○国務大臣(山崎猛君) お尋ねの民間
航空事業の問題でありますが、昨年の夏、秋の頃期待をしたところの
条件よりも年末押詰り、更に年を越えて今年に入
つてから期待以上の
日本側に都合のいい
条件に運ぶことができる
ようになりまして、御
承知の
ように地上における施設運営はことごとく
日本の一会社によ
つて施設運営を準備されるという
ようなことになり、極東
委員会の制約による飛行機の所有、パイロツトの活動ということだけがまあ大体制限されて、それ以外は
日本側という
ようなことに進んだことは、民間の待望もあることながら、全く
日本国民として御同慶の至りであると考えるのであります。近く更に又講和
会議等も新聞の報道によれば接近しつつあるのでありまして、これらが幸いにして締結され、
日本に自主性が回復するという場合に当りましては、当然国際航空に乗出す特権を与えられるであろうということを期待し、希望し、そのための心構えもいたさなければならないかと思うのでありますが、それらに対しましても現在の地上施設運営が
日本側に一手に任せられるということは、その受入態勢の形の点から見ましても誠に好都合であると勇んでおる
ような次第であります。ただ問題はそういうふうに進展しましたのが今年にな
つてからのことであります。予算もすでに上程されたあとのことにも相成
つておる
ような
関係から、大急ぎにやらなければならない、予算的の準備がそれに伴わないでおる
ような状態に置かれておるのでありますけれども、その点が我々運輸当局者としては努力にもかかわらず一大遺憾を感じ、折角努力をいたしておる
ような次第なのであります。航空路につきましては今申上げた
ように
日本側の
条件が大変今年にな
つてよく進展して参
つたのでありますから、国民の待望するがごとく、希望するがごとく、福岡から東京を通
つて北海道の札幌というこの線だけは最後の線として是非民間
航空事業を始める場合には、ここまでは最低線という意味で実現するよる
ように努力したいのがこの
航空事業を管轄する運輸省としての肚であるのであります。その施設には
只今御指摘の
ようにいろいろの飛行場について、及びこれに関連した設備費も大きく要るのであります。ここに予算の
措置の問題が起
つて参るわけなのであります。又時期の点におきましては、準備のでき次第、完全にできないまでも、不完全な場合には一部だけでもできるだけ早く国民の期待に副う
ように事業を進めなければなるまいかとも思います。何もかにも満ち足りておるという場合であれば理想
通りに全線に向
つて一気に開始して行くということもできるでありまし
ようけれども、事業の運営といういろいろな準備の点から言
つたならば、できる面から着々進めて行くという
ようなことも考えなければならないと思うのであります。併し
日本の
ようなこんな小さな国で、アメリカの一州くらいの面積しかないところでありますから、この中を刻んで飛行機の仕事を始めるという
ようなことは誠にどうも智恵のない話であり、無理のない話でありますので、この狭い国内だけは
一つ一気に全線活動に入るというふうに努力したいと折角考えておる
ような次第であります。予算面等の数字、或いは法規等につきましては、又
計画の
内容等につきましては、丁度
説明員の秋山次官がおりますから、秋山次官より更に詳細に補足してお答え申上げたいと、こう思うのであります。