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1951-08-07 第10回国会 衆議院 電気通信委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年八月七日(火曜日)     午後一時十四分開議  出席委員    委員長 關内 正一君    理事 高塩 三郎君 理事 辻  寛一君    理事 長谷川四郎君 理事 松井 政吉君       竹尾  弌君   橋本登美三郎君       福永 一臣君    森下  孝君       椎熊 三郎君    畠山 重勇君       石川金次郎君    山口 武秀出席国務大臣         電氣通信大臣  佐藤 榮作君 委員外出席者         電波監理委員会         委員長     富安 謙次君         電波監理長官  長谷 愼一君         総理府事務官         (電波監理総局         長官官房法規経         済部長)    野村 義男君         電氣通信政務次         官       加藤隆太郎君         電氣通信事務次         官       靱   勉君         電氣通信監   山下知二郎君         電氣通信事務官         (大臣官房人事         部長)     山岸 重孝君         電氣通信事務官         (業務局長)  田辺  正君         電氣通信事務官         (業務局周知調         査部長)    吉沢 武雄君         電氣通信事務官         (経理局長)  肥爪 龜三君         電氣通信技官         (業務局計画部         長)      米沢  滋君         電氣通信技官         (施設局長)  吉田 五郎君         専  門  員 吉田 弘苗君         専  門  員 中村 寅市君     ————————————— 五月三十一日  委員江崎真澄君、尾関義一君、黒澤富次郎君、  原田雪松君、牧野寛索君及び岡西明貞辞任に  つき、その補欠として井上信貴君、森下孝君、  犬養健君、井手光治君、大西弘君及び逢澤寛君  が議長指名委員に選任された。 六月一日  委員逢澤寛辞任につき、その補欠として岡西  明貞君が議長指名委員に選任された。 同月二日  委員井手光治辞任につき、その補欠として尾  関義一君が議長指名委員に選任された。 同月四日  委員尾関義一辞任につき、その補欠として井  手光治君が議長指名委員に選任された。 八月七日  委員關谷勝利君及び田島ひで辞任につき、そ  の補欠として竹尾弌君及び山口武秀君が議長の  指名委員に選任された。     ————————————— 六月五日  電気通信事業経営に関する件  電波管理並びに有線放送に関する件 の閉会中の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員及び小委員長の選任に関する件  派遣委員より報告聽取  電気通信事業経営に関する件  電波管理並びに有線放送に関する件     —————————————
  2. 關内正一

    ○關内委員長 これより電気通信委員会を開会いたします。  電気通信事業経営に関する件を議題とて、調査を進めます。まず最近の電気通信事業業務の概要について政府説明を求めます。佐藤電気通信大臣
  3. 佐藤榮作

    佐藤国務大臣 このたび、電気通信委員会委員方々におかれましては、地方における電気通信事業運営状況を御調査になりまして、いろいろと有益な御意見を承ることができますことは、事業のため感謝にたえないところであります。  私は先般はからずも電気通信大臣に任命せられまして、電気通信事業をあずかることになつたのでありますが、わが国産業経済復興のため、電気通信事業の果すべき役割の重要性にかんがみまして、施設整備拡充と、サービス改善に鋭意努力いたしまして、国民要望にこたえて参りたいと考えておる次第であります。しかしながら就任後日も浅く、これがための諸施策につきましては、この秋に臨時国会が開かれますならば、その節御審議を願うことにいたしたいと考えておりますが、本日本委員会が開催せられましたので、この機会に当面の諸問題につきまして、とりあえず二、三申し述べてみたいと存じます。  まず財務経理の面について申し上げます。昭和二十五年度決算につきましては、後日国会におきまして詳細御説明する機会があると考えますので、その要点のみを申し上げますと、損益勘定におきましては、收入では電信收入九十五億一千万円、電話收入三百三十億九千万円、雑收入その他二十億六千万円、合計四百四十六億六千万円、支出では総係費九十六億二千万円、電信に要する経費四十七億五千万円、電話に要する経費百三十八億四千万円、郵政会計への繰入れ五十九億二千万円、支拂い利子十五億一千万円、減価償却費七十五億八千万円、その他二十四億二千万円、合計四百五十六億四千万円でありまして、差引九億七千万円の欠損金を生じたのであります。  このように欠損金を生じた理由は、收入面におきまして新規増設備活動による業務收入増加や、国際電信電話收入の著しい増收があつたにもかかわらず、一方支出面におきまして、朝鮮動乱等に伴う物件費の高騰、給與ベース改訂があつたのに加えて、今回より特に資産再評価による減価償却費損益決算に計上したことなどによるものであります。  建設勘定につきましては、昨年度正味固定資産の純増加額は約百四十五億円でありまして、その内訳は、管理施設四億九千万円、電信電話共通施設十四億六千万円、電信施設五億二千万円、市内電話施設七十二億七千万円、市外電器施設四十二億四千万円、無線電信電話施設二億三千万円、特別専用施設二億九千万円であります。  次に、本年度補正予算の問題について申し上げますと、朝鮮動乱勃発以来の物価値上りや、近く実施予定給與ベース改訂等のため、極力経費節約をいたしましても、本予算のままでは相当の不足額を生じ、電信電話施設維持運営並びに予算に計上せられました電信電話設備計画実施ができなくなりますので、補正予算の作成に着手しているのでありますが、なお不確定な要素もありますので、目下大蔵省とも種々打合せをしている状況であります。  従いまして、ただいまは的確な数字をお示しして御説明することは困難でありますが、ごく大体のところを申し上げてみますと、損益勘定におきましては、物価値上り四十数億円、給與ベース改訂で三十億円程度、その他人件費不足災害復旧予備費等合計約八十億円程度不足が予定せられるのでありますが、これにはまだいろいろの前提條件の確定を要するものがありまして、当省といたしましても、最後的な決定をなし得ない次第であります。損益勘定におけるこの不足額は、これをそのまま料金改訂により補填するというような考えは持つておらないのでありまして、事業経営合理化経費節約その他企業努力をいたして参ることは当然でありますが、現在のサービス維持し、またなおサービス正常化をはかるためには、ある程度料金改訂もやむを得ないような見通しとなつておりまして、目下いろいろな案について検討いたしているのであります。  建設勘定におきましても、予算に示されました工程実施するためには、貯蔵品及び撤去品で埋め合すことのできるものもありますが、一応八十億円程度不足の見込みとなり、これは借入金の増額に待たねばならないのであります。また前国会で成立を見、七月一日より実施せられました電話設備費負担臨時措置法によりまして、三十数億円の負担金收入として上つて参りますが、これは大都市を中心として電話設備の急需に応じて行くために、補正予算を組みつつあります。この法律実施の結果につきましては、本法実施前の加入電話申込み積滯五十万余のうち、九〇%余の申込者設備負担金を出しても電話架設を希望しているものと推定せられるのであります。従いまして本年度におきましては、共同加入の奨励、空施設の利用によりまして、予算工程より少しでも多くの加入電話架設実施したいと考えておりますし、また増設電話の申込みにはできるだけ多く応じられるようにいたしたいと考えております。しかしながら熾烈な電話需要に応ずるためには、基礎設備の大幅の拡充をいたさなければならないのであり、電話の開通と基礎設備拡充とがマッチしなくては、よいサービスを提供することはとうていできないのであります。この意味におきまして、私はわが国電話整備のためには、年間五百億円程度工程実施する必要があると考えているのでありまして、今後所要借入資金の獲得に最善の努力をいたす決心でありますが、委員皆様の御協力、御援助を特にお願いいたしたいと存ずるものであります。  次に当省の従業員給與につきましては、前国会におきまして、特別俸給表及び報奨手当制度設定につき決議あるいは申入れをしていただいたのでありますが、当省におきましては、これが実現促進のため引続き人事院とも折衝いたしているのでありまして、そのすみやかなる実現を期待しているのであります。  次に電気通信事業運営企業化能率化につきましては、当省といたしましても、種々検討いたしているのであります。  その経営形態につきましては、事業基本的性格たる公共性を確保するとともに、他方企業性を十分発揮し得るよう、できるだけ会社経営の長所を取入れた公共企業体に移行いたしまして、政府資金のほか民間資金や外資の導入をも可能ならしめるようにいたしたいと考え、鋭意研究を進めておりますが、これと並行して現在の当省の機構自体につきましても、運営能率化のため、本委員会電気通信事業運営状況調査に基く御意見をも十分尊重いたしまして、これが簡素化につき考究中であります。  次に電話架設につきまして、とかくのうわさがあり、不正事実もありましたことは、まことに遺憾に存じております。しかし当省といたしましてはこれまでも架設の公平を期し、各種の方策を講じて参つたのでありますが、今後電話申込み受付方法につきましては、一層その合理化をはかり、国民方々に誤解や疑惑の念の起ることのないようにいたしますとともに、不正事実の発生の絶無を期し、職員各自十分戒心するのほか、監察機能を一層強化し、事業に対する国民の信頼を確保いたしたいと考えております。  最後に、電気通信事業国民理解協力とにより初めて発展を期し得るものであります。最近においてもサービスの向上には鋭意努力して参つているのでありますが、いまなお電話につきましては特にきびしい批判を受けている現状であります。従いまして、当省といたしましては、昨六日電気通信白書を発表し、事業の実態をありのままに国民の前に公表し、その理解に資するとともに、その協力援助をお願いした次第であります。  以上きわめて簡單に当面の問題につき御説明いたした次第でありますが、私といたしましては今後委員皆様方の御協力と御援助とによりまして、電気通信事業の振興をはかつて参りたいと存じておりますので、この点重ねてお願いいたしまして、私の説明を終ります。     —————————————
  4. 關内正一

    ○關内委員長 次に電波管理委員長所管事項説明があるのでありますが、まだお見えになつておりませんので、派遣委員報告を聽取いたすことにいたします。  本委員会におきましては、閉会審査の一方法といたしまして、さき議長の承認を得まして、各地委員を派遣し、御調査願つたのでありまするが、この際各班より順次御報告を求めます。第一班松井政吉君。
  5. 松井政吉

    松井(政)委員 派遣されまして調査いたしました事柄について、御報告を申し上げたいと考えております。  派遣地域各班の報告があるわけでありますが、各班とも派遣された地域における国民の御希望、御意見、さらにまた電気通信事業関係しております各班の地域的な関係諸公の御意見等が、かなりたくさん盛られているのであります。従いまして政府に対する要望事項等もございますので、ひとつお聞き取りが願いたいと考えているのであります。  私ども全国にわたる電気通信事業経営電波管理及び有線放送の実地を調査して参りましたが、そのおもな目的は、電気通信事業におきましては、郵政事業と分離、独立以来、満二年を経過いたしました今日、施設整備業務運営がはたして順調に行われておるかどうか、電波管理業務におきましては、電波法公布後一年間実施状況はどうであつたか、有線放送につきましては関係法律公布実施後の反響はどうであつたかの諸点であります。各班は上記の目的に基きまして、電気通信事業関係につきましては、施設復興整備状況サービス状況従業員定員配置給與労務状況電話需給状況、多数共同電話試行成績、並びに電話設備費負担臨時措置法に対する現地反響等について、電波管理業務につきましては、電波法施行現況を、特に日本放送協会放送事業一般放送及び漁業無線の三項目について、また有線放送におきましては、その現況及び第十回会において議員立法によつて成立いたしました有線放送業務運用の規正に関する法律施行状況、同法律に対する現地意見並びに有線放送公衆通信に及ぼす妨害の実情改善策等共通調査項目について、詳細な調査をいたして参つたのであります。  私ども現地調査第一班として北海道へ参りまして、札幌小樽旭川室蘭函館各地におきまして、それぞれ所在の電気通信局電話局電報局電波監理局放送局合計二十一局について調査を行いましたほか、上川郡美暎町、虻田郡洞爺村の有線放送施設につきましても、つぶさに実情調査して参りたのであります。調査結果の詳細は、お手元に配付いたしました報告書をごらんいただくことといたしまして、ここには主要の点のみを申し上げることにとどめたいと存じます。  報告内容に入ります前に、北海道総合開発計画について一言触れてみたいと存じます。北海道は、戰後わが国に残された四つの島といたしまして、その広漠たる原野の開発が、俄然重視されるようになりました。すなわち第七国会北海道開発法が成立するとともに、内閣に北海道開発庁が設けられ、本年一月には北海道総合開発第一次計画の発表を見たのであります。さらに第十国会においては、北海道開発局の設置が決定いたしまして、開発具体的施策もいよいよ実施の運びと相なつたのであります。この北海道総合開発第一次計画は、昭和二十七年以降五箇年間に電源の開発、交通の整備食糧生産の増強、地下資源開発を行おうとするものでありまして、開発の重点を札幌旭川を含む中央地域及び北見帶広釧路根室を含む道東地域に置き、予算約三千億円を見込んでいるのであります。電気通信施設はその一環といたしまして、開発に伴う将来の人口増加に即して拡充強化を行い、これによつて北海道経済活動活発化をはかろうとするものであつて、この経費百七十四億円を計上しているのであります。この計画によりますると、北海道人口は現在の四百三十万人から五百七十一万人に増加し、電話加入者数も現在の五万七千六百人、人口百人当り一・三の割合から、十三万六千、人口百人当り二・三七の割合増加を見込み、電話待合い時間も普通通話におきまして、長距離一時間三十分、中距離一時間、短距離三十分以内に短縮できる計画なつているのであります。なおこの計画に要する経費は、すべて電気通信事業特別会計負担なつておりまするが、この点は昭和二十五年度建設勘定におきまして工事実施認証額が七億五千九百万円にすぎないことに徴しましても、かなり無理があるようであります。すなわち独立採算制をモットーとし、企業的経営が要請されておる実情にかんがみまして、開発のため先駆する電気通信基本的施設については、一般会計負担とするような事柄を考えてみる必要があるのではないかと考えられるのであります。  次に内容に至りまして、電気通信事業現状に対する調査班の所見から申し上げたいと存じます。  第一に、設備関係について申し上げますが、北海道電話回線数は九百四十八回線ありましてそのうち主要幹線と目されるものは、函館を起点として室蘭旭川帶広釧路経由根室に至るもの、旭川から稚内に至るものでありますが、そのうち無装荷ケーブル区間は、釧路方面帶広まで、稚内方面猿拂まででありましてその他の区間裸線搬送を使用しているのであります。これはあたかも木に竹を継いだような観があるのでありましてこれら裸線区間は多く雪害のはげしい道東、道北にありますので、障害防止の見地からいたしましても、早急に地下ケーブル化の必要があると存じます。特に開発の進捗に伴いまして、対本州海底ケーブル増設、道内において帶広根室間及び猿拂稚内間のルート延長函館札幌間、旭川北見釧路間の迂回ルート設定によりまして、無装荷ケーブル網の完成をはかる必要があるものと考えられます。  次に局内設備及び局舎に移りまして、北海道直轄局無線局を除いて五十四局ありますが、そのうち郵政との共用局舎が三十八局あります。そのうち八七%は、局舎狭隘のため、機械増設がまつたく不可能の実情にあるだけでなく、運用上の不利不便はもちろんでありますが、従業員福利厚生の面から見ましても、急速に新改築の必要に迫られているのであります。今回の調査におきまして、最近モデル局として建てられました函館東電報局を見ましたが、これが單なるモデル局に終らずに、すみやかに全国化するよう願望するものであります。  次に機械関係におきまして釧路室蘭帶広函館小樽の各電話局及び岩見沢電報電話局は、現在すでに終局容量に達しているので、開発計画の進展に備えて、順次局舎新築の上、自動式に改式することを要望するのであります。また札幌電話局行き詰まり状態は、所要増設要望するものであります。  第二に、電気通信サービスについて申し上げますと、電報におきましては、年間取扱い数所要到達時間及び誤謬率のいずれにおきましても、職後最高の成績を示しております。電話市外通話数増加しておりますが、待時間は依然として長く、普通申込みによる通話は、事実上不可能の状態であります。また電信電話市外回線障害率が、全国平均の二倍を示していることは、一考を要するものと考えます。北海道の地勢、気候等に応じ、万全の保全態勢整備せられるよう切望する次第であります。  次に現在の経営機構制度は、電気通信省発足とともに、アメリカベル系電話会社機構モデルとしたものと存じますが、すでに二年を過ぎて、大体において好成績を上げておるようであります。昨年十一月には管理所簡素化して、その重複事務通信部に移し、加入及び料金の窓口を取扱局に移すとともに、取扱局組織を在来の業務長施設長の二本建から、運用、営業、施設長の三本建に改めたのでありますが、このことは業務分業化を徹底せしめ、ライン・オルガニゼーシヨンの線をいよいよ強化したものとして注目に値するものでありますが、それにもかかわらず、現地において管理所が浮き上つているから、これを廃止すべきだという意見も聞いて参つたのであります。本制度アメリカ試験済みのものでありますが、これがわが国で成功するかしないかは、これを運用する人並びに運用技術の問題であろうと存じます。当局の思い切つた施策を期待するものであります。  第三に、従業員定員配置給與及び労務状況について申し上げます。  定員については、北海道特殊事情に即応して、合理的な配置が行われたいこと、長期欠勤者の後補充を行い得るように、定員法の改正をされたい等の要望を受けましたが、もつともと思われる次第であります。なお独立採算制を標榜する電気通信省が、他の行政官庁と同じく、定員法により律せられる矛盾につきましては、毎年指摘されておりまするが、すみやかにかつ根本的な解決策を期待するものであります。  電気通信現業員給與につきましては、高能率、高賃金を適用すべきものであるにもかかわらず、公務員法等によつて縛られるため、類似形態を持つ民間会社はもちろんでありまするが、国有鉄道専売公社給與水準にすら及ばないのみならず、いわゆる頭打ちによる昇給停止が相当ありますため、勤労意欲を低下させる一因ともなつているのであります。本問題につきましては、さきに当委員会におきましても、現行国家公務員給與制度に適当な改訂を加え、電気通信現業員に対し能率加給支給し得る方途を講ずべき旨決議したのでありますが、この趣旨に基きまして、とりあえず電気通信省特別俸給表設定報奨手当制度の創設の実現要望されるのであります。なお給與ベース引上げも時間の問題となつておりまするが、政府に時機を失することなく、物価とにらみ合せた率によつて引上げを行うよう、強く要請するものであります。  次に石炭手当について申し上げますると、石炭手当北海道独特のものでありまして、昭和二十四年法律第二百号をもつて制度化され、世帶主たる職員には三トンを公定小売価格によつて換算した額を支給しているのであります。ところが実際には、法律に規定された通りの額を支拂われていないのであります。これは査定の場合石炭価格のずれがあること、及びこの手当から二割ないしそれ以上の所得税が差引かれることによるものであります。このため昨年度においては三トン分の支給額をもつて、わずかに一・六五トンの石炭しか購入できなかつたのであります。なお現地当局者並びに職員組合の言によりますと、過去の実績並びに統計から見て、一世帶当り六千五百カロリーのもの三・六トンを必要とするということであります。炭価の改訂につきましては、本年七月七日人事院勧告にもありまするが、北海道在住在勤職員に生活上の脅威を與えないように、合理的な石炭手当支給が望ましいのであります。  次に寒冷地手当につきましては、少くとも現状維持すること、地域給に対しては最小限度人事院勧告の線を下らないよう改善を行うこと等、現地の強い要望があつたことを付言いたしておきます。  次に労働関係に移りまして、北海道従業員組合は、昭和二十一年全逓従業員組合地方組織として発足以来、時勢の動きにつれまして左右両派の抗争が続きましたが、二十五年九月郵政と分離して全電通従業員組合を結成して、今日に及んでいるのでありますが、現在組合に参加しているもの四十七支部、七千八十五人約七九%、未組織のもの千八百九十四名約二一%でありまして、同地方組合活動は漸次民主化したと申すことができるのであります。  次に職場の環境の整備につきましては、逐次計画的になされておるようでありますが、従業員福祉増進のために、北海道気候事情等にかんがみ、なるべくすみやかに全職場に均霑せしめるように整備を進めることが望ましいのではないかと考えるのであります。病院、診療所保養所、宿舎、住宅等においても、地方実情に即応するように計画実施し、施設後の維持についても十分の注意を拂うことを、あわせて要望するのであります。  第四に、電話需給関係について申し上げます。本年五月末の北海道管理内の加入電話数は五万七千六百、その普及率人口百人当り一・三であります。また加入電話申込み積滯数は、普通加入において二万四千七百二十二、多数共同加入において四千、合計二万九千に達するのでありますが、本年度においては、そのうち五千しか消化できないのであります。積滯の原因は、都市における基礎設備不足によるものが多いので、目下の急務は交換機増設であると言えるのであります。なお交換機線路ともに空があつても、需要地域既設線路とが一致しないため、いわゆる不可能区域増加している事実がありましたが、計画にあたつての考慮が望まれる次第であります。次に多数共同加入電話については、目下渡島飯局工事中でありましていまだ試行するに至つておりませんが、北海道の地理的條件よりして将来の普及が期待されるのであります。  電話設備費負担臨時措置法につきましては、現場の声といたしましては、電話設備資金獲得の一手段としては、やむを得ない措置であると認めてはおるが、内容について相当不満があるように見受けられました。すなわち結果としては、電話の装置料を高めただけであつて、負担した人に何らかの恩典を與えないこと、負担金額が、都会は別として、いなかでは高きに過ぎるために、加入取消しの増加や、電話売買価格のつり上げが予想されること、国の機関を適用除外したこと等に難点があり、これが是正が望まれておるのであります。なお本法律と関連いたしまして、遠距離加入電話の物件寄付による開通制度を設けることについて、需要者側から要望がありましたことを申し添えておきます。  次に電波監理業務について申し上げます。  まず日本放送協会放送事業につきまして二、三の問題を取上げてみますと、道内放送局の放送区域外に、放送局の開設の根本基準に示された受信可能電界に達しない地域が残されておりまするが、これらの地域に対しては外来電波の勢力が強いことにかんがみまして、すみやかなる対策の樹立が要望されるのであります。  第二に、北海道のラジオの聽取者数は、五月末現在四十六万百六十八でありまして、普及率は五七・八%を示し全国第三位でありますが、人口稀薄のため、本年受信料の値上げがあつたにもかかわらず、放送局の收支に若干の赤字があることは注目すべきことであります。  第三に、受信機修理の問題でありますが、北海道は土地が広いため修繕料が高くなること、信用できるラジオ業者が少い等の理由のため、巡回指定区域の拡張が要望されておりまして、放送局は規定による巡回修理のほか、非指定区域にわたつてラジオ業者の後援巡回を実施している現状であります。  一般放送につきましては、札幌附近を放送区域とする北海道放送株式会社が四月二十一日に予備免許を與えられ、十二月二十日を開局目標として準備中でありまして、問題は今後に残されているようであります。  次に、漁業無線について申し上げます、北海道管内の海岸局は十一局、漁船無線施設は二百十四隻であります。これらは二十五ないし五十ワットの無電機を備えておりますが、将来いかつり舟等の小型漁船に五ないし十ワット程度の小型無線機の普及が予想されるのでありまする経営形態については、昨年無線局開設の根本的基準の公布以来問題をかもし、遂に国会を煩わして解決いたしましたが、現在の経営主体としては道庁、漁業協同組合四、同連合体二、利用組合四となつており、順調に運営されているようであります。なお使用周波数については、現在中短波の割当が非常にきゆうくつでありますので、将来は超短波百五十メガサイクル帶の使用が期待されているのであります。  次に、電波管理上の事柄としては小いのでありますが、注目すべき問題として取上げてみたいのは、アマチユア無線のことであります。御承知の通り電波法第四十條には、アマチユア無線技士が規定されているにもかかわらず、アマチユア無線局の開設が許されていないのであります。このため研究心の旺盛な無線アマチユアの熱意のおもむくところ、法律のらち外に出るおそれが多分にあるのであります。北海道監理局ではつとに積極的に実態の調査を行い、その善導に努めているのでありますが、現在六団体、百四十二人に及んでおります。これを全国的に見ますと、相当数に上ると思われますので、これらアマチユア無電局の免許促進については、当局の配意が望ましいのであります。  次に、有線放送について申し上げますと、北海道有線放送の発祥地でありまして、第十国会において制定せられた有線放送業務運用の規正に関する法律は、実に本道のラジオ共同聽取を対象としてつくられたものであります。道内の有線放送施設数は、六月一日現在総数八百五十五施設でありまして、その中にラジオ共同聽取三百七十八、営業街頭放送四十六、その他四百三十一となつております。なかんづくラジオ共同聽取施設は、加入者数三万三千百四十四人に達しておりまして、これは全道ラジオ聽取者数の七・一八%電話加入者数に対し、その五八%に相当するのであります。なお共同聽取施設者は、北海道ラジオ共同聽取施設連絡会を組織し、支庁單位に地区協議会を置いて事務連絡指導に当り北海道指導農協連は、農協が施設運営の主体である関係からして、放送局はラジオ普及の立場から、いずれも育成奨励に努めている状況であります。有線放送業務の規正法律の公布実施に対して、施設者はこれを歓迎し、その内容が予想よりも嚴格でなかつたことについて満足の意を表していますが、近い将来に立法を予想せられる施設基準についても、あまり苛酷に過ぎないことを要望しているのであります。届出状況については、共同聽取及び営業街頭放送は六月二十五日二〇%七月四日四〇%でありまして、割合に好調でありまするが、専用街頭放送については届出率が悪く、法律への関心も薄いようであります。なお先般行われた地方選挙において有線放送を利用した候補者数は、第三者放送を加えて約九百人に達しております。  次に、有線放送について特に注目すべき問題について申し述べますと、第一は、ラジオ共同聽取加入者に対するラジオ受信料の軽減の問題であります。これは共同聽取加入者が、一般ラジオ聽取者と比較して選択性のない受信でもつて聽取していることからして、各地要望があつたのでありますが、これに関連して共同聽取加入者と日本放送協会との受信契約についても疑問があるのであります。現在は親受信機を共通とする個々のスピーカーも、一つの受信機とみなすものとする放送法施行規則の解釈によつて、直接受信契約を結んでいるのでありますが、規正法律の施行によりまして公認された事業者と日本放送協会との受信契約については、当然検討を要するものと考えられます。この際日本放送協会は契約の相手を共同聽取事業者とすることが考えられるのでありまして、これによつて聽取料軽減の道も開かれ、なお施設上の維持経費を軽減し、かつ現在の施設のすみやかな改善整備を促進することができるのではないかと考えられます。  第二には、もつばら自己の営業のために行う法第二條第三号前段の施設、すなわち専用街頭放送業務を行うものに対しては、その業務内容が社会的に影響の薄いことにかんがみ、法律の適用から除外してはどうかという意見もあります。  第三には、有線放送電気通信施設に及ぼす妨害の問題であります。この妨害は誘導妨害でありまして共同聽取線が單線の場合に特にはげしいのであります。昭和二十五年十一月二十日現在の被害回線数は百八十二回線であつて、共同聽取普及区域の全部に及び、北海道全市外回線の約二〇%に相当するのでありまして、そのうち四十二回線は通信不能という、高度の妨害をこうむつているのであります。この妨害の原因の大部分は、共同聽取側にあることはもちろんでありますが、電通側にも責任なしとは言い得ないようであります。妨害の防止に対しては、電通側、共同聽取側協力して不断の努力を続けておりますので、漸次改善されているものと考えますが、いずれにしても捨て置きがたい問題と存ずる次第であります。  第四は、相互通信の問題であります。親子マイクロフォンを有するいわゆる複式共同聽施設においては、事業者から業務用あるいは緊急通話の場合に限り、相互通話を認められたいという希望がありましたが、これは美暎町の場合をテストケースとして、一応終止符が打たれたのであります。しかしこの要望は、電話に恵まれない農村において根強いものが感ぜられるのであります。一方かような事態を招致したのは、電話に関する基本の法律が明確でないことに基因するものと考えられますので、政府はすみやかに有線電気通信に対する法律を更新し、かかる疑問を残さぬよう措置することを強く要望するものでありまして、この際上述の共同聽取側の要望についてもやぶさかならざるよう切望してやまないのであります。  以上をもつて第一班の報告を終ります。
  6. 關内正一

    ○關内委員長 第三班高塩三郎君。
  7. 高塩三郎

    ○高塩委員 私ども調査第二班は、東海、北陸、信越の三地方におもむきまして、所轄の各電気通信局、各電波監理局を初め、二十六箇所にわたつて視察を遂げたのであります。その結果をとりまとめました報告書は、お手元に配付いたしましたが、ここにそのうち主要の点を御報告申し上げる次第であります。  まず電気通信事業経営について申し述べます。  その第一は、電気通信サービス電気通信施設状況であります。電報の取扱い数は、前年に比べて九分ないし一割七分の増加を示しております。その到達所要時分は平均において、遠距離で至急信一時間五十三分、通常信が二時間十九分、近距離において至急信が一時間三十四分、通常信が一時間五十六分となつておるのでありまして、漸次短縮の趨勢にあるのでありまするが、なおこの所要時分は、そのうち局内の経過及び配達のために費される時間に、五六ないし七〇%を占められておるのであります。電報誤謬率は、当務者の努力にかかわらず、依然一進一退いたしまして、照校信にあつてなお現在最良の成績が、一万字につき十五・二字であります。これを一万字当り六字であつた戰前の成績に比べますと、格段の精進が要望されることになるのであります。  電話通話の取扱いは、電報以上に年次の激増を続けておるのでありまして、これを市外通話度数で見ますると、前年に対して三割内外の増加を示しているのであります。電話交換の接続完了率は、漸次上昇しておりますが、現状は市内通話六五%ないし八六%、市外通話八四%ないし九一%の程度であります。なお市内通話の接続不完了の原因でありますが、その約七割ないし九割が相手電話の話中とするものであります。市外通話の待合い時分は、平均において短縮の傾向を示しているのでありますが、その最長のものをとつてみますと、遠距離通話においてはむしろ延長の傾きがあるのでありまして、最近の記録において特急五時間、至急九時間、普通六時間というものが見出されるのであります。  電話加入につきまして、その申込みと開通計画との関係を見ますると、現在積滯数に対する工事可能数は、七%いし一八%というはなはだしい低率にあるのであります。本年度増設工程としては、これを多少上まわつて割当てられる見込みのようでありますが、工事不能原因の大半が局内設備不足にあるということから、またひいては局舎の行き詰まりの関係から、それぞれ制約されるところが少くないと思われるのであります。さきに多数共同加入制度を設けて、資材面の経済化をはかり、また設備費負担臨時措置法を制定して、資金面に新生面を開いたことは御承知の通りでありますが、開通計画実施の前に横たわるかような隘路を取除くことは、これら新制度のみでよくし得るものでないこともちろんであります。  申すまでもなくこの積滯数の消化、開通計画の促進は、前に申し述べました通話完了率の上昇、市外通話待合い時分、電報局内経過時分等の短縮などと同様に、需要数の増加に即応する線路、局内設備等の増加をまつて、初めて達成できるものであります。すなわちサービス面の向上といい、需給面の適合といい、その解決方策の基本は、すべて施設改善充実にかかつているのであります。  調査地方におきまして、局舎の増築、新築、局内設備増設、改良の要請は、はなはだ多数に上つておるのであります。また市外線について、ケーブル化を初め、その改良、増設要望も決して少くないのであります。これらの要請、要望が順次実現の過程に繰入れられることは当然といたしましても、その時期が容易に到来しないことより、あるいはこの間に大都市重点主義の災いなどと非難の声も聞くことになるのであります。各地方におきまして局舎の新築、移転のため、敷地の選定からその買收へと、漸を追つて進められておるものが、事実相当の数に上つておるのであります。局舎の敷地につきまして、ことに堅牢建築を予定するものにおきましては、その決定の当否によつて、長く将来の便否を制することになるのであります。従つてそこに愼重な考究、検討を盡すことの必要が特に強調されるのであります。  新潟市外電話局舎は、新潟電報局との総合局舎として計画され、その敷地を万代橋のたもとに選定されたのであります。これについて、たとえば一方では線路の保守、公衆の利用、職員の勤務などの諸点、他方では信濃川の河流について考慮すべき諸点、その双方の関係がつまびらかにされているかどうかであります。調査班は直江津において、糸魚川電報電話局新築移転の陳情を聞いたのでありますが、この意味において愼重審査の要を痛感するのであります。  次に第二は、電気通信従業員配置及び処遇の状況であります。  従業員配置は、現在二%ないし五%の欠員状態にあるのであります。当務者の言うところによりますと、定員法実施後、定員配置がきゆうくつになり、事業増進に即応する彈力性が失われ、ことに近来いよいよ複雑性を加えた庶務、会計、人事等の事務には、容易に増員ができなということであります。しかも現在員中には、呼吸器疾患等によりまして、欠勤の長期にわたる者、及び健康上に注意を拂いながら軽い勤務に服しつつある、いわゆる要注意者が少くないのであります。目下この長期欠勤者は北陸に九十九名、信越に百十名、要注意者は北陸に三百三十二名、信越に五百六十名を数えるのであります。  諸給與につきましては、現在の八千円ペースに対照される平均支給額は東海八千四百十九円、北陸六千九百七十円、信越七千八百二十一円でありまして東海管内以外は実にベースを下まわる現状にあるのであります。しかも超過勤務手当その他ベース外の給與には、実際上多くを期待できない状況でありますので、従業員の大多数は生計費について赤字の悩みを続けておるのであります。あるいはこれに不時の出費が重なり、共済組合の狭いわくからの貸付金で、辛うじて当面幾分の補填をはかりましても、遂にはその弁済で行き詰まるといつた例も少くないのであります。  電気通信従業員の勤務は、申し上げるまでもなく大部分特殊技能を要素といたして、不特定多数の公衆に対する接触を円滑にし、その需要を円満に疏通するために、晝夜を通じて行われる作業であります。中にはこれがために、無人の山上などの服務を余儀なくされる者があるのであります。従いましてその生活條件は、單に名目的給與のみでは満たし得ないのでありまして、厚生施設その他による実質的な便益、休養、慰安、娯楽の付與を必要とするのであります。この必要はとうてい他の一般公務員の比でないのであります。佐渡の女神山は、海拔五百九十一メートルの高峯でありますが、人里離れたその頂上に勤務する女神無線中継所職員の山上勤務手当は、実働一日につき三十五円ないし四十円であります。この慰安面を潤すものといたしましては、現在わずかに五枚のレコードだけであるというのであります。比較的大都市の部局におきましては、いわゆるレクリエーシヨンの施設も着々整備されまして、室内娯楽施備のごときも漸次充実しておるようでありまするが、ここに注意を要することは、ある種の室内娯楽の遊戯と健康障害との相関性の問題であります。前に述べました長期欠勤者または要注意者の多くが、この種娯楽の耽溺者であつたようにも聞き及ぶのでありまして、これはまことになおざりにすることのできない問題であると思うのであります。  従業員の処遇に関連いたしまして、地方当局者または従業員組合意見または要望はすこぶる多いのでありますが、そのうちおもなるものを集約いたしますと、次のようなものであります。すなわち第一は、定員及び級別定数は、電気通信事業の特異性に適応するように是正されなければならない。第二は、給與ぺースを急速に引上げることともに、電気通信従業員特別俸給表の制定及び能率給または報償制を実施すること。第三は、超過勤務手当の完全支給及び夜勤手当の増額をはかること。第四は、特殊勤務手当給與ペース改訂にスライドして増額すること。第五は、長期欠勤者の後補充をすみやかにするとともに、結核療養期間の延長及び療養所、保養所増設をはかること。第六は、住宅対策を強力に推進して、従業員の住宅難救済をすみやかにすることなどであります。  次にその第三といたしましては、電気通信事業組織機構、人事管理、会計経理等、経営全般にわたるものであります。  これらの事柄につきましては、昨年中、本委員会現地調査の各班が一齊に、対策樹立の急務について報告するところがあつたのであります。これに対して当時の電気通信大臣は、その大部分に同感の意を表されまするとともに、主要の点について実行の意図を明らかにせられたのであります。ライン・オーガニゼーシヨンにつきまして、段階が多く、管理偏重のうらみがあり、しかも各ライン間、横の連絡の弱い憂いのあることを指摘したのであります。ことにサービス発揮上最も重要な現業段階の各ラインについて、その統括、結合に任ずべき取扱局配置の必要を強調したのでありますが、その後改変せられましたところはまつたくこれに反するもので、かえつてライン数を増し、従前の業務一系統を、さらに営業、運用の二系統に分割したのであります。  当時このシステムによる運営が、わが国現状においては非能率、不経済をあえてし、いたずらに従業員の不平をつのらせ、公衆の不満を買うに至ることをおそれたのでありますが、今回の調査の過程におきまして、それが従業員要望中に、あるいは現業のやりにくいライン・オーガニゼーシヨンの再検討とか、あるいは現業部門の犠牲の上に立つ管理部門の現状打破とか、あるいはまた大衆の利用を主眼とする通信施設拡充というような項目なつて見出されることとなつたのであります。  人事管理、会計経理の関係につきまして、これを企業的に是正し、自主的に確立することの必要は、そもそも電気通信省設置の理由が、合理的、能率的の事業運営と、独立採算の事業経理とを根本精神とすることに照し、当然の帰結とするものであります。昨年来これにつきまして、あるいは関係省庁間の連絡協議等により、手続、処理等の簡捷に努めた跡は十分認められるのでありますが、もとよりそれらは枝葉のことにとどまり、根本に触れるものではないのであります。しかしながらこれは行政組織全般を通ずる現行制度のもとにある限り、電気通信省のひとりよくし得るものでなく、その根本解決策は、現行制度の桎梏から離脱した経営形態実現に求めなければならないことになるのであります。  今やわが国は、国家の独立を回復し、いよいよ独力自立、その歩みを平和的、文化的に踏みしめて再出発いたすのであります。このときにあたり、今後国運の消長を制する産業、経済、社会、文化、百般の国民活動の基盤として、電気通信事業の果すべき使命、効果の重大性に思い至りますると、この経営形態の名実兼備の企業的展開は、直に焦眉喫緊の問題であります。  電気通信事業公共企業体経営移行につきましては、あらためて申すまでもなく、本院の決議以来御承知のごとき経過をたどつているのでありますが、これが実現については、すなわち万難を排し、この際打開の方途を講じ、必ずしも前例とかあるいは行きがかりとかに拘泥せず、最も有効適切なる方策を、愼重にしかも果敢に樹立し、推進しなくてはならないと存ずるものであります。かように申し上げますることは、すなわち当路に対する要望であるとともに、その達成上必要とする協力にやぶさかでないことを重ねて披瀝するものであるのであります。政府の決断を促してやまないのであります。  電気通信事業関係はこれをもつて打切りまして、次に電波管理について申し述べます。  その第一は、無線施設状況であります。三地方の陸上並びに船舶内設置の無線局数は、終戰直後の昭和二十年末に比較して、約四倍半ないし五倍となつているのでありまして、ことに船舶内無線局のうち、小型漁船に設置するものが、最近特に顯著な増加を示しておるのであります。  漁業無線は三地方を通じ、海岸局十四、船舶局三百八十四を算するのでありますが、これにつきましては御承知のごとく電波法に基く無線局開設の根本的基準によりまして、海岸局の地域的統合と免許人の組織的統合を要することとなつたのであります。去る第九国会の前後を通じ、この問題をめぐつて巻き起された紛争につきましては、同国会において制定された水産業協同組合法の特例法律により、組織統合関係は、一応の解決を見たのであります。その結果といたしまして、この地方では任意組合一つのほか、他は全部特例法律による漁業協同組合として進むことになつたのでありますが、地域的統合関係はそのまま見送られまして、現に静岡県には四局、三重県には二局、依然として並立の状況にあるのであります。  電波法によつて、広く規正されることになつた高周波設備でありますが、これは電力線搬送など、通信設備に応用するものよりも、加熱設備など工業用に使うものの増加が著しく目立つのであります。医療用の高周波設備は、その数がはなはだ多いのでありますが、これは必ずしも最近の増加によるのではないのでありまして、その中には他の無線設備に妨害を與えるおそれのある旧式の火花式設備が相当多く残つているのであります。  無線設備の運用にあたる無線通信従事者の資格、員数も、電波法によつて一層基準化されたのでありまして、国家試験を経て、現に配置されておりまするその員数は、終戰直後の三倍半ないし四倍半となつているのであります。  次にその第二は、電波管理職員状況であります。  電波管理地方機構といたしまして、各電波監理局無線局の免許、検査、監査、無線通信従事者の試験、免許、放送業務の規正等、いわゆる管理事務を所掌するほかに、電波監視の現業事務として、書夜継続の執務を要する電波監視局を持つのであります。これら電波管理機構に包含されまする職員配置を見ると、それはほぼ定員充足の状況にあるのであります。その給與、厚生の面を見ると、それは電気通信省から分離後なお日の浅いため、沿革、権衡等の関係よりして、その所在を同じくする電気通信局職員とほぼ同様の状況にあるのであります。従つて所遇についての要望もまた、電気通信局職員と同様の線上にあるのでありますが、ただ厚生諸施設の多くが電気通信省に依存し、中には郵政省から借入れたものの転借すらあるという現状にはあきたらぬものがあるのであります。レクリエーシヨン等、特に気分を主とする施設については、確かに特別の考慮が要望されるのであります。  次にその第三としては、放送事業状況であります。  三地方を通じ、放送用の無線設備は三十一でありまして、これはすべて日本放送協会施設運用にかかるものであります。一般放送事業者として、放送局開設の予備免許を受けたものが、名古屋、福井、金沢、富山と四つあるのでありまして、いずれもまだ放送開始に至らず、大体本年末までに放送電波の出そろうことが期待されるもののようであります。  放送の受信設備の普及率は、愛知の七四・一%を最高とし、石川の四四・八%を最低とするのでありまして、この石川県の状況は、実に奥能登方面の受信不能地域に対する救済の必要を裏書きするものでもあるのであります。七尾に中継放送所の設置を要望して、しばしば関係当局に陳情されたといわれ、調査班も金沢において、石川県広報審議会委員長の同様陳情を受けたのであります。なお岐阜県飛騨地方、三重県志摩地方にも、同様の実情のもとに、同様の要望があるのであります。  受信困難の救済と相並んで、受信障害の防止及び受信機故障の修理が、重要な問題であるのであります。受信障害の防止につきまして、受信障害対策委員会を結成し、専門各界の協力体制を整えているものがあります。一方受信機故障の修理につきまして、当業者修理業務の活溌化を要望するとともに、日本放送協会の修理業務指定地域の再検討を希望する向きもあるのであります。  なお放送受信用の定額電気料について、従来しんぼうしていた不合理を、電気料金引上げ機会に是正されたいという全国的の要望があるのでありまして、これについては関係当局の格別配慮を切望するのであります。  日本放送協会は、御承知のごとく初めての国会承認予算を通じて、受信料を引上げたのであります。すなわちこれによる増收を合せて、六十三億余円の巨額をもつて、本年度事業計画が遂行されるのであります。調査班は、本委員会の受信料引上げ審査に際し、希望の表明された聽取者還元サービス実現状況いかんに、多大の関心を持つて臨んだのであります。各放送局におきましては、地方番組の充実その他の企画、実施の面に、あるいは部外各界の知識経験を取入れ、それぞれ創意くふうを凝らし、還元サービスの徹底に力を注ぎまして、あたかもその成果を競うもののごとき観を呈しているのであります。申すまでもなくおよそ企画、実施について、あらかじめその効用、成果の考究、検討を十分にすることは、サービスの価値、経営の経済等の関係に照して、きわめて重要のことであります。ローカル・ニユースの充実について、放送記者一人の配置を持つ放送局が少くないのであります。すなわち右の意味において、はたして得るところが失うところにまさるものがあるかどうか、考究の要あるものと思われるのであります。  終りに有線放送について申し述べます。本年四月十日、有線放送業務運用の規正に関する法律の施行以来、各電波監理局において調査の結果、三地方の現在有線放送設備数は、東海五百五十ハ、北陸百四十四、信越百七十九でありまして、そのうちいわゆる共同聽取施設数は、北陸には全然なく、信越に十三、東海に三つ、その他はすべていわゆる街頭放送に属するものであります。法律の規定による届出状況を見ると、この全設備数に対して、東海、北陸では三〇%程度・信越では四七%程度が届出を了しているのであります。  街頭放送の設備状況を、設備者の業態から見ると、そのうち最も多くを占めるものは、東海では遊技場の五〇%北陸及び信越では映画館でありまして、それぞれに四四%、三〇%となつているのであります。先般行われました地方選挙に際して、有線放送が候補者にどのように利用されたかと申しますと、共同聽取が東海地方で一つ利用されたほか、すべて街頭放送でありましてその利用設備数は東海十四、北陸七、信越三十一と見られるのであります。  有線放送業務運用につきまして、たまたま興味深く感ぜられますことは、街頭放送がおおむね営利的に行われるのに対し、多くの共同聽取の有線放送は、半ば奉仕的であるか、またはきわめて良心的に行われていることであります。調査班の実地視察いたしました新潟県牧村の設備のごときも、その例に漏れないものであります。これは寺院の住職で、農民のため夏季託児所を設けておる人の施設でありまして、三台のスーパー受信機、二百ワット三台、百五十ワツト三台の送信機、それに予備発電機を備えつけ、約四キロ半径のうちに四百近い加入者をつなぐ、比較的規模の大きなものであります。それで人件費はまつたく計算外に置きまして、一切の経営物件費をまかなうため、加入者から月七十円ずつを受入れるだけであります。もつとも新加入に対しては、スピーカー代及び線路費として五百円を一回限り申し受けることにしておりますが、すべてまつたく奉仕の気持をもつてつておるのであります。  なおこの際ここにつけ加えて、関係当局の注意を喚起したいと思いまするは、有線放送の主管の問題であります。規正法律の起草に先だつて、本委員会は、電気通信省及び電波監理委員会と密接に連絡をとり、ことに所管の関係については、相当の時間と手数を費したものであります。その結果として、設備及びその運用は、現行電信法のもとにおいて当然規正し得るものであり、電気通信省の所管に属することを確認し、新立法を必要とする業務及びその運用の規正は、新たにこれを電波監理委員会の所管とすることに意見の一致を見て進められたのであります。しかるに今回の調査にあたつて電気通信省地方機関の中には、この自己の主管事項にほとんど無関心であるがごとき印象を與えるものもありまして、まつたく意外の感に打たれたのであります。今回調査地方におきましては、有線放送公衆通信に及ぼした不良の影響は、幸いに絶無ではあつたのでありますが、事故を未然に防ぐ将来のために、主管に基く責任の所在について、末梢まで徹底をはかるよう希望せざるを得ないのであります。  以上をもつて第二班の報告を終ります。
  8. 關内正一

    ○關内委員長 第三班辻寛一君。
  9. 辻寛一

    ○辻委員 それでは私より第三班の調査の結果につき、御報告申し上げます。  第三班の視察いたしました地方は、四国、中国の二地方でありまして、松山、高松、広島、山口、松江、鳥取の各地において、所在の電気通信局電報局電話局電波監理局、中央放送局及び放送局合計十七局について調査を行いましたほか、出張の途次、近畿電通局、同電波監理局幹部から、管内状況を聽取いたしました。調査の結果の詳細につきましては、お手元に差上げました文書をごらんいただくこととして、ここにはごく主要の点だけを申し上げるにとどめたいと存じます。  まず電気通信事業現況を概観いたしまするに、電話加入者数電信電話の回線数、取扱い数等を量的に見ますと、戰争の痛手もようやくいえたという感じがいたしますし、サービス面について見ても、電報所要時分のごときは、特に著しく短縮されて参つたのでありまして、この間における電気通信省職員諸君の労苦は深く多とする次第でありますが、一方において、今日電話加入の申込みが全国にわたつて五十万以上も積滯しており、電話架設に対する国民要望は、わずかに二割程度しか満足されておらず、既加入者の側においても、電話接続の不完全、機械、線路の故障、交換方式の陳腐化等、質的の面に対する不平不満の声が高いことは御承知の通りでありまして、電気通信復興は、他の部門に比して立ち遅れておるという印象が一般的であることは、すこぶる遺憾とするところであります。わが電気通信委員会としては、この非難をいたずらに政府当局に転嫁することなく、公衆電気通信事業が終戰後六年を経過して、なおかような状態に低迷しているその真の原因がどこにあるかを真剣に探求し、事業の発展を妨げている事柄があればすみやかにこれを除去し、政府協力して一日も早く真に国民の期待に沿うような電信電話をつくり上げなければならないのでありまして、かかる見地から四国、中国班としては、現地視察報告の本旨には多少はずれるかもしれませんが、電気通信事業経営方式、行政機構改革の問題、事業の一元的運営の限界といつたような、電気通信事業のあり方に関する根本問題を中心として、所見を述べてみたいと思うのであります。  電気通信事業経営形態については、第七国会以来本委員会においてもしばしば論議され、昨年の派遣委員報告会にも各班から詳細な意見が提出されたのでありますが、結論としては、電気通信事業の財務、経理、人事、給與定員等の面において、一般行政官庁を規律する法規を画一的に適用され、特に建設予算を国家財政のわくでむやみに圧縮されるということでは、企業活動が半身不随になつてしまう。もし国営である限り、こういつた制約から脱することができないのなら、電信電話経営形態を国営方式以外の方式に改めることが必要であるという見解が、圧倒的であるように思います。  それでは具体的にどういう経営方式がよいかという問題になると、いろいろの意見があるのでありまして、現在においては、さきに本委員会が主体となり、衆議院で議決された電気通信事業公共企業体経営移行に関する決議に宣明されたような、いわゆるパブリツク・コーポレーシヨン形態がほとんど大勢となつているようでありますが、このほかに公益を代表する国家機関の嚴格な監督に服する以上、豊富な民間資金を獲得し、活発な企業活動を営み得る点からいつてアメリカ式の純民営形態をとる方がよろしいとする意見も相当有力であります。しかしながら公共企業体がいいか、民営がいいかは、むしろ二次的な問題であつて、それよりもどういう経営体をつくるべきか、いかなる性格と内容とを持ち、いかなる国家監督に服する経営体となすべきかをきめることが先決であり、その結果でき上つたものが公共企業体的であり、あるいは、民営的であつていいのだと考えます。私見をもつてすれば、新企業体は第一に豊富な建設資金が調達できるものであること、第二に十分な自主性と機動性とを持つて企業活動を営み得るものであること、第三に事業の公益性を失わないものであることの三つを目標として構想さるべきものであり、この目標にはずれたものができた場合は、せつかくの経営形態の切りかえも、單なる看板の塗りかえに終るおそれがあると思うのであります。新聞の伝えるところによれば、佐藤電気通信大臣は、いよいよ日本電信電話公社の設立計画に乗り出されたようでありますが、私は新公社の設立がデツド・ロツクに乗り上げた電気通信事業の行き詰まりを打開し、新しい発展への道をたどる一つの転機を画するものとなることを切に要望し、かつ期待するものであります。  次に行政機構改革と人員敷理の問題でありますが、終戰以来各種の事情で膨脹した政府機関を統合し、その事務を簡素化することによつて、冗員の整理、予算の節減をはかることはきわめて肝要のことでありまして、今回政府が大なる決意をもつてこれを断行しようとすることは、まことにけつこうなことであります。電気通信省関係でも、もし経営形態の切りかえが行われるとすれば、それだけでも機構上の大変革でありますが、その上かりに事業経営の実体が公共企業体に移行するとすれば、これに対して国家監督の役目をする何らかの政府機関が設けられなければならず、この政府機関のあり方をめぐつていろいろなな考えがなされており、他方また電波監理委員会を含む各種行政委員会の存廃についても、種々の論議があるようであります。これらの問題は政府案の決定をまつて、あらためて国会において愼重に検討さるべき事柄でありますから、ただいまは意見を述べることを差控えますが、今回調査班が接しましたこの問題に関する地方側の気持といつたようなものを、二、三御参考までに申し上げます。  その一は、電気通信事業昭和十八年以降、逓信省、運輸通信省、通信院、内閣逓信院、逓信省、電気通信省電波監理委員会の分離と、実に六箇年半の間に五回に及ぶ機構上の大変革を経験しているのでありまして、いわゆる朝令暮改の感が深いのであります。これらの改革の都度、従業員の身分は左右されまするし、また過渡的な事務澁滯によつて事業がこうむる打撃は大きいのであります。従つて従業員側に、今回の機構改正はやむを得ないとしても、今度は十分愼重な考慮を加え、将来再び機構いじりをしないで済むような、百年の大計を立てられたいという希望が多いことは当然であります。  その二は、電気通信事業公共企業体経営に移行した場合、その監督指導に当るべき政府機関の首長は、通信——でき得れば電気通信——を専心管掌する専任大臣であつてほしいという要望でありまして、その半面において電気通信の監督官庁が、総理府、運輸省ないし交通省等の所管に属することは、電話拡張その他の強力な推進に支障を来すものとして、極力回避しようとする意向が強いのであります。  その三は、人員整理に関するものでありまして、今回の調査にあたり、各地において管理者側も組合側も、管理部門における機構簡素化、冗員の節減は理解できるが、現業部門にあつては、現在すでに人員配置不足であり、これ以上の定員削減はとうてい困難である旨を強調しておるのであります。  以上は予想される行政機構改革並びに人員整理に対する地方側の意見でありますが、なお現在の機構及び定員配置の問題につきまして、イ、現行機構における管理段階の單純化、ロ、管理要員の節減、ハ、地方資材部、学園、病院、診療所等の電気通信局への統合、ニ、取扱局の局長配置、ホ、長期病気欠勤者及び訓練期間中の者に対する後補充定員配置等に関し、報告書の中に調査班の所見を記載しておきましたから、御検討を願いたいと存じます。  第三といたしまして、電気通信事業の一元的運営の限界ということについて考えてみたいと思います。電気通信事業はその自然的独占性等よりして、本来一元的に運営されなければならない性格を持つた事業でありますが、この事業国民の福祉のために存在する以上、かりにその経営主体の人的、物的ないし財的能力に限りがあつて、一元的運営の原則をしいて貫こうとすれば、かえつて国民要望を十分充足し得ないというような場合には、経営主体の独占すべき事業範囲の限界について、検討を加えることもまた必要であります。この意味においてわが国電気通信事業につき、事業の執行に関する面と、施設の所有に関する面とにわかつて考察してみまするに、電信電話事業の執行という面では、わが国制度創始以来一貫して政府専掌の大原則を堅持して来たのでありまして、電信法第二條に私設電信電話を認めておりますが、それには嚴重な地域的、人的及び施設目的による制限が付されており、特に公衆通信につきましては、経営主体みずから必要を認めて他人に委託する場合を除き、経営主体が直接これが執行に当ることが、今日までの鉄則でありました。しかし現在農山漁村等に見るように、住民の電話架設に対する要望がいかに熾烈であつても、電気通信省計画順位を待つていたのでは、いつになつたら電話の恵沢に浴することができるかわからないというような時代にあつて、なおかつこの鉄則を墨守し、公衆通信の私営を禁ずることは、はたして妥当でありましようか。電気通信省内に設置された運営審議会はこの問題にこたえて、さきに適切なる意見を答申しているのでありますが、ただいま立案中と伺つている有線電気通信法案においては、電気通信省の設備が普及していない地域において、公共の福祉増進上必要な場合は、一定の條件のもとに公衆通信の私設私営を容認する等の考慮が拂われてしかるべきではないかと考えます。  また電信電話施設の所有に関しては、現行法には別段定めがなく、公衆電気通信設備といえども、必ずしも経営主体の所有には属していないのでありまして、事務庁舎、電報電話局舎、倉庫等はもとより、最近に至るまで無線送受信所、ケーブル線路を民間会社に建設提供せしめた事例すらあるのであります。しかるに昭和二十二年三月、電気通信設備の建設保守の一元化に関する総司令部覚書によつて、公衆電気通信系に属する機械、線路は、すべて電気通信省に統合され、従来加入者において設備維持を行つて来たPBXまで統合の対象となつたのでありますが、この方針は運営の一貫性を完全にし、技術の統一改善をはかるためにはきわめて有効であるとしても、電気通信省の建設保守予算が極度に逼迫している今日の状況から見て、適当であるかどうか疑問なきを得ないのであります。現在はむしろ電気通信設備の建設及び保守は極力民間資本を動員して行い、国家予算と相まつででき得る限り各種施設拡充整備をはかるべき時期ではないでありましようか。少くともPBXの統合のごときは、行き過ぎの感を免れないのでありまして、政府当局の一考を煩わしたいと思うのであります。なおこれに関連して、本委員会において再三提唱された物件寄付による電話開通制度についても、これを要望する声が各地方においても高まつておりますので、なるべくすみやかに実現に努められたいのであります。  次に、電話拡張計画について一言いたしたいと思います電気通信省の統計によれば、本年三月現在の電話加入申込数は五十万二千余、その七六%を占める三十八万二千余は、室施設不足のため、さしむき受理不能の状態にあります。また同じく三月現在六大都市における市内通話完了率は平均四五%、東京のごときは三七%でありますが、不完了率の大半は加入者話中が原因となつております。これらの数字は、今日電話事業最大の急務は、電話の新規増加であり、同時に電話増設をはかろうとすれば、新たに交換設備、線路、局舎等の基礎設備の建設が必要であることを示しておるのでありますが、かりに最近における電話需要の激増という事象が起らなかつたとしても、戰前多年にわたつて設備の取替補充を等閑に付し、加うるに戰時中の酷使と戰災による荒廃とを満身に受けた電気通信設備は、今や根本的に改修しなければならない時期に到達しているのであつて国民要望するところを満たすような電気通信の再建には、施設の全般に対し数箇年にわたる一大拡張整備計画を樹立実行することが絶対に必要であります。由来わが国電話拡張計画は、幾たびか財政的理由のために改編を余儀なくされた歴史を持つており、現に終戰以後においても三箇年計画あるいは五箇年計画と称するものが、両三回にわたつて策定されたのでありますが、いずれも実施第二年度を出でずして実行困難に陷り、改訂縮小を見ておるのみならず、その計画規模においても、加入電話増設年間十万個程度のものにすぎません。すでに幾たびか繰返されたことではありますが、この機会政府が万難を排して、大規模にして安定せる長期建設計画の確立と実施とに、十二分の熱意を示されんことを重ねて要望する次第であります。  なおさきに制定を見た電話設備費負担臨時措置法については、各地方において小都市及び農村方面では、経済力から見て設備費の負担が過重であるから、電話級地によつて設備費徴收額に三ないし四の段階を設けられたいという意見、及び昭和二十四年二月十五日以降の電話につき、個人の相続、法人の合併等の場合、加入権の承継を認めないことは、わが国情に反するのみならず、これに対しさらに設備費の負担を課することはすこぶる苛酷であるから、これらの場合には加入権の移転を認め、設備費を徴しないことに改正されたいという意見がありました。  最後に、職員給與に関する問題でありますが、現行給與ベース改訂の必要は、すでに論議の域を越えた問題であり、人事院においても新勧告案を起草中と伝えられ、政府部内においても目下具体策の検討中と察せられるのでありますが、従業員をして安んじて職責を全うせしめるとともに、官民給與の不均衡を是正するため、給與ベースを適当に引上げることは、勤労所得税の軽減措置とあわせて、焦眉の急務であると認められるのでありまして、調査班調査中に接した電通従業員一致の要望を本委員会報告し、あわせて政府が本問題の解決にさらに一段の努力を傾けられんことを希望するものであります。その他褒賞手当制度の確立、特別俸給表の制定、地域給合理化等の問題も、組合側の主張するところはおおむね妥当と認められるのでありまして、当局においても十分これら意見を参酌して、給與制度の是正に努められたいのであります。  以上電気通信事業経営上の諸問題につき、調査班の所見を申し述べたのでありまするが、電波管理業務及び有線放送に関する調査の結果につきましては、第一班、第二班と所見を同じくするものが多いので、すべて報告書の記載に譲ることといたし、これをもつて四国、中国班の報告を終ります。
  10. 關内正一

    ○關内委員長 第四班、長谷川四郎君。
  11. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 私から第四班の調査につきまして御報告を申し上げます。第四班の調査地域は九州地方でございまして、大分、宮崎、鹿児島、熊本、長崎、福岡の大県におきまして、それぞれ所在の電気通信局電気通信部、電気通信管理所電報局電話局電波監理局、中央放送局放送局につき調査を行つたほか、油津の漁業無線局及び鹿児島所在のラジオ共同聽取施設を視察して参つたのであります。  その内容に入り御報告を申し上げますが、電気通信事業現況に対しまして調査班の所見から申し上げますと、電話事業で最も問題になりますのはやはり電話需給の不均衡であります。九州地方でも需給の不均衡ははなはだしいものがありまして、本年度の需給見込み数四万三千に対して、供給せられる架設数は八千百、比率は一八・九%でございます。すなわち申込みの五分の一弱の電話しかつかないのであります。これは昨年度の需要四万六千百四十九、架設数一万二千五百六十、比率が二七・一%に比較いたしまして架設数は非常に少く、需給比率も一層不均衡になつておるのであります。かように需給が不均衡であるということは、元来復興の先駆であるべき電話復興が、かえつて他の部門の復興よりはるかに遅れているという証左であります。今般の設備負担法のように、加入者に多額の負担をしいてさえも、なお二割弱の供給しかできないような状態は、まことに遺憾なことであります。こんな状態で累積しておるところの積滯の原因を追究してみますと、本年四月末の九州管内の積滯三万六千六百十八のうち、工事不足によるもの、すなわち予算さえあれば工事可能のものは九千七百五十八、比率が二四%で一万に満たず、残余の七六%の大部分七〇%は空施設不足で、これらは基礎設備から増強しなければ架設できないものであります。さらにその空施設不足の内訳は、局内設備不足が四一%、線路不足が一〇%、局内設備線路とも不足しているのが四九%となつておるのであります。局内設備不足は九〇%に上り、線路不足は六〇%に達するのであつて、今後の増設にあたつては大部分が線路、交換機、ひいては局舎までもつくつて行かなくてはならず、昨年度のような空施設重点主義の架設はまつたく行き詰まり、今や巨大な投下資本を必要とする工事だけが残つておるのであります。施設の行き詰まりは当然サービスにも影響をし、市内の不完了通話の過半数が相手話中に基因するもので、加入率の低いことが疏通率の向上を阻んでおり、市外通話では回線不足に基く回線負荷量の過大が待合い時間を長くさせていて、毎年九州管内で二千万程度ずつ通信取扱い数が増大している事実とにらみ合せると、これに対応して施設の増強をはからない限り、サービスの向上は期待できないのであります。施設の増強が必要である半面、施設の改良がまた差追つた問題になつております。九州地方の回線障害率は、市内回線では百回線当り本年二月七・一件、三月九・三件で、全国平均四・五件及び五・五件に比較して著しく高く、両月とも全通信局中第一位を占め、市外回線も本年三月の資料では、一箇月一回線当り全国平均一・八件に比較し二・四件と高率であつて、回線の脆弱性を示しております。これが台風の通過圏にある九州の地況と相まつて施設の堅牢化は官民ひとしく要望するところとなつております。なかんずく最も頻繁に台風禍を受ける鹿児島、宮崎、大分の幹線が脆弱な架空線で、例年台風時には通信が杜絶し、いわゆる陸の孤島に化するため、九州東まわり地下ケーブルの完成の要望は熾烈でありますが、調査班としてもその趣旨に強く共鳴するものでありまして、災害対策、治安維持対策としても、また毎年莫大な災害復旧費を支出している事業の経済の面からも、早急に実現すべきものであると思います。特に本件につきましては、当局の方針を承りたいと存じます。  一方回線の質にもかなり問題があり、鹿見島放送局が中継線の素質劣悪のため、同局発の全国中継放送をさしとめられていること、長崎、大分、宮崎の各放送局も、雑音、誘導混入、特性変化等のため、無線中継にたよる場合が非常に多く、大分のごとき第一放送の一八%を無線によつていること等、たとい一般の通話は放送中継のときほどの良質の音を必要としないとはいえ、幹線でしかも最良の線を専用していてかかる状態であれば、他は推察にあまりあり、また別の例として長崎電気通信部が、有線放送の漏話量を六十DBに押えなければ通話にさしつかえるとしていることなど、改良の余地が大きいことは容易に察知できるのであります。局舎の老朽、狭隘もはなはだしく、交換機のとりかえ、改式、区域併合等の要望も強く、再評価未済の帳簿価格による現行の減価償却が、資産を食いつぶしていることの裏書きとしてなまなましく印象づけられ、事業百年の計として減価償却の適正化をはからなくてはならないことを痛感した次第でありました。  以上申し述べた諸点を総合して、電話事業の逼迫はいよいよ行き詰まりに来ていて、大拡充計画実施はもはや荏苒日を過すを許さない段階に来ていると思うのであります。  次に電信事業におきましては、施設、速達度においてほぼ戰前までこぎつけ、取扱い数も伸びており、誤謬率もいまだ戰前の二倍であるとはいえ、逐年改善されていて、復旧の実顯著なものがありますが、問題は累年の赤字の解消であります。これについては通信方式の機械化等による経費節約料金制度の改革等のほか、僅少な通信のための厖大な人員配置を必要とする夜間取扱い業務の制限、廃止等、サービスにわたつても検討の必要があろうかと思います。  九州における電通業務で特に印象づけられたものの一つに、離島に対する無線通信があります。昨年度から開通した九州本土と種子島、屋久島及び王島との間を結ぶ超短波無線電話が、これらの離島の産業、経済、文化に與えた好影響は瞠目すべきものがあり、この好結果にかんがみまして、九州をめぐる主要な離島に、早急にこの種施設を設けられることを希望するとともに、無線のより高度の利用について研究されることを望むものであります。  次に事業運用上の問題についてであります。報告書には機構給與定員労務等の諸問題について触れておきましたが、ここで物に強調したいのは、管理機構簡素化と管理要員の圧縮であります。現在の本省、通信局、通信部管理所取扱局の五段階制の機構は、当初から段階が多過ぎるのではないかといわれていたが、その後二箇年余の実績に徴しても、真にこれだけ多数の管理段階を必要とするとの理由は納得できないのであつて、一、二の段階を少くすることは可能であり、かえつて管理段階を少くすることが、能率増進に資することになると思われるのであります。これとも関連して考えなくてはならないのが、管理要員の縮減であります。九州電気通信局の現在員一万七千九百五十三名のうち、管理機関たる通信局、通信部合計が二千四十名と、全体の一二・四%を占めており、本省の人員を除いてさえもかように管理要員を多数擁していることは、企業体としては好ましくなく、一面現業要員が著しくきゆうくつになつていることを考え合せると、でき得る限り管理要員を圧縮して、現業を充実する必要があると思うのでありまして、前述の管理機構簡素化とともに、考慮を望むのであります。  以上るる申し述べて来ました通り、電気通信事業現状は、多数の懸案が山積しており、暗礁に乗り上げている感がありますが、かかる状況をしさいに検討して参りますと、現行の国営形態から来る制度上の束縛が、事業の窮状打開にきわめて不都合であるのに考え至るのであります。これに対する打開措置としての経営形態の改革については、衆議院はさき公共企業体移行促進の決議を行つて、明瞭に意思表示をしておりますから、あらためてここに議論を繰返しませんが、今次視察の見聞に基く結論としては、公共性確保に関しては嚴重な国家の監督を要するが、他の面では思い切つた民営的制度とすべきでありまして、国鉄、専売の両公社程度制度では、さして効果はないと思うのであります。この問題こそ電通事業百年の計を定めるものでありますから、ただに財政的立場からだけではなく、真に国民的立場から愼重な検討を遂げられ、国民の信頼に値する事業に脱皮されることを切望するものであります。  次に電波管理業務に移りますが、電波三法の施行からちようど一年を経過し、関係法規も整備業務もようやく軌道に乗つているようであります。  まず日本放送協会は、初めて国会承認の手続を経た新予算が執行されておりますが、値上げされた新聴聽料は、聽取者の増加率には悪影響を見せておらず、聽取者開発も予定通りの数を実現できると見られます。予算支出面で最も目立つのは、放送費の増額でありますが、放送局側の意見では、ローカル放送時間が著しく多くなつているので、謝金單価はあまり引上げることができず、まだ十分ではないということでありましたが、聽取者の負担能力、協会の公共的性格、一般放送との権衡等を考えると、新料金は一応妥当としなくてはならないと思います。協会の施設面では、ローカル放送拡充のため、スタジオの不足、狭隘が目立ち、前述の中継線の整備及び微電界強度地域救済の必要が痛感され、なるべく早く所要の措置が講ぜられることを切望いたします。協会業務のうちで特に考慮の要があるのは、受信機の修理業務であります。受信機修理業者の経営不振、業者の信用の欠除等から、協会の修理業務再開、指定地の拡張、指定店制度の復活等の要望が強く、放送法による改革はあまり急に過ぎたのではないかとの批判さえあり、愼重な検討を要します。  次に地方的問題として、福岡放送局の韓国語放送の問題があります。同局では昨年夏朝鮮事変勃発以来、毎日第一放送で午前七時三十分から三十分間、午後八時三十分から一時間の二回、韓国語放送を実施しておりますが、いずれも聽取率の高い時間でありますので、聽取者の不満が相当強いようでありまして、同地には今度一般放送も開設せられることになつておりますので、これに対抗して公共放送の使命を全うするためにも、何らかの代替策を立てることが必要であります。韓国語放送が今後相当長期にわたつて実施せねばならないものであるならば、当局においては関係筋とも連絡して、早急に対策を講ぜられたいのであります。  次に一般放送は、福岡、久留米の両市に二局仮免許がおりていますが、物価騰貴による資金難が深刻で、福岡市のラジオ九州のごときは、電波監理委員会に対して融資あつせん方を嘆願していますが、放送法制定の趣意にもかんがみ、一般放送計画を建設途上において挫折せしめ、国民の期待を裏切ることのないように、当局としては、一般放送全体の問題として配慮されることを期待するものであります。  放送事業に関してはいま一つ、受信機の生産、修理業者に対する監督が、考慮を煩わしたい問題であります。資材統制の必要が薄れて参りますと、生産過程における監督より、利用関係からする監督の方が、より必要になつて来るのでありまして、受信機の性能の認定、修理業者の技術資格の検定等、通産省より電波監理委員会の所管とする方が適当ではないかと思うのであります。本件については特に政府の御意見を承りたいと存じます。  昨年秋問題になつ漁業無線については、特に宮崎県油津の海岸局を視察して参りましたが、同局の話では、改組後確かに経費負担は増しているが、利用関係が明朗になつた点で利用者は喜んでおり、ただ今後の希望として、全国的の連合会をつくりたいということでありました。  その他電波監理局で特に努力している問題には、高周波利用設備の増加による電波受信妨害対策、定額制電燈利用者のラジオ聽取用電気料金の合理的算定の問題がありますが、後者の問題は、聽取者の四〇%にあたる多数の高周波一段増幅ラジオ受信機の所有者が、その使用電力三十ボルトアンペア以下であるにかかわらず、五十ボルトアンペアの料金を課せられている不合理を是正しようとするもので、聽取者開発にも影響するところが少くないと思いますので、当局としても全国的問題として処理されることを望みます。  最後に有線放送状況について申し上げます。九州地方北海道に次いでラジオ共同聽取施設の多い地方で、その中でも種子島、五島等の離島には大規模の施設があり、通信手段に恵まれない離島の唯一のマスコミユニケーシヨンの方法として特殊な効用があり、今後も増加の傾向にあるようであります。その他の有線放送も相当多いようで、推定ではありますが、約二千と称しております。運用実情については、まだまとまつた調査はできていないようですが、政治的に片寄つた運用の事実はないようで、街頭放送に対する希望としては、高音防止が最も一般的で、かつ強いようであります。さき業務運用規正に関する法律は、運用の基準が明らかになつた点は好評で、これとともに工事基準も早く明示してほしいという希望が強いようであります。工事垂準については、一律に複線工事等をしいて、共同聽取施設維持発展を阻害することのないようにとの希望が、施設考及び放送局側から述べられておりましたが、電通側の話にも、両通側施設が不完全なため起る妨害もあるようでありますから、一方的に民間施設に責を負わせ、この種施設の圧迫にならないような考慮が必要であると思います。  大体以上をもつて第四班の報告を終るのでございますけれども、御承知のごとく今や講和を控えまして、今後のわが国の国土防衛という点に関しまして、九州地方がいかに重要な地区であるかということも、十分責任ある方々の脳裡に入れていただきまして、この施策に万全を期していただきたいことを希望いたす次第でございます。     —————————————
  12. 關内正一

    ○關内委員長 以上をもつて派遣委員報告は一応終つたわけでありますが、この際本報告に対する政府の所見をお伺いする前に、先ほど富安電波監理委員長が遅刻のため保留いたしておりました電波官理並びに有線放送に関する件を議題とし、調査を進めます。まず最近の電波監理委員会業務状況について説明を求めます。富安電波監理委員長
  13. 富安謙次

    ○富安説明員 よんどころないさしつかえがありまして、遅参をいたしましたことをあらかじめお詫びを申し上げます。電波監理委員会の当面の問題につきまして、二、三御説明を申し上げたいと存じます。  まず電波関係の二つの国際会議について申し上げたいと存じます。最初に国際無線通信諾問委員会でありますが、この第六回総会は、国際電気通信連合主催のもとに予定通りスイスのジユネーヴにおきまして、去る六月五日かに七月六日まで一箇月にわたつて行われました。  前回すなわち一九四八年ストツクホルムで開催された第五回総会には、わが国からは出席できませんでしたが、今回の会議には四名の代表が派遣され、電波監理委員会からは二名出席いたしました。会議の模様につきましては、いまだ代表が帰国しておりませんので、詳しいことは申し上げられませんが、無線技術に関する各種の基準を審議したのでございまして、この会議において採択された基準及び勧告は、通例国際間の無線通信規則の中へ取り入れられることになつており、きわめて重要かつ利害関係の強いものといわねばならないと存じます。  次に来る八月十六日から三箇月の会期をもつて、ジユネーヴで開催される臨時無線通信主官庁会議でありますが、すでに主催者たる国際電気通信連合から招請状も参つておるのでありますが、この会議は、一九四七年アトランテイツクシテイ会議以来の十数個にあまる各種の業務的、地域的会議の作成した周波数割当案を最終的に総合して、新しい国際周波数割当を決定し、世界的に電波管理をはかろうとするものでありましてこの会議によつて各国の電波利用のわくが定められると申しても過言ではありません。いわば周波数の世界的獲得戰でありまして、この会議の結果いかんによつて、たとえばどれだけの民間放送局を設け得るか、十分に国際放送あるいは国際無線通信ができるような周波数を獲得できるか、または周波数不足のために極度に行き詰まつている漁業無線通信がもつと円滑に行い得るような周波数を獲得できるかどうか等がきまるのでありまして、今後わが国の文化、政治及び経済上に重大なる関係があると申さなければなりません。従いましてこの会議は、一般国民の重大関心事でなければならないと同時に、この会議に派遣する代表は、各種無線業務の問題に十分精通した専門家を必要とするのでございまして、わが国からは電波監理委員会が中心となりまして、網島副委員長以下三名の政府代表と、二名の随行者が出席することになりました。なお別に、條約により認められた私企業の代表といたしまして、日本放送協会からも一名出席することになつております。  次に、有線放送業務運用の規正に関する法律施行状況について申し上げます。四月十日現在有線放送業務を行つていた者は、七月八日までに届出をしなければならないことになつていましたが、その届出状況は、届出を必要とする施設の推定概数五千九百に対しまして、約五一%の三千二十六であります。その内訳は、共同聽取は五百二、告知放送は七十八、街頭放送は二千四百四十六であります。今後これらの届出の履行についてさらに一段の努力を拂いたいと思つております。  次に、非常無線通信協議会の設立について申し上げます。これは電波法第五十二條及び第七十四條に規定されている非常無線通信、すなわち地震、台風、洪水、火災、暴動等の非常事態が発生したとき及び発生するおそれのある場合に、治安維持、人命の救助、災害の救援及び交通通信の確保等のために行いますところの無線通信を、円滑に疏通させますことはきわめて重要なことでありますので、過般電波監理委員会といたしまして、関係諸官庁及び諸団体とも十分協議いたしました結果、申合せによるところのお手元に差上げておきましたような規約をつくり、この規約に基きまして非常無線通信協議会を設立し、非常の際における無線通信連絡の遺憾なきを期している次第であります。  次に、一般放送局の進捗状況について申し上げます。さきに予備免許を與えました民間放送局は、それぞれ設立準備を進めている模様でありまして、その進捗状況は各局それぞれの事情によつて差異がありますが、大部分の局は今年末までには運用を開始したい希望であり、それを目標に準備を進めているようであります。一、二の局はすでに相当の準備が進んでおり、八、九月中には電波を発射できるやに聞き及んでおります。なお、さきに免許の許否の決定を保留いたしました四局並びにその後新たに申請のあつた局につきましては、目下審査中であります。  次に、国際放送について申し上げます。国際放送につきましては、先般衆参両院におきましてこれが再開促進に関しまして決議がなされ、政府に対し必要な措置をとるよう要請があつたのでありますが、電波監理委員会といたしましても、この国会の要請にかんがみ、かつまた講和を目前に控えた現在、新しい世界情勢に即応した国際放送を実施するため、関係各省との間に国際放送の基本的性格実施の方法などについて種々協議を重ねておるのでありまして、これが再開可能の際は、ただちにその業務を運行できるよう準備態勢を整えつつあります。  次に、テレビジヨン放送について申し上げます。さき国会におきまして決議がなされましたテレビジヨン放送実施促進につきまして、その後の状況を御報告申し上げます。電波監理委員会としましては、テレビジヨン放送というものが、企業的にも技術的にも、従来の放送事業と多分にその性質を異にする点がありますので、現在のごとく実験の段階にあるわが国のテレビジヨンを実用化するためには、十分なる諸種の調査研究を行つた上で、具体的な事項を決定するのが妥当であると考えている次第であります。かような観点から、諸外国の実例、わが国の経済事情、法制上及び技術上の諸問題等につきまして詳細な調査を行うとともに、関係各方面の意向をも考慮しつつ、できるだけすみやかに具体案を得たいと存じております。  最後に、本年四月二十三日渡米いたしました電波監理委員会委員の一行は、きわめて充実した日程による調査研究の旅行を終り、去る七月十九日帰国いたしました。ここに電波監理委員会は、発足以来一年間の経験と最新の知識とをもつて、新たな構想のもとにその任務を果すべく、第二のスタートについた次第でございます。すなわち私どもは、電波監理委員会設置法、電波法及び放送法等、関係法律の趣旨とするところをよく体しますとともに、委員会運営合理化能率化につきましても、できる限りの改善を加え、せつかくの御期待に沿うよう万全の努力を拂う所存でございます。  なお世間には、電波監理委員会が、委員会と称しながら、三千人余りの職員を擁していることにつき、ややもすれば疑問を持たれる向きもないではありませんが、電波及び放送行政が、高度の専門的知識技能を有する職員を中央、地方に必要とし、かつ職員の約四分の三は、全国にわたつて無線局の検査、電波の監視、無線従事者国家試験の執行等、多数の現業的事務に従事している実状は、当電気通信委員会皆様方にはよくよく御承知のところでございます。しかも二十六年度においては、予算緊縮の建前から五百二十人に及ぶ減員を見て、所掌事務の遂行上種々苦慮して参つているのでありますが、條約の履行及び法律の施行のためには、現在の定員を絶対に維持する必要があるばかりでなく、また国内の無線利用の普及発達に即応して、この電波監理の現業的事務に従帯する職員は、適宜増員すべきものと存ずるのでございます。さらに予算の点につきましても、有線放送業務運用の規正に関する法律の執行に要する経費がはなはだしく貧弱でありますほか、最近の閣議決定による節約の問題等もあり、大いに苦慮いたしておるところでございまして、電波法、放送法等の執行につき重大な法律上の責務を負つております私どもといたしましては、業務遂行に必要な予算は、絶対に確保しなければならぬものと存じております。また来る二十七年度予算編成に対しましては、先ほど申し上げました国際放送再開に備えての経費、テレビジヨン放送に関する諸調査に必要とするもの、不法電波の探査等、電波監視の強化のための経費等の確保を期したいとの考えのもとに種々努力をいたしておりまするが、以上申し上げました人員及び予算等の点に関しまして、今後とも皆様方の十分の御理解と御支援とをお願いする次第でございます。  簡單ではございますが、これをもちまして電波監理委員会所掌事務についての説明を終ります。     —————————————
  14. 關内正一

    ○關内委員長 次に派遣委員調査報告に対する政府の所見を求めます。靱事務次官。
  15. 靱勉

    ○靱説明員 ただいま長時間にわたりまして、名班から事情調査の御報告を拜聽いたしたのであります。なお私どもの手元に詳細な報告書も頂載いたしております。これにつきましては私どもよく拜見いたしまして、御意見施策のうちに十分取入れて行く考えでございますが、ただいまの御報告から、事業の最も重要なる点につきまして、きわめて適切なる御意見を拜聴できたわけでございます。私ども意見に対しましては、僣越でありますが、まつたく同感でございます。この問題につきましては、ただいま大臣から御説明かありましたところによりまして、相当の部分についてお答えいたしておると考えます。  すなわちまず施設整備改善につきましては、これは特に電話施設につきまして、あるいは局内の機械設備あるいはケーブル化の問題、局舎の改築等、いずれも電話施設整備拡充に対する強い御意見、特に現情が国民要望にはるかに遠い状態にあるという点を御指摘になりまして、これの改善整備が緊急の要務であることを強く御指摘になつておるのでございます。これに対しまして先刻大臣から、この点に関しましては年間五百億程度予算工程を必要とするというように、具体的にお答えになつておるのでありまして、在来私ども電話の非難に対しまして、資金が足りないという点を特に強調いたしておりましたが、これは決して資金の不足に全部の責任をおつかぶせるというのではなく、実態におきまして、確かに建設資金がなければ、この問題の根本的解決はできないというふうに考えておるのでございます。大臣もその趣旨で施策を御説明なつたと考えておる次第であります。この問題は、電話事業の一番根本的な問題であり、かつ最も急に解決をしなければならぬ問題でございます。これにつきましては今後、今年度補正予算の問題、あるいは来年度予算、さらにまた各班からも積極的な、具体的な御意見が出ました企業形態の問題にも関連しておるのでありますが、そういうような問題によりまして、これは今後私ども事務当局といたしましても最善の努力をもちまして、解決して行かなければならぬ重大な責任と感じます。企業形態の問題に関連しまして、各班から非常に有益な御意見があつたのでございますが、これにつきましても先刻大臣から、公共企業体に移るにつきましては、單に民間資金のみではなく、外資をも導入できるような態勢、すなわち衆議院の決議にもございました趣旨によりまして、目下検討中であるという御説明があつたのであります。私から特にこの点について申し上げる必要はないと存ずる次第でございます。  次に、行政機構の問題につきましても、多くの班から御意見が出ております。これにつきましても大臣から御説明があつたのでありまして大体管理機構簡素化し、これをさらに現業の方面につきましては強化して行くという御意見のように拜聽いたしましたが、先刻大臣の検討中であるという趣旨も、まつたくその線に沿うて現在検討されておりまして、一応の素案は出ておるような次第でございます。  次に、人事関係につきましては、特に給與の問題につきまして、私ども従業員としましては、非常にありがたく感ずる各種の改善意見報告されたのでございます。これにつきまして根本的な問題のベースの改訂の問題、あるいは特別俸給表、あるいは褒賞制度の問題は、目下人事院におきましても、御意見のような線につきまして検討され、かつ勧告されるものと期待いたしておる次第でございます。大臣の御説明も、その勧告に対しまして急速にその実施を期待しておるという御説明がありましたので、これにつきましても御了解願えるものと考える次第でございます。  あと、有線放送の問題につきまして、各班とも大体同じような御意見であります。特に電通との関係につきましては、今後の電気通信法規を改正する場合におきましては、十分これが発達を阻害しないように、また過酷に陷らないようにという御意見、前々から私ども十分承知いたしております。ただ第二班から、有線放送に対する電気通信省の職務といいますか、それにつきまして末端の方があまり理解のなかつたことについては、はなはだ意外に感じたという御報告があつたのであります。私どもあるいは通信局長会議等におきまして、当時有線放送に対する措置等、十分説明いたしておつたつもりでございますが、末端に至りましてそういう状態にあつたことは、はなはだ遺憾であります。今後これにつきましては、御趣旨に従いまして、十分末端にも徹底いたさせたいというふうに考えておる次第であります。  第三班からは相当大きな問題、要するに一元的経営の限界というような点につきまして、具体的にお話があつたのであります。これにつきましては、今後経営業法の制定等におきまして、十分この趣旨は盛られてしかるべきものと私は考えておる次第でございます。  なお設備負担金の問題につきまして、地方におきましては、若干現在の程度では高いのではないかというような問題、あるいはまたもう少し物件寄付を認めて、制限距離外の加入申込みその他につきましても、応ずるようにしなければならぬというような御意見、まことにごもつともな点であります。但し設備負担金の問題につきましては、ただいまのところ、まだ実施後わずか一月余りでございまして、今後いろいろな実態をよくつかみまして、さらに検討いたしたいという考えでおる次第でありますが、寄付受理の問題につきましても、最近にこれを実施するように、目下最後的な検討を加えておるような次第でございます。  電信につきましては、大体におきましてよい。ただ誤謬があるという点につきまして、御指摘がありました。  なお第四からは、赤字克服につきましても御意見があつたのであります。私どもこのような線につきまして、なおいろいろと検討いたしておる次第であります。  それから九州におきまする幹線の雑音の問題につきましては、私ちよつとお答えいたしかねますので、また後刻御返事申し上げたいと考えますので、お許し願いたいと思います。  第一班から、北海道の総合開発計画に関連しまして、通信施設につきまして相当大きな負担がある。またぜひこれはやらなければならぬというような御意見がありました。報告書をちよつと拜見いたしますと、あるいは一般会計の方から繰入れたらどうかというような御意見もあるやに拜聽いたしておるのであります。現在の状態におきまして計画をいたしますと、当然これらの計画は全部必要でありますが、現実に成立します予算が、常にそのわく外に置かれざるを得ないような状態なつておりますので、これは先ほど申しましたように、電話整備の根本的な問題でございますが、私ども資金さえ得られるならば、必ずしも北海道におきまして收支が償わないから、一般会計から繰入れるというようなことでなくても、とにかく資金さえ確保いたしていただきますならば、北海道の通信施設整備につきましても、もちろん重大なる関心を持つておるような次第であります。なお北海道の特殊の問題につきまして、あるいは石炭手当寒冷地手当の問題等ございましたが、これらにつきましては、目下政府におきましても、人事院勧告の線に従つて検討されておるような次第であります。  はなはだ前後もなく、非常に私自身として回答も未熟でございますが、ただいま御報告を拜聽いたしまして、とりあえず御回答申し上げたような次第であります。
  16. 關内正一

    ○關内委員長 富安電波監理委員長
  17. 富安謙次

    ○富安説明員 まずもつて委員の各位がこのお暑い際に、手をおわかちになつ地方に御出張くださいまして、私どもの所掌の事務につきまして、つぶさに現地を御視察くださいましたことを、厚くお礼を申し上げます。地方に勤めておりまする者といたしましては、かように中央から国会の直接の方が、現地を親しくごらんくださるというようなことは、どんなに仕事の上に張合いを増すかしれないのでありまして、事業の上にそれがよき結果をもたらしますことは申すまでもなく、私どもといたしましてもまことにありがたく、地方に従事しております者とともどもに、厚くお礼を申し上げる次第であります。だんだんと御指摘をいただきまして、私どもの目の届かないようなところにつきましても、いろいろとお教えをいただき、御鞭韃をいただき、御指示をいただきましたことには、まことに感謝にたえないのでありまして、その他の点につきましても、詳しく報告もいただいておりますので、それらをよく拜見をいたしまして、それに対しまして私どもの存じのよりを申し上げることは、適当な方法と適当な機会に譲りまして、つぶさに申し上げることにいたしたい、かように存じておりまするが、とりあえず私がこの席におきまして、御指摘を拜聽いたしておりました際に気づきました二、三の事柄について私より申し上げさしていただきたいと存ずるのであります。  いろいろ多岐多端にわたつた御指示をいただいたのでありますが、まず有線放送の問題、これは御案内のように、先般地方の選挙を目の前に控えまして、取急いで立法をされたのでありまして、準備の期間もきわめて短かくあつたのにもかかわりませず、その実地の成績を御報告をいただいたところによりますと、大体におきましてまず大した問題も起らずに、法律の趣旨が全うされたということは、まことに御同慶にたえないところでございます。しかし実際ごらんをいただいたところによりますると、こまかい点にわたりましては、なおあの法律について若干の考慮をする余地はないか。たとえばごく小さいことでありましても、一般の商店が自己の宣伝のために小規模に行うものだとかいうものを、あの中から除外してはどうかというような意見があつたという御指示もいただいたようであります。そんな点のみではありませんが、さようにそれに類するようないろいろこまかい点につきましては、あの法律をこの経験に基きまして、また御指摘の御趣旨をも十分に考えまして、なおこの後いろいろと法律の上に考慮をいたし、何らか改正をすべきものがあるならば改正して、万全を期したいというようなことをも考えておる次第でございます。  それからラジオの受信機の修理のことが、各地方を御視察の結果、方々で問題になつたようであります。これは御案内のように、放送法の第九條でありますかの規定によりまして、聽取者の便益をも十分に考慮するように、また一面におきましては、専門の修理業者の立場をも十分に考慮いたすように、両方面からの考慮をあんばいいたして立法されているのであります。その趣旨に従つて運用をして参つているわけでありまして、昨年におきまして、全国の一万余りですかの町村の中で、三千余りの町村を指定いたしまして、それを法律によりまする放送協会が修理業務を行い得る場所として指定をいたしておるのでありまして、それはその後の実情によりまして、さらに四千町ぐらいのものを最近には指定を増加いたしておる実情でございます。しかしながらいろいろと地方実情を伺つてみますると、なお聽取者の便宜のために、この点について何かもう少し考慮を加える余地はないか、言いかえますれば、もう少し放送協会をして修理業務を行わしめることの幅を広くした方が、聽取者の便益を増進するのではないかというような、一部の希望があるということのお言葉であつたように存じます。そういう点につきましても十分に考慮をいたしまして、努めて実情に合うように、あの法律運用して参りたいと存じておる次第でございます。  それから漁業無線につきましても、各方面でいろいろ御指摘をいただいたようであります。漁業無線につきましては、電波の割当と漁業の発達との関係につきまして国会のお手数をも煩わしまして、ある解決に到達をいたし、その通りに実施をいたしたのでありまするが、幸いにして御報告を伺いますると、各地方とも漁業者もほぼ満足するような状態に、あの法律運用されておるようでありまするのは、まことに御同慶にたえないと存じております。なおこの漁業に対する無線の必要性というものは、ますます増加することは申すまでもないのでありまして、小型の漁船などにつきまして、一層その需要が増加する傾向にある、これを努めて充実さしてやるようにしなければならぬというような御意見のようにも拜聽いたしましたが、まことにごもつともと存ずるのでありますが、ただ何分にも電波の割当というものがきゆうくつになつておりまするので、なかなか思うように参らぬのでありますが、先ほども説明を申し上げました国際会議におまする電波の獲得戰におきましても、十分にわれわれの日本の立場も主張いたしまして、豊富な電波を獲得することに努めまするなどともにらみ合せまして、漁業無線の一層豊富になるということにも努力を傾けたいと存じておる次第でございます。  放送協会の新しき料金によりまする新予算の施行、新予算による事業経営の出発につきましては、まだ日は浅いのでありまするが、大体におきまして御視察の結果を承りますと、ほぼ聽取者におきましても、放送協会の熱意と誠意とを認められつつあるのではないかというようなふうに拜聽いたしますことは、まことに満足にたえないのであります。しかしなおこの上ともにあの聽取料の増加というようなものが最も有効適切に使われますように、私どもといたしましても、私どもの立場から十分の監督をいたしたいと存じておるのであります。北海道におきまして、なお普及率において必ずしも満足ではないというようなお言葉もあつたようでありますが、それらの点につきましても、あの料金の値上げに関連をいたしまして、放送協会といたしましても一層の努力をいたしまして、普及に努めなければならないことと存じておる次第であります。  なおどの班でございましたか、私ども地方の機関の厚生施設的な面につきましても、こまかく御観察を願つたのでありまして、必ずしも利用厚生の面からいつて、満足の状態にもないように思うというようなお言葉をいただきました。まことに私どももそのように存じておるのでありまして、平素から事業の性質とは申しながら、まことに僻地におきまして、慰安もないような所において、重き任務を持つておる現業の監視員などの立場を十分に考慮いたしまして、その利用厚生の道をなお十分に考えてやらなければならないと存じながら、思うにまかせないような状況であります。これらの点につきましてもなお私ども今後とも十分力を盡しますることを御了承願いまして、各位におかれましても各位の立場から何分の御援助を賜わりまするように、ひとえにお願い申し上げる次第であります。  それから韓国語放送のこともございました。これは進駐軍の必要によりまして、ああいう放送になつておるのでありまして、大切なる最も惜しい聽取の時間を韓国語放送でとられるということは、聽取者にとりまして遺憾に思われることは、まことにごもつともだと思うのであります。しかも何分にも事柄がそういう必要から出ておりますので、私どもといたしましても、聽取者のそういうような希望がある、そういうような声があるということをば、関係向きへも十分に伝えまして、関係の向きにおきましてもそれぞれの必要を満たすとはいいながら、一面においてそういうような声のあることを考慮に入れて善処していただくようにという交渉を、私どもの力の及ぶ限りいたしたいと存じておる次第でございます。  なおごく私の気づきの点だけをさように申し上げたのでありますが、詳細には報告書を拜見さしていただきました上で、それぞれ一つ一つの事柄につきまして適当の機会と方法によりまして、私どもの存じのよりを申し上げる機会を得たいと、かように存じております。とりあえず右のことだけを申し上げまして、私のお答えといたしたいと存じます。
  18. 關内正一

    ○關内委員長 質疑の通告があります。これを許します。高塩三郎君。
  19. 高塩三郎

    ○高塩委員 冒頭に述べられました佐藤電気通信大臣所管事項についての御説明の中の二、三の点についてお伺いいたしたいのでありまするが、その具体的の問題につきましては、大臣以外の政府委員から御答弁を願いたいと思います。  最近電気通信省に関する各種の不正事件の問題でありまするが、これは数度にわたりまして新聞紙に掲載せられまして、世間を騒がせたことは御承知の通りでありまするが、そのおもなるものをあげましても、六月十八日の読売新聞の「電話はなぜ引けないか」と題する電話架設をめぐるボスと係員の結託の記事、また六月二十一日同紙上の神戸、下関、秋田三箇所における工事上の不正事件の記事、さらに八月四日の時事新報その他の新聞でありますが、それは丸ノ内電気通信管理所電話料一千万円の浮貸し事件の記事などがありまして、国民電気通信省の綱紀につきまして多大の疑惑を抱くに至りましたことは、まことに遺憾と考えておるのであります。今日電話架設難のために、世上の不平不満が相当欝積しておる。これに対する弁明としては、あげて予算不足を理由として説明しておる際に、その予算が不経済に使用されて、一部職員の私腹を肥やしたり、情実によつて電話が引けたりするということでは、事業に対する国民の信頼はまつたく失墜するのであります。私はこれらの新聞記事を、ただちに事実であると断定するものではありません。しかしながら各種の記事の中には、真相をあるいは誇大に報道したり、ある一部の人々の言動のみを伝えて、反対側の弁明を掲載しなかつたりするものもあるでありましよう。また電気通信当局が、ともすれば生じやすいいろいろな涜職や不正事件の絶滅を期しまして、綱紀の粛正に絶えざる努力を続けておられる事実も十分了承いたしておるのでありますが、これらの事件がすでに国民に知れ渡り、種々の批判を巻き起しておりまする以上、当委員会といたしましても公開の会議におきまして真相を明らかにいたし、あわせて電気通信当局のこれに対する所信をただしまして、もし世間に誤解があるならばこれを一掃することが必要である、かように考えて本問題を取上げたのであります。そこでまず第一にお伺いいたしたいことは、丸ノ内電気通信管理所のいわゆる不正事件でありますが、新聞によりますと、同管理所の元会計課長と出納係長が電話料金の浮貸しをして、約一千万円のこげつきを生じたということでありますが、当局でお調べになつたところのこの事件の内容、不正を行つた者及び監督責任者に対する処分の模様につきまして、おさしつかえなかつたならば御説明願いたいと存じます。
  20. 佐藤榮作

    佐藤国務大臣 ただいまお尋ねをいただきました事柄につきまして、省内におきましてはもちろん綱紀の粛正につきまして、前大臣以来十分注意をいたして参つておるのでありまするが、ただいまお尋ねのありましたような事件が、次々と新聞に報道されておりまして、まことに私ども責任者といたしまして遺憾に存じておるような次第であります。しかしこれらの不祥事件につきましては、本省の監察におきましても、すでにそれぞれ調査を行いまして、またその処置並びに処分等につきましても、すでに十分の方途を講じて参つておるのであります。もともとこの種の事業といたしましては、国民の信頼と信用をかち得なければ、十二分に運営して行くことのできない仕事であります。お説にもありましたことく、電話架設が思うように行かない現状のもとにおきまして、この電話に関する不正不祥事件が続発いたしますことは、何と申しましても残念でたまらないのであります。私どもといたしましては、今後監督者、現場を問わず、部内を一層引締めて参りまして、再びこの種の不正事件が起らないように、十二分の指導と監督をいたして参るつもりであります。詳細な事柄につきましては、それぞれの事務当局から説明をいたさせますが、事業を預かつております私といたしまして、事件についての考え方の一端を御披瀝いたしたような次第であります。
  21. 山下知二郎

    ○山下説明員 お尋ねの丸ノ内電気通信管理所不正事件について、私から御報告を申し上げます。遺憾ながらこれは新聞に掲載されたような事実があつたわけでございますが、七月十九日にこの事件を東京地方検察庁に告発いたしております。その結果同三十日に本人は逮捕になつております。それが漏れまして八月の六日でございますか、新聞に掲載されたような次第であります。本件は三月五日に一千万円の金を浮貸ししておるようなわけであります。その際にも静岡銀行の二俣支店長の支拂い保証がつきました約束手形によりまして、金を出したわけでございます。ところが支拂い期限でございますところの同月の二十八日に、それは返還されなかつた。そのためにただいま手形の発行人及び支拂い保証人に対しまして、本人から民事訴訟を起しておるような次第でございます。一方電通省といたしましては、本人らの民事訴訟にかまわずに、本人を告発いたしまして、目下検察庁で取調べ中でございます。なおまたそれに関連しまして、われわれの方としましても、徹底的に調べる必要がございますから、目下その調べ中でございますが、調べの結果によりまして、監督官に万が一にも関連する者がございましたならば、そういう者は嚴重に処分する考えでおります。
  22. 高塩三郎

    ○高塩委員 ただいまの御説明でありまするが、その浮貸しの金がもしも損害としてはつきりいたしました場合には、それは政府の損であるか、または補償金としてとる御意思であるか、その点をお伺いしたいと思います。
  23. 山下知二郎

    ○山下説明員 ただいま申し上げましたように、銀行が支拂い保証の立場に立つておりますから、これが民事訴訟の係争点に大きくなつております。しかし銀行が支拂おうと、あるいは手形振出人がそれを支拂おうと、またはそういうことの支拂いができないために、これが回收不能となりました場合にも、本人に向いましては、あくまで電通省は弁償を求める考えでおります。
  24. 高塩三郎

    ○高塩委員 なおお伺いいたしますが、同管理所の不正事件について、今後調査を進展して行きました際、さらに別の不正事件が続々と起るような心配があるのでありまするが、それに対する見通しについてお伺いいたします。
  25. 山下知二郎

    ○山下説明員 丸ノ内電気通信管理所というのは、御承知のように非常に大きな管理所でございますし、かつ軍の方の仕事も相当持つてつて、非常に機動的に動かなければならぬというようなために、ある程度の金の操作ということができたかと考えらるるのでございます。こういう点につきまして、徹底的に調べておるわけでございますから、ほかに同じような事件があるというような予想は持つてもおりませんし、またこういうことに関連した不正事件が、今はつきりわかつておるわけでもございません。要は今後につきまして、嚴重にかかることを戒めなければならない。全般的にわたりまして、電話架設に伴う工事にからまります非違、不正、各種の料金の取扱い、業者との関係というようなことにつきまして、この事件関係のみならず、また全般的にも、ただいま嚴重な通達を出し、そういうことが実行されるように監視の手をゆるめていないわけでありまして、当丸ノ内管理所におきまして、こういつたものがまだ続々出て来るというようなことは、予期もいたしておりません。ただ今申し上げましたのは、本人ら及び監督者の処分というものが、今調査中でありますので、はつきりした内容をつかんで処理するつもりでございますということを申し上げたわけでございます。
  26. 高塩三郎

    ○高塩委員 次に第二点でお伺いいたしますが、前に申し上げました神戸、下関、秋田三箇所における工事の不正事件の問題であります。新聞の記事によりますと、これら三工事は二十五年度本省直轄の工事で、工事合計金額が一億八千余万円になつております。従つて不正金額も相当厖大であつて、神戸の工事長以下六名が行政処分に付され、あるいは本省の林施設局長及び許斐建設部長が責任を負つて辞任されたと書いてあるのでありますが、これについてまず本事件の内容、特に三工事工事予算額はどのくらいであつたか、不正の金額はどのくらいであつたか、もう一つは不正をなした者及び監督者に対する行政処分の模様、その被害金額及び弁償を命じたといたしますれば、その弁償金額がおわかりになつていれば御説明願いたいと思います。
  27. 山下知二郎

    ○山下説明員 お答えいたします。ただいま御指摘の不関、神戸、秋田、二ツ井間の工事に関します工事予算額をお答え申し上げます。神戸の市内線の工事では二千九百余万円、それに対しまして実際工事上使いました金は二千五百余万円でございます。これまた新聞に出たのでございますが、私の方で会計監査をいたしましてまたそれに基きまして監察をいたしました結果によつて処分をしました。その処分をしましたことが漏れまして、新聞に掲載されたわけでございます。今の不関の件は、二千五百万円の工事をいたしたのでございますが、調査の結果不当に使われたと考えられるものが三十万四千円であります。これを本人に対して弁償を追求しております。  それから神戸は千五百余万円でございます。使用しました工事額は千三百余万円であります。調査の結果不当に支出したと認められますものが六十九万三千円であります。これを本人に弁償を求めております。  それから秋田、二ツ井間市外線の工事は、予算額五千六百余万円であります。使用しました工事金額は四千九百余万円であります。不当に支出したと認められますものが十六万七千円であります。  この全体を通じまして会計処理上はなはだ不当なことをいたしたのではございますが、この工事によつてあるいは積極的に私腹を肥やすとか、あるいは私利をはかるというようなものではないと認められます。みな自分の受持つておる工事をうまくスムースにやろうという熱意から出たものだとは想像されるのであります。その使途も、たとえばこの工事期間は大体昨年の夏から今年の三月あたりにまたがつており、年を越しております。そんなことで、年末のもち代とか、あるいは冬になりましたための被服の用意がして行つていなかつたために、衣がえの費用とか、あるいは長期滯在をいたしますと、旅費規程では旅費が減額されます。昔は長く滯在すれば宿賃も安かつたのでありますが、このごろはそういうこともない、そういうことが見るに忍びないというような工事長あたりの考えで、そういうものを加給しておるといつたような、決してそういうことは堂々とはできないのでありますが、とにかく少しでも仕事を早くよくやればよいじやないか、こういう熱意に燃えたあまりに、行き過ぎてしまつた行動をしたわけであります。かようにいたしまして、ただいま御報告申し上げましたように不当に支出したと考えられますものが、一番最高で神戸関係の六十九万円、最低で秋田、二ツ井間の市外線の工事で十六万円、こういうような不始末をしでかしたわけであります。従いまして、この神戸関係工事長は懲戒免にいたしました。この現金支出などを扱つております前渡資金官吏は停職四箇月、下関関係のものは、工事長を停職六箇月、前渡資金官吏を停職二箇月、それから秋田、二ツ井間の工事関係工事長は停職二箇月、前渡資金官吏は停職半箇月、こういうふうな処分をいたしました。またこの監督上、本省で直接監督をしておらなければなかつたそれぞれの者は、みな減給、戒告処分に付したわけであります。ただここで新聞記事が、林前施設局長がこれに関連してやめられたというようなことを書いたと思いましたが、この点については新聞に少し行き過ぎの書き方があると思つて、私は遺憾に思う次第であります。
  28. 高塩三郎

    ○高塩委員 今の三つの総金額が一億八千万円で間違いありませんか。
  29. 山下知二郎

    ○山下説明員 総予算は約九千万であります。
  30. 高塩三郎

    ○高塩委員 そこでもう一つお聞きいたしますが、これらと同様の本省直轄の工事というものは、今後全国各地において施行されると思うのでありますが、あるいは他の工事についても、神戸などと類似の不正事件が起されはしないかという心配を私は持つておるのであります。これに対しましてお伺いいたしますが、本省においては他の類似の工事について、不正事実の有無について調査せられたかどうか、もう一点は、検察当局あるいは会計検査院等において調査を同下しておるかどうか、この点についてお尋ねいたします。
  31. 山下知二郎

    ○山下説明員 ただいまのお尋ねは、こういつた事柄がほかにもあるかというようなお尋ねだと思うのであります。一、二私どもの耳にしているのにもございます。この点は今調査中でございますが、ただいまも申し上げましたように、冬工事者は少しでも早くよく仕事をしよう、こういうふうな考えで、金の使い方にちよつと遺憾の点があり、常軌を逸したわけであります。これは本省側の指導といたしましても、十分にその費途を徹底させなければならぬ、こういうような面からいたしまして、先ほども申し上げましたように、嚴重に通達をいたしますとともに、こういうことはこういう手続によつてつてよろしいというような通達を出し、かつまたそういう指導をしつつあるわけでございます。従いまして今後はこういうことは絶滅するものと自信を持つております。
  32. 高塩三郎

    ○高塩委員 以上で私の質問は終りますが、この際一言最後に申し上げておきますが、この事件は電気通信省の自治監査によつて明るみに出されたものでありまして、すでに明らかになりました三つの工事につきましては、迅速に粛正の措置をとられたことは、電気通信省の官紀粛正に対する熱意を示したものでありまして、まことにけつこうである思うのであります。これらの類似の工事にも、あるいは将来われわれは幾多続出するのではないかというような懸念を持つておるのでありますが、先ほど佐藤電気通信大臣の御説明によりましても、今後はこうした問題に対しましても、徹底的に調査を進めるというようなかたい御熱意が示されたのでありましてわれわれは非常に了承するのであります。どうぞこうした問題がただいま電気通信監の御説明のように、根絶するというようなかたい決意のもとに、部内、管内におきまして十分に自粛自戒をされまして、再びこうした事件がわが委員会において取上げられないように、切に懇望いたしまして私の質問を打切ります。
  33. 關内正一

    ○關内委員長 松井政吉君。
  34. 松井政吉

    松井(政)委員 時間の関係がありますから、ごく簡單にまとめて質問いたしますから、まとめて御答弁を願いまして、時間の節約をはかつていただきたいと思います。  大臣にひとつ質問いたします。先ほど次官から説明がありましたが、われわれ調査に参りまして、北海道開発の問題につきましては、現地調査をしたところによりますと、北海道関発の一般会計予算開発資金を使ううちに、鉄道建設が入つておる。そうすると鉄道建設は御承知のように特別会計であり、しかも日本国有鉄道はコーポレーシヨンであります。ところが電気通信事業も特別会計であるが、北海道総合開発に関する一般会計からの資金は、電通の建設には使うことができない、そういうことを承つて来たのでありますが、これが事実であるかどうか、事実だとすれば、先ほど報告書の中で要望意見を申し上げた通り、一方の特別会計の部分には建設として使うことができて、一方の特別会計の方には使うことができない、こういうことであつては、北海道総合開発の趣旨に沿わないのではないか、こういう危惧がありますので、この点を明らかにしていただきたい、こういうことが第一点であります。  第二点は、補正予算に関する問題でありまして、これは大臣からも研究中で最終決定でないということでありましたから、具体的な御答弁は要求いたしません。ただ概略的に出ております給與ベース改訂、大体三十億円ということになつておりまするが、このベース改訂の三十億円というのは、これから人事院勧告しようとする基本べースの問題と、すでに勧告をしてある地域給の問題と、すべてが含まれて大体三十億と推定したのであるかどうか、この点について、もし確答ができる範囲でありましたら御答弁を願いたい。  第三点といたしまして、公共企業体の問題でありますが、大臣の説明によりますと、基本的な電通企業の問題について、公共企業体に移管いたすべく研究しているやにお伺いしたのでありまするが、公共企業体と規定して、公共企業体以外にはないのだというものの考え方で研究をなさつておるのか、それとも公共事業であるから、国有、国営のまま合理化することができると考えながらも、公共企業体の問題を研究していらつしやるのか、その研究の角度について御説明を願えると非常にけつこうだ、こう考えております。  それから電波監理委員会の方に質問をいたしますが、御承知のように、やがて電波時代が来るやに察知される情勢にあるのであります。ところが電波に関する技術的な研究が現在どういう形でどの程度なされつつあるか、こういうことについて概略お聞きしたいのであります。具体的に申し上げますと、御承知のように最近ようやく連絡船等にも電波探知機が置いてある。それまでは電波探知機等は、日本にはいろいろの飛行機等があつても、船があつても、あまりなかつた。ところがこの機械は御承知のように外国製品である。そうすると電波に関する技術の研究がどの範囲自由であるか。それからその技術を中心として、電波関係に関するきわめて科学的な機械製造等は今日自由であるのか自由でないのか、こういう問題について、ひとつできる範囲の御答弁が願いたい。  それからもう一つ、これは両方に関係があるかもしれませんが、御承知のようにわれわれは有線放送業務運用の規正に関する法律を、議員立法としてつくつたのであります。これはある程度有線放送を公認されたものに対する運用の規正はできたのであります。ところが根本的な問題については、立法上の矛盾が山積しているわけであります。これはわれわれは有線放送の規正に関する法律をつくつたときにもいろいろ議論をした事柄が、そのまま今日まで放任されております。たとえば街頭放送の問題を、有線放送の規正法律の中に入れたのである。ところがこれは現実には除いた方がよかろうじやないかという御意見が、常にわれわれの耳に入つて来ておる。ところが放送であることは間違いないという解釈と、しかし今度は電通側から申しますと、施設その他の面から考えますと、これはやはり事実上電話ではないであろうが、法律上明治三十何年かにつくつた電話法律をこれにあてがわなければならない、こういう現状が今の状態だと思う。従つて電通と電波関係において、いわゆる施設と管理と放送、この根本を法律的に確実化すためには、基本的な法律の改正かあるいは基本法をあらためてつくるか、いずれかの形でなければ、われわれは処理できないものと解釈するのでありますが、その基本的な法律の改正並びに基本法等について研究をなさつておるかどうか、研究なさつておるとすればいかようなる考え方で進めておるか。この問題は電通と電波両方に関係する問題だと思いますが、この点について現在までの情勢を明らかにしていただきたいと思います。これだけを御質問いたします。
  35. 佐藤榮作

    佐藤国務大臣 お答えをいたします。北海道施設整備の問題につきましては、いろいろ検討を続けておる最中でございます。今御指摘になりましたことく、一般予算施設ができるのではないかというお尋ねでありますが、電信電話と道鉄との間に取扱い上の差別はないと私ども考えます。私どもの方の電気通信省といたしましては、従いまして一般会計に頭を出すことも考えられるのでありますが、先ほど次官から申しましたことく、まず自分のところでできるだけの施設は、積極的にしてみようというような考え方をいたしておりますので、この点別に一般会計の援助を一切受けない、こういうようなものでないことを、この機会に重ねて私からも御説明をしておきたいと思います。問題はさらにもう少し具体的に、来年度施設をどの程度の規模にいたしますか、これを検討いたしました上で、来年度予算編成の際に善処いたしたい、かように考えておりますので、御了承をお願いいたす次第であります。  第二の問題の補正予算に関しましての給與ベース改訂の問題でありますが、この給與ベース改訂の問題は、御承知のごとくまだ人事院勧告が出ておらないので、はつきりした輪郭を御説明するわけに参らないのであります。ただいま政府としては人事院制度がありますので、人事院勧告を尊重して予算をつくるという考え方でおるわけでありますが、大よそ政府自身としても見当がつくように考えますので、先ほど申しましたように大まかに三十億というような数字を出しておるような次第であります。この三十億の数字には、もちろん基本給の改訂並びに今日まで出ております人事院勧告による地域給の問題であるとか、あるいはその他のものをひつくるめての金額であります。今この給與ベースで一番問題になりますことは、人事院勧告が出ない事前に政府でとやかくの議論をすることはいかがかと思いますが、最近の物価高騰の趨勢から考えまして、基本給を相当引上げなければならない、またその実施の時期をいつからするかということで、ただいま寄り寄り相談もし、また意見の交換もいたしておるような次第であります。電気通信省関係では、ごく大まかな見当で三十億程度必要ではないかというような数字を申し上げておるのであります。いずれこれは人事院勧告が出て参りました上で、さらにまた補正予算の審議が具体的になつて参りますれば、もつと明確になるだろうと思います。この程度で御了承いただきたいと思います。  第三の公共企業体の問題でありますが、この公共企業体の問題につきましては、当委員会におきましても、また参議院の委員会等におきましても、二年越しの問題ではないかと思います。事務当局におきましても、過去におきまして相当掘り下げた研究もできておるのであります。この機構改革は、先ほどどなたかから御意見がありましたが、毎年々々機構いじりするというようなことでは、事業の発展にも支障を来すものと思いますので、十二分の研究を積みまして、確信を得た上で断行するということに持つて参りたいと思うのであります。その際におきましては、どこまでも事業公共性を伸ばし得るという機構でなければならないと思うのであります。その観点に立ちまして、現在のままで事業を十二分に伸ばし得るかどうか、あるいはまた現在のものに幾分かくふうを加えまして、国有鉄道なりあるいは専売公社なりがとつておるような組織がいいのか、あるいはまたもつと進んでの運営形態がよろしいのか、あるいは一企業体でなければならないのかどうか、各方面から検討をいたさなければならないと思うのであります。今まで私どもがおぼろげに考えておりました点、各種の企業形態を比較研究いたしました結果、いいのではないかと思えるものが、まず公共企業体にいたしまして、もう少し資金において融通をつけ得る、資金を獲得し得る機能を持つような形態にしたいというのが、実は私どものねらいなんであります。国有鉄道の公社におきましても、御承知のごとく資金獲得が非常に困難でありまして、政府予算で縛られ、すべての点がきゆうくつな思いをしておるようでありますが、かような轍は踏みたくない。その点ではもつと積極的に事業活動をなし得るように、資金獲得の可能な方向に持つて行きたい、そこを第一のねらいにいたしまして、ただいませつかく研究中であります。まだもちろん結論が出ておるものではないと思いますし、また最終的な結論の出ますまでには、さらにさらに検討を続けて参らなければならないと思いますし、国会方面の積極的な御支援もぜひともお願いをいたしたいと思つておるものであります。ただこの機構改革の問題に当面しております電気通信省といたしましても、同時にまたいわゆる行政機構簡素化の問題ともぶつかつておるのであります。行政機構簡素化に際しましては、先ほど来現地調査の御報告を伺つて参りまして、管理機構簡素化、強力化のお話がしばしば出ておりまするが、私どももこの点にはしごく同感でありますので、この機会におきましては、基本的な経営形態をいかにするかという問題と並行して、管理機構はぜひとも簡素化して、そうして現業第一の組織にこの際進めて参りたい、かように考えておる次第であります。これらの点は、先ほど申し上げましたごとく、国会の積極的な御支援、御指導をぜひともいただきたいと思いますので、さらに進みますれば、委員会等の御高見も拜聽する機会を得たいと思いますし、また私どもの方でも積極的に機会を得まして御説明をいたしたい、かように存じておるような次第であります。  第四、第五の問題は、実は私あまり存じ上げておりませんので、事務当局をして説明をいたさせますから、その点御了承いただきたいと思います。
  36. 長谷愼一

    ○長谷説明員 ただいまの御質問に対しまして、電波監理委員会委員長にかわりまして御説明を申し上げます。  電波に関する機械あるいは技術方面の研究関係現状でございますが、ただいま電波監理委員会といたしましては、電波管理上どうしてもみずから行わなければならない研究面、具体的に申し上げますと、電波の伝わり方の研究をいたしますために、付属機関といたしまして中央電波観測所、地方にそれぞれ地方電波観測所を持ちまして、もつぱら電波の伝わり方の研究調査をいたしております。機器あるいは一般の無線技術の研究は、現在におきましては総括的に行われる機関はございませんで、電気通信省の方の電気通信研究所におかれましては、電気通信事業の面から必要とされる範囲の無線の研究ももちろんなされておるし、また通産省の工業技術庁におかれましても、それぞれ生産面から、あるいは日本の一般の技術の発展を奨励する意味から、御承知のように補助金制度をとられたり、いろいろ指導の面から助長策をとつておられるわけであります。それに対応しまして、実際は各製造会社が小規模ながらそれぞれ研究機関を持つてつておりますが、戰後はこれとてその規模の上で、昔日のような状態には参つていない次第でございます。先ほどお話の出ました電波探知機あるいはレーダー、こういうものの技術でございまするが、御指摘になりましたように、最近船舶の航行上、あるいは気象観測上、レーダーの活用がつとに活発になつて参つたのでございますが、御案内のようにレーダーは軍事上の目的から出発いたしております。戰時中日本でも相当の域まで達しまして、現に製品が出ておつたのでございますが、戰争直後、関係方面の指示によりまして、電波探知機関係の研究製造の一切がとめられた形になつて現在に至つております。従つてこういう方面の機械は、研究はもちろんのこと、製造関係も現在やめておりますので、もつぱら輸入にまつておる状態でございます。そのほかただいま御指摘になりました無線あるいは電波の利用に関する全般的な技術の発展を期する上においての調査研究ということは、ただいま申し上げましたようにそれぞれわかれておる状態でありますので、何らかの形で総力を発揮し得る方途をはかりたいと思いまして、かねがね関係の方面の方々と話合いをいたしまして、その総力態勢をすみやかに得たいと考えておる次第であります。  次に御質問のありました有線放送運用の規正に関する法律に関連してでございますが、先ほど当電波監理委員会委員長からの御説明でも言及してございますように、去る七月八日までに、届出をすることになつておつたのでございますが、その結果を見ますと、遺憾ながら五〇%余りしか届出が出ていない。目下その全体のとりまとめをいたしておりますが、何せ法律が施行になりましてから、御案内のごとく三箇月余わにしかなつておらない状態でございまして、全貌もまだはつきりしておりませんが、ただいま御指摘になりましたような一般の声は、私どもたびたび耳にいたしておりますので、この点はとくと研究をいたしまして、この適用の範囲あるいは、根本的にさかのぼりまして、運用面と施設面との関連等は十分に検討いたしまして、関連のあります電気通信省方々と十分に御連絡の上で、機会を得て御審議を願いたいと考えておる次第でございます。
  37. 靱勉

    ○靱説明員 有線放送施設に関する施設関係につきましては、一応現在の法律体系としましては、電信法で取扱うということに、当時運用の規正の場合に、委員方々とも御相談申し上げたのでありますが、そういう体系になつておる次第でありますけれども、なお実際におきまして若干無理な点があるということは、先ほど御指摘の通りであります。そこで当時私どもといたしましては、有線電気通信法及び公衆電気通信営業法というものを、第十国会に提出できるように準備を進めておつたのでございまして、その有線電気通信法の中に、有線放送施設面につきましても規定を設けたのでございます。ところがとうとう国会も済みまして、中間におきまして、最後的に関係方面で有線電気通信法の提案につきましてはしばらく待つてもらいたいというようなことで、一応成案は得ておつたのでございますが、遂に国会に御審議を願うような段階に至らなかつたのであります。ただその経過につきまして、根本的には電気通信省はそういう施設の規律をしない方がいい、そういうものは委員会制度でやるべきだというような点につきまして、電気通信省と相当意見の懸隔を生じたために、最後的なその條文に対する検討を終らず、その前提條件においてなかなか妥協がつかなかつたという結果、ただいまの私どもの一案をそのまま残して、結局それにつきましてはさらに新たな構想で検討しなければならぬというような段階でございまして、今こういう案を持つておるということを御説明いたしましても、私どもも再検討いたしたい考えでありますので、さらにそういう段階に参りまして、電波監理委員会ともいろいろ御相談してまた御説明申し上げたい、こういう考えでございます。
  38. 關内正一

    ○關内委員長 長谷川四郎君。
  39. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 ごく簡單に二、三御質問申し上げますが、私、次の委員会に出席できないと思いますので、さつきの報告の中にもございましたが、靱さんにこの際ちよつとお聞きしたいのですが、九州の東まわりの、要するに行橋から都城までの間のケーブルの件ですが、再三この請願は採択をされておるのだそうですけれども、終戰後から昨年までの間の約四年間に、災害の復旧費が十億強かかつておる。しかるにこの間のケーブル施設に幾らぐらいかかるかというと、大体今の最高価格で見積つても六億円で完成する。そういうふうになつて参りますと、わずか四年間で十億円も災害復旧費をかけておるが、六億かければ全部が完成するという、こういうようなところに、あなたの省でやつているところの計画運営というものの欠陥があるのではないかというふうに考えるのです。国家的に考えても、これは非常に不利じやないかと思いますので、この点どういうふうにお考えになつていらつしやるか、ひとつ承りたいのであります。
  40. 靱勉

    ○靱説明員 この東まわりのケーブルにつきましては、ただいま長谷川委員から御指摘の通り、ことに九州は非常に災害の多いところでありまして、年々台風が通過しまして災害復旧費を要しております。ぜひこれは実現いたしたいということで、私どもといたしましては、前々から計画は持つてつたのであります。来年度の私どもの考えておる予算の中には計画されているのでありますが、来年度予算の折衝が終つておりませんので、最後的なことは申し上げられませんが、ただいま申されたように、むしろ経済的であるという御意見ごもつともと思いますので、ぜひ二十七年度には計画実現できるようにいたしたいと考えております。ただ来年度の予定といたしましては都城から宮崎までで、宮崎から延岡まで通じますと完成いたすのでありますが、ただいま計画しておるのでは都城、宮崎間、こういう計画なつております。
  41. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 それから先日箱根の二子山の超短波の中継を見せていただき、またこのたび九州に参りまして、九州の離島の超短波の無線電話を見て来たわけでありますが、結果は非常によろしいので、観念的に今までのケーブルでなければいかぬというふうなことでなくても、けつこうこれが十分高度利用されておるということを見て来たわけです。特にこの離島関係におきましては、この超短波の無線電話が開通いたすと同時に、物価が三割五分も下つており、離島の人たちは非常に喜んでおる。こういうような関係から考えても、今までの観念的にどうしても有線でなければならぬのだということでなくてもやれるのではないか。私はしろうとでよくわかりませんが、そういう考えを持つて来たのですが、これについて靱さんのお考えを承りたい。
  42. 靱勉

    ○靱説明員 お答えいたします。離島の関係につきましては、超短波の活用というものは非常に大きいと思います。さらにまた長距離につきましても、現在これが相当発達されていることは御承知の通りであります。この九州の都城、宮崎間と申しますのは、これは相当通信量も多いわけですから、大きなケーブルをつくるという計画でありまして、超短波の活用につきましては、電気通信省としては、国内的に全面的に考えているような次第であります。
  43. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 これは電波の方の関係ですが、受信機の生産と修理業者、さらにこの修理等に対する技術の免許証の関係で、これは通産省の方でやつておるのでございますけれども、大体これは通産省の方でやるべき性質のものでなく、電波管理の方でやるべきものでないかというふうに、しろうと考えですが思うのです。この点はどんなふうになつておるのですか。
  44. 長谷愼一

    ○長谷説明員 お答え申し上げます。受信機の一般の修理業者の指定、並びにその場所に従事する技術者の検定制度の問題は、よい受信機をなるべく早く一般に普及させる方法を、いろいろ国会等も中心になられまして審議を進められております途中に、通産省におきまして、いわゆる月賦販売法を考えたのでございます。これには私どもも非常に賛成をいたしまして、その月賦販売法が実施できるような方途をいろいろ考えたのであります。その結果、月賦販売をやりますために相当の融資を考えてやる。そのためにはその店が信用がなくてはならぬ。また修理あるいは販売をなす上においてそこに従事しておる修理をやる実際の技術者が不確かな者であつては、結局それを買う一般の国民に迷惑を及ぼすばかりでなく、融資を行う面においても相当問題になるというようなことから、この指定業者を指定する場合に、その業者の資格の審査と相並んで、そこの店に従事する技術者の検定試験という、問題が起つて来たのでございます。この問題はなるほど一面電波管理上からも問題にはなる点でございますが、受信機というものは一応電波管理の上からは、電波を出さないという面で対象外になつておる点が一つございます。それからもう一つは、ただいま申し上げましたように、いわゆるラジオ業者は受信機をつくつて販売する、あるいは修理をするという点は、通産省の一般的な行政の対象になつておるというような関係もありまして、電波監理委員会と通産省との間に十分密接な連絡をとりつつ行えば、実際上支障がないというようなことで、ただいまお話にもございましたように、現実には通産省がその販売業者、修理業者の審査並びにそこに働く技術者の検定試験の施行を行うことになつております。もつともこの検定や何かにつきましては、電波監理委員会の方で現在施行しております。無線技術者の国家試験というものと密接に連絡をとりまして、相互の関連も明らかにいたしております。なお御参考でございますが、このラジオ業者の認定あるいは技術者の検定というものは、昔はいわゆる日本放送協会の認定権、指定権というもので、いわゆる標準店がきめられておつたのでございますが、御承知のように放送法によつて日本放送協会が生れかわりましたときに、日本放送協会はいかなる形においても——直接であろうとあるいは間接であろうと、製造業者あるいは修理業者に対して統制というようなことをしてはならないという、御承知のような法文によりまして、従来の放送協会の標準店あるいは指定店という制度をやめておる次第でございます。
  45. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 こまかいことでございますけれども、公衆電話の件ですが、料金收納が著しく低下しているという話を聞くのでございますけれども、その收入が平均六〇%以下だ、そういう状態にあるので、まことに寒心にたえない。これは非常に不正が行われておるというのが第一の理由になつておるわけですが、この防止策として何か方法はないかということを、前第六国会だと思いますが、そのとき私も御質問申し上げ、これに対して委託方法でもとつたらどうか、委託方法をとつて、それに硬貨式を採用するようにでもすれば、これはうまく運営することができるのではないかというように申し上げたことがあるのですが、今度九州に参りますと、依然として各地において非常に不正が多過ぎる。はなはだしいのは四〇%というようなところがある。はな紙が入つていたり、名刺のくずが入つていたり、紙くずが多かつたりして、非常に困つておるという話を開くのですが、これに対して委託制をとるということはあまりむずかしいことではないと思うのです。近所のタバコ屋でもいいし、商店でもいいから、これに委託をして、受託者に料金收入と控えの保管をして注意をしてもらえばいいというだけのことで済むのじやないかと思うのですが、そういうような方法をとるお考えはございませんか。
  46. 靱勉

    ○靱説明員 公衆電話につきましては、料金は一円でありますが、なかなか正確に收納できないのみならず、さらに破壊されるというようなことで、私ども非常に困つた問題であると思つております。一方、公衆電話は非常に大衆的な施設としまして私どもぜひこれは増備したいという考えで、一応対策といたしましては、将来全部硬貨式にするということと、外国式の自動式のような場所におきましては全部自動式で行くということで、その点につきまして電気通信研究所の方で、目下相当研究も進んでおるわけでございます。これは外国式の、たとえば硬貨を入れて普通のダイヤルをまわせば、自動的に向うにつながる。向うが、話中なら受話器をかければまた金がもどつて来るという方法になれば、これが一番いい方法であります。一々交換手が出ましてやるということになりますと、接続も遅れるということで、局内でも設備を要しますし、それだけ経費もかかる。むしろ自動式にしてそういう方式をとれば、一番理想なんです。現在相当硬貨も出ておりますが、料金体系にも問題がある。一円の上は現在は五円になつておるので、これらの硬貨の問題もありまして、今にわかに実施できない。ただこの方向に本年度から来年度に持つて行くという計画にいたしております。さてそれ以外に、公衆電話というものは常に街頭でボックスに置いておかなければならぬかという問題になるのですが、これはかつて——現在でも若干残つておりますが、簡易公衆電話という制度をしきまして、割合に人が利用しやすいところの店頭等におきまして取扱つておる。これは確実に料金は收納されますし、ことにそれを設備された商売屋といたしましては、電話を新たに架設しまして、それが利用されて手数料がもらえるということになれば、かなり希望者もあるという見通しを持つております。電通省といたしましては、街頭にボックスをつくり、それを保守して、あるいは破壊されるとか、料金が入らぬというような心配がなくなれば、相当手数料を出してもいいという計算になる。これは先刻大臣から電気通信事業の実相報告書を公表いたしました際に、本年度としまして、とりあえず一千個程度そういう簡易公衆電話をつくる。これは今長谷川委員のおつしやられた大体委託的なものでございますが、簡易公衆電話としてかつてあつた制度を生かして行きたい。今までなぜやらなかつたかと申しますと、これは若干押えられておつた気味がございますので、今度それを全面的にやりたいという考えでございます。ただボツクスを前のタバコ屋さんか何かに監視してもらつて保守するということは、実行上なかなか困難かと考えております。
  47. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 もう一つお聞きしたいのでございますけれども各地に参りまして、局舎が挾隘であり、また新しくつくらなければならないという実情が、各地にたくさんあると思うのでございまして、その局舎を各地方自治体がつくつてもいいということを言つておるわけです。しかしただくれるならばいいけれども、高い家賃で借りることは困るのだというような返事もある。いずれにいたしましても、これを地方自治体に建設させて、十年なら十年の年賦償還で家賃を拂つて行くような方法をして、十年目には国のものになるのだ、省のものになるのだというような方法をもつて、自治体にこれを建設させることはできないものですか。
  48. 靱勉

    ○靱説明員 自治体等におきまして局舎を建設して、これを貸してやるというようなことでございますれば、私どもはその條件いかんによつて、むしろ喜んでお願いいたしたいというふうにも考えているのであります。ただ実際問題といたしまして、局舎だけできましても、機械がただちに改式にならぬというような関係がございまして、そのために全体の順序を狂わすわけに行かぬということもあるわけでございます。従いまして、地方通信局等から具体的に本省に申し出てもらいまして、その條件等をよく考えまして、応ずるかどうか決定いたしたいということで、ちようどわれわれとしましても、本年度建築をやりたい、しかし予算関係で落されてしまつたというときに、自治体等において十年といわれなくても、二年でも三年でも拜借できれば、私どもはそれだけ早く施設が完成できますので、非常にけつこうな話だと思つておる次第であります。ただ三年後にそのところは自動式にかえるというところを、本年度建物を建てるから来年度すぐやつてもらいたいというような御要求には、遺憾ながら沿い得ない、こういう形になります。
  49. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 どうも靱さんのは、ほんとうかどうか、いずれにいたしましても各地へまわりますと、こういう声が非常に多いのであります。しかし受入れをするところの本省の方が、経費だとか施設だとかいう方面に、何かどうしてもそういうことが受入れられない理由があるらしいのです。どうも私もよくわからないのだけれども、その点にづいて本省の方で十年なら十年で、しかも金利をつけない。そして各自治体でやつてくれる、そういうものがあるならば、簡單にもつと受入れられる方法を講じていただかなければ、とうていこれは行うことはできないと思う。いろいろ持つて来るということを私はたくさん聞いております。しかし本省の方で満足に受入れられない、しかも国でできない仕事を、地方自治体でやつてくれるから、十年の年賦償還でいいからやつてくれということを、何も断ることはないのだから、あまり事務だとか何とか断わらないで、何か方法を特に考えてもらわなければならぬということを考えるのです。
  50. 靱勉

    ○靱説明員 私は決してうそを申し上げているのではなくて、そういう條件がありましたら喜んでお借りしたい、こういうことに偽りないのです。本省の方で受入れないということではございません。現在におきましても拜借しているようなところもございます。ただ話がつかない問題といたしましては、すぐ改式してくれなければいやだ、こうおつしやられた場合に、順序としましてなかなかそこは共電や何かに改式することができない場合には、こういう事情でせつかく建てていただいても、三年間で償還するわけには参りませんというようなことで、それではやめるというようなお話で、非常に遺憾に思つておりますが、全体の計画といたしまして施設ができませんと、建物を遊ばすことも、自治体に対して非常な御迷惑をおかけするわけでありますから、今長谷川委員のおつしやつたような條件で、将来も安くお借りするということは非常にいいことでありますから、喜んでお借りいたします。
  51. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 了承いたしました。
  52. 關内正一

    ○關内委員長 椎熊委員
  53. 椎熊三郎

    椎熊委員 ちよつとこの機会地方的の小いことですが、ただ一点お伺いしたいと思います。その前にせつかく新しい大臣をお迎えしたのですから、大臣に対してもお願いやら注文があるのです。私どもこの委員会に勤めておりまして、今年は電気通信事業のために、当該大臣の責任上はなはだ不幸なる年である、こういうことを痛感しております。それは主として本年度予算の問題であります。私は前国会におきまして、その問題ではたいへん失礼なる言辞を弄しまして、その当時の大臣にお伺いした点もあるのであります。幸いにして私どもあきたらなかつた大臣が更迭されまして、日本の電気通信事業のために私は慶賀にたえない。しかもおかわりになつたのは天下の大政党、與党の幹事長を勤められたる大政治家が、今回電気通信の大臣になつた。従つて私が前大臣に対して抱いた不満のごときは、かくのごときほんとうの意味の筋金の通つた政治家が、この役所の大臣になられた以上は、決して不安がなかろう、こういう私は信頼を持つのであります。政党政治の権威のために、あなたはこの役所の大臣となられて、非常なる努力と御自重を願いたいのであります。これは政党政派の感情の問題ではありません。従つて将来予算の閣議等におきましては、あなたのような大臣をこの役所が持つ以上は、その下におられる下僚の方々は安心して、大臣の政治的手腕に信頼することができるであろう。われわれも全幅の力をあげて、この大臣の政治的手腕に御協力申し上げたい。それは日本の電気通信事業の拡大強化のためである。健全なる発展のためである。由来かつての逓信大臣というものは、政界における有力なる政治家が逓信大臣になられました。総理級の人がなられた。その後どうも終戰後の状態を見ますと、とかく軽んじられるの傾向を貝まして、私は日本の逓信事業のためにはなはだ遺憾でありました。今回そのことが画期的に、一党の中心人物がこのいすにつかれたということは、私は逓信事業のために非常に慶賀にたえないのであります。従つて佐藤電気通信大臣の御手腕に信頼するとともに、多大なる期待を持ちまして、よつてつて私は日本の今日の電気通信事業、ことに電話事業のごときは、今までの大臣が構想せられたような焼石に水のごとき状態でおつて、ほんとうに日本の電話事業というものはよくなるだろうか。ずいぶん努力せられたでありましようけれども、ほとんど焼石に水です。これはよほど画期的の大覚悟を持つて、画期的の構想を持つて臨まれなければ、ほんとうに電話事業というものは、改善せられないのではないか。電話事業公共企業体にするというようなことも、そこから出ている一つの構想かもしれません。何といつて予算です。これは少くとも来年度におきましては、私どもしろうと考えでも、今までのような百三十億とか二百億とかいうけちな金ではなしに、何百億という金を思い切つてかけるのでなければ、全国電話に対する不平というものは解決することはできないと私は思うのです。そういうことを佐藤さんが今度やつてくれると、あなたは天下の大政治家だ、私はそれを期待いたします。あなたの政治生命の中に、これは画期的の事業であり、歴史に残る大きな仕事であると私は思う。そういう大構想のもとに、電気通信事業というものに熱意を持つてつていただきたいと思うのであります。これは大臣の御手腕を信頼してお願いするゆえんであります。  こういうことを冒頭に申し上げて、次にお尋ねすることは、至つて小さいようなことで、ことにこれは私の郷里の問題で、はなはだ比べましてみつともないことではありますが、切実な問題ですから陳情も兼ねて、当局の御意見を伺つておきたいと思います。北海道小樽市の電話、これは北海道でも非常な問題のところです。社会党の委員はこの間まわつて見て来られまして、どういう報告をされておりますか。今六千台ほどの電話を持つております。それが機械が至つて古いので、利用価値、能率がすこぶる低く、先般施設局のお話を聞きますと、とりあえず一万台くらいにいたしたい、将来は小樽市の人口増加とにらみ合せて、二万台くらいを処理して行くことのできるような電話局を持ちたい、そういうことで前施設局長はわざわざ現地を視察に相なりまして、とりあえず電話局増設しなければならぬ。増設するのに地域がはなはだ狭隘で、現在の電話局の地点では増設が不可能だ。ところが現在の電話局の地点は、小樽市のまつたく中心地点にありまして、技術者の話を聞くと、これを一町でも二町でもどこかへ移動するということになると、そのために数千万円の工事費に差額を生ずる。将来の小樽の発展地形を見ましても、あの現在建つておる地域から離れるということは、電気通信省側から見るとはなはだ遺憾千万、幸い現在建つておる庁舎の前に、小樽市の市有地の平空地があるのです実にりつぱなものです。小樽の一等地、最高地です。小樽市ではそこに公会堂を建てる、公民館を建てるという市会の決議をやつておる。財政上の関係で、公民館を建てると二億円ほどかかる、税金でとるわけに行かぬし、寄附金はとうてい負担に耐え切れないというので、いまだに建つておらぬのです。先般施設局長が来られて現地を見まして、現在の電話局の局長は、あの土地を逃がしては、小樽市に電話局増設する箇所はない、いやがおうでも小樽市から買い上げるか、寄付させるか、何らかの形でこれをとりたいと言つて、非常な熱の入れ方である。小樽市は商業都市ですから、電話を拡大強化してもらうためには、公民館の問題さえなければほんとうは寄付してもいいのです。ところが公民館の問題もまたいろいろ関係方面との事情等もありまして、どうしても建てざるを得ないことになつておる。そこで私は考えたのです。はなはだしろうとの考えでありますし、もとよりアメリカと日本とは違いましようけれどもアメリカ電話事業会社等におきましては、電話局施設は大きなビルデイングを建てて、その中にいろいろなものが入つておるのです。電話局だけでない。そういう方式もある。そこで私はこういうことを思いついてみたので、きようお尋ねしたいのだが、小樽市の持つておるこの平地、このりつぱな土地にそれをやると、すぐ道路一つ向いで、地下トンネルですから、現在のところとも連絡できる、非常な便利なところだそうです。それを小樽市に寄付させる。電気通信省の方としても一億に余る厖大な費用をもつて、あそこに大拡張工事をしたい希望があるのだそうです。それが来年度予算に現われるかどうかは別だが、もしあるとするならば、そこに七階か八階かの大ビルディングを堂々と建てて、上の方は必要がないかもしれないが、必要があつても、無理にでも二階くらいの間を公民館に使わしてやるというような方法がもし可能であるならば、小樽市としては土地を提供する。国としては土地の買收費はいらぬで、最もいい場所に理想的なものを建てることができる。こういうことができないものだろうかどうかという小樽市会の念願によつて、きようは、郷里の問題でありますけれども、この席上でお伺いするのです。そういう構想は私も悪くないと思う。東京の電話局どもずいぶん建てなければならぬでしよう。これはなかなかいい場所がない。そうするとそういう方法で、アメリカ式にだれにでもビルディングを使用させて——今長谷川君が言つたのと逆なんです。建てるのは国家で建てる。けれども国は土地をただ寄付してもらう。費用の点では同じなんです。けれども所有権の確認は、この方はすぐ国のものになる。そういう状況で、何でも役所の建物には民間が入つてはならぬといつたような旧式な観念でなしに、一部分にはマーケットがあつてもよかろうし、オフイスがあつてもよかろう。しかし電話事業に一向さしつかえないというものがもし好都合にできれば非常にけつこうだ。こういう小樽市の財政難の結果からも出た窮余の策ではありますけれども、そういうことはできるものかできないものか、そういうことは考えてもむだだということなら、電気通信省小樽電話を拡張するために、技術的には非常に不便な他の場所に、厖大なる資金をかけて土地を買わなければならぬ。そんな土地はありませんよ。そこでどうかというのですが、この点まだ御研究になつておらぬと思いますけれども、民間にはそういう構想もありますので、ひとつ御研究を願いたい。ついでにそういう問題に対する御研究がありますなら、ひとつお漏らし願えればけつこうであります。
  54. 靱勉

    ○靱説明員 お答え申し上げます。今の御意見は私ども非常にごもつともだと思いまして、できますればそういう形にすることを、決して私ども軽々に考えておるのではないのであります。大きなビルデイングを建てまして、單に電話局の設備だけではなく、せつかく場所もその土地としましては非常に重要なところであるということなら、これが他の利用面も考えるということの方が一番望ましいと、前々から私ども考えておるのであります。結論的に率直に申し上げますと、実はそういうものを建てていただいて、私の方に貸していただくのが、今では一番早いのです。それから電話局、ことに自動局といたしますれば、窓はありましても、ふさいでおかなければならぬ。要するにちり、ほこりというものを自動の機械は非常にきらうので、大きなビルデイングの中庭あたりをつぶして、そこへ機械を置いて、螢光ランプのもとでやるというようなことでも、機械の保守の関係は可能だと思います。必ずしも、ビルディングとしてそんないい場所をとらなくとも、電話局の方は済むのであります。そこで今私ども年度予算計画も策定いたしておるのであります。北海道全体としましては、釧路室蘭もやはり同様、あるいはそれ以上に行き詰まつておるという状況にありまして、室蘭は現在六千ということで共電式になつております。なおこれは端子を増加することに上りまして、もう少し收容ができるという見通しも持つておるわけであります。ただいまの御提案まことにけつこうでございますが、今にわかに電通省が大ビルデイングを小樽に建てるだけの——大臣が五百億くらいの予算を獲得されれば、また別の考えも出るかと思いますが、私ども現在最大限に考えましても、小樽に大ビルディングを建てるということはちよつと困難かと思います。どこかの機関で建てていただきますれば、どうせ将来二万端子の局にしますれば、自動式にいたさなければなりませんので、私どもの方もそれを借用するような計画であれば、これは非常に経済的だ、こういう考えを持つておりますが、なお十分検討いたしてみたいと思います。
  55. 椎熊三郎

    椎熊委員 小樽電話局に対する来年度計画はどんな程度ですか。
  56. 靱勉

    ○靱説明員 ただいまのところ端子の増加と申しますか、交換台の増加でございますが、これを考えておる程度でございます。もつともまだ大蔵省とも全然当つておりませんので、どういう計画になるかは今のところはつきり申し上げられませんが、私ども計画の幅としましては、そういうような点を考えております。
  57. 椎熊三郎

    椎熊委員 私も何度も行つて見たのですが、あのままの建物では、交換機増設は不可能だと局長は言つておる。どうしても増築しなければいかぬ。多少ふやすということだけでも、今の建物ではいけないそうです。あき地も何もないのです。そこで現地を御調査の上、ひとつ十分な計画を立ててもらえないでしようか。
  58. 靱勉

    ○靱説明員 これは前局長も現局長も現地をよく見ておりますので、なおよく状況もお聞きいたしますが、私ども今までやつております手は、そういう場合には非交換事務を外へ出しまして、現在の局舎機械の方でフルに使う、こういうことで間に合せるというようなことでございます。来年度計画としましては、交換台を増加するという場合には、ほかの部屋をつぶしてやるという方法しかないわけであります。これは不経済な、むだなことでも必ずしもないのでありまして、計画上どうしても大きな新たな局舎を建てることができない場合には、そういうようなことによつて、少しでも需要に応じて行かなければならぬかというふうに考えております。なお十分検討いたします。     —————————————
  59. 關内正一

    ○關内委員長 他に御質疑がないようでありますから、この際橋本委員より発言を求められておりますので、これを許します。橋本登美三郎君。
  60. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 私から提案を一つ出したいと思います。一応提案の名前を申し上げますが、電気通信事業経営方式改善に関する小委員会を設置してもらいたい、こういうのであります。先ほど来からの各班の報告並びに各委員のお話を聞いて参りましても、現在の電気通信事業が相当行き詰まつておるということは、もう長年の話であります。先ほどの椎熊委員のお話ではありませんが、大幹事長を迎えて、画期的な事業をしてほしいというような意向は、各委員ともに非常に強いと思うのであります。しかしこの提案理由といたしまして、もちろん先ほど来電気通信大臣から公共企業体云々のお話がありましたように、本委員会におきましても、前々国会において、公共企業体に移行すべきであろう。こういう意味での決議はしておるのであります。当時御承知のように、内閣に電信電話復興審議会が設置せられて、私もその委員の一員でありましたが、その委員会におきましても、現在の電話需要に現在の施設では足りない。少くとも三百万個が現在の日本の産業状態から見て必要ではなかろうか。それに対して、大体現在の稼働施設は百万個である。こういう状況からして、なお万約二百万個の増設が必要である。しかしながらこの二百万個を増設するがためには、その資金としてはおそらく二千五百億円ないし三千億円を必要とする。こういう厖大な予算を現在の国家財政に依存するということは不可能であろう。従つてもちろん国家財政には基本的には依存しなければならないけれども、他のあらゆる方法によつて、この資金関係を求める必要がある。こういうことから、当時の内閣の電信電話復興審議会におきましても、公共企業体に移すべきである、こういう答申が出されて、その後委員会は廃止になつておるのであります。当局説明によりますと、最近電話の復旧はなかなか盛大なものであつて、戰前の昭和十八年の最高百八万に対し、昭和二十五年度は一般加入は百十七万個、百十七万個というのは、戰前のピークを越えておる、こういう状態で、当局の御努力は大いにわれわれも感謝しなければならないと思うのであります。しかもこれは戰後のいろいろな事情から、種々雑多に申し込まれたものをとりあえず加入を許す、こういう意向から百十七万個という数字が出ておるのであつて、これは戰前のように、各方面が整備せられての百十七万個でないことは、当局も十分に御承知の通りであります。従つてその数は相当にふえ、しかも度数も相当に増加しておるのでありますけれども、先ほど来申し上げましたように、各界の代表者を集めての復興審議会においても、どうしても現在の状況においては三百万個の電話が必要であろう。また当局調査によりましても、積滯数が四十七万個になつておる。なおいかに申し込んでも引かれないのであろうから、希望はしておるが申し込まないという数字を考えたならば、当局も大体二百万個が希望せられておるというような統計を出しておるようであります。こういう点から考えましても、当局といたしましては、本年度におきまして、御承知のようにこれは予算にはなつておりませんが、五箇年計画を発表して、昭和二十六年度においては十二万五千個、昭和三十年度までにおいて大体八十三万個を増設しよう、こういう計画を出しておりますが、本年度の十二万五千個も、おそらく現在の原材料の値上りから見て、大体十万個前後が可能な数字ではなかろうか。こういうふうに見られる状態であつて、先ほど来かちの各方面調査の結果、各方面で要望しておる電話の数というものは、百年河清を待つの状態なつておるのであります。こういう点から考えましても、何とかして電気事業能率的な経営方法がないものであろうかということが、復興審議会の議題であり、同時に政府が考えておる問題であり、またわれわれもこれに対して何らかの改善方式を考える必要があろう、こういう点から小委員会を設けて、政府公共企業体に移すべしと言いましても、これはさつきの説明では、何らかもつとよき方法を研究しよう、こういう話でありまして、政府も研究の途上にあるようでありますから、われわれ委員会政府と表裏一体となつて、国会として各方面から要望せられておる電信電話事業の完全な復旧べの道として、一つの方法を考え出そう、こういう意味で一つの小委員会を設置したい、こういうのが私の提案の理由であります。従つてもちろん公共企業体に移すのがいいか、あるいは他の方法がいいかは、小委員会によつて研究せられる問題ではありますが、従来研究の問題もいろいろありますので、これらを参考として小委員会を設置して、十分なる方式を研究し、かつまた政府の研究と相まつて、民間の要望にこたえたい、こういう意味で小委員会の設置を提案する次第であります。御賛成を願います。
  61. 關内正一

    ○關内委員長 ただいまの電気通信事業経営方式に関する小委員会を設置するという動議についてお諮りいたします。本動議のごとく小委員会を設置することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 關内正一

    ○關内委員長 御異議なければさよう決します。なおお諮りいたします。本小委員並びに小委員長の選任については、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 關内正一

    ○關内委員長 御異議なければ御指名申し上げます。   橋本登美三郎君  高塩 三郎君   辻 寛一君    長谷川四郎君   松井 政吉君をそれぞれ小委員指名いたし、さらに小委員長橋本登美三郎君を指名いたします。さよう御承知を願います。     (拍手)  本日は酷暑の折柄、長時間にわたりまして、御熱心に御審議をいただきましたことを厚くお礼を申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時十七分散会