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1951-03-22 第10回国会 参議院 運輸委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十二日(木曜日)    午前十時二十三分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○低性能船舶買入法の一部を改正する  法律案山縣勝見君外四名発議) ○低性能船舶買入法規定により国が  買入れた船舶外航船腹需給調整の  ためにする売払に関する法律案(山  縣勝見君外四名発議) ○船舶職員法案内閣提出) ○一般運輸事情に関する調査の件  (航空事業に関する件)  (通運事業に関する件)   —————————————
  2. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 只今より会議を開きます。  本日は先ず低性能船舶買入法の一部を改正する法律案と、低性能船舶買入法規定により国が買入れた船舶外航船腹需給調整のためにする売払に関する法律案を一括して議題に供したいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは一括して議題に供します。  先ず提案者の御説明を願います。
  4. 山縣勝見

    山縣勝見君 低性能船舶買入法の一部を改正する法律案及び低性能船舶買入法規定により国が買入れた船舶外航船腹需給調整のためにする売払に関する法律案両者を一括して提案趣旨説明をいたしたいと思いますが、この両法案は先に国会において可決されまして、すでに法案が施行されておるのでありまするが、その後における情勢変化によつて、この法案内容に関して修正をいたすべき点が生じましたので、これに関する法律案提出いたしたいと思うのでありますが、実はこの両者はいずれも低性能船舶買入法の一部の修正に実質的にはなるのでありますが、後ほど御説明申上げまするが、低性能船舶買入法の第一条の目的解釈上、二つ法律案にいたしまして実は提出をいたしたのであります。  さよう関係で先ず低性能船舶買入法の一部を改正する法律案に関して提出理由の御説明をいたしたいと思うのでありますが、低性能船舶買入法規定に基いて政府売買契約が締結されまして、近く政府へ引渡さなければならなくなつておりまする船舶のうちには、従来帰還輸送船として使用されておるもの及び米軍によつて使用されておるものがあるのでありまするが、関係方面におきましては、なお当分の間これら船舶を引続き使用することが必要であるとして、その政府への引渡しを延期する措置をとるように要請されておるのであります。然るに低性能船舶買入法は、買入船舶売主による保管大蔵大臣による売払、解撤又は破棄及び買受人による解撤につきまして期限を定めておるのであります。従つてこの法律案によつて問題の船舶現行法の定めまする期限適用から除外いたしまして、これらの船舶につきましては、引渡し期限昭和二十七年三月三十一日といたしまして、売主による保管期限等をそれぞれ現行法より一カ年延長しようとするものであります。  なお他の法律案でありまするが、低性能船舶買入法規定により国が買入れた船舶外航船腹帯給調整のためにする売払に関する法律案につきましては、昨年来国際情勢変化によりまして、我が国外航船腹需給相当の逼迫を来したのであります。低性能船舶買入法規定に基いて買入れを終り、現に政府保管中の船舶につきましても、かよう外航船腹需給の圧迫に鑑みまして、これを改造をして外航適格船といたし得るものは、この際買入法規定によつて解撤いたして、スクラツプといたしますよりも、国策上これを改造いたして外航船舶として船級を取得せしめまして、外航に就航せしめまするほうが国策上適切であると思うのであります。そのためにこの法律案によりまして、運輸大臣外航船腹需給調整上必要と認めた場合には、買入船舶改造上外航適格船とすることを条件といたしまして、売払う途を開くことが適当と考えたのであります。  なお又、当該船舶政府に売却した者、即ち船主は、売却引渡前にその機械類艤装品等を撤去いたしておりまするので、これらを保有いたしておりまする関係上、政府に売却いたした者に、これらを改造いたして、外航適格船とするという場合には、その改造が極めて経済的に行うことができるということも考えまして、これらの者が、この政府の売払いに対しては優先的に買受けをいたすことができるようにいたしたほうが適当と考えたのであります。  かよう趣旨の下にこの両法案提出いたしたいと考えるのでありますが、極く簡単に法案内容を御説明申上げたいと思うのであります。  先ず低性能船舶買入法の一部を改正する法律案は、買入契約目的物でおりまする船舶で、運輸大臣が特別の必要があると認めて指定いたしましたるものにつきましては、買入法の第十五条の後段に定めておりまする船主による保管期限、なお又第十六条第三項に定めておりまする大蔵大臣による売払等期限、及び第十七条に定められておりまする買受人による解撤努力期限、これをそれぞれ一カ年間延長いたすことといたしたのであります。但し当該船舶引渡しの点はいろいろな点を勘案いたしまして、昭和二十七年三月三十一日までに行わなければならないものといたしたのであります。  なお又低性能船舶買入法規定により国が買入れた船舶外航船腹需給調整のためにする売払に関する法律案内容を簡単に御説明申上げたいと思うのでありまするが、先ほど提案趣旨説明で申しました通り、当面外航船腹需給が極めて逼迫いたしておりまする関係上、運輸大臣外航船腹需給調整改造することが必要と認めるものにつきましては、すでに低性能船舶買入法によつて国所有権を取得いたしました船舶について、大蔵大臣当該買入船がい運輸大臣の指示するところによりまして、船級協会外航船舶としての船級を取得するに必要な改造を行うことを条件として、次に申述べまするような標準によつて売払うことができることを規定いたしたのであります。第一に当該買入船がい政府に売却した者に対し、大蔵大臣が売払いますときの価格でありまするが、これは買入価格に、運輸大臣当該買入船がい対価支払つた日から、大蔵大臣が売払の対価を受取る日までの日数に応じて、その買入価格に対して日歩二銭七厘の率を以て計算した額を加えた価格で売払うことにいたしたのであります。なお又これらの方法によつて売払うことが困難でありますときには、一般の例によつて売払うこと。なお又この買入船がいを売払つたときは、その対価支払を受けた後でなければ、当該買入船がい買受人引渡してはならないという規定を設けたのであります。なお又低性能船舶買入法の第十四条、これは運輸大臣の管理を規定いたしておりまするし、なお又、船舶を売却いたしました者の、運輸大臣に引継ぎまするまでの間の保管義務規定いたしておりまする第十五条、なお又運輸大臣がその当該船舶を売払おうとするときは、大蔵大臣に引き継ぐべきものと規定いたしました第十六条第一項、なお又船がいの売払いができないときにおきましては、規定の日までに大蔵大臣解撤し、又は破棄すべしという第十六条第三項の規定、及び先ほど申しました保管期限等を一カ年間延長いたしますることにについては、低性能船舶買入法の一部を改正する法律案として、今回修正いたします第十七条の二の第一項の規定、これらを当然準用いたすことにしたのであります。なお又重ねて、低性能船舶買入法の第十七条は、当該船舶解撤義務に関し、又第十八条はそれらの船舶に関して譲渡等禁止をいたしておる条項でありまするが、これは考えようによりましては、あえてこの法律の中に規定いたします必要がないとも考えられまするが、一応注意規定といたしまして、この規定法案の中に盛りましたような次第であります。大体さよう趣旨の下に、なお又さよう内容の下にこの両法案提出いたしました次第でありまして、一応御説明を申上げまして、御質問等がありましたらお答えいたしたいと思います。
  5. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次に専門員報告を求めます。
  6. 岡本忠雄

    専門員岡本忠雄君) この両法案とも極めて内容は簡単なことでございますし、特に低性能船舶買入法の一部を改正する法律案については、一年間延期するという点にとどまりますから、何ら御報告申上げる点もないと考えます。それからもう一つ特別法につきましては、法律条文の書きかたにつきまして多少の疑問がございますけれども、これはいずれ質疑におかれまして、委員から御質問があるそうでございますから、重複しますので、特に御報告申上げることもないように考えます。
  7. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは次に質問に移ります。どうぞ順次御発言を願います。
  8. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 提案者に対してちよつと伺いますが、本法と低性能船舶買入法との目的を対比して見ますと、本法単独法であるというように思います。更に本法の第四条に、船舶買入法の第十七条及び第十八条の適用除外規定しておるのはどういうわけですか伺いたい。これは私の今伺つていますのは、低性能船舶買入法規定により国が買入れた船舶外航船腹需給調整のためにする売払に関する法律案に関しての御質問であります。
  9. 山縣勝見

    山縣勝見君 二点の御質問でしたね。
  10. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 第十七条及び十八条の適用除外規定をしているのは、本法第四条はどういうわけかということです。低性能船舶買入法条文を除外するというような……。
  11. 山縣勝見

    山縣勝見君 これは先ほど御説明ちよつと申上げたのでありまするが、第十七条の解撤義務、第十八条の譲渡等禁止条項は、考えようによりましては、或いはあえて条文の中に盛る必要もないと考えたのでありますが、むしろ注意規定としてそこに盛りましたが、法律解釈上明確であろうと思つて盛りましたのであります。この点更に考えていたした次第であります。
  12. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 それに関連して伺いますが、本法目的は、国の買入船がいを、改造して外航船舶増強に役立たせようとするのでありまするから、低性能船舶法の第十八条の適用除外によつて担保に供するということは結構と思うのです。それから買入船がいの払下げを受けて、そのまま右から左へ譲渡して、スクラツプしたり貸渡したりするということができるようになつているが、それでもいいというのは、私どもには、本法の第一条の目的に反するのではないか。それで低性能船舶買入法目的を、そういうことになればもう棄却すると言いますか、一部阻害する、こういうようなことになると思いまするけれども、この本法成立の際は、政府はどういう措置をとつて、今私の申上げたような疑問を解消するおつもりか、これを政府に伺いたい。
  13. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) これで払戻しをいたしまするのは、外航に必要な船に改造するために払戻しをいたすわけであります。従いましてそれを確保する方法といたしましては、払戻し契約、国と払戻しを受ける者との間の契約によりまして、この法律規定している条件以外の方面に使用することのないようなことを契約内容に明確に規定したい、さように考えております。
  14. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうしますと、契約内容本法目的に副うようにするが、同時に売り渡したりするようなことは、スクラツプなんかにする目的でなければ、貸し渡したり売り渡してもかまわないと了承してよいのですね。
  15. 岡田修一

    政府委員岡田修一君) その場合には、例えばその譲りを受けて、自分で改造しないで、ほかの人が改造するというふうな場合に、あらかじめ政府の了解を得て譲渡するというふうなことを契約内容に調わなければならない……。
  16. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 私の質問はそれだけです。
  17. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 他に御質問はございませんか。
  18. 前田穰

    前田穰君 私よくわからないのでちよつとお尋ねしたいのでありますが、現在の低性能船舶買入法を制定しまして、そうして外航とか何とか有効に使用するのには不適当な船であるということを認めて買入れることにしたはずでありますが、それを今回は外航に当分やるほうがいいんだということでこの運用の措置をとられることになるわけでありますが、その間にこう何か矛盾といいますか、ちよつと割り切れんような気持もするわけでございますが、無論情勢変化とかいろいろ理由があると思うのでありますが、そういうことについて、なぜこの法案を改正する必要があるかということの御説明を願いたい。
  19. 山縣勝見

    山縣勝見君 只今の御質問御尤もだと思うのでありますが、丁度この低性能船舶買入法がいろいろ議に上つて、そうして国会政府提案されたときの情勢と現在とは非常に違つておりまして、当時におきましては外国から古船輸入して、そうして必要物資を輸送するということは余り考えられていなかつたのであります。その後朝鮮動乱契機といたしまして、朝鮮動乱前後は大体繋船が九十万トン乃至百万トンあつたのでありまして、どうしても外航船腹需給を図るためにはかようなA型とか何とかという大型の、而も戦標船がそこにやはりありますることが、非常に外航船腹需給にも影響いたします。なお又将来日本海運の健全という点から、適当にこれを解決して行つたほうがよろしいということで、その当時御承知通り百万トン内外の繋船があつた。又世界の海運事情はそんなに船腹が緊迫いたしていなかつたわけであります。その後朝鮮動乱契機として、御承知ように、世界的に非常に船腹が緊迫いたして参りまするし、殊に日本といたしては来年度の通産省の計画も、到底現在の船腹量を以てしては完遂できない。殊に食糧とか重要物資輸入の確保もできないということで、最近は政府財政資金をオペレートしてまで、三十年或いは三十五年までの古船買入れるという政策をとつておりまするし、さよう政策は当然これは又現状から見てとらるべきものと思うのでありますが、その際に戦標船といえどもB・V等改造をいたしますれば相当の船になるのでありますから、これは比較の問題でありまして、昨年のようなふうな船腹需給の実情の下においては、これを改造してやるということは、国策の点からいけなかつたかも知れないが、現状を以ていたしますれば、古い船を高い金を出して輸入いたしますより、折角ある戦標船でありますから、これを適当に、余り高い改造費もいけませんが、適当な改造費を以ていたしますれば、そういうことがよかろう。これは全く伊勢の変化と申すほかはないのであります。さようなことでありまして、本来ならば新造船で行くべきでありまするし、低性能戦標船改造いたしますことは、本来の海運政策から申せば如何かと考えますが、現状を以ていたしますれば、輸入船等関係その他を適当に考えて、この法律案を出しました次第であります。
  20. 前田穰

    前田穰君 そうしますと、具体的にこう考えて見ますと、新造船若しくは古い船を外国から買うということと、それから一応低性能として政府買入れた船を改造するということと、この二つの間にはとにかく船腹を得るという時間的な問題と、それから改造新造、若しくは買入の費用との差額と、それから資材有効利用ということと、この三つを大体考えられるわけですが、そういつたようなことの意味でございましようか。
  21. 山縣勝見

    山縣勝見君 全く御説の通りでありまして、新造は御承知通り大体最低十カ月かかります。それから資材相当かかります。それから船価が高い、ここで問題になるのは船腹の拡充ということが非常に緊急を要するというこでありますが、一方に偏してはいけない。だから新造を根幹として、買船し、或いは改造する。而もそのコンビネーシヨン海運政策からやらなければならん。大体御承知通り新造は四十万トンと申しておりますが、三十五万トンくらい、改造が約十八隻、それから買船がここでいろいろこの間うち、約五十億程度ということでありますが、そのコンビネーシヨンはやはり考えて行かなければならんのでありまして、御説の通りであります。
  22. 仁田竹一

    仁田竹一君 そうしますとあれでしようか、改造して使用し得ると大よその見当の付きまするようなものは、トン数でどのくらいある見込ですか。
  23. 山縣勝見

    山縣勝見君 大体今考えておりますのが五隻であります。
  24. 仁田竹一

    仁田竹一君 船腹で何隻ですか、買入れが決定しておるのは……。
  25. 山縣勝見

    山縣勝見君 御説明申上げます。大体買入予定は当初は六十万重量トンと申しておりました。二百十五隻、六十万重量トン、それに対して約二十七億円予算上坂つてつたわけでございますが、申込が百五十七隻、四十三万七千六百九十二トン、デツドウエイト、そのうち三隻ほどが不適格船で、百五十四隻、四十二万六千百十一重量トン、さようなことでございましたが、その後現実に引渡しが済みました船腹は九十七隻、二十万八千六百九十二重量トン、そのうちいろいろな関係で取消し、又は解除がありましたのが三十九隻、十六万千八百九十九重星トン、まだ引渡しがないのが十八隻、五万五千五百二十重量トンあります。そのうち大体十隻が買入予定になつておるのでありまして、二万一千六百三重量トン、これが先ほど御説明申上げました期間延長をいたすべきものであります。そのほかに大体五隻、三万七千百五十六重量トン、これだけが大体改造いたしまして、クラスを取つて、そうしてやるために、この新たなる法律案を出す対象になる船であります。それから両方の法律案期間延長が六隻、それから外航適格船としてのクラスを取りますもりが五隻、約三万七千トンであります。
  26. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ほかに御質問ございませんか。それでは御質問がなければ、討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ではさように決定いたしました。討論は順次賛否を明らかにして御発言願いたいと思います。
  28. 小酒井義男

    小酒井義男君 この法案が成立しましたときと、客観的な国際情勢は非常に変化をしておりますし、船舶増強という問題も、当初の計画はなかなか実施できるというような見通しもありませんから、私はこうした法案が上程せられることが妥当だというふうに考えて賛意を表します。
  29. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) これで討論を打切りということにいたして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) さよう決定いたします。それでは本案の採決に入ります。両案を一括いたしまして議題といたします。両案に御賛成のかたは御挙手をお願いいたします。    〔総員挙手
  31. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 全会一致でございます。なお委員長報告等爾後の手続は、慣例に、よりまして委員長に御一任お願いいたしまして、例により多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     岡田 信次  小泉 秀吉     高田  寛  仁田 竹一     山縣 勝見  内村 清次     小酒井義男  高木 正夫     前田  穰  松浦 定義   —————————————
  32. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次に船舶職員法議題といたします。前回に引続きまして順次質疑を願います。
  33. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 この間もちよつと質問をして少しわからないところがありますから、重ねて質問をすることになりますが、五条の第二項、それから四条の二項、それから九条のやはりこれも二項でありますが、こういうところに等しく運輸省令できめるということになつておりますのですが、こういう例えば国家試験をどういうふうにするのか、或いは免許方針についてどういうふうな規定があるのか、或いはどういう方針でそれをやるのかというような点並びにこの第十条に特に関連しておるのでありますが、第十条で違反した者の免許を取消したり、或いは罰則を加えたりというようなこと、こういう点はやはり海上保安長官のみでこういうことを行うのでなく、海上保安庁の中にある審議会というか、ああいうところを当相活用して、そうして民間の意見も入れ、又それを相当程度に尊重するというようなことのほうが、いわゆる民主的とでもいいますか、どうも結構だと思うのですが、そういうことに対してこの規定全般に足らんように私は思うのですけれども、政府の今私の申上げたような点に対する御意見を一応伺いたい。
  34. 松平直一

    政府委員松平直一君) 只今の御質問でございますが、如何にもお説の通りで、試験の科目とかその内容基準等は、非常に影響するところが大きいものと考えております。そこで大体試験委員ような者を作つては如何かというお説でございました。こういう点は我々も失は考えて見たのでございますが、今回試験委員会ようなものを設けませんでしたのは………、    〔委員長退席理事小泉秀吉委員長席に着く〕 こういう問題で仮にそういう第三者の意見を徴するような場合には、保安庁設置法海上保安審議会というのが幸いございますので、こういう機関で諮問してその意見を十分尊重すれば、御説のよう措置がとれるというふうに考えまして、私のほうでは必要あればそういうものに諮問して、特に試験委員会のごときは設けなかつた次第でございます。
  35. 小泉秀吉

    理事小泉秀吉君) 引続いてもう少し質問事項がありますからお答えを願いたいと思います。  只今お話法律の第十二条、十三条、十四条などにもやはり関連をして、その国家試験に対する試験の仕方とか或いは試験基準というようなこと、現行法によりますると、試験規定という条文ようなものがはつきりきまつておるようですけれども、本法では格別にそういうものが法律事項として明示されていないから、自然それは運輸省令その他で規定するのか知らんと思うのですが、そういうものをやはり規定するような場合にも、只今申上げました十二条、十三条、十四条等に関連して、やはり審議会の議を取入れるといいますか、尊重するといいますか、そういうようなふうにするという御意見でありますが、一応只今お話と同じように取入れられても差支えないというような御意見でしようか。その点もう一つお聞きしたいと思います。
  36. 松平直一

    政府委員松平直一君) 私のほうで特にその問題ははつきりとここには表現いたしませんでしたが、実行上はその通り、そういうふうにする考えでございます。それで又試験の細かい事務的な規定は全部施行規則に盛るつもりでございます。
  37. 小泉秀吉

    理事小泉秀吉君) もう一点伺いますが、附則の第十項と申しますか、海上保安庁長官は、この法律施行の際、現に船舶の運航、機関の運転又は無線電信による通信に関する学術を教授する学校在学している者がその学校卒業後初めて試験を受ける場合には、運輸省令の定めるところにより、学術試験を免除することができる。」というようなことですが、ここでいう運輸省令というものも、やはり審議会というようなところで場合によつてはできるようなふうになつても差支えありませんですか。
  38. 松平直一

    政府委員松平直一君) 差支えございません。
  39. 小泉秀吉

    理事小泉秀吉君) もう一つお伺いいたしますが、これで見ると、現在の在学中の者が、この法律施行の際に現在在学中の者並びに卒業した者が試験を受ける場合には学術試験を免除することができると、こういうことなんですが、まあ既得権とでも申しましようか、こういうよう現行法が認定された学校並びにそれに準ずるよう学校をすでに卒業して、そうして最初甲二なり、甲種の二等機関士といいますか、二等航海士といいますか、そういう免許をとる場合は学術試験を免除されるのかというふうにこの法文では見ますが、私は同時にすでにそういう学校卒業して二等航洋士或いは二等機関士免状は持つておるが、すでにこの法律施行の際には一等機関士或いは一等航海士乗船経歴も持つてつて現行法ならば学術試験だけで免状がとれるというような人、そういうような人も同時にこの学校卒業直後におけると同じように、この際は学術試験を免除すべきであるというふうに私は思えるのだが、その点に対する御見解は如何ですか、
  40. 松平直一

    政府委員松平直一君) 実は只今のお説の点もいろいろ我々のほうでも考えたのでございますが、この法案の四条二項の試験免除を廃止するという建前から言いまして、この法案に書いてございます通り在学しておる者、或いは卒業した者は、初めて試験を受ける場合には当然既得権として認められるが、一度そういう免状を持つた者が、卒業者であるということだけでその特権をいつまでも持たせることは、国家試験を全般に公開いたします建前から適当でないであろうということで、只今のお説の場合には適用しない、即ち試験を受けるということにいたしたわけでございます。
  41. 小泉秀吉

    理事小泉秀吉君) どうも少し議論になるようですけれども、私の了解するところによると、最初の免状はくれるのだ、それを無限にいつまででも、何十年でも無期限にやつて行くということは、これは実際上取扱いの上で不便であるからむずかしいと思いますが、少くともこの法律のできたときに、その卒業する人に特権とでも申しますか、それを認めて、特権を認めろというよりも、その人は卒業した直後には丁度その学校の学科課程といいますか、学術課程というか、それがその免状を、試験をしなくてもやつてもいいということの学力があるのだという意味で学術試験を免除するということであろうと思いますが、だから同時に少くともそのときに現在持つているその次の上級免状を第一回はやるというようなことにして、一体何ら差支えはないと私は思うのですが、それは困るという相当な理窟があればともかく、そうでなければどうもやるべきだと思いますが、この点もう一度伺います。
  42. 松平直一

    政府委員松平直一君) 私のほうで考えておる国家試験は、それぞれの資格別に行うということにまあなつておるのであります。そりでまあ例えば今お話ように、学校卒業したものは一定の学力を備えておるかわりということではございますが、例えば学校を出てすぐ甲二の免状をとります。それから今度甲一の免状をとるときには、又甲一に相当する職務の内容に必要な学術と技能を試験する。こういう建前で段階はついておりますので、只今よう学校卒業した者は例えば最後に甲長になるまで学校で習つたことをそのまま何といいますか、いつまでも有効と認めるというわけにはいかないと思います。結局資格別に行う意味からいたしまして只今ようなやり方を考えております。
  43. 小泉秀吉

    理事小泉秀吉君) その一段次の上級免状だけくらいまでに本法適用を及ぼすべきだと私は思うのですが、今お話なつた理由のほかに、それを拒否するというようなもつと納得の行くような理由はありませんか。
  44. 松平直一

    政府委員松平直一君) 成るほど学校を出ましてすぐ甲二の試験を受けますが、その後船長になりますのには甲の試験を経て、更に又船長の試験を受けなければならない。だんだん最後に、甲長の試験を受けますには、船に乗つておりまして毎日の実務に従事し、相当年齢も多くなるというようなことから、香資格別に行いますと、試験は何度も受けなればならないというケースが起ることはお説の通りであります。従つて例えば最高の商船大学を卒業したものでも、今申しました通り何遍も試験を受けなければ最後の甲長の免状がもらえないということに相成りますので、その点につきましては、実は只今一つの緩和措置というものを考えておるわけでございます。例えば学校卒業しまして甲二の試験を受ける場合に、学術試験に関しましては甲長の試験まで通用するよう試験を一度に受けてしまうということも考えております。ただ技能試験につきましては、これは経験によりまして積み重ねて行くものでございますから、やはり甲二で相当の経験を積み、甲一になり、更に甲一で又相当の経験を積んで更に甲長ということでございますから、この点はまあ止むを得ないと存じますが、学術試験につきましては、只今ようなことを考えております。
  45. 小泉秀吉

    理事小泉秀吉君) 重ねてお伺いしますが、松平政府委員の御発言は、私の伺つたことと少し的が外れておるようにも感じますが、只今の御発言は相当重要なことであつて、私も次にその点に触れて御質問を申上げようと思つてつたことでありますけれども、只今の御発言のよう試験制度といいますか、試験規定といいますか、試験内容といいますか、そういうふうなことは至極私は賛成でもあるし、又そうすべきであるとまで思つておるのでありますけれども、一体そういう御意見は法文の上からいうと、少くともこの法律の上には明記されておりませんが、政府はどういうところで、どういう条項にそういう御意見を実現させるというお見通しでありますか、その点具体的な御意見を伺います。
  46. 松平直一

    政府委員松平直一君) こういう試験方法とかその内容とかにつきましては、法律に成るほど謳つてございませんが、全部これは省令で定めるつもりでございまして、只今のところでは施行規則に全部こういう点を盛り込むつもりでございます。
  47. 小泉秀吉

    理事小泉秀吉君) そうしますと、只今の御発言は施行規則に盛り込むつもりというのは、大体確定的にお盛り込みになると了承してよろしいのでございますか。
  48. 松平直一

    政府委員松平直一君) よろしうございます。
  49. 小泉秀吉

    理事小泉秀吉君) 次に参議院の水産委員長から水産委員会を代表しまして運輸委員長に対する申入れがあります。これはちよつと簡単ですから条文を読んで同時に御質問に代えたいと思います。      水産委員長 木下 辰雄    運輸委員長 植竹 春彦殿    船舶職員法案修正の件    貴委員会において、目下御審議中   の船舶職員法案は漁業の現状に鑑み   その影響するところ極めて重大であ   るので次のごとく修正されるよう水   産委員会の決定に基き要請する。    次に船舶職員法修正点、十一と   ありますがこれは附則の十一と御了   承願います。   11 この法律施行の際現に総トン   数二十トン未満の漁船につき小型船   舶操縦士の資格を有する海技従事者   が船舶職員として行う職務と同種の   職務を行つている者には、運輸省令   で定めるところにより、市町村長   (特別区にあつては、特別区の長)が  その旨の証明をした場合に限り、   第四条第二項の規定にかかわらず、   試験を行わないで、同条第一項の規   定による小型船舶操縦士の免許を与   えることができる。   12 前項の規定によりされた免許   は、昭和二十九年九月一日にされた   ものとみなす。  理由 二十トン以下の漁船の船長はおおむね永年漁業に従事している漁民が自らその職に当つてをり、事実上漁民であり経営者であり、船長であるものが多く、これに直ちに本法試験制度を適用されるに於ては、現在の漁民に非常な脅威を与えることとなる。よつて現在その職にある経験者に対しては、その経験を尊重し、暫定的措置を講ずることが必要である。  こういう申出がありましたのですが、これについて一応政府委員のお考えを伺いたい。    〔理事小泉秀吉君退席、委員長着席〕
  50. 松平直一

    政府委員松平直一君) 政府といたしましては、小型船舶操縦士の資格を作りまして、これを今回総トン数二十トン未満の各地の船舶適用しますことは、従来適用しなかつたものに新しい免状を出し試験を行うということになりますので、その影響するところが非常に大きいということは十分承知をいたしております。従つて只今の水産委員会からのほうの御発議内容に関しましても、我々のほうは十分慎重考慮をいたしました結果、初めて試験は行いますのでありますが、この試験をいわゆる試験というような考えかたをいたしませんで、むしろこの試験を通じまして小型船舶に乗組む者の海事の知識とか思想、そういうものをむしろ啓蒙指導するというような建前を最初はとらなきやならない。従つて恐らく我々は試験をいたしましても、これに対して非常に苛酷な試験をいたしまして、現在の船長なり乗つておる者が、直ちに船を降りなければならんというような、何と申しますか、困難な事態が生じないように適当に措置をする考えなのでございます。特に又法は施行されましても、三年間の猶予期間を設けておりますので、この間に適当な知識を吸収してもらえば、小型船舶操縦士の試験を実行しましても、御心配のような事態を起さないで済むのではないか、こう考えております。
  51. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 只今の水産委員会から委員長に申出て来たことは、当委員会としては、やはり何かそれを、今私は委員長に代つて政府委員の御意向を一応伺つたのですけれども、当委員会としてはそれを聞き放しにして置くべきでしようか、何かやはりそれに対して意見をきめるべきでありましようか。その点どうでしようか。
  52. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) これにつきましては、本法律案につきましては修正の御意見も、大体委員会の委員の中におありのように承わつておりまするし、又只今小泉委員からのお話ように、水産委員長として修正の点が送付されて参りましたのですが、先づこの問題につきまして愼重な取扱をいたしまするためにお伺いいたしまするが、この水産委員会の修正点につきまして、皆様は御同意であられましようか、如何でしようか。
  53. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 私は政府に一遍伺いたいのは、大体この今の水産委員会から言うて来られたような二十トン未満の船に、今お話ようなもう極めて簡単な試験らしいものをして、そうして適当な小型船免状といいますか、それをやるという意味が、恐らくは従来特に瀬戸内その他の近海あたりで、航行船とそういう小さな漁船その他の船との衝突事故が起りました時分に、大体船の運航法を殆んど心得ておらない、強いて言うと、運航上衝突予防規則というようなものに対して無智に近いようなことが原因している場合が甚だ多いというようなことを避けるために、こういう法律品を作つて多少の知識を与えようというのが御趣旨だろうと思うのですけれども、水産委員会からの申出、誠に御尤もなんだが、そういうふうにして二十九年まで延ばす、今度は二十九年から、先にそういうふうな訓練を受ける機関というようなものがあればいいけれども、ないとその間の空白は小型免状程度の知識を与えて置かないと、今度は二十九年から先になつて又何年かの空白ができる。大型のほうは相当立派な船もだんだん殖えて行くというときに、やはりそういう航海技術なり規則なりというものの知識に非常に浅い人だけがあちこちにおるということは、又海難が続出して行くというふうなことで、本法制定の趣旨から言うと板挾みになるように思う。それに対する政府の御見解或いは御対策があれば……。
  54. 松平直一

    政府委員松平直一君) 御趣旨の点は確かにそうで、小型船舶操縦士の資格を作りましたのも全くその目的のためだつたわけでございます。併し実際問題としまして二十トン未満のこういう船舶に乗つておる者は、殆んど字の書けない、名前すら書けない者が多いという実情もございましようし、恐らく試験というようなものを受けたことがなく、試験場へ出ますればまともに品もきけないというような、実際素朴な人も非常に多いということは我々も想像できるところでございます。それでこの免状を出しますことが、只今ような海難を防止する上に非常に役立つものと考えて制度を作りましたのですが、一方現在そういう者の、受けようとする者のそういう実情を考えますと、水産委員会からの御意見も実に尤もで、私のほうではその間或いは国家試験とそういう実情をよく調整いたしまして、善処をいたす考えなんでございますが、まだこの点について多少の御不安を持つていらつしやるじやないかと思うのであります。私のほうでは海難に関しましてはこの免状以外に、いろいろと海難防止という点の対策を講じておりまして、こういうものを通じまして只今ような簡単な知識などの普及はやつておるわけであります。それでこの問題は、国家試験のほうのやりかたと、それからそれを受ける者のその実情と、これが非常に微妙な関係にございますので、この点は然るべく御審議をお願いしたいと存じます。
  55. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 只今の御質疑並びに答弁の内容は、この水産委員会から出た修正点についても尤もな点も含まれておるという御意見でありまするので、この水産委員会からの修正点を含めました本法律案に対しまする取扱い、本法案修正するか否かということにつきまして、今後の審議をどなたか主査になつて頂きまして、それで修正意見につきましての審議をして頂いて、若し修正するような場合には、関係方面との折衝等行なつて行くという工合に審議を進めて行つたら如何かと思いますが、如何でありましよう
  56. 高田寛

    ○高田寛君 今の委員長お話ように進めて頂くことが一番結構だと思いますが、如何でしよう、この主査というのは、これは御専門の小泉委員一つお願いして主査になつて頂いておまとめ願えば結構だと思います。
  57. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 只今の高田委員の御発言如何でしよう。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ではさよう決定いたしまして、御審議下さる委員はどなたとどなたかということにつきましては、小泉委員が主査になられまして、然るべくお取計らい願つてよろしうございますか。それとも只今各党、各会派から或いは出て頂きますか。
  59. 高田寛

    ○高田寛君 それは一つ委員長小泉さんに御一任して結構だと思います。    〔「そのほうがいいでしよう」と呼ぶ者あり〕
  60. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それではさように決定いたします。それではこれで一応質疑を打切りまして……。
  61. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 水産庁のほうの質疑はそれでいいのですけれども、本法質疑は今日打切つて又続行するのですか。まだ質疑を今日中に打切れないのですが……。
  62. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) まだおありでありますか。
  63. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 まだ二、三あるのですが……。
  64. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは若し修正でもでき上るということになりますれば、その修正に対する又質疑もあることでありましようから、続行いたすことにいたしましよう。そうすれば修正案に対する質疑も又場合によつては起きるかも知れないと考えられますので、次回に続行することにいたしたいと思います。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ではさよう決定いたしました。   —————————————
  66. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは次に航空に関しまする件を御審議願います。速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  67. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を始めて。只今自動車局長とそれから中村部長が見えましたので、通運事業に関する質疑通告の件を先にいたしたいと思いますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ではさようにいたします。
  69. 内村清次

    ○内村清次君 今日はこの前の委員会におきまして、運輸審議会委員長か或いは又適当な委員のかたを呼んで頂きたいということを申しておりましたが、そのほうはどうでございますか。
  70. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 運輸審議会委員は全部出張で、どうしても出席しかねるということでありましたので、御希望に副い得ませんでしたので、牛島局長と中村部長に御出席をお願いいたしたような次第でございます。どうぞ御了承願います。
  71. 内村清次

    ○内村清次君 これは運輸審議会の開催日というのは大体きまつておるようでございますが、その点は自動車関係のほうでもよくその了解はしておられるはずでありますが、一体どこに運輸委員長が出張しておられるか、その点をはつきりして頂きたい。これは委員長でなくして牛島局長に……。
  72. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  73. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を始めて下さい。
  74. 内村清次

    ○内村清次君 それではこの運輸審議会は定例日があつて、而も又この定例日によつて審議が続行されておると聞いておりますが、その点はどうですか。
  75. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 運輸審議会は殆んど毎日やつております。それで各局別に定例の日をきめまして行なつております。自動車関係は木曜乃至金曜日に行なつております。
  76. 内村清次

    ○内村清次君 そうしますとそういうような旅行関係は私的な問題ですか、或いは又公的な旅行ですか。
  77. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 公的な出張であると思います。
  78. 内村清次

    ○内村清次君 私が質問ようといたしますことは、第六国会におきまして制定をせられました通運事業法、この事業法に則りましていわゆる国鉄の通運に対する複数化の問題でありますが、これは法律内容におきましても、いわゆる既存の内国通運株式会社、これと相対比するような会社であり、而も、免許基準によつてこれをその国民からの要請があつた場合のときにおいては、基準従つてそれに免許せなくてはならないという項目が第六条に明記されてあるのでありまするが、その免許基準に対しましての私は質疑をしようとするのではありませんが、現在この通運事業法がどういう工合にですね、どういう工合に即ち免許がなされつつあるか、今どの点までその免許関係につきまして進行しつつあるか、同時に又その免許をめぐりましてまだいろいろな問題も派生しおるようでありまするが、そういう個所があつたところは一体どこであつたかという点を先ず質問いたしたいのであります。
  79. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 一昨年の通運事業法が制定公布される以前から、運輸省といたしましては通運事業に対しまして複数制の閣議決定を行なつて実施して参りました。本日までに全部で国鉄の主要なる駅二百八十二駅を指定いたしまして、免許いたしました件数は二百九十一件になつております。実際に日本通運のほかに複数化されました駅数は、六百九十三駅になつております。でこの点につきましては、第一次か 第五次までその取扱数量等を考えまして、重点的に駅の指定を行なつたわけであります。従いまして現状におきましては、殆んど全国の主要なる駅につきましては、複数制が実施されたことと思つております。その後昨年以降におきましては、昨年の十一月以降におきましては随時新規の免許申請を受ける、受理することになつております。現在申請されておるものが約四十件ございます。現在残つておりまする駅につきましては、その取扱数量等が割合に少い駅になつております。新たに、従つてこれらの駅に対しましての約四十件の出願は、この通運事業法によりまして新規に免許を受けました業者が隣接する駅に申請をしておるものが比較的多いように思われます。現在までに免許されましたのが二百九十一件ございます。  もう一つの御質問の、免許に際していろいろ問題になつたというお話でございますが、実際に新規に免許をいたす場合におきまして、訴願のあつたところにおきましては、程度の差こそございまして、これに対しましてどちらを免許するかというような場合百には、相当慎重に手続を、慎重に審査を行なつておるのでありまして、問題があると申しますればいろいろ問題もございますし、問題がないと言えばないとも考えられるような次第でございまして、ただ一律に全部が同じ日附で同じに免許なつたというようなことは申しませんけれども、ただ現在一件訴願の形式で問題になつておるのは、高知の通運の免許だけでございます。
  80. 内村清次

    ○内村清次君 そこで私は実は四国の新聞を見ておりますると、四国の殆んど全部の新聞が挙げて取上げておりますのは、この高知におけるところの免許問題からいたしまして、而も又、これは相当政治的な動きがあつたというようなことから世論化しておるわけであります。殊にこの真相につきまして私は是非一つこの委員会を通じて明らかにして置かなくてはならないと同時に、又この通運事業法につきましては私たちも当初からこれに関係いたしましたものといたしまして、而もこの第一条にありまするような、いわゆる公正な競争の確保及び通運事業の健全なる発達並びに鉄道によるところの物品運送の効率の向上を図り、以て公共の福祉を増進することを目的とする、この目的に対しまして、当然やはり今までの独占形態を排除いたして、そうして民主的な、而も又公共福祉に準拠したところの、そういう公正なる競争形態というものを確保しなくてはならないという見地からいたしまして、この正常なる私たちは発達を願つてつたわけでございますが、只今も局長からの答弁にありまするように、いわゆる高知通運からの訴願が出ておるというような実態です。そこで私はその前提といたしまして、お聞きいたしたいことは、これは鉄道から出ておりますところのまあ交通新聞の中に貨物未収金が二億五千万円もあるのだという新聞が載つております。これは先ず四国関係におきまして、未収金の最大なものは高知通運であり、二月分が、これはもう昨年の二月でしたが、二月分が千七百万円、三月分が千八百万円、それから二十五年度において二千万円計五千五百万円の未収金があるというような記事が載つております。この独立採算の主体となつております国鉄におきまして、こういう未収金があつてどうしてこの独立採算というものは確保されて行くか。こういう点に対しまして監督関係にあるところの局長はどう考えておられるか、その点先ず一つ……。
  81. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 只今お話の高知通運が鉄道に対して非常に支払が、納金が遅れておるということは我々もよく知つておるわけでございますので、何とかそれを再編成させて国鉄との間にその決済についての話合いをつけさせたいというのでいろいろ話をいたしたわけなんで、昨年の十一月でございましたか、話合いが円満につきまして、差当り或る一定額を給めましてあとは分納で、済崩しに納めるということで了解がついた、こういうふうに聞いております。
  82. 内村清次

    ○内村清次君 只今分納のお話が出ておりますが、これは二千万円は当分棚上げとして、あとの三千万円を月二百万円宛の割払いを認めておる、こういうような事実であろうと思います。この高知通運株式会社というものは、各県の通運事業が昨年春から複数化されておるにかかわらず、本年の二月の末まで独占業者であつた関係で、鉄道運賃は荷主から殆んど収受されておると思われる。国鉄に後払いの運賃を滞納する半面に所有トラツクが今まで二十輌しかなかつたものを一躍百十輌に増加しておる。それから倉庫業に手を出すために、建坪三千坪の大倉庫を新築しておる。又、数カ所に支店を新築するなど、他の通運業者、トラツク業者が苦境に喘いでおつた際に、非常に積極的な経営をしておる。又同社の社長の父親が、時価百万円を出ると言われるところの私宅を新築しておる。又この際材木購入のため、高知通運の約束手形が出されたと言われておる。こういうような会社の実態を当局は実際調べておるかどうか。調べて……、ただ割払いで、ほかの会社に対してはそういう手を打たずして、そういうような、即ち寛恕な処置をどういう工合でとつておられるか、その点を一つ……。
  83. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 通運事業界と言わず、トラツク界と言わず、非常に荷主からの収入を回収できない、いわゆる未収金が非常に多いために、経営が不振であるということは御承知通りであります。従いまして通運におきましては、荷主からの未収金が多いために鉄道に対する納金が滞りがちである。こういうようなのが一般的にありますので、我々といたしましては高知通運に対してかよう事情相当つて、国鉄に対する納金が遅れておる、かように理解しておつたので、それでいろいろ双方の間に話合いがつきまして円満に妥結しましたならば、将来の再建の見通しが立つたならば、それでいいことだと思つてつたわけでありまして、社長の父親の私宅の問題とか、さようなことまでは我々としては実は知ることができなかつたので、そういうほうに納めるべき金が廻つていたというようなことは全然存じていなかつたわけであります。
  84. 内村清次

    ○内村清次君 高知県では昨年の三月五つの業者が出願をいたしておつたと聞いておりますが、その通りでありますか。
  85. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 昨年の三月十五日の締切りで告示をいたして最初は六つ出たわけでございます。そのうち本省の陸運局に参りますまでに一つ取下げ出して、更に本省に申達後一つ取下げをして、結局最後まで残りましたのは四つでございます。
  86. 内村清次

    ○内村清次君 他府県では大体三カ月以内にどしどし新規免許が決定されておるにかかわらず、漸く昨年の末の十二月の二十日、高知県の陸運株式会社に免許されたようでありますが、高知県の既存通運業者は全国一の鉄道運賃を滞納しておる。これは先に申しました通りに滞納しておるというのにかかわらず、荷主が多大の不便を感じておるのを知りながら、出願してから数カ月間で高知県だけ免許された。これにつきましては先ほど私が申上げましたように、非常にこの裏におきまして相当の疑惑が持たれた点が世論化しておるというのでありますが、この免許の経緯について承わりたい。
  87. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 高知県の最後まで残りました出願者のうち三つは全然貨物運送事業者、トラツク事業者であります。もう一つは産業会社でございまして、同時にトラツク事業の経営も行なつておりますが、三つは純粋のトラツク事業者でございます。この高知県のトラツク事業者は他府県とやや趣を異にいたしまして、これらのものは全県を主たる事業区域として、トラツク事業におきましても、非常に競争を激しくやつてつたものであります。これらのものが同時にこの通運事業免許の出願をいたしたわけでございます。この三つのうちほぼトラツク事業者としての力が平均しておると普通に言われておつた会社でございまして、而も日々行われております仕事が全県を主たる事業区域としまして、同一の場所において競争を行なつておるというような会社でございまして、これが同じ通運事業免許申請をする、而もその免許につきましては高知の程度の取扱数量のありますところにおきましては、この三つを認めるということは到底できないものであります。従いましてどうしてもここで或る程度の選択をしなければならない、こういう実際上の問題があります。この点からいたしまして、事務当局といたしまして、これらの申請書を受付けまして、事務的にこれをいろいろ整理をいたしまして、運輸審議会におきましては、六月のたしか末だつたと思いますが、聴聞会を開催したわけであります。この聴聞会におきましても三社或いは四社のかたがたの聴聞会におけるところの審理につきましては、なかなか相譲らんところの激しい聴聞会であつたと私どもは聞いておるわけでございますが、さてその聴聞会の結果運輸審議会としての意見を御決定を願う場合におきまして、いろいろと不備な点、調査の足りないというようなものもございますことがわかりましたので、更に八月の末でございましたか、現地に人を派しまして、これらの会社の本当の実情について更に取調べいたしまして、運輸審議会から大臣宛の答申を頂いたのが十二月の上旬であつたと思います。従いましてその処分が決定いたしましたのは十二月の二十日ということになつておるわけであります。
  88. 内村清次

    ○内村清次君 そういたしますと、この鉄道のいわゆるホーム関係におけるところの荷扱いのトン数は、勿論審議会の対象といたしまして御決定になつて、そのトン数関係から例えば高知駅においては二つの会社を許そう、或いは又は一つの会社に限定をしようと、こういうようなことをきめて行かれるようでありまするが、これはどことどことお話合いの上できめて行かれるのか、いわゆる審議会があなたがたの答申を聞いて、そうして公正にその数は決定するのであるかどうか、この点ちよつと……。
  89. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 審議会は公聴会、或いは聴聞会を開催いたしまして、その場所において得られました各種の事項につきまして審議会自身の意思決定をなさるのでございます。それを以て大臣に答申されるわけでございます。大臣としましては審議会の答申を尊重して行政処分をするというのが建前になつておるわけであります。ただここで一つ実際上の運用の問題からいたしまして審議会意見と大臣の処分されることが食い違いますと、行政上非常にまずい結果が現われる点が多いのでございます。又審議会自身としてはその権限につきましてはいろいろの人の意見を徴することができることになつておりますが、その両方面からいたしまして実際の行政運用からいたしますれば事務当局の意見審議会として審議会意見決定をなさる前に徴されることがならわしになつております。従いまして事務当局としての意見も申上げ、審議会として貴見が出て参ります場合におきましては先ず先ず大臣の御処分を、実際になさる場合とそう行政上食い違いはないというような結果になるかと思います。
  90. 内村清次

    ○内村清次君 この問題の重点の一つは、ここにこの問題の発生の原因があるのです。いわゆるその駅に対するところの貨物取扱いのトン数によつて、先ほど言われましたよう審議会がそこで二つ免許を許すとか、或いは一つ免許を許すという判定権がある、ここによつて問題の発生が出て来るように考えます。同時に又今回の免許関係につきましても問題は最初六社が出願をしたと言つて、おる。そうしまするとそういう六社の人たちは今までホーム扱いを全然されずにただ通運だけに委託したところの既成の運送業者であつたかどうか。この点をお調べになつたかどうか。
  91. 中村豊

    政府委員(中村豊君) ちよつと御質問趣旨がわからなかつたのですけれども、こういうことでございますか。今までの申請のトラツク会社は通運だけに依存していたか、一般のトラツクの仕事もやつていたかというお話でございますか。
  92. 内村清次

    ○内村清次君 トラツクの問題じやないのです。即ち荷主関係のあるところのこの小運送のそういう場所の対抗にできましたところの合同運送会社というものが、これは鉄道のホームを使つて貨車から取下しする、荷主に配ると、こういうような仕事をやつてつたかどうかというわけです。
  93. 中村豊

    政府委員(中村豊君) そういう今までやつていたかどうかの事実については、私たち調べたところでは各申請人いずれもそういう施設はございませんで、あすこの非免許業者である高知通運だけがホームを使つた通運である、こういうことに考えております。
  94. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは只今通運事業法に関する内村委員からの御質疑は審議の都合上一時延ばすことにいたしまして航空事業に関する件を議題に供します。
  95. 高田寛

    ○高田寛君 この日本の民間航空事業は久しくまあ国民の待望するところであつたのでありますが、漸く昨年になりまして外国会社によつてこれが経営を許されるということになり、続いて今年に入りましてから日本人の会社がこの経営を許されるということになりまして、国民ひとしく一日も早くこの航空路の開設を待望している次第でありますが、まあこれにつきまして予算関係で見ますると二十五年度の補正予算におきましては、ただ東京と大阪と福岡この間の飛行機を飛ばす最小限度のまあ有線テレタイプの施設というものが載つておるだけでありまして、二十六年度の予算ではこの民間航空に必要な政府方面の施設の予算というものは全然載つていない。このよう情勢では今年度一ぱいかかりましても国民の待望するような民間航空路というものは開設するという見込がないということを非常に憂えておる次第であります。  そこで前田も航空庁長官から説明を聞いたのでありますが、やつぱり航空庁当局としましても東京を中心に或いは名古屋、大阪、岩国、福岡、北のほうは仙台、青森、札幌まで航空路の計画しているけれども、なかなか予算が取れないで何ともならないというような御説明を伺いまして、我々運輸委員会としましても航空事業の再開に非常に大きな期待を持つているだけにこの御説明を聞いて非常に失望しておる次第であります。丁度今日は大臣もお見えになりましたから大臣にお伺いいたしたいのでありますが、この我が国の民間航空路をこれを開設するにつきまして大体どういう構想を持つておられるか、特にまあ航空路についてどういう構想を持つておられるか、又今日の占領下においてはまあどの程度のことをやろうとお考えになつておられるか、又、施設につきましてもどういうよう計画を持つておられるか、又今日ではいろいろ占領下にあつて飛行場の使用等についてはいろいろ制約もあろうと思いますが、この現状において最小限度どの程度の施設をするというお考えを持つておられるか、この点につきまして一つお伺いをしたいと思います。
  96. 山崎猛

    ○国務大臣(山崎猛君) お尋ねの民間航空事業の問題でありますが、昨年の夏、秋の頃期待をしたところの条件よりも年末押詰り、更に年を越えて今年に入つてから期待以上の日本側に都合のいい条件に運ぶことができるようになりまして、御承知ように地上における施設運営はことごとく日本の一会社によつて施設運営を準備されるというようなことになり、極東委員会の制約による飛行機の所有、パイロツトの活動ということだけがまあ大体制限されて、それ以外は日本側というようなことに進んだことは、民間の待望もあることながら、全く日本国民として御同慶の至りであると考えるのであります。近く更に又講和会議等も新聞の報道によれば接近しつつあるのでありまして、これらが幸いにして締結され、日本に自主性が回復するという場合に当りましては、当然国際航空に乗出す特権を与えられるであろうということを期待し、希望し、そのための心構えもいたさなければならないかと思うのでありますが、それらに対しましても現在の地上施設運営が日本側に一手に任せられるということは、その受入態勢の形の点から見ましても誠に好都合であると勇んでおるような次第であります。ただ問題はそういうふうに進展しましたのが今年になつてからのことであります。予算もすでに上程されたあとのことにも相成つておるよう関係から、大急ぎにやらなければならない、予算的の準備がそれに伴わないでおるような状態に置かれておるのでありますけれども、その点が我々運輸当局者としては努力にもかかわらず一大遺憾を感じ、折角努力をいたしておるような次第なのであります。航空路につきましては今申上げたよう日本側の条件が大変今年になつてよく進展して参つたのでありますから、国民の待望するがごとく、希望するがごとく、福岡から東京を通つて北海道の札幌というこの線だけは最後の線として是非民間航空事業を始める場合には、ここまでは最低線という意味で実現するよるように努力したいのがこの航空事業を管轄する運輸省としての肚であるのであります。その施設には只今御指摘のようにいろいろの飛行場について、及びこれに関連した設備費も大きく要るのであります。ここに予算の措置の問題が起つて参るわけなのであります。又時期の点におきましては、準備のでき次第、完全にできないまでも、不完全な場合には一部だけでもできるだけ早く国民の期待に副うように事業を進めなければなるまいかとも思います。何もかにも満ち足りておるという場合であれば理想通りに全線に向つて一気に開始して行くということもできるでありましようけれども、事業の運営といういろいろな準備の点から言つたならば、できる面から着々進めて行くというようなことも考えなければならないと思うのであります。併し日本ようなこんな小さな国で、アメリカの一州くらいの面積しかないところでありますから、この中を刻んで飛行機の仕事を始めるというようなことは誠にどうも智恵のない話であり、無理のない話でありますので、この狭い国内だけは一つ一気に全線活動に入るというふうに努力したいと折角考えておるような次第であります。予算面等の数字、或いは法規等につきましては、又計画内容等につきましては、丁度説明員の秋山次官がおりますから、秋山次官より更に詳細に補足してお答え申上げたいと、こう思うのであります。
  97. 高田寛

    ○高田寛君 なお大体大臣の御構想はわかりましたが、これに関連して、飛行についての保安の施設というようなものは、やはりアメリカの例にとりましても、これはやはり国が施設することになると思うのでありますが、これについて大体どのような施設を今計画しておられるか、又これに対する費用がどのくらいかかるか、それから又差当りとして軍用の飛行場を共用する場合にはどのくらいの費用がかかるかというような点について、一つもう少し御説明頂きたいと思います。
  98. 秋山龍

    説明員(秋山龍君) エアー・ポートと言いますか、飛行場の最近の発達状況は私も昨年参りまして、実は戦争前の日本の飛行場に比較しまして非常に進んでおるのに驚いたわけでございますが、先ず私どもの驚きましたことは飛行場の滑走路が日本の考えておりましたものよりも広いものでありまして、これは先ず日本ではよほどの努力をしなければあそこまでの広い舗装をした滑走路というものは整備できないということを感じました。それからその次は発着監視設備と言いますか、発着を合図し、整備するという関係の設備が、これも非常に最近の無線通信技術の進歩と相待ちまして、非常に整備をされて参りました。これは飛行場の安全を保ちます上においては絶対に必要なことでありまして、大いに最近の技術を取入れ、又国際的な同じ規格でありませんというと、これも又航空事業の国際性に鑑みまして困るわけでありまして、どうしても国際的な標準に是非したいと考えておるのであります。それから飛行機を扱いますための通信設備、それから気象関係、これに必要な飛行場の事務所、それから客扱いの設備というふうな事柄が大体飛行場を使います場合の根本的な施設でございますが、併しこれにもやはり程度がありまして、非常に飛行機の発着が多い場合には、それに応じまして設備も余裕を持ち、又優秀な設備を作らなければならんということになりまするし、飛行機の発着が少くて取扱量が少い場合には又それに応じまして全体に程度を下げることも可能であります。場合によりましては多少私は財政上の都合によりましては、辛抱しなければならん点もあるかと思つておりまして、目下これらの点につきまして大蔵省と折衝中でございます。なお現在の予算の詳細につきましては、航空庁の次長が参つておりますので、次長より詳細申上げたいと思います。
  99. 大庭哲夫

    政府委員(大庭哲夫君) それでは現在私のほうから大蔵省へ提出してあります予算につきまして、数字をちよつとラウンド・ナンバーで申上げます。私のほうで今大蔵省へ持出してあります数字は、大体におきまして緊急を要するもの、それから次の施設というものの二つに分けまして、それを一貫して大蔵省へ要求してあります。緊急を要するものとしましては、大体飛行場の今度使います八つの飛行場につきまして通信施設、それから待合室その他会社が使う施設と政府が扱う施設、これだけを緊急施設として要求してありますが、これが大体二億六千万円くらいの金になります。そのほかに政府としまして要求しましたのは、仙台の松島の飛行場が汽車で行きまして一時間半の距離にある、これは旅客に相当不便でありまして仙台の近くに霞目という飛行場がありますが、これを整備してはどうか。この整備費としまして大体八億円の金を要求しております。それから北海道に行きまして千歳の飛行場が大体四十分、五十分の時間を要しますので、札幌の近郊にあります丘珠の飛行場を整備したい、これは滑走路がありますが、その滑走路の補強というものにつきまして、それからその他通信施設を入れまして大体三億円の金を要求いたしました。そのほか大阪の飛行場の滑走路の補強、これが大体一億であります。合せまして、先ほど申しました緊急を要する金の二億六千、それと経常費を合せまして大体十六億という金を大蔵省に要求してあるわけであります。
  100. 高田寛

    ○高田寛君 そうしますとただ二十五年度の補正予算で五千二百万円だけが民間航空関係の施設費として認められているよう承知しているのですが、二十六年度には何ら予算的措置が講じられていない、この辺の折衝の過程なり見通しなりについていま少し伺いたいと思います。
  101. 秋山龍

    説明員(秋山龍君) 先ほど大臣よりお答え申しました通り、最終的にこういう形で日本の民間航空の再開を許すということがはつきりいたしましたのが一月になつてからでございまして、当時すでに二十六年度の予算は編成完了いたしておりましたのでございます。そのために本予算に組入れることが不可能であつたわけであります。併し本予算に組入れることが不可能でもなお事務的にはいろいろな方法がございますわけでございまして、二十六年度になりましてもなお予備費の支出の方法もございますれば、或いは五月に行われると期待されております国会において或る種の補正的措置を講ずるということも可能なわけでございまして、私どもとしては成るべく早く、而も堅急に必要とするものだけは整備できるようなことに事務的には折衝を進めまして、将来の理想と申しますか、多小とも先に延ばすことのできる事柄は又正常なる手続を以ちましてやりたい、そういうような基本の考え方に基きまして交渉を進めておるわけでございます。見通しということは甚だ困難なことでございまするが、私どもとしましては近日中に何らかの打開ができるのじやないかというふうに考えております。
  102. 高田寛

    ○高田寛君 そうしますと結局東京、大阪、福岡とこれだけが新聞に伝えられたように六月ぐらいから航空が始められる。そのほかのはまだいつから始められるか見通しはつかん、こういうことになりますか。
  103. 秋山龍

    説明員(秋山龍君) 私どもとしては先ほど大臣のお話にもございましたように、南のほうでは岩国、名古屋を、北のほうでは仙台、青森、札幌というものに最小限の緊急施設というものだけをやりましてできる限り一齊に始めたい。若し何らかの都合で遅れましても、極く僅かの差にして始めたい。これは航空機の運用の見地から申しましても、これだけをやりませんというと十分に能率的なる航空機の運営はできないわけであります。而も交通の重要性から申しましても、最小限これだけのものは民間航空制としてはなければならん分ではないかと考えております。
  104. 高田寛

    ○高田寛君 いま一つ伺いたいのですが、今の飛行場は軍が使用しておるものですが結局ここの格納庫とか、それから待合室とか、こういうものは共用させてもらえる見通しでしようか。
  105. 秋山龍

    説明員(秋山龍君) できるだけそういうふうにはしてもらいたいということで折衝いたしたのでありますが、目下設備のございますのは羽田だけでございまして、羽田は御承知通り国際航空港として非常な多忙な状況になつております。なかなか使用を認めてもらうことが困難でございます。従つてその他のところにおきましては殆んど見るべき設備はないのでございまして、どうしてもこれは設備をしなければいけないと思つておるわけでございます。
  106. 松浦定義

    ○松浦定義君 只今大臣から航空事業の開設についてお話を開きますと、昨年から非常に熱心にこの実現方を要望されておりましたが、今聞きますと、或いは一部は延期されるんじやないかというような懸念もあるということをお話になつておりますけれども、先ほど高田委員からお話のありましたように、やはりこれは相当国民全体が要望して参りました関係から、簡単に申上げますれば名古屋或いは福岡線を或る程度回数を縮めても、不十分な設備の点はありましようけれども、北海道の線は是非一つ実現して頂きたい。そこで私は北海道というものは現在国家的に見ましても非常に重要な地位にあるということはすでにおわかりだと思いますし、更に如何に民間事業とは言いながらも、今後いろいろの問題で、北海道へ重要行政の人事の往来というものも、その度を非常に増すものだと考えるわけです。そこでこの際北海道線につきましては特段の御努力を願いたいと、かように考えておるわけであります。現状では大蔵省側において相当問題があるというふうに聞いておりますが、画期的な事業である航空路の開設につきましては、政府が挙げて努力されておると思いますが、特に先ほど申上げましたように北海道の特殊性を十分考えられたいと、かように考えるのであります。特に現地におきましては、講和を直前に控えまして北海道の動きというものは、非常に変つた観点に立つていろいろの問題を見つめておるよう現状であるわけであります。三、四年以来から僅かの経費で以て若し実現ができるとするならば、北海道だけ片手落ちなような処置を講じられるということは、或いはその考え方によつてはそうした政府に対する疑問の眼を持たせる、或いは又非常に北海道に対する認識というものが非常に薄いんだというふうに疑問を持たせるということは、非常に私といたしましても、或いはこの際政府といたしましてもお考えを願いたい。かように考えますので、大蔵省といたしましてもいろいろな事情はありましようけれども、そういつた事情を十分御考慮願いまして、特に大臣からこうした面も含められまして、今後の実現方に是非一つ最善の御努力を願いたいと、かように考えるわけでありますが、現地からも電報等で相当最近新聞紙上で見たがこうだというようなことで要望が参つておりますので、是非ともこの点を御留意願いまして、只今お話になりましたような決意を以て是非一つ北海道の線も一様に実現されるようにお願いして置きたいと思います。
  107. 山崎猛

    ○国務大臣(山崎猛君) 民間航空ということに対する国民の待望もあるのでありますから、先刻申上げたような趣意で運輸当局者としては進んでいる次第で、御了承を頂けることと考えますると同時に、又北海道のあり方、重要性ということについてもお説御尤もでありまして、全然御同感であります。北海道を継子扱いにして考えて行くというようなことは御承知の今日この小さな国に八千万も追込まれている関係から見ましても、特に最近の事情から考えて北海道の重要性を痛感いたしております。只今の御意見の御趣意は私どもその線に沿うて行きたいと考えていることでありますから、及ばずながら、微力ながら最善を尽して参りたい、と考えている次第であります。
  108. 高田寛

    ○高田寛君 ほかに御質問もなければ、ちよつと速記を止めて……。
  109. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を中止して……。    〔速記中止〕
  110. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を始めて。
  111. 内村清次

    ○内村清次君 先ほど中村業務部長からトラツクを使用している通運事業をやつてつたものは高知県の陸運株式会社だけである。勿論これには通運会社も当つているはずでありましようが、併し他の運送会社は労務者をもこの中に入れておらないかどうかというような問題につきましては、私は少し疑義があるのでありますが、併しこの問題はあとに譲ることにいたしまして、今回免許を受けましたところの高知県の陸運株式会社の性格につきまして私が調査したところによりますると、高知に元貴族院議員で、元自由党の高知県の支部長であつたところの野村茂久馬という人物がおつた、この三男の野村義久という人が既存の通運事業であるところの高知通運株式会社を経常して、茂久馬氏の長男が死亡いたして、現在孫の野村健一郎氏が野村産業株式会社としてトラツクとハイヤー業を経営しているほか、この野村産業は今回免許を受けたところのトラツク業者であるところの高知県の陸運株式会社の株を五〇%もひそかに所有している、いわゆる野村コンツエルンとして高知県の運送界に重きをなしていると言われているのでありますが、この陸運会社に新規免許を与えていることは、通運事業法にありますよう通運事業が自由公正な競争によつて国民の利便を増進することを一つの大きな狙いといたしております以上、この目的が実際において達せられるかどうか、又それ以上に独占禁止法を心配いたしまして、そうして野村産業と、陸運会社が同じくトラツク業を経営している点、一つは高知通運と陸運会社が通運事業を経営している点、こういうよう二つの二重的な経営をやつているのでありますが、こういうような点につきましてはよく調査せられたかどうか、この点を一つ…。
  112. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 只今お話ように既存会社の高知通運と、それから野村産業と、それから今度免許になりました高知県陸運とは同一の野村系統であるというような風評とか話はいろいろ我々の耳にも入りまして、審議の途中において……そこでその点が若しさようでありますれば、高知県陸運を免許することは独占禁止法違反にもなりますし、その免許の効力が問題になるのですから、その点は十分に審査したわけでございます。それで聴聞会におきまして関係人からもいろいろ聞き、或いは現地調査をしたりいたしましたのですが、そういうふうな野村系統であるという関係は、過去に成立の過程の途中においては確かにあつたのでありまするが、昭和二十四年三月に野村産業が一般貸切トラツク事業の免許を受けたのであります。そのときに同業となるべき高知県陸運というトラツクの株式を、昭和二十四年三月にすつかり他に譲渡して処分してしまつた。野村の中からすつかり離してしまつたということが明らかになりましたので、昭和二十四年三月を以て野村系統から断ち切られた高知県陸運は全く別個の形体になつたということが、さようなことが確認されましたので、免許のときに当りましては同一系統の関係はないから、独禁法の違反ではないと、かように断定したわけでございます。この点に関する運輸省及び運輸審議会の審査については必要にして十分であつたと、かように存じております。
  113. 内村清次

    ○内村清次君 その点は今競争と申しますと語弊がありますが、申請いたしました他の会社からすでに提訴されたのであつて、而もこれは当然公正取引委員会としては取上ぐべき問題である。而して現地調査もやつておる問題である。そこでこの陸運会社の株を野村産業が五〇%所有して、野村だけが高知通運とそれから陸運会社の一つの大きな支配力を握つておるという事実、この点は今あなたのほうでは取調べた、而も又それはすでに一つのほうを断ち切つてしまつたから独立になつたのだと、こういうような御答弁でありますが、第一に陸運会社の株式構成でありますが、昭和二十三年の十二月二日に高松市におけるところの四国地方道路運送委員会の野村産業のトラツク業の経営免許申請に関する公聴会において、参考人として出席陳情したところの陸運会社の専務取締役であるところの安岡丑太郎氏は、陸運会社は昭和十八年の統合設立、資本金は百万円で現物出資によつて野村産業の取得株式は総株式の半数であつたこと。自分は以前野村産業の社員であつたが、統合整理後派遣せられ陸運会社の常務に任じられて今日に至つておるということ。野村産業の持株は独禁法の施行直前に、昭和二十二年七月頃個人名義に書換えられておるけれども、その個人名義の主というものは、西山徳治、上田鶴、北代俊夫、野村健一郎、安岡丑太郎の五名と供述しております。これらの五名はすべて野村の一族か、その使用人である、この野村産業のトラツク免許には、陸運会社以外のトラツク業者が独禁法違反であると反対しておるのです。そうして公正取引委員会に提訴しようとしたところが、当時の運輸省の一部で、反対業者を圧力を以て公取の提訴を思い止まらしめておる。両者間に運送協定を行なつて、そうして野村産業に免許を与えた事実がありますかどうですか、この点は。
  114. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 只今お話ような点は寡聞にして我々聞いておりません。ただその独禁法違反の点は確かに問題になりますので、我々としては十分な調査を運輸省及び運輸審議会に与えられた権限の範囲内において十分な調査をいたしましたが、それ以上の捜査権限、或いは現地の何と言いますか、金庫を開けるというような、そういうような点は運輸省関係には持つておりませんので、そこまで調べることはできなかつたのです。従いまして最近公正取引委員会に独禁法違反ということで提訴されたということになれば 公取のほうでその独自の権限に基いて調査したのであると思います。そうしてその上で公取で何らかの審決がされれば、独禁法違反である、或いは違反にならないという、さような審決がされれば、勿論この事実に基いて、我々処分を考える。かようなことになりますので、独禁法違反、これらは公取の審決に委ね、それに基くと、さように考えております。
  115. 内村清次

    ○内村清次君 今公取の判決の点をあなたのほうは楯にしておられるようでありますが、そこでこの紛争のために先の五名の名義というものが更に安岡丑太郎、樫谷稲実、竹村義勝、それから宅間為夫、西山徳治、岡田保、中内宗輔、堀地良魚の八名の名義に書換えられておる。こういうことは野村一族が野村の使用人で陸運会社の重役となつておるのでありまして、この先ほども答弁されておるように、二月の中旬には公取引の委員が来られまして、そうして野村陸運会社を調査した結果、その偽装株券は野村産業の銀行借入金として銀行に入つておる。独禁法に違反しておる事実は野村産業の持株であるにもかかわらず、前記八名の名義に偽装した事実が判明しておるのです。又二月の二十八日附の大阪毎日新聞には野村茂久馬氏は、陸運会社は野村健一郎が経営しておると言明しておる。陸運会社は、それだから決してあなたがたは便乗したと言つても、現在の当主というものはそれを経営しておるということを野村茂久馬氏が言明をしておる。こういう事実があるにもかかわらず、陸運会社は野村産業とは何ら資本的関連はない、従つて既存業者の公述人が何ら関係はないと言い張つておられるということは私はどうもおかしいと思うのですが、昨年六月の運輸審議会免許についての出願に対して聴取するため、聴聞会を開設したはずであります。陸運会社に対する聴聞の際に審議会委員から陸運会社の株主でもないのに役員になつておる、何か特別の理由があるかという質問をされたが、今日は残念ながら審議委員が来ておりませんから、私はこの点を保留いたしますが、その際に陸運会社の重役が、これは永年当社に勤続したところの功労、功績のある者を役員にしようとする必要があつたから、こういう答弁をされておるのであります。この役員は野村コンツエルンの土佐高圧株式会社の専務取締役で、先ほどの偽装株主であるところの西山徳治の妻女であつたはずでありますが、こういう事実を知つておられますか。
  116. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 運輸審議会聴聞会における審議の模様は、不幸にして出席しなかつたので全然聞いておりません。この点については運輸審議会のほうでお確かめ願えれば結構だと思います。たびたび申上げますが、独禁法違反の問題については、お説のようにさようなことがあれは非常に問題なので、我々としては我々に与えられた権限の範囲内では調べましたが、さような事実はない、かように見ておるわけでありまして、独禁法に関する主務官庁と言いますか、権限を持つた役所は公正取引委員会でありますから、そこが如何ように決定されるか、それによつて、すべてそれに基いて考える。かように思つておるわけでございまして、決して公取の審決を否定するとか何とかいう考えではございません。只今そこに対して告発されておるそうですから、それの決定を待ちたい、かように考えております。
  117. 内村清次

    ○内村清次君 そこでこの西山徳治の妻女という人が、それではさような勤務があつたかというと、同氏の履歴書では、本人が陸運の会社に勤務したということは書いてない。こういうようなことでこの内容はこれは部長が審議会に立合つておられなかつたからと、こう述べておられるからこの点はお尋ねしないとしても、野村産業の社長野村健一郎氏は、是非この陸運会社を免許されるようにとしばしば運輸審議会や、又は運輸省へ陳情されたと聞いておりますが、そういう事実があつたかどうか。
  118. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 高知県陸運も、高知県合同運送も、高知県運送も、入交産業というこの四申請人も、たびたび是非自分のほうに免許してくれ、こういうことを陳情して参つております。それはどの会社だけでなく、ことごとくであります。
  119. 内村清次

    ○内村清次君 その際にこれは丁度七月十四日ですか、合同運送の佐藤社長、それから梅原常務の質問に対する中村業務部長の言葉として、総理の次の人が陸運を強力に支持しておる、この人を牽制し得られる力のある人はないか、この圧力さえ除いてくれれはあとはすらすらと運ぶと、言明されたということであるが、そういう事実はありますか。
  120. 中村豊

    政府委員(中村豊君) さような事実は一切ございません。
  121. 内村清次

    ○内村清次君 この陸運会社に対する野村一族の支配力についてでありますが、この関連会社の安岡事務は先に述べました高松の公聴会の前日に、反対会社でありまする高知県の運送株式会社、高知県の合同運送株式会社の両社長に対して、明日の高松公聴会には陸運会社としては誰も出席せんから、今朝私のほうの川村社長から両社へ申出があつた只今野村産業から名指しで私に出席してくれよと強い要求があつて、協議の結果私が出て賛成供述をせねばならなくなつたから悪しからずと挨拶いたしておるのでありますが、又その前月に高知県の利用農業協同組合の特定免許申請の公聴会において、陸運川村社長が同社の輸送要請に対する輸送能力は一〇〇%であるので、新規免許には反対であるという旨の公述をしたのに反して、翌月の野村産業の免許申請の公聴会では、陸運会社の安岡専務が同社の輸送能力は輸送要請の八〇%しかなく、新規免許は影響なしと賛成公述しておるということは、これは陸運会社に対するところの野村一族の支配力を雄弁に物語るものであるのでありまするが、これは要するに陸運会社は免許を採用するところの一番重要なもので、即ち陸運会社は野村一族が、延いては既存業者と何ら関係がないという事実を糊塗するため免許申請書に既存業者と資本的、人的に何ら連繋なしと記載し、虚偽の株主名簿を提出し、運輸審議会においても全く虚偽の陳情を行なつておるものであると思われるのでありまするが、こういう点につきましても、下調べを相当せられるところのあなたがたといたしまして、運輸審議会の、即ち材料としてこういう下調べをせられたかどうか。この点……。
  122. 中村豊

    政府委員(中村豊君) さようなこともいろいろ聞き及びましたので、果して野村系統であるか、株はどうなつておるかをいろいろ調べたのでありますけれども、我々の調べた結果ではさような、野村が株を依然として保留しておる、実質的に握つておるという事実は認められなかつたのであります。
  123. 内村清次

    ○内村清次君 こういう他人を欺瞞してそうして不当な免許を得たということは、刑法第二百四十六条にも該当するものでありますからして、こういう点は今後公正取引委員会の判決を待つて、又あなたのほうでは追訴の問題、即ち提訴の問題も発生しておることでありますからして、こういうことが明るみになつた場合のときにおいては、この免許をお取消しになる用意があるかどうか。これは大体運輸大臣にも私は聞きたいのですが、まああなたのほうの御意見を先ず聞いて置きたいと思います。
  124. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 私どもが審査をいたします場合には、株主名簿に記載された株主は、これは正当なものと考えておりますので、実際に株の売買があつて、名儀書換が行われておるものと、こう考えております。若しも株の売買なく、この株主名簿そのものが若しも偽つたものであるというようなことになり、又それに基いた公聴会におけるところの陳述等に基いて、運輸審議会意見の決定をせられておるというようなことになりますれば、これは法律上やはり取消すことのできるものであると思います。
  125. 内村清次

    ○内村清次君 先ほどは中村業務部長は、総理の次の人が陸運を強力に支持しておるというようなことについて発言はなかつたとはつきり言明されておりますが、これは将来におきましてもそういう一体又こういうことを聞いた人が参りましても、その点はやはり今日の答弁通りにはつきり言明がせられますかどうか、この点……。
  126. 中村豊

    政府委員(中村豊君) 勿論のことでございます。あえて申上げるまでもないと思います。
  127. 内村清次

    ○内村清次君 これは四国の各新聞におきましても、又はこの当事者関係であります人からも副総理、今議長になつておられますが、この人に対しましても相当質問もやつておる、同時に又、これは将来におきましてやはり一つの何といいますか、提訴問題も発生いたそうといたしておりますところでありまして、この八月の上旬に合同運送の顧問であるところの山本清衛氏の質問に対して、林副総理が木村委員長、これは審議会委員長ですが、を呼んで合同運送が適格であろうとも陸運に許すようにまとめてもらいたいという事実も聞いております。これは丁度今日、木村さん来ておりませんから、残念ながら木村さんから直接聞くことができないのですが、そのときに木村さんは帰つてよく研究してからお答えしますと、こう言つてつたということをこの人がはつきり言つておるわけでありますが、こういうような事態は今部長が言われたように何もこの関係、普通の会社の免許関係であつたならば、約三カ月間ぐらいで済んでおる事態が九カ月間もかかつておるというこの経緯の中におきまして、こういう点が少しもなかつたというようなことは私はどうも納得行かない。この点につきまして、いわゆる政党人、而も又、政党の中でも幹部級の人たちがこれに働きかけたというような事実はなかつたかどうか。そういう経緯を一つお話願いたい。
  128. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 事案によりましては、先般申上げましたように、必ずしも同じ程度の月日で免許にはなつておりません。中には或いは合併の問題、或いは又相互にいろいろ話合いをするというようなこと、或いは私どものほうの調査において足りない点、或いは公聴会がまだ実際に公聴会申請をされる人等の不慣れのために、いろいろ資料の不足するというような点から延びておるのもあるのでございまして、延びておる点が直ちに、これが只今質問なつようなわけには行かない点は御了承願いたいと思います。本件につきまして只今御指摘のように、林副総理の問題につきましては、私どもは全然関知いたしておりませんことをここに重ねて申上げて置きたいと思います。
  129. 内村清次

    ○内村清次君 今、林副総理のことについて関知しておらないというお話でありましようが、これは野村健一郎、これは新聞にも掲載されてあります。野村健一郎氏に林副総理が名宛をしたところの人物であつたか、或いは又追放されておるどころの野村茂久馬という人が林副総理に直接頼みに来たのであるが、その点は林副総理の当時の新聞記者に対するところの答弁としてただ野村さんというようなことで表現されておるわけですが、これは明らかに、この野村茂久馬という人が林さんに村して働きかけて来ておる。野村茂久馬という人は先ほどから言つたように、四国におけるところの相当な支配力を持つた人である。この点は追放令違反の問題についてもやはりこの疑いの関係で今相手方において提訴の準備中であると私は聞いておるわけでありますが、そういうようなことを全然知らなかつたというような当局の答弁というものは、私はどうも納得が行かないと思うのでありますが、これは再度聞きましても答弁は変らないだろうと思いますが、そこでこれはあとの問題に譲ることといたしますが、この、ところが自由党の参議院の人も実は高知通運の内部が紊乱して整理ができなくなつておること、一千万円が帳簿に記載せられずに支出されておることから見て、はつきりしておるというようなことで、この高知通運の、即ち紊乱状態、独占的な運用の形態、こういう形態をはつきりいたされておるのでありまするが、この点に対して過去を顧みて、いわゆる審議会の反対で、或いは又運輸省がこれを公正に取上げたという点について、幾らか干渉をされるような考え方はないかどうか。と同時に、他にあの高知の駅に対するところの荷扱いに対して他に免許をしないということが将来長く保持される問題であるかどうか。この二点につきまして質問いたします。
  130. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 高知につきまして、高知県陸運部の決定をいたしましたことは、免許基準に照らしまして、最も適当である、こう私どもも考えましたので、決定いたしたのであります。高知の駅構内の施設等からいたしまして、あそこで三社以上が競争をして通運事業を行うということは、なかなかむずかしいことであり、却つて鉄道の輸送能率向上に関するところの基準条項に該当しないものとも考えられますので、高知県に一社を認めたわけであります。
  131. 内村清次

    ○内村清次君 大体私の運輸省に対する質問はこれで終りますが、これは関連した問題もあります関係で、最近の機会におきまして運輸審議会委員長、又これに関連されたところの委員のかたを是非呼んで頂きたい。この問題にも発言をやつておりまするが、松村委員という人が相当関係しておるようにも私たちは認めております。それでこの松村委員の発言あたりもここにはつきりいたしておりますが、松村委員は御承知のごとく林副総理の秘書か何かやつてつた人であつて、当時運輸審議会委員に、これは四国の……丁度運輸省の政務次官でありました加藤常太郎君が推薦したはずだ。これに対しまして社会党は挙つて反対をした人物である。その人物がどうも私たちの相見ておりまするときにおいて、その行動におきまして、相当自由党の人たちと連携をしてこの審議会の中においていわゆる免許自体に対して、自由党の諸君たちと相連携しておるような点を私は見受ける。これは私の熊本におけるところの問題にしても然りであります。私はこういう点につきまして、相当質問をしたいのでありまするからして、どうか最近の機会において説明員として出席方を要望いたして置きます。
  132. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) では本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     植竹 春彦君    理事            岡田 信次君            小泉 秀吉君            高田  寛君    委員            仁田 竹一君            山縣 勝見君            内村 清次君            小酒井義男君            高木 正夫君            前田  穰君            松浦 定義君   国務大臣    運 輸 大 臣 山崎  猛君   政府委員    運輸大臣官房長 荒木茂久二君    運輸省海運局長 岡田 修一君    運輸省自動車局    長       牛島 辰彌君    運輸省自動車局    業務部長    中村  豊君    海上保安庁次長 柳沢 米吉君    海上保安庁海事    検査部長    松平 直一君    航空庁次長   大庭 哲夫君   事務局側    常任委員会専門    員       岡本 忠雄君    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    運輸事務次官  秋山  龍君