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1951-08-11 第10回国会 衆議院 農林委員会 第52号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年八月十一日(土曜日)     午前十一時十分開議  出席委員    委員長 千賀 康治君    理事 河野 謙三君 理事 野原 正勝君    理事 小林 運美君 理事 井上 良二君       宇野秀次郎君   小笠原八十美君       小淵 光平君    越智  茂君       川西  清君    中馬 辰猪君       中垣 國男君    幡谷仙次郎君       原田 雪松君    平野 三郎君       八木 一郎君    大森 玉木君       吉川 久衛君    木村  榮君       横田甚太郎君    中村 寅太君  出席国務大臣         農 林 大 臣 根本龍太郎君  委員外出席者         農林事務官         (大臣官房長) 塩見友之助君         農林事務官         (蚕糸局長)  青柳 確郎君         通商産業事務官         (通商雑貨局紙         業課長)    矢野宏太郎君         農林中央金庫理         事長      湯河 元威君         專  門  員 難波 理平君         專  門  員 岩隈  博君         專  門  員 藤井  信君     ————————————— 本日の会議に付した事件  蚕糸に関する件  林業に関する件  農林災害対策に関する件  農林漁業資金融通法運用状況説明聽取に関  する件     —————————————
  2. 千賀康治

    千賀委員長 ただいまより農林委員会を開会いたします。  さきの第十国会において成立いたしました農林漁業資金融通法に関しまして、この際政府当局及び農林中金当局より、その適用状態について説明を聴取いたしたいと思います。まず塩見官房長より概要について説明を伺います。
  3. 塩見友之助

    塩見説明員 お手元にお配りいたしました農林漁業資金貸付決定現況表、これは八月九日までのものであります。その中に貸付決定金額これは政府において決定した金額で、貸付実行報告額というのは金融機関から貸付決定があつたというのを報告して参つた額でございます。これでごらんになりますればわかりまするように、農林中央金庫扱つた部分は、貸付決定金額で約二十一億二千万、それからその裏にございますけれども地方銀行の扱つた部分が一億七千三百万、合計しまして二十二億九千三百七十六万五千円、こういうふうになつております。これは当初閣議決定においては、第一・四半期に二十七億を決定しいただいたのでございますけれども、そのうち二十億は一般会計の分で、七億は見返り資金から繰入れることになつておりましたが、その七億の見返り資金が、その他の見返り資金の分と同じように、金融情勢その他を見てGHQの方で留保されまして、第一・四半期には解除にならなかつたものでありますから、一応二十億というものを第一・四半期の前提として進めて参つた関係で、額はこの程度になつております。大体現在までの農林漁業資金貸付状況は以上のようであります。
  4. 千賀康治

    千賀委員長 次の農林中金理事長取扱い状況等について御説明を願います。湯河理事長
  5. 湯河元威

    湯河説明員 ただいま農林省の塩見官房長より資料を御配付になりまして、数字を御説明いただきましたので、私はその余のことにつきまして、中央金庫において扱つておりますものとしての経過を御報告申し上げたいと存じます。  長期資金扱いは、当初は趣旨がよく徹底しなかつたり、あるいは取扱いがなれません等のために、出足が悪かつたのでございますが、最近各地方においてそれぞれ趣旨をよく御理解願い、また金融機関の者も、また特に御指導あるいは監督にお当りになる政府並びに地方庁の方も、漸次お扱いになれて来られまして、最近では非常に貸付申込みが殺到いたしておるのでございまして、七月末日現在に、農林中央金庫だけでございますが、東京の本所に書類が出て参りましたものが約七十億円に達しておるのでございます。なお中央金庫全国三十二箇所の出先の事務所で現在審査中のものが三十億ある見込みでございまして、今日の段階におきまして、全体として約百億の要請が集まつておるようなわけでございます。  その受付の情勢等は、ごく概略を申し上げてみますと、七十億のうち農地関係のものが約三十八億円、それから林業関係のものが三億円、漁港関係が一億五千万円、塩業関係、これは少いのでありますが一億三千万円、それから共同施設としての申込みが二十六億ばかりあるのでございます。かように多数の御要請がございまして、われわれとしてはこのさばきに非常に困難を感じておるのでございます。何分にも各地方の、それぞれの農山漁村の方方の固定設備的な事業であります。あまり大きなものはございませんので、日ごろ書類を拝見しておりましても、平均が大体三、四百万円見当の金額になつております。千万円を越えるようなものが現われて来ると、これで相当かせげるのだという感じがするくらいでありまして、中には三、四十万円というお申込みもあつたのでございます。これが実情でございまして、件数が非常に多く上つておりまして、七十億円で約一千七百件というようなことになつておるような次第でございます。これを受付けましてわれわれの手元でできるだけ急ぎまして審査をし、そうしてその審査の終りましたものを政府の御検討を願うわけでありますが、実はわれわれの手元まで出て参ります間におきましても、農山漁村の方がこういうおなれにならないお仕事をなさいますにつきましては、ずいぶん困難をしていらつしやるのではないかということは重々お察しできます。なお中金の方にお申越しがありますれば、われわれの方で一通り調べました上は、府県庁の技術的また政策的といいますか、産業振興的な御審査を受け、その意見をつけていただいて、それをわれわれの方で検討いたしまして、政府においてまた御審査を願うということになつておるわけであります。これだけ多数の件数のありますものを、一々現地に出向きまして実地で検討するということもできませんので、書面上の審査を原則としておるわけでございます。問題がございますものにつきましては、粗漏なきを期して現地にも出向きますけれども、一々やつておるわけには参りません。そのために書類等も、ずいぶんお申越しになる方にとつては御苦労と思われるくらいの書類要請されておるわけでございます。しかしこれも県庁の方あるいはわれわれの事務所におきまして、よくお話をし、またしばしば指導的な御相談にも乗りまして、最近では漸次そういうことのめんどうくさいというような声も少くなつて来ているような感じもいたします。そんな様子で先ほど塩見官房長からお示しのございましたような金額が、今日政府の方の御承認をいただきまして、地方に御通知をいたし、そのお仕事が始まりますれば、そのお仕事に応じまして、われわれの方は資金の交付をいたしておりますような次第でございます。  ところで先ほど申し上げましたように、今日の段階で百億の御要請がある、こうなりますと、予算との関係はどうなるのかということが切実になると思われます。われわれといたしましては、あらゆる機会におきまして、地方の御要請がかようでございまするから、どうかこの予算増額をできるだけ早い機会に、できるだけ多くしていただきたいということをお願いいたしております。政府の御当局においても、このことについてのある程度の御理解を持つてお進めいただいておりますことを、ありがたく思つておるようなわけであります。今日の段階は、地方からの御要請は、初めのように理解が届かなかつたために閑散であつたということはございません。問題は、むしろこの資金が足りないという点におきまして、地方の御要請をある程度心ならずもストツプしておる。ストツプしておるということは、われわれの方でも審査を進めておりますが、政府の御審査の方でも、お金がないということのようでございまして、地方の方にそういう面において御迷惑をかけておるような次第であります。  なお特に共同施設等の御要請が相当多いのであります。これなどにつきましても、この農林漁業資金融通の御趣旨からいいまして、いろいろ御議論もおありかと思いますが、地方の方としては、相当急いでおられます。これをあまりにわれわれの方で野放しにお受付けいたしますと、どうもむしろ地方の方がお仕事をお始めになつてしまいはしないかと懸念する次第であります。われわれといたしましては、何といたしましても補正予算等機会に、この金額増額をぜひこの上ともやつていただきたいと思つております。  それからこの要請全国一画というわけにも参りませんので、地方によつていろいろ事情も異なつておるようでありますが、一番多いのは北海道、その次は宮崎、新潟、宮城、和歌山徳島、岩手、静岡、福島、茨城というふうな順序に、書類がたくさん金額において出ておるのであります。これらはその地方のそれぞれの事情を反映しており、北海道なんかは広いのでありますから多いのも当然でありますが、また一般單作地帶の方においてこの資金の需要が多い。また宮崎のようなものは災害が起つたために、特に出ておるのではないか。和歌山徳島どもそういうことではないかというふうに思われるのであります。しかし地方によりましては、隣りがそういうことであれば当然もつとそういうものが出て来そうなところが出て来ない。これはまだ趣旨が徹底を欠いておる、あるいは取扱つておる金融機関、ないしは指導を担当されておる地方庁におきましての努力なり熱心が、まだ少し欠けておるのではないかという感を持つておるのであります。われわれは全国的なバランス、あるいは事業別バランスというようなことについても、気を配りつつ、審査を進めておるようなわけであります。大体さようなことでございます。  扱つております私どもとして感想を申し上げますれば、従来農林中央金庫金融中央機関といたしまして、大体府県單位にいろいろ資金のお貸付をしておりました。しかもそれが特に短期資金と申しますか、流動資金的なものでありまして、販売購買事業あるいは信用事業資金等に出ておりまして、われわれ雲をつかむような感じがいたしておりましたのですが、最近この農林漁業資金融通仕事をおあずかりしてみますと、書類を拝見しながらも、書類によつてどの県のどの村に何ができるということがはつきりわかつて来るのであります。そうしてこれこそその地方で熱望されております具体的な農林漁業施設がそこに生れるのだということを考えまして、われわれは書類をおあずかりいたしましても、まことに地方の方としつくりしたような感じがする。またこれこそ農林漁業を興すための施設をされて行くのだという感じを非常に深くしておるような次第であります。今後わが国の農林漁業の振興のために、なおなおこの仕事を大きくしていただきたいということを考えております。それと同時に、現在の制度がこのままでいいかどうかということにつきましても、いろいろ考えておりまして、ただいま申し上げました資金増額、ないしはわくの資金施設の範囲を大きくし、多様にするということが必要かと思われます。なお資金貸付の單価なり、あるいは金利なり、期間なり、こういうものにつきまして、はたして現在のままでいいかどうかということも、実際のお扱いを通じまして、もしも何かかえていただく必要があると思えば、それを申し上げたいと思いますが、現在のところはまだそこまでは至つておりません。もう少ししてみなければわからぬ。それとともに、この資金は非常に零細であり、個数も多い。そしてこれが地方なかなか目の届かぬところに仕事がされておりますので、われわれとしては資金を御融通することだけが役目ではございませんので、この事後管理ということがこれからたいへんな問題になつて来る。政府の方において調達された資金ではございますが、われわれ金融機関としてお扱いしておる以上、若干の責任はわれわれにも帰属するのでございます。またこのお仕事がうまく行きませんときには、地方の方に非常な御迷惑をかけることになりますので、われわれといたしましては、この御融資事後管理ということにつきまして、今後十分気をつけて行かなければならぬ。これはひとり金融機関ばかりではなく、指導監督のお立場に立つ県あるいは政府の方においても、何かこれについての御指導なり、御処置をいただきたいというふうな感じを持つておるような次第でございます。  ごくあらましでございますが、一応御報告申し上げます。
  6. 千賀康治

    千賀委員長 質問の通告がございますので、これを許します。原田雪松君。
  7. 原田雪松

    原田委員 私ども農林委員会湯河理事長がおいでになつたのは、おそらく初めてではないかと思います。この機会にいろいろお尋ねしたいと思いますが、大臣に対する質問が残されておりますから、要点だけをつまんで、一、二お尋ねをしてみたいと思います。  第一、私どもは去月四国、九州の各県を農林委員として実は国政調査参つたのであります。その当時に、各県の要望いろいろなものがある中でも、特に今回の農林漁業資金融通の面が非常に活発な意見として現われました。この点では、少くとも金融に苦しんでいるということを如実に物語るような強い要望があつたのであります。その要望要点をつまんで申し上げますと、今までの中金官僚式であつた、今なおまだサービスが悪いということは、これは各県輿論が一致したところでございます。その次に、どうも手数の上できわめてめんどうである、もう少し何とか簡素化して、農民気持を買い取つて、そうして気持よく貸していただけるようにならぬであろうか。これが一つ。もう一つは、書類のみによつていろいろ査定をされるということは、まことに困難である。書類の上においてやる場合には、一応書類指導をなさればよろしいけれども、その出張所とか、あるいは支所がありますが、そういう方々はあまり教育をやつていない。そういう面から、それぞれ非常に欠陷があるので、この書類はだめだというので、重要なる資金によつて仕事を試みようとする者が、これではどうもならぬという面が、各地にあるのであります。だからそういう場合は、ほんとうに農民の訴えを出張所なりあるいは支店などの人が調べて、よくその内容を検討していただいて、これならば出してよろしいというふうな便法もひとつ認めてもらいたい。そうしなければ、いつまでたつても、われわれの要望はいれられるものではない。そういう悲痛な気持をもつて、私どもに訴えておるのであります。なお一部の面においては、もう少しサービスをよくしてもらわなければならぬ。銀行の方よりももつと高くなることがある。これはもちろん中金におきましても、私どももそういうことを実は痛感するのでありますが、この際そういうことを申し上げるのも時間をとりますので省きますが、いまだに民主化にほど遠い点があることは事実であります。私どもはそういう点からいたしまして、この農林漁業融資の面は、非常に全国農民が期待をかけておりますので、これをうまく融通していただいて、そして生産の裏には消費の裏づけがあるというように、これはタイアツプしてやつていただかなければ、農村機構の面に非常な隘路を生ずるものと考えるのであります。御承知の通り農村は供出であるとか、いろいろバツク・ペイその他の金が入りますけれども、入りますというと、ただちにいろいろなものが待ち受けております。まず第一に税金が爪をといで待つており、それはすぐとられてしまう。何かやろうと思つてもどうしても事業の遂行ができない。金がないからできないのであります。この法律によつて農村が非常にこれを有効に使つて自分たちの経済の復興と、そしてその地方生産の向上、こういうものに寄與するために非常に熱意を持つておりますので、どうかこの取扱い上の簡素化の問題は、よくお考えを願つて、もう少し、これが簡潔にできるようにやつていただきたい。これが各地要望であります。  それから、先ほどから聞いておりますと、県額は百億になるということでありますが、この際塩見官房長お尋ねしたいと思います。過般の一回の分が六十億、これは一般会計の二十億と、見返り資金の四十億というものが一回分の融資になつております。これではどうしても農林復興の面に非常な困難があるからということで、預金部資金の方から六十億を出す、こういうことに約束づけられておるのでありますが、この点のその後の成行きは、補正予算にはたして入つておるかどうか伺いたい。  それから、最近政府の報道するところによりますと、どうしてもこの計画は非常に政策面に無理がある、もう八十億ふやして、六十億プラス六十億、それに八十億をプラスするような新聞報道が出ておりますが、これが真実であるかどうか。そうなりますと、農村の恵まれる点は非常に大きいので、この際その点お伺い申し上げて、次にまたお尋ねをいたしたいと思います。
  8. 湯河元威

    湯河説明員 ただいま農林中金取扱いがまことに煩雑であり、不親切であつて農民の方がお困りになつていらつしやるというお話でございますが、われわれは日ごろから気をつけているのでございますが、なおできませんで、ただいまのようなお言葉をいただきましたことを残念に思つております。私どもの方でもよく指導督励をいたしまして、今後御便宜をはかりたい、かように存じておりますことをお答え申し上げておきます。
  9. 塩見友之助

    塩見説明員 農林資金増額につきましては、過般の国会においてもわれわれも努力を誓いました通りでございますが、現在の状態大蔵省に対してあと百億——補正予算において総額百六十億、当初百二十億くらいの予定でおりましたけれども、それではどうも農民要望に沿い得ないというふうな関係からして百億を要求しております。来年度は、補助事業その他の方においても増額が当然起つて来れば、その裏打ちの資金もいりますし、一般の方の資金も、順次農民の方でなれて参つて貸付の方もスムースに行くということを考えますれば、どうしてもやはり二百億以上にはなる、大体こう考えておりまするが、まだ省議を経ておりませんので、確定的な大蔵省に対する予算の額はまだ未決定でございますが、おそらくそのくらいになると思います。
  10. 千賀康治

    千賀委員長 原田君にちよつとお願いしますが、根本農林大臣は十二時までしかおれないそうで、まだ井上委員からあなたと同じような御質問もありますから、御割愛を願います。井上委員。なるべく簡潔に願います。
  11. 井上良二

    井上(良)委員 今農林漁業資金貸付状況について、当局から御説明を得たのでありますが、その説明中にもございました通り、非常にこの申込みが多い、従つて実際その書類だけの審査であつて、事実それがどういうぐあいに使われるかという現地調査はほとんどされていない。そういう書類調査でやらなければならぬ今の金融組織といいますか、資金融通組織欠陥は、これはわれわれも大いに考えなければならぬと思いますが、その書類審査——書類信用といいますか、机上信用だけで処置をするということほど貸付の危險性はないと私は考えております。やはり対人信用といいますか、あるいは対組合信用といいますか、借りる相手に対する信用調査、あるいはまたそれが一体どういう計画で、どういう実際條件に使われるかという、貸した金がどう使われ、どう運営され、どう返されて行くかという事実に基かなければ、これは非常に危険な状態にありはしないかと私は思う。そういう点から書類審査ということになりますから、非常にむずかしい書類を、念のためには念を入れということで書類を完備される。その立場はよくわかりますが、それをもつと民主的に運営する方法を考えて、貸付その他についても協力を願うようなやり方がいいじやないか、こう私どもは考えます。そういう民主的貸付運営方法を、一体政府は考えたことがあるかどうか。今度農業委員がいよいよできます。それで県單位農業委員も二十日にはできます。これら農業委員の中で、特に金融関係に明るい人を、特別農林大臣あたりで委嘱いたしまして、これら申込みについての実地調査なり、あるいはそれが計画通り一体運営される計画になつておるかどうかというようなことを、一応調査及び実際についてのいろいろな意見を総合して、これなら貸してもいいという、その農業委員会決定によつて貸して行くというようなやり方が、私は最も妥当なやり方ではないかと思うが、こういうやり方を一体政府は採用する意思があるかないかということを伺いたい。  それから今官房長は、この資金を、来年度は二百億ぐらいの申込みがあると思うから、現在百億増加することを折衝しておるということでありますが、幸いに農林大臣が見えておりますから、農林大臣関係各省と連絡の上、やはり百億を増加する必要を認めておりますか。またこれが実際増加されました場合、災害等の復旧に対して、昨日も申し上げましたような補助対象にならない部分についても、これらの資金を十分活用できるような道をこの際至急に開く必要がありますので、今官房長が申しました百億の増加について、政府はいかなる態度をもつて臨まれておるか。特に責任者である農林大臣の所見をこの際承つておきたいと思います。
  12. 塩見友之助

    塩見説明員 書類審査だけでなく、もう少し現場調査もあわせてやれば、もつと簡略できるじやないかというふうな御質問でございますけれども現場調査は、中金の方としましては、先ほど理事長からお答えがあつたような状態でございますけれども、この貸付決定につきましては、府県知事の方のイエスというふうなものとあわせて政府決定しておりますので、府県の方では、それぞれ土地改良については農地部、その他の施設については各所管の部が相当な資料を持つておりますし、現場の方へも相当出ておりますので、資金の方でのイエスというような言葉の中には、現場の方も十分調査した上のものも入つておりますので、その点はあるいは誤解があつたかもわかりませんが、全然やつてないわけではございませんけれども、ことに問題のある、あるいは新しい施設であるというふうなものについては、中央から直接職員を現局及び資金課の方から派遣いたしまして、それで決定を急いでいるというような状態であります。書面の方の簡略化につきましては、あちらこちらから御希望がございますし、私といたしましても、申請書類をつくるときには、数回にわたりまして個別に相当に簡略化をはかつたわけでありますけれども何分にもこれが政府の方でも金融機関の方でも、返済ができない場合の保証の責任を持ちます関係から、償還計画に対してはどうしても政府資金を扱うという関係から、十分な責任を持たなければならないので、償還計画を検討する上に必要な部分をなかなか抜き得ないというような関係もありますし、そういうふうな関係から、なれない農民の方についてもずいぶん御苦労があると思うのでありますけれども、できるだけ金融機関県庁の方にも、農民にかわつて書類をつくつてやれるくらいな指導をやるようにということをやつておりますし、また仕事を進めて行く上から、これは必ずしも必要がないというような具体的な項目もおいおい生じて来ると思いますので、それによりましてできるだけ御趣旨沿つて簡略化をはかつて参りたいと思つております。何分にもとにかく発足早々でもつて、そういうふうな点についてやりながら順次手配をして行く。先ほど農業委員会お話もございましたけれども、そういうような点についても意見を聞けるのが、非常に必要な部分があれば、そういうようなものの意見も聞くようなことも考えられないこともないと思いますけれどもやり方を順次やりながら、実行上あつちこつちの欠陥を見出して、具体的にできるだけ早く修正して、御趣旨に沿うように運用して参りたいというふうに考えている次第であります。
  13. 根本龍太郎

    根本国務大臣 現在のところ補正予算において百億増加すべく検討しております。但しこれは予算編成時期の問題とからめまして、全体の政府の運用部資金その他を見合せまして、これが十月、相当遅れますと、農林金融のおもなる対象が土地改良その他でありますので、実質上それが困難になつて来る、そうした場合には二十七年度にまわる可能性が強い、かように思つておりますが、われわれ現在としては百億はぜひ必要であります。それだけの事業量を消化しようという見当のもとに、事務当局をして今検討いたさせている次第であります。     —————————————
  14. 千賀康治

    千賀委員長 次に蚕糸に関する件につきまして、昨日に引続き質疑を行います。小林委員
  15. 小林運美

    ○小林(運)委員 私は昨日大臣蚕糸業の安定の問題について質問をいたしましたところ、大臣から、今回政府蚕糸業の安定をするために糸価安定の施設をやるつもりだというようなお話がございましたが。それについてわれわれが蚕糸業の安定を希望するというのは、ただ糸価を安定すれば蚕糸業が完全に安定したというふうに、そう簡単には私どもは考えておらない。ところがきのう大臣の答弁によれば、糸価を安定すれば従つて繭価も安定されるというような大まかな御答弁でありましたけれども、われわれは糸価を安定するということは、大局的に言えばそういつた理論になりますけれども、糸価安定の一番の目標はどこにあるかというと、たくさんの養蚕農家、これが一番われわれの目標とするところであつて、製糸業者であるとかあるいは輸出問屋というような特別な資本家を目標としたこれらの関係業者だけの問題でなくて、われわれの繭糸価の安定というのは、養蚕農家に安定を與えるというところに重点があると思います。従つて糸価のみを安定して繭価も安定できるというような簡単な考え方では非常に困ると私は思います。そういう点を十分大臣はお考えになつておるかどうかということをまず私は伺いたいのであります。糸価を安定すれば繭も安定するというようなことが一般的ですが、内容に行きますと決してそうではない。過去にもいろいろ例があつたけれども、製糸家が繭を買つて糸にする。いいときは製糸家はもうかるけれども、逆の場合には養蚕家が非常に迷惑する。従つてこの場合に養蚕家の犠牲においていろいろな問題がかなり起きて参ります。このことを十分ひとつ考えてもらいたいのですが、大臣はそういう点は考えておられるかどうか、まず第一に伺います。
  16. 根本龍太郎

    根本国務大臣 昨日は時間がありませんで、ほんの一分で話せということでありましたので、ほんとうのアウトラインだけ申し上げたわけでありますけれども、ただいま小林さんの言われた通りであります。われわれが糸価安定措置を講ずるという決意をいたしましたのは、何といたしましてもこの養蚕を処理しなければならぬ。この前もちよつと申し上げましたように、戦時中から今日までを見て、一番復興の遅れておるのは実はこの蚕糸業です。その意味におきましてこれはぜひ振興せしめたい、しかもそれには糸価安定が必要であるというようなことで、この方策を考えたのでありまして、立法の趣旨は小林さんとまつたく同意見であります。しかしてこれが実施にあたりましてはいろいろと方法があるようであります。すなわち糸価安定の場合の標準価格をきめるときに、その標準価格の中に、すでに繭のプライスをどの程度に見ているかということで調整もできるし、かつまた收買時期における買取りその他の方法についてもいろいろ考慮がありますので、こういうような問題につきましては、今蚕糸局を中心として検討中でございまして、なおこれにつきましては業界、特に農業団体の意見も十分にそんたくして出したいと思つておるのであります。特に小林さんのごときこの方面に非常に造詣の深い委員の方々から格別な御意見を承り、御指導を賜わりまして万全を期したい、かように考えている次第であります。
  17. 小林運美

    ○小林(運)委員 大臣の答弁によりますと、われわれの考えていることを考えておられるというお話でありますが、先般蚕糸局が業界に対して諮問のような形で相談をしておるのを聞いておりますと、必ずしも大臣の考えのように行つておらないということを、私は直接聞いております。今大臣から値幅の問題等も出ましたけれども、輸出業者とか、あるいは製糸業者の方では値幅を非常に広くしております。こういうふうに値幅を広くするということは決して安定にならない。政府が相当の金額を出して安定の施設をやつても、この値幅が大きければこれはほとんど意味をなさなくなるというような点もあります。これらはまだ政府としてはつきりしたものができていないのでありますから、私は特に政府の方に注文をいたしておきますが、値幅があまり広かつたならば、決して糸価安定の目的は達せられないということを十分お考え願いたいのであります。  それから時間がありませんので簡單に二、三お尋ねしますが、現在糸価安定の施設が講ぜられていないために、業界においては種々の方法が行われております。先般通過いたしました取引所法によりまして、大神両取引所の生糸の清算取引もやつております。また豊橋における乾繭取引も行われておりますが、これに類似の形として、群馬県の前橋あたりで生繭の市場取引のようなものを行つておるように聞いております。ところが私は先般この委員会において生繭の市場取引を政府は考えておるかというようなお話を伺いましたところが、政府はそういうことはやらない、生繭取引ということは現在の繭検定の制度が確立しておる間においては、これは違反行為であるから、そういうことはしないというはつきりした弁明があつたにかかわらず、現在前橋では生繭の市場取引が行われておる。こういうものを政府は知らぬ顔をして、ほおかむりをしておる。これはどういうわけか、これをひとつはりきり答弁を願いたいのであります。  次に昨年この委員会でも私はお尋ねしましたが、昨年の繭取引におきましては、事業者団体法の違反と思われるような行動が製糸業者間において行われたことについて、ここで質問をいたしたのでありますが、その跡始末は一体どうなつておるのか。ああいうようなことをいいかげんにしておくから、ある一方では非常な厳重な取締りをする。また一方ではいいかげんなことをしておる。この間における不合理は非常にたくさんある。そういう問題を政府は現在どんなふうに考えておるか。  次に第三点といたしましては、昨年来政府は第一線にある養蚕の指導員の助成に、ほんのわずかではありますが手をつけました。ところが現在のような、あの程度の問題ではほとんど焼石に水の程度でありまして、その所期の目的が達し得られないということは政府も認めておると思う。その後これらについてどんな処置をしておるか。補正予算あるいは来年度予算において、どんな構想を持つておられるか。以上三点について政府の御所信を承りたいのであります。
  18. 青柳確郎

    ○青柳説明員 前橋の地帶におきまして生繭の市場取引があるというお話でございますが、実はこの問題につきましても、現在の繭の取引の方法についてわれわれとして行政指導をやつておる面と関連する部面が多々あるのではないかという点は考えております。その一つは繭の強制検定——繭の売買につきましては、検定を受けなければいかぬという面が、法律的に規定されておりますが、その部分に対する違反行為があるかないかという面につきましては、十分関心を拂つておるのであります。県庁の方面ともその点は十分打合せをしておるのであります。しかも最近この市場取引によります内容を、とにかく市場当事者に来てもらいまして、そういう一種の今われわれが指導しております方針にもとるような、法律違反に陥るような取引は起り得ないように、業務規定なり何なりの改変を要請しておるのでありまして、市場の業者といたしましても、それについては全面的に協力するという形をとつておるのでございます。  次に繭の売買につきましては、実は事業者団体法なり、あるいは独占禁止法にもとるというような意味合いで、昨年の春繭の問題につきまして、現在公正取引委員会に取上げられてやつておるのでございますが、われわれといたしましても、この繭の取引の問題につきましては昨年やはり指示しております方法としては、なるべくこの事業者団体法なり独占禁止法に触れないような意味合いの取引の形態を指示しておるわけであります。ところがそういうような方法でやります場合に、なかなか実際的には違反行為がある。その点はわれわれとしても、そういう面におきましては違反に陷る可能性が多分に出て来やせぬかという懸念からいたしまして、実はリツジウエイ声明に基きまして、政府といたしましてはこの取引が完全に行われ得られるように、一方養蚕家の方におきましては、団体取引はもちろん除外例で認められておりますが、相手方の製糸に団体取引の権能は認められないためにまま起る危険がある。それで実はこの方にも除外例を関係方面に要請している最中でございます。これが解決いたしますならば、おそらく現在業者間の目的としておいでになる取引は、完全に行い得られるのではないかと考えているのでございます。  次に例の養蚕業の指導員の問題でございますが、この面につきましては、今回の補正予算につきまして、できるだけ多額の増額を現在要求している次第でございます。それはべース・アツプという形にしまして、本年は約一億四千六百万円ばかりの要請を現在大蔵省にやつておりまして、例の補正の問題は今後大蔵省との折衝で形がきまると思うのでございますが、少くとも補正予算からその要望はわれわれとしてはやつている次第でございます。     —————————————
  19. 千賀康治

    千賀委員長 ちよつとお諮りいたします。  昨日農林大臣がたいへんお急ぎになりまして、農林災害対策につきましてなお質疑が盡されなかつた点もあると思いますので、この際きわめて簡單に質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 千賀康治

    千賀委員長 異議なしと認めます。それでは許します。八木一郎君。
  21. 八木一郎

    ○八木委員 一昨日、昨日、本日の委員会におきまして、同僚委員諸君から災害調査の件を中心にいろいろ伺い、また昨日も全国農業共済大会が開かれて、御報告に接し、特にこの際私の気持を率直に大臣に訴えて、新大臣の農政に対するお心持を確かめたいのであります。それは結論的に言えば、災害対策に対して、もう少し手早く、親心を持つた緊急措置を、歴代の農林大臣ではなし得なかつたが、根本新大臣ならひとつやつていただけるのではないかという期待を持つて申し上げるのであります。  御承知のように、わが農村人はこのうだるような暑熱を、この秋雨が降ろうが、風が吹こうが、自分の天職と心得て、農産物の増産にいそしんでいるのであります。それには私どもが年来主張して参つた自然にして自由な経済の姿にもどして、統制本位の政府の一方的な押しつけ計画主義のような施策は順次はずして行くことが、農民の心に触れた政治であるとかたく信じます。順次そういうふうになつて参りましたけれども、なお残されている一番大きな食糧の問題については、何といつて政府の一方的な押しつけ的な形のもとに、しかも自分は天與の使命と心得てこの秋、雨か風かは知らないけれども、熱心に田の草をとつておるという事実を見まするときに、私どもは母親の子に接するような気持で、国民のかてをつくるのが天與の使命としておる農民の心に触れた政治は、何と申しても刃向うことのできない不慮の災害に見舞われるといううき目にあつた際に、政府が農業は他の企業と違つて、価額政策のみではいかない。他の施策において万般の施策を考えておるというお心持が新大臣にありますれば、価額面で思うように行かない部分のうちいろいろ施策はありましよう。施策はありまするけれども、最も農民の心に触れた政治となると、不慮の災害対策について、調査に名をかりて、公平に国家資金、財政資金を配るという都合のために、かんじんな時機を失してからそれが行われるということはいかにも残念であります。これは農業災害施設の強化と、農業に関する災害の対策を措置する親心がありまするならば、財源は昨日の決議では、われわれは五十億と下まわる決議をいたして要望しておりまするが、米の特別加算金が一割縮まつて来たことを数字を出せば、百数十億も出て来るという打算的な考えは農民は持ちませんけれども、ともかく新しい大臣がここに登場せられまして、新規に価額政策で償えない面は、親心を持つて農民の心に触れた措置を緊急にやる、こういう心構えをもつて、臨むならば、予備費の支出あるいは既設の災害予算等をもつて、見舞金的にも即刻順次この線だけはさばいていただきたい。この点に関しまして力強き新大臣のお心持を承り、特に全国農民の前に明らかにしていただきたいと思うのであります。
  22. 根本龍太郎

    根本国務大臣 ただいまは八木さんから、現在の災害に見舞われ、またその災害に常に戦々競々としておる農村の窮情を訴えられまして、まことに同感であります。その意味におきまして、実は皆さん御承知のようにケイト台風、その次に参りましたところの低気圧に基く災害につきましては、従前にないようなすでに二回にわたつてつなぎ資金を即刻出しました。今また第三次の融資という御意見もありまするが、融資をいたしましても、結局これは利子がつく。そこで現在九月上旬には災害復旧予備費を末端まで出すということで、すでに農地局はもとよりのこと、建設省、安本とも連絡してその査定をしております。査定ができますれば、すぐに現金化できるようにいたしたいために、すでに大蔵大臣、安本長官、建設大臣、私とで協議を進めております。ただここで問題になつておりまするのは全体の額でございます。われわれといたしましては、特に農業災害は二年、三年とかかつて計画的にやるということは実際上参らぬ。それでありますから少くともわれわれは来年中には全部やりたい。これが農民に対するわれわれの答えである、こう思つておりまするが、常に予算の問題で、これが早くて三年、おそければ五年という形になつておりますので、この点は経費でこれを補助することができなければ、先ほどお話のありました農林漁業融資特別会計の面において、何とかその間のつなぎをやる、こういうふうにいたしたいと思います。その意味において実は百億を要求し、さらに来年度は二百億程度までこれを要求したい、かように思つておる次第であります。  それからもう一つは、農業災害に対する共済というか、こういう問題については、すでに先般も皆さんの強い要望がありましたので、補正予算におきまして、今まで累積したところの連合会の赤字の問題、特に利子補給の問題についてはぜひやりたいと思つて、これは今強く折衝中であります。なお料率の改正と伴いまして、基金に政府資金を投入するという方針をもつて、これまた今折衝中であります。来年度予算の編成は、これは大蔵大臣その他の経済閣僚に皆さんもいろいろ要請されるでありましようが、かなりむずかしい点がありまするので……。しかし講和後における日本の政治経済の最大の安定の基盤は農村の安定にある、かような信念のもとに、私はただいまこれらの予算化に全力を注いでおる次第でございます。
  23. 八木一郎

    ○八木委員 簡單に申せば、農民の心に触れた政治をもつて、農業の安定をつちかう手近なやり方が、あすの百よりもきようの五十ということになるのです。災害を受けた側から言いますと、従来言われております建設土木の災害に対する金が災害地に流れて行く速度と、農業土木、農林関係の速度とを私ども見比べて、どうしてこういうふうに農業関係のみが遅れているのかということを掘り下げて調査しております。今つなぎ資金で、今度は逐次即決主義で手当をしている、こういうことでありますが、さらに私の訴えんとする心持を大臣の心持といたしまして、見舞金程度でもよいから、あすの百より今の五十で、災害に対する点だけは、大臣が価額で補えない分は、他においていろいろ考慮するということを就任早々各地において言われている限り、これが誠実の姿として現われるのはほかにない、私はそのように思うのであります。重ねて強く申入れをいたしまして、私の質疑は終ります。
  24. 千賀康治

    千賀委員長 次は横田君に許しますが、きわめて簡單に願います。
  25. 横田甚太郎

    ○横田委員 根本農林大臣は広川農政を修正しようとは言われなかつた。ところがやられている。米価の点から見ますと、全然逆行しているようにわれわれは思う。たとえて申しますと、去年は広川農政時代におきましては、米価の国際価格のさや寄せであつたが石五千五百二十九円とれた。この分で行くとことしはどうしても七千四百八十四円とらなければならない。これは根本農林大臣も言つておられた。ところが七千三十円しかとつておらない。ここにおいて四百五十円損だ。以前は国際価格へのさや寄せであつたが、最近の置かれている経済條件、日米経済協力の課せる苛酷なる農村に対する収奪より見ますときに、これは結局大きな米価の抑制になつている。この点がはつきりしないから、農林大臣は根本農政をはつきりと説明していただきたい。ところがその説明が足りないのです。農林大臣は、なるほど二回委員会に出られましたが、出られたときには常にあとに宴会を控えておられて、すぐお帰りになつてしまう。だから今度の機会にこれははつきりしてもらいたいという希望を申し上げます。  第二番目は、供米当時米の検査をします。政府は米に対しましてはいろいろの等級をきめております。そのきめておるところの米に三等というものを選ばれて、これが基準米価になつて、去年五千五百二十九円になつてつた。この五千五百二十九円の米は平均して農民がもらつておらない。農民が供米によつて検査されてもらつた米の値段は、経済学者の言うところによると、石五千円しかもらつておらない。そうすると私はここに疑点を持つているのですが、この基準米価というものは一体何がために三等米を選ばれて、五千五百二十九円というものがきめられたのかということです。もちろん農産物検査制度というものは必要でありまして、これによつていいものを消費者に渡すと言われるけれども、そうであるならば外国米を検査する場合におきまして、悪い米は食われないはずであるにもかかわらず、外国米の配給は実に乱脈であつて、ねずみのくそや石のまじつたのが常則になつている、こう思うのです。そうすると検査制度というものがあつて、外国米に対しては特権を許し、日本米に対しては米価買いたたきの役割しか果していない。ここにおいて基準というものは何がためにあるのかということです。だからこういう点において、米の検査基準をどこにおかれるかということを聞きたいのが第二点。  それから第三点は米価です。これは先ほども申しました七千四百八十四円が生産費を償うところのぎりぎりの米価であるということを根本農林大臣も言われたはずです。ところがこれが七千三十円になつてしまうと、四百五十円の結局負担になつている。農家がもらうべき金が、供出米三千万石といたしますと、百三十五億が当然農家がもらうべき金であると思う。この点は農林大臣も察せられまして、この前の委員会におきまして、農業問題を価格問題だけで解決づけようとは思つておらない、補給金をもつてこれを潤すと言われている。こういう意味におきまして、百三十五億という当然もらうべきものはことしの今組んでいる予算農民を潤すという意味から、財政的にこれをうまく日本の経済から巻き上げて、農村の方に持つてつてもらうための配慮があるかどうか。それがためにはどういう方法を考えておられるかということです。  特に四番目ですが、農林大臣は、農村の実態に対して非常に間違つた考えを持つておられるのじやなかろうか。ここにこういう例があります。農林大臣は、きのうの委員会で修正されましたが、いわゆる米の検査制度、供出制度を廃止するというようなことを言われた。これはうそだと言われたけれども、どうやらこういうような考えがまだ頭の中にある。これ自由党の伝統的な考えだと言つておられる。ここで不思義に思うのは、農林大臣に対する皮肉のように、お宅の選挙区である秋田県から農業事情を反映して、農林大臣を皮肉つておる。七月二十五日付時事新報によりますと、秋田県におきましては、ここは穀倉で、やみ米、一升の値段が六十五円、配給価格が七十五円、こういうふうになつている。新規に値上げすると八十七円になる。こういうようなことです。やみ米は以前でありましたら。供出をごまかして農民が不当にもうけるというように言つてつて、非常に農民を悪く思つてつたのが、現在はそうじやないのであつて、農業経営の非常な赤字の苦しさより、食うべきものを食わずして、質を悪くして、前に言うた農政局長の仰せの通り、農業経営を悪くするならば、農民は食うものをなくして供出をするということを実際やつておるのです。こういう意味におきまして、今米の供出制度をやめてしまうと、かえつて農民が困るような結果になつているのでございます。だから日本の農民は政治的には供出制度はいやだ、経済的には供出制度がなくてはならない、こういうような立場におかれているのだが、農林大臣はどう思われるかということです。それから肥料の問題……。
  26. 千賀康治

    千賀委員長 横田君、日程を逸脱することは許しません。日程の中だけでやつてください。農林災害……。
  27. 横田甚太郎

    ○横田委員 逸脱があるか。ちやんといつております。
  28. 千賀康治

    千賀委員長 宣告してあります。わからなければやめさせます。
  29. 横田甚太郎

    ○横田委員 なんでだい。もう一ぺん言うよ。
  30. 千賀康治

    千賀委員長 逸脱したことはいかぬ。米価のことはだめです。許しません。農林災害に対する質問をしてください。
  31. 横田甚太郎

    ○横田委員 何を許すか。それじや今のだけ答えてもらおう。
  32. 根本龍太郎

    根本国務大臣 お答えします。ただいまのはほとんど御意見のようでありますから拝聽いたしておきます。なお米価問題、農業に対する基本の私の考えについては、すでに述べましたから重複を避けまして、私はここで答弁することをいたしません。     —————————————
  33. 千賀康治

    千賀委員長 それでは農林大臣は帰られますから、日程の林業に対する件を議題といたしまして。平野君の発言を許します。通産省の矢野紙業課長が見えております。
  34. 平野三郎

    ○平野委員 前の国会以来非常にこの問題については議論を繰返して参つておりますが、その結果明らかになつたように、木材の需給調整のアンバランスということはもう明瞭になつて、これを何とかしなければならない。農林省の方では森林法をいよいよ八月一日から施行することになりましたが、これによつて森林の供給の方は非常にきゆうくつになるわけであるから、どうしても木材の消費の節約、合理化ということが必要であります。ここで私のお尋ね申し上げたいことは、木材の節約についてはいろいろな方法が現在研究せられております。たとえば一例をあげますれば、薪炭自動車というものを今後ガソリンに切りかえて行く。これが四万台自動車がありますから、全部切りかえができますれば、三千万石近い木材の節約が可能になつて来る。これもすでに今実行段階に入りつつあるのであります。さらにここで大きな問題は、製函用の資材であります。これが千五百万石ありますが、もしこれを段ボールに切りかえることになりますれば、木材の消費は十三分の一に節約される。すなわち千五百万石が百万石程度でもつて済むというわけで、千万石近い消費の節約が段ボールに切りかえることによつてできるのであります。これはもちろん重量の重いものはできませんが、少くとも数百万石の節約はできるわけなんでありますから、当然これは政府として何らか手を打つて、箱材をなるべく段ボールに切りかえるように指導奨励を行うべきだと思うのであります。  現在段ボールは非常に価格が高くつくといつても、箱材より二割か三割か高い程度でありますから、これはちよつと政府が手を打てばだんだん段ボールに切りかえることができます。本来ならば、政府が補助金か助成金を出すというのが本旨でありますけれども、そういうことをしなくても、金融の措置をつけるだけでもこれはできるわけなんであります。先ほど来御質問がありました農林漁業資金融通法、本来はこれによつて解決すべきもであると思います。これは当然林政の一環として木材の節約をするわけでありますから、農林省がこれを所管して、そして農林漁業資金融通法の中にこの木材利用の合理化ということを含めることが適当であると思いますが、しかしながら、これは私は必ずしも通産省の仕事をこちらへ横取りしようというようなことを思うわけではないのであつて、通産省の方でまじめにこれを取上げておやりになるというならばけつこうである。ほんとうに通産省で木材の資源ということを考えて取上げて、あなたの方で大いにやられるのならばよいが、やらないということならば、ほんとうにこれは農林省の方でやつてもらうことをわれわれは主張いたしたいのでありますが、その点について通産省としては手を打つお考えがあるかどうか。少くも農林漁業資金融通法でできなければ、日本開発銀行の方でもよろしいが、これらの段ボールであるとかあるいはその他の木材の消費節約に役立つような企業に対して、開発銀行なりを通じて資金の供給をして、そうしてその産業の助成をはかつて、木材の調整を行つて行く御意思があるかどうか、そういう御計画があればその内容等を承りたいと思います。
  35. 矢野宏太郎

    ○矢野説明員 段ボール問題につきましては、私の方といたしましてはいろいろの面から検討中でございます。従来いい段ボールができなかつたというのは、一般的に需要がそうなかつた。従来からの慣習によりまして、主として木箱を使つておる。その習慣がなかなか抜け切れない。そのために段ボールの製造設備も非常に貧弱なものが多いのでありまして、優秀な段ボールを製造するというようなメーカーは一社か二社しかない。そういう状態でございましたので、その点を改良すべく、最近は主としてこれの原料であります。クラフト・パルプというものの増産をまず考えまして、その上に優秀な最新式の機械を備える必要がございますが、現在計画中のものは、アメリカから大型の機械が二合輸入されることになつております。そのための資金といたしましては、現在開発銀行に融資を申請中でございまして、大体所要の申請額の大部分融資してもらえるのじやないかと思つております。  それからもう一つは段ボールの質の改良でございますが、こういう点につきましても、われわれの方で規格をきめるとかいうようなことをしまして、順次手を打つております。  それと同時に、今度は輸送の面でございますが、段ボールに切りかえました場合、損害が従来非常に多いわけであります。そういう点につきましては、運輸当局と連絡をいたしまして、輸送の面でも何ら損傷なくこれを運搬するというふうに研究をしておるのでございます。こういう面から申しまして、近いうちには相当数量木箱に対する木材の需要というものが、減少いたしまして、段ボールの方に切りかわつて行くというふうに考えております。
  36. 平野三郎

    ○平野委員 今開発銀行の方に融資を申請しておるとおつしやいましたが、金額はどれくらいですか。
  37. 矢野宏太郎

    ○矢野説明員 実は私の方の所管ではございませんので、ちよとその資料を持つておりませんですが、金額につきましてもし御必要でございましたならば、後刻またお知らせいたします。
  38. 平野三郎

    ○平野委員 その資料は後ほどひとつ御提出を願うことにして、ほかの問題でもう一点お尋ねしておきます。  それは先般も本委員会でいろいろ議論がありましたが、結局非常にうやむやな、あいまいな御答弁で終つております。  パルプ工場新設に対するところの認可の問題であります。これについては、休会中に実は私山陰方面を視察して参りましたが、あの地帯が第二の樺太になりはせぬかと思われるほど極端な状態に陷つておりますのは、パルプ工場がめちやくちやに濫設せられておるのが原因であります。きのうも本委員会で御報告がありましたように、九州、中国方面の今日の災害だけでも数百億に達しておるわけであつて、これが赤松林の濫伐に原因しておることは疑いない事実であります。これはどうしても何とか政府が調整しなければならない段階に来ておると思います。私はずつと各府県を視察して参りましたが、各府県ともこの工場の誘致運動をやつておる。そのために、心ならずも工場が濫設される傾向にあるのですが、各府県の実情としてはこれはやむを得ない。各府県へ行つて聞いてみますと、自分の誘致した県内の工場だけは確保するという方針でやつているということでありますが、森林法が施行されれば、当然自分の県の需要を満すだけしか県としては計画が立たない。これは県の需給調整の計画を見ればはつきりしているわけであります。ところが、それではとてもやつて行けませんから、お互いに他の県へ資材の買出しに行つておるので、よその県から来るのはこれを許可しないようにしなければならない状況に陷つているわけであります。でありますから、この際どうしても政府が何らかの手を打つてこの調整をはからなければならない。現在できてしまつているもの、また今できかかつているようなものは、いまさらやめるわけには行きませんでしようが、今後さらにこれ以上濫設を見るようなことになつてはゆゆしい事態が起るわけでありますから、政府としては、どうしてもこの際何らかの手を打つ必要がある。今後新規のものについては認可制度をしいて抑制するという方法、あるいは現在すでにでき上つているものについても、その需給計画政府が一応取上げて、できるだけ森林法の施行の線にマツチして、林政との関係が円滑に行くような措置を通産省としてはおとりになる必要が絶対にあるということを、今度つぶさに見て参つて痛感をし、また農林当局も私とまつたく同一の見解を表明しており、本委員会においても正式にそういう言明をしているわけであるが、通産省の方だけがまつたくはつきりしておらない。ただ安本の先般の御答弁においても、一応抽象的な御説明はありましたが、具体的なことになるとあいまい模糊としている。これでは結局日本の山や川を犠牲にして、つまり国民生活を犠牲にして、通産省がただパルプ工場さえもうかればよいという指導方針だといわれても、私は返す言葉がないではないかと思いますので、どうしてもこの際何らか調整の手をお打ちになることが絶対に必要であると思いますが、そういう御意思があるかないか、あればどういう方法をおとりになるお考えであるか、承りたいと思います。
  39. 矢野宏太郎

    ○矢野説明員 原木の需給につきましては、私どもも森林法の施行に伴いまして、非常に愼重にいろいろ対策を考えているのでございますが、聞くところによりますと、林野庁の方で森林法の施行と一緒に森林需給調整協議会といつたようなものを各県に設けまして、木材の需給調整をそこで考えるというようなことになつているように聞いておりますので、私どももできるだけそれに協力いたしまして、パルプ用材の需給調整を、林野行政に協力してやつて行きたいというふうに現在のところ考えております。そのほかに、たとえば今認可制度の問題がちよつと出ましたが、認可ということになりますと、今のところ私どもとしてはそこまでは考えてはいないのでありまして、これにつきましては、原木の需給の現状をもう少しよく調べました上で、何らかの手をどうしても打つ必要が生じたというような場合に、もう一度その点について再考するというような考えでやつて行きたいと思つております。
  40. 平野三郎

    ○平野委員 今のお話ですと、これから木材の需給状況の調査をして、さらにどうしてもいかぬことになれば、何らか手を打つというお話ですが、これはまことに納得の行かない御答弁だと思う。木材の需給状況は、これから調査されなくてももうはつきりわかつておる。その所管官庁であるところの農林省が、現在の工場の分だけでもとうてい森林法の遂行はできないということをはつきり言明しておる。これはすでに長い間の調査の結果明らかになつておる。いまさらこれをあらためて調べる必要はないと思う。しかるに一方、各府県としてはこれに反することをどんどんやつておるのですから、このまま放置しておけば、さらにどんどん新設を見て行くということになるわけです。もうこれから調べるなんといつた必要のない問題であつて、ただちにここで早急に手を打つということが必要の段階に来ておるのです。これから調べるなんということは、まことに不可解な感じを受けるのです。これは早急にやらなければまつたくだめですよ。各府県がみんな誘致運動をやることは、県としては当然のことです。非常に県の財政が困つておりますから、みんなそれぞれ工場を誘致して、固定資産税なりその他の事業税の収入をはかつて、県の財政をよくするということは当然のことですから、政府としては全国的に調整をはかつて認可制度をしく、あるいは少くとも監督官庁たる通産省が業界自体をこれ以上めちやくちやにさせては、しまいには共倒れになつてしまう。これから調べるということでなくして、すぐにも手を打つべき段階に来ておると思いますが、それはどうですか。
  41. 矢野宏太郎

    ○矢野説明員 御趣旨はまつたく同感でございます。ただ最近、紙工場の設備等が改善されまして、企業合理化の点に重点を置きまして、たとえばサルフアイト・パルプに一例をとりますと、大体パルプ一トンにつきまして二十石くらいの原單位になつておりましたが、最近は非常にその点がよく合理化されまして、十五石または場合によりますと、十五石を切るというような工場もあるという話を聞いております。このように同じ一トンのパルプをつくりますにも、従来に比べますと、木材の使用量が非常に減少しておるような傾向があります。その傾向がこれからもどんどん進んで参りますと、従来と同じ木材の供給量でも相当量のパルプができるようなこともございますし、そのほかたとえばわらパルプその他の利用ということも相当考えられますので……。     〔「節約になればふやさなくてもいいじやないか」と呼ぶ者あり〕
  42. 千賀康治

    千賀委員長 私語を禁じます。
  43. 矢野宏太郎

    ○矢野説明員 ですから同じ木材の供給量につきましても、パルプ量がふえるということも考えまして、今後需給について愼重に考えて行きたいと考えております。
  44. 平野三郎

    ○平野委員 最後に結論だけ言つてやめます。今の答弁では、この上ともパルプ工場をつくらしたいというふうにしか聞えない。大体大局的に見まして、おそらく他の委員諸君も御同感だろうと思うが、今の設備が完成すれば、戦前の状態に回復する。戦前は樺太というものがあつた、その樺太がなくなつても戦前の状態に回復するということは、結局は樺太の林力にほとんどよつてつた日本のパルプ工業が、内地の分で樺太の分をカバーして行くということである。日本の、ことに中国地帯のように最も山の荒れておる地帶で、樺太の分をカバーして行くことは、大局的に見てもとうてい成り立つことではない。ますます災害が発生するにきまつておる。こんなことはきまり切つたことだと思う。それをさらにふやすということは、ますますパルプ会社をもうけさせることにのみ協力しておられるのだとしか言えないと思いますが、これはもつと具体的な資料を御提出をいただきたい。今のあなたのお話のような、一トン当りの木材の消費量が非常に合理化されるというような計画が、具体的にどの工場はどうだ——私は各工場ごとに調べておりますが、それは計画だけであつて、実際はほとんどそういうことは行われておりません。そういうことをよく知つておりますが、はたしてそれならばどの工場がどれだけの一トン当りの消費合理化が行われておるか、さらにどれだけの人力の余裕があるか、従つて今後工場の設備を許してもさしつかえないという資料を御提出いただきたい。農林省の方では、絶対にそういうことは不可能だ、現在のものでも森林法の遂行はできぬということを、農林省としては正式に言明しておるのだから、あなたの方とこれは根本的に違つておるのだ。しかしながらあなたの方で確信があるというお話ならば、具体的にそういう資料の御提出を願つて、さらに私どもの方でも検討いたしたい。それを委員長にお願いして一応打切ります。
  45. 千賀康治

    千賀委員長 横田君、簡單にやつてください。
  46. 横田甚太郎

    ○横田委員 森林資源の問題から、パルプ用材が非常に問題になつておる。しかも領土的には樺太が問題になつておるが、それに関連してお伺いしたいのです。最近労働組合が非常に紙の事情から用紙難で困つておる。その困つておる労働組合の人たちが、どうも紙が高いというので、わが党の参議院議員兼岩君とともにソヴエトの代表部へ行つたところが、月に三万トンくらいの用紙なら出してもいいだろうということを話された。そのときに、GHQがやきもちをやくから、それを何とか調整する必要があるということも出たのでありますが、それに対して通産省の方で善処される御意思があるかどうかということをちよつと承りたい。
  47. 矢野宏太郎

    ○矢野説明員 現在の新聞用紙につきまして一部不足ということになつておりまして、お話のような問題がありますが、それ以外の紙の問題につきましては、大体増産も相当に進んで参りましたし、現在のところではそう不足しておるというような声は聞いておりませんので、輸入につきましては、必要に応じまして研究をいたします。
  48. 千賀康治

    千賀委員長 お諮りいたします。きわめて御多忙な農林中金理事長にまだ待つていていただきますので、あまり機会がないと思いますから、農林漁業資金融通法の実施状況についての残余の質疑を続行したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認めます。河野君。
  50. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 先ほど湯河理事長さんから融資の現段階までの事情お話願いましたが、その中で共同施設の分として農林、漁業、畜産、こういうような面でどういうふうな内訳になつておるか。  時間の関係上、さらに私はつつ込んで伺いたいところをつけ加えて申し上げます。聞くところによりますと、共同施設に対して、たとえば牛乳の処理であるとか、冷蔵庫であるとか、こういう共同施設のわくについて非常な制限を加えておられるという話を私聞いておりますが、これは誤り伝えられておるのかどうか。もしそういうふうなわくをしておられるなら、これは農林省がそういうふうなわくをかつてにきめたのか。それとも中金資金関係でそういうわくをきめたのか、これを伺いたいと思います。  なおもう一点、官房長に伺いたい。たしか、われわれが承知しておるところでは、長期資金の中で、十億をとりあえず立てかえて共同施設に使う、こういうふうに聞いておりますが、十億のわくの範囲内におきましては、農林省はそういうふうな共同施設の内容に入つて、どの共同施設に貸してどの共同施設に貸さぬということはないと思うのですが、この点をひとつ伺いたいと思います。
  51. 湯河元威

    湯河説明員 共同施設につきましては非常に御要求が多いのでございますが、私の方で政府とも御相談をいたしまして、特に書類審査を急いでおります。小水力の発電関係、これは非常に要求が多いのでございますが、これもやつております。それから先ほどお話の牛乳低温殺菌施設、それから鮭鱒等の飼育施設、こういうようなものが今主として取上げられておるのでございます。希望としては、農業倉庫その他御希望が非常に多いようでございます。今申し上げたようなものは、特に全体的に見て急がれると思いまして、取上げておりますわけでございます。
  52. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 低温殺菌の共同施設であるとか、鮭鱒の関係であるとか、そういうことを農林省の方から中金の方に言つて共同施設のわくをきめられたのですか。私はそういうことはきめるべきではない。その必要不必要、軽重の度合というものは、そういう作業別にきめるのではなくして、その土地土地によつておのおの重要性というのは違つて来る。であるから農業倉庫はいけないとか、この場合は牛乳処理だけであるとか、そういうふうに画一的にきめるべきものではないと思うのですが、その点についての実情なり意見等を伺いたいと思います。
  53. 塩見友之助

    塩見説明員 先ほどもちよつと申し上げましたが、当初二十七億を第一四半期に予定して閣議決定をいただいたわけですけれども、そのうち七億だけが留保されたというふうな関係から、府県別の割振りその他すべて大体二十七億を前提としまして、急を要するものは七億を交渉によつて確保しよう、こういう通知をしまして、基本的な土地改良であるとか造林であるとか土工であるとか、補助があつてどうせ裏打ちとして出さなければならないもの、あるいは、その他のものについて通知をいたした関係上、七億が留保されたので非常に資金が詰まつて参りまして、それで当初十億を限つて共同施設の方ヘフルにまわしたい、こういうことで関係方面の了解もはつきりととりつけて始めたわけですけれども資金全体の総量、これは一昨日あたりの新聞でも開発銀行あたりのが第二・四半期は一応留保されている。そういうように資金全体が非常にゆるくなりはしないかと、うような関係から見ての留保がなされた関係で、どうしても共同施設の方は十億出してしまうというようなことができなくなりました。それでこれは大臣とも御相談の上で、一応最も緊急に処理を必要とするというふうな酪農の方の生乳の処理の施設、それから漁業協定等の関係もありますので鮭鱒の孵化施設というふうなものに一応限つて出す。その他の方は申請を十分検討しながら、第二・四半期ないし補正予算というふうなものによつて資金の裏打ちをつけてもらつた上でやつて行こう、こういう方針で中金その他に農林省としては臨んでおるわけでございます。ただいまの問題は、資金全体の不足と、われわれの思惑違いと申しますか、二十七億出るのが二十億にとまつたものですから、そういう関係から来た故障でございまして、申訳ないこととは思つておりますが、そういうふうな事情でございます。
  54. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 資金のわくが挾まつたためにそういうふうな事情なつたことは私も了承いたしますが、そうすると今の共同施設の貸し付ける相手方というのは、今の低温殺菌その他これが絶対條件ですか。今あなたのお考えになつておられるその他のものには絶対貸さぬ、とりあえず今政府が指定と申しますか、これとこれが緊急であるから、これとこれだけだと一応示された、これが絶対條件であるか、それともそうでないか、もう少し融通性のあるものであるか、これを伺いたい。
  55. 塩見友之助

    塩見説明員 金融機関に対しては、今のところは申請を受付けて、十分審査して、資金の裏打ちがあつたら、できるだけ早く出せるようにしていただくというふうな方針で臨んでおりますけれども、絶対的かどうかというような点は、これは非常に必要性の強いものが、また時期的に起れば、これは大臣とも相談して決定してやらなければならぬのであります。絶対的だとか、どうだとかここで申し上げられませんが、方針としては、資金全体が苦しいのと、府県の基本的なものについては土地改良その他補助の出ますものの裏打ちとか、どうしても優先的に出て行きますものとのにらみ合せによりまして、今のところ資金全体の量から申しますとなかなか出しにくい。一つ出せば、どうしてそれを出してほかのものを出せないのかということになりますが、相当の額が出ております。ことに製氷、冷凍というようなものは、水産関係の特殊の特別会計ができなかつた関係から、前議会における会期の途中からこちらの方へ入つて来たというふうな関係もあり、順位の決定その他につきましては、資金全体のわくが足りないから、どうしても順位をある程度つけてきめて行かなければならないというような関係もありまして、しばらくの間御猶予を願いたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  56. 河野謙三

    ○河野(謙)委員 今の低温殺菌の問題が絶対緊急であるかどうかということについては、私は意見がありますが、差控えます。  最後に今政府の方で、せつかく農村短期資金の問題を具体化すべく非常に急いでおられ、われわれも大いに協力しておるのでありますが、その間において、現在において何らか短期資金について、もう少しく出す道はないか。たとえば今家畜の導入資金等について各所で大騒ぎをやつております。現に各所において私が聞いておるところでは、毎月千円ぐらいずつの掛金をして、そうして家畜の導入資金を積み立てようということを、誠意をもつて始めておる。ところがこれは積立てが全部できなければ使えない。その間にすぐ一年なり二年なり遅れる。そういうように、具体的に農民がほんとうに自発的にそういうようなことを始めたとこについては、政府の方で措置をとられる前に何か中金に道があるのではないかと思います。現在のところ中金の方では、短期資金の問題についてはきわめて融資が不活発のようでありますが、何らかこれのつなぎに、理事長の方でいいお考えがあれば知らせていただきたいと考えます。
  57. 湯河元威

    湯河説明員 ただいまのお話の点は家畜導入の資金でございますが、これは短期の資金ではなしに、長期資金に続きますような中期の資金ではないかと思います。それにつきましては、実は中金は農林債券の発行をお認めいただいておりまして、現にその発行を続けておるのでございます。われわれといたしましては、農林債券は三年の期限で発行しておりますが、家畜導入その他はその程度の期限で間に合います。あるいはもう少し長くてもいいのでございます。できないことはないのでございます。ただ問題となります点で悩んでおりますのは、どうしても金利が高くなつて、こちらでせつかく政府がおやりになつていただくことで、この施設の方に御都合がよくないという点が懸念されるのでございます。これにつきまして、何か地方事情上特別の御処置でもあればお役に立つのではないかということを——資金がないとは申しませんが、われわれとしても何か御助力ができたならば仕合せだと思います。  もう一つは、家畜導入についても申し上げたいことは、いろいろ御熱心な御希望でございましてごもつともと思うのでございますが、かつて復興金融金庫の資金を借りまして融通したものの中に、家畜導入の費用が相当ございました。どうも成績がよくない。これはもうあつものに懲りておるわけではないので、結局畜産行政の方もよく御連絡をとりまして、せつかくお借りになつたものがお困りになりませんようないいものでございますれば、私の方では自分のところで農林債券資金の一部でお役に立てたい、これにつきましては御相談なり、なお研究を続けたい、こう考えております。
  58. 千賀康治

  59. 原田雪松

    原田委員 先ほどから若干中金の悪口を言つたのですが、幸い官房長並びに理事長がおいでになりますので、私ども農村金融という問題は、ほんとうに重大な問題と考えておるのであります。地方に参りますと、今なお周知徹底に欠陷があるようであります。先ほど理事長は、よく納得せしめてそういうことを知らしめて行きたい、こうお話になりました。私非常にけつこうだと思います。今までのやり方のように知らしむべからずよらしむべしというような筆法でなく、ぜひこういう新しい農民が期待しておるものができる場合は、金融機関の方で各種の団体をお寄せになつて、よく周知せしめていただくようにこれはお願い申し上げます。ただ私どもは、農林漁業資金のこのわくの問題よりも、全国地方をあんぎやしてみますと、最も要望するのは導入資金の問題です。特に私はこの際あらゆる産業の面で要求があると思いますけれども、限定的に畜産の面から二言論及させていただこうと思うのであります。至るところ畜産の導入資金を要求いたしております。今御承知の通り、日本の戦後の畜産というものは、すばらしい勢いをもつて発展をいたしております。これは戦前に比較いたしまして非常な発展ぶりであります。御承知の通り、経済動物としての価値が今日の世相にしつくりはまつて来た、そういう関係から、従来は動物だという考えを持つてつた華族、皇族までがやぎ乳等をしぼつて飲んでおられる。これは食糧改善の意味、食生活の改善の意味において一歩を踏み出したものと私は考えます。われわれは長い間畜産にタツチいたしておりますが、現在ぐらいに畜産が全国民の間に認識を深めた時代はおそらくございません。それならばもう牛も馬も中小動物も満足じやないか、こういうふうに一応お考えになるかもしれませんが、とんでもない考えである。現在零細化されました農業は六百五十万といつております。まだ半分は無畜農業であります。その無畜農業の諸君が家畜を飼育しようという欲意はきわめて旺盛であります。特に今河野さんのお話になりました酪農振興の問題、これでもまだ現在は二十万ちよつと切れる頭数しかおりません。牛のごときは現在では二百二十五万おります。馬は百七万、戰前は百五十五万でありました。牛のごときは戦前が百七十万であります。今では二百二十五万であります。その他の中小動物も約倍になつております。それでもなおかつ無畜農業の解消ができない。できないというよりもむしろ多角形農業経営に切りかえようということに農村の頭が働いて来ております。この際に多角形農業経営に切りかえます場合に導入資金を得て、これによつて自分の経済の復興をはかろうというきわめて大きな要求を農村が持つことは、まことに日本の再建にとりまして喜ばしいことと思います。ところが貸す方でなかなか條件がやかましくて貸さない。私ども計画では少くも融資をしていただきますと同時に、自己資金を三分の一ぐらい出させる。そうしてしかもそれは共同団体の中核母体が指導監督をして回収に努める。もちろん共済保険にかけますので、保険金並びに利子の問題がまず起つて参ります。ところが中金から短期並びに中期の保証をしていただくにしても、少くも一銭二厘か一銭三厘ということになります。こうなりますとなかなか農村では導入資金にのどから手の出るような気持を持つていても借りることができないというような現況である。この点は幸い官房長がおいででありますので、政府として利子の補給の問題を解決してもらわなければならぬ。これこそ日本再建の上に、あるいは日本人の食生活改善の上に重要なる役割を果すものと見なければならない。ただデーターを見ますと、日本の畜産は一番劣等です。そこに非常に文明国としての遜色があることがはつきり現われております。私どもはそういう意味合いからいたしまして、この問題をどうしても大きく取上げてもらわなければならぬ。今ごろ一割増産の問題とか肥料の問題をいろいろやかましく言われておりますが、それは結局畜産が旺盛になると同時に、そういうものはおのずから解決が幾分ずつついて行くのではないかということを考えるのであります。そんなことはないだろうと言う人があるかもしれませんが、事実そうなつて行くと私は思う。今いかに政府が言い、農民がいかにさか立ちしてやりましても、九千万石の米をとるということはおぼつかない話です。どうしても脂肪蛋白給源によるカロリーによる生活改善というものは、畜産に依存するにあらざれば私は絶対に不可能だと思う。そういう重要な地位を占めるところの畜産の導入資金を、いまなお閑却するということは私はどうかと考える。きようは幸い理事長なり、官房長がいらつしやいますので、私はこの内容をつぶさに申し上げますと時間をとるから申し上げませんが、ただ一言申し上げても納得が行くと思います。そういう意味から一箇年に三十億か四十億の融資をしていただきますと、それによつて五箇年計画で大分目的が達成し得る、十年で全部の無畜農業解消ができるのでありますが、無畜農業解消というよりも多角形農業経営の営農をやるということに着想を持たなければならぬと思うのであります。どうかそういう意味におきまして、私はあるいは官房を通じ、あるいは畜産局を通じて、中金にはあらためて御相談に行こうと思う。そういう場合に中金が思い切つてそういう手を打つていただけるかどうか、その気構えについて一応お尋ねしておきたいと思います。
  60. 湯河元威

    湯河説明員 御質問のありました農林漁業資金の取扱につきましては、今後ともよく注意いたすことにいたします。  さらに家畜導入資金お話をるる承りまして、私も家畜の普及の問題につきましては、実は非常に期待いたしておるのでございます。あるいは農業経営の立場から、あるいは食糧政策の立場から、その必要は大きいだろうということをお察しいたしております。何とかできないかと思つております。従来特別の政府金融的御施策はございませんけれども地方の御要請が出ております。それに応じて参りましたのは、はつきり記憶はございませんが、まだ三、四億の残高にはなつておるかと思います。しかしこれはまことに軽少なものと申さなければならぬと思つております。家畜導入の問題がわれわれとしては必要であるということ、これをどの程度にやるかということにつきまして、いろいろお話を承つておりますのですが、金融でこれを処置するということになりますと、やはりお借りになつた方がお返しになれなくては困る。それから利拂い償還の御負担が重くてはお困りだ。それからあまりに家畜あるいは酪農畜産熱に浮かされて御無理をなさる。たとえば酪農などをおやりになりましても、乳の処理もおできにならぬ所に、実は過去においては御計画があつたのであります。これから先はないと考えますが、非常にそういう点残念だと思います。私どもといたしましては、畜産の当局あるいは畜産団体の方にお目にかかりましたときに、最後には申し上げたのであります。全部やれとおつしやつてもそれはなかなかできないかもしれませんが、現在の中金つて少しのことはできます。できますからどうか真剣になつて、間違いないというものを推薦していただきたいと申し上げた。そうしたら理事長審査を拔きにしても決定して見せますということを申し上げたのですが、政府も畜産団体も一向出て来ていただけないのです。これは最近におきましては畜産局の方におかれまして、私の方にも御相談がございました。今度は本気にやるから中金努力せよというお話でございまして、われわれとしては、資金がないとか、やりたくないとかいうことま申し上げません。問題は先ほど申し上げましたその御施策なり、御施設なりが妥当であるかどうかということ、妥当な施設はどういうことであるかということをはつきりさせたい。つまりこちらが、融資審査のできます、安心して融資のできますような、安心しておやりになる施設、それからもう一つ、ほんとうにこれは困ることですが、先ほどお話の金利が、どうしても今の中金金融機関としての金利では少し御無理であろう、この点につきましては、またごくふうがあり、あるいはまた御自分でごしんぼうがいだだけるということであればできると思つております。先ほど仰せのように、一度に大きな数字をとおつしやつても、この中金の債券だけと申しましても、相当出ておりませんし、またほかにも必要がございますので、われわれの方でも、みはからいましての御努力はできるものと思つております。
  61. 原田雪松

    原田委員 回収になりますと困難のような面があるので、どうもその点は釈然としないというようなお話ですが、私はごもつともだと思うのです。引揚者その他の団体等によりますと、ややもすると一獲千金を夢見て、いろいろな事業を興そうと思つておる。これが部分的に出願をしますので、そういう点に隘路があると私は思う。結局これは牛は牛、馬は馬連れで、やはり畜産団体を通じての調査によつて、これはこういう要素を持つてこういうことをやるならば、償還の点もはつきりしておる。これなら間違いない。こういうような見通しのついた部分でなければおそらく貸倒れになると思います。今までの成績が悪いからということをおつしやるようですが、これからは畜産局も改めるということはどうかと思いますが、そうすると畜産局の指導が今まできわめてルーズであつたということになる。私どもがもちろんこういうものを指導して行くならば、自分でも働くというような責任を持つた、確実な考えを置かなければならぬ。そういう意味において、人のふんどしで相撲をとるというような気持でなく、これは必ずやはりいろいろの融資をやりましても、みずからの資金を三分の一くらいは導入しなければ欲が出ません。欲が出ませんから真剣味が出ません。もちろん保険料であるとか利子の問題等は、それを取扱いますところの中核母体の畜産団体が交渉し、そうしてこれは年次償還を幾らやる。それによつて対策の計画を立てようと思つております。どうかそういうことは従来の例がいかになつておるか、この後はそういうことはないと考えますが、ひとつ好意的にお取扱い願いたいと思つております。これによつてお尋ね申し上げたいことはまだたくさんありますが、時間がないようですからとどめておきます。
  62. 平野三郎

    ○平野委員 ちよつと簡單に官房長お尋ねしたい。昨日お話農林資金融通法の補正予算百億を追加せられておるのですが、造林とか林道とか林業関係の項目がどのくらいありますかということです。実は仄聞しますのに、非常に林業関係が白眼視されるとか、軽視されておるような様子であります。官房長は元熊本の営林局長をされていたので、林業関係には相当の御理解があると私は思つてつたのですが、官房長になられてから非常に林業の方を軽視せられるというような——これは全然最初はなかつたのですが、あとで考え直されてちよつぴり計上されたということですが、どのくらいになつておりますか。同時に今後認識をさらに改めていただいて、とにかく造林並びに林道は、先ほども通産省の方との質疑応答をお聞きの通り、国土保全上の基本的な問題でありまして、結局は年年一千億以上に達する災害復旧の予算というものは、この造林、林道をやることによつて減額されるわけですから、結局はこれは非常にプラスなものです。特に林業の方は金利も家畜の導入資金の方ほどそう安くしてくれとは申しません。これは木材の価格が相当騰貴しておりますから、金利のことは大したことはないのです。だからどうか大いに、国土保全という観点から、ひとつ造林、林道ということを深く御認識願うと同時に、どのくらい御計上になつたか、ちよつと承りたい。
  63. 塩見友之助

    塩見説明員 林道の部分につきましては、林野庁の長官とも相談した上で、最小限度このくらいというので三倍ほど組みまして、そうして当初計画の約倍になつております。それから伐採調整の方で五億というような組み方をしております。これは林野庁の長官は異議はないと了承せられておるはずなんです。
  64. 大森玉木

    ○大森委員 私は先ほど申し上げたつなぎ資金の問題でちよつと伺いたいと思います。つなぎ資金の問題は、大体大臣の答弁その他において私も承知をいたしたのでありますが、なおこのつなぎ資金には限度がある。そのためにわれわれは十億以下のものに対してはつなぎ資金の法則に沿うていない。そのためにつなぎ資金の融通ができないというようなことになつておる。昨日の表を見ますと、やはりわが石川県だとかあるいは四億、五億くらいの災害地に対してはつなぎ資金が出ていない。しかしつなぎ資金というものは、大きなもののみがつなぎ資金ではないのであつて、やはりそれ相当の、小なりといえども災害をこうむつたものに対しては何らかの方法を講じなければならないのではないか。これらに対して実は大臣に聞きたかつたのですが、大臣は時間をせいておられたから、そのために官房長お尋ねいたすのであります。  次には昨日もちよつとお尋ねをいたしたのでありますが、二十三年度以降における災害の補助金の問題であります。それがまだ支拂いをしていないということに対して、大臣にいろいろ尋ねしたところ、大臣はいろいろ操作等の関係でできていないというような答弁がありましたが、私はこの点はどこにそうした欠陷があるのであるかということをまずお尋ねいたしたい。それはどういうことであるかというと、災害の復旧事業として完成いたしまして二年以上たつて、まだ資金が下げられない。補助金が確保できないというような状態でありまするので、これは私ども現実にその問題を取扱つてよく知つておるのであります。そういたしますると、その地方のわずか五十万円か六十万円のため池の問題であつた。こうしたようなものがあるいは二年以前にでき上つたがまだそれはそのままになつておるということにおいて、農民が受ける損害は大きなものである。これに対しまする処置をどういうふうに考えておられるか、これは簡單にしておくべきものではないと私は思うのであります、これに対しての所見を伺つてなお私はもう一、二点お尋ねをいたしたいと思います。
  65. 塩見友之助

    塩見説明員 ただいまの御質問に対しては、恐縮でございますけれども私直接所管いたしておりませんので、ちよつとこの場で詳細お答えする自信がないのであります。農地局長かあるいはその所管の方と打合せないと、補助金の関係の方は総わくとかその他についてはいろいろ説明は聞きますけれども、直接そういう扱いについてのことは、この場合ではちよつとお答えできる自信がないのでございまして、あらためてひとつ農地局長でも呼んで御質問をお願いしたいと思いますが……。
  66. 大森玉木

    ○大森委員 そうすると農地局長に聞かなければわからぬというのですか。
  67. 塩見友之助

    塩見説明員 はあ。
  68. 大森玉木

    ○大森委員 しかしこの間も農地局長は出ておつたようでありますが、大体この問題に対して触れなかつた。また地方には出先官庁がありますが、この出先官庁に参りましても一向に要領を得ない。それで私は政治を預つておる官房長でありまするがゆえに、あなたにお尋ねすれば大体の要点がわかるかと思うてお尋ねをいたしたのだが、それでは補助金の出所までも明らかに農地局長でわかるでありましようか、どうでありましようか。
  69. 塩見友之助

    塩見説明員 預金部資金のつなぎの問題になりますと、所管は大蔵省なんでございますけれども、もちろん農地局関係のものについては、農地局長が十分連絡するわけでありますから農地局でわかります。補助金問題に対しては、もちろん農地局長の方でわかると思いますが……。
  70. 大森玉木

    ○大森委員 それではこの畜産の問題に対してお尋ねしようと思つてつたところ、原田君から詳細に御意見があり、私も原田君と同様の意見でありますので、省略いたしますが、先ほど低温殺菌の設備に対しての資金を貸すというようなお話があつたと思いますが、そうでしたか。
  71. 塩見友之助

    塩見説明員 そうです。
  72. 大森玉木

    ○大森委員 さようですね。そうすると低温殺菌ということに対しましては、現に農林省としては低温殺菌の設備をせよということに対して同意をしておられるのでありましようか、この点をお伺いいたします。
  73. 塩見友之助

    塩見説明員 低温殺菌による牛乳の処理施設につきましては、食品衛生法の関係がございましてこれは急を要するという関係から、非常に取急いで貸付を行つております。
  74. 大森玉木

    ○大森委員 そこでなおお尋ねいたしておきたいことは、先ほど原田君から言われた家畜導入資金に対してはまだはつきりした道が立つていないようでありますが、私どもの考えといたしますと、低温殺菌の問題は、法律がきまつて初めて農林省としてもこれに対する方法決定すべき問題であると思う。しかるにまだその法律も決定しない、どうすればいいということもまだ厚生省においてもわからないようなものに対して、先んじて低温殺菌をやるものに対しては融資をする。しかしながら家畜の導入は欠くべからざるものである。先ほどの説明にもあつたように、私どもはこの家畜の導入をいたすことによつてのみ今後の日本の食糧事情を緩和することができるという自信を持つておる。しかるにその問題に対してはまだはつきりしたことになつていない。前には農林中金か何かで融資することになつておるというようなお話であつたが、この点はくどくは申しませんが、この家畜導入に貸與しても、その返還等に対しては決してさしつかえないことである。わが石川県においてはどういうことをやつておるかというと、家畜を農業協同組合が扱つて、これを農民に金を立てかえて貸付いたしておりますが、これが農業協同組合における一番有益な事業となつて、それは一銭の欠損も出しておりません。だからこういう点に対しては、後刻あらためて詳しくわれわれから申し上げ、さらにこの問題に対して協力を願いたいと思うのであります。  私はこの程度にいたしておきますが、もう一応家畜導入に対する問題を御考慮おき願いたいと思います。これをもつて私は終ります。
  75. 千賀康治

    千賀委員長 速記をやめて…。     〔速記中止〕
  76. 千賀康治

    千賀委員長 速記を始めてください。  この際お諮りいたします。近く臨時国会も開かれることになつておりますが、本委員会がこの閉会期間中審査いたしました諸事件についての報告書に関しましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次会は公報をもつて申し上げることといたしまして、本日はこの程度で散会いたします。     午後一時二十五分散会