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1951-02-28 第10回国会 衆議院 農林委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二十八日(水曜日)     午前十一時十一分開議  出席委員    委員長 千賀 康治君    理事 中垣 國男君 理事 野原 正勝君    理事 松浦 東介君 理事 足鹿  覺君       遠藤 三郎君   小笠原八十美君       小淵 光平君    川西  清君       原田 雪松君    金子與重郎君       坂口 主税君    八百板 正君       山口 武秀君    横田甚太郎君       中村 寅太君  出席政府委員         農林政務次官  島村 軍次君         農林事務官         (農政局長)  藤田  巖君  委員外出席者         專  門  員 難波 理平君         專  門  員 岩隈  博君         專  門  員 藤井  信君     ————————————— 本日の会議に付した事件  農業委員会法案内閣提出第四三号)     —————————————
  2. 千賀康治

    ○千賀委員長 これより農林委員会を開会いたします。  農業委員会法案を議題といたし、昨日に引続き質疑を行います。川西委員
  3. 川西清

    川西委員 昨日の委員会におきまして、この農業委員会県段階委員会及び市町村段階委員会におきまして、階層別選挙を現在の時期に行いますことは、いたずらに農村の摩擦を激化し、無用の対立を惹起するものと考えて、再考慮を促した次第でありますが、問い残したことがございますので、一、二こまかい点お尋ねしたいと思います。  この農業委員会は、提案理由説明にもあります通り、従来の農業調整参員会供出関係事務を分担し、農地委員会農地改革農業改良委員会農業技術面指導という、それぞれの分野を担当しておつたのでありますが、この農業委員会農政一般農業全般のことについて、これを反映して行くという農民代表機関であります。そういたしますと、農村における町村会と非常に近似して来るのであります。これにつきまして、市長村長委員長にいたすというような希望もあるようでありますが、私個人の意見といたしましては、市町村長委員長にいたしますことは、従来の翼賛態勢というような感じがいたしますし、また町村町村長は、必ずしも農業に携つておる者とは限らないのでありまして、市町村長にきめてしまうことには同意いたしかねるのでありますが、市町村行政及び市町村会との調節と申しますか、地方行政との関係を円滑に調節するという意味におきまして、市町村長並びに市町村会の議長をこの選任委員の中に入れるように御規定になる考えはありませんか。それをお尋ねいたします。
  4. 藤田巖

    藤田政府委員 お話のように市町村長及び市町村会との関係、これはもちろん権限においては決してお互いに衝突することはない。大いに協力をするような態勢をとるべきであります。実際問題としてよく連絡をしなければならぬ事項が多いわけです。従つてわれわれといたしましては、当然現在におきましても市町村農業会委員にいては兼職禁止規定を入れておりません。従いまして、事実問題として、御指摘のような方はそれぞれ委員に出て来られており、今後もさようなことに相なるというふうに考えております。しかしそれがいろいろの事情委員になられません場合でも、選任委員五名を選ぶという規定もあるわけであります。かような運用によつて、当然私どもとしてはさような人たちが出て来ることを期待いたしております。  それから市町村農業会長市町村長にした方がいいじやないかという御意見ちよつと出ました。川西委員は必ずしも御賛成でなかつたのでありますが、原案気持は現在でも農業調整委員会農地委員会いずれも会長互選ということに制度上相なつております。その制度を新しい農業委員会においても踏襲をして、互選ということにきめたわけであります。しかし実際問題といたしましても、これは市町村長会長になつておられる事例も、参考資料を見ていただけば、あるわけであります。さようなことで、その市町村の状況によつて、おのずから一番適当だと思うところへおちついて行くのではないか、かように考えております。
  5. 川西清

    川西委員 私は賛成いたしておらないのでありまするが、市町村長委員長にするというような声もあるから、この際選任委員の中に明文で規定してはどうかという私の意見を申し上げたわけであります。この点は御答弁はいりませんが、一応考慮の中に入れていていただきたいと思います。  次に農業改良の面、農業技術指導という面で、農業協同組合仕事と競合するような場合が生じてくると思うのでありますが、農業協同組合ないし農業協同組合長との関連をどういうふうに考えておられますか。
  6. 藤田巖

    藤田政府委員 これも法制的には、農業協同組合組合長を当然委員にするとか、そういうことは書いてございませんが、参考資料にも載つておりますように、協同組合長は事実問題として委員相当出て来ております。従つてさように相なるであろうと予想せられますし、また選任委員規定もあることでございますから、私どもといたしましては、率直に申せば、さような人が委員加つて仕事関係で円満に行くようになることが望ましいというふうに考えております。
  7. 川西清

    川西委員 農業委員会は、先ほど申しましたように、農民代表機関といたしまして、農業行政全般の上に農民の声を反映して行く機関であるということになつておるのでありますが、その農業という意味はどういう範囲でありますか。漁業とか林業とかは、やはりこの中に含んで考えているのか。畜産説明の中に入つてつたと思いますが……。
  8. 藤田巖

    藤田政府委員 これは漁業及び林業は除きまして、その他のいわゆる普通農事及び養蚕、こういうようなものを対象にいたしております。
  9. 川西清

    川西委員 また話がもどつてはなはだくどいようでありますが、漁業調整委員におきましては階層別とかいうことはないはずであります。それとの均衡上、階層別選挙というのは非常に矛盾しておるのではないか。漁業改革は、農地改革より遅れて始まつたの階層別はやつておらない。それから一七・五%の村が全層選挙を行うというが、一七・五%というのは割合からいえば相当大きい。それが農業委員会一本の名のものに、約二割近くが別な構成であるということも非常に不可思議に考えるのですが、その点どういうふうにお考えですか。その一七・五%につきまして、この委員会におきましては一号層を代表しておる者の方が少いということを過日説明のときに申されておつたのでありますが、何かそういうような根拠はあるのでありますか。その点もあわせてお伺いいたします。
  10. 藤田巖

    藤田政府委員 資料によつて、全層選挙をやり得るような町村が大体一七・五%くらいになるということを申し上げたのでありますが、しかし全層選挙をやるような場所についての小作層割合、こういうようなものが特に一七・五%ぐらいなものについて、はたしてどうなるかという資料は、事実問題としてございませんが、大体において少いところについては小作というようなものも少いのじやないかという想像をいたしております。しかしこれは的確な資料ではございません。ともかく選挙権者委員の数の十五倍以下であるというような小さいところでは、わざわざ階層別選挙をする必要はないじやないかという意見で、全層選挙にした。なお全層選挙にするか、階層別選挙にするかという問題については、いろいろ御意見があることであろうと思います。内部的にも審議をいたしました場合にも両論あつたわけでありますが、ただ従来の農業調整委員会、それから農地委員会改良委員会、それぞれ異なつた立場をとつておる向きもあるわけであります。さようなことからいたしまして、原案といたしましては、やはり階層別選挙をとり、例外として全層選挙を認めるというような原案が、現在の処置としては妥当であろうと考えたのでありますが、その点については、当委員会において十分御審議をいただきたいと考えております。
  11. 川西清

    川西委員 農業委員会費用が、前年度に比しまして、前年度の三十億が約二十二億に減つておる。しかも退職手当とか、委員会選挙補助を引きますと、さらにうんと減ることになるのでありますが、それに伴いまするところの地方負担はどういうふうになつておるか、これをお聞かせ願いたい。
  12. 藤田巖

    藤田政府委員 これも正確な資料ではないのでありますが、大体私どもの見当として、従来農業調整委員会農地委員会関係経費が、昭和二十五年度は約三十億出ております。大体国から出ておると同じ程度のものが地方負担になつておるのではないだろうかと想像しておるわけであります。しかしながら、今度は委員の数も減つて来るわけであります。従来は三つの委員会に重複しておりますのが一本になりますからして、委員の数も減る。その他の経費についても、事業量が縮小しておりますので、節減もできるのではないかと考えております。もちろん二十六年度要求いたしております二十二億ではとうてい足りないと思いますので、やはり市町村事情の許す限り、その方も市町村において持つていただきたいということを、私どもは期待いたしておりますが、総額においては、私はそういうふうに当然の事務費が減少して参りますから、おのずから市町村負担もそう多くならずに、減つて来るのが当然である。またそういうふうにできる限り冗費を節約して、簡素化して、能率的に仕事をやるように行くべきだと考えております。
  13. 川西清

    川西委員 この点につきましては、もう少しこまかい数字がありましたら、さらに資料を出していただきたいと思います。やはり考え方としては、この委員会費用全額負担することを希望するわけであります。これはこの問題に限つたわけではございませんが、地方行政調査勧告におきまして、全額負担であるものは平衡交付金の中へ振り込むというようなことを勧告しておる。こういうことはもうひとつ農業関係予算においては実際に当てはまらない。農林省関係のものでありますれば、全額負担でも、特別にひもつきで出すことが非常に有効適切なる場面が多々あると思います。この地方行政調査会勧告につきまして、農林省ではどういうふうに考えておられますか。
  14. 藤田巖

    藤田政府委員 地方行政調査会勧告といたしましては、私どもとしては、かような国家的事務の性質を多分に持つておるような仕事もやらせるのでありますから、平衡交付金の中に入れずに、別途出すということを主張して参つたのであります。従つて二十六年度の予算におきましても、農業委員会関係経費平衡交付金の中に入つておりません。別わくにいたしております。今後私どもといたしましては、その方針でやつて参りたいと思つております。
  15. 川西清

    川西委員 この点は農政局長の今の御答弁気持においてまつたく同一であります。現在はそういうことで非常にけつこうでありまするか、そういう傾向がだんだん強くなつて来る機運がありまするから、農林省といたしましては、気合いをかけて、自治庁その他とともにその機運を反映さすことが必要である。この点大いにしつかりやつてもらいたいと思います。一応これで質問を終ります。
  16. 小笠原八十美

    小笠原委員 川西君のお尋ねに対して、昨日の農政局長答弁で、重要なことでよくわからなかつた点があるので、伺います。それは小作関係見方です。農林省小作者が弱いんだから、選挙の際にその数を割り当てることは、法律によつて擁護をしようという建前だというような御答弁であつたが、弱いとか、強いとかいうのは、戦争直後ならば小作人擁護という雰囲気があり、また向うの方でもそういう建前で出て来たのでありますが、今日は小作相当法律擁護されているはずです。小作が入つたら、それを追い出すということは、なかなか追い出すわけにも行かぬ、今貸家を持つている者に対して、借りている者が出るときには引越料までとつて出て行くというようなことが、ある程度の慣習にまでなつている。小作者も同様な権利を持つている。それを今日でも農林省の方で、小作者が弱いというような考えを持つているのは、どこから見た見方であるかということに不思議がある。どういうわけで小作者擁護しなければならぬかという見方について、その内容を明らかにしていただきたい。
  17. 藤田巖

    藤田政府委員 それは各地方々々で事情も異なると思います。小作であつても、組織があり、強力な発言権を持つている所もあり、また実際的には従来の関係から弱い所もあるというように、一概に申せないと思います。ですから、法律的な平等公平ということから言えば、お説の通り、きちんと農業者数によつて出すべき委員の数をきめれば、それだけでいいということに理論上なると思いますが、やはり農地改革の問題、ことに小作から自作農たらしめるということが大きな問題でありますので、小作人の地位を尊重いたしまして、委員選挙についても、農家戸数割合よりよく見て出した。これはそういう潔癖な理論から申せば、いろいろ疑問の点があると思いますが、私ども気持といたしましては、やはり小作人立場というものは、全体的に見て弱い立場にあるわけであるから、委員の数においては、それを重んじて出させたいというような気持でやつたのであります。
  18. 小笠原八十美

    小笠原委員 そういう見方一つ見方かもしらぬけれども、とにかく今日小作というものは相当権利を持つて来た。あなたの見るような団体云々ということではなく、小作の個人的な権利相当に拡大されており、またそういうように世間も見ている。従つて重要な選挙のことにまで法律的擁護ということは、相当考えなければならぬ。また農林省は一体小作を奨励するのか、自作を奨励するのか、これは重大問題です。自作を奨励したいという希望ならば、今日の客観情勢はどうか。地方税についてよほど重点を置いて研究しなければならぬ問題がある。なぜならば、元は、町村というものは大地主によつて多くの税金がまかなわれておつた。今度は土地を開放して自作になつた。それはいいけれども税金のとりどころがない、財源がなくなつた従つて土地を分配したが、税金も分配したという事情が今度は出て来た。従つて自作した者には税金負担されるから、自作をやつた者は一ころは地主をいじめたり、文句を言つたけれども税金負担やら、いろいろなことを考えてみると、小作の方がずつとよくなるという雰囲気農村には出て来ている。それが小作擁護して来ると、自作になつた者もだんだんに小作に移動する傾向もある。それを今から小作擁護ということに出たならば、せつかく農林省自作の奨励と逆行して来るおそれもある。そこでここに重点を置き、選挙権を持たせて擁護をして行くということは、農林省で計画を立てた目的と逆行するのではないかというおそれがあるので、この点を非常に重点として、この法案を取扱わなければならぬと私ども考えている。だから農林省の方でも、この点はとくに御研究願わなければならぬように思われるが、なおあなた方のお考えを伺いたい。
  19. 藤田巖

    藤田政府委員 農林省の方は、あくまでも自作を奨励して行く、これがやはり本筋であろうと思います。土地の所有によつて生産意欲を増加して、それによつて増産意欲を高めるというのが理想であろうと思いますが、現実問題といたしましては、貧弱な小作人が出て地主にかわるべき——国家財政的負担、あるいは保護というものが、まだそれに置きかえられていないというところに、現実の問題があるというふうに考えております。ですから、この問題については、先ほども申しましたように、一応各団体その他の対立した立場があるということでありますが、それを調整いたしまして、一応原案としてそのようなことになつた。しかしこの点は、先ほど申しましたように、原案はそうでありますが、私どもとしては、三月中に通らなければ、非常に困るので、そうしていただきたいのですが、内容について御配慮いただくことは、異論がないのであります。三月末までにぜひ通していただくというような御配慮を持ちながら、よく御審議をいただきたいと思います。
  20. 小笠原八十美

    小笠原委員 政務次官ちよつと申したいのでありますが、これは農林省全体として考えなければならぬと思うのだが、今伺うところによれば、小作者擁護とか、何とかいうことに対しては、相当に幅のあられるような農政局長答弁であります。しかもこれは弱い者を助けようということに重点を置いて、いろいろのことを進めることは、従来からの小作擁護という旗を立てて、その背後には思想的ないろいろな問題がこれまで農村に起きたために、一ころは、日本制度というものに危険を生じはせぬかという見方世間がした時代もあつた。今ややこれは緩和されたけれども農林省の方でそういうことにも観点を置いて、どれが弱いとか、どれが強いとか、どれを擁護しよう、ことに選挙関係で立法をする場合には、よほど研究を要する問題だと思いますから、今後農林省全体として、農地問題の改革に対する法律案などに対しては、十分その辺も御研究なされるように、お考え置きを願いたいと思います。
  21. 野原正勝

    野原委員 ただいまの問題に関連いたしまして、農業委員の性格と申しましようか、これをよく考えてみますと、これは一つ農村民主化発展過程において、いよいよ形の上での最終段階に来たものだと私は思う。農地改革というあの大きな困難な仕事を一応まとめ上げて、そうしてそこに農地委員会の大きな使命も、一応の段階になつた。あとは残された農地交換分合とか、その他のいろいろな困難な仕事はありますけれども、この旧地主から自作農を創設するという大きな、日本民主化に対する最も重要な任務というものは、一応果されたわけです。そこで日本土地制度その他から見ましても、いわゆる旧地主を解体させて自作農にするという困難な仕事過程におきまして、農村におきましては、農民組合等の発生もあり、その方たちのいろいろな強い政治的な結集もあつて、そうして中には私どもがあまり好ましくなかつた農村におけるいたずらな対立闘争もあつたのであります。しかしそういつた段階を経て今日に至つたのでありますけれども農村のそうした民主化過程における、いわゆる階級闘争的な姿というものは、今日ではまつた冷静——元の姿に帰つたと申しましようか、一時の熱に浮かされて騒いでみたものの、もう今日の農民は、これからの農村はどうしても健全な姿で農民全体が協力一致して行かなければ、とても農村発展は期し得ないという気持が、もうすでに十二分に私は納得できたと思う。今では、政党的な立場から言いますと、農民組合等をいろいろとまた指導したりなんかしておる者もあるようでありますけれども農民はもうすでに乗つて来ないというのが現状であります。あの農地改革そのものも、別に階級闘争によつてかち得たものではなくて、これは日本民主化過程において、マ司令部から発せられた政令その他によつてつたことなのでありますが、それをあたかも階級闘争に結びつけたというところに非常な矛盾があつたと思う。こういつたものもすでにもう健全な姿になりまして、そうしてわれわれが理想とするところの、農村の健全な発展——そのためには農業技術改良普及といつたような、いろいろな問題が新たに大きな役割を持つて来た。あるいはまた、食糧の供出その他に対する農業調整の問題、これらのものを一丸とした大きな理想を盛り上げて、ここに農業委員会というものができる。私どもは、ここで内容的に見ますと、まだまだ問題はありますけれども、形の上から見れば、農業委員会がここに農業委員会としてまつたく新しい使命を持つて大きくできようとする段階になりましたことは、何と申しましても、日本農村発展の上にこれほど喜びにたえないことはないのであります。従つてこのせつかくできる農業委員会というものは、過去における農村対立闘争というような、そうした考え方はまつた違つた農民があくまでも農民立場において、お互いが理解と協力によつて、今後の農村振興発展を期するというその一点にあらゆる力が集中されなければならぬと私は思う。いやしくもその中において、少しでも対立闘争のような考え方を持つ者があれば、これははなはだ悲しむべき結果になろうと思うのでありまして、そういう観点から見ますと、何かまだ自作とか小作とかというものにこだわつておられる。この法案の中に一八%弱の小作階層があることはわれわれも承知しておる。それは日本民主化過程において、ことごとくを自作化し得ないということは、日本農村の零細な実情、土地の配分その他の現実からいいまして、ある程度の地主は認めなければならなかつたのであります。従いましてその半面における小作立場をとる者も、これまたやむを得ない。そういう点から見ますと、今月何パーセントかの小作農があるということも、これは何も不自然ではないのであります。むしろこの段階においては、小作農を特に保護するとか何とかいうような、そういうこだわつた考え方よりも、全体を大きくまとめて行くという考え方で行くべきではないかと、私は考える、従つてこの調整委員会選挙の場合において、三分の一を小作人階層から出す、出さなければならぬというような考え方は、どうも過去におけるこうした小作地主とか、あるいは自作とかいうような、例の農地委員会の発足当時に概念というものが、まだきれいに拭拂されていない。そこでそういう誤謬があるのではないか。農民はすでにそういうこだわりは持つておりません。むしろ日本農村は、今後農村全体として他の産業あるいは都市、あらゆる方面から——従来はややもすると、農民の犠牲において都市が栄えたり、他の産業が栄えたりしておつた、そういうことに対して農民は、農民ほんとう立場を主張しなければならぬという大きな観点に、もうすでに立つておると私は思う。従つてこの際は、もうそういう過去のこだわりを捨てて、特に農業委員会選挙等にあたりましては、三分の一などというようなことをすると、かえつて結果においておもしろくなかろうと私は考えます。この際、政府原案をかえる意思ありやいなやを、政務次官に一言お伺いしたい。
  22. 島村軍次

    島村政府委員 農村立場、ことに農民の今日の段階が、お話のような情勢にあることははごもつともと思うのであります。ざつくばらんに申し上げますと、省内におきましても、いろいろ論議を重ねて、さような意味論議も盡し、また一面に、農政局長が申し上げましたような考え方議論とか、相当論議を重ねた結果、農地改革後の今日の段階におきましては、まだ小作者の中から一区分を選出するということに対しては、大体意見の一致を見たわけでありまして、お話のような点についてはわれわれも十分検討を加えて参つたつもりでありますが、原案を今ただちにかえて出すという意思は持つておりません。一応お答え申し上げます。
  23. 野原正勝

    野原委員 政務次官お話では、政府当局としては原案を今ただちに修正する考えはないが、しかし原案をつくるまでの過程においては、大分議論があつたという率直なお話でございまして、当然だろうと思う。こういうものにこだわつておるということ自体が——農林省ほんとう農村立場というものを大きな目で考えておられれば、こんな原案が出て来るわけはない。何かこだわつておるものがあると私は思う。そこでこの際、政府も、今までの審議過程において云々というお話ですけれども、そういうものにこだわらずに、むしろこの問題に関しては白紙に返つて、よく考えて検討した上で、われわれ委員会意見も十分尊重していただいて、そうして政府としましてももう一度お考え直しを願いたい。私どもとしましては、この農業委員会全体を通じては、はなはだけつこうなことであり、ぜひとも三月一ぱいにはこの法案を通さなければならぬと考えておりますけれども、非常に大事な問題であり、小さな問題のようでありますけれども、これは小さな問題でありながら、実はそういつた考え方から見れば、捨てておけない事項でありますので、特にこの一点だけは白紙に返す、ひとつ十分検討し直すということを、お考え願いたい。そのお考えが多少でもあるかどうか、明らかにしていただきたい。
  24. 島村軍次

    島村政府委員 農業委員会は、農政局長の申し上げました通り、今日の農村民主化の線からいつて農地委員会あるいは農業改良委員会、あるいは農業調整委員会の三本建ということは、総合経営あるいは農村の将来の農業経営の改善、あるいはまた農業計画の面からいつて、ぜひとも農業委員会の一本にすることが、農業者自身も望んでおるし、また国策としてさようにあらねばならぬという考え方で提案いたしたのでありまして、既往における国会の御論議等から、考えまして、この農業委員会は、ぜひともひとつこの際成立をさせていただきたいというのが、政府の強い念願であります。ただその内容については、たびたび御論議のありました点でありますので、国会において十分御審議を願いまして適当に国会の御意思を反映していただくことに対しましては、別に国会の審議権をこちらでかれこれ申し上げるわけじやありませんので、なお十分な御検討を願いまして、ぜひとも通過の線で御検討願いますことを重ねてお願い申し上げて、お答えになるかどうか知りませんが、申し上げておきます。
  25. 千賀康治

    ○千賀委員長 次は金子與重郎君。
  26. 金子與重郎

    ○金子委員 まず第一に予算の問題でありますが、予算の問題は、前委員からも質問がありましたけれども、ここに私に納得の行かない問題は、今度の法令の第七條以下、この委員会がなすべき仕事の中に、自作農創設特別措置法の問題、あるいは農地調整法の問題等、ここに揚げてあることは、以前三つの委員会がやりましたものを、そのままここへ載せてあるように私は承知しておるのでありますが、そういたしますと、以前の委員会が別々にこれをやつておりましたときと、これを全部あわせまして、新しい制度農業委員会になりましたときに、その名前は一つになりますけれども、その仕事はそのままやつており、なおもう一歩前進してほんとうにこれが農業の総合計画、村づくりのひとつの基本線まで出ようとするこの法案の目的からいいますと、より以上その仕事の分量は多くなる可能性があると私は思うのであります。にもかかわらず、予算は逆に、三つといいましても予算的には二つでありますが、これを合算して減したということは、どこの費用がいらなくなるから減したのか、主として予算を減して請求したのであるならば、これは事務当局からお答え願いたいし、政治的な立場から、大蔵省との関係から減らされたという立場であるならば、この点は次官からひとつ聞きたいのでありますが、その点をまずお伺いいたします。
  27. 島村軍次

    島村政府委員 農業委員会の権限は、従来ありました三つの委員会仕事のほかに、本法案に出ておりますように、農村における総合計画を立てるという一点が、非常に大きな役割を持つべきものと考えておるのであります。従いまして、これらの活動を十分にいたしますのには、相当費用を要することはもちろんでありますし、また建前の上から申しますと、国家事務であるという考え方相当あると同時に、今日の民主化の点から行きますと、自主的に農民の意思を農業委員会を通じて、その村の農業経営、農業振興に役立たしめると同時に、それがやがて国家の農業振興に役立つという意味考え方を強く反映せなければならぬと思うのであります。従いまして、予算の面については、まず三つの委員会をあわせますと総合的になりますので、事務の調整ができるから、ある程度まで費用は三つのものをそのままあわせたよりは、減願してもいいということも考えられると同時に、さらに今申し上げたような点から考えますと、もつと予算の面においても、増願すべきだという議論も出て来ると思うのであります。それらの問題をあわせまして、われわれ農林省原案といたしまして、少くとも二名の書記を確保いたしたいというので、大蔵省と折衝いたしたのでありますが、国家財政の都合上、後段に申し上げましたような事務調整をやれば、多少減額してもさしつかえないのじやないかという意見もありまして、     〔委員長退席、野原委員長代理著席〕 遺憾ながら、書記の費用については、減額のやむなきに至つたような次第でありますので、その点を御了承願います。
  28. 金子與重郎

    ○金子委員 どうも次官のお話はわかつたようなわからないようなお話ですが、たとえば、今までやつていた仕事のほかに、総合計画というような重要な問題が出て来る。であるがゆえに予算というものは増額さるべきだ。しかしながら総合事務のために事務費を減して予算を全額減してもいいんじやないかというような意見に納得したというお話でありますが、事務を総合するといいましても、たとえば、一つの例といたしまして、幾つかの会社があつた。これを一つにしたところ役員の費用が少くなつたとか、あるいは庶務、会計の経費が少くなつたということが具体的に出ておれば別でありますけれども、私どもがこの仕事の実体について見ておるところによりますと、そういうふうな間接的な経費よりも、実質的な、たとえば事務員給料だとか、庶務会計ということでない直接の経費が大分使われたように思つておりますので、その点は納得できないのであります。これは重大な問題でありますから、事務当局におきまして、具体的な一つのサンプルをとりまして、こういうふうに少くなるのだと、私どもの納得する——総合することによつて経費はこういうふうに減るのだと、こういう点を、ここで問答しても仕方がありませんから、あとで出していただきます。  それから第二の問題は先ほど階層別の問題が出ておるのでありますが、階層別につきましては、さいぜん委員の方々からるる述べられましたから、こまかいことは申し上げませんが、確かにこの前の農地開放をめぐつて大きな役割を果したと同時に、反面場所に、よつては、悪い副作用の出ておる面も認めるのであります。従つてこういう問題は、ことに政党の立場において非常にかわつて来ると思いますが、ただ私は法律技術的な面から一つお伺いいたします。それは今の第七條の問題でありますが、第七條におきまして、農業技術の問題を取上げてあります。それから総合計画の問題が取上げられてある。また一つは、農産物の販売というふうなことまで、いろいろ全部取上げてあるのでありますが、この所掌事務の中に、農業技術ということや、あるいはかつて農業調整ということと、小作地主の階級というものは、どういうふうに関連があるのか。この第一番の自作農創設特別措置法の業務を行うという点においては、なるほどまだ階層別に出している理由も私はわかるのでありますが、一体農業技術だとか、農業調整の問題について、どうして階層的な意見の御主張が必要であるか。その点に合点が行かない点がありますが、ひとつ御説明願います。
  29. 藤田巖

    藤田政府委員 第一問の、事業量がどんなふうに減つて来ているか、それを資料でということでありますが、これはお配りをいたしております資料の中に、農業委員会法案を三月中に成立させねばならぬ理由というところに、その問題に触れているわけであります。  御承知の通り農地委員会仕事から申しましても、農地改革がずつと進んで参りまして、すでに三百万の自作農家が設定をされ、二百万町歩がすでに農地改革が終つている。従いまして、現実に残つている農地改革の部分はどれくらいかと申しますれば、ここに書いてございますように、買収漏れになつております農地が全国で三万町歩、牧野が三万町歩、ポツ勅による強制譲渡の発生する見込みが三万町歩、未墾地買収見込みのものが三万五千町歩で、全体から申しますと、農地改革がすでに大部分において完了しているというような数字が出て来ているわけであります。従つて農地改革を全面的にやらなければならぬところのその陣容、あるいは事務量というものは、これはもちろん地帯的には違います。農地改革の非常に遅れている町村においては、なおたくさんあるということはございますが、全体的に考えますと非常に少くなつてしまう。むしろ現在の段階では、農地改革による成果を今後いかに確保して行くか、他の一般的な総合計画の中において、どう確保して行くかという問題が重点になつて来るのではないかと思うのです。さように農地委員会本来の仕事はきわめて減つて来ている。また農業調整委員会の問題にいたしましても、御承知の通り、従来米麦、雑穀等についての事前割当制度をとつている。いも、雑穀等についての事前割当、あるいは供出割当補正というふうなものが法制上あつたわけであります。それが御承知の通り、本年三月末をもつて食確法がなくなる。それにかわるものといたしましては、供出制度の残るものは米であるというふうに限られて来ているわけであります。従つて、割当は、少くとも事後割当になるわけであります。対象のものも減つて来るということで、当然事業分量は減るのだというふうなことが考えられる。ことにまた、これの仕事はそれぞれ時期的に繁閑があるわけであります。従つてもはや従来の独立した委員会としては、これは全面的に各市町村に残して、従来通りの陣容をもつて国が出すということが、事実問題といたしましても不能になつて来ているというふうに私は思う。ただ問題は、新しくそれらの計画が各個ばらばらでなく、新しい農業計画というふうな観点から、これを今後検討して行く問題があるわけであります。しかしながらそういうふうなことからして、全体的に申しまして、非常に事業量が減つているというふうなことからいたしまして、予算の削減についての強い理由が大蔵省方面から出たわけであります。従つてどもといたしましては、極力従来の範囲でもまだたらないということはよく説明をしたのでありますが、財政の都合で、最後的には本国会に要求中の予算のように、昨年の三十二億に比して二十二、三億程度に削減をされたというふうな事情に相なつているわけであります。  それからなお第七條に関連いたしまして、農業技術の問題、あるいは農業の総合計の関係については、これは階層別委員を出すということは意味ないではないかということは、お説の通りだと思います。しかしながらこれは事業量は別といたしまして、やはり農業委員会の基本的な仕事といたしましては、農地改革仕事があるわけであります。それはやはり基本的な仕事として恒久的に残つて行くと考えております。さような意味からいたしまして、法制といたしましては、この階層別選挙をとつたというふうな事情になつているわけであります。
  30. 金子與重郎

    ○金子委員 あなたの今の説明によりますと、自作農創設の仕事は、大体完了に近くなつている、従つてそれの事事分量と、それから来る事務分量も減つている、また農業調整の問題としては、供出として残されるものは米だけだから、その点の事業分量も減つている、こういうふうな御見解で費用を削減されたということでありますから、それは一応私は承つておきます。そういたしますと一方は大体完了したから費用はいらないのだというところに特つて来て、前の階層別というものを残すというところに、この事業の所掌事務選挙の條件とに矛盾があるのでありますが、この問題は討論になりますから、あとに残します。  もう一つ技術の問題であります。今までの官僚的な体制から、まつたく実態に即して大きな働きをしようとしておるのがこの改良員でありますが、この改良員の多くは、今の段階でブロツク制になつておりまして、市町村ごとに属しておらないのであります。改良員の予算をふやしました今日でも、なお平均いたしますと、一町村一人の改良員が行つておりますけれども、戸数でやつております関係上ない村もたくさんある。従つて改良員の働きは、一つのブロックをもつてつている。それを今度町村ごとにやるということになりまして、直接の農業改良局の、政府の施設であるところの改良員制度とマツチしない点が出て来ると思いますが、これはどういうふうにしようとしております。
  31. 藤田巖

    藤田政府委員 改良普及事業の系統は、従来の改良普及員によつて推進されるわけであります。そのときに、改良普及事業が、町村においてその末端にまで普及滲透するために、農民の代表的機関であるところのこの農業委員会というものが、それはよく協力をして計画を立てて行く、こういう役割をするわけであります。従来改良普及事業については、市町村まで協力する態勢が整つておりませんでしたから、その役割をこの農業委員会が果そうというわけであります。従つて、これは改良普及事業の普及員の配置なり、そういうふうなものを何ら拘束するものではございません。これは別途に農業改良局において、現在数が拡張された改良普及員をどういうふうに配置して、どういうふうに計画をやつて行くかということについて、計画がおのずから立てられ、改良普及員の方針もきまつて行くのでありますが、そのきまつて行くものを末端において、それがうまく行くように農家の声も取上げ、また上から来ましたものを滲透、徹底するための役割も、これが果して行き、お互い協力し合うような態勢をとつて進んで行きたいというのが趣旨であります。
  32. 金子與重郎

    ○金子委員 ただいまの農政局長お話ですが、あなたからそういう本則的なことまで伺わなくても、私はよく承知しております。まずいのは、今のあり方でありますと結局改良員というものは改良員で行くのだ、それを実際的に運営するためにこの農業委員がやるのだと言いますけれども、今のように一つのブロックで一つ事務所を持つて、その事務所に必要な経費はそのブロツクから——現在の政府予算などではとうてい足らない、たくさんの費用農民が出し合いまして、そのブロックごとに一つ事務所を設けまして活動をしておるのであります。今の政府の工ージエントの予算で、あの改良員の仕事ができておると思つたらとんでもない間違いである。政府予算の足りないところを、農民自体が出し合つてつておるからこそ働けるのであります。従つてこれを今度町村ごとに直すとするならば、少くともどんなところにも技術員がおつて、それを中心にして働くようにならなければならないのでありまして、これは今さらあなたから原則だけをお伺いすることよりも、私は実際の運営の問題を言つておるのでありまして、この問題も論議になるから、そういうことをあなたにはつきり申し上げておいて、この問題はやめます。  次の問題として、県農業委員会会長をどうして知事にしなければならぬか、その理由をひとつ……。
  33. 藤田巖

    藤田政府委員 改良普及事業との関係でありますが、これは別に市町村農業会の代表者会議という規定があつて、このブロツク別にそういう代表者会議をつくられることに相なつております。従つてブロツク別の問題は、代表者会議と、片方にございますところのものとの間を、うまく連絡をするというようなことをやつて行くことを考えたらいいだろう、こう思つております。それからもう一つは、都道府県の農業委員会会長をなぜ知事にしたか、市町村互選じやないか、違うじやないかという御意見であろうと思いますが、これは都道府県の農業計画ということになりますと、非常に専門的な技術的な問題にもなつて来るわけであります。おそらくその事務局というものは、都道府県の地方庁の関係の部課長が参画をして、現実にそれが実行可能なふうに立てて行かれることに相なるだろうと思います。従つてそういうふうな意味で、都道府県の農業委員会の計画というものが、プランに終らずに完全に実現されるためには、やはり地方庁の職員と結びつく必要があると考えます。従つてさような意味からむしろ都道府県について、知事が会長になる。そして地方における財政計画、あるいは予算の問題等もあわせ考えながら、実行可能な農業改良計画を来すことの方が効果的じやないかというふうなことを考えまして、都道府県の農業委員会についてはこれを都道府県知事にいたした。現行法におきましても、農業調整委員会においても、農地委員会においても、いずれも都道府県の段階においては知事に相なつております。これは現在の法令をそのまま踏襲いたしております。
  34. 金子與重郎

    ○金子委員 そのことについてはたくさん意見がありますけれども、質問時間ですから、その意見は申し上げません。その次に、今の農村の再建の上の経済部面を担当するものは、現段階において非常に弱体化しようとしておりますけれども、協同組合というものを私どもは大きく取上げて行くよりほかないということを考えておりますが、そういつた場合に、今までの委員会ならば別といたしまして、農業技術の問題やあるいはここにありますところの農産物の販売なり、処理形態の問題に対してまで意見を出すということになりますと、その機関との摩擦ということを私は非常におそれるのであります。そのときに、先ほどの説明によりますと、五名の選挙によらない委員に当然加わるべきであるし、また加わつておる例がたくさんあるというのでありますけれども、むしろこういうふうな村の枢要な総合計画、並びにそれを実現するために、当面の立場に立つておる機関なり、構関の代表というものを、初めからうたつてこれを入れておくということの方がよろしいのじやないか。と申しますのは、選挙の時期が違いますので、個人としておりましても、一方の協同組合のようなものの任期と農業会の任期と食い違いができますと、そこに入れてあつたはずであつても、ただちにまた組合長というものは抜けてしまうというふうな関係がありますので、この点は最初から、村の総合開発並びにこれの実行に必要な特定なものは入れたらどうかと考えますが、その点はどう考えますか。
  35. 藤田巖

    藤田政府委員 先ほどもお答えをいたしたのでありますが、私どもといたしましても、協同組合長は当然農業委員会委員としてその中に入つて、協同組合の本来やります仕事がやりやすいように、それを農業委員会のバツクによつて実現するような体制をとらせたいということが趣旨であります。従つて、事実問題としてはおそらくさような結果に当然なるだろうと考えますが、また選任委員規定もあるわけであります。われわれとしては、ここで農業協同組合会長はこれを当然選任にする、こういうことを特に法律上ここに入れておくのもいかがかと考えております。これは実際問題で、その人その人の都合もあるであろうと思いますから、われわれとしては、この点は十分そういうふうな趣旨で、選任委員なり委員というものが選ばれるものであるということを期待いたしております。
  36. 金子與重郎

    ○金子委員 それでは最後に一点だけでやめましよう、まるできつね問答みたいでさつぱりぴんと来ませんから……。次官にお伺いしますが、あなたはこの問題が出ましてから、最近におきまして、この法案に対する——通過させてくれというのか、あるいは反対するというのか、農林関係のこれに関連しておりますところの団体ないしは農民の方々の陳情が来ておると思いますが、そういう陳情は来ておりますか、来ておりませんか。
  37. 島村軍次

    島村政府委員 農民団体の全体の総意がどこにあるかということは、私は、この法案をぜひ通してもらいたいということが結論だと思います。ただ、予算面及びこの農業委員会法の内容ついては、いろいろ御意見があるようであります。たとえば、ただいま御議論になつておる階層別の問題とか、市町村委員会委員長の問題とか、あるいは数の問題とか、分析すれば御意見があるようでありますが、一番強い意見は、やはり予算の問題である。さようなことに考えております。
  38. 八百板正

    ○八百板委員 議事進行について申し上げます。  この農業委員会法案は、第十国会におけるきわめて重要なる法案だと思つておりますが、この法案審議にあたつて、責任のある農林大臣が見えられないということは、まことに遺憾だと思つております。なお、さらに、採決のときにはいつも頭をそろえて来られる自由党の諸君が、一名しか見えておらぬということは、まことに遺憾だと存じますので、本日はこの審議を打切りまして、次回には、農林大臣と自由党の全員が必ず出席されるよう、委員長より御注意していただきたいということを申し上げます。
  39. 野原正勝

    野原委員長代理 了承いたしました。  本日はこの程度にて散会いたします。次会は公報でお知らせいたします。     午後零時二十二分散会