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1951-03-08 第10回国会 参議院 運輸委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月八日(木曜日)    午後一時三十八分開会   —————————————   本日の会議に付した事件港則法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○海事代理士法案内閣提出衆議院  送付) ○一般運輸事情に関する調査の件  (昭和二十六年度国有鉄道関係予算  に関する件)  (国税及び地方税運輸交通産業に  及ぼす影響に関する件)  (昭和二十六年度運輸省関係予算に  関する件)   —————————————
  2. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 只今より委員会を開催いたします。  先ず港則法の一部を改正する法律案議題といたします。前回に引続いて御質疑のおありのかたは御質疑をお願いいたします。別に御発言もございませんようですから、質疑は終了したものと認めて討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) さよう決定いたします。それでは討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べをお願いいたします。
  4. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 私は本案賛成いたします。  ただこの前の委員会時分にいろいろ政府に対して條文表現の仕方に対して質問をして、やや明らかになつたのですけれども、例えばこの三十條の二に「特定港内にある船舶であつて云々というのと、三十條の三の「特定港内に停泊する船舶であつて云々というようなことが、ちよつと見るとこれは同一の表現でいいのじやないかというような疑問を起すのですが、政府説明でやや了解をしたような次第でありますが、それから最後の三十七條の二に、特に本條に限つて運輸省令で定める」云々、こういうような表現がしてありますが、こういうことについては説明を聞いて漸く了解したというようなことで、こういう條文の書き方と申しますか、表現の仕方と申しますか、この法案はこれとして、将来こういう表現はもう少し簡明、簡潔に、誰でも説明をせんでもわかるような表現の仕方があるだろうと思いますが、そういうふうなことに特に関係当局は御注意をしてやつて頂きたいという一つの要望をいたしたいと思うのであります。
  5. 山縣勝見

    山縣勝見君 本案は、国際的な規律に順応して本邦における港則関係を整備するということでありまして内容をよく検討いたしまして、適当であり、妥当であると考えますから、本案賛成であります。
  6. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 他に御意見はございませんか。それでは意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) さよう御異議ないものと認めまして、本案の採決に入ります。本案を原案通り可決することに御賛成のかたは御挙手をお願いいたします。    〔総員挙手
  8. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  委員長報告等爾後の手続は慣例によりまして委員長に御一任をお願いいたします。  例によりまして多数意見者の御署名をお願いします。   多数意見者署名      岡田 信次  小泉 秀吉      高田  寛  山縣 勝見      高木 正夫  前田  穰      村上 義一   —————————————
  9. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次に海事代理士法議題に供します。  それでは前回に引続きまして本法案質疑をお願いいたします。どうぞ御質疑のかたは順次御発言を願います。
  10. 前田穰

    前田穰君 私前回欠席しておりましたので重複するかも知れませんが、この海事代理士法案というものに対しまして、この仕事をやつておる者は現在非常に少い。頂いております調書を見ましても百六十八人ばかりのものでありまして、非常に少いものを取締るとか、監督するとかいうことのために、かような法律を設ける必要はないじやないかといつたような議論があるように思うのですが、それに対して当局はどういう考えを持つておられますか。
  11. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 本件につきましてはたびたび御説明申上げておりますように、利用者が大変たくさんありまして、殊に海上勤務をしておるような人が利用する場合がかなりあります。そういう関係で店を張つておる人は少いけれども、利用する人がたくさんあり、而も官庁手続に慣れない人が多いというような実情からいたしまして、一般公衆の利便を図り、公衆迷惑をかけないようにちやんと整備して置くということの必要からいたしたのでございまして、同様の例は公証人法だとか或いは弁理士法であるとか、そういう他の法律の場合にも例がございますのでありまして、いずれも営業しておる人は少いのでございますが利用者が多い、又法律手続が非常に厄介であるというような点から考えておる制度でありまして、そういう見地からいたしまして、政府の側では必要であるということに結論をされた次第でございます。
  12. 前田穰

    前田穰君 もう一点お伺いしたいのですが、要綱を見ますと、要綱の第一に、又はこれらに関する相談に応ずることを業とするとありますが、相談というのはどういうことなんでしようか。
  13. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) これは「並びにこれらの手続に関し書類の作製をし、及び相談に応ずる」というかかり方をしておりまして、手続に関する相談をして来た場合に、それに応じてこの手続はこの官庁にするのが正しいのだ、或いはこういう形式よりかこういうふうに書いたほうがいいのだというふうな意味の、極めて事務的な関係相談をいたす点を指しておるのでありまして、弁護士法、その他にありますような法律上の鑑定をするとかというようなわけではないのであります。
  14. 高田寛

    高田寛君 この二十七條、八條、十條のこの罰則は、大体どんな基準で作られたのか、つまり他のどういうような業種に対する罰則との釣合いをとられて、六カ月以下の懲役、二万円以下の罰金ということをきめられたのか、その点ちよつと伺いたいと思います。
  15. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 他の法律の中で類似の法律弁護士法司法書士法税務代理士法行政書士法公認会計士法というようなものがございます。こういうものとの釣合いを考えまして、法務庁において考えてバランスとつて頂いた法になつております。
  16. 山縣勝見

    山縣勝見君 民間経験者意見を徴して代理士権をやるようでありますが、民間経験者とはどういう範囲をお考えになつておるのですか。
  17. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 具体的にはまだはつきり選考範囲をきめてはおりませんでございますが、やはり官庁手続程度をどういうふうにやつてつたらいいかということに対する知識経験を持つておられる民間のかたを指定する方針でおる次第でございます。
  18. 山縣勝見

    山縣勝見君 それはその試験執行に当つて如何ですか、例えば従来の高等試験のような工合に、民間人試験委員になるというようなことが考慮されておるのでありますか。
  19. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) ここにあります経験者は、試験委員ではないのでございまして、五名のそういう経験者意見を徴する、徴して、試験執行をするということにいたしておるのでありまして、試験をどういう方法でやるか、どの程度の問題を出すかというようなことをやるのでございまして、試験執行者自体運輸大臣及びその下級官庁である地方海運局長ということになつておる次第でございます。
  20. 山縣勝見

    山縣勝見君 この海事代理士となる資格が二つありまして、民間人としては試験合格者、それから一つ運輸省一定の年限を海事事務に従事した者ということでありますが、その間は均衡のとれた程度において試験内容等考えられることと考えるのでありますが、その点は適正を期せられるものと考えるのでありますが、その点でどうでありますか。
  21. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 山縣委員から御指摘の通りでございます。
  22. 山縣勝見

    山縣勝見君 十年以上というのは、それは連続十年じやなくして、通年十年でありますか。
  23. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) さようでございます。
  24. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 今の御質問に関連するのですけれどもこれは第五條運輸大臣が毎年一回行うというのは、今の御説明によると運輸大臣及びその下僚というようなことですが、勿論運輸大臣がするのではないのでしようけれども、ここの表現はこれとして、これの内容はこういうふうだというようなことをはつきりおきめになつておるのでしようか。これからきめるということであれば……。それからもう一つ、毎年一回行うというのはどこで毎年一回行うのか、そういう場所なぞに対しての一体はつきりしたものが法律には見えておらないが、そういうことが確定しておるのかどうか。  それからこの第五條の二項に関連してですけれども、今7の御説明では、この相当地位及び海事代理士業務についての広い経験を有する、これについて何か大よそ想定した何か限定点があるのかどうか、そういう点を一つお伺いして置きたいと思います。
  25. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 試験担当者は、ここに明確に書いてありますごとく運輸大臣でございます。それで場所従つて運輸大臣の位置する東京ということになるわけであります。仮に、併し運輸大臣の手先である地方海運局長をして、受験者が非常に神戸に集中しておると、一々東京まで出て来て試験をするのは大変である、而も他の地区には殆んどないというような場合には、試験実施神戸において海運局長をして管理せしめる、そうして決定は運輸大臣がこれを担当するというような方法もあろうかと考えておるのであります。その辺はその時期に応じて弾力性のある方法考えたほうがいいのではなかろうかと考えておる次第であります。  それから試験諮問をする五名の委員程度を、どういう、かうに具体的に考えておるかという点でありますが、先ほど御説明申上げましたように、只今具体的にごうごうというタイプの人ということまでまだはつきりいたしておりませんのでありますが、大体まあこういう式の諮問をし、相談をするかたとしての地位相当した、この相当地位という意味は、社会的に見て或いは相当地位を持つておるという意陳じやなしに、その海事代理士法を施行する上において相当地位を持つた者と、こういうふうな意味に解釈しておるのであります。従いましてそういう人たちを、今後各方面の御意見も承わりましてきめましてやつて行きたいということで、只今は予定しておる人は全くございません。
  26. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 私はその予定しておる人を伺つたのじやないし、それはようござんす。それからこの四條に関することですね、毎年一回行うということが法律では言い放しで、今のお話だと、そのときに応じて東京でやる、大阪でやる、或いはその他の地方で毎年一回やるというような意味だ、そういうようなことは省令か、或いはその他のことではつきり規定するお考えがあるのか。やはりそういうようなその時に応じた需給関係を睨み合して、毎年一回だけはわかつているが、期首とか場所、とかいうようなことはブランクのままにして置いて、そうしてこの法律を適用するというお考えがおるか、その点お伺いいたします。
  27. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) その点は省令で明らかにしてあると思つております。
  28. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 省令復案が若しできているならば、ここでちよつと簡単にお話をして頂きたいと思います。
  29. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 運輸大臣が、担当すると、それから実施場所は各海運局ことに行うことができるというふうな建前に応じて置いたらどうかと、こういう考えでおります。
  30. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうすると各海運局ごとに毎年一回というのは、各海運局で一回というと、場所が毎年幾つ幾つもできるというのでなしに、各海運局で毎年ただの一回をやる、こういうことに了承していいのですか。
  31. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) さようでございます。
  32. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 罰則の第三十條でありますが、この三十條に関連した、二十六條第一項の規定による、報告をせず、又は虚偽報告をなした者は五千円以下の罰金に処するということでありますが、二十六條の二項には「海運局長は、当該海事代理士に対して、報告について必要な協力をしなければならない。」、こういうことになつておりますが、「この必要な協力」というものの限度も一応伺いたいのですけれども、同時にこの二十六條の両項で、一方は局長協力をしなくちやならんということを義務付けているのに、一方では報告をしなければならんということをやはり義務付けておるのですからして、若しこの二十六條を活かすものならば、やはり報告をしないだけを罰金にしないで、するなら両方をするいうようなことにするほうが妥当ではないかと思つておるのですけれども、その点はどういうことになつておりますか御意見を伺いたいと思います。
  33. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 第二十大條、第二項の「必要な協力」と申しますのは、海事局において報告をとる場合にに、今報告用紙を備えて置きまして、一この報告用紙をお使い下さい、それから若し、まあ万一郵便が以て送つてもらう場合には、必要があたば郵便切手を差上げるというふうに、今までは余りこういうことはございませんでしが、民主化された形において極力官庁側届出のしいいように援助するというこよでございます。その場合に、それじや、その援助をしなかつた場合に、その海運局長に対して制裁、罰則規定がないじやないかということ、誠に御尤もでございますが、実はいろいろな法律において官庁側のなすべき義務をたくさん争いてございますが、一々それに反した場合に罰則規定して行く、例えば輸送命令を出した場合に、それに対して補償をしなくちやならん、その補償をしなかつた場合には、補償をしなかつた官庁は処罰するというようなことを書くのは余り例がございませんのと、まあ尤もこの規定の場合には、その補償の場合とは大分違うとは思いますが、従いましてこの場合には違反する、怠ける海運局長もおるかと思いますが、そういう場合には罰則以つてその励行を確保するという方法もございますが、実は官庁内部におきましては、懲戒に関する規定相当整備されておりまして、若しこの規定に従つてやらない場合には、懲戒罰則と同じくらいの社会的な、或いは心理的な影響のある懲戒という制度がございますので、極力そのほうを利用するというふうにするのがいいのじやなかろうかということで、こういうふうになつておるのでございます。
  34. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 御相談ですがね、二十六條の第二項の規定による、報告ですけれども、これはこの報告がなかつたら、一体どれだけ公益を害するとか何、かあればともかくだけれども、官庁ただ命令のために報告、まあ虚偽報告は、これは勿論賛成できないのですけつども、ただ報告をしなかつたからということで五千円以下の罰金に処するというのは、私余り酷だと思うのですけれども、その二十六條の二項に対しての御説明はよくわかりましたが、同時に二十六條の一項の、報告をせずというくらいのことで、罰金刑にするというようなことを取消すというようなことになつたら、どれだけ迷惑になるのか。又若し国会で取消すということなら、政府は喜んでそれに賛成できるのか、その点の御意見を伺いたい。
  35. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 最初に少し問題がございましたように、海事代理士というものの数が少いもので、それほど、法律にするほどのこともなかろうかというお問いに対しまして、一般利用者相当あります関係から、公益的な見地をその面において規定したわけでありまして、従いまして海事代理士を一種の公益業務といたしました以上は、例えばその業務執行しております上において、必要な報告官庁に提出するということは、これは当然附随する義務であろうかと考えるのであります。ただ報告義務を課しただけで、罰則規定を置かないということは、これはまあ法律規定せんでもいいということになるわけでありまして、法律に書いた以上は、やはり罰則を付けた規定にするというのが一般建前であり、この法律の模範にいたしました他の関連法規においても、いずれもある規定であり、又やや例文的になつておる傾きもありますが、あらゆる法令に、法令として規定された以上はその業務に附随する報告を徴するというのが多いのでありますから、これはそのまま残して置いて頂きたいというふうに考えておる次第であります。
  36. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 意見は、討論だと思いますが、まだ討論に至つていないと思います。只今お話ですね、一応規定した以上それはやはり、罰則が伴わないと法令にならないという御意見があつたが、先の海難審判法のごときは罰則が伴つていない。これも罰則がなかつたという点もそう大きな支障はないのだと私は思う。それからもう一つ、逆に言うと、こういう報告をしなければならん、従つて報告をしなければ罰則が伴うということの蔭に、いろいろの間違いが起りやしないかということを私は恐れておるのです。而もこうまでしてこの罰則を置かなければならんというのは、今の御説明だけの理由でありますか。もう少し、今伺つたこと以外に何か御意見がおありでしたら御説明願います。
  37. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 別にこれを以てこういうことをしたいという裏の意図は毛頭ございません。
  38. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 いや裏はこつちにあると思つて伺つているのですが……。
  39. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) ほかの法令先例なんかは大抵こうなつております。一番近い行政書士法でも罰則が二十三條に規定してありまして、十三條に、業務に関する帳簿関係書類を検査し、又は報告を取るというようなことがございます。これに対して五千円以下の罰金規定してございます。そういうふうな関係もございまして、これを改正いたしまして、まあそういうものには罰則規定せんで置いて、新らしい例を開いて、そうしてこの先例に既存の法令も従い、今後の法令も従つて行くという気持かと考えるのでありまして、又それも一つの確かに考え方だと考えますが、まあ政府部内できめましたのは、やはり海事代理士法公益業務として規定した以上は、一定の規制を加えることも必要であるという、殊に報告をとるということは官庁側がいろいろ規制いたします第一入口でありまして、それが全うできないようなことでは困る。事実問題として、報告を出さないようなことはないと思うけれども、やはり罰則を以てそれを確保して行くのがいいというのが、一応部内できまりました報告でございますので、格別それ以上の考えは、ございませんが、そういう考えにおきましてこれをお認め願いたいと思う次第であります。
  40. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 第二條の二号に対して、この前の質疑時分にこれは一体ない方がいいじやないかというような御議論相当強くあつたようですが、今日は御出席ないようですが、政府のほうでもやはりこれはどうしても置かなければいかんという御意見ですか。場合によつては取つても差支えないという御意向ですか、その点を……。
  41. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) これは是非置いておいて頂きたいと思います。
  42. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 ちよつと第二号の一番最後の、「運輸大臣が認めたもの」という、これの範囲をもう少し明確にして置く必要がそるのじやないかというふうに思うのですが、その点に対して……。……。……。
  43. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) この限界は省令一般に公示するということになつておりますが、考え方は、別表にありますように、関係法令が、或いは船舶安全法という造船技術に関する法律、或いは船舶職員法船員法という船員の側に関する事項であるとか、或いは又海上運送法とか、造船法とかいう営業に関する法律もございます。従いまして或る程度それぞれの業務関係のある規則によつたということで、運輸大臣が認めることを要求しておるわけであります。その点を少し省令で明確にいたしたいと思います。
  44. 山縣勝見

    山縣勝見君 先ほどの試験の問題について御質問したのですが、それに関連してもう少しお尋ねしたいのは、民間経験者意見を徴してということに対して先ほど政府委員答弁があつたのですが、この提案理由説明の中で、民間経験者意見を徴するということが、試験規定試験問題の作成合格判定等に関する民間経験者意見を徴するというふうにありますが、先ほどの御答弁のようなことでは、到底試験問題の作成合格判定は少くとも試験委員たる資格においてでなければできないと思うが、その点先ほどの御答弁ではいささか不明確と思いますが、如何でしようか。
  45. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 御指摘の点は確かにあると思いますが、私の申上げましたのは、その個々試験問題の作成をし、個々試験問に対する答案を審査いたしまして点数を付けるということを、一々聞いてやるような、試験委員と全く同じようなやり方でやるのではない。できるだけそれに近いような方法考えるが、試験実施そのもの運輸大臣が自分の責任において行うということでございます。従いまして実際問題となりますというと、例えば今年の問題は船舶安全法重点を置いてやろうと思う、そうして満載吃水に関するようなことの技術にもう少し重点を置いてやらなければいけない。なぜならば最近そういう方面海事代理士の取扱が非常にルーズになつておるから、その点をもう少し厳重にしようじやないかというような、試験の方向に対する具体的な相談をいたしまして、それを運輸大臣に申達する、運輸大臣はそれを採用いたしまして、できるだけその線に近いような問題を作成し、そうして又採点の際に、安全法点数を六十点にする、職員法点数を四十点にするというようなやり方相談合つて、そうして実際に答案を審査するときには、その方針に従つてやるというようなことが可能ではないかと考えまして、そういう程度試験諮問機関というふうに考えておるのであります。
  46. 山縣勝見

    山縣勝見君 その点、運用上よほど愼重を期さないと、場合によつて試験問題の漏洩とか、或いは或る部分にそういう方針が事前に漏れるとか、周知せしめる方法等についてよほど愼重を期さないと公正を欠くと思います。  それからもう一つは、一定資格を備えた者が、当然に資格を有するというか、一般民間人は、その試験合格者とあり事が、たまたま一そういうことはわからないと思いますが、試験担当責任者運輸大臣で、そうして一定資格を備えた者は当然に海事代理士であるという運輸省の御意見でありますが、そういう関係民間人海事代理士試験合格して、海事代理上になるというチャンスは、それは試験範囲によつて相当左右されると思いますが、できるだけ民間人も登用できるようなふうに持つて行かないと、これはいけないと思いますが、この点については如何でしようか。
  47. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) 誠に御尤もでございまして、立案いたしまする際に終始その点は心掛けていた次第であります。従いましてこれが実施に当りましては、問題の漏洩のないように、又官庁におつた者だけが得をする、一般試験は非常にむずかしくてパスすることはないというようなことのないように十分努力するように、関係方面に徹底するように、取計らう決心でおります。
  48. 岡本忠雄

    専門員岡本忠雄君) 一つ二つお伺いしたいのですが、第一條によつて海事代理士仕事は、手続をしたり、或いは手続相談に応ずるということになつておりますから簡単に普通考えますと、一般弁護士がやるような法律行為等訴訟事件とか、そのほか訴訟関係のあるような法律行為等は含まないように見えますが、実際の海嘉代理業務の現在の実態を見ますと、或る程度法律行為も含んでやつているのが現状だと思うのでありますが、この点関係を含まないという御説明つたけれども、何故に関係を含まないかという説明を、新らしい法律によつて法律的に一つ説明願いたいと思います。
  49. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) ちよつと角度が少し交錯しているのじやないかと思いますが、私どもの見解では、手続に関する相談、それから他人の委託により法令届出発記その他の手続をするということでございまして、登記の手続をするということは即ちこれ又一面において法律行為も包含しているのでありますから、法律行為はこの代理士法によつて絶対行わないのだということははつきりは言えないのではないかと思いますが、併し常識的に法律行為、事実行為と言われているような意味合いにおける法律行為を対象にして代理士が活動するというのではなしに、やはり手続を中心にして手続実施手続の援助、或いはこういう手続をする場合にはこういうふうに書き、こういうふうな個所にお出しになるのがいいという意味相談に応ずるというようなことでありますので、弁護士法による弁護士の主たる業務法令上の出願手続、出願、つまり官庁なり裁判所に対して原告、被告に代つて争いを主張したり、その裁判、裁定を求めるというような場合と根本的に観点は違つていると思われるのであります。そういう意味合いからいたしまして、そういう色彩を持つた関係とか、そういう色彩を持つた法律行為というのは海事代理士の扱う取扱い範囲にはないというふうに申上げているわけであります。
  50. 岡本忠雄

    専門員岡本忠雄君) 十七條によつて、「但し、他の法令に別段の定がある場合は、この限りでない。」と、こうありますが、弁護士法との関係において弁護士法の第三條に弁護士の職務を規定してありますが、弁護士は当然弁理士及び税務代理士の事務を行うことができるこうある。その関係考えますと、最近できた行政書士法には資格についての規定があつて、行政書士となる資格を弁護士は有するという規定がありますが、本法にはこれがないということになりますと、当然に弁護士はこの海事代理士仕事はできないと、こう解釈していいのですか。
  51. 壺井玄剛

    政府委員壺井玄剛君) そうではないんでありまして、この海事代理士でない者は原則として海事代理士の業事を行なつてはならないが、但し他の法令でやれる場合には勿論それはやつてよろしいのだ、本文で非常に締めておる、ごとくして、但書において非常に解放的になつておるのでありまして、従いまして他の法令、即ち弁護士法において、弁護士というものは一切の法律事実上の代理行為をすることができるということがありましたならば、当然その弁護士法によりまして、この但書に従い何でもできる。代理士のやろうとしておる仕事は何でもできる、こういう建前になつておるわけであります。従いまして弁護士法第三條の第二項に、弁士は、当然弁理士、税務代理士の仕事を行うことができるということを弁護士法に加えなくても、第十七條の但書において、弁護士は当然その仕事をすることができるのだと、こういうふうに書いたのと同じであります。これは一々お互いに自分の仕事をできるのだということを皆の法律に書き合うということになると、法律関係の字句の表現がやかましくなりますので、「但し、他の法令に別段の定がある場合は、この限りでない。」というように、非常に要領よく全部の表現をした次第であります。
  52. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 質疑は終つたものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それではさように認めまして討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を先ず明らかにしてお述べを願いたいと思います。
  54. 山縣勝見

    山縣勝見君 今後海事関係業務は漸次増加し、又その重要性を増して行くと思うのでありまするが、海事関係の諸法令については、相当専門的の知識を要するものもあり、又相当重要なものもありまするので、これらのものについては、申請、届出等によつて協力をいたすべき義務を持つておるのでありますが、官庁に対して申請せんとする者は、相当軍要な事項……。対して相当専門的にそれらの業務に対して練達いたしておる者がその業務執行の代理をすることが適当であろうと思います。但しこれらを代行する場合についても、これらの申請は相当法的の性格を持つておるのでありますから、代行者の資格であるとか、或いはその資格を取得するための試験制度であるとか、或いは又これらの代行者が業務執行するについて、そういうふうな法的な性格をも勘案して、相当適切な規定を設ける必要があるのであります。そういう点からこの法案に対しましては賛成をいたすのでありますが、ただ先ほど政府委員に御質問をいたした点、又要望いたした点、殊に試験執行等に関しましては、十分政府のほうで注意をして、そうしてこの法案の運営の上においては遺憾なきを期せられたいと思うのであります。さようなことを條件にし、又さような意味合いにおいて、本案賛成をいたすものであります。
  55. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 賛否を明らかにしてからお述べを願います。他に討論はございませんか。
  56. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 賛成します。  併し私は、政府で、三十條の報告をしないから罰則を食わせるというようなこと対しては、実際いろいろな弊害が伴うのじやないかということを恐れますので、法律がきまりましても、行政官としてこの運営に当人は、十分その罰則を成るべく適用しないでもよいような、寛大な措置ができるようなつもでやつて頂く、施行して頂きたいということの希望を述べまして、賛否をして置きます。
  57. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 討論は終局したものと認めて御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは終結したものと認めまして本案の採決に入ります。本案を原案通り可決することに御賛成のかたの御挙手を願います。    〔総員挙手
  59. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 満場一致であります。よつて本案は原案通り可決したものと決定いたします。  爾後の手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと思います。多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     岡田 信次  小泉 秀吉     高田  寛  山縣 勝見     高木 正夫  前田  穰     村上 義一
  60. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは次に一般運輸事情に関する調査のうち、昭和二十六年度国有鉄道関係予算に関する件を上程いたします。  暫時休憩いたします。    午後二時二十七分休憩   —————————————    午後二時三十六分開会
  61. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは会議を再び開きます。  昭和二十六年度国有鉄道関係の予算に関する件の御質疑を願います。
  62. 前田穰

    前田穰君 この前鉄道の計画について向つたのですが、今日は自動車の部門についてお伺いしたいと思うのです。調書を拝見しますと、ハスの新造が二百輌、それからトラックの新造が五十輌という計画のようであります。トラックのほうは比較的少いので暫くおきまして、バスの二百輌は、恐らくは実働車輌は現在査千輌は切れるのではないかと思いますが、その中で二百輌というものは非常に多いようでありますので、どういう計画のために二百輌を新造されるのか、その大要を伺いたいと思います。
  63. 津田弘孝

    説明員(津田弘孝君) 国鉄の自動車局長の津田でございます。只今質問のございました二十六年度の国鉄自動車の新車の購入計画でございますが、大体国鉄自動車といたしましては、現在バスを千六百台所有しております。従いまして五年くらいでどうしても償却して行かなければならん、これは少し長過ぎるのであります。そういたしますと、年間に三百輌はバスを少くとも買つて行かなければならんというようなことに相成るわけでありますが、国鉄全体の資本勘定の予算の窮屈さからいたしまして、自動車関係におきましては、明年は資本勘定で自動車を買いますいわゆる購入費が三億九千八百方円、約四億になつております。現在の価格にいたしまして、まあ一輌二百万円といたしますると、大体バスが二百台買えるわけであります。併し最近の鋼材或いはタイヤ関係の値上りからいたしまして、明年度のバスの購入輌数は一応百七十八輌というふうに予定をいたしております。その大部分は、経営の改善、燃料費の節約というような点から申しまして、ディーゼル車を購入いたしたいというふうに考えております。
  64. 前田穰

    前田穰君 続いてお伺いしたいのでありますが、昨年の夏頃に我々に配られました国営自動車の現状とございます。パンフレットを拝見しますと、現在の国営自動車の経営方針は、国有鉄道という独立採算制の中で、奥に第二段階の独立採算制をとろうとしておられるように読み得るように思うのでありますが、そういうふうな方針で経営をしておられるかどうかということを伺いたいと思います。
  65. 津田弘孝

    説明員(津田弘孝君) 只今の御質問の点でございますが、この国鉄の独算制或いはその中におけるところの国鉄自動車の独算制、この独算制という言葉の持つ意味内容につきましていろいろと疑点があるのじやないかというふうに考えられるのでございますが、国鉄自動車は御承知の通り、昭和五年に初めて国有鉄道の経営するところとなつて爾来二十年を過ぎたのでありますが、その間におきまして、終始一貫国有鉄道の、鉄道の先行とか代行とか或いは二つの鉄道の幹線を結ぶ短絡、こういつたような使命の下に経営をい たしておるのでありまして、従いまして、非常に収支の関係から申しますると、多くの鉄道の支線がそうでありまするように、収支の均衡を破る、つまり赤字の多い線が多いのであります。併しながら、こういう所を鉄道で経営するよりは自動車で経営したほうが赤字が少いというような関係からいたしまして、自動車の経営をやつておるのであります。従いまして世上いわゆる收均衡というような、収支のバランスというような意味から申します。と、国鉄自動車の独算制というものは、これは相当困難でございます。又強いて收支のバランスをさせるということになりまするというと、一面に国有鉄道或いは国鉄自動車が使命としておりまする公共的な使命を非常に害するというようなことに相成りまするので、現在私どもが国鉄自動車の独算制ということを言つておりまするのは、決して収支の均衡ということに拘泥をするのではありませんで、まあ経営合理化の別名と申しまするか私ども実はこういうような方向でやつております。或る一定の期間、例えば昭和二十六年なら二十六年、或いは二十五年の第四四半期なら第四四半期というようなふうに一定の期間に国鉄自動車の営業所が遂行すべき仕事の量を定めまして、その仕事の量を遂行したならば、普通上つて参りまするところの收入を予定いたします。又これらの仕事量を遂行する上におきまして、合理的に遂行する上におきまして必要とする経費を予定いたしまして、その期間が過ぎました後に、その予定と実績とを検討いたしまして、その原因を更に今後の経営改善の資料にするというようなふうにやつております。飽くまで経営合理化の意味におきましてやつておるのでありまして、必ずしも收支均衡ということを、各営業所別に、全国で百二十ほどの営業所がございますが、各営業所でそれぞれ置かれた環境も異なりまするので、その営業所ごとに収支を合せるというような意味において独算制をやつておるという次第で、ございません。
  66. 前田穰

    前田穰君 御説明を聞くというと、何かわかつたようにも思うのですけれども、どうも独算制という言葉は、通俗的にはどうもそういうふうに考えられていないので、すでにこのパンフレットにも收入の均衡の意味であるというふうな説明もあるようなんでありますが、又一面国鉄の防衡といつたようなことにも、やはり将来国営自動車は考慮すべきだといつたような御意見でもあるわけなんでありますか。国鉄の防衛ということになりますれば、国有鉄道との平行線は国営バスでやるべきなんだという御意見のようにも思うのでありますが、そうするとこれ又その裏面にはかなり喧要な問題を含んで来ると思うのでありまするが、もう一つ、その裏を引つくり返せば、国有鉄道と国営バスとの競争というような結果も現れないとも限らない。現に大都会の或る県に、トラック等が入るというような御計画がどういうふうなところまで伸展するか知りませんがそういつたようなことも問題としてはあり得ると思うのであります。どうもこの。パンフレット全体を読んで見ますと、従来或いは先行とか代行とか、或いは短絡とかこういつた趣旨で以て出発した国営バスが、国鉄それ自体の赤字という前提の下にだんだんその当初の趣旨とこう離れて行くような気分がこのパンフレット全体として読み得るように思うのでありますが、殊にこの独算制という文字を使われると、これは非常に通俗的の誤解を招きやすくて、徒らに民間の自動車業者を刺戟するような結果を招く問題じやないか。只今説明のような趣旨であれば、これは企業の合理化とか何とかいう言葉が最も適当なんで、独算制といえば收支の均衡をとるというように我々としては普通に解釈されていると思うのであります。何か余計なことじやないか。言葉づかいとしては余計なことを書いて刺戟をされているようなことになるのじやないか、かように思うのでありますが、如何ですか。
  67. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 只今前田さんの御質問に対しまして、運輸省の立場からちよつとお答えを申上げたいと思うのでございます。国鉄自動車の独算制という言葉がどうも誤解を招きやすいというお言葉でございますが、独立採算制という言葉は、まあ通俗的に申せば、収支均衡ということであると思うのでありまするが、併しなかなか学説にまりますと、必ずしもそういう極くありふれた意味に使うのではないというようなこともございます。のみならず私が記憶しているのは、前田さんのお示しになりましたパンフレツトにつきましても、国鉄自動車の独立採算制においては、 收支均衡という意味で独算制という言葉があるが、併しながら内容は、先ほど津田局長説明されたような意味であるというふうにも書いてあつたかと記憶いたしているのでございまして、これは甚だ言葉が悪い、むしろ経営の合理化とでも言うべきことではないかという御意見も誠に御尤もでございまするが、一応当時の事情といたしまして、非常にまあ経営が放漫になつておりました。これは国鉄自動車ばかりでなくて、国鉄自体につきましてもそういうことが言えると思うのでありますが、そういうものを従事員に趣旨を徹底せしめ、経営の合理化のほうに酒造せしめるためには、多少まあ言葉のマジックとでも申しまするか、特によくアッピールする言葉を使つたというような事情も、これ又止むを得ないのではないかと思うのでございます。併しその結果として、多少それを誤解いたしまして行過ぎた考え方を持つている向きも二、三出て来たように私どもも存じておりますので、これはそういう点のないように国鉄に注意はいたしておりまするが、その点は津田局長も十分御了承の上に、各現場機関に機会ある、ことにその趣旨の御徹底を図つておられることと信じておりますし、私どももそういうふうに聞いている次第でございます。  それから国鉄の防衛に乗出したら切りがないのではないかというようなお話でございますが、国営自動車の使命が、国鉄自動車の当初のいわゆる鉄道の先行、代行、短結こういうような趣旨にあるということは、これは皆さんもお認め願うし、私どもも又そのつもりでありまして、従いまして結果といたしまして最近の交通事情の変化に基きまして、やはり国鉄と一部併行上ております区間におきますところの国営自動車と、国鉄とがお互いに協力して、そうして地方の交通の利便を図るということは、これは私は、その使命の上からいつて当然だと思うのであります。我々運輸省といたしまして、この国鉄自動車の新規路線というものに対しまして、認可をいたします標準の基本的な考え方は、先ほどお話がありました先行、代行、短絡という国営自重車本来の使命に基いた原則に従つて認可をして参りたいと、かように考えておるのであります。
  68. 前田穰

    前田穰君 ついでにもう一つお伺いいたしておきたいのでありますが、只今の鉄道と自動車との関係、防衛というような意味で目下問題にしておられるかと思うのでありますが、元来鉄道と自動車というものは競争関係に立つと、今日運輸省ではお認めになつているのか、これは交通機関の種類が違うのだから必ずしも競争ではないと、こうお認めになつておるのか、運輸省の御見解を一つつておきたいと思うのでございます。
  69. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 事業自体につきましては競争関係にあるという考え方をいたしておりませんが、併しながら具体的な問題につきましてはいろいろ交通分野の問題からいたしまして、双方を併せ考えねばならん場合も全然なしとしない。鉄道は鉄道、自動車は自動車で勝手にやるべきだというわけにも参りかねるかと思うのでありますが、併しながらここに或る一定の二つの地区間に鉄道があり、又自動車がある場合に、常に競争業者であるというような考え方只今いたしておりません。
  70. 前田穰

    前田穰君 地方鉄道法の規定に基く補償に似たような補償を、鉄道が新らしくできた場合にその路線と同じ路線を営業しておつた業者に補償を與えるとか何とかいう点から、競争ということはどういうふうになるのでしようか。
  71. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) ちよつとお尋ねの点が判然といたさないのでございますが、只今国鉄自動車が路線を新らしく開業いたします際に、その路線に従来関係しておりました民営業者がそのために事業を廃止するというような場合には、補償をする規定が道路運送法の規定にございます。只今改正立案中の道路運送法中にも同じ規定が残つておるように聞いておる次第でございます。これは私は一応国鉄の自動車というものは、やはり一種の民業と異なりまして、只今ではコーポレーシヨンでございますが、とにかく公共企業体という国家資本で行なつております事業で参ります際には、民間の業者などが進出します場合におけるが、ごとき、業者相互間において協定して買取つたり、或いは権利金を出したりするというわけにも行きかねる筋合いのものがあるかと思います。その点をむしろはつきりさせるために、補償規定只今でも残つておるのではないかと思うのであります。この自動車の免許が鉄道のように一路線一営業というふうに確定いたしますれば、補償ということも意味はつきりするわけでございまするが、只今のように必ずしもそういう一路線一営業ということに限定されておるわけではない実情にありますときは、やはり補償考え方もいわばそういう民営業者との間の話合いで行くべきものを一応法律に根拠を持たせる、又公共企業体でございますから、さような権利金みたいなものの支出に対しましては、一定法律的根拠があつたほうが適当じやないか、かように考えておる次第でございます。
  72. 前田穰

    前田穰君 私のお尋ねの仕方が非常にまずかつたのですが、今日自動車の路線の営業があるところへ省営バスをお開きになれば補償の問題が起こる。それから鉄道のあるところへ殆んど併行して鉄道を敷設されればやはり補償の問題が起こる。自動車の営業のあるところへ鉄道をお敷きになつた場合にそれは補償をされないのじやないか、こう思うのですね。それは何が故に補償されないかといえば、異なつた交通機関であるから競争の関係に立たない、こういう立場じやないのか、こう思うのですが、如何でしようか。
  73. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) その方面に非常に御識見のある前田さんのおつしやつたような考え方が基礎になつておる。従つて鉄道と自動車、或いは自動車と鉄道という間における補償問題ということが法律化されたり、或いは制度化されておらない。かように考える次第でございます。
  74. 岡田信次

    ○岡田信次君 この二十六年度の予算を見ますと、新線建設費に三億二千余万円、それからできかかつている幹線が計上されているのですが、一方昨年の十二月十日、参議院におきましては、鉄道建設に関する決議案というのが上程されまして、満場一致、これが可決されたのです。そのときに運輸大臣が特に発言を求められて、鉄道の建設が必要なことは十分承知して平素から努力しておる。今後この決議の御趣旨に副つて一層の努力を傾倒するということを言明されたのですが、この予算を見ると一向運輸大臣の御努力の跡が見えておらんのですが、この点に対しての御所見を伺いたい。
  75. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 鉄道の新線建設の促進につきましては、只今岡田委員お話がありましたように当参議院におかれましても院議を以て御決定になり、又衆議院においても二回に亘つて同様の決議の御決定があつたのでございます。従つて新線建設につきましては、これはできるだけ一つ御要望に副うようにいたしたい、かように考えて参つたわけでございます。併しながら一面新線に着手いたしますると、何を如何なる具体的な線路から取上げるかということは、これは誠に重大な問題ではなかろうかと思うのでございます。従つてその点に対するその考え方を基本的にきめて参ることが先決問題ではなかろうか、かように考える次第でございます。それで私どもといたしましては、先ず日本国有鉄道においては、これは新線の建設につきましては国有鉄道の企業的な立場から見まするときには、一応現在着手いたしまして、而して戦時事変のためにそのままになつてつて、殆んど大部分ができ上つておる。而もそれに対しまして今後出します資本は極く嘩かで、今までの投下した資本も生きて参る、そういうようなところで運輸丘の、極めて相当の運輸量が予想いたされますところはこれは今日の状態におきまして、収支的にこれを見まするときに、非常に収益性の上からいつても着手し得るという点がございまするが、それ以外の線に相成りますと、やはり遺憾ながら如何ように有利に計算いたしましても、今日の建設費を以ていたしましては、相当収益的には悪い数字が出て参るのでございます。従つてこれは私どもといたしましては、やはり国鉄の営利性と申しますか、企業性を一面に認めつつ、且つ新線建設の国民経済上に占める意義、公益的な意義を生かして参りますためには、やはり一般会計から建設資金を繰入れるというような方法が最も適切ではないかということで、予算の編成に当りましては、先ず一般公共事業費から二十億程度の新線建設費を割当てられるように相当努力いたしたのでございます。御承知のように公共事業費が大幅の削減を見、既定の枠のもので置いてすら、十分の御満足が得られなかつたということで、我々の主張しておりました新線の建設の分には到頭回りかねたわけでございまして、そこで第二段といたしまして、見返資金による公共事業費の一部をこれに割いてはということで、これも随分折衝いたしたのでございますが、遺憾ながらこれ又見返資金から、公共事業費は出せないというような結果になりまして、折角の努力もまだ実を結ばないというような結果になつたわけでございます。そこで一応一般会計から二十六年度予算として一応確定いたしました数字としては、只今お話の三億二千万円しかないのでございまするが、併しながら二十六年度の予算には一般会計から無利子の貸付金が二十億、財源に入つております。そこでこの財源は我々が主張いたしました政府からの出費というような恰好に殆んど変りないのでございまするが、新線建設に最も適しておるということは言えるのであります。従つてこの資金を利用して新線の建設に充当いたしたい、或る程度いたしたいと考えておつたわけでございます。ところが最近におきまするところの輸送状況の逼迫は、非常に輸送力の増強を焦眉の急といたしております。従いまして取あえず貨車新造等の所要の経費を組んで見ますると、どうも二十億の一般会計よりの貸付金を新線建設に充当するというような、なかなかうまいやり繰りができかねる状態でございますし、又関係方面におきましても、現下の情勢に鑑みて、貨車新造、車輌の新造を最優先に実施するようにいろいろと慫慂をされおるのでございます。又輸送の状況を見ますると、この点は皆様がたにも御了承願えると思うのであります。従いまして何とかここで多く新線建設費に回したいという点につきまして、多少はここに難澁を来たしておるわけでございますが、承わるところによりますると、目下国会のほうにおきまして鉄道敷設法の改正をせられまして、そうして建設審議会というものを設置されて、鉄道の新線建設に対しましていろいろの御審議をなさるというお話を承わつておるのでございます。私どもはかような審議会が一日も早く発足いたしまして、新線建設に対しまするところの、いわゆる政府なり、国家としての大綱をきめて頂けますれば、その状況と睨み合せまして、新線建設の経費捻出ということつきまして、いろいろな又考え方、措置を講じ得て、又その方面に努力することができるのではないか思うのでございます。十分いろいろ努力はいたしましたけれども、御要望に十分副い得る結果が今日まだ出ておらんので、今後とも建設審議会のほうを御促進願いまして、御鞭韃を頂き、努力いたしたいと、かように考えておる次第でございます。
  76. 岡田信次

    ○岡田信次君 もう一点お伺いしたいのですが、車輛費のほうを見ますと、貨車の費用が八十余億、これが大体新造をするとしても八千輛近くできるのじやないか。これは現有貨車の八%くらいに当りはしないか。一方輸送量のほうは一億三千四百万トン、恐らく昭和二十二年度でしたか、二十三年度には一億三千万トンを運んでおる。その当時は貨車も不足で、いわゆるその他の設備も非常に荒廃しておつた船舶等の関係もまだ回復しておらんという状況であつて、二十六年度の一億三千四百万トン、一方この三、四年間には相当その他につきましても貨物の関係の改良をやつているということでありますから、貨車の効率も相当向上していると思うのでございますが、この輸送量と睨み合せますと、八千輛に近い貨車の新造というのは多過ぎると思うのであります。一体政府はこの貨物輸送ということになりますと、すぐ貨車さえ作ればいい、これを運用する諸般の設備を総合的に考えておらんというふうに考えられるのですがこの点は如何でしようか。
  77. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 貨車八千輛の新造は、現有貨車の八%に当ることはお言葉の通りでございますが、併しながら御承知かと思うのでありますが、最近の貨車の逼迫状態は、貨車数が足りないということ以外に、車種がアンバランスになつておる。具体的に申しますれば、有蓋車が非常に足りない、無蓋車のほうはさほどでもない。こういうような状態になつております。これは御承知のように戰時中に戰時陸運非常体制を行いまして、海送貨物の陸運転移その結果大型の無蓋車を非常にたくさん製造いたしまして、保有輛数は相当殖えておりますが、結局無蓋車が殖えたところが、戰後におきまして経済活動も平常化して参りますと、非常に有蓋車の要求が多い、有蓋車の不足は、恐らく現在毎日の請求の半分程度も配車できないような程度ではないかと思うのであります。で先般いたしました調査におきましても、有蓋車に積むべき貨物が一日に千輛以上も無蓋車に積んでおる。中には米麦とか或いは肥料とか紙とか、誠にどうもこういうものを無蓋車に積んでどうであろうかと思うのが無蓋車に積まれておる。背に腹は代えられず積まれておるというような実情でございます。従つてこの車種のアンバランスをできるだけ早く直したい、そのためには相当の新造が必要であることを御了承願いたいと思う。それからいま一つは車齢が非常に高くなつた現在、四十年以上も経過しておる車が、ちよつとはつきり覚えておりませんが、相当の数量になつておるのでありまして、これは恐らく一万数千輛あると思います。有蓋車だけでも七、八千輛はあると思います。それからなお、このほかに軸間距離が三メートル以下の車が非常に多いのであります。軸間距離の三メートル以下の車は、これは今まで廃車したがつたのでありますが、なかなか廃車する機会がなくて使つておるために、これが高速運転によつて事故を起す危險性が相当出て参る。これは成るべく使用区間等も制限して、そういうことのないようにいたしておりまするが、併しながらこういう車が使用区間を制限される貨車がたくさんありますことは、貨車の運用上も余り思わしくないと存じますので、できるだけこういう車は廃車して新らしい車を補充したい。そこで廃車補充ということでございまするが、これは貨車のごときは相当生命は長いものでございまするが、やはり十万輛の貨車を持つておりますれば一年間に二千輛乃至三千輛の廃車は最小限度必要でございますので、そういう点からかれこれ考えまして、私どもは現在の廃車補充と車種のアンバランスということを考えただけでも、先ず七、八千輛の新造は絶対必要である。これに対して更にもつと輸送量の増加に対応するには更に一段と貨車を増備しなければならんと思うのでありまするが、その点は今お話のありましたように、必ずしも貨車の数だけ多くすればいいのじやなくて運用効率を向上せしめるという方法につきましても一段の努力をなされるということを期待しておる次第でございます。
  78. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) お諮りいたしますが、国鉄の予算関係はこの程度で打切つて如何でしようか。もう予算委員会のほうでも大分進捗しておりますから。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) じや御異議ないものと認めまして、次の問題に移ります。  本日のこの順序でありますが、運輸省予算関係、それについて気象官署関係その他に御質問があるわけでありますが、先ほど国税及び地方税運輸交通産業に及ぼす影響について説明聽取、この件を先に審議されたい旨申出がありましたのでありますが、さよういたしまして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ではさようにいたします。  それではその問題の中、只今大蔵省から石田税関部長が見えておりますので、その関係から質問に移りたいと思います。
  81. 高木正夫

    ○高木正夫君 石油類の関税につきましていろいろ御質問を申上げたいと存じます。今回政府におかれましては関税法の定率を変更することを御意図されましてすでに各省との打合せを終り、審議会も終つて法案が国会に提出される運びになつておるように聞いております。その中で我々運輸委員としまして関心を持つものが数個あるわけでありまするが、例えば車輌の問題、部分品、或いは油脂の問題、燃料の問題等ありまするが、私どもの最も看過することのできないのがこの石油類の関税の問題であると思うのであります。これが一たび伝わりますと、関係業者、特に水産業者、農業者、或いは鉱山業、海陸の運輸業者並びに製油業者、各方面の非常な反対の声も高いようでありまして、まさにこれは大きな輿論であると思うのであります。従いまして政府としては非常にこれは愼重に研究になつて出されたのであると思うのでありますが、先ず最初にお尋ね申上げたいと思いまするのは、各官庁の間の打合せがどういうふうにやられたか。どことどことお集まりになつて、御研究頂いたかということを先ず承わりたいと思うのであります。
  82. 石田正

    政府委員(石田正君) この関税率の改正案につきましては、すでに終戦以来数カ年に亘つてつておりましたわけでございます。関係方面の了承を得まして、法案提出に至りましたのは最近のことでございますが、この長い期間中におきまして、それぞれの品目につきましては、殆んど全部の関係各省とその都度打合せはしておりまするけれども関係各省のかたといろいろと御連絡をいたしまして、そうして一応の政府案を作つたわけでございます。
  83. 高木正夫

    ○高木正夫君 運輸省は最近の打合せに出席されておつたのですか。
  84. 石田正

    政府委員(石田正君) 初めの間はおいで願つてつたのでありますが、最近のあれにつきましては、お出にならなかつたことがございます。
  85. 高木正夫

    ○高木正夫君 運輸省政府委員のかたはおられませんですか。
  86. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 自動車局関係が見えております。
  87. 高木正夫

    ○高木正夫君 打合せをされたものと思うのでありますが、その際に運輸省として、どういう態度で進められたか。打合せのことでありますから、主張してもいかん場合もありましようが、どの程度の努力を拂つて頂いたかということを、一応承わりたいと思います。
  88. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 只今牛島局長政府委員室に迎えに行つておりますから、それでは次の質問を先にお願いいたします。
  89. 高木正夫

    ○高木正夫君 この問題は、先ほど申した通り相当輿論の強い問題であろうと思うのであります。これを押し切つて大蔵省のほうでおやりになるということになりますと、これは相当理由があるに違いないと思うのであります。この理由につきましては私どもが納得の行くような一つ説明をお願い申上げたいと思います。
  90. 石田正

    政府委員(石田正君) 石油類の関税をどういうふうにするかということにつきましては、非常にむずかしい問題でございまして、これは国内におきまして石油を生産する方面考え方、これもございます。それから又原油に対しまして精製をするというふうな方面考え方もあるわけでございます。それから又これを消費しますほうの部面の考え方というものもあるわけでございまして、それらの考え方が必ずしも一致しないというのが実情でございます。この原油につきまして私たちの考えは、国内における石油生産というものを維持し、できればもつと生産を多くして行きたい。そのためにはどうしても関税率の改正が必要であろうと、こういうふうに先ず一面考えると同時に、他面におきまして、この石油というものは、或いは動力資源として、或いは輸送の方面において、或いはその他の方面におきまして非常に重要なものでございますので、仮に関税をかけるにいたしましても、成るべく低くいたしたい。勿論関税なしで済めばこれはいいけれども、国内精油保護ということで、これはかけるにいたしましても、それは成るたけ低いほうがいいのではないかと、こういうふうな考えをいたしておるわけでございます。なお、無税を主張されるところの省もたくさんにあります。又通産省の生産部面におきましては、これは二五形、三〇%というようなものでなければならんというような議論もあるわけでございます。我々のほうといたしましては、結局原案といたしまして一〇%というふうなことをまあ或る意味から申しますれば、妥協というふうに言えるかも知れないと思うのでありますが、そういうようなことで一〇%という案を出しまして、それによりまして政府案をきめた。こういう経過になつておる次第であります。
  91. 高木正夫

    ○高木正夫君 そうしますと、大体の骨子としましては、国内精油の保護と申しますか、保護関税ということになるわけですね。
  92. 石田正

    政府委員(石田正君) そういうふうな観点からいたしたのでございます。
  93. 高木正夫

    ○高木正夫君 そのほかには主な理由はそうないということになりますか。
  94. 石田正

    政府委員(石田正君) 主なる理由はそういうことでございまして、これは率がきまりますれば収入がある。收入が国家的な支出のほうに向くということもございますが、收入をどうしても上げなければならんから、こうしたのだというふうに考えておるのであります。
  95. 高木正夫

    ○高木正夫君 それに対しましては、私も別に意見を持つておりますが、これは意見のときに申上げることにいたしたいと思いますが、そこで更に進んでお伺いいたしたいと思いますのは、然らば国内石油の量はどのくらいになるのかということを承わりたいと思います。
  96. 石田正

    政府委員(石田正君) これは通産省が正確な数字を持つております。私の数字は或いは間違つておるかも知れないのでありますが、承わつた範囲で申上げたいと思います。昭和二十五年度におきましては、大体石油を三十二万キロ国内で生産いたしております。こういうようなふうに了承いたしております。なお、昭和二十六年度の具体的計画といたしましては三十六万キロということで進んでおる。こういうふうに了承いたしております。
  97. 高木正夫

    ○高木正夫君 それは原油のほうでございますね。
  98. 石田正

    政府委員(石田正君) そうでございます。
  99. 高木正夫

    ○高木正夫君 それから輸入量はどういうふうになつておりますか。二十五年度並びに二十六年度の予定計画よ……。
  100. 石田正

    政府委員(石田正君) これは細かい点につきましては、多少違いがあるかと思つておりますが、大体百八十万キロから二百万キロくらい輸入する。こういう計画になつておるかと思います。
  101. 高木正夫

    ○高木正夫君 ちよつと私の承わつた安本の計画と数字が違うように思いますが、安本で承わりましたところによりますれば、大体二百八十万キロリットル、それから原油が二百万、潤滑油のほうが五万キロということを承わつておりますが……。
  102. 石田正

    政府委員(石田正君) 今輸入のほうで以てお話を申上げましたので、そのほかのやつを言いますと、多少違つて来ると思います。又安本の計画自体につきましても、その時その時によりまして多少違いがございます。それから、輸入がどれだけできるかという点から申しましてそれは違いがございますので、大体原油としては百八十万キロから二百万キロぐらいというところではないだろうかと、こう思つておる次第工あります。
  103. 高木正夫

    ○高木正夫君 国内の石油は大体帝国石油でやつておるということを承わつておりますが、そのほかにはあるのでありますか。帝国石油だけとすると先ほどの数字ということになるわけですね。
  104. 石田正

    政府委員(石田正君) これは私細かいことは存じませんですが大部分のものが帝石によつて供給されておる。  小さいものはございますけれども、これは殆んど取るに足らない数量であるというふうに承わつております。
  105. 高木正夫

    ○高木正夫君 それからなお、これはおわかりにならんかも知れませんが、国内の資源が大体どの程度あるものであるか。
  106. 石田正

    政府委員(石田正君) これは私率直に申しまして素人でございまして、確信を持つて申上げることはできないかと思います。この国内の資源という点につきますと、資源にも、石油につきましてはいわゆる大ざつぱな予想と、それからいろいろ議などをいたしまして、そうしてその結果これだけは確かにあるというふうに一応確実なところのもの、確定埋蔵量というか、そういうふうな数字と二通りあるわけでございます。私たちいろいろ数字を聞いておりまして、どうもそのまま信用してよろしいのかどうかわからんのでございますが、この確定埋蔵量のほうでございます。これはだんだん殖えて来ておる。大体私たちが聞いておりますのは、終戦直後頃におきましては、大体百五十万キロぐらいというふうな工合に聞いておつたのでありますが、最近では五百万キロを越える、こういうふうな工合に承わつておる次第でございます。
  107. 高木正夫

    ○高木正夫君 それからなお、参考までに伺つておきたいと思いまするがこの帝国石油並びにその他に対しまして政府が今まで何か補助をやつておられたのですか。相当補助をやられたのでありますか。
  108. 石田正

    政府委員(石田正君) これも通産省のほうがよく数字を知つておりまして、私の申上げることが或いは間違つておるかも存じませんが、その御前提でお聞き願いたいと思います。大体去年あたりのことを聞いておりますると、要するに新らしい石油資源を探鉱いたします。そのために探鉱助成という形において補助金というものが出ております。この金額は知つておりませんが、大体一億程度の金を今日までやつておるように聞いております。  それからなお最近とは情勢が異なりまして、反年あたりの情勢から申しますると、外国から入つて来る原油の中で相当安いものがございます。そういうものの価格のプールというようなことも操作をいたしております。大体四億ぐらいのそういう意味における隠れたる補助金と申しますか、そういうものもあつたのではないかというふうな工合に聞いておる次第でございます。
  109. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 自動車局長が見えましたが、牛島局長にさつきの御質問を願います。
  110. 高木正夫

    ○高木正夫君 石油の関税問題について最近において運輸省が大蔵省その他と打合せをなさいましたということは、これは相当業者にとつて重大な問題であると思うのでありますが、その時に如何なる態度で臨まれたかということを参考のために承わつておきたいと思います。
  111. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 運輸省の自動車局といたしましては、国内におきましてガソリン、石油製品の最も大きな消費者を業務の下に置いておりまする関係上、ガソリンの価格に影響をいたすものにつきましては重大な関心を持つておる次第であります。従いまして今回関税定率法の改正に当りまして、原油のCIF価格によりまして一割の課税がきまるという話を聞きました。先般石油製品の価格につきまして改訂を行いまして、今これに従価一割の課税ということになりますとまだまだ輸送費の中において丈きな部分を占めておる燃料費につきまして、騰貴を見るということになりまして、非常に大きな問題になると思いまして、大蔵省のほうにも折衝をいたしますし、又物価庁のほうにも打衝をいたした次第でございます。私が申上げるまでもないことでございますが、原油価格石油の価格にいたしましても、又油槽船の運賃の問題にいたしましても、最近の世界的な経済情勢からいたしまして騰貴の傾向にある際におきまして、石油製品価格が国際価格に鞘寄せをして行くということは止むを得ないことといたしましても、更にその上に関税が附加されるということになりますと、相当の大きな問題になると考えるのでありまして、今以て大蔵省、物価庁のほうと折衝して、何とかこの点につきましての特段の措置をいたしてもらうように交渉いたしている次第であります。
  112. 岡田信次

    ○岡田信次君 国内の自動車の消費するガソリンというか、燃料油の関税收入の見込はどのくらい立つておられるか。
  113. 石田正

    政府委員(石田正君) 実は先ほども申上げたのでありますが、一体向うからどのくらい燃料が入つて来るかということが相当漠然としているわけであります。我々のほうといたしましても関税収入がどのくらいあるだろうかという点につきまして何と申しますか、固い数止というものを選びまして、そうして原油ではどのくらいであろうか、それからして又醸酒ではどのくらいであろうか、ガソリンとしてはどのくらいであろうか、潤滑油としてはどのくらいであろうか、こういう数字は一応作つてございますが、更にそれが再配分されまして、例えば漁油にいたしましても漁油が幾らある。或いは自動車油が幾らあるかというものについては、まだ数字はできておりません。輸入されるものはどのくらいだろう、それに対してどのくらいの收入になるだろうという数字はございますが、再配分いたしたものはまだ作つておりません。
  114. 山縣勝見

    山縣勝見君 重油の問題は、船舶関係でも相当の消費をいたすのでありますが、先ほどのお話で今回の改正はいわゆる国内産業の保護という見地相当重点においておられるというのですが、そういう点から克て機帆船、或いは国内において供給する船舶の看油でありますが、それは相当重要な問題である。果して今政府委員か誰か、運輸省はどういうふうに考えておられるか、ほかの政府委員でもよろしうございますが、お見えになつておりますか……。それじやあとで運輸省意見を聞きたいのであります。これは船舶補給の重油にいたしても相当重要な問題だということを申上げて、これをお伺いしたのですが、関連てしその他に関税問題等一番大きな当面の問題は、今船舶の輸入を相当国際的に行われているんですがこれに対しては通産省あたり、或いは安本等の計画におきましても食糧或いは生産原料を、相当量輸入しないと日本の再生産は確保できない。従つて国民生活の最低が維持できないということは、これはもう明らかなんです。それに対しては何らの異論がないところであります。各省間において、も異論がない、そのためにはどうしても適当な船腹量を確保しなければいかんということも、それは異論のないところであります。そうしますと合新造計画を中心にして改造、或いは沈船の引揚げ等をいたしておりますが、新船の建造にはおのずから十カ月或いは一年等の年月を要する。期間を要することでありますが、当面緊急の食糧の輸入、或いは重要物資の輸入に対しては早急に緊急措置をとらなければいかんのじやないかそれに対しては用船等も考えられますけれども、用船は御承知の通り裸用船はこれは到底できません。現在の世界の情勢の上から申せばできませんが、一番当面効果を挙げるのは船舶の輸入でありまするが、それに対しては政府としてもその船舶に対してあらゆる施策を講ずることも閣議において決定しよ通りであります。而もそれに対して従来はトン当り二十円二十五銭の輸入関税が、今度は従価一割五分ということになるということでありますし。最近外国の船価が上つたために、例えば或る租度の性能の新らしい船でありますと相当高いのでありますが、大体最近輸入されておる、輸入せんとされておる三十年あたりの船にいたしましても約二億以上はかかる。いわんやそれがもう少し年限の短かいものでありますれば四億、五億、従価一割五分といたしますと六千五百万円、相当古い船、三十年が一億として三千五百万円でありますが、一方において政府から何ら異論なく閣議においても決定した買船の措置に対して一割か一割五分という重税を課して国策の決定した線を阻止するということは、これは矛盾をしておることでありまして、これに対しては先般大蔵省の主税局長であつたか、担当局長がこの国会において特別法を設けて殊に船舶の輸入に対しては考慮するというようなことを言明されておつたのです。かような関係であるので、それに対してどういうふうに大蔵省は考えておられるか、他のものと同じようなふうにやられるとするとこれは国策上非常に重大問題でありますから、どういうふうな計画になつておるか、承わりたいと思います。
  115. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  116. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を始めて。
  117. 石田正

    政府委員(石田正君) 船舶の関税率の問題でございますが、関税率というものは御承知の通りに国際的なものでございまして、ひとり日本側の関心事ばかりでなく、又日本に物を供給いたしますところの相手国のほうといたしましても、重大な関係を持つておるわけであります。従いましてこれは明確にこういうものであるということがはつきりいたさなければならん。そこで造船業と関税の関係になるわけでございますが、やはり日本の造船業といたしましては、成るたけ日本におきまして船舶を建造するというふうな建前をとることが平常時においては必要であろうかと考えられますので、その点から申しまして大体一五%という率を盛つたわけであります。この一五%という率はお話に、ございましたように、現在の従量税率から申しますると突拍子もなく上つたというふうに考えられるのであります。併しこの従量税率を設定いたしました当時の率といたしまして、どのくらいに当るかということになりますと、やはり同じような程度のものであつたのでありまして、我々は二五%よりこれを高くしなければならんという考え方は持つておらない次第であります。それからここから速記を止めて頂きたい。
  118. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  119. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を始めて。
  120. 山縣勝見

    山縣勝見君 只今の関税率の改正に関する基本方針は、一応まあそういうことも言えると思いますが、私はこの特例法を申しておるのであつて、基本の方針に対して申しておるのではない。殊にこの問題日本の造船業の保護ということ、これは先ほどの石油に対してのお話と同じような観点に立つておると思うのですが、これは甚だどうも失礼な申しようですけれども、日本の造船業保護の見地から、現在の輸入船舶に対する税率は、非常に見当違いだと私は思うのです。というのは保護さるべき造船業が現在の船舶に対して山積しておるのです、而もそういうことに対しては、造船業のほうとか、或いは造船業の育成ということは、これは担当の運輸省考えるべき問題であつて、そのほうの意見は、これは海運局長なりに質したいと思うのでありますが、これも非公式……その他の機会において造船業の保護育成の見地から見ても、かような重税を課することは適当でないということになつておる。いわんや現在の造船業もですね、日本の現在の実情から見て、大局から見て妥当じやないということは、造船業界においても共鳴しておることになるのです。さような見地から見ればですね、大蔵省が、造船業保護の見地から、さような重税を課することは適当でないと私は思うのであります。それから殊に、この従価一割五分とか何とかいう、将来税率を下げることが困難で、将来国際的に問題が起るというお話も、これは妥当じやないと私は思うのですが、これは現在適当な率でおきめになつたらいいのであつて、将来のことを考えてどうこうということは甚だどうかと思うのです。それから殊にですね、この税率は適正なる価格に対してかけるべきものであつて今国際船価はアブノーマルに上つておるのです。殊にこのコンマーシヤルにですね、輸入するときにコンマーシヤル・ベースにおいて船舶の輸入ができるならば、輸入関税等を考えてもコンマーシヤルに考えますけれども………現在は国家的の要請に基いて止むを得ずですね、むしろ止むを得ずやるのであつて相当の率をそういう見地からですね、この買船の資金を政府がコンマーシヤルの資金でなくて、政府の財政資金等を以て買船の促進を図ろうという政府方針ですから船舶の輸入を考えるときにおいて、コンマーシヤルにおいて考えたのは妥当ではないと私は思います。だから私は基本方針に触れませんが、現在船舶輸入の実態から見て、特例等を設けることは当然だが、当局も言明されておることなのですから、これは私は先ほどの意見に対しては承服できないのです。従つてこの船舶に関する輸入関税問題に対しては、当局におかれて関係方面ともつと折衝されてですね、この現在の船腹の実態に応じた措置をとられることを特に要望したいのです。その他は、意見の相違になるかも知れませんが、海運局長もまだ見えませんから後ほど海運局長意見を徴したいと思います。なお又、先ほどこれは石油類の点に対して言われたことも同様であろうと思いますので、ただ、平時におけるその当該産業の保護政策を、現在の緊急措置としているいろいろとることにしてそれで以て全部輸入関税をいろいろお考えになるならば本当だと思います。だからその点は輸入船舶、特に先ほどのこの重油等に関しても、そうでありますが、殊に船舶輸入に関しては緊急の特殊性があるのでありますから、是非これは特例を設けて、緊急にその措置をとられることを要望したいと思います。
  121. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 只今質疑応答ですから……。
  122. 山縣勝見

    山縣勝見君 私はこれを要望して、政府はどういうふうな措置をとられるお考えであるか、お伺いしたいと思います。
  123. 石田正

    政府委員(石田正君) ただ、御尤もな点であろうかと思うのでありますが、現在のところ公式な立場といたしましては、政府として暫定措置を出しますことは困難である、こういうように思うわけなんであります。
  124. 山縣勝見

    山縣勝見君 政府としていろいろな関係から、政府から改正に関する法律案等を出されることは困難であるというお話でありますが、これに対しては重要な問題でありますから、仮に議員提出の方法によるか、何らかの方法によつてその点は修正すべきものと思いますが、その際に政府はどういうふうなお考えでそれをやられるか。
  125. 石田正

    政府委員(石田正君) 本案政府の案といたして、国会にかけておるわけでございます。国会は又政府とは別の見地に立ちまして審議を行うわけでありまして、そういうふうな関係に相成るのじやないか、そういうふうに思つております。
  126. 山縣勝見

    山縣勝見君 そういう点重々了承しておるので、そうでなくして、そういう際において、仮に国会において改正案を出す場合において、政府はどういうふうな考えで、その修正に対して臨まれるおつもりであるか、それをお考えがあればお伺いしたい。形式等のことについてはよく知つておりますが……。と言いますことは、仮にそういう際において政府が仮にそういうふうな修正をどうしても満足しがたいという固い態度であられるのかどうか。
  127. 石田正

    政府委員(石田正君) この問題は当然船舶のみならず、いろいろな御意見等がございますから、どういうふうな修正案になりまするか、我々としても現在のところ予測がつかないのでありまして、そういう状況の下において政府はこういう態度をとるというふうなことは、現在としてはちよつと申上げかねるかと思います。
  128. 高木正夫

    ○高木正夫君 先ほど事務的な質問を申上げたのでありますが、この問題は相当政策とからんで来ると思うのであります。大体政務次官若しくは運輸次官に出席要求をしておいたのですが。
  129. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 大蔵政務次官ですか、運輸政務次官ですか。
  130. 高木正夫

    ○高木正夫君 大蔵政務次官です。
  131. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 運輸政務次官の出席要求と思い違いまして要求したところが、今日どうしても予算委員会のほうに行くので、出られないということでありました。では次回に大蔵政務次官の出席を要求いたすことにいたします。
  132. 高木正夫

    ○高木正夫君 今日これで早く片付けておかないと工合が悪いと思うので、それではもう一つ質問申上げますが、今の山縣委員意見を含めた質問のようになると思うのですが、それでも差支え、ございませんでしようか。
  133. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) どうぞ。
  134. 高木正夫

    ○高木正夫君 先ほど私事務的のいろいろ御質問申上げたのでありますが、根本になる理由といたしましては、結局保護関税だというように了解をしたのであります。私の考えるのには国が関税を課すべきであるか、或いはどの程度課すべきかということをきめる場合におきまして、いろいろの考慮を拂う問題があろうかと思うのであります。そのうちの重要な問題としましては、国内の需要と、それから国内の生産との比率ということが非常に大きなフアクターになると思うのであります。それかもう一点は、その入れる品物が如何に重要性を、国民経済及び国民の生活の上に及ぼしておるかという観点があると思うのであります。この二つが恐らく一番大きな原則であろうかと思うのであります。先ずその第一の点から考えますると、即ちその国の生産が殆んどない、若しくは極く小量である、殆んどほかから輸入を仰ぐという場合においては関税は課すべきでない、恐らくはかの国でも課していないだろうと思うのであります。尤も写真機とかいうような国民生活上芳ばしくないような品物においては、これは禁止的関税を課することがあり得るわけでありますが、そうでない場合においては、大体その原則は用いられると思うのであります。この点から考えまして、先ほどの質問のお答えによりますというと、輸入が、私は安本の数字を信頼して言うわけでありますが、ガソリンについていいますならば原油が二百八十万キロリットル、これから生産する量は日本のこの精油能力とマッチしておるそうですが、これは約七十万キロリットル、然るに国内の生産額はどうかというと、先ほど御説明の通りに二十五年度においては三十二万キロリットル、本年の計画は三十六万キロリットル、こういうことになつておる、それか良精油されるものは六万キロリットルくらいしかないのであります。そうすると、量の比較をして見まするというと、大体九%、輸入に対して国内製品が僅かに九%、これが将来の航空事業、その他需要がだんだん増して来ますと、恐らくこれは五%、六%になる、こういう小量な生産しかない場合において、果して他の、後ほど述べまする重要なそういう原動力である、すべての産業の原動力であるその石油に関税を課して隘路を作らなければならないのかどうかそれを犠牲にしてまで作らなければならないかという問題が一つつて来ると思うのであります。それから他面におきましては、その重要性の問題でありますが、これは農水産業に最も関係の深い、これはその業者のみならず、国民の生活にも及んで来る問題でありますし、又船舶の問題、先ほど申されましたが、これは目下船腹増強で大童になつておる場合に、そういうことは取上げるべき問題じやないと思うのでありますが、船舶のみならず一般海陸の輸送ということになりますと、これは大きな問題になると思うのでありまして、日本の国が、話が少し大きくなるかも知れませんが、最も今講和を控えて重要な時期に直面しておる、その際には何をおいても自立経済を立てなければならん、それにつきましては、政府におかれましては、三原則、四原則を立てて行かれておる。国民の自給度を高めて行く、貿易を盛んにやる、特に最近においては輸出が非常に旺盛である、輸入がこれに伴わない、インフレの傾向を俘つて来ておる。この観点から輸入促進が最も重要な問題に今なつておる。これらの問題が関連いたしておりますが、更に自立経済といたしまして、最も重要に見ておるのは動力の問題、つまり電力の問題並びに輸送力の問題であろうかと思うのであります。これが基礎産業の原動力、基底をなすものでありまして、これほど重要なものは只今のところなかろうかと思うのであります。こういう観点からいたしまして、その石油類に対して税金を課してこれを阻止するということは、事務的にはどうか知りませんが、大局から見て、政府のとるべき方針でなかろうと思うのであります。これは私の意見になるわけでありますが、こういう態度につきまして、政府の見解はどうであろうかということを、もう少し高所大所から考えたときに、日本の国民経済をどうして持つて行くかという大きな見地から考えたときの政府の御見解はどうであるかということを、御質問申上げたいと思うのであります。
  135. 石田正

    政府委員(石田正君) 日本経済全般に亘りますところの大所高所からの御質問でございますので、私からお答え申上げるのは如何かと思いまして、次回に又政務次官が見えましたときに、お答え申上げたいと思います。
  136. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは只今の問題は、速記録に基きまして……明後日運輸委員会のときに政務次官の出席を要求しておきますから、さよう御了承願いたいと思います。速記をとめて下貞い。    〔速記中止〕
  137. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を始めて下さい。
  138. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 今の問題は明日ここでして……。
  139. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 明後日土曜日にいたします。
  140. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 土曜日にやつて、必要があつたら大蔵とでも合同審議を申入れようということを土曜日にきめようというのですか。
  141. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 大体の方針です。なお理事会を本日この委員会後に開きまして、御相談申上げたいと思います。
  142. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  143. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を始めて下さい。
  144. 山縣勝見

    山縣勝見君 先ほど船舶の輸入関税に関しまして大蔵省の政府委員説明を承わつたのでありますが、その際に今回船舶輸入関税の改正に当つて、例えばこの船舶の輸入関税については、日本の造船業の保護のために、さようなことが適当であるということが主たる原因であろうというふうに答弁を承わつたのでありますが、私の了承いたすところでは現在の船舶輸入等に関しては、造船業育成保護の見地からも、国策の見地からもさような重税をかけるべきでないというふうに了承いたし政府においてもさようにお考えになつておることを公式、非公式に了承いたしておりまするし、なお又造船業界においても現在の船舶輸入に関してはさような重税をかけたくないことも、もとより今後の基本的な考えについてはおのずから多少別に考えがあるかも知れませんが、現在船舶輸入に関しては、少くとも特例法を設けて、さような重税をかけるべきでないというふうに運輸省においても考えられておるというふうに了承いたしております。それに対して、運輸省からのそのお考えを承わつて置きまするほうが、今後意見の発表をいたします際に適当だと考えますので、政府委員の御答弁を煩わしたいと思います。
  145. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) お尋ねにあずかりましたこの船舶の輸入関税の件につきましては、私は全く同意見でありまして、これは現在のごとき緊急に買船等をいたしまして船腹を一通り整備すべき場合におきましては、これはかけてはならないものと、こういうふうな解釈をとつて、現在その方針で全部進みたい。是非これを免除してもらいたいと、こういうふうなことに相成つております。
  146. 山縣勝見

    山縣勝見君 政府委員の御意見只今了承いたしましたが、関係の主務官庁においては、これに対して特例法を設けるということを余り考えていないようでありますが、只今運輸省政務次官のお話によつてさような重税をかけるべきでない、それが政府としての、少くとも主務官庁としての所見であるというお話でありますが、そういたしますとそれを主務官庁としてのお考えはどういうふうにこれを実現されるお考えでありますか、政府としてさような修正案をお出しになるのでありますか、或いは他の方法によつてその修正の目的を達せられるのであるかということの御方針を伺いたいと思います。
  147. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) いろいろこれに関しましては、あらゆる方面と折衝を続けておるのでありますが、大体現在のところまだどのようにするという結論は出ておりませんが、そういうような状況にあるということだけは申上げて置きます。
  148. 山縣勝見

    山縣勝見君 次回の委員会で大蔵省の政府委員会から更に説明を求めました上で、改めて意見を表明いたしたいと思います。
  149. 高木正夫

    ○高木正夫君 只今船舶に関する問題についてのみ政務次官のお答えがあつたようでありますが、同様のことにつきまして、船舶以外の陸運上に及ぼす関係について念のため政務次官から一つ答弁を願つて置きたいと思います。
  150. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  151. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を始めて。
  152. 山縣勝見

    山縣勝見君 輸入関税について只今政務次官のお話を承わりましたが、実は緊急を要する同様の問題が、固定資産税とそれから事業税に関してありまして、固定資産税に関しましては、先般外航船舶に関しては特殊の事情を勘案されて、地方財政委員会等において特別の通牒を地方団体に出されたのでありますが、なおこれは応急の措置でありますから、今後この船舶に関する固定資産税に関しては、かねて屡次に亘つて委員会においても申しておりまする通り、やはり船舶に最も適当した税制を確立するように更に政府の努力を要請いたしたいと思いますが、それに対して運輸省は現在どういうような方針をとつておられるかどうか、なお又この事業税でありますが、海運業に関する事業税に関しても、これ又庫次の当委員会におけるところの質問によつて政府当局御了承の通りでありまして、この事業税に関しましてはこれ又至急にかねて要望いたしておりまする通り、収益課税に持つて行かなければならないと思いますが、それに対して運輸当局は現在どういうふうな段階においてこの両税に対しての折衝をしておられますか。
  153. 關谷勝利

    政府委員(關谷勝利君) 御説の通りでありまして、大体運輸関係は海運関係だけにも限りませんし、鉄道、軌道の関係等もありまして、いずれも船舶につきましては固定資産税を廃しまして船舶税を作り、なお鉄道、軌道につきましては、これは軌道税というようなものを設けて低減を図りたい。そうしなければ到底やつて行けないということはよく承知いたしておるのでありまして、目下いろいろ各方面と折衝中でありまして、これは早急に実現いたしたいと思いまして、いろいろ準備を進めておるような状態であります。なお又事業税に関しましてもお説の通りこれは収益課税に持つて行きたいと、かように存じております。
  154. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは税金関係は大体本日はこの程度にして、次の問題に移りたいと思います。それでは前回前田委員からの御質問に対して中央気象台の北村総務部長から御答弁願います。
  155. 北村純一

    説明員(北村純一君) 前回前田委員から運輸省内の他の部局に欠員があるならば、部局の定数を変更して気象官署の定数を増加することはできないか、少くとも人件費支出の余裕がある六十名の増員はできないかというふうなことにつきまして、答弁が保留されておつたのでありますが、昭和二十六年度は御承知の通り行政事務の簡素化を行いますというふうな建前から、極力定員は縮減される方針で、各部局ともに相当の減員を行なつております関係から、運輸省の他の部局のほうから気象官署に配置転換を受けるという余裕がないように存じます。又予算総則の第十二條に、予算金額の範囲内でありましても、予定経費要求書に定める職階級別定員以上の政府職員の増加又は給與の増額を、みだりに行なつてはならないというふうな規定もございまして、職階級別定員が各部局別に定めてございます関係から、気象官署につきましても、その定員は限定されておるわけでございまして、たとえ他の部局のほうに人件費の余裕ができるというふうなことが、万一あるといたしましても、定員以上の増員を採用することはできないことになつているのであります。御答弁申上げます。
  156. 前田穰

    前田穰君 よく呑み込めないのですが、余り長くなりますから、この程度にとどめておきたいと思いますが、最後一つお伺いしたいのは、六十名の欠員になつておるその使途、給與の予算上の金額の余裕はどういうふうになつておりますか。
  157. 北村純一

    説明員(北村純一君) 現在六十名の枠ですが、実際は現在員は四十二名というところまで激つております。年度末決算におきまして、人件費に余剰ができますれば不用額に充てることになつております。
  158. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 気象台の問題につきましては、本委員会において補正予算その他の措置によつて速かに十分なる施設と運営をいたすようにという委員長に対する御要望がございましたにつきましては、今後ともなおその問題は十分に実現に推進して参りたいと存じます。そこでお諮りいたしますが、当委員会といたしまして、この二十六年度運輸省の予算に関する件の審査をこの辺で打切りまして、予算委員会のほうに全部これから廻して行くと、そういうことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  159. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 御異議ないものと認めまして、さよう決定いたしました。それでは本日はこれを以て散会いたします。    午後四時二十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     植竹 春彦君    理事            岡田 信次君            小泉 秀吉君            高田  寛君    委員            山縣 勝見君            高木 正夫君            前田  穰君            村上 義一君   政府委員    大蔵省主税局税    関部長     石田  正君    運輸政務次官  關谷 勝利君    運輸省海運調整    部長      壺井 玄剛君    運輸省鉄道監督   局国有鉄道部長  石井 昭正君    運輸省自動車局    長       牛島 辰彌君   事務局側    常任委員会專門    員       岡本 忠雄君    常任委員会專門    員       古谷 喜亮君   説明員    中央気象台総務    部長      北村 純一君    日本国有鉄道自    動車局長    津田 弘孝君