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1951-05-31 第10回国会 衆議院 文部委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年五月三十一日(木曜日)     午後一時五十四分開議  出席委員    委員長 長野 長廣君    理事 岡延右エ門君 理事 佐藤 重遠君    理事 若林 義孝君 理事 小林 信一君    理事 松本 七郎君       柏原 義則君    鹿野 彦吉君       圓谷 光衞君    平島 良一君       笹森 順造君    渡部 義通君       小林  進君    浦口 鉄男君  出席政府委員         文部政務次官  水谷  昇君         文部事務官         (大臣官房会計         課長事務代理) 相良 惟一君         文部事務官         (大学学術局         長)      稻田 清助君         文化財保護委員         会事務局長   森田  孝君  委員外出席者         文部事務官         (調査普及局地         方連絡課長)  田中  彰君        専  門  員 横田重左衞門君         専  門  員 石井  勗君     ————————————— 本日の会議に付した事件  (別紙)  一 千葉大学工芸学部を工学部に改組反対に関  する請願玉置實紹介)(第一六号)  二 金沢大学夜間短期大学設置請願坂田  英一君外四名紹介)(第一七号)  三 教職員結核対策強化に関する請願福田  昌子紹介)(第一八号)  四 同(小坂善太郎紹介)(第一九号)  五 同(田中重彌君紹介)(第一〇一号)  六 教育公務員子弟育英資金優先貸与に関  する請願庄司一郎紹介)(第二〇号)  七 教員住宅建築費国庫補助に関する請願(庄  司一郎紹介)(第二一号)  八 六・三制校舎建築費国庫補助継続等に関す  る請願志田義信紹介)(第二二号)  九 大和小学校雨天体操場改築費国庫補助の請  願(稻田直道紹介)(第二三号)  一〇 通信教育費国庫補助に関する請願若林  義孝紹介)(第二四号)  一一 教育財政確立に関する請願亘四郎君紹  介)(第二五号)  一二 同(赤松勇紹介)(第二六号)  一三 同(八百板正紹介)(第二七号)  一四 同外二件(鈴木義男君外一名紹介)(第  二八号)  一五 同外七件(松井政吉紹介)(第二九  号)  一六 同外一件(川島金次紹介)(第三〇  号)  一七 同外十五件(橋本登美三郎紹介)(第  三一号)  一八 同(川端佳夫紹介)(第三二号)  一九 同(小松勇次君外一名紹介)(第一一八  号)  二〇 同外十八件(佐竹晴記君外一名紹介)(  第一四〇号)  二一 教育予算増額請願外十四件(船越弘君  外二名紹介)(第三三号)  二二 同外八件(佐竹新市紹介)(第三四  号)  二三 高知県下公立高等学校教育費増額に関  する請願長野長廣紹介)(第一〇二号)  二四 教育財政確立に関する請願外十三件(牧  野寛索紹介)第一四一号)  二五 同(苫米地義三紹介)(第一四二号)  二六 同外十五件(圖司安正紹介)(第一四  三号)  二七 同外十件(池田正之輔君紹介)(第一四  四号)  二八 同外八件(上林與市郎紹介)(第一四  五号)  二九 同(山崎岩男紹介)(第一四六号)  三〇 同外二件(井出一太郎紹介)(第一四  七号)  三一 同(亘四郎君外八名紹介)(第一四八  号)  三二 同外七件(玉井祐吉紹介)(第一四九  号)  三三 同(岡良一紹介)(第一五〇号)  三四 同外三十二件(坪川信三紹介)(第一  五一号)  三五 同外二件(足鹿覺紹介)(第一五二  号)  三六 同外十八件(佐竹晴記紹介)(第一五  三号)  三七 同外六件(床次徳二紹介)(第一五四  号)  三八 同外九件(大野伴睦紹介)(第一五五  号)  三九 同(小松勇次紹介)(第一五六号)  四〇 同外七件(柳原三郎紹介(第一五七  号)  四一 同外十一件(平野三郎紹介)(第一五  八号)  四二 同外十一件(加藤鐐造君紹介)(第一五  九号)  四三 同外一件(田中織之進君紹介)(第一六  〇号)  四四 同(受田新吉紹介)(第一六一号)  四五 同(志賀健次郎紹介)(第一六二号)  四六 同(山本利壽紹介)(第一六三号)  四七 同(山崎猛君外七名紹介)(第二一九  号)  四八 同外八件(松井政吉紹介)(第二二〇  号)  四九 同外四件(坪川信三紹介)(第二二一  号)  五〇 若狭高等学校水産科水産高等学校に独  立の請願奧村又十郎紹介)(第一七三号)  五一 国民平和運動展開に関する請願石野久  男君紹介)(第二一七号)  五二 教職員結核対策強化に関する請願(中  原健次紹介)(第二一八号)  五三 同(井出一太郎紹介)(第二五五号)  五四 職業教育法制定に関する請願外一件(武  藤嘉一紹介)(第二六一号)  五五 職業教育法制定に関する請願神田博君  紹介)(第二七一号)  五六 同(遠藤三郎紹介)(第三一二号)  五七 新日本精神普及徹底に関する請願(内海  安吉君紹介)(第二八一号)  五八 平和擁護に関する請願淺沼稻次郎君紹  介)(第二八二号)  五九 六・三制校舎建築費国庫補助継続等に関  する請願柄澤登志子紹介)(第二九四号)  六〇 学校給食法制定に関する請願若林義孝  君紹介)(第三二二号)  六一 同(中馬辰猪紹介)(第三七一号)  六二 新暦法制定請願早稻田柳右エ門君紹  介)(第三五三号)  六三 教育財政確立に関する請願外一件(小松  勇次紹介)(第  三八九号)  六四 標準義務教育費法制定に関する請願(松  井政吉紹介)(第三九〇号)  六五 九州大学医学部附属病院看護婦増員に  関する請願福田昌子紹介)(第四二二号)  六六 職業教育法制定に関する請願外三十三件  (田中重彌君紹介)(第四二三号)  六七 同外八件(吉川久衛紹介)(第四八〇  号)  六八 同外七件(小坂善太郎紹介)(第四八  一号)  六九 同(大石ヨシエ紹介)(第四八二号)  七〇 平島中学校舎建築費国庫補助に関する  請願坪内八郎紹介)(第四二四号)  七一 学校給食法制定に関する請願坂田道太  君紹介)(第四二五号)  七二 同(小川原政信紹介)(第四七八号)  七三 六・三制整備に関する国庫補助並びに起  債等に関する請願南好雄紹介)(第四七九  号)  七四 支那学振興に関する請願庄司一郎紹  介) (第四八三号)  七五 幼稚園国費設置に関する請願平野三  郎君紹介)(第五二四号)  七六 職業教育法制定に関する請願外十九件(  田中重彌君紹介)(第五六八号)  七七 同外七十件(降旗徳弥紹介)(第五六  九号)  七八 同(小林進紹介)(第六一七号)  七九 同(水野彦治郎紹介)(第六一八号)  八〇 同(池見茂隆紹介)(第六一九号)  八一 紀元節復活制定請願宮原幸三郎君紹  介)(第五七〇号)  八二 都道府県国立大学幼稚園教諭及び保育  所保母養成機関設置請願辻寛一紹介)  (第五七一号)  八三 義務教育費全額国庫負担に関する請願(  星島二郎君外五名紹介)(第六一六号)  八四 教職員結核対策強化に関する請願(柳  澤義男紹介)(第六二七号)  八五 職業教育法制定に関する請願外十一件(  井出一太郎紹介)(第六六四号)  八六 同外九件(井出一太郎紹介)(第七〇  五号)  八七 同(勝間田清一紹介)(第七三八号)  八八 同外九件(吉川久衛紹介)(第七三九  号)  八九 同(小松勇次紹介)(第七六六号)  九〇 同(堀川恭平紹介)(第七六七号)  九一 図書館法の一部改正に関する請願(花村  四郎紹介)(第七〇四号)  九二 公民館に対する国庫補助増額請願(足  鹿覺紹介)(第七三〇号)  九三 六・三制校舎建築費国庫補助継続等に関  する請願足鹿覺紹介)(第七三六号)  九四 同(坂田道太紹介)(第七三七号)  九五 新制大学教育部学生に対する奨学資金国  庫補助請願坂田道太紹介)(第七四〇  号)  九六 国立大学施設費国庫負担請願坂田道  太君紹介)(第七四一号)  九七 教員免許法認定講習費全額国庫負担の請  願(坂田道太紹介)(第七四二号)  九八 厳島神社修理費国庫補助請願岡延右  エ門君外三名紹介)(第七九五号)  九九 教育行政に関する請願渡部義通君紹  介)(第七九六号)  一〇〇 職業教育法制定に関する請願外九件(  井出一太郎紹介)(第七九七号)  一〇一 同(砂間一良君外一名紹介)(第八三  二号)  一〇二 同(竹山祐太郎紹介)(第八五二  号)  一〇三 同外八件(井出一太郎紹介)(第九  〇〇号)  一〇四 松本城保存工事費国庫補助増額請願  (降旗徳弥君外七名紹介)(第八三三号)  一〇五 高等学校書道教員養成機関拡充強化に  関する請願早稻田柳右エ門紹介)(第八七  〇号)  一〇六 教育財政確立に関する請願羽田野次  郎君紹介)(第八七一号)  一〇七 六・三制校舎建築費国庫補助継続等に  関する請願野村專太郎紹介)(第九〇一  号)  一〇八 公民館専任職員費国庫負担に関する請  願(上林與市郎紹介)(第九二三号)  一〇九 六・三制校舎建築費国庫補助増額の請  願(上林與市郎紹介)(第九三四号)  一一〇 在日朝鮮学生育英資金貸与等に関す  る請願渡部義通紹介)(第九三六号)  一一一 職業教育法制定に関する請願高橋等  君紹介)(第九五一号)  一一二 博物館法制定に関する請願若林義孝  君外二名紹介)(第九八〇号)  一一三 奈良文化財研究所設置に関する請願(  長野長廣紹介)(第九八一号)  一一四 教職員結核対策強化に関する請願(  多田勇紹介)(第一〇〇八号)  一一五 学校給食法制定に関する請願庄司一  郎君紹介)(第一〇七六号)  一一六 同(塩田賀四郎紹介)(第一一一〇  号)  一一七 ニユース映画教育映画助成に関する  請願(佐々木更三君紹介)(第一一〇九号)  一一八 北海道学芸大学拡充請願伊藤郷一  君外五名紹介)(第一一一一号)  一一九 九州大学放射線従業員待遇改善に関す  る請願福田昌子紹介)(第一一三五号)  一二〇 大垣市立興文中学校校舎建築促進に関  する請願大野伴睦紹介)(第一一三七号)  一二一 私立学校共済組合設立に関する請願(  松本七郎紹介)(第一一三八号)  一二二 指導教諭設置に関する請願東井三代次  君紹介)(第一一七四号)  一二三 職業教育法制定に関する請願外二十件  (井出一太郎紹介)(第一一七五号)  一二四 同外十三件(小川平二紹介)(第一  二一九号)  一二五 育英資金運営に関する請願庄司一郎  君紹介)(第一一七六号)  一二六 産業教育法案中に家庭科加入に関する  請願若林義孝紹介)(第一二〇一号)  一二七 学校教育法等の一部改正に関する請願  (長野長廣紹介)(第一二一八号)  一二八 国民プール建設用地決定に関する請願  (野村專太郎紹介)(第一二二〇号)  一二九 国章制定に関する請願堤ツルヨ君紹  介)(第一二七八号)  一三〇 教職員結核対策強化に関する請願(  武藤嘉一紹介)(第一三三九号)  一三一 同(松本七郎紹介)(第一四一〇  号)  一三二 産業教育法案中に家庭科加入に関する  請願塩田賀四郎紹介)(第一三八一号)  一三三 同(勝間田清一紹介)(第  一四一一号)  一三四 教育財政確立に関する請願永田節君  紹介)(第一四一二号)  一三五 同(村上勇紹介)(第一四一三号)  一三六 学校給食法制定に関する請願松本一  郎君外一名紹介)(第一四八四号)  一三七 五大市における府県立高等学校移管に  関する請願三浦寅之助紹介)(第一四八五  号)  一三八 教職員結核対策強化に関する請願(  苅田アサノ紹介)(第一四八六号)  一三九 同(清藤唯七紹介)(第一五四〇  号)  一四〇 同(竹山祐太郎紹介)(第一四八七  号)  一四一 同(小松勇次紹介)(第一四八八  号)  一四二 九州大学放射線従業員待遇改善に関す  る請願柳原三郎紹介)(第一五四一号)  一四三 本興寺宝物館建設費国庫補助に関する  請願長野長廣紹介)(第一五六七号)  一四四 同(中村幸八君紹介)(第一五九七  号)  一四五 海技専門学院新制神戸商船大学昇格  に関する請願首藤新八君外三名紹介)(第一  五九八号)  一四六 精神修養日制定に関する請願關谷勝  利君紹介)(第一五九九号)  一四七 教職員結核対策強化に関する請願(  小林運美紹介)(第一六〇〇号)  一四八 同(苫米地義三紹介)(第一六〇一    号)  一四九 同(井出一太郎紹介)(第一六四七  号)  一五〇 大船大洞窟を文化財保護法による史跡  名勝天然記念物指定請願佐藤重遠君外一  名紹介)(第一六五九号)  一五一 産業教育法案中に家庭科加入に関する  請願若林義孝紹介)(第一六八〇号)  一五二 教職員結核対策強化に関する請願(  山崎岩男紹介)(第一七〇五号)  一五三 学校給食無料実施に関する請願苅田  アサノ君外一名紹介)(第一七四一号)  一五四 職業教育法制定に関する請願外九件(  田中重彌君紹介)(第一七五三号)  一五五 青年師範学校卒業生等教員免許に関  する請願山口好一紹介)(第一七六四号)  一五六 産業教育法制定に関する請願圖司安  正君紹介)(第一七八七号)  一五七 盲、ろう及び養護学校教員免許に関  する請願小林進紹介)(第一七八八号)  一五八 学校における宗教知識教育に関する  請願東井三代次君外二名紹介)(第一八五五  号)  一五九 海技専門学院新制神戸商船大学昇格  に関する請願首藤新八紹介)(第一八五六  号)  一六〇 学校教育法及び私立学校法の一部改正  に関する請願福井勇紹介)(第一九二〇    号)  一六一 精神修養日制定に関する請願松永佛  骨君紹介)(第一九四一号)  一六二 共立薬科大学学生寄宿舎建設に関する  請願長野長廣紹介)(第一九四二号)  一六三 教職員結核対策強化に関する請願(  吉川久衛紹介)(第一九六〇号)  一六四 大豊中学校災害復旧費国庫補助請願  (圖司安正紹介)(第一九六一号)  一六五 天台寺文化財防災施設費国庫補助の請  願(小澤佐重喜紹介)(第一九八七号)  一六六 社会教育費国庫補助に関する請願(圖  司安正紹介)(第二〇九二号)  一六七 六・三制教育施設整備に関する請願(  若林義孝紹介)(第二〇九四号)  一六八 国旗祝日設定に関する請願天野公  義君紹介)(第二〇九五号)  一六九 盲人用学用品購入費国庫補助等に関  する請願甲木保紹介)(第二一八七号)  一七〇 教職員結核対策強化に関する請願(  今野武雄紹介)(第二一八八号)  一七一 小学児童完全給食実施に伴う施設費国  庫補助等に関する請願平野三郎紹介)(第  二一八九号)  一七二 南部小学校雨天体操場新築費国庫補助  の請願長野長廣紹介)(第二二三五号)  一七三 麻布山善福寺史跡指定請願(井  手光治紹介)(第二二三六号)  一七四 国旗祝日並びに国旗憲章制定に関す  る請願村瀬宣親紹介)(第二三一七号)  一七五 幼稚園国費設置に関する請願堤ツ  ルヨ君紹介)(第二三一八号)  一七六 教職員結核対策強化に関する請願(  岡良一君外一名紹介)(第二三五六号)  一七七 伊豫田與八郎及び西澤真藏両氏の事績  を教科書教材として採用の請願千賀康治君紹  介)(第二三五七号)  一七八 教育公務員特例法の一部改正に関する  請願外十二件(坂本泰良紹介)(第二三五八  号)     —————————————
  2. 若林義孝

    若林委員長代理 ただいまから会議を開きます。日程第一一二、博物館法制定に関する請願文書表第九八〇号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  3. 浦口鉄男

    浦口委員 紹介議員にかわつて御説明を申し上げます。博物館法制定に関する請願、第九八〇号)、請願者社団法人日本博物館協会長徳川宗敬紹介議員若林義孝君、岡延右エ門君、高木章君、本請願要旨は、博物館教育及び学芸上欠くことのできない施設であるが、わが国博物館事業は欧米のそれに比較して著しく立ち遅れているから、この際博物館法をすみやかに制定して、積極的に博物館発達を助長し、奨励する策を立てられたいというのであります。
  4. 水谷昇

    水谷政府委員 博物館社会教育施設として重要であるのみではなく、学術振興並びに普及のために占める役割がきわめて大であるにもかかわらず、今日に至るまで放置され、財政的に維持困難な状態にあり、ために貴重な文化財を損耗し、散逸の危機にさらされております。この際これを保護助成するためには、博物館法を制定して、新しい博物館の性格を明らかにし、その機能を確立する要に迫られております。幸いに博物館関係者により法案の準備が進められておりますが、これはまことに時宜に適したものであり、文部省といたしましても、そのすみやかな実現を哀心より期待しております。これに対しまして全面的に協力をするつもりであります。     —————————————
  5. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一一三奈良文化財研究所設置に関する請願文書表第九八一号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  6. 浦口鉄男

    浦口委員 奈良文化財研究所設置に関する請願、第九八一号、請願者奈良県知事野村万作紹介議員長野長廣君、本請願要旨は、奈良わが国文化発生地であり、世界的古文化賞料を包蔵する奈良美術活動を活発にすることは、わが国文化国家として立つためにも必要であるから、環境的に最もふさわしい土地である奈良奈良文化財研究所設置されたいというのであります。
  7. 森田孝

    森田(孝)政府委員 現在文化財保護委員会は、研究機関といたしまして、東京美術研究所を持つているばかりでありますが、文化財保護法精神を徹底して実施いたします上におきましては、調査研究機関として、これだけではきわめて不十分であります。従いまして文化財保護委員会といたしましても、東京におきましても、たとえば芸能研究とか、防災のための研究などの施設を、ぜひ設けて参りたいと考えておりますが、わが国有形古代文化財につきましては、何といたしましても、京都、奈良、滋賀などの近畿地方が中心でありまして、現地におきまして、これらに関する研究施設を設けることは、絶対に必要であると考えておるのであります。ただ本年度の予算につきましては、文化財保護委員会創立早々でありましたので、ここまで手が伸びませんでしたが、最近奈良県庁におかれましては、県の施設を提供しても、これが設置を希望いたしておるというお話を承りまして、文化財保護委員会といたしましても、補正予算その他の機会がありましたならば、できるだけ早い機会におきまして、これが予算実現につきまして努力いたしまして、おそくとも来年度にはぜひ実現いたして参りたいと考えておる次第であります。     —————————————
  8. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一一七、ニユース映画教育映画助成に関する請願文書表第一一〇九号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  9. 浦口鉄男

    浦口委員 ニユース映画教育映画助成に関する請願、第一一〇九号、請願者東京都中央区木挽町一丁目二十三番地、星野晃広外五名、紹介議員佐佐木更三君、本請願要旨は、ニユース教育映画事業に対する保護助成のため、すみやかに左の事項を実施されたいというのである。一、ニユース映画については、入場税を免除し、料金にも一定のわくを設けて、その範囲で免除とし、危機にひんしている映画社から優先的に融資すること。二、教育映画については、教育映画審査委員会を作り、そこで教育映画と認定された作品については、ネガテープフイルム及びプリント用ポジフイルムフイルム税を免除し、その製作会社の次回作品用フイルムを無税とすること。その他優秀な作品に対する補助方法を講じ、上映に対しても入場税免税等の措置を講ぜられたい。という趣旨であります。
  10. 若林義孝

    若林委員長代理 本請願につき政府意見を求めます。水谷政府委員
  11. 水谷昇

    水谷政府委員 本請願要旨は、現在のニユース教育映画界経済的事情に照しまして、無理からぬところであると思われます。文部省におきましては、教育上重大な要素を持つ視覚教育の健全なる発達をはかるための適当なる方途を研究中でありまして、本請願趣旨につきましても、可能な限りその実現を期したいと思つおる次第であります。     —————————————
  12. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一一八、北海道学芸大学拡充請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  13. 浦口鉄男

    浦口委員 北海道学芸大学拡充請願、第一一一一号、請願者、札幌市北三条西五丁目北海道教育委員会内北海道教育委員会代表西野金助外十六名、紹介議員伊藤郷一君外五名、本請願要旨は、北海道学芸大学道民子弟教育にあたる教員養成を目的としているが、北海道における教員不足は、無資格教員を合せて、およそ一万七千余人を数えようとしている。ことに最近毎年の自然退職教員補充は千六百五十余人を要する現況で、卒業生をはるかに越えている。北海道総合開発計画によれば、今後十箇年間は、北海道の人口が現在の四百三十余万人を倍加する計画であるから、教員不足がさらに深刻化することは明らかである。ついては、これが対策として、すみやかに北海道教員不足を解決するために、同大学拡充されたいというのであります。
  14. 若林義孝

    若林委員長代理 本請願につき政府意見を求めます。水谷政府委員
  15. 水谷昇

    水谷政府委員 北海道は、その地域的特質から、教員の供給につきましても十分でない点があるので、北海道学芸大学拡充につきましては、当局におきましてもその必要性を認めております。それでできるだけ努力したいと考え、目下その点について研究を続けております。     —————————————
  16. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一一九、九州大学放射線従業員待遇改善に関する請願は、日程第一四二と同一趣旨でありますから、一括して議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  17. 浦口鉄男

    浦口委員 九州大学放射線従業員待遇改善に関する請願、第一一三五号、請願者九州大学医学部放射線科代表入江英雄紹介議員福田昌子君、本請願要旨は、放射線医学の発展とともに、公衆の認識も深まり、現在放射線診察患者は増加する一方である。大学病院では、患者の診療に際し、学徒の教育実習が併行されるが、限度時間内に多種多方面に仕事が行われるので、レントゲン線傷害の危険が多大である。この傷害を防ぐためには、防護設備を完全にすることが急務であるが、実験や透視の場合完全に避け得ないことが多い。しかし現在従業員不足から過重労働を来し、放射線傷害をうける場合が多いから、この危険をある程度避けるために持場交替制を実施し放射線従業員待遇改善をはかられたいというのであります。
  18. 若林義孝

    若林委員長代理 本請願について政府意見を求めます。水谷政府委員
  19. 水谷昇

    水谷政府委員 放射線の業務は相当の危険を伴うものであり、そのために従業員資格等につきましては、最近法律が制定されてその向上を期しているので、これに応じて大学病院におきましても、被害の防止については十分努力しております。本省におきましても、危険手当の支給等に関しましては、厚生省と協力をいたしまして、人事院と折衝して実現に努めておる次第であります。     —————————————
  20. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一二〇、大垣市立興文中学校校舎建築促進に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  21. 浦口鉄男

    浦口委員 大垣市立興文中学校校舎建築促進に関する請願、第一一三七号、請願者、大垣市立興文中学校建設促進委員会委員長 片野忠七外四名、紹介議員大野伴睦君、本請願要旨は、大垣市立興文中学校は、昭和二十二年創立以来いまだに校地校舎なく、他校あるいは他建築物を借用してかろうじて授業を継続している現状であり、しかも現在借用中の大垣高等学校校舎は返還しなければならない実情にある。しかして本市の発展とともに、本校生徒数も必然的に増加し、現状のまま推移するならば、教育上ゆゆしい事態に陥ることは明らかである。ついては、すみやかに該校校舎を建築されたいというのであります。
  22. 若林義孝

    若林委員長代理 本請願について政府意見を求めます。水谷政府委員
  23. 水谷昇

    水谷政府委員 昭和二十六年度予算におきまして、建築費を補助するつもりであります。     —————————————
  24. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一二一、私立学校共済組合設立に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  25. 浦口鉄男

    浦口委員 私立学校共済組合設立に関する請願、第一一三八号、請願者東京都千代田区神田一ツ橋教育会館日本職員組合 岡三郎外二万千三百五十八名、紹介議員松本七郎君、本請願要旨は、私立学校教職員は、新日本再建の基盤をなす青少年の教育に従事しているが、その待遇はきわめて悪く、現在なお病気、災害その他老後に対する保障がないのは、はなはだ遺憾である。ついては、私立学校教職員待遇改善のため、私立学校共済組合法をすみやかに制定し、私立中等学校恩給財団をもこれに併合して、これが予算の裏づけある実施をされたいというであります。
  26. 若林義孝

    若林委員長代理 本請願について政の意見を求めます。水谷政府委員
  27. 水谷昇

    水谷政府委員 私立学校教職員の福祉の向上をはかりますことは、とりもなおさず学校教育の健全な発達をはかるゆえんと考えられますので、私立学校教職員共済組合法の制定につきましては、法令上及び予算上十分に研究し、近い将来におきまして、その実現をはかるように努力したいと存じております。     —————————————
  28. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一二二、指導教諭設置に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  29. 浦口鉄男

    浦口委員 指導教諭設置に関する請願、第一一七四号、請願者東京都神田区三崎町日本大学校文学部心理研究室内日本応用心理学会当番会長 盛永四郎外十九名、紹介議員東井三代次君、本請願要旨は、中学校並びに高学校教育において、教科の教授以外に生徒指導の必要が新教育の実施とともに痛感されるので、左記の事項をすみやかに実現されたいというのであります。(一)学校教育法の中に、中学校、高等学校における生徒指導の専任(担当者指導教諭)を設けることを規定すること。(二)指導教諭の任務は次のごとくする。(イ)指導の分野には、人格指導、社会性指導、余暇指導、問題児指導、校外指導、進学指導、職業指導等を含む。(ロ)指導教諭は校長を補佐して生徒指導の企画、立案、調整に当る。(ハ)指導教諭は全校教職員の行う指導の活動を援助する。(ニ)生徒指導に関し、校外諸機関の連絡に当るというのであります。
  30. 水谷昇

    水谷政府委員 新教育における生徒指導の重要性は請願要旨の通り痛感されております。いずれの学校におきましても、全教職員が生徒指導の任に当つておるのであります。従つてほとんどの学校では指導係主任を置きまして、請願に記されてあるような任務を行つております。請願要旨まことにけつこうでありますが、指導教諭に法的根拠を与えなくともすでに行われておることであり、学校における他のいろいろな係、たとえば校務主任とか、保健主任と同様に当然存在すべきものであると考えられるのであります。     —————————————
  31. 若林義孝

    若林委員長代理 日程一二五、育英資金運営に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  32. 浦口鉄男

    浦口委員 育英資金運営に関する請願、第一一七六号、請願者、仙台市弓町五番地留守家族同盟東北大県代表、立花学子、紹介議員庄司一郎君。本請願要旨は、現在未帰還者留守家族の子弟は、学資金に乏しきため、進学不能な状態にあるから、これら子弟に対し育英資金を貸し付けられたいというのであります。
  33. 水谷昇

    水谷政府委員 奨学資金の貸与につきましては、成績の優秀性のほかに、経済的困難性を重要視して行つておるので、現在未帰還者留守家族の学徒について特別の措置は講じていないので、その実質は明らかでありませんが、経済的に困難なもののうちに、未帰還者留守家族のものは、当然優先的に考慮されております。なお戦争犠牲者その他で知己のないものは昭和二十五年度全奨学生の四六%、これは高校です。それから二七%を大学が占めており、引揚者についても一〇%のものが採用されている現状であります。今後とも未帰還者を初め、こうした特殊事情のものにつきましては、十分留意して御趣旨に沿うよう努力いたしたいと存じます。     —————————————
  34. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一二七、学校教育法等の一部改正に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  35. 浦口鉄男

    浦口委員 学校教育法等の一部改正に関する請願、第一二一八号、請願者、横浜市南区大同時百四十三番地、林知義、紹介議員長野長廣君。本請願要旨は、行政事務再配分に関する地方行政調査委員会会議の中で、教育行政について指摘された改革措置に対しては、五大市教育委員会は賛意を表し、特に五大市の地域内における高等学校設置責任は一元的に五大市が負うということについては、五大市教育委員会としてはあらゆる教育的見地からその必要を痛感していた。ついてはこれがすみやかなる実施をはかるため、学校教育法等の一部を改正されたいというのであります。
  36. 水谷昇

    水谷政府委員 教育に関する事務の再配分につきましては、地方行政調査委員会議からの勧告があり、その中に府県立高等学校五大市への移管も論ぜられておりますが、このことにつきましては行政事務の再配分全般にわたつて現在検討中であります。この問題のみを切り離すことは財政上の措置をする上からいつても好ましくないので、これとの関連において考究したいと存じます。     —————————————
  37. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一二八、国民プール建設用地決定に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  38. 浦口鉄男

    浦口委員 国民プール建設用地決定に関する請願、第一二二〇号、請願者東京会議員 清水長雄外九名、紹介議員野村專太郎君。本請願要旨は、わが国青少年に水泳を通じて平和日本と文化国家の将来を背負う健全な国民として国際社会に勇躍させるため、修練並びにリクリエーシヨンのために国民プールの建設は必要である。ついては国策的水泳プールの建設用地として、新宿御苑西北端の一部を決定されたいというのであります。
  39. 水谷昇

    水谷政府委員 水泳は広くわが国民の間に普及し、ことに青少年の愛好するスポーツであります。従つて水泳場に恵まれない都会地におきましては多数のプールを建設して、これを開放することはきわめて意義があることであります。この意味合いにおいて国民プールが建設されることは望ましいことでありますが、本請願のプールの用地問題につきましては所管外でありますので、意見を申し述べることは差控えたいと存じます。     —————————————
  40. 若林義孝

    若林委員長代理 日程一二九、国章制定に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  41. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員 紹介議員にかわつて説明いたします。請願者は滋賀県大津市白玉町二十番地西片平次郎、紹介議員堤ツルヨ君であります。本請願要旨は、戦後六回目の新春を迎え、講和会議の締結せられるときにあたり、国民の真心を表象する国章の制定は意義あるものと考えるから、別紙図案に基き、国会においても本章制定に協力されたいというのであります。
  42. 水谷昇

    水谷政府委員 国民の真心を表象する国章の制定は意義あるものと思いますが、今日国民の真心を表象する国歌にしても、国家のシンボルとしている日の丸にいたしましても、その起源はきわめて遠く、古い伝統を持つておりまして、また国民の自然に盛り上る感情が今日の国歌君が代をつくり、国旗日の丸をつくつたのであります。従つて国章もこのように国民の盛り上る感情より出たものでなければ、国章の意義がないと考えられるのであります。     —————————————
  43. 若林義孝

    若林委員長代理 日程一三七、五大市における府県立高等学校移管に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  44. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員 本請願請願者は横浜市中村源兵衛でありまして、紹介議員三浦寅之助君であります。本請願要旨は、各都市は、すでに小学区制を実施し、教育機会均等、学校差の解消等の根本問題の解決に努力しているとき、五大市内に設置されている府県立高等学校を当該都市教育委員会に移管することは緊急事である。ついては、すみやかに五大市内にある府県立高等学校を当該都市教育委員会に移管されるよう措置されたいというのであります。
  45. 水谷昇

    水谷政府委員 これは前にお答えいたしました第一二七の請願と内容が同じでありますので、お答えも同様であります。     —————————————
  46. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一四三、本興寺宝物館建設費国庫補助に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  47. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員 請願者は静岡県浜名郡鷲津町本興寺住職高橋日猷外五名でありまして、紹介議員長野長廣君であります。本請願要旨は、静岡県浜名湖西岸にある本興寺は、浜名八景の一として名勝地に指定され、県立公園の一環として知られている。本興寺には、旧国宝法華経絵曼陀羅を初め多数の文化財を所蔵しているが、その保管方法はきわめて不完全で、盗難火災の危険少くなく、常時展示の設備もないので、今回浜名湖一帯が県立公園に指定されたのを機会に宝物館を建設して保存を完全にし、大衆の文化教養を高めることになつた。ついては、自力のみではとうていその達成は困難であるから、宝物館建設費を国庫をもつて補助されたいというのであります。
  48. 森田孝

    森田(孝)政府委員 静岡県の本興寺には、旧国宝の絹本著色の法華経、曼陀羅の図が四幅保存されておりますが、このために宝物館を建設されたいという地元の御意向は、まことにけつこうだと存ずるのでありますが、現在国の予算におきましては、かかる宝物館の建設費の補助金は計上されておらない状態でありまして、わずかにこういう国宝につきましては、防災施設として僅少の予算があるのみであります。従いまして将来これらの点につきまして、十分に調査の上で予算を計上いたしまして、御趣旨に沿いたいと考えておる次第であります。     —————————————
  49. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一四五、海技専門学院新制神戸商船大学昇格に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  50. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員 本請願請願者は兵庫県知事岸田幸雄外十名であり、紹介議員首藤新八君、松澤兼人君、有田喜一君、原健三郎君であります。本請願要旨は、わが国経済自立の第一条件として海運の早急な整備拡充が要望されているが、海運の充実は船腹の増強と、これに配する優秀船員をもつて、初めて所期の目的を達成し得るものである。ついては、昭和二十七年度より現在の海技専門学院を新制神戸商船大学に改組し、優秀船員の養成に着手されたいというのであります。
  51. 水谷昇

    水谷政府委員 商船大学は海上勤務者の教育という特殊な性格を有しておるので、その学制、定員なり数なりは、船腹の増強計画と関連し、船員の需要に応じて決定しなければならない上に、現在の海技専門学院は運輸省の所管であるので、その措置については運輸省の意向も聞いて、慎重に研究しなければならぬと考えております。この問題については、私から運輸省の関谷政務次官に交渉をいたしまして、運輸省において十分にこの内容を充実してもらい、設備の充実をはかつてもらうということにして、商船大学に昇格をしようということを交渉して、よりより話合いをしておるのでありますが、目下のところでは、これはまず船員の再教育所でありますから、それとして内容を充実すること、設備も充実する、こういうことにひとつ進んで行こうという話合いになつておりますので、今ただちにこの請願にあるような、二十七年度からというわけには参りますまいと考えております。     —————————————
  52. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一四六、精神修養日制定に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  53. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員 本請願請願者は京都市日本聖徳会長高橋常雄、紹介議員關谷勝利君であります。本請願要旨は、最近の青壮年層は、思想、道義等において、きわめて頽廃的であるから、これが教化指導をはかるため、公務員、各種会社員等を会場に集合せしめ、毎月一回、第一土曜か日曜日を精神修養日と定め、修養講座を開催されたいというのであります。
  54. 水谷昇

    水谷政府委員 御趣旨は了承いたしますが、これらは国において修養日を定めるようなことはしないで、各職場において自主的に展開するのが望ましいのであると考えます。強制は形式に流れるおそれがありまして、避けるべきであろうと考えておる次第であります。     —————————————
  55. 若林義孝

    若林委員長代理 日程一五〇、大船大洞窟を文化財保護法による史跡名勝天然記念物指定請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  56. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員 本請願請願者は、横浜市の大船大洞窟奉讃会長川瀬末吉外二名でありまして、紹介議員は私と浦口鉄男君でございます。本請願要旨は、大船大洞窟は、洞内約一里に及び五重洞にして、全岩面には大彫刻千余があり、世界的な大洞窟を存しているにかかわらず、永年閉門同様になつているので、この際、大洞窟の文化的価値を生かし、人々をして昔の学理化学を知らしめるため、これが保護を加えることは緊要である。さらに当山一帯の保護をはかり、施設を整え、良質なラジユーム温泉の沸出もあつて、文化国家の建設の途上にある観光施設を施すことは、ひいては外貨の獲得と産業の発展に寄与すること多大である。ついては、大船大洞窟を文化財保護法による史跡名勝天然記念物指定されたいというのであります。  なおついでに敷衍いたしますが、実は私と浦口議員と委員部の高原君と、先般実地を視察して参つたのでありまして、今までほとんど世に知られなかつたこういう珍しいものが、しかも帝都のすぐそばにあることを見て、非常に驚いたような次第でありましたが、この請願にあるしことは、一通りもつともなことだと考えております、何とか世に出していただきたい、こう考える次第であります。ただこの大洞窟のあるお寺の坊さんに井上という坊さんがいるのでありますが、この洞窟を自分の私有物だと主張し、この奉讃会の会長に五十万円ほどよこせということを要求しているといううわさなのであります。ほんとうかうそかわかりませんが、私ども実地を見、またこの坊さんと少しばかり談話を交換したときの感じ等から判断いたしますと、どうもこれはほんとうじやないか、あまりこれは感心した坊さんじやなさそうなんです。はなはだどうかと思つて、内心いやな感じをしたようなことでもありました。ことに洞窟を視察している最中、はなはだ怪奇虚誕なことを話して、妙な印象を受けたのでありますが、そういうことも、この新しい時代に、はなはだふさわしくないことだと思いますし、こういつたような種類の、悪僧とまでは言わぬまでも、一種の妖僧ではないかと思つたほどであります。近ごろどうもいろいろな宗教が多くて、そういう精神界のことを受持つている人たちが、かつてなことをすることは、はなはだおもしろくないと、実は考えておるようなわけであります。どうか文部省としても、ひとつ県の教育委員会に通知でもして、十分に実相をお調べになり、大いに新しき時代の要求に沿うような、適当なる方法を講じていただきたい、こう考える次第であります。あわせて意見を開陳いたしておきます。
  57. 森田孝

    森田(孝)政府委員 大船の大洞窟につきましては、実は文化財保護委員会といたしましては、資料が現在全然ございませんので、よく調査いたしまして、指定の可否について、将来考究して参りたいと考えておりますが、そのあとでおつけ加えになりましたことは、これはむしろ文部本省の宗教関係の行政の部面に入りますので、文化財の保護委員会といたしましては、純学理的に考えまして、指定の可否を考究して参りたいと考えております。
  58. 水谷昇

    水谷政府委員 文部省といたしましては、よく調査いたしまして善処したいと考えております。     —————————————
  59. 若林義孝

    若林委員長代理 日程一五五、青年師範学校卒業生等教員免許に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  60. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員 本請願請願者は、福井市福井大学福井青年師範学校同窓生代表新倉成律外二千二百十名、紹介議員山口好一君であります。請願要旨は、免許法の改正により、青年師範学校卒業生に対する実業教員無試験検定の出願の道が昭和二十二年度以降卒業生の者には閉され、その出願期日も昭和二十五年三月末で打切られることになつたため、昭和二十二年度以降の卒業生は非常に不利な立場に置かれるから、昭和二十二年度卒業者及び在校生、並びにそれ以前の出願もれの者に対しても無試験検定による実業教員免許状取得の機会を与えられるよう法令を改正されたいというのであります。
  61. 水谷昇

    水谷政府委員 従来青年師範卒業者は、他の高専等の卒業者と同様、経歴検定受検の場合、経験年数のみでよかつたのでありますが、今次の制度改革により、相当単位の現職教育を受けることになつたのであります。青年師範卒業者のみの問題ではなく、一般的な問題であつて、古い者の既得権と、新しい者との間のこの程度の開きは、制度改革には免れないものと考えられます。青年師範卒業者は、施行法第二条の規定により、中学校の二級普通免許状と、高等学校の仮免許状とを受けることができることになつておりますので、将来は新免許法の精神に従いまして、現職教育の単位を修めて、上級免許状に進むのが適当であり、従つてこのために施行法を改正する必要はないものと考える次第であります。     —————————————
  62. 若林義孝

    若林委員長代理 日程一五七、盲、ろう及び養護学校教員免許に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  63. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員 本請願請願者は、東京都江東区深川越中島八番地日本教職員組合特殊学校部長今村治、紹介議員小林進君であります。請願要旨は、盲、ろう及び養護学校教員免許状の建前は、小学校、中学校、高等学校または幼稚園教員免許状を有することが前提となつているが、政府原案の教育職員免許法の一部を改正する法律案によれば、小、中、高、幼の教員の一級免許状を有する者でも盲、ろう、養護学校教員になれば、すべてこれらの教員の仮免許状に格下げされる結果となり、また単位増加による取得は実に負担過重となるので、教育職員免許法の一部を改正する法律案中の「別表七中、盲学校、ろう学校または養護学校教員の一級普通免許状の項の第四欄に六を加える」を削除されたいというのであります。
  64. 水谷昇

    水谷政府委員 別表の第七は、本法立案の際、特殊教育教員養成施設の実情にかんがみ、特別の考慮を払つたものでありますが、その後における当該教員養成施設並びに現職教育施設の強化に応じまして、また他との均衡も考え、相当の単位の所得を必要とすることとしたのであります。     〔若林委員長代理退席、佐藤(重)委     員長代理着席〕     —————————————
  65. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員長代理 日程一五八、学校における宗教知識教育に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  66. 浦口鉄男

    浦口委員 学校における宗教知識教育に関する請願、第一八五五号、請願者奈良県丹波市町日本宗教学会代表、岸本英夫、紹介議員東井三代次君外二名。本請願要旨は、社会の精神的秩序を高め、宗教的情操を養うために、国民に宗教に関する基本的知識を与えることは緊急を要することであるから、日本宗教学会は宗教の学術研究を目的とし、文化国家の基本的要請として、左の事項を早急に実現されたいというのであります。一、中等学校社会科において、実施中の宗教単元を、さらに整備増強すること。二、教育大学学芸大学、教養学部の後期課程に宗教学、宗教史を加えること。三、大学前期の教養学課日中に宗教学、宗教史を加えること等であります。
  67. 水谷昇

    水谷政府委員 学校教育において宗教的知識に関連を持つ教科としては、国語、社会、音楽、図工等がありますが、中でも社会科特に中学校の社会科はこの方面に最も大きな貢献をしておるのであります。すなわち中学校第二、三学年において課せられる日本史においては、わが国のおもな宗教の発達及びその社会生活に及ぼした影響が教えられておるのであります。さらに中学校三年の一般社会科では、宗教は社会生活に対してどんな影響を与えて来たかの問題を中心とする指導計画があつて、ここでは日本や世界のおもな宗教やその形態、諸宗教の発達史、個人及び社会生活に対する宗教の影響、宗教と現代生活との関係等についてまとめて学習し、これらに関係ある宗教的知識が十分に授けられるようになつております。この学習に利用される教科書も刊行されております。次に大学における一般教育及び専門教育の科目は、大学の基準に基き、その大学の目的、使途に応じて編成されるのでありまして、宗教及び宗教史をその科目に加えることは、大学教育内容を豊富ならしめる点において適切であると考えられるのであります。     —————————————
  68. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員長代理 日程第一五九、海技専門学院新制神戸商船大学昇格に関する請願議題といたします。本請願日程第四六と同じものでございまして、すでに済んでおりまするから省略いたします。なお日程第一六一、精神修養目制定に関する請願議題といたしまするが、これも日程第一四六と同じでございまするので、省略いたします。日程第一六二、共立薬科大学学生寄宿舎建設に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  69. 浦口鉄男

    浦口委員 共立薬科大学学生寄宿舎建設に関する請願、第一九四二号、請願者、共立薬科大学代表理事工藤鐵男、紹介議員長野長廣君。本請願要旨は、東京都港区芝公園六号地四番、五番、六番にまたがる鉄骨コンクリート建物は、共立薬科大学の寄宿舎として十数年間使用して来たものであり、昭和二十年九月、米軍八寄宿舎として接収され、現在は、芝パークホテル株式会社の経営で、バイヤーのホテルとなつているが、同校では寄宿舎を失つて開校できず、一時葛飾区の会社の寮を借りたが、それが売却されたため、空け渡しを要求され困惑している。ついては学生寄宿舎の建設は緊急を要しているので適当な措置を講ぜられたいというのであります。
  70. 水谷昇

    水谷政府委員 共立薬科大学の寄宿舎は、昭和二十年九月二十七日接収せられ、同年十月八日より米軍宿舎として使用されていましたが、昭和二十三年五月十三日付の連合国軍総司令部経済科学局よりの覚書により、バイヤーのホテルに使用することを条件に接収解除となり、通商産業省の管理下において芝パークホテル株式会社がその運営受託者となり経営にあたり現在に至つているので、学校側の寄宿舎返還の請願に関しましては、総司令部よりの覚書の点を十分に考慮して処理されなければならぬと思うのであります。現在芝パークホテルとして使用されている建物は、共立薬科大学が昭和九年九月建築以来、十数年間学生寄宿舎として使用し、常に二百名内外の学生を収容して来ていたのであつて、昭和二十年九月に接収されて後は、都内五箇所に計五十四名の学生を分宿収容しているが、学生総数約四百名中、その約半数二百名くらいの全国各地より入学している入舎希望者の学生を収容するのには、はなはだ不十分な状態であるので、総司令部よりの覚書の趣旨が他の方法によつて達せられるならば、学校より請願の通り宿舎の返還されることは、教育上望ましいことであると思われるのであります。     —————————————
  71. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員長代理 日程第一六 ○、学校教育法及び私立学校法の一部改正に関する請願議題といたします。紹介者の趣旨説明を求めます。
  72. 浦口鉄男

    浦口委員 学校教育法及び私立学校法の一部改正に関する請願、第一九二 ○号、請願者は全国高等学校夜間教育協会代表鈴木佐市、紹介議員福井勇君。本請願要旨は、夜間教育の特質を発揮し、かつ、その顯著な進展を期するため、学校教育法及び私立学校法の一部を次のように改正されたいというのである。(一)学校教育法弟四十四条第一項中「夜間その他特別の時間又は時期において授業を行う課程(以下定時制の課程と称する)」を「夜間において毎日授業を行う課程(以下夜間の課程と称する)または特別の時期及び時間において授業を行う課程(以下定時の課程と称する)」に改め、同条第二項「高等学校には通常の課程を置かず又は前項の課程の一つのみを置くことができる」に改める。(二)学校教育法第四十六条の但書を「但し第四十四条第一項の課程を置く場合は、その修業年限は三年を超えるものとすることができる」に改める等であります。
  73. 水谷昇

    水谷政府委員 夜間教育の特質を考慮して、その振興を期そうという御趣旨につきましては同感でありますが、現行法においても夜間の課程を認め、大いにその特色を発揮できるようにしてあるのであります。  次にその修養年限は通常の教育課程とのつり合いより考えまして、現行法通り四年とすることが妥当であると考えられるのであります。
  74. 若林義孝

    若林委員 この件に関しまして、かつて私からもこの請願趣旨と同じような意味において説明を求めたのでありますが、劔木次官からであつたかと思うのでありますが、御答弁があつたのであります。画一的の教育にならずに、優秀なる学生は努力次第によつて、相当短期間に目的を達成できるような機会を与えるということが、大切ではないかと考えるのであります。同じ通学をいたしておりましても、その努力の仕方によつて、非常に差異が生じて来ると考えますので、努力をする者にはその機会を与えられるという道を開いておくということが、必要ではないかと考えるのであります。この点当局として考慮する余地を持つておられるかどうか、あくまで画一的な行き方でやろうとするお気持であるかどうか。今の請願のような文章に法文を直して行くかどうかについては、技術的なことでありますから御研究を願うことにして、その道を開いてやることが必要ではないかと考えますが、この点についての御所見を承りたい。
  75. 水谷昇

    水谷政府委員 ただいまの若林君の御説はごもつともにも考えます。努力する者と努力しない者とは、ことに夜間の教育では非常に差ができると考えるのであります。従つてそういう便法が講ぜられれば、まことに好都合であろうと思いますが、なかなかこれは至難のこととも考えられます。よく研究をいたすことにいたします。     —————————————
  76. 佐藤重遠

    佐藤(重)委員長代理 日程第一六四、大豊中学校災害復旧費国庫補助請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  77. 浦口鉄男

    浦口委員 大豊中学校災害復旧費国庫補助請願、第一九六一号、請願者山形県最上郡豊田村長堀米常藏外一名、紹介議員は図司安正君であります。本請願要旨は、山形県最上郡豊田、豊里両村組合立大豊中学校は、新築工事進捗中のところ、去る二月十日突風のため災害をこうむり、約三百万円の損害となり、窮乏をきわめる両村の財政ではとうていこれが復旧費の捻出は困難である。ついては、実情調査の上、災害復旧補助金を交付されたいというのであります。
  78. 水谷昇

    水谷政府委員 原則といたしましては、災害復旧費補助は、広汎な地域にわたつておる特定の災害に限られているので、このような地域的災害には補助は困難であるのであります。しかし実情をよく調査いたしまして、考慮の余地があれば補助をいたしたいと考える次第であります。     〔佐藤(重)委員長代理退席、若林委     員長代理着席〕     —————————————
  79. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一六五、天台寺文化財防災施設費国庫補助請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  80. 浦口鉄男

    浦口委員 天台寺文化財防災施設費国庫補助請願、第一九八七号、請願者岩手県二戸郡浄法寺町大字御山字御山久保三十番地天台寺住職北嶺亮詮、紹介議員小澤佐重喜君であります。本請願要旨は、岩手県二戸郡浄法寺町大字御山字御山久保にある天台寺は、重要文化財として、保存施設設置を急がれ、とりあえず自動火災感応器、貯水槽、消火器、警報器、文化財保存箇所一部改造、地方消防連絡道路管理者の常在などの勧告を受けたが、その工費は五十万を越える膨大な額になつているから、全額を負担することは不可能である。ついては、国庫において、そのうち四十万六千円をすみやかに補助されたいというのであります。
  81. 森田孝

    森田(孝)政府委員 重要文化財防災設備は、建設物と宝物あるいは所在地の環境等によつてその施設の種類、緩急を考えて行かなければならないのであります。昨年文化財保護委員会におきましては、全国の各都道府県にその現状を照会いたしまして、現在全国的な計画を立案中であります。天台寺の宝物の防災施設につきましては、地元で非常に御熱心に計画されておりますので、岩手県当局ともよく打合せました上で、先ほど申し上げました全国的な防災計画と照し合せまして、将来考慮して参りたいと思うのであります。
  82. 浦口鉄男

    浦口委員 この際ちよつとお伺いをいたしておきますが、二十六年度の文化財保護委員会予算総額と、そのうち防災費にどのくらい充てられているか、お聞きしておきたい。
  83. 森田孝

    森田(孝)政府委員 二十六年度の委員会の全体の費用は四億二千万円でありますが、そのうち防災関係に充てられておりますのが、二千七百万円であります。二千七百万円ありますけれども、現在先ほど申しました全国の防災計画を勘案しますと、約十億に達するのでありまして、目下消防庁とその計画についての内容を検討中であるわけであります。従つてその二千七百万円は、その第一箇年の計画として消化すべく、目下準備いたしておるわけであります。     —————————————
  84. 若林義孝

    若林委員長代理 日程一六六、社会教育費国庫補助に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  85. 浦口鉄男

    浦口委員 社会教育費国庫補助に関する請願、第二〇九二号、請願者、山形市旅籠町山形県教育委員会代表、塚原主計。紹介議員圖司安正君。本請願要旨は、国及び地方公共団体の社会教育における任務は、社会教育法第三条に示す通り、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、みずから実際生活に即する文化的教養を高めるような環境を醸成するよう努めるにあるが、これが目的達成には社会教育関係者の熱意のみに期待した微温的財政措置にとどまらず、積極的に国の任務として、社会教育施設設置拡充に画期的な経費支出が必要である。ついては、文化国家建設のため、社会教育費に対して、国庫補助されたいというのであります。
  86. 水谷昇

    水谷政府委員 社会教育行政振興のために、これに要する経費を十分ならしめることは、今日の緊急事でありますが、地方公共団体のこれに要する経費は、原則として地方財政平衡交付金を含む一般地方財源によつて、まかなわるべきものであります。従つて本請願の具体化のために、地方財政平衡交付金の中に、十分の社会教育費を計上するように努力し、さらに奨励的な補助金として計上されております。公民館、図書館に対する補助金額を増額するように、努力したいと考えております。     —————————————
  87. 若林義孝

    若林委員長代理 日程一六八、国旗祝日設定に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  88. 浦口鉄男

    浦口委員 国旗祝日設定に関する請願、第二〇九五号、請願者東京都墨田区隅田町三丁目五百二十七番地木村元吉外五名、紹介議員天野公義君。本請願要旨は、全国八千万国民が宿望した講和会議も今秋には開催される見通しが明らかとなつた今日、われわれ日本国民は現実の世界情勢に活眼を開き小児病的観念に惑わされず、健全なる道を自由に大担率直に勇気をもつて進むためには、国旗に対する観念を明瞭にしなければならない。ついては、国旗日の丸を祝祭日に設定されたいというのであります。
  89. 水谷昇

    水谷政府委員 国旗日の丸を国民の祝日に掲揚することは、従来も強調して来たのでありますが、国民が祝日を祝い、感謝し、国民感情の自然的な発露によつて、自発的に国旗を掲揚することにより、初めて国旗掲揚の意義が存するのでありまして、これを法律等で強制することはどうかと考えられるのであります。     —————————————
  90. 若林義孝

    若林委員長代理 日程一六九、盲人用学用品の講入費、国庫補助等に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  91. 浦口鉄男

    浦口委員 盲人用学用品の講入費国庫補助等に関する請願、第二一八七号、請願者、福岡県山門郡柳川町細工町、眞武俊一外二百十五名、紹介議員甲木保君。本請願要旨は、現在盲児を持つ多くの父兄は経済的負担過重のため、盲児を就学させることができない状態にある。ついては、これが完全就学を期すため、盲学校用学用品の購入費に対し国庫をもつて補助されるとともに、これら学用品のメーカーに対する資材の優先的配給等を実施し、もつて就学費を少しでも軽減されたいというのであります。
  92. 水谷昇

    水谷政府委員 盲児につきましては、現在昭和二十六年度に入学する児童に対する教科用図書の給与に関する法律によりまして、義務教育無償の一環として、盲学校の第一学年に入学した児童には、必要な教科用図書が給与されることになつております。将来この制度を、特に盲聾唖児については拡張したいと考えております。また現在生活保護法の適用を受けるものにつきましては、教育補助の制度があり、学用品のみならず通学用品等も支給されることになつております。学用品のメーカーに対する資材の割当とかまた配給等は、現在文部省は取扱つておりませんが、これらのメーカーより特に必要な資材のあつせん方を依頼されれば、できるだけ関係方面に折衝して、入手できるようにしたいと考えております。
  93. 浦口鉄男

    浦口委員 この際ちよつとお伺いしておきますが、ことしの配給は、一般小学生と同じように国語と算数の教科書だけであつたか、それともそのほかの全教科書、ひいては学用品まで配給したのであるか、その点ちよつと伺つておきます。
  94. 水谷昇

    水谷政府委員 一般の児童に対しては、ただいまおつしやつた通りでありますが、育児に対しましては点字の教科書等も給与したのでありますが、学用品はまだ給与いたしておりません。将来は二年、三年、四年、五年、六年というふうに拡充をいたしまして、さらに中学校にまで及ぼしたいと考えておりますが、そういうふうに教科書の給与ができましてから、さらに学用品までに及ぼして行きたいと考えております。     —————————————
  95. 若林義孝

    若林委員長代理 日程一七一、小学児童完全給食実施に伴う施設費国庫補助等に関する請願議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  96. 浦口鉄男

    浦口委員 小学児童完全給食実施に伴う施設費国庫補助等に関する請願、第二一八九号、請願者は多治見市議会議長長谷川亮三、紹介議員平野三郎君であります。本請願要旨は、今回、全国市制施行地域の小学校児童に対し、完全給食を実施することになつたが、これが完全実施については施設の充実及び専任職員の設置等を必要とするので、施設費の助成並びに専任職員の常置方を次のごとく要望するというのである。一、給食施設整備には一校につき五十万円を要するから、所要経費の二分の一以上を助成すること。二、給食専任職員の常置は市に栄養士一名ないし二名、各校に給食専任の教職員一名他に児童三百名に対し一名の割合で給食婦を常置すること等。  以上であります。
  97. 水谷昇

    水谷政府委員 給食設備の整備につきましては、完全給食実施上最も酒養なことであるので、文部省では衛生、安全、上等の見地から、その給食設備が完成した学校に対しましてのみ、完全給食の実施を奨励する方針をとつております。そうして小麦、ミルク等の政府配給物資を無料配給しているので、目下施設費に対する全面的な国庫補助は望まれませんが、公共事業費により全国各地に模範調理室を昭和二十五年度から開設しておるのであります。給食専任職員の常置も重要でありますから目下考究中であります。
  98. 浦口鉄男

    浦口委員 この際ひとつこれもお伺いをしておきたいのでありますが、講和が成立後も完全給食を続けたいし、また続けるという政府の方針が大体おきまりのようにも承知しておりますが、その際給食法というふうなものをおつくりになるということも聞いておりますが、その点どの程度進行しておりますか、お聞きしておきたいと思います。
  99. 水谷昇

    水谷政府委員 この問題につきましては、閣議において将来続けてやることにきめておるのでありますが、給食法についても、将来財政的な面を考慮いたしまして、ただいま研究中でありまして、まだ提案するところまで至つておりません。     —————————————
  100. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一七二、南部小学校雨天体操場新築費国庫補助請願(第二二三五号)を議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  101. 浦口鉄男

    浦口委員 南部小学校雨天体操場新築費国庫補助請願、第二二三五号、請願者、山形県西村山郡谷地町長、市川清矩、紹介議員長野長廣君。本請願要旨は、山形県西村山郡谷地町立南部小学校は、創立当時四百名の児童を対象として建築されたが、累年の児童数の増加により教室の不足を来し、ついに雨天体操場を教室に模様がえするのやむなきに至つたため、現在、体操場としては五十五坪の狭隘な体操場のみとなり、八百名の児童の収容は無理で、雨天あるいは冬季間における体育の時間はもちろん、種々教育上に大なる支障を来している。ついては、児童の健康教育の重要性にかんがみ、雨天体操場新築費を国庫補助されたいというのである。  以上であります。
  102. 水谷昇

    水谷政府委員 原則といたしましては、小学校生徒の自然増加に伴う校舎の建築については、補助をしていないのであります。雨天体操場についても同様であります。特に雨天体操場の補助のわくは非常に少いので、このような場合の補助は困難であります。これは新制中学の分が完成いたしますれば、その先は小学校の老朽校舎の改築に対する補助、あるいはまた自然増加に対する校舎建築に対しての補助も考えられると思いますが、ただいまのところは今申し上げた通りであります     —————————————
  103. 水谷昇

    水谷政府委員 原則といたしましては、小学校生徒の自然増加に伴う校舎の建築については、補助をしていないのであります。雨天体操場についても同様であります。特に雨天体操場の補助のわくは非常に少いので、このような場合の補助は困難であります。これは新制中学の分が完成いたしますれば、その先は小学校の老朽校舎の改築に対する補助、あるいはまた自然増加に対する校舎建築に対しての補助も考えられると思いますが、ただいまのところは今申し上げた通りであります
  104. 若林義孝

    若林委員長代理 日程第一七三、麻布山善福寺史跡指定請願第二二三六号を議題といたします。紹介議員説明を願います。
  105. 浦口鉄男

    浦口委員 麻布山善福寺史跡指定請願、第二二三六号、請願者東京都港区麻布山元町三十番地善福寺住職麻布照海外十名、紹介議員、井手光治君。本請願要旨は、善福寺は、東京都旭区麻布山元町三十番地に所在し、真宗本願寺派の寺院であるが、安政六年六月七日から、明治八年十二月八日まで、米国公使館として幕府から公的に指定され、初代アメリカ駐日公使タウンセンド・ハリス以下の職員が宿泊し、わが国初期外交史上記念すべき寺院であつた。昭和二十年五月二十五日の戦災で寺院は焼けたが、古文書、記録等は焼失をまぬがれることができた。昭和二十四年十一月、ハリス当時の建築物を模して、仮堂八十坪を再建し、周囲の丘も昔ながらの原形をとどめている。ついては善福寺を初代米国公使館遺跡として指定されたいというのである。  以上であります。     〔若林委員長代理退席、小林(信)委員長代理着席〕
  106. 森田孝

    森田(孝)政府委員 善福寺につきましては、空襲で建物が全焼しておりますので、近い時代の史跡といたしまして旧規模について遺憾の点がないではありませんが、なおよく現状を調査の上、その取扱いについて考究いたしたいと存じます。     —————————————
  107. 小林信一

    小林(信)委員長代理 日程一七四、国旗祝日並びに国旗憲章制定に関する請願、第二三一七号、日程一七五、幼稚園国費設置に関する請願、第二三一八号は、紹介者の説明並びに答弁を省略いたします。     —————————————
  108. 小林信一

    小林(信)委員長代理 次は日程一七七、伊豫田與八郎及び西澤眞藏両氏の事績を教科書教材として採用の請願、第二三五七号を議題といたします。紹介議員説明をお願いいたします。
  109. 浦口鉄男

    浦口委員 伊豫田與八郎君及び西澤眞藏両氏の事績を教科書教材として採用の請願請願者、愛知県碧海郡上郷村大字上野、野田鍬一郎、紹介議員千賀康治君。本請願要旨は、都築彌好、伊豫田與八郎、岡本兵松、西澤眞藏は、明治用水の鑿功労者として、愛知県碧海郡安城町の明治川神社にまつられ、郷土の偉人として追慕されている。自由、民主主義の名のもとに、とかく自己本位の風潮があり、精神的方面が忘られがちな今日、伊豫田與八郎、西澤眞藏両翁の事績をたたえ、後輩の奮起を促すことは必要である。ついては、小、中、高、大いずれかの学校を選定して、両翁の事績を教材として採用されたいというのであります。     〔小林(信)委員長代理退席、岡(延)     委員長代理着席〕
  110. 水谷昇

    水谷政府委員 現在は御承知の通り、原則として国定教科書の編集を行つておりません。もつばら検定制度を採用しておるので、この種のことが教材として価値のあることはわかりますが、これを検定教科書用図書の教材に入れるようにという指示はできないが、副教材として活用することはできると考えます。     —————————————
  111. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 次に日程第一七八、教育公務員特例法の一部改正に関する請願外十二件を議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  112. 浦口鉄男

    浦口委員 教育公務員特例法の一部改正に関する請願外十二件、請願者、鹿児島県熊毛郡西之表町住吉中学校、内田忠外二百十四名、紹介議員坂本泰良君。本請願要旨は、現行教育公務員特例法における公立学校事務職員の身分は、はなはだあいまい、かつ不安定なものがあるが、これら職員は、教員と同様な勤務条件のもとに実質上なんら教員と異なることのない状態で職務を遂行しているものであり、当然教育公務員としての身分と待遇を受けるべきものと思考される。ついては、教育公務員特例法中に公立学校事務職員をも含めるよう、同法を改正されたいというのであります。
  113. 田中彰

    田中説明員 現在の教育公務員特例法におきましては、大学教員を除きまして、原則として教職に関する免許状を持つて教壇に立つ者を、教育公務員といたしておるのでございます。事務職員を教育公務員ということにいたしますためには、なお検討を要する問題が幾多ございますので、研究をしてみたいと存じます。
  114. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕     〔岡(延)委員長代理退席、小林(信)     委員長代理着席〕     —————————————
  115. 小林信一

    小林(信)委員長代理 日程第三、第四、第五、第五二、第五三、第八四、第一一四、第一三〇、第一三一、第一三八、第一三九、第一四〇、第一四一、第一四七、第一四八、第一四九、第一五二、第一六三、第一七〇、第一七六の各請願は、いずれも教職員結核対策強化に関する請願でありますので、一括して議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  116. 浦口鉄男

    浦口委員 教職員結核対策強化に関する請願請願者、兵庫県有馬郡三輪町国立兵庫療養所内、野間幾三外三十九名、紹介議員福田昌子。本請願要旨は、昭和二十四年一月、教育公務員特例法が公布されて、結核教員の療養期間は、休職二年間に短縮され、この規定を最初に適用された者は、来年一月十一日で休職期間が切れ、自然退職となるであるが、教員には、厚生年金法も、共済組合法の長期給付の恩典もなく、わずかに共済組合法の規定による医療給付並びに傷病手当金の給付があるにすぎず、結核の療養には、三年以上の期間が必要であり、とくに青少年を対象とする職務に従事する教員にとつて、不完全治癒での復職は危険であるから、療養期間三年を復活されるように至急法の改正実現されるとともに、明年一月十一日で退職を余儀なくされる者には、臨時的措置を講ぜられたいというのであります。
  117. 水谷昇

    水谷政府委員 教員の結核による休職期間の延長につきましては、教育公務員特例法の一部を改正する法律案として、目下国会において御審議を願つておる次第であります。教員の結核の早期発見と、これに対する療養施設の充実につきましては、特に意を用い、本年度から全教員を対象とする結核検診を行うことといたしまして、これに対し国庫補助の道を講じました。教員保養所の創設に対しても、引続き国庫補助を行つて、本年度も七府県に創設を見る予定であります。     —————————————
  118. 小林信一

    小林(信)委員長代理 日程第八、第五九、第七三、第九三、第九四、第一 ○七、第一〇九、第一六七の各請願は、いずれも六・三制校舎建築費国庫補助継続等に関する請願でありますので、一括議題として、紹介議員説明を求びます。
  119. 浦口鉄男

    浦口委員 六・三制校舎建築費国庫補助継続等に関する請願、第二二号、請願者、青森県議会議長、桜田清芽外七名、紹介議員志田義信君。本請願要旨は、最近開くところによると六・三制校舎建設に対する国庫補助を打切るとのことであるが、これが打切りは、六・三制の存立に重大な影響を与え、ことに東北のごとき積雪地帯にあつては、屋内運動場の利用価値は、教室以上の重要性を持つもので、義務制の完全実施に不可欠の設備であり、本年度より雪中避難所を補助対象とされたもののその補助額がきわめて少い。ついては、屋内運動場として高率補助されるとともに、前記学校建築費に対し国庫補助されたいというのであります。
  120. 水谷昇

    水谷政府委員 文部省といたしましては、六・三制校舎建築費国庫補助を打切る意思はございません。財政当局と十分連絡いたしまして、補助の継続をはかるつもりであります。  次に屋内運動場の補助につきましては、将来そのわくを拡大できるようにしたいと考えております。     —————————————
  121. 小林信一

    小林(信)委員長代理 日程第一一から第二二まで、第二四から第四九まで、第六三、第一〇六、第一三四、第一三五、これらはいずれも教育財政確立に関する請願でありますので、一括して議願といたします。紹介説明を願います。浦口鉄男君。
  122. 浦口鉄男

    浦口委員 財政確立に関する請願、第二五号、請願者、新潟県庁内新潟県教職員組合執行委員長、櫻井奎夫、紹介議員亘四郎君。本請願要旨は、今回の税制改革により、従来からとられていた義務教育に対する国庫負担制度が廃止され、平衡交付金の中に吸収されて全然特例も設けられず、地方自治体に移されることになつたのであるが、このようになると、地方税法の改革による税負担の増加に伴い予想される徴税難と相まつて、地方自治体の財政は、極度の危機に陥り、従つて教育費が著しく削減されるうき目となり、教育危機がさらに増大することは必至である、ついては、教育費の大幅国庫負担制度の確立と義務教育費の全額無償並びに教育費に対する強制寄付の廃止を実現されたいというのであります。
  123. 水谷昇

    水谷政府委員 この問題は第二次米国教育使節団の勧告に基きまして、教育委員会制度の問題とともに、協議会等を設けまして、各方面の意見を徴して研究中であります。しかし現在のところは、地方財政平衡交付金法に基いて算定される教育費の確保について、十分指導を加えると同時に、最低教育費を何らかの方法で確立するような法的措置の研究を続けておる次第であります。     —————————————
  124. 小林信一

    小林(信)委員長代理 日程第五四から第五六まで、第六六から第六九まで、第七六から第八〇まで、第八五から第九〇まで、第一〇〇から第一〇三まで並びに第一一一、第一二三、第一二四、第一五四、第一五六、これらはいずれも職業教育法制度に関する請願でありますので、一括議題といたします。紹介説明を願います。浦口鉄男君。
  125. 浦口鉄男

    浦口委員 職業教育法制定に関する請願外一件、第二六一号請願者、岐阜県加茂郡古井町下古井、本郷春海外三百三十六名、紹介議員武藤嘉一君。本請願要旨は、日本の再建は、産業貿易にまつことが、きわめて大きく従つてその基盤をつちかう職業教育は、まことに重要である。しかるに現教育界の動向を見ると明治以来の宿弊は依然として改められずいたずらに普通教育を偏重して職業教育はこれを軽視し、著しくその発達を阻害していることは国家のため遺憾にたえない。ついては、職業教育に対する国家並びに地方公共団体の任務を明らかにして、この教育に対す指導と助成の万全を期するとともに、その重要性を確認して国民的協力を促進するため、職業教育法をすみやかに制定されたいというのであります。
  126. 水谷昇

    水谷政府委員 今国会に、おきまして、議員提出として産業教育法案が審議されておるのであります。この法案が成立いたしますれば、請願者請願者趣旨実現することになろうと考えます。     —————————————
  127. 小林信一

    小林(信)委員長代理 日程第六〇、第六一、第七一、第七二、第一一五、第一一六、第一三六の各請願は、いずれも学校給食法制定に関する請願であります。よつて一括議題といたします。紹介説明を願います。浦口鉄男君。
  128. 浦口鉄男

    浦口委員 学校給食法制定に関する請願、第三二二号、請願者、岡山市内山下小学校長、金谷鼎外十名、紹介議員若林義孝君。本請願要旨は、岡山県の学校給食は、昭和二十二年一月実施以来、児童の心身の発育に顯著な効果を収めているが、まだ法的根拠が与えられていないため、給食未実施校が九十校も残存している状態であるから、すみやかに自主的給食が行われるよう法的措置を講ぜられたいというのであります。     〔小林(信)委員長代理退席、岡(延)     委員長代理着席〕
  129. 水谷昇

    水谷政府委員 昭和二十六年二月から全国市制地域におきまして、完全給食を実施した次第でありますが、米国政府寄贈の小麦の絶対量の関係から、まだ町村小学校には完全給食の実施に至つていないのであります。近い将来においては、わが国学校給食は当然自主的に実施されねばならないと思われるので、目下これに関する対策につきまして、鋭意研究中であります。
  130. 若林義孝

    若林委員 ただいま議題となつております学校給食法について、文部省はその制定の御意思があるかないか、伺いたい。
  131. 水谷昇

    水谷政府委員 これは財政的の考慮を要する問題でありまして、給食法についても、ただいま研究中なのであります。財政とよくにらみ合せて、見通しがつけば給食法を提案したいと考えております。
  132. 若林義孝

    若林委員 財政的の裏づけもできればいいわけなのでありまするけれども、金融面のことについての法的根拠を与えてやること、これが先決問題じやないかと思うのです。これは別に国費を要するものでもなし、一定の銀行相手に法的にできる根拠を与えてやりますと、金融が非常に楽になつて、その他が、いらないことに頭を費さなくてもいい。そういうような根拠を与えるためにでも、至急に学校給食法というものが必要だと心得ますので、その面においても、ひとつ十分御考慮を煩わしたいと思います。
  133. 水谷昇

    水谷政府委員 金融の面についてのお説はごもつともであります。これは大蔵当局とよく折衝いたしまして、なるべく御趣旨に沿いたいと考えております。     —————————————
  134. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一二六、第一三二、第一五一、以上はいずれも産業教育法案中に家庭科加入に関する請願でありますが、一括議題といたします。紹介説明を願います。
  135. 浦口鉄男

    浦口委員 産業教育法案中に家庭科加入に関する請願、第一二〇一号、請願者東京都練馬区練馬南町三丁目六千七十番地全国家庭科教育協会理事、稻葉ナミ、紹介議員若林義孝君。本請願要旨は、産業教育法案中に高等学校家庭科、少くとも職業家庭科家庭技芸に関する教材、被服課程、食物課程、保育課程を加入されたいというのであります。以上。
  136. 水谷昇

    水谷政府委員 現在審議中の産業教育法案においては、この要素を加えることとなり、法案の一部を修正することについて研究中であります。     —————————————
  137. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第六四、標準義務教育費法制定に関する請願議題といたします。紹介説明を願います。
  138. 浦口鉄男

    浦口委員 標準義務教育費法制定に関する請願、第三九〇号、請願者、福島県相馬郡大野村初野、佐藤勇外八千四、百名、紹介議員松井政吉君。本請願要旨は、税制が改革され、地方財政平衡交付金制度が創設されたが、この際、義務教育費が確立されなければ、依然として義務教育は不安な状態におかれ、著しい地域差を招来することは過去の経験から明らかなことである。ついては、義務教育に確固たる財政的裏づけをし、教育を安定させ、PTA等の負担を軽減させるため、単独法として標準義務教育費法を制定されたいというのであります。
  139. 水谷昇

    水谷政府委員 義務教育費の確保につきましては、さきにこの法案を立案したのでありますが、これは地方自治法を制限するという点で問題があり、今日までこれを国会に提出するに至つていないのであります。しかし義務教育の重要性にかんがみまして、義務教育費国庫負担制度が廃止された今日、何らかの方法でこれにかわる国の補償を、法的に確立したいと考えて、いろいろ研究を進めておる次第であります。     —————————————
  140. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第八三、義務教育費全額国庫負担に関する請願議題といたします。
  141. 浦口鉄男

    浦口委員 義務教育費全額国庫負担に関する請願、第六一六号、請願者、岡山県議会議長、松田荘三郎、紹介議員星島二郎君、大村清一君、橋本龍伍君、近藤鶴代君、若林義孝君、逢澤寛君。本請願要旨は、今回税制改革により、義務教育費の国庫負担金制度が廃止されて平衡交付金に統合されることになつたのであるが、義務教育費は、従来国庫負担金によつて辛うじて最低水準を維持して来たものであり、地方財政のうちで、最も重要なものである。ついては、現在の過渡的地方財政の運営が正常化し、その実効が立証されるまでの間を実施期間とし義務教育国庫負担金制度を復活させたいというのであります。
  142. 水谷昇

    水谷政府委員 平衡交付金制度創設に伴いました、義務教育費の国庫負担制度が廃止されたのであります。これを再び国庫負担制度にもどすということは困難でありますが、実質的に義務教育費が確保されるよう、平衡交付金のうちで、十分に研究しておる次第であります。
  143. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 日程第一五三、学校給食無料実施に関する請願議題といたします。
  144. 浦口鉄男

    浦口委員 学校給食無料実施に関する請願、第一七四一号、請願者東京都杉並区大宮町杉並平和婦人会、木藤まり外一名、紹介議員苅田アサノ君、柄澤登志子君。本請願要旨は、昨年九月以来実施されている学校給食は、毎日パンのみで、しかも量が少なく、しかもパンの中から虫が出て来るというような状態で、とても三百円の給食費を支出してまで、食べる気にはなれない。ついては、学校給食を御飯にし、無料にされたいというのであります。
  145. 水谷昇

    水谷政府委員 昨年九月以来都市において実施中の完全給食は、現在約四百万人の学童に対し実施され、一般の好評裡に実施されていると思います。また給食は強制的に実施されているのではなくて、学校の希望によつて行われているのであります。給食費も東京におきましては二百円程度であり、給食内容もパンやミルクその他で、一食平均が六百カロリー、蛋白質が二十五グラム以上を給食することになつておるのであります。政府学校給食費を無料にし、御飯も給することは不可能の現状であります。
  146. 小林信一

    小林(信)委員 それについてちよつと質問したいのですが、この給食用に使う砂糖が課税されるというようなことを、心配しているということを聞いたのです。そしてそういうことがあつたら、給食無料という点からしても、なるべく負担を軽減してもらいたいというので、給食用砂糖の免税ということを盛んに要求しておるのですが、事実はどうなつておるか、これに対して文部省ではどうする考えであるか。
  147. 水谷昇

    水谷政府委員 その点ちよつと私答弁しかねますから、よく調べた上でお答えをすることにいたします。
  148. 浦口鉄男

    浦口委員 先ほど議題となりました学校教育法及び私立学校法の一部を改正する請願について、あらためてつけ加えて紹介説明をいたしたいと思います。特に法文の改正についての点だけを申し上げておきたいと思います。まず学校教育法の第四十四条第一項中「夜間その他特別の時間又は時期において授業を行う課程(以下定時制の課程と称する。)」を、「夜間において毎日授業を行う課程(以下夜間の課程と称する。)又は特別の時期及時間において授業を行う課程(以下定時の課程と称する。)」に改め、同条第二項「高等学校には、通常の課程を置かず、又は前項の課程の一つのみを置くことができる。」に改める。  それから次に学校教育法第四十六条但書「但し、定時制の課程を置く場合は、その修業年限は、四年以上とする。」を「但し、第四十四条第一項の課程を置く場合は、その修業年限は、三年を越えるものとすることができる。」に改める。  第三番目に、学校教育法第五十条に次の三項を加える。「高等学校に通常の課程と他の課程とを併置する場合には、夜間の課程及び定時の課程に主事を置かなければならない。」  次に、「主事は、その課程の教諭をもつてこれに充てる。」  次に、「主事は校長の監督を受け、夜間の課程もしくは定時の課程に関する校務をつかさどり、所属職員を監督する。  以上であります。
  149. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 それではただいまの浦口委員請願日程説明につきましては、その書類を差上げておいて、適当な機会、すなわち次回の委員会において、政府より答弁を求めることにいたしたいと思います。以上で本日の請願日程の審査を一応終了いたします。  この際申し上げますが、新宿御苑の視察を行いたいと存じます。これは請願にもございました。御異議がなければ、視察を行うことに決したいと思いますが、いかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  150. 岡延右エ門

    ○岡(延)委員長代理 次会は明一日午前十時より開会いたします。なお明日は大臣に対する質疑の残りの分、請願の採択、委員派遣等の件について御協議を願いたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十五分散会