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山口(武)
委員 今野原君からの
意見があつたようでありますが、決して字句の問題を聞いているのではない。
農民の大多数はこの
法案を実施されることによ
つて困ることが起るのです。それで現にこれに
反対をしているのです。それにもかかわらず、
法案の一番中心をなしている第一條を見ますと、
けつこうなことが盛られている。実際には困るのに、第一條の
目的だけはよくな
つている。しかしわれわれと
政府の間にはこの
言葉の
内容——
言葉の
内容というのは、
法案全般の
内容の問題なのですが、この点についてかなり食い違つた点がある。もしも
農業生産力の問題につきまして、
政府の
見解とわれわれの
見解というものが食い違
つているとするならば、この点を明らかにすることは、單にこの
法案のみならず、日本の農政全般に通ずる根本問題である。かように
考えたから聞いているわけで、決して字句の問題を聞いているのではないのです。ところが先ほど来の
政務次官の
説明を聞いておりますと、
農業生産力の
言葉について
簡單に答えれば一言で済むのです。ところがああでもない、こうでもないと、わけのわからない横町の回答ばかりするから、いつまで経
つてもきまりがつかない。少くとも私は、
農林次官の
説明としてはあまりに情ない
答弁だと思う。
農業生産力の
説明につきましても、それは爐端でおじいさん
たちの言う
言葉です。
農民の
地位ということを聞いておりますのは、
農民の
地位ということを決して
簡單に聞いているのではないのだ。これは今後の
農民の生活を
向上する場合にどこに目安を置いているのか、現状に対してどのような
認識を持
つているのか。これはやはり
法案を
審議するのに基本問題になるのだ。この点から聞いているのです。
農民の
地位をここで
向上しなければならないということになりますと、一体
農民の
地位というきのを何に比べているのか。日本の財閥に比べているのか、あるいは
アメリカの財閥に比べて
考えているのか、それとも現在の日本の
農民の
地位というものをそのまま見て、これはやはり人間的な生活ではないという
認識の上に立
つておられるのか。それによ
つてこの
言葉のもたらす
意味というもの、
従つてこの
法案の
目的というものについて明確な
認識を持たせるし、もしこれに対して御
意見があるならば、第一條について議論しなければならないと
考えているのです。だから
農民の
地位というものを何と比較し、具体的にどのような
認識に基いて
言つているのか、この点を
説明願いたい。