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1951-03-27 第10回国会 衆議院 内閣委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年三月二十七日(火曜日)     午後十一時三十二分開議  出席委員    委員長代理 理事 江花  靜君    理事 青木  正君 理事 坂田 英一君    理事 船田 享二君 理事 鈴木 義男君       飯塚 定輔君    大内 一郎君       田中 萬逸君    本多 市郎君       松本 善壽君    山口六郎次君       松岡 駒吉君    河田 賢治君  出席政府委員         運輸政務次官  關谷 勝利君         運輸事務官         (大臣官房長) 荒木茂久二君  委員外出席者         厚生事務官         (大臣官房總務         課長)     高田 浩運君         運輸事務官         (大臣官房文書         課長)     岡本  悟君         専  門  員 龜掛川 浩君         専  門  員 小關 紹夫君     ————————————— 三月二十四日  委員青木正辞任につき、その補欠として鈴木  明良君が議長指名委員に選任された。 同日  委員鈴木明良辞任につき、その補欠として青  木正君が議長指名委員に選任された。 同月二十七日  青木正君が理事補欠当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員及び小委員長補欠選任  厚生省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一二四号)  運輸省設置法等の一部を改正する法律案内閣  提出第一二六号)     —————————————
  2. 江花靜

    江花委員長代理 これより会議を開きます。  委員長が所用のため、理事の私が委員長の職務を行います。  本日の日程に入ります前にお諮りいたしたいことがあります。去る三月二十四日、委員青木正君が委員辞任せられ、同日再び委員に選任せられました。つきましては、青木正君は、理事及び行政機構改革に関する小委員長行政監査制度に関する小委員でありましたので、青木正君を理事行政監査制度に関する小委員及び行政機構改革に関する小委員とし、同小委員長に再び選任いたしたいと存じますが、御異議ありませんか、     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 江花靜

    江花委員長代理 御異議がなければさよう決定いたします。     —————————————
  4. 江花靜

    江花委員長代理 それではこれより、まず厚生省設置法の一部を改正する法律案議題といたします。質疑はありませんか。
  5. 松本善壽

    松本(善)委員 簡單に二、三ただしたいと思いますが、まず第一に検疫施設について、終戰前と現在とのおおそその比較を承りたい。
  6. 高田浩運

    高田説明員 お答えいたします。戰前は五箇所検疫所がありまして、そのほかに七箇所の強制隔離所がございました。今日におきましては十五箇所になつております。なおこのうちに羽田の飛行場が入つておりますから、港としては十四箇所になるわけでございます。
  7. 松本善壽

    松本(善)委員 次に今回の天然痘発生に際しまして痘苗が足らぬということを耳にしておるのでありますが、ひとり天然痘に対してばかりでなく、赤痢、チフス、コレラ、ペスト等急性伝染病に対します十分な御準備がなされておるかどうか、承りたい。
  8. 高田浩運

    高田説明員 防疫全般の問題でございますと、実はその方の関係者が参つておりませんのでお答えいたしかねますが、検疫所に関する限りは、お話のように準備がととのつております。
  9. 松本善壽

    松本(善)委員 私といたしましては一応あとで知りたいのでありますが、次に今回の天然痘防疫に対しまする所要経費の概算というものについて、お知りであれば承りたいのであります。
  10. 高田浩運

    高田説明員 国内防疫全般の問題につきましては今申し上げたような事情でございますが検疫に関します限り、天然痘たけでなしに、ほかの伝染病も含めまして約三億円の予算準備いたしております。
  11. 松本善壽

    松本(善)委員 大体了承するのでありますが、われわれの生命に対する大きな問題として、天然痘という問題が今後に対する大きな防疫対策一つであると思う。従つてこの点について政府の諸官が意を用いられんことを望みます  第四点といたしましては、麻薬取締官事務所には何人くらいの職員を配置される予定であるかまた取締上どういうことが特に困難であるかということを具体的に承りたい。
  12. 高田浩運

    高田説明員 麻薬取締職員定員全国で三百二十二名になつております。それは現在御承知のように、各府県麻薬取締職員を駐在せしめておりますので、各府県にその定員が配置されておるわけでございますが、今回御審議いただいております案にありますように、八ブロックに取締官事務所を設けまして、そこで身分上の点につきまして、あるいは取締り、捜査の点につきまして、総合調整をするようにいたしまして、円滑を期したいと考えておる次第でございますが、その取締官事務所に置きます職員につきましては、今申し上げました三百二十二名のうちから若干数をさきまして配置をするわけでございまして、従つてそうたくさんの人数を置くつもりはございません。
  13. 松本善壽

    松本(善)委員 それから今回の改正の要点として、国立健康保険療養所付属機関から除いた理由を、簡單でいいから承りたいのであります。
  14. 高田浩運

    高田説明員 御承知のように国立健康保険療養所というのは、千葉に一つあつたわけでございますが、これは試立当時結核療養所等一般的に少いし、なお結核対策についての一般政策も見るべきものがなかつたと申しますか、そういう状況にありましたので、健康保険に関しまして国立としてこういう施設を設けた次第でございまするが、その後だんだんと一般結核対策も進捗して参りますし、それから国立一般結核療養所等もだんだん状況等が整備されまして、健康保険の分野におきまして病院等相当整備されて来まして、むしろこれを一つだけ健康保険のために国立として残しておくという意味が、その当時と比べまして非常に薄弱になりましたので、その辺のところを考慮いたしまして、団体の経営に移す、こういうような措置にいたした方がなお運営が円滑に行くのではないだろうか、かように考えまして、これを削除するようにした次第であります。
  15. 松本善壽

    松本(善)委員 これで質疑を終ります。
  16. 江花靜

    江花委員長代理 ほかに質疑がなければこれより討論に入ります。討論の通告がありますからこれを許します。河田賢治君。
  17. 河田賢治

    河田委員 厚生省設置法の一部を改正する法律案に、共産党を代表して反対します。厚生省設置法の一部改正は主として検疫所とそれから麻薬取締りの問題でありますが、特に麻薬取締りにおきましては、今度地区の事務所か設置されて、これは現在の定員の範囲内で配分するということになつております。しかし最近の犯罪件数を見ましても、これがますます増大してちつとも減少していないのであります。月月これは上昇して、昨年だけでも三千六百八十七人、件数においても二千四百八十五件というふうな相当の数によつておる。この傾向はますます増大するものと思う。しかしながら單に麻薬違反というたけでなく、現在大麻などにつきましても非常に農民の側からこれに対する取締りやり方に対する不満が出ておる。かつまた現在の取締官自身でも、まるきりアロハ型のあんちやんのような形でやつて来る、しかもこれには小型の武器までも携帯させるというふうにして、日本がかつて軍国主義時代には軍人が一番あれであつたが、今日では警察国家的になつて来ておる。こういうような状態で、一つ麻楽取締たけでも相当そうした取締官を置いて、そうして殺伐なやり方でこれを検査するというようなことが行われておる。この取締官事務所が設置されることによつて、さらにまた明年は人員も増大される危険もある、従つてたちはこういうふうな方法に対して賛成するわけには行かぬのでありまして、この点からこの法案に対しては反対するのであります。
  18. 江花靜

  19. 松本善壽

    松本(善)委員 私は厚生省設置法の一部を改正する法律案に対しましては賛成の意を表します。ただいま共産党委員からお話がございましたが、麻薬取締りの件については、ことに農村関係において、あるいはこれに付随するところの隣接町村その他において、麻薬取締りということを誤解して考えておられると思うのです。その内容といたしまして、まず武装させた取締官をふやすということが、彼らは反対のようでありますが、これは私どもとしてはまともに受けることはできないのであります。ことに戰争後におきまして、麻薬あるいはその他劇薬物取締りに関しても非常に注意のあるところの考え方、いわゆる用意周到なる考え方をしていなかつた。すなわちわれわれは負けたということによつて無気力だということをありのままに表わしておる。今度われわれが日本再建ということを念頭に置いた場合、そういうものの整理をして、少くともわれわれが文化国民として、これに対する取締りのあり方を、文化国いわゆる先進国に劣らぬような姿にするというのがわれわれ国民の債務であると考えるのであります。ことに戰争後において爆発物あるいは麻薬物というものは非常に危険のうちにさらされておるのであります。かようなものの取締法あるいは輸出入関係における取締り、これに対しては当然われわれ文化国民して取締ることが必然的に起る現象として考えらるべき問題だと思うのであります。ことにわれわれがここに賛成せんとするものは次に述べたいと思いますが、そのおもなるものは、その内容を検討いたしますと、通商貿易の伸展に応じて検疫事務の迅速な処理をはかるために、検疫所の支所及び出張所を設けること、それからただいま言つた麻薬等取締り事務を円滑にするために、全国八箇麻薬取締り事務所を設けるということであります。かようなことは私たちが当然行うべき問題であつて、今日までなおざりにしていたというこは、われわれは国民の前に相済まぬのでありますから、今おそまきながらもかようなことが一部改正法案として提案になりましたことは、私たちといたしましては衷心より賛成の意を表する次第でございます。
  20. 江花靜

    江花委員長代理 これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。本案賛成の方の御起立を願います。     〔賛成者起立
  21. 江花靜

    江花委員長代理 起立多数。よつて本案原案の通り可決いたしました。     —————————————
  22. 江花靜

    江花委員長代理 次に運輸省設置法等の一部を改正する法律案議題といたします。御質疑はございませんか。
  23. 青木正

    青木(正)委員 ちよつと簡單にお尋ねいたします。それは附則の二に「改正後の第十六條の二の規定にかかわらす、昭和二十七年三月三十一日までは、運輸審議会指名する委員が主宰することができる。」こう規定されておるのでありますが、十六條の二の方にも「但し、事案が特に重要である場合において運輸審議会公聽会を自ら主宰し、又は委員指名して公聽会を主宰させることを妨げない。」とこう規定してあるのであります。十六條の二の方は特に重要である場合においてそういうことができる、附則の方は特に重要であるとかどうとかいうことなしに、二十七年三月三十一日までは審議会指名する委員で主宰することができる、こういう規定が設けてあるのでありますが、特にこういう附則を設けた事情について御説明いただきたい。
  24. 荒木茂久二

    荒木政府委員 御疑問の点は一応そういうふうに考えられるわけでございます。しいて附則の二項のような規定をぎようぎようしく置かなくてもいいじやないか、こういう御意見もずいぶんあり得ると思うのでございますけれども、実は公聽会を主宰することはなかなかこつを要することでございますので、審理官を任命して即日に公聽会を主宰させるということができませんので、ある程度の訓練期間と申しますか、仕事にならさせる間たけは、事案が重要でなくとも、軽微な事項についても、やはり審議会みずからまたは審議会委員がやれるのだという道を開いておくためにつくつたわけでございます。しいてこの規定がなければ、事案が重要であるとかないとかいうことの認定をやりまして適当に運用することもございますけれども、先ほど御指摘になりましたように、事案が重要である場合においてこうなつておりますから、軽微な場合は初めから審理官にやらせる、十六條を嚴密に読みますと、そういうふうになりますので、なれるまでは、軽微な事項でも審議会委員でやるという道を開いておいた方が万全であろう、こういうわけであります。
  25. 青木正

    青木(正)委員 十六條の二の方の、事案が特に重要である場合、これは審議会の方でどういうものが重要であるかということをきめるのだろうと思いますが、重要であるかどうかという認定は、どういう基準によつて認定するか、またどこできめるか、その問題が先ほどお話附則の方と関連すると思います。大体予想されているものとしては、特に重要なる事案というのと、そうでないのと、どんなふうなお考えのもとに立案されたのでありますか。
  26. 荒木茂久二

    荒木政府委員 個々の事案について審議会認定するわけでございますけれども、たとえて申しますと、特に重要なるものの例として考えられますのは、御存じのように、今度国内航空事業が始まる。それについて国内航空事業免許を受けるというようなことについて、二、三の申請書が来る模様でありますが、そのうち一つだけを免許するということになりますので、そういう事案は特に重要なものに該当するであろうと思います。それから重要でないものの代表的なものとして考えられるものを考えてみますと、たとえば今度新たに駅の小運送業免許するというところにおいて、取扱いトン数が非常に小さい駅で、競争者がなくて、一駅一店現在あります上に、今度新たに申請せられたものが一つしかないというような場合におきましては、それは事案が特に重要なものに該当しない、こういうふうに考えられます。
  27. 青木正

    青木(正)委員 もう一点承つておきたいのですが、審理官がなれないことでもあるから、当初のうちは、事案の重要でないものも委員でやらせるというお話ですが、審理官は大体現在役所の方の中から相当エキスパートを任命するのじやないかと思います。大体どういう方を審理官に任命する御予定になつておりますか。
  28. 荒木茂久二

    荒木政府委員 運輸省職員中から仕命いたしますので、相当エキスパートがなるわけでありますけれども、何と申しましても公聽会というものがある程度の活動をやりますので、一応三月三十一日までは委員がやれることになつておりますけれども、来年の三月三十一日を待たないで、相当早く習熟して、一月なり、二月のうちに、この十六條の二の本則にもどれると思います。任命しますのは、十級から十二級の程度の優秀官をこれに充てる、こういうふうに考えております。
  29. 青木正

    青木(正)委員 これで終りました。
  30. 松本善壽

    松本(善)委員 公聽会開催状況についての概略をまず御説明願いたいのであります。ただいま公聽会というお話が出ましたが、たとえば公聽会は慎重を期するために、速記をつけておられる、付議された事案がどういうものがあるか、それから一年間に何回くらい開かれておるか、あるいは利害関係人申請などによつて東京以外の地でも開かれることがあつたか、または今後どういう御方針か、お尋ねしたいのであります。
  31. 荒木茂久二

    荒木政府委員 二十五年度の諮問件数を申し上げますと、大体三千件近くになるわけであります。そのうち公聽会を開催いたしましたのが、海運関係で三十四件、民営鉄道関係十八件、通運事業関係につきましては、いわゆる公聽会でなしに聽聞会を開いて、全部聽聞会の形式でやつておるわけであります。速記をとつて行きたいと思うのでございますが、御存じのように、速記をとりますと非常に金がかかりますので、要領を筆記いたしておるわけであります。御存じのように、免許関係公聽会においては非常に活発な御意見が出まして、業務の免許決定について、いろいろ事実を発見するのに役立つておると思うのでございますが、まだ何しろ終戰後の新しい試みでございまして、アメリカ等で行われているように、公聽会に対して本人が出ないで、弁護士が出てやつて、そうして公聽会において発言した事実以外に基いて判断をしてはいけないというようなところまでは、まだわが国では参つておりませんけれども、逐次この公聽会制度りつぱな慣行にして行きたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  32. 松本善壽

    松本(善)委員 先ほどお答えのない点があるのですが、たとえば利害関係人から申請でもあつた場合においては、東京以外の地でもさようなことが開かれたかどうか、また今後どういう方針であられるか。
  33. 荒木茂久二

    荒木政府委員 従来の例で申しますと、地方で開催しました場合も多数あるわけでございます。しかし現在におきましては委員がみずから出て公聽会を開いておりますので、旅費その他の制限もございまして、全部地方へ出かける回数が都合通り参つておりません。審理官が開催するということになりますれば、できるだけ東京まで来てもらわないで、地方で開催できるというふうに進めたいと思います。
  34. 松本善壽

    松本(善)委員 次に運輸審議会が今日まで七人の委員のみによつて事案審理されて来たようでありますが、まつたく何らの補助機関もなかつたかのように見えるのであります。この点についてはどういうお考えであられるか
  35. 荒木茂久二

    荒木政府委員 その点は大臣提案理由説明のときに、補助機関が全然なかつたと申し上げたのは、少し語弊があるかと思います。実は調査その他は、各原局海運でありますれば海運局自動車関係でありますれば自動車局地方鉄道軌道関係でありますれば鉄道監督局というふうに、各原局相当精細な資料を整えまして、それを審議会の方に提供して、審議会の質問を受けておる、こういうわけでございます。ところが御存じのように、運輸審議会運輸大臣に対して答申いたしますについては、その答申書は、非常に状況判断根拠等を詳細に書いて、これを発表するということが望ましいのでございましてそういつた事務をやるスタツフは今まで全然なかつた、こういうことでございます。
  36. 松本善壽

    松本(善)委員 それから審理官の員数は何者くらいが予定されておるか、その職員はどのくらい増員されようとしておるか。
  37. 荒木茂久二

    荒木政府委員 予算が十分に参りませんのでひとまず六人の審理官を置く、こういうことであります。
  38. 松本善壽

    松本(善)委員 それから職員はどういう関係になりますか。
  39. 荒木茂久二

    荒木政府委員 部屋付のいわゆる給仕的な者を入れまして、現在六人おるわけでございますが、ほんとうの事務の方は三人増員になつております。従つて今度の増員は、審理官が六人、事務補佐、書記的な仕事をします者が三人増員になつておるわけでございます。
  40. 松本善壽

    松本(善)委員 それから利害関係人報告書の誤りについて申立てをすることができるのは、報告書の提示を受けた日から十五日以内と制限されておるようでありまするが、そうした場合においては、公聽会の主宰を指名された委員または審理官が、その報告書を作成して審議会に提出するまでには、およそどのくらいの日にちがかかるものであるか、お伺いしたい。
  41. 荒木茂久二

    荒木政府委員 事案内容にもよりますけれども、これはできるだけ早く報告書を作成して、利害関係人に提出するということにいたしたいと考えております。五日ぐらいを目標にして急がせたい、こういうふうに考えております。
  42. 松本善壽

    松本(善)委員 しからば、こういつたような利害関係人があるといたしました場合、今五日とかいう話がありますが、はたしてそうした場合に、十分なる審理がなせるかどうか。今言つたように十五日以内という制限もついておる。かような意味において、ただいまの五日ということを見比べた場合において、はたしてよつて来たるところの事案が円滑に処理されるかどうか、重ねてお伺いしたい。
  43. 荒木茂久二

    荒木政府委員 運輸審議会制度アメリカICC制度を燒き直しておるものでありますが、大分趣はかわつております。ICC制度は非常にいいということでありますが、ただ一つ欠点は、最後決定を下すのに、申請書が出てから非常に長くかかるというのが非常に大きな欠点だ、こう言われておるわけでありまして、運輸省では申請書を受理してから最後決定をするまでの期間を、なるべく短かくして行きたい、こういうふうに考えておるのであります。従つて重要な事案につきましては、五日間でできないものもあると思いますが、なるべく早く結論を出したいという建前で行きたいと思います。  なお十五日と申しますのは、その報告書申請者に渡しまして、その利害関係人に到達してから十五日以内に申請者の方から異議申立てをする、こういうことでありますから、その点は役所の審査とは直接関係ございません。十五日以内に異議申立てがありますと、その異議申立てを審査し、て、再び公聽会を開くかどうかということをきめて、そして公聽会をやるとなれば、もう一ぺん公聽会をやり直す、こういうことになるわけであります。
  44. 松本善壽

    松本(善)委員 もう一つ尋ねたいのでありますが、そういうような結果に相なりますると、現在までに再度にわたつて審理がなされた事案があつたかどうか。そのようにむずかしい事案審議会にかけられたかどうかということをお尋ねしたい。
  45. 荒木茂久二

    荒木政府委員 この報告書を書面にしまして利害関係人に出すというのは、今度新しくこの法律改正によつてやろうとしまする制度でございまして、今まではそういう例はないのでございます。ただ方法としましては、今まではこれに訴願の道が開かれていたわけでございます。この制度ができてから、ことしの六月で二年間になりますけれども、訴願は最近一件出ただけでございます。
  46. 松本善壽

    松本(善)委員 しからば、こういうような訴願が、最近ただ一件出たというような事実がわかつてつて考えた場合、こういう問題が将来あるであろうことは、ひとまず予想されるのでありますが、こういうものを設けなければならなかつたという、根本的な理由簡單にお尋ねいたします。
  47. 荒木茂久二

    荒木政府委員 この審議会で扱います事案は、御存じのように事業免許、不免許でございまして、申請者自身に対しましてはもちろんのこと、一般公衆にも非常に影響するところが多うございますので、なるべくその審理の経過を公表いたしまして、いわゆるガラス張りの中で審理を進める。そして免許する、免許しないという理由を明らかにいたしまして、一般の人に十分納得してもらう。いわゆる行政民主化といいますか、そういうことをやることが、この運輸審議会制度を設けた趣旨でございまして、その趣旨が、今までは必ずしも十分に行つておりませんので、さらにその趣旨を一層進めて行くというために、この制度を設ける必要がある、こういうふうに考えるわけであります。
  48. 松本善壽

    松本(善)委員 以上で終ります。
  49. 河田賢治

    河田委員 今度の改正鉄道公安職員の問題でありますが、現在鉄道公安職員は大体何名ぐらいおりまして、そしてこの職員の前歴ですが、従来の鉄道職員から上つて来た者、あるいは他から、たとえば警察とかいうようなところから上つて来た者の、大体の大まかなパーセセンテージがおわかりになりましたら、お知らせ願いたいと思います。
  50. 荒木茂久二

    荒木政府委員 ちようど正確な数字を持つて来ておりませんが、専門の公安職員は大体三千をちよつとオーバーしておると思います。その他普通の駅長その他で公安職員を兼務しておるのが、五千ぐらいおるかと思います。これは全部鉄道職員の中から訓練をして採用しますので、外部から、警察官の経歴のある者をとるということではございませんで、現在鉄道事務に従事しておる者の中から選ぶ、こういうことになつております。
  51. 江花靜

    江花委員長代理 御質疑がなければこれより討論に入りますが、討論はいかがいたしましようか。     〔「省略」と呼ぶ者あり〕
  52. 江花靜

    江花委員長代理 それでは討論はこれを省略いたし、これよりただちに採決に入ります。本案賛成の方の御起立を願います。     〔賛成者起立
  53. 江花靜

    江花委員長代理 起立多数。よつて本案原案の通り可決いたしました。  この際お諮りいたします。本日議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 江花靜

    江花委員長代理 御異議なければさよう決定いたします。  次会は公報をもつてお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時八分散会