○青野
委員 最後に
労働政務次官に申し上げます。それから、これは国際的に非常に微妙な問題でありますが、特別調達庁の長官に御伝達を願
つて、この次の労働
委員会において、
政府を代表して、あるいは特別調達庁としての立場を、答弁を通じて明らかにしていただきたい。
御
承知の通り太平洋戰争は、無條件の降伏であります。連合軍の主体勢力はアメリカである。連合軍の総司令部によ
つて、
日本は約五箇年半対日占領政策が行われて来た。そのために
相当数の軍隊が
日本におることは事実であります。飛行場にしても、軍港にしても、対日占領政策に必要なる
設備であるとわれわれは考えてお
つた。ところか朝鮮の動乱と、太平洋戰争無條件降伏による対日占領政策とは、これは明らかに別個なものであるという主張をする者が、われわれ同志の中にもおるのであります。そこで御
承知の通り
日本の占領政策によ
つて、連合軍がおほりばたに総司令部を設けて、各所に駐屯されて、適切な作業に従事せられておるが、しかし北鮮軍が三十八度線を南へ越えることによ
つて起
つた朝鮮動乱と、太平洋戰争の結果無條件降伏した
日本における対日占領政策というものは、これは画然として別個なものであるという判断が、やはり正しいのではないかと私も思う。そこで朝鮮動乱に必要なる近代戰争兵器であるとか、軍隊であるとか、あるいは負傷した兵隊の病院であるとか、そういうものが
日本に置かれており、
日本が利用せられておるということになりますと、国際的條約とか、あるいは連合軍と
日本とがどういう協定をしており、どういう法文によ
つてそれが認められておるか、これはおそらく国民全体が聞きたいところであろうと思う。私は北九州め出身でありますが、三つの飛行場に囲まれて、八幡の製鉄所を足元に持ち、不幸にして九州に爆彈の雨が降らされるということになりますと、
日本の石炭産業、
日本の鉄鋼産業は壊滅いたします。いくら
日本の
労働者三千万が馬力をかけて祖国の再建をや
つても、銑鋼一貫作業東洋一の八幡の製鉄所と筑豊炭田が、爆彈の雨の洗礼によ
つて壊滅させられるたらば、おそらく何十年先まで何ともすることができない状態になる。こういう危險な状態に九州——特に北九州はさらされておるのであります。このときにあた
つて政務次官なり、特別調達庁の管財部長が、その
責任において御答弁されないならば、来週にな
つて開かれるこの次の労働
委員会においてはつきりした御答弁を承りたいが、それは、こういう行き方について大体どういう協定があるか、どういう條約があるか、何によ
つてそういうことが許されているかということを承りたいと思う。
それから、これは私はきよう労働
次官に
お尋ねしたいと思
つたのですが、
委員長の御発言の中に、きようの労働
委員会は大体四時までにしようじやないかという
お話がありまして、各派の意見も大体それにまとま
つておりまするので、私は林
委員と話し合
つて、時間を分担したのであります。それでこの次の労働
委員会に、
労働大臣並びに
労働省の
関係各
局長が出ておいでになるときに評しく申し上げますが、今東京都内における自由
労働者諸君三万五千が、第十国会の衆参両院議長あてに請願書を出しております。その内容の一部分でありますが、あぶれをなくして、完全に就労の
対策を立ててもらいたい。政治的含みを持つ失業登録の取消しや取上げ絶対反対、生活苦に悩む失業者に対して
地方税を全免しろ、年末年始の三十日、三十一日、元日、二日、三日の五日間は有給休暇にせよ、簡易託兒所を早急に設置してもらいたい、婦人の生理休暇を自由
労働者であ
つても当然認めてもらいたい。加配米は——今半月分は粉のように聞いておりますが、屋外における過激な労働である
関係上、全部米を支給してもらいたい。これは九州
地方の筑豊炭田の
労働者も、外米のぼろぼろしたものでは仕事にならない、全部米で支給してくれろということを物価庁にお願いして、私もお供をしたのでありますが、自由
労働者の諸君も、全部米で配給してもらいたいと言
つている。それから日雇い
労務者なるがゆえに、何らの保障も受けないということは不当であるというところから、健康保險の法制化を要求しております。また失業者に対しては、電気であるとか、ガスであるとか、水道であるとか、そういう料金を無料、またはある
程度減免をする
方法を立ててもらいたい。特需作業の行先きと
責任の所在をはつきりしてもらいたい。これは先ほどからいろいろ質問をし、御答弁をいただいている内容でありまするが、こういうことを言
つているのであります。団体の役員の作業場の就労時間の制限をやめること、失業者に対する不当彈圧を即時廃止すること、一日に三鷹あたりで五百人も六百人もあぶれる。あぶれれば食えない。そのために、何とかして仕事をくれと言
つて、少し大きな声を出せば、ピストルを持
つた警官が二百人も五百人も来るということは、確かにその職安の行き過ぎであります。もつと親切な気持を持
つて、納得ずくで話をすればできることを、すぐに武裝警官隊を招集する、そうい
つた形の出て来ることを希望するとい
つたような行き方は、
日本人同士のやるべきことではありません。こういう点について、ひ
とつ失業者に対する不当弾圧を即時やめるように、
労働省は各都下の職安に対して指令を出してもらいたい。
失業対策事業に
関係するところの自由
労働者は、
平均にして賃金を三百五十円に上げてもらいたい、朝鮮動乱によ
つてこれだけ物価は騰貴しているが、賃金はくぎつけにしている。そんな点では
労働省はある
程度理解を持
つていただきたい。山口県の下関は、二百二十二円の自由
労働者の賃金である。北九州の五市は、それよりはもつと物価は高いにもかかわらず、最近までは百七十六円であ
つたが、今度四十八円上げて、山口県の下関並にした。北九州の飛行場所在地がそうであれば、東京都においても今の二百四十二円は、最近の物価の上昇率から言
つて、当然三百五十円にすべきである。そうい
つた物価の指数の上から、また朝鮮動乱による物価の上昇率から言
つて、三百五十円を今要求しているのである。その他
失業対策予算の増額、失業者に対して就職のあつせんをする、こういう十五項目が請願書の形にな
つて今度の国会に提出せられておりますので、これらを中心にして、この次の
委員会に保利
労働大臣の御出席をぜひお願いいたしまして、この点についての質問をし、お答えをいただきたいと考えます。私の質問はこれで終ります。