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1951-03-24 第10回国会 衆議院 文部委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十四日(土曜日)     午前十一時二十二分開議  出席委員    委員長 長野 長廣君    理事 岡延右エ門君 理事 佐藤 重遠君    理事 若林 義孝君 理事 小林 信一君    理事 松本 七郎君       柏原 義則君    甲木  保君       鹿野 彦吉君    坂田 道太君       高木  章君    東井三代次君       飛嶋  繁君    圓谷 光衞君       平島 良一君    笹森 順造君       渡部 義通君    浦口 鉄男君  出席政府委員         文部政務次官  水谷  昇君         文部事務官         (大臣官房宗務         課長)     篠原 義雄君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     辻田  力君         文部事務官         (大学学術局         長)      稻田 清助君  委員外出席者         専  門  員 石井  勗君     ————————————— 三月二十三日  委員圓谷光衞辞任につき、その補欠として河  野謙三君が議長指名委員に選任された。 同月二十四日  委員河野謙三辞任につき、その補欠として圓  谷光衞君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  宗教法人法案内閣提出第五一号)  市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する  法律案内閣提出第一〇五号)     —————————————
  2. 長野長廣

    長野委員長 これより会議を開きます。  宗教法人法案議題とし、討論に付します。若林義孝君。
  3. 若林義孝

    若林委員 私はただいま議題となつております宗教法人法案に対しまして、自由党を代表して、賛成意見を申し述べたいと存ずるのであります。  本法案は、御存じのごとく、終戦後間もなく出されましたポ勅による宗教法人令にとつてかわるところのものでありまして、宗教界においては、つとにこの法案成立を待望すること久しきにわたるものがあるのであります。早々の際に公布せられました宗教法人令なるものは、幾多欠陥を蔵しておるのでありまして、この欠陥に基いて、終戦後大小の新興宗教の中に、いかがわしき宗教をも簇出するに至つたのでありまして、ともすれば善良なる新興宗教をも一括して、淫祠邪教のごとく思われるふしがあり、正しき宗教さえも巻添えを食いまして、宗教尊重機運を阻害すること、はなはだしきものがあつたと考えるのであります。この欠陥を一日も早く是正するための法案成立を、われわれも待望しておつたのでありますが、ここに政府宗教法人法として提案を見るに至つたのであります。  この法案骨子といたしますところのものは、宗教尊重の実を盛り上げておるのであります。しかも正しき宗教を、よりよくしかも伸ばそうとする意図が含まれておるのであります。この宗教尊重の実を、政策の面にいかに取入れるかということについては、信教の自由を叫ぶと同時に、政教分離ということを明確にしている今日、はなはだ困難であります。この可能な範囲内において宗教尊重と、宗教助成とまでは行きますまいが、助成気持を織り込んだところに、この宗教法人法骨子があると思うのであります。一つ非難言葉として株式会社宗教法人というよう非難を受けますのも、この非難の出て来るところは、すなわちこの信教の自由の尊重ということを強調する面が強ければ強いほど、その形式になるのでありまして、私は宗教法人法なるもののこの非難言葉こそ、宗教尊重の実をあげている面が強く現われて来ていると思うのであります。  なお、宗教法人法でありながら、宗教定義がないという非難があるのでありますけれども、宗教定義というものは、過去幾千年間、いろいろな人たちにより、また学者により、哲学的に論究をされているのでありますけれども、おそらく一定の宗教に対する概念の定義というものは下されていないと思うのであります。この下されていないところに、私は宗教の本来の性質があると考えているのでありまして、幾多世界宗教関係者、あるいは学者哲学者などが求めて求め得ざるところのものを、早急の間にわが国会においてこの定義を下すことも、不可能なことではないかと思うのでありまして、大体これならば間通いないであろうという概括的の宗教定義だけであつて、すこぶる物足らないという感じは起るのでありますけれども、これこそ宗教の妙味がここに現われて来ているのでありまして、宗教定義を画然と明確にしていないところに、この宗教法人法の美点もあると考えるのであります。  なおこの宗教法人法によつて、いかにも淫祠邪教なり、新興宗教弾圧するかのごとき法令のよう非難があり、またそういう気持でこれが発表を見たのでありますが、この法案自身は、決して淫祠邪教なり、あるいは信仰内容に触れようとするものではないのでありまして、認証制度をとつて宗教法人令にありました届出制度届出さえすれば宗教法人として認むるというかわりに宗教認証という制度をとつておるところに、宗教法人令より一歩進んだところを認めるのでありまして、この認証の手続、内容その他において、われわれの検討し、政府の説明するところによりますと、決して信仰内容に触れるものでない、またこれが成文化された教義を持つているかどうかというようなことには、絶対に触れないで行くという説明を聞いているのでありまして、もつともなことであり、いわゆるこのものに重点を置いて、宗教法人としての本来の活動を見て行こうとするところに、この特徴があると考えるのでありまして、毛頭新興宗教を押え、既成宗教のみに特権を与える法案ではないということをひとつ明確にし、私たちこれに賛意を表するのであります。  なお、この法案認証をする最後の段階としての機関が、文部大臣諮問機関として、宗教法人審議会なるものが置かれておるのでありますが、この審議会において、この法案の誤まつた運営がないように是正して行くと思うのでありまして、各方面の意見といたしまして、この審議会構成員と申しますか、構成する委員の選出に非常に関心を持つて見ておるのでありますが私たちも同感であります。文部大臣任命する委員でありますが、適正な委員任命し、この宗教法人審議会なるものが健全にその使命を果してさえ行くならば、この法案宗教尊重信教の自由という面からいたしまして、法的なる宗教を助長して行く機運がこれによつてかもし出されて行くのであろうと思うのでありますから、この点は文部当局におきましても、委員任命その他については格段の御留意を願いたいと考えるのであります。本法案は過般十七名の公述人公述を本委員会において聞いたのでありますが、一名の反対があつたのみでありまして、あとは全部賛成であり、この法案が完璧なものとは思いませんけれども、外国宗教があり、日本本来の宗教があり、新しい宗教が興りつつある、この性質の異なつた種々雑多な宗教一つ法人としてその活動を規制して行くという意味におきましても、万やむを得ざる最大公約数の要求を入れたものであるということが、大体の公述人賛成するときに述べられました意見であり、宗教団体意見といたしましては、一日もこの成立の早からんことを望んでおるという意見であつたのであります。わが自由党といたしましても、この意味におきまして、この法案が満場一致可決せられ、この宗教法人法にのつとつて宗教が伸び伸びと伸びて行く、また国民全体が宗教尊重機運を心の中に織り込んで行く新たなる契機となることを希求してやまざるところのものであります。こういう意味におきまして、わが自由党としてはこの法案賛成をする次第であります。
  4. 長野長廣

  5. 笹森順造

    笹森委員 このたび内閣から提出されました宗教法人法案に対し、私は国民民主党を代表して、警告を付して賛成の意を表したいと思います。  本法案は、昭和二十年十二月二十八日に公布せられた現行の宗教法人令に比しては、一歩前進せるものと認めます。すなわち本法によつて宗教団体の業務並びに事業を行うために資せんとして法人格取得の方法を定め、今後宗教行政の適正を期せんとしております。しかして宗教団体法人格取得に関しては、従来の準則制をかえて、認証制をとらんとすることは、宗教団体法人たるべき適格性を確かめるために、慎重を期せんとする意図に出たものとされております。しかるに宗教団体認証条件の根本問題である宗教とは何であるかという問題に触れずに、これを空白にし、かつまた認証を与えるか与えないかの宗教本質の基準を明らかにせざることによつて、今後永久に未解決の論争を残すこととなり、かつ本法の運用上幾多の難問題にあうことが予想されのであります。本法は、宗教団体にあらざるものに認証を与えないという判断と権能を、文部大臣及び都道府県知事に持たせております。しかるに宗教に対する認識と理解とは、大臣知事と、おのおの人を異にすることによつて、決して同一ではありません。従つてその結果において、おのおの判断取扱い上、不同は免れぬという欠陥を生ずる公算が出て来るのであります。また所轄庁都道府県知事文部大臣とにしておりますが、文部大臣には、諮問機関として審議会を置いてありますが、都道府県知事審議会を置かざるは、認証上ますます各地まちまちとなり得る公算を大にいたし、全体の権衡を失し、時には自家撞着の弊に陥ることあるべきを憂えられるのであります。ゆえに、本法成立した後において、認証せられたものが、その不適当なりし理由をもつて、後に至つて認証が取消されるような事態が頻発せぬように、政府はあらかじめ十分の注意を払わなければならぬと思います。かつ社会安寧福祉に反し、罰則を科せられるがごときものを認証せざる用意を、事前より持つべきであります。  次に、本法人全体の運営にあたつては、法の民主化の美名のもとに、教派宗派、教団の分裂相剋を来さしめ、宗教界を混乱に陥れ、宗教の正しき活動と、その発達を阻害するがごときことのないようにしなければなりません。またいたずらに信教の自由のみに抱泥し過ぎて、原始、野蠻ないし狭い民族宗教に低迷する未発達宗教がいつまでも残り、文明社会に最も発達を遂げつつある高度の世界的宗教が広めめられることの妨げとなることのないように十分心すべきであります。なおまた審議会委員任命にあたりましては公正適切を期し、宗教の絶対性、普遍性を侵すようなへんぱなことに陥ることのないように、適切なる方途を講じなければならぬのであります。本法の持つこういう弱点に留意し、政府本法運営上万遺憾なきを期すべきことを強く警告して、本法案賛成するものであります。
  6. 長野長廣

  7. 松本七郎

    松本(七)委員 私は社会党を代表いたしまして、本法案希望意見を申し述べまして賛成いたすものであります。  現段階におきまして、提案になりました法律が必要であるということは、われわれも十分認めるのでございます。ただ、委員会における政府との質疑応答のときにも、多くの委員から指摘されましたように、この法律運営にあたつては、留意すべき点が多々あるように思われます。先ほど笹森委員からも申されましたように、中央の審議会人選については、文部大臣は、絶対に不公平な人選をするようなことはないということをはつきり申されましたが、これは天野文部大臣ようりつぱな方文部大臣であられるときは、安心しておられましても、将来長くこの法律を運用するにあたつては、昔行われたようなことがなきにしもあらず、われわれはそういう点を憂慮するのであります。また新しくできました認証制度につきましても、これは結局は知事であるとか、先ほど申しました審議会であるとかいうものの人間のいかんによつてきまることでありますが、この認証制度が悪用されることのないことを、われわれは望むのであります。  しかし問題は宗教の問題でございますから、この法律によつて宗教法人取扱いが規定されましても、結局は宗教の健全なる発達に対して、政府が根本的にもつと力を入れなければならないということを強調したいのであります。ただ形式的な運営ということよりも、結局は国民の幸福ということと結びついた宗教なのでありますから、高尚な精神的な修養というようなことだけでは、だめである。この必要を満たすためには、やはり物質的な生活の安定という裏づけがなければ、健全な宗教発達はできないということを、われわれは強調したいのであります。戦争中から戦後にかけまして、いろいろな新興宗教が興つております。これはいずれも国民の幸福を念願として興つたということが強調されておりますし、おそらくそうでありましよう。しかし、そのために多くの人々がいかに不幸な目にあつたか、このことを考えますると、ただ宗教法人をどうするというようなことよりも、宗教の根本であるところの国民生活というものを、政府はもつと真剣に考慮していただかなければ、この法の健全な正しい運営ということは、私は不可能に陥るであろうと思うのであります。この点を私は強くここで希望意見として申し述べまして、本案賛成するものであります。
  8. 長野長廣

  9. 渡部義通

    渡部委員 共産党は、遺憾ながらこの法案反対であります。本法案は、信教の自由と政教分離という建前に立つて宗教の正常な発達を期待するということをうたつております。もちろんこの建前反対するのではありません。われわれが反対しなければならない理由は、簡単に申し上げると、第一に、この法案によつて宗教団体が不公平な処遇を受けるような規定があるということであります。たとえば、宗教団体法人としての資格を取得する基本的な条件一つとして、礼拝施設を持つということがあげられておりますが、しかし礼拝施設を現に持つておらない、あるいは礼拝施設等を持つことを必要としないばかりでなく、現に持たないことを原則とするよう宗教宗派も多々あるのでありまして、このよう宗教は、この法案によつては、法的な保護を受ける範囲外に置かれるという点で、不公平な処遇を受けるということにならざるを得ないわけであります。  次に、この法案によつて、従来尨大施設境内地を持つておる宗教団体は、財産の取得ないしは免税という点で、巨大な利益を保障されております。さらにまた山林原野ように、農地法の制約を直接受けていないような広大な土地が、一部の宗団あるいは宗派によつて専有されるようなことがありますと、その結果は、その附近の居住民あるいは用役者に大きな不便または損失を与える結果になりがちであります。ことに修道耕牧地というような名のもとに、外国宗派等に占有されるようなことがありますと、かつて人民共和国成立以前の中国が、アメリカ系教派によりまして、いわゆる天主園という治外法権的な存在のために非常に手をやいたという経験を、日本においても再現しないと保証されないばかりでなく、その危險性は、現在の情勢のもとでは、当然あり得るということが考えられなければならぬと思います。  ことに宗教人にとつて警戒しなければならないことは、この法案の中には、宗教の統制ないし干渉、つまり政治による宗教への関与を憂えしめるよう条項が多々あるということであります。たとえば認証者文部大臣であるということでありますが、天野文部大臣は、公平に適当な審査委員会を選任し、事実上これに従うのだからそういう危險性はないと言われましたが、笹森氏及び松本氏が言われましたように、将来大臣がかわつたような場合には、その大臣の意思や行動を規定するのは、文部大臣の公約ではないのでありまして、それは明らかにこの法文自体であるということを、われわれは銘記しなければならぬわけであります。  さらに重大なることは、八十一条の一ないし二号であります。ここには公共福祉を害し、あるいは宗教団体としての目的を逸脱する行為があつたものは、裁判所によつて解散命令を出されるということが規定さいれております。もちろんわれわれは、人心を惑乱し、あるいは人倫を破り、さらに宗教の名のもとに私利私欲を追求しておるよう淫祠邪教的な存在については、これを十分に取締るべきものであると考えております。しかしながら、公共利益を害するとか、あるいは宗教目的から逸脱する行為であるということの認定は、一体だれがするのか。この場合、天野文部大臣は、これは民主的な国家では、政府がするのが当然であるということを言われました。これは文部大臣言葉だけではなくて、現実に将来このように行われるでありましよう。そうしますと、政府の基本的な政策や、政府の見解に反するよう宗教団体活動は、許されないという結果にならざるを得ません。この点、最も宗教人として警戒しなければならぬことであります。宗教にとりましては、その性格からいつて個々人の心の問題、個々人の安心立命ということだけが関心事であるわけではありません。人類の救済が、宗教の本来的な使命とされているわけであります。その結果、宗教的な精神は、ときとして、しばしば時の政府の基本的な政策にも反し、その予期にも反し、これに抵抗し、あるいはこれを越えて力強い社会的な活動をしなければならぬ場合があるのであり、また世界の歴史は、古今を通じて、時の政府のはげしい干渉弾圧のもとで、しかもその精神とその使命とを貫くために、非常におびただしい清い血を流したということを示しております。もし宗教が、時の権力政策の前に……。
  10. 長野長廣

    長野委員長 渡部君に申し上げます。非常に有力な御意見尊重いたしますが、時間の関係もありますから、なるべく結論を急いでいただきたい。
  11. 渡部義通

    渡部委員 もし宗教的な精神がほんとうに自己を貫いて行くためには、時の権力に対して、このような歴史的な事実を、今後もとらざるを得ない場合が多いでありましよう。そうして、もしも宗教的な精神がその精神失つた場合には、宗教そのものはすでに死滅するのであります。現在世界人類にとつて一番重大な問題は、人類の破滅的な危機をもたらすよう戦争の危險におびえているということであり、従つて真剣に平和を求めているということであります。だから、日本人にとりましては、今日のよう植民地状態から日本人が解放されて、日本人戦争に巻き込まれることのないようにという、非常に強い念願を持つておるのであります。こういう平和を愛し、日本独立希望し、独立した日本の発展を希望するというこの民族的な念願というものは、日本宗教界にも反映しないわけには行きません。現にそれは反映しております。そうして、たとえばミツシヨン離脱問題のように、民族自立民族独立建前から、日本宗教界のある派が、外国宗派干渉から離脱しようという真剣な動きが今日起つております。また平和を求め、日本独立を全うするためには、全面講和と再軍備反対をしなければならないという宗教界動きも、キリスト教、仏教その他の宗教界に、非常に力強いものとして起つております。こういう情勢は、今後の時局の急転に従つて、ますます強くなるということが、私たちに予想されるのであります。もしも宗教が、時の政府の基本的な政策希望に従わなければ存在を許されない、その活動を許されないというようなことが、法案の中にみじんでもあるとするならば、そういうふうな現在の日本宗教界に起つておる宗教動きというものは、実質上、日本政府あるいは日本植民地よう状態に置いて日本を支配して行こう、日本人戦争の中に巻き込んで行こうというよう希望を持つておる外国政策とは、決して一致しないのでありまして、従つてそういう宗教的な活動というものは許されない、干渉を受け、弾圧をされるというような結果にならざるを得ないわけであります。しかし、先ほど申しましたように、宗教的な精神が、もしも政府外国政策のために左右され、その活動弾圧されるというようなことに屈服してしまうならば、これは宗教としては、もはやその生命を失うわけであります。  私はここに一つの本を持つております。これはナチスドイツ占領下におけるフランスの、フランスを愛した殉難者たち絶筆を集めたものであります。この中に私は一人のりつぱな宗教青年絶筆を見るのであります。この中に、十七の青年が、ナチスドイツとその手先であるフランス政府のために銃殺されようとするときに、こう言つておる。私はフランスが生きるために死んで行く。そうしてきようも私は祭壇に心からの祈りをささげていると言つて、十七の青年が死んで行きました。こういう精神こそ、宗教の正しいあり方であり、宗教精神徹底であるわけであります。こういうものが失われる憂いがあるよう条項が、この法案の中に含まれておるとすれば、私はこれは宗教にとつて死命を制することになることを憂えますので、私はこの法案賛成するわけには行かないのであります。  以上が反対理由であります。
  12. 長野長廣

    長野委員長 ただいま渡部君の御発言の中に不穏当なお言葉があつたようであります。プレス・コードにひつかかるかと存じますから、速記録を調査の上、委員長において適当に善処したいと思います。
  13. 渡部義通

    渡部委員 委員長の御配慮はわかりますけれども、これは日本で、たとえば大森とか横浜とか北海道において、現実に起きている問題でありまして、その事実を申し上げたわけであります。
  14. 長野長廣

    長野委員長 御趣旨はわかりましたが、なるべく穏健をたつとぶ意味から、渡部君の御意見も聞きつつ善処したいと思います。  浦口君。
  15. 浦口鉄男

    浦口委員 公正倶楽部といたしましては、この法案に対して、簡単に希望意見を付しまして賛成をいたします。  ごの法案が、宗教本質に触れていないことの何か物足りなさというものは、その審議の過程において、各委員からしばしば質疑の形において述べられておることであります。もちろん、宗教定義を決定することがなかなか容易でないということは、了承いたします。しかし少くとも、宗教人間の魂のあり方を決するものであり、この法案の条文に明記された国民教化育成という文字が意味する内容からいたしましても、将来に時をかして、自由で、しかも慎重に徹底論議結論が得られなければならぬと思うものであります。また神社神道一般宗教同一に扱うかどうかということも、日本民族性に立脚した正しい意味の愛国心との関連性において今後に残された複雑で、また重要な問題と思います。一方この法律の実施にあたりまして、認証の実際取扱いに対してはあくまで慎重、公正を期して、いやしくも社会の疑惑、紛淆を来さないこと、なお認証された宗教団体活動は、営利本位に流れるような弊害のないよう、この法律の適正な運営が必要と思います。  右の理由に基きまして、今後の日本において、真に正しい宗教が育成されるための一段階としての、この法案の一歩前進的意義を認めまして、賛成をいたす次第であります。
  16. 長野長廣

    長野委員長 これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  17. 長野長廣

    長野委員長 起立多数。よつて本案政府原案通り可決せられました。  なお報告及び報告書については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 長野長廣

    長野委員長 御異議なしと認めます。よつてように決しました。     —————————————
  19. 長野長廣

    長野委員長 次に、市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案議題とし、討論に付します。     〔「討論の必要なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 長野長廣

    長野委員長 本案に対する討論は、省略するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 長野長廣

    長野委員長 御異議なしと認めますよつて討論は省略せられました。  採決いたします。本案賛成諸君起立を求めます。     〔総員起立
  22. 長野長廣

    長野委員長 起立総員。よつて原案通り可決せられました。  なお報告及び報告書については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 長野長廣

    長野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  暫時休憩いたします。     午後零時一分休憩     〔休憩後は開会に至らなかつた〕