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1951-08-09 第10回国会 衆議院 農林委員会 第50号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十六年八月九日(木曜日) 午後一時四十五分
開議
出席委員
委員長代理理事
野原
正勝君
理事
河野
謙三君
理事
松浦
東介
君
理事
小林
運美
君
理事
井上
良二君
宇野秀次郎
君 遠藤
三郎
君
小笠原八十美
君 小淵
光平
君 越智 茂君 原田
雪松
君 平野
三郎
君 八木 一郎君 木村 榮君
横田甚太郎
君
中村
寅太
君
委員外
の
出席者
農林政務次官
島村 軍次君
経済安定事務官
(
物価庁
第二部 長)
永野
正二
君 專 門 員 難波 理平君 專 門 員 岩隈 博君 專 門 員 藤井 信君
—————————————
七月十六日
委員金子與重郎
君
辞任
につき、その
補欠
として
吉川久衛
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 八月九日
委員高倉定助
君
辞任
につき、その
補欠
として
中村寅太
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任さ れた。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
米価
に関する件
—————————————
野原正勝
1
○
野原委員長代理
これより
農林委員会
を開会いたします。
委員長
がまだ来られませんので、私がかわ
つて
代理
をいたします。 まず
米価
に関する件について調査を進めます。前回の
委員会
におきまして
米価
問題について
種々論議
をいたしましたが、その後
政府
におきましては本問題について
方針
を
決定
し、すでに一部
実施
されておるのでありますが、この際順序といたしまして、
政府
の
措置
について簡單に
説明
を求めたいと思うのであります。
物価庁
第二
部長永野正二
君。
永野正二
2
○
永野説明員
本
年産
の
米麦
の
価格
の問題でございますが、前々からお聞き取り願
つて
おりますように、本年の四月ごろから例の
農業パリテイ指数
がどんどん上
つて参
りまして、問題がはつきりいたしましたので、本
年産
の麦及び米の
生産者価格
が
相当
上
つて参
り、またそれに応じて
消費者価格
をどうするかという問題が大きな問題とな
つて参
つた
わけであります。これにつきまして六月の初めに
政府
は、
日本政府
としての
一つ
の案をつく
つたの
でございます。これにつきましては御承知かと思いますが、大体
生産者価格
につきましては、麦につきまして五月末の
パリテイ指数
、それから米につきましては四月末の
パリテイ指数
を
基礎
として
計算
をされるのが従来の例に
なつ
ております。この
パリテイ指数
を
基礎
にいたしまして、昨
年度
から
実施
いたしました
特別加算
の
金額
、その
特別加算
についてどうするかということが終始非常に大きな問題であ
つたの
でありますが、その
政府案
におきまして一応本
年度
の
予算
に組み込んでおりまする
特別加算
の
金額
、米について申しますと、
石当り
六百九十四円という
金額
で
予算
を組んでいるわけでございますが、その
金額
を
特別加算
の
金額
とする、こういう
建前
で
生産者価格
をきめました。 それからもう
一つ麦
の
値段
につきましては、麦と米の
値段
の
比率
の問題が大きな問題に
なつ
ているのでありますが、これは本
年度
の
予算
をきめます際に、
麦類
は米に対して
小麦
と
裸麦
が六四%、それから
大麦
が五四%という対
米価比率
で本
年度
の
予算
を御
審議
願います際にきめておりましたのでありますが、その後の
消費者
の方の
小麦
粉と
精麦
に対しまする需要の
模様等
から
考え
まして、この対
米価比率
を若干
精麦
の原料になる麦について
引上げ
ることといたしまして、
裸麦
を六九、
大麦
を五七というふうに対
米価比率
を
引上げ
るということにいたしました。こういう
計算
で大体
生産者価格
をきめまして、それに基いて
消費者価格
の方は、その
生産者価格
に
中間経費
を加えた、われわれの方ではリプレースト・コストと申しておりますが、
生産者価格
に
中間経費
を積み上げた
値段
まで
消費者価格
を上げて行く。そういたしますと、
消費者価格
が一九・四%の
値上り
になるのでございます。この
消費者価格引上げ
の時期は、これが家計に及ぼす
影響
をなるべく軽減するように、
減税
あるいは
給與
の
ベース
・アツプというような
措置
をあわせて講ずる必要がございますので、それらの
実施
の時期と見合せまして、十月から
値上げ
をするという
考え方
、従いましてその
値上げ
が遅れます
関係
で本年の三月末には
食管会計
といたしましては、
現金牧麦
の上で
相当赤字
が出て参ります。この
赤字
はあとう限り
食管
の
仕事
の
やり方
の
合理化
によりまして少くはなりますけれ
ども
、なお三百三十五億
程度
の
赤字
が残りますので、この
赤字
は
一般会計
からインジエソトリー・フアイナンスの
意味
におきまして繰入れをする、以上のような
考え方
で一応本年の
米麦
の
生産者価格
及び
消費者価格
についての
方針
をつくりまして、
関係方面
と御
相談
を始めたわけであります。これに対しまして
関係方面
からなかなかこれの
承認
が得られなか
つた
わけであります。その後約二月近く、七月中旬まで
折衝
を続けたのでございます。
司令部方面
で指摘されました点は、最初の
政府原案
においては、農民の
利益
は
相当
よく保護されているけれ
ども
、それ以外の
一般消費者
及び
納税者
の
利益
をあまりに軽視しており。
相当
インフレ的な傾向を持
つて
おる。また
一般会計
から
食管会計
に繰入れるということにつきましても、そういう
財源
は現在確実でない、非常に不確実な
財源
をあてにする案であ
つて
承認
しがたい、こういうような
お話
であ
つたの
であります。これを突き詰めて申しますと、結局
生産者
に対する
パリテイ
で
生産者価格
をきめるということについては異議はなか
つたの
でございますが、
パリテイ
にプラスして
特別加算
をするという
特別加算
の制度及び昨
年産
の
米麦
の
価格
について、その後
パリテイ指数
の上りました分を
追加拂い
をする。この
追加拂い
について現在の
予算
より以上に
支拂
わなければならぬという点で難色があ
つたの
でございます。
政府
といたしましては、これらの点につきまして特に力を入れて、いろいろな実情なり、数字的な資料なりを提出いたしまして、
説明
に努めたのでありますけれ
ども
、この
交渉
は非常に難航をいたしまして、結局
司令部
からは、
日本政府
の案に対しまして、
財源
の不確実なこと、それから
生産者価格
に対する
考え方
が非常にインフレ的である、
パリテイ
の
値上り分
を
農家
に
支拂
うので十分ではないかという
意味
を中に含めた
書簡
が二回にわた
つて参
りました。これに対して
日本政府
といたしましても、特に現在
政府
が
考え
ております
生産者価格
の
考え方
、バツク・ペイの必要な
理由
及び
特別加算
が必要な
理由等
を詳細
説明
いたしまして、これもまた二回にわたりまして
政府
の
原案
で
承認
してもらいたいということを要請いたしたのであります。非常に
交渉
が長引いたのでありますが、
司令部
の方でもだんだんと
日本政府
の案との歩み寄りがなされたのであります。たとえば
消費者価格
の
考え方
につきましては、従前の
やり方
でございますと、
食管会計
の
年度内
に
支拂
いました
現金
の支出と、
年度内
に
消費者
から受取りまする
現金
の収入とがバランスをしなければならぬという
原則
がド
ツジ予算
以降打立てられているのでありますが、その
原則
で参りますと、本年のように
年度
の半ばにして
生産者価格
が上り、
消費者価格
が上るという場合には、特に
消費者価格
の
値上り
が非常に大幅になるわけでございます。それでそういう
事情
も
考え
られたのだと思いますが、今回の
消費者価格改訂
に当
つて
は、
生産者
に
支拂つた金額
を
消費者価格
によ
つて
取返すという
原則
が依然として貫かれたのでありますけれ
ども
、その取返す期間につきましては、従来の
考え方
よりも緩和されまして、
消費者価格値上げ
の日から十二箇月にわた
つて消費者
からそれだけのものが取返せるように、その
程度
に
消費者価格
を
値上げ
すればよろしいというようなことに相な
つて参つたの
であります。それからまた
特別加算
の問題につきましても、終始その
削減
について
意向
が示されてお
つたの
でありますけれ
ども
、最終的には五%の
特別加算
をするということについてはやむを得ないかもしれぬというような
お話
にな
つて参つたの
であります。そういたしまして、結局
最後
に残りました問題が、
消費者価格
をいつ上げるかという問題と、
消費者価格
の
値上げ
を何パーセントにするかという問題とが
残つたの
であります。
値上げ
の時期につきましては、先ほど申し上げましたように、
政府
といたしましては、これが
消費者
に及ぼす
影響
をできるだけ軽減するように
減税
及びべース・アツプの
措置
と同時にや
つて
もらいたいということであ
つたの
であります。これにつきましては、
生産者
に対する
予算
以上の
支拂
は、必ずその新しい
支拂
に対する
財源
と申しますか、新しい
支拂
ができますだけの
予算
上の
措置
なり、あるいは
消費者
からそれだけのものがとれるという
措置
、つまり
消費者価格
の
値上げ
でありますが、そうしたはつきりした
措置
がなければ
行つて
はならないという、強い財政的な要請がございました。一方
農家
に対する昨
年産
麦の
追加拂い
は、すでに本年の四月ごろ
追加拂い
をすべき
金額
が確定をいたしておるのであります。これを
支拂
いますことは、
米麦
の
値段
について
パリテイ方式
をと
つて
おりまする以上当然のこととわれわれは
考え
るのでありまするが、それがすでに五、六、七と三箇月も遅れておるわけでございます。これ以上
消費者価格
の問題につきまして
折衝
いたしましても、なかなか解決の
見通し
もございませんので、
政府
といたしましては、遂に八月の一日から
消費者価格
を上げる、そういたしまして、それに見合う
措置
の方は
補正予算
の際
財源
について優先的に
考え
るということをきめまして、八月一日からの
消費者価格
の
値上げ
という
方針
をきめたわけでございます。 第二に
消費者価格
の
値上げ
の
割合
につきましても、当初
政府
が
最後
に
決定
いたしました
生産者価格
から申し上げますと、約二〇%から二五%の
値上げ
をしなければならないのじやないかというような
政府
の方の
計算
であ
つたの
でありまするが、これを極力軽減いたしまするために、たとえば昨
年産
の
米麦
に対する
追加拂い
の不足の分は、これを
輸入食糧
その他全体の
米麦
の
売却数量
に按分するというような
方法
をとりました。また一方
食管会計
の
仕事
の
やり方
といたしましては、たとえば
原材料用
に売却いたしまするものについての
收益
の増加をはかる、あるいはあとう限り
管理費
の
削減
をするというような
方法
によりまして、この
値上り
の
金額
を一八・四六%にとどめるということに
計算
をいたしまして
承認
を得たわけであります。そうして
最後
に
関係方面
と
折衝
いたしまして一応内定いたしました案が、今お手元にプリントでお配りいたしたものでございますが、これに基きまして先ほど
米価審議会
の御
答申
をいただきました。
米価審議会
といたしましては、
政府案
は一応
承認
できない、
生産者価格
についての
特別加算額
及び対
米価比率
の問題、それから
消費者価格
の
引上げ
の
割台
の問題、こういう点についてどうも必ずしも
政府案
は
承認
できないという御
答申
でございました。しかし今までの
交渉
の結果その他から申し上げまして、八月の一日からこの案を
実施
しなければいろいろな困難が起るということを御容認願いまして、一応この案で八月一日から
実施
するということをお認め願
つた
わけであります。この案が
決定
するまでの
経過
は以上のようなことに
なつ
ておるのでございます。 案の
内容
といたしましては、ただいま
経過
の御
説明
で触れました
通り
、大体一応触れておるのでございますが、念のためもう一ぺん申し上げますると、
生産者価格
についての
考え方
が一、二書いてございます。第一の(一)が麦の
価格
の
考え方
でございます。麦については五月末の
パリテイ指数
が二三八・三四でございますが、それに五%の
特別加算額
を加えて
想定米価
を
計算
いたしました。その
想定米価
に対して
小麦
が六四、
裸麦
が六九、
大麦
が五七という対
米価比率
をかけて
決定
いたしたということでございます。それから(二)は本
年産
の米の
価格
であ力ますが、米の
生産者価格
はこれで
正式決定
になるわけではないのであります。これはただ
消費者価格
を
決定
いたしまする
前提
としての
想定
の
米価
であるわけでございますが、一応九月末
パリテイ
を二五〇と
想定
いたしまして、その
想定
に五彩の
特別加算
を加えたものが二十六
年産米
の
生産者価格
になるという
想定
で全部の
計算
をいたしたということになるわけでございます。これの
決定
はなおこの出来秋の問題として残
つて
おるわけでございます。それから(三)は
追加拂い
の問題でありますが、これは
既定方針通り実施
をするということに相
なつ
ております。 第二に
消費者価格
の方の問題でありますが、この一、二、三の結果、
生産者
に
支拂
います
金額
と本
年度
の
予算
に載せております
金額
との差額を、今度の
消費者価格
の
改訂
によ
つて消費者
から回収をするという
考え方
で、
消費者価格
の
値上げ
を行わざるを得なか
つた
わけであります。そして従来のように
食管会計
の
年度
における均衡という
建前
を緩和いたしまして、
消費者価格改訂
の日から十二箇月かか
つて消費者
から回収するという
計算
で今回の一八・四六%の
消費者価格引上げ
の
割合
が出て参
つたの
であります。そしてその
改訂
の時期は八月一日とするわけであります。 それから第三は、その結果
食管会計
の三月末の
現金収支
におきましては、約百七十一億の
赤字
が出るのでございますが、これは
一般会計
から繰入れるということにな
つたの
であります。 第四は、以上の
方針
によりまして数字的に
計算
いたしますると、
生産者価格
が
米麦おのおの
についてどうなるか、
消費者価格
がどうなるか、こういう数字の
計算
をや
つた
わけであります。 大体以上のような経緯で八月一日から行われました
消費者価格
の
改訂
及び本
年産
の
麦類
の
生産者価格
及び昨
年産
の麦と米に対する
追加拂い
の
金額
の
決定
が行われたような次第でございます。
野原正勝
3
○
野原委員長代理
ただいまの第二
部長
の
説明
に対しまして御
質問
がございますれば、これを許します。
井上良二
4
○
井上
(良)
委員
この際特にだめを押しておきたい二、三がございます。これは今
永野部長
から
報告
がございました
通り
、先般
麦価
並びに
消費者価格
の
改訂案
が
米価審議会
にかけられまして、
米価審議会
は
政府原案
に対して
承認
できがたいという
答申
をいたしております。そうしてその付属の要求といたしまして、
特別加算額
は大体一〇%、それから
消費者価格
は
政府
の
値上率
の一八%を一〇%という
意向
を添えて
答申
をしておるように思うのでありますが、当時
米価審議会
では、
米価審議会
の
答申
に対して、
政府
はさらに三
相会議
なりあるいは
閣議
なり、また
関係方面
と
米価審議会
の
答申
に基く
意見
を中心にして新しく
米価
に対する
方針
を
相談
すべきであるし、当然そういう
処置
がとらるべきであるが、どうであるか、それに対しできるだけそういうことに
努力
をして、
審議会
の
意向
を尊重したい、こういうことを
物価庁長官
並びに
政府当局
は
審議会
で
答弁
された。しからば
政府
はこの
答弁
に基いて、
米価審議会
の
答申
をいかなる
方法
によ
つて
処置
されたか、たとえば三
相会議
を開いて
米価審議会
がかくのごとき
答申
をした、この
答申
を是とするか非とするか、また
閣議
を開いてこの
答申
を是とするか非とするか、あるいはまたその
答申
に基いて
司令部
の方と
交渉
されて、
政府
の発表をされることに
なつ
たか、
答申案
に対する
政府
の
処置いかん
ということをまず伺いたいのであります。
永野正二
5
○
永野説明員
米価審議会
の
答申
について、その後どういう
措置
をと
つた
かというお尋ねでございますが、これは
関係
の
事務当局
といたしまして、私から
司令部
の
価格配給課
の方へ
米価審議会
の
答申
はこういう結果である、そしてこの結論を生むについてはどういう議論があ
つた
という
説明
は口頭でいたしまして、それについて
司令部
としてはどういうお
考え
があるかということを、
司令部
の方へ申入れがしてございます。
井上良二
6
○
井上
(良)
委員
そうすると、別に
政府自身
として
答申案
に対する
協議
をされたということでなしに、あなたが單に事務的に、
答申
がこういうことであ
つた
ということを
報告
したにすぎないのでございますか。これは非常に今後
米価審議会
の
運営
の上にも重大な
関係
を持
つて
来ますので、一応その点を明らかにされておきたいと思う。
政府
としては、
答申案
というものについて、別に三
相会議
なりあるいは
閣議
なりを開いて、一応その妥当でないかという
相談
をさるべきであろうと思いますが、そういうことは全然せずに、單に事務的な
報告
にとどめて、それを葬り去
つた
、こういうことになりますか。
永野正二
7
○
永野説明員
私が事務的にと申し上げましたのは、その
方面
の
事務当局
の
責任
を持
つて
おります私といたしまして、もちろん
政府
の上の方の御命令によりまして私が申し込んだ、こういうことでございましてそういうふうにお聞取りを願いたいと思います。
井上良二
8
○
井上
(良)
委員
この
政府原案
がきまりますまでは、
御存じ
の
通り
、
政府
として三
相会議
をたびたび開かれ、かつ
閣議
にこれがかけられ、あるいは総理の
書簡
といいますか、それまでが出されるほど
政府
はこの
決定
の
原案
をきめますのに非常な
努力
をされておる。その結果その
原案米価審議会
に上程された。
米価審議会
は二日にわた
つて
論議
をした結果、満場一致の
答申
をしておる。その
答申
に対して何ら
政府
は
考慮
を拂わない。あなたは当面の
責任者
ですから、当然その
答申案
に基いて、
政府
としては一応
関係
各
大臣
と
協議
をされ、苦情がありますれば
司令部
との
折衝
もしなければなりませんが、
政府
としては何ら
考慮
を
拂つて
ないということになりますが、さよう
考え
てさしつかえありませんか。
永野正二
9
○
永野説明員
政府
としては、
米価審議会
の
答申
をもとといたしまして、こういう
答申
があ
つた
から、こういう問題について
司令部
としてどう
考え
るかということを
折衝
いたしておるわけであります。 〔
野原委員長代理退席
、
河野委員長代理着席
〕
井上良二
10
○
井上
(良)
委員
それ以上追究はいたしませんが、私
ども
の
考え
るのには、どうも
政府
は
米価審議会
の
答申案
というものは形式的に取扱われた結果に終
つて
おる。そういうものなら、
米価審議会
なんというものを開く必要はない。
政府
だけでおやりに
なつ
たらよい。ところが
米価審議会
を開いて、
生産者
なり、
消費者
なり、また
学識経験者
なりを集めて、最も公正妥当な
米価
を
決定
しようというのでや
つて
おる。各
方面
の
意見
が満場一致できま
つて
おるものを、積極的に何ら
政府
がそれに対する
具体化
に
努力
をせずに、ま
つた
く形式的に扱われているという印象をわれわれは受けておるわけです。これはひ
とつ
今後とも
十分政府
は注意を願いたいと思いますとともに、なお
米価審議会
の
運営
の問題でございますが、特にあなた
自身
がこの
運営
の一方
的責任者
でありますが、瀞年開きましたようなあの
麦価
及び
消費者価格
の
改訂
に関連する
委員会
の開催の
やり方
というものは
なつ
ていない。八月一日に
改訂
をするということを
前提
にして三十日に招集し、
審議
に何ら時間
的余裕
を與えず、しかもその
答申
後において
政府
として十分それに対する
協議
、
方針
をきめる時間
的余裕
を與えずに開くということは、ま
つた
く
審議会無視
の態度です。この九月末から十月にかけて再び二十六
年度
産米
の
価格
の
決定
を正式にやらなければなりませんが、
政府
としてはかくのごとき
運営
の
やり方
を依然として繰返す
方針
ですか。事前に
十分国民
の声を聞き、
十分関係方面
の
意見
を尊重して、その上で
政府
の案を一応きめて、
司令部
と
折衝
して
最後案
をきめて行くという
やり方
が私は正しいのじやないかと思う。そういう
やり方
を全然無視して、いきなり
政府原案
をこれは
最後
のものだ、こういう
やり方
で押しつけて来るという行き方は、民主的な
運営
の
方法
じやないのです。あなたは本年の
産米
の
価格
と
決定
するにあた
つて
、いま少し時間
的余裕
を置いて、
委員会
としても
十分審議
をされ、かつ
政府
なりまた
関係方面
と十分
折衝
する余地を残して、それで
国民
が納得する妥当な
価格
をきめるという
運営
の
方法
が、最も私は当然ではないかと
考え
るが、それについて一体どう
考え
ますか。
河野謙三
11
○
河野委員長代理
井上
さんに申し上げます。
米価審議会
の
運営
の問題について
事務当局
に御
答弁
を迫られるのは、
事務当局もち
よつと困るだろうと思う。いずれ明日安本の
長官
なり
大臣
なりを呼んだ上で、その御
質問
を願うことにして、いかがでしよう。
井上良二
12
○
井上
(良)
委員
それではそういうことにいたしますが、これは
事務当局自身
でもお
考え
を願いたいと思います。 なおこの際伺
つて
おきたい点が二、三あります。
一つ
は
消費者価格
の
改訂
を強行されたんですが、この
消費者価格
というのは、
御存じ
の
通り
九月末の
パリテイ
が二五〇になるという
一つ
の
予想
のもとに、一切のことがはじき出されておるわけです。これは
米価審議会
でも一応問題にな
つたの
ですが、もし二五〇という
パリテイ指数
が下りました場合には、
消費者価格
を引下げる準備がありますか。これをまず明確にしてもらいたいと思います。
永野正二
13
○
永野説明員
ただいまの
消費者価格
の
決定
の
基礎
に
なつ
ております
パリテイ指数
が下
つた
場合はどうするかという問題でございますが、これは
原則
的に申しますと、
食管会計
に特に
收益
が残るようなことは私
ども
は
考え
ておりません。それだけの余裕が生ずれば、当然それは
消費者価格
の引下げということでも
つて
、今後の
食管会計
の
収支
が
どんそん
に行くようにすべきだと思います。ただ具体的にこの九月末の米の
生産者価格
を
決定
するときには、いろんな問題がからんで参るかと思います。たとえばそのときの
経済事情
その他また本
年産米
の收穫の問題もあるかと思います。そういういろいろな問題もあわせて
考え
ますることは当然であろうと思います。
井上良二
14
○
井上
(良)
委員
この十キロ六百二十円という
内地精米
の
価格
をきめましたうちの
中間マージン
の中にあります
小売マージン
をはじき出します場合に、
政府
は
米価審議会
で大体この
価格
の
引上げ
に
伴つて
、また諸情勢を
考慮
した上で、
公務員
の
給與ぺース
を千五百円
程度
上げたい、上げたいというよりか、上るという
一つ
の
見通し
でこの
マージン
がはじき出されておる、こういう
説明
であ
つたの
です。そうしますと、そこに
政務次官
がおいでになりますが、
政府
は大体この六百二十円に上げましたのには、これのはね返りその他を
考慮
して、
政府声明
にございますが、主食の
消費者価格
の軒上げその他の
事情
にかんがみ、
公務員
の
給與
を
引上げ
、それと
減税
の
措置
を講ずるという二
通り
の
声明
を、これに関連して出しておるのでありますが、この
公務員
の
給與
を
引上げ
るという
内容
は、今私が申しました
通り
、すでに
小売マージン
の
改訂
の裏づけに
なつ
ております
一つ
として、
給與
が大体千五百円
程度
上がるという
見通し
に立たれておるそうですが、それに間違いはありませんか。この点を明確に、ひ
とつ
お答えを願いたいと思う。
永野正二
15
○
永野説明員
お話
の
通り
、この
消費者価格
を
計算
いたします
基礎
として
食管会計
の必要な
経費
を算定いたしました際に、
食管会計
でかか
つて
おる
人件費
の
基礎
につきまして、千五百円
程度
の
ベース
・アツプがあるという
予想
で
計算
をいたしております。
井上良二
16
○
井上
(良)
委員
そこでもし千五百円に
政府
が
給與ベース
を
予算
その他の
関係
で
実施
できない場合は一体どうなりますか。
永野正二
17
○
永野説明員
この案で参りましても、本年の三月末には
相当
な欠損が
食管会計自身
としてはあるわけでございまして、その分は
一般会計
から繰入れをしなければならない、こういう帳じりに
なつ
ておるのでございますが、ただいま
お話
のような問題その他いろいろございまして、この
食管会計
の
收支
につきまして
計算
をいたしました結果が狂
つて参
ります。その狂
つて参
ります問題は、なお今後
消費者価格決定
の際に、これを
基礎
として新しく
消費者価格
をはじき直すということに相なろうかと思います。
井上良二
18
○
井上
(良)
委員
もう一点
最後
に確かめておきたいと思いますが、
政府
は大体
生産者価格
の
改訂
に伴う
食管特別会計
の
赤字
を、
消費者米価
の
引上げ
に
伴つて
、一箇年の間にこれを埋め合せて行きたいという
説明
です。そうしますと、一箇年
間消費者価格
は
改訂
せぬつもりですか、それとも今のようないろいろな
事情
が新しく発生をしました場合は、たとえば十月であろうと十二月であろうと
改訂
をする、こういうことで行きますか、それともこの二十六
年度
産米
の
生産者価格
を九月なり十月に
決定
をいたしまして、毎年一月に
消費者価格
を
改訂
するのでありますが、本年はもう一月も
改訂
はしない、このままでずつと行くつもわか、それともパリティ指数の動きや
給與ベース
の
改訂
あるいは運賃その他の変動に基いて
相当
食管特別会計
の
内容
がかわ
つて
来たということになりました場合、
消費者価格
を再び
改訂
するつもりですか、その
見通し
を明確にしてもらいたい。
永野正二
19
○
永野説明員
十二箇月にわた
つて消費者
から回収できるように
消費者価格
を算定をしたという
意味
でございまして、この
消費者価格
を今後十二箇月必ずかえないという
意味
ではございません。
井上良二
20
○
井上
(良)
委員
わかりました。
河野謙三
21
○
河野委員長代理
ほかに
米価
について御
質問
がございませんか。
米価
について他に御
質問
がないようですがただいま島村
政務次官
がお見えになりましたから、一般農村問題について御
質問
がありましたら、この際お願いいたします。——ございませんげれば、本日は
政府
委員
がいろいろな都合でそろいませんので、この
程度
といたしまして、明日は災害問題、肥料問題、林業問題、次に干拓の不正事件の問題、これらを俎上に載せまして、午前十時かう開会いたします。 本日はこれをも
つて
散会いたします。 午後二時三十一分散会