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1951-02-09 第10回国会 参議院 運輸委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月九日(金曜日)    午後一時四十七分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○水路業務法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○一般運輸事情に関する調査の件  (昭和二十六年度運輸省関係予算に  関する件)  (昭和二十六年度日本国有鉄道関係  予算に関する件)   ―――――――――――――
  2. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは懇談会を閉じまして、運輸委員会を開会いたします。  水路業務法質疑応答を行いたいと思いますので、御質問のあるかたは順次御発言を願います。
  3. 岡田信次

    岡田信次君 先ほど岡本専門員から説明があつたのですが、水路業務法の一部改正伴なつて、第一條目的の項を直さないで出ているのですが、それには何か事情があるのでしようか。
  4. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 第一條改正についての御質問でございますが、保支庁法におきまして、すでに水路航空図誌につきましては、海上保安庁においてこれを行うことが決定しておりまして、保安庁目標はやはり海の安全を守るということになつておりまするので、海の安全を確保するということの中に、その業務の一に航空図誌というものが入つていると解釈しているわけです。従いまして、今回の水路業務法の第一條の、海上における安全の確保という意味の中に航空図誌業務が入つている、かように考えているわけであります。
  5. 岡田信次

    岡田信次君 この海上保安庁ができたときには、日本にまだ航空が許されないという時代にできているのであります。ところが最近では航空も大体許される。特に航空庁運輸省の中にできている。そうなると、先に制定された海上保安庁の中に空中も含ませるという解釈は無理ではないか。むしろやはり航空関係として一まとめにした航空業務法なり、或いは空路業務法なりを制定するのが本当の筋途ではないかと、かように考えられるのですが、如何ですか。
  6. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 先ほど法的に考えまして、海上保安庁業務であるというふうに申上げましたが、さて実質的に申上げますと、海上保安庁水路部におきましては、大正三年からすでに航空図誌製作を引続きやつてつたのであります。従いまして、これの設備及び人員等は、現在やつております海図製作とほぼ同様な作業であります。これを兼ね備えてやることは、美質上におきましても非常に便宜があるという形で、実質からも海上保安庁でやることが便宜であるというふうに考えられる次第でございます。
  7. 岡田信次

    岡田信次君 そういたしますと、この水路業務法の中に或る程度空路関係を含ませるというふうになりますると、実際問題として、空路の測量とか、或いは空中と言つちやおかしいですが、海上気象関係等のいろいろな條文も含ませるということになると無理じやないのですか。
  8. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) この航空図誌というのは一種の地図でございまして、地上におきまするところの山、或いは島、或いは航空目標になる種々の建物、その他自然の地形等を現わすものでございまして、現在保安庁でやつております海図が、又船から見ました山或いは目標物その他の位置を現わすものでございます。而もこれが仕置の正確さを非常に要求されているものでございまして、業務内容空中というものを対象として地上を見るというのと、船を対象として地上を見る、この見かたが大体同一でございまして、作業内容も殆んど同じような作業内容に相成つておるわけでございます。
  9. 岡田信次

    岡田信次君 そうしますと、将来航空が非常に発展をするというふうになると、現在の水路業務法の第二章の「水路測量及び海象観測実施等」という項がありますが、これに相当する空路測量及び何とかいうのが作られるのじやないかというふうに思いますが、そういうものはどういうことになりますか。
  10. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 第二章におきまして、「水路測量及び海象観測実施等」、この水路測量を行いまして、これを海図に書き現わします場合に、水路図誌というものは、これに伴いまして、陸上の目標物件も同時にこの測定に当つているわけでございます。従いまして、水路を正確に行う場合に、これに付帯しまして、航空から見ました目標物というものも、一面航空目標物は海から見ました目標物ということにも相成りますので、共同目標物と相成ると、かように考えられますので、これが改正を行わないでも行けるのではないか、かように考えておるのであります。
  11. 岡田信次

    岡田信次君 ちよつと見当が違うのだが、僕の伺いたいのは、将来航空が発展すると、海の上の空中ばかりではなく、地球全体の空中考えて、「水路測量及び」云々のこの第二章に相当するような空路測量とか、何とかいうようなものを別に法律に作る必要があるのではないか。そうすれば、無理に今回水路業務法改正して航空図誌とかいうようなものを入れなくても、別に作つたらよいのではないかというのですがね。
  12. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) この図誌につきましては、各国おのおの分担がきまつておりまして、各地におきまして、大体水路部関係で行いまして、世界をいろいろの区画に分けまして、日本分担区画は多分日本の本土の区画を受持つことに相成ると、かように考えられます。従前におきましても、航空相当の発達がございましたが、水路部においてこれが調製をやつてつたわけでございます。なお現存各国におきましても、大体水路部関係においてこの業務を行なつて来ておるのでございまして、将来航空航路その他に関しましての問題は、今回できます航空庁におきまして、航空路誌というものを発行いたしまして、この路誌におきまして、航空のいろいろの資料はこの方面において行うことに相成ると思います。
  13. 岡田信次

    岡田信次君 もう一つ最後に伺いますが、そうすると、将来ともこの水路業務法相当するような航空路業務法というか、空路業務法というものを作る必要はないという今の御見解ですか。
  14. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 将来に対しましても、現在の水路業務法を以て行うならば、この種のものに関する限り、この航空図誌に関する限り、業務法を設置する必要はないように考えます。
  15. 岡田信次

    岡田信次君 一先ず打切ります。
  16. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは水路部長にお尋ねいたしますが、外国においても同じ立法例のように次長からのお話でありましたが、それにつきまして、いま少し詳細な御説明を願いたいと思います。
  17. 須田睆吹

    政府委員須田睆吹君) 米国の様子をお話しいたします。アメリカでは現在航空図というものは四カ所からできております。それはアメリカの空軍、もう一つアメリカ水路部、それからアメリカ沿岸測地局及びアメリカ陸地測量部と四カ所でございます。全世界航空図を出版しております。一般に売出すものは、アメリカ沿岸測地局から出したものを一般に売出しております。同様なことが、英国、フランスあたりも全部航空図誌というものは水路部で出しております。なお水路部で出すという非常に便利な点は、水路部というやつは、国際水路局というのがございまして、大体各国が殆んどそれに入つております。そうすると、各種の資料の交換ができますので、非常に便利なんでございます。而も五年ごとに一回ずつ水路に関する会がありまして、その際にやはり航空路航空図誌というもの対するいろいろな協議が出て参ります。そういう点から申しましても、水路部水路図誌を出すということは非常に都合がいい、非常に国際的にも便利だと、こういうことになつております。
  18. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) ほかに御質問ございませんですか。
  19. 小酒井義男

    小酒井義男君 私こういう問題に対して知識がないのでお尋ねするわけですが、海上保安庁以外の者が行う水路測量というのは、どういう場合があり得るのですか、これは……〇
  20. 須田睆吹

    政府委員須田睆吹君) この海上保安庁以外の者が行うというのは、例えば港湾局の所属の港湾建設部、それから個人的な会社、例えば大きな製鉄所、八幡の製鉄所とかといつた種類や、海岸に大きな工場を持つております工場経営主或いは地方漁港の改修問題に関しまして、その当局者から委託されて水路測量をやつておる、港湾測量をやつておる、こういつた部類がございます。
  21. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次にお伺いいたしまするが、本法改正につきましての処罰関係について今少し説明を加えて頂きたいと思います。法律作つても、若しそれを実施しない場合に、違反者があつた場合に処罰する規定なつているようでありまするが、どういう人たちが主として違反を犯し易いのであるか、そうして又その人たちをどういうふうに処罰して実際に適用して行かれる考えであるか、その点の御説明を願いたいと思います。
  22. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 第六條に海上保安庁以外の者が行う水路測量というふうになつておりますが、海上保安庁以外の者というふうに申しますと、国が行う場合もございます。その他府県、公共団体等で行う場合もあります。そのほか個人といたしまして、個人がみずからの会社その他の経営のために測量をやる場合がございます。こういう対象がございますが、このうち現在の状況では測量をいたします基準その他がまちまちとなつて来ておりまして、これがみずからの測量をいたしますと、その図面をどうしても配付し、一般の航行の人に知らせる機会が多いのでございます。こうなりますと、船舶はその図面を信用いたしまして出入をいたし、これによりましてしばしば海難を起す場合がございます。従いまして、このできます図面を正確に励行いたさねぱなりませんし、基準等はつきりいたして置かねばならんと、かように考える次第でございます。この意味におきまして、何らかの制裁を加えませんと、これの実施が非常にむずかしいというふうになつて来ておる状態でございます。これによりまして、処罰目的とせずに励行目的とするための処罰規定と、かように考えておる次第でございます。
  23. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 重ねてお伺いいたしますが、国その他の公共団体励行しないような場合も想定されますが、そのような場合に、果して実際に厳格な処罰規定が適用され、実施されて行くでありましようか、つまり本法案目的とする相当嚴罰主義が徹底して夫施し得るでありましようか、その辺のお考を承わりたいと思います。
  24. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 国又は公共団体におきましての測量違反につきましては、これらの機関は大体許可を受けもいたしますし、又実際においての連絡も可能でありまして、若し違反いたします場合には……といたしましても、その例は割合に少いのではないかと、かように考えるのでありますが、主としてこれの目的は、会社その他主要な私的の施設その他に対する測量に対する違反目的とされておるものでございます。
  25. 岡本忠雄

    専門員岡本忠雄君) ちよつと伺いますが、建設部、これは内部の問題ですけれども、大阪港とか、新潟港とか、酒田とか、特に大阪港のごときは、この新法に従うことは非常にむずかしいんじやないかと想定されるんですが、これは励行されますか、非常にむずかしくはないかと思いますが……。
  26. 須田睆吹

    政府委員須田睆吹君) 大阪港の場合ですと、例の標準の基準点のPOというやつです。或る特殊のラインをきめて、それでやつておるわけです。それとつまり最低潮面さえ明瞭になれば、これはそう大した問題は起らぬと思います。それを求めることはそう困難ではございません。
  27. 岡本忠雄

    専門員岡本忠雄君) そういうことなら、処罰しなくつても、協定或は打合せ等励行されませんですか。
  28. 須田睆吹

    政府委員須田睆吹君) そういうふうに明瞭になつておる場合は、もうこれは問題にならんと思います。殊に大阪のような大きい自治体で、而も相当1の技術者がありますから、これは問題にならんと思います。併しながら田舎のほうで、例えば漁港や何かを請負つてやるというような土木業者があります。そういう人たちになりますというと、かなり基準なんというものは全然頭に入れずに、或いは基準をどういうふうにして求めていいかわからんというような状態にあるところがあるのであります。そうして地方に私どもが出かけまして、ここに等深線が入つておるが、この深さは何を基準にして測つたんですかと開いて見ると、いやどこを元にして測つたのかわからんという場合が多いのです。これは広い目で見ますというと、実際そういう不完全な港湾なり、漁港なりの図を作つて置いて、そのために何が故障が起つたということになると、何か非常に国家的な損になるんじやないかと思うのです。そこでそういう実際測量に関する智能のないかたがやつておるようなものに対しましては、どうしても或る程度これに従えと、そうしてこちらのそれに従つてやるについては、いろいろ親切に教え込んで、そうして違反のないようにして行くことが、これは国全体としてなり、或いは一般人たちに対する非常に考えてやらなければならん重要な点じやないかと思うのです。
  29. 岡本忠雄

    専門員岡本忠雄君) そこでそういうことになると、更に今度はなかなか全国的的には相当の数に上ると思いますが、その水路測量をやるところは、小さい市町村等まで徹底がなかなか困難だと想像されますが、そういうものが一々処罰されるようになると、これは又大変なことになりませんか。
  30. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 只今説明申上げました通り地方公共団体或いは大きな所におきましては、問題が殆んどないと思いますが、小さいものになりますると、これが水路測量を間違つていたしますことによりまして、施設その他が折角でき上りましても、これに対してこれが利用価値が半減乃至非常に少くなるというような国家的損失相当起る。従いまして、これが罰則を設けてこれの励行を徹底いたしまするならば、この水路基準その他水路測量に対する感覚が非常に助長され、延いては修築工事その他を行いまする費用の無駄使いのないように相成るのではないかと、かように考える次第であります。
  31. 鈴木清一

    鈴木清一君 今のお話ですがね。基準を設けまして、そうしてこれを実施させるということになりますと、今の話が逆になるのではないかという虞れがあると思うのですが、それは例えば水路測定を誤まつたりして、基準に当てはまらないというような小さな漁区の場合は、むしろ逆に施設のほうを先に考慮して、それに基いて水路や何かを私的に作るようになるのではないかという虞れがある。そうなりますと、基準に当てはまらないような漁区はできないというようなことに、欲しいけれどもできないというようなことの欠陥が生れて来る虞れがあるのであります。そういたしますと、どうしても罰則を設けて、基準に当てはまる測量の下に漁区を作らなければならんということになりますると、これを強制する形が現われて来る。強制する形が現われて来れば、それの責任を持たなければならないということになる。そうすれば、どうしてもそこで予算上できない場合には、或る程度これに対して予算相当に見てやらなければならないというようなことも生れて来るのではないかと思いますけれども、そうした点は別に考慮しないのですか。
  32. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 基準を設けますと申上げましたが、これは海の深さを測る基準の面を申上げたのであります。従いまして最低干潮面をとるというふうに相成るわけでありますが、この最低干潮面なるものはややもすれば間違いまして、これが最低干潮面であるというふうに考えて、これがまちまちに相成つおるわけであります。従いまして施設を行います場合に、任意の深さで施設を行われて結構なんでありますが、場合によると、それはこの港の潮はもう少し低いのだということもお考えの上やられていると思うのです。従いまして、でき上つたものは結構でございますが、この深さを数字で表わします場合に如何なる基準をとつたかということに相成りますと、海図によりまして、図面が一々違うようでは、ほかの船が入ります場合に、この港はこういう水深と一々注釈付きで行かなければならん。こういうことになりますので、これを統一してやつて行くというような方向に行くのではないかと、かように考えます。
  33. 岡田信次

    岡田信次君 第九條に水路測量基準がありますね、この基準に従わなければ許可はやらない、許可を得た者が測量する場合には、この基準に従わなければならない。但しもつと簡單にやるやつは許可が要らぬという意味ですか。この水路測量というのは……。
  34. 須田睆吹

    政府委員須田睆吹君) 只今の御質問にお答えいたします。非常に狭い範囲の簡単な測量でございますが、それは丁度突堤のすぐ側という場合に、船舶航路に当るというと問題になるので、そうでない限りにおいては、別に運輸省令で以てこういう小さなものは入れないと指摘してございます。
  35. 岡田信次

    岡田信次君 航路なんかは別としましても、岸壁その他を造る場合に極く簡単にやりたいのだ、ここに書いてある基準に従わないで、極く簡單にやりたいという場合には、この六條は適用されないのですか、勝手にできるのですか、どうなんですか。
  36. 須田睆吹

    政府委員須田睆吹君) 只今質問は、それは直接航路関係のない問題といたしますと、單に港湾修築とか、何かのために、そのすぐそばでやるという場合にはその中には入れておりません。
  37. 内村清次

    内村清次君 この海上保安庁法の第二條の所管ですが、今回提案されました理由として「航空運送事業の再開に伴い、航空図誌に関する規制」、これは終戦後にこういうような形態が出て来たからして、この所管事項に載つておるから、一応海上保安げのほうでこれを所管して行こうというような考えかたで出されておると、こう思いますが、その通りでありますか、こう思うのですが。それから先ほど岡田委員からのお話もありましたが、航空関係の一切の規定をするような法律として将来できるとすれば、当然その所管というものは変更されるべき運命にありますということは、先ほども意見があつたようでありますが、その前の一点をお願いするのと、それから十九條の一項の二のいわゆる「都道府県知事は、漁業法に基く」云々というこの項目ですね。こういうようなことを定置漁業組合とか或いは協同組合というものが、若し免許があつた場合においては、都道府県知事海上保安庁長官に通報するということに項目が加えてありますが、これは先ほどからの質疑内容からいたしまして、一体これがどういうような現在まで支障を来しておるかどうか。こういうような終戦後におきまして免許はもらつて、而もその届出がはつきりしない関係で、図誌の作成にもこれは大体の基準があるけれども、その基準を外して勝手な図誌作つておるというような事実が一体どれくらいあなたのほうであると認められておるかどうか、それから又そのために非常な困難を来して、これでは海上の運航が非常に不安だというような事態を認められておるのか、件数がどのくらいあるかというような点をお示し願いたい。
  38. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 第一の御質問でございますが、海上保安庁航空図誌を行うということにつきましては、先ほど説明申上げました通りに、従来もやつておりましたし、海図と同様の製作工程で行けますし、測量も大体海図と同じ恰好でできます。ので、将来とも海上保安庁において行うのが一番便宜であると、かように考えられるのでございまして、この業務航空庁ができまして、航空業務法等ができましても、業務といたしましては、業務の性質上目的航空に使いますのですが、製作状況から申します。と、水路部で作るのが一番便宜ではないかと、かように考えられますので、将来も海上保安庁において行うことに相成るほうがいいのではないかと、かように考えております。  第二の御質問について、第十九條の都道府県知事定置漁業或いは共同漁業権免許したときは保安庁長官に通報しなければならん。この件でございますが、この件に関しましては、例えば昨来秋におきまして、能登半島におきまして定置漁網に汽船がかかりまして、漁網を破壊いたしまして、約七千万の損害を漁民に與えた。これは果してどちらの責任であるかというようなことがあつて、大問題が起りましたのでありますけれども、一回漁網にかかりますと、漁網相当損害を與えるわけであります。この点につきましては、各漁業組合から、これは是非船のほうに通告をしてくれなければ困るという要求がございます。と同時に、船のほうからは漁網位置がわからなくて、これにかかりますと思わざる損害が起る。これは果して自分分のほうの責任であるかどうかという点で非常に問題を起しておるのでありまして、船のほうからもこの位置は明確に知らしてもらいたいというふうな要望が、両々相待つてつて来おるわけでございます。従いまして、保安庁といたしましては、府県知事を煩わしまして、その位置を引きますと同時に、これを告示いたしまして、各船舶宛て魚網位置はつきり伝え、これによつてかかる紛争或しは損害を防止したいと、かように考えております。
  39. 内村清次

    内村清次君 第三の図誌関係ですね、基準外の……。図誌を無視して非常歯つたというよなことは、どういうような件数を現わしておるか、この件数はわかりませんか、事実において……。
  40. 須田睆吹

    政府委員須田睆吹君) 今の基準を無視してどんなに困つたかという一つの例でございますが、それを小名浜港に求めると、私のほうの水路部から行つてつた結果と、ほかのところが測つたものとでは約一メートル違つてつた。やはりどこを基準とするかということが明瞭になつていないために、そういうことが起つた。こういつたこともやはり或る程度基準というものを十分考える必要があると考えるのであります。
  41. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 今の内村委員の御質問に関連して御質問いたしますが、大分九條の基準は嚴格な基準があるようでありますが、これに従つて行きまして、測量者に十分周知徹底させ、又技術指導を十分今のところお図りになつておられるかどうか。そして図つてもなお且つ違反者相当出るような実情でありまするか、どうかという点を御説明願いたいと思います。
  42. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) この基準と申しますのは、これは数字として相当細かい数字が出ております。測量技術から申しますと、一応の測量知識を持つておりまして、測量学を学んでおります者は、こういうことは直ぐわかる、かように考えておる次第であります。従いまして測量を行わんとする技術者は大体常識としてこのことは持つておる、かように考えておる次第でございます。従いましてこれを励行する気持があるならば、この基準励行可能と、かように考えております。
  43. 須田睆吹

    政府委員須田睆吹君) 今の平均基準水面の点でございますが、それは水路部といたしましては、昨年海上水路業務法いよいよ実施される前に、昨年の七月に平均水面基本水準面一覧表を作りまして、業者方面に全部配りまして、励行をお願いしてあります。
  44. 小酒井義男

    小酒井義男君 これは條文の中にあると思うのですが、こうした刊行物を発行する場合には、海上保安庁長官承認又は許可を要するというふうに、これは法文の中にございますね。この承認許可というのは、どういう場合が承認で、どういう場合に許可とい、ことを使うのか、何か基準でもあるのですか、法案の要綱にそういう字句を使つてあるのは……。
  45. 柳澤米吉

    政府委員柳澤米吉君) 承認と申しますのは、一遍出た刊行物を複製してやる場合、これを承認と申しております。現に新らしく作りました図面、これをあれするとき許可と、こういうふうに考えております。
  46. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 他に御質問ありませんでしようか。
  47. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 次回に保留して置きます。
  48. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは本日は水路業務法に関しまする質問は次回にまで預かりまして、次回に又御質問願うことにいたしまして、次の案件に移りたいと思います。   ―――――――――――――
  49. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは次に、二十六年度におきまする運輸関係予算に関しまする政府委員説明に移りたいと思います。
  50. 國安誠一

    政府委員國安誠一君) 昭和二十六年度の運輸省所管予算の大綱を御説明申上げます。お手許にお配りいたしましたガリ版刷り各局別予算を昨年度と対比して計上してありますから、詳細はそれで又後ほどお答えいたします。差当り概要を先ず御説明申上げます。  先ず第一に歳入の予算でございますが、二十六年度の歳入予算額は十一億七千三百二十二万六千円でございまして、これを前年度と比較いたしますと、一千八百十八万七千円の増加になつております。これは海上保安庁実施いたしておりまするところの特別掃海、これに対する歳入が二十丘年度限りでございましたので、これは減少いたしましたが、それも又反面海中に没しておりますところの屑鉄等の売抑代金等が新規の歳入といたしまして計上されたために、差引き今申上げました一千八百十八万七千円の増加になつております。  次に、歳出の予算について申上げます。二十六年度の予定経費要求額は総額で百二十六億百三十九万四千円でありまして、これを前年度の予算額百二十五億六千六百二十三万二千円に比較いたしますと、三千五百十六万二千円の増加となります。これは全船舶の船主返還に伴いまして、商船管理委員会に対する補助金が二十六年度は大幅に減少いたしました。他面海上保安隊の増強のための経費の増加及び日本国有鉄道に対する貸付金を新規に計上いたしたために増加いたしたのが主な原因でございます。右の予算額の、要求額の各経費につきましては、予算参照書に、これはお手許に厚い印刷した資料でございますが、部局別事項ごとに要求事由及び前年度と比較いたしましたのがございますので、詳細はそれを御覧願いまして、後ほどお答えいたすことにいたしますが、そのうち主なる事項を申上げますと、大体次のような事由でございます。先ず第一に、商船管理委員会についての経費でございます。これは連合軍の指令に基きまして、同委員会が日本商船の管理を行なつておるのでございますが、その経費といたしまして四千四百八十一万八千円、それはお手許のガリ版刷の薄い書類の二頁目の海運局の中の第七番目の商船管理委員会補助四千四百八十一万八千円です。それからシベリア、満洲及びその他の地区からの引揚者を輸送する経費といたしまして、三億五千八百二十八万三千円を補助金として計上いたしております。なお同委員会の補助金が前年度に比較いたしまして、約三十四億円減少いたしておりまするが、これは先ほども申しましたように、全船舶を民間に全部返しましたために、その関係の補助金が一旦減少いたしたためでございます。  次に日本国有鉄近に対する貸付金でございますが、これは最近におきまする国内滞貨が著しく増加いたしたために、且つ二十六年度の貨物輸送トン数が前年度に比較いたしまして増加いたしております。かかる輸送の滞貨の一掃を図り、輸送の円滑化を図るための車輌の増強ということのために、特に日本国有鉄道に対しまして二十億円というものを貸付けることにいたしまして、この金額を計上いたしました。  次に、港湾に関する公共事業施行のために必要な経費でございますが、これは内地の港湾施設修築及び災害復旧に必要な人件費並びに事務費といたしまして、四億三千七百六十四万四千円を計上いたしております。  次に、気象官署に関する経費でございますが、気象観測並びに通報業務の完全を期するための事業運営費といたしまして、十三億八千七百十三万一千円、それから連合軍の指令によります洋上固定点観測業務の維持運営に必要な終戰処理事務費といたしまして、三千百三万一千円を計上いたしております。  次に、海上保安庁に必要な経費でございますが、これは不法入国の監視、密貿易の取締り、航路標識の維持運営その他海上保安業務の運営費といたしまして、四十四億六千八百二十五万円、それから沿岸警備力を増強するための巡視船の九隻を初め、浮標作業船、水路測量艇等合計二十二隻の建造費といたしまして、十億七千七百五十八万八千円、合計五十五億四千五百八十三万八千円を計上いたしております。なおこれを保安庁予算を、昨年十月海上保安庁の増強のための国債費からの移用額を含めました前年度予算八十五億九千八万五千円と比較いたしますと、約三十億円減少いたしておりますが、これは主に船舶の建造費が減少いたしたためであります。  次に、航空庁に関する経費でございますが、国内航空の運送事業の管理等に伴う費用といたしまして二千四百十万円、それから連合軍の要求によりまして、航空保安施設の維持運営等の経費といたしまして、一億一千九百六十五万六千円を計上いたしております。  大体以上申上げましたのが、二十六年度の運輸省所管の予定経費要求額の大きなものであります。なお詳細は御質問に応じまして、後ほど御説明いたします。
  51. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 この大体の説明は聞いたのですが、各項目に関する説明書のようなものを参考に御提出を願えれば非常に私ども研究する上に好都合だと思うのです。なお一見してわかるように説明書その他の表を付けて御提出を願いたいと思います。
  52. 國安誠一

    政府委員國安誠一君) 只今の御要望は、お手許にございます昭和二十六年度一般予算、これは各省が全部載つておりますが、この中に一応書いてございます。若し必要でございますれば、或いは抜き書きしたものを作りまして、お送りしてもよろしうございます。
  53. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 いや、それは書いてあるのですが。
  54. 國安誠一

    政府委員國安誠一君) この厚い印刷物のうちの八百四十三頁以下が運輸省所管の……。
  55. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 折角これをお出しになつたのですから、この後に大体のことをお書きになり御提出頂きたい。
  56. 岡田信次

    岡田信次君 細かい項目質問をしてよろしうございますか。
  57. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) どうぞ。
  58. 岡田信次

    岡田信次君 運輸審議会委員が九人殖えて五十三万九千円増、一人幾らですか、六万円ですね。年に六万円でどんなあれができますか。
  59. 國安誠一

    政府委員國安誠一君) 只今の運輸審議会の問題でございますが委員が六名が一般の十二名の中に含まれております。單価を申しますと、委員一人が四万三千……失礼いたしました四十三万二千円ですから。
  60. 岡田信次

    岡田信次君 この表を見ますと、二十五年度が十三人、二十六年度が二十一人、九人差引き殖えて、その費用は五十三万九千円ですから、一人当り年に六万円、そのうち六人が設置法でエキザミナーを置くということですから、八万円ですから、どんなエキザミナーを置くことができるかということです。
  61. 國安誠一

    政府委員國安誠一君) 只今の御質問、詳細に今検討いたしております。委員の単価、これは各審議会の皆共通のものでございます。それから減少いたしましたのはいろいろの旅費その他がいろいろな関係で大部減らされましたので、その関係だと思うのでございますが、今細かい数字を拾つておりますから、暫らくお待ちを願います。
  62. 内村清次

    内村清次君 只今説明を聞きましたのですが、前之園委員の言われますように、私たちが知りたいことは、又わかりやすくこれを早く知りたいということはですね、例えば運輸省関係で、ここには予算の二十五年度対二十六年度の減及び又増があるわけですが、例えば一番大きな問題は二十億の貸付金、国鉄の貨車の増強の問題だとか、或いは又航空庁が新設されて、このほうに予算がうんと増強されたのだというような特殊的な問題を一つ説明的に書いて頂いて、減はこういう関係で大きな減になつたんだという、即ち特異性ですね、予算の特異性、そういう点を一つ挙げて頂きたい、で、細部の問題につきましては、又各委員のかたがたでもいろいろの専門的な見地からの御質問もありましようが、大体運輸省の二十六年の行きかたというものは、こういうところが大いに特異性ができたのだというような点を一つ出して頂きたい、説明要綱にその点を一つ。この点希望して置きます。ここにちよつと見ますと、船舶等の輸出振興、これは全く輸出の関係も輸入の関係もですが、特に二十六年度の予算面におきましては、これは国家予算と同様に必要性が非常にあるわけです。振興費と書いて、そして二十五年度よりも減になつているというような状態があるのです。こういう項目、こういう点についても私たち疑問に思つているのですが、船舶方面におきましては、どういうようなほうに重点をとつておられるかというようなことを、一つ説明として書いてもらいたい。
  63. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 今と同じことですが、先ほどから申しますように、折角こういうものをお出しになるのならば、一見して明瞭になるように親切丁寧に一つ出してもらいたいですね。單に形式的にこういうものを出して飛び飛びに答弁されるならば、我々は聞く必要はないですよ。予算書を見ればわかるのです。折角あなたが説明されるのだから……。おいでになつ説明されなくてもわかる。我々が要求するのは特異な関係運輸委員会運輸省予算に対しては、これをもつとよく砕いてよくわかるように一つしてもらいたいですね。そして我々の審議の便に供してもらいたい。こういうことをさつきから言つている。あなたの形式的な答弁を聞きたくないのです我々は……。もう少し丁寧に考えてもらいたいですね。
  64. 國安誠一

    政府委員國安誠一君) 只今いろいろ御要望がありましたが、実はまだ説明書が全部……、その後変更したものもございまして、出揃つておりませんけれども、すぐに揃えまして、このあとも実はお配りいたしました備考という欄に、こういうところに只今の御要望の増減の理由とか、主な増加の理由、その他特異な理由を概略書き加えまして、この次まで間に合いますれば、できるだけ早くお手許にお配りいたしたいと思つております。
  65. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 内村委員からも要求がありましたが、恐らく全員同じ気持と思うのですが、大体資料を全部御提出願つて、そうして我々に研究の時間も與えて下さつて、十分に質疑をしたいと思います。これでは極く一部分の質疑しかできないことになるのですね。そういうふうなお考えを願いたいと思います。
  66. 岡田信次

    岡田信次君 今の前之園さんのに関連しているが、二十六年度の予算の特異性、それから向うべき方向がはつきりわかるようにして頂きたいと思います。
  67. 國安誠一

    政府委員國安誠一君) 只今の御要望に副うように一つ早急に作りたいと思います。
  68. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは運輸省関係は本日はこの程度にいたしまして、次回、来週までの間に十分説明資料を得ましてから質問を再開いたします。   ―――――――――――――
  69. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次に、国有鉄道側の提案の説明をお願いいたします。
  70. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 国有鉄道についてもやはり同様の意見です。これもよくわからないですね。例えば建設改良費なんというものは、どういう内訳になるのか、これだけでははつきりわからんものが相当あるのですがね、これで、は一つ一つ質問して行かなければならない、一項目ごとに……。そうすると、非常な時間も要するのですから、これらは全部お揃えになつて御説明願いたいと思うのです。
  71. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) それでは二十六年度の日本国有鉄道の予算について御説明申上げたいと思います。お手許に予算参考資料として差上げてあるのでございますが、そのうちで第一表が歳入歳出予算比較表でございまして、それから第二表は昭和二十六年度の歳入歳出表の基礎になる資金計画がここに挙げてあるつもりでございます。それからなおずつと飛びまして、第十二表にこの工事経費、只今お話のありました建設改良の工事経費約三百十二億の金の大体の内容がどういうふうな内容なつておるかということが、ここに概略を挙げて表にしてお手許に差上げてあるはずでございます。なおその次の十三表は二十六年度の予算定員表でございまして、二表から十一表まではそれに関係しての更に第二次的な参考の表、こういうふうに御承知願いたいと思うのでございますが、なおこの表で足りない点がございましたら、又あとで御指摘頂きますれば、お手許に差上げたいと、こういうふうに考えております。  先ず初めにこの概括的な説明申上げたいと思うのでございますが、先ず第一に事業計画を申上げますと、事業計画といたしましては、輸送の計画と申しますか、輸送計画を申上げるわけでございますが、二十六年度におきましては、この輸送上の計画としては、やはり施設、車輌の整備増強と保守の向上を図る、こういうことを主眼点にいたしまして、輸送力の強化をする、又サービスの向上を図る、こういう目的を以て計画を立てておるわけでございます。大体どのくらいの輸送量が考えられるかと申しますと、昨年度来旅客は少しずつ漸減の趨勢を辿つて参りまして、貨物は漸増の趨勢を示しておる、極く大ざつぱに申上げますと、そういう姿になつております。旅客の輸送人員は二十六年度の予算におきましては、対前年度、この二十五年度に対して一・九%減の二十九億四千四百万人。少し輸送人員の数では減つておりますが、併し一人当りの輸送距離が延びております関係で全体の輸送量、人キロで示すのでございますが、これでは〇・一%増の六百七十六億七千五百万人キロ、こういうふうに想定をいたしております。つまり頭数は少し減りましたが、一人当りの輸送距離が延びておりますので、人キロで現わす輸送の量は少し殖えておる。併し大体この二十五年度の旅客の輸送量は大体まあ変らない、こういう想定でございます。  貨物の輸送トン数は一億三千四百万トン、こういうふうに予算に計上いたしてありまして、これは対前年増三%でございます。ただトンキロにおきましては、つまり貨物輸送距離とそれから輸送する数量、これをかけ合わした全体の輸送の量、そのトンキロにおきましては、三百十八億九千六百万トンキロで、これも対前年増三%増で、これは前年度、今年度も大体同様の貨物の足を大体想定いたしまして、これは輸送トン数も、それから輸送トンキロにおきましても、大体三%の増、微増をいたしておる、こういうふうに想定をいたしたわけでございます。それでこれに要する列車キロは一億八千六百万キロでございまして、対前年度七%の増加になつております。国営自動車におきましては、旅客の輸送人員は七千二百万人、六億六千百万人キロ、貨物の輸送トン数は百八十万トンでございまして、三千万トンキロでありまして、これに要する総合キロは四千六百万キロ、こういうふうになつております。船舶におきましては、旅客の輸送人員八百四十万人、二億五千八百万人キロ、貨物輸送トン数は五百二十万トン、四億四千五百万トンキロ、こういうふうになつております。これの数字といたしましては、この表といたしましては、参考表として、資料として差上げてありまする第九表に、その算出の基礎を表にしてお手許まで差上げてあるわけでございます。第九表でございます。以上が大体今年度の輸送計画、大体の仕事の量の、輸送する仕事の量の内容でございますが、工事計画を次に申上げます。  工事計画といたしましては、現在の施設の維持及び取替え補充に十分注意いたしまして、必要な輸送力の増加に十分力を注ぐ、大体こういう点が先ず第一の点でございます。次にそれについて御説明申上げます点は、この輸送力の増強として、まあ一番手取り早いものは車輌の増備であろうかと思うのでございますが、その主なものといたしましての車輌関係を御説明申上げますと、貨車及び電気機関車、電車、客車、そういうものの新造のほかに客貨車の改造等をいたしまして、これはあとで御説明申上げますが、相当な車輌費を、前年度に比べて相当多額の車輌費を計上いたしております。そして二十六年度のこの收入の確保と、それから滞貨を一掃して輸送を円滑にする、こういう点に重点を置いておる次第であります。  次に従来しばしば問題になつております電化の問題でございますが、この経営合理化という観点から見ましても、非常にまあ主要なる問題として考えられる電化設備につきましては、東海道線の米原、浜松間の電化計画にも来年度から着手できるようになつて参りました。そのほか上野、高崎間は本年度中に完成をする予定で予算に計上いたしてございます。その他前年度から継続をいたしております信濃川の第三期の工事、山辺の発電所の建設工事も計上されております。特に本年度におきましては、戰後初めてと申してよろしい新線建設の予算といたしまして、津軽線と、それから赤穂線と窪川線のこの三線を計上いたした次第でございます。以上によります工事費の総額は、設備の補充に要する経費を計上いたしました損益勘定の修繕費三百六億円と、それから設備の取替、改良及び建設に要する経費を計上いたしましたこの工事勘定の経費三百十二億円で、合計六百十八億円でございます。この工事勘定の中で、工事勘定の三百十二億の内容につきましては、先ほど説明いたしましたように、第十二表にその概要を挙げて御参考に供している次第であります。  次にこの要員計画でございますが、以上の計画を実施するに要しまする職員の数は、損益勘定と工事勘定、中間勘定、この三勘定を併せまして四十六万八千八百六十五人、こういう予算定員を計上いたしておりまして、これは昭和二十五年度の三月三十一日の現在員四十九万七千二十七人を基礎といたしまして、二十五年と二十六年度の職員の自然減少率をそれぞれ三%として、新規補充は原則としていたさないと、こういう考えかたで以上の四十六万八千八百六十五人、この予算定員となつたのでございます。なお今後は職員の勤労意欲向上と相待つて、この定員を以て経営の万全を図つて参りたい、こういう考え方で予算は組まれているわけであります。なおそれに関します表はお手許に差上げてあります第十三表に、簡單でございますが、その総計を挙げております。  以上を元にして、この二十六年度予算でございますが、先ず第一に歳入歳出予算について御説明申上げたいと思います。歳入歳出予算といたしましては、第一表を御覧頂きたいと思うのでありますが、以上の諸計画を織り込みました予算の総額は、歳入歳出共に二千三百二十一億円余でございまして、この中には工事勘定における財源といたしまして、損益勘定から受け入れまする百九十二億円と六百十七億円の貯蔵品購入費、即ち各勘定の物品費と振替となる重複分、これが八百九億円が計上されておりますので、それを差引きいたしますと、実際は千五百十二億円となります。これを昭和二十五年度の予算、千四百一億円と比較いたしますと、純増は百十一億円となります。この表では二段目の前年度予算額というところに、貯蔵品收入として五百九十二億八千幾らという金が挙つているのでありますが、これは昨年度はこの貯蔵品収入という項目がございませんので、これは今年度それが予算に上りましたために、それに対応するものを昨年度の数字として参考のために挙げまして、比較して実はわかり易くいたした表でございます。只今説明申上げましたように、その貯蔵品購入費の関係と、それからこの工事勘定の財源として損益勘定から受入れた百九十二億という重複分がありますので、先ほど申上げたような説明になるわけであります。  以上これを内容的に見ますと、工事経費が六十六億、出資金が六千七百万円、経常費が二十八億……第二表を見て頂きたいと思うのでございますが、経常費が二十八億、利子その他十六億円でございます。工事経費は総額で三百十二億円でございまして、その主なるものは車輌費と電化設備費等でありまして、そのあらましは、先に工事計画のところで申上げました通りでございます。  次に出資金の六千七百万円でございますが、これは帝都高速度交通営団の神田、池袋間の新線建設に伴う国有鉄道よりの出資及び拂込でございます。出資金は第一表の右の下のほうから六行目あたりに六千七百万円と書いてあります。
  72. 内村清次

    内村清次君 これは足羽さん、昨年もこの運輸委員会であなたのほうの提出状態につきましても要求したし、実際そうしてもらつたんですが、あなたの御説明なさるようなことを、これは参考資料ですからして、これを併せて一つこちらのほうに先ず出して頂く、そうするとあなたのほうの今の説明内容で大体運輸省の一年間の御計画がわかるわけですが、そういうような説明資料と付けて出して頂きたい。できれば、この点は参考資料の何頁にあるんだというようなことも附加えて頂ければ、なお結構ですが、そうやつて頂きますと、こちらのほうも審議し易いわけなんですが、どうですか。
  73. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは皆様にお諮りいたしたいと思いますが、今日はこれから国鉄出身者の議員のかたがたが、前々から予定せられている大事な会合があるよしを伺つておりますし、今後これは政府各委員にお願いして置きたいことは、ただ説明資料をプリントにして朗読なさるのでなしに、今内村委員からお話のように、今配付した表の何頁を見てくれという、それに基いての御説明だと大変よくわかりますし、又説明のプリント原稿を差支えなければ、先へ配付して頂きますれば、非常に円滑に而も頭によく入ると思います。ただ数字を朗読されてもちよつとわかりにくい。こう思いますので、時間の関係考え、又本日の議事進行の状態考えまして、本日はいまちよつとで足羽説明員のけりが一応付くそうですから、それを以て本日の会合は終了して置きたいと、こう考えます。
  74. 前田穰

    ○前田穰君 資料の要求はどうですか。
  75. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 只今運輸省一般については、詳しい説明資料を国安政府委員がこの次までにこしらえて配付されるそうです。
  76. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 こういうような大事な予算の研究をするのに、その間際になつてこういうものを出されて説明を聞いて、直ぐ我々がこれについて質問をするということは不可能です。やればできないことはないが、詳細にやる、一つ一つやるということはできない。そういうことは非常に不親切だと思う。私どもは心外です、そういう態度をとられるのは……。折角こういうふうに出された以上は、完璧を期して、我々のよく了解できるようにされるべきものだと思う。そういうごまかし的なことをやられることは、我々非常に不愉快なんです。
  77. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それにつきまして、資料を配付されて直ぐ説明されるよりも、前以て資料の配付を受けておいて、適当な時間を置いて説明を願うことにいたしたいと思います。
  78. 前田穰

    ○前田穰君 私の資料申上げたのは、どういう資料運輸省からお出しになるか知れませんけれども、特別こういうものが欲しいというような資料がある場合、運輸省からどういうものを出されて来るかわからないのですが、運輸省から私の考えているもの全部お出しになるなら無論要求する必要はないです。どういうものをお出しになるか、それによつて資料を註文したい。
  79. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 若し必要な、こういう資料が欲しいという御希望がありましたら、おつしやつて頂けば、お手許に差上げることにいたします。
  80. 前田穰

    ○前田穰君 それでは私三つお願いしたいのです。線路新設が三つありますが、これの例えば窪川線、何キロあるか、本年度のこの金額では何キロやれるか、こういうことが一つ、それから電化についてもやはり同じです。それから車輌計画、客車、貨車などということ、金額だけ書いてありますが、どういうものをどれだけ新造され、どれだけ改造されるか。
  81. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 新線と電化と車輌について、予算と工事との内容の見込ですね。
  82. 前田穰

    ○前田穰君 そうでございます。
  83. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは議事進行についての発言はその程度にして、どうぞ……。
  84. 足羽則之

    政府委員(足羽則之君) 次に経常費について申上げたいと思いますが、これは第十表を御覧願えれば、概略を載せてお手許に差上げてあります。人件費関係では本年一月からの給與ベースの改訂及びこれに伴う諸手当の増加に伴いまして五百十億円に上り、物件費関係といたしましては、石炭費、電力費の増加等によりまして六百三十九億円となり、経常費の総額は千百四十九億円となるのであります。この減価償却費は二十五年度はこの帳簿価格を基礎にいたしまして二十六億円、特別補充取替費が百六十六億円、利子が三十五億円及び予測し難い理由によつて生ずる予算の不足を補うための予備費として十五億円を計上いたしまして、経費総額が千三百九十一億円となるのであります。今度は又第一表に返つて頂くわけでありますが、これに対する財源といたしまして、運輸收入で千三百七十四億、病院その他の雑收入が十四億、不用施設物及び物品の売却收入が二億五千万円、特別鉱害復旧工事の財源の一部として一般会計からの受入れが六千二百万円、このほか工事勘定の財源といたしまして、大蔵省の資金運用部から借入金が百億、及び車輌増備等に要する経費として、一般会計から政府貸付金二十億円で、総計が千五百十二億円、こういうふうになるのでございます。  以上で極めて概略的でありまして、言葉の足らん点もあるかと思いますが、予算の概略的な御説明申上げる次第であります。
  85. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) それでは本日の説明はこの程度にいたしまして、来週の木曜までに十分の資料を提出されるそうでありますから、その提出、配付を受けてから、適当な時間を理事会で御相談いたしまして、それから質問に移りたい、こう考えます。
  86. 前之園喜一郎

    前之園喜一郎君 一つ資料を御提出になりますときに、御研究の上でお教え願いたいと思うのでありますが、それは鉄道新線の建設費というのを見ますると、僅かに三億幾らしかないようであります。これは過ぐる第九国会において参議院においては決議案まで出ておる。大臣の談話、これは公式のものではありませんけれども、二十億ぐらいは二十六年度には計上するというようなことで、国民は非常に大きな期待を持つていたのであります。ところがこれを見てみますと、僅かに三億、而もこれは継続のものであります。二十六年度に計上はしていないが、或いは大臣の言われるように、何か他の費目からこういうものに振向けられる、或いは公共事業費などということを大臣は言つておられるが、そういう予定があるのか、或いは更に又追加予算等を出される御計画があるのかということも、これは非常に全国の国民が鉄道新線の建設には期待を持ち、非常に希望しておるのであります。この点を一つ十分御説明願いたいと思います。
  87. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) 次回までに資料を是非お願いいたします。
  88. 前田穰

    ○前田穰君 ついでにもう一つ運輸省の先刻の御説明中に気象台のことが特別に何もなかつたのですが、この前、先国会の経緯に鑑みて何かお話があれば、それもこの次のときに運輸省の御意見なり、態度なりをはつきり伺いたいと思います。
  89. 植竹春彦

    委員長植竹春彦君) これにつきましての一任されました委員長としての中間報告もそのときに申上げたいと存じますし、政府側におかれましても、気象台関係予算、今後の方針を一つこの次に御説明願いたいと思います。  それでは本日はこの程度で散会いたします。    午後三時二十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     植竹 春彦君    理事            岡田 信次君            高田  寛君    委員            山縣 勝見君            内村 清次君            菊川 孝夫君            小酒井義男君            前田  穰君            村上 義一君           前之園喜一郎君            松浦 定義君            鈴木 清一君   政府委員    運輸大臣官房会    計課長     國安 誠一君    運輸省鉄道監督    局長      足羽 則之君    海上保安庁次長 柳澤 米吉君    海上保安庁水路    部長      須田 睆吹君   事務局側    常任委員会專門    員       岡本 忠雄君    常任委員会專門    員       古谷 善亮君