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椎熊委員 大臣の御
説明を聞いても、私は
日本の
通信事業、今
年度、来
年度に関連して、実に遺憾にたえません。私は喜んであなたの御手腕に期待して、
日本の
通信事業が大発展して行くとは、今日の御答弁では受取れないのでございます。そういうことでは
日本の
国家再建の神経線ともいうべき
通信事業が、まるで消極的な方針でやられておるということで、はなはだ遺憾でございます。事は旧逓信省時代から、この逓信省の存在というものは、
日本復興のためには非常なるポストである。
従つて電気通信省あるいは郵政省の
大臣のごときは、国内においても非常に高邁なる識見と手腕とを持
つて、ほんとうにこの内閣の指導的の立場に立つような人がや
つてもらわなければ、ほんとうはいけない。
従つてあなたのような
大臣が就任されたことを、私は非常に大きな期待を持
つてお
つたのです。ところが今日、総理
大臣の演説を聞いても、安本長官の演説を聞いても、大蔵
大臣の演説を聞いても、あれほど積極的な、そうしてこの内閣の功績をみずから誇るようなことを堂々と言
つておるにもかかわらず、重大なる職責にある
電気通信省の
大臣はまつたく消極的で、閣議ではまるで大蔵
大臣にやり込められておるという態度にしか見えないことは、私はあなたのために嘆くのではなく、
日本の
電気通信事業のために遺憾にたえない。もう少し御奮発を願いまして、わが
日本の再建のために、
電気通信省のために、あなたに御奮闘をお願いしたいと思います。
続いてこまかい
質問をいたしますが、これは私の北海道の農村からの切実なる要素が、われわれ代議士どもに参
つております。このことはぜひ親切にお聞きとりを願いまして、北海道の農民のために、ひとつ重大なる御考慮をお願いしたい。それはラジオの共同聽取
施設についてのことなんでありますが、北海道はこの点は
日本でも
最初にこういうことがやり出されたのでありまして、僻村の地におきまして、交通、
通信のはなはだ不便な地におきまして、北海道の自然の影響を受けて、非常に不幸なる生活を続けておる多くの人たちが、彼らみずからの苦悶と創造の結果編み出されたる共同聽取
施設、現在では二百七十七箇所の
施設を持
つております。これに加盟しておる戸数からいたしますると、三万四千七百七十一戸に及んでおる。実に北海道農村からこの問題を取上げるならば、北海道農村における文化
施設というものは、一切抹殺せられるというような重大問題です。しかるにもかかわらず
電気通信省は、この
施設が
電気通信省自体の
電話、
電信の
通信に支障を来すということで、何か
法律をつく
つて、これらの
施設に非常に大きな負担を農民に與えるような、また
簡單にこれの
施設ができないようなわくをはめるというような
状況に目下あるということで、農民の間におきましては重大な問題に
なつております。そこで農民の間から切実なる
要求として次の項目があげられておる。
第一、共同聽取
施設に伴う誘導
障害是正について、これは農村共同聽取
施設の不備のみに起因するのではなくて、諸
通信施設の不備によるところ少くない。すなわち彼ら自体の持
つている共同聽取の
施設の不備ばかりではなしに、
電気通信省自体の
施設に不備な点があるということによ
つて、そういうことが起るらしい。よ
つて原則として
国家の責任において
電信局、鉄道等の
施設を完備することによ
つて、
障害を是正せられたい。この
障害を設備不完全だということによ
つて、今日非常に苦しい立場にある農村に、これ以上の負担をかけるということは耐え切れない。これは
国家において当然みずからの不備な点は是正して行く、是正することによ
つて、今日
電気通信省でいわれるような
障害は是正される、こういうことです。もちろん農村側においても、共同聽取の
施設に起因するものは、極力これを是正することに目下も努めておる。しかしながら一方的に農村にのみ負担をさせるというがごときは、あまりに不親切なやり方である。
従つて先ほど申し上げましたよう熱意ある行動をと
つて、
予算でも十分と
つて、
国家的
施設がほんとうに完備しておれば、そんなものから受ける
障害というものは、私どもはないと信じておる。これらの点も
予算の受取りに対する当該
当局の、もつと露骨に言えば、当該
大臣の
政治力の不足がこういう点にまで悪影響を及ぼしておるということを、末端のことではありますけれども影響して来る。
従つて事務
当局が立案せられる
予算のごときは、
大臣が身をも
つてこれだけのものはと
つてくるというのでなければ、国務
大臣としての職責は全うできない、大いに御反省を願いたいという点。
第二は共同聽取
施設の漏話量について、これは札幌
電気通信局において、暫定措置として共同聽取
施設よりの漏話量を四十五DB、これはどういう意味なのか、專門語のようでよくわかりませんが、そういうことに保たせようとしておるのですが、これは嚴格に過ぎて、
施設の全面的改修をするということになるのです。とても現在の農村の
状況では、そんなことはできないのです。それですからこれは前に申し上げたことと関連して、最低の基準まで緩和してもらいたい。四十五DBという嚴格なる漏話量の
規定というのは困るということです。
第三点、
電信法の第三十七條によりこれを撤去するということ、誘導妨害はなはだしいものについては、
電信法に基いて撤去することも考えられているということ、札幌
電気通信局は暫定的の基準、これは前二項と関連して対処すべきものであ
つて、一方的に処理することには反対である。そんなことによ
つて撤去を命ぜられては困るというのです。そんな不親切なことをしては困る。敗戰後のあの混乱と窮乏の中にあ
つて、しかも雪の中の北海道にあ
つて、これだけの
施設をや
つておる。しかも
民間の
費用でや
つておるものを、多少の不備だからとい
つて、
電信事業に支障がある、漏話量があるということで、ただちに撤去するという血も涙もないやり方は、これはつかぬということです。これは官僚式の考え方であ
つて、断じて
日本の再建復興のためには百害あ
つて一利なし。その
民間のやることでも誘導して保育して行くというところに、監督官庁のありがたさがあるのであ
つて、官僚的な、一方的なやり方で、こういうことを彈圧するというがごとき態度に出て来るということは反対である。
第四、
電信法改正に伴う共同聽取
施設の許可、認可制についてです。既往の実績と本
施設の発達のために、今後は届出制にしてもらいたい。
簡單にや
つてもらいたいということです。
第五は、返信
通信装置の許可について、地理的に偏境かつ広大な北海道の農村においては、生産
施設としての意義もまた大であ
つて、農民は異常な関心と期待を寄せておるのであ
つて、返信
通信装置を許してもらいたい。これは必ずしも
電信法違反というようなきゆうくつな考え方でなしに、あるいは急病人があつたとか、火災が起つたとか、だれが聞いても一向さしつかえないような——秘密を要するようなことはこの返信では
なつておらぬのですから、その辺は
規則一点張りで縛りつけるというやり方では、今日の北海道の農村は立
つて行かぬ。ひとりこれは北海道の農村だけではなく、北海道におけるこれだけの実績は、内地の農村にも反映して参りまして、今日では北海道のまねをして、内地の僻村の地におきましては、漸次この
事業が拡大強化されつつある現状にかんがみて、これを保育して行くというところに重点を置いて、官僚式一方的感覚によ
つて彈圧を加え、撤廃を命ずるがごとき
状態は、はなはだ遺憾な点である、これについて
当局の親切なる御答弁か承りたい。