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1951-03-02 第10回国会 参議院 運輸委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二日(金曜日)    午後二時一分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○水先法の一部を改正する法律案(衆  議院提出) ○北海道開発のためにする港湾工事に  関する法律案衆議院提出) ○港域法の一部を改正する法律案(内  閣提出) ○海難審判法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○港則法の一部を改正する法律案(内  閣送付) ○海事代理士法案内閣送付) ○一般運輸事情に関する調査の件  (昭和二十六年度国有鉄道関係予算  に関する件)   ―――――――――――――
  2. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それではこれから運輸委員会を開会いたします。  先ず水先法の一部を改正する法律案議題に供します。本日は早速質疑に入りたいと思います。御質疑のあるかたは順次御発言をお願いいたします。
  3. 岡田信次

    岡田信次君 釧路には水先人は現在いるのでございますか。それから大体どのくらい水先人がおつたらいいのですか。
  4. 伊藤郷一

    衆議院議員伊藤郷一君) お答えいたします。釧路には今日羽矢という人がおりまして、このかたは甲種船長の免状を持つておりまして、現在も水先類似業務に従事しております。釧路市にある中野運輸株式会社船舶部長の地位にありながら、頼まれましてときどき水先案内をするのでありますが、御質問の扱う隻数につきましては、昭和二十四年の十一月の十一日から二十五年の七月の二十日まで、この一年足らずの期間におきましてこの羽矢氏が水路を教導した船の数は四十三隻になつております。大体月四・四、五隻足らずでありますが、併しこの釧路港に水先案内のできる羽矢氏というような人がいるということを知らないところの外来船が多いのでありまして、若し免許水先人ができました暁には、非常に需要者も増加するであろうと思いますし、又この釧路港の将来の発展ということを一応勘定に入れますというと、羽矢氏の考えに従えば月十隻平均は扱える見込みだということであります。それで生活が一体できるかどうかということにもなりましようが、一応水先人に設定せられますれば、中野運輸会社船舶部長という責任ある位置から。ズレまして嘱託にでもなりまして、そのほうからの収入と合せまして水先業に十分安定して従えると思つております。
  5. 山縣勝見

    山縣勝見君 釧路水先人は私は必要だと思うのですが、釧路港の将来の大体予想される入出船舶貨物の量、こういうことが大体水先人設置必要性を判断するのに必要だと思うのでありまするが、大体の見込等は如何でありますか。
  6. 伊藤郷一

    衆議院議員伊藤郷一君) 二十四年度におきましては入港船舶は三百四十五隻でありまして、トン数は千百六十八トンになつております。釧路港は終戦以来暖流の影響を受けまして、「さば」「さんま」漁場の一大漁業基地なつたほか、釧路炭田の石炭の積出港として、又十條製紙のパルプの積出港といたしまして、更に木炭……、十勝、北見方面の雑穀の積出港といたしまして画期的な飛躍を遂げたわけでありまして、積出した荷物の総トン数は昨年におきましては日本の第十一位ぐらいに相当したかと思いますが、大体二百万トンぐらいだと思います。今後更にそれを上廻る見込みでありますし、先日申上げましたように濃霧の非常に強い所であつて、港も狭く、更に漁港と商港との区別がまだ判然としておらないために非常に混雑するので、どうしても水先区を設定いたしまして正規に水先人を設ける必要があると思います。どういうわけか小樽水先区、函館水先区、室蘭水先区、更に留萌水先区と設定されておりましたけれども釧路のみがそれに洩れておつたわけでありまして、現地の強い要望がございます。
  7. 山縣勝見

    山縣勝見君 二百万トンというのは入出を入れまして二百万トンですか、それから外国船舶も最近入るんですか。
  8. 伊藤郷一

    衆議院議員伊藤郷一君) 昨年八月の二十五、六日頃だと思いますが、フィツシュ・ミールを積にノルウエーの船が一隻入つております。今後アメリカとの最短距離といたしまして相当利用されると思います。又阿寒観光というような点からも、将来シャトルから一万トン近い船が来るというようなことが考えられると思います。
  9. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 私はこれに賛成をする一人でありますが、政府考え一つ伺いたいと思います。釧路水先区を設けるということに対しての政府の御見解はどういう御見解でありますか。
  10. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 政府といたしましてもこの設置につきましては同意しておるわけでございます。
  11. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 水先区を置くとすれば政府強制にするつもりですか、自由に水先区としてやるつもりですか。
  12. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 政府といたしましては強制にいたさないつもりでございます。
  13. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうすれば水先人は当然試験というようなものもあるだろうと思いますが、只今提案者の説明によると、中野運輸に勤めておられるかたが現在水先人をやつておる、これは非常に結構だと思いますが、このかたを何か推薦でも政府はすることになるのですか、一般希望者を募集して、いわゆる水先制定と同時に普通の水先法に準拠した試験をしてしようというようなことになりますのですか。それから水先区になるということになると、従つて多少の経費が要るように思うのだが、そういうふうなものに対する政府のお考えをお聞きしたい。
  14. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 第一の御質問に対しまして……、水先区を設定いたしますと、これに対しまして水先法によりまして制規試験をいたす考えでございます。この募集方法広報によることといたします。次にこれに対します経費水先区を設定いたしましても海上保安庁といたしましてその用意はございます。
  15. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 その水先人は、今のお話広報で募集するようにするというのですが、何人置くつもりでございますか。
  16. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 現在の状況におきましては一人でよいものであると、かように考えております。
  17. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 他に御質疑はございませんか。別に御発言もございませんようですから質疑はこれで終了いたしたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 御異議ないものと認めます。それでは討論に入ります。御意見のおありのかたは質否を明らかにしてお述べ願います。
  19. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 私は本案賛成でございます。で、できるだけ早くこれが実施されることを希望すると同時に、只今提案者からお話なつ羽矢君といいますか、こういうようなかたが現に多年ここで水先のことに精進をしておられるので、十分経験があるのだろうと思いますが、私はこの人を知りませんけれども、こういう経験者があれば試験の規定もありましようけれども、なるだけそういう経験者を採用するようにできるだけ役所のほうでは便宜を図つて頂きたいという希望を申述べて賛成をいたします。
  20. 松浦定義

    松浦定義君 私も小泉委員同様本法案に対しましては賛成をするものであります。特にここに一言申上げたいと思いまするのは当釧路港は気象、潮流その他の環境が船舶航行に極めて悪条件となつておるのでありまして、従来ここを航行できなければ一人前の船長にはなれんとまでいわれておるのであります。最近同港出入船舶は著しく増加いたしまして、外国船出入もあり、狭い港内に整頓の面からも水先区の設定につきましては航行関係業者より熱心な陳情がなされておるのであります。この実情に鑑みまして今回この改正案実施を見るならば航行の安全、港内水面利用増進に寄与することが極めて大であると考えますので、本員はこの案に対しまして賛成をするものであります。
  21. 山縣勝見

    山縣勝見君 私も本案賛成をいたすものでありますが、殊に釧路港は今後外国との関係で相当重要な港湾になると思いますので、本法の早急の実施希望いたすのであります。殊に只今お話がありましたが、釧路港の水先人は非常に熟練者を要するのでありますが、幸いにして先ほどお話羽矢君が現にその実際に当つておられるようであり、今後又羽矢君が恐らくその任に当られると思うのでありますが、私は羽矢君を多年知つている者の一人として、この水先区が今回本法改正によつて実施されることを非常に私は欣快に考えるのであります。さような意味からしても、本法に対して賛成をいたすものであります。
  22. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 他に御発言はございませんか。……それではこれを以て討論終局したものと認めまして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 御異議ないと認めまして、それではこれより採決に入ります。本案を原案通り可決することに御賛成のかたの御挙手をお願いいたします。    〔総員挙手
  24. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。従前の例によりまして、委員長報告その他については、委員長に一任をお願いいたしまして多数意見者の御署名を御願いいたします。   多数意見者署名     岡田 信次  小泉 秀吉     高田  寛  山縣 勝見     内村 清次  菊川 孝夫     村上 義一  松浦 定義     鈴木 清一   ―――――――――――――
  25. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは順序を変更いたしまして北海道開発のためにする港湾工事に関する法律案議題といたしたいと存じます。直ちに質疑に入ることにいたします。御質疑のおありのかたは順次御発言をお願いいたします。
  26. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 この法律実施期日をいつにする見込みですか。公布と同時ですか。
  27. 玉置信一

    衆議院議員玉置信一君) 御質問通り公布の日からこれを実施することになるわけであります。
  28. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうしますと本年度、二十六年度の総予算案がすでに衆議院を通過しまして、参議院へもう回付されて、今審議中でありますが、その予算案の中に、この法律実施に伴う経費が何らか見込まれておるものであるかどうか。
  29. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 北海道開発のためにする港湾工事法律制定された場合に、北海道港湾予算はどうなるかという御質問かと存じますが、港湾法によりまして重要な港湾については五割この工事負担を国がいたし、その他の港湾につきましては四割を補助することと相成つております。北海道におきましては、従来とも全額国費を以てその経費負担し、そのうちの岸壁等等のごとく使用料の徴収ができるようなものについては七割五分を国が負担しまして、残りの二割五分が地元負担と相成つておるような次第でございます。で、二十六年度予算北海道港湾関係では三十三億余円となつております。これはこの予算を組むときにはまだ重要港湾は政令によつて指定されておりませんし、それから港湾法による港湾管理者北海道におきましては、未だにできておらない現状でございます。それで予算折衝の場合には大蔵省安本等了解の上、今年度の負担率と一応同じような率で予算を計上しよう。それで重要港湾指定になり、港湾管理者ができた場合には、法によつて重要港湾においては五割、それから指定港湾においては四割の補助しか国ができないということに相成るのでございますが、来年度の予算は今申しましたように、当初から一応三十三億という予想の下にやつておりますので、仮に北海道におきまする港湾特例法制定されましても、予算的には何ら変りはないようなわけでございます。
  30. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 続いて、予算的には何ら変りはないとすると、この法律を通しても金がなければ……、これはもう金の要る仕事ですから、金がなければただ有名無実法律になる。これは気休めになるという点が一点と、もう一つは或る程度北海道港湾設備に要する予算が見込まれておつても、それがために今までより負担率を……国が全部負担するということになりますと、それだけ工事の量というものが削減されるのだということは言い得るわけですな。今年については……。
  31. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) お答えします。それは二十五年度から参考のために申上げますが、二十五年度はたしか二億六千余万円だと思いますが、或いはちよつと違つておるかも知れませんが、三億を切れるところの予算で今年度は北海道港湾仕事をいたしておりまして、それがいずれの港湾におきましても、北海道では各港におきましてその工費の全額を国が負担しておる実情でございます。来年度の予算は三億三千万でございまして、来年度の予算もこの法律通りますれば、今年と同様に全額国負担いたすことになります、で、予算的には今申したようにそういうことを本年度と合して、まだ管理者もできておりませないので、予算措置につきましてはいろいろな方面とそういう折衝をいたしまして、今年と同じような国の負担でやつて行くということで、一応二十六年度の北海道港湾予算は価額の決定を見たような次第でございます。ちよつと訂正いたしますが、三十三億と言つたのは三億三千の誤りでございましたから訂正願います。
  32. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それでは提案者のかたにお尋ねいたしたいと思うのですが、この法律実施によつて北海道言つても広うございますけれども、主としてどこの港を一番先に、又函館であるとか、釧路であるとか、いろいろあるだろうと思うのですけれども、全般的にこれだけの予算でございますか、そういうようなわけはないと思うのですが、今ちよつと必要なこの法律実施伴つて手をつけなければならん、それからそれに伴う経費等について計画がおありになつたら……、それから何カ年くらいでこれをやり遂げる、一応の第一期の目的を達したいというような計画がおありになつたら一つお示し願いたいと思います。それに伴う経費と大体の見合いはできているだろうと思うのですが、この法律を提出されるに伴つてですね。
  33. 玉置信一

    衆議院議員玉置信一君) お答えいたします。お説のごとく最初主として手を染めようとする港湾函館小樽室蘭釧路留萌、稚内、根室、網走といつたような港でありまして、総体的にたしか三十四港くらいだつたと記憶いたしております。
  34. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それで大体これに伴つて国経費はどのくらい要るのか。何カ年計画でそれを……。
  35. 玉置信一

    衆議院議員玉置信一君) 計画は大体五カ年計画を立てておるわけでございますが、これに要する国の費用というものは、約九十億ぐらい見ておるのであります。
  36. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それではこれは政府側にお尋ねするのですけれども、これはまあ見通しですけれども、五カ年計画でこの九十億の支出が可能であるかどうか。この法律に裏付けなしに、何といいますか、単なる空文化してしまつては駄目だというようなわけでお尋ねしますが、その見通しを。
  37. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 北海道港湾は従来とも整備が非常に遅れておりまして、主として海岸線出入りが少いものですから、又外洋に面した港湾が多いものですから、今まで防波堤のほうに経費の主力が向けられておりましたが、これも又未完成のような港湾が多数ございます。それで一応港湾を担当いたしております者といたしましては、五カ年問の整備計画目標といたしましてそれは今玉置代議士のおつしやつたように、九十億前後だと、記憶いたしておりますが、御承知のようにいろいろ財政上の都合がありまして、今年度は三億足らず、来年度は三億三千万円といつたような実情でございますので、私ども北海道の開発のために港湾を五カ年計画整備することを目標といたしまして、努力いたしておるような次第でございます。
  38. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 五カ年で大体まあ九十億という、それで今の三億三千万円というのは、これは北海道だけでそれだけかかるのですか。
  39. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) そうでございます。
  40. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 北海道側で今までの実績からいうと、三億前後より支出できなかつたというわけですな。
  41. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) ところが前年度におきましては、公共事業費の七%から八%、或いは多い場合は一〇%でございましたが、港湾事業費として計上されておつたのでございますが、去年以来諸種の事情によりまして、これが五%前後に半減いたしております。いろいろな事情がございまして甚だ私どもとしても北海道港湾整備するために、相当公共事業費のほうから枠を頂戴いたしたいということにつきまして努力いたしておるような次第でございます。
  42. 岡田信次

    岡田信次君 この法案の第二条に、水域施設又は外かく施設全額国庫負担する。それからけい留施設臨港交通施設は七割五分と二割五分だと、こういうふうになつていて、両方とも全額負担はしないようになりはしないかということと、もう一つは、菊川君の質問の中で、港湾局長のお答えがわからないのですが、大体二十六年度三億三千万円を北海道港湾改修に当てて計上してあると、これは大体今までの五割ですか。何かのあれを考えて計上されておるだろうと思いますが、これが今度全額なり七割五分になると、同じ事業をやるのにどうなるのですか。先ほどの答弁ではどうもわからないのですが。
  43. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 第一点の水城施設或いは外郭施設全額国費にして、繋留施設等を七割五分ということは、繋留施設は収益が上るものですから国の負担なり、補助をする場合に率が多少軽減されておるのであります。それから三億三千万円来年度に計上いたされておりますが、仮にこの法案通りました場合には、額が殖えるのではないかというお尋ねでございますが、この三億三千は今年と同じように、初めから外郭施設等全額国費繋留施設等は七割五分国費という建前で予算を計上しておりますので、この法案通りましても変化はないのでございます。逆に、仮に港湾管理者ができます場合には、港湾法によつて重要港湾においては国が五割を負担し、地方港湾では四割を補助することになつておりますので、この法が通らずに港湾管理者が仮にできたといたしますると、三億三千万円から逆に約半分の一億六千万円、或いは一億七千万円程度が国の歳入のほうに現われて来るわけでございます。
  44. 岡田信次

    岡田信次君 そうすると、この三億三千というのはもうすでにこの法案が通るものとして計上されておるということですね。
  45. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) それはこの予算を編成いたしますときには重要港湾もきまつておりませんし、それから港湾管理者もきまつておらない。それで重要港湾のほうは一月に制定になりましたが、港湾管理者は未だにできておらないために、従来の補助なり、国の負担で行なつておるわけでございます。そのことにつきましては予算折衝の過程におきまして安本大蔵省等といろいろ了解を得ておるような次第でございます。
  46. 岡田信次

    岡田信次君 先の初めの質問に戻るのですが、臨港交通施設というのは臨港道路臨港鉄道を含んでおると思うのですが、臨港鉄道については何というか、国鉄乃至運輸省と協議済みですか、負担問題で……。
  47. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 臨港鉄道は、大体その港で通念的にきまつております。臨海区域における道路鉄道は五割以内を国が負担し、補助するようなことになつております。このことにつきましては話合いはできております。鉄道了解はついております。
  48. 山縣勝見

    山縣勝見君 先ほどの菊川委員の御質問に関連いたしますが、この法案通つた場合において予想をされる五カ年計画は九十億ということでありますが、大体来年度予算としては九十億のうちどのくらい見積つておるか。昭和二十六年度五カ年計画の中の来年は初年度といいますが、そのときどのくらいのことを見積つておりますか。
  49. 玉置信一

    衆議院議員玉置信一君) 三億三千五百万円を予定しております。
  50. 山縣勝見

    山縣勝見君 二十七年度はどのくらいですか。
  51. 玉置信一

    衆議院議員玉置信一君) 二十七年度は累進して行きますので約十八億円であります。
  52. 山縣勝見

    山縣勝見君 最近の、これは北海道計画だけじやなくして、最近の全国の港湾改修その他に対する予算が非常にいろいろな関係上削減されて少額のように思うのですが、そういうものと関連して、この法案通つた以上は五カ年計画が達成されなければいかんのであるから、政府はどういうふうにその見通しをつけておるか。現状を以てすれば港湾関係予算は非常に少い、予算上少いように思うのですが、そういう点から見ると九十億の達成ということは相当危惧の念を懐かざるを得ないのでありますが、その点についてはどういうふうに見通しをつけておられるか。そうでないと若しも予算的措置現状のようなことであるならば、折角の法案がその効果を生じないということになりますが、そういうような見通しをどういうふうに……。
  53. 玉置信一

    衆議院議員玉置信一君) 現地実情からいたしまして、事業量の内容を検討して見まして、大体予定通り遂行できると思いますが、なお詳細に亘りましては政府委員からお答え申上げます。
  54. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 北海道港湾が五カ年計画で約九十億程度要るのでございますが、これは想像されます港湾全部に対しまして私どもが必要といたしました事業費がそれくらいかかるのでござい事が、いろいろの財政上の都合等によりましてこれを目標といたしておりますが、その段階におきましてこの金額が得られません場合には、早急を要するものから順次まとめて行きたい、そういうふうに考えております。
  55. 山縣勝見

    山縣勝見君 港湾施設改良等は相当の計画性を持つてやらなくちやいかんと思うのでありますが、予算の、財政上のいろいろな関係上、当該年度予算が削減されたりするために、ほかのものと違つてこの港湾施設改修等は途中でやめては何にもならぬことでありますが、従来、この北海道でなくして国内の港湾改修に関して、財政上の関係から計画が中途半端になつているケースが非常に多い。そういう点から、折角この本法案を出す以上、そういうふうな予算的な措置が十分に与えられなければいかんと思いますし、途中でその計画が挫折するとか、或いは中途半端になりますと、これは国費の濫費でありますから、それに対しては相当お考えになり、或いは政府として相当の確信を持つておられるかどうか、重ねてお伺いしたい。
  56. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 今おつしやいました通りでございますが、この五カ年計画におきましては防波堤を延長する部面もありますし、又新設いたす部面もございます。それから突堤の一本ありますところを二本、三本と出すような計画がございます。で現状では不偏でございますので、それを防波堤を延長しましたり、又新設の防波堤作つたり、突堤の一本のところを三本にするという目標を立てておるのでございますが、五カ年の間に九十億ができなかつた場合には、一つの港におきましてその機能を最もよく発掘できるような緊急な部分から着手して行きます。例えば防波堤を急ぐ場合には、防波堤の延長をやり、更に急ぐ場合には防波堤の欠けておる他の同じ港内における防波堤を新設する。それから、その次に二本日のピアーを出す。最後に三本日のピアーを出す。防波堤ができますれば港湾機能は相当上ります。ピアーが三本ないがために機能が相当落ちるかも知れませんが、その一本あつて三本作つた場合に、三本目がなくとも機能は、三本よりは落ちますけれども、致命的に機能が害されるというようなことはないと思います。これは一例でございますが、各港につきまして十分検討いたしまして、緊急のもの、能力を発揮できるようなものから逐次やつて行きたい、そういう方針でおります。若しできますれば九十億を目標にして全部を五カ年間にやつて行きたい、そういう考えでおります。
  57. 山縣勝見

    山縣勝見君 この北海道の地理的ないろいろな事情から、今後外国船舶が相当北海道関係港湾出入すると思うのでありますが、この五カ年計画本法に盛られておりまするあの外航物資北海道出入する。それと関連して相当この港湾施設計画考えられておりますか、どうか。
  58. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 経済自立に伴う外航貨物出入ということにつきましては、北海道におきましても数港を考えております。今ちよつと記憶にございませんが大体函館小樽室蘭釧路かと記憶いたしておりますが、正確なことはわかりません。
  59. 山縣勝見

    山縣勝見君 私のお尋ねしたいのは港の数もありまするが、外航船舶でありますから、特に外国船舶でありますから、深さとかいろいろな設備ですね。それが外国船舶に適応するように計画されておるかどうか。
  60. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 函館小樽室蘭釧路におきましては、いずれも一万トン級の外航船が防波堤の中に入り、沖荷役もでき、又は一部は接岸ができるような設備予想しております。現に小樽港におきましては、第二埠頭をその目的のために工事中でございますし、釧路におきましては、一万トン級ツー・バースが完成いたしております。函館におきましても目下一万トン級ツー・バースのうちワン・バースを早く築造することを考え予算がついております。室蘭におきましても一万トン級の接岸可能な岸壁が今年度完成いたす予定でございます。
  61. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 法案を提出した主なる理由というものが、港湾法制定されたために従来北海道の主要港において全額国庫負担、或いは七五%国庫負担であつたものが五〇%乃至四〇%の国庫負担に減額されるというところに、この提案が出て来たものであると私は思うのでありますが、港湾法制定した政府の趣旨からいうと、この港湾と、つまり経費負担の上において国庫の立場からいうと、非常に迷うわけなんですけれども港湾法をついこの間制定した政府としては、その当時こういうようなことを予想して北海道に対しては特に何らかの施策をするのだというようなことが、その当時なかつたのはどういうわけであるか、又港湾法制定したその政府はこの法案に対して賛成をするのか、反対をするのか、政府の御意見を伺いたい。
  62. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) ちよつと速記をとめて頑きたい。
  63. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  64. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を始めて。
  65. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 政府といたしましては、北海道開発の立場か或いは北海道が非常と港湾を中心とした開発が遅れております立場から、本案が出されることは大賛成であります。
  66. 岡田信次

    岡田信次君 私はこの法案が通ると、却つて北海声の港湾整備が遅れるような気がするのです。と申しますのは、北海道港湾工事をやろうとすれば、国が全額負担しなければならん、ところが本州においては半額なり四割でいいのです。そうすると同じ一億円使うのに本州で二つできるものが北海道では一つしかできんということになりませんかね。
  67. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) お答えいたします。北海道全額国費でありますと、国は負担して工事を進めることができますが、仮に地元が、産業が興り大いに発展いたしまして、みずから事業費を投じてやりたいという場合には何億円投じても結構なんでございますので、そういうふうに北海道が早く開発されれば港湾もこの民間の企業によつて相当発展すると考えます。
  68. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 質疑はまだ…
  69. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 北海道には樺太から引揚げて来た引揚者は相当多数おるわけでありまして、この人たちの生活は非常にみじめな生活をしておりますので、従いましてどうしても失業救済という面も私は考えなければならんと思うのです。その意味におきまして、この計画実施されたら延べどのくらいな人員が、この工事に吸収されるかという御計画は大体できておりますか、お知らせ願いたいと思いますが、特に私は失業救済面からも公共事業費を割くということを言つておられるので、公共事業費というのはどうしたつて今は失業救済と切り離すことができないものと思いおすが、その点一つ最後にお尋ねしたいと思います。計画ができておりますか、できておらなければよろしいのですが、どのくらい……。
  70. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 実は失業救済事業でないので、失業者を何人使えるか……。
  71. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 失業者という意味じやない、延べ人夫がどのくらい使われるかと言えば、救済できるのですから……。
  72. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 大体現在の港湾工事におきましては工事費総額の三割程度が人件費になる。
  73. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは質疑はこれで終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは御異議ないものと認めます。討論に入ります。
  75. 松浦定義

    松浦定義君 私はこの法案に対しまして賛成をいたしたいと思うのであります。御承知の通り北海道に対しましては国が特別な取扱いをしておるということは、道路或いは河川についても認められておりますし、更に又漁港法においても特例を設けて地方の負担を軽減しておるのでございます。元来北海道の開発はその中途にあるのでありまして、戦時中の荒廃の影響は道民の負担力の増強に何らプラスするものではないのであります。この際一方において北海道開発を重要施策として、国家が取上げるならば従来より道民の負担を特に新たに加えるごとき結果となることは適当でないと信ずるのであります。又一面港湾法港湾管理者の設定によりまして港湾の開発利用増進を企図いたしておるのでありますが、北海道に対しましては特例を設けないといつまでたつてもできない。港湾法上の管理者の設定がなされないので、本法の目的が達せられないというような結果になるのであります。この際、この特例法は極めて適切と考えますので、本員は賛成をするものであります。
  76. 岡田信次

    岡田信次君 私もこの法案賛成をいたします。北海道の開発が今後の日本に必要欠くべからざるものであるということは申上げるまでもありませんのですが、その根本をなすものは何と申しましても運輸交通施設整備であり充実である。かような観点から港湾に相当の力を入れる、国が全額負担するというようなことは最も時宜を得た措置であると、かように考えまして賛成をいたす次第であります。
  77. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 私も本法案賛成いたしますが、希望条件を付けたいと思います。と申しますのは先ほどの御説明で明らかにされたこの計画では、五カ年計画九十億の国費を必要とするということがはつきりしております。にもかかわりませず昭和二十六年度は三億円余の経費より盛られておらない。次年度以降は十八億というふうに今御説明がございましたが、二十七年度にはその予定の十八億を必ず予算の中に盛り込み得るように、特に提案者は与党のおかたでございますし、時の政府と七分緊密な連絡の下にこれを必ず入れさせるように御霊力を願わなければ、単に法律を通しておいても予算の裏付がなければ、画に描いた餅に等しいと私は思いますので、これが予定計画通り実施されまして北海道開発に寄与でき得るように御尽力を願いたい。提案者のかたは党を挙げて御尽力願い、又政府のほうでも本案の重要性に鑑みまして次年度以降の予算的処置を十分に講ぜられるよう要望いたしまして、本法案賛成いたします。
  78. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それではこれより採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手をお願いいたします。    〔総員挙手
  80. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。委員長報告その他につきましては委員長に御一任願いまして御署名をお願いいた  します。    多数意見者署名      岡田 信次  小泉 秀吉      高田  寛  山縣 勝見      内村 清次  菊川 孝夫      村上 義一  松浦 定義      鈴木 清一   ―――――――――――――
  81. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次に、港域法の一部を改正する法律案議題に供します。
  82. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 港域法につきましては説明も聞きましたし、大体私らも検討いたしました結果、これはもう討論終結で、討論を省略の上、採決というふうにして頂きたい、かように動議を提出いたします。
  83. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 只今の動議に対して……。
  84. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 動議には賛成ですがその前にちよつと一つだけ聞きたいと思いますが、如何ですか。
  85. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 結構です。
  86. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 四十八頁のところに姫路という表題がありますが、旧法によると、飾磨と網干を合併したものが姫路になつたのだろうと思うのですが、重要港湾の発表には、飾磨という発表があつて姫路という発表がないのではないかと思いますが、その食い違いをどういうふうに噛み合せるか、ちよつと伺いたいのですが。
  87. 松野清秀

    政府委員(松野清秀君) お答えいたします。この問題は重要港湾の決定とは特別の関係はないと考えております。なおこれを一港にまとめましたのは地元のほうから特にそういう要望がありまして、まとめるのが又当然であろうと考えまして一港にいたしました。
  88. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 私はまとめる理由を聞いたのじやなくして、まとめたのは結構だが、これには姫路と響いてあつて、理由が違うかも知れませんが、重要港湾の発表には飾磨というのがあつて、当然飾磨が重要港湾であるのなら姫路が重要港湾であるべきだと思う。それをどういうふうにして主張するのか、これを伺いたい。
  89. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 重要港湾は、飾磨は……。
  90. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 飾磨は入つておりませんか。
  91. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) これは港湾管理者がその港湾区域をきめますときには、港域法に定めた港域の中においてその港の港湾をきめることと相成るのでございまして、たとえて申しますと、港域法には京浜港となつておりますが、京浜港の中に今度想像されますのに、横浜港とか或いは東京港或いは川崎港といつたような港が出て来るのと同じようなものだと考えております。
  92. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 どうでもいいようなことですが、ちよつと伺うのですけれども、飾磨と発表したから、そういうふうな表現をなさるのじやないかと思う。姫路と直すわけには行かないのですか。或いは適当な方法で……。飾磨というものはなくなつてしまつたのに、飾磨が重要港湾というのは変だと思う。
  93. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) これは港湾管理者をきめます場合に非常にいろいろの問題がありまして、今までは、或いはこれからも恐らく地先水面の名前をとつた港が相当出て来るのじやないかというふうに考えております。も一例を申上げますと、現在富山港と伏木港があるのでございますが、港域法によりましてはこれは伏木富山港となつて大きく港域がきめられておるのでございまして、その伏木冨山港の中に伏木港、富山港といつたような港湾管理者ができることが予想されるのでございます。
  94. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 併し……もう一点局長に伺いますが、飾磨港を重要港湾にしたが、現在の過程においては姫路港は重要港湾とは認めるわけに行かないのだということにもなるようだが、そうなりますか。そうして飾磨港は港域法にはないのだ。ちよつと常識的に見ると変なことになるようですが、その点もう一遍……。
  95. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 姫路港はたしかその港域内に三つ程度の港が含まれておると思うのでございますが、それを全体が姫路市の地先になつております関係で、姫路港という港域法の名称をとられたかと存じますが、将来飾磨港に港湾管理者ができます場合に如何なる名称をとりますかは、それは港湾管理者ができる建前上、地元が決定いたすこととなつております。
  96. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうすると、従つて政府指定した重要港湾の飾磨というものは、何らか只今の御説明のようなふうなことがあるまでは飾磨は重要港湾だということになるのですか。その点は……。
  97. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) その通りでございます。
  98. 岡田信次

    岡田信次君 今度非常に港が殖えておるのですが、何か基準があるのですか。
  99. 松野清秀

    政府委員(松野清秀君) 新たに港域を決定する港としましては、一応最近の年間における平均入出船舶のトン数が約二十万総トン、これを一応の基準といたしまして更に各港湾施設の能力、或いは避難港としての自然条件、或いは海上における交通路等の観点から見まして重要と認められ、及び現に港湾計画が具体化されておりまして、将来逐次発展するであろうと予想されるものは、特に重要港として改めまして港域を新たに決定することにいたしております。なお、これにつきましては地方の公共団体からも申請があります。
  100. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 他に御質疑がございませんか。……それでは質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは直ちにさつきの菊川君の動議提出通り、討論を省略いたしまして、採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは、御異議ないものと認めまして本案の採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手をお願いいたします。    〔総員挙手委員長植竹春彦君) 全会一致でございます。それでは本案全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。例によりまして委員長報告その他については委員長に御一任願いまして多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     岡田 信次  小泉 秀吉     高田  寛  山縣 勝見     内村 清次  菊川 孝夫     村上 義一  松浦 定義     鈴木 清一   ―――――――――――――
  103. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次に、海難審判法の一部を改正する法律案議題といたします。御質疑のあるかたは順次御質疑をお願いいたします。
  104. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 本案の第十三条の二に、廷吏を置くということになつておりますが、これは従来はなくてもやつてつたのか、これに代るようなものを作ることになるのか……。
  105. 長屋千棟

    政府委員(長屋千棟君) お答えいたします。従来はこれに相当する廷吏を置いておりませんので、小使を以てこれに当てておるようなわけで、従つて審判官のいろいろな命令に対して十分にそれを了解することもできませんし、いろいろの不都合がありますし、又審判の開廷時間は相当長時間に亘りますので、そのためにほかの庁員をこれに当てておりますというと、そのほうの仕事が差支えるような状態でございますので、是非これは裁判所の廷吏のような工合に制定いたしたいと思つております。
  106. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 それは結構だと思いますが、予算措置や何かできておるのでありましようか。経費は若しできておれば幾らぐらいありましようか。
  107. 長屋千棟

    政府委員(長屋千棟君) お答えいたします。大体これに要しまする経費は、人件費といたしまして三十万七千八百円、物件費といたしまして四万二千円、合計三十四万九千八百円一カ年に製する次第でございますが、これはまだ大蔵省折衝いたしておりませんけれども、新たに折衝いたしまして、僅かのお金でございますから頂くようにしたいと思つております。
  108. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 第四十条の二でありますが、ここのおしまいのほうに「命令で定める方法により宣誓をさせなければならない。但し、命令で定める者には、宣誓をさせないことができる。この「命令で定める者」というのはどういうものを言うのですか。
  109. 長屋千棟

    政府委員(長屋千棟君) お答えいたします。それにつきましては省令の改正をいたさなければなりませんので、大体今のところその省令の極く草案でございますが、私のほうで考えておりますのを申上げます。第四十三条の三「証人で受審人の配遇者又は四親等内の親属、若しくは証人とこれらの関係にあつた者に対しては宣誓をさせないでこれを訊問することができる。」第二項は「宣誓の趣旨を理解することができないものには宣誓をさせないで、これを訊問しなければならない。」それから宣誓の内容でございますが、第四十三条の四といたしまして、「宣誓は宣誓書を朗読させてこれを行い、且つこれに署名押印をさせなければならない。」「宣誓書には、良心に従つて真実を述べ、何ごともかくさず、又、何ごとも附加えないことを誓うう旨を記載しなければならない。」第四十三条の五「宣誓をさせた証人には訊問前に偽証の罪を告げなければならない。」大体これだけの規定を省令によつて定めたいと思つております。
  110. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 他に御質疑はありませんか。……それでは別に御発言もございませんようですから、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 御異議ないものと認めます。それでは討論に入ります。
  112. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 私は本案賛成をいたすものであります。大体本改正の眼目は、証拠法の改正にあると思いますが、海難審判の本質は、法律上の争点を裁判するのではなく、海難の原因を明らかにするために技術的の問題を審議するのであります。又一方海員の懲戒につきましても、故意とか過失とかいうものが対象ではなく、事件が対象であると存ずるので、従つて審判の本質は行政処分であると存じまするから、新刑事訴訟法のような複雑な規定を準用することは審判を不必要に長延かせ、又迅速を期するゆえんでない。且つ現在の審判庁のような組織の小さい陣容では、さような複雑な証拠法によることが困難を増すのであると思いまするので、私は本改正によつて海難の原因探究の目的達成のためには、審判機関の技術的判断力を十二分に発揮し得るように、審判を円滑且つ迅速ならしめ得ることを期待せられたのが、この改正の要旨だと存じまするので、極めて適切でございまするから、これに賛成するのみならず、その他の小さな改正をそれぞれ有意義と存じまするので、本案全部に賛成するものでございます。
  113. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 他に御発言者はありませんか。……それでは別に御意見もないようでありまするから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 御異議ないものと認めまして、これより本案の採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手をお願いいたします。    〔総員挙手
  115. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。例によりまして委員長報告その他については委員長に御一任をお願いいたしまして、多数意見者の御署名をお願いいたします。   多数意見者署名     岡田 信次  小泉 秀吉     高田  寛  山縣 勝見     内村 清次  菊川 孝夫     村上 義一  松浦 定義     鈴木 清一   ―――――――――――――
  116. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次に、港則法の一部を改正する法律案議題といたします。質疑に入ります。質疑のおありのかたは順次御発言を願います。
  117. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 この法案については、第三十条の二の「特定港内にある船舶」というのと、それから第三十条の三の「特定港内に停泊する船舶」どいうような違つた表現がしてありますが、この両方の著しい差違はどこにあるのですか。
  118. 松野清秀

    政府委員(松野清秀君) お答えいたします。第三十条の二におきまして、「特定港内にある船舶であつて」これこれということにいたしましなのは、一応ここでは港の中にあるすべての船舶を一応大ずかみにしまして、そのうち航行しておるものは含まないのだということを明らかにしたいがために、こういう表現をしたわけであります。要するに航行中の船舶を除くということを一応はつきりしたいがために、こういうような表現になつたのでありますが、三十条の三におきましては、三十条を受けて来まして、「特定港内に停泊する船舶」が対象になることがはつきりしておりますので、こういうような表現をいたしたわけであります。
  119. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 停泊という意味は、桟橋に繋留するのを停泊というように……、そういうことを意味しておるという意味なんでしようか。いわゆる航行中の船舶が……停泊しているというように解釈するのですか……。
  120. 松野清秀

    政府委員(松野清秀君) 「特定港内に停泊する船舶」と申しますのは、港内にある航行しておる船舶以外のものを全部指したものであります。
  121. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 今のお話だと、そうすると第三十条の二と同じことを意味していることになつてしまうのだが、第三十条の二というと、停泊船から、繋留船から、修繕船から、それからして今度は全然航行の自由を失つて、而も当分動かす意思がなくて繋船しているというか、繋留しておるというか、そういうような船をも含めることになると思いますけれども、今のお話だと三十条の三はそういうふうな解釈になつてしまいますが、それではちよつと変じやないか。
  122. 松野清秀

    政府委員(松野清秀君) 修理中のものでも或いは長く繋船する目的のものでも、やはり一応汽笛なり汽角を使用し得る状態にあるような船舶は無論含むわけでありまして、止むを得ない事情で使用し得ないような状態にある船舶に対してまでも、無論拘束をする趣旨のものではないのであります。
  123. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 そうすると、少しはつきりして来たようなんですが、今の御説明だと、特定港内にある船舶であつて、使用し得る汽笛、又は汽角を備えるようなものは、という御説明なんだが、これなら私もわかるのだが、この汽笛又は汽角で船が火災になつたら何でもかんでも警報しろというようなふうにもとれるので、甚だその点条文の書き方が意味はわかるのだけれども、少し気に入らない気がしたのですが、何かもう少し条文を、今の御説明のようなことが端的にわかるような書き方に直す御意思はないでしようか。
  124. 松野清秀

    政府委員(松野清秀君) 御説の通りでありますが、たしか海上衝突予防法におきましても汽笛又は汽角を備えるものはこれによつてこういう信号をせよという条文があると思いますが、無論衝突予防法による航行中の船などは汽笛又は汽角を使えないような状態にあるケースは非常に少いとは思いますが、併しやはり汽笛まで通じておるパイプが故障したというようなことで、使用し得ない場合は起り得るかと思いますが、併し衝突予防法におきましてもやはりこれと同じような表現をしておると思います。
  125. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 罰則がないからどうでもいいようなものだけれども、海上衝突予防法というようなものをここに引用するのは少し牽強附会だと私は思うのだがね。
  126. 松野清秀

    政府委員(松野清秀君) 御尤もで御説の通りですが、特にそういうところまでここに調わなくてもいいのじやないかという考えでやりました。
  127. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 強いて修正しようとは思わんけれども、もう少し素人わかりのいいような表現の仕方がありそうなことだと思うので、この点御当局に十分一つ考えを願いたい。それから「長声五発を吹き鳴らさなければならない。」というのが三十条の二にありますが、これは何かこの間の説明によると外国でもこういう法律が為るから作るのだというような……、長声五発を鳴らすというようなことが、やはり国際的に或いは一つの例になつておると言うか、国際条約みたいなものでこういうようなものがあるとかいうような関係があるかないかを伺いたい。その点御説明願います。
  128. 松野清秀

    政府委員(松野清秀君) 国際的にこういうような長声五発を吹き鳴らすというようなことにはなつていないようでありまして、アメリカ等におきましては、アメリカン・パイロットにはこういうレギユレーシヨンが規定されております。
  129. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 三十七条の二のおしまいのほうに「運輸省令で定めるその他の管区海上保安本部の事務所の長」云云とあるのですが、この港則法を見ると、運輸省の定めるというようなことは一つも出ていないで命令というような表現はほうぼうにあるのですけれども、これは特に「運輸省令で定める」というように書かないと……、命令と運輸省令との差はどういうところにあるのでしようか。
  130. 松野清秀

    政府委員(松野清秀君) 命令と言いますと、省令も政令も含むわけでありまして、港則法の他の箇所では「命令の定める」というような、皆表現になつておりましてそういう表現を統一するという観点から言いますと、命令で定める、こういうふうにすることになりますが、地方の管区海上保安本部の事務所は運輸省令で定められております関係で、ここで港長の権限で行う地方の事務所を指定する場合には、当然運輸省令でやることになりますし、又仮に単独の命令を出さないで施行規則で改正して、施行規則中に規定するといたしましても、運輸省令でやることになりまするので、運輸省令であることがもうはつきりしておりまするので、運輸省令と、こうしたほうがいいのじやないか、かように考えまして「運輸省令で定める」、こういたした次第であります。
  131. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 この港則法の四十二条の関係なんですが、三十条の二に違反したときは罰金又は科料ということが書いてあるのですが、これはここでいう三十条の二というのは、三十条とは全然独立の条文ですから、三十条に罰則があつても、三十条の二に関しては罰則は入らないのだと私は思つている。非常に迂遠な質問ですが、さように了解していいのですか。
  132. 松野清秀

    政府委員(松野清秀君) お説の通りであります。
  133. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 御質疑がございませんければ、予備審査でありますから、この程度で本日の質問は一応終了いたします。   ―――――――――――――
  134. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次に、海事代理士法案の予備審査、これを議題といたします。質疑のあるかたはどうぞ順次御発言を願います。
  135. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 この法案に関連して弁議士会から私どものところへ申入れが来ておるので、それについて少しこれに関連するのでお伺いしたいのですが、弁護士会において、第一条の「相談に応ずること」というのは、これは鑑定調査などを包含するものとすれば、弁護士法に抵触するから反対をするというようなことがあるのですが、これに対する御当局の御意見を伺いたい。
  136. 壺井玄剛

    政府委員(壺井玄剛君) それには鑑定は入つておりません。
  137. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 ちよつとお尋ねいたしますが、第二条の第二号ですが、「行政官庁において十年以上海事に関する事務に従事した者であつて、その職務の経歴により海事代理士の業務を行うのに十分な知識を有していると運輸大臣が認めたもの」とあるのですけれども、これは一体十年間海運局に勤めておつたらそれで知識を有しておると認めるのですか。それともこれは又特別な試験でもやるんですか。その点について取扱いをどういうふうにされるつもりですか。
  138. 壺井玄剛

    政府委員(壺井玄剛君) 試験はやりませんでございますが、運輸大臣がその個人々々につきまして、果してその知識、経験……十年やつてつたが、これから始めようとする海事代理士の仕事に適任であるかどうかということを一応審査する、こういう考えであります。試験ではないが、十年ただ勤めておれば全部それを無試験にするということはまだ少し緩過ぎやしないか、丁度それに適した仕事をやつてつたかどうかということをもう少し審査して見る必要がある。こういうまああれですが……。
  139. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 審査といいますけれども、一体どういうふうに、書類審査でやられるのか、或いは又これについての施行規則でも設けられるつもりですか。
  140. 壺井玄剛

    政府委員(壺井玄剛君) 試験になるような審査という意味合いではなしに、おおよそのまあ標準を施行令なり内規等できめておきまして、まあその標準に達した者は自由に、フリー・パスするようにいたす。試験ではないが、さりとてその観点には……。
  141. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 どうもはつきりしない。
  142. 鈴木清一

    ○鈴木清一君 今の菊川君の質問に関連するが、菊川君の聞きたいのはこういうことではないかと思う。例えば希望者が数多くあつた、そうするとこの条文で行くと主務大臣が前歴か何かを見て認定ということになるが、併し希望者が多くて、そうしてその多い中から選抜しなければならないというような状態でもあつたときに、試験制度というものは相当重要な役割を果すことになるが、こういうまあ関連も含んでおる、こういう意味で私はこの点をお伺いしたいと思います。
  143. 壺井玄剛

    政府委員(壺井玄剛君) 運輸大臣の認定を、自由裁量的に或るときは緩め、或るときには強めるということは不適当ではないかと考えております。そのほうは、若し数が多くて因る、だから今年は殖やしたくないのだというときには、試験のほうを実施しないようにして第二号による申請者があつた場合には、一定の基準の省令その他内規によつて、きめられた一定の基準に合致する者はやはり許して行くべきではないかと考えております。
  144. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 どうもこれは未だに官尊民卑の弊が抜け切らんのじやないか。郵船会社、商事会社において海運を扱う、そこで事務を十年やつてつた者なら結構その仕事はできると思う。而も運輸大臣が認定して無試験でパスできるような人なら、試験を受けさせても合格すると思う。それを無試験にしたというのは、どうも第二条は甚だ私らも官庁におつた者でありますけれども、官尊民卑の弊未だに抜け切らずという嫌いがあるのであります。と申しますのは、先ほど言いましたように、例えば郵船会社において十年勤務した者なら運輸大臣が認めてやれる。こういうことなら私はわかると思いますが、官庁だけが、……而も官庁のそういう仕事をやつてつた人は民間の会社その他におつた者よりも優秀であるかというと、私はそうばかりではないと思う。なぜ官庁だけ特別扱いにしたか、あなたは官庁の人間だつたなら優秀と認めて立案されたのかどうか。
  145. 壺井玄剛

    政府委員(壺井玄剛君) 官庁だけ優先に取扱いをしたかのごとき感があるではないかということでございますが、条文の体裁から申しますとややその感なきにしもあらずでありますが、別表に十ばかりの法律を挙げておりますが、この法律による手続を行うための代理士でございまするので、実はこういつた仕事に対する全面的な知識経験、或いは官庁に関する諸手続きの経験といつたものは、やはり官庁におる者のほうが船会社におる者よりも豊富である。そういう意味におきまして官庁に十年もおればおお装いろいろな各方面に当つて経験を積んでおるであろう。勿論こういう手続関係でない仕事に従事する機関もございますが、官庁の主要な仕事はこういう法律関係の、要するに事務手続の仕事が主でございます。勿論会社におりましても官庁に対する手続をする係の人もおりますが、主たる業務は会社の営業を主にした、中心にした仕事でありますので、そういう色彩の面と比べますと、やはり官庁におる者のほうが、こういう仕事に習熟しておる。なお又実際海事代理士の毎日やつております仕事を現実に見、又百四五十人の現実に海事代理士をやつておる人たちの意見を聞きましても、管轄官庁に勤めておつた人たちの経験は相当尊重さるべきであるという意見もございましたので、こういうふうに扱つたわけでございます。然らばなおその上審査をするという、運輸大臣において審査をする、或いは認定をするということであれば、試験をすると同じではないか、こういうお話でございますが、試験は第五条にありますように一般法律常識、海事に関する法令についての専門的知識、その他海事代理士の業務を行うのに必要な実務上の知識というふうに、全面的にやることを建前にいたしておりますので、この運輸大臣の認定を必要とする場合の対象事項とは、よほど差異があると考えられるのでございますから、この二つを併用するのがいいという結論に到達した次第でございます。
  146. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 私の申上げるのは、そういうふうに何だか今の御答弁のように、これはもう十分できるという人ならこの試験を受けても優秀で皆一番でパスしますね。それなのに特別な条項を設けて保護する必要はないのではないかという意味を申上げておるのです。そういう意味で、そんな人なら法律、常識百般何でも知つているからというなら、試験を受けさしたところで一向差支えないのではないか。それをなぜ特別にこういう条項を設けて特別に保護するような規定を設けたかということを私は聞きたいのです。理由は僕は当らんと思うのです。こういう人ならもう信頼は置けるというなら、当然試験を受けたつて、今日公務員でも何でも試験制度になつているのに、私はこの特例を設けるというのは、私は印象と申しますか、先ほども申しましたが未だにそういう尻尾を控えている、官尊民卑の弊風を控えておると思うのです。
  147. 壺井玄剛

    政府委員(壺井玄剛君) 只今御説明不十分というお感じかと思いますが、ほかの立法例から見ましても、例えば弁理士法でも特許局において高等官として三年以上在職しておる者、又税務代理士法では税務関係の官庁で高等官、判任官の職に三年以上在職しておつた者、それから司法書士は裁判所事務官、裁判所書記官、裁判所書記官補、法務府事務官の職を二年以上やつてつた者という例もございます。前例は必ずしも当を得たものであるとは限らないと思いますが、一応の観察からいたしますというと、やはり毎日その仕事を専門にやつてつた者には初めからどうせそれは一番で及第するものでありましても、全然それに関与していなかつた、或いは又関与の程度が幾らか比較いたしまして稀薄であると推定される者と、同一の初歩からスクーリングし直すということは却つて手続を複雑にいたしますし、当を得てないという見地から、こういうふうにいたしましたのでございます。
  148. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 これは意見の相違でございましてそういうふうな前例だとか……私はむしろそういう前例はやめて、これは自由競争を大いにやるべきであつて、十年やつたから特別にこれをとるというようなことは、これはもう大工さんをやつたとかそういうのとは違いまして、官庁なんというのは御承知の通りに皆分課仕事になつておりまして、これを何課、何部……、もう仕事を分担してそこには精通しているかも知れんけれども、そういうのは概して多いと思う。従いまして私はこういう特別な規定を設けて保護しなければならんというのは、これはもう明らかにその裏に、試験を受けてもうつかりするとすべるかも知れんというのを含んでいると言われても仕方がないと思う。法律は余り賛成できませんけれども、今質疑ですから、あなたの御説明は納得ができないけれども、これは討論になりますからやめます。  次に第三条の第四号の懲戒処分を受けた公務員がその処分の日から二年、それから第五号の、「登録のまつ消の処分を受け、その処分の目から五年を経過しない者」、これは何か前例によつてやられたのですか、期間はどういうようなところで認定されたのですか。
  149. 壺井玄剛

    政府委員(壺井玄剛君) これは大体前例によつたのであります。前例は只今お目にかけますが、懲戒免職の処分を受けたものでございますね。
  150. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうでございます。
  151. 壺井玄剛

    政府委員(壺井玄剛君) それから第五号の登録のまつ消処分を受けて五年、まつ消処分を受けるようなケースは二十五条の一項にございますように割合に厳しい場合でございますので……、併しながら一生それを禁止するというのもまあいろいろな振合い上面白くないというところで前例を考えまして、公務員の場合には二年、まつ消処分の場合には五年、こういうふうにいたしました。
  152. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 ただ慣例で二年、五年というものを定められたものであるか、何か根拠があつて……どういう根拠でやられたかそれを……。これは法律ですから余り慣例で、五年ぐらいでよかろう、二年ぐらいでよかろう、我々は一年でも三年でもいいのですから、これは自由に修正できるのですから、我々修正しようと思えば一年ぐらいでいい、三年ぐらいでいい。これは認定のあれはないので、基準その他あつたらお示し願いたい。
  153. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 只今の御質問に対する答弁は、あとに廻して頂きたいと思います。
  154. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 今の問題と関連して……。第二条第二号の運輸大臣が認めたものというけれども、運輸大臣は実際これに関与するのでないが、具体的に言うとこの法律をどういうふうに運用することになるのか、その運輸大臣に代る人がいろいろやるのだろうけれども、何か施行法とかいうふうなもので、そういうことをきめるのですか、どういうふうですか。
  155. 壺井玄剛

    政府委員(壺井玄剛君) これは現場の管轄官庁へ申請書を受付けまして、その申請書を運輸大臣に上申いたしまして、そうして運輸大臣が決裁をやる。その場合に先ほども申上げましたように、おおむね基準を設けております。例えば十年たつたらと書いてありますが、船舶検査の仕事も相当十年なら十年やつておる、或いは地方の海運局の出張所に勤めていることが三年、つまり現場の仕事をよくやつておるというようなことをいろいろ……、実は今までやつたことはございませんので、只今研究中でございますが、そういう具体案を作りまして、その基準に合せて決裁を受けるというふうに考えております。
  156. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 今のお説のようなものは内規で秘密にしているつもりですか、公表して規定を明示する、こういうふうにしますか、その御腹案はどういうふうに……。
  157. 壺井玄剛

    政府委員(壺井玄剛君) できるだけ公表をいたしたいと思つておりますが、まだ確定的なところまで申上げることはできないと思います。
  158. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 第五条についてちよつと……。第五条の2の「試験に関する規定の制定試験問題の作成及び試験の合格者の決定は、相当の地位及び海事代理士の業務について広い経験を有する者」云々、こういうふうになつております。これは、相当の地位を有する考及び海事代理士の業務について広い経験を有する者、というように読むのですか、これは読み方はどういうふうに読んだらいいでしよう。
  159. 壺井玄剛

    政府委員(壺井玄剛君) これは「決定はというところで切れております。これが主語でございまして、その決定をするのには相当の社会的地位のある人であつて、而も海事代理士の業務について広い経験を有する者、この二つの条件を備えた者五名の意見を聴いてきめる、こういう書き方でございます。
  160. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 この海事代理士の業務について広い経験というのは、必ずしも海事代理士そのものでなくても、広い経験があれば妨げないというように取つていいでしようか。
  161. 壺井玄剛

    政府委員(壺井玄剛君) さようでございます。
  162. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ほかに御質問もなければ、質疑は次回に譲りまして、次の審議に移りたいと思います。本日はこの程度でよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  163. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは海事代理士法案の予備審査は、本日はこの程度にしまして次に移ります。
  164. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは議事の都合によりまして、一般運輸事情に関する調査のうち、港湾荷役の増強に関する政府の施策について先ず政府側の御説明を願いたいと思います。
  165. 黒田靜夫

    政府委員黒田靜夫君) 朝鮮動乱が起りまして、国際情勢がいろいろと変化して参りまして、内外の輸送貨物は急激に増加しつつあるような現状でございまして、特に特需関係、或いは重要物資の輸送は年々これが殖えておる実情でございますし、又最近とみに増加しておるような現状でございますので、政府のほうは船腹の増強にいろいろ懸命な努力を払つてつたのでありますが、翻つてこの船舶による輸送を引受ける港湾の能力なり実情はどうかと申しますと、極端な不足に陥つておりまして、これに何らか手を打たなければ非常な由々しい事態が生じつあるような現状でございまして、これを数学的にちよつと申上げますと、現在我が国の重要港湾外航貨物を主として取扱つておりまする東京港、横浜港、神戸港、関門港、博多港、大阪港、名古屋港、清水港、この九つの港におきまして港湾の輸送状況はどうなつておるかということを見て参りますと、この九港におきまして、本船による取扱い貨物量は、昭和二十三年には千七百五十万トンございました。昭和二十四年には二千三百万トンに上つております。本年昭和二十五年には、十二月までの実績と一月以降の推定を加えますと二千九百二十万トンに上つております。本年度はこの実績の推定、或いは生産指数の上昇等からいろいろ各港別に取扱い貨物を積み上げて参りますと、三千六百万トンになる見込でございます。この三千六百万トンに対しまして、現在のこれらの港湾の荷役能力はどれだけかと申しますと、二千六百万トン上かないのでございます。その結果如何なる事態が起きておりますかといいますと、二千六百万トンとしますと、昭和二十四年度では二千三百万トンの扱い貨物ですから、能力のほうが幾らか上廻つてつたのでございますが、今年現在におきましては取扱い量が二千九百万トンで、ここに三百万トン不足しておるような現状で、このために荷役を待つておる船が相当各港に出ております。又標準荷役日数を超過する船が相当出て参つておるような現状であります。この現在二千六百万トンという能力は、これは接岸能力と艀の能力と二つに分けて考えることができるかと思うのですが、接岸能力は、これが約九百二十万トンで、艀による能力、即ち沖荷役をやりまして荷揚げ場に揚げ得る能力、これは艀のトン数がその能力の基準になつて参るのでありますが、これが千七百万トン、合計二千六百万トンになつております。戦前はこれが七千五百万トンございまして、戦前に比べますと約三五%に落ちておるような現状でございます。これを艇の能力と接岸能力に分けて言いますと、艀の能力は約三三%に落ちておるが、接岸能力は同じく三七%に落ちておるわけでございます。トータルを取りますと三五%に落ちております。なぜこのように能力が減つたかと毒申しますと、艀におきましては戦前の艇が戦災によるもの、或いはその後風水害、或いは港湾運送法等統制令がなくなりまして、艀業者が濫立いたしまして、非常な不当競争を惹起いたしまして、再生産をやる資金がない。いろいろ料率の不当な切下げ等が起りまして、艀を新造したり修理する能力がなかつたがために、このように低下して参つたのでございます。一方接岸能力は余り戦災も受けてないから戦前と同じような状態にあるではないかということが考えられるのでございますが、これは横浜、神戸、関門、博多、東京におきましては公共用接岸施設の七割乃至十割を進駐軍のために専用されております。このためにこれらの港におきましては約八割の能力を取られまして三割の能力しかないわけでございます。これに代るべき隣接港の清水、大阪、名古屋、四日市、これらの港におきましてはほぼ戦前の能力はございますが、ただ大阪港は先般のジェーン台風によりまして、石炭揚げ能力が相当被害を受けまして、まだ十分復旧しておらないがために、これらを全部合計しましても我が国の主要港湾における接岸能力というものは三五%しかないわけでございまして、今日の港湾出入する貨物がすでに賄い切れなくて、今申しましたように荷役待船或いは荷役日数の遅延という現象を生じておるのでございましてこれに対しまして何らか手を打たなければいかない。その打つべき手の三、四を申上げたいと思うのでございますが、第一番には艇を急造することでございます。これは非常に速効的な効果がございまして、六万トンの艀を作り、十四万ドンの艀を修理いたしますと、年間約三百万トンの荷役の増強を期待できるような次第でありまして、これに要する資金は十億程度でございます。一方これと並行いたしまして接岸設備も急いで施行いたさねばなりませんので、横浜、東京、神戸、関門、博多等の接収を受けました港におきまして、これらに代るべき接岸施設をそれぞれ考えておりまして、これが工費にいたしまして約二十九億円、この二十九億の金を投じますると、六カ月乃至十二カ月後に…着手してからその期間後におきましてその能力はおよそ百八十万トン増加いたすわけでございます。艀のほうは十億かけまして三百万トンの能力が上る。接岸荷役のほうは二十九億かけて百八十万トンの能力が上りますが、接岸荷役をやりますと、艀の二回取りする必要がなくなりますので、二十九億かけますと年間約百八十万トンに対しまして、細かく申しまして、トン百五十円と申しますと二億五千万円の冗費が節約できるような次第でございます。  なお又これに伴いまして、最近いろいろ原料の輸入、食糧の輸入等が増加しておりますので、倉庫も考えてやらなくちやいかん。倉庫も上屋倉庫新設三万坪。それから改造約十三万坪を考えておりまして、これに要する工費は十五億円ちよつとでございます。なお、これらの荷役の合理化を図りますために、荷役機械を設備したり、或いは私企業による埠頭の設備を十カ所ばかりやりたいと考えておりまして、これらに要する工費は総額にいたしますと六十五億程度になりまして、この工事資金に対しましていろいろ見返資金、或いはその他の適当な時宜を得た財政措置によりまして、これが実現できるよう努力いたしておるような次第でございます。一面におきまして、それでは接収された施設が横浜、神戸等五つの港において八割もあるのだから、それを返してもらつたらどうかということも考えられるのでございますが、私ども時々部分的に接収の解放を懇請しておるのでございますが、現在の国連協力の立場から、これが接収の解放になりますことはなかなか望めない実情にございます。こういつたような実情でございますので、この公共施設整備とか、或いは艇船の新造、改造、倉庫、荷役機械、或いは私費埠頭の設備のために要する資金の面等については、今後各位の絶大なる御支援御鞭撻をお願いする次第でございます、何か御質疑等がございますれば……。
  166. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) もう時間の関係上、これに対する御質疑は次回に廻して……、ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  167. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは速記を開始して下さい。  昭和二十六年度国有鉄道関係予算に対する質疑を願います。
  168. 岡田信次

    岡田信次君 この前に頂いた表の十二表ですが、工事経費の中で、電化設備費の高崎線、上野・高崎間一億六千万円、それから東海道線、浜松・米原間五億二千万円、これで大体わかつたのですが、これの実際の状況と、それから更に発電設備費のうち、信濃川第三期工事七億四千何がし、上越線自家電源九千八百万円、この内容を先ず一つ……。
  169. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 御説明いたします。東海道線の電化設備費は、大体総額が約四十五億八千万円と考えております。そのうち二十六年度は五億一千九百万円でございまして、これは大体浜松・米原間百八十八キロ八分の電化を考えておる次第でございます。高崎線のほうは、総額二十二億九千四百万円と考えておりまして二十六年度には、うち一億六千万円ということでございまするが、これは大体上野・高崎間の百「キロ四分の電化計画でございます。発電設備費のほうは御承知のように、信濃川の第三期の残工事でございまして、これは総額六十三億三千二百万円、二十五年度までに大体四十七億すでに支出いたしておりまして、二十六年度は七億四千五百万円でございます。二十七年度以降に多少残工事が残りまして、八億八千八百万円ということに相成ります。これは大体二十六年八月までに二万五千キロの発電機のうち二台が坐りまして、大体秋頃から発電が開始される予定であります。予備機一基、調整池の関係が、明年度に繰越されることになるわけでございます。本年度の発電設備費のうち、信濃川関係以外のものは、特別や老朽いたしました特高ケーブルの取替が、これが約四億三千四百万円、それからそのほか、只今上越線では買電をいたして、電力を購入いたしておりまするのを、新設されますところの山辺発電所から直接供給するための送電線路、或いは受電設備等の新設事業、これが二十六年度におきまして九千八百万円計上いたしております。それからそのほかに、東京駅溝内におきますケーブル用暗渠の新設費、これが四千万円、そのほかの雑工事が二千百万円という内訳になつておる次第であります。そこで今度は電化設備費の交付予算通り実行されるかどうかという問題についての御質疑かと思うのでありますが、この点につきましては、只今予算全般について御説明申上げなければならんことかと思うのでございまするが、相当予算編成時と主要資材の価格の状態が変つてつております。るので、この予算通り実行いたしますると、なかなか経費がこの通り収まるかどうかという見通しが、非常にまあむずかしい見通しに相成つてつて来ておると思うのでございますが、併しまだ今日予算を審議頂いておるのでありまするし、又できるだけこれらの計画実施するように、いろいろ苦心をいたさなければならんと思うのであります。その見通しにつきましては、只今のところ検討中であるということ上か申上げられないのではないかと思うのでございます。ただ東海道線と高崎線とをどちらを先に完成させるべきかということにつきましては、これは東海道線は米原まで完成いたしますにつきましても、約五十億程度経費を見込まれますし、高崎線のほうは大体二十仇ちよつとぐらいででき上るという点から考えますると、高崎線を先にやつたほうがいいじやないかというような意見も出て参る余地があるかと思うのであります。併し輸送量、運輸量その他から考えますと、又同時に石炭節約或いは輸送能力の向上という点から見ますると、東海道線のほうをできるだけ早く電化するようにという考え方も出て参ると思います。勿論資金にいたしましても、今日御審議をお願いいたしております予算だけで、この資金だけで以てどうしても解決つかないというような事態になりますれば、又新らしい考え方も出て参るかと思うのでありまして、必ずしも資金的にゆとりがなくなつたら工事を切るというような考え方をする必要もないのではないかということも、申上げられるのじやないかと思うのであります。その辺の将来の見通しにつきましては、何らかとにかく措置を講じなければならんことになるだろうという程度見通しで、只今のところは確たる決定的な案にはなつておらない、かようお答え申上げる次第であります。
  170. 岡田信次

    岡田信次君 国鉄当局が新たに天竜川に自家発電を持とうという意図を持つておられるようですが、発電設備の中にはこの費用は入つておりますかどうですか。
  171. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 天竜川の発電計画は、これは東海道線の電化に伴いますと、御承知のように中部配電方面の電源は極めて逼迫しておりますので、やはり自家発電によりまして自営するほうが望ましいという考え方はあるのでございます。併し同時に日発側といたしましても、相当大規模の発電計画、電源開発計画を持つておりまするので、まあこれらの計画と睨合せて借手すべきことではないかと思うのでございます。差当りの東海道線の電化につきましては、御承知のように信濃川の第三期工事が完成いたしますと、関東地域におきます国鉄の自営供給力は過剰となるのでございます。従つてこの過剰分を日発側に使つてもらつて、その代り中部地域からの関東地域に対します送電を振替えて、国鉄の東海道線の電力に使用をいたしたいというような考え方で一応交渉を進めておるのでございます。従いまして来年度の予算には天竜川の開発というものにつきましては、具体的な項目としては入つておりません。
  172. 岡田信次

    岡田信次君 今後の水力発電は、ただ電気を起すというだけでは済まない。どうしても治水の問題、即ち洪水防止であるとか或いは灌漑用水の問題を同時に解決しなければならん、こう私は考える。そうしますとこれから水力発電所を作るとするならば、非常に腰大な金がかかる。でありまするから、国有鉄道がみずから発電所を持つということより、むしろそれだけの金があるならば、電化の区間を延長して、且つ速かにこれをやる。そして電気は買う方法を講ずるというようなことが得策ではないかと思いますが、如何でしようか。
  173. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 岡田さんのような御専門のかたから私ども質問を受けましても、私ども余り正確なお答えもできかねて恐縮でございますが、勿論只今質問の御趣旨は誠に御尤もと思うのでございます。併し一面自営電力の長所というものも相当ございますし、特に信濃川発電所を持つておりますために、関東地域におきます国鉄の電気運転が円滑に行つておるという実情を見ますると、いろいろ経費も嵩むことではございましようが、自営電力を持つほうがいいんだという議論も必ずしも根拠がないことではないと思うのであります。併しこれもやはり需要供給がアンバランスのときに起ることでございまして、勿論一般の電力会社の開発によりまして、電力が非常に豊富に相成りますれば自営するというのは余り意味がなく、むしろさような経費があつたならば、鉄道固有の施設のほうへ投資すべきであるという御意見には全く御同感だと考えております。
  174. 岡田信次

    岡田信次君 この間うちからいろいろ議論が出ておりますが、結局最近の情勢からこの予算計画通りは実行できない。必ず近き将来補正予算が必要になつて来やしないか、こう思われるのですが、その際の財源の一つとして運賃値上げを考慮しておられますか、どうですか。
  175. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 只今岡田委員は、補正予算が必ず必要になるというお話でございますが、私どもはまだこの本予算が御審議になつておる最中に、さようなふうには考えませんので、できるだけこの御審議を願つております予算を運用いたしまして、予算の趣旨を実行するように相努めたいと考えておる次第でございますが、併しながら勿論そういう場合を仮定いたしまして、いろいろ研究はいたしておかなければならん情勢にあることも事実かと思うのであります。併しながら運賃の値上げは、これは経営費におきまして相当の赤字が出た場合に考えられることでございまして、只今のところは一般工事費につきましては、これは考えようによりましては別に運賃を値上げしなくても、他に財源を調達する方法も全然ないわけではないのであります。工事費についてはさような方法をとりましても国鉄の独立採算というような健全財政の建前を崩すということにも相成らんじやないか、併しながら非常に物価騰貴が、インフレ的な傾向を帯びて参りまして、特段にすべての諸物価が高騰いたして、経営費におきましてもどうにもやりくりがならんというような事態に相成りますれば、又当然運賃改正ということに帰着すると思うのであります。
  176. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 有線電話法というのが今審議されておる、国鉄の使つておる信号通信もこれによつて制約されるということを仄聞しておるのですが、まだこちらに法案が廻つておりませんし、出て来ておらないのですが、そうなつた場合に、これはもう石井さん国有鉄道部長として、そういう折衝があり、準備がされているかどうか、これとの予算の関連についてお聞きしたいと思うのであります。
  177. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 有線電気通信法は私詳らかではございませんが、近く国会に提出されて御審議を願う段取りになるのではないかと思うのでございますが、この有線電気通信法に対しまして、鉄道関係として問題となるべき点が二つあつたのでございます。一つ只今お話のございました信号保安、鉄道の信号保安が有線電気通信法の中に入りまして、卒直に申上げますれば電通省の所管になる、こういう問題、今一つ鉄道事業用のいわゆる鉄道電話でございますが、この専用電話が、これが非常に設備がいろいろの制約を受けてやりにくくなる、この二つの点が問題になつたのであります。この点につきましては運輸省といたしましても、又国鉄或いは私鉄連合会等の業者のかたがたもいろいろ陳情もされましたり、運輸省といたしましても反対の意見を述べておりまして、初めはいろいろ交渉も難航いたしたのでございまするが、国会に提出いたします案に、政府としてきまりましたときは、大体におきまして運輸省の言い分が認められて、実質上には何ら現状より悪くなるという点はなく、且つ又業務も二重監督というようなことで、電通大臣が嘴を入れる余地があるというようなこともなくなつておるのでございまして、非常に政府部内におきましても事が円滑に解決いたしたのでございますので、国会に御提案がありました節は何とぞ一つよろしく御審議を願いたいと思つております。
  178. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それについては別に予算上の影響は受けるということはないのでございますか。
  179. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) 日本国有鉄道予算上何ら影響はございません。
  180. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 何にもない。
  181. 石井昭正

    政府委員(石井昭正君) はあ。
  182. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 ああ、そうですが。
  183. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは国有鉄道関係は、この辺で本日のところは打切りたいと思いますが、如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  184. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それじや次へ移りまして、二十六年度の運輸省関係予算に関する質疑をいたします。これは如何ですか、大体この前で済んだようなことになつておりますが……。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  185. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 速記を始めて下さい。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     植竹 春彦君    理事            岡田 信次君            小泉 秀吉君            高田  寛君    委員            山縣 勝見君            内村 清次君            菊川 孝夫君            村上 義一君            松浦 定義君            鈴木 清一君   衆議院議員            伊藤 郷一君            玉置 信一君   政府委員    運輸大臣官房会    計課長     國安 誠一君    運輸省海運調整    部長      壺井 玄剛君    運輸省港湾局長 黒田 靜夫君    運輸省鉄道監督   局国有鉄道部長  石井 昭正君    海上保安庁次長 柳澤 米吉君    海上保安庁警備    救難部長    松野 清秀君    高等海難審判庁    長官      長屋 千棟君   事務局側    常任委員会専門    員       岡本 忠雄君    常任委員会専門    員       古谷 善亮君