○
原田委員 御
説明はまことにけつこうな御
説明でありますが、事実は非常に相反しておる。しかも昨年は
開業獣医師の協力がなければ、全
頭加入の治療というものが完全でないという
意味から、
全国でほとんど四千名が嘱託として、この
診療獣医師さんに協力いたしております。ところがだんだんこれがばけの皮がはがれて、そうして相剋摩擦をふやしておる。特にひどいのは、ここに書いてありますが佐賀県、新潟県、愛知県のごときは最もひどい、か
つてない状態です。あなた方から来る報告はうそである。事実はまつたく異な
つておる。しかも
診療所をこしらえる場合は、なるべく農村の喜ぶ無医村に持
つて行
つてこしらえようというのが一昨年来の
当局の
説明であつた。事実はそうではない。最も
開業獣医師の繁昌するところへ、最も
対象としての
家畜の優秀な部落に持
つて行
つてこれをこしらえる。しかもその任命も、付近の者を持
つて来れば事足りるのを、わざわざ若い者をよそから持
つて来てそこにすえる。それでどうしてその間の相剋摩擦が起らないということが言えますか。むしろそこにおる
開業獣医師が嘱託として協力するならば、そういう者に交代でそこの出張所でも何でも担当させて、なごやかな気分で地方の開発に従事するというならば
納得ができるが、そうでなく、ただ学校を出たばかりの口ぱしの青い者を連れて来て、そこの所長などにすえつけるから、相剋摩擦が起ることは当然である。しかも死亡
廃用においては最もそれが顕著に現われておる。
保険の
赤字というのは、死亡
廃用が多過ぎるから、そういうことになる。それを技術か未熟で経験がない者を雇
つている、そこに隘路の大きなものがある。私は事実を知
つておる。しかも役人根性を出して、ちようど何か役人のような気持ちにな
つて、人を見下げて、開業獣医を卑下するような、いかにも素養の足りない者を採用しておる。そういうことが摩擦の原因にな
つておる。しかも技術がまずいためだけでなくてこれは死亡させなくてもいいものを死亡させている。しかも
廃用というようなことは、もう少し治療に経験があ
つて、もう少しその経験を注ぎ込んでやれば、場合によ
つては直るものを、もううるさいからこれは屠場はまわそうじやないかということでや
つている実例が幾らもある。ひどいものになると、屠場に渡すものをその間にへんな契約をして、幾らか手数料をと
つている者がたくさんある。そういうことで正しい行政と言えるかどうか。これは課長なり
局長は御存じありません。しかし課長は熊本におられたから、多少知
つておられると思うが、そういうことをしいて平気で言われるところに、あなたの認識不足がある。その点についてどうお
考えになるか、もう一度承りたい。