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1951-02-13 第10回国会 衆議院 農林委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月十三日(火曜日)     午前十一時十一分開議  出席委員    委員長 千賀 康治君    理事 中垣 國男君 理事 野原 正勝君       宇野秀次郎君    小淵 光平君       川西  清君    河野 謙三君       中馬 辰猪君    八木 一郎君       大森 玉木君    金子與重郎君       山口 武秀君    横田甚太郎君  出席政府委員         農林政務次官  島村 軍次君         農林事務官         (農政局長)  藤田  巖君         経済安定事務官         (産業局次長) 前谷 重夫君         経済安定事務官         (物価庁第三部         長)      川上 為治君  委員外出席者         大蔵事務官         (管財局公団清         算室長)    阿部 達一君         通商産業事務官         (通商化学局化         学肥料部長)  柿手 操六君         肥料配給公団清         算事務所業務局         長       宇田 稻夫君         專  門  員 難波 理平君         專  門  員 岩隈  博君         專  門  員 藤井  信君     ————————————— 本日の会議に付した事件  農業災害補償法第十二條第三項の規定適用を  除外する法律の一部を改正する法律案内閣提  出第三四号)  肥料に関する件     —————————————
  2. 千賀康治

    千賀委員長 これより農業委員会を開会いたします。  ただいまより内閣提出農業災害補償法第十二條第三項の規定適用を除外する法律の一部を改正する法律案議題といたし審議に入ります。  まず本案の趣旨について政府説明を求めます。島村政務次官。     —————————————
  3. 島村軍次

    島村政府委員 ただいま上程になりました農業災害補償法第十二條第三項の規定適用を除外する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由説明申し上げます。  この法律案の内容は、農業災害補償法第十二條によりますと、食糧管理特別会計は、水稻陸稻、麦の農作物共済共済掛金の一部を農業共済保險特別会計に繰入れて負担いたしますとともに、この負担金食糧売渡価格の中に織り込みまして、消費者に負担させるように定めているのでありますが、これに対する臨時措置として、農業災害補償法第十二條第三項の規定適用を除外する法律を制定いたし、とりあえず昭和二十三・二十四・二十五の三年度における食糧管理特別会計負担金消費者価格に織り込まなかつたのでありまして、昭和二十六年度におきましても、家計費への影響等を考慮いたし、これと同様の措置を講じたいのであります。しかして食糧管理特別会計昭和二十六年度における負担金四十一億六千百六十四万五千円の財源につきましては、一般会計からの繰入金によることといたし、これに伴う予算並びに法律案は、この法律案と並行して今国会に提案されているのであります。  以上の通りでありまして、どうか愼重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことを切望いたす次第であります。簡單に説明を申し上げます。
  4. 千賀康治

    千賀委員長 本案に対する質疑次会よりこれを行うことといたします。     —————————————
  5. 千賀康治

    千賀委員長 これより肥料に関する件を議題といたします。質疑の通告がありますので、これを許します。河野委員
  6. 河野謙三

    河野(謙)委員 まず委員長に私から希望を申し上げます。本日のこの問題につきまして、大蔵省安本通産農林関係当局出席をしてもらうよう手続がとつてあつたはずであります。しかるにいまだに大蔵省見えない、通産省は今お見えになりましたが、全部おそろいになつておらぬ。こういうことについては、一体どうなつているのですか。ひとつ委員長から手続がとつてあつたかどうか、あつても、しかも出て来ないのか、それをひとつ私は伺つておきたいと思います。
  7. 千賀康治

    千賀委員長 手続はもちろんとつてあります。ただいま出席せられた方も、手続があつたから出られたのでありますが、ただいま大蔵省関係だけがまだ出席がございません。安本は、物価庁は出ておりますが、産業局長が出ておらぬのであります。いずれこれは出席されると思いますが、農林省及び通産省化学肥料部長物価庁の第三部長、現在これだけの出席がありますので、まずこれらからひとつ質疑を始めていただきたいと思います。
  8. 河野謙三

    河野(謙)委員 今後必ず定刻に関係当局出席するように、ひとつ厳重にこの機会に警告を発していただきたいということを、お願いいたしまして、出席されている関係の各位に質問したいと思います。  まず第一に申し上げておきますが、肥料の問題につきましては、昨年の春以来本委員会は、今日の事態を予想して、しばしば適正なる忠告、勧告、指導を政府に與えて来たのであります。しかるに政府は、極端に言えば何らなすところなく、今日の事態に追い込んだのでありまして、この責任はあげて政府にあります。従いまして、本日この段階におきましては、これからお尋ねすることにつきましては、きわめて明確に、具体的に、率直にひとつお答え願いたい。目下案を練つておりますとか、目下考慮中でありますとかいうようなおざなりの答弁では満足もできませんし、またさよう事態でないことは、政府事局もよく御存じのはずでありますから、この機会質問に入る前に、特に私は政府希望しておきます。  まず第一にお尋ねしたいのは、昨年の七月に肥料公団を廃止する、肥料統制撤廃するということで、各党一致してこの撤廃には賛成したのであります。しかしわれわれ本委員会といたしましては、特に衆議院におきまして、各党一致してこの統制撤廃に賛成したそのいきさつは、御存じように、政府統制撤廃しても、必ずしもまつたく手放し自由経済自由取引肥料を置いて、よいということは、その当時からだれも言つていない。この肥料公団の廃止と同時に、それにかわるべき肥料需給調整をやらなければならぬということを、しばしば希望してあります。しかるに今日までほとんどこれについて何らなすところなく、いたずらに手放し自由取引を認めているということにつきましては、本委員会の意思とも違いますし、政府のその当時われわれに約束された言明とも違つております。つきましては、この肥料について、今後相かわらずどこまでも手放しの自由で、一般雑貨と同じような自由な取引で進むつもりか、それとも速急に需給調整をやるつもりか、これについて政務次官の御見解を伺いたいと思います。
  9. 島村軍次

    島村政府委員 当委員会の熱心なる御希望の点及びこれに関する強き御要望に対しましては、政府といたしましてよく承知いたしておるところであります。農民の立場から申しましても、今日の事態になりましたことは、まことに遺憾に存ぜられますとともに、これに対して何らかの措置をとるべきであるという御意見に対しては、まつたく同感であります。問題は、需給調整方法をいかにするかということにかかると思うのであります。率直に申し上げますと、政府の方でもいろいろ案を練つておりますが、こと予算関係を持ち、かつ一旦統制をはずしました今日におきましては、価格の面、あるいは数量の面の取扱いが、なかなか政府の考えるように参らぬという現状にありますので、河野議員と同様に焦慮をいたしておりますけれども、遺憾ながらまだ成案を得るに至つておりません。しかし早急に成案を得るべく努力を重ねております。あるいはおしかりを受けるかもしれませんけれども、具体的な問題に対しまして、本日この委員会においてはつきり申し上げる段階に至つておりませんことは、まことに遺憾に存ずるところであります。
  10. 河野謙三

    河野(謙)委員 私はかような御答弁があると思うから、前もつて申し上げておいたのです。案を練つておるというような話は、もう半年も前から聞いておる。今に今にと言つておるうちに死んでしまつた人がある。死なないうちにやつてもらいたい。すでに肥料行政は行き詰まつておる。しかしここでこの機会政務次官に具体的に返答をいただきたいと言つても、用意がなければしかたがありません。しかし少くとも急速にその案を示していただきたいということを申し上げておきまして、次の問題に移ります。  需給調整法ようなものは、まだ具体的にはできない。しかし現在の段階におきましては、政府が持つております手持ち肥料によつて需給調整役目は十分達成できる。そこで私は物価庁に伺いますが、政府公団を廃したからといつて、決して、肥料をまつたく手放しの自由の取扱いにまかせる意図はないのだ。どこまでも価格に一定の標準をきめて、そうして農民経済の支障のないようにするのだという意図のあることは間違いない。現に他の公団と違いまして、肥料公団だけは特に清算を一箇年延ばした。他の公団は半年でやめるものを一箇年延ばした。そうして肥料手持ちが八十万トンあります。この八十万トンの手持ちによつて、昨年の秋から今年の春までの肥料価格をコントロールして行こうということが政府意図であることは間違いない。しかるに最近の公団肥料放出は必ずしもそうではない。御承知ように、この間の政府肥料放出によつて価格が十五円、二十円上つたという事実は、あなたのお手元に届いておる市況調査によつて、十分おわかりのはずだ。結果においては、政府手持ち肥料によつて政府みずから肥料市価をあおつておる。政府みずからの責任において肥料市価を上げた、こういう結果になつておる。まだ公団肥料は五十万トン近くあると私は思う。今後、過去において間違つたようなああいう放出を継続されることは非常に困る。一体今後の肥料放出について、いかなる準備を持つておられるか。放出の形式について、今までのようなああいう一般入札の方式をとつて、そうして糸へんや金へんの金持ち連中のおもちやにされるようなことを、今後繰返されるつもりか、どうか、これに対していかなる是正対策を持つておられるか、これをひとつ伺いたいと思います。
  11. 川上為治

    川上政府委員 公団手持ち肥料放出によりまして、一般市価が高騰しないようにということは、従来からの私ども方針でありまして、私どもの方としましては、公団放出するその価格につきましては、きわめて関心を持つておるのでありますが、最近におきまして、この前、放出しましたものが相当市価を引上げておるどいうことでありますれば、今後におきましては、絶対にそういうことのないように、むしろ公団手持ちのものが一般市価を調節するよう役目を果すようにしたいと考えております。ただその放出やり方等につきましては、これは価格の問題でありますが、その他の問題につきましては大蔵省の問題でありますので、大蔵省の方に対しましても、私どもの方としては、いたずらに市価をつり上げるということがないように、市価を調節するようにやつてもらうように交渉したいと考えております。
  12. 河野謙三

    河野(謙)委員 今第三部長は、公団放出によつて市価を上げたようなことがあつたとすれば、というふうなことを言われましたが、あつたんですよ。あなたの手元に行つておるはずだ。先月の末に公団放出をやつた。公団放出についての最高価格決定は先月の十九日か二十日にきまつた。それがすぐに消費者の方面に移つて最高価格の置きどころが悪いために上つたのです。これは仮定の話ではない、私よりもあなたの手元の方に先にわかつておるはずだ。少くとも先月のあの放出によつてつた点だけは、はつきりと是正してもらいたい。大蔵省は今見えませんから、私は特にあなたに大蔵省の方にも連絡していただくことを希望するわけであります。  ついでに私ちよつとここで伺いますか、これは暴利取締り解釈になりますが、過日も本委員会で、えさの問題で決議をして、政府に要望したのですが、御承知ように、最近のふすま、麦ねか、米ぬか、これは非常に暴騰しております。ところがこれは御存じように、あの食管の指定工場加工賃をきめる場合に、ふすまは幾らであるべきだ、麦ぬかは幾らであるべきだ、米ぬか幾らであるべきだという価格がそれぞれきまつておる。これは指示価格的のものなのです。一方において指示価格がある。その指示価格を二倍も三倍も上まわつてつておる。米ぬかで二百六十円か二百七十円で売るべき性質のものが、今七百五十円しておる。ふすまが七百円しておる。麦ぬかが四百円もしておる。いずれもこれは政府加工賃をきめる場合の予定価格の二倍、三倍、四倍になつておる。こういうものは当然暴利対象になると思いますが、その解釈を私はひとつ伺いたい。もう一つ申し上げますと、あなたの直接のかかりではないかもしれないが、肥料の場合も同じです。燐鉱石補給金をきめる場合には、過燐酸はそれによつて幾らであるべきだという価格があつて初めて補給金がきまる。過燐酸予定価格があり、それによつ、補給金をきめる。ところが、補給金は現に出しておる。過燐酸価格はその予定価格よりもさらに上つたという場合には、これは当然暴利だと私は思う。それに関し、暴利解釈について伺いたい。
  13. 千賀康治

    千賀委員長 河野君に申し上げますが、阿部管財局公団清算室長肥料配給公団清算事務官宇田業務局長の両君がさらに出席いたしました。
  14. 川上為治

    川上政府委員 米ぬかというものが、最近におきましては、従来の統制されておりました価格よりも倍、あるいはそれ以上になつておるのを暴利と見るかという問題でありますが、その点につきましては、少くとも適当な利潤以上に、今申し上げました二倍もあるいは二倍以上も、とにかく非常に利益をとつて販売しておるということでありますれば、それはいわゆる暴利としての対象にもちろんなると考えられますけれども、ただその場合に、ただちに暴利取締令を発動してこれを押えるかどうかという問題につきましては、全体の経済情勢から見ましてやるべきではないか。あるいはそれが、一般国民なりあるいは農民なりに対して、非常に悪い影響を持つておりますれば、そういう考えで取締りを行うということになると考えられます。
  15. 河野謙三

    河野(謙)委員 そこで私は政務次官に伺いたい。今の暴利解釈については、物価庁も私と同じ見解だ。これは見解が違うはずがない。そうすると食糧庁で、米ぬかなり麦ぬかなり、これらの精麦、製粉工場指定工場としても、これらの工場はただ委託加工をしているだけだ、加工工場だ。ただ加工賃をきめる場合に、ふすまが幾ら、麦ぬかが幾らと、その当時の市価を想定してこれを押えて加工賃をきめている。ところが今はその当時よりも二倍も三倍も上つている。これは今の物価庁解釈ように、確かに暴利によつて解釈はできるが、農林省は今後これをこのままほうつておくつもりかどうか、それともすぐにそれをやろうと言われるのかどうか、これを私は伺いたい。御承知ように、あなたの方の来年度の畜産予算というものは、すずめの涙みたようなものだ。いかに有畜農業の奨励だとか何とかいつても、あの程度研究費補助費を出したところで、そんなものは問題にならない。もつと適切な、有効な方法は、えさを適正な価格でやることだ。これについては、農林省の方でも、もう腕組みをして見ている時期ではない。これについての解釈一つ伺いたい。  それからこれは肥料の問題に関係があるが、肥料の問題も、燐鉱石には補給金がついている。従つて燐酸予定価格がある。補給金がついている。肥料予定価格以上になつた場合に、これまたえさと同様に、農林省は一日もほうつておけない問題だと思うが、これを関係各官庁と連絡して、すみやかに措置をとるかどうか、これを伺いたい。
  16. 島村軍次

    島村政府委員 米ぬかその他飼料用のものが相当上つておりますことは、お話しの通りであります。私見でありますが、私の田舎における実例を申し上げますと、肥料なり飼料につきましては、あるいは再統制であるとか、あるいは歳入が不十分であるとかいうような点で、一般的にお互いにつり上げたような感じがいたしております。これは河野議員もお認めになるだろうと思うのであります。そこで問題は、現実にある暴利取締りをどうするかという問題も重要な問題でありますが、農林省といたしましては、数量的にさような不安を取去るということを主体に置きまして、飼料の問題につきましても、関係当局、すなわち畜産局及び食糧庁等十分協議を進めまして、手持ちのものをなるべく放出する、手持ち以外のものについては、できるだけこれを確保する方法を考える。その大きな問題になるところは、すなわち輸入飼料を確保するということであると思うのでありまして、従来からありました輸入予定をできるだけ促進いたすことを、今せつかくつておるのであります。ある程度のものは、これの実現を期する見込みのものもできたようでありますが、もう一つは、飼料需給調整の意味から、現在の食糧庁で持つておりまするものを、なるべく早く放出するということであると思うのでありまして、この点に対しましても、畜産局及び食糧庁と、具体的な各項目について取上げまして、それぞれの手段方法を早急にやつているわけであります。少しずれがありまして、おしかりを受けるような点も相当あろうと思うのでありますが、さような考え方で今進んでおるのであります。従いまして、暴利取締りの問題については、解釈上はもちろんそうであろうと思います。そこでこれを適するかどうかという問題になりますと、時期の問題としてはなお考えなければならぬ問題であると同時に、この暴利取締りをやるということに対しても、一般市場価格を引下げるかどうかという点に考え及びますと、必ずしもさようにも需給関係で行かないという問題もあると思うのであります。数量確保という問題を主体に置きまして、その施策を強力に推進いたしたいという念願を持つて、目下それぞれ具体的な問題を取上げてやりつつあるということに御了承願いたいと思います。
  17. 河野謙三

    河野(謙)委員 通産大臣なり通産政務次官の御答弁ならばそれで満足しますけれども、まつたく努力もせず、才能も何もなくて、ただ指定工場なつたというだけで自然にもうかつて行く、暴利をとるというものについて、もう少し考慮するとか、もう少し研究するとかいうことでは、今の農村経済を十分御承知政務次官の御答弁にしては、私はきわめて不満であります。あなたの知つている範囲でよいから、もう少し真劍に答えてください。要するに、あなたに勇敢性があればよろしい。問題ははつきりわかつている。解釈はつきりしている。やらなければならぬが、やるかということは要するにあなたの決意一つだ。政務次官は、農村経済については、私より以上に十分知つているはずだ。農村団体のことにも関係されたあなたであるから、もう少し勇敢にやつてもらいたいと思う。あなたが今おつしやつたように、仮需要によつて物価が上つている。えさにしても、肥料にしても——特に肥料のごときは、物があるけれども農民が盛んに先のものをとるから上るのだということがわかつている。ある物が上るということは、見ようによれば、政府国民に対して信頼がないからだ。ある物が上る、需給関係は完全に見合つているのに農民が不要を持つ、国民一般が買い、だめをするということは、政府信頼がないからだ。これは與党といえども私ははつきり言う。もちろんそういう現象によつて物が上つているのでありますけれども、今現に、そういうようなことで加工賃をきめたときには、かくかくの値段で売るべきであるという値段が当然ある。ふすまなり、麦ぬかなり、米ぬかは、その値段で指示して、指示価格で売らせるべきである。もしその値段で売らなければ、暴利取締令によつて取締るということを、政府はやらなければいかぬと思う。私はくどくど申しませんから、どうぞ政務次官、この問題については、農村のために真劍にやつてもらいたい。政務次官通産大臣通産政務次官ではないのだから、勇敢にやつてもらいたいということを希望します。  今大蔵省の方が見えましたが、大蔵省への質問が落ちていましたから一つお尋ねします。肥料清算公団が持つている肥料について、先ほどあなた、がお見えになる前にも言つたのですが、大蔵省ではいたずらに国庫收入をあげることについてのみ汲々としていて、肥料特殊性一つも考えていない。そこで第一に伺い点は、肥料清算公団における收支であるが、これを聞かしてもらいたい。聞くところによると、十数億もうけておるということであるが、なるほどその金は国庫に入るでありましよう。しかし肥料はさよう性質のものではない。大蔵省御存じのはずであります。肥料清算公団の性格は、これによつて肥料価格を調節して行くのが使命である。この使命を達する以外に何ものもない。極端に言えば、この手持ち肥料によつて肥料市価の安定のために赤字が出ても私は議会といえどもそれは十分承認すると思う。またそういう赤字が出ても堂々たるものであります。しかるにこれによつて農民からできるだけ搾取して、ほかの一般管財と同じように、できるだけ利益をあげようというようなことは、まつたく間違つております。しかし私がかように申し上げましても、君と見解が違うと言うならば、あなたの方の見解を教えてもらいたい。過日の放出のごときは何です。あなたの方の放出によつて肥料市価上つたじやないか。根本問題として、一般雑貨と同じように、一般政府手持ち管財と同じように、何でも利益をあげればよいのだという方針にかわりがないのか。それとも肥料需給調整使命を帯びた公団手持ち肥料だから、これによつて市価の安定をさせるのだという目的であなたの方はやつておられるか、その心構えを承りたい。
  18. 阿部達一

    阿部説明員 お答えいたします。清算中のの公団收支数字を持つておりませんので、数字についてはお答えいたしかねることは申訳ありませんが、放出の問題につきましては、私ども放出いたしますときの時期、数量等は、農林省安本等の御意見に従いまして数量、時期というものをきめているわけであります。値段については、すでにそのときに放出もございましたが、その以前においても数回入札等も行ております。随意契約等でやつて来た実例もあるのでございますが、私どもの方の価格決定についても、常に市場価格というものを中心といたしまして、それに一応順応して行く。著しい高騰の場合につきましては、公団手持ちでもし好影響を與え得るならば幸甚でありますので、そういつた点ももちろん考慮しております。カリあるいは過燐酸等については、一昨年の十二月七割アツプの線で押えられているわけであります。現在硫安、石灰窒素等においても、公団放出価格は、それからいたしますと、大体六割アツプ程度の線になつております。過燐酸は大体天井に参つているように考えております。それから値段の問題でありますが、繰返えすようでございますが、私どもはただもうけようということは考えておりません。先般の最高販売価格がきまりました際においても、大体十二月中における市場の相場というものを考えてきめておりまして、あれはどこまでも最高販売価格でございまして、公団入札に出します場合は、それよりも下の線に入札予定価格というものを設定しているわけでございますので、物によつて最高販売価格を突破いたしました物が相当あつたわけでございますが、やはり最高価格まで行かずに落札しているような物もあるわけでございます。
  19. 河野謙三

    河野(謙)委員 その最高価格のきめ方が悪い。あなたの方はあやまちを犯したあとですから、今は反省されているだろうと思うが、この間は運賃を含めた最高価格をきめたが、落札したのは運賃を度外視してオンレールの価格だけで、ほぼ一ぱいのところでやつた。だから運賃の出どころがない。商人でありますから、買つた物はどこかで取返す。必ず農民からとる。これは行き過ぎだ。もう今からでは間に合いませんが、今後においてはあんなあいまいな最高価格でおやりにならないと思いますが、念のために私は申し上げますが、この次の放出の場合には、最高価格のきめ方をもつとオンレールの工場渡しの価格に逆算して、明確な最高価格をお出しになるかどうか。  もう一つ市価々々とおつしやいますけれども、その市価に盲従して行くというのは、必ずしも政府方針ではないと思う。市価をコントロールするのが政府方針なんだ。市価のいかんにかかわらず、常に市価で落すということではないと思います。これについての見解を伺いたいと思います。
  20. 阿部達一

    阿部説明員 お答えいたします。価格のきめ方につきましていろいろ御意見も承りました。私ども多少の考えを持つておりますが、御意見もよく伺いまして、将来の参考にいたしたいと思います。それからもう一つの点でございますが、大体当初の場合におきましても、公団といたしまして、あるいは公団清算の立場からいたしまして、価格をコントロールするという積極的な面は清算としては持つておらないわけでございます。そういう点大体において市価を基準にいたしまして、それより幾らか下まわるという線が公団の実際に売り得る実情——実際に売り得る価格はその程度におちつくという目安を持つて価格等をきめているわけであります。この価格につきましては、公団の方で積極的に、先ほど申し上げましたように、一般価格構成に好影響を與えるならば望ましいことでありまして、それを直接の目的とはいたしておりませんので、ただ一応市場価格を見まして、それが著しく高騰いします場合には、先ほどお答えいたしましたように、政府といたしまして考慮しなければならないと立場になつてておりますので、その点につきましては、関係各省の御意見も承りましてきまる価格でございますから、もちろんその配慮もいたすことになりますが、大体において、公団価格市場を基準にいたしているわけであります。それを上げるとか下げるとかいう積極性を持たせようというところまでは、微力でありましていたしかねるのであります。
  21. 河野謙三

    河野(謙)委員 あなたの立場ではその程度答弁しかできないだろうと思います。これは私あらためて大臣なり次官にお伺いいたしますが、積極性を持たなければならない。何のために肥料に限つてのみ公団清算を一年延期したか。要するに来年の秋と今年の春の肥料市価を、この手持ちによつてコントロールしようという積極的な方針のもとにおいてやつた、あなたの答弁としてはよろしうございます。しかし少なくとも今あなたのいらつしやる前に、農林政務次官物価庁の方とも話したのですが、これはどこまでも市価コントロールの使命を持つている。積極的に市価の安定をはからなければならぬという重大なる使命を、あなたが監督する清算公団は持つている、それを十分御認識いただきたい。私はこの機会にほかにまだいろいろ質問することがありますから、あえて御答弁を求めようと思いません。  次に私は燐鉱石補給金の問題を伺いたい。これは来年度の予算には補給金は組んでいないのであります。今の予算をそのまま受取りますと、春肥が終りますと、過燐酸は一俵について百六、七十円上るということである。先に上るものは当然取引は自由でありますから、今から農民は百六、七十円過燐酸が上るという前提で、金のある農民はどんどん買い取る。金のない者はほしいけれども買えない結果になる。そこで補給金をつけるかつけないかを、ただちにはつきりしなければならない段階なんだ。そこで私は補給金をけなくていい結論にはならぬと思う。どうしても補給金をつける以外に、過燐酸市価を安定させる方法はない。もしつけなければ、今申し上げましたように、ただいまからもう先物買いで、百六、七十円上るという前提にあるものは、金のある農民はどんどん買い付ける。これを防ぐことはできない。補給金をどうしてもつけるべきであると思いますけれども、それについて政務次官は、今の段階においてどの程度答弁がいただけるか、おそらく結論は出ていないと思いますけれども、個人の御意見でもけつこうですから伺いたい。
  22. 島村軍次

    島村政府委員 燐鉱石補給金の問題は、お話の通り来年度の予算には計上してないのであります、しかし国際情勢なり、今日の船賃その他の値上りで、最初予定したより相当上つているのであります。これは農林省の立場及び個人の立場——個人の立場よりは農民の立場から考えますと、何らか手を打つてもらいたいという希望を持つて、目下事務的に交渉を進めておるのであります。しかしお話の通りまだ結論は出ておりません。努力をいたします。
  23. 河野謙三

    河野(謙)委員 私も、政務次官からその程度答弁しかいただけないことはよくわかります。しかしこれは要するに時間的な観念をよく持つてもらいたい。今申し上げるように、予算はほとんどついていない。従つて買う方の農民から言えば、当然百六、七十円上るということで思惑が始まつている。現に思惑が始まつて、過燐酸が特に暴騰しつつある。この事実をよく認識されて、時間的な観念を十分持つていただきたい。いたずらに一週間、十日間延ばす問題ではない。事務的な交渉の問題がありましようが、これについては速急に具体的な方策を立ててわれわれに示して、同時に農民を安心させて、施肥の時期になつて肥料を買えばよいという、おちついた気持に農民をさせていただきたいと考えます。  それから最後に、今までわれわれは、昨年の秋から本年の春にわたつて肥料需給関係は十分見合つているので、肥料幾らか余る状態のことばかり考えていた。今後も肥料が足りなくなるとは思いませんが、しかし食糧事情等と関連して、万一国際情勢の悪化した場合のことも、この際十分準備しなければならぬ。肥料においても同様に、万一国際情勢が悪化した場合にどうするかということも、政府においてはお考えになつていると思う。たとえば最近カーバイドが非常に値が上つた。石灰窒素をつくらないでカーバイドで売つてしまう。硫安においても他の工業に転換して、他の工業薬品をつくつた方が得だということになれば、それに転換をする。今肥料工業の他の工業への転換は自由であります。しかしそうであつては今後の肥料というものは非常に不安であります。そこで政府は、肥料工業で他に転換する場合には政府の承認を得るというような基本的な法律をつくつて、これを一口に言えば、肥料基本法のようなものをつくつて、今後の肥料の供給量について、十分な見通しをつけることについて、法的に何か準備があるかどうか。当然もう今の段階では考えなければならぬ時期だと思いますが、これについて伺いたいと思います。
  24. 島村軍次

    島村政府委員 時局の影響を受け、国際情勢の変化に伴つて、硫安等の生産が減退する、あるいはまた過燐酸や硫酸カリ等については輸入の問題もありますので、御心配の点はごもつともだと思うのでありますけれども、この機会に先ほども申し上げたことでありますが、お話の点はもちろんよく研究を進め、これが対策は政府としても考えなければならぬ問題であると思うのであります。しかし農家の立場から申しますと、今では少し農家自身も、先高を見越して買いだめをするような感じがあると思うのであります。また肥料の合理化の問題について考えますと、消費を節約して、自給肥料によつてつて行くというような、農業経営の立場から当然考えなければならぬ問題について、十分な心構えも必要だと思います。また農業関係の指導団体も、さような考え方を持つことが当然だと思うのであります。これは別に答弁ではありません。希望でありますが、しかし政府自身も、あらゆる角度から熱心にこういう問題と取組んで、肥料行政の円滑をはかり、かつ農家経済の立場から何らかの措置を講じて、御心配のような点に対する根本的な施策が必要だと思うのであります。肥料の基本法についての考えがあるかということでありますが、まだ河野さんの御意見ような点まで参つておりません。該博なる御意でありますから、承りまして研究を進めたいと思います。
  25. 河野謙三

    河野(謙)委員 肥料の法的な措置の具体的なものは、まだ準備してないと言われましたが、準備ができていなくてもそういうものの必要を認めるかどうか、そういうことをやらなければならぬと考えるか考えないか、これについて伺いたいと思います。  それから安本産業局次長見えましたから、私は一言お尋ねいたします。本委員会は、かねて決議をもつて政府肥料行政の一元化の問題、需給調整の問題等について強硬に迫つております。また輸出の問題については、輸出はやつてはいかぬ、それについては輸出は五月までやらぬという答弁をいただいております。安本肥料行政については、通産省農林省の間にはさまつて、これをコントロールすべく努めているのであります。われわれが議論しましたその後において、肥料行政はうまく行つていない、これはいかにうぬぼれてもうまく行つていないと思います。うまく行つていないのはどこに原因があるか、放出の問題につきましては、うまくきめようと思つてもきまらない、価格の問題についてうまくきまらない。すべて一つもきまらない。これはあげて私は肥料行政の問題だと思います。私は前谷さんに肥料需給調整の問題をここではつきり答弁しろとは言いませんが、少くとも今の肥料行政がうまく行つているか行つていないか、あなたは肥料行政がうまく行つているとおつしやるがどうか、もしうまく行つているとしたならば、どこがうまく行つているか、これを教えてもらいたい。  もう一つ輸出の問題ですが、政府は本年の五月までに輸出しないということを約束している。ところが最近またわずかでありますけれども、ハワイへ尿素を三千トン出すとかいう話もありますが、これはほんとうですか。聞くところによると、香港のを振りかえてもいいというような詭弁を弄しているということを聞いているが、これがほんとうだとすればまさしく詭弁です。あの輸出の問題は、われわれは進んで承認したのではない。いろいろ国際情勢との関係でやむを得ずあのわくを、へんな数字をいじくつて強引に出したものを、香港がああいうことになればもうけものだ。その香港のものをこれだけのものはまだ権利があるから、この権利をハワイへ振りかえてやろうというようなお考えでやつておられるかのように聞いておりますが、それはほんとうか、うそか伺いたいと思います。
  26. 前谷重夫

    ○前谷説明員 ただいまのお話は非常にむずかしいのでございまして、私に答弁しろと言われてもちよつとむずかしいのでございます。われわれといたしましては、行政機構につきましてはこの前の農林大臣のお話にあつた状態にあつて、現在におきましてはまだ行政機構が一元化されておりませんから、一元化されない現在の行政機構においても最善を盡したいというので、安本といたしまして、両者の間の意見をとりまとめて、最も妥当なところに持つて行きたいと努力いたしておりますが、その努力が足らないためにいろいろ御批判があることは、われわれも申訳ないと思います。それから具体的にどういう点がうまく行つているか。これはそれぞれ見る方々の何で、われわれとしては最善を盡してやつておる。その努力なり力が及ばないという場合がありましたら、さらに御鞭撻いただきまして、われわれとしても、無力なところをできるだけ引立ててやつて行きたいと考えております。  それから輸出の問題につきましては、そういうふうな話は多少あつたわけであります。しかし香港につきましては、それがまだキヤンセルになつたとも何ともきまつておりません。ただハワイからの輸入希望があるということだけでありまして、われわれといたしましては、また何とも結論は出ておりませんし、この前御決定願いました以上のところを出そうなどということは、毛頭考えておりません。
  27. 河野謙三

    河野(謙)委員 それでは輸出の問題は通産省が窓口ですから、肥料部長に伺いたい。そういう輸出の申請を受けた場合に、通産省はそれに許可を與える方針であるか、それとも断る方針であるか、伺いたい。  それからもう一つ燐鉱石の配分については、通産省はいかなる権限を持つておられるか。肥料を自由にしたということは——まつたくの自由ではありませんけれども、一応公団統制を解いて、肥料を自由にしたいということは、生産行政においてはきわめて能率的にやろうということだ。過去の実績にとらわれて、どこの会社は幾ら燐鉱石の配分を受ける権利がある、どこの会社には幾らやらなければならぬということを、いつまでも言つているときではないと思う。どこまでも能率的にやつて肥料の増産をはかつて行くということが通産者の肥料行政の根本だと思う。しかるに燐鉱石の配分のごときは、依然として明治以来と申しますか、大正以来の過去の各会社の実績に応じて、それぞれ各会社が権利を主張して、その権利に基いて、通産省はそれにいたずらに追従して、燐鉱石の配分をやつておる。従つて関西でできた過燐酸を十数万トンも毎年関東、東北に送らなければならぬ。しかもその過燐酸をつくる硫化鉱は関東から関西へ運んでおる。これでは肥料は高くなるわけだ。その肥料をいかにして安くするかいうことが生産行政の一番大きな問題だ。それについて私は燐鉱石の配分ということはきわめて重要だと思う、硫安においても——電気の配分は確かにあなたの方で権限を持つておられる。この電気の配分については、いかなる工場にいかように配分したら日本の化学肥料は安くなるとか、日本の化学工業は発展するとか、これらについて私の知つておる範囲では、どうも能率本位ということにあまりにウエートをかけられて、いたずらに過去の実績——設備のいい悪いは別にして、架空な設備能力等を基準にして電気の配分をやつたり、燐鉱石の配分をやつておる。だから肥料のコストは少しも下らぬ。その負担は全部農民がするんだ。こういうことになつておるのですが、これについての御答弁をいただきたい。あまり長くなりますから、私の質問は中途ではありますが一応打切ります。
  28. 柿手操六

    柿手説明員 まず最初の輸出問題からお答えいたします。先般当委員会で御説明いたしました、十一月以降五月までの輸出余力九万二千トン、それ以上に輸出を許可する意思は今のところ通産省としても持つておりません。ただ御指摘の九万二千トンのわくの範囲で、香港に対して輸出する予定でありました数量のうち七千数百トンは輸出を取消すことになるかもしれんという情勢にありまするので、もし七千数百トンがキャンセルすることに決定いたしましたならば、かねて希望のありました沖縄及びハワイに対する輸出申請に許可を與えてもいいのじやないか、かように私どもは今考えております。まだ決定はいたしておりませんが、考えはそうであります。  次に隣鉱石の割当でありますが、隣鉱石が指定生産資材になつておりますので、これに対しまして私の方で、過燐酸の配給統制撤廃いたしましたけれども工場に対する燐鉱石の割当は、指定生産資材割出基準に基きまして割当しておるのであります。これはやはり従来の生産実績をもとにいたしますが、また工場のそれぞれの能力も加味いたしまして、能力と実績と両方あんばいいたしまして、割当基準をつくつて、できるだけ御趣旨に沿うよう努力しております。
  29. 山口武秀

    ○山口(武)委員 河野委員より大分詳細な質問がありましたので、私はそれとの重複は避けたいと思うのですが、二、三の点についてお聞きしたいと思います。  初めに農林次官にお伺いしたいのですが、この肥料の問題が重要であるということは言うをまちません。しかも統制撤廃後におきまして、先ほど問題になつような幾多の重大な問題が生じておる。それからさらに今後の国際情勢によりまして、燐鉱石輸入というようなきわめて重大な問題も出て来ておる。そういう際にもかかわらず、先ほどの答弁によりますと、価格の問題も、数量の問題も、政府は思うようにならないのだ、現在成案を得ていないのだ、これはきわめて残念である、このようなことを言われておるのですが、一体肥料需給調整について、このような無方針、無策でいるというのはどういうわけなのか。これはわざとやらなかつたのか、それとも策がなくてほつておいてこうなつたのか、どういうわけなのか、その点御説明願いたい。
  30. 島村軍次

    島村政府委員 無策ではありません。去年の需給推算から、これは数字的にも前回以来の農林委員会において説明申し上げた通りでありまして、硫安は先ほど河野さんのお話になつように、カーバイドのために生産が減るということは、一応心配されるところであります。しかし現在の硫安においては、一—七までの計画は十分あるという見通しをつけております。燐酸や硫酸カリについても、輸入及びその他原料等から考えまして、数量的には大丈夫だということを、国民の前にわれわれはうたいたいと思うのであります。ただ価格の点については、お話のようないろいろな情勢から、七割アツプをやろうということで、この点に対してはいろいろ申し上げたようなことで、究極するところ、需給調整はつきりした施策が必要だと思うのであります。それについては時期的にどうもはつきりしたことが現在までに出ておりませんので、この点遺憾だということを申し上げたのであります。お話のお気持は十分わかるのでありますが、さらに研究を重ね——研究を重ねるというと、またおしかりを受けるかもしれませんが、毎日のように手を打つておるわけでありまして、この点は御安心を願いたいと思います。
  31. 山口武秀

    ○山口(武)委員 問題がはつきりしないでおる場合には、策は立たないのです。それを無策だと言うのです。  次にお聞きしたいと思いますのは、政府からの資料で、肥料公団価格の補正の表をもらつたのですが、二月の五日まで出ておるのですが、その後における価格の補正をどのように見通されておるかお聞きしたい。
  32. 島村軍次

    島村政府委員 数量的には一—七までの関係は、たしか資料を出しておると思います。出してなければさらに出します。それから二月以降の価格の点でありますが、政府はどこまでも、最初公団をはずす際の決定方針である七割アップ以内にとどめる、こういう既定方針は現在もかわつておりません。ただいろいろの情勢で、この点さらに政府として、現在の段階にプラスの政策の加わることが必要だと思います。プラスの政策と申しますことは、数量的にもあるいはまた時期的にも、公団手持ち等の放出時期と、さらに農民にその都度々々協力な策を加える必要があると思います。以上をもつてお答えといたします。
  33. 山口武秀

    ○山口(武)委員 現在以上のプラスの政策が必要だということを言われたのですが、その都度強力な措置をする——これまでも問題を起して来て何を言われておるのですか。これまで問題を起していなかつたら、強力な措置をすると誓われれば、ああそうですかと言えますが、どういうことになつておるのかということを具体的に示してください。
  34. 島村軍次

    島村政府委員 基本的に申し上げれば、肥料需給調整に関する考え方をもつと強くやるということであろうと思います。こまかくこれを分析しますれば、いろいろ数量的に輸入の確保、あるいは公団手持ち放出等がこれに付随する問題でありまして、時期の誤らないよう方法を講ずることだと思うのであります。それと同時に、さらに私が数回にわたつて申し上げたように、この際農家自身も、あるいは農業団体自身も、肥料行政についてはもつと真剣に取組んで、農業経営の立場から、あるいはまた肥料の節約をはかつて、合理的施業によつて増産をはかるということを、ぜひともやつていただきたいと念願し、希望いたすものであります。
  35. 山口武秀

    ○山口(武)委員 大分御都合のいい話です。手前のことはたなに上げて、農民団体、農家にどうしようということは、ちよつと話が受取れぬと思います。それでなおお聞きしたいと思う。清算公団手持ち放出需給調整をやることが問題になつておるようですが、一体現在清算公団にどのくらいの手持ちがあつて放出は大体いつころ終らせるつもりであるか、この点をお聞きしたいと思います。
  36. 阿部達一

    阿部説明員 お答えいたします。大体二月八日現在で、公団で持つておりまするものは四十三万九千トンであります。これがいわゆるストツクになつておるもの、あるいは工場等にあるものでありまして、そのほかに昨年の上期の残が約四万トン近くあります。大体両方合せまして四十万トンくらいになつております。これの放出でありますが、一応別々の計画が立つております。私どもといたしましては、これをできるだけ早く、繰上げてでも放出いたしたいと考えております。
  37. 山口武秀

    ○山口(武)委員 放出が終わつて手持ちがなくなつた場合の需給調整の手段に大分問題が出て来ると思うのですが、これはどういう見通しでおるのですか。
  38. 島村軍次

    島村政府委員 一—七までの生産確保は十分だということは、先ほど申し上げた通りであります。その後に対する方策は、内地の生産である硫安については、これは一層生産の増加を期することであり、燐酸及びカリ等については、燐鉱石輸入及び硫酸カリの輸入をなるべく数量的にも時期的にも確保するということであろうと思います。
  39. 山口武秀

    ○山口(武)委員 もう一点その点についてお聞きしたい。カリ肥料燐酸肥料の原料の燐鉱石は全部輸入に依存しておるわけですが、今後の国際情勢の推移によつて、この点が大分問題になつて来るのでは、なかろうか。この輸入の見通しはどうなつておるのだろう。備蓄をはかると申しますが、輸入についての見通しが具体的でないと、備蓄をはかるということは、われわれ受取りがたいわけです。この点に対する御説明を承りたい。
  40. 島村軍次

    島村政府委員 燐鉱石と硫酸カリについては、御心配の点ごもつともでありますが、今後におきましては、現在まで予定いたしておりまするものとなるべく繰上けいたしまして、繰上輸入によつて補填いたしたい。その後の問題についてはさらに検討を進めなければならぬ問題でありますが一—七までの間については、数量的には今申し上げた通りでありますが、繰上輸入はその後における措置を今から考えるということであります。その点御了承願いたいと思います。
  41. 山口武秀

    ○山口(武)委員 農林次官にお聞きしたいのですが、あなたはこういうことを知つておられるでしようか。供出の代金を協同組合の貯金に振りかえるわけですが、この貯金の佛いが、経営の不振によつて停止されてしまう。そのために肥料の時期が来たにもかかわらず、農民肥料を買えなかつた。こういうことが名地に起つておる。しかも協同組合のそういう経営の不振は、さらに全国に全般的な傾向として出て来ておる。こそういうことを御承知ですかどうですか。
  42. 島村軍次

    島村政府委員 承つております。
  43. 山口武秀

    ○山口(武)委員 御承知しておられて何かの策を講じているのでしようか。
  44. 島村軍次

    島村政府委員 この問題はあえて私は楽観するわけでありませんが、協同組合の基礎が薄弱であるためにいろいろ農民に迷惑をかけておる点は、経営の立場から非常に遺憾だと思います。そこで昨年来から御承知通りに協同組合強化の方針がとられ、かつ自主的に資金の増加をはかり、出資金の増加を計画されておるわけでありまして、従来の非常に零細な資金が、今日では相当増強いたしております。また貯金については、漸次好転をしつつあると見てよいと思うのであります。私は協同組合に関係を持つておりますが、楽観をするわけではありませんけれども、協同組合の実体に対しては、昨年の四月以降は相当堅実な歩みをたどつておると思います。なお、この協同組合がなぜさようなつたかということは、要するに従来の経営の合理化というものが非常に大きいことであります。他の企業であつたならば、ほとんど破産でもしているものが、企業の合理化と資金の増強によつて、相当かわつて来ておると私は見ております。もちろん例外的のもありましようし、お話のような点は確かにうかがわれるのであります。しからば政府としては、これにどういう方法を考えておるかという問題になろうと思うのでありますが、要するに資金の増強をはかつて、両々相まつて、協同組合のただいま御指摘のような点を、一日も早く解消するということでなければならぬと思うのでありまして、あるいは県の信連、あるいは中金等にできるだけの資金の融通を行わしめる、あるいはまた中金の運用というような問題を合理的に行うことによつて、漸次解消しつつあると思つております。
  45. 山口武秀

    ○山口(武)委員 次官は農業協同組合御出身であつて、大分協同組合のお話が好きで、そつちの方へ話を持つてつてしまいますが、まあその話はいずれあらためて別な機会にお伺いすることにいたします。  今言つたような事情のために、供出代金がもらえないで、肥料を買うことができなかつた農民が、去年から大分多くなつておるということだけは、よく承知してもらいたい。今言われたようなお話では、ちよつと事態の回復にはならない。私自身もこの問題に幾つも関係して参りましたが、そのような甘ちよろいことでなかなか問題はおいそれと解決しないということだけを申し上げておきます。  最後にお聞きしたいのですが、肥料問題で、大体今金肥の問題が問題になつて来たわけですが、堆肥原料の採草の問題、これが最近になつて大分問題になつて来ておる。特に山を伐採されるという問題が起つて来ておる。それから小作料値上げの問題とからんで、採草地の取上げという問題が各地に起つておる。それから、もともとこれは農地改革関係法規によりまして、採草地の使用権の設定という問題があつたのですが、この問題がまつたく重要視されていない状況にある。このようなことになりますと、單に化学肥料の問題からばかりでなく、こちらの問題からも、肥料問題が大きな問題になつているということを、よくお考え願いたいと思うのです。現在これに対して農政局長はどういうふうにお考えになつておるか。考えを持つておられるかどうか、あるいは認識を持たれるならば、ここで何らかの方法を考えられるかどうか、この点をお聞きしたい。
  46. 藤田巖

    ○藤田政府委員 その問題は農政局といいますより、むしろ農地局関係の問題であるかと思つておりますが、しかしながら農政局といたしましても、従来採草地として利用いたしました所がゆえなく取上げられる、あるいはまた利用できなくなるということは重大な問題であろうと考えております。従いまして、これは具体的な事例について、やはりその村の農地委員会等の問題もあるであろうと思いますが、その間の取扱いについてはきわめて慎重にやつて行き、いやしくも農家の従来得ておりました利益というものは、あくまで保護して行くという建前で解決をして行きたいと思います。
  47. 山口武秀

    ○山口(武)委員 これは河野委員も言われましたので、あまり長くなるとほかの人に迷惑になるからやめますが、どうも答弁を聞いておりますと、不満です。もう少しはつきりと答弁をしてもらいたい。もちろん答弁ができないというのははつきりした方針がないからです。そういう態度を厳重に改めて、今後はよかれあしかれ徹底した方針をもつて臨んでいただきたい。そのことだけをくれぐれもお願いしておきます。
  48. 大森玉木

    ○大森委員 私が聞こうと思つておつたことは、大体河野委員からお尋ねになられましたので、私は簡單に結論を二、三点聞いておきたいと思うのであります。  まず先ほど政務次官がおつしやつたように、肥料価格は七割アツプで大体押えておるのだということでありまするが、そういたしまする、統制価格であつた場合には四百四十円で買つたのでありますが、七割を上けることが適当であるということで七割アツプということに決定いたされたのであるかどうか、また米の値段は七割に上つたのでありまするかどうか、こういうことをあわせて、簡單に結論だけお伺いしておきたいと思います。
  49. 藤田巖

    ○藤田政府委員 御承知通り、昨年の七月末に価格がはずれます前までは、ずつと補給金がついておりまして、その当時は生産者からは高く買い、補給金を出すこによつて公団はそれを安く売つておつたのであります。そういうふうな事情が、公団廃止に伴いまして自由にはなつたのでありますか、そのうち特に値上りの予想されます過燐酸とカリにつきまして、特に燐鉱石については補給金を継続するということにいたしまして、一応の線を七割見当にいたしますれば、その当時の計算からすればやつて行けるというような意味合いで、七割アツプという線が出ておる。従つて七割アツプの線は過燐酸とカリについての一応の線であります。それから硫安につきましては何らさような制限はございませんが、現状においては七割アツプまで参つておりません。おそらく六割二、三分程度であろうかと考えております。それから米価を算定いたします場合のパリテイー計算の場合におきましては、その当時の肥料の時価というものを織り込みまして計算をされておるのであります。大体それは現状と申しますか、十二月の価格程度が一応パリテイー計算の基礎には織り込まれておるというふうに思つております。
  50. 大森玉木

    ○大森委員 第八国会において、私はこの価格問題に対しまして、農林大臣に特に念を押したのであります。そのときに私——これは一、二点は重複になると思いますが、自由販売になれば必ず肥料は上るのである。この場合に手持ち肥料によつて価格調整する必要があるのでないかということを申しましたが、その通りであるということをお答えになつた。しかし先ほどの大蔵省の事務官のお話によりますると、大体市場価格にならつて、今日の最高価格をきめておるような御答弁であつたと思うのであります。私どもは、市場価格が上るからこれを一定水準にとどめる、そのためには手持ち肥料価格調整になるのじやないか、こういう考えで私は農林大臣にお尋ねいたしましたところが、さようだと仰せられたのであります。時間がないから簡潔に申し上げまするが、さらにまた先ほど、大体最高価格であるから、最低は幾らでも落しておるということを申された。これはあなた方現場におられないから間違つておるのだということを例をあげた申し上げたい。それはどうであるかというと、私の農業協同組合が入札に参りました、そこで七百円と六百九十五円というものが入札に入つておる。そうすると六百九十五円は落さない、七百円以上でなければ落とさない。そのときは大体七百十二円というよう価格をきめておられたはずであります。そうするとあなた方のおつしやることが違つておる、この点をお尋ねいたしておきたい。  次にはどうも聞くところによると、今度の肥料の利潤をもはや見ておられる。八億もあるということを聞いておる。そういうことであつて、私はおそらく肥料農林省の手から支配は大蔵省に渡りましても、大蔵省も国家を治める政治の一つの担当をしておられる。しからば農村に対して何の関係もないということは言えない。また肥料農林省から大蔵省に渡つたら、大蔵省は金もうけをするのだということで、大蔵省肥料販売省になる。そういうことではなかろうと考えるのであります。そこで私どもがこの点に対していろいろ尋ねますと、大蔵省に一度渡つたのであるから、これはどうにもしようがないということを、第八国会においても論議されたのであります。この点は大蔵省は今後の市場価格に見習つて価格をきめて行かれるのか、また今後あまり大上りする場合においては、農林省と打合せをして、適当の価格まで下げる意思があるかどうか、この点をお尋ねいたしておきたいと思います。
  51. 阿部達一

    阿部説明員 公団放出価格の問題でございますが、最高販売価格はもちろんきめられておりまして、それの下まわつたところにおいて販売予定価格というものを出しておりますので、一応予定価格の線に達しませんければ落札しない、こういうことになつております。その場合に、大体どの程度の幅をもつて下げておるかということは、工場在庫等につきましては、これは一律に申されるわけでありますが、中継地その他の在庫品につきましては、品いたみの状況とかその他によりまして多少パーセンテージの移動は行つております。どこまでも一応正常品の価格を建前といたしておりまして、その他の品いたみ等、包装がいたんでおるというような点につきましては、それぞれ切り下げて、一応公団本部の方で標準を與えておるわけでありますが、なおそれでも売れない場合につきましては、公団の出先におきまして、所在の財務局あるいは財務部と協議いたしまして、その承認によりまして、公団の本部に示しております最低価格以下でも売るということにいたしております。  それから今後の対策の問題でありますが、需給関係等もございますので、一応の別々の計画がございますが、それを切り上げてでもやつて行きたい。ただその場合に価格の問題が出て参るのでありますが、現在のところでは、私どもといたしましては、大体今のところが天井になるように考えております。ですから私どもといたしましては、この次からの放出にあたりまして、放出価格を一々上げて行きたいとか何とかいう考えは、現在のところ持つておりません。
  52. 大森玉木

    ○大森委員 最高価格である、しかしながら一定の幅をもつてまた限定をする、こういうようなことを言われる、それではそれは五円の幅でありますか、五円違つたために落さない、落札してない、その幅というものは、七百円と六百九十五円との入札の差額というものは五円しかない、しからば五円の幅をきめて最低価格とおつしやるのでありましようか。この点あらためてお尋ねをいたしたいのと、さらに今お話のような、包装がいたんだとか下積みになつておつたものに対しては価格を安くすること、これは当然のことであります。さらにこれをあらためて御意見を承り、われわれ要望いたしたいというのは、現在たくさんの硫安などを積んである、もはや包装も切れてしまえば、すべては取扱いのできないものがある、それを入札をして落した、ところがいよいよとりに行つてみると、積むこともできなければどうにもならない、よく大蔵省に聞いておいていただきたい。今七百円で入札をいたした、さてとりに行つてみますと、倉庫の下積みはどうなつておるか、たくさんのものが積んであるから下は見られません、そこでいよいよこれをとつて行こらとしたときには、三割くらいがもう包裝が腐つてしまつて、どうにも手のつけようのないものがある。これをどうするかと言うと、お前たちはこれは見違いであつたと言う、これは大道商人の言うことである。いやしくも政府農民に売り渡す、しかも農民を代表いたしておるところの組合がこれを競売いたしたが、しかしながら下積みといつても下を探してみるわけには行かない。一トンや二トンのものではありません、何万トンと倉庫に積んであるものでありますから、これはどうしても下をあさり返してみることができぬから、しつつらを見てこれを落札をいたした、さて持つて行こうとすると、三割くらいも包装が切れてしまつてどうにもならない。もう腐敗したものは相当ある。過燐酸のごときは三割以上は腐敗しておる。こういう状態をあなた方はどうかというと、それを陳情いたした。ところが、これを少しも取上げない、お前たちは見て買うたのだ。しからば政府はそういうものに対して責任は負わないというのであるから、これは大道商人のやることである。いやしくも国民を相手にして、国民にこれを政府が拂い下げたのだ、売つたのだという場合においては、国民に満足の行くものを渡してやらなければならない、この点に対してどう考えておりますか。
  53. 阿部達一

    阿部説明員 ただいま七百月、六百九十五円というお話があつたのであります。最高販売価格というものはありますが、入札予定価格入札性質上発表いたしておりません。ただお話の様子によりますと、多分工場に在庫しておりました工場買上げのものではないかと思うのであります。そのほかのものでありますれば、中継地にあるいは多少該当するかと思うのでありますが、品いたみ等のものにつきましては大幅な引下げをやつておるはずでございます。工場在庫の新品につきましては大した値引きをいたしていないわけでありますが、その他の地域にありますものは、先刻申し上げましたように、下げております。それでお話のように五円の違いで落札しなかつたというふうな場合につきましては、再入札を行う、ということを大体考えておるわけでありますが、なお再入札いたしましても落ちないようなものにつきましては、当然そのあとは随意契約等の方向に向つて行くものと考えております。  それから品いたみが非常にひどかつた場合でありますが、かりに公団が相当高く予定価格を立てておつたものが違つていたという場合には、公団の方にも手落ちがあると思います。ただその他の過燐酸が三割以上もいたんでおるものについては、三割以上いたんでおるということは、当然予定価格に織り込み済みで入札に出しておるわけでありますので、私どもといたしましては、品物の状態に応じた予定価格を一応立てておるわけであります。それを相当以上価値ありとして落札せられました場合におきましては、公団といたしましては、一応落札された方の見込み違いということにおちつかざるを得ないのではないかと思うのでありますが、相当大きな違いという問題になりますれば、当然その場所でも問題になつておろうと思いますし、それが支部あるいは本団の方に持つて参りますれば、それに応じて解決についての御相談はいたしておると承知いたしております。
  54. 大森玉木

    ○大森委員 今の五円差額についてというお話は、最高価格と仰せられたから私はこの問題を出しておるのです。五円の差額で落ちなかつた場合には再入札しろということでありますが、間というものは五円しかないことになる。それはよいが、少しぐらいのものは見込み違いであつた。あなた方はそれでよいという答弁でありますが、これは要するに商人が買うておるものではない。農業団体が買うておる。しかも農業団体が買えば、そのいたんだものを、全部農村にそのまま割当ててやらなければならぬ。そのまま売るということになれば、農村ではどうなる。そんな不都合なことで、それでもあなたはあたりまえだと仰せになるのか、けしからぬと思う。腐つたものでも売つてやる。腐つたものでも、お前が買うたからそれはお前の見込み違いだ。それは先に言つておる通り、大道商人ならそれでよい。いやしくも国家の大蔵省が、政府がかくのごとき答弁をするとは何たることであるか、けしからぬじやないか。それでも間違いないか。あるいは今までの価格に対して、地方々々にこれを査定することも許してあるようなお話であつたが、それは間違いないかどうか。これもあわせてお聞きしたい。
  55. 阿部達一

    阿部説明員 お答えいたします。一番あとの地方にまかしておるかという点でございますが、これは通牒をいたしております。本国の方から各支部所長に出ておりますし、私の方から財務局長、財務部長に、公団から申請があつた場合について承認する権限を與えております。  それから先ほどの見込み違いの問題でありますが、私が申し上げましたのは、公団といたしましては、いたんでおる品については、当然いたみに応じた予定価格をつけて入札に出しておるわけでありまして、それが先ほど申しましたように、公団の見込み違いで、非常にいたんでおるものについて、非常に高い予定価格で出しておるということに対しましては、もちろん公団の手落ちになると思いますのでこれは是正しなければならぬと思いますが、公団がかりに六百円とか、あるいは六百五十円とか、品いたみを見て予定価格を出しておりました場合において、見方によつて違うかと思いますが、それを七百円というふうに入れるということは、あるいは実例としてあつたかは存じませんが、一応そういうことはあり得ないのではないかというふうに考えられるのでありまして、そのために一応六百円なら六戸円程度のもの——これは公団の職員にいたしましても、一応その道の専門家でありますので、そうひどい見込み違いはなかろうと私ども思うのであります。それによりまして入札いたしました場合におきまして、非常な差がありました場合につきましては、解約ということも、契約の問題でありますから当然できるわけであります。ただ解約につきましてはいろいろ條件がありますので、ただで解約できるかということは別の問題になりましようが、見込み違いと申し上げましたのは、あるいは六百円という見込み価格に対して、六百三円とか、六百五円、そういうことで落札されました場合に、あるいはそれが、本来ならば六百五十円ぐらいの値打があると思つて六百五十円で落したものが、たまたま六百円ぐらいの値打しかなかつたということに相なりました場合におきましては、具体的な実例について解決する以外にはないと思うのでありまして、抽象的には先ほど申し上げましたように、またおしかりを受けるかと思いますが、見込み違いと申し上げるよりしかたがないのではないか、かように存じております。
  56. 大森玉木

    ○大森委員 値段の点はかれこれ論議しておつてもいたし方がないが、今申し上げておる点は、私の地方の石川県のことである。石川県で、いよいよ倉庫を見てみると、下の方の俵が切れてしまつてどうにもならないことがあつた。この俵を一つ入れかえれば幾らかかるか。それは上から見たのだから下がわからなかつたのである。それはやはり見込み違いだとおつしやるのかどうか、そういうものに対してはどうするかということをはつきりしておいてもらいたい。これは見込み違いならば見込み違いだと、買うたものは損だというならば損だということを、はつきりしておいてもらいたい。しかしそういうものに対しては、それを扱つておられる出先官庁が地方にありましようから、そう証明によつてそれらを是正するという方法がないかどうか、この二点をお尋ねしたい。さらにまた、手持ち肥料はいつごろ放出される予定であるか、これらもあわせてお尋ねしたい。
  57. 阿部達一

    阿部説明員 入札の問題でございますが、公団予定価格で出す際においては、包装をかえなければならぬと思われるものにつきましては、包装をやりかえます経費は、予定価格から引いた値段で出しております。これについて、ある落札した人が包装費用の見込み違いであつたという結論になるわけでございますが、それによつて、その人が公団と話し合つて、値切つてそれをきめたということになりますれば、その人がかりに六百五十円で入れたところが、そのほかの人で、六百四十五円、あるいは六百三十円という人がおりました場合に、それを六百円に負けろとか、あるいは六百五円に負けろということになりますれば、その六百四十五円、あるいは六百三十円で入札した人の権利と申しますか、それを一体どうするかということになるので、入札の制度をとつておりました以上、見込み違いの場合は、簡單に申しますれば、解約せられるかそのままのみ込むか、これ以外に方法はないのではないかと考えます。
  58. 大森玉木

    ○大森委員 もう一つおたずねいたします。あなた方は見込み違いと言うが、見えないところなんである。もしあなた方が目に見て、あの娘はべつびんだと思つても、それが間違つておつたというならば、それは見えたのではない、見えないのだ。いわば、何万トンもある中で、その下積みになつておるものはどうして見れるのか。それは見れなくても見込み違いだとおつしやるのかどうか、この点を言うのだ。これはそういう一俵や、二俵や、五俵いわゆる一トンやニトン買うたのではなく、協同組合が買うたのである。しからばその倉庫の中にはどれだけ積んであつたか、そのときの状態から、それは見たのかどうか。見たならば、今言う通り、あの娘はべつぴんだと思つたが実際は悪かつたということと同じ、そんな見方はだめだ。そういうことは見込み違いだというが、見ないものを見込み違いだとはどうもけしからぬではないか、そういうことを言つて政府がどこまでもがんばるということであるならば、これは穏やかではない。そういうことは農民の負担ですよ。見なくてもお前たちは負担をせよというがごときは、これは政府の言うべきことではないと思う。この点についてもう一言聞いて、それ以上は言つたところで同じことだから聞きません。しかしながら、あなた方はそれをよく頭に入れて答弁してもらいたい。見えるところであるかどうか。もし見えないところであればまぜかえしてやるわけに行かないから、買うたが、しかしながら中にはこういうものが何百俵出て来たという場合においては、当然これは政府責任を負うべきである。また出先官庁の承認を得て、これによつて補償すべきである、私はこういうふうに考えるのでありますが、この点見解が違つておりますかどうか。あらためて一応伺いたいと思います。
  59. 阿部達一

    阿部説明員 お答えいたします。ただいまの見えない物の見込み違いというお話でございましたが、公団といたしましては、大体そういつた見込み違いの起りませんように、数量もわけるような仕組みに大体考えております。  それから入札の條件も大体置場のあり姿ということを入札條件にいたしておりますので、どうも見られなかつたからということに相なりますと、また入札性質上他の入札権物の権利の問題ともからんで参りますので、どうも具体的な事例でお答えいたしますれば、あるいは御満足がいただけるかと思いますが、ただ抽象的な問題としてお答えいたしますと、まことに申訳ないのでありますが、前言を繰返してお答えをする以外に方法がないことをまことに遺憾に存じます。
  60. 大森玉木

    ○大森委員 そうすると、それはどこまでも見込み違いで、農業協同組合なら農業協同組合がこうだ、出先の者は、そういうようにわかるようにして入札をさせているのだというふうに信じておられるのでありますか。  それから最後の手持ち放出はいつごろされるかということ、私は重ねてくどいようでありますが、お尋ねしておきます。出先の者はあなた方のおつしやる通り、全部これを並べておいてこれは、どうだ。この娘はきれいかどうかこれこれはどうだと言つて並べておいてやつたか、見えようになつていたかどうか、こういうような点について、あなた方は出先官庁はそういうふうにやつたと信じておられますか。もしも間違つているとすれば、あなた方は、どうというふうな責任をとられるか、この点を重ねてお聞きしたい。
  61. 千賀康治

    千賀委員長 御注意しますが、阿部事務官の答えようとするところと、大森君の質問と非常にピントが違つている。大森君の言われるところは、荷いたみしているのは、入札の初頭にこれは荷いたみしておりますぞと宣言して入札させるかどうか、それが全然無宣言でただありのままでさせるかということさえ明らかになれば、長く時間がかからなくても明らかになる問題です。その点を答弁していただきたいと思います。
  62. 阿部達一

    阿部説明員 工場の在庫品につきましては新品でございますが、それにつきましても、どこの工場に置いてあるどういう品物ということにもよりますし、そのほかのものについても、置場のあり姿も下見をしていただいて出ていただく。大体数万トンまとまつて入札——現在ばら積み等のものにつきましては、千トンあるいは二千トンの單位でやつておりますが、それ以外は大体二百トンぐらいの單位にしておりまして、それ以上大きい單位もいたしておりますが、そういつたところで、しかも下見をしていただければ、大体おわかりになり得るような状況になつていると思います。それから入札の際におきましては、どこまでも置場のあり姿であることを申し上げておりまして、これは絶対正常品であることは申し上げておりません。それからどの程度いたんでいるかということにつきましても、特別の御説明はいたしておらぬようであります。この点特に御要望でありますれば、そういつた御説明をすることについて研究もいたしてみたいと存じております。  それから放出の時期でございますが、一応計画としては、三月までに全部放出いたしてしまいたいと考えているのでありますが、現在二月から放出いたします肥料価格につきまして、関係省との意見がまだ一致しておりませんので、放出の時期いかんの問題は一にその点にかかつている。こういうふうになろうかと思います。ただこれにつきまして、私先刻申し上げましたように、二月以降の放出について、一月の相場が非常に上向いて来ているがということで、それで追い打ちをしようという考えは持つておりません。
  63. 河野謙三

    河野(謙)委員 肥料の問題につきましては、いろいろ長時間にわたつてお尋ねしたのですが、非常に肥料問題が重大化して参りました今日におきましては、本委員会としては、もう少し政府の明確な態度、答弁を要求すべきであると思います。その意味におきまして、私手元政府に対して肥料対策に関する決議の案文をつくりましたので、委員長から各委員にお諮り願いまして、各委員の御賛成を得て、政府にこの決議を提出できれば非常に幸いだと思います。肥料に関する決議案を朗読きせていただきます。    肥料対策に関する件   衆議院農林委員会は、食糧生産並に農業経営安定上に於ける肥料の重要性に鑑み、政府に対し屡次肥料行政の適切なる通常を要望し来つたが、最近における肥料事情を見るに、地域的需給に均衡を失し、又一部業者の投機行為を抑制せず、ためにその価格は不当な騰勢を招来して農民に多大の不安を抱かしめる等政府の施策に適正を欠く現状である。   仍つて政府肥料及び肥料原料の輸入の促進、並びに国内生産の確保に要する電力の優先供給等を始め肥料需給調整のための抜本策の確立を期すべきことは勿論、特に思惑的価格吊上げを防止して本年春夏作用肥料の円滑な確保を図るため、左の措置を速急に実施すべきである。  一、政府は迅速有効なる市況調査を常に実施し、農家の購入する肥料価格が、一昨年末(昭和二十四年十二月)の平均消費者価格の一七〇%を超えないよう適切に措置を講ずること。  二、肥料市価を安定させるため、肥料配給公団清算事務所手持肥料放出すること、その放出については地域的需給状況を考慮して投機業者の入札を防止するよう肥料実儒者に対して限定入札制度(指名入札又は随意契約方式)に依り拂下げる措置をとること。   なおその拂下げについては、農林省意見を聞き且つその意見を尊重すること。  三、速急に経済調査庁をして肥料の買溜め、売惜しみ状況を調査せしめ、その結果を報告するとともに、その悪質なるものに対しては暴利取締及び買溜め売惜しみ禁止の措置をとること。  四、特に北海道地区については第一項の価格を大巾に上廻つている実情に鑑み、肥料配給公団清算事務所手持肥料を適正価格で、重点的に随意契約方式により拂下げること。   そのため差し当つて、硫安五千トン、石炭窒素五百トン、過燐酸一万トンを放出すること。   なお、本地区の特殊性にかんがみ、肥料供給の数量価格に関し特別の考慮を佛うこと。  五、政府は、最近の国際情勢の推移に鑑み、その全量を輸入に依存する加里塩及び燐鉱石の確保のため、相当量の備蓄を行うこと。  六、最近の海外における船賃の値上り等の事情に即応し、現行価格維持のため二十六年度においても加里塩及び燐鉱石に対して補給金を支出するよう必要な措置を講ずること。  七、旧臘一日付をもつて委員会より申入れ、同月九日付文書回答せられた、増産、肥料行政一元化、輸出禁止及び需給調整に関する要望の各項について現に政府が採りつつある具体的措置の内容を報告すること。  右決議する。   昭和二十六年二月十三日     衆議院農林委員会    経済安定本部長 殿    大蔵大臣 殿    通商産業大臣 殿    農林大臣 殿    尚本件に関する回答は文書を以つて二月十七日迄に必ず本委員会に各項毎に具体的に回答する事であります。
  64. 千賀康治

    千賀委員長 お諮りをいたします。河野肥料委員のただいまの提案は、肥料委員会において決議をせられたところであります。これを農林委員会の決議とすることに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認めます。よつてこれを本委員会の決議といたします。  そこで、関係各大臣に通達その他の手続は、あげて委員長に御一任をいただきたいと思いますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認めます。さように決します。横田甚太郎君。
  67. 横田甚太郎

    ○横田委員 次官に伺います。次官の先ほどの答弁中に、肥料の節約ということがございました。それから合理的整理をやつていただきたい、こう言われました。要はある程度減らせる見込みがあるのだろうと思いますが、どの程度まで節約できると思つておられるか、それをちよつと簡單に伺いたいと思います。
  68. 島村軍次

    島村政府委員 この問題は相当に具体的な事柄になると思うのでありまして、たとえば昨年肥料を入れ過ぎていもちが発生したというような例がありますから、そういう所に対しては節約をして、合理適正にやつて参りたい、こういう意味であります。数量的に、今全国でこれを何トンというようなことに対しては、考えておりません。
  69. 横田甚太郎

    ○横田委員 現在農村にまわつております肥料、たとえば反当七貫なら七貫、これが多いか少いかということを聞いておるが、それから減らすか、それだけは確保するという御意見なんですかということを聞いておるのです。
  70. 島村軍次

    島村政府委員 現在の需給情勢から考えますと、昨年並びに本年の配給すべき予定数量を減ずる考えはありません。それは将来の供給の減退等の場合、あるいは値上り等に対処するために、さよう方法農村としてとつてもらいたいという希望意見であります。
  71. 横田甚太郎

    ○横田委員 そうすると、肥料の節約あるいは合理適正ということは、具体性が何もないわけですね。各人の判断にまかせて、その結果としてどうにかなるだろうということだけですね。これ以上追求しませんが、簡單に申しますと、こんなことだろうと思います。  それから事務的なことで通産省の方に伺います。日台通商協定のうち、肥料に関する細目がありましたら、それを発表していただきたい。
  72. 柿手操六

    柿手説明員 これは通産関係でありまして、私の方で詳しい内容は持つておらないのであります。詳しいことは通産局の方からお答えできるものはお答えしたいと思いますが……。
  73. 横田甚太郎

    ○横田委員 それではこれは後日はつきりしていただきたい。   二つ目は、現在国の外へはどのような條件で、どのよう数量が、どのぐらい出ておるかということをはつきりしていただきたい。  それからもう一つ、そのときに出る見込みであつたもので出ていないものがあるでしよう。それをもう一回言つていただきたい。
  74. 柿手操六

    柿手説明員 昨年の十一月初旬に当委員会でお答えいたしました以上には、硫安につきましては輸出の計画はありません。先ほどちよつとお答えしましたように、そのうち香港に出す予定のもので七千数百トンがまだ出ないでおります。その他は大体計画通り出つつあります。一部まだ出ないものもありますが、大体予定通り出る見込みであります。
  75. 横田甚太郎

    ○横田委員 肥料をハワイとかあるいは沖繩に出すように、さつきも言つておられましたが、これを出す場合の條件、またこの話は一体どこまで進んでおるかということ、それから香港に肥料を出した場合には、何をどのくらいもらえるのか、ハワイや沖繩に出した場合にはどのくらいのものがもらえるのか、これをちよつと聞かしていただきたい。
  76. 柿手操六

    柿手説明員 香港に出す予定のものでランニングになつておる七千数百トンにつきましては、まだ出さないということは決定いたしておりません。従つてそれが出なかつた場合に、ハワイ及び沖繩に要望がありますので、この数量の範囲で申請があれば許したらいいだろうと、私の方では考えておりますが、これは香港向けの七千数百トンがどうなるか未定でありますので、その先へは進んでおりません。
  77. 横田甚太郎

    ○横田委員 今まで香港へ出したものについては何をもらつたのか、金ですか、物ですか。それからハワイやこういうようなところへ行くものは、あなたが隠しても出ることはきまつている。河野委員のお話にあつたように、あなたたちには何の権限もない。外国人の支配下に動いておるあなたたちは、そつちへ持つて行けば、そつちへ持つて行くんでしよう。簡單に言えばそれだけのことです。私はそう思う。だからこの話は相当進んでいる。あなたは答えられないであろう。その点を伺つておきたい。香港へ出した分については何をもらつたか、台湾へ今まで出した硫安あるいはそれ以外の肥料について、台湾との收支決済はどうなつておるか、それを一ぺん答えてください。
  78. 柿手操六

    柿手説明員 通商関係の詳しいことは専門外でお答えできませんが、今まで香港に出しましたものについては、ドルで決済されておるものと思つております。それ以上でしたものと入つて来たものの関係については、私はその方の係でありませんので、お答えいたしかねます。
  79. 横田甚太郎

    ○横田委員  ハワイ、沖繩へ肥料が出る場合に、肥料のことについては、日本の議会において答弁するほどの実権を握つておるあなたは、これに対して、どういう形において肥料を外国に出さないで、日本にとどめておこうという意見を持つておるか、その個人的意見を聞かしていただきたい。
  80. 柿手操六

    柿手説明員 ちよつと御質問の趣旨がわからなかつたのでありますが、これは香港向けの七千数百トンがもし出なければ、それだけ余力がありますから、輸出限度内において、そういう申請があれば許すべきであろうと私は考えておるのであります。  これはまだきまつておりませんから、私の意見決定的に申し上げられぬと思います。
  81. 横田甚太郎

    ○横田委員 あなた個人の意見は、許可してもいいという御意見ですね。
  82. 柿手操六

    柿手説明員 そうでございます。
  83. 横田甚太郎

    ○横田委員 すると肥料はいよいよ放出するんですね。先ほどの決議にもありましたよう放出の形はどんなものか。たくさんの人が集まつておる所で、せるようにやる方式か、あるいは今までの方式か、それとも何か農村に対して特殊な形で、やる方式か、その方式を聞きたい。何だつたら十七日に開きますか。([それは決議に書いてあるから、いいじやないか」と呼ぶものあり)それでは今日は河野委員の顔を立てておきます。  もう一つ。この間私は長野県の東筑摩郡本郷村の農業協同組合が、外国製の硫安を受取りました。その受けた硫安は非常に大きな、汽車が脱線するよりなかたまりである。これは金づちでたたいてもどうしても割れない。それで話のしようがないから議会に持ち込んで来たのです。そこで農林省通産省大蔵省の偉い方たちに頼んだ。これは大蔵大臣も知つておるのです。これについて相当善処してくれているはずだと思うのですが、そのいきさつは一体どうなつておるかということを聞いておきたい。なぜかと申しますと、日本の農村においては食糧の一制増産を、やつておるのです。そして一制増産をやつておる日本に対しまして、非常に援助されておるのがアメリカです。そのアメリカから来た硫安がこんな大きなかたまりなんです。これでは一割増産をするのではなく、結果におきましては増産阻害運動になるのです。こういうようなことでは困る。これはどういうふうに処置されて行くか。私が調べました損害は、本郷村一村においても二十万田。これはよろしく処置されたか、処置されておらないか。処置されておらないならばどういうわけであるか、これを聞いておきたい。
  84. 柿手操六

    柿手説明員 通産省ではありますが、輸入した硫安拂下げ関係は通商業務局でありまして、その話は詳しく伺つておらないのでございます。今ちよつとここでお聞きしますと、業務局から現地に調査に行つておるそうでありまして、その結果はまだわからぬとのことであります。
  85. 横田甚太郎

    ○横田委員 もう一つ……。それでは調査に行つておるの、だつたらそれ以上は強く追求いたしませんが、要は、その根本は農民に損をかけないという点だけははつきりしておいていただきたい。その原則を守り得るかどうかということを聞きたい。なぜかならば、農民がつくつた物を、政府は安い値段でむしりとつておる。その安い値段でむしりとつておる物をこしらえる肥料に対しては、もつと良心を持たなければならない。供出というものはできた物を盗んで行くことだ。とるとか盗んだとかいうことを言われるのがいやならば、責任を持ちなさいというのが私の主張なんです。だから簡單に申しますと、こういう供出事情のもとにおきましては、農民には損をかけないという形において、それを解決してもらえるかどうか。それを答えられないのだつたら、農林省のここにおられる一番偉い次官から聞いておきましよう
  86. 島村軍次

    島村政府委員 調査の結果を見ましてお答えいたします。
  87. 千賀康治

    千賀委員長 次会は公報をもつて申し上げることにして、本日はこれで散会いたします。     午後一時十三分散会