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1951-05-17 第10回国会 参議院 運輸委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月十七日(木曜日)    午後二時五十九分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○海上運送法等の一部を改正する法律  案(内閣送付) ○一般運輸事情に関する調査の件  (海運事情に関する件)  (航空事業に関する件)   —————————————
  2. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) これより運輸委員会を開会いたします。先ず海上運送法等の一部を改正する法律案を上程いたします。提案理由説明を求めます。
  3. 荒木茂久二

    政府委員荒木茂久二君) 只今上程されました海上運送法等の一部を改正する法律案提案理由について説明申上げます。我が国海運連合国軍の好意により漸次定期貨物船航路の就航も許容せられ、すでに沖縄航路バンコツク航路南米航路、印度、パキスタン航路が許可され、近くニューヨーク航路も許可される模様でありますが、これら定期航路においては外国定期航路事業者と公正な競争を行うべきであつて運賃値下げその他の不公正競争方法は巌に戒めなければなりません。これ等の理由からこの改正案においては、第一に従来なかつた貨物定期航路事業の概念を新しく設定しました。第二に補助金の交付、輸送命令を出し得る範囲等国内船舶運航事業者に限定し、日本外国との間又は第三国間には適用しない旨を明らかに規定しました。第三に従来のいわゆる二重運賃制一手積契約運賃制)が海運同盟において認められるか否か現行法の解釈として明確でなかつたものを、不公正又は不当でない限り認めることとして世界的商慣習に即するようにするほか、排他的海運同盟に参加することが絶対認められなかつたものを、その条件が不当でない限り参加することを許容することにしました。第四に運賃率を破る場合において、虚偽の運賃請求書を作成したりして不公正な方法輸送を行なつた場合定期航路事業者は勿論、荷主定期航路事業者と通謀した場合には処罰されることにしました。第五に定期航路事業に直結して行う海上運送取扱業又は上屋・桟橋供給業定期航路事業と同じ公益性がありますので、海運同盟の結成を認めると共に、不公正競争方法を禁止しました。第六に裸よう船外国国旗を掲揚しているにかかわらず、日本船員が乗船するため外交上の問題が残りなお一年間許可制を実施することとしました。なお国内における重要物資輸送命令をなお二年間発し得ることといたしました。以上がこの法律案提案理由でありますが、何とぞ慎重御審議上速かに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  4. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 本案は予備審査の過程でありますから御質問等は次回に譲りたいと思います。   —————————————
  5. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次に最近におきまする海運事情について政府並びに山縣委員から事情の聴取をいたしたいと思います。
  6. 秋山竜

    説明員秋山竜君) 最近の海運事情について説明をしろということでございましたので私からかいつまんでお話をいたしてみたいと存じます。この資料がお手許に届いておらんそうでございます。誠に残念でございますが、多分印刷がちよつと間に合わなかつたかと存じますので後ほどお手許へお届けいたします。  先ず休会前の国会におきましては、外航船腹増強に関しまして御審議を頂き、我々政府当局を御鞭撻下さいまして誠に感激いたした次第でございます。その後御決議の線に沿いましていろいろと努力をいたした次第でございます。先ずかいつまんで申上げて見ますと、これは資料がありますと非常によくわかるのでございますが、私ども船腹戦争が終りましたときに七百九十六隻、百三十四万総トンの船と名のつくものは残つたのでありますが、そのうち使用し得るものは僅かに四百五十二隻、七十四万総トン、こういう姿であつたのであります。そこで我々といたしましては破損しております船の大修理をいたしましたり、或いは沈んでおります船を引揚げたり、或いは改造いたしましたり、或いは戦争中から造りかけておりました戦標船完成をいたしましたり、あらゆる努力をいたしまして船腹増加図つたのであります。一九四九年でございますから二十四年度までは主として国内船増加努力いたして参りまして、二十四年度初頭には六百九十一隻百二十九万トン、約百三十万総トンの船を持つことができたのであります。その年から外航船整備を始めましたものですから外航船整備が甚だ遅れておる現状でありまして、本年の四月一日には外航船は百二十一隻、八十二万、今年の暮でございます。今年の四月一日には百八隻、六十三万総トンでございます。これが本年の一九五一年の暮の現在の計画が全部完成いたしまするというと、二百四十一隻百五十四万総トンになるようなテンポでやつておるわけであります。この表はのちほど御手許にお配りいたしたいと思つております。そういうようなことでございまして、そのためには現在の御決議を受けましてからのちには、規定計画の中で例えば第五次船の新造として船台に載つておりますものの完成を急ぎましたり、或いは第六次船の計画を進めましたり、或いは第七次をすぐにやつたりいたしましてつまり非常に期間を詰めまして計画を進めたわけであります。例えば第七次船の前半は輸送船が三隻、二方四千トン貨物船は二十六隻、十七万九千四百トン、約十八万総トン、合計二十八隻、二十万総トン新造計画で、資金総額は二百五十六億円、うち見返資金百八億円ということで只今進行いたしておるわけであります。そのほかになお外航船として今まで船級のないまま外航に従事いたしておりました輸送船が十二隻、貨物船二十一隻、二十六万総トン改造をも進めておるのでございます。なお買船につきましては本年の春に閣議決定をいたしまして、大体年度中に二十杯くらいを入れてみたいと考えておつたのでありますが、このほか非常に成績が、関係者が熱心でございまして二十六隻十五万トンの買入れを許可いたしたのでございます。これが円資金につきましていろいろと問題がございまして、政府といたしましても一方ならん苦心をいたしたのでございますが、皆さんの御声援等もございましてようやく今日融資は全く解決をいたしまして今や引渡時期の来るのを待つておる次第でございます。すでに引渡を完了いたしましたものが六隻三万一千九百トンあるのでございます。只今最も困つておりますりは鋼材の値上りの問題でございまして、七次船の計画をいたしまする場合には大体四万九千トン、一トン四万九千円程度価格を以ちまして一応の目標価格として計画を進めたのでございますが、最近は五万二、三千円どまりということでございまして、或いは又少しく上るのではないかという声もございまして、その点から造船価格高騰従つて追加資金の需要ということが起りましていろいろと苦心をいたしておるのでございます。併しながら見返資金にはもはや変更の余地がありませんので、この分はどうしても各会社におきまして市中銀行から調達して頂かなければならないと思つておる次第でございます。幸い只今まで調達に非常に困難であるからというような声は一応聞いておらないのでございます。これが船腹増強対策進行模様でございまして、我が国造船能力からいたしますると恐らく本年の秋から冬の初めにかけまして、只今船台に載つております船が逐次進水いたしますると兵に、能力の過剰を訴えまして次の新造ができ得る事態になる、その時期にはなんとかしてもう一度、七次の後半というふうな言葉で呼ばれておりまするが、そういうような造船計画を実現しなければならないと考えておるような次第でございます。  それからいずれ資料で申上げますが、海外運賃状況は去年の暮から今年の三月にかけまして異常な高騰をみたのでございまするが、三月から四月、五月にかけましてはやや弱含み横這い状況でございます。一部上つたのもございますが概して弱含み横這い状況でございまして、一応世界船腹状況も安定しているかに見えるのでございます。今後の状況に関しましてはいろいろの見方がございますが、アメリカ予算が特に軍事関係予算がどういうような規模にきまりますか、或いは又欧洲方面イギリス等を主とします欧洲諸国予算がどういうふうにきまりますかといつたようなことが世界海運界相当大きな影響を持つて来るように見られておるのであります。従つて将来の状況に対しましても高いという見方が少し弱いという見方よりは多いようでありますが、併し又マーケツトが硬くなりますれば、アメリカにおきましてはこの前やりましたようなリバテイ船の解除といつたような問題もとられるのではないかというふうにも考えられるのでございまして先のことはなかなか予測しがたい、こういうのが正直なところであろうと思うのであります。  国内運賃でございますが、国内運賃は昨年朝鮮事変の勃発前後が一番底でございまして、例えば北海道炭小樽京浜トン当り五百二十円というのが底値でございまして、その後多少の高下がございましたが現在ではこれが一千十円という程度に相成つております。それから北海道の木材でございますが、これも一番悪い底は百七十円でございましたが現在四百三十五円という程度でございます。それから九州炭の若松、阪神は三百七十円でございましたが現在五百二十円程度になつております。総じて運賃は丁度統制を解除いたしました前後の4運賃程度に復活しておる、こういうような状態でございまして、内航だけを営んでおる会社もどうにかやつて行けるという程度ではないかと思うのであります。  それで従つて輸送状況の方を見ましても朝鮮動乱を契機といたしまして非常に荷動きが活溌になつておりまして、内航で見ますると、六、七月頃約内航貨物百万トンと称されたのでございますが、その後逐次上昇をいたしまして十月頃から百五十万トンを唱えるに至りまして、十二月百六十六万トン、一月百六十八万トン、三月百六十五万トンというように大体百六十五万トンから百七十万トンの線を上下いたしておりまして、この数字は内航の輸送実績といたしましては終戦最高のものでございます。外航の方におきましてはこれも二十万トンから三十万トン前後を動いておりましたのですが、今年の三月には四十二万八千トンという数字で初めて四十万台の数字をみておるのでございます。従いまして船の遊び工合は非常に改善されまして、御制定を得ました低性能船の買上の措置と相待ちまして、昨年の十月には繋船行五十一隻、五十万トン、こう申しておりましたのでありますが、現在ではたつた十四隻、三万三千トン繋船されておる、この三万三千トンは修繕のための繋船である、従つて実際問題といたしましては働き得る船はすべて働いておる、こういうような状況に組成つておるのでございます。  遡りまして恐れ入りますが、只今手許海外運賃に関する調査用船料に関する調査等資料をお届けしたと思うのでありますが、その海外運賃のところを御覧下さいますると、大体一、二月あたりを最高といたしまして逐次横這いをいたしておる状況が明らかになつておると存じます。  それから次に日本船の入出港許可状況でございますが、入出港許可状況は非常に進捗をみまして、世界の大多数の国々から無条件の入港許可を得ておるのでございます。特定物資の積取だけに入出港を許可されておりますつまりブランケツト・クリアランスのない港は、マレーの諸港、ボンデイシェリー、これはインドでございます、樺太、サンサルヴアドル、イラン、台湾、ボルネオ、イラク、ビンタン島、こういう所でございます。それから全然積荷のための入港が認められませんで、単に燃料と水の補給だけが認められております港がケープタウン、ダーバン、香港、シンガポール、こういうことになつておるのでございます。たしかイギリス本国はまだ来ておらんと思います。というような状況でございましてまずまずイギリス方面以外は比較的自由に船が出せるようになつた、こういうような事態でございます。  それから定期航路につきましてもいろいろとGHQを通じてやつてつておるのでありまするが、只今まで許可されておりまするのは先ず琉球の定期航路、それからパキスタンインド航路、それから南米航路バンコツク航路、これだけが一応定期航路に認められておるのでありまして、次に問題になつておりまするのが北米ニューヨーク航路であります。それからあとはインドネシアといつたような方面でございまして、その他も逐次許可されて来ると思うのでございます。インドネシア航路につきましては、インドネシア方面海運同盟が多少イギリス方面海運同盟と違つておる点がございまして、今までの海上運送法ではどうしても工合が悪いのでございまして先ほど官房長が大臣に代りまして提案の御説明を申上げました新らしい海上運送法改正が行われますれば非常にその関係の矛盾が調整されると思つておるのでごげいます。これが大体事務的な現在の海運状況に関する御報告でございますが、これに附加えまして諸外国日本海運に対する考え方、感情といつたような問題があるかと思うのであります。  海運国際関係を持ちます一つの第一線でございまして、これが復活或いは進出に伴いましていろいろと国際的な関係が起つて参るのでございます。先ず講和条約草案におきましては、ダレス草案につきましては海運に関する制限は全然謳われておらないのでございまして、関係方面では大体そういうような方向で進まれるのじやないかというふうに見ておるわけでございますが、その間いろいろな動きがございまして、特に英国側からは造船能力制限してはどうか、こういうような提案が行われたようでございまして、我々も非常に関心を払つてつたのでございまするが、最近の新聞紙の伝うるところによりますると、この要求は緩和されるか或いは撤回されるのではないかというようなことが伝えられておるのでありまして誠に喜ばしく存じておる次第でございます。なおそれと時を同じくいたしまして、アメリカの内部におきましては在郷軍人団、それからプロペラクラブミシシツピイヴアレー協会或いは米国海運全国連盟船主協会であります。米国全国船主協会等九つ団体でございますが、その他CIOもあつたと思いますが、その団体大統領に手紙を送りまして、日本海運の無制限拡張反対だという陳情を行なつたのでございます。この反対要旨は、日本海運を急速且つ無制限に拡張せぬこと、即ち日本産業及び貿易現状に調和がとれた漸進的なものにすべきである、それから日本海運増強が見返資金でされておるということは米国納税者の負担で行われておるのであつて日本海運が無制限に拡張されるということになると米国海運と全画的な競争を起して来る、従つて米国海運が犠牲になる虞れがあるというようなことが大体反対論要旨でございます。こういつたような動きを受けまして先般上院議員マグナソン氏が日本に来られたのでございます。マグナソン氏は的確に如何なる考え方を以てどうしようということを話されたわけではございませんが、大体いろいろ述べられた思想の根本はこの九団体の述べておりまする反対論が頭の底にあつたように考えられるのでございまして、私どもといたしましては、お手許に差上げました日本海運に関する 明書と申します書類にございますような資料を提出いたしてみたのでございます、この日本海運に関する説明書というものは、正直に今日まで日本海運が歩みました足取を書いておるのでございまして、先ず別表第一、それが私が先ほど御説明申上げました表でございまして、終戦直後の一九四五年の十二月に幾らの船があつたか、その内容においてどうであつたか、それからどういうような方法で殖えて来たか、例えば引揚修理であつたか、或いは改造であつたかといつたような、どういつたような方法でどれだけの稼動船腹増加したか、それからいつから外航を始めたか、こういうことを説明いたしておるのでございます。いかに我が国が無制限拡張というような考え方ではなくして、非常に秩序正しく、先ず手許の必要を満たし、それから後に我が国経済再建、大きな意味の経済再建、つまり国際海運に乗出したか、そのテンポはどうであつたかというような事柄我が国海運回復の足取りを示したものでございまして、それに関する簡単なる説明を附加えてあるのでございます。それで無制限拡張であるかどうかという問題につきましては後の方に十、十一、十二というところの三つの表がございますが、これは別表にコンバインして御覧頂かないといけないのでありますが、鉱工業生産指数は、一九五〇年におきましては基準年次一九三三年から一九三五年を一〇〇といたしまして九七でありますから、約百%に回復いたしておるのであります。これは年間平均でありますので、その年の末である一九五〇年の年度末はすでに一〇〇を突破いたしておりまして、少くとも一一二くらいの数字が出ておるはずでございます。貿易量の方を見ますると、その指数は一九五〇年におきましては三八・二、五一年が五六・八でございましてこれも五〇年のしまいの数字は四二・三に止つておるわけでございます。これに対しまして別表十二というところに、外国に大いばりで出られます船、つまり船級を取得いたしております船がどのくらい回復したかということ及び将来どの程度になるかという数字が出ておりますが、一九五一年二月という数字を見ますると、九十八隻五十五万七千トン、それから一九五二年の三月三十一日の予定を見ますと、二百二十九隻、百四十五万トンでございまして、今年の二月におきましては一七%五六、来年の三月に至りましては四六%七七でございまして先ほどの鉱工業生産指数回復或いは貿易回復に比べますと、まだまだ劣つておるのでございまして、到底現在の造船能力だけでは、他の産業活動或いは貿易活動アンバランスに大きくなるということはあり得ないのだということが示してあるのでございます。なお別表の九でございますが最近、最近といいましてももう大分になりますが一本年の末から今年の初に行われました中共方面に依存いたしておりました重要物資北米に切替えましたがために、足が長くなりまして、そのために船が非常に余計要るようになつたのでございます。その状況鉄鉱石と粘結炭と塩と大豆だけにとつてみましても、切替以前は九万七千トンの船で二百九十万トン約三百万トン貨物を運び得たのでありますが、これを北米方面に切替えますと三十五万トンの船が要る、差引どうしても二十五万トン程度はこの計画よりも船を余計にしなければ我々の考えているようなせめて半分までという目標も達成し得ないのだ、こういつたような事柄説明いたしたのでございます。そのほかなぜ日本商船隊を持たなければならないのかということを貿易収支の面から掲げてございます。例えば別表五のごときは、主要な基本資材につきまして我が国経済における自給度がどの程度であるかということを示しておりますが、例えば米は九一%の自給度主要食糧の米におきましても一〇%はこれを国外に仰がなければならない、小麦におきましては自給率が四四%でありまして五六%は外国に仰ぐ、その他ゴムとか原綿とかいうものはゼロでございまして、原油におきましてはたつた一二%、そこにありますようなこういうような日本経済の国であるのだ、従つて別表の六の一にありますように、需給計算によりましていろいろと外貨収支バランスを考えてみたところが、輸出輸入貿易外収支でこういうふうな状況になる、漸次改善して行くけれども一九五三年になつてやつと二百七十万ドル程度アンバランスが残る、併し一九五三年に対しては現在の造船計画をそのまま進めなければいけないのだ、こういうようなことがあるわけでございます。そうしてその次に六の二におきましては貿易外収支の内訳を説明いたしまして、船舶関係収支がどういうふうになつておるかということを示してございまして、船舶関係収支と、それから国際観光関係つまり外国人の本邦における消費、これがいかに貿易外収支の大きなアイテムであるかということを示してあるわけでございます。例えばこの貿易の表によりますると、輸出は全部FOBでできております、輸入はCIFでできております、従つてこれだけの輸出輸入外貨があるならば船は一つもなくても差支ないというベースでできておるわけでございますが、その中に運賃がどれだけ含まれておるかということを、これは推計でございますが別表七にございますように、一九五一年の計画によりますると、商品貿易におけるバランスが一億八千三百万ドルのマイナスでございますが、その中に運賃は四億五千九百ドルあるように思う。それで一九五二年度におきましては、約三億五千万ドルの貿易アンバランスでありますが、運賃は三億七千二百万ドル入つてある、こういうような推計をいたしております。これは毎年末非常な差がございますがそれは需給計画から来ておる数字でございまして、従つてこの運賃の半分だけを少くとも日本の船で運ぶということになりますというと、他は観光収入その他によりましてどうにかバランスを得るのだ、こういつたようなことがわかるように説明をいたしたわけでございます。これによりまして大体先ほど申述べました九団体アメリカにおける九団体その他から大統領に提出されておりまする日本海運に対する批判は、相当批判の根底が違つておるのだということが証明し得たと信じておるのでございます。  それで最後に最も新らしい問題は昨日のマーカツト少将の声明でございましてその中に、ちよつとこれは速記をとめて頂きたい。
  7. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記をとめて下さい。    午後三時三十五分速記中止    ——————————    午後四時一分速記開始
  8. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を始めて下さい。
  9. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 次官にちよつと一つ二つ伺つておきます。先刻のお話にもあつた外国航路のことですが、新聞で承知していると随分古くからニューヨーク航路は開かれるとか実行されたというようなことが謳われておつて、事実はもう直ぐだと申しておりますが、一体見通しははつきり開き得るのか、開き得る時にはいつ頃という見通しが立つのかどうかということです。
  10. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  11. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を始めて下さい。
  12. 秋山竜

    説明員秋山竜君) その点は私いろいろな原因があると存じます。陸上滞貨は必ずしも海により得ない品です。いわゆる内陸滞貨というものも非常に多いと思うのであります。それから又貨物の中には荷造その他の包装等関係海運には如何に運賃が安くてもよれないというものもあるかと思うのであります。特に関門のトンネルが開通せられまして又青函の航送能力が増大せられましても、荷主はやはり正確に早く着く、且つ荷造が要らないというところから実は鉄道によることを好まれる部分が非常にあるのです。然らば海運の方がそういうような鉄道輸送の利点を克服してまで安い運賃でこれをやり得るか、こう申しますと、その中に港湾運送、船に積んだり下ろしたりする作業貨車下し作業等の重なることがありまして、あらゆる陸上輸送の長所をカバーしてまで安くするほどの海上運賃は到底出にくいと思うのであります。それで現在の状況は恐らく海上に出得るものは大体全部出得たと思うのであります。然らば海上輸送の方が能力として最大であるかどうかという点になりますと、私はまだ能力があると思います。それではどこが隘路になつているかといいますとこれはやはり港湾荷役力だと思うのであります。現在の荷役状況を見ますとはしげが足りないということのための滞船ということが相当にあるのであります。それははしけ自体戦争前に比べまして三分の一になつているということそれから接岸荷役のできるいい所が大きな港において連合軍の専用に供せられているこの二つ事情から港湾能力が非常に足りないのでありまして、従つてこの状況では船の回転率というものは上がらない、又船を殖やしても滞船が延びるだけでありまして絶対に輸送量はその割合には上がらない、こういうような状態になつているように私どもの分折では考えます。従つて港湾運送事業法の制定を促し、又開発銀行によりましてこの港湾のはしけその他の資金の流通の援助をいたしまして、そうして港湾荷役の増強をしたり、こういう方針で進んでいるわけであります。
  13. 高田寛

    ○高田寛君 今の小泉委員の御質問と私は同じようなものになるわけでありますが、今のお話になりました内航の方はこの表を拝見いたしましても、一九四九年には内航の方に従事する船腹が百三十万トン、これが五〇年には九十五万トン、五一年には七十万トンになる、大体船腹から言えば大体間に合わせて、ただ港湾の荷役の関係で運営上内航関係としては、貨物輸送もこれ以上引受けにくいのだというふうに承知いたしたのでありますが、一面近頃鉄道貨物滞貨が非常にやかましく叫ばれて、而も一日二百万トン滞貨を見て、そのために今年度国有鉄道だけといたしましても三千輌の貨車の増備は計画しているけれどもとてもそれじやいかん、一万両くらいの貨車の増備をしなければいかんということが叫ばれている。これには相当な費用もかかる問題だと思うのであります。一面大体内航の船腹はそう窮屈じやない、港湾荷役の関係でもつと海に行くことができるということならば、この貨車を増備する金とそれから港湾荷役の方を改善する、陸路を打開して行く費用とどちらの方が国家的に見て安く行くかということを再検討すべきだと思うのであります。この年度において港湾荷役の方角をもう少し力を増大するというようなことが今考えられているかどうか、その点如何でございましようか。
  14. 秋山竜

    説明員秋山竜君) 私はできるという確信のもとに開発銀行から相当の融資をしてもらいまして、勿論この融資は全額ではございませんが開発銀行から政府資金で五〇%。こういうふうなものが融資されれば相当経済的に力の弱い業者でもはしけの新造ができる、こう見ております。勿論この金は貨車新造費に比べまして微々たるものでありまして、全体で八億かそこらしか考えていないのであります。それでも相当港湾能力は上がると思います。勿論港湾能力を上げても陸上輸送の行詰り問題を全面的に解決するということは非常に困難でありまして、冒頭申上げましたように陸上貨物海上貨物とはそこにおのずから差ができているということを、こういうことを考えております。
  15. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは海運はこの辺で切上げます。   —————————————
  16. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次に航空事業の方に移りたいと思います。松尾航空庁長官。
  17. 松尾静麿

    政府委員(松尾静麿君) その後の民間航空の状況を御報告申上げます。この前の国会のときに航空庁の予算に関しましてこちらの委員会の方から大蔵省に提案をして頂きまして非常にありがたく存じております。その後御存じの通り国内航空事業会社の競願は五社ありましたが、先日公聴会を開きまして、政調会においても愼重御審議を願いまして大体十二日に結論が出たようでございますので、いずれ近いうちに免許が下りるものと考えております。これに並行しまして航空庁の予算の問題でありまするが、現在通つておりまするのは、この前申上げました通り東京、大阪、福岡のテレタイプ、無線局関係は昨年の補正予算で通つたわけであります。こちらの方から大蔵省の方にこの前の国会のときに申入をお願ひいたしまして、その後大蔵当局は北海道、仙台、それから名古屋、岩国に設置をしたということで事務的に今まで折衝をしておりましたところ、やや現在までにはつきりいたしました点は北海道線の札幌だけは大体了解を得たようであります。併し三沢、仙台、それから岩国、名古屋、この四カ所につきましては非常に事務的にはまだ難航でありまして、これからもう少し困難ではありますけれども話をせなければいかんというような状況でございます。
  18. 岡本忠雄

    ○専門員(岡本忠雄君) 委員長の御命令でありますので御報告申上げますが、休会前の国会の末期の頃、ここで予算関係と、折角航空が発足するのだから国際的に恥しくない状態で始めるようにという見解から委員長が委員会を代表して大蔵省に努力するということで終つてつたわけであります。最終の日に政調会副会長、それから大蔵政務次官、その他の方には会うことができませんでございました。鉄道問題等が非常に混乱しておりましたので、今のお二人に会いましてこちらの委員会の意見を伝えてあつたのでありましたが、大蔵政務次官等はまだ政府閣議決定事情をよく御存じなかつたように観測されましたけれども、委員会の意思は十分尊重して補正予算の際にできるだけ努力するようにということを言われましてそのまま休会明けを迎えたわけであります。なおその点につきましては航空庁にも連絡をしまして、そういう際だから事務的にはどんどんこの際運輸省の幹部を初として努力されるがよかろうということだけを伝えまして今日に至つておるわけであります。一応それだけ御報告申上げます。
  19. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それじや本日はこれにて散会いたします。    午後四時十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     植竹 春彦君    理事            岡田 信次君            小泉 秀吉君            高田  寛君    委員            仁田 竹一君            山縣 勝見君            内村 清次君            菊川 孝夫君            小酒井義男君            村上 義一君            高木 正夫君            前田  穰君            松浦 定義君            鈴木 清一君   政府委員    運輸大臣官房長 荒木茂久二君    航空庁長官   松尾 静麿君   説明員    運輸事務次官  秋山  竜君   事務局側    常任委員会専門    員       岡本 忠雄君    常任委員会専門    員       古谷 善亮君