運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1951-03-24 第10回国会 衆議院 文部委員会 第16号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十六年三月二十四日(土曜日) 午前十一時二十二分
開議
出席委員
委員長
長野
長廣
君
理事
岡延右エ門
君
理事
佐藤 重遠君
理事
若林
義孝
君
理事
小林 信一君
理事
松本
七郎君 柏原 義則君
甲木
保君 鹿野 彦吉君 坂田
道太
君 高木 章君
東井
三代次君 飛嶋 繁君
圓谷
光衞
君 平島 良一君
笹森
順造
君
渡部
義通
君
浦口
鉄男君
出席政府委員
文部政務次官
水谷 昇君
文部事務官
(
大臣官房宗務
課長) 篠原 義雄君
文部事務官
(
初等中等教育
局長) 辻田 力君
文部事務官
(
大学学術局
長) 稻田 清助君
委員外
の
出席者
専 門 員 石井 勗君
—————————————
三月二十三日
委員圓谷光衞
君
辞任
につき、その
補欠
として河
野謙三
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月二十四日
委員河野謙三
君
辞任
につき、その
補欠
として圓
谷光衞
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
宗教法人法案
(
内閣提出
第五一号)
市町村立学校職員給与負担法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第一〇五号)
—————————————
長野長廣
1
○
長野委員長
これより
会議
を開きます。
宗教法人法案
を
議題
とし、
討論
に付します。
若林義孝
君。
若林義孝
2
○
若林委員
私はただいま
議題
とな
つて
おります
宗教法人法案
に対しまして、
自由党
を代表して、
賛成
の
意見
を申し述べたいと存ずるのであります。 本
法案
は、御存じのごとく、
終戦
後間もなく出されました
ポ勅
による
宗教法人令
にと
つて
かわるところのものでありまして、
宗教界
においては、つとにこの
法案
の
成立
を待望すること久しきにわたるものがあるのであります。早々の際に公布せられました
宗教法人令
なるものは、
幾多
の
欠陥
を蔵しておるのでありまして、この
欠陥
に基いて、
終戦
後大小の
新興宗教
の中に、いかがわしき
宗教
をも簇出するに
至つたの
でありまして、ともすれば善良なる
新興宗教
をも一括して、
淫祠邪教
のごとく思われるふしがあり、正しき
宗教
さえも巻添えを食いまして、
宗教尊重
の
機運
を阻害すること、はなはだしきものがあつたと考えるのであります。この
欠陥
を一日も早く是正するための
法案
の
成立
を、われわれも待望してお
つたの
でありますが、ここに
政府
は
宗教法人法
として
提案
を見るに
至つたの
であります。 この
法案
の
骨子
といたしますところのものは、
宗教尊重
の実を盛り上げておるのであります。しかも正しき
宗教
を、よりよくしかも伸ばそうとする
意図
が含まれておるのであります。この
宗教尊重
の実を、
政策
の面にいかに取入れるかということについては、
信教
の自由を叫ぶと同時に、
政教分離
ということを明確にしている今日、はなはだ困難であります。この可能な
範囲
内において
宗教尊重
と、
宗教助成
とまでは行きますまいが、
助成
の
気持
を織り込んだところに、この
宗教法人法
の
骨子
があると思うのであります。
一つ
の
非難
の
言葉
として
株式会社宗教法人
という
よう
な
非難
を受けますのも、この
非難
の出て来るところは、すなわちこの
信教
の自由の
尊重
ということを強調する面が強ければ強いほど、その形式になるのでありまして、私は
宗教法人法
なるもののこの
非難
の
言葉
こそ、
宗教尊重
の実をあげている面が強く現われて来ていると思うのであります。 なお、
宗教
の
法人法
でありながら、
宗教
の
定義
がないという
非難
があるのでありますけれども、
宗教
の
定義
というものは、過去幾千年間、いろいろな
人たち
により、また
学者
により、哲学的に論究をされているのでありますけれども、おそらく一定の
宗教
に対する概念の
定義
というものは下されていないと思うのであります。この下されていないところに、私は
宗教
の本来の
性質
があると考えているのでありまして、
幾多
世界
の
宗教関係者
、あるいは
学者
、
哲学者
などが求めて求め得ざるところのものを、早急の間にわが国会においてこの
定義
を下すことも、不可能なことではないかと思うのでありまして、大体これならば
間通い
ないであろうという概括的の
宗教
の
定義
だけであ
つて
、すこぶる物足らないという感じは起るのでありますけれども、これこそ
宗教
の妙味がここに現われて来ているのでありまして、
宗教
の
定義
を画然と明確にしていないところに、この
宗教法人法
の美点もあると考えるのであります。 なおこの
宗教法人法
によ
つて
、いかにも
淫祠邪教
なり、
新興宗教
を
弾圧
するかのごとき法令の
よう
に
非難
があり、またそういう
気持
でこれが発表を見たのでありますが、この
法案自身
は、決して
淫祠邪教
なり、あるいは
信仰
の
内容
に触れ
よう
とするものではないのでありまして、
認証制度
をと
つて
、
宗教法人令
にありました
届出制度届出
さえすれば
宗教法人
として
認むるというかわりに
、
宗教認証
という
制度
をと
つて
おるところに、
宗教法人令
より一歩進んだところを認めるのでありまして、この
認証
の手続、
内容
その他において、われわれの検討し、
政府
の説明するところによりますと、決して
信仰内容
に触れるものでない、またこれが成文化された教義を持
つて
いるかどうかという
よう
なことには、絶対に触れないで行くという説明を聞いているのでありまして、もつともなことであり、いわゆるこのものに重点を置いて、
宗教法人
としての本来の
活動
を見て行こうとするところに、この特徴があると考えるのでありまして、毛頭
新興宗教
を押え、
既成宗教
のみに特権を与える
法案
ではないということをひ
とつ
明確にし、私
たち
これに賛意を表するのであります。 なお、この
法案
で
認証
をする最後の
段階
としての
機関
が、
文部大臣
の
諮問機関
として、
宗教法人
審議会
なるものが置かれておるのでありますが、この
審議会
において、この
法案
の誤まつた
運営
がない
よう
に是正して行くと思うのでありまして、各方面の
意見
といたしまして、この
審議会
の
構成員
と申しますか、構成する
委員
の選出に非常に
関心
を持
つて
見ておるのでありますが私
たち
も同感であります。
文部大臣
の
任命
する
委員
でありますが、適正な
委員
を
任命
し、この
宗教法人
審議会
なるものが健全にその
使命
を果してさえ行くならば、この
法案
が
宗教尊重
、
信教
の自由という面からいたしまして、法的なる
宗教
を助長して行く
機運
がこれによ
つて
かもし出されて行くのであろうと思うのでありますから、この点は
文部当局
におきましても、
委員
の
任命
その他については格段の御留意を願いたいと考えるのであります。本
法案
は過般十七名の
公述人
の
公述
を本
委員会
において聞いたのでありますが、一名の
反対
があ
つたの
みでありまして、あとは全部
賛成
であり、この
法案
が完璧なものとは思いませんけれども、
外国
の
宗教
があり、
日本
本来の
宗教
があり、新しい
宗教
が興りつつある、この
性質
の異
なつ
た種々雑多な
宗教
を
一つ
の
法人
としてその
活動
を規制して行くという
意味
におきましても、万やむを得ざる最大公約数の要求を入れたものであるということが、大体の
公述人
の
賛成
するときに述べられました
意見
であり、
宗教団体
の
意見
といたしましては、一日もこの
成立
の早からんことを望んでおるという
意見
であ
つたの
であります。わが
自由党
といたしましても、この
意味
におきまして、この
法案
が満場一致可決せられ、この
宗教法人法
にのつと
つて宗教
が伸び伸びと伸びて行く、また
国民
全体が
宗教尊重
の
機運
を心の中に織り込んで行く新たなる契機となることを希求してやまざるところのものであります。こういう
意味
におきまして、わが
自由党
としてはこの
法案
に
賛成
をする次第であります。
長野長廣
3
○
長野委員長
笹森
君。
笹森順造
4
○
笹森委員
このたび
内閣
から提出されました
宗教法人法案
に対し、私は
国民民主党
を代表して、警告を付して
賛成
の意を表したいと思います。 本
法案
は、
昭和
二十年十二月二十八日に公布せられた現行の
宗教法人令
に比しては、一歩前進せるものと認めます。すなわち
本法
によ
つて
、
宗教団体
の業務並びに事業を行うために資せんとして
法人格取得
の方法を定め、今後
宗教行政
の適正を期せんとしております。しかして
宗教団体
の
法人格取得
に関しては、従来の
準則制
をかえて、
認証制
をとらんとすることは、
宗教団体
の
法人
たるべき
適格性
を確かめるために、慎重を期せんとする
意図
に出たものとされております。しかるに
宗教団体
の
認証条件
の根本問題である
宗教
とは何であるかという問題に触れずに、これを空白にし、かつまた
認証
を与えるか与えないかの
宗教本質
の基準を明らかにせざることによ
つて
、今後永久に未解決の論争を残すこととなり、かつ
本法
の運用上
幾多
の難問題にあうことが予想されのであります。
本法
は、
宗教団体
にあらざるものに
認証
を与えないという
判断
と権能を、
文部大臣
及び
都道府県知事
に持たせております。しかるに
宗教
に対する認識と理解とは、
大臣
と
知事
と、
おのおの人
を異にすることによ
つて
、決して
同一
ではありません。
従つて
その結果において、
おのおの
の
判断
と
取扱い
上、不同は免れぬという
欠陥
を生ずる
公算
が出て来るのであります。また
所轄庁
を
都道府県知事
と
文部大臣
とにしておりますが、
文部大臣
には、
諮問機関
として
審議会
を置いてありますが、
都道府県知事
に
審議会
を置かざるは、
認証
上ますます各地まちまちとなり得る
公算
を大にいたし、全体の権衡を失し、時には自家撞着の弊に陥ることあるべきを憂えられるのであります。ゆえに、
本法
が
成立
した後において、
認証
せられたものが、その不適当なりし
理由
をも
つて
、後に
至つて認証
が取消される
よう
な事態が頻発せぬ
よう
に、
政府
はあらかじめ十分の注意を払わなければならぬと思います。かつ
社会
の
安寧福祉
に反し、罰則を科せられるがごときものを
認証
せざる用意を、事前より持つべきであります。 次に、本
法人
全体の
運営
にあた
つて
は、法の
民主化
の美名のもとに、
教派
、
宗派
、教団の
分裂相剋
を来さしめ、
宗教界
を混乱に陥れ、
宗教
の正しき
活動
と、その
発達
を阻害するがごときことのない
よう
にしなければなりません。またいたずらに
信教
の自由のみに抱泥し過ぎて、原始、
野蠻
ないし狭い
民族宗教
に低迷する未
発達
の
宗教
がいつまでも残り、
文明社会
に最も
発達
を遂げつつある高度の
世界的宗教
が広めめられることの妨げとなることのない
よう
に十分心すべきであります。なおまた
審議会
の
委員
の
任命
にあたりましては
公正適切
を期し、
宗教
の絶対性、
普遍性
を侵す
よう
なへんぱなことに陥ることのない
よう
に、適切なる方途を講じなければならぬのであります。
本法
の持つこういう弱点に留意し、
政府
は
本法
の
運営
上万遺憾なきを期すべきことを強く警告して、本
法案
に
賛成
するものであります。
長野長廣
5
○
長野委員長
松本
君。
松本七郎
6
○
松本
(七)
委員
私は
社会
党を代表いたしまして、本
法案
に
希望意見
を申し述べまして
賛成
いたすものであります。 現
段階
におきまして、
提案
になりました
法律
が必要であるということは、われわれも十分認めるのでございます。ただ、
委員会
における
政府
との
質疑応答
のときにも、多くの
委員
から指摘されました
よう
に、この
法律
の
運営
にあた
つて
は、留意すべき点が多々ある
よう
に思われます。先ほど
笹森委員
からも申されました
よう
に、中央の
審議会
の
人選
については、
文部大臣
は、絶対に不公平な
人選
をする
よう
なことはないということをはつきり申されましたが、これは
天野文部大臣
の
よう
な
りつぱな方
が
文部大臣
であられるときは、安心しておられましても、将来長くこの
法律
を運用するにあた
つて
は、昔行われた
よう
なことがなきにしもあらず、われわれはそういう点を憂慮するのであります。また新しくできました
認証制度
につきましても、これは結局は
知事
であるとか、先ほど申しました
審議会
であるとかいうものの
人間
のいかんによ
つて
きまることでありますが、この
認証制度
が悪用されることのないことを、われわれは望むのであります。 しかし問題は
宗教
の問題でございますから、この
法律
によ
つて宗教法人
の
取扱い
が規定されましても、結局は
宗教
の健全なる
発達
に対して、
政府
が根本的にもつと力を入れなければならないということを強調したいのであります。ただ形式的な
運営
ということよりも、結局は
国民
の幸福ということと結びついた
宗教
なのでありますから、高尚な
精神
的な修養という
よう
なことだけでは、だめである。この必要を満たすためには、やはり物質的な
生活
の安定という裏づけがなければ、健全な
宗教
の
発達
はできないということを、われわれは強調したいのであります。
戦争
中から戦後にかけまして、いろいろな
新興宗教
が興
つて
おります。これはいずれも
国民
の幸福を
念願
として
興つた
ということが強調されておりますし、おそらくそうでありまし
よう
。しかし、そのために多くの人々がいかに不幸な目にあつたか、このことを考えますると、ただ
宗教法人
をどうするという
よう
なことよりも、
宗教
の根本であるところの
国民
の
生活
というものを、
政府
はもつと真剣に考慮していただかなければ、この法の健全な正しい
運営
ということは、私は不可能に陥るであろうと思うのであります。この点を私は強くここで
希望意見
として申し述べまして、
本案
に
賛成
するものであります。
長野長廣
7
○
長野委員長
渡部
君。
渡部義通
8
○
渡部委員
共産党は、遺憾ながらこの
法案
に
反対
であります。本
法案
は、
信教
の自由と
政教分離
という
建前
に立
つて
、
宗教
の正常な
発達
を期待するということをうた
つて
おります。もちろんこの
建前
に
反対
するのではありません。われわれが
反対
しなければならない
理由
は、簡単に申し上げると、第一に、この
法案
によ
つて宗教団体
が不公平な
処遇
を受ける
よう
な規定があるということであります。たとえば、
宗教団体
が
法人
としての資格を
取得
する基本的な
条件
の
一つ
として、
礼拝
の
施設
を持つということがあげられておりますが、しかし
礼拝
の
施設
を現に持
つて
おらない、あるいは
礼拝
の
施設等
を持つことを必要としないばかりでなく、現に持たないことを原則とする
よう
な
宗教宗派
も多々あるのでありまして、この
よう
な
宗教
は、この
法案
によ
つて
は、法的な保護を受ける
範囲外
に置かれるという点で、不公平な
処遇
を受けるということにならざるを得ないわけであります。 次に、この
法案
によ
つて
、従来
尨大
な
施設
や
境内地
を持
つて
おる
宗教団体
は、財産の
取得
ないしは免税という点で、巨大な
利益
を保障されております。さらにまた
山林原野
の
よう
に、
農地法
の制約を直接受けていない
よう
な広大な土地が、一部の
宗団
あるいは
宗派
によ
つて
専有される
よう
なことがありますと、その結果は、その附近の
居住民
あるいは
用役者
に大きな不便または損失を与える結果になりがちであります。ことに
修道耕牧地
という
よう
な名のもとに、
外国
の
宗派等
に占有される
よう
なことがありますと、か
つて
人民共和国成立
以前の中国が、
アメリカ系
の
教派
によりまして、いわゆる
天主園
という治外法権的な
存在
のために非常に手をやいたという経験を、
日本
においても再現しないと保証されないばかりでなく、その
危險性
は、現在の
情勢
のもとでは、当然あり得るということが考えられなければならぬと思います。 ことに
宗教人
にと
つて
警戒しなければならないことは、この
法案
の中には、
宗教
の統制ないし
干渉
、つまり政治による
宗教
への関与を憂えしめる
よう
な
条項
が多々あるということであります。たとえば
認証者
が
文部大臣
であるということでありますが、
天野文部大臣
は、公平に適当な
審査委員会
を選任し、事実上これに従うのだからそういう
危險性
はないと言われましたが、
笹森
氏及び
松本
氏が言われました
よう
に、将来
大臣
がかわつた
よう
な場合には、その
大臣
の意思や行動を規定するのは、
文部大臣
の公約ではないのでありまして、それは明らかにこの
法文自体
であるということを、われわれは銘記しなければならぬわけであります。 さらに重大なることは、八十一条の一ないし二号であります。ここには
公共
の
福祉
を害し、あるいは
宗教団体
としての
目的
を逸脱する
行為
があつたものは、裁判所によ
つて解散命令
を出されるということが規定さいれております。もちろんわれわれは、人心を惑乱し、あるいは人倫を破り、さらに
宗教
の名のもとに
私利私欲
を追求しておる
よう
な
淫祠邪教
的な
存在
については、これを十分に取締るべきものであると考えております。しかしながら、
公共
の
利益
を害するとか、あるいは
宗教
の
目的
から逸脱する
行為
であるということの認定は、一体だれがするのか。この場合、
天野文部大臣
は、これは民主的な国家では、
政府
がするのが当然であるということを言われました。これは
文部大臣
の
言葉
だけではなくて、
現実
に将来この
よう
に行われるでありまし
よう
。そうしますと、
政府
の基本的な
政策
や、
政府
の見解に反する
よう
な
宗教団体
の
活動
は、許されないという結果にならざるを得ません。この点、最も
宗教人
として警戒しなければならぬことであります。
宗教
にとりましては、その性格からい
つて
、
個々人
の心の問題、
個々人
の安心立命ということだけが
関心事
であるわけではありません。
人類
の救済が、
宗教
の本来的な
使命
とされているわけであります。その結果、
宗教
的な
精神
は、ときとして、しばしば時の
政府
の基本的な
政策
にも反し、その予期にも反し、これに抵抗し、あるいはこれを越えて力強い
社会
的な
活動
をしなければならぬ場合があるのであり、また
世界
の歴史は、古今を通じて、時の
政府
のはげしい
干渉
と
弾圧
のもとで、しかもその
精神
とその
使命
とを貫くために、非常におびただしい清い血を流したということを示しております。もし
宗教
が、時の
権力
や
政策
の前に……。
長野長廣
9
○
長野委員長
渡部
君に申し上げます。非常に有力な御
意見
で
尊重
いたしますが、時間の
関係
もありますから、なるべく
結論
を急いでいただきたい。
渡部義通
10
○
渡部委員
もし
宗教
的な
精神
がほんとうに自己を貫いて行くためには、時の
権力
に対して、この
よう
な歴史的な事実を、今後もとらざるを得ない場合が多いでありまし
よう
。そうして、もしも
宗教
的な
精神
がその
精神
を
失つた
場合には、
宗教そのもの
はすでに死滅するのであります。現在
世界
の
人類
にと
つて
一番重大な問題は、
人類
の破滅的な危機をもたらす
よう
な
戦争
の危險におびえているということであり、
従つて
真剣に平和を求めているということであります。だから、
日本人
にとりましては、今日の
よう
な
植民地状態
から
日本人
が解放されて、
日本人
が
戦争
に巻き込まれることのない
よう
にという、非常に強い
念願
を持
つて
おるのであります。こういう平和を愛し、
日本
の
独立
を
希望
し、
独立
した
日本
の発展を
希望
するというこの民族的な
念願
というものは、
日本
の
宗教界
にも反映しないわけには行きません。現にそれは反映しております。そうして、たとえばミツシヨン離脱問題の
よう
に、
民族自立
、
民族独立
の
建前
から、
日本
の
宗教界
のある派が、
外国
の
宗派
の
干渉
から離脱し
よう
という真剣な
動き
が今日起
つて
おります。また平和を求め、
日本
の
独立
を全うするためには、
全面講和
と再
軍備反対
をしなければならないという
宗教界
の
動き
も、
キリスト教
、仏教その他の
宗教界
に、非常に力強いものとして起
つて
おります。こういう
情勢
は、今後の時局の急転に
従つて
、ますます強くなるということが、私
たち
に予想されるのであります。もしも
宗教
が、時の
政府
の基本的な
政策
や
希望
に従わなければ
存在
を許されない、その
活動
を許されないという
よう
なことが、
法案
の中にみじんでもあるとするならば、そういうふうな現在の
日本
の
宗教界
に起
つて
おる
宗教
の
動き
というものは、実質上、
日本
の
政府
あるいは
日本
を
植民地
の
よう
な
状態
に置いて
日本
を支配して行こう、
日本人
を
戦争
の中に巻き込んで行こうという
よう
な
希望
を持
つて
おる
外国
の
政策
とは、決して一致しないのでありまして、
従つて
そういう
宗教
的な
活動
というものは許されない、
干渉
を受け、
弾圧
をされるという
よう
な結果にならざるを得ないわけであります。しかし、先ほど申しました
よう
に、
宗教
的な
精神
が、もしも
政府
や
外国
の
政策
のために左右され、その
活動
を
弾圧
されるという
よう
なことに屈服してしまうならば、これは
宗教
としては、もはやその生命を失うわけであります。 私はここに
一つ
の本を持
つて
おります。これは
ナチス
・
ドイツ
の
占領下
における
フランス
の、
フランス
を愛した
殉難者たち
の
絶筆
を集めたものであります。この中に私は一人の
りつぱな宗教青年
の
絶筆
を見るのであります。この中に、十七の
青年
が、
ナチス
・
ドイツ
とその手先である
フランス政府
のために銃殺され
よう
とするときに、こう
言つて
おる。私は
フランス
が生きるために死んで行く。そう
してきよう
も私は祭壇に心からの祈りをささげていると
言つて
、十七の
青年
が死んで行きました。こういう
精神
こそ、
宗教
の正しい
あり方
であり、
宗教精神
の
徹底
であるわけであります。こういうものが失われる憂いがある
よう
な
条項
が、この
法案
の中に含まれておるとすれば、私はこれは
宗教
にと
つて死命
を制することになることを憂えますので、私はこの
法案
に
賛成
するわけには行かないのであります。 以上が
反対
の
理由
であります。
長野長廣
11
○
長野委員長
ただいま
渡部
君の御発言の中に不穏当なお
言葉
があつた
よう
であります。プレス・コードにひつかかるかと存じますから、
速記録
を調査の上、
委員長
において適当に善処したいと思います。
渡部義通
12
○
渡部委員
委員長
の御配慮はわかりますけれども、これは
日本
で、たとえば大森とか横浜とか北海道において、
現実
に起きている問題でありまして、その事実を申し上げたわけであります。
長野長廣
13
○
長野委員長
御趣旨はわかりましたが、なるべく穏健をたつとぶ
意味
から、
渡部
君の御
意見
も聞きつつ善処したいと思います。
浦口
君。
浦口鉄男
14
○
浦口委員
公正倶楽部
といたしましては、この
法案
に対して、簡単に
希望意見
を付しまして
賛成
をいたします。 ごの
法案
が、
宗教
の
本質
に触れていないことの何か物足りなさというものは、その
審議
の過程において、各
委員
からしばしば
質疑
の形において述べられておることであります。もちろん、
宗教
の
定義
を決定することがなかなか容易でないということは、了承いたします。しかし少くとも、
宗教
が
人間
の魂の
あり方
を決するものであり、この
法案
の条文に明記された
国民
の
教化育成
という文字が
意味
する
内容
からいたしましても、将来に時をかして、自由で、しかも慎重に
徹底論議
、
結論
が得られなければならぬと思うものであります。また
神社神道
を
一般宗教
と
同一
に扱うかどうかということも、
日本民族性
に立脚した正しい
意味
の愛国心との
関連性
において今後に残された複雑で、また重要な問題と思います。一方この
法律
の実施にあたりまして、
認証
の実際
取扱い
に対してはあくまで慎重、公正を期して、いやしくも
社会
の疑惑、紛淆を来さないこと、なお
認証
された
宗教団体
の
活動
は、
営利本位
に流れる
よう
な弊害のない
よう
、この
法律
の適正な
運営
が必要と思います。 右の
理由
に基きまして、今後の
日本
において、真に正しい
宗教
が育成されるための一
段階
としての、この
法案
の一歩
前進的意義
を認めまして、
賛成
をいたす次第であります。
長野長廣
15
○
長野委員長
これにて
討論
は終局いたしました。 採決いたします。
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
長野長廣
16
○
長野委員長
起立
多数。よ
つて本案
は
政府原案
の
通り可
決せられました。 なお
報告
及び
報告書
については、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
長野長廣
17
○
長野委員長
御
異議
なしと認めます。よ
つて
さ
よう
に決しました。
—————————————
長野長廣
18
○
長野委員長
次に、
市町村立学校職員給与負担法
の一部を改正する
法律案
を
議題
とし、
討論
に付します。 〔「
討論
の必要なし」と呼ぶ者あり〕
長野長廣
19
○
長野委員長
本案
に対する
討論
は、省略するに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
長野長廣
20
○
長野委員長
御
異議
なしと認めますよ
つて討論
は省略せられました。 採決いたします。
本案
に
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
総員起立
〕
長野長廣
21
○
長野委員長
起立総員
。よ
つて原案
の
通り可
決せられました。 なお
報告
及び
報告書
については、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
長野長廣
22
○
長野委員長
御
異議
なしと認め、さ
よう
決しました。 暫時休憩いたします。 午後零時一分休憩 〔休憩後は開会に至らなかつた〕