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1951-02-27 第10回国会 衆議院 農林委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二十七日(火曜日)     午後二時九分開議  出席委員    委員長 千賀 康治君    理事 野原 正勝君 理事 足鹿  覺君       遠藤 三郎君   小笠原八十美君       小淵 光平君    川西  清君       河野 謙三君    中馬 辰猪君       幡谷仙次郎君    原田 雪松君       平野 三郎君    坂口 主税君       山口 武秀君    横田甚太郎君  出席政府委員         農林政務次官  島村 軍次君         農林事務官         (農政局長)  藤田  巖君         農林事務官         (畜産局長)  山根 東明君  委員外出席者         農 林 技 官         (食糧庁業務第         一部加工輸送課         長)      大石  碩君         專  門  員 難波 理平君         專  門  員 岩隈  博君         專  門  員 藤井  信君     ――――――――――――― 二月二十六日  農林漁業長期融資法案に関する陳情書  (第二五二  号)  積雪寒冷單作地帶振興臨時措置法制定に関する  陳情書外一件  (第二六〇号)  農林漁業長期融資法案に関する陳情書  (第二七三号)  滞荷生糸処分による売上差益金処置に関する  陳情書  (第二八九号)  農地関係災害に対する国庫補助予算の増額に関  する陳情書  (第二九一号)  治山治水事業の強化並びに林道網の拡充に関す  る陳情書  (第二九三号)  農業共済制度改正に関する陳情書  (第三一八号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  農業委員会法案内閣提出第四三号)  飼料対策に関する件     ―――――――――――――
  2. 千賀康治

    千賀委員長 これより農林委員会を開会いたします。  この際お諮りいたします。先般本委員会におきまして、飼料対策に関する決議をいたし、政府に参考送付いたしておきましたが、この際これに対しまして政府のとられた行政措置に関する説明を求めたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認めます。島村政務次官
  4. 島村軍次

    島村政府委員 本委員会の熱心な飼料問題に対する御検討の結果、最近の飼料事情に対する御申入れは、政府といたしましても愼重にこれの検討を進めて、なるべくすみやかにその解決をはかるために、よりより関係方面と交渉を進めておりましたところ、二月八日の御申入れに対しまして、二月十七日付をもつて委員長あて回答をされておりますので、大体すでに御了承願つたことと思いますが、この際当委員会において、この点を明らかにいたしておきたいと思います。第二に、油糧砂糖配給公団所有大豆かす五千トンを、飼料用として三月上旬までに限定入札に付する予定で進行いたしております。  第三は、小麦ふすまに関する問題でありまして、その一つは、低質小麦輸入によるふすまの増産対策はすでに一部実施中でありますが、食糧対策との調整に留意しつつ、さらにこれを促進いたしたいということであります。その二は、小麦加工量調整によるふすまの供給不足の打開については、食糧対策との調整に留意しつつ、極力これが実現を期するということであります。その三には、ふすまの一部を生産者より実需者に売却することについては、その具体的方法について今検討を進めております。  なお食糧庁所有の五等麦類については、各都府県の実情に応じて、飼料用して当該麦類供出都道府県知事の指定する者に拂い下げる。これが麦に関する取扱いであります。  食糧配給公団所有の三月分米ぬかにつきましては、飼料用わくを設定して二月下旬に限定入札に付する予定で、目下関係方面と折衝中であります。  以上が二月十七日にお答え申し上げた大部分でありますが、その細目等につきましても、それぞれ手続を進めて、すでに解決をいたしたものもあります。  なお昨日河野委員からお話のふすまの指示価格に対する問題も、加工業者との間の話合いを進めまして、ここ一両日中に手続を了する予定で進行中であることを、御承知願いたいと思います。
  5. 遠藤三郎

    遠藤委員 二月八日本委員会におきまして、飼料問題の非常に緊迫している現状にかんがみて、急遽とるべき緊急対策についての要望決議したのでありますが、この決議に対する政府の本日の御回答に接しまして、私ども必ずしもこの回答に対して満足するものではないのでありますが、第一項の二万五千トンのとうもろこしをただちに配給する、このことについては、政府が現在食糧事情が非常に苦しい中をさいて、飼料として特別な措置を講ずるということに対して、非常に敬意を表するものであります。  なお第二項の大豆かす五千トンの拂下げの問題についても、これは本委員会において、一万トンを拂い下げろということを要望しておつたのでありますが、他方みそしようゆ需給関係も非常に逼迫しているという事情もよくわかつておりますので、さしあたり五千トンの配給で、この際は私どもやむを得ないと思いますが、しかし五千トンだけでいいという意味ではなくして、引続いて輸入される大豆かすを次から次に拂い下げて行くということを前提に、この條項はのんで行つたらどうか、私はこういう考え方を持つております。  第三項のふすまの増産対策については、その一に書いてあります低質小麦輸入の問題は、具体的な数字も出ておりませんし、具体的な計画もないので、必ずしもこれは満足するわけには行かぬのでありますが、この点についても、政府は、誠意を持つて、すみやかにこの輸入を促進されるように、特にこの際要望しておきたいのであります。第二の小麦加工量調整の問題についても、これは回答としてはなつておらぬと思いますけれども現実小麦粉の需給事情からいいまして、食糧政策全体の問題としてこれは論ずべきものでありますから、この点については、政府は、さらに詳細なる計画を立てられて、誠意をもつて進められんことをお願いするわけであります。第三のふすまの一部を生産者から実需者に買却することについては、その具体的な方法について現在検討中であるというただいまの政務次官説明を了承したいと思います。但しこの問題についても、あくまで現実飼料事情とよくにらみ合せて、すみやかに措置を講じていただきたいと思います。なお第四項の五等麦の拂下げの問題については、本委員会要望を全面的に承認していただいたことに対して、敬意を表する次第であります。次に第五項の食糧配給公団の三月分米ぬかについては、飼料用わくを設定して拂い下げるというのでありますが、このことについても、そのわくのきめ方が問題であります。説明を伺いますと、油糧飼料とを五分々々にして拂い下げるというのであるそうでありますが、その点は、間違いなくはつきりと限界をきめて、限定入札をするように運んでいただきたい、こういうことを要望しておきたいと思います。なおこの回答全体を見まして、一つ重要な点が落ちておるのであります。それは基本的な飼料対策を設定せよということでありますが、この基本的な飼料対策については、回答を求めておらなかつたのであります。今緊急対策を立てることに忙しかつたのでありまするけれども、やはり基本的な対策を立てなければ、飼料問題は解決しないのであります。基本的な対策を時を移さず立てられて、近い将来にこの委員会に、その基本対策について諮られることを希望するわけであります。さらに最後にもう一つつけ加えておきたいのでありますが、これらの対策は、二月十日現在における緊急対策として必要やむを得ざるものであります。今日におきましては、もうすでに情勢もだんだんかわつて参りまして、さらに第二の緊急対策を立てなければならぬような状況になつて来ております。従つてこの緊急対策で一切済んだというふうな考え方を持たれないで、引続いて第二、第三の緊急対策を立てながら、あわせて根本的な基本対策を立てるということを忘れないように、特にこの際要望して、私の質問やら、意見やらにかえる次第であります。
  6. 島村軍次

    島村政府委員 ただいまの遠藤さんからの御希望は、ごもつともでありますので、本回答案に対する今後の対策、またさらにこれに関する具体的な手続等を至急に進めまして、できるだけ御期待に沿うように努力いたしたいことを、簡單でありますが、お答えにいたしたいと思います。
  7. 原田雪松

    原田委員 遠藤委員から大体言い盡されたと思います。二万五千トンのとうもろこしの問題なのですが、この価格の問題をどう取扱うが。現に統制わくをはずしましてから非常な暴騰を続けております。私の県のごときも、今の状況から見ますと、十四貫で千三百円から千五百円、これではえさとなりません。そういう関係からいたしまして、今政府が持つている手持品拂下げ価格は、従前の通りやるかどうか、これが一点。その次は遠藤委員からお話がありました通り大豆かす五千トンは暫定措置である。少くも動物の中では、濃厚飼料でなければならない動物がありますので、それは重ねて一回、二回、三回、四回というようなことでやる意思があるかどうか、これが第二点。第三点はふすまの問題でありますが、ここにあげてあります通りに、これが指示価格になるかどうか、これをお尋ねいたしておかなければならぬと思います。従来と違いまして、えさの問題、肥料問題等は、値上りいたしますことによつて農村は非常な不安を感じておる。だから第一、これがインフレの原因をなすのじやないかという状態が飼料の問題に現われておる。何となれば、肉畜方面等におきまして、えさが高くなつた関係で困つておる、また乳牛関係でもそうであります。生産コストを下げようと思つても、えさが高いためにどうしても生産コストは下らない、ところが会社に納めるところの価格は限定された価格で押えられておる。新興酪農地帯におきましては、きゆうくつの上にますますきゆうくつを加えて行くこの際、こういうものを打開して行かなければ、畜産の将来に非常なるひびが入る、こういうことを私は考えております。このふすまの問題も、今ここにあります通り実需者に渡りますところの値段が四百四十円、三百円、百五十円、二百二十円の四段階になつておりますが、これを指示価格と見てよろしいかどうか、まずこの点を伺つておきたいと思います。なお養豚に関しましては米ぬかが一番必要でありますが、ここに掲げてありますところの三万八千トンを実需者に出すということでありますが、これは搾油業者が搾油したものを出すのであるか、今五〇%ずつわけて出すというお話がありましてが、この点もこの際はつきり伺つておきたい。一応この四点だけをお尋ねいたします。
  8. 山根東明

    山根政府委員 最初のとうもろこし価格は、お話のように旧来の価格政府拂下げの広い意味でのいわゆるマル公拂下げ予定であります。それから大豆かすの五千トンを、特に飼料のために限定入札をする措置を今後も引続いてやるかどうかというお話であります。現在のところ飼料公団が持つております手持ちが一応これで全部出るかつこうになるわけであります。従つて将来公団がなくなる予定でありますし、こうした品物は出て来ないだろうとお考え願いたいと思います。それからふすまなり麦ぬかの価格指示価格と見ていいかというお話でありますが、この点は、広い意味ではそういうふうにお考え願つてさしつかえないと考えます。私ども価格を指示する根拠は、委託加工契約條項に基きまして、国が指示した場合にはそれに従うことという條項が、加工工場との間に契約條項としてあるのであります。それに基いて価格を指示するわけであります。これに従わない場合の制裁等もありますので、これは完全に守られるという見込みを持つております。またそういうふうにいたしたいと思います。最後米ぬかの五〇%を実需者に出す方法は、生ぬかで五〇%出す、あとの五〇%は油業者に出しますけれども、出す場合に、これは業者に対する指導という方法で、油業者米ぬかの油をしぼつたかすは、極力優先的に飼料とまわすようにという指導的な勧告は試みる、そういうことによつてできるだけ全部の米ぬか資源えさにまわるように、こういうふうな考え方をしております。
  9. 原田雪松

    原田委員 この適用期間の問題でありますが、三月一日から四月三十日までに三、四月の加工指令に基いて生産したものを適用するとしてありますが、これも暫定処置と見てよいかどうか。この後も引続きやることであるかどうか。この点ぜひ伺つておかなければならぬと思いますので御回答を求めたいと思います。なお実需者の定義でありますが、これはただちに組織のないところの農家にやるのであるか、あるいは畜産団体あるいは農協団体、こういう組織的な機関を通じて渡すのであるかどうか。なお挽馬の問題もあります、これも挽馬組合というのがあるのですが、そういう機関を通してやる意思であるか、直接渡すのであるか、その点も伺つておきます。
  10. 山根東明

    山根政府委員 ふすまの措置は一応暫定的に三、四月の加工計画に基いて発生するふすまについて決定いたしたわけでありますが、五月以降において需要がいかようになるかによりましては、同じような方法を続けることも考えなければならぬというふうに考えております。それから実需者と申しますのは、個々の農家なりあるいは挽牛馬業者に直接ということではございません。それぞれの団体があるわけでありますから、団体を通してやるというふろに考えております。
  11. 原田雪松

    原田委員 第一回に農林大臣出席の場合に、飼料対策国策として取上げられぬことは非常に間違いだ、ぜひこんなにきゆうくつにならないように、しかも飼料の問題では安心をして畜産の飼育をし、これを増産の面に持つて行くには、少くも国飼料需給態勢を整えるべし、こういうことを質問したのであります。そのときに、それはやるつもりだだと大臣お答えになつたのであります。飼料対策のないことは実に不安定である。こんな食糧庁の御慈悲によつて流れたものをもらつて満足するようなことでは、真の畜産の本義を誤ることになりますので、そういうことでなく、少くもこの機会に正しいルートにおいて飼料を確保するよりな措置は、国策として取上げてもらいたい、こういうことを要求しておるりでありますが、幸い政務次官おいででありますから、国としてこの点をどう考えておられるか、一言伺つておきにいと思います。
  12. 島村軍次

    島村政府委員 畜産農業経営上における立場は、もちろん食糧対策としての畜産重要性から考えまして、食糧増産の部面に大きく畜産を取上げておる点から考えましても、ぜひとも飼料確保が重要であるという見地から、御意見通りに本問題については相当熱を注いでおるつもりであります。ただ時局の関係上、非常に緊急を要する問題がありましたので、さしあたりこういう対策をとつたのでありまして、ただいま遠藤さんからお話がありましたような点については、目下根本的にいろいろ検討を進めておるのでありますが、何としても飼料露給対策を、もう大幅に取上げねばならぬという見地で、予算面におきましても相当要求をいたしたのでありますが、必ずしもわれわれの期待通りに参つておらぬことは遺憾に存ずるのであります。これは民間団体に御関係皆さん方の御協力を得まして、自給肥料対策、あわせて今回の緊急輸入対策のうちにも飼料の問題を大きく取上げまして、いろいろ大豆かす、あるいはとうもろこし、その他飼料用輸入対策についても、できるだけの対策の研究を進めて参つておるのでありますので、この点につきましては大臣の申し上げました通りに、大いに施策の上にも推進を重ねたいという心組みでおることを御了承願い、なお皆さんの御協力をお願い申し上げる次第であります。
  13. 横田甚太郎

    横田委員 局長にお伺いします。この中に焼津町というのがあります。そこに焼津農業協同組合というのがあるはずでありますが、これは御存じでしようね。そこへこのごろたくさんのとうもろこしが行つておるのです。十トン貨車に積まれて、東海道線をどんどん下つておる。ある所は、神奈川県の鶴見区大黒町山崎倉庫という所にあるのですが、ここから出ておるところのとうもろこしは、ここに書かれております二万五千トンのとうもろこしのうちの一部なのか、それとも別なのかということを聞きたいのです。
  14. 山根東明

    山根政府委員 焼津組合に十トン貨車ででどんどんとうもろこしが入つておるかどうかは聞いておりませんが、かりにそういう事実があるといたしましても、この二万五千トンとは全然別のものだと思います。
  15. 横田甚太郎

    横田委員 食糧庁関係の方がおられませんので、資料要求をしておきたいのですが、二万五千トン以外に日本にはとうもろこし手持ちが幾らあるか、それがどういうふうに使われる目的を持つておるか、その資料要求をいたします。それからその点でお伺いしたいのは、ちよつと私おりませんでしたので、もしすでに聞いた点があるならば、言つていただけば取消します。ここに食糧庁所有とうもろこし二万五千トンを飼料用として、畜産局長の指定する実需者に拂い下げるということが一に書いてあるのは、どういう者に指定されるつもりですか。また二として、油糧砂糖配給公団所有大豆かすを、三月上旬までに限定入札されるというのですが、この限定入札はどういう方に限定入札されるのですか。それから三番目に、低質小麦輸入によるふすまの増産対策とありますが、この結果日本経済全体として損なのか得なのか。たとえば、良質の小麦を入れてふすまを少くつくるのと、悪い小麦を入れてふすまが多い、こういう場合、日本経済としてはどうか。それから四番目の食糧庁所有の五等麦のことですが、これは都道府県知事の指定する者に拂い下げるとあるが、都道府県知事に対しては、こういう者に指定しろという内示を下すのか、下さないのか。それから五番目に、三月分の米ぬかについての問題があるのでありますが、米ぬかというものは、こういうような形において畜産のために使わしてもらおうと思つたところが、うまく手に入らない実情にあるのでありますから、米ぬかはどういう形において扱われているか、これだけお聞きします。
  16. 山根東明

    山根政府委員 お答えいたします。実需者と申しますのは、実は、本委員会の御決議の御趣旨がそうであつたわけでありますが、実消費者、並びにそれらの組織する団体に重点的にやるようにという御決議でありましたので、その御決議の御趣旨を受けてこういう決定をいたしたのであります。それから限定入札の問題でありますが、限定入札するという趣旨も、これも御決議の線に沿つた決定でございまして、従来大豆かすは、用途としては、えさのほかに醸造原料が強い競争相手としてあるわけでありますので、これらと同一の入札をしたのではなかなか飼料に落ちて来ないだろうという見通しで、五千トンだけは飼料実需者だけに限定して入札するということにいたしたのであります。それから五等麦の拂下げ対象知事が指定する。この指定の対象は何かというお話でありますが、これにつきましても、このたびの措置の全体の考え方といたしまして、先ほど来申しましたように、実需者優先実需者を重点的に考えるという考え方をとつておるのであります。五等麦の拂下げにつきましても、知事がまず実需者を指定することになるだろうというふうに考えております。それから、低質小麦輸入することが、わが国経済上どうかということでありますが、実はこれは、そういうそろばんをはじくためには、單なる簡單要素でなしに、あらゆる面を——これによつて畜産がとれだけ振興できるかというプラスの面も考えなければなりませんし、また、わが国食糧不足している、こうした歩どまりの低い小麦輸入することによつて、船腹をそれだけよけい食うことになる。そういう面から、食糧が絶対量の不足を来すことはないか、こういうような要素ももちろん考えなければなりません。そういうようなことを考えました結果、ここにありますように、今後においても、あとう限りこれを促進するという方針を農林省としてはきめたわけであります。
  17. 遠藤三郎

    遠藤委員 関連して伺います。ただいま低質小麦輸入問題についての質疑応答がありましたが、委員会決議案提案者といたしまして一言ここで申し上げておきたいのであります。私ども低質小麦輸入をやれということを決議したその趣旨は、少くとも私の原案者考え方としては、とにかくえさ輸入したらよいではないか。えさ輸入しなければ日本農業プラスにならないのだ。こういうことで、えさ輸入することが経済的にプラスになるのだという考え方のもとにこの決議をしたのでありますから、その点をひとつ了承願いたいと思います。
  18. 横田甚太郎

    横田委員 焼津とうもろこし行つたのは事実なんです。だからここでは畜産局長にお願いしないでも、行くようなとうもろこしがあるのかないのか。あるとすれば——あるだろうという経済事情のもとにおいては、みそしようゆとかそれ以外の方にたくさんとられてしまつて畜産の方にまわらない、それでは困るというのでこういう決議なつたと私は解釈しております。そこでその場合に、一体高い価格で買うて引き合うのだといような養鶏飼料があるのか、この点がどうもわかりにくいのですが、どうなんですか。
  19. 島村軍次

    島村政府委員 事実をお尋ねになつているのか、あるいは将来とうもろこしの足らない場合に、そういう事実を根拠にしてどういうことをやるのかという二つの点だと思うのでありますが、前段の問題は、内容を調べてみなければわかりませんが、大豆とうもろこしは現在まだ統制を解除しておりませんから、食糧庁及び出先の官庁でオーダを切るとかいら指示がない限りは出ないと思います。しかし出ているとすれば——あるいは醸造用その他に出ているのではないかと予想されますが、事実はよく調べてみないとわかりませんので、御必要がありますれば、焼津の問題もあとから調べてお答えいたしたいと思います。  それから将来に関する問題は、お話通りに單に飼料用だけではなく、ことに価格が非常に高くなつた。そこで今回この措置をとつて価格面数量面とを合せて、畜産飼料が高くならないように、しかも量をできるだけ確保できるというような考え方で、食糧庁の保管の中から割いてそのような方法をとつたのでありまして、まつたく当委員会の御要求におこたえ申し上げたことになるのであります。
  20. 横田甚太郎

    横田委員 これはあまり意地悪くしつこく質問をしませんが、もう一言だけ聞いておきます。  大体十日分くらいのわずかの量で、鶏やあひるの喜ぶような思いやりのために、きようはしつこく言うのをやめますが、とにかくはつきり聞きたいのは、こういうふうに焼津とうもろこし行つたのは事実であります。政務次官もよく御存じでしよう。町で配給辞退がありますと、それに対して二日分なら二日分を公団が責任を持つ。二日経つとこれをかつてに処分できるように聞いております。こういうふうなものをどんどん扱つている場合に、日本としては一体どれだけの損になるのか、非常に私はふしぎに思うのです。なぜかと言えば、話は違うのですが、この前お願いした硫安、こんな固まつた外国の硫安がありますね。これを長野県の人が買うたが、どうも使えないと言つて頼みに行つた。それを引取るか引取らないかということで、調査に行くと約束をしておつたが行かなかつた。これでは困るが、百姓が忙しくて農民の方から行くひまがないので、これを砕いて肥料に使つた。そしてあとに残つているのはどうしてくれるかとの話合いなつた。そうすると、そのとき役人の言うには、一俵について百円づつの金を出している、外安のために日本は四億ほど損をしているといつているそれと同じことであつてとうもろこしのようなものは、このごろのように食糧事情がおちついて来ると、日本人が食わないのはあたりまえだ。それを援助か、商売かわからないような形で押しつけて来る。押しつけて来る食糧の中にとうもろこしが入つている。入つているのを日本人に食わせる、余つたものは格下げする、格下げしなければ量目をごまかす。こういうようなことは非常にわかりにくいので、資料を整えて来て、次の委員会で答えていただきたい。
  21. 山口武秀

    ○山口(武)委員 議事進行についてお聞きしたい。実は本国会が始まりまして、実質的には今年度に入つてから農林委員会の活動も始まつたように受取つているのでありますが、これまでの委員会の運用の仕方を見てみると、私は農林委員会というよりは、畜産委員会、土地改良局委員会、農地局委員会というような感じを受取つてつた。というのは、これまでの委員会の慣例におきましても、委員会で当初において農林大臣が予算の説明を中心として、農政一般についての説明をする。これに対して各委員が質疑をする、そして当面する問題の処理について、現在政府が考えている農村と農業実情の認識というものを明瞭にして行く、それに従つて必要な法律の審議を進めて行く、このように考えておつた。ところが本国会で農林委員会におきましては、残念ながら農林大臣説明がない。われわれに農政一般についての質疑を許される機会が與えられていないわけです。なるほど各局別にはやつたでしよう、しかし各局別にはやりましたが、そのときにわれわれが注文を受けましたのは、きわめて限定された範囲内で物事を聞いてくれ、このようなことを言われて参つたのです。それから農林大臣は出て来はしましたが、飼料問題とか、肥料問題とかいう、限定された問題についてだけわれわれに質疑が許されている。私はこれははなはだ遺憾に思つております。特に現段階におきましてわれわれが質問を行いたいと思いましたのは、農村の失業者の問題である。農村の失業者の問題におきましては、これは最近きわめて深刻化している副業、兼業の縮小、それから疎用者が農村に定着した完全失業者に対する問題もある。次三男の問題もあります。それからなお廣川国務大臣が一割食糧増産運動というものを始めた。この一割主食の増産運動は、かつて軍閥の政府が行いましたところの、戦争準備のための食糧増産運動と同じようなにおいをかがせられる。しかもそれと関連いたしまして次三男対策協議会というものが生れた。この次三男対策協議会は一体どういう性格を持つかということを聞きたい。これらは下手すると、われわれが感じている範囲におきましては、今までの満蒙開拓義勇団と同じような感じを受けている。こういう点も明瞭にしてもらいたかつた。それから政府はどういうおつもりかしりませんが、かつてに中共との貿易を中止して参りまして、大豆を入らないようにしてしまう、日本食糧事情をよりきゆうくつならしめた。されに食糧一般の問題につきましては、統制を解除するということをぬけぬけといつている。しかしわれわれには、これをそのまま受取りがたいような事情も幾多ある。これについても明瞭に聞かなければならない。  こういうような問題があるのですが、この質疑をわれわれは今日まで行うことができなかつたのであります。これにつきまして、一体農林委員長としてどのようなおつもりなのか、この問題は本国会におきましてはやらなくて、委員会の法案を中心として質疑を展開して行くのか、そういう方針ならば、これは私たちとしては不満ですが、やむを得ない。やむを得ないが、この点を明瞭にしてもらわなければ、私たちは質疑を行つて行く場合、この委員会で物事を審議して行く場合に、方針がきまらないで実は困る。だから委員長にこのことを明らかにしてもらいたい。それから大分次官が出て来ておられますが、一体これまでの慣習を破つて、この一般農政という問題に対して、農林省はなぜ説明しないのか。これに対して農林省は農林委員会をなめておるのか、私はこの点も農林次官によくお聞きしておきたい。
  22. 千賀康治

    千賀委員長 委員長からお答えする分だと思うところをお答えいたします。ただいまの御発言の中で、農林委員会が農政一般に関して論議をさせる場合が少いじやないかという御意見があるようですが、ただいま山口君が発言をせられ、要求をせられるようなことは、大体予算委員会でやつておると思います。予算委員会の言論ももちろん自由でありますので、各党各派がそれぞれの蘊蓄を傾けて、国策を審議批判するうちには、ちようど今お考えになつたようなことは盛られており、また盛ることは自由であると思います。農林委員会は、御承知の通り、やはり農林だけを特に掘り下げて審議をする機関でございますので、なるべく部門々々にわかれて深く審議をせられる機会を與えられる方がいいと思います。ただいま山口君のおつしやることは、大体食糧問題が議題に上るときには、すべて御発言を自由にせられ得る問題であると思います。さようでありまするので、あなたの薀蓄を一時に傾け盡すという機会はないかしらんが、農林委員会の行われるたびに熱心に出席をしていただけば、必ず御満足の行くように、発言の機会は與えつつあります。過去におきましても、私は小会派なるがゆえにというわけで、発言の機会を奪つたことはありません。委員長はむしろ與党の諸君に、寛大に過ぎるというおしかりを受けるぐらいに言論の自由を認めております。私のお答えする部分は以上であると思います。御了承を得たいと思います。
  23. 山口武秀

    ○山口(武)委員 私は委員長の取扱いにつきましては不満はございません。それから熱心に出席されれば十分やれるというのでありますが、私はきわめて熱心に出席しております。それでなお不満があつた。それから予算委員会でこの問題が出るということでありますが、私は予算委員会で問題を掘り下げてやればやるほど、またここでもこの問題を論議しなければ困るのではないか。それから、なるほど掘り下げていた、この点については御異議ございません。しかしながら掘り下げたとは申しましても、全般に通ずる問題があると思う。これを一局々々にわけられてしまいますと、やはり関連性が失われまして、問題の審議に困ることがあつたのです。  それからなおこれまでの慣習としてもあつたので、私は單に農林委員会でどうこういうのではないのでありますが、予算の問題が出たときであるから、やはり発言はあつた方がよかつたのではないか、このように考えております。
  24. 千賀康治

    千賀委員長 お答えいたします。予算委員会と合同審議をするような場合があれば、今の山口さんの御意図は非常に有利な表現ができると思いますが、予算委員会との合同審議という例はないように思います。食糧問題その他あなたの意図せられることの発言は、必ずなし得る機会が来ると思います。大体御意思はよくわかつております。ごもつともだと思います。たとえば地方議会で言えば、日程外の質問というのがありまして、全部をぶちまけて質問を許される機会がありますが、農林委員会には、今までの慣習から申しましても、日程外的な質問をする機会は少いようでございます。そういう意味で、委員会の運営によつて、そういう日程外の各般の質問が一ぺんにやつてしまえるようなチャンスが来れば、それも一つの考え方であると思いますので、ただいまの御発言の趣旨をよく翫味いたしまして、私もともに研究をして行きたいと思います。どうかこの程度で御満足を願います。
  25. 島村軍次

    島村政府委員 農林行政全体に対する御質疑につきましては、われわれも大いに御意見を拝聽する機会を得たいと存じてくるのであります。農林省の全体的な説明がないという御意見であつたようでありますが、これは従来の農林対策についての既往の問題は別といたしまして、農林行政に関しては、お手元に配付いたしました二十六年度予算案を中心として、その中に行政一般に関する施策の中心を現わしておるのでありまして、そのほかに不十分な点がありますれば、御質疑によつてお答えを申し上げるという建前を、従来もとつてつたようであります。ただ御指摘になりましたような各局予算というお話がありましたが、御承知の通り、農林行政は実に広汎でありまして、肥料の問題も重要であり、畜産も重要であり、農地関係も重要である。それが総合的に出まして、初めて農林全体の施策が現われて来るというような見方も私はあると思うのであります。答弁にならぬかもしれませんが、どうぞさように御了承を願いたいのであります。
  26. 山口武秀

    ○山口(武)委員 なるほど答弁になつておりません。そんな考え方はいけないんです。私は島村政務次官をけなすわけではないんですが、予等の決定というときになぜ大臣は来なかつたんですか。このことを聞きたい。
  27. 島村軍次

    島村政府委員 その当時のことはよく記憶いたしませんが、たまたま本委員会において予算の説明を申し上げる機会に、他の委員会か本会議に出ておりました。私も国会において大臣代理をいたしておりますので、私は大臣にかわつて代理としてやつたわけであります。
  28. 山口武秀

    ○山口(武)委員 なるほど大臣代理を勤めているかもしれません。しかしそういう場合には、やはり大臣代理より大臣が来た方がいいことがあるんです。はつきり申し上げておきます。今度大事なときには大臣に来てもらいたい。このことを強く要望して私の質疑を打切ります。
  29. 河野謙三

    河野(謙)委員 私遅刻してはなはだ済みませんでしたが、昨日政務次官に、えさの中のぬか類についての政府の指示があつたかどうかということを伺いました。ところがすでに私が来る前に指示があつた政務次官から御答弁があつたそうですが、今えさについての資料をもらいましたが、その中の二、三不明確な点をお尋ねします。  第五番目に、三月一日から四月三十日までに、三、四月の加工指令に基き生産したものにこれを適用するということがありますが、そうすると、この対策は三月、四月に暫定的にやつて、五月、六月以後のものについては、またおつてその時期になつて考えるということですか、どうですか、それを伺いたい。  それからさきに発表になりました豆かすとうもろこし、それと今回のふすま、麦ぬかに関する指示によりまして、実需団体にその六割をやるということになつておりますが、実需団体というのは一体どういうものか。ここに詳しく説明がありますけれども、なお私が伺いたのは、この実需団体には配合工場は入つているのか、入つていないのか。私の意見をつけ加えて申し上げれば、かねて申しますように、配合工場は入れるべきものではない、かように思います。それを私が主張します根拠は、議論よりも実際問題において、過日やりましたとうもろこし拂下げの場合の、七千トンの配合工場へのとうもろこしが、どういう値段で、どういうふうに処分されたかという実績は、農林省、特に畜産局は十分御存じのはずです。これは非常にたくさんの弊害を生んでおります。この事実をとらえても、配合工場等は当然実需団体とみなすべきものではないと同時に、かりにそういうような解釈をひねつてみましても、あの過去における拂下げによる弊害等を考えましたときに、今後当然農林省は、配給工場というものは問題のらち外に置くべきである、かように思いますが、これについての御見解を承りたい。最後になるほど一応政府措置によりまして価格はある程度安定すると思います。しかし何分にもまだ厳格な意味における価格統制ではないのでありまして、非常に不安定なものが残つておる。要は、根本は今後においてぬか類の供給をふやすことであります。これはアスピリン療法でありまして、栄養療法ではない。栄養療法としては、今後どうしても供給量をふやして、加工量をふやすことであります。食糧庁から加工課長さんがお見えになつておるようでありますが、アスピリン療法で価格の指示をされたと同時に、三月以降の食糧の加工についていかなる準備、対策がおできになつておるか伺いたい。
  30. 山根東明

    山根政府委員 適用期間の御質問に対しましては実は先ほど他の委員の方から同様な御質問がございましたので、お答えいたしましたが、暫定的に、三、四月の加工指令に基き生産したものにこれを適用するつもりでございます。さらに五月以降のものにつきましても、飼料の需給の状況とにらみ合せまして、こういう措置を継続することも考えなければならない場合もあろうかと考えております。  それから配合工場が前回の拂下げにあたつて、非常な弊害を流した大きな一つの要素であつたような御意見でございますが、その点につきしましては、実は私どもも前回の拂下げあとをたどるべく、いろいろ各方面からの要望を集めております。配給工場が特に大きな弊害を流したという結論も今日までのところ出ておりません。このたびのとうもろこし配給先につきましては、実需者団体と配合工場というような二つの線で流して行きたいという計画で作業をいたしております。それから今後の小麦加工計画につきましては、食糧庁から見えておりますので、そちらから答弁いたします。
  31. 大石碩

    ○大石説明員 お答え申し上げます。ただいま栄養的な加工計画を、というお話であつたのでありますが、最近の小麦粉の需要がきわめて減少いたして参りまして、九月、十月、十一、十二、一、二とかなり多量に小麦粉を生産して参つたのでありますが、最近の情勢では、十二月以降かなり滞貨を示して参りましたので、現在推算いたしてみますと、五月へ持ち越すものが七万トンを越えて来たわけであります。そのために、五月分一ばい需要分の加工をいたしましても、三、四月の加工計画といたしましては、製粉については製品換算では十万トン程度、原料換算では十二万五千トン程度しかやれないのではないかというふうに、ただいま計算を進めております。なお精麦につきましては、クーポンの関係もあつて非常に需要が伸びておりまして、前期一、二月分の加工指令に大体マッチいたしました、三、四月で二十万トン程度の加工は維持できるのではないかと考えております。
  32. 河野謙三

    河野(謙)委員 畜産局長の御答弁のうち、政府考え方に非常に間違つておることがあると思います。第一に、暫定的に三月、四月を考えて、もし五月に入つてその必要があれば延ばす、こういうような意見だとおつしやいましたが、これは非常に経済の動きの実体を知らない考え方である。そういう気持であるならば、一応三月以降目標通りにやつておいて、事情が許すときになつたら、五月でも六月でもはずせばいいのであつて、初めから暫定的に、はつきりと三月、四月とうたうことは、こういうことによつてえさの動き、物の動きはどうなるか、価格はどうなるか。あなたたちがねらつておるところの価格が、はたして指示価格通りに動くかどうかということについて、期限なしで発表したのと、期限をつけて二箇月と暫定できめたのと、どちらがいい反響があるかということは、私はいまさら申し上げるまでもない、非常にこれはまずい発表だと思います。そういうお気持であるなら、もし間に合うならば、発表の仕方を直すべきであると考えます。  もう一つ、今後の拂下げについて、配合工場と実需団体と両方にやるというのですが、一体どういう根拠で両方にやるのですか。実需団体と同じウエートにおいて配合工場を考えなければならぬという根拠を、私は伺いたい。今畜産局長は、過日のとうもろこし拂下げにおいて、かような弊害が起つたような報告を受けておらないと言われた。もし畜産局長が受けてないというなら、私はここで実例をあげてもいい。私は過日の委員会において、とうもろこしを七十五円で拂い下げたものが、一般の業者、特に糸へん、金へんの業者方面に百五十円、百六十円で売られておる、非常に弊害があるということを申しましたが、配合工場はそれでは七十五円、八十円で拂い下げたものを百円、百十円なりで売つておるか、絶対に売つていない。むしろその配合工場の中に含まれているところのとうもろこし価格というものは、百八十五円以上の価格に識り込んである。配合工場でありながら、農民のものであるというような顏をしているだけになお罪が深いと思う。これについて実例がない、また報告がないということならば、あすでもその具体的なことについてまた申し上げたいと思います。それと同時、配合工場と実需者団体とのウエートを同じに見ているということについて、その根拠をひとつ納得の行くようにお示しを願いたいと思います。
  33. 山根東明

    山根政府委員 私は実需者団体と配合工場と二つの線で流して行くということを申し上げたつもりでありまして、ウエートを同じに見ておるとは申さなかつたつもりであります。現に重点的に実需者団体に流す方針で配分を計算いたしておるのであります。それから配合工場に行つたものが末端はどういう価格で流れたかの実例を、おわかりでありましたならば、承りたいと思いますが、実は今度の場合は、そういう問題も考慮いたしまして、配合工場に売り渡す場合には、配合の計画なり、あるいはそれの販売先なり、販売価格等について、あらかじめ計画を聴取して、その厳守を誓約させるというふうな方法をとりまして、かりに前回にそういう弊害があつたといたしますれば、そういう点は、そういうことによつて防止して行きたいと考えております。
  34. 河野謙三

    河野(謙)委員 もう一点、畜産局と食糧庁と両方伺いますが、この指示要領の中に、販売先の実需者団体とはかようなものを言うということが列記してありますが、この中に配合工場が入つておりません。従つて六割を実需者団体に渡すというこの六割の中には、配合工場は入らないわけでありますね。もしこの配合工場にこれらのものをやるとすれば、業者はこの四割の範囲内からやる、こういうふうに解釈してよいかどうか。それからもう一つ、これはきようでなくともよろしゆうございます。先ほど私が栄養剤として、すなわち今後の加工量をふやさなければ、飼料の根本的対策は確立しないということを申しましたが、今の粉の事情からいつて、なかなかそうは行かぬということはよくわかりました。さればといつて私は、その御説明を聞いて納得するものではありません。従つて食糧庁の粉と、えさの方のふすま、麦ぬか等とをにらみ合せて、この両方が両立するようにするには、どういうふうな措置を今後とられるか、これをひとつ具体的に本委員会でお示しいただければ、たいへん幸いだと思います。
  35. 山根東明

    山根政府委員 売却先の実需者団体の定義的なことはここに書いてあります。配合工場がここに書いてあるものの中に入るか、あるいはそうでない四〇%に繰込むかということでございますが、その点は、ただいま河野委員がお考えになつておるような解釈でさしつかえないと思います。
  36. 千賀康治

    千賀委員長 この際横田委員に申し上げますが、食糧庁から見えておられますから、もう一ぺん簡單質問を許します。
  37. 横田甚太郎

    横田委員 その前に畜産局長にもう一言聞いておきますが、第一の実需者の中には、飼料業者は入つておるのですか。
  38. 山根東明

    山根政府委員 入つておりません。
  39. 横田甚太郎

    横田委員 それから先ほどの焼津農業協同組合に行つたとうもろこしの問題、これの数量が合わないのです。たしか飼料の小委員長の御説によりますと、ここに出ておりますとうもろこし二万五千トンは、この中の五千トンは輸入もので、二万トンは国内産だと言われておりますが、これで全部だと言われておりますが、去年のとうもろえしの輸入は全部で十万トンであつて、これはこの十万トンの中の五千トンであり、あと二万トンは別のもの、そうなつて来ますと、焼津に行つたものは、一体どこから出たかわけのわからない出所不明のとうもろこしになつて参りますので、政府は一体どういうような隠し方をしておるのかということを、ひとつ伺いたい。  それからふすまの問題、小麦歩どまりがよくなりましたね。高くなるとふすまの出が悪いから、ふすまが少くなる。その上対米比価が高かつた。それゆえ配給辞退がたくさん出て来て、麦を食うより米を食う方が安いということになると思うのですが、その結果ふすまの生産が多くなつたが少くなつたか。それからアメリカから入つて来ますところの小麦は、粒で来るのか粉で来るのか、また粒でどのくらい、粉でどのくらい入るのか、今後これはどういうふうにかわつて行くのか、その点をちよつと聞きたいと思います。
  40. 大石碩

    ○大石説明員 歩どまりの件につきましては、昨年の四月でありましたか、歩どまりの引下げがありまして、かなり製品をよくするという立場から、できるだけ白いものを出そうということで、歩どまりが下つたわけであります。それに伴いまして、実はふすまの生産は増加しております。それで昨年同期と比べましても、ふすまの生産は非常に上つてつておるわけであります。
  41. 横田甚太郎

    横田委員 どのくらい上つておりますか。ちよつと数字を——
  42. 大石碩

    ○大石説明員 具体的に申しますと、一昨年の九月から昨年の二月までと、昨年の九月から今年の二月までを比較したものでありますが、前年はふすまの生産量が十二万六千六百トン、本年度は二十三万一千五百トン、約十万トン程度の増産をいたしております。それから粒で入つて来るかということでございますが、全部粒で入つておりまして、紛で入つておるものは全然ございません。今後も入る見込みはないと考えております。ただ味の素の生産等で向うに返つて行くもの、加工貿易といいますか、そういうもので多少入ることはあると思いますが、これは微々たるものでありましてあとは全部原穀でございます。
  43. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 ちよつと政務次官に伺うのだが、今のふすまの問題で、これが今後とも飼料の方にまわすことが多いとするならば、この問題は、加工業者が値上りを見越して、みんな確保してしまい込んでおくということは、これはもうみな知つている通りである。これをなぜ加工の方で何か條件をつけて、その数量とにらみ合せて、必ずこれを何かの権力によつて出させる方法、そうして飼料を暴騰させたり、飼料関係を混乱させるようなことを防止する意味において、こぬかもそうであるが、特にこのふすま問題の解決はつかぬものか。その辺の見通しはどうなのです。加工課長の方でもいいけれども——一般の飼料問題の解決は非常によく行つておるのだが、今ふすまの問題がまだひつかかつておるようだが、政務次官の見通しはいかがですか。
  44. 島村軍次

    島村政府委員 御希望の点を参酌いたしまして、今回かような措置をとつたのでありまして、今後においても、できるだけこの方針にのつとつてやりたいという気持は持つておりますが、具体的の問題については、相当御希望もありますし、今後の見通しを十分内輪で検討を進めて、できるだけ努力いたしたいと思います。
  45. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 それは加工課の方でもやるつもりならやれるでしよう。監督しているのだから……。それを條件で原案麦を渡するいうことができそうなものだが、それは何かそういうところにやれないような事情でもあるものかどうか。その点はもうすでに御検討なされていると思うのだが、その具体的な事情が、もしやれなかつたら御答弁を願うし、やれるならばこれからただちに研究して、早く実現をしてもらいたい。
  46. 山根東明

    山根政府委員 実はお手元に資料が届いておると思いますが、そういう趣旨で、お話のように私どもの方で加工を委託しておるわけでありますから、その契約條項に基いて、さしあたり三四月の生産ふすまについては、販売価格、販売先等を指示いたすことに決定いたしました。
  47. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 そうすると、畜産局の方でも原麦で飼料にまわすようにとつたのか。畜産局で委託加工という意味か。そうでなく食糧庁の方で委託加工したものに対して、同じ農林省という頭の畜産局ということになるのですか。もう畜産局で飼料としてとつたのか、そこがはつきりしない。
  48. 島村軍次

    島村政府委員 元は加工課で取扱うわけでありますが、農林省で協議を進めまして、畜産局も加工課もともに同一方針で進むということで、畜産局長はただいま農林省を代表して答えた、さように御承知を願いたいと思います。
  49. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 そこで今混乱するのは、そこまで運んだならば、今しまい込んでおつたものをどういうわけで配給にひつぱり出す方法をとらないのか。三月、四月といつたつて、粉は余つてしようがなくて加工する原料にまごついているときには微々たるものだ。加工業者がしまい込んで出さぬでおつたものを、なぜここで手を入れぬかということだ。そこに一歩踏み込めば、相当に飼料関係解決がつく。それがやつかいだからかまわぬというようなことでは少し困るのだが、何か手を打てそうなものがあるのじやないか。どうです、その点は……。
  50. 大石碩

    ○大石説明員 実はわれわれもそういう点を心配いたしたのでありますが、幸いにして、加工協約には加工割当の停止または原料の削減という道がありますので、それを適用いたしまして、もしそのような売惜しみ等の事態が起りましたならば、さつそくそれを適用いたすつものでおります。それで加工工場といたしましては、現在のところ原料の停止または削減ということは、非常に重大な影響を及ぼしますので、業界自体も非常な自粛態勢を現在示しておりますし、業界自体におきましても、前からふすまの高値については、自分の心の中でもちよつと高過ぎるという気持を持つてつたところでありますので、この点につきましては、各業界ともいさぎよく罰則を受けるという気持で進んでおりますので、萬々こういう罰則的な考え方は起らないと思いますが、もしかの場合にはこれを適用して行きたいと考えます。
  51. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 ちよつと御答弁がわかぬところがある。あなたのおつしやることは、今後おやりになるということか、またこの点にも及ぼすということか、どつちかはつきりしない。今の罰則規定は……。今後そういう方針でおやりになるということか、今日前の、今持つておるふすまについても、もし隠匿している者があつて、売惜みをしている者があるならばその制裁を加えるということか、どつちですか。
  52. 大石碩

    ○大石説明員 ただいまの考え方は、三月一日から加工に入つたものについて考えたわけであります。いろいろそういつた現在隠匿した者があるかとも考えたのでありますが、大体売れておるようでありますので、三月一日から加工に入つたものに適用したいというわけであります。
  53. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 それだから、A後のものはすでにちやんと割当てて、それを必ず出すという制限をつけて配給するという畜産局長の答弁だから、それはそれでよろしい。しかし前のものを今しまい込んでおつたために、これが非常に混乱の原因になつておる。これに対してどうして手を打たぬかというお尋ねをしているのだ。それをあなたが三月以降のことを答弁したら、何も用の足りぬことだ。大体ないはずだというのはあなたばかりの話で、実際加工業者の方からいえば、相当の数量をしまい込んでおることがわかる。あなたの方で、今数量を持つている者は届出をせよと通牒を発して、届出てうそがあつた場合にはただちに制裁を加えるぞという書面を発したところが、こういう返事が来たというなら、少くとも納得ができる。それをやらぬでおつて、今後の——三月といつてもまだ三月にならぬじやないか。これから来ることにもやもやしておるぐらいではこれはだめだ。畜産局長は両方の協議をしたと言う。だめだよ。政務次官、だめですよ。前のことにさかのぼつて、今もぐつているものをはき出させる方法をとらなければものにならぬ。それをただちにおやりになる御意思があるかどうか。その点を御答弁願いたい。
  54. 河野謙三

    河野委員 答弁の前に、今のに関連して……。今小笠原さんの質問は非常に重点なのですが、問題は第五の適用期間の問題なのです。ここに三月一日から四月三十日までの三、四の加工指令に基き生産したものに限る——であるから、売惜しみをして今倉庫に一ぱい持つている人は適用範囲にならない。従つて売惜しえをした人が得をして、正直にどんどん流した人が損をする、こういう結果になる。もう一つは、今まで既契約の分——いかに三月一日からの生産分には適用するといつても、契約があつたと称して対抗された場合に、一体農林省はどういう準備をされるか、どういう手で対抗されるか。これもよく検討しておかなければならぬ。在庫でたくさん持つてつて売惜しみをした者は、條文によると適用の範囲にならない。これが一つ。それから先契約をして、三、四月の分までも売つてしまつたという契約書を見せられた場合には、農林省はどうするかということがはつきりしなければ、小笠原さんの言われた弊害は除去されない。この点を明確にしてもらいたい。
  55. 山根東明

    山根政府委員 すでに加工済みで在庫しておりますものを押えなければ、意味がないじやないかという御質問のようでありますが、この点につきましては、ただいまの決定は、先ほど申しましたように三、四月の加工指令のものということに限定して考えて参つたのでありますが、在庫量等もある程度わかつてもおりますし、さらに調査をいたしまして、在庫量のいかんによつて善処いたしたいと考えます。
  56. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 どうも政府委員の答弁はぼくは気に食わない。善処ということは一体どういうことなんだ。数量があれば善処するというが、これに対して徹底的に取調べて、惜しんでおるものをどんどん出させるのだとか何とかいうように……。昔から善処くらい間違うものはない。そういうくせはやめなさい。ほんとうのことを答弁しなければだめだ。
  57. 山根東明

    山根政府委員 善処とぼかしたようでありますが、実はかねて製粉クラブ、これは製粉工場の団体でございますが、これといろいろ出荷の問題については話合いを進めて来たのであります。当時から、工場側としては極力協力するという話を実はして来ておるのであります。そういうようないきさつから考えまして、私の申し上げましたときの気持といたしましては、在庫がはつきりいたしますれば、このたびの決定は三、四月ということで決定をしておりますけれども、既在庫のものにつきましても、製粉工場との協議によつて、同じような措置がとられるのじやないかという気持が実はいたしておるのでありますので、さようなお答えを申し上げたのでありますから、御了承願います。
  58. 小笠原八十美

    ○小笠原委員 それだから善処ということはあいまいだと私は申し上げる。商人相手にして、そんななまぬるいことで、協議するなんて、商人は倍になるものを半分に協力するなんて、それを協議するなんてことができますか。それはだめなんだ。今ある在庫品を出すことに協力せい、もし協力しないものは、これから配給に対してこちらは十分警戒しなければならない。これに対しては十分にこちらの方では考えがあるくらいの通知をしなければ、動物はどうする、動物の方は、ますますこれは問題は悪化して来て、乳・肉・卵の暴騰にまつしかしかたがなくなる。これは全部が国民が迷惑するのですから、少しくらいこれに対しては手を打つてもよいのだから、今その手を打たないでやるなどというのは、えらいもうけてあとから、三月からなんて、原麦もろくすつぽ配給もないときに、厳罰に処するといつてもそんなことはだめだ。これは持つておるものに問題がある。相当にある。それを、君のところでは相当持つておるそうだ、協力してくれなといつたつて、はいはいと承知してくれるか。それをあなたは考慮するなんてそれに対して考えろと言うたつてだめだ。何かよい方法で法的な根拠がなかつたら、問題の原麦配給に対し、押えるとか何とかやらなければだめだ。生きたものを殺す手はない。国民に迷惑をかける手はないのだから、政務次官、ひとつつてください。
  59. 島村軍次

    島村政府委員 私も実はしろうとでよく存じませんが、そこで既往の契約はやはり自由になつおるようです。だからつつ込めば、あなたのお話のように、今持つておるから出せと言つても法律的に解決せぬ。そこで善処という言葉は、畜産局長も申したように、あとの原麦を持つておるのですから、だからひとつその辺は押のけがきくということはお話通りであります。これは国会の答弁になるかならぬかしれませんけれども、そういう内容にあるわけですから、ひとつお話はよくわかりましたから、帰りましたら食糧長官と協議してみます。     —————————————
  60. 千賀康治

    千賀委員長 次にこれより農業委員会法案を議題として審議を進めます。本日より質疑に入ります。通告がありますのでこれを許します。山口武秀君。
  61. 山口武秀

    ○山口(武)委員 この法律案はきわめて重大な法律案でありまして、おそらく農業経済農家経済のほとんど全部はこれに関係を持つておると思うのでありまして、私十分な質疑をしたいのでありますが、本会議の予算の採決があると思いますので、一点だけとりあえずお聞きしておきたいと思います。実はこの法案の中にあります農地の問題でありますが、これは農林次官から昨年十一月七日附で、「自作農創設時別措置法第十三條の規定による未墾地等の買収又は使用の対価等に関する件」、という通牒が出ておるのであります。ところがこの通牒の中におきましてこいう項目があるのであります。「自作農創設特別措置法第三十條の規定による買収又は使用をするため昭和二十五年七月三十日までに買收計画の、公告のあつた土地、物件又は権利の対価は従前の価格とすること」。こうなつておるのであります。ところがその後になりまして、昨年の十二月十八日に、農地局長からやはり通牒が来ておるのであります。それによりますと、この前の告知のあつたということがかえられまして、「昭和二十五年七月三十日までに買収計画の承認を行い爾後買収令書の交付が遅れているものについては、旧価格のまま買収令書の交付を行えるよう措置した規定である」。このようになつておりまして、ここに違いがあるのであります。次官の通牒と局長の指示が食い違つておりまするので、この点はどうなつておるのか。特に農地問題、あるいはこの法案を通じて、土地開放の打切りが行われるのだというような意向がきわめて高いときに、この点に対して明確にしていただきたい。
  62. 島村軍次

    島村政府委員 取調べまして、この次の委員会はつきりお答えを申し上げます。
  63. 川西清

    ○川西委員 農業委員会法案について簡單にお尋ねしたいと思います。提案理由の説明中に、この委員会は農村における自作層、小作層の意見が公平に代表し得るように、原則とし階層選挙によるものとし、と説明されたのでありますが、農業委員会提案に伴う参考資料の十四ページにもございますように、一号は一七・二%、二号は八二・八%であります。これが十名と五名、不公平ではないか。非常に不公平に代表されておるのでありますが、これつきまして、どういうふうなお考えでありますか。
  64. 藤田巖

    ○藤田政府委員 御指摘の通り、全体の農家の区分から申しますると、自作層一号に該当いたしますものは全体の一七・二%であります。しかしながら委員を選出し得る比率は、三分の一といたしております。これが不公平ではないかということであろうと思いますが、考え方といたしましては、やはり小作層の意見は、あくまでも考え方から申せば、弱い立場にあると考えるのであります。従つて比率においてはこれを尊重して行く、こういうふうなことによつて、その意見が反映して来るというような考え方で、選出委員の数については、特に考慮をいたしました。
  65. 川西清

    ○川西委員 私の考えでは、この経営面積の広狭によつて強弱の差はありましても、現在の実情は、農村におきまして自作、小作ということにおいて強弱の差はほとんどあり得ないと思う。ことさらこのような区分をいたしますことは、農村の一体化を撹乱いたしまして、現在こういう必要性は全然ないものと考えますが、この点さらに御考慮願いたい。  それからこの法文中に全層選挙を行う村があるように見えておりますが、これは全体から見れば、どのくらいの割合になりますか。
  66. 藤田巖

    ○藤田政府委員 おそらく第一問の御趣旨は、現在の農村においては、すでにかかる対立関係はほとんどないのだから、階層別の選挙をとる必要はないというふうな御意見であろうと考えます。これはこの法案いろいろ研究いたします過程におきましても、さような意見も十分出たわけであります。しかしながら農地改革も進んでいるとは申しながら、まだ相当部分残つておりますし、今後の農業委員会といたしましても、やはり農地の問題は基本的な事項でございますので、いろいろなことを考えました結果、従来より簡單にはいたしておりますが、やはり階層別という建前をとつたわけであります。  第二間の全層選挙をいたし得る場合の規定も書いてございますが、それは大体全村の一七・五%が、これで申しますと全層選挙をなし得る場合に該当するというふうに考えております。その資料はお配りをいたしてございまして、一五ページに載つております。
  67. 川西清

    ○川西委員 やはり官僚の方で飛躍的な考えをされない方は、前との続きでそういうふうにお考えになるかもわかりませんが、私どもの考えとしては、今の説明では納得が行きません。依然として階層別は必要でないと思います。その階層別も自作、小作というはつきりしたものならばまだ納得が行きますが、こういうふうに現在の一号、二号というような漠然とした、ぼんやりとしたわけ方では、よけいに不合理だというふうに考えるのであります。これはとくともう一度考え直していただきたいと思います。別にお答えはいりません。それから地方委員会でありますが、この地方委員会は、法文ではわかりませんが、大体各町村から二名ずつまたは一名ずつ出るのですか。これはどういうことを予想されているのでありますか。郡單位でありますか。地方事務所單位でありますか。
  68. 藤田巖

    ○藤田政府委員 今度の案では、系統としては、市町村の段階と都道府県の段階とその二つ考えております。従つて従来農業調整関係でございました地方の段階のものは、系統のものとしては、今回はそれを考えてはおりませんが、三十七條という規定がございまして、市町村農業委員会代表者会議ということを考えております。これは農業委員会が、今後計画を立て、あるいは諮問に応ずる、あるいは建議をするというような場合に、当然この都道府県以下の段階において、それを單位としての計画を立て、また考慮すべき事項はやはりあると考えます。ことに農業調整関係の仕事なんかについては、その必要があると思います。さような場合に、この市町村の農業委員会代表者会議というものを活用して行きたいと思つております。それでこれは市町村の農業委員会から何名出すかということは、法律的には明示をいたしておりません。従いまして、これは都道府県知事が別途その地方々々で具体的にきめればさしつかえないと思います。たとえば極端に申せば、一名にきめよう、あるいは二名にきめようというふうなことは、その地方々々の都道府県知事が、都道府県農業委員会意見を聞いてきめる、かようなことにしてさつかえないと思つております。それからなお郡の段階においても、ことは、法律に書いてありませんが、これもおのずと地方心々の実情によつて都道府県知事にまかされていて、自由にきめて行くということでさしつかえないと思います。
  69. 川西清

    ○川西委員 この供出関係で、郡の委員会と申しますか、地方委員会会が最も重要であると思うのでありますが、今の御説明のように、各町村から一名ないし二名ということで、いずれにいたしましても大体平均した数字で出るわけでありますからこれは地域代表的なものです。この地方委員会は地域的代表で、都道府県委員会及び市町村の委員会は階層別代表である。そこへ地域代表が一つまん中にぽかつと入つておるので、農業委員会というのは、いかにも性格の違うものを三つ並べたわけで、いかにもふかしぎである。この意味からも階層別ということは、非常に異様に感ずるのでありますが、この点どういうふうに思いますか。
  70. 藤田巖

    ○藤田政府委員 市町村と都道府県農業委員会は、先ほど申しましたように、その基本的な仕事として、やはり農地改革の仕事が残つておりまして、これをやらなければならぬと考えております。しかしながら従来も農地委員会については、いわゆる郡段階のものはございません。それから御指摘のございました供出関係、こういうふうなものが、この代表者会議の重要な事項であろうと思つております。従つてさような意味で、農業調整関係の従来の仕事というふうな関係でございますので、いわゆる農地関係の仕事ではございません。代表者会議については、地域代表と申しますか、そういうふうなことでさしつかえない、階層別の考慮はしなくてもさしつかえない、かように思いました。
  71. 川西清

    ○川西委員 説明されたことは、わかつておりますけれども、そういうふうな性格の全然違うものを農業委員会として並べて、同じ名前の農業委員会としてしまうことは、いかにも不自然であるとお考えならないのでありますか。これだけが地域代表、あとは階層別にいたしますことは、まことに不可思議千万であると考える次第であります。  それから他の点になりますが、この農業委員会は、農民代表機関というような一般農林行政に反映させるところの機関という性格を持つて来ることになるのでありまするが、農村におきましては、市町村会の任務とはなはだ近似して参りまして、その間の調節が非常に必要であろうと思うのでありますが、その点どういうふうにお考えになつておりますか。
  72. 藤田巖

    ○藤田政府委員 第一点は、先ほど御説明をいたしました通り、また三十七條をお読みいただくとわかると思いますが、特に「当該区域に係る第七條條三項又は第二十五條第三項に掲げる事項で都道府県農業委員会が必要と認めるものについて調査審議し、」こういうようにいたしております。それで第七條の三項はいわゆる総合計画農業計画の部分でございます。農地関係の仕事は一項及び第二項でございます。さような意味からわれわれとしては特に階層別の委員の選び方をする必要もない、その審議する事項が農地関係の事項でございませんので、必要がないというふうに考えたわけであります。それから次の市町村の事務との関係でございますが、この農業委員会は農民から選びました委員による農民を代表する機関である、あくまでも地方行政事務が円滑に運営されて行くことに協力をして行く、かような団体と考えております。また自主的な計画を立て、それを地方行政事務の上に反映をして行く、かような機構と考えております。従いまして、それについてはあくまでも市町村長の諮問に対し答申をする、あるいは建議する。こういうふうな建前で、あくまでも協力的な団体として進めるというふうな建前をとつております。従つてこれの意見を市町村長が十分に取入れて、それを正式に決定いたします場合は、もちろん市町村会の議に付すべきものはこれに付して決定する。そうしてまたこれが実施については、この農業委員会協力をして行く、かような協力関係でいたして行くというふうに考えておりますので、市町村と農業委員会の問題というものは、その分界をはつきりいたしますれば、あえて混淆するものではないと思います。
  73. 千賀康治

    千賀委員長 お諮りいたします。川西委員の御質疑はまだ途中であると思いますが、本会議の関係がありますので、残余の質疑は次会に留保いたしまして、本日はこれをもつて散会することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 千賀康治

    千賀委員長 異議なしと認めます。散会いたします。     午後三時五十五分散会