○福田(一)
委員 ただいまのお話によりますと、再評価をして、そうして定率法によ
つて減価
償却を一ぱいにやらなければならないという業者側の御
意見はよくわかるのであります。
電気事業のみから見たならば、私はご
もつともな
意見だと思う。しかし
公益事業であり、
公益事業委員会ができた使命から
考えてみましても、また
電気というものが国家の
産業と離るべからざる
関係にあることから
考えてみても、それだけの
理由をも
つてしては、他
産業との均衡とか、比較とか、あるいは他
産業への影響ということを無視してよいという
理由には私はならないと
考える。これを勘案してきめて行くのが、
公益事業委員会でなければならないと思うのであります。この意味において、私は
公益事業委員会が深甚なる考慮を払われることを切望いたすものであります。
そこできようは実は時間があればこういう問題も
もつといろいろ聞いてみたいのでありますが、時間がないから、要点だけを申し上げるのでありますが、その次に私ここで一点お伺いいたしたいと思うことは、一体二百五十億円ほどの減価
償却を今度は
電気事業でされなければならないとい
つておられるのでありますが、この減価
償却費と、
修繕費として
会社側から二百九十億円という金を出して来ておられる。この
修繕費が——二百五十億といたしてもよろしいのでありますけれ
ども、二十四年、二十五年度の実績を見ますと、
修繕費は予算が八十何億円、九十億円くらいにな
つておる。そういうように
電気業者の方からは出ておる。それが急に今度は三百億円近い
修繕費がいるということになると、これはやはり
世間の人が非常に疑問を持つのではないか。その点が明瞭でない。明瞭でないというのはどういうことかといえば、一体
修繕費というものはどういうものに充てているのであるか、またいわゆる減価
償却というものはどういう面に使うのであるかということがはつきりしておらない
ところに、この疑問が出て来ると思う。われわれの了承しておる
ところでは、昨年の八十何億の予算というものは、自発や配電の側の人が、官庁に対しまして、今の
ところは減価
償却もフルに行えないで、修繕さえできない。そういうような修繕というか、いわゆる減価
償却ができないので、
ほんとうの営業ができなくな
つて来ておる。だからどうしても
修繕費というものを認めてもらわなければ困ると言われて百四、五十億の
修繕費を要求された。当時お役所との間にどういうやりとりがあ
つたか私は知りませんけれ
ども、とにかくその結果として八十何億、九十億の
修繕費を使われた、こういうように了承しておる。それが急に今度は四倍内外まで上
つて来ているという
ところに
一つの疑問があるのでありまして、私はここで皆さんにその内容を全部
説明してどういう結果にな
つているかということをお伺いする意思はありませんけれ
ども、時間もないし、また
電気料金があすにでも上るということなら、それを明確にしていただきたいのでありますが、まだそういう時期まで来ておらないから、
修繕費と減価
償却との
関係はどうな
つておるかということを明確にしていただきたいと思います。こういう意味ではおそらくあなた方の方から的確な資料とか何かお出しにな
つて御
説明になるだろうと思いますが、どうかこの面をもう少しはつきりお調べを願いたい、かように
考えるものであります。
もう
一つは、その他
経費というのが出ておるのであります。これも二百何十億出ていると思います。この中には当然必要な
経費もたくさんあるのでありますけれ
ども、私は先ほど御答弁を承
つてお
つて、とにかく建設を大いにやらなければいけない、その場合には外資も導入しなければならないし、また国内において社債とか、あるいは将来は増資をはかるとか、いろいろなことがある。それには
会社の
事業を安定しなければならない、こういうこともお話があ
つたのですが、今までは
電気会社というものは配当されておらなか
つた。私はこれは非常にふしぎに
考えているのであります。大体
電気会社の資本金は、今の
ところは公称資本七十二億、その一割の配当をしても七億二千万円——私
どもは数字の魔術にかか
つてはならないのでありまして、た
つた七億二千万円の金を出すと一割の配当ができる。
ところが、ほかの
経費には二百億とか三百億というような金を出すような案が出てお
つて、そうして今建設をするために金が必要だというならば、こういうような配当の問題も取上げてちつともさしつかえないではないか。もし
電気会社の人が、
ほんとうにまじめに国家の重きをも
つて任じておられるならば、すなわち正しいことをしておるのだという自信を持
つておられるならば、主張すべき
ところは当然主張すべきである。だから配当なんかの問題も出して来てさしつかえないと思う。そういうことが出て来ない。いまさら
電気料金を上げて配当などとい
つたらへんだろう、怒られはしないか。しかし千億もの出入りのある中で、七億やそこらの配当があろうがなかろうが、それは大した問題でない。私はそういう面は
もつと大胆にな
つてもさしつかえないんじやないかと思う。これもひとつはつきりお
考えを願
つた方が——社債を募集するとか、今のように株価が四十円か四十五円であ
つては——しかも国家がこれに対して
公益事業だから補助してやるということにな
つておるなら、そういう必要もないでありましようが、国家は何にもこれを補助することはできません。何となれば、これは企業である。公営
事業とか、公社とかいうような
会社にしたわけでも何でもない。これはやはり一種の私企業である。
独占私企業である。そうして公益性を持
つた独占私企業ということになれば、これが将来の
日本の
産業のために、また
国民生活を向上させるために必要とあれば、こういう面も十分考慮されてよいではないか、遠慮しないでやられてよいじやないか、こういうふうに私は
考えます。
従つてそういうような
経費の内容というようなものも、もう少しはつきりお出しにな
つてはいかがかと私は
考えます。
もう
一つお伺いいたしたいことは、今までの
電気料金を見ますと、中小企業の工場で使
つておる
電力料金は、普通の電燈
料金よりもどうも高いようであります。これは数字が出ておりますが、片一方は五円五十銭ぐらいで、中小企業で使
つておるのは五円七、八十銭にな
つておると思う。こういうことはどうも少しおかしいことで、これは
電気業者の方にもう一ぺんお
考えを願わないと、
日本の
産業の中で中小企業が占める地位というものを
考えてみますと、もとより、ものによりましては、大きな資本を擁してやらなければ能率が上らないし、またできないものもありますけれ
ども、
日本から急に中小企業をなくしてしまうことはできない。こういう意味からい
つて、中小企業に対する
電力料金が、一般のわれわれが使う電燈
料金よりも高いというような統計が出て来ることはおかしなことではないかと
考える。これは皆さんもうすでにおわかりと思うけれ
ども、よくこの点をお調べに
なつた上で特に考慮をしていただきたいと思います。いずれにしましても、私まだまだ実はいろいろ御
質問申し上げたいことがあるのでありますが、きよういただきましたこの資料は、前に各
電力会社から出された資料でありまして、新しい
基準によ
つておつくりに
なつた資料はまだ出ておらないと思うのであります。これが出てからもう一ぺん検討をした方が私は
合理的であると思います。そういう意味において今度
電力会社の
基準に基いてお出しになる新しい資料はいつごろできるかということをひとつ承りたいと思います。