運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-08-09 第10回国会 衆議院 農林委員会 第50号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年八月九日(木曜日)     午後一時四十五分開議  出席委員    委員長代理理事 野原 正勝君    理事 河野 謙三君 理事 松浦 東介君    理事 小林 運美君 理事 井上 良二君       宇野秀次郎君    遠藤 三郎君      小笠原八十美君    小淵 光平君       越智  茂君    原田 雪松君       平野 三郎君    八木 一郎君       木村  榮君    横田甚太郎君       中村 寅太君  委員外出席者         農林政務次官  島村 軍次君         経済安定事務官         (物価庁第二部         長)      永野 正二君         專  門  員 難波 理平君         專  門  員 岩隈  博君         專  門  員 藤井  信君     ————————————— 七月十六日  委員金子與重郎辞任につき、その補欠として  吉川久衛君が議長指名委員に選任された。  八月九日委員高倉定助辞任につき、その補欠  として中村寅太君が議長指名委員に選任さ  れた。     ————————————— 本日の会議に付した事件  米価に関する件     —————————————
  2. 野原正勝

    野原委員長代理 これより農林委員会を開会いたします。  委員長がまだ来られませんので、私がかわつて代理をいたします。  まず米価に関する件について調査を進めます。前回の委員会におきまして米価問題について種々論議をいたしましたが、その後政府におきましては本問題について方針決定し、すでに一部実施されておるのでありますが、この際順序といたしまして、政府措置について簡單に説明を求めたいと思うのであります。物価庁第二部長永野正二君。
  3. 永野正二

    永野説明員 本年産米麦価格の問題でございますが、前々からお聞き取り願つておりますように、本年の四月ごろから例の農業パリテイ指数がどんどん上つて参りまして、問題がはつきりいたしましたので、本年産の麦及び米の生産者価格相当つて参り、またそれに応じて消費者価格をどうするかという問題が大きな問題となつて参つたわけであります。これにつきまして六月の初めに政府は、日本政府としての一つの案をつくつたのでございます。これにつきましては御承知かと思いますが、大体生産者価格につきましては、麦につきまして五月末のパリテイ指数、それから米につきましては四月末のパリテイ指数基礎として計算をされるのが従来の例になつております。このパリテイ指数基礎にいたしまして、昨年度から実施いたしました特別加算金額、その特別加算についてどうするかということが終始非常に大きな問題であつたのでありますが、その政府案におきまして一応本年度予算に組み込んでおりまする特別加算金額、米について申しますと、石当り六百九十四円という金額予算を組んでいるわけでございますが、その金額特別加算金額とする、こういう建前生産者価格をきめました。  それからもう一つ麦値段につきましては、麦と米の値段比率の問題が大きな問題になつているのでありますが、これは本年度予算をきめます際に、麦類は米に対して小麦裸麦が六四%、それから大麦が五四%という対米価比率で本年度予算を御審議願います際にきめておりましたのでありますが、その後の消費者の方の小麦粉と精麦に対しまする需要の模様等から考えまして、この対米価比率を若干精麦の原料になる麦について引上げることといたしまして、裸麦を六九、大麦を五七というふうに対米価比率引上げるということにいたしました。こういう計算で大体生産者価格をきめまして、それに基いて消費者価格の方は、その生産者価格中間経費を加えた、われわれの方ではリプレースト・コストと申しておりますが、生産者価格中間経費を積み上げた値段まで消費者価格を上げて行く。そういたしますと、消費者価格が一九・四%の値上りになるのでございます。この消費者価格引上げの時期は、これが家計に及ぼす影響をなるべく軽減するように、減税あるいは給與ベース・アツプというような措置をあわせて講ずる必要がございますので、それらの実施の時期と見合せまして、十月から値上げをするという考え方、従いましてその値上げが遅れます関係で本年の三月末には食管会計といたしましては、現金牧麦の上で相当赤字が出て参ります。この赤字はあとう限り食管仕事やり方合理化によりまして少くはなりますけれども、なお三百三十五億程度赤字が残りますので、この赤字一般会計からインジエソトリー・フアイナンスの意味におきまして繰入れをする、以上のような考え方で一応本年の米麦生産者価格及び消費者価格についての方針をつくりまして、関係方面と御相談を始めたわけであります。これに対しまして関係方面からなかなかこれの承認が得られなかつたわけであります。その後約二月近く、七月中旬まで折衝を続けたのでございます。司令部方面で指摘されました点は、最初の政府原案においては、農民の利益相当よく保護されているけれども、それ以外の一般消費者及び納税者利益をあまりに軽視しており。相当インフレ的な傾向を持つておる。また一般会計から食管会計に繰入れるということにつきましても、そういう財源は現在確実でない、非常に不確実な財源をあてにする案であつて承認しがたい、こういうようなお話であつたのであります。これを突き詰めて申しますと、結局生産者に対するパリテイ生産者価格をきめるということについては異議はなかつたのでございますが、パリテイにプラスして特別加算をするという特別加算の制度及び昨年産米麦価格について、その後パリテイ指数の上りました分を追加拂いをする。この追加拂いについて現在の予算より以上に支拂わなければならぬという点で難色があつたのでございます。政府といたしましては、これらの点につきまして特に力を入れて、いろいろな実情なり、数字的な資料なりを提出いたしまして、説明に努めたのでありますけれども、この交渉は非常に難航をいたしまして、結局司令部からは、日本政府の案に対しまして、財源の不確実なこと、それから生産者価格に対する考え方が非常にインフレ的である、パリテイ値上り分農家支拂うので十分ではないかという意味を中に含めた書簡が二回にわたつて参りました。これに対して日本政府といたしましても、特に現在政府考えております生産者価格考え方、バツク・ペイの必要な理由及び特別加算が必要な理由等を詳細説明いたしまして、これもまた二回にわたりまして政府原案承認してもらいたいということを要請いたしたのであります。非常に交渉が長引いたのでありますが、司令部の方でもだんだんと日本政府の案との歩み寄りがなされたのであります。たとえば消費者価格考え方につきましては、従前のやり方でございますと、食管会計年度内支拂いました現金の支出と、年度内消費者から受取りまする現金の収入とがバランスをしなければならぬという原則がドツジ予算以降打立てられているのでありますが、その原則で参りますと、本年のように年度の半ばにして生産者価格が上り、消費者価格が上るという場合には、特に消費者価格値上りが非常に大幅になるわけでございます。それでそういう事情考えられたのだと思いますが、今回の消費者価格改訂に当つては、生産者支拂つた金額消費者価格によつて取返すという原則が依然として貫かれたのでありますけれども、その取返す期間につきましては、従来の考え方よりも緩和されまして、消費者価格値上げの日から十二箇月にわたつて消費者からそれだけのものが取返せるように、その程度消費者価格値上げすればよろしいというようなことに相なつて参つたのであります。それからまた特別加算の問題につきましても、終始その削減について意向が示されておつたのでありますけれども、最終的には五%の特別加算をするということについてはやむを得ないかもしれぬというようなお話になつて参つたのであります。そういたしまして、結局最後に残りました問題が、消費者価格をいつ上げるかという問題と、消費者価格値上げを何パーセントにするかという問題とが残つたのであります。値上げの時期につきましては、先ほど申し上げましたように、政府といたしましては、これが消費者に及ぼす影響をできるだけ軽減するように減税及びべース・アツプの措置と同時にやつてもらいたいということであつたのであります。これにつきましては、生産者に対する予算以上の支拂は、必ずその新しい支拂に対する財源と申しますか、新しい支拂ができますだけの予算上の措置なり、あるいは消費者からそれだけのものがとれるという措置、つまり消費者価格値上げでありますが、そうしたはつきりした措置がなければ行つてはならないという、強い財政的な要請がございました。一方農家に対する昨年産麦の追加拂いは、すでに本年の四月ごろ追加拂いをすべき金額が確定をいたしておるのであります。これを支拂いますことは、米麦値段についてパリテイ方式をとつておりまする以上当然のこととわれわれは考えるのでありまするが、それがすでに五、六、七と三箇月も遅れておるわけでございます。これ以上消費者価格の問題につきまして折衝いたしましても、なかなか解決の見通しもございませんので、政府といたしましては、遂に八月の一日から消費者価格を上げる、そういたしまして、それに見合う措置の方は補正予算の際財源について優先的に考えるということをきめまして、八月一日からの消費者価格値上げという方針をきめたわけでございます。  第二に消費者価格値上げ割合につきましても、当初政府最後決定いたしました生産者価格から申し上げますと、約二〇%から二五%の値上げをしなければならないのじやないかというような政府の方の計算であつたのでありまするが、これを極力軽減いたしまするために、たとえば昨年産米麦に対する追加拂いの不足の分は、これを輸入食糧その他全体の米麦売却数量に按分するというような方法をとりました。また一方食管会計仕事やり方といたしましては、たとえば原材料用に売却いたしまするものについての收益の増加をはかる、あるいはあとう限り管理費削減をするというような方法によりまして、この値上り金額を一八・四六%にとどめるということに計算をいたしまして承認を得たわけであります。そうして最後関係方面折衝いたしまして一応内定いたしました案が、今お手元にプリントでお配りいたしたものでございますが、これに基きまして先ほど米価審議会の御答申をいただきました。米価審議会といたしましては、政府案は一応承認できない、生産者価格についての特別加算額及び対米価比率の問題、それから消費者価格引上げ割台の問題、こういう点についてどうも必ずしも政府案承認できないという御答申でございました。しかし今までの交渉の結果その他から申し上げまして、八月の一日からこの案を実施しなければいろいろな困難が起るということを御容認願いまして、一応この案で八月一日から実施するということをお認め願つたわけであります。この案が決定するまでの経過は以上のようなことになつておるのでございます。  案の内容といたしましては、ただいま経過の御説明で触れました通り、大体一応触れておるのでございますが、念のためもう一ぺん申し上げますると、生産者価格についての考え方が一、二書いてございます。第一の(一)が麦の価格考え方でございます。麦については五月末のパリテイ指数が二三八・三四でございますが、それに五%の特別加算額を加えて想定米価計算いたしました。その想定米価に対して小麦が六四、裸麦が六九、大麦が五七という対米価比率をかけて決定いたしたということでございます。それから(二)は本年産の米の価格であ力ますが、米の生産者価格はこれで正式決定になるわけではないのであります。これはただ消費者価格決定いたしまする前提としての想定米価であるわけでございますが、一応九月末パリテイを二五〇と想定いたしまして、その想定に五彩の特別加算を加えたものが二十六年産米生産者価格になるという想定で全部の計算をいたしたということになるわけでございます。これの決定はなおこの出来秋の問題として残つておるわけでございます。それから(三)は追加拂いの問題でありますが、これは既定方針通り実施をするということに相なつております。  第二に消費者価格の方の問題でありますが、この一、二、三の結果、生産者支拂います金額と本年度予算に載せております金額との差額を、今度の消費者価格改訂によつて消費者から回収をするという考え方で、消費者価格値上げを行わざるを得なかつたわけであります。そして従来のように食管会計年度における均衡という建前を緩和いたしまして、消費者価格改訂の日から十二箇月かかつて消費者から回収するという計算で今回の一八・四六%の消費者価格引上げ割合が出て参つたのであります。そしてその改訂の時期は八月一日とするわけであります。  それから第三は、その結果食管会計の三月末の現金収支におきましては、約百七十一億の赤字が出るのでございますが、これは一般会計から繰入れるということになつたのであります。  第四は、以上の方針によりまして数字的に計算いたしますると、生産者価格米麦おのおのについてどうなるか、消費者価格がどうなるか、こういう数字の計算をやつたわけであります。  大体以上のような経緯で八月一日から行われました消費者価格改訂及び本年産麦類生産者価格及び昨年産の麦と米に対する追加拂い金額決定が行われたような次第でございます。
  4. 野原正勝

    野原委員長代理 ただいまの第二部長説明に対しまして御質問がございますれば、これを許します。
  5. 井上良二

    井上(良)委員 この際特にだめを押しておきたい二、三がございます。これは今永野部長から報告がございました通り、先般麦価並びに消費者価格改訂案米価審議会にかけられまして、米価審議会政府原案に対して承認できがたいという答申をいたしております。そうしてその付属の要求といたしまして、特別加算額は大体一〇%、それから消費者価格政府値上率の一八%を一〇%という意向を添えて答申をしておるように思うのでありますが、当時米価審議会では、米価審議会答申に対して、政府はさらに三相会議なりあるいは閣議なり、また関係方面米価審議会答申に基く意見を中心にして新しく米価に対する方針相談すべきであるし、当然そういう処置がとらるべきであるが、どうであるか、それに対しできるだけそういうことに努力をして、審議会意向を尊重したい、こういうことを物価庁長官並びに政府当局審議会答弁された。しからば政府はこの答弁に基いて、米価審議会答申をいかなる方法によつて処置されたか、たとえば三相会議を開いて米価審議会がかくのごとき答申をした、この答申を是とするか非とするか、また閣議を開いてこの答申を是とするか非とするか、あるいはまたその答申に基いて司令部の方と交渉されて、政府の発表をされることになつたか、答申案に対する政府処置いかんということをまず伺いたいのであります。
  6. 永野正二

    永野説明員 米価審議会答申について、その後どういう措置をとつたかというお尋ねでございますが、これは関係事務当局といたしまして、私から司令部価格配給課の方へ米価審議会答申はこういう結果である、そしてこの結論を生むについてはどういう議論があつたという説明は口頭でいたしまして、それについて司令部としてはどういうお考えがあるかということを、司令部の方へ申入れがしてございます。
  7. 井上良二

    井上(良)委員 そうすると、別に政府自身として答申案に対する協議をされたということでなしに、あなたが單に事務的に、答申がこういうことであつたということを報告したにすぎないのでございますか。これは非常に今後米価審議会運営の上にも重大な関係を持つて来ますので、一応その点を明らかにされておきたいと思う。政府としては、答申案というものについて、別に三相会議なりあるいは閣議なりを開いて、一応その妥当でないかという相談をさるべきであろうと思いますが、そういうことは全然せずに、單に事務的な報告にとどめて、それを葬り去つた、こういうことになりますか。
  8. 永野正二

    永野説明員 私が事務的にと申し上げましたのは、その方面事務当局責任を持つております私といたしまして、もちろん政府の上の方の御命令によりまして私が申し込んだ、こういうことでございましてそういうふうにお聞取りを願いたいと思います。
  9. 井上良二

    井上(良)委員 この政府原案がきまりますまでは、御存じ通り政府として三相会議をたびたび開かれ、かつ閣議にこれがかけられ、あるいは総理の書簡といいますか、それまでが出されるほど政府はこの決定原案をきめますのに非常な努力をされておる。その結果その原案米価審議会に上程された。米価審議会は二日にわたつて論議をした結果、満場一致の答申をしておる。その答申に対して何ら政府考慮を拂わない。あなたは当面の責任者ですから、当然その答申案に基いて、政府としては一応関係大臣協議をされ、苦情がありますれば司令部との折衝もしなければなりませんが、政府としては何ら考慮拂つてないということになりますが、さよう考えてさしつかえありませんか。
  10. 永野正二

    永野説明員 政府としては、米価審議会答申をもとといたしまして、こういう答申があつたから、こういう問題について司令部としてどう考えるかということを折衝いたしておるわけであります。     〔野原委員長代理退席河野委員長代理着席
  11. 井上良二

    井上(良)委員 それ以上追究はいたしませんが、私ども考えるのには、どうも政府米価審議会答申案というものは形式的に取扱われた結果に終つておる。そういうものなら、米価審議会なんというものを開く必要はない。政府だけでおやりになつたらよい。ところが米価審議会を開いて、生産者なり、消費者なり、また学識経験者なりを集めて、最も公正妥当な米価決定しようというのでやつておる。各方面意見が満場一致できまつておるものを、積極的に何ら政府がそれに対する具体化努力をせずに、まつたく形式的に扱われているという印象をわれわれは受けておるわけです。これはひとつ今後とも十分政府は注意を願いたいと思いますとともに、なお米価審議会運営の問題でございますが、特にあなた自身がこの運営の一方的責任者でありますが、瀞年開きましたようなあの麦価及び消費者価格改訂に関連する委員会の開催のやり方というものはなつていない。八月一日に改訂をするということを前提にして三十日に招集し、審議に何ら時間的余裕を與えず、しかもその答申後において政府として十分それに対する協議方針をきめる時間的余裕を與えずに開くということは、まつた審議会無視の態度です。この九月末から十月にかけて再び二十六年度産米価格決定を正式にやらなければなりませんが、政府としてはかくのごとき運営やり方を依然として繰返す方針ですか。事前に十分国民の声を聞き、十分関係方面意見を尊重して、その上で政府の案を一応きめて、司令部折衝して最後案をきめて行くというやり方が私は正しいのじやないかと思う。そういうやり方を全然無視して、いきなり政府原案をこれは最後のものだ、こういうやり方で押しつけて来るという行き方は、民主的な運営方法じやないのです。あなたは本年の産米価格決定するにあたつて、いま少し時間的余裕を置いて、委員会としても十分審議をされ、かつ政府なりまた関係方面と十分折衝する余地を残して、それで国民が納得する妥当な価格をきめるという運営方法が、最も私は当然ではないかと考えるが、それについて一体どう考えますか。
  12. 河野謙三

    河野委員長代理 井上さんに申し上げます。米価審議会運営の問題について事務当局に御答弁を迫られるのは、事務当局もちよつと困るだろうと思う。いずれ明日安本の長官なり大臣なりを呼んだ上で、その御質問を願うことにして、いかがでしよう。
  13. 井上良二

    井上(良)委員 それではそういうことにいたしますが、これは事務当局自身でもお考えを願いたいと思います。  なおこの際伺つておきたい点が二、三あります。一つ消費者価格改訂を強行されたんですが、この消費者価格というのは、御存じ通り九月末のパリテイが二五〇になるという一つ予想のもとに、一切のことがはじき出されておるわけです。これは米価審議会でも一応問題になつたのですが、もし二五〇というパリテイ指数が下りました場合には、消費者価格を引下げる準備がありますか。これをまず明確にしてもらいたいと思います。
  14. 永野正二

    永野説明員 ただいまの消費者価格決定基礎なつておりますパリテイ指数が下つた場合はどうするかという問題でございますが、これは原則的に申しますと、食管会計に特に收益が残るようなことは私ども考えておりません。それだけの余裕が生ずれば、当然それは消費者価格の引下げということでもつて、今後の食管会計収支どんそんに行くようにすべきだと思います。ただ具体的にこの九月末の米の生産者価格決定するときには、いろんな問題がからんで参るかと思います。たとえばそのときの経済事情その他また本年産米の收穫の問題もあるかと思います。そういういろいろな問題もあわせて考えますることは当然であろうと思います。
  15. 井上良二

    井上(良)委員 この十キロ六百二十円という内地精米価格をきめましたうちの中間マージンの中にあります小売マージンをはじき出します場合に、政府米価審議会で大体この価格引上げ伴つて、また諸情勢を考慮した上で、公務員給與ぺースを千五百円程度上げたい、上げたいというよりか、上るという一つ見通しでこのマージンがはじき出されておる、こういう説明であつたのです。そうしますと、そこに政務次官がおいでになりますが、政府は大体この六百二十円に上げましたのには、これのはね返りその他を考慮して、政府声明にございますが、主食の消費者価格の軒上げその他の事情にかんがみ、公務員給與引上げ、それと減税措置を講ずるという二通り声明を、これに関連して出しておるのでありますが、この公務員給與引上げるという内容は、今私が申しました通り、すでに小売マージン改訂の裏づけになつております一つとして、給與が大体千五百円程度上がるという見通しに立たれておるそうですが、それに間違いはありませんか。この点を明確に、ひとつお答えを願いたいと思う。
  16. 永野正二

    永野説明員 お話通り、この消費者価格計算いたします基礎として食管会計の必要な経費を算定いたしました際に、食管会計でかかつておる人件費基礎につきまして、千五百円程度ベース・アツプがあるという予想計算をいたしております。
  17. 井上良二

    井上(良)委員 そこでもし千五百円に政府給與ベース予算その他の関係実施できない場合は一体どうなりますか。
  18. 永野正二

    永野説明員 この案で参りましても、本年の三月末には相当な欠損が食管会計自身としてはあるわけでございまして、その分は一般会計から繰入れをしなければならない、こういう帳じりになつておるのでございますが、ただいまお話のような問題その他いろいろございまして、この食管会計收支につきまして計算をいたしました結果が狂つて参ります。その狂つて参ります問題は、なお今後消費者価格決定の際に、これを基礎として新しく消費者価格をはじき直すということに相なろうかと思います。
  19. 井上良二

    井上(良)委員 もう一点最後に確かめておきたいと思いますが、政府は大体生産者価格改訂に伴う食管特別会計赤字を、消費者米価引上げ伴つて、一箇年の間にこれを埋め合せて行きたいという説明です。そうしますと、一箇年間消費者価格改訂せぬつもりですか、それとも今のようないろいろな事情が新しく発生をしました場合は、たとえば十月であろうと十二月であろうと改訂をする、こういうことで行きますか、それともこの二十六年度産米生産者価格を九月なり十月に決定をいたしまして、毎年一月に消費者価格改訂するのでありますが、本年はもう一月も改訂はしない、このままでずつと行くつもわか、それともパリティ指数の動きや給與ベース改訂あるいは運賃その他の変動に基いて相当食管特別会計内容がかわつて来たということになりました場合、消費者価格を再び改訂するつもりですか、その見通しを明確にしてもらいたい。
  20. 永野正二

    永野説明員 十二箇月にわたつて消費者から回収できるように消費者価格を算定をしたという意味でございまして、この消費者価格を今後十二箇月必ずかえないという意味ではございません。
  21. 井上良二

    井上(良)委員 わかりました。
  22. 河野謙三

    河野委員長代理 ほかに米価について御質問がございませんか。米価について他に御質問がないようですがただいま島村政務次官がお見えになりましたから、一般農村問題について御質問がありましたら、この際お願いいたします。——ございませんげれば、本日は政府委員がいろいろな都合でそろいませんので、この程度といたしまして、明日は災害問題、肥料問題、林業問題、次に干拓の不正事件の問題、これらを俎上に載せまして、午前十時かう開会いたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後二時三十一分散会