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1951-06-02 第10回国会 衆議院 本会議 第46号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年六月二日(土曜日)  議事日程 第四十五号     午後一時開議  第一 電気料金合理化に関する決議案三木武夫君外百二十七名提出)(委員会審査省略要求事件)  第二 退職金及び退職積立金に対する課税廃止決議案三宅正一君外三名提出)(委員会審査省略要求事件)  第三 国民金融公庫拡充強化に関する決議案夏堀源三郎君外二十四名提出)(委員会審査省略要求事件)  第四 領土問題に関する決議案植原悦二郎君外十八名提出)(委員会審査省略要求事件)  第五 国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第六 自転車競技法を廃止する法律案河田賢治君外二十四名提出)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  教育公務員特例法の一部を改正する法律案両院協議会成案参議院送付)  産業教育法案(本院提出参議院回付)  住民登録法案(本院提出参議院回付)  鉄道建設審議会委員指名鉄道建設審議会委員任命につき同意の件  地域給実施に関する緊急質問松澤兼人提出)  日程第一 電気料金合理化に関する決議案三木武夫君外百二十七名提出)  日程第二 退職金及び退職積立金に対する課税廃止決議案三宅正一君外三名提出)  日程第三 国民金融公庫拡充強化に関する決議案夏堀源三郎君外二十四名提出)  日程第四 領土問題に関する決議案植原悦二郎君外十八名提出)  国鉄輸送力整備に関する決議案前田郁君外二十五名提出)  日程第五 国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第六 自転車競技法を廃止する法律案河田賢治君外二十四名提出)  医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案青柳一郎君外十三名提出)  覚せい剤取締法案参議院提出)  請願日程 元軍人老齢者恩給復活に関する請願外千六百五十一請願  川町の地域給指定に関する請願外百十八請願会期延長の件     午後四時五十三分開議
  2. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 参議院から教育公務員特例法の一部を改正する法律案両院協議会成案が送付せられました。この際右成案議題なすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて教育公務員特例法の一部を改正する法律案両院協議会成案議題といたします。両院協議会協議委員議長報告を求めます。石田博英君。     〔石田博英登壇
  5. 石田博英

    石田博英君 ただいま議題となりました教育公務員特例法の一部を改正する法律案両院協議会成案について、協議会経過及び結果を簡單に御報告申し上げます。  協議委員の互選によりまして、議長には不肖私、副議長には倉石忠雄君が当選いたしました。なお参議院側議長堀越儀郎君、副議長矢嶋三義君であります。  協議会におきましては、それぞれ参議院及び衆議院側議決趣旨についての説明を聞きましたが、要するに両院議決相違点は、参議院が本法案政府原案に対して、第一に、結核性疾患のため長期の休養を要する場合における満二年の休職期間を、任命権者が特に必要があると認めたときに満三年まで延長することができるものとしたこと、及び第二に、新たに都道府県内の地方公共団体の設置する学校職員は、昭和二十七年十月三十一日までの間、当該都道府県または当該都道府県内の他の地方公共団体の設置する学校職員とともに、給與勤務時間その他の勤務條件に関し都道府県当局と交渉するための職員団体を結成し、またはこれに加入することができるものとすることに修正したのに対しまして、衆議院は、第一の休職期間延長については、予算範囲内においてこれを認めることとし、第二の職員団体については、政府原案のごとく当分の間給與勤務時間その他の勤務條件に関して都道府県当局と交渉するためには、地方公務員法第五十二條第一項または第二項の規定に基く都道府県または当該都道府県内の地方公共団体の設置する学校職員の、いわゆる單位職員団体の結成する連合体によることをもつて妥当かつ十分とし、参議院修正議決したごとき、都道府県地域を通ずる新たな職員団体はこれを認める必要がないものとしたことであります。  従いまして、両議院の議決は、第二の職員団体の結成の問題については相当大きな懸隔が存するのでありまして、この点についての意見調整は、本来からいえば非常に困難でありまして、協議会においても、双方の議決理由についてそれぞれ活発な質疑や意見があり、さらに天野文部大臣の出席を求めて、種々疑点のあるところをただし、その上でさらに協議懇談を重ねて参りましたが、協議会としては、教育公務員の身分に関する問題でありまする点にかんがみ、本案の成立を希望する空気が強く、文教行政の大局に立つて両者の意見調整に努めました結果、一昨日の協議会において、遂に成案を得る運びとなつたのであります。  成案案文につきましては報告書讓つて、その朗読は省略させていただきますが、その内容について概要を説明いたしますれば、第一点は、結核性疾患のための休職期間については、衆議院議決通り予算範囲内において満三年まで延長することができるものとすること、第二点は、参議院修正にかかる府県地域を通ずる職員団体については、昭和二十七年五月十日までを限りこれを認めることといたしました。二十七年五月十日といたしましたのは、地方教育委員会の設置の範囲について目下政府において検討中であり、それに基いて教育委員会法の一部改正案が次の通常国会提出される予定であるということから、通常会会期終了日等の点を勘案いたしまして、この期日まで府県を通ずる職員団体の存続を認めるという趣旨であります。  以上、簡單でありますが、協議会経過並びに結果について御報告申し上げた次第でございます。(拍手
  6. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本成案賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  7. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて成案は可決いたしました(拍手)      ————◇—————
  8. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 参議院から本院提出産業教育法案及び住民登録法案が回付せられました。この際議事日程に追加して逐次右回付案議題なすに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。      ————◇—————
  10. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) まず産業教育法案参議院回付案議題といたします。     —————————————
  11. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案参議院修正同意諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  12. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて参議院修正同意するに決しました。      ————◇—————
  13. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 次に住民登録法案参議院回付案議題といたします。     —————————————
  14. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 本案参議院修正同意するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて参議院修正同意するに決しました。      ————◇—————
  16. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 鉄道敷設法第六條第二項第一号の規定により、鉄道建設審議会委員指名を行います。     —————————————
  17. 福永健司

    福永健司君 鉄道建設審議会委員指名については、その手続を省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  18. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて議長鉄道建設審議会委員益谷秀次君、根本龍太郎君、佐藤榮作君、吉武惠市君、佐伯宗義君、淺沼稻次郎君を指名いたします。      ————◇—————
  20. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) お諮りいたします。内閣から、鉄道建設審議会委員平山孝君、永野重雄君、杉道助君、湯河元威君、小林中君、太田垣士郎君、島田孝一君、山崎匡輔君を任命するため本院の同意を得たいとの申出がありました。右申出の通り同意を與えるに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  21. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて同意を與えるに決しました。      ————◇—————
  22. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、松澤兼人提出地域給実施に関する緊急質問を許可せられんことを望みます。
  23. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  地域給実施に関する緊急質問を許可いたします。松澤兼人君。     〔松澤兼人登壇
  25. 松澤兼人

    松澤兼人君 私は、日本社会党を代表いたしまして、現在問題となつております地域給早期実施に関する緊急質問を行いたいと存じます。  地域給指定法律案が今回提出未了となりましたことは、何と申しましても政府にとつて重大な黒星であると考えるのであります。御承知のように、人事院は、去る五月十七日、国会及び内閣に対して地域給区分に関する勧告を発表したのであります。この問題は、昭和二十三年十二月、いわゆる六三べースのときから論議されて来たのでありまして、地域区分の不合理性は漸次顯著なものがあり、全国各地より請願陳情が行われておりましたことは、諸君の御承知通りであります。さらに昨年八月、人事院が、物価地域差の減少と、その一部の本俸繰入れを條件といたしまして最高二割五分の五段階制勧告し、しかも政府は、人事院給與改訂を全面的に採用することなしに地域給の五分減らしを断行したために、問題はさらに紛糾して参つたのであります。  われわれは、既得権の確保と、政府とつた千円べース・アツプの不合理性を指摘して、最高三割の六段階制を採用すべきことを主張し、社会党試案を作成して、全国公務員の支持を得ておるのであります。人事院勧告は、われわれの立場とは異なつたものでありますが、全体としては、これまでの不合理がある程度まで是正されておること、朝鮮動乱後の物価高の影響が勘案されておること、CPS特別CPSの資料が考慮せられておることなどの点から、政府はこれをすみやかに実施することが適当であり、さらに足らざる部分は今後の検討にまつべきものであると信ずるのであります。つきましては、この緊急重要なる問題に関し、官房長官大蔵大臣人事院総裁に対して質問をいたし、政府所見を承りたいと存ずるのであります。  まず官房長官に対し、地域区分法律が遂に今国会提出できなかつた理由、今後の見通し等に関し、詳細なる御説明を伺いたいのであります。聞くところによると、一般会計におきましては、物件費の五分の節約によつて必要なる財源は捻出できるが、過般のマーケット声明によるインフレ対策実施因数であるとの話でありますが、はたしてそういう事実があるのか。物件費節約によるものであれば、予算の規模を増大する懸念もなし、勧告全面実施は決して困難でないはずでありますが、御所見を承りたい。予算の問題は大蔵大臣より御答弁願うといたしまして、予算勧告即時実施が困難であるとするならば、政府はいかなる時期に全面実施ができるのであるか。予算の都合で引上げの率を押えたり、新指定地域を削つたりすることは重大なる影響を與えると思いますが、御所見を伺いたい。  なお政府は、最近米価の引上げ電燈料金値上げ国鉄運賃引上げなど、公務員生活を圧迫する種々なる方策をとられるやに聞いておるのでありますが、すでに公務員生活は赤字の累積に悩み、痛切に給與改訂を要求しておるのであります。特に民間給與との開きはいよいよ増大し、これを今にして解決しないならば、能率的な公務の運営は期待、できないのであります。もちろん、給與改訂人事院勧告があつて行わるべきものと存じますが、政府所見を承りたい。  次に大蔵大臣にお尋ねしたい。今回の地域給指定法案提出されないのは、主として予算上の理由によるものと聞いておるのでありますが、その事情を御説明願いたいのであります。もしも人事院勧告を全面的にのむとして、所要予算総額はどの程度になる見込みであるか。かかる公務員生活に重大なる影響のある勧告については、政府はただちに予算補正をなし、国会の承認を求むべきであつて、今日に至るまでこれができなかつた理由、さらに現在補正ができないとするならば、補正予算提出の時期、それに関連して地域給改訂の実施される時期の見通し、以上の諸点について御答弁をいただきたいのであります。  なお国家公務員地域給改訂されるならば、地方公務員法規定に基き、当然地方公務員に対してもこれが準用を見ることとなるのでありますが、地方財政窮乏現状にかんがみ、地方財政平衡交付金の増額の措置がとらるべきものであると信ずるのであります。大蔵大臣は、地方財政委員会より勧告があつた場合に、これを考慮せらるべきであると考えるのでありますが、御所見を承りたい。  最後人事院総裁に伺いたい。人事院は、地域給改訂勧告を出し、六月一日から実施されることを希望しておつたと思うのでありますが、勧告早期完全実施についていかなる努力を拂われたか、伺いたいのであります。私どもは、これまで人事院勧告政府によつてしばしば蹂躙せられたことについて、はなはだ遺憾に思つているのであります。たび重なる失敗は、人事院公務員に対する熱意の欠乏にあるのではないかと思つているのであります。最近人事院の存廃が論議せられていることも、またゆえなしとしないのであります。人事行政の将来について、総裁はいかなる見解を持つておられるか、承りたいのであります。人事官は、上述のごとき相次ぐ失敗に対し、その責任をとるべきであると思うのでありますが、総裁の決意を伺いたいと存じます。  さらに、上に述べた通り公務員生活は、政府の反勤労者的政策の犠牲となつて、いよいよ窮乏をしいられているのであります。人事院は、公務員の利益と福祉を擁護する職責にかんがみ、すみやかに給與改訂勧告なすべきであると思いますが、その調査の進行状態、いつごろ勧告を出されるか、その見通しについて詳細に伺いたいのであります。  以上によりまして私の緊急質問を終ります。(拍手)     〔政府委員岡崎勝男登壇
  26. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) お答えいたします。  政府としては、人事院勧告をそのまま取入れて法律案を作成し、これを国会提出する意向であつたのであります。しかしながら、いまだ関係方面との話合いがつきませんので、残念ながら、ただいまのところ提出の運びに至つておらないのであります。今後できるだけすみやかに勧告案を実現するように努力する所存でございます。  また給與ースにつきましては、人事院におきましても研究しておられることと思いまするが、政府としても、その入手し得る種々の材料に基いて研究を進めております。ただ、まだ具体的のことを申し上げる段階に達しておらないのであります。(拍手)     〔国務大臣池田勇人登壇
  27. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お答え申し上げます。  人事院地域給改訂に関する勧告に基いて所要額を計算いたしますると、一般会計で三億五、六千万円、特別会計で五億四、五、千万円、合計大体九億円でございます。その他国鉄公社專売公社で別に六億円を年間で要します。しかして私どもといたしましては、この人事院勧告をそのまま実行いたすべく法律案を出して折衝いたしたのでありますが、予算につきましては補正を加えずに、一般会計においては物件費節約、あるいは特別会計におきましては物件費その他につきまして節約を加え、また公社につきましては、既定の予算額を繰上げ支給する予定であつたのでありまするが、先ほど官房長官お答え申し上げましたように、関係方面との話合いがまだつかないために、遺憾ながら法案提出ができなかつたのであります。しかして今後の問題といたしまして、補正予算を組んで出すかという問題でございまするが、これは次の臨時国会の開会にあたりましては、補正予算法律案と両方を出す考えでおるのであります。  最後地方財政との関係、すなわち地方公務員につきましても、地域給の支給につきましては相当の経費を要します。この財源平衡交付金から出したらどうかという御意見でございまするが、これは地方財政の状況によつて別途に考えなければならぬ問題だと思います。地方財政におきましては、今年度相当程度自然増收が出ることも期待されるのでありまして、全体の問題として考慮すべきことと考えております。(拍手)     〔政府委員淺井清登壇
  28. 淺井清

    政府委員淺井清君) 松澤さんにお答えを申し上げます。  第一点といたしまして人事院地域給勧告が今日なお実現を見ませんことは、人事院としては努力が足りなかつたのではないかとの仰せでございます。しかとながら、人事院勧告をいたし、ただいま官房長官大蔵大臣から御答弁がありましたように、内閣といたしましては全面的にこれを受諾されて、目下努力中でございまするが、これは人事院といたしましても最善の努力をいたし得たものと考えておる次第でございます。それ以上、松澤さんは、公務員法で許されておる——人事院に対し、いかなる努力を要求せられるのでございましようか。私といたしましては、十分努力をいたしたと考えておるものでございます。  次に給與ース改訂についてのお尋ねでございましたが、今内容を詳細に進行状態につき説明せよと求められるのは、いささか御無理であろうかと存じております。人事院といたしましては、ただいまお示しのような諸般の事情を考えまして、できるだけすみやかに結論に達せんことに努力をいたしておるのでありまするが、いつごろこれが結論に達するかは、ここでお答えを申し上げることはまだできないと存じます。(拍手)      ————◇—————
  29. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第は提出者より委員会審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。  日程第一、電気料金合理化に関する決議案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。河野金昇君。     〔河野金昇登壇
  31. 河野金昇

    河野金昇君 私は、ただいま議題と相なりました電気料金合理化に関する決議案趣旨弁明を申し上げたいと思います。  まず案文を朗読いたします。   電気料金合理化に関する決議案   今回公益業委員会に申請された電気料金大幅値上げは、基礎産業に重大なる影響を及ぼし、物価を混乱させ、国民生活を破たんせしめるものであるから政府は、これを再検討の上合理的に決定すべし。  右決議する。  電気事業再編成案が、もみにもみ抜いたにもかかわらず、與党内の統一を見ることあたわず、遂にポ政令に依存したのは昨年の十一月のことであつたのであります。ポ政令に基く九分割案が成立し、新会社が発足したのは、つい先月のことであつたのであります。電気事業編成の目的として、その当時論議されたことは、企業意欲を高揚して経営合理化をはかる、サービスの改善をする、この二つが大きく取上げられたのであります。再編成の結果、電気料金値上げになるようなことは絶対にない、料金地域差現状より大きくなることはないということは、今日の九電力会社首脳部、すなわち前の配電会社首脳部が、口をそろえて通産委員会その他において言明したところであります。しかるに今日、突如として六割二分から七割五分の値上げ申請の報に接し、産業界並びに国民一般は唖然としておるところであります。この大幅の電気料金値上げは、基礎産業はもとより、全産業に重大な影響を與え、崩壊に瀕する産業さえ続出するであろうと思うのであります。原始産業ともいうべき農業部門においてすら、電気料金値上げは深刻なものがあるのであります。これがために、あらゆる物価は騰貴し、インフレは助長され、国民生活は破綻の危機に瀕するのであります。産業を破壊し、国民生活を無視した、電気事業立場のみを考慮した、独占資本家的な、今回の一方的な大幅値上げには、絶対反対するものであります。(拍手)  新会社の機構を拜見いたしますと、役職員の多いことに、まずあきれるのであります。しかも、吉田人事の拔かりなさを遺憾なく暴露しておるのに驚いたのでございます。すなわち、九州の麻生、東北の白洲と、南北両端を押しえて、電気事業界をわがもの顔に君臨しておる姿は、あたかも吉田家のための再編成であつたごとき観を呈するのであります。(拍手)一体、新会社はいかなる企業努力を続けておるのか、経営首脳部公益事業としての自覚を持つて努力する覚悟があるのか疑わしいのであります。新事業の発足にあたつて何らの努力、くふうをすることなく、国民期待を裏切り、安易なる電気料金大幅値上げの暴挙に出ずるということは恨まなければならないことであります。  今回の値上げ資産評価のためであり、あるいは、電源開発に多額の資金を要するからであるといわれ、また国民も素朴にそのように感じておるのであります。この経済界の不安定な時期に百パーセントの資産、再評価をするということに、そもそも無理があるのであります。電源開発費用を全部消費者に負担させるということも不合理であるのであります。資産評価は他の産業界並にすべきであり、電源開発費用は別途国において考慮すべきであるのであります。もし消費者たる産業界並びに国民一般に負担せしめるならば、事業計画を明確にし、何年後にはかくのごとく豊富低廉なる電力を供給することができるという約束が與えられない限り、一方的な大幅値上げ賛成するわけには絶対に参らないのであります。産業を破壊し、物価を騰貴させ、国民生活危機に追い込む電気料金値上げをする前に、経営者経営合理化をはかり、経費節約し、技術の向上サービス向上及び職員養成等努力をして、資本主従業員一般需用家の三者から大きな信頼を得て初めて公益事業としての経営の安定が期し得られるのであると思うのであります。(拍手)  政府、並びに公益事業委員会は、一方的な電気料金大幅値上げ賛成することなく、日本産業を守り、国民生活を確保するために、合理的に電気料金を決定されんことを望むものであります。これをもつて趣旨弁明にかえます。(拍手
  32. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これより討論に入ります。福田一君。     〔福田一登壇
  33. 福田一

    福田一君 私は、自由党を代表して本決議案賛成の意を表するものであります。  水力電気はわが国に残された唯一の動力資源でありまして、これが開発のいかんは、ただちに産業界の振不振に直結いたしておるものであり、さらにまた電気国民生活に欠くべからざる文化財となつておるのであります。従つて電力事業に対し、国民はこぞつて重大なる関心を寄せておるのであります。これが、さきに問題となつ電気事業編成に対し、国会は申すに及ばず、国民の間に期せずして賛否の両論が起つたゆえんであります。  しかしながら、この問題は、すでに昨年末のポ政令によつてその方向が決定せられたのでありますから、私はここにこれを取上げることはいたしませんが、当時電力編成賛成の態度を表明しておられた配電会社人たちは、あるいはパンフレット、あるいは新聞紙上その他の機会を通じて、外資導入は再編成をするにあらざれば絶望である、電気事業合理的経営によつて電力は豊富となり、低廉となることを取上げて、強くこれを主張しておられたことは、先ほど提案者説明したところと同様であり、国民の記憶に新たなるところであります。しかるに、電気事業編成に関するポ政令が公布せられ、松本委員長以下の公益事業委員が任命せられまして、まず資金の配分と新電力会社の人事が、非常な難航を続けながらもようやく決定せられ、九つの新会社が、五月一日を期して発足するとともに取上げた問題は、先ほども申されたように、電力料金値上げ、しかも六割二分ないし七割五分の大幅値上げであつたのであります。よつて国会においても事の重大性を認め、衆議院では通商産業委員会で、五月初めから数次にわたつて公益事業委員会の松永委員長代理その他関係者を招致して検討を加え、さらにまた、わが自由党といたしましても、昨六月一日の政務調査会において、新会社首脳部を招致して、電力料金値上げ理由説明を求めたのでありますが、これによつて明らかにされたことは、資産の再評価による償却金の増加、人件費の増加と物価の値上り、さらに既設の水力発電設備の修理及び配電設備の整備であります。これらによつて値上げを行わざるを得ないということでありまして、最も重大な電源開発のために事業経営の安定をはかることが必要であるということについては、あまり言及しておりません。これは値上げによる收入によつて水力の開発を行うのではないかという誤解を避けるために、ことさらにこれを取上げておらないのでありまして、かえつて私たちは納得が行かないのであります。われわれは、現行電気料金が戰前の七十倍に達せず、一般の公益事業、すなわちガスの百十五倍、国鉄運賃、旅客の場合の九十二倍、貨物の二百六十六倍、郵便においては、書状の二百六十六倍、はがきの百三十三倍、電報の百三十三倍等と比較いたしまして電気料金が著しく低廉であることは、もとより承知をいたしておるのでありまして、企業が著しく安定性を欠いておることは、電力会社の株価がいずれも五十円の額面を割つておることによつても実証できるのであります。従つて電気料金値上げにここで絶対に反対する態度をとるということは穏当を欠くのではないかと考えるのでありまするが、新電力会社が主張しておる値上げ理由がはなはだ漠然として、数字的な根拠においてもなお多くの不明確な点を残しておるのであります。これを詳細に検討報告することは別の機会に讓りますが、しかし、少くとも新しい電力会社が発足して社内の末端の人事その他も決定しておらず、会社の実上の運営さえ発足しておると見られないときに資産評価を行つて、その償却金を増すために電力料金値上げすることの可否、次に電気事業の公称資本金七十二億円と借入金を合計いたしまして固定資産三百四十三億円を、一挙に三千八百億円と画評価することが妥当なりやいなや、あるいはまた、その償却方法が合理性を持つておるかどうか、次に人件費増加の内容、さらにまた電力事業が必要とする資材の数量及びこれによる値上りの数字、また水火場力発電設備及び配電設備の修理計画の詳細なる内容と金額、水火力発電設備の建設に必要なる資金の計画とその調達方法、また右資金のうち社債、借入金、増資等の自己資金を調達するためには、株価をどの程度に安定せしむべきか等につきまして、明瞭にしてかつ詳細なる説明を行い、国民大衆にこれを熟知せしむべきことは、重大なる新電力会社並びに公益事業委員会の義務であるといわなければなりません。(拍手)  よつて、私は、公益事業委員会並びに新電力会社に対しまして、電気料金値上げについて、一、全需用家たる国民に対しまして、その合理性について親切、簡明、懇篤な説明を行うこと、一、聽聞会においては、できる限り広範囲にわたつて、名地区、各階層の意見を聞き、正論は必ずこれを取入れること、一、通産省、経済安定本部及び物価庁と緊密な連絡をとり、特に電力割当に注意して、わが経済界に混乱を起さぬよう留意することを特に要求いたすものであります。すなわち、電気料金改訂に際しては、その合理的決定を強く要望いたし、あわせて活発なる電源開発を行うべきことを関係者に強く希望いたすものであります。(拍手)  先ほど河野氏より、提案理由説明にあたりまして、人事の問題について一言されたのでありまするが、その中で、私は、一つだけは、はつきりここで明確にしておく必要がある。私たちも、電力編成については、これに対して必ずしも賛成しなかつた者の一人であるかもしれない。しかしながら、吉田一家の人事であるというようなことを言われますけれども、決してそのようなことはわれわれは、認めておらない。特に九州の麻生君の場合においては、立場はあるいは違つておるかもしれませんが、もともと電力会社の監査役であつた。その監査役が必要に応じて会長になつたからといつて、どこが悪いのだ。私は、こういうことを言つたならば、諸君、野党の人が、何か人事を決定されたとき、非常に将来お困りになるだろうと思う。これは私は明確にいたしておきたい。  さらにまた提案理由説明におきまして、今度のこの値上げによつて電源開発費用に充てるのであるというようなことを言われましたが、これは明らかに間違いであります。私は、あの説明には納得いたしません。今回の値上げは決して電源開発費用に使用するのでないことは、皆さん方が、公益事業委員会なり、あるいは電力会社から、ちやんとその数字をとつて見られれば、はつきりわかる。これほど明瞭なることを、ことさらに取上げられたことについては、私は自由党としては反対の立場をとつておるということを明確にいたしておきます。しかしながら、いずれにいたしましても、電源の開発ということを考え、将来の日本の産業の問題を考えますときに、ここにおいて合理的な値上げをすることにわれわれは反対をいたしませんが、少くとも合理性を欠いておるものに対しては、あくまでも国民の代表といたしまして検討を加え、監視を加えるということをここにつけ加えまして、私の賛成演説といたします。(拍手
  34. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 今澄勇君。     〔今澄勇君登壇
  35. 今澄勇

    ○今澄勇君 私は、本決議案が、その表題において電気料金値上げ反対の意味を持つておらないことをまことに遺憾といたしますが、内容を見るに、電気料金値上げ反対の意味を強く主張いたしておりまするので、その意味において、本決議案に、日本社会党を代表して賛意を表するものでございます。(拍手)  わが国産業の基礎であり、国民生活に重大なる影響を與える電気料金決定のごときは、愼重の上にも愼重を期してこれがきめらるべきものであり、国会の審議をも、要すれば必要とすべきものであると考えます。(拍手公益事業委員会は、今般電力各社の値上げ申請を受け、審議中と聞くが、われわれは、一方的な、かかる電力料金値上げには断じて反対でございます。鉄道運賃よりもなお国民生活に重大な影響を與える電気料金は、今後国会の承認を得なければ、公益事業委員会といえども、断じて單独ではこれを決定できざるごとく改めるべきものであることを、私どもはこの際主張いたしておきます。(拍手)われわれは、今回の電気料金の伝えられる値上げ案をながめてみるというと、これは日本の現下の各産業に重大なる影響を與えております。平均して七割の値上げ案であると仮定をすれば、電力料金が生産原価の中で占めるところの割合は、鉄鋼業においては二割二分五厘となり、六・五%の上昇を示します。アルミニウム工業においては二割一分五厘となり、四・五六%の上昇を示します。電解ソーダ工業においては二割四分六厘となり、実に一二%の上昇を示す次第でございます。これを最も国民生活関係のある、農家の要望する肥料工業について見るに、化学工業の一環として硫安工業をこれが代表に選べば、その使用する電力がまことに多量を占めるために、改訂後の電力料金をもつてするならば、その原価に占める電力料金は現行の三倍にはね上り、これがため硫安生産原価は二割の値上げとなり、これが農民に與える影響及びこれが産業界に及ぼす打撃は、まさに深刻なるものがあるといわなければなりません。(拍手)次に一般消費者に與える影響を考えてみますと、生計費においては一・三三%から二・一五五%と、実に二倍の生計費指数を見るのでありまして、電力会社自体としても、この値上げによつて逆効果をこうむるおそれがあるものといわなければなりません。  これに対して、電力会社側の言い分を私どもは調べてみました。電力会社側の料金値上げの根拠となるのは、経理の改善、減価償却の健全化であるといつている。第一に経理については、過ぐる三十六億の含み資産が、国民的な批判を浴びたまま不明瞭な印象を残しておることは、皆さん方も御承知通りであつて、われらは、電気料金値上げに先だち、まず電気事業の経理内容の公開を叫ぶ次第でございます。(拍手)  第二に、われらは、電気会社が申し述べておるところの減価償却は、経理上当然これは認めらるべきものでございますが、現下のわが国経済が特需インフレの傾向にある現在、特に公益事業として基本的な電気料金を一挙に大幅に値上げしてまでこれらの全部の償却を行う必要は絶対にないと考えるのであります。されば、今早急に再評価を行う動機というものは、利潤の増大を必要以上に誇示して媚態を示しつつ、他に目的を持つておるものであると断定せざるを得ないのであります。(拍手)  第三に、われらは、現行の電気料金制度というものが不備であり、不公平であるということを申し述べなければなりません。すなわち、業種別に大口電力の値上りが少く、小口大衆消費のみに値上りが大きく、しかも割当においては、大口消費は非常に有利なる待遇を受けております。なお水力発電で供給できる以上の超過需用量は、主として大口電力がこれを消化するものであります。この料金制度によると、大資本中心主義であり、中小企業と大衆の生活の抑圧をねらつておる電気料金制度といわなければなりません。さらに九分断後の三号調整金の廃止は地域差を増大して、これは地域的な不公平をさらに激化せしめておるものでございます。関東、東北が六割の値上げということになれば、九州、四国は九割の値上げということに必然的に相なつて参ります。われらは、これらの料金制度の公明なる民主化を要求し、かつまた料金地域差の平均化及び豊水、渇水期の不均衡を是正するため渇水期準備金制度を主張いたします。農業電力に対しては特例の配慮と、中小企業振興のための電力に関する特別なる処置を、この際強硬に要望いたしておく次第でございます。(拍手)  これを要するに、これらの矛盾、これらの不公平を是正しないで、今ただちに電力料金の出上げを行うなどということは、その基礎が薄弱で、絶対に国民を納得せしめることはできません。巷間伝えるところによれば、吉田総理と仲のよい松永安左衛門氏とその一統は、電気事業の分断に成功したならば、それらの電気会社の人事を掌握するとともに、次の段階においては料金値上げを断行し、事実上電気事業の独占を計画して、政治的なる陰謀を達せんとしているかに伝えられておりますが、わが党は、電気に関する最近の具体的なる事実が一々これを裏書きするものとして、国民とともに断じて監視を怠らないでございましよう。われらは、引続いてガス料金値上げを指令しつつあるところの公益事業委員会の態度については、断固徹底的なる追究をなし、わが国の物価体系を混乱に陥れるの愚を排撃せんと、全国民大衆とともに立ち上らんと決意いたしておるのでございます。  以上をもちまして、本決議案に対する賛成の討論といたします。(拍手
  36. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 風早八十二君。     〔風早八十二君登壇
  37. 風早八十二

    ○風早八十二君 私は、日本共産党を代表して、ただいま上程せられました、三木武夫君外百二十七名提出にかかる電気料金合理化に関する決議案に対して賛成意見を表明するものであります。  実は、わが党は、休会明け劈頭、小口電力、家庭電燈料金の値下げに関する決議案提出したのでありますが、議院運営委員会で、社民両党提案の本決議案に席を讓ることに決定いたした次第であります。しかしながら、もとより両決議案の論旨には多少趣を異にする点があり、この点を考慮に入れて賛成討論をいたすことを御了承願いたいのであります。  そもそも電力料金値上げ理由は、会社側によれば、資産評価による減価償却費の激増、固定資産税、修繕費、石炭の値上り、給與改訂などによつて生ずる四百億の收入不足を穴埋めするにあるとのことであります。收入不足の原因であるといわれるそれらの費目の見積り自体にも問題があることは、ただいまも河野金昇君、特に今澄勇君並びに自由党の福田君までが述べられておる通りであります。それはしばらくおくとしても、收入不定は当然に料金引上げ理由になるのでありましようか。そもそも收入不足の原因、従つてその責任は、だれにあるのでありましようか。それは日米独占資本の軍拡、再軍備計画自体にあるのではありませんか。今回企てられておるこの電気料金の再度大幅値上げこそは、内外独占資本が相共謀して、その負担の一切を弱い者に転嫁し、あわよくば従来より以上に超過利潤を維持し続けるために、非独占、平和的な中小商工業者、労働者、農民並びに一般電燈消費者大衆に加え来つたところの新たなる挑戦的攻撃であるといわなければならないのであります。もちろん、かくのごとき政策は、今に始まつたことではありません。すなわち第一に、電力割当並びに料金の露骨な階級的配分によつて行われたのであります。軍需大工場を中心とする少数の大口消費者は、年間電力総供給量の六割を受取つて、一の割合で料金を支拂うのに対して、平和的な中小商工業者並びに家庭電燈消費者は、残る四割を受取つて、三の割合、すなわち三倍の料金を負担する仕組みになつているのであります。これを個々の実例について見ますと、会社側の資料による電力一キロワット・アワー当りの原価は二円八十八銭でありますが、━━━━━━━━━━━━━━━━第一線軍需工場たる三菱下丸子工場に対しては一キロわずか一円、━━━━━━━━━━━━八幡製鉄所や、━━━━━━三池染料のごときは、たつた三十銭、まつたくただ同様であります。これに反して、小口平和産業は、一キロ平均五円、一般家庭の定額電燈は、政府委員の言うところによつても六円六十銭、実際は十三円といわれております。━━━━━━━━━━━━━もつと露骨に特典を與えております。すなわち、公益事業委員会の二十六年度需給計画によると、昨年度よりも一億キロワット・アワー近くも割当をふやしておる。しかも、割当超過に対して安い水力料金で済ませておるのであります。平和的中小町工場が、電力制限で仕事にならず、一般家庭、ことに農村では、字も読めない暗い電燈、ラヂオも聞えない低い電圧によつて悩まされておるとき、━━━━━━書をあざむく電燈が輝いて、━━━━━━━には、電気ぶとん、電気ぶろ、電気ストーブ、電気洗濯器、至れり盡せりの電化設備に電力は充満しておるのが嚴然たる事実であります。  不公正な電力割当及び料金は、中小平和産業及び家庭を、常に電力消費制限の不安と、税金にひとしい過重な料金負担に陥れて参りました。これこそは、また電力会社の莫大な利益の源泉であります。日発と九つの配電会社は、二十四年下期決算で復配、二十五年下期決算では一割配当を実現し、自発解散の際には、利益金四億が重役以下に分配されたといわれております。他方、大量に、安価に電力供給を受けておる軍需大経営においても、その利益率は最低二十割、最高二百割に上つておるのは、御承知通りであります。  第二に、この電力割当及び料金の階段的な不公平は、平和産業と一般国民生活を犠牲にすることによつて日本の産業を軍需的に再編成し、日本を━━━━━━━━━━━━━━━する政治的意図と結びついておることであります。なぜなれば、安く、かつ、ふんだんに流される電力は、━━━━━━━━━━━━に義務づけられることは明らかでありますが、これは一体だれが買うのです。初めは米国政府でありますが、その注文はきわめて短期間で打切られるということはマーケット局長、モロー補佐官の声明でも明らかであります。従つて、次の買手は日本政府以外にはありますまい。しかも、日本政府ばかりは、途中で買付をやめることは、軍需独占資本の許すところではありません。その結果、日本みずから━━━━━━━━━━ほかなくなるのであります。━━━━━━━━━━最後に、電気料金の徴收について一言いたします。レッド・パージ後、会社は集金係の補充を行わない。わずかな人数で、めちやくちやに集金をやらせて参りました。例を関配にとりますと、レッド・パージ前には、一人当り受持ち集金割当は月千七百枚であつたものが、現在では二千八百枚、だから、足をすりこ木のようにしまして、晝となく夜となく、雨の日も風の目も日曜も祭日も、自動人形のように歩きまわつて集金しておりますが、それでも、神わざでない限り追いつくものではないのであります。さらに課長や係長は、成績を上げるために、料金滯納の場合、規定の四十五日が来ないうちにどんどん電気を切る予告を発するのです。税金ならば延ばすこともできるのでありますが、電燈なしには一日も生活して行くことができない。食事を減らしても料金会社に納めに行くのであります。この料金がさらに五割、七割と上つた場合を想像してごらんなさい。のみならず、この電気料金値上げは、先ほどからもお話があつたように、新聞にもまた大きく取上げておりますように、一切の日用品物価をつり上げ、鉄道運賃をつり上げ、国民経済、国民生活に新たな大混乱を巻き起すことは、火を見るよりも明らかであります。  以上の事実から、世界平和を愛し、民族の独立を要求する日本国民が、第一に、━━━━━━━━━━━━━━━━━電力割当の即時停止を要求するのは当然であります。第二に、同じ見地から、━━━━━━━━━━━━━━━━一切の法規上及び事実上の特典の停止を要求するのも当然でなければなりません。その反面、第三に、平和的生産を営む一切の中小企業者、中小商店が、電力割当の増加と、料金の五割引下げを要求するのはあたりまえであります。(拍手)第四に、一般家庭が電燈料金の五割以上の引下げを要求し、料金滞納者に対する断線に対して断固闘うのは当然であり、生活困窮家庭が電気料金の免除を要求するのも、これもまた当然かつ正当ではありませんか。労働者階級を先頭に、平和的農民及び中小企業者、一般市民のこの闘いこそは、内外独占資本の━━━━の企てを粉砕し、平和と独立の実現に百歩を進めるものであります。  日本民族の独立、中和の実現のため、あらしに抗して全力を傾倒しつつあるわが日本共産党は、以上の趣旨に基いて本決議案を受取り、これに賛成するものであります。
  38. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) ただいまの風早君の発言中、不穏当の言辞があつたように思われますので、速記録を取調べの上、適当な処置を講ずることといたします。  これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。      ————◇—————
  40. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第二は提出者より委員会審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。  日程第二、退職金及び退職積立金に対する課税廃止決議案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。田中織之進君。     〔田中織之進君登壇
  42. 田中織之進

    ○田中織之進君 私は、ただいま議題となりました退職金及び退職積立金に対する課税廃止決議案について、簡單に提案の理由説明いたしたいと思います。  まず決議案文を朗読いたします。   退職金及び退職積立金に対する課税廃止決議案  政府は、退職金及び退職積立金に対する課税を廃止する措置を講ずべし。  右決議する。  退職金の本来の性質につきましては、あるいは賃金のあと拂いと見るものあり、あるいは慰労金と見るもの等、いろいろ議論はありますが、これを支給せられる退職勤務者にとつては、退職後の生活費に充当するところの金銭であることには間違いないのであります。ことに最近のように就職が非常に困難な時期に、行政整理、産業合理化等の理由によりまして、少くとも自己の意思によらずして退職せしめられる者にとつては、零細な退職手当あるいは退職金は、わずか二、三箇月間の食いつなぎ資金、あるいは再就職までの保障金にすぎないものであつていわば失業保険金の意味しか持たないのでございます。  しかるに、退職金制度も、またこれにかわるべき社会保障制度も、わが国には、いまだ全国的、また全産業に十分確立されておらないのであります。従いまして長い年月にわたつて労働力を消耗し、喪失したところの年とつた労働者、あるいは長年勤労に従事したところの勤労者は、生活の保障なくして、困難なる今日の生活環境にほうり出されるのであいますが、たまたまわずかばかりの退職金、またはこれにかわるべき金銭を支給せられ、それが今後の生活保障に不十分な額でありましようとも、給與所得としてこれに課税せられ、その大半が徴收せられ去る実情にあることは、皆さん周知の事実でございます。  しかるに、健康保険による保険給付は、もちろん課税せられておりません。さらに厚生年金による保険給付として支給を受ける金銭も、租税その他の公課は原則として課せられないのでありまするが、退職金は、その本質において老後の資金となる社会保障制度的な金銭給與であろうとも、その支給者がただ私人あるいは私法人であるがゆえに課税の対象とされておるのが実情でございます。従つて退職金が、社会保障制度の不完全な現在社会保障制度にかわつているその本質的役割を考えまするならば、当然免税とすることに国家も協力すべきであると考えるのであります。しかるに現行税法におきましては、退職金は一般の変動所得と同一に取扱われ、給與所得の上積みとして高率な課税がなされるばかりでなく、その計算方法が複雑なため、單に労資間に無用の摩擦を招き、勤労者の将来の希望と今日の安定を失わしめるのみならず、退職者の生活を圧迫し、社会不安を誘発するおそれなしとしないのであります。  また退職積立金につきましては、これが積立てをなす場合において益金として三五%の法人税が課税せられるほか、同族会社におきましては、さらに五%の積立金課税がなされることに、なつているのでありまして、そのため、社会政策的見地から見て必要とせられる最小限度の退職積立金の積立てをも困難にしているのが実情でございます。  以上申し上げました通り退職金が一般給與所得と異なる特殊性を持つておる事実にかんがみまして、国家的、総合的社会政策の見地より、これを給與所得と切り離した別個の取扱いをなし、退職金及び退職積立金に対する課税を廃止するようにすみやかに処置を講ずることを、強く政府に要望する次第でございます。本決議案趣旨につきましては、行政整理その他自己の意思によらず、しかもすずめの涙ほどの退職金によつて退職しなければならないところの勤労者はもちろんのこと、長年自己の心身を消耗して働いて参りましたところの年とつた労働者、勤労者、あるいは停年でやめなければならない人たちの強い要望でありますのみならず、これは経営者側におきましても一致したところの要望に相なつておるのであります。何とぞ満場一致本案に御賛成あらんことを強く熱望いたしまして、趣旨弁明にかえる次第でございます。(拍手
  43. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。      ————◇—————
  45. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第三は提出者より委員会審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。  日程第三、国民金融公庫拡充強化に関する決議案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。小山長規君。     〔小山長規君登壇
  47. 小山長規

    ○小山長規君 ただいま議題となりました国民金融公庫拡充強化に関する決議案趣旨を御説明いたします。ちなみに、本決議案は自由、民主、社会、共産各党の共同提案であります。  まず決議案の全文を朗読いたします。 国民金融公庫拡充強化に関する決議案   国民金融公庫は、銀行その他の金融機関から資金の融通を受けることを困難とする国民大衆に対し、小口貸付を行う唯一の金融機関であり、金詰りにあえぐ中小企業者及び零細業者の事業の維持に欠くべからざる重要な働きをしている。公庫の資本金は先般二十億円増資されたが、なお不足しており、現在の資金量をもつてしては、借入適格者の半数しか融通を受けられない状況である。   また公庫の支所の設置、職員の採用、勤務條件、経理等の面においても現行制度上、諸種の欠陥があり、公庫の機能の充分なる発揮が臨まれて居る憾が少くない。   よつて本院は、政府に対し、国民金融公庫の拡充強化を計るため、速やかに次の指揮を取ることを強く要望する。  一 公庫の貸出資金の充実を計るため資本金を更に五十億増加すること  二 資金運用部等からの資金の借入の途を開くこと  三 支所設置の制限、職員勤務條件、業務及び会計等の現行制度の欠陥を是正し、将来独立採算制をとることを目途とし、自主運営を強化すること   右決議する。  以上が決議案の全文でありますが、以下、私どもがこの決議案提出するに至つた動機と、決議案内容について御説明を申し上げます。  国民金融公庫は、日本のいずれの金融機関にも見られない特長を持ち、金づまりにあえぐ中小企業者に小口資金貸付を行い、零細業を破滅の危機より救い、また一方には引揚者等に更生資金の貸付を行い、更生の道を開く等、有益な業務を行つておるのであります。その回收成績を見まするに、公庫発足以来本年二月末までの貸付累計四十八億六千七百四十九万四千円に対し、その延滯率はわずかに〇・八%、すなわち千円の貸付に対し八円の延滯にすぎず、その回收成績はきわめて良好であるといえるのであります。試みに延滯の原因を調査してみまするに、債務者の惡意によるものは一件もなく、その大部分が、公庫の職員の手不足、回收、監理に要する旅費等の不足のため、やむを得ず延滯となつておるのでありまして、今後これらの点が解決するならば、延滯を一掃することはきわめて容易なりと考えるのであります、  国民金融公庫は、また厚生省委託の更生資金の貸付をも取扱つております。しかして、この更生資金の回收状況は、遺憾ながら良好とはいわれないのでありますが、この貸付は厚生省の委託によるものでありまして、大部分が引揚者、戰災者に対する特殊な貸付であり、しかもその回收成績の良好でないのは、昭和二十一年より二十三年までの庶民金庫当時の更生資金の貸付が大部分を占めておることに基くものであります。この更生資金の本年二月末現在の状況を見まするに、貸付件数は二十二万九千三百八十四件、貸付金額は二十七億三千五百九十五万四千円に対しまして、延滯件数は十万四千六百十一件、金額において十三億二千九百六十七万三千円で、延滯率四八%、貸付件数百件に対して四十八件の延滯となつておりますが、この回收についても、職員勤務條件が改善されますならば、回收率を相当高めることができると信ずるものであります。  次に国民金融公庫に対する国民期待について申し上げますならば、零細企業者、すなわち金融べースに乗らない業者の公庫に対する借入希望額は、現下の金詰まりをも反映して、その資金能力の五倍、すなわち現行資本六十億に対して三百億に達しているのであります。このうちから調査の上貸付に適すると思われるものは、三百億の申込みに対し四〇%を下らないのでありますから、さしあたり今年中に五十億の増資はぜひとも必要なりと考えるのであります。  次に、現在公庫の役職員国家公務員とされておりますが、人事院においては、いまだ国民金融公庫職員に対する職階級明細書を作成しておりません。このことは、まさにその職務が一般公務員と異なる性質のものであることを裏書するものと考えるのであります。同じく国家資金の融通を業務とする日本輸出銀行、復興金融金庫等の職員国家公務員でなく、刑法等の罰則の適用においてのみ公務員と同様の取扱いを受けるのであります。同じ国家の金融機関でありながら、一方は全面的に国家公務員法上の身分的制限に服し、他方はその制限をまつたく受けないとするほど両者の間に本質的差別ありとは認められませんので、国民金融公庫の職員も、開発銀行及び輸出銀行の職員同様、公務員たる身分を除くべきであります。  なお、公庫を初めこれらの金融機関は、いずれも採算本位に経営すべき公共企業体の性格を持つものでありますから、その組織、運営に対する国の統制は必要最小限にとどめられるべきであり、職員の身分取扱いも国家公務員と同一にすべきものでないと考えられるのであります。  思いますに、公庫以外の金融機関においては、貸付條件として、あるいは出資、強制積立金、あるいは掛金、天引預金等を強要される結果、借入れた資金から相当の額が天引され、全額を使えない実情でありますが、国民金融公庫の場合は、借入資金の全額を使用できるのでありまして、また返済も長期の月賦制度でありますので、真に生きた資金として活用され、零細業者から親しまれておることは、皆様御案内の通りであります。従つて国民金融公庫を拡充強化することは、国民の福祉に偉大なる貢献をなすものであります。これが本案提出する趣旨であります。  以上の決議案に対し、政府の積極的努力を強く要望して、提案趣旨説明を終わります。(拍手
  48. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。      ————◇—————
  50. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第四は提出者より委員会審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。  日程第四、領土問題に関する決議案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。植原悦二郎君。     〔植原悦二郎登壇
  52. 植原悦二郎

    植原悦二郎君 ただいま上程されました、自由、民主、社会党三派共同提案にかかわる決議案につき、自由党を代表してその趣旨を弁明いたします。まずその主文を朗読いたしますことをお許し願いたいのであります。   領土問題に関する決議案   講和の機熟するに伴い、日本の領土問題に対する国民の関心は、日とともに高まりつつある。特に、日本から切離されることの危惧される諸島の住民は、その帰属の問題を、講和に関する唯一最大の関心事としているというも過言でない。   これ等諸島の帰属問題は、一に連合国の決定にまつ外ないが、本来、歴史的、民族的にみて日本領土であると認められる諸島に関する日本国民の要望については、連合国側において特に好意ある考慮が拂われるよう、政府は輿論を尊重し格段の努力を致されたい。  右決議する。  昨今の国際情勢のもと、かかる決議案の取扱いは、議会といたしましても、まことにデリケートの問題でありまするがゆえに、きわめて愼重なる考慮を要すると思います。それゆえに、あるいは諸君に対しては少しくよけいなことであるかもしれませんが、国民全体にもよく御了解を願いたいので、まず冒頭において、私が重要と思いまする二、三の点を申し述ぶることをお許し願いたいのであります。  その第一は、日本が直面している講和條約の問題であります。講和條約の早期締結は全国民の熱望であると断言しても、少しも間違いでないと私は信じております。それゆえに、これに対して少しでも支障のあると思われることは、言葉においても行動においても、すべてこれは回避しなければなりません。そう私は思います。その第二は、日本は負けた国で、ポツダム宣言を無條件に受諾したことであります。自己を最も強く反省することは、やがて他人をして深き同情を喚起せしめ、結局自己に有利に問題を解決せしめ得るものと私は考えております。その第三は、戰後交戰国間に領土の帰属が変更せしめられる場合には、その住民多数の意思を最も強く考慮して解決すべきであるということであります。第一世界戰争後、米国大統領ウィルソンがこれを力説されたところのものであります。これこそは民主主義の原則であり、その実現の手段方法も、民主主義にのつとるものでなければなりません。これは自由を愛する民主主義国家における国際的通念であるとさえ考えられるのであります。  以上申し述べました三点を念頭にひそめて、ここに提案された決議案を考慮いたしたいと思います。  御承知通り、米国は、昨年以来、日本の早期講和條約締結を志し、その指導的地位において熱心に努力されております。ダレス氏のごときは、米国大統領の特派大使として、この問題のために二度までも渡来しておられるのであります。そうして、でき得ることなれば、日本と交戰した十三箇国の国との講和條約さえも考えられているのであります。その複雑微妙なることについても考慮さるべきであります。本二日、ダレス大使は、日本の講和條約締結促進のために渡英されるはずであります。同大使は、さらに進んでフランスへもおもむかれる予定であると承知いたしております。言うまでもなく、ダレス特使のこのたびの渡欧は、従来各国間に存在せし若干の意見の相違を調整して、日本講和條約の最後案を作成する周到なる準備とも思われておるのであります。  かくのごとく、講和の近づくに従い、日本国民としては、日本の領土問題に関して新たな関心を高めつつあることは当然でもありましよう。特に歴史的に、地理的に、血液的に、人情、風俗、習慣、伝統に深いつながりを持つ日本から切り離されると思われる諸島民のやるせなき感情は、察するに余りあります。また取残された四つの島々にいる八千万の日本国民が、血のつながる身内の者の悲境を思う切なる気持は、実に言語に君盡しあたわざるものでありましよう。国民感情と深甚なる交渉を持つ歴史的民族の居住する領土の帰属については、細心の考慮を要することは申すまでもありません。もつとも、これらの諸島帰属の問題は、一にかかつて連合諸国の決定にまつほかはないのであります。幸い連合国は、世界平和を理念とし、民主主義の実現と、自由国家の提携を念願されておるのであります。それゆえに、歴史にかんがみ、本来民族的にも日本の領土と認められる諸島に関しては、愼重に、しかも好意ある考慮を拂われるものと信じておるのであります。(拍手)  これらを検討して政府においても、本決議案趣旨にかんがみ、これに対して格段の考慮と努力とを拂われんことを要望するものであります。何とぞ諸君の御賛同を願います。(拍手
  53. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  54. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。(拍手)  この際内閣官房長官から発言を求められておりますこれを許します。内閣官房長官岡崎勝男君。     〔政府委員岡崎勝男登壇
  55. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) ただいま可決になりました決議につき、一言政府の所信を述べたいと存じます。  従来政府は、種々の機会におきまして、領土に関する国民の要望を連合国に伝えて参つたのであります。また、これらの諸島に関する資料等につきましても、随時連合国に提出して参つたのでありまして、連合国側としては、わが国民の意のあるところは十分考慮してくれるものと信じております。今後とも、政府は、本決議の趣旨に従いまして、でき得る限りの努力をいたす所存であります。(拍手)      ————◇—————
  56. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、前田郁君外二十五名提出国鉄輸送力整備に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  57. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  国鉄輸送力整備に関する決議案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。前田郁君。     〔前田郁登壇
  59. 前田郁

    前田郁君 ただいま上程になりました国鉄輸送力整備に関する決議案につきまして提案者を代表して趣旨弁明をいたしたいと存じます。  まず案文を朗読いたします。   国鉄輸送力整備に関する決議案 最近国鉄貨物輸送の逼迫に因り、国内物資の需給に破衡を来し、産業経済に重大なる影響を及ぼしつつあることは、真に憂慮に堪えない。   政府及び日本国有鉄道は、この情勢にかんがみ、資金、資材、従員、機構等に関し特段の措置を講じ、速やかに車両、施設等を増備改善して輸送力の整備を図り、以つて産業経済の進展、民生の安定に資すべきである。  右決議する。  次に、決議案趣旨について簡單に御説明申し上げます。  わが国経済の復興、貿易の振興等に伴いまして、国内貨物の動きが一段と活発に相なつたのでありまするが、それに対応すべき国鉄輸送力の増強は著しく立ち遅れ、昨年秋以来、貨物輸送の逼迫はなはだしく、滯貨はすでに二百万トンを突破するがごとき状態でありまして、その影響はあらゆる面に如実に現われ、真に憂慮にたえないものがあるのであります。  国鉄輸送力の現状について、少しく具体的に申し上げますると、二十五年度の輸送実績は一億三千六百万トンで、年度当初の輸送計画を上まわること七%でありまして、戰後における最高記録を示しておるのであります。この実績を月別に見ますると、朝鮮事変を契機とし、七月以降から漸次増加の徴候を示し、本年三月に至つて昨年同月に比べて実に二三%の激増となつておるのであります。  次に、在貨トン数と発送トン数との割合、すなわち掛買要請に対し、どれくらいの貨物が輸送されたかと申しますると、二十五年四月において一日平均五十一万トンの在貨に対し、発送割合は六二%であつたのが、本年三月には、百八十六万トンに対し二一%という状態で、これを戰前の九九%と比較することは、諸般の情勢から見て無理であるといたしましても、戰後の混乱期における一一%ないし二二%を除けば、過去十数年来の最低率であります。かような状態でありますから、滯貨も漸次増加いたしまして、昨年の四月末には四十三万トンであつたのが、本年三月末には遂に二百万トンを越えるに至つたのであります。この二百万トンの貨物は、金額にしては数百億円となるのでありまして、これが何ら活用されず駅頭に眠つているということは、ひとり荷主のみならず、わが国産業経済のため不幸であるといわざるを得ないのであります。  しからば、貨單の運用の面はどうかと申しますると、国鉄の貨車は九万四、五千両でありまして、その運用効率は、昨年四月の二三%から漸次上昇し、本年三月には二八%となり、戰前の三八%には遠く及ばないのでありまするが、戰後における最高であります。これは国鉄当局努力の成果でありまするが、しかもなお送り不足の滯貨を切りくずすまでに至らなかつたことは看過できない事実であります。ここで問題になりますことは、貨車の運用効率をさらに高め、輸送量の増加をはかることはできないかということでありまするが、貨物の足が延びていること、貨車の停留時間が、長くなつていること、列車キロが少くなつていること、その他施設の不備、労働條件による制約等の不利な原因が錯綜いたしておりますので、国鉄といたしましては、まず最大能率を発揮していると見るのが至当であると推定いたすのであります。  飜つて、二十六年度の鉄道貨物輸送計画を見まするに、国会提出予算においては一億三千四百万トン、実行計画において一億三千六百五十万トンとなつているのでありますが、自立経済の構想、国際情勢の推移等により、要輸送量は少くとも一億五、六千万トンに達するものと予想せられるのでありまして、二十五年度の輸送実績は一億三千六百万トンに対し約一〇%の増加となるのであります。この厖大なる数字をいかにして輸送するかは、国鉄のみならず、わが国に課せられたる重要な問題でありまするが、現在の国鉄の輸送能力をもつていたしましては、ほとんど不可能でありまして、これが解決を期するには、貨車並びに施設の増備改善をはかり、あわせてこれに伴う諸方策を講ずることが必要であると思うのであります。  最近における国鉄の貨率増備計画について申し上げますと、二十四年度には千九百両を増備いたしましたが、二十五年度には、わずかに五百三十五両を新造いたしたにすぎないのであります。しかも、一方廃車したものが、二十四年度においては千四百両、二十五年度には三千五百両となつているので、新造車両は廃車車両に及ばないのみならず、廃車の補充さえ十分でないのであります。現在国鉄の貨車には、車齢三十年以上の老朽車が非常に多く、車両局の調査によりますれば、廃車すべきもの約二万五千両、そのうち運転保安上緊急廃車を要するもの一万四千両に達するということであります。一方、貨車の新造計画でありまするが、二十六年度国会提出予算において、新造改造合せて約四千両、第一次実行計画において、物価騰貴等によりこれを約二千六百両に改訂し、第二次実行計画においては新造千五百両を追加したのでありまするが、廃車車両は二千四百両を数えるので、増加価数は千七百両にすぎないことになるのであります。従つて、この計画が予定通り実行せられたといたしましても、最大輸送能力は一億四千万トンを出でないと推定せられるのでありまして、出貨との開きは七百万トン以上になり、今後さらに一層深刻な貨車不足の事態が現出するであろうことは予想にかたくないのであります。  最近、わが国の産業経済は復興著しきものがありまするが、その基盤は現になお脆弱で、弾力性に乏しく、わずかな物資需給関係の不円滑によりましても経済循環に変調を来し、混乱に陥る可能性を多分に包蔵しているのであります。従つて、物資流通過程の最も重要な一環をなす輸送機能が一旦停屯いたしますと、影響するところは広範囲にわたり、産業経済は、ために麻痺状態に陥り、自立経済も、日米経済協力も、紙上計画に終ることなきを保しがたいのであります。  はたしてしからば、何ゆえにかかる深刻な貨車不足の情勢に立ち至つたか。その原因は多々あるであろうと思われまするが、ひつきようするに、国鉄当局の車両増備計画が当を得ていなかつたこと、国策として輸送力拡充計画が総合的に樹立せられていなかつたことの、この二つに盡きると考えるのであります。すなわち、国鉄が独立採算制に偏重するの余り、ともすれば輸送機関本来の使命たる公共性を忘れて営利主義的方策に走るきらいあることは、いなみがたき事実でありまして、貨車増備計画のごとき、閑却したとはあえて申しませんが、適切でなかつたと言い得ると思うのであります。  またわれわれは、戰後、特に講和を目捷に控え、策定せられている産業経済に関する計画中に、真に輸送力の確保ないし増強ということを繰り込むべきであると考えるのであります。海上輸送力の拡充については、つとに問題にされ、特に外航船腹の増強については、本国会において決議されたことは御承知通りでありまするが、陸上輸送力、なかんずくその根幹をなすところの鉄道輸送力については、確固たる対策が樹立されていないのは遺憾であります。わが国の地理的條件並びに高度の貿易依存性より見て、海上輸送力の増強をはかる要あることはもとよりでありますが、これと並行して鉄道輸送力の整備をするということでなければ、輸送の完璧は期しがたいのであります。  以上のような観点において、われわれは鉄道輸送力、特に貨車の整備増強を国策として取上げ、資金資材等につき特段の措置を講じ、もつてこれが実現をはかるとともに、輸送能率を高めるため、管理機構の改善、従業員の教育待遇等、必要な諸方策を考究具現するよう、強く政府及び日本国有鉄道に要望するものであります。  以上、簡單でありますが、決議案趣旨について申し上げました。各位の御賛成を切望いたす次第であります。(拍手
  60. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。柄澤登志子君。     〔柄澤登志子君登壇
  61. 柄澤登志子

    ○柄澤登志子君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま上程になりました国鉄輸送力整備に関する決議案に対し反対の意を表明するものであります。  ただいまの決議案の提案の理由を承つておりますと、また委員会におきまするところの審議の過程を検討いたしますところによりますと、国鉄公社に今日の輸送危機の責任を転嫁しているのでございます。私ども日本共産党は、終戰以来、国鉄の輸送力の復興のためには全力をあげて闘つて来たものであります。国鉄の労働者諸君も、遵法闘争あるいは産業復興闘争、国鉄防衛闘争として、先頭になつて、全力を上げて闘つて来たのであります。それに対して、終戰以来、政府初め與党は、これがいわゆる共産党の煽動するところの国鉄破壊の闘争であるとして弾圧し、現に三鷹事件、松川事件、これらすべてを労働者の責任として監獄に投じ、裁判にかけているのが実情であります。  今、国民の輿論は、国鉄の輸送力の増強ということに対しましては重大な関心を持つているのであります。あの桜木町事件、これは日本の全国民の関心の的であります。国会はこれに関心を寄せられまして、行政監察委員会におきまして、この原因を追究されているようでありますけれども、その方針としているところを観察いたしますると、いかにも労働者に責任観念がないということ、責任をなすりつけ合つているというようなことを非常に誇大に取上げまして、ある委員のごときは、国鉄の職場を、あの安い給料で孜々として三十年間守つて来た労働者に対して、無能であるから、あのような小さな箱の中に三十年間もいたと言つて侮辱しているのであります。このような取扱いをいたしております。  輸送の問題について私どもがしさいに検討いたしますると、これは当局も主張しておりますように、與党も言つておりまするように、明らかにあの輸送力が、ほとんど朝鮮事変輸送に動員されているところに重大な原因があるのであります。昨年八月に立てましたところの国鉄の予算は、ダレス氏が来朝するという理由をもちまして、七、八月の物価を基準にいたしております。従いまして運輸大臣は、本年度当初の予算審議の運輸の分科におきまして、この予算補正しなければならないということを、はつきり誠実な大臣としての立場から言われているのであります。しかも、鋼材その他の値上りが、今日ではとうてい予算の遂行を不可能にいたしまして、その輸送能力は、民需の方面が事ごとに圧迫されまして、業者の陳情によりますれば、特需に振り向けられて、われわれの要求は一五%しかいれられないと言つておるのであります。国鉄当局説明を承りましても、二割か三割しか民需の要求に応じられないというのが現状であります。(拍手)  その対策をどうするかということを検討いたしますると、当局は、三千六百両の貨車が現在これに振り向けられると申しておりますが、さらに四千両を増強しなければ、とうてい朝鮮事変━━━、一億五千万トンの当局の要請には応ずることができないと申しておるのであります。それに要しまする費用は五十億を越えるものでありまして、自由党が終戰以来唱えて参りました、いわゆるコーポレーシヨンの独立採算制の立場は、朝鮮事変━━によりまして、根底からくつがえされているのであります。しかもこれに対しまして、運賃の値上げ、さらに厖大な国有財産の拂下げ、国有財産でありました国鉄公社の施設その他を売り拂おうという計画が、現に国会の中にその萌芽を現わしているのであります。  われわれは、国鉄の輸送力の整備に対しては、もちろん賛成であります。闘つて来たものであります。けれども、その根本的な対策は、━━輸送を強力にやられておりますために、ヒロポンを打たなければ働けないような労働強化の労働者の状態、この状態がある限り、低賃金に悩む労働者がある限り、この労働強化に耐えられずに、鶴見では、労働者が晝食パンを一箇食べて、連日終夜作業をいたしましたために、睡眠不足と栄養不足と過労のために、操車の作業中に線路の上に倒れまして、そこに貨車が入つて参りまして、起き上る力、気力がないために、ひき殺されたという事実がありますが、これはひとり鶴見だけではございません。軍需輸送に関係を持つておりますところの各職場の労働者の状態は、そのような労働強化を低賃金が強いられているのであります。  私どもは、二の決議案が、経済安定と、産業経済の進展と、民生の安定をその目的といたしているのでございますけれども、そういう美名のもとに、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ところの非常に危険なる決議案であるということを指摘いたしまして絶対にこれに賛成することはできないのであります。桜木町事件の、あの責任を痛感いたしますならば、まず旅客輸送を完遂するための対策こそ、この国会ではやらなければならないのであります。しかるに、この提案理由にいたしましても、審議の経過にいたしましても、重要な人命をどう輸送するかということにつきましては、一言も質問がなかつたのであります。行政監察委員会では、国鉄の従業員が人の命を運ぶことをおろそかにしていると言つて、国鉄の労働者を攻撃したのでありますけれども、與党こそ、政府こそ、この人命輸送に対しましては何ら関心を持つておらないのであります。━━━━のためのこのような決議案に対しまして、日本共産党としては、世界の中和に対して重要な国際独占資本━━━━━になつておる日本の国会におきましては、絶対にこれを許すことができないのであります。  わが党といたしましては、軍需輸送を即時停止すること、あの厖大な民需の滯貨を即時に輸送すること、さらに旅客輸送の危険な状態を、すべての予算を傾注して即時に検修することを要求し、さらに私どもとしては、国鉄の労働者諸君の労働強化、低賃金、かかるものを、即時に補正予算を組みまして、ベース改訂をいたしましてベースを上げますことこそが真の日本の輸送力増強であるということを主張いたしまして、反対の理由にかえたいと思うのでございます。(拍手
  62. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。本案賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  63. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  64. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第五、国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員会理事大澤嘉平治君。     〔大澤嘉平治君登壇
  65. 大澤嘉平治

    ○大澤嘉平治君 ただいま議題となりました国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案につき、委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法案は、五月十八日、予備審査のため本委員会に付託され、二十五日、参議院より送付を受け、同日、本付託されたので、二十七日、政府より提案理由を聽取いたしました後、愼重に審査いたしたのであります。  本法案趣旨簡單に申し上げますと、このたび政府は、政府部内の審議会等を整理する方針を立て、それに基き、本法により設置されたホテル審議会を廃止することとしたので、これに伴い本法中の審議会関係の條文を削除しようとするものであります。なお、本法が実際に運用されてから約一箇年になるのでありますが、この内容に不備の点もありますので、この際これを是正いたし、登録の申請條件、旅館に対する登録條件及び登録施設基準について所要の改正を加えることにしようとするのであります。  次に、本法案につきましては熱心な質疑応答がかわされたのでありますが、その詳細につきましては会議録に讓りたいと存じます。かくて、昨一日質疑を打切り、討論を省略、ただちに採決の結果、多数をもつて法案政府原案通り可決いたした次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  66. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  67. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告通り可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  68. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第六、自転車競技法を廃止する法律案議題といたします。委員長の報告を求めます。通商産業委員会理事中村幸八君。     〔中村幸八君登壇
  69. 中村幸八

    ○中村幸八君 ただいま議題と相なりました自転車競技法を廃止する法律案につきまして、委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  まずその提案の理由を申し上げますと、第一に、地方財政が、いつ何どき中止せらるかわからない競輪收入に依存することは危險きわまりないこと。第二に、競輪施行による不正腐敗の問題であります。第三に、競輪騒擾に伴う検束の問題であります。第四に、道義の頽廃の問題であります。以上が本法案の提案の要点であります。  本法案は、日本共産党の河田賢治君外二十四名により提出せられ、一月二十二日、本委員会に付託と相なりまして、五月二十六日、提案者風早八十二君より提案の理由を聽取いたしたのであります。引続き質疑に入りましたところ、社会党加藤鐐造君より、本法は、もしこれを廃止するといたしましても、本法廃止後の競走場の收益性ある利用方法、また施設に要した投下資本の回收方法、地方財政の窮状打開の方法等の善後処置を講じたる上にて廃止すべきではないかという質疑がありました。これに対し提案者より、納得の行く方策について満足な答弁を得られなかつたのでおります。  よつて、討論を省略し、ただちに採決いたしましたところ、賛成者少数なるをもつて本案は否決することに決した次第であります。右御報告申し上げます。(拍手
  70. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は否決でありますが、本案賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  71. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立少数。よつて本案は否決せられました。(拍手)      ————◇—————
  72. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、青柳一郎君外十三名提出医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案参議院提出覚せい剤取締法案、右両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  73. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案覚せい剤取締法案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員会理事亘四郎君。     〔亘四郎君登壇
  75. 亘四郎

    ○亘四郎君 ただいま議題となりました医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案並びに覚せい剤取締法案につきまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。  まず医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案について申し上げます。  現在、医師または歯科医師になるには国家試験に合格しなければならないのでありますが、終戰前、朝鮮、台湾、南洋諸島等の旧外地及び満洲国において医師免許または歯科医師免許を受けていた日本国民は、医師法及び歯科医師法の附則に特例の規定があり、選考または簡易なる試験によつて医師免許または歯科医師免許を受ける道が開かれているのでありますが、これとまつたく同種の事情にある、中華民国の旧治外法権地域において領事官の免許を受けていた日本国民、あるいは諸外国、ことに南方の英、蘭、仏領植民地において、その地の政庁より免許を受けていた日本国民については、かような特別の取扱いがないので、昭和三十年の末まで、旧外地または満洲国の引揚者と同様、選考または特例試験を受ける資格を與え、医師または歯科医師になる道を開き、その窮状を打開せんとするもので、あります。  本法案は、六月一日、本委員会に付託せられ、本二日、提出者青柳一郎君より提案理由説明を聽取した後、熱心なる質疑応答が行われたものであります。  かくて質疑を終了し、討論を省略して採決に入りましたところ、本法案は全会一致可決すべきものと決した次第でございます。  次に覚せい剤取締法案について申し上げます。  覚醒剤は習慣性となる性質を持つており、その過度の運用をいたしますと、中毒になる精神病になるおそれがあるばかりでなく、中毒者は覚醒剤の獲得費用を得るために犯罪行為に出る例が次第にその数を増して、社会問題を惹起して参つたので、これらの弊害を防止するため取締りの万全を期そうとするのが、本法案提出理由であります。  次に本法案内容のおもなる点について申し上げますれば、第一に、覚醒剤の用途を医療用と学術研究用のみに限定し、その製造もこの用途に必要な数量に制限するとともに、輸入を禁止することとし、必要以外の覚醒剤が氾濫することを防止せんとしたことでありまする第二に、指定を受けた製造業者、医療機関研究者でなければ覚醒剤を讓り渡し、または讓り受けることができないことといたしたことであります。第三は、一般的な所持禁止の原則をとつたことであります。第四は、讓り渡し、讓り受けについて証明手続を規定したことであります。  本法案は、五月二十二日予備付託、二十六日、本付託となり、提出者参議院議員中山壽彦君よりの提案理由説明を聽取した後、きわめて熱心な質疑応答が数回の委員会で行われたのであります。かくて質疑を終了し、討論を経て採決に入りましたところ、本法案は多数をもつて可決するべきものと決した次第でございます。  以上御報告申し上げます。(拍手
  76. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) まず医師法及び歯科医師法の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告通り採決いたしました。  次に覚せい剤取締法案につき採決いたします、本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  78. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案は各員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  79. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 本月の日程に掲載された請願を一括して議題といたします。     —————————————
  80. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 右各請願は委員長の報告を省略して採択することとし、同種議案議決の結果採択とみなすものの整理については議長に一任するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたしました。      ————◇—————
  82. 福永健司

    福永健司君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわちこの際、二川町の地域給指定に関する請願外百十八請願を一括議題となし、その審議を進められんことを望みます。     —————————————
  83. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 岩本信行

    ○副議員(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  二同時の地域給指定に関する請願外百十八請願を一括して議題といたします。     —————————————
  85. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 各請願は委員長の報告を省略して採択するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて請願はいずれも採択するに決しました。  この際暫時休憩いたします。     午後七時三分休憩      ————◇—————     午後九時二十三分開議
  87. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 休憩前に引続き会議を開きます。      ————◇—————
  88. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) お諮りいたします。今回の会期は本日をもつて終了することになつておりますが、明三日から六月五日まで三日間会期を延長いたしたいと思います。これに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  89. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて会期は三日間延長するに決しました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。     午後九時二十四分散会