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1951-01-31 第10回国会 衆議院 電気通信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年一月三十一日(水曜日)     午後二時四十九分開議  出席委員    委員長代理 理事 庄司 一郎君    理事 高塩 三郎君 理事 辻  寛一君    理事 長谷川四郎君       井手 光治君    岡西 明貞君       塩田賀四郎君    中村  清君      橋本登美三郎君    松本 一郎君       森下  孝君    椎熊 三郎君       田島 ひで君  出席国務大臣         電気通信大臣  田村 文吉君  出席政府委員         電波監理委員会         委員長     富安 謙次君         電波監理委員会         副委員長    網島  毅君         電波監理長官  長谷 愼一君         電気通信政務次         官       加藤隆太郎君         電気通信監   山下知二郎君         電気通信事務官         (施設局長)  林  一郎君         電気通信事務官         (経理局長)  肥爪 龜三君         電気通信事務官         (経理局主計課         長)      井田 勝造君  委員外出席者         電気通信事務次         官       靱   勉君         電気通信事務官         (大臣官房人事         部長)     楠瀬 熊彦君         電気通信技官         (業務局計画部         長)      米澤  滋君         專  門  員 吉田 弘苗君         專  門  員 中村 寅市君     ————————————— 一月二十七日  委員塩田賀四郎辞任につき、その補欠として  足立篤郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十九日  委員足立篤郎辞任につき、その補欠として塩  田賀田四郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 一月十六日  飯貝郵便局電話交換台設置請願佐藤親弘  君紹介)(第六九号)  小、中学校等電話架設請願庄司一郎君紹  介)(第七〇号) 同月二十五日  ラジオ共同聽取施設強化並びに電信法改正の請  願(林好次紹介)(第一八八号)  守口市の電話交換方式改善に関する請願外一件  (淺香忠雄紹介)(第一九〇号)  岩松、東田子浦局電話加入者富士電話局に  統合並びに施設改善請願宮幡靖紹介)(  第二三五号)  長崎市内電話交換方式改善請願岡西明貞  君紹介)(第二五九号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  電気通信事業に関する件  電波管理に関する件     —————————————
  2. 庄司一郎

    庄司委員長代理 これより電気通信委員会を開会いたします。  電気通信事業について調査を進めたいと思います。まず最近の電気通信事業業務等について、政府説明を求めたいと思います。最初田村電気通信大臣説明を求めます。田村電気通信大臣
  3. 田村文吉

    田村国務大臣 前国会電気通信事業概況について御説明いたしましたから、あるいは重複いたす点があるかも存じませんけれども、最近の状況並びに予算の問題につきまして、御説明いたしたいと思います。  最初電気通信事業概況のうち、市内電話について御説明いたします。加入電話について申し上げますと、終戰後五箇年の努力によりまして、ほぼ戰前の数に達したことは、前国会において申し上げましたが、昭和二十五年四月より十月までの増加累計は約十二万八千でありまして、現在合計百十三万五千に達しております。しかしこれはすべてが前の通りに復旧したのではなく、戰災大都市復旧率は五〇ないし七〇%でありまして、依然として多数の未開通加入者大都市に残つており、結局非戰災の中小都市のあき施設利用によりまして、全国的に見て上述の数に達したものであります。大都市における通話完了率向上につきましては、調査会を設けまして重点的に諸施策を講じ、漸次効果を上げつつありまするが、なお一層これが改善努力いたしたいと存じます。  次に公衆電話利用の現状につきましては、現在全国の公衆電話の数は約四千個であります。公衆電話一日平均利用度数が四十二回程度なつていまして、この料金の收納率は五七%前後となつております。一般的にこの收納率は、都市自動式公衆電話の場合は悪く三三%、手動式の場合は少しよろしゆうございまして六三%になつております。当省といたしましては、公衆電話の本質にかんがみて、これが整備にますます努力いたしたいと考えております。  市内電話障害数は、昭和十三年度と比較しまして平均約二倍になつております。そこで昨年七月から明確な統一ある、しかも迅速な処理を目的としまして、市内電話試験統制を各県庁所在地及ひ主要都市につき実施したのであります。また昨年末におきましては、東京、大阪、京都、神戸及び横浜各市電話局におきまして、一箇月四回以上の重複障害申告加入者に対し、申告を待たず積極的に点検いたしまして、完全修理する方法をとり、良好の結果を得ておりますので、今後におきましては一層この点に留意し、障害数の漸減をはかりたいと存じます。  有料発信市外通話につきましては、逐月増加一途をたどつておりまして、二十五年度十月中の有料発信市外通話度数は二千七百三十八万度となり、戰前最高であつた十八年度月平均に対しまして、約一七%の三百八十八万度を超過いたしております。これを二十五年度の上半期全体について見ますと、月平均二千四百万度に達しまして、二十四年度の同期に比較いたしますと三〇・七%増加しており、二十五年度におきましては戰前最高の実績を突破することと存じております。  また市外電話回線障害は逐次減少いたしまして、一月一回線当り障害時分は一一・一分となりましたが、今後におきましては障害の減少、品質の向上をはかり、大声や聞き直しのない市外通話にいたすよう、改善施策を講じたいと思います。  内国発信電報につきましては、二十五年度十月中の発信通数は七百七十一万八千通に達しまして、前年同月に比較いたしますと六・七%増加し、二十五年十月までの累計は四千七百三十一万通で、二十四年同期と比較いたしますと七・一%増加しております。  電信サービス改善の点につきましては、不断に努力しているのでありますが、速度の点につきましては、すでに戰前水準に回復しようとしているにかかわらず、正確度については、遺憾ながら戰前状態にははるかに及ばないので、昨年来電信運用施策の重点を電報誤謬絶滅に集中し、各電報取扱局においてもこれに呼応してあらゆる努力をして参つたのであります。その結果、二十五年八月には一万字当り四十五字に短縮することができたのであります。しかしながら戰前の一万字当り二十二字に比べまして、その半ばを達成したにすぎないので、引続き努力を継続して行くつもりであります。  次に国際電気通信業務量飛躍的増加について申し上げたいと思います。わが国の国際電気通信業務量は、その後においても海外貿易の好転と相まちまして激増の一途をたどつて、十一月の電報取扱数戰前の一箇月最高二十三万三千余通を突破して、十二月にはクリスマス祝賀通信利用等もありまして、その取扱数は実に三十万通を越える活況を呈しているのであります。二十五年一箇年間の国際電報通数は二百二十一万余通で、すでに戰前水準を上まわり、最高にいま一息というところであるのであります。国際電話につきましても、戰前年間最高約五千度数程度でありましたのが、最近は一箇月に五千余度数でありまして、二十五年の統計は六万三千七百度数とけた違いの数字を示しているのでありまして、このまま推移するとすれば、收入におきましても昭和二十四年度十四億円に対しまして、昭和二十五年度は約三十余億円を予想されるのであります。一方、これら輻湊する通信の円滑な疏通をはかるために、対外連絡回線の新設及び通信方式改善整備並びに従事員の量的、質的向上等に鋭意努力している次第であります。  次に昭和二十六年度電気通信事業特別会計予算につきまして、簡單に御説明申し上げます。  昭和二十六年度予算歳入歳出ともに六百二十一億五千余万円を予定して、本国会提出しているのであります。この金額の内訳を申し上げますと、歳入におきましては、電信收入におきまして七十九億六千百余万円・電話收入におきまして三百七十五億一千八百余万円、増設電話工事を受託する代金として七種八千六百余万円、医療施設電話番号簿による広告物件売拂い代、職員宿舎貸付等による收入が十三億三千五百余万円、その他手持在庫品使用等が七億円、連合軍通信設備建設する設備負担金として終戰処理費からの受入れますものが三億五千万円、電信電話等建設事業に要する財源として大蔵省資金運用部から公債金として受入れますものが百三十五億円であります。  次に歳出では、損益勘定で三百九十四億五千四百余万円、一、電信電話維持運営に必要な経費が百十一億二千九百余万円、二、電気通信施設の保守に必要な経費が百十四億四千余万円、三、管理共通事務に必要な経費が四十六億六千五百余万円、四、電気通信施設実用化試作試験等に要する経費が六億九千九百余万円、五、部内の医務機関維持運営に必要な経費が六億六千百余万円、六、電話架設のための引込線工事に必要な経費が四億八千六百余万円、七、増設電話受託工事に要する経費が十億五千五百余万円、八、電信電話業務の一部を郵政事業特別会計に委託するために必要な経費が六十一億一千三百余万円、九、公債及び借入金等の利子と公債発行に伴う取扱費等が十八億八千六百余万円、その他十五億一千四百余万円であります。  建設勘定で見ますれば、二百二十六億九千七百余万円でありまして、一電信電話設備建設に百五十三億六千余万円、二、局舎建設に二十三億一千五百万円、機械器具整備電気通信研究施設の拡充その他に九億九千三百余万円、これらの建設に伴う人件費調査費等が四十億二千八百余万円でありまして、これが財源としましては、十五億円、損益勘定からの受入れが八十八億四千七百余万円、終戰処刑費からの受入れが三億五千万円、計二百二十六億九千七百余万円であります。  次に電気通信の今の施設面ではどういうことを考えておるかと申しますと、昭和二十六年度中に電報電話局委託局を含めまして百五十局、開通加入者の数が七万五千、市外電話回線が七万キロを増加いたしまして、昭和二十六年度末には、電報電話局委託局を含めまして一万三千八百七十九局、開通加入者の数が百二十八万一千余、電信回線が二千百五十七回線市外電話回線が百三十二万一千余キロとなる予定であります。また以上の計画を遂行するために、昭和二十六年度従業員の定員は、昭和二十五年度に比べまして八千二百三十二名を増加しまして、十五万二千八百七十四名を必要とすることになつておるのであります。なおこれらの予算のもとで行いまする事業のこまかい点については、御質問に応じましてお答えすることといたしまするが、要するに外部資金の百三十五億円でははなはだ不十分に存じまするので、いろいろの努力もいたしましたが、諸般の都合で外部資金百三十五億円と決定いたしましたので、十分思うような工事完了して需要家の満足を得るまでに至りませんことを、はなはだ残念に存じまするが、しかしこれが予算運用にあたりましては、できるだけ適切に、有効に、経済的に使用することによりまして、大体申し上げましたような施設完了をいたしまして、需要に対応して参りたいと存じておる次第でございます。  以上簡單予算説明を申し上げたのでございますが、なおこの国会には有線電気通信法、すなわち電気通信の根幹をきめまする法律、それから電気通信営業法、これは在来各種法律にわかれておりましたものを統合いたしまして、電気通信営業法というもののほかに、設置法におきましても若干の変更をいたしたいと、目下案を練つておりまするので、不日三案を提案することにいたしたいと考えておる次第であります。以上簡單でございまするが、説明を終ります。
  4. 庄司一郎

    庄司委員長代理 この際、田村電気通信大臣のただいまの御説明等に関し、あるいは関連して、御質問の通告が出ておりますので、すぐ発言のお許しをしたいと思いますが念のために一応御懇談申し上げておきたいと思います。それは富安電波監理委員長説明もございまするが、同委員長説明簡單なようでございまして、これを聽取してから御質問移つてはどうかと考えておりますので、皆さんの御意見いかがでございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 庄司一郎

    庄司委員長代理 御異議がないようでございます。ではさように決しました。富安電波監理委員長
  6. 富安謙次

    富安政府委員 では最近におきまする電波監理委員会所掌事務状況について、御説明を申し上げます。  まず規則制定状況につきまして申し上げます。電波監理委員会は昨年六月発足いたしまするとともに、多数の規則制定いたしました。これらの規則のうちで六つの規則は、電波法規定によりまして聽聞を要する事項を含んでおりましたので、それらにつきましては去年十一月、二週間にわたりまして聴聞会を開催して、関係方面意見十分参考といたしまして、新たに全文改正の形をもちまして、十一月末日これを制定公布いたしたのであります。また先ほど御報告申し上げました無線局開設根本的基準制定に引続きまして、放送局開設根本的基準を、これまた十月中、下旬にわたりまして聽問会を開催いたしまして、愼重審議の結果、十二月五日に制定公布いたしました。  これらの諸規則のほかに電波監理委員会は、電波監理委員会の行う公益法人の設立の許可等手続等に関する規則、こういうものを初め、そのほか多数の規則制定いたしたのでありますが、これら電波監理委員会の発足以来、現在までに制定改廃いたしました政令規則状況は、お手元に御配付申し上げておりまする二枚の表の通りでございまするから、これについて御了承を願いたい。  以上の各種規則制定によりまして、電波法放送法及び電波監理委員会設置法の施行に関しまする政令規則及びこれらの委任に基く規則類は、法律が定めるところに従つて、一応整備完了いたしたのでございます。電沼監理委員会といたしましては、今後はこれらの諸法律、諸規則の適正なる運用によりまして、法律にうたわれておりますところの電波の公平かつ能率的な利用を確保して、公共の福祉を増進するという、行政運営について努力を傾くべき段階に達したのでございます。  さて、新規則類制定によりまして、当面最大の問題として現われて参りましたものは、いわゆる民間放送の問題でございます。放送局開設根本的基準及び新無線局免許手続規則制定公布によりまして、従来出ておりました申請書は、そのままでは條件を満たさなくなりましたので、各申請者に対しまして、新規則要求するところを伝達いたしました結果、本年になりまして続々と申請書補正提出が行われておる状況であります。  これよりさき電波監理委員会といたしましては、去年の十二月二日でありまするが、放送局開設根本的基準を議決いたしますと同時に、いわゆる民間放送局免許に関する委員会の方針を公にいたしたのであります。その公にいたしたものの中におきまして、かように申したのであります。東京においてはさしむきのところ二局、その他の都市においては大体一局より多く免許することは、困難ではなかろうかと考えている、かように申し述べたのでありますが、これが各地におきまする従来の申請者濫立状況に対しまして、合同的気運をもたらす結果と相なりまして、現在すでに合同完了して申請書提出しておる向きもございまするし、さらに目下合同の話合いをしているということを開いている向きもございます。これが根本的基準公布の後に、新たに申請書を整理して提出して参つておりまするものの状況は、これまたただいまお手元に差上げてあります資料通りでございまして、相当の数に上つております。続いてごらんを願いたいと思います。これらの申請に対しまして電波監理委員会におきましては、目下慎重に審査を行つておりまして、なるべく早い機会に結論を得たいと努力いたしておる次第であります。  次に漁業無線について申し上げますと、前国会におきまして、水産業協同組合法の適用の特例に関する法律というものが成立をいたしまして、十二月九日に施行せられました。これによりまして無線局開設根本的基準におきまする漁業協同組合適格性の問題も円満に解決いたしました。そこで昨年十二月末日をもちまして、免許期限の満了する漁業用海岸局につきましては、それぞれ適法な形式をもちまして、免許の更新が認められた次第でございます。  次に放送法規定によりまして、今国会日本放送協会收支予算事業計画、並びに資金計画提出して、御承認をいただかなければならないことになつておりまするが、これらにつきましては、なるべく早く私ども委員会手元におきまして検討を加えて、意見書とともに国会提出するように鋭意努力いたしております。提出になりました際は、よろしく御審議のほどをお願いいたす次第であります。  最後に、電波監理委員会関係の来年度予算の概要について御説明を申し上げますると、昭和二十六年度予算といたしまして、先日政府から国会提出しましたところのものは、総額十一億四千七百万円ということになつております。これを本年度予算総額十二億五千万円と比較いたしますると、約一億円の減となつております。また人員の面におきましても、総数三千四百五十八名ということになつておりまして、この数は二十五年度に比べまして約五百二十名の減となつております。このように人員及び予算におきまして相当の削減を見ましたことは、現下の国家財政状況よりいたしまして、まことにやむを得ないところではありまするが、委員会の前には当面なすべきいろいろな問題が山積しおります際でありまするし、来年度予算額は十分とは申せないのでありまして、業務の遂行の上に相当の苦心を要するのではないかと存じております。来年度予算に盛り込めなかつた事項につきましては、将来できるだけその実現に努力いたしたいと存じております。  簡單でございますが、これをもちまして電波監理委員会所掌事務の御説明といたしました。なお詳細の点につきましては、御質問によつて他政府委員等よりそれぞれお答えをさせていただきたいと思います。
  7. 庄司一郎

  8. 椎熊三郎

    椎熊委員 大臣の御説明をほかの用務のために聞くことができませんでしたので、たいへん遺憾でございました。しかしここに渡されております説明資料によりまして、少しくお伺いしたいと思います。  問題は昭和二十六年度電気通信事業特別会計予算の問題でありますが、そのうち私の聞きたいのは、主として歳出の部門でございます。ここに電信電話等建設事業に要する財源は、公債收入として受入れが百三十五億円となつておりますが、これは本年度と比較してどういうことになつておりますか。
  9. 田村文吉

    田村国務大臣 本年度の分につきましては、見返り資金特別会計から百二十億となつております。
  10. 椎熊三郎

    椎熊委員 大蔵省資金運用部からは、来年度はないのですか。
  11. 田村文吉

    田村国務大臣 ございませんで、見返り資金がら入るわけであります。
  12. 椎熊三郎

    椎熊委員 この百三十五億円という架設費は、二十五年度架設計画費用と二十六年度費用とは、パーセンテージはどうなるのですか。金額はもちろん何億かふえておるようですけれども、実際は来年度は本年度よりも多く仕事をしなければならぬでしよう。私の考えでは百三十五億円では、パーセンテージとしては減つておるような感じがしてならないのですが、そういうことにならないのですか。
  13. 田村文吉

    田村国務大臣 御説の通りでございまして、大体二十五年度の百二十億に対して二十六年度に百三十五億円というのは、物価値上り分量は同じ程度ということを見たのであります。でありますが、この成果をどういうふうに言い表わすかは別問題であります。本年度のごときは、あき施設をできるだけ利用して電話架設受入れたのでありますが、そういうことは二十六年度にはあまりないのであります。でありますから、電話をつける個数も、單価としてたくさんの金がいるわけでございます。実は当初二百億の要求はいたしておつたのでありますが、各種の事情で百三十五億に切り詰められてしまつた。そのほかに取替費用ということで、八十五億円の金は、自分の減価償却で浮いて参ります金を流用いたしますから、合せて二百二十億円の金を来年度は使うわけであります。その方では若干今度はふえておりますが、御承知のように諸材料が上つておりますので、本年度だけの分量仕事をすることは相当困難だと考えております。
  14. 椎熊三郎

    椎熊委員 私心配するのは、大事な電気通信事業建設方面が、年とともにますます拡充されて行かなければならない状態にあるし、日本産業復興状況のごときは、政府説明から見ましても、ほとんど戰前水準を突破するという状況にある。その際においてこの電気通信設備が、むしろ物価値上り等から勘案して、去年よりも内輪な建設以外にできないということになると、国家の進展の上から見て逆行しておるように思う。当初二百億も要求しておつて大蔵当局から六十五億も削られるということは、電気通信当局の閣内における威力といいますか、大臣閣下政治力にも影響することで、私ははなはだ残念に思う。当初に二百億も要求して、なお六十五億も削られて安閑としておられるあなたの御心境を——それには当然そういう御理由があつたのでございましようが、われわれの納得行くように御説明願いたい。
  15. 田村文吉

    田村国務大臣 御説ごもつともなことでありますが、通信関係必要性については、十分政府も認識しておるわけでありますが、すべての財政企画の点から考えまして、昨年は百二十億、ことしは百三十五億、大体物価値上りに応じてやることであるから、財政の大きな面から見てやむを得ない。これは公共事業費のすべてのものが、どうしてもやむを得ず削減せざるを得なかつたわけであります。そこで今の政府資金によつてまかなうことが、ある程度の制約を受けました場合、何とかして民間資金でも入れる方法がないかというようなことも、実は考えたわけであります。その点につきましては在来関係方面の方でも、民間資金をここに使うことについては、あまり賛成しておらなかつたのであります。一例を申しますとPBX、各ビルデイングの中の交換設備までも、全部政府がやることになつております。さようなものを民間に移すなり、あるいは民間からそれだけの金を借りるなりというような方法でやるといたしますならば、おそらくそれだけ金が浮いて参ります。さような方面のことを考えて、今関係方面折衝中であります。多分その問題は、そういうようなことによつて解決すると思いますので、さような方面の点も十分に検討いたしまして、伸びて行く通信事業に対して順次仕事をやつて行く、こういうふうに考えておるわけであります。
  16. 椎熊三郎

    椎熊委員 私は各省予算見積り額というものは、そのまま大蔵省で認容されようとは思いません。実際の状況からいつて国家全体の財政を勘案してやることでしようから、多くの場合においては各省要求額というものが減額されることは、たいていの場合各省ともその通りでございましよう。しかるに今度の電気通信省に関する限りは、二百億の要求をして、その折衝の結果三十億くらい削られることは、やむを得なかつたと覚悟したらしい。その上なお三十五億を削られておる現在の予算、これは当局としては断じて許容することのできない線まで引下げられておる。その折衝はかなり激烈なものさえあつたということだが、折衝の結果といたしましては、事務当局は大体両省とも了解がついて、閣議において大臣同志の間に了承がつくならば、百七十億までは大蔵省は出してもいい、事務当局の間ではそういうふうになつておつたということを漏れ聞いておる、そういう事実があつたとするならば——あつたかどうかも聞かなければならぬが、あつたとするならば、これは閣議における折衝において、遺憾ながら電気通信省大臣は、池田大蔵大臣からやり込められて、理由なく三十五億マイナスされておる。これは実に残念なことじやないか。そういうことでは電気通信省というものの運営上においても、あなたの権威も失墜します。事業拡大強化のためにも厖大な支障を與えておる。私はそういうことでは、この大事な通信専業を担当するところの責任を全うするものとは言われない。本日私はあなたを彈劾するという意味ではないが、そこまで讓らなければならなかつた理由には、何らかわれわれの納得できるような御説明がなければ、遺憾ながらわれわれはあなたのお言葉を信頼することができないのであります。
  17. 田村文吉

    田村国務大臣 ただいま二百億の要求に対して、政府は百六十五億まではどうやらできそうなことであつたが、大臣折衝がまずくなつて、逆に百三十五億に減つたじやないか、こういうようなお話でありますが、当時の経過は、ここに事務関係の者が出ておりますが、さようなことは絶対ございませんで、もちろん最後まで百三十五億、百五十五億、百六十五億ともんで参つたことは事実でありますが、このような大体事務当局でできそうであつたがということが、ひつくり返つたというようなことは、全然ございません。しかし仰せの通り二百億要求したのだから、せめて三十億くらいで負けたのならいいけれども、六十億も負けたということは、お前働きがなかつたじやないか、こういうお言葉であれば、これは別問題でありますが、今部内においてどうこうということがあつて、それを私があやまちでもやりまして、一ぺんに百三十五億になつたということは全然ありません。その点御了承願いたいと思います。
  18. 椎熊三郎

    椎熊委員 私は大臣があやまちをやつたとは思わないのですけれども、事務当局の間ではかなり激烈な折衝の結果、大臣が認められるならば出してもいいということは、それだけの国家財源があるということなのです。それを大臣同志の話で、遂に最低のがまんのできない線まで切下げられたということは、あなたの間違いにあらずして、折衝の過程においてここまで切下げられても納得できるような理由が、大蔵大臣から聞かせられたのかどうか。
  19. 田村文吉

    田村国務大臣 問題は要するにその二百二十何億の金が、八十五億も削られて百三十五億、これではどうしても絶対不足で、電気通信事業が担任できないくらいのこれは重大な問題じやないか、こういうことでございますが、私は国の大きな財政の上から見まして、電気通信事業の重要性についてはむろんだれよりも痛切に感じ、これが拡充について熱心でありますが、しかし大きな財政の上から言つてやむを得ない状況である。今日の財政予算の編成実情から考えまして、やむを得ず百三十五億でがまんせざるを得ない、またこれが欠陥は他にこれを補う方法を考える、こういうに考えた次第であります。
  20. 椎熊三郎

    椎熊委員 大臣の仰せられることは、それは真相を述べられておるのですから、むしろ私は同情にたえないと思います。けれどもその同情と、日本通信事業の拡大強化とは、これは別なのであります。あなたは百三十五億に切下げられたことによつて、二十六年度は二十五年度以上に建設が拡大強化されて行くという自信は持てないでしよう。現に事務当局においては、今年度以下のことになるということも言われておるくらいなのですから、そうするとこの発展過程における日本通信事業というものは、あなたの時代において、今足踏みないしは逆行しておるという事実だけは、見のがすことはできない、その御見解はいかがでしよう。
  21. 田村文吉

    田村国務大臣 逆行しでいるということも考えませんが、私は昨年よりもまたよりよくするようにしたい、そういう考えでおりますので、今の資金の問題はむろん第一の問題でございますが、あるいはそれに民間資金利用するとか、必ずしも政府資金でのみすべてをやるということをしなくても、他にまた方法も考えられる、こういうことで、財政上やむを得ない限度でありました百三十五億という点からいつて、八十五億足りず、なお足りません点については、民間資金をできるだけ活用いたしまして、皆さんの御期待にはそむかないようにいたしたい、こういう考えで自信をもつてつておるわけであります。
  22. 椎熊三郎

    椎熊委員 大臣の考えと希望とはその通りでなければならぬと思いますが、事業は精神的でできるのではなくして、実際において予算を獲得し、計画が確実でなければ、それは拡大強化にならぬ。あなたは民間資金を活用するということだが、それではいかなる措置を講じ、いかなる法的根拠をもつて、現在はどの程度の手を打つておられるのか、具体的の内容をお示し願いたい。
  23. 田村文吉

    田村国務大臣 今度法律案にもいたしたいと思いまするが、たとえば不可能地域として、在来は全然電話の引けないような所がありますれば、そういう所は一時その需要家から金を立てかえて負担してもらつてやる。さつき申上げたPBXのような問題も、できるなら一々政府がいたしません。民間でこれをやつてもらうというような方法が考えられると思つております。それは現に大体了解を得ておりまするが、なお今後とも進んで民間でできる建物、土地、そういうものを借入金をするというような方法でやる方法を考えて行きたいと、こう考えております。政府がすべて一手にいたすということになりますれば、政府資金だけにたよるほかはないのでありますが、できるだけそういう点は実際に即した方法でやるということを考えております。
  24. 椎熊三郎

    椎熊委員 大臣の御説明を聞いても、私は日本通信事業、今年度、来年度に関連して、実に遺憾にたえません。私は喜んであなたの御手腕に期待して、日本通信事業が大発展して行くとは、今日の御答弁では受取れないのでございます。そういうことでは日本国家再建の神経線ともいうべき通信事業が、まるで消極的な方針でやられておるということで、はなはだ遺憾でございます。事は旧逓信省時代から、この逓信省の存在というものは、日本復興のためには非常なるポストである。従つて電気通信省あるいは郵政省の大臣のごときは、国内においても非常に高邁なる識見と手腕とを持つて、ほんとうにこの内閣の指導的の立場に立つような人がやつてもらわなければ、ほんとうはいけない。従つてあなたのような大臣が就任されたことを、私は非常に大きな期待を持つてつたのです。ところが今日、総理大臣の演説を聞いても、安本長官の演説を聞いても、大蔵大臣の演説を聞いても、あれほど積極的な、そうしてこの内閣の功績をみずから誇るようなことを堂々と言つておるにもかかわらず、重大なる職責にある電気通信省大臣はまつたく消極的で、閣議ではまるで大蔵大臣にやり込められておるという態度にしか見えないことは、私はあなたのために嘆くのではなく、日本電気通信事業のために遺憾にたえない。もう少し御奮発を願いまして、わが日本の再建のために、電気通信省のために、あなたに御奮闘をお願いしたいと思います。  続いてこまかい質問をいたしますが、これは私の北海道の農村からの切実なる要素が、われわれ代議士どもに参つております。このことはぜひ親切にお聞きとりを願いまして、北海道の農民のために、ひとつ重大なる御考慮をお願いしたい。それはラジオの共同聽取施設についてのことなんでありますが、北海道はこの点は日本でも最初にこういうことがやり出されたのでありまして、僻村の地におきまして、交通、通信のはなはだ不便な地におきまして、北海道の自然の影響を受けて、非常に不幸なる生活を続けておる多くの人たちが、彼らみずからの苦悶と創造の結果編み出されたる共同聽取施設、現在では二百七十七箇所の施設を持つております。これに加盟しておる戸数からいたしますると、三万四千七百七十一戸に及んでおる。実に北海道農村からこの問題を取上げるならば、北海道農村における文化施設というものは、一切抹殺せられるというような重大問題です。しかるにもかかわらず電気通信省は、この施設電気通信省自体の電話電信通信に支障を来すということで、何か法律をつくつて、これらの施設に非常に大きな負担を農民に與えるような、また簡單にこれの施設ができないようなわくをはめるというような状況に目下あるということで、農民の間におきましては重大な問題になつております。そこで農民の間から切実なる要求として次の項目があげられておる。  第一、共同聽取施設に伴う誘導障害是正について、これは農村共同聽取施設の不備のみに起因するのではなくて、諸通信施設の不備によるところ少くない。すなわち彼ら自体の持つている共同聽取の施設の不備ばかりではなしに、電気通信省自体の施設に不備な点があるということによつて、そういうことが起るらしい。よつて原則として国家の責任において電信局、鉄道等の施設を完備することによつて障害を是正せられたい。この障害を設備不完全だということによつて、今日非常に苦しい立場にある農村に、これ以上の負担をかけるということは耐え切れない。これは国家において当然みずからの不備な点は是正して行く、是正することによつて、今日電気通信省でいわれるような障害は是正される、こういうことです。もちろん農村側においても、共同聽取の施設に起因するものは、極力これを是正することに目下も努めておる。しかしながら一方的に農村にのみ負担をさせるというがごときは、あまりに不親切なやり方である。従つて先ほど申し上げましたよう熱意ある行動をとつて予算でも十分とつて国家施設がほんとうに完備しておれば、そんなものから受ける障害というものは、私どもはないと信じておる。これらの点も予算の受取りに対する当該当局の、もつと露骨に言えば、当該大臣政治力の不足がこういう点にまで悪影響を及ぼしておるということを、末端のことではありますけれども影響して来る。従つて事務当局が立案せられる予算のごときは、大臣が身をもつてこれだけのものはとつてくるというのでなければ、国務大臣としての職責は全うできない、大いに御反省を願いたいという点。  第二は共同聽取施設の漏話量について、これは札幌電気通信局において、暫定措置として共同聽取施設よりの漏話量を四十五DB、これはどういう意味なのか、專門語のようでよくわかりませんが、そういうことに保たせようとしておるのですが、これは嚴格に過ぎて、施設の全面的改修をするということになるのです。とても現在の農村の状況では、そんなことはできないのです。それですからこれは前に申し上げたことと関連して、最低の基準まで緩和してもらいたい。四十五DBという嚴格なる漏話量の規定というのは困るということです。  第三点、電信法の第三十七條によりこれを撤去するということ、誘導妨害はなはだしいものについては、電信法に基いて撤去することも考えられているということ、札幌電気通信局は暫定的の基準、これは前二項と関連して対処すべきものであつて、一方的に処理することには反対である。そんなことによつて撤去を命ぜられては困るというのです。そんな不親切なことをしては困る。敗戰後のあの混乱と窮乏の中にあつて、しかも雪の中の北海道にあつて、これだけの施設をやつておる。しかも民間費用でやつておるものを、多少の不備だからといつて電信事業に支障がある、漏話量があるということで、ただちに撤去するという血も涙もないやり方は、これはつかぬということです。これは官僚式の考え方であつて、断じて日本の再建復興のためには百害あつて一利なし。その民間のやることでも誘導して保育して行くというところに、監督官庁のありがたさがあるのであつて、官僚的な、一方的なやり方で、こういうことを彈圧するというがごとき態度に出て来るということは反対である。  第四、電信法改正に伴う共同聽取施設の許可、認可制についてです。既往の実績と本施設の発達のために、今後は届出制にしてもらいたい。簡單にやつてもらいたいということです。  第五は、返信通信装置の許可について、地理的に偏境かつ広大な北海道の農村においては、生産施設としての意義もまた大であつて、農民は異常な関心と期待を寄せておるのであつて、返信通信装置を許してもらいたい。これは必ずしも電信法違反というようなきゆうくつな考え方でなしに、あるいは急病人があつたとか、火災が起つたとか、だれが聞いても一向さしつかえないような——秘密を要するようなことはこの返信ではなつておらぬのですから、その辺は規則一点張りで縛りつけるというやり方では、今日の北海道の農村は立つて行かぬ。ひとりこれは北海道の農村だけではなく、北海道におけるこれだけの実績は、内地の農村にも反映して参りまして、今日では北海道のまねをして、内地の僻村の地におきましては、漸次この事業が拡大強化されつつある現状にかんがみて、これを保育して行くというところに重点を置いて、官僚式一方的感覚によつて彈圧を加え、撤廃を命ずるがごとき状態は、はなはだ遺憾な点である、これについて当局の親切なる御答弁か承りたい。
  25. 田村文吉

    田村国務大臣 北海道方面に行われております共同聽取の問題でありますが、もちろん必要に応じましてそういうものが起つて来たのでありますので、ただいたずらにこういうものを彈圧するというような考えのないことはもちろんでありまするが、たださようなものがだんだんふえて参りまするために、あるいはまたさつき御指摘のありましたような既往の電話設備自体に非常な影響をするというようなことに対して、全然これをそのままに放置するかという問題があります。もう一つは放送を扱うその関係は、電波監理委員会との問題になるのでありますが、そういう点もございますので、何かしらこれに対して電気通信省なりあるいは電波監理委員会なりで、ある程度の立法を必要とするのではないか。しかしその趣旨は、今御説明がありましたように、むやみに新しくできるものを彈圧するという考えでなく行きない、こういうふうに、考えております。  なおその技術の点等につきましては、係の者から説明をさせたいと思います。
  26. 椎熊三郎

    椎熊委員 大臣の言明を承りまして、やや私は安心いたしました。北海道ではおびえておりますから、この点はお忘れなく……。それで後刻文書を差上げておきます。ただいまの大臣の言明だけでは実は満足行かないので、事務当局の方からもつと詳しい説明を聞きたい。
  27. 林一郎

    ○林(一)政府委員 ただいま漏話量というような問題が出ておりましたが、この四十五デシベルといのものが適当であるかどうかということは検討いたします。いずれ将来の問題といたしましては、こういつた一つの標準がなければ、つくる方でもお困りのことでございます。四十五デシベルといいますと、非常に遠い市外通話等は、ときにこのくらいになる場合がある。つまり蚊の鳴くような声かもしれませんが、とにかく聞きとれるというようなことになりまして、電話をかけていると、ラジオが常に入つて来る、こういうことになりますと非常に困りますので、この基準はつくるべきだと考えられます。  それから今誘導排除というようなことを考えられておるということでございますが、私の考えでは、この誘導をとめるという方法簡單にあるのでございまして、たとえば今ただ一本の線でもつて共同聽取がたくさんぶら下つておるというような場合には、電話線にラジオの音が入つて来るというのでございますが、これを二本の線に直しますと、これがぴたりととまるというようなものでございます。
  28. 椎熊三郎

    椎熊委員 それができないのです。そんな費用をかけさせることを考えるからいかぬ。そんな費用があるくらいなら、何も頼みはしない。
  29. 林一郎

    ○林(一)政府委員 これは最初のつくり方等によりまして大分違うことでございますので、こういう点は一般の電話をかけておる人に、やはり最小限で度の妨害で済むようにということでやるべきだと考えまして、こういう点につきましてはなおよく研究いたしたいと思います。
  30. 椎熊三郎

    椎熊委員 これは非常に重大なことで、実は当委員会には北海道から多くの代表者が来て、ただいまの事務当局並びに大臣の言明は、まのあたり聞いておるのです。これは北海道にとつては非常に重大なことですから、單に私の選挙区に近いというだけで申し上げておるのではない。重大なことですから、とくと御研究を願いたい。そうしてこれを保育助長して行く方に方向を向けて、圧迫し、干渉し、金を使わせるというような方向にばかり考えて行くことは官僚式の考えだから、われわれは反対ということですから、明らかに北海道民の意思をここに表明しておきます。  なおこの陳情にあたりましては、北海道の指導農業協同組合連合会会長理事松本六太郎君が代表として、全議員に要求書を出しておる。これはおそらく官庁の方にも行つておると思いますが、特に大臣には差上げておきますから、後刻お読みを願いたい。  もう一つ小さな問題のようですが承りたい。これも農村ではたいへん大事なことです。今度電気通信営業法ですか、そういうものが出そうだという、内地の農村等では、村役場に交換台を設置しておいて、それに部落の人たちが共同加入する。そういうやりかた方でたいへん便宜にやつて行けるものを、電気通信営業法によつてこれが禁止されることになるのではないかということで、非常に心配しておるのです。この実際は私は知らないのですが、同僚農村議員から、このことについて現在どうなつておるか聞いてくれということです。これも農村を代弁いたしまして質問申し上げます。
  31. 山下知二郎

    ○山下政府委員 ただいまの御指摘の農村における共同加入電話の件は、近く御審議願おうと思つております電気通信営業法の中にはつきりうたい込みまして、できるだけ全国的にこれを実施したいと考えております。
  32. 椎熊三郎

    椎熊委員 いろいろこまかいことまでお尋ねして申訳ございませんでしたが、ここに私の質問を終るに際しまして、重大なる時局を担当しておる大臣が、ことに日本の再建に重大影響をもたらす通信事業の拡大強化のために、万全の威力を発揮することのできなかつたということは、記録にとどめて私は遺憾に存じます。そういうことでは日本の再建はできない。あなたは職を賭しても電気通信事業のために御健闘くださつてこそ、初めて困難なる時局を打開することができると思う。たいへん失礼な言葉等もございましたが、これはひとえに電気通信事業の発展を念願する私の誠意をおくみとりくださいまして、万事お許しを願います。これで質問は終ります。
  33. 長谷川四郎

    ○長谷川委員 ちよつと関連して……。大臣に承りますけれども、先ほどの答弁の中に、運用資金に対して、不足の分を民間資金利用してというようなお話がありましたが、現行法でこれは行えますか。
  34. 田村文吉

    田村国務大臣 その点は今度提出いたします営業法の中に入れたいと思います。
  35. 庄司一郎

  36. 岡西明貞

    岡西委員 大臣にこまかい点ですが、ちよつとお伺いしたいと思います。現在全国で実施されております電話の磁石式、共電式のものを自動式に切りかえる用意があるかどうか、また切りかえられるとすればどの都市をやられる予定かということを、まずお聞きしたいと思います。
  37. 田村文吉

    田村国務大臣 できれば全部共電式に直し、あるいは進んでは自動式に直したいと考えておりますが、なかなか一時にそういう費用も出ませんのと、この乏しい日本といたしましては、できるだけあるものを活用するということも必要に存じまするので、今どの局をどういうふうにするということについては、全般的にはやはり通話数の多い所、また電話の数の多い所というような順序でいたして参つております。こまかくどの町をどうするということについては、まだ試案ができておりません。
  38. 岡西明貞

    岡西委員 ただいま大臣から全国の地区につきまして、どの都市を指定してやるということは発表できないというお話でございますが、都市の名前をあげることができませんければ、大体全国で何箇所くらい予定があるかということ、また先ほど予算説明を聽取いたしましたけれども、この自動式の切りかえの建設資金は、どの予算に該当するものか、お尋ねします。
  39. 米澤滋

    ○米澤説明員 ただいまの御質問に対しまして、明年の昭和二十六年度自動式に改式する局は、全体で八局ございます。このうち六局は本年から来年に継続するものでありまして、あとの二局は新たに着手することを考えております。これから共電式の局は、従来磁石式であつたものを共電式にかえるのは、全国で五局であります。これが予算市内電話の改式というところに上つております。なお局舎の問題につきましては、これは昭和二十七年度に改式するということを一応考えに入れたものを、局舎の方の予算の中に計上いたしております。大体そういうふうになつております。
  40. 岡西明貞

    岡西委員 ただいま御当局の御答弁によりますと、全国八箇所の中で、継続事業として二十六年度にやるものが六箇所、二局だけが新規にやるというお話でありますが、そうしますとかりに自動式に切りかえができないところは、たとえば磁石式、共電式の設備を拡充強化してやる予算措置があるかどうか、またその箇所につきまして何箇所くらい予定されておるか、お聞きしたい。
  41. 米澤滋

    ○米澤説明員 全国では大体小さい所まで入れますと、問題になつている所が二箇所くらいであります。そのうちで特に緊急に開始したい場所が約八十三箇所ございます。それで明年度の場合にも、先ほど大臣から御説明がありましたように、たとえば現在ある設備を修理するなり、あるいはそれを一応修理場へ出して直すというような方法によつて、できるだけやりたいとは考えておりますが、今のところ考えております数は、先ほど申し上げた数字であります。
  42. 岡西明貞

    岡西委員 ただいまの御説明で大体了解はいたしましたけれども、この切替とかあるいは拡充強化にあたりまして、標準をどこに置かれるか。たとえば耐用年限の来ておるものから切りかえる。あるいはその他の特殊の事情、特にひどい戰災等の事情によつて、切替あるいは拡充するという箇所があるかどうか、お伺いいたします。
  43. 米澤滋

    ○米澤説明員 ただいまの御質問でありますが、大体改式の場合に考えることは、おもな点が三つあるのでありまして、一つは現在設備がどのくらい詰まつているか。それからそれに対して実際の積滯——積滯といいますと、申込みのたまつている数がどのくらいあるか。その次は将来の発達の予想というもの、第三番目が、現在の局舎がどのくらい詰まつており、また施設がどのくらいいたんでいるかというような問題であります。なおその他特殊の問題といたしましては、都市計画などの問題がありまして、現在その電通の局舎だけが都市の道路のところに出つぱつているというような場所があるといたしますと、こういう点はやはり考えなければいけない。あるいは颱風等があつて、しよつちゆう被害を受けるような局舎の場合には、やはり考えなければならぬ。そういう特殊の事情はその折々に考えたいと思います。
  44. 岡西明貞

    岡西委員 ただいま事務当局の御説明で大体了解いたしましたが、とにかく今日全国におきまして電話の故障、不通等は、これは常識になつているような状態でございまして、この点につきましては二十六年度のいろいろ予算の制限につきましては、大臣といたしまして事業遂行上非常に困難な点があると思いますけれども、この点をよく大臣におかれましては考えられて善処されんことを願います。また事務当局におかれましても、いろいろの点もありましようけれども、いろいろな困難を排除されまして、至急この点は事業の復旧に全力を傾注されますように、切に希望いたしまして、私の質問を終ります。
  45. 高塩三郎

    ○高塩委員 田村大臣に、関連して御質問いたしますが、先ほど資金獲得の問題で椎熊委員との間に論議があらましたが、その際に別な手がある、それは民間資金を移入するというようなお話もあつたのでありますが、その際に需要者の方から物資あるいは金銭によつて寄付の受入れがあつた場合に、それを受入れ需要者を満足させるというような法規か内規を、この際おつくりになる御意思があるかどうか、お伺いいたします。
  46. 田村文吉

    田村国務大臣 その問題は、今関係方面の了解を得ようとして努めている際でありまするが、その設備を、現在のところでは、本人の負担にしているというような形ではぐあいが悪い。結局金はこちらが一時借りておくというような形になるようなことならば、大体いいというような了解に達しております。それにつきましては、当然電気通信営業法の方でそういう点を規定してやるということになります。
  47. 高塩三郎

    ○高塩委員 なおもう一点でありますが、この電話架設する場合に、ただいまはマル公が千八百円であります。ところがやみ値が数万円する。地方においても一、二万円する。さらに宇都宮の例をとりますと、積滯数は市内において千四百、その中に架設可能のところが二百、それに対して上半期に対しては二十五本の数量を割り当てておるというような状況で、需要者を十分満足せしめることはできないのでありますが、その千八百円を適当な価格に引上げるというような御意思があるかどうか、その点をお伺いいたします。
  48. 田村文吉

    田村国務大臣 ごもつともなお尋ねでございまして、現在の千五百円プラス三百円となつておりますものを改めたい、これはもう小し合理的にやつてみたいというふうに考えております。しかしその額は、当初は四千円ぐらいのドロツプ・ワイヤーの工事費だけをという考え方もあつたのでありますが、目下その金額につきましては検討いたしておりますので、数日中には決定したい、こう考えておりますが、いずれにいたしましてもその装置料を改めたい、こういうふうに考えております。
  49. 庄司一郎

    庄司委員長代理 田島君。
  50. 田島ひで

    ○田島(ひ)委員 いろいろお尋ねしたい点がありますが、大臣から大ざつぱに御説明を伺つただけですから、詳しい点は次の委員会に保留いたしまして、私は電通の従業員の問題について二、三お尋ねしたいと思います。その前に、大臣がおいでになりますから、大臣にお尋ねいたしますが、これはこの前の国会のときにも私は多分申し上げたと思いますが、この前の国会では年末の賃金アツプがありまして、多少の手当も出ておりました。あのとき私が質問いたしましたときに、あのベース・アツプで一体従業員の給料がどのくらい多くなるか、一番下の方の従業員は、わずかに三百円ぐらいであつたということを私は聞きました。私はいろいろな点で、号俸調整がなされたり、税金の問題などで、かえつてマイナスになるのではないかという質問をいたしましたときに、そんなことはないと申されました。ところが実際は、私はここに詳しい資料を持つておるわけではございませんけれども、いろいろな従業員の方に会つてみますと、下の方では実際マイナスになつておるところさえあるということを聞いております。御承知のように最近物価がたいへん上つております。主食が、米だのみそだの塩だの、ほとんど上つておるわけであります。だから従業員の人の実生活は、非常に困つております。そこにもつて来て国連協力の名によつて、いろいろな特殊な方面仕事が多くなりましてからは、従業員の方の労働強化、職制の圧迫も、いろいろな点でどんどん現われております。そういう点について大臣から一応、最近の電通従業員の労働行政といいますか、最近の詳しい情勢をお伺いできればけつこうでありますけれども、あらましの御説明を願つて、そのあとで二、三こまかい点について御質問いたしたいと思つております。
  51. 田村文吉

    田村国務大臣 本年の一月からベース・アツプされたわけでありますが、それによりまして、中には收入の減つた人はないかというようなお尋ねでありますが、大体千円のベース・アツプをいたしたのでありますから、むろん低い方はそう行かなかつた場合もあり、また地域給との関係上、あるいはどういうことがあつたか知りませんが、大体において減俸になる人は当然ないはずであります。今お尋ねの物価が上つておるから、いわゆるCPIが上つておるから減收になるのではないか、こういうような御質問でございますが、まだ一月のCPIの数字もとつておりませんのでどうかと思つておりますが、大体においてCPIがそう著しい変化はないのでございますから、税の面から考えましても、増收にこそなれ、減つておるということはおそらくないつもりであります。なおこまかい点につきましては、人事部長の方から御説明をいたします。
  52. 楠瀬熊彦

    ○楠瀬説明員 ただいま田島委員の御質問の点につきまして、全国的の平均あるいは俸給別の計数はまだ固まつておりませんが、先般のベース・アツプにつきまして、私ども組合といろいろ打合せをいたしておりますが、減收になつた例は一つも聞いておりません。またりくつから申しましても、減收になるということはあり得ないのではなかろうか、こう考えております。
  53. 田島ひで

    ○田島(ひ)委員 こまかい点は、私もきようはここに資料を持つて来ておりませんから、御質問いたしませんけれども、大体減收に近いようなのがあると私は聞いております。これはこの次までに私も調べて来たいと思いますが、政府の方でも詳しく調べて、この点で一体どのくらいふえたろうかという資料をいただきたいと思います。  そのほかに物価が上りまして、従業員が苦しくなつたという点については、私はここで申し上げませんが、二、三こまかい点で御質問いたしたいと思います。それは従業員の方にいろいろな点で、労働強化とか職制の圧迫が来ておるのであります。それはたくさんありますから、きようは一々ここでお聞きいたしませんけれども、たとえば交換手の、交換要員について、最近では政府の方で臨時工というものを採用しておられるように聞いておるのであります。たしかこれは非常に安い賃金で働いていると思います。交換手の賃金の安いために、私これは昨年方方調べましたときにもそういう結果が出ておりましたけれども、ほとんど長く居つかないという点もありましたが、こういう臨時工について、政府としてどういう意味でこれをお入れになつておるのか、これを今後どういう方法でなさるつもりか、どのくらい入れておいでになるか、そういう点の詳しい御説明を伺いたいと思います。
  54. 山下知二郎

    ○山下政府委員 交換手を定数的に任につかせますことは、一番望ましいのでございますけれども、いろいろ配員の都合や予算の都合上それができない場合に、前に経験があります者で退職している者、あるいは家庭を持つている人、あるいは多少手のあいている人、そういう人を煩わしまして、臨時に非常に忙しいところだけをお手伝を願つているのであります。これはほんとうの恒久的の制度ではございませんで、われわれの事業が一般に合理化されまして、そうして人が十分に配置できるようになりますれば、自然にこういうことは消えて参りますけれども、今のところ当分の間はこの制度をやらなければならぬと思つております。現在の人員はどのくらいかという点につきましては、ここに資料は持ちません。あまりたくさんの数字でないという点だけは申し上げることができると思います。
  55. 田島ひで

    ○田島(ひ)委員 今臨時だとおつしやいましたが、これはほんの一時の臨時でおやりになつていらつしやるか、それからその賃金なんかはどうなつておりますか、非常に安い賃金でやつておられますために、現在働いておられます交換手たちが、それによつて影響されるという点も出て来ると思います。そういう点はどうなつておりますか。
  56. 山下知二郎

    ○山下政府委員 ただいまそういう人に働いてもらつている賃金のために、在来の交換従業員の給與が脅かされる、それに引きずられて安くなるということは、絶対にあり得ないと思います。また今も申し上げましたように、あるいは家庭を持つている方とか、あるいはサイド・ビジネスにやられる方でありますから、そういう方々に対するところの臨時の賃金というものは、これはある程度安いのはやむを得ないと思います。
  57. 田島ひで

    ○田島(ひ)委員 その点、何名ぐらいそういう臨時工をお雇いになつているか、その数を私はもう少しはつきり伺いたい。今おわかりにならなければ、あとで資料を出していただきたい。それは臨時工をほんの試験的にお使いになつたものでなく、今後それがよければ恒久的にお使いになる御意向があるのか、その点をもう一度はつきり御返事いただきたい。
  58. 山下知二郎

    ○山下政府委員 ただいま試験的にやつております。しかし実際の非常に忙しいときだけを手伝つてもらうのでありますから、将来におきましても、その制度がわれわれの仕事に非常にプラスになると考えますならば、一つの制度化するということは考えてみたいと思います。
  59. 田島ひで

    ○田島(ひ)委員 もう一応その点で、この前の定員法で相当交換手さんも首を切られておるわけでありますが、その後定員がうんと少くなつて、ここにお入れになつておられるのか、今後はそういう人員の少いところは、やはりこういう臨時工でもつてずつと試験的にお入れになつて補充なさるのか、その点ももう少しはつきり御説明願いたい。
  60. 山下知二郎

    ○山下政府委員 ただいま申しましたのは、成績が非常によければ補助的の手伝いにしようというわけでありますから、将来定員がわれわれの仕事の幅ときつちり合いました場合におきましては、あるいはその必要はなくなるかもしれません。しかしここ当分のところ、現業におきまする人員配置はなかなかむずかしいものでありますから、ここ当座の間はやはり試験的に継続するものと御了承願います。
  61. 田島ひで

    ○田島(ひ)委員 その点はまたこの次にいたしまして、それわら従業員の労働が非常に強化されまして、結核なんか相当出ておると聞いておりますが、たしか毎年身体検査を定期的になさると思いますが、その結果現われました従業員の健康状態、特に結核の数なんかどのくらい出ておりますか、これはおわかりになりますか。今おわかりにならなければ、この詳しい資料もやはりいただきたいと思います。
  62. 楠瀬熊彦

    ○楠瀬説明員 詳しい資料につきましては、また別途御配付いたしたいと思います。大体私の記憶しております点では、最近におきまして、長期の欠勤者、ことに胸の病気で休んでおります者は三千名近くあると思います。この点につきましては、前回の委員会にも御説明申し上げた通りでありますが、百年定期的に集団検診をいたし、あるいは巡回診療もやつておりますが、でき得る限り長期欠勤者の減少並びに胸部疾患の予防ということにつきまして、努力しておる次第であります。
  63. 田島ひで

    ○田島(ひ)委員 その点の詳しい資料は、あとで出していただくことにいたします。  最近、電報配達さんの日曜休配とか、あるいは夜十時以後の配達はやめさして、取扱いを集中局か何かに制限するというのが出ておりますけれども、これはどういうのでありますか。この点についての詳しい御説明を承りたいと思います。
  64. 山下知二郎

    ○山下政府委員 日曜休配をするということは、まだ考えておりません。それから集中配達をするということにつきましては、そういうことも一応議題に上せて研究するという線で、いわゆるテーブルの上で研究はしておりますけれども、まだ実施には移していないのでございます。
  65. 田島ひで

    ○田島(ひ)委員 現に行われておらないとおつしやるのですか。この点ほかに一、二そういうところを聞いておりますけれども、どうなんですか。
  66. 山下知二郎

    ○山下政府委員 まだ行つていないはずだと思います。現場の方におきまして、そういうことを研究するために、一応の研究的なことをあるいはやつたところが、絶対ないとは申し上げられないかもしれませんが、私の知つている範囲では、まだ手をつけていないはずであります。
  67. 田島ひで

    ○田島(ひ)委員 たしか仙台局では、すでに三月ごろまで試験的にやつているということを聞いておるのでありまして、そこではそのために十数名の首切りさえ出ているということを私は聞いております。おそらく御承知ないのじやないかと思いますから、この点をよくお調べいただきたいと思いますが、電報なんかも最近は非常に仕事が多くなつておりまして、従業員がむしろ足りないくらいになつております。これがもし日曜に休んだり、夜やらないということになつたら、電報電報としての意義がなくなると思うのであります。こういうことはしていないと言われますけれども、今後される意思がおありになるのか、そのために下の方では試験的にやつているのかどうか。これに対して従業員がますます労働強化になるという結果も出て参りますけれども、その点の御意見を承りたいと思います。
  68. 山下知二郎

    ○山下政府委員 従業員の労働強化とか、従業員の首切りとか、そういうことを対象に考えているものではないのでありまして、電報を能率的に配達するにはどうしたらいいか、その考え方としまして、今各着信局で配達しているのを、夜間だけはどこか大きいところに一応しぼつて、そこから機動的に配達した方がいいのじやないかということを研究しているというわけでございます。従いましてそういうことをかりに取上げて実行したといたしましても、そのために人を減らそうということは考えていない。ただもしそこに何らかの手が浮いたならば、あるいは他の同系統の仕事に振りかわつて行くということはあり得ると思いますけれども、人を減らすということについては、私どもはそれを対象に計画しているのではございません。要はできるだけむだをせずして、労力のむだもなくして、かつサービスを落さないような配達の方法はないだろうかということを、われわれは研究の対象にいたしておるのでございます。
  69. 田島ひで

    ○田島(ひ)委員 言葉じりをつかまえるわけではありませんけれども、そうしますと今はまだ人員が余つているのですか。仕事が少な過ぎるから、もつと合理化してどんどんやるというような御意見に聞えたのでありますけれども、定員法以来うんと人が少くなつて、おまけに朝鮮事変以来仕事がものすごくふえておる。それをさらに合理化してやるということになりますと、労働者は一層仕事に耐えられなくなると思いますが、その点の御説明をちよつと伺いたい。
  70. 山下知二郎

    ○山下政府委員 今のお話は、私が申し上げたのを何か逆におとりになつておるように思うのであります。人が余つておるからそうするのではない。人手が足りないから、何かそれに対応するところの方法ができはせぬかという方法を研究しておるわけであります。現在人が余つておる、ことに現場方面で人が余つておるというようなことも、私は毛頭思つておりません。
  71. 田島ひで

    ○田島(ひ)委員 もう一つ、これはちよつと違う問題をお聞きしますけれども、最近何か身上調査といいますか、何かが職場の中であつちこつちで行われておる。これははつきり官側の上の命令でなされておるかどうかわかりませんけれども、何か従業員の人々のいろいろなこまかい点まで、一身上のことを調査しておるということを聞きましたが、そういう事実がありますかどうか。
  72. 楠瀬熊彦

    ○楠瀬説明員 その点につきまして、どういう者がどういう調査をしておるか、私詳しく伺わないとわからないのでありますが、実は御承知のように今後の官庁におきまして、いわゆる任用でございますとか、昇進でございますとか、いろいろ人事上の制度が、詳しく科学的に建設されて行くという傾向になつて参つたのでありますが、電通省におきましては、大体そういう方向になるであろうということを察知いたしまして、いわゆる考査制度と申しますか、勤務評定制度と申しますか、そういつた制度を最も合理的に確立いたしたいという観点から、たしか昨年の春ごろからであつたと思いますが、日本内地の諸会社、官庁、また外国の例も参酌いたしまして、いわゆるメリツト・システムの充実に努力しておる次第であります。それによりまして一つのモデルをつくりまして、過去二回にわたりまして全国的に記録方法をテストいたしたことがございます。もちろんこれはあくまでもテストでございます。デスク・プランというものでございまして、実施しているわけではございません。そういう制度を確立するための一つの調査でございます。それが誤り伝えられまして、そういうことがいわれているのであります。実際私どもの頭にある点は以上のようなものであります。
  73. 田島ひで

    ○田島(ひ)委員 今のお答えは、たしか能率成績法とか何とかいうので、いろいろな点数制のようなことをお始めになつているということを聞いておりますから、多分そういう点についてのお答えだつたかと思います。私の質問しましたのは、その点もありますけれども、そうではなくて、八級職以下の職員に対して、何か軍歴調査のようなことがなされているので、従業員の中には、さては再軍備に対する徴兵の準備ではないか、あるいは国際的にも朝鮮に日本の人々が相当動員されているということが問題になつておりますときですから、従業員の中でも、さては朝鮮あたりに連れて行かれるのではないかというような、非常に戰々きようきようとしたような不安が現われておりますが、こういう点について何かなされているのか、そういう点がおわかりになつているのが、なつていないのか。おわかりになつているとすれば、どういう意味でそれをなさつているのか。おわかりになつていないとすれば、その点を調査して、この次にでも御説明願いたいと思います。
  74. 楠瀬熊彦

    ○楠瀬説明員 ただいまの点は私ども全然関知いたしておりません。なおよく事情を調査いたしまして、適当の機会に御説明申し上げます。
  75. 田島ひで

    ○田島(ひ)委員 まだありますけれども、この次の委員会まで保留させていただきます。
  76. 庄司一郎

    庄司委員長代理 ほかに御質疑はございませんか。——ございませんければ、本日はこれにて散会いたします。     午後四時二十分散会