやないかというような気もしておるのです。もうこれはお考えになる余地がないものかどうか、これが一点と。それから若し人数が減せれば、従来の予算がとれれば、先ほどどなたか質問がありましたが、これに対して手当と言いますか、実収が相当個人的には増し得るものかどうか。そういう点を一応お伺いしておきたいと思います。
  90. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) お答えいたします。道路運送審議会委員の定数の増加のお話でございますが、打明けて申しますと、この定数の整備につきましては、昨年の二月頃いろいろと論議があつたわけでございます。その当時におきまして、定数の減少だけで、道路運送法の一部改正ということを、私どもとしましては計画をいたしたのでありますが、関係の方面との折衝におきまして、これが国会に提案にならなかつたわけでございます。この定数の減少ということは関係の方面の強い示唆があつたのでございます。それで今日まで延び延びになりまして、今回定数をおおむね半減をすることにいたしたわけでございますが、そういういきさつでございます点を先ず第一に御了承を願いたいと思いますが、第二は、只今申上げましたように、予算上非常にむずかしい問題がありはしないかと思うのであります。予算は先ほども申上げましたように、委員の定数は委員長九名、委員八十八名ということに相成つておりますが、その単価が八百円と七百五十円、こういうことになつております。そうして日数を十日にいたしまして、その集積が現在の予算になつております。今回この委員の定数を四十七名に下げまして、単価日額をおおむね倍に引上げておるような関係で、現在の予算を以ていたしましても、この法案の成立が三カ月遅れております関係もございまして、予算が若干不足をいたしまして、そのために委員に十日分の手当も、或いはこのままでは支給が一部むずかしくなりはしないかという心配も出て来るわけであります。そこで只今お話のようにこの定数を現状通りにいたしますると、この一月に遡りまして、委員長並びに委員の日当日額を引上げましたにもかかわらず、それの実施ができないということに相成るのであります。これを大蔵省に私どもから折衝をいたしますと、定数は予算上そのままであります。單価が違つてつておりますので、その点で委員の単価は元通り据置かれる虞れがあると思います。そうしますと、委員各人の手取りというものは一般公務員が給与を是正いたしておりますにもかかわらず、審議会委員だけが給与是正がないという結果に陷るわけでございまして、二面におきまして委員の給与を更によくして、いい適任者を得ようとすることがますますむずかしくなりはしないかと、こういうふうに懸念いたしておるわけでありまして、この点を御了承を願いたいと思うのであります。私どもといたしましては、各府県知事に委員の候補者を、定員に対して倍数以上を御推薦願つてはおりますけれども、この委員は決して府県の代表という意味合いには考えておらんのでございまして、広く学識経験のある立派な適任者を得るために、都道府県知事にお願いをいたして推薦をいたして頂くのが一番適当な方法である、こういうふうに考えておるのであります。それから先ほど委員の手当を一月からと申しましたが、それは間違つておりますから訂正しておきますが、手当の引上げは三月の十六日からでございます。その点御訂正いたします。
  91. 前田穰

    ○前田穰君 私も昨日の公聽会の説明のことに関連しまして、二、三お尋ねしたいのでありますが、小型自動車の免許手続きをもつ簡易にしてくれという問題が出ておつたようでありますが、これは何か現在一定の両数の基準をとつておられるらしいのですが、その両数の基準に関連すると思いますけれども、何だか多少尤もなようにも聞いたのでありますが、これについての御所見を伺いたいと思います。
  92. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 小型普通トラツクよりも免許を簡易化する要望が、大部あつたようでありますが、この点については、できるだけ手続は簡易化し、又免許する権限の官庁は大臣ではなくして、地方陸運局長に委任しようかと思つております。その点で簡易化することは明らかになりますが、両数についてその基準を下げるとかいう話は、運輸省といたしましては小型と言わず、普通トラツクと言わず、基準を何台というもので持つているわけではございません。ただその地区に応じ、その申請内容を検討して、免許可否をきめるわけでございます。ただ或る程度信用を持ち、或る程度の規模を持つたものでなければ、公益事業としての責任と義務とを果さないと思いますので、そういう点は相当力を入れて審査するわけでございますが、それを五台とか、七台とかいうふうに低くするとか、それをきめるとかいうことは考えておりません。
  93. 前田穰

    ○前田穰君 次に塚田君からあつたと思いますが、補償とか補助というようなことを言つてつたのでありますが、何かこれは私もよくわからないのでありますけれども、例えば郵便を逓送しておるとかいうようなところには、補助を出したらいいじやないかとの意味にも聞えたのでございますが、ちよつとむずかしいことのように思いますが、政府の御所見は如何でしよう。
  94. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 二十二条で郵便物等の運送を規定しましたのは、バス事業者が旅客運送に附随して少量の郵便物、新聞紙その他のものを運送することができるということを認めただけでありまして、決してこれはそういうものを運べという義務を付けておるわけではありません。ただ他に替るべき交通機関がいろいろ考えられるわけでありますから、是非ともその郵便物、新聞を運ぶバス業者に補助をしなければならないということは困難であろうと思います。ただよく例に引かれる海上運送法でございますが、海上運送法では、定期航路事業をして当該航路の性質上、経営が困難なものに対して、郵便物運送等公益上必要の最小限度の運送を確保するために、補助金を交付することができるとなつております。陸上と海上と交通機関の代替性があるとないとによつて、補助をやる、やらないの問題は違つて来るわけでございます。陸上については補助をやるということは只今のところ考えておりません。
  95. 前田穰

    ○前田穰君 次に六メートルでございましたか、以下の道路は、二本免許するなというような陳述があつたのでありますが、これは一の業者がやつておる場合と競争者がやつておる場合とは危険の程度が違うと、こういうことの意味だろうと思うのであります。或る程度これは尤もなことだと思つて聞いておつたのでありますが、併し六メートルということを機械的に区切ることもどうかというような感じを持つて私は聞いておつたのでありますが、当然これは免許の際に許否を決する一つの材料として判断しておられることだと思うのでありまして、道路の幅員ということと免許ということの関係についての極く大体の現在の運輸審議会なり、或いは運輸省の行政の方針をお聞かせ願います。
  96. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 現行法は道路管理者の意見を徴することは省令でこれを定めております。陸運局長が道路管理者に対しましてその意見を具体的に徴して書類を添付して審議に当つておるわけでございます。その道路管理者の意見には実に具体的に、区間ごとに幅員その他なすべきところの施設等につきまして意見が網羅されております。これらのものを十分に考慮に入れまして、免許を実際に実施しているわけでございます。今後只今お話のございましたように、六メートル以下等の幅員の狭小な道路におきまして、その道路にすでに既存の事業者がございます場合等におきましては、自動車の運行の安全を確保するという意味からいたしまして、今までよりも更に一層愼重に考慮いたしまして、検討して、免許等の処分を実施して参りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  97. 前田穰

    ○前田穰君 もう一点伺いたいのですが、自家用とそれからトラツク協会と両方から自家用の有償行為について相反する意見が出ておつたのでありますが、この問題に私は触れようという気持はないので、成るべく触れないで行きたいと思つておりますが、それに関連しまして、現在特定免許というものはどの程度にどういうふうに利用されておるかということを大体おわかりでしたら伺いたいと思いますし、若しおわかりにならなければ、この次でもよろしうございますが、現在の特免の大体の傾向をお示し願いたいと思います。
  98. 中村豊

    政府委員(中村豊君) お説のごとく昨日問題になつたような点は特免ということが円滑に実施運用されれば相当解決される問題ではないかと思うので、運輸省といたしましても、最近相当特免を必要な場合には認めておるわけでございます。その具体的な件数その他については只今資料が持合せがございませんので、後ほど……それではここに資料がございましたから申上げたいと思います。旅客関係の特免と貨物関係の特免と二つあるわけでございますが、旅客につきましては、二十五年度において百六十三業者がございます。貨物につきましては、二十五年度に二百八十業者があるわけでございます。いずれも十二月末現在でございます。それ以降の新らしい数字は只今持ち合せておりません。
  99. 前田穰

    ○前田穰君 私の考えておつたより多いのでありますが、主として貨物のほうについてちよつとお伺いしたいと思うのですけれども最初その特免が始まつた頃には、例えば農業協同組合とか、そういつたようなところが多かつたように思うのでありますが、この二百幾らというのは、そういつた団体のものが非常に多いでありましようか、或いは例えば非常に荒荷を扱うようなところの販売先で、例えば亜炭とか、そういつたところの配達屋のような鉱工業の業者が特免を持つておるというようなものがありましようか、どうでありましようか。実情がおわかりになりましたら……。
  100. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 農協が特免の一番大きなものでございましたが、これは公団の廃止によりまして、特定の荷主がなくなりましたので、必要なものについては、目下一般免許の条件付けということに切換えつつあります。従いまして農協はなくなるわけでございますが、鉱工業その他につきましては、只今資料の持合せがございませんので後ほど申上げます。
  101. 小泉秀吉

    ○理事(小泉秀吉君) 古谷専門員の発言を許します。
  102. 古谷善亮

    ○専門員(古谷善亮君) 先ほど菊川委員から政府委員に対して、天災地変の場合の自動車道の使用について御質問がありまして、政府におきましては、御研究しておるようにお見受けしましたが、実はこれにつきましては沿革がございますので、沿革を申上げておきたいと思います。これは現行法に出ておりませんので、この道路運送法案にも別に規定はないと思います。従つて今回もこれを意識しているか、或いはそのままか存じませんが、結局今度の道路運送法の全面改正がありましても、前の思想を受けておるとも言われんように思いますので、一応沿革を御説明申上げて、菊川委員の御納得も頂き、又政府の御答弁の御参考にもなるのではないかと思いますので、一言申上げておきます。実は一番最初自動車について規則を作りますときに、自動車道路の問題が相当ありまして、申上げにくいのでございますが、その当時といたしまして、鉄道省と内務省とがこの問題についていろいろ論議を闘わされたのであります。それで鉄道省側といたしましては、専用自動車道を設けて、自分でバスをやることを含めまして、自動車運輸事業法というものを出しました。そのうちに自動車道のことが入つておりましたので、内務省といたしましては、そういつた鉄道省が考えておるような自動車道は恐らくないものであろう。一般道路で、道路の使用を自動車のみに制限する自動車道というものは考えられるというので、自動車道法案というものを別個に出しております。それが法制局に参りまして、一緒になりまして、自動車交通事業法というものができました。そのときに専用自動車道と一般自動車道とできたと思います。それで内務省の考えは飽くまでも道路であつて、ただその使用を自動車に制限したのだ、こういう気持が強く、鉄道省のほうは道路の形はしておりますが、これはバスが通りますところの専用の道路で、丁度鉄道の線路のようなものである、こういう考えでありました。それはそれでよろしいのでございますが、それでずつと参りまして、一応自動車交通事業法というものができ、只今菊川議員のお話に関しまするものは、土地收用法では道路とし、天災地変の場合は市町村長が緊急の措置がとれるというふうな解釈を持つてつたのであります。それで自動車交通事業法ができました後に土地收用法を改正いたしまして、そのうちに専用自動車道を入れたのであります。そのときに一般自動車道は入れなかつたのであります。というのは、なお当時におきましては内務省といたしましては、やはり道路の一種だという考えを持つておりましたので、土地收用法の道路は、一般道路も自動車道も含んだ道路であると認めて参つたのであります。そこで法制局の審議会に、実は私が鉄道に在官しておりました頃で、参りまして、一般自動車道を入れたらどうかと話したら、結局そのときの内務省の道路課長が見えておりまして、ひどく叱られたのであります。実は私退場を命ぜられるくらいに大変叱られたのです。そういう事実がありましたものですから、余計記憶しておるのです。今は当時の関係のかたも殆んどおりませんので、私がこう申上げても或いはその間の事情をつまびらかにすることができないかも知れませんが、幸いそのときの法制局の参事が現に議院の法制局長になつておられますので、よくその当時のことを御存じだと思います。あえて私ばかりでありませんが、そういう事情になつております。ですから今後土地收用法が改正になりまして、本法の規定改正して、自動車道が入れば一応それで以て行きそうにも考えられます。天災地変の場合には土地收用法の土地の使用でできるというのが当時の解釈であります。政府のほうで新らしく御解釈なさいますれば別でありますが、その当時はそういつた前からのいきさつがありまして、そういう或いはゆがめられた解釈をしたかも知れません。ですからこの際御研究の上新らしい御解釈をお持ちになることも結構であります。それからそのことによつて法令を整備することも結構です。ただ従来のいきさつはそういうことになつておることを一応御参考に申上げておきます。
  103. 小泉秀吉

    ○理事(小泉秀吉君) 他に御発言がなければ、今日はこれくらいにしておきます。今日はこれで散会いたします。    午後四時十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     植竹 春彦君    理事            岡田 信次君            小泉 秀吉君            高田  寛君    委員            内村 清次君            菊川 孝夫君            小酒井義男君            高木 正夫君            前田  穰君            村上 義一君            松浦 定義君   衆議院議員            前田 正男君   政府委員    運輸大臣官房観    光部長     間嶋治郎君    運輸省自動車局    長       牛島 辰彌君    運輸省自動車局    総務課長    齋藤  博君    運輸省自動車局    業務部長    中村  豊君    運輸省自動車局    整備部長    佐竹 達三君   事務局側    常任委員会專門    員       岡本 忠雄君    常任委員会專門    員       古谷 善亮君