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1951-03-26 第10回国会 衆議院 本会議 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十六日(月曜日)  議事日程 第二十三号     午後一時開議  第一 恩給法の一部を改正する法律案内閣委員長提出)  第二 食糧管理特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案内閣提出)  第三 食糧配給公団清厚経費財源に充てるための剰余金使用に関する法律案内閣提出)  第四 鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金に関する法律案内閣提出)  第五 関税定率法の一部を改正する法律案内閣提出)  第六 関税法の一部を改正する法律案内閣提出)  第七 再評価積立金資本組入に関する法律案内閣提出参議院送付)  第八 資産評価法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第九 保險募集取締に関する法律の一部身を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十 公認会計士法の一部を改正する法律案参議院提出)  第十一 宗教法人法案内閣提出)  第十二 市町村立学校職員給與負担法の一部を改正する法律案内閣提出)  第十三 有線放送業務運用規正に関する法律案電気通信委員長提出)  第十四 電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案電気通信委員長提出)  第十五 漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案平井義一提出)  第十六 社会福祉事業法案内閣提出参議院送付)  第十七 低性能船舶買入法の一部を改正する法律案参議院提出)  第十八 低性能船舶買入法規定により国が買い入れた船舶外航船腹需給調整のためにする売拂に関する法律案参議院提出)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  国家公安委員任命につき同意の件  日程第一 恩給法の一部を改正する法律案内閣委員長提出)  日程第二 食糧管理特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案内閣提出)  日程第三 食糧配給公団清算経費財源に充てるための剰余金使用に関する法律案内閣提出)  日程第四 鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金に関する法律案内閣提出)  日程第五 関税定率法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第六 関税法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第七 再評価積立金資本組入に関する法律案内閣提出参議院送付)  日程第八 資産評価法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第九 保険募集取締に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  日程第十 公認会計士法の一部を改正する法律案参議院提出)  日程第十一 宗教法人法案内閣提出)  日程第十二 市町村立学校職員給與負担法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第十三 有線放送業務運用規正に関する法律案電気通信委員長提出)  日程第十四 電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案電気通信委員長提出)  日程第十五 漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案平井義一提出)  日程第十六 社会福祉事業法案内閣提出参議院送付)  日程第十七 低性能船舶買入法の一部を改正する法律案参議院提出)  日程第十八 低性能船舶買入法規定により国が買い入れた船舶外航船腹需給調整のためにする売拂に関する法律案参議院提出)     午後二時二十八分開議
  2. 林讓治

    議長林讓治君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 林讓治

    議長林讓治君) お諮りいたします。内閣から、国家公安委員に小汀利得君を任命するため本院の同意を得たいとの申出がありました。右申出の通り同意を與えるに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  4. 林讓治

    議長林讓治君) 起立多数。よつて同意を與えるに決しました。      ————◇—————
  5. 林讓治

    議長林讓治君) 日程第一は委員長提出の議案でありますから、委員会審査を省略するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 林讓治

    議長林讓治君) 御異議なしと認めます。  日程第一、恩給法の一部を改正する法律案議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。内閣委員飯塚定輔君。  〔飯塚定輔登壇
  7. 飯塚定輔

    飯塚定輔君 ただいま議題となりました恩給法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由並びにその趣旨簡單に御説明申し上げます。  公務員給與水準が本年の一月から引上げられましたので、これと均衡をはかり、昨年十二月以前に給與事由の生じました恩給額を、現行俸給水準に照応しましてこれを改訂する必要がございまするのと、恩給法規定を整備する必要がありますため、当内閣委員会におきましては、本法案を起草し、これを全会一致をもつて委員会提出案と決定した次第でございます。  今、その改正点の要点を簡單に申し上げますると、次の三点に要約することができるのでございます。  その第一点は、恩給年額増額に関する改訂であります。御承知のごとく、恩給公務員の退職当時の俸給基礎として計算されるのでございますから、本年一月公務員給與水準が引上げられましたため、本年一月以降に退職いたしまする恩給受給者は、それ以前に退職いたしました受給者よりも恩給支給水準が高くなるのでございます。従いまして、昨年十二月以前に退職された受給者は、このベース・アップによつて、前者よりも不利な立場に置かれることとなるのでございます。これを今回改めまして、昨年十二月三十一日以前のものも昭和二十六年一月分以降の恩給は、現行給與法令による俸給基礎として計算した場合の恩給額支給しようとするのでございます。これによりますると、恩給年額最低は二五%より、平均いたしまして三五%の増額を見ることとなるのでございます。  その第二点は、多額所得者普通恩給の一部を停止する改正であります。現行法によりますると、普通恩給年額三万円以上、恩給外所得年額二十万円以上のものに対して、それぞれ普通恩給年額の一部を停止しておるのでございます。ところが、今回の恩給額の蔵かと、さらに経済事情の推移にかんがみまして、右の基準額をそれぞれ三万円より五万円に、二十万円より二十五万円に引上げまして、それを現行規定従つて普通恩給年額の一部を停止することに改めたのでございます。  第三点は、恩給法の整備についてでございます。終戦以来の急激なる経済情勢の変化に即応いたしまして、恩給法暫定的措置として、昭和二十三年法律第百九十号をもつて恩給法臨時特例を制定したのでございまするが、今回これを廃止いたしまして、その規定恩給法に統合整備したのでございます。さらに諸制度の改革に伴いまして、恩給法上不要となりました教育職員待遇職員並びに公務員に準ずべき者等規定を削除整理するとともに、恩給法上の公務員たる文官の意義を明らかにしたのでございます。  最後に、この改正による恩給増額によりまして、一日も早くその増額にせられました恩給受給者の手に渡り、その経済生活に少しでも役立つことのできますることを念願する次第であります。  以上、本案提出理由並びにその趣旨を御説明申し上げました。何とぞすみやかに御審議の上、御賛成あらんことをお願い申し上げます。(拍手
  8. 林讓治

    議長林讓治君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 林讓治

    議長林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手
  10. 林讓治

    議長林讓治君) 日程第二、食糧管理特別会計歳入不足を補填するための一般会計からする繰入金に関する法律案日程第三、食糧配給公団精算経済財源に充てるための剰余金使用に関する法律案日程第四、鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金に関する法律案日程第五、関税定率法の一部を改正する法律案日程第六、関税法の一部を改正する法律案日程第七、再評価積立金資本組入に関する法律案日程第八、資産評価法の一部を改正する法律案日程第九、保険募集取締に関する法律案日程第十、公認会計士法の一部を改正する法律案、右九案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。大蔵委員会理事小山長規君。     〔小山長規登壇
  11. 小山長規

    小山長規君 ただいま議題となりました食糧管理特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案外八法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず食糧管理特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案におきましては、農業共済組合組合員の支拂うべき農作物共済にかかる共済掛金の一部は食糧管理特別会計において負担し、昭和二十三年度から引続きこの負担金食糧消費者に転嫁させないことができることの臨時的措置を講じて参りましたところ、昭和二十六年度におきましても同様の臨時的措置を継続することとなりますことに伴いまして、本会計から農業共済保險特別会計に繰入れる四十一億六千百六十四万五千円を限り一般会計から本会計に繰入れることができることとして、本会計に生ずる歳入不足を補填することといたそうとするものであります。  次に食糧配給公団清算経費財源に充てるための剰余金使用に関する法律案におきましては、食糧配給公団昭和二十六年四月一日に解散し、二十六年度中に清算結了予定でありますが、同公団昭和二十五年度の国庫に納付すべき剰余金は、目下のところ十四億五百八十一万九千円と推定されますので、これを同公団清算に要する経費財源の一部として充当いたそうとするものであります。  以上の二法律案につきましては、食糧配給公団経理調査等のため特に小委員会を設け、愼重審議を重ねたのであります。  次に鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金に関する法律案について申し上げますが、鉱工品貿易公団昭和二十六年一月三十一日に解散し、二十六年度中に清算完了予定でありますが、その損失は目下のところ十六億九千七万七千円と予想されるのでありまして、この法案におきましては、この損失金補填財源として、右の額を限り、二十六年度において政府の一般会計から同公団に交付いたそうとするものであります。この法案につきましても、本公団経理調査等のために特に小委員会を設け、また参考人を招致して質疑を行う等、愼重審議を重ねたのであります。  次いで去る二十四日、以上の三法律案を一括して討論採決に入りましたところ、竹村委員共産党を代表して反対の意を述べられ、奥村委員自由党を代表して賛成の旨討論せられました。次いで一括採決の結果、起立多数をもつて原案通り可決すべきものと決しました。  次に、関税定率法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。この法案は、国内的には戰後の激変した経済事情に対処して関税率を合理化するとともに、国際的にはわが国関税及び貿易に照する一般協定及び国際貿易機関等国際協定についても参加できる態勢を整えておくことを目的としまして、第一には、戦後わが国の通貨の価値が著しく下落したことに伴いまして、従量税率はほとんどその意味を失つておりますので、これを是正して従価税率に統一することといたし、第二に、関税障壁引下げ国際的動向に即応し、かつ内外の産業及び貿易事情を考慮いたしまして、従価税率を最高五割から最低五分までの間において妥当と認められる税率といたし、第三に、わが国天與の資源に惠まれず、人口が過剰である点を考慮いたしまして、重要産業維持育成による雇用の増加をはかるとともに、輸出加工貿易を保護振興するため、輸入原材料は無税または低率の課税とすることといたし、第四に、わが国農業特殊性を考慮いたしまして、これを保護するため、輸入主要食糧に対して適当な関税率を設けましたが、一面国民生活安定の絶対的要請をも考えまして、海外の市価が高騰する場合及び国内における凶作等の場合におきましては関税を減免することができることといたし、その他課税価格の決定、関税額算定基準不当廉売品関税等に関しまして所要改正を行おうとするものであります。  この法律案につきましては、三月十二日より二十三日に至るまでの間、五日間にわたつて質疑を行い、特に十三日には農林、水産及び通産の各委員会連合審査を行う等、慎重審議を重ねたのであります。次いで質疑を打切りましたところ、自由党宮幡靖君より修正案提出されました。  修正案の大要を御説明申し上げますと、まずその第一点は、アンチモニーにつきましては銅等非鉄金属と同様に課税することといたし、その第二点は、南西諸島、すなわち沖繩大島等は現在関税法規外国とみなされておりますが、同地域わが国との緊密な経済関係にかんがみまして、同地域土産品のすべてにつきまして、原産地証明書を添付してある場合は、当分の間その輸入税を免除することといたし、次に第三点としましては、とうもろこし、大豆、落花生、原油、重油、粗油、石油、コークス、航空機及びその部分品並びに船舶につきましては、国内産業経済の現状から考えまして、一年間これらの物品に対する輸入税を免除することとし、さらに第四点としまして、同じ理由によりまして、一年間は揮発油、燈油、軽油の税率を一割、機械油税率を二割に軽減し、また建染染料に対する一割五分の軽減税率の適用は一年間とすることといたそうとするものであります。  次いで去る二十四日、原案及び修正案を一括して討論採決に入りましたところ、竹村委員共産党を代表し、また松尾委員社会党を代表して、それぞれ反対の旨討論せられました。次いで採決の結果、起立多数をもつて修正議決すべきものと決しました。  次に関税法の一部を改正する法律案におきましては、この法案は、最近の貿易事情にかんがみまして関税行政の円滑な運営に資するため、第一に、近時の外国貿易正常化に伴いまして、必要最小限度の戦前の取締り規定を復活することといたし、第二に、税関の執務時間外の臨時開庁等の場合の手数料徴収の根拠を法律をもつて明確にすることといたし、第三に、外国貿易の伸展並びに関税率全面的改正に即応いたしまして、関税の賦課に関して不服のある輸入業者利益を保護するため関税訴願審査制度を整備することといたし、第四に、犯則嫌疑の物件を拾得した者はこれを税関または警察に差出さなければならないことといたし、第五に、第三者通報制度の一層の活用をはかるため報告者に対する報奨金増額することとし、その他所要改正をいたそうとするもりであります。  次に資産評価法の一部を改正する法律案におきましては、朝鮮動乱後の経済界実情にかん僻みまして、前回十分な再評価を行わなかつた企業に対して、おおむね前回ど同機の基準により、さらに再評価を行い得る機会を與えるとともに、再評価積立金を早期に資本に組み入れることができることとし、もつて企業経理を合理化して健全な資本の蓄積をはかることを目的といたしまして、第二次再評価の時期、再許価の対象となる資産、その再評価限度、再評価税の延納、再評価積立金資本に組み入れる時期等につきまして所要規定を設けようとするものであります。  次に再評価積立金資本組入に関する法律案におきましては、資本組入れ手続汲び方法につきまして必要な事項を定めておるのであります。  次に保險募集取締に関する法律の一部を改正する法律案におきましては、保險募集に関しては、現行法の制定以来漸次改善されて参つたのでありますが、生命保險会社契約者との間の契約上の紛争は、今日なおその跡を絶たない実情でありまして、保険契約者の保護と、保險事業の健全な発達をはかるためには、悪質募集に対する取締を一層厳重に行う必要があることにかんがみまして、現行法の不備を補正いたそうとするものであります。  以上の四法律案につきましては、三月二十四日、一括して討論採決に入りましたところ、佐久間委員自由党を代表し、また松尾委員社会党を代表してそれぞれ賛成の旨述べられ、深澤委員共産党を代表して反対の旨討論せられました。次いで一括採決いたしましたところ、起立多数をもつて原案通り可決すべきものと決しました。  次に、公認会計士法の一部を改正する法律案について申し上げます。この法案は、現行法運用の実精にかんがみまして、第一に、財務書類監査証明業務は高度の技能と職業道徳とを必要とすることが強く要講されますので、公認会計士外国公認会計士及び計理士でなければ営んではならないことといたし、第二に、公認会計士の第三次試験試験科目に新たに税に関する実務を加えることといたし、なお試験料目増加に伴いまして試験委員の定数を増加することといたし、第三に、受験者側事情を考慮いたしまして、特別試験施行期間を二箇年延長することとし、第四に、第三次試験受験資格を緩和いたしまして、会計士補なる資格を有する者であれば、会計士補の登録を受けていなくとも受験ができることといたす等、所要改正を行おうとするものであります。  この法案につきましては、去る二十四日、討論を省略の上採決をいたしましたところ、起立多数をもつて原案通り、可決すべきものと決しました。  以上御報告を申し上げます。(拍手
  12. 林讓治

    議長林讓治君) 討論の通告があります。順次これを許します。田中織之進君。     〔田中織之進君登壇
  13. 田中織之進

    ○田中織之進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました九法律案のうち、食糧管理特別会計歳入不定を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案食糧配給公団清算経費財源に充てるための剰余金使用に関する法律案鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金に関する法律案関税定率法の一部を改正する法律案の四法律案に対しまして反対の意見を簡単に申し上げたいと存じます。  まず第一に、食糧管理特別会計歳入不足補填のために四十一億六千百六十四万円を一般会計から繰入れすることにつきましては、これは農業共済保險に関しまする、いわゆる一般消費者の負担すべきものを一般会計からカバーするという意味で、きわめて筋の通つた話のように受取れるのであります。しかしながら、これをいわゆる一般会計から、国民の納めた税金の中から補填するということでは、やはり消費者並び消費者にあらざる国民にその責任を転嫁するという形に相なるのでありまして、これはむしろ厖大なる資金を擁する食糧管理特別会計におきましては、その別に持つておる資金——食糧管理特別会計に、こうした農業共済保險の法へ繰入れる資金を持つていないとすれば、日銀からの借入れによりまして、当該年度の後に出て参りますところの食管の余剰金をもつてこれを補填すればいいのでありまして、一般会計から国民血税をもつてこれに充当するということに対しましては、わが党は賛成することはできないのであります。これが食糧管理特別会計への一般会計からの繰入れに反対する理由でございます。  次に食糧配給公団清算事務経費財源に充てるために、同公団が本年度中に出るであろうと予想される十四億五百八十一万九千円の剰余金をその財源の一部に充当するということでございまするけれども、私は、食糧配給公団が従来その経費において相当ロスを持つておることが、いわゆる生産価格消費者価格との間の非常な米の値段の開きになつて現われておるというような実情から見まして、むしろこれを一般会計に納付いたすのが筋合いだと思うのであります。ことに食糧配給公団清算事務は今後一年間にわたつて結了する見込みでございまするけれども、最近の公団精算事務に関連いたしまして、たとえば公団廃止を目前にして厖大なる配給所の施設が行われたとか、あるいは公団経理そのものに対するいろいろの問題が報道されておるときでございまするので、むしろこうした剰余金は、すなおに一般会計に還付いたしまして、もし精算事務にどうしてもなくてはならない金が足りないといたしますならば、十分その会計の内容を精査いたしまして、これを処理する方法を講ずべきであると考えるのであります。われわれは、公団の現在出ておるところの剰余金を、そのままただちに清算するための経費に充てるというやり方に対しましては賛成することができないのであります。  第三番目の、鉱工品貿易公団の決算のために、いわゆる損失補填のためにする交付金十六億九千七万七千円の支給の問題につきましては、われわれは鉱工品貿易公団といえば、かの早船事件を思い出すのでありまして、この公団が従来内部の不始末のために少くとも厖大なる損失を招来しておることは、これはすみやかにその原因を追究し、また責任の所在を明確にしなければならない問題が残されておると思うのであります。そうした内部の不始末の問題が未解決のままで、これを国民血税をもつて補填するというやり方に対しましては、われわれは賛成することはできないのであります。  與党の側の諸君が、委員会討論において、鉱工品貿易公団には、これは運営上の欠陥だけではなくて機構上の欠陥があるということを言われたそうでありますけれども、私は今剰余金十数億を清算経費に充てることに反対いたしましたが、少くとも食糧配給公団等においては相当の剰余金を出すだけの運営がなされておるのでありまして、私は鉱工品貿易公団機構上の問題ではなくて、その運用よろしきを得ない、またこれを監督する立場にある通産省並び大蔵省等が適切なる指導監督をなさなかつたところにこういう不祥事件が起つておると断定せざるを得ないのでありまして、そういう意味において、この鉱工品貿易公団損失補填のために十数億の国民血税をもつてするというやり方に対しては、われわれは絶対に反対するものであります。(拍手)  なお私が一言この点について附加いたしたいのは、昨日の夕方出ました東京新聞の二面に、光りもので通産省大もうけ鉱工品公団すず、鉛で十六億円、という記事が出ておるのであります。これは鉱工品貿易公団が持つておりましたすず鉛等のいわゆるストツクが、最近の値上りによりまして、通産省がこれを拂い下げることによつて十六億七千万円の剰余金が入るということが、この新聞の報道でございます。この点については、最近のすず鉛等鉱工品公団手持ち在庫値上りによりまして、精算事務の過程において、十数億ではなくて、もつと多額收益があげられるであろうということを、われわれは確信するものでございます。偶然にも一般会計から国民血税十六億九千万円を繰入れようとする法律案が議会に提出されておるときに、すず、鉛の在庫の処分だけで十六億七千万円の利益を、鉱工品貿易公団のストツク整理によつてあげるといたしますならば、だたちにこの法律案を撤回いたしまして、こうしたストックの処分によつて得た金によつて赤字を補填する、損失を補填するというような処置を講ずべきであると思うのでありまして、私は、少くともこの点から言いましても、第三の鉱工品貿易公団一般会計からする十六億九千万円の繰入れに対しましては、断固として反対するものであります。  次に関税定率法の一部改正法律案について反対理由を申し述べたいと思いまするが、私は、関税政策というものが、従来いわゆる軍国主義日本、あるいはそれ以前の日本産業の幼稚な段階において、こそが産業育成、民生安定の見地から重大なる意義を持つてつたことについては、あえて否定するわけではございません。しかしながら、われわれが今日非式装平和国家といたしまして新たに再出発しようとする段階におきまして、従来の戰時経済におけるような、いわゆる偏狭なるアウタルキーの考え方によるところの関税政策のにおいが、今度提出されましたところの関税定率法改正案の中に、なおふんぷんとしておるということに対しまして、われわれは賛意を表するわけにはいかないのであります。ことに関税收入は、総額において四十九億円本年度の予算において見積つておりますけれども、この四十九億円の関税收入を得るがために、いわゆる最近問題になつておりまする輸入物資の確保の問題で輸出国の疑惑を招くというような問題もなきにしもあらずと信ずるのでありまして、われわれは、関税政策については新たなる観点から根本的に考え直さなければならない時期に来ておると思う。このことが十分考慮されておらないという点が反対の第二点であります。  さらに関税政策を考える場合に、たとえば国内に資源の乏しい油脂原料あるいは石油原料等の問題について、保護関税の必要が従来から叫ばれて参つておるのでありますけれども、私は、そういう国内資源の開発のために思い切つた助長政策、そのための国費の投入ということに対しては、声を大にしてその必要を叫ぶものでございまするが、これを姑息なる関税政策によつて保護しようとすることは、まさに本末を転倒したやり方でありまして、産業助長へ国内の貧弱なる資源の総合開発のために使う金は惜しみなく使つても、こうしたものを姑息なる関税政策によつて保護しようとするやり方に対しては反対したいと思うのであります。  さらにわれわれは、今回政府原案について、與党諸君を中心といたしまして、相当重要な点において修正が加えられたという点につきましては、その労を多とするものでございまするが、われわれが主張いたしましたところの石油関係につきまして、少くとも現在の日本産業の、石油精製品に対する需要等の関係を考慮いたしまするならば、わが党が要求いたしましたところの、石油精製品について少くとも来年三月三十一日まで輸入税を免除するという修正に対しまして同意を得られなかつたという点並びに合成染料に対する税率の問題につきまして、われわれの要請が全面的にいれられなかつた、こういうような諸点につきましては、われわれはどうしても納得できないのであります。ことに石油関係の関税収入は十六億数千万円でありますけれども、その大部分は石油精製品でございます。従いまして、石油関係の輸入税を一年間といえども免除するといたしますならば、当然石油精製品の輸人税をはずすべきであるにもかかわらず、この点についての考慮が原案並びに修正案において何らなされておらないという観点に立ちまして、遺憾ながらこの関税定率法改正法律案に対しましても、わが党は反対の意思を表明するものでございます。(拍手
  14. 林讓治

    議長林讓治君) 林百郎君。     〔林百郎君登壇
  15. 林百郎

    ○林百郎君 私は、日本共産党を代表いたしまして、鉱工品貿易公団損失金補てんのための交付金に関する法律案並びに食糧管理特別会計歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案関税定率法の一部を改正する法律案外六法案に対して反対するものであります。  まず第一に鉱工品貿易公団についてでありますが、そもそもこの公団方式は、日本の独占資本が、戰争中国家財政と結びつきまして、国民が戰争によつて殺戮され、国土が焦土化されておる戰争の最中に、厖大利益をむさぼつてつたその貧欲さを、戰争の後もなお継続しようとする意図によつて設けられた方式なのであります。この公団方式によつて日本の中小企業は壊滅に瀕し、日本の独占資本の独占形態はさらに強められ、しかもこうした経過をたどる中途における一切の戰後の日本資本主義の危険は国家財政によつて補償されて来たのが、この公団方式であります。一方これは、日本の独占資本が、——資本日本を支配しようとするこの意図と結びつくために、————によつて、その意図によつてくられた機構でもあるのであります。しかもこの実権は、明らかに日本の官僚によつてその運営の実権が握られておるのであります。かくのごとく国民の犠牲の上に立つて、——独占資本日本の独占資本が野合して、その実権を——官僚が結びついておるのでありますから、この公団の中には、腐敗と堕落が満ち満ちておるということは、いうまでもないのであります。  この公団の経理のでたらめと不正によつて国民に與えられた損害は、表面に現われたものだけを見ましても、実に厖大な金額に上るのであります。たとえば、諸君御存じの通りに、配炭公団の不正問題、あるいは飼料配給公団の不正問題、産業復興公団の不正、石油配給公団、油糧公団食糧配給公団あるいは薪炭特別会計に連なる厖大な不正等は、諸君すでに御存じの通りであります。これらの各公団の不正とともに、この鉱工品公団もまた現在十六億九千万円の赤字を国民血税により償おうとしておるのであります。最近新聞紙をにぎわしておるところの、早船・ミス東京事件というようなことが喧伝されておるのでありますけれども、このごときは、まつたく腐敗と堕落を本質とするこの公団の本質をごまかすための宣伝にすぎないのであります。  問題は、一早船のような下僚の問題ではないのであります。ところが政府は、この早船問題が表面化したのをもつけの幸いとしまして、その裏にひそんであるところの公団の不正と腐敗の本質、さらには輸入品についでの厖大損失等をひたすら隠そうとしているのであります。一例を申しますと、自転車の拂下げに関してでありますけれども、これはまつたく政府の各機関がぶんどり的におのおの割当を受けて、とりつくらをしておるのであります。はなはだしきは文部省、厚生省、通産省・農林省に至るまで、それぞれ出入りの商人や、特殊の関係のある商事会社と結びついて、これを扱つておるのであります。文部省と自転車、まことに奇妙な結びつきであります。文部省は大臣官房総務課長が、厚生省では大臣官房総務課長等が契約の当事者となつておるのであります。このようなことは、法律的にも明らかに許されないことであります。しかも、これを扱つた商店は、まだ六千八百二十余万円の代金の決済をしておらないのでありますこの未收金の問題については、厚生省や文部省は、その原因がどこにあつたかをひたすらおおい隠して、実情の詳細を調査もせずして、代金の支拂いはわれわれに責任がないと、もつぱらその責任を回避しておるのであります。  さらに農林省の代行機関であるところの金木商店のごときは、自転車の拂金七千五百万円の支拂や代金を、農林省が一言口をきいただけで一実に三分の一の二千五百万円に減額してもらつているのであります。このほか最も驚くべきことは、たとえば南里貿易株式会社から一千九百万円で買つて、保管料六百六十万円もかけたものを、同じこの南里貿易株式会社に、保管料の一割にも満たない七十万円で再び拂い下げておるのであります。買入れ代金が一千九百万円、保管料が六百六十万円もかかつて、それをまた同じ商店に、保管料の一割なる七十万円で拂い下げて、どうして赤字の出ないことがありましよう。また岩田商事につきましては、約一千四百六十万円で買い入れて、諸掛りが四百五十二万円もかかつた。ところが、この買入れ代金は言わずとしても、諸掛りのほんの一割の五十三万円、要するに一千八百方円で買つたものを、わずか五十三万円で、またその商事に拂い下げているのであります。  こうしたことは、一体常識では考えられないのでありますが、こういうことが数限りなく行われているのであります。これは單に公団の職員や下僚の一行政官吏だけでできるものではないのであります。その裏に時の政治権力者と、さらには内外の独占資本家たちが互いに結び合つで、いろいろな勢力が介在していることは、想像にかたくないのであります。この不正の裏に政治献金云々と新聞が報道しているのも、これは明らかであります。この腐敗と不正が公団の本体であります。これをどうしてわれわれは、国民の血の出るような税金で補うことに賛成することができるでありましようか。  なお先ほど田中君も触れました通りに、この損失を補填するというこの法案が、きよう衆議院を通ろうとしているときに、昨日の新聞では、公団の手持ちのすず、鉛の拂下げによつて十六億円の利益をとつているのであります。この十六億円の利益が、この法案の通過する前になされているにもかかわらず、なお国民血税によつてこの公団の不正を補おうとしているのであります。わが党は、かかる吉田内閣の、資本家のために国民に二重、三重に負担を転嫁するところの法案に対しては、断固反対するものであります。  その次に食糧管理特別会計についてでありますけれども、二十六年度は、四十一億六千百万円を一般会計から繰入れ、これを農業共済にまわすと、もつともらしいことを言つているのでありますけれども、一体政府は、生産者と消費者の中間経費がどれだけあるかということを考えたことがあるでしようか。米価五千五百二十九円に対して消費者価格七千五百円ということになりますと、この中間経費は実に二千円に及んでおるのであります。こういう厖大な中間経費を見込んでもなお赤字が出る原因は、一体どこにあるのでありますか。これは明らかに中間の業者や官僚の不正利得であります。一方、歴代の政府がこれを見て見ぬ振りをして、陰に陽にこれを助成しているのであります。歴代内閣がこれを政治資金に流用していたと国民に非難されても、これは当然だと思うのであります。  一例を申しますと、国鉄の取扱いについて見ますれば、国鉄では、一トン建の俵数は一五・六俵を扱うことになつておるのであります。ところが、日通と政府との米の取扱い契約を見ますと、五・一俵として、ここに〇・五俵の契約の利得が明らかに組み込まれているのであります。こうして日通が市場の相場以上にかせいでおる金額は、国内産の食糧の県の間の輸送ではトン当り百十三円、県内の輸送でほ百十円をもうけておるのであります。そのほか輸入食糧の輸送等をプールして計算しますと、市場の相場より一トン当り明らかに百円高くもうけておるのであります、これを通算して行きますと、二十五年度の食糧特別会計予算の日通に支拂う運搬賃の百二十三億から見れば、そのうちの十二億五千万円は、明らかに日通の不当な利益となつておるのであります。  かかる中間の業者、官僚の不正のもうけこそが、この赤字の本体なのであります。それのみではなく、そもそもこの食糧管理特別会計こそは、四百億円の輸入食糧の補給金と相まつて、三百二十万トンの輸入食糧の操作によつて日本の農民の戰時的な、掠奪的な供出と、価値の方式を無視した低米価政策を強行する、との低米価政策の根幹に食管理特別会計がなつておるのであります。わが党は、日本農業外国の圧迫と破壊から守り、日本の農民の生活を守るためにも、かかる法案に対しては断固反対するのであります。  一方、食糧公団についてでありますけれども、読売新聞の報ずるところにまると、中央経済調査庁では、昨年の第一次検査に、食糧公団の数億円に上る経費の濫費を摘発しておるのであります。さらに六千万円の不正事実が判明したと報ぜられておるのであります。こうしたことは、一体どこから由来しておるか。朝鮮動乱によつて内外の独占資本の利潤の増大をはかつて、再軍備や軍需産業の下請をやることによつて、人類の悲劇も顧みず、戰争によつて利潤の追求に汲々とじておる日本の支配階級と結びついた歴代の内閣、ことに吉田内閣の政策等が、この不正を生む最も責任ある政策であります。(拍手
  16. 林讓治

    議長林讓治君) 林君、申合せの時間を過ぎておりますから、簡単にお願いいたします。
  17. 林百郎

    ○林百郎君(続) 中国においては、かつて蒋介石政権の末期において、政府の部内における不正と腐敗は、遂にその政権の崩解を早めるのに大きな力となつたといわれておるのでありますが、日本においても、国民血税を不正のしりぬぐいに、かくのごとく使用されることは、買弁的な吉田内閣の哀れなる末期的症状であるのでありまして、やがては蒋政権のごとく、国民大衆の怨嗟の的として崩壊することは、火を見るよりも明らかだと思うのであります。  最後に関税定率法の一部改正についてでありますけれども、現在わが国は、吉田内閣の買弁的な政策によつて民族の独立が危殆に瀕し、植民地的な、隷属的な立場に置かれておることは、周知の事実であります。この自主性のないときに出されたこの法案が、吉田内閣の植民地化、軍事化のための手段とされることは明らかであります。関税は、昔から各国で、その国が完全な独立をかち得ておるかどうかの、バロメーターだと言われておるのであります。しかるに、今日の日本のごとく、民族の独立がまつたく失われて、——の強力な力によつて一切り日本産業が支配されておるときに関税をきめるごときは、これは明らかに————利益を中心として、日本産業貿易をごとを強めて行くことになることは、火を見るよりも明らかであります。このたびの関税改正のごときも、かかる目的のもとになされておることは明らかであります。  たとえば、一切の日本の再軍備のための軍需物資だとか、————のため、一旦日本に輸入して、さらに加工品として再輸出するような軍需物資の輸入に対しては関税を免税にしておるのであります。————ために輸入されるようなこの外国物資、たとえば麦、大麦、小麦粉等は関税を免税して、日本の経済をして、まつたく————させようとするのが、この関税定率法改正の本質であります。わが党は、日本産業日本の国土を————とする、かかる吉田内閣の買弁的な関税定率法改正に対しては、断固反対するものであります。(拍手
  18. 林讓治

    議長林讓治君) これにて討論は終局いたしました。  まず日程第二ないし第五の四案を一括して採決いたします。日程第二ないし第四の委員長報告は可決でありまして、日程第五の委員長報告は修正であります。四案を委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  19. 林讓治

    議長林讓治君) 起立多数。よつて四案とも委員長報告通り決しました。  次に日程第六ないし第十の五案を一括して採決いたします。五案の委員長報告はいずれも可決であります。五案を委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  20. 林讓治

    議長林讓治君) 起立多数。よつて五案とも委員長報告通り可決いたしました。(拍手)      ————◇—————
  21. 林讓治

    議長林讓治君) 日程第十一、宗教法人法案日程第十二、市町村立学校職員給與負担法の一部を改歌正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。文部委員会理事若林義孝君。     〔若林義孝君登壇
  22. 若林義孝

    ○若林義孝君 ただいま上程に相なりました宗教法人法案につきまして、その立案の趣旨及びその目的と内容の概略を申し上げますとともに、これが文部委員会における審議の経過並びに結果につきまして御報告を申し上げます。  国民の心のかてである、これらの宗教の混乱を防ぎ、それぞれ自由活発なる活動と発達とをなし得るよう保護助成を加えまして、国民の魂のよりどころを確実なものとし、かつ正しく深いものといたしまして、国民文化の発達に資する必要があるのであります。さらに敗戦によつて人生観に混迷を来しまして、帰趨の定まらない上に、国際情勢の不安な状態もまた強い影響を與えておりまするので、今日急速に宗教上の適切なる施策を講ずる必要があるのであります。現在宗教法人令が実施せられておりますが、この法令は、さきにポツダム勅令として公布せられたものであります。その当時の事情により、とりあえず旧宗教団体法にかわる、宗教団体の財産の保全のための善後措置として制定せられたものでありますので、今日の実情にそぐわない点も多々現われて参つたのであります。  以上の趣旨に基きまして本法案提出せられたのでありますが、この法案目的といたしますところは、あくまでも信教の自由、政教分離の原則を基本といたしまして宗教団体に法人格を與え宗教法人が自由で、かつ自主的な活動をするための物的基礎を得させることにあります。同時に宗教法人の責任を明確にし、かつその公共性を強調するにあるのであります。  次に、内容のおもなる点について申し上げます。  第一に、宗教法人の規則の作成と変更及び合併等に関し認証制度を設けまして、信教の自由に対しては慎重な注意を拂いつつ、宗教法人の規則の作成等については所轄庁の認証を要することとしたのであります。これによりまして、宗教団体でないものが宗教団体になつたり、法令に適合しないような規則の作成や設立の手続がとられることを防止したのであります。現行の宗教法人令は、宗教法人の設立には、いわゆる準則主義、登記主義によりまして、みずから規則を作成して登記さえするならば成立し得ることになつておりますので、公益法人成立の手続としては不合理なものであると思われるのであります。この点を是正するとともに、兼ねて自由の濫用を抑制することとしたのであります。しかし、この認証はあくまで宗教団体の立場を尊重いたしまして、所轄庁に認証すべき期限を設けるとか、再審査訴願の道を講ずるとかいたしまして、愼重な手続を定めております。同時に、この法律の公正な運用をはかるために、文部大臣の諮問機関として文部省に宗教法人審議会を設けまして、所轄庁の認証拒否の場合あるいは訴願の場合はこの審議会の意見を求めなければならないことにいたしております。  第二には、宗教法人の管理運営面の民主化をはかつたことであります。すなわち、責任役員制と公告制とを設けたことであります。宗教法人の事務決定機関として三人以上の責任役員を置き、そのうちの一人を代表役員として宗教法人の代表者としたのであります。しかし、その資格、任免、職務権限等は、その宗教法人の特殊性に従つて自主に規則を持ち得ることになつております。一方には公告制度を定めまして、これら役員の業務執行の公明適正を期したのであります。すなわち、不動産の処分や財産管理上の重要なる行為及び合併、解散等の行為は、あらかじめ信者その他の利害関係人に周知させることにしておるのであります。  第三は、宗教法人の合併を認めたことであります。これは宗教界の要望に沿つたものでありまして、現行法令には、これを欠いております。不便でありましたので、新たに制定したものであります。  このほかに経過的措置を定めまして、急激なる変化を避けるために、現行宗教法人は、原則としてこの法律による認証を受くるまでは、現行宗教法人令による宗教法人として存続し得ることといたし、その他登記等の手続規定、あるいは民法等の準用規定や解釈規定をできるだけこの法律の中に取入れております等も特徴のある点であります。  次に、審議の経過について申し上げます。本法案は、去る二月二十七日、本委員会に付託せられたのでありますが、爾来ほとんど連日にわたつて各委員より熱心なる質疑が行われましたが、去る十九日には終日公聽会を開きまして、学識経験者側として安藤正純君、岩本東京大学教授を初めとして十六名の臨席を得まして、それぞれ真劍なる意見を述べられたのでありますが、結論といたしましては、本法案の成立をほとんど全員が期待しておるのであります。各委員の質疑に対する当局の答弁によりまして、その内容の巨細が明らかになつたのでありますが、この法案に関連ある爾余の問題につきましていろいろ検討せられたのであります。  本案の解釈上重要な見解を述べられておりますが、そのうちの一、二を申し上げますと、宗教の嚴密なる定義を規定することは困難であるのでありまして、しかし宗教法人審議会において、広い意味の社会通念に基き、おのずから妥当なる線を見出し得べきはこと、及びその委員の人選については宗教界のみに偏することなく、宗教に理解ある第三者的立場にある権威者をも加えること、神社に関しましては、今日置かれておる国家的事情と行政的取扱い上、広い意味での宗教の範疇に入れることの妥当であること、信者とは宗教団体関係者を包含するすべての関係者、たとえば氏子、崇敬者、教徒、信徒、檀家、檀徒等一切を包含するものであること、また免税の取扱い中、新たに予定した土地、建物については、予定の條件のみでは、免税の対象になり得ること、個々に決定さるべきことであつて、一般論として免税の決定は困難であること等があるのであります。いずれその詳細な内容につきましては、速記録によりまして十分なる御了承を願いたいと存ずるのであります。  次いで討論に入りまして、自由党賛成国民民主党を代表いたしまして笹森順造君より要望を付して賛成社会党も要望を付して賛成、公正倶楽部も同様に賛成の意見を述べられ、共産党を代表して渡部義通君より反対の意見の開陳があつたのであります。採決の結果、起立多数をもちまして、本案原案通り可決すべきものと議決せられた次第であります。  以上をもちまして本案に対する御報告を終ります。  なお、ただいま議題となりました市町村立学校職員給與負担法の一部を改正する法律案につきまして、本委員会における審議の結果を概略御報告申し上げます。  本案は、教育委員会法の制定、学校教育法の改正、給與関係諾法令の改廃等に伴い、市町村立学校職員の給與の名称、退隠料及び公務災害補償の負担区分並びに小中学校の教員の定数等につきまして必要な改正を行い、教員の給與の安定をはかるとともに、その身分の保障を一段と完全なものにしようとするものであります。  そこで文部委員会といたしましては、愼重に審議をいたしました結果、本改正案趣旨が妥当であることを認めまして、討論を省略いたし、全会一致をもつて原案通り可決すべきものと議決いたしました次第であります。  以上御報告を申し上げます。(拍手
  23. 林讓治

    議長林讓治君) まず日程第十一につき採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  24. 林讓治

    議長林讓治君) 起立多数。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。  次に日程第十二につき採決いたします。本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 林讓治

    議長林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  26. 林讓治

    議長林讓治君) 日程第十三及び第十四は委員長提出の議案でありますから、委員会審査を省略するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 林讓治

    議長林讓治君) 御異議なしと認めます。  日程第十三、有線放逸業務運用規正に関する法律案日程第十四、電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。提出者趣旨弁明を許します。電気通信委員橋本登美三郎君。     〔橋本登美三郎君登壇
  28. 橋本登美三郎

    ○橋本登美三郎君 ただいま議題となりました有線放送業務運用規定に関する法律案並びに電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案趣旨につき説明申し上げます。  まず有線放送業務運用規正に関する法律案について申し上げます。  最近、北海道を初め全国にわたりまして、有線放送の設備が急激に増加して参つております。その業務の内容も、当初はラジオの共同聽取を目的とするものでありましたが、その後やむを得ざる必要から、これはマイクロフオンを設けて、官庁公示事項、農業、漁業などの協同組合の連絡事項、隣保周知事項の伝達、あるいは各種の講演、講座、娯楽、商業広告等の番組を編集して放送しているのであります。選挙の期間におきましては選挙運動にも使用せらるるなど、広範囲に使用または利用されて、その影響も相当注目すべきものがあります。これら有線放送は、多くは農漁村に発達しておるのでありますが、都市においては街頭放送の形式で、有線放送業務は全国的に激増の傾向にあります。農漁村で有線放送が発達いたしましたのは、電力がないため、またはラジオを聽取することが困難であるところから、近代文化の花形であるラジオを能率的に聞きたいという現実の必要に追られての発達でありまして、この法律は、この文化国民としての当然の要望に一面こたえんとするものであります。他面、その業務運用が適正に行われないときにおいては公共福祉の観念に反する結果を招来し、公会安秩序の維持という共同社会生活の原則を破る危険を防止せんがためであります。いわゆるマス・コミユニケーシヨンの方法として相当強力な伝播力を有するこれら有線放送を野放しに放置することは、公共の福祉を保持する上から適当でないとの見解から、有線放送事業者に法的基礎を與えると同時に、立法手段によつて、その事業運用については無線放送と同様の規律を與えることは、緊急かつ重要なことと存ずるのであります。これが本法律案を制定しようという理由であります。  次に、本法律案の大綱を説明申し上げます。本法律案は、本則十六條、附則四項よりなつております。この法律案の眼目は、第四條の規定でありまして、すなわち放送法中放送番組に関する規定のうち、放送事業者全般を規律する放題番組編集の自由及び公安並びに政治的公平の保持、報道の真実並びに中正に関するラジオ・コード、その他訂正放送、候補者放送に関する規定は、いずれもこれを有線放送の業務に準用したのでありますが、これらは言論及び報道に関する最小限度の規律であり、有線放送番組についてこれを適用することは、公共の福祉を維持増進する上から必要適切な措置と考えるものであります。  第五條の再放送の場合は、放送事業者の同意を要するの規定を設けたことは、ラジオ事業者の番組その他の権利を正当に尊重するため同意の義務を課したのであります。本法律案のその他の規定は、多くは本案の施行を確保するための有線放送の業務を行う者の届出義務その他報告、監査、業務の停止、運用の制限、異議の申立てに関する規定及び罰則規定でありまして、特に説明を加うべきものはないのであります。  なお附則において、施行期日は公布の日から起算して三十日を越えない期間内において政令で定める旨を規定し、また本件の行政所管庁たる電波監理委員会設置法の一部に所要改正を加えておるのであります。  電気通信委員会におきましては、去る三月一日、小委員会を設置いたしまして本件の起草に当り、三月二十四日の委員会において、共産党を除く各党所属委員全員の賛成を得て本案提出を議決いたした次第であります。  次に電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案趣旨につき説明申し上げます。  御承知の通り、電波監理委員会は電波管理行政を行う会議制の機関でありまして、昨年六月一日、総理府の外局として設置されたものでありますが、電波監理委員会委員長及び委員は、その資格及び任命の方法、兼職の禁止、退職後の就職制限等につきましては、電波監理委員会設置法によつて明確に規定されておるのであります。さらに設置法第七條第二項の規定により、国家公務員法に定める服務の根本基準、職務に專念する義務、政治的行為の制限等の規定の準用を受けております。しかして委員長及び委員の服務状況を見まするに、同委員会発足以来、政令、規則の制定その他電波三法の施行に伴う事務のために、現に連日にわたつて委員会を開催いたしております、いわゆる事実常時勤務の状態にあるのみならず、委員会で行う事務の性質上、現在の繁忙状態は将来にわたつて継続するものと予想せられるのであります。  ただいま申し述べました通り、一般公務員と格別の差がないにかかわらず、現在におきましては、單に恩給法上の官吏であることが明らかでないために、恩給を受ける権利がないものとせられておるのであります。本法律案は、かような不合理を除き、電波監理委員会委員長及び委員に対し適正妥当な待遇を與える趣旨をもつて電波監理委員会設置法の一部に改正を加え、委員長及び委員を恩給法第二十條に規定する文官とする旨を規定せんとするものであります。  以上をもつて電気通信委員会提出の両法案に関する御説明を終ります。何とぞ御賛成の上可決せられんことをお願いする次第であります。(拍手
  29. 林讓治

    議長林讓治君) 両案を一括して採決いたします。両案に賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  30. 林讓治

    議長林讓治君) 起立多数。よつて両案は可決いたしました。      ————◇—————
  31. 林讓治

    議長林讓治君) 日程第十五、漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。水産委員平井義一君。     〔平井義一登壇
  32. 平井義一

    平井義一君 ただいま議題となりました漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、水産委員会における審議の経過並びにその結果について御報告いたします。  まず本法律案趣旨を申し上げます。有明海は瀬戸内海に次ぐ漁業権の複雑した区域でありまして、その海区の漁業を調整するために、瀬戸内海と同様に常置の有期海連合海区漁業調整委員会並びに有明海漁業調整事務局を置いて、この海区の漁業調整を円滑にし、漁業生産の増強をはかろうとするものであります。  以上がこの案の大要でありまして、その内容といたしましては、漁業法の第八十二條、第百九條、第百十條、第百十一條を改正いたしまして、有明海に有明海連合海区漁業調整委員会を設置し、その委員は、有明海に設置された各関係海区漁業調整委員会の委員が県ごとに互選した者各一人と、学識経験者の中から主務大臣が任命した者二人、都合六人をもつて組織し、また有明海の区域は、長崎県口之津町瀬詰崎から熊本県天草天神山に、天草染岳から志柿村瀬戸三角点に、恵比須鼻がら大矢野岳に、三角瀬戸燈台から中神島を経て三角嶽に至る直線及び陸岸によつて囲まれた海面であります。  次に水産庁設置法の一部の改正でありますが、これは有明海連合海区漁業調整委員会を加えることと、有明海漁調整事務局を設置し、その事務局の所在地を大牟田市とすることになつているのであります。  以上が本案の内容であります。  本法律案は、三月二十四日、平井義一より提出いたしたものでありまして、即日、本案員会に付託、審議いたしましたるところ、その内容は当然必要なる案件でありますので、質疑もなく、検討を省略して、ただちに採決をいたしました結果、総員賛成をもつて原案通り可決すべきものと決した次第であります。  以上御報告を終わります。(拍手
  33. 林讓治

    議長林讓治君) 採決いたします。本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 林讓治

    議長林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  35. 林讓治

    議長林讓治君) 日程第十六、社会福祉事業法案議題といたします。委員長報告を求めます。厚生委員長松永佛骨君。     〔松永佛骨君登壇
  36. 松永佛骨

    ○松永佛骨君 ただいま議題となりました社会福祉事業法案について、厚生委員会における審議の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。  現下の社会情勢にかんがみ、社会福祉事業に関しては、公的扶助制度の確立と、その專門技術化の促進が強く要望せられ、ずでに第七国会においては、生活保護法の全文改正及び社会福祉主事の設置に関する法律の制定を見ておるのでありますが、なおその運営の合理化と能率的組織の整備についてはますます強く要求せられており、他面民間の社会福祉事業の分野においても、その一層の刷新強化の必要が痛感されておるのであります。かくて、社会保障制度審議会からの勧告のうちにも、社会福祉事業を能率的、科学的に運営する民生安定所の設置がうたわれ、特別法人制度の確立により民間社会事業に自主性を與え、その公共性を高めることを述べているのでありますが、また社会福祉事業団体の側よりも、社会福祉に関する総合的基本事項の制定を熱烈に要望し、数次にわたり請願が提出せられておる実情であります。かかる諸般の情勢に対応するため、昭和十二年に制定せられた社会事業法を廃止して、新しい社会福祉事業の全分野における共通的基本事項を定め、既存の福祉立法と相まつて社会福祉事業の公明かつ適正なる実施を確保し、社会福祉の増進に貢献せんとするのが、政府の本法案提出理由であります。  次に本法案の内容のおもなる点を申し上げますれば、第一は、社会福祉事業をわけて第一種事業及び第二種事業とし、各事業内容を具体的に定義せる点。第二は、社会福祉事業の経営主体に対する規定と事業経営の準則を定め、その責任を明確ならしめている点。第三は、社会福祉事業に関する重要事項を調査審議するため社会福祉審議会を設置することといたしているのであります。第四は、都道府県及び市は福祉に関する地区を定め、その地区ごとに福祉の事務をつかさどらせることにしたのでありますが、町村及び一部事務組合も福祉に関する事務所を設置することができるようにした点。第五は、社会福祉主事に関する規定を設けて社会福祉主事に関する法律を吸收いたしまするとともに、新たに指導監督及び訓練の規定をも設けて行政の効果的遂行を企図いたしたのであります。第六は、社会福祉法人の制度を創設して、その組織及び運営について一定の基準を定め、災害時における緊急復旧に際しては、公の支配に属する社会福祉法人に対して補助の道を講じ得るよう規定いたしているのであります。第七は、社会福祉事業の経営と適正なる寄付金募集の規定、第八は、共同募金及び社会福祉協議会の組織及び運営について規定し、第九ぼ、従来の各種の課税除外に加えて、新たに登録税の課税除外の規定を設けようといたしているのであります。  本法案については、社会福祉事業の基本的立法として、本委員会において、従来しばしば検討を重ねて参つたのでありますが、本月十三日、予備審査のため本委員会に付託せられ、翌十四日、政府より提案理由の説明を聽取した後、ただちに審議に入つたのであります。かくて、去る二十三日、本付託となり、二十四日の委員会においてもきわめて熱心なる質疑応答が行われたのでありますが、その詳細は速記録に譲ることにいたします。  次いで質疑を終了し、討論に入りましたところ、国民民主党を代表して金子委員より、日本社会党を代表して堤委員より、数項の希望を述べられてそれぞれ賛成討論があり、次いで日本共産党を代表して井之口委員より反対意見の開陳があつたのであります。かくて討論を打切り、採決に入りましたところ、本法案は多数をもつて原案通り可決すべきものと決した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  37. 林讓治

    議長林讓治君) 採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  38. 林讓治

    議長林讓治君) 起立多数。よつて本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  39. 林讓治

    議長林讓治君) 日程第十七、低性能船舶買入法の一部を改士する法律案日程十八、低性能船舶買入法規定により国が買い入れた船舶外航船腹需給調整のためにする売拂に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。運輸委員会理事坪内八郎君     〔坪内八郎君登壇
  40. 坪内八郎

    ○坪内八郎君 ただいま議題となりました低性能船買入法の一部を改正する法律案につきまして、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず本法案趣旨並びに内容を簡單に御説明申し上げます。低性能船船買入法に基いて政府と売買契約が締結され、近く政府へ引渡すことになつております船舶のうちには、帰還輸送船として使用されているもの、あるいは米軍に使用されているものがありますが、なお当分の間これらの船舶を引続き使用する必要があるのであります。しかるに現行法は、買入船舶の売主による保管、大蔵大臣による売拂い、解撤等につきまして期限を定めておりますので、これらの船舶に対しましては、引渡しの期限を昭和二十七年三月三十一日とし、保管の期限等をそれぞれ一箇年延長しようとするものであります。  本法案は、三月二十日、予備審査として本委員会に付託され、越えて二十二日、提出者より提案理由の説明を聽取し、二十三日、正式に本委員会に付託されたのであります。次に質疑に入り、船舶買入状況並びにその予算関係等につきまして熱心に質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ることにいたします。  かくて討論を省略いたしまして、ただちに採決の結果、本法案起立多数をもつて原案通り可決いたした次第であります。  次に低性能船舶買入法規定により国が買い入れた船舶外航船腹需給調整のためにする売拂に関する法律案につきまして、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず本法案趣旨簡單に御説明申し上げます。昨年末以来の国際情勢の変化に伴いまして、わが国の外航船腹の需給に、著しく逼迫を来しましたので、これが緩和策の一つとして、低性能船舶買入法規定によつて政府が買い入れ保管中の船舶のうち、これを改造して外航適格船として使用し得るものを売り拂おうとするものであります。  次に、その内容のおもなる点を申し上げます。まず第一点は、船級協会の外航船舶としての船級を取得するに必要な改造を行うことを條件とすることであります。第二点は、売拂価格に対して、一定の日数に応じ日歩二銭七厘の率をもつて計算した額とすることであります。第三点は、売拂いは当該船骸を政府に売却した者に対して優先的にこれを行うことであります。  本法案は、三月二十日、予備審査として本委員会に付託され、越えて二十二日、提出者から提案理由の説明を聽取し、二十三日、正式に本委震員会に付託されたのであります。次いで質疑に入り、船腹需給の現状並びに改造費用等に関して熱心なる質疑応答が行われましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。  かくて討論を省略いたしまして、ただちに探決の結果、本法案起立多数をもつて原案通り可決いたした次第でございます。  右御報告申し上げます。(拍手
  41. 林讓治

    議長林讓治君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  42. 林讓治

    議長林讓治君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告通り可決いたしました。  これにて議事日程は議了いたしました。本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十五分散会