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1951-02-21 第10回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二十一日(水曜日)     午前十時三十二分開議  出席分科員    主査 西村 久之君       坂田 道太君    塩田賀四郎君       島村 一郎君    庄司 一郎君       平川 篤雄君    西村 榮一君       松澤 兼人君    林  百郎君  出席政府委員         総理府事務官         (大臣官房会計         課長)     齋藤 常勝君         総理府事務官         (宮内庁長官官         房皇室経済主         管)      近藤 直人君         警察予備隊本部         次長      江口見登留君         警察予備隊本部         経理局長    窪谷 直光君         総理府事務官         (外国為替管理         委員会委員) 大久保太三郎君         特別調達庁長官 根道 廣吉君         総理府事務官         (特別調達庁長         官官房会計課         長)      大石 孝章君         総理府事務官         (特別調達庁財         務部長)    川田 三郎君  分科員外出席者         総理府事務官         (外国為替管理         委員会事務局資         金課長)    林  實香君         会計検査院事務         官         (事務総長官房         会計課長)   高橋  豐君         衆議院参事         (庶務部長)  山崎  高君         参議院参事         (総務部会計課         長)      清水  齊君         国立国会図書館         参事         (管理部経理課         長事務取扱)  武内時之助君         專  門  員 小竹 豊治君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十六年度一般会計予算皇室費国会、  会計検査院内閣及び総理府所管  昭和二十六年度特別会計予算総理府所管  昭和二十六年度政府関係機関予算総理府所管     —————————————
  2. 西村久之

    西村(久)主査 これより第一分科会を開会いたします。  昭和二十六年度一般会計予算皇室費国会会計検査院内閣及び総理府所管昭和二十六年度特別会計予算総理府所管昭和二十六年度政府関係機関予算総理府所管一括議題といたします。  まず皇室費予算から順を追うて御説明を願います。近藤政府委員
  3. 近藤直人

    近藤(直)政府委員 それではただいまから昭和二十六年度皇室費歳出予算につきまして概要説明いたします。  本歳出予算に計上いたしました金額は一億四千四百七十一万二千円でありまして、その内訳内廷費が二千九百万円、宮廷費が一億一千百八十七万九千円、皇族費が三百八十三万三千円であります。  そのおもなるものにつきまして事項別に申し述べますと、内廷費は天皇、皇后両陛下を初め、内廷にある皇族方の日常の費用、その他内廷諸費に充てるために、法律で定める一定額を計上したものでございまして、前年度より百万円の増額と相なつております。  宮廷費は、国家の象徴としての御活動に必要なる経費を計上したものでございます。その内容としましては、従前と同じく、皇室の公的御活動すなわち儀典関係費行幸啓費、正倉院図書雅楽等文化的経費その他皇室用財産維持管理に必要な経費等でございまして、宮廷文化財保存のための新規営繕工事費以外に特に新たな所要は計上されておりません。二十五年度予算一億一千二百四十五万四千円に比較いたしますと、三千二百二十五万八千円の増額に相なつておりますが、これは主として戰時中以来荒廃しておりました皇室用財産維持補修費増額によるものと、さきに申し述べました宮廷文化財、特に正倉院関係施設費増加によるものでございます。  次に皇族費は秩父宮、高松宮、三笠宮、三宮家の皇族方に対しまして、皇族としての品位保持の資に充てるものとしまして、法律で定める一定額を計上したものでありまして、前年より四十二万円の増額と相なつております。これは基準定額を御一方六十五万円から今回七十三万円に増額する関係に基くものでございます。  以上をもちまして、昭和二十六年度皇室費歳出予算概要説明を終ります。なお詳細については御質問に応じまして申し述べることといたしたいと思います。
  4. 西村久之

    西村(久)主査 次に衆議院予算について御説明を願います七山崎説明員
  5. 山崎高

    山崎参事 昭和二十六年度国会所管衆議院関係歳出予算要求額は十億三千九百八十一万八千円でございまして、その重要な事項につきまして一応御説明申し上げます。  まず国会運営に必要な経費といたしまして、九億五千九十六万九千円計上いたしております。そのうちおもなものを申し上げますと、議員の歳費、手当旅費等議員に関する経費の五億五十七万六千円、この中には議員用自動車四十七合分の調弁費が含まれております。常任委員会におきます委員旅費及び手当並びに所属職員俸給旅費及び事務費等に必要な経費は四千四百七十九万四千円、考査特別委員会として必要な経費千八百万円、これは当然今国会におきまして設置されました行政監察特別委員会委員旅費職員手当旅費及び事務費等に振りかえらるべき経費でありまして、月額百五十万円の割合なつております。また、事務局において必要な職員に対する俸給、諸手当旅費及び議案類印刷費等事務関係経費並びに議員会館等維持に必要な経費といたしまして一億五千七百九万二千円、法制局において必要な職員俸給旅費並びに立法資料調査立案等事務費といたしまして千五百七万八千円、その他国家公務員共済組合負担金等に必要な経費といたしまして、一億一千五百四十二万九千円が積算されてあります。  その次、第二は営繕工事に必要な経費といたしまして八千百八十四万九千円を計上いたしてあります。これは議員宿舎増築及び庁舎修繕等に必要な経費でありまして、議員宿舎増築等に三千八百八十万円、議員会館陸橋等施設に二千百九十万円、法制局庁舎その他の増築に七百十六万二千円、庁舎修繕に一千万円、これらに伴う事務費といたしまして三百九十八万七千円が積算されてあります。  第三は予備金に必要な経費といたしまして、前年通り七百万円を計上いたしてあります。  以上簡單ながら概略の御説明を申し上げます。
  6. 西村久之

    西村(久)主査 次に参議院予算について御説明を願います。清水説明員
  7. 清水齊

    清水参議院参事 昭和二十六年度国会所管歳出予算のうち、参議院及び裁判官彈劾裁判所の分につきまして、その概略を御説明申し上げます。  まず参議院の分について申し上げますと、予備経費を合せて総額は六億九千二百八十九万一千円でありまして、これを前年度予算額五億四百九十二万六千円に比較いたしますと、一億八千七百九十六万五千円の増額となる計算であります。以下予定経費要求書に掲げられてあります事項別の順序に従つてその内容を申し上げますと、最初に国会運営に必要な経費でありますが、これは議員に関する経費二億七千五百六十万四千円、常任委員会に関する経費四千四百四十七万三千円、事務局及び法制局に関する経費三億一千五十二万六千円等、参議院運営上必要な一切の経営経費でありまして、以上の合計額が六億三千六十万三千円と相なる次第であります。  次に参議院営繕事務に必要な経費でありますが、これはその次にあります土参議院営繕工事に必要な経費に伴う事務処理費であります。来年度参議院営繕工事は、予算書説明にも書いてあります通り議員宿舎の新営費三千四百七十万円、法制局庁舎の新営、委員会庁舎への地下道開設費議員会館敷物敷込みに要する経費五百六十六万二千円、自動車置場の新営費四百二十八万八千円、各所の小新営及び修繕費九百万円、その合計が五千三百六十五万円であります。なお予備経費は前年通り五百万円であります。  以上参議院の分を終りまして裁判官彈劾裁判所の分について申し上げますと、昭和二十六年度予算要求額は六百三十八万八千円でありまして、これを前年度予算額三百八十七万七千円に比較いたしますと、二百五十一万一千円の増額となる計算であります。しかしてこの予算全額裁判官彈劾裁判所運営に必要な一切の経費であります。  以上簡單でありますが、昭和二十六年度参議院及び裁判官彈劾裁判所予定経費要求額に対する説明概略であります。
  8. 西村久之

    西村(久)主査 次に国会図書館予算について御説明を願います。武内説明員
  9. 武内時之助

    武内国会図書館参事 国立国会図書館明年度予算要求につきまして御説明いたします。  四つ事項にわけまして、国立国会図書館管理運営に必要な経費、それからもう一つは、国立国会図書館支部上野図書館管理運営に必要な経費、それから営繕事務に必要な事務費、それから国立国会図書館営繕工事に必要な経費、この四つにわけまして順次御説明いたします。  国立国会図書館管理運営に必要な経費要求額は、一億三千三百二十万七千円、要求定員は四百七十一名でありまして、これを前年度に比較いたしますると、前年度の一億六百三十四万二千円、定員四百五名に比べまして、金額において、二千六百八十六万五千円、定員におきまして六十六名を増加することになります。国立国会図書館法規定によりまして、図書館図書及びその他の図書館資料收集し、国会議員の職務の遂行に資するとともに、行政及び司法の各部門、並びに国民に対し図書館奉仕を提供する義務を持つておるのであります。そこで国立国会図書館における調査及び立法考査業務行政及び司法の各部門に対する図書館奉仕一般公衆に対する図書閲覧、一公開図書の受入れ及び整理目録、索引及び印刷カード作成国際図書交換、その他の業務国会分館における図書閲覧憲政資料收集、その他の業務、東洋文庫、静嘉堂文庫、及び大倉山文庫における図書閲覧、その他の業務、これらの業務を行うのに要する人件費事務費図書講入費等であります。  この項目におきまして、予算上新規な事業について概況を申し上げます。巡回文庫設置に要する経費、これは五十万円を計上いたしております。それから大倉山文庫維持管理に要する経費百七万一千円を計上しております。巡回文庫設置につきましては、行政司法各部支部図書館、これは二十二ございますが、それぞれの分野におきました專門図書館となることを目標としております。従来文部図書館においては、所属省庁職員教養厚生等のための図書を講入しておりますが、予算が十分あればそれでもけつこうでありますが、予算が乏しいので、この状態にいたしておきますとなかなか專門図書館ができ上りません。そこで国立国会図書館がこの各省内で買つております代理をいたしまして、職員教養厚生に関する図書を巡回いたしますれば、その障害は除かれることになりますので、この文庫設置いたしました。それから大倉山文庫維持に要する経費につきまして、大倉山文庫は、哲学、宗教、倫理、歴史に関する内外の文献八万余を收容しておりまする特殊図書館であります。かねてから国会図書館は、この大倉山文庫を傘下に入れまして管理する方針で、ただいますでに管理をいたしておるのでありますが、予算的措置が遅れておるのでありまして、明年度にこの経費を計上いたしました。それから六十六名増員をいたすことになつておりますが、そのうちの六名は大倉山職員でありまして、残りの六十名の増員調査立法考査局の拡充のためであります。調査立法考査局は、図書館法によりまして議員要求に応じ、両議院委員会に懸案中の法案または内閣から国会に送付されました案件を分析または消化して、両議院委員会に進言し、補佐するとともに、妥当な決定のための根拠を提供して援助するということに規定されてございます。これらの業務は大体調査業務立法リフアレンス業務立法資料整備、両議院委員会との連絡というようなことになるのであります。そうして両議院委員会に一名の連絡員をつけるとなりますと、これだけでもすでに数十人の人を要するのでありますが、現在は給仕を含めまして六十名でやつております。事務助手以下を除きますと、実際の業務を担当しておりますものは四十名、その半数は、まだ大学を卒業いたしまして一、二年の方が多く、未経験でありますので、なかなか能率がうまいぐあいに上りません。しかしながら図書館はできるだけの努力をいたしまして、両議院委員会並びに議員依頼調査を遂行し、また主として国会閉会期間中をもつて、次の国会に上程を予想されておりまする法案に関する参考資料をまとめたり、あるいは一般的に国政審議参考となるような資料調査及び作成に当つて来ましたが、もとより不十分なるを免れません。法律政治図書館整備も、まだ期するところとははるかに隔たるところがある実情であります。立法リフアレンス業務、すなわち両議院委員会議員両院法制局並びに事務局、各政党の政務調査会等から依頼される調査並びに考査業務は、年間約三百五十件であります。最も電話や口頭による軽易なものは計算いたしておりません。開会中は相当頻繁にこのリフアレンスがございます。しかしこれもアメリカ立法考査局年間三万五千件とは比較になりません。アメリカリフアレンスに従事する者が百八十名もおりますし、これを補助する者が百三十名もおるということでございます。予算も一九四六年の法律で一九四六年度には五十五万ドルで、その後の三年間は年に十万ドルずつ増加して行く仕組みになつております。それから後におきまして、必要なだけの経費を支弁するというように法律できめられておりますから今では少くとも八十五万ドル以上の経費があるわけであります。アメリカ立法活動を親しく観察されました議員団は、昨年四月両院に対しまして国会における実現希望事項を提出いたしました中に、調査立法考査局整備、充実をすみやかに実現することが要望されましたが、それに基きまして六十名の増加予算に計上されたのであります。六十名の内訳を申しますと、專門調査員が二名、調査員十一名、主事二十三名、ほかの二十四名は主事補以下の職員であります。  次は国立国会図書館支部上野図書館管理運営に必要な経費で、これは明年度要求金額において二千九百十万四千円、本年度の二千五百八万一千円に比べて四百二万三千円の増加なつております。要求定員は百二十二名で本年度と同様であります。国立国会図書館法規定により、国立国会図書館支部上野図書館管理運営に要する人件費物件費及び図書講入費等であります。  次の事項国立国会図書館営繕事務費でありますが、要求額は四十八万円で、本年度は十四万円であります。これは国立国会図書館三宅坂分室庁舎及び書庫新営等、営繕工事に関する事務を処理するために必要な経費であります。  次の事項は、国立国会図書館営繕工事費で、要求額は三千四百七十一万五千円で、これを本年度の一千万円に比較いたしまして、二千四百七十一万五千円を増加いたしております。この経費をもちまして、図書館三宅坂分室庁舎及び書庫を新営し、上野図書館書庫をも新営し、それから庁舎等修繕を行う所存であります。御承知の通り図書館は旧赤坂離宮の東半分を使いまして、業務をいたしておりますが、面積は二千六百坪ほどございます。しかし実際に使える面積は一千坪ほどしかございません。そこに三十万冊の書物を入れ、三百名の職員が働き、三百席ほどの閲覧室があるので、職員一人あたり七合にも満たない部課があるわけであります。そこで三宅坂分室を設営しておりますが、分室の規模は庁舎二棟で延べ三百二十二坪、書庫二棟で三百九坪、ここに三万の図書職員約百名ほど、それに五、六十席の閲覧の場所をとつております。従つて図審館は場所的に行き詰つておりますので、明年度予算には三宅坂に二百四十坪の書庫と六十名の増員を入れ、それから従来の不足の一部を満たすために事務室百五十坪を新営する経費を計上いたしたわけであります。上野について申しますれば、上野は現在千二百坪の書庫を持つておりますが、百七万の図書があります。一坪に入る図書は大体四百冊が標準なつております。もとより図書の大きさにまりまして違うわけでありますが、標準は四百冊ということになつております、そこで千二百坪では四十八万冊の図書しか收容ができないことになります。実際はいろいろくふういたしまして、もつとたくさん收容しております。しかし積み上げてあつて書架に上らない図書がたくさんあります。そこでさしあたり十万冊を收容するために、二百五十坪の書庫新営費を計上した次第であります。  以上申し述べました要求額合計いたしますと、一億九千七百五十万六千円、要求定員は五百九十三名となります。これは本年度の一億四千百五十六万三千円、定員の五百二十七名に比較いたしまして、金額において五千五百九十四万三千円、人員において六十六名の増員となります。金額増加割合は四割ですが、これは営繕費を含めて計算したもので、これを除外いたしますると二割三分ほどの増加となります。  以上図書館明年度予算について御説明を終ります。
  10. 西村久之

    西村(久)主査 次に会計検査院予算について御説明をお願いします。高橋説明員
  11. 高橋豐

    高橋会計検査院説明員 会計検査院所管昭和二十六年度予算要求書につきまして、詳細を御説明申し上げます。  会計検査院昭和二十六年度歳出予算要求額は二億四千八百九十万八千円でありまして、これを組織別に申し上げますと、検査官会議に必要な経費二百六十五万七千円、事務総局に必要な経費二億四千五百八十万千円、国立国会図書館支部図書館に必要な経費四十五万円となつております。これを前年度予算額二億千五百七十七万七千円に比較しますと、三千三百十三万千円の増加になります。その増加のおもなものについて説明いたしますと、職員待遇改善に伴う増加二千三十六万三千百円、会計検査院倉庫営及び庁舎修繕に伴う増加千百二十九万五千円、その他千四百二十六万二千九百円でありまして、前年度限りの経費として必要であつた会計検査院庁舎増築費一千万円、その他二百七十九万円を減じますと、差引三千三百十三万円の増加となるのであります。  以上簡單でありますが御説明を終ります。
  12. 西村久之

    西村(久)主査 内閣及び総理府所管について、説明のためにおいでになる予定齋藤政府委員がお見えになりませんから、これはあとに譲りまして、今まで説明を受けました関係の各予算内容につきまして、質疑を続行いたしたいと思います。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 西村久之

    西村(久)主査 御異議ないようですからその通りとりはからいます。従つて質疑に入ります。
  14. 林百郎

    ○林(百)委員 内閣関係終戰処理費のことを聞きたいのです。特調長官おいでなつておりますか。なるべくひとつ事情の許す限り詳しく御説明願いたいと思いますが、予算のうちでほぼ二割を占めている一千億に及ぶ終戰処理費は、われわれには非常にうかがいがたい状況でありますので、なるべくひとつ国民にかわつて詳しく聞いておきたいと思います。そこで終戰処理費内容ですが、昭和二十穴年度予算の、部款項目にわけたのはおわかりですか。総司令部費副官部費兵器部費技術部費というのは全部おわかりですか。
  15. 根道廣吉

    根道政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、二十六年度予算案総額はわかつておりますが、各部隊別予算につきましては、まだ総司令部より内示がございませんので、その数字は申し上げることができないのであります。
  16. 林百郎

    ○林(百)委員 そうしますと、終戰処理費事業費業務費、それから解除物件処理費部隊事業費、これをまずお聞きしましよう。これは説明できるでしよう。予算害にも出ておりますが、念のためにひとつ……。
  17. 川田三郎

    川田政府委員 終戰処理事業費その他の費目につきましての金額を御説明いたします。総理府所管終戰処理関係四つの款にわかれて計上されてございます。その第一は終戰処理事業費、この総額が二十六年度九百九十九億八千万円、第二は終戰処理業務費、これは二十六年度五億四千六百万円、第三は終戰処理部隊事務費六億九千五百万円、第四は終戰処理事務費、これは総理府所管と他の省の所管とわかれ、総理府所管の分といたしましては、十三億四千万円でございます。この四つ科目につきまして、総額だけはただいま申し上げた次第であります。
  18. 林百郎

    ○林(百)委員 そこで今の終戰処理事業費が一番厖大な額になつておるわけなので、この終戰処理事業費内訳をひとつお聞かせ願いたい。
  19. 川田三郎

    川田政府委員 終戰処理事業費内訳は、ただいま長官から申し上げましたように、総司令部内示がまだございません。昨年は当予算分科会におきまして、部隊別予算の御説明ができたのでございますが、本年は未だ内示がありませんために、事業費そのもの議定科目款項とも終戰処理事業費なつておりまして、部隊別の御説明ができないことをはなはだ遺憾に存じます。しかし当予算を執行いたしますまでには、軍の内部におきましてもこの内示をしてくれるものと期待しております。その際にはまた御説明いたしたいと存じます。
  20. 林百郎

    ○林(百)委員 どうもそれがわれわれにはわかりませんでして、予算を組むときにはやはり款項目要求がありまして、それを大蔵省で査定してきめるわけでしよう。ですから、向うから款がそういうように事業費幾ら業務費幾らというように来ましたら、その内訳がまたなければ、日本政府予算が査定できないわけで、何か来ているはずですが、それが国会説明できないはずはないと思います。
  21. 川田三郎

    川田政府委員 予算常識としてのただいまの御質疑は、まことにごもつともでございます。ただ終戰処理事業費部隊別予算と申しますものは、結局日本政府内部におきまする各省別予算に相当するものでございまして、主計局がこれを査定いたします場合、各省計画が自然にわかるのであります。しかし軍の各部隊計画と申しますものは、主計局といえどもこれを査定するというわけには参りりませんので、日本国民租税負担を、終戰処理関係においてしかなる限度において決定するかという意味合いにおきましては、財政当局におかれましても、この総額折衝は行うのであります。で九百九十九億という額に決定を見た次第でございますが、この総わくを事業費といたしまして、軍が予算執行上の計画を立てるということについては、軍内部の各部隊長要求GHQに十分に集まりませんと、これはGHQといえどもできないことではないかと存じます。また日本政府内部におきまして、この個々の部隊別予算について、あらかじめ想像をもつて議会に提出をするということは、まつたく意味のないことになるのではないかと存じますので、私どもも部隊別予算につきましての主計局予算要求の計上は、いたしておりません。
  22. 林百郎

    ○林(百)委員 どうもわれわれ常識でわかりません。款だけわかつていて、あと科目がわからないような予算の組み方というものはないのでして、予算書を見ましても、全部科目説明があるわけなんです。終戰処理費だけが、款はあつてあとはわからなくて、それで予算を組むということは、どういうことなんですか。そうすると結局向うの方から本年度終戰処理費はこれだけだと言つて来られるならば、それをそのまま日本政府としては認めざるを得ないわけですか。検討する余地は全然ないわけですか。
  23. 根道廣吉

    根道政府委員 お答え申し上げます。ただいま川田政府委員から説明いたしましたごとく、ただ言いなりに金額を出しておるわけではございませんで、日本全体の財政状況から考えまして、大蔵当局GHQと相互に折衝の結果、総額がきまつた、こういうことになつております。またさらにこれが部隊別、その他の予算につきましては、いまだGHQ内部においても検討中のため、日本政府側に対して総額のきまつたそのものをどう割振つて、どう使うかということについては、内示がございませんので申し上げられない、こういうことを申し上げたわけであります。
  24. 林百郎

    ○林(百)委員 実は私がそれをお聞きしたいことは、この款の中の終戰処理事業費というのは、だんだん終戰処理費の中としては、むしろ縮小されて行くべきものだと思います。占領目的がだんだん達成されて行きますから、そうすると事業というのは縮小して、むしろ終戰の業務を達成するための業務費の比率が多くなつて行くべきものが、実は業務員が昭和二十年度からずつと調べますと、業務費の占めるパーセントはむしろずつと縮小されて、事業費のパーセントがずつとふえておるわけであります。そうすると占領目的がだんだん達成されて行つておるにもかかわらず占領軍の事業がふえて行くというのは、われわれにはわかりません。こういう意味で、終戰処理事業費内容というものを承りたいのです。ごとに終戰処理事業費内容である兵器部費であるとか、あるいは技術部費あるいは補給部費、通信運輸——こういうような占領政策がだんだん達成され、占領目的が達成されて行きますれば、兵器だとか技術だとか補給、通信運輸はむしろ減つて行かなければならない。ところが、これがむしろだんだんふえて行くということは、およそ占領費というのは一体何なのかむしろ占領の期間が長くなればなるほど、こうした軍の積極的な事業の費用がむしろふえて行くということは、日本の国の終戰目的を達成するためじやなくて、新たな作戰目的のために終戰処理費が使われると言われても、これはやむを得ないことになると思うのです。そういう意味で、私はやはりこの事業費内容を、十分に日本国民としては知る権利があると思う。また西ドイツでは現に、御存じの通り終戰処理費の問題については、終戰処理費調査委員会というものを設けまして、十分調査して、それを弁務官に上申して、終戰処理費を三割から五割削減した例があるわけです。これは日本国民からいえば、日本国民の出しておる税金なのですから、しかも日本の国の戰争状態を終結するために出す費用なんだから、どういうところにお使いになりますかということを聞かれるということは、軍の機密にならないと思う。もしそれが軍の機密になるというならば、何か新しい作戰の費用に使われておるということになると思う。だからこれの説明ができないということは、日本国民としては納得できないわけです。そこで特調の方にお聞きしたいと思うのでありますが、この占領費というのは、新しく朝鮮事変などが起きておりますけれども、朝鮮事変などに動員されている軍の費用、あるいは朝鮮事変のためのいろいろな基地ができております。飛行基地ができたり、海軍の基地ができたりしておりますが、こういうのもやはり終戰処理費の中からまかなわれるわけなんですか、それをひとつお聞きいたしたいと思います。
  25. 根道廣吉

    根道政府委員 ただいまお尋ねの朝鮮事変関係において、軍の施設その他操業などのために終戰処理費が使われておるかというお尋ねであります。飛行場の修理拡張等のそういう事柄につきまして、朝鮮事変関係のものといたしまして、終戰処理費は使われておらぬはずでございます。
  26. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、お尋ねいたしますが、昭和二十五年度予算の中から相模、追浜、三沢、羽田——羽田は別としても相模、追浜、三沢、こういうような大きな飛行基地の工事の費用を終戰処理費でお払いになつたことがありますかどうですか、お聞きしておきます。
  27. 根道廣吉

    根道政府委員 終戰処理費をもつてやつております事業は、非常にたくさんあります。今申されましたような基地関係経費におきまして、これが事変関係のものであれば特調所管ではないのであります。特調所管いたしますところは、通常軍が占領目的のために駐屯しておりまするに必要な、維持のために必要な工事というような面だけを扱つておるわけであります。従いまして、朝鮮事変関係のために終戰処理費を特に使つたということは、長官といたしましては記憶いたさないのであります。
  28. 林百郎

    ○林(百)委員 そのりくつはよくわかりますが、昨年度終戰処理費の中から追浜、相模、あるいは三沢の飛行場の整備、防火施設、それからスタンドの新設、こういうようなPDの新設工事に終戰処理費を使つた事実があるかどうか、それをお聞きしておるわけであります。
  29. 川田三郎

    川田政府委員 ただいま追浜、その他の飛行場に対して、終戰処理費を支出したことがあるかという御質問でございますが、それにPDが二十五年度として出ておると記憶はいたします。ただ残念ながら、この議場におきまして個々支出の面につきましての御説明をする自由を私持つておりません。ひとり飛行場のみならず、その他のものにつきましても、議定科目にあがりましたものの支出実績というものは、御報告する自由があるのでありますが、A飛行場、B飛行場にいかなる経費を使つたかということにつきましては、現在発表の自由を持つておりません。
  30. 林百郎

    ○林(百)委員 これは先ほどから言いますように、われわれ国民から出た税金なんです。その税金がどこに使われたということを説明することができないということはおかしいのでして、要にするに日本の国の戰争状態を終了するためですから機密も何もないわけで、どこに使つたから機密だというのならそれは何らか作戰目的のために使つているので対外的にも発表できない、対内的にも発表できないということになるのですが、その点はどうなんです。現に、これはあとでもお聞きしたいと思いますけれども、昭和二十四年度会計検査院の決算報告書にあるのでありますが、三沢の飛行場の工事で三千万円の仮払いをしておるということが調査に載つておるわけです。三沢の飛行場、あるいは追浜、相模そのほか各飛行場でこの費用が使われておることは間違いないと思うのですが、その点はどうなんですか。
  31. 川田三郎

    川田政府委員 三沢の飛行場その他に使われていることは間違いないとおつしやるが、私もそれには使われておるのでありましようとお答えいたしておきます。ただ決算報告にも載つておるのではないか——特調のやりました仕事に会計法上の過失その他不手際がありました場合には、これを国会に報告いたしますが、やむを得ざる必要に基いてやつておられるわけであります。一般的にいかなる費目をどこへ出したかということも、GHQ及び兵站司令部からのさしとめがございますから、現在発表はいたしかねるわけであります。ただ部隊別予算なつております関係上、たとえば兵器部費に幾ら支出があるかということになりますれば、おおよそその方面において使われた金額的な量はわかると存じます。そういう面がわからなければ日本終戰処理費のための様相が判明しないではないかとおつしやることも、一応ごもつともと存じますが、現在私どもが取扱つておりまする予算の支出はすべて調達要求書に基くものでありまして、これが終戰処理の目的を逸脱しているかどうかという点の内容の批判は、特別調達庁職員としてはできかねる次第でございます。
  32. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、兵器、一例を申しますと兵器部費とある中で、兵器部費が何に使われおるかということはわかりますか。
  33. 川田三郎

    川田政府委員 兵器部費が何に使われているかということは、ほぼ私どもも想像はできます。
  34. 林百郎

    ○林(百)委員 ちよつと説明してみてください。
  35. 川田三郎

    川田政府委員 兵器部費と申しますのは、大体において、占領軍が国内に駐屯しております際の自動車ないしは訓練用の兵器、そういうものの維持修繕、これらに使われる。結局兵器関係修繕費維持費ないしは彈薬箱等を新造いたします場合のそうした銃器類の費用、こう私どもは考えております。
  36. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、朝鮮事変前と事変後の兵器部費の支払い状況をちよつと説明してください。
  37. 根道廣吉

    根道政府委員 ただいまのところほとんどかわつておりません。
  38. 林百郎

    ○林(百)委員 数字を出してみてください。具体的に六月前と六月後の支払い状況を。
  39. 根道廣吉

    根道政府委員 今六月前と後の比較の質問でございますが、調査ぜずには申し上げられません。
  40. 林百郎

    ○林(百)委員 大体でよいのですがわからないですか。
  41. 根道廣吉

    根道政府委員 ただいま、大体のところならば従来とほとんどかわらぬ、こう申し上げたいのであります。
  42. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、終戰処理費全体ならおわかりでしよう。
  43. 根道廣吉

    根道政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、ただいま施行中の終戰処理費予算というものは、昭和二十五年のものでございまして、それがどう使われておるか、これは事変と直接関係なく一年中進行しているものでありますので、今の比較は私どもとしてはいたしかねるのではないかと考えます。
  44. 林百郎

    ○林(百)委員 それならば、六月の支払いと七、八、九の各月別を、大体三箇月から四箇月でけつこうですから。参考までに昭和二十五年度の四、五、六、七、八、九、十の各月別の払いの数字を出してください。平均でなくて。
  45. 川田三郎

    川田政府委員 各月別の支払いは、私どもも整理しておりますからできるわけでありますが、はなはだ申訳ないですが、本日それを手元に持つておりません。それから、支出額では実際の仕事の状況はおわかりになりにくいと思います。なぜかと申しますと、ある仕事を発注いたしましても、その仕事が完成しなければ支出額に現われて参りません。従つてかりに私は月別の数字は朝鮮事変後別にふえておらないと記憶しておりますが、かりに六月、七月が非常にふえたという支出実績が現われましても、たまたま仕事の完成が、四月なり五月なりに多かつたということになりますれば六月がふえますので、支出実績を出せと仰せになれば支出実績は調査いたしますが、二十五年度と二十四年度の比較をなさいまして、支出がふえておるから朝鮮関係でふえたのではないか、こういう御判断を下されることは危險であると存じます。
  46. 林百郎

    ○林(百)委員 危險か危險でないか、そんなおせつかいなことはいらない。数字を出してくださればいい。何も私の判断をあなたから干渉してもらうことはない。六月幾ら、七月幾ら、八月幾ら、九月幾らというその数字を出してくれたらいい。私がそれをどう判断しようとかまわないでしよう。あなたから干渉される必要はない。
  47. 川田三郎

    川田政府委員 それは御判断にまかせますが、ただ支出実績を出しますことはどうも……。
  48. 林百郎

    ○林(百)委員 ぐあいが惡いなら惡いでいいですよ。
  49. 川田三郎

    川田政府委員 それはこれから計算して出しますが……。
  50. 林百郎

    ○林(百)委員 いや、いいです。
  51. 川田三郎

    川田政府委員 ただ支出実績だけで判断されては……。
  52. 林百郎

    ○林(百)委員 それは判断するかしないかは私の自由、国会議員の自由ですから、政府委員説明さえしてくれればいいじやないですか。
  53. 川田三郎

    川田政府委員 それでは支出実績は後刻取調べましてお答えいたします。
  54. 林百郎

    ○林(百)委員 大分時間も来まして、他の議員に御迷惑をかけてはいかぬと思うのですが、大体今昭和二十五年度終戰処理費の支払い状況は、総額的に言つてどうなつているのですか。昭和二十五年度の全予算のうちの幾らが支払われているのですか。現在千九十二億のうち幾らが支払われておりますか。
  55. 川田三郎

    川田政府委員 終戰処理費の支出済み額につきまして、ただいま十二月分が集計中でございます。十一月末現在のもので、少し資料が古くて恐縮でありますが、四百四十三億七千百万円支出しております。
  56. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、全予算のうちのまだ半分は十一月末では使われていないというわけですね。
  57. 川田三郎

    川田政府委員 予算の支出済み額は全予算に対しまして四二%でございます。
  58. 林百郎

    ○林(百)委員 そうするとまだ十一月末現在で四二%、四割ちよつと越しただけですが、あと一月、二月、三月、もう二日ですが、あと一月、二月、三月で全部使うわけですか。そうすると予算の半分以上のものが朝鮮事変後に使われることになるのじやないですか。
  59. 川田三郎

    川田政府委員 今まで四二%である、あと十二月以降の支出において五八%のものが使われるということでありますが、これはただいま申しましたように、支出は、すでにやりました仕事の支払いの関係でありますから、実際に仕事そのものの発注はもつとよけいに出ております。従つてあと支出されますものがどのくらいになるかということにつきましては、一応年度内に残額全部支出の計画ではおりますが、例年若干の繰越しをいたします。この残のパーセンテージ全部が当年内に支出になるとは想像いたされません。
  60. 林百郎

    ○林(百)委員 支払いの方法についてでありますが、支払いは大体どういうような方法でやられているわけですか。支払いの経過。向うから軍の方からどういうものが来て、どう支払われるか。それを説明願いたい。
  61. 川田三郎

    川田政府委員 支払いは、軍の調達受領書——熟語で、PR、プロキユアメント・レシートでありますが、その調達受領書によりまして、軍がその調達されたものまたは役務、そうしたものを量的に認定いたします。それに対して特別調達局の査定官がこれを査定いたしまして、軍の指示といたしましては、その受領書に表示された数量以上のものに対する支払いは禁止されておりますので、一口に申せば、受領書に表示された以下ですべて支払われる。そのときにいわゆる予算節約の実をあげることができるのであります。すべて受領書がなければ払えないということであります。
  62. 林百郎

    ○林(百)委員 そうしますと、向うの軍の軍費でまかなうべきものを終戰処理費で一時立てかえるというような場合がありますか。
  63. 根道廣吉

    根道政府委員 ただいまのお尋ねは、一時立てかえるような場合がないかということでございますが、現実にはございます。たとえて申しますれば、よく皆さん御存じの追浜あたりでもつて自動車の修理をいたします。あの修理さるべき自動車は外地から持つて参りまして、これを修理いたします。国内の占領軍が使うのでなしに、またこれを外に持つて行く場合があるようであります。その場合に、その修理費の実績は、仕事全体がPDとして行われております関係上、全面的には特調を通じて終戰処理費の財源で支払われますが、後にはそれは米軍の方から払いもとして参ります。またもう一つの例を申し上げますれば、小さいことではありますが、各将校等が家庭使用人を使つている。聞くところによりますと、階級いかんによつてその使用人数も違うようであります。その数を越えて自由に使いたいと思うものは使つてもよろしい。但し、それは使う本人が軍にそれだけの金を差出し、その出された金がまた日本政府に払いもどされて来る。こういうような場合もあるのであります。これらがほとんど終戰処理費の歳入となつて計上されてい  るものであります。
  64. 林百郎

    ○林(百)委員 朝鮮事変とかあるいは作戰費で終戰処理費が立てかえている費用は、今のところみなでどのくらいですか。それからそれが実際向うから入つて来て決済が済んでいる部分、支払い済みになつている部分、それはどうなつているか。
  65. 川田三郎

    川田政府委員 立てかえというものは私どもないと考えております。ただ終戰処理費で支出をいたしましたものについて、軍側から、これは日本国民の税金の負担にすべきものでない、アメリカ国民が直接負担すべきだという観点から、日本政府に対しましてドルを入れてくれます。その内容は私どもうかがい知ることができないのでありますが、従来の各住宅におけるメイド、女中の数が多いものに対する償還その他ございまして、そういうものの軍の考え方がだんだん多く見るようになつた、こう解釈しておりますが、その金額についてここで申し上げることができないのを、はなはだ残念に思つております。
  66. 林百郎

    ○林(百)委員 今長官の言つているところによると、一時立てかえるものがあるというし、あなたの説明では、立てかえるということはないというけれども、私の聞くのは、今いつておるように、日本国民の税金の負担によつてまかなうべきものでないというような、作戰費やいろいろありますね。一時それを終戰処理費で払わして、あとでドルで決済する場合があるわけでしよう。そういうドルで決済すべきもので、軍の方から、これは日本国民の税でまかなうべきものでないと言われているもので、今終戰処理費で払つているものがどれくらいあるかということです。それがドルで決済されてしまつているものがどれくらいあるかということを問いでいるのです。
  67. 根道廣吉

    根道政府委員 今立てかえということが問題になつたようでありますけれども、われわれ立てかえと承知して立てかえておるわけではありませんで、私はただ結果のことだけを申し上げたのでありまして、川田務部長と食い違つておるわけでも何でもありません。今の数字につきましては、われわれといたしまして、過去の実績等により、また軍の方においても、その程度のことはあるのであろうと計上した終戰処理費收入という予定はございます。それは財務部長より答弁いたさせます。
  68. 川田三郎

    川田政府委員 私どもが予定いたしました終戰処理特別收入というものは、二十五年度の補正後の数字といたしまして、百六十億円ございます。二十六年度予算といたしましては、五十七億円予定してございます。二十五年度当初予算は五十二億円ございました。補正で約百億近いものがふえておるわけでありますが、これはただいま御質問になりました性質、つまり朝鮮関係ではないかと言われるものかどうかは、私どもはわからないわけでありまして、軍の一つの見通しとしてこのくらいのものは入れられるであろうという話がありまして、予算に組んだ次第であります。現在といたしましては、そういう総括的の歳入予算が見込まれるということ以上には申し上げかねるわけであります。
  69. 林百郎

    ○林(百)委員 百六十億円のうち、ドル決済で済んでいる部分は幾らですか。
  70. 川田三郎

    川田政府委員 ドル決済で済んでいる金額に対して、私ども今ここで申し上げる自由を持たないことを御承解願いたいと思います。
  71. 西村久之

    西村(久)主査 お諮り申し上げますが、あなたのお尋ねの趣意もわかりますし、特別調達庁の方の答弁の趣意も大体わかるのでありまして、一致するところに行かないようであります。こちらの方では、あなたのお尋ねに対しては、はつきりお答えしにくい段階にあると申されておるのであります。あなたは、立てかえがあるとすれば、どのくらいあるか、その状態はどういうふうになつておるか、こういうふうな支出関係内容を明らかにしたいという御趣意で説明を求められておるようであります。政府の方の側では、その支払い関係等の内容についてははつきり申されないような実情にあると申されておるようであります。従つてあなたの意見に沿うような結論には達しないのではないかと思いますので、この程度にして、必要があればよく取調べを願いまして、他の機会に資料を出していただくことにして、質疑をかわされてはいかがでしようか。
  72. 林百郎

    ○林(百)委員 それでもけつこうですが私はここで判断をしようというのではなくて、終戰処理費関係ではいろいろな問題がありますから、いずれ国務大臣に聞くつもりですが、その資料をここで求めているだけなのです。私は別に自分の判断をもつて聞いているわけではありません。ですから、今言つた、たとえば終戰処理費関係で支払うべきものでないけれども、一時日本の円で立てかえておけといつて、あとなつ向うの軍費で、あるいはECAなんかでドルで決済するということは考えられると思う。ところが、終戰処理費で作戰費や何か一時立てかえて円払いされておるけれども、あとのドル決済が遅れるために、外為なら外為の円のやりくりが困難になるとか、あるいは外為の手持ちのドルが少くなるとか、いろいろ問題が起きて来ますから、それで、大体終戰処理費で立てかえて円払いしたものがどれくらい、ドルに直せばどのくらい、それが向うの軍費で決済が済んでいるものがどれくらいということをあなたにお聞きしたかつたわけですが、それは説明できないのですか。世間では全部数字が出ているのですが……。
  73. 川田三郎

    川田政府委員 御質問の御趣旨はよくわかります。ただ私どもその数字をここで申し上げる自由を持たないと先ほどから言つておるのでありますから、どうぞ御了解願います。
  74. 林百郎

    ○林(百)委員 それじや特調の方はそれでいいですが、外為の方がおいでになりますれば、この軍需調達の形が今問題になつているわけですが、大体円建ドル払いの場合、ドル建円払いの場合、ドル建ドル払いの場合が実際の事務としてどういうふうに行われているか、これをちよつとお聞きしておきたい。
  75. 林實香

    ○林説明員 お答えいたします。軍から支払われる方法といたしまして、私どもの方でわかつております方法としては、直接軍から外貨で払われる場合がまずあります。その場合には、外貨をもらいまして、これには軍の政府小切手で払われますけれども、その政府小切手をもらつた人は、為替銀行へ参りまして、それを買つてもらつて円を受取ります。そうして為替銀行が買いました外貨は、一般の輸出代金と同じように為替管理委員会に集中して参ります。それから軍から円で払われる場合があります。それは軍の方で為替管理委員会の勘定に外貨を払い込みまして、その対価の円を為替管理委員会から軍に払います。そうして軍から円で業者に払うという仕組みになつております。
  76. 林百郎

    ○林(百)委員 その軍から外貨で支払う場合ですが、そういう場合には直接軍から外為へ来るのか、あるいはスキヤツプのコーマシヤル・アカウントに一度払われて、スキヤツプのコーマシヤル・アカウントから外為に必要に応じて払われるのか、その点はどうなつておりますか。
  77. 林實香

    ○林説明員 ただいまお尋ねの、まず軍から外貨が払われて、為替管理委員会から軍に円を払う場合の方法は、詳しく申し上げますと、まず外貨はスキヤツプのコマーシヤル・アカウントに入ります。そのときに為替管理委員会は円を軍に払います。
  78. 林百郎

    ○林(百)委員 コマーシヤル・アカウントから外為へ来る場合には、これはこちらが要請して向うがやつてくれるのですか。本来ならすぐ軍から外為へ来れば問題ないのですが、そこにスキヤツプのコマーシヤル・アカウントに一度入りますから、そこで停滯してしまつて、スキヤツプならスキヤツプ名義でまたナシヨナル・シテイ・バンクならナシヨナル・シテイ・バンクに預金してあるわけで、外為の方としては手持ちの外貨がなくなつて来たところ、向うがやつと出してくれるという形になりますか。それとも、当然軍が払うべきものは外為へすぐ払つてくれて、その中間にスキヤツプのコマーシヤル・アカウントがあるために、外為の手持ちの外貨がいろいろ左右されるというような事情はないのですか。
  79. 大久保太三郎

    ○大久保(太)政府委員 お答え申し上げます。お尋ねの総司令部勘定というのは、元来政府輸入の際にスキヤツプに設けられた勘定でございますが、現在はスキヤツプ自体のコミツトメントが多少残つているわけです。それで若干の残高がございますが、その金額はきわめて少い。今のお尋ねの、ドルが連合軍の方から一応スキヤツプ・コマーシヤル・アカウントに払い込まれますけれども、ときぞれ外為勘定の方に移しかえをしてもらつておるわけです。外為勘定のドルの需要に応じて随時移しかえをいたしておるわけであります。
  80. 林百郎

    ○林(百)委員 大体外為で管理権を持つべき外貨で、まだコマーシヤル・アカウントに入つているのはどれくらいあるのですか。
  81. 大久保太三郎

    ○大久保(太)政府委員 現在におきましては、スキヤツプ・コマーシヤル・アカウントの残高というものはほとんどございません。
  82. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、外為が手持ちすべき外貨は全部外為が持つている。向うから支払いを求めるべきものはないというふうに解釈していいのですか。
  83. 大久保太三郎

    ○大久保(太)政府委員 さようでございます。
  84. 林百郎

    ○林(百)委員 今外為で持つているドルはどれくらいありますか。
  85. 大久保太三郎

    ○大久保(太)政府委員 昭和二十五年度末におきまして、外為勘定及びスキヤツプ勘定込めまして、ドルが四億六千四百万ドル、ポンド貨が約二千万ポンド、ドル換算にいたしますと、約五千五百万ドルであります。
  86. 林百郎

    ○林(百)委員 最後にお聞きしたいのですが、実は御存じの通り、軍需というか、PD関係の産業でつなぎ資金を非常に求めている。というのは、仕事をし、製品を軍に納めても、軍の方のドルが入つて来ない。またドルが入つて来ても、コマーシヤル・アカウントにとまつている。外為の方ではそう円資金だけを出すわけにも行かないというような問題で、今特需関係の産業ではつなぎ資金の問題で、非常に資金が枯渇しているという問題が起きておるのでありますが、われわれの調査によりますと、大体軍需関係で払つてもらうべきものが一億二千六百七十二万ドル、これは大体十月の調査でありますが、一億二千六百七十二万ドルの支払いを受けるべきものが、実際はドル建ドル払い、ドル建円払いで、まだその二割程度の二千八十八万ドルの支払いしかない。このために外為の方の円資金にしてもなかなかきゆうくつになつておる。特需産業の方は、資金が枯渇してつなぎ資金を求めなければならないという状態になつておるのでありますが、あなたの言われるのでは、軍の支払うべきものはすぐ支払われ、コマーシヤル・アカウントには何ら残りもない、すぐ外為へ来て、そこは十分円滑に、払うべきものは払われ、外為のとるべきものはとつておるというふうになつておるわけです。そうすると、特需関係の資金がこんなに枯渇するはずはない。そこにやはりきゆうくつなところや、こういう不便な点が何かあるんじやないですか。
  87. 大久保太三郎

    ○大久保(太)政府委員 特需の契約がなされました後に、支払いの段階になりまして、円もしくはドルの小切手で支払われる。その間に契約済みであるが、支払いは未済だというものはもちろんございましよう。しかし支払いが行われましても、先ほど申し上げましたように、一応スキヤツプ勘定に記帳はされますが、その残高を外為勘定のドルの需要に応じまして随時つけかえをしてもらつておるわけであります。外為会計の運営自体におきましては、別にただいま御質問のように滯りは生じておらない。なお特需の契約高——大体概算として承知いたしておりますが、昨年の十二月末におきまして一億八千二百万ドル、契約の累計でございますが、すでに十二月末に支払いの行われておりますのが七千五百万ドルございます。差引支払未済が一億強であります。この状況から見ましても、別にこの特需の支払いが非常に遅れているということは、私ども承知いたしておらないのであります。
  88. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、あなたのお話によつても、契約高が一億八千二百万ドルで、そのうち支払われたものが七千五百万ドル、契約はあるが、まだ支払い未済のものが一億ドルあるというお話ですが、そういうわけですね。
  89. 大久保太三郎

    ○大久保(太)政府委員 そういうふうに、私ども、資料によつて承知しておるわけであります。
  90. 林百郎

    ○林(百)委員 そこで、それが契約だから支払わなくてもいいのだ、契約が完成されたときに、支払い義務が発生するのだから、まだ支払わなくてもいいのだ、だから一億ドル余りのものが支払われなくても、これは契約なのだから、こちらの義務を達成するまでは支払わなくてもいいのだというが、その契約の内容が、実はすでに製品として軍に納めているけれども、軍は日本の国からそれを持ち出した場合に、初めて軍の調達物資となつて支払うという問題があるとか、そういう関係で、実際は納めているのにかかわらず、まだ契約の段階だというようなことで、ドルの支払いが遅れておるという事態については、外為としては、御存じないわけですか。
  91. 大久保太三郎

    ○大久保(太)政府委員 契約だから支払わぬでもいいということは申せないと思います。しかしただいま申し上げましたのは、今の統計で見ましても、支払いが相当円滑に行われているのではないかということを、私ども感じるということを申し上げたのです。それ以上のことは、外為といたしましては存じません。
  92. 西村久之

    西村(久)主査 庄司一郎君。
  93. 庄司一郎

    ○庄司委員 特調長官に念のためにお伺いしておきたいことは、本委員会ではございませんが、他の委員会に、宮城県船岡町の特殊工場に働いておらるる労務者諸君より、その労務者の後援会の方より請願が出ておりまして、特別な手当の支給がほしいという請願が出ておるのに対し、いろいろ特調では現地に人を派遣して、実地を御調査になられておつたのでありますが、その結果、労務者に対し、特別の手当を支給する旨に御内定といいましようが、決定されたように聞いておりますが、念のために公式に、ごく簡單に、そうなつたらなつたとだけでけつこうでございますが、簡單な御答弁を願つておきたい。
  94. 根道廣吉

    根道政府委員 ただいまお尋ねの件につきましては、特調といたしましても、ただちに調査いたしまして、特殊の手当を出すべき事態にありと認めましたので、その当時にさかのぼりまして、支給いたすように、すでに決定をいたしております。
  95. 庄司一郎

    ○庄司委員 それでよろしゆうございます。  皇室関係予算に関連して、宮内庁の係の方にお伺い申し上げておきたい。ただいま議題となつておる皇室関係予算一億四千四百余万円ですか、これはあなたの方で大蔵省に予算要求された全額が認められた結果の額でありますか。あるいはこの上の必要なる経費ありとお認めの上において要求された予算のうち、若干削減されて、この程度に結局歩み合いをされた予算であるかどうかということを、当初お伺い申し上げたいと思います。
  96. 近藤直人

    近藤(直)政府委員 お答えいたします。先ほど御説明申し上げましたように、皇室費内廷費宮廷費皇族費の三本立てになつております。当初大蔵省に対しまして、皇室費予算計画いたしまして要求いたしたのでございますが、もちろんその計算の基礎におきましては、ただいま確定いたしました予算とは相違いたしております。しかしながらこれは国家予算の御都合もありますことで、宮内庁当局といたしまして、国家の事情も考えまして、大体この程度で納めるという金額でございます。必ずしも金額そのものには満足はいたしておりませんが、やむを得ないものと考えまして、一応決定いたしました数字でございます。
  97. 庄司一郎

    ○庄司委員 もう一点ほど伺つておきたい。それはただいまの御答弁で御趣旨はよくわかりましたが、皇室におかれては、以前は国会が終了した場合は、国会議員の慰労の会のようなものを持たれておられたことは御承知の通りであります。ただいまの、皇室財産のほとんど全部を失われた宮中においては、ほとんど貧しい御生活であられて、さようなことをなしあたわない財政状態にあると了承しておるのであります。従つて必要なるところの皇室経費は御遠慮なく要求されてよろしい。それがわれわれ日本国民の感情であります。それに関連してお伺いしたいのは、皇居内の荒廃したる荒地を整理するために、全国より青年団あるいは婦人会、あるいは七十歳以上の老人まで、宮城地内におけるところの奉仕作業に、三百六十五日、終戰後やつて来られておる。これはまことに尊い伝統的な日本国民国民感情であると考えて、私は非常に感激しておるのですが、そういう奉仕作業の人員が終戰後——大体概算でよろしゆうございます、何万人あつたか、あるいは前年度においてどのくらいあつたか。毎日平均どのくらいの奉仕者があるか。またそれらに対してどういう待遇をなされておるか。私の申し上げる待遇というのは、何も記念品をやれとか、あるいは報酬をやれとかという意味ではありません。番茶一ぱいでけつこうである。もとより何らの報酬も望まずして、今申し上げたような国民は、奉仕を喜んで、非常な感激のうちに奉仕作業をしておるのでありまするが、そういう関係、ただいま伺つたような関連事項について、この際この予算を審議する必要上、参考資料として材料があれば承つておきたいと思います。
  98. 近藤直人

    近藤(直)政府委員 お答えいたします。ただいまの数字を申し上げる前に、皇室費予算については決して遠慮なしにたくさん要求したらどうかというありがたいお言葉でございますが、実は皇室予算をわれわれが確定いたします前に、皇室経済会議がございまして、その皇室経済会議におきまして、大体の大綱をきめるわけでございますが、その際に、実は経済会議の各委員からも、ただいまお尋ねのような御意見がございまして、皇室に御不自由をかけることなく、必要な経費要求するようにというお言葉がございました。それにつきましてわれわれ宮内庁当局といたしましても、お言葉の線に沿いまして、昭和二十七年度予算の策定の際には、ぜひともいま少しゆとりのある予算作成したいものとただいまから準備いたしておるのでございます。今回は内廷費予算を二千八百万円から二千九百万円に百万円増額いたしました。これは政府職員の給与基準の引上げに伴いまして増加した分でございます。つまり内廷に所属しておりまする使用人の給料をベース・アツプしたのみでございます。同様に皇族費におきましても、お一方の生活費が六十五万円と相なつておりますものを、今回七十三万円に引上げましたのは、これも皇族が御使用になつております使用人の給与の引上げの経費でございます。従いまして内廷費におきまして百万円の増、皇族費におきまして四十二万円の増という、わずかな増額に相なつておるのでございます。ただいま御意見もございましたように、昭和二十七年度におきましては、ぜひともいま少しゆとりのある予算を編成いたしたいものと、われわれただいまら準備をいたしておる次第でございますが、昭和二十六年度予算はただいま申し上げましたように、政府職員のベース・アツプに対応しまして、皇室の使用人の給与を引上げるという程度にとどまつた次第でございます。  次に皇居内の勤労奉仕の御質問でございますが、仰せの通り昭和二十年の十二月に、皇居が相当荒れておりますることを伝聞しました宮城県民の一部が、皇居の整理、清掃を奉仕したいといつて参りましたものが、そもそもの始まりでございました。爾来日々各地方から数箇団体が皇居内に参りまして、たしか三泊四日と思いますが、皇居内に宿泊いたしまして、勤労奉仕をいたし、焼跡の整理、除草、溝掃等に従事いたしておるのでございます。これは宮内庁が決して慫慂しておるのでも何でもないのでございまして、全国の方々が率先勤労奉仕に参られて、実は宮内庁当局におきましては、その整理に困るというような実情でございます。宿泊所の設備の関係もございますので、一応数を限定いたしておりますが、すでに本年は予定がほとんど一ぱいに作成されておるというような状況でございます。試みに、団体数並びに人員を申し述べますと、昭和二十一年は百八十九団体、実人員が一万五百二十七名、昭和二十二年は三百二十三団体、実人員が一万六千百四十一名、昭和二十三年は四百三十五団体、実人員が一万七千九百四十八名、昭和二十四年は六百三十九団体、実人員が実に二万六千四百八十三名に上つております。本年は、これは十月末までの数字でございますが、すでに五百二十六団体、一万八千八百七十名というものが目々皇居内の勤労奉仕に従事いたしております。地方からの熱望はこれを拒むというわけには参りませんので、できるだけ御希望をいれまして、清掃その他の仕事に従事していただいておるのでございますが、何分にも設備その他の関係から、お断りする向きもあるかと存じますが、この後とも勤労奉仕の数はますますふえて行くのではないかと考えております。まことにわれわれといたしましてはありがたいことと考えております。
  99. 西村久之

    西村(久)主査 質問の要点を簡單に、答えもまた簡單にお願いします。
  100. 庄司一郎

    ○庄司委員 きわめて簡單にお伺いいたします。御答弁によつて、国民の燃えるような感激に満ちた勤労奉仕団体の近況を承りまして、力強く感じましたが、財政がもし許さるるならば、さような諸君に何らかの記念品でも贈呈するというようなお考えはありませんか。たとえば両陛下の御写真を絵はがき大のものにして、経費はきわめて格安のものであると思いますが、そういうことが望ましいと考えております。  またもう一つ御意見を承つておきたいのは、宮城県のみくに奉仕団その他の勤労作業をされた青少年の団体が、一人当り五円か十円の浄金を全国的に出し合つて、皇居の中に、両陛下のためにささやかなる住宅を献納したい、こういうような希望に燃えて、請願が来ておりまするが、かような場合において、あなたのお役所はどういう処理をなされるものであるか、あらかじめ承つておきたいと思います。
  101. 近藤直人

    近藤(直)政府委員 お答えいたします。勤労奉仕団に対しまして、何か記念の品をというお話でございますが、宮内庁当局といたしましても、さような運びになりますればはなはだけつこうであると思いますが、何分にも数が多うございますし、いろいろ研究の必要があるかと思います。その点につきましては、帰りまして十分検討いたしたいと思います。  次に請願のお話でございますが、その点につきましては、実は私の聞いております範囲におきましても、各方面から陛下のお住居をつくるために寄付をいたしたい、あるいは基金を募りたいというお話を承つております。ただいま陛下は、戰災によりまして皇居が炎上いたしましたために、非常にお手狭な御文庫と申し上げるところにお住いでございますが、私ども実にこの御質素なことに恐懼する次第でございますが、かような請願につきましても、いろいろ各方面の関係もございますので、にわかにこれを受け入れるという運びには至らないと思います。この問題につきましては、政府におきましてもいろいろ研究いたまして、国民の熱誠に対しましては、これは受入れ方法等の具体的な問題になりますといろいろ研究の問題もあり、その点につきましては帰りましてよく上司にお伝えいたしたいと思います。
  102. 西村久之

    西村(久)主査 内閣及び総理府所管についての説明を先ほど政府委員の出席が遅れましたためにあとまわしにしてあります。この際この説明を願つて一括議題として審議いたしたいと思います。齋藤政府委員説明を求めます。
  103. 齋藤常勝

    齋藤(常)政府委員 前後いたしまして恐縮でございますけれども、ただいまから昭和二十六年度内閣所管歳出予算について、その概要説明いたします。昭和二十六年度歳出予算額は三億六千二百二十四万一千円でありまして、これを前年度歳出予算額三億五千五百九十八万九千円と比較いたしますと、六百二十五万二千円を増加いたしておるのであります。本歳出予算に計上いたしました金額行政部費でありまして、これは内閣官房、人事院等の事務執行に必要な経費であり、前年度と大差ございません。  次に総理府所管歳出予算についてその概要説明いたします。昭和二十六年度歳出予算額は三千二十四億六千六百八十五万三千円でありまして、これを前年度歳出予算額二千四百九十五億四千六百五十四万八千円と比較いたしますと、五百二十九億二千三十万五千円を増加いたしておるのであります。  以下各部にわけて説明いたします。本歳出予算に計上いたしました金額は、行政部費三十二億六千六百五十八万千円、司法及び警察費二百八十一億九千三百三十五万千円、産業経済費五百億九千七百六十九万四千円、公共事業費七十五億二千二十万九千円、地方財政費千百億三千八百六十七万円、終戰処理費千二十五億六千三百二万八千円、解除物件処理費一億千七百七十九万五千円、特殊財産処理費一億六千四百四十万五千円、賠償施設処理費五億五百十二万円、合計三千二十四億六千六百八十五万三千円でありまして、その主要なるものについて事項別に申し述べますと、警察予備隊に必要な経費百六十億円、国家地方警察に必要な経費百二十一億五千八百七十万九千円、地方財政平衡交付金に必要な経費千百億円、外国為替資金特別会計繰入れに必要な経費五百億円、電波監理に必要な経費十一億三千九百七十五万三千円、終戰処理に必要な経費千二十五億六千三百二万八千円、北海道開発関係の公共事業に必要な経費七十五億二千二十万九千円等であります。  その概要を申し述べますと、警察予備隊に必要な経費は、昭和二十五年八月政令第二百六十号警察予備隊令により設置されました七万五千人の警察官をもつて構成される部隊維持、医療施設の充実、通信施設整備及び営繕等のために必要な経費でありまして、前年度に比較して四十億円の減少になつております。  国家地方警察に必要な経費は、国家地方警察本部において裝備品の購入、通信施設維持改修及び新設、管区本部において通信施設維持運営及び新設、都道府県警察除において裝備品の購入維持、集団不法行為取締り、犯罪捜査及び鑑識施設整備運営、警察学校においてその維持運営及び教育の実施等に必要な経費であります。  地方財政平衡交付金に必要な経費は、地方公共団体の財政需要と課税力とを勘案して必要な財源を付与するとともに、住民の地方税負担と地方行政内容との平衡をはかるために必要な経費でありまして、前年度に比較して十五億円の増加なつております。  外国為替資金特別会計繰入れに必要な経費は、外国為替資金特別会計法案規定によりまして、外国為替資金の資本を補足するために必要な経費であります。前年度に比較して四百億円の増加なつております。  電波監理に必要な経費は、電波監理委員会において中央、地方を通じ、曲線通信施設の許否、監督及び検査、電波監視等のために必要な経費であります。  終戰処理に必要な経費は、連合国軍の需要する建造物及び設備の営繕物資及び役務の調達等並びに終戰処理に関する一般事務取扱いに必要な経費であります。このうち、事業費は、九百九十億八千万円でありまして、前年度に比して約六十五億円の減少となつております。  北海道開発関係の公共事業に必要な経費は、北海道における河川、山林、土地改良、開拓及び道路事業等のために必要な経費でありまして、昭和二十六年度から一括して総理府所管に計上されることになつたものであります。これを前年度に比較いたしますと、事業費において約二十億円の増加なつております。  次に総理府所管特別会計歳入歳出予算について説明いたします。  外国為替資金特別会計においては、歳入十七億五百九十万六千円、歳出十七億五百九十万六千円でありまして、歳入のおもなるものは、外国為替等売買差益及び外国為替資金に属する外国為替等の運用收入でありまして、歳出のおもなるものは、日本銀行に対する事務委託費及び国債整理基金特別会計への繰入金等であります。  以上をもつて昭和二十六年度内閣及び総理府所管歳出予算概要について御説明いたしました。なお詳細につきましては、すでに御説明申し上げた点もございますけれども、関係政府委員から、御質問によりまして御説明申し上げることにいたしたいと思います。
  104. 林百郎

    ○林(百)委員 一、二点お聞きしたいのですが、警察予備隊関係ですが、昨年度は二百四十億ですが、ことしは百六十億で、これで七万五千の人をやるのですか、どういう経理になつておるのですか。
  105. 江口見登留

    ○江口政府委員 来年度の百六十億の内訳簡單に申し上げますと、人件費が八十六億五千四百万円であります。物件費が二十八億二千八百万円、合計で百十四億八千二百万円であります。これが経営費でございますが、臨時費の方は四十五億一千八百万円、合計百六十億となつております。
  106. 林百郎

    ○林(百)委員 二十五年度人件費は幾らですか。
  107. 江口見登留

    ○江口政府委員 本年度人件費は四十三億になつております。
  108. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、八十六億というのは一年分になるから倍になるということですね。それから人員は増加する予定ですか。
  109. 江口見登留

    ○江口政府委員 人員の増加は目下のところ考えておりません。
  110. 林百郎

    ○林(百)委員 緑屋に三十万着の警察予備隊の服を注文しておるというようなことがありますが、これは事実はないのですか。
  111. 江口見登留

    ○江口政府委員 そういう契約はいたしておりません。
  112. 林百郎

    ○林(百)委員 それからこれの持つておる裝備ですが、カービン銃だとかいろいろありますが、こういうものはアメリカの方から貸与されているのですか、買つたのですか。
  113. 江口見登留

    ○江口政府委員 武器につきましては、全部貸与を受けております。
  114. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、それはただで借りているわけですか。
  115. 江口見登留

    ○江口政府委員 無償であります。
  116. 林百郎

    ○林(百)委員 その無償で借りている武器をひとつ言つてみてください。
  117. 江口見登留

    ○江口政府委員 カービン銃が大体隊員各自に渡るようになつております。それから少数の軽機が貸与されております。
  118. 林百郎

    ○林(百)委員 そのほか本年度なつて新たに貸与を受けるとか、あるいは購入する兵器は考えておりませんか。
  119. 江口見登留

    ○江口政府委員 それ以上のものは、ただいまのところ考えておりません。
  120. 林百郎

    ○林(百)委員 向うからも話はないのですか、こういうものの裝備について……。
  121. 江口見登留

    ○江口政府委員 それ以上の裝備については、まだ話はございません。
  122. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると訓練は、たとえば航空の訓練だとか、あるいは川を渡る訓練だとか、あるいは戰車隊というのがありますが、訓練だけしておいて、武器は持たぬわけですか。
  123. 江口見登留

    ○江口政府委員 航空関係の訓練などはいたしておりません。それから戰車関係の訓練などもいたしておりませ  ん。
  124. 林百郎

    ○林(百)委員 これは私の長野県の松本ですが、戰車部隊といつて戰車の訓練をしておるのです。それから航空訓練はヘリコプターの訓練をしておるのですが、あなたは御存じないのですか。
  125. 江口見登留

    ○江口政府委員 そういう訓練は正式に行われておるものじやございませんで、ただ将来を予想してかどうか存じませんが、われわれの本部としては存じない名前が臨時に使われておるのがありますが、それはわかり次第順次訂正いたしております。
  126. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると戰車部隊だとか、あるいは架橋部隊だとか、そういうものが臨時に使われているわけなんですね。将来は一応そういうことを考慮して使つていたのだが、外聞が惡いから直さしたわけですか。
  127. 江口見登留

    ○江口政府委員 工科部隊につきましては訓練いたしております。しかし戰車部隊というものはつくる予定がございませんので、それは何かの間違いではないかと思います。
  128. 林百郎

    ○林(百)委員 現に松本では戰車部隊ということで訓練をしておるのです。そうするとこれはどうなるのですか。将来戰車を持たせる意思は絶対にないのですか。
  129. 江口見登留

    ○江口政府委員 その意思は絶対にございません。
  130. 林百郎

    ○林(百)委員 絶対にない——そうすると戰車も持たせないし、航空訓練もしない、これ以上兵器は重裝備にする意思は絶対にないのですか。
  131. 江口見登留

    ○江口政府委員 ただいまのところさよう考えております。
  132. 林百郎

    ○林(百)委員 それから給与の問題ですが、最初五千円、二年目に六万円ということですが、これは守られておりますか。現に聞きますと、平均五千円ということで、一部が手渡しになつているので、非常に生活費に窮迫して、家からかえつて仕送りを受けておるというような者もある、二年目の六万円というのも、これはいろいろの条件があつて、たとえば無事故で二年間通さなければもらえない、ということで実際は手に入らないというようなことも聞いておるのですが、これはどうですか。
  133. 江口見登留

    ○江口政府委員 一等警察士補以下の平均が五千円以上になつております。一番低いものが四千五百円でございます。それから二年間無事故で勤めますれば六万円支給されるごとにかわりございません。
  134. 林百郎

    ○林(百)委員 それから無事故というのは、たとえば遅刻して来るとか、そういうような非常にこまかいことでも事故の中に入れられて実際は六万円がとれないじやないかというような話がありますが、その点はどうですか。それから二年たつて自由にやめたい人は何らの束縛なしに自由にやめられて、六万円もらえる保障があるかどうか。
  135. 江口見登留

    ○江口政府委員 あまりこまかい事故につきましてはそれを減額するというようなことは考えておりません。しばしば懲戒を受けた場合には減額することがあるぞというわけでございます。そういうような遅刻などを織り込んで減額することはございません。二年たちましてやめたい者は自由にやめさせます。
  136. 林百郎

    ○林(百)委員 もう一つお伺いしたいが、警察予備隊の中に外国人の指揮官というか、外国の部隊の人が入つて来ておりますが、これはどういうわけで入つて来ておるのか、また操典はこの前大橋法務総裁に聞きますと、大体アメリカの操典がそのまま翻訳されたものが入つておるが、これは訂正しなければならないと言われましたが、その後どうなつておるか、その点をお聞きします。
  137. 江口見登留

    ○江口政府委員 武器の貸与を受けております関係上、その操法とか、性能とかにつきましては、当初の間はアメリカのアドヴアイザーにいろいろ指示を受けております。それから操典につきましても、日本にただちに適用できるようなものを持つておりませんので、一応アメリカ側で使つております操典を翻訳して、参考程度にほんの一部幹部級に持たせまして、今それによつて訓練をやつておりますけれども、それは日本的なものに暫時切りかえます。
  138. 林百郎

    ○林(百)委員 結論を申しますと、武器はアメリカの武器を貸与されて、アドヴアイザーは武器が向うから貸与されておるから、アメリカの人が来てアドヴアイスして、操典は目下のところはアメリカの歩兵操典でやるというと、大体小型アメリカ軍隊をつくつておるというようなことになるのですが、実際そのようなことになるのですか。
  139. 江口見登留

    ○江口政府委員 当初の間はやむを得ないかと思います。暫時日本式に切りかえて行きたいと考えます
  140. 西村久之

    西村(久)主査 ほかに質疑はございませんか。——御質疑がなければ、これをもつて昭和二十六年度予算の各案中、本分科所管予算についての質疑は終了いたしました。  この際お諮りいたします。当分科会における討論採決は予算委員会に譲るべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 西村久之

    西村(久)主査 主査異議ないものと認め、さよう決定いたします。  これにて散会いたします。     午後零時三十七分散会